JP2009183780A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に様々な画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。一般的には、表示装置では変動表示ゲームが行われる。変動表示ゲームは、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に合計9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて表示される図柄等をスクロールさせ、そのスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄が予め定められた組み合わせとなっている場合に大当たりを発生させるものである。また、図柄等のスクロール中には、時として通常時よりも高確率で遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当たり後の特別遊技状態)となることを事前に示唆する興趣演出(例えばリーチ表示による演出等)が行われて、有利な遊技に対する期待感を遊技者に持たせる工夫もなされている。
ここで、興趣演出のパターンとして、複数回の変動表示にわたって特定の演出を連続的に実行する演出(以下、「連継演出」と称す。)を行う遊技機が知られている。この連継演出は、一般に、始動入賞時に有利な遊技状態への遷移が確定することを契機としてその確定以前に待機されていた変動表示に特定の演出を伴わせることにより行われる。この連継演出によって、遊技者には、1回の変動表示でなく、複数回の変動表示にわたって段階的に有利な遊技へ近づく興趣が付与される。連継演出を構成する特定の演出は、特定の表示(例えば、リーチ表示)を表示装置に表示したり、特定の効果音をスピーカから出力する等の様々な態様が用いられる。
しかしながら、上述したような従来の演出の場合、遊技者が有利な遊技状態への遷移を期待する変動表示が予め遊技者に特定されてしまい易いなどの問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が有利な遊技状態への遷移を期待する動的表示を予め遊技者に特定されてしまい難くすることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示装置と、その表示装置に表示される識別情報を用いた複数種類の動的形態に対応した複数の形態情報を記憶する形態記憶手段と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記形態記憶手段に記憶された形態情報を抽出する抽出手段と、その抽出手段により抽出された形態情報に基づいて前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる変動実行手段と、前記抽選手段により所定の抽選結果が導出された場合に第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替えられる変動入賞手段とを備え、前記所定の抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させ、前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与するものであり、前記形態記憶手段は、第1の表示変動を行う動的形態に対応する第1形態情報と、第2の表示変動を行う動的形態に対応する第2形態情報と、前記第1の表示変動および前記第2の表示変動を行う動的形態に対応する第3形態情報と、第4の表示変動を行う動的形態に対応する第4形態情報と、前記第4の表示変動を複数回行う動的形態に対応する第5形態情報とを少なくとも記憶し、前記抽出手段は、識別情報の動的表示のうち所定の始動条件の成立に対する動的表示において前記第1形態情報を抽出可能な第1抽出手段と、その所定の始動条件の成立の次の始動条件の成立に対する動的表示において第2形態情報抽出条件が成立している場合に前記第2形態情報を抽出可能な第2抽出手段と、識別情報の動的表示のうち一の始動条件の成立に対する動的表示において前記第3形態情報を抽出可能な第3抽出手段と、識別情報の動的表示のうち所定の始動条件の成立に対する動的表示において前記第4形態情報を抽出可能な第4抽出手段と、識別情報の動的表示のうち一の始動条件の成立に対する動的表示において前記第5形態情報を抽出可能な第5抽出手段とを有し、前記変動実行手段は、前記第1抽出手段による前記第1形態情報の抽出に基づいて前記第1の表示変動を行う動的形態を所定の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第1変動実行手段と、前記第2抽出手段による前記第2形態情報の抽出に基づいて前記第2の表示変動を行う動的形態をその所定の始動条件の成立の次の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第2変動実行手段と、前記第3抽出手段による前記第3形態情報の抽出に基づいて前記第1の表示変動および前記第2の表示変動を行う動的形態を一の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第3変動実行手段と、前記第4抽出手段による前記第4形態情報の抽出に基づいて前記第4の表示変動を行う動的形態を所定の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第4変動実行手段と、前記第5抽出手段による前記第5形態情報の抽出に基づいて前記第4の表示変動を複数回行う動的形態を一の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第5変動実行手段とを有し、前記第4変動実行手段によって実行される場合の第4の表示変動において使用される画像データおよび制御プログラムと、前記第5変動実行手段によって複数回実行される場合の第4の表示変動において使用される画像データおよび制御プログラムとは、共通の画像データおよび制御プログラムが使用される。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機である。
本発明の遊技機によれば、遊技者が有利な遊技状態への遷移を期待する動的表示を予め遊技者に特定されてしまい難くすることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機を用いて説明する。なお、本発明を他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、第1実施例のパチンコ機Pの遊技盤1の正面図である。遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)3が設けられている。
このLCD3の表示画面は上下方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ水平方向に複数の変動図柄10がスクロールして変動表示が行われる。変動図柄10には、「カメ」や「ジュゴン」などの生物を模したキャラクタと各キャラクタ毎に定められた「0」から「9」の数字とから構成される主図柄10aと、丸印で表示される副図柄10bとの2種類が設定されている(図4(a)参照)。変動表示中には、主図柄10aが上中下段の各表示領域に数字の大きさ順に表示されると共に、主図柄10aと副図柄10bとが交互に1つずつ順に表示され、各段のそれぞれに一連の変動図柄10による図柄リールが仮想的に形成される。変動表示は、その開始後に一定時間が経過すると、上段、下段、中段の順に変動が停止し、LCD3の表示画面の各段に3つずつ合計9個の変動図柄10が停止表示される。この停止時に、左、中、右の各縦ラインと対角線とで示される合計5本の当たりライン11上に、例えば、「3,3,3」や「6,6,6」などのように同じ数字が付された主図柄10aが3つ揃うと(予め定めた組み合わせとなると)、大当たりとなる。
LCD3の上方には、表面に「○」と「×」との普通図柄が表示された2つのLED6a,6bで構成された普通図柄表示装置6が配設されている。この普通図柄表示装置6では、遊技領域に打ち込まれた球がLCD3の両側に配設されたゲート7を通過した場合に、「○」と「×」とのLED6a,6bを交互に点灯させる変動表示が行われる。かかる変動表示が「○」のLED6aで終了した場合に当たりとなって普通電動役物4が所定時間(例えば0.5秒)開放される。
また、LCD3の下方には、図柄作動口(始動口、普通電動役物)4が設けられており、球がこの図柄作動口4へ入賞することにより、始動条件が成立して前記したLCD3の変動表示が開始される。また、LCD3の変動表示の最中に、球が新たに図柄作動口4へ入賞した場合、その入賞により取得された変動表示を即座に開始することはできないので、実行中の変動表示が終了するまで待機(保留)される。この待機された変動表示は、実行中の変動表示終了後に引き続いて行われる。待機され得る変動表示の最大回数は、パチンコ機Pの機種毎に決められるが、本実施例のパチンコ機Pでは、変動表示の待機回数(保留球数)が最大4回に設定されている。LCD3の上側には、4つの保留ランプ8a〜8dで構成される保留表示装置8が設けられており、保留球数は、その保留表示装置8によって遊技者に示される(図16参照)。保留表示装置8による保留球数の表示の詳細については後述する。
図柄作動口4の下方には、特定入賞口5(大入賞口)の開放状態と閉鎖状態とを形成する板とその板を前後に駆動して特定入賞口5を開閉させるソレノイド(図示せず)とを備える変動入賞装置が設けられている。この特定入賞口5は、LCD3の変動後の表示結果が、上記した予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
なお、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放され、その特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放されるパチンコ遊技機(いわゆる第3種パチンコ遊技機)においては、所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。
次に、図1および図2を参照して保留球数を表示する保留表示装置8について説明する。図2(a)は、図1のIIa−IIa線における保留表示装置8の断面図であり、図2(b)は、保留表示装置8を構成するLED82,83の斜視図である。図2(a)においては、図面を判り易くするために、保留表示装置8を構成する部材のうち主要な部材のみを表示し、一部を省略して示している。
図1に示すように、保留表示装置8は、LCD3の上側に左右方向に4つ並んで配設された4つの保留ランプ8a〜8dを備えている。4つの保留ランプ8a〜8dは、中央側の正面視略矩形状の2つの領域と左右両側の正面視略三角形状の2つの領域とにより合計4つの領域に区分けされた部位(回数表示部)を形成しており、この区分けされた各領域の点灯状態によって保留球数が示される。この保留表示装置8は、図2(a)に示すように、パチンコ機P(遊技盤1)の前面側(図2(a)の下側)に向けて突出した部分を有するカバー部材81と、そのカバー部材81の内側に内蔵された4個の保留LED82と、各保留LED82の右側に並べて1個ずつ配設された4個の補助LED83と、保留LED82及び補助LED83を含む素子をユニット化して支持する基板84とを備えている。
カバー部材81は、LED82,83の発光を拡散しつつ透過して保留球数を表示するための部材である。このカバー部材81は、4カ所が前面側に突出して形成されており、それぞれの突出した領域によって4つの保留ランプ8a〜8dが形成されている。カバー部材81の内面側(図2(a)の上側)には、LED82,83が、各突出部分に2つずつ割り当てられて配設されている。
かかるカバー部材81は、白色半透明な樹脂材料(例えば、ポリカーボネートやアクリル等)で形成されており、LED82,83に対向する内面側には多数の起伏が形成されている。この起伏によってLED82,83から発光された光は屈折して広範囲に拡散され、カバー部材81を透過したときに保留ランプ8a〜8dを形成する突出部分を略均一に発光させる。
カバー部材81の内面側に内蔵された8個のLED82,83は、赤色、緑色、青色の3色に各々発光する3つのダイオードを組み合わせて一体化した、いわゆるチップLEDで構成されている。このLED82,83は、図2(b)に示すように、矩形の箱状に形成された一面に発光色の異なる3種類のLED(素子)91〜93を配設すると共に、その3種類のLED91〜93に連結された6つの端子94を両端側から突出させたものである。各端子94を介してLED91〜93の通過電流を制御することにより、3種類のLED91〜93の発光状態を多様に組み合わせて白色を含めた多彩な発色が可能となっている。
8個のLED82,83は、各保留ランプ8a〜8dにおけるカバー部材81の内面左側に配設されて保留球数を表示するための保留LED82と、各保留ランプ8a〜8dの右側に配設された補助LED83とで構成されている。保留LED82は、左側から順に保留球数の数分だけ赤色に点灯されるものであり(図16参照)、遊技を行う遊技者は、保留LED82の点灯によって点灯状態となる保留ランプ8a〜8dの数を確認することにより、現状の保留球数を確認することができる。
補助LED83は、保留LED82によって表示される保留球数を遊技者が視認し難いように隠蔽するためのものである。この補助LED83は、通常時には消灯状態となっており、4個の補助LED83のすべてが、一定条件を満たした変動表示の変動開始から終了まで、継続して赤、緑、青の3色の光を組み合わせて虹色に発光する点滅状態となる。具体的には、点滅状態においては、LED91〜93の点灯するタイミングをずらしつつ、2色以上のLED91〜93が重複して点灯するように点滅させる。LED91〜93のうち発光中のLED91〜93の組み合わせによって保留ランプ8a〜8dが異なる色に変化しつつ発光し、結果として保留ランプ8a〜8dが虹色に発光する。赤色に点灯して保留球数を示す保留ランプ8a〜8dの点灯個数が、補助LED83が虹色に発光することにより、視認し難いものとなる。
図3は、パチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板Cと、その主制御基板Cの指令に基づいてLCD3等の演出制御を行う表示用制御基板D及び音声ランプ制御基板Lとの電気的構成を示したブロック図である。
パチンコ機Pの主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21が搭載されている。このMPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
ROM22には、LCD3に表示される図柄を用いた変動表示の変動形態(変動パターン)に対応した情報としての変動パターンコマンドを含む変動パターン決定テーブル22aが固定値データの一部として記憶されている。この変動パターン決定テーブル22aは、変動パターンの決定に使用するものであり、詳細については図5を参照して後述する。また、図8から図13に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部として、ROM22内に記憶されている。
RAM23は、保留球カウンタ23aと、内部乱数カウンタ23bと、リーチ乱数カウンタ23cと、連継演出乱数カウンタ23dと、大当たり図柄カウンタ23eと、ハズレ図柄カウンタ23fと、変動パターンカウンタ23gと、演出実行エリア23hと、演出実行1〜4メモリ23i〜23lと、カウンタ用バッファ23mと、継続変動フラグ23nとを備えている。
保留球カウンタ23aは、変動表示の待機回数(保留球数)に対応した値を回数情報として記憶するカウンタである。保留球カウンタ23aの値は、LCD3で変動表示が行われていない場合または変動表示が行われているが保留中の変動表示がない場合には「0」、保留中の変動表示が1回の場合には「1」、・・・、保留中の変動表示が4回の場合には「4」となる。本実施例のパチンコ機Pでは、変動表示の最大待機回数は4回であるので、保留球カウンタ23aの値は「0」から「4」の範囲で変化する。保留球カウンタ23aの値のカウントアップは、図柄作動口4へ入賞した球が始動口スイッチ27で検出された場合に行われ(図9、S23参照)、カウントダウンは、変動表示の開始時に行われる(図9、S30参照)。
ここで、MPU21には、電源断時においてもバックアップ電圧が供給されている。よって、停電などの発生によって電源がオフされても、MPU21のRAM23のデータは保持(バックアップ)される。従って、RAM23に設けられた保留球カウンタ23aの値(保留球数)は停電時においても保持され続けて、停電の解消後に残りの保留球数分の変動表示を引き続き行うことができる。また、RAM23には、賞球の払い出し残数も記憶されており、停電解消後に残りの賞球の払い出しも行うことができる。
内部乱数カウンタ23bは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、後述するカウンタ更新処理(図8、S14参照)によって、「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり599)に達した後に再び「0」に戻される。この内部乱数カウンタ23bの値は、遊技盤1の前面に打ち込まれた球が図柄作動口4へ入賞して後述する始動口スイッチ27で検出されたとき(始動入賞時)に取得され、このとき取得された内部乱数カウンタ23bの値が「7」または「315」であった場合に大当たりの発生が確定する。
大当たりの発生が確定すると、主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ大当たりとなる図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す停止図柄コマンド(指令)が送信され、表示用制御基板Dは、その停止図柄コマンドに基づいてLCD3の変動後の表示結果を大当たりとなる図柄の組み合わせとする。なお、遊技者に所定の遊技価値(特別遊技状態)を付与するか否かの抽選は、内部乱数カウンタ23bの値を取得する始動入賞時に行われ、抽選結果の確認は、内部乱数カウンタ23bの値に基づいて後述する表示コマンド決定処理におけるS54の処理で行われる(図11参照)。その確認において始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であれば、所定の遊技価値を付与する抽選結果の導出(当選)となる。
リーチ乱数カウンタ23cは、ハズレリーチの発生を決定するためのカウンタである。変動表示の途中でリーチ表示を現出させてからハズレとなるハズレリーチとするか、リーチ表示を現出させない通常のハズレとするかは、リーチ乱数カウンタ23cの値に基づいて決定される。リーチ乱数カウンタ23cの値は、後述するカウンタ更新処理(図8、S14参照)によって、「0〜15」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり15)に達した後に再び「0」に戻される。
このリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と同様に始動入賞時に取得され、前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値が「7」である場合にハズレリーチ抽選の当選となってハズレリーチの発生が確定する。ハズレリーチの発生時には、後述するカウンタ用バッファ23mに記憶されるハズレリーチ図柄(ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせ)が停止図柄コマンドに設定され(図11、S59参照)、そのハズレリーチ図柄が変動後の表示結果として現出する。
ここで、リーチ表示とは、LCD3において図柄の変動表示が開始された後、先に停留する上段と下段の表示領域に表示される変動図柄10(主図柄10a)の組み合わせが大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている中段の変動図柄10の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合わせを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の一種である。興趣演出には、変動表示の途中でLCD3の表示画面にリーチ表示に代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカ29から特定の音声を出力したり、或いは、図示しない操作ハンドルを振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。この興趣演出の一形態として、遊技者の期待感を段階的に盛り上げるために、大当たりが発生する前の複数回の変動表示にリーチ表示等の特定の表示を連続して(繰り返して)現出させる連継演出がある。
連継演出乱数カウンタ23dは、変動表示の途中で連継演出の一部を構成する連継表示を現出させるか否かを決定するためのカウンタである。連継演出は、大当たりの発生前に連続して行われる複数回の変動表示における各変動表示に連継表示を連続して現出させることにより、大当たりを発生させる変動表示より前に行われる変動表示から遊技者に大当たりの発生を前もって示唆する演出である。
ここで、図4を参照して、パチンコ機Pに設定された連継演出を構成する連継表示について説明する。図4は、連継表示を伴う変動表示におけるLCD3の表示画面を例示した図である。図4(a)は、変動開始前におけるLCD3の表示画面を例示した図であり、図4(b)は、変動開始後に、連継表示として設定された「背景点滅」の表示が行われた状態を示し、図4(c)は、図4(b)の直後の状態を示している。
変動表示の開始前には、図4(a)に示すように、複数の主図柄10a及び副図柄10bで構成される変動図柄10が変動表示後の停止状態となっている。「背景点滅」の表示を伴う変動表示が実行される場合には、複数の主図柄10a及び副図柄10bが左方へ移動を開始して変動表示が開始され、その開始後0.5秒が経過すると、LCD3の表示画面における背景3aが白く発光した(LCD3の輝度が高められた)状態(図4(b)の状態)と、背景3aが変動停止時と同一色(本実施例においては水色)となった状態(図4(c)の状態)とが交互に切り替わる点滅状態となる。かかる点滅状態は、0.5秒間継続してから復帰するものであり、この点滅状態が変動表示に伴った場合に連継表示の現出となる。本実施例のパチンコ機Pにおいては、この「背景点滅」の表示の繰り返しによる連継演出によって大当たりの発生が示唆される。なお、「背景点滅」の表示を伴わない変動表示においては、図4(b)の状態が介在しないで、即ち背景3aが発光することなく変動表示が行われる。
図3に戻って、連継表示の実行条件等について説明する。連継演出乱数カウンタ23dは、カウンタ更新処理(図8、S14参照)によって「0」から「255」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり255)に達した後に再び「0」に戻される。この連継演出乱数カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値等と同様に始動入賞時に取得され、連継演出乱数カウンタ23dの値が「7」である場合に開始される変動表示に対しては連継演出を構成する連継表示の実行抽選(選定)に当選したとして連継表示の現出が確定する。
大当たり図柄カウンタ23eは、大当たりのときにLCD3に停止表示される大当たり図柄(特別図柄)を決定するためのカウンタである。この大当たり図柄カウンタ23eは、後述するカウンタ更新処理(図8、S14参照)によって、「0〜44」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり44)に達した後に再び「0」に戻される。この大当たり図柄カウンタ23eの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cと共に始動入賞時に取得され、同時に取得された内部乱数カウンタ23bの値に基づいて大当たりの発生が確定すると、その大当たりを発生させる変動表示に対して停止表示される変動図柄10の組み合わせが大当たり図柄カウンタ23eの値に基づいて決定される。具体的には、この決定は、演出実行1〜4メモリ23i〜23lに同時に格納される大当たり図柄カウンタ23eの値に対応した変動図柄10の組み合わせ(大当たり図柄)を示す値を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタ23eの値と変動図柄10との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図11、S56参照)。
ハズレ図柄カウンタ23fは、ハズレ時にLCD3に停止表示される図柄の組み合わせ(ハズレ図柄)を決定するためのカウンタである。このハズレ図柄カウンタ23fは、各カウンタがLCD3の上段、中段、下段に表示される図柄に対応づけられた3つの図柄カウンタで構成されている。ハズレ図柄カウンタ23fは、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図8、S16参照)によって「0」から各段の図柄リールを構成する変動図柄10の数まで1ずつ加算されて更新され、最大値に達した後に再び「0」に戻される。また、下段の図柄カウンタが最大値に達した場合に中段の図柄カウンタが1加算されて更新され、中段の図柄カウンタが最大値に達した場合に上段の図柄カウンタが1加算されるようになっている。前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合における変動表示の停止図柄は、ハズレ図柄カウンタ23fの値に従ってLCD3に表示されるものであり、ハズレ図柄カウンタ23fの値を停止図柄コマンドに設定することにより行われる(図12、S66参照)。
変動パターンカウンタ23gは、LCD3に表示される図柄の変動パターンの決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜255」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり255)に達した後再び「0」に戻される。この変動パターンカウンタ23gの値は、変動表示の開始時に実行される表示コマンド決定処理(図9、S33参照)において参照される場合があり、この場合には、参照された変動パターンカウンタ23gの値に応じた変動パターンコマンドが図5に示す変動パターン決定テーブル22aから抽出され、表示用制御基板Dに送信される変動パターンコマンドの一部として設定される(図11のS55及びS58の処理、並びに、図12のS62の処理参照)。
演出実行エリア23hは、LCD3で実行中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、連継演出乱数カウンタ23d、大当たり図柄カウンタ23e、及び、ハズレ図柄カウンタ23fの値を変動表示のデータ(変動表示情報)として記憶するためのエリアである。この演出実行エリア23hには、LCD3で変動表示が実行中でなく、且つ、保留球カウンタ23aの値が「1」以上で保留中の変動表示がある場合に、保留中の変動表示のうち最初に書き込みが行われた演出実行1メモリ23iに記憶されている変動表示のデータが書き込まれる(図9、S31参照)。
演出実行1〜4メモリ23i〜23lは、保留中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、連継演出乱数カウンタ23d、大当たり図柄カウンタ23e、及び、ハズレ図柄カウンタ23fの値を変動表示のデータとして記憶するメモリである。この演出実行1〜4メモリ23i〜23lへの変動表示のデータの書き込みは、始動入賞時に実行される。また、本実施例における変動表示の待機回数は最大4回であるので、4つの演出実行1〜4メモリ23i〜23lが設けられている。これら4つの演出実行1〜4メモリ23i〜23lに保留中のデータがある場合には、1回の変動表示毎に1つずつ演出実行エリア23hにデータが書き込まれて使用される。
また、演出実行1〜4メモリ23i〜23lへの変動表示のデータの書き込みは、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに対して行われる。即ち、保留球カウンタ23aの値が「1」の場合には演出実行1メモリ23iへ、保留球カウンタ23aの値が「2」の場合には演出実行2メモリ23jへ、・・・、保留球カウンタ23aの値が「4」の場合には演出実行4メモリ23lへ変動表示のデータが書き込まれる(図9、S25参照)。
カウンタ用バッファ23mは、更新中のカウンタの値を一時的に記憶するための領域であり、上記した各カウンタ23b〜23fの値は、更新される毎にカウンタ用バッファ23mに書き込まれて記憶される。また、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図8、S16参照)によってハズレ図柄カウンタ23fの値が更新された場合に、ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値(カウント値)となったとき、そのカウント値をハズレリーチの発生時に使用する値として記憶する。具体的には、ハズレ図柄カウンタ23fを構成する上段の図柄カウンタと下段の図柄カウンタとが1のライン上に同一図柄を停止表示させるカウント値の組み合わせとなり、且つ、その図柄とは異なる図柄を中段の図柄カウンタが示している場合(例えば、上段、中段、下段の図柄の組み合わせが「7,6,7」や「1,5,1」などとなっている場合)に、ハズレ図柄カウンタ23fのカウント値がハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値としてカウンタ用バッファ23mに記憶される。
継続変動フラグ23nは、変動パターンカウンタ23gの値に基づいて決定された図柄の変動パターンを記憶するためのフラグである。この継続変動フラグ23nは、変動表示の開始時に選定された変動パターンが「前半パターン」であって、前半パターンによる変動表示(以下、「前半変動」と略す。)が行われるときオンされる(図13、S115参照)。また、継続フラグ23nがオンとなった状態で変動表示が開始されるとき、継続変動フラグ23nはオフされる(図13、S117参照)。かかる継続フラグ23nがオンの状態で開始される変動表示に対しては、変動パターンカウンタ23gの値に拘わらず「継続パターン」が変動パターンとして設定され(図13、S116参照)、「前半変動」の後には「継続パターン」による変動表示(以下、「継続変動」と略す。)が必ず行われる。「前半変動」と「継続変動」とは、2つの変動表示が連続して行われることにより一連の変動表示となるものであり、変動表示の内容詳細については図6及び図7を参照して後述する。
かかるROM22およびRAM23を内蔵したMPU21はバスラインを介して入出力ポート25と接続されており、入出力ポート25は、払出用モータ26によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示等の制御を行う表示用制御基板Dと、始動口スイッチ27と、そのほか、他の入出力装置30とにそれぞれ接続されている。
始動口スイッチ27は、図柄作動口(始動口)4に入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。始動口スイッチ27によって球が検出されると、払出制御基板Hの制御によって払出用モータ26が駆動され、5個の賞球が払い出される。また、始動口スイッチ27によって球が検出された場合には、内部乱数カウンタ23b等の値が取得され、その取得された値が変動表示のデータとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込まれて記憶される。
表示用制御基板Dは、1チップマイコンとしてのMPU31、ビデオRAM34、キャラクタROM35、画像コントローラ36、入出力ポート37、出力ポート38等を備えている。入出力ポート37の一方には、主制御基板Cの入出力ポート25と、音声ランプ制御基板Lとが接続され、入出力ポート37の他方には、バスラインを介してMPU31が接続されている。また、出力ポート38の入力には画像コントローラ36が接続され、出力ポート37の出力にはLCD3が接続されている。
表示用制御基板DのMPU31は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCD3の(変動)表示を制御するためのものであり、ROM32とRAM33とを備えている。ROM32には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。図14のフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32に記憶されている。
RAM33は、MPU31による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、保留球カウンタ33aと、連継フラグ33bと、演出実行エリア33cとを備えている。
保留球カウンタ33aは、変動表示の待機回数(保留球数)を記憶して音声ランプ制御基板Lを介して保留ランプ8a〜8dの点灯を制御するためのカウンタである。この保留球カウンタ33aは、始動入賞時に主制御基板Cから送信される始動入賞コマンドを表示用制御基板Dが受信した場合に「1」ずつ加算され(図14、S72参照)、変動表示の開始時に「1」ずつ減算される(図14、S76参照)。保留球カウンタ33aの値が更新されるときには、表示用制御基板Dは、音声ランプ制御基板Lへ保留球カウンタ33aの値を付加した点灯コマンドを送信し、音声ランプ制御基板Lは、その点灯コマンドの指示に従って保留LED82の点灯状態を更新し、保留ランプ8a〜8dの点灯個数を保留球数に一致させる。なお、表示用制御基板Dの保留球カウンタ33aの値は、主制御基板Cの保留球カウンタ23aと同期して「0」から「4」の範囲で変化するものであるので、必ずしも表示用制御基板Dに設ける必要はなく、主制御基板Cの保留球カウンタ23aの値を始動入賞時および変動開始時に毎回受信する構成としても良い。
連継フラグ33bは、連継演出の実行中であることを認識するために設けられたフラグである。この連継フラグ33bは、主制御基板Cから連継表示の現出を示す表示コマンドを受信した場合にオンされる(図14、S80参照)。この連継フラグ33bがオンされた場合には、点滅開始コマンドが音声ランプ制御基板Lへ送信され、音声ランプ制御基板Lは、その点滅開始コマンドの指示に従って4個の補助LED83すべてを点滅させる。補助LED83の点滅に伴って保留ランプ8a〜8dのすべてが点滅状態となり、遊技者にとって保留球数が視認し難い状態となる。この連継フラグ33bがオンである間、即ち、連継フラグ33bのオン状態で受信した表示コマンドが連継表示の現出を示すものであって連継演出が継続されている間は、保留ランプ8a〜8dの点滅状態が継続され、遊技者が保留球数を視認し難い状態となる。
連継フラグ33bのオン状態で主制御基板Cから受信した表示コマンドが連継表示の現出を示すものでなければ、連継フラグ33bはオフされる(図14、S83参照)。連継フラグ33bがオフされると点滅終了コマンドが音声ランプ制御基板Lへ送信され、音声ランプ制御基板Lの制御によって保留ランプ8a〜8d(補助LED83)の点滅状態が終了し、保留球数が視認し易い状態となる。
連継フラグ33bのオン状態で変動が停止し、保留球カウンタ33aの値が「0」となっているときには、変動停止後に引き続き行われる変動表示がなく、連継演出が継続されない。この場合には、連継フラグ33bがオフされると共に(図14、S90参照)、点滅終了コマンドが音声ランプ制御基板Lへ送信され、保留ランプ8a〜8dの点滅状態が終了する。
ここで、従来、大当たりの発生に基づく特別遊技状態等の有利な遊技状態への遷移確定以前に待機していた変動表示に特定の表示を連続して現出させる連継演出を行う遊技機が知られている。しかし、連継演出を構成する変動表示の最大回数は、始動入賞時における変動表示の待機回数に制限されるので、連継演出の発生の契機となって遊技者に期待を抱かせる変動表示が保留球数を表示する保留ランプ等によって遊技者に察知され易い。これに対し、本実施例のパチンコ機Pにおいては、連継演出の実行期間中には保留球数を示す保留ランプ8a〜8dがすべて点滅状態となり、遊技者が保留球数を視認し難くなるので、連継演出の発生の契機となった変動表示がその待機回数に基づいては察知され難くなる。つまり、連継表示が残り何回現出し得るかは、保留球数を知ることで推測可能となるが、その保留球数が認識し難い状況においてはその推測ができなくなるのである。よって、連継演出によって有利な遊技状態への遷移を期待させる変動表示が今回かもしれないという期待感を各回毎の変動表示で抱かせて、連継演出によって有利な遊技状態への遷移を期待させる変動表示の対象を増大することができる。
演出実行エリア33cは、主制御基板Cから送信される表示コマンドを受信した場合に、その表示コマンドによって示される変動パターン及び停止図柄に関するデータを記憶するためのものである。表示用制御基板Dが表示コマンドを受信すると、その表示コマンドを構成する変動パターンコマンドと停止図柄コマンドとが演出実行エリア33cに書き込まれ(図14、S75参照)、その書き込まれたデータに従って変動表示が行われる。
ビデオRAM34は、LCD3に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM34の内容を書き換えることにより、LCD3の表示態様が変更される。キャラクタROM35は、LCD3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリであり、このキャラクタROM35には、各変動図柄10の画像データ、各変動パターンの画像データその他のLCD3に表示される全画像に使用するデータが記憶される。表示用制御基板Dは、キャラクタROM35に記憶された画像データを使用して主制御基板Cから送信される表示コマンドに対応した変動表示をLCD3の表示画面に表示する。
画像コントローラ36は、MPU31、ビデオRAM34、出力ポート37のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM34に記憶される表示データをキャラクタROM35を参照して所定のタイミングでLCD3に表示させるものである。
音声ランプ制御基板Lは、スピーカ29から出力される効果音の音声制御と、保留ランプ8a〜8dを構成する保留LED82、補助LED83及びその他の各種ランプ28の点灯制御とを行うものである。音声ランプ制御基板Lは、表示用制御基板Dから送信されるコマンドによって制御されるので、表示用制御基板Dによって制御されるLCD3と、音声ランプ制御基板Lによって制御されるランプ28やスピーカ29等とは同期して制御され、変動表示や各種の演出が実行される。
音声ランプ制御基板Lには、1チップマイコンとしてのMPU41が設けられており、このMPU41によって、表示用制御基板Dから送信される制御用コマンドに基づいてランプ28やスピーカ29等の制御が行われる。MPU41は、ROM42とRAM43とを備え、ROM42には、MPU41により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。図15のフローチャートのプログラムおよび図16に示す各保留ランプ8a〜8dの点灯パターンに対応した情報(表示情報)は、制御に必要な情報としてROM42に記憶されている。RAM43は、MPU41による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリである。
次に、図5を参照して変動パターンの選定に使用する変動パターン決定テーブル22aについて説明する。図5は、変動パターン決定テーブル22aの構成を模式的に示した図である。パチンコ機Pには、変動パターンとして16種類の「ノーマルリーチ」と、16種類の「スーパーリーチ」と、3種類の「ハズレ変動」と、長続形態としての「長続パターン」と、区分形態としての「前半パターン」及び「継続パターン」との合計38種類の変動パターンが設定されている。まず、これら各変動パターンについて順に説明する。
ハズレ変動は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出するパターンであり、変動開始から停止までに要する変動時間が3種類に設定された「ハズレ変動1」、「ハズレ変動2」及び「ハズレ変動3」により構成されている。「ハズレ変動1」は、6秒の変動時間で行われるハズレ変動であり、この「ハズレ変動1」が変動パターンとして選定されると、LCD3に表示される上中下段の図柄リールが変動を開始した後、4秒後に上段の図柄リールの変動を停止し、その1秒後(変動開始の5秒後)に下段の図柄リールの変動を停止し、更に1秒後(変動開始の6秒後)に中段の図柄リールの変動を停止して変動表示の表示結果の現出となる。ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各形態を意味しており、本実施例においては、図柄の変動時間と、特定の図柄を伴わせるか否かを含む変動の態様とを定めるものとしている。変動表示中には、同一の変動パターンであっても表示用制御基板Dの制御によって前回の変動表示の表示結果(停止図柄)と、変動後の停止図柄とに応じて各変動表示毎にそれぞれ異なる図柄がLCD3にスクロールして表示される。
「ハズレ変動2」は、11秒の変動時間で行われるハズレ変動であり、上段の図柄リールが変動を停止するまでの時間が「ハズレ変動1」より長く設定されたものである。「ハズレ変動2」では、変動開始から9秒経過した時に上段の図柄リールが変動を停止し、その1秒後に下段の図柄リールが、更に1秒後に中段の図柄リールがそれぞれ変動を停止してリーチ表示を伴わないハズレの表示結果を現出する。この「ハズレ変動2」と「ハズレ変動1」とは、保留球カウンタ23aの値に応じていずれか一方のハズレ変動が選択的に選定される。具体的には、変動開始時における保留球カウンタ23aの値が「2」以上であって待機中の変動表示が2回分以上ある場合に限って短い変動時間(6秒)の「ハズレ変動1」が選定され、保留球カウンタ23aの値が「1」以下である場合には「ハズレ変動2」が選定される。
ここで、変動表示の待機回数(保留球数)が最大の4回となっている状態では、図柄作動口4への入賞があってもその入賞を保留できず、遊技者にとって無駄な始動入賞となってしまうので、始動入賞の発生しやすいパチンコ機においては変動時間を短くすることが要求される。一方、変動時間が短すぎて変動表示が途絶えると大当たりの期待が持続せず遊技者の遊技意欲が減衰するので、適度な変動時間の長さも必要である。本実施例のパチンコ機Pによれば、保留球カウンタ23aの値が所定数(本実施例においては「2」)以上である場合に限って短い変動時間の変動パターンが選定されるので、速やかに待機中の変動表示を消化して無駄な始動入賞を抑制しつつ、変動表示が途絶えて遊技意欲が減衰することを防止することができる。
変動パターンとしての「ハズレ変動3」は、上記した「ハズレ変動2」を2回連ねたパターン、即ち、「ハズレ変動2」による2回分の変動表示に対応する変動パターンであり、変動表示が変動表示の途中で一旦変動表示を停止して擬似的に停止図柄を現出し、変動表示の最後に変動表示の表示結果としての停止図柄を現出する。このため、遊技者にとっては変動表示の途中と最後との計2回、表示結果が表示されることとなる。「ハズレ変動3」の変動時間は、「ハズレ変動2」の2回分であるので、22秒となる。この「ハズレ変動3」が変動パターンとして選定されると、1の始動入賞に基づいて表示結果が2回表示されるため、遊技者には、変動表示を視認しただけでは、変動表示が2回行われたかの印象が付与される。
「ノーマルリーチ1」から「ノーマルリーチ16」(以下、適宜「ノーマルリーチ」と略す。)は、リーチ表示を伴ういわゆるノーマルリーチのパターンであり、変動表示の開始後、9秒後に上段の図柄リールの変動を停止し、その1秒後(変動開始の10秒後)に下段の図柄リールの変動を停止してリーチ表示を現出させ、その後中段の図柄リールを各パターン毎の変動時間に達するまでスクロールさせて停止する。リーチ表示現出後に中段の図柄リールがスクロールを停止するまでの態様は、各パターン毎に異なるものであり、特別な変化を加えることなく低速度で一定時間変動してから停止するパターンと、途中で1段階、又は、2段階に変動速度が段階的に減速された後に、変動を停止するパターンとされている。
「スーパーリーチ1」から「スーパーリーチ16」(以下、適宜「スーパーリーチ」と略す。)は、ノーマルリーチより演出時間が長く「魚群」や「泡」などをLCD3に表示させるいわゆるスーパーリーチのパターンである。これらのパターンにおいては、変動表示の開始後、9秒後に上段の図柄リールの変動を停止し、その1秒後(変動開始の10秒後)に下段の図柄リールの変動を停止してリーチ表示を現出させ、その後中段の図柄リールを各パターン毎の変動時間に達するまでスクロールさせて停止する。このスクロール中には、各パターン毎に設定されたキャラクタ(例えば、魚の群れや泡等)や背景表示(例えば、通常時には青色の背景を虹色に変化させる等)等の特定の表示を伴わせる。このスーパーリーチを構成するキャラクタ等が現出した後には高比率で大当たりへ遷移し、遊技者は、キャラクタ等の現出により大当たりの発生に期待感を抱くこととなる。
「長続パターン」、「前半パターン」及び「継続パターン」は、いずれも図6及び図7に示す変動表示が行われる変動パターンである。ここで、図6及び図7を参照して、これらの変動パターンについて説明する。「長続パターン」は、30秒の変動時間で行われる変動表示のパターンであり、変動表示の途中で一旦図柄を停止表示し、その後に図柄が再び変動を開始した後に図柄を再び停止表示する。この「長続パターン」は、上述した「ハズレ変動2」と同様にLCD3に表示された図柄の変動開始後、各段の図柄リールが順に停止するものであるが、「ハズレ変動2」に対して変動図柄10の背面側に大きなサメを模したキャラクタ10cの画像(以下、「サメ10c」と称す。)を変動途中でLCD3の表示画面に表示する(図6(b)参照)。サメ10cは、LCD3に表示された変動図柄10が停止表示した後も表示を継続する(図6(c)参照)。この変動開始から変動図柄10が停止するまでの前半部分の変動時間は、11秒となっている。
「長続パターン」における変動表示の後半部分では、サメ10cが、停止した変動図柄10のうち主図柄10aを食べてから(図6(d)参照)、気分よく泳いだ後にお腹が痛くなって(図7(a),(b)参照)、主図柄10aが吐き出されるアニメーションを19秒の変動時間で表示する。このため、「長続パターン」による変動表示は、11秒の前半部分と19秒の後半部分とを加えた30秒となっている(以下、この30秒間の変動表示を「長続変動」と称す)。また、変動後の表示結果を大当たりとする場合には同一種類の主図柄10aが3つ揃って停止するように吐き出されるアニメーションを表示し(図7(c)参照)、ハズレとする場合には、同一種類の主図柄10aが3つ揃わないで停止するように吐き出されるアニメーションを表示する(図7(d)参照)。
「前半パターン」による変動表示(前半変動)は、「長続パターン」における変動表示の前半部分である11秒の変動パターンと同一の態様を示すものである(図6(a)〜(c)参照)。また、「継続パターン」による変動表示は、「長続パターン」における変動表示の後半部分である19秒の変動パターンと同一の態様を示すものである(図6(d)及び図7(a)〜(d)参照)。このため、変動表示が「前半パターン」と「継続パターン」との順に行われると、2回分の始動入賞に基づいて「長続パターン」と同一の一連の変動表示として「長続変動」が行われる。この「長続変動」は、「長続パターン」による変動表示として1回分の始動入賞に基づいても行われるので、「長続変動」が実行されても、遊技者は、その変動表示が1回分の始動入賞に基づいて行われたのか、それとも2回分の始動入賞に基づいて行われたかを認識し得ない。
ここで、連継演出の実行期間中に保留球数を示す保留ランプ8a〜8dがすべて点滅状態となり、遊技者が保留球数を視認し難くなった状態においては、「長続変動」が実行されても、その変動に必要となった始動入賞の回数は遊技者が認識し得ない。サメ10cを出演させた一連のストーリー性を有する演出が行われるので、遊技者にはあたかも1回の始動入賞に基づく変動表示であるかの印象を抱かせる。このため、たとえ遊技者が常に保留ランプ8a〜8dを視認し続けて保留球数を認識していたとしても、連継演出中に遊技者が保留球数を視認し難くなってから実行を終えた変動表示の回数が推測し得なくなる。よって、連継演出の発生の契機となった変動表示を変動表示の内容に基づいても察知され難くして、連継演出中の各変動表示に対して大当たりの発生を期待させることができる。また、「長続変動」は、特定のキャラクタ(サメ10c)によるストーリー性を有する表示演出であるので、遊技者にはあたかも1回の始動入賞に基づく変動表示であるかの印象を抱かせることができる。
更に、サメ10cは、変動図柄10が停止表示したときにも継続して動作を続けるので、遊技者には、1回の始動入賞に基づく変動表示である印象を高め、前回の変動表示に継続して行われているかの疑心を違和感なく抱かせることができる。サメ10cは、大当たりの発生を図柄で示す変動図柄10を表示するLCD3に表示されるものであり、その変動図柄10の背面側に重ねて表示されるので、遊技者には、サメ10cのキャラクタを有する「長続変動」であることを見落とされることなく、確実に認識させることができる。よって「長続変動」による遊技性を確実に提供することができる。
なお、「長続変動」における「前半変動」と「継続変動」との間においては、サメ10cのキャラクタを必ずしも継続して動作させる必要はなく、変動図柄10を停止させたときに、同時に一旦停止させても良い。また、「長続パターン」及び「ハズレ変動3」に対する1回目の表示結果(停止図柄)は、表示用制御基板Dの制御によって決定され、2回目の表示結果が主制御基板Cのハズレ図柄カウンタ23fによって決定されたものとなる。表示用制御基板Dによる1回目の表示結果の決定は、主制御基板Cによって決定された停止図柄に対して所定数のカウンタ値を加算、若しくは、減算して行っても良く、主制御基板Cにおいてハズレ図柄を決定するためのハズレ図柄カウンタ23fと同一のカウンタとそのカウンタの値に基づいてハズレ図柄を決定する各処理とを表示用制御基板Dに設けて行っても良い。
次に、上記した各変動パターンの選定に使用する変動パターン決定テーブル22aについて説明する。変動パターン決定テーブル22aは、主制御基板CのROM22に記憶され、内部乱数カウンタ23bの値に基づいて大当たりを発生させる変動表示の変動パターンを決定するための大当たりテーブル22a1と、大当たりを発生させない変動表示の変動パターンを決定するためのハズレリーチテーブル22a2および連継ハズレテーブル22a3とから構成されている。ハズレリーチテーブル22a2は、ハズレリーチの実行抽選に当選した変動表示の変動パターンを決定するためのものであり、連継ハズレテーブル22a3は、連継表示の実行抽選に当選し、且つ、リーチ表示を伴わないハズレの変動表示の変動パターンを決定するためのものである。
大当たりテーブル22a1には、リーチ表示を伴う変動パターンに対して変動パターンカウンタ23gの値が区分けされている。具体的には、「0〜255」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23gの値は、図5に示すように、「ノーマルリーチ」に対して「0〜31」、「スーパーリーチ」に対して「32〜247」、「長続パターン」に対して「248〜255」に区分けされ、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」及び「長続パターン」の各変動パターンが4:27:1の比率に区分けされている。また、ハズレリーチテーブル22a2には、変動パターンカウンタ23gの値は、「ノーマルリーチ」に対して「0〜223」、「スーパーリーチ」に対して「224〜253」、「長続パターン」に対して「254,255」に区分けされており、3つに区分けした変動パターンが112:15:1の比率に区分けされている。
「ノーマルリーチ」と「スーパーリーチ」とは、いずれもリーチ表示を伴う変動パターンであって、大当たりテーブル22a1又はハズレリーチテーブル22a2のいずれかが変動パターンの選定に使用された場合に限って実行される。両テーブル22a1,22a2は、大当たり抽選、又は、ハズレリーチの抽選に当選した場合に限って使用されるため、リーチ表示を伴う変動パターンが選定された場合には大当たりへの遷移を期待させる変動表示(期待変動)が行われるので、遊技者には、リーチ表示の現出によって大当たりの発生を期待させることができる。一方、リーチ表示を伴わない変動表示(不利変動)においては大当たりは生じ得ず、遊技者は大当たりへの期待感を抱くことができない。なお、リーチ表示を伴わない変動パターンで大当たりを発生させるパターンを設けても良い。例えば、リーチ表示を伴わず上中下段に別々の図柄が停止した後に、再度図柄の変動が行われてから大当たりの表示結果を現出させる変動パターンを設けても良い。不利変動とは、大当たりへの遷移を期待させる特定の表示を伴わない変動を意味しており、不利変動が大当たりの表示結果を現出させるものであっても良い。
また、「ノーマルリーチ」は、ハズレリーチテーブル22a2の方が大当たりテーブル22a1より高比率で選定される一方、「スーパーリーチ」は、大当たりテーブル22a1の方がハズレリーチテーブル22a2より高比率で選定される。このため、変動パターンとして「スーパーリーチ」が選定された場合の方が、「ノーマルリーチ」より高比率で大当たりへ遷移することとなり、遊技者には、スーパーリーチを構成するキャラクタ等の現出により大当たりの発生に期待感を抱かせることができる。
連継ハズレテーブル22a3には、図5に示すように、38種類の変動パターンのうちリーチ表示を伴わないハズレ変動に対する変動パターンカウンタ23gの値が区分けされている。変動パターンカウンタ23gの値は、「ハズレ変動2」に対して「0〜127」、「ハズレ変動3」に対して「128〜255」に区分けされ、各変動パターンが1:1の比率に区分けされている。このため、連継表示の実行抽選に当選し、且つ、リーチ表示を伴わないハズレの変動表示に対しては、「ハズレ変動2」と「ハズレ変動3」とがそれぞれ50%の確率を伴ってランダムに選定される。
上記した各テーブル22a1〜22a3には、各変動パターン毎に「01h」から「26h」までの38の変動パターンを示す1バイトの値が設定されており、これら38の値が変動パターンカウンタ23gの値に対応して各テーブル22a1〜22a3に記憶されている。変動開始時には、変動パターンカウンタ23gの値に基づいて各テーブル22a1〜22a3における変動パターンを示す値が抽出され、変動パターンを指定するための変動パターンコマンドの下位バイトとしてセットされる。
なお、各テーブル22a1〜22a3には、「ノーマルリーチ」と「スーパーリーチ」とにおける各変動パターンを示す1バイトの値毎に変動パターンカウンタ23gの値が割り当てられるが、図5においては理解の容易のためにリーチの種類毎に大別して変動パターンカウンタ23gの値をまとめて示している。また、変動パターンコマンドのうち、「ハズレ変動1」に対応する値「21h」と、「継続パターン」に対応する値「26h」とは、変動パターン決定テーブル22aではなく、制御プログラムの一部として主制御基板CのROM22に記憶されている。これらの値は、主制御基板Cの処理の中で所定の抽出条件を満たす場合に変動パターンコマンドとして抽出される。更に、変動パターンカウンタ23gの値は、必ずしも上記した変動パターン決定テーブル22aに設定した比率に区分けする必要はなく、別の比率に区分けしても良い。また、変動パターンは、必ずしも上記した種類に限らず、上記したよりも少ないパターンとし、或いは、更に多くのパターンとして設定しても良い。
ここで、変動表示の制御のために主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドについて説明する。変動表示用の制御用コマンドは、変動パターンコマンドと、停止図柄コマンドと、確定コマンドとによって構成される。各制御用コマンドはそれぞれ2バイトで構成され、1バイト目の上位4ビットが各コマンドを識別するためのビットとして使用される。変動開始時には、変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを指定するための変動パターンコマンドと、停止図柄を示す停止図柄コマンドとが、変動表示の内容を指示する表示コマンドとして表示用制御基板Dへ送信される(図9、S34参照)。また、変動停止時には、確定コマンドが表示用制御基板Dへ送信され(図8、S13参照)、変動表示の表示結果としてLCD3の上中下段の図柄が確定停止する。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図8から図15の各フローチャートを参照して説明する。図8は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。メイン処理では、バックアップデータがある場合の復元や、RAMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う等の初期化処理(S11)を実行し、その後に、S12からS17の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。
始動入賞変動開始処理(S12)では、球が図柄作動口(始動口)4へ入賞したか否かを確認して変動表示の内容を設定すると共に、変動開始のタイミングであれば、変動表示を開始させる表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する。この始動入賞変動開始処理(S12)の詳細については図9を参照して後述する。
変動停止処理(S13)では、まず、大当たり中であるか否かを判定する。ここで、大当たり中には、大当たりの際にLCD3で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当たり中ではないと判定されると、リーチ表示の有無など変動表示の内容に応じて区分けした種別を表す変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する。この処理は、各変動パターン毎に設定された変動時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了していれば、変動の停止と確認のために制御用コマンドの1つである確定コマンドを表示用制御基板Dへ出力し、この処理を終了する。表示用制御基板Dは、確定コマンドを入力すると、LCD3の変動表示を停止表示(確定)させる。
カウンタ更新処理(S14)では、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、連継演出乱数カウンタ23d、大当たり図柄カウンタ23e、及び、変動パターンカウンタ23gの各カウンタの値を更新する。大当たり処理(S15)では、大当たりか否かを判定し、大当たりである場合には特定入賞口5(図1参照)の開放処理を行う。一方、大当たりでない場合には、該処理をスキップしてこの処理を終了する。特定入賞口5の開放処理では、球が入賞しやすいように特定入賞口5を所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放する。特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5aを通過すると、継続権を成立させて、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5を所定時間(又は、球が10個入賞するまで)開放する。この特定入賞口5の開閉動作を、最高で16回(16ラウンド)繰り返す。
ハズレ図柄カウンタ更新処理(S16)では、ハズレ図柄カウンタ23fの値を更新する。その後、次のS12の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S16)を繰り返し実行する。S12〜S15の各処理は定期的に実行する必要があるので、S17の処理において、前回のS12の処理の実行からの経過時間をチェックする(S17)。チェックの結果、前回のS12の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していれば(S17:Yes)、処理をS12へ移行する。一方、所定時間経過していなければ(S17:No)、処理をS16へ移行して、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S16)を繰り返す。ここで、S12〜S15の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS12の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用してハズレ図柄カウンタ更新処理(S16)を繰り返し実行することにより、ハズレ図柄カウンタ23fの値をランダムに更新することができる。
図9は、主制御基板Cのメイン処理(図8参照)の中で実行される始動入賞変動開始処理(S12)のフローチャートである。この始動入賞変動開始処理(S12)は、始動入賞の有無を確認して変動表示のパターンや停止図柄等の態様を選定すると共に、その選定された態様による変動表示を表示用制御基板Dを介してLCD3に行わせる処理である。
この始動入賞変動開始処理(S12)では、まず、始動口スイッチ27が球を検出したか否かを確認する(S21)。球を検出していれば(S21:Yes)、保留球カウンタ23aの値が「4」以上であるか否かを確認する(S22)。その値が「4」未満であれば(S22:No)、変動表示のデータが最大の待機回数分記憶されていないので、保留球カウンタ23aの値に「1」を加算した後(S23)、加算後の保留球カウンタ23aの値を付加した始動入賞コマンドを表示用制御基板Dへ送信する(S24)。
始動入賞コマンドは、2バイトのデータで構成され、始動入賞の発生を示す1バイト目のデータと、「1」から「4」の保留球カウンタ23aの値を示す2バイト目のデータとにより構成される。主制御基板Cからの制御用コマンドの送信は、図示しない主制御基板Cの送信バッファにコマンドが一旦書き込まれ、その書き込み順に表示用制御基板Dへ1バイトずつ送信される。
S24の処理後、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、連継演出乱数カウンタ23d、大当たり図柄カウンタ23e、及び、ハズレ図柄カウンタ23fの各値を変動表示のデータとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込んで記憶し(S25)、内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値の1つである「7」であるか否かを確認する(S26)。
S26の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値「7」であれば(S26:Yes)、演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動表示のデータを書き換えて、大当たりを発生させる変動表示と待機中の変動表示とに連継表示を現出させる演出実行メモリ書換処理を実行し(S27、図8参照)、処理をS28へ移行する。一方、S26の処理において内部乱数カウンタ23bの値が「7」以外の値であれば(S26:No)、演出実行メモリ書換処理(S27)をスキップして処理をS28へ移行する。
ここで、内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値としては、「7」と「315」との2種類があり、このうち「7」である場合に限ってS27の処理において変動表示のデータを書き換えて、大当たりを発生させる変動表示と待機中の変動表示とに連継表示を現出させる。よって、大当たりが発生する場合に必ずしも連継表示の現出が行われるとは限らないので、遊技者には、連継表示の現出がない場合であっても大当たりの発生を期待させることができる。
S21の処理において、始動口スイッチ27が球を検出していなければ(S21:No)、始動入賞の成立時でなく、また、S22の処理において保留球カウンタ23aの値が「4」以上であれば(S22:Yes)、最大待機回数分の変動表示のデータが記憶されているので、S23〜S27の処理をスキップして処理をS28へ移行する。
S28からの処理では、まず、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか否かを確認する(S28)。「1」以上であれば(S28:Yes)、変動表示中か又は大当たり中(所定の遊技価値が付与される特別遊技状態中)であるか否かを確認する(S29)。変動表示中でなく且つ大当たり中でもなければ(S29:No)、保留球カウンタ23aの値から「1」を減算して(S30)、演出実行1メモリ23iに記憶されて演出を実行するための変動表示のデータを演出実行エリア23hに書き込む(S31)。
次に、演出実行2〜4メモリ23j〜23lに記憶されている変動表示のデータを、演出実行1〜3メモリ23i〜23kへそれぞれ1つずつシフトする(S32)。更に、演出実行エリア23hに書き込まれたデータに基づいて変動パターンや停止図柄等の変動表示の内容を選定し、表示コマンドの内容を決定する表示コマンド決定処理を行い(S33、図9参照)、その表示コマンド決定処理(S33)により決定された表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S34)、この始動入賞変動開始処理(S12)を終了する。表示用制御基板Dは、S34の処理に基づいて送信される表示コマンドを、図14に示すコマンド受信処理で受信するとLCD3の表示を制御する各処理を実行する。
一方、S28の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」未満、即ち、「0」であることが確認された場合(S28:No)、及び、S29の処理において変動表示中か又は大当たり中であることが確認された場合には(S29:Yes)、S30からS34の処理をスキップして始動入賞変動開始処理(S12)を終了する。
次に、図10を参照して、始動入賞変動開始処理(S12)の中で実行される演出実行メモリ書換処理(S27)について説明する。演出実行メモリ書換処理(S27)は、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値「7」である場合に、その時点で変動表示のデータを書き換えて待機中の変動表示のすべてに連継表示を現出させる処理である。
演出実行メモリ書換処理(S27)では、まず、保留球カウンタ23aの値を退避し(S41)、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値を、連継表示を現出させる値である「7」に書き換える(S42)。この1回目の書き換えによって大当たりを発生させる変動表示に連継表示が現出することとなる。
次に、保留球カウンタ23aの値を「1」減算し(S43)、減算後の保留球カウンタ23aの値が「1」未満(つまり「0」)であれば(S44:No)、大当たり発生前に実行される待機中の変動表示がないので、S41の処理で退避した保留球カウンタ23aの値を元に戻して(S45)、この演出実行メモリ書換処理(S27)を終了する。
S44の処理において、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であれば(S44:Yes)、今回の大当たりを発生させる変動表示の前に行われる待機中の変動表示が1以上存在する。この場合には、処理をS42へ移行し、大当たりの変動表示前に行われる待機中の変動表示に連継表示を現出させるように演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶されたデータを書き換える(S42)。
S42の処理後は、再度、保留球カウンタ23aの値を「1」減算し(S43)、保留球カウンタ23aの値が「0」になるまで、S42からS44の処理を繰り返す。そして、減算された保留球カウンタ23aの値が「0」になると(S44:No)、S41の処理で退避した保留球カウンタ23aの値を元に戻して(S45)、この演出実行メモリ書換処理(S27)を終了する。
このように、演出実行メモリ書換処理(S27)では、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値「7」である場合、即ち、大当たりを発生させる始動入賞時に、S42の処理によって大当たりを発生させる変動表示と、その始動入賞時に待機中の変動表示のすべてに対応する演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値を、連継表示を現出させる値である「7」に書き換える。このため、大当たりを発生させる変動表示と、その前に行われる待機中の変動表示のすべてに対して連継表示が現出する。よって、待機中の変動表示が1以上ある状態で演出実行メモリ書換処理(S27)が実行されると、大当たりの発生前に連継表示が現出し、その後に大当たりを発生させる変動表示にも連継表示が現出するので、複数回の変動表示にわたって連継表示が連続して現出した後に大当たりとなって特別遊技状態へ遷移する。従って、特別遊技状態に対する期待感を複数回の動的表示にわたって現出する連継表示の現出によって継続して抱かせることができる。
なお、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値である場合に(図9、S26:Yes)、待機中の変動表示のすべてに対応する演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶されたデータを書き換えて連継表示を現出させる必要はなく、大当たりを発生させる変動表示の直前に実行される待機中の変動表示の少なくとも1つ以上に対する該データを書き換えて連継表示を現出させるものとしても良い。大当たり発生前に連継表示が連続して現出する回数は低減するものの、複数回の動的表示にわたって現出する連継表示の現出によって特別遊技状態に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であると確認された場合に(図9、S26:Yes)、そのすぐ後の処理で変動表示のデータを書き換えて連継表示を現出させる必要はなく、図9のS33に示す表示コマンド決定処理で変動表示の内容を選定するときに、待機中の変動表示のデータに大当たりを発生させるデータが含まれているか否かを確認し、その確認によって大当たりのデータが含まれているときに連継表示を現出させるように、連継表示の現出を選定する制御を行っても良い。
更に、大当たりを発生させる抽選に当選した場合に、その大当たり抽選に対する当選を一旦記憶し、待機中の変動表示の有無に拘わらず、2回以上の連継表示の現出を伴うハズレの変動表示を実行してから大当たりを発生させる変動表示を実行しても良い。また、大当たりを発生させる変動表示に対する変動パターンとして、1回の変動表示の中で、連継表示の現出を伴う2回以上のハズレの表示結果を仮想的に表示させた後に再変動を行う仮の変動表示を複数回行って、遊技者にはあたかも複数回の変動表示にわたって連継表示が現出しているかのような印象を持たせるものであっても良い。つまり、大当たりの発生前に連継表示が複数回の変動表示にわたって現出し易いように変動表示の内容を選定するものであれば良く、大当たりの発生前に連継表示が2回以上の動的表示にわたって連続して行われる頻度を高めることで、有利な遊技状態に対する期待感を複数回の動的表示にわたって継続して持たせることができる。
図11は、図9に示す始動入賞変動開始処理(S12)の中で実行される表示コマンド決定処理(S33)のフローチャートである。表示コマンド決定処理(S33)では、始動入賞時に取得された変動表示のデータに基づいて変動表示の内容を示す表示コマンドを決定する。
この表示コマンド決定処理(S33)では、まず、演出実行エリア23hに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値が連継表示を現出させる値である「7」であるか確認し(S51)、その値が「7」であれば(S51:Yes)、連継表示の現出を示すコマンド「C1h」を変動パターンコマンドの上位バイトに設定してから(S52)、処理をS54へ移行する。本実施例においては、表示コマンドを構成する変動パターンコマンドの上位バイトのうち、下位4ビットは、連継表示の現出を示すためのものであり、その下位4ビットの末尾(最下位ビット)をオンする(即ち、下位4ビットの値を「1」とする)ことにより連継表示の現出を示し、その末尾がオフの場合(即ち、下位4ビットの値を「0」とした場合)に連継表示の非現出を示す。表示用制御基板Dは、表示コマンドを受信した場合に、そのコマンドが連継表示の現出を示すものか否かを変動パターンコマンドのうち上位バイトの最下位ビットによって認識し、連継表示の現出が必要な場合に変動表示の開始後に連継表示としての「背景点滅」の表示(図4参照)を現出させる。
S51の処理において演出実行エリア23hに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値が連継表示を現出させる値でない場合には(S51:No)、連継表示の非現出を示すコマンド「C0h」を変動パターンコマンドの上位バイトに設定してから(S53)、処理をS54へ移行する。表示用制御基板Dは、表示コマンドが連継表示の現出を示すものでない場合には、連継表示を現出させない変動表示であることを認識し、「背景点滅」の表示(図4参照)を伴わせないで変動表示を実行する。
S54以降の処理では、演出実行エリア23hに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを判断する(S54)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S54:Yes)、大当たりを発生させる変動表示に対する変動パターンを選定するときであるので、大当たりテーブル22a1(図5参照)より変動パターンカウンタ23gの値に対応する変動パターンコマンドを選定する(S55)。更に、演出実行エリア23hに記憶された大当たり図柄カウンタ23eの値に対応した変動図柄10の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定して(S56)、「長続変動」の後半部分の変動パターンである「継続パターン」の設定を行う継続変動設定処理を実行する(S110)。継続変動設定処理(S110)の内容については、図13を参照して後述する。継続変動設定処理(S110)の後には、この表示コマンド決定処理(S33)を終了し、図7に示す始動入賞変動開始処理(S12)に処理を戻す。
S54の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S54:No)、演出実行エリア23hに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値であるか否かを判断する(S57)。その値がハズレリーチを発生させる値であれば(S57:Yes)、ハズレリーチテーブル22a2(図5参照)より変動パターンカウンタ23gの値に対応する変動パターンコマンドを選定する(S58)。更に、カウンタ用バッファ23mに記憶されたハズレリーチを構成する変動図柄10の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S59)、処理を継続変動設定処理(S110)に移行する。
S57の処理において演出実行エリア23hに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合には(S57:No)、リーチ表示を伴わないハズレ変動に対する変動表示の内容を設定するためのハズレ変動設定処理(S60)を実行した後、処理を継続変動設定処理(S110)に移行する。
ここで、図12を参照してハズレ変動設定処理(S60)について説明する。図12は、主制御基板Cの表示コマンド決定処理(S33)の中で実行されるハズレ変動設定処理(S60)のフローチャートである。このハズレ変動設定処理(S60)では、リーチ表示を伴わないハズレ変動に対する変動表示の内容を設定する。
まず、演出実行エリア23hに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値が連継表示を現出させる値「7」であるか確認する(S61)。その値が「7」であれば(S61:Yes)、連継ハズレテーブル22a3(図5参照)より変動パターンカウンタ23gの値に対応する変動パターンコマンドを選定し(S62)、処理をS66へ移行する。ハズレ変動設定処理(S60)は、大当たり抽選とハズレリーチの抽選とに共に当選しなかった変動表示に対して行われ、更に、S61の処理で連継表示を現出させると判断された場合に限って連継ハズレテーブル22a3より変動パターンコマンドが選定されるので、連継表示が現出する変動表示であってリーチ表示を伴わないハズレの変動表示の選定に際し、連継ハズレテーブル22a3を使用することができる。
S61の処理において演出実行エリア23hに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値が連継表示を現出させる値でない場合には(S61:No)、保留球カウンタ23aの値が「2」以上であるか確認し(S63:Yes)、その値が「2」以上であると判断されると(S63:Yes)、6秒の変動時間で行われる「ハズレ変動1」を示す変動パターンコマンドを設定する(S64)。一方、S63の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」以下であれば(S63:No)、「ハズレ変動2」を示す変動パターンコマンドを設定し(S65)、処理をS66へ移行する。これにより、保留球数が多い場合に限って短い変動時間でハズレ変動を行うことができ、遊技者にとって無駄になる始動入賞を抑制することができる。
S66の処理では、演出実行エリア23hに記憶されたハズレ図柄カウンタ23fの値を停止図柄コマンドに設定し(S66)、その後、ハズレ変動設定処理(S60)を終了し、処理を表示コマンド決定処理(S33)へ戻す。
図13は、図11の表示コマンド決定処理の中で実行される継続変動設定処理(S110)のフローチャートである。継続変動設定処理(S110)は、図6及び図7に示す「長続変動」の後半部分の変動パターンである「継続パターン」の実行を設定する処理である。
継続変動設定処理(S110)では、まず、継続変動フラグ23nがオンであるか判断する(S111)。継続変動フラグ23nがオフであれば(S111:No)、前回の変動表示として選定された図柄の変動パターンは「前半変動」でない。この場合には、今回変動を開始するために選定された変動パターンが「前半変動」であるか否かを判断する(S112)。「前半変動」であるか否かは、変動パターン決定テーブル22aより抽出された変動パターンの値を確認することにより行われる。
S112の処理において、今回の変動表示に対して選定された変動パターンが「前半変動」でないと判断された場合には(S112:No)、前もって選定された変動パターンを更新することなく、継続変動設定処理(S110)を終了する。一方、S112の処理において、選定された変動パターンが「前半変動」であると判断されると(S112:Yes)、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか判断し(S113)、その値が「1」以上でなければ(S113:No)、変動パターンコマンドの下位バイトを「長続変動」の実行を示す値である「24h」に更新し(S114)、この継続変動設定処理(S110)を終了する。
保留球カウンタ23aの値が「0」で待機中の変動表示が1つもない場合に、「前半変動」を開始してしまうと一連の「長続変動」による変動表示が「前半変動」のみで不完全な状態で途絶えてしまう。S114の処理において保留球カウンタ23aの値が「0」である場合に「前半変動」の変動パターンが選定されているときには、「前半変動」以外の変動パターンである「長続変動」を選定することにより、次回に「継続変動」を行うのに十分な状態で「前半変動」を行うことができ、不完全な変動表示の実行を防止して「長続変動」を最後まで確実に実行することができる。ここで、「長続変動」が3以上の変動パターンに区分けされ、「前半変動」の後に2以上の変動表示を実行して「長続変動」としても良く、この場合には、S113の処理において保留球カウンタ23aの値を残りの変動表示の回数分とする。
S113の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」以上である場合には(S113:Yes)、継続変動フラグ23nをオンし(S115)、この継続変動設定処理(S110)を終了する。継続変動フラグ23nのオンにより、変動パターンとして「前半パターン」が選定され、前半パターンに対応した値(26h)が変動パターンコマンドとして抽出されたことを主制御基板Cに記憶する。このため、次回の変動表示の開始時には主制御基板Cの制御によって「継続変動」を継続して実行することができ、「前半変動」、「継続変動」という予め定められた順序に従って「長続変動」を構成する変動パターンを選定することができる。
S111の処理において、継続変動フラグ23nがオンである場合には(S111:Yes)、前回の変動表示において「前半変動」が実行されているので、変動パターンコマンドの下位バイトを「継続変動」の実行を示す値である「26h」に更新し(S116)、更に、継続変動フラグ23nをオフして(S117)、継続変動設定処理(S117)を終了する。
図14は、表示用制御基板Dで実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、表示用制御基板Dにおいて主制御基板Cからコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって主制御基板Cから送信されたコマンドに予め対応付けされた処理が表示用制御基板Dで行われる。
このコマンド受信処理では、まず、始動入賞コマンドを受信したか確認する(S71)。始動入賞コマンドを受信していれば(S71:Yes)、図柄作動口4へ球が入賞したタイミングであるので、保留球カウンタ33aの値を「1」加算する(S72)。更に、保留球カウンタ33aの値を付加した点灯コマンドを音声ランプ制御基板Lへ送信し(S73)、音声ランプ制御基板Lの制御により保留ランプ8a〜8d(保留LED82)の点灯状態を更新させる。S71の処理において始動入賞コマンドを受信していなければ(S71:No)、始動入賞コマンド以外のコマンドを受信しているので、S72およびS73の処理をスキップして処理をS74へ移行する。
S74の処理では、表示コマンドを受信したか確認する(S74)。表示コマンドの受信でなければ(S74:No)、表示コマンドの受信時に実行する各処理をスキップして処理をS86へ移行する。表示コマンドの受信が確認されると(S74:Yes)、表示コマンドを構成する変動パターンコマンドと停止図柄コマンドとに基づいて停止図柄及び変動パターンを示すデータを演出実行エリア33cに書き込む(S75)。また、表示コマンドを受信した場合には変動表示を開始するタイミングであるので、保留球カウンタ33aの値を「1」減算すると共に(S76)、減算した保留球カウンタ33aの値を付加した点灯コマンドを音声ランプ制御基板Lへ送信し(S77)、音声ランプ制御基板Lに保留ランプ8a〜8dの点灯状態を更新させる。
S77の処理後、受信した表示コマンドが連継表示の現出を示すものか否かを確認し(S78)、連継表示の現出を示すものであれば(S78:Yes)、連継フラグ33bがオンであるか確認する(S79)。連継フラグ33bがオンでなければ(S79:No)、連継フラグ33bをオンし(S80)、連継演出が開始されることを記憶する。更に、点滅開始コマンドを音声ランプ制御基板Lへ送信して(S81)、音声ランプ制御基板Lに保留ランプ8a〜8dを点滅させて、遊技者が保留球数を視認し難いようにしてから、LCD3の表示を制御して変動表示を開始させる(S85)。このS85の処理によって、主制御基板Cが選定した変動パターンおよび停止図柄に基づいて変動表示が開始され、各変動パターンの変動時間が経過するまで図示しない処理によってLCD3の表示制御、ランプ28の点灯制御、スピーカ29の音声出力制御等が行われるが、一般的な処理であるのでその説明を省略する。
S79の処理において連継フラグ33bがオンであれば(S79:Yes)、連継演出の実行中であるので、S80及びS81の処理をスキップして処理をS85へ移行する。また、S78の処理において、受信した表示コマンドが連継表示の現出を示すものでなければ(S78:No)、連継フラグ33bがオンであるか確認する(S82)。連継フラグ33bがオンであれば(S82:Yes)、前回までの変動表示で連継演出が実行されており、今回の変動表示から連継表示を伴わない通常の演出を実行させるので、連継フラグ33bをオフすると共に(S83)、点滅終了コマンドを音声ランプ制御基板Lへ送信し(S84)、処理をS85へ移行する。S82の処理において連継フラグ33bがオフであれば(S82:No)、S83及びS84の処理をスキップして処理をS85へ移行する。
S86の処理では、確定コマンドを受信したか確認する(S86)。確定コマンドの受信が確認されると(S86:Yes)、変動表示を停止表示させて確定させ(S87)、連継フラグ33bがオンか確認する(S88)。連継フラグ33bがオンであれば(S88:Yes)、更に、保留球カウンタ33aの値が「0」か確認する(S89)。連継フラグ33bがオンであって、且つ、保留球カウンタ33aの値が「0」である場合には(S88,S89:Yes)、連継演出の実行された変動表示の終了時であるものの、その後に継続して実行される変動表示がない場合であるので、連継フラグ33bをオフすると共に(S90)、点滅終了コマンドを音声ランプ制御基板Lへ送信して(S91)、処理をS92へ移行する。S91の処理により、音声ランプ制御基板Lは、点滅終了コマンドに基づいて保留ランプ8a〜8dの点滅状態を終了させる。
S86の処理において確定コマンドの受信でない場合(S86:No)、S88の処理において連継フラグ33bがオフである場合(S88:No)、及び、S89の処理で保留球カウンタ33aの値が「0」でなく「1」以上であることが確認された場合には(S89:No)、上記したコマンド以外の他のコマンドの受信時に、受信したコマンドに対応するその他処理を行い(S92)、コマンド受信処理を終了する。
図15は、音声ランプ制御基板Lで実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、音声ランプ制御基板Lにおいて表示用制御基板Dからコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって表示用制御基板Dから送信されたコマンドに予め対応付けされた保留ランプ8a〜8dの点灯制御が音声ランプ制御基板Lによって行われる。
音声ランプ制御基板Lのコマンド受信処理では、まず、点灯コマンドを受信したか確認し(S101)、点灯コマンドを受信していれば(S101:Yes)、点灯コマンドに付加された保留球カウンタ33aの値を読み取り(S102)、その読み取った保留球カウンタ33aの値に応じた個数の保留LED82を点灯する(S103、図16(a)〜図16(e)参照)。S101の処理において、点灯コマンドの受信でなければ(S101:No)、S102及びS103の処理をスキップして処理をS104へ移行する。
S104の処理では、点滅開始コマンドを受信したか確認し(S104)、点滅開始コマンドを受信していれば(S104:Yes)、4個の補助LED83をすべて点滅させて(S105)保留ランプ8a〜8dを虹色に点滅させ、遊技者が保留球数を視認し難い状態とする(図16(f)の状態)。この点滅状態はS107の補助LED83を消灯する処理が行われるまで継続する。S104の処理において、点滅開始コマンドの受信でなければ(S104:No)、S105の処理をスキップして処理をS106へ移行する。
S106の処理では、点滅終了コマンドを受信したか確認し(S106)、点滅終了コマンドを受信していれば(S106:Yes)、4個の補助LED83をすべて消灯し(S107)、保留ランプ8a〜8dの点滅状態から遊技者が保留球数を視認し易い状態に復帰させる。S106の処理において、点滅終了コマンドの受信でなければ(S106:No)、S107の処理をスキップし、処理をS108へ移行する。S106の処理において、点滅開始コマンドの受信でなければ(S106:No)、S105の処理をスキップして処理をS106へ移行する。
S108の処理では、上記した点滅コマンド、点滅開始コマンド、及び、点滅終了コマンド以外の他のコマンドの受信時に、その受信したコマンドに対応するその他処理を行い(S108)、コマンド受信処理を終了する。
このように、音声ランプ制御基板Lのコマンド受信処理では、点灯コマンドを受信した場合に、S103の処理によって表示用制御基板Dの保留球カウンタ33aの値に応じた個数の保留LED82を点灯状態にする。点灯コマンドは、保留球数が更新される毎に表示用制御基板Dから送信されるので、保留LED82の点灯状態を、常に保留球数に対応した個数分だけ点灯させることができる。
また、音声ランプ制御基板Lのコマンド受信処理では、点滅開始コマンドを受信した場合に、保留ランプ8a〜8dを構成する4個の補助LED83をすべて点滅状態にし、その点滅状態は、点滅終了コマンドを受信するまで継続される。点滅開始コマンドは、連継表示を伴う変動表示の開始時に表示用制御基板Dから送信され、点滅終了コマンドは、連継表示を伴う変動表示の終了時に送信されるので、連継表示を伴う変動表示が複数回の変動表示にわたって連続して実行される期間(連継演出の実行期間)中には、継続して保留ランプ8a〜8dを虹色に点滅させることができる。
次に、上記した第1実施例のパチンコ機Pにおける連継演出による遊技性について、図16を主に参照して説明する。図16は、保留ランプ8a〜8dの点灯状態を保留球数毎に例示した図である。
遊技の開始時には、待機中の変動表示が全くなく、保留球数が「0」の状態である。この場合には、図16(a)に示すように、保留ランプ8a〜8dは、すべて消灯状態となっている。遊技者が遊技を行うことにより、図柄作動口4(図1参照)へ球が入賞すると変動表示が開始され、その変動表示の実行中に更に図柄作動口4への入賞があると、保留球数(変動表示の待機回数)が増加する。保留球数が増加すると、音声ランプ制御基板Lの制御により、その増加に応じた個数分だけ保留ランプ8a〜8dが点灯し、図16(b)から図16(d)のいずれかに示す状態となる。一方、保留ランプ8a〜8dが1つ以上点灯した状態で変動表示が終了すると、点灯中の保留ランプのうち一番右側の保留ランプが1個消灯され、1回分の保留球数の消化となって変動表示が引き続いて行われる。
また、連継表示を伴う変動表示の開始時においては、連継表示としての「背景点滅」の現出前に、図16(f)に示すように、保留ランプ8a〜8dを構成する4個の補助LED83がすべて点滅状態となる。遊技者にとっては、保留LED82の点灯に基づいた保留球数の視認が難しくなる。この点滅状態は、連継表示が複数回の変動表示にわたって実行されている間は継続するので、遊技者にとっては、連継演出の実行期間中には継続して保留球数の視認がし難くなる。
連継演出を構成する連継表示は、図11に示すS59の処理によって、演出実行エリア23hに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値が「7」であるという条件を満たした場合に現出する。連継演出乱数カウンタ23dは、「0〜255」の範囲内で更新されるものであり、始動入賞時に256分の1の確率で「7」の値が取得されるので、始動入賞時に「7」の値が連続して取得され、連継表示が複数回の変動表示に連続して現出することは少ない。
一方、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値「7」である場合には(図9、S26:Yes)、演出実行メモリ書換処理(S27)によって、その大当たりを発生させる変動表示と、待機中の変動表示のすべてとに対応する演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された連継演出乱数カウンタ23dの値が、連継表示を現出させる値「7」に書き換えられる。このため、大当たりを発生させる変動表示の前に行われる待機中の変動表示のすべてに対して、変動開始後にLCD3の背景3aが点滅する「背景点滅」が現出する。その後に大当たりを発生させる変動表示が実行されるときにも「背景点滅」が現出するので、遊技者は、変動表示に「背景点滅」が現出することを視認することにより、次回以降にも「背景点滅」の現出を期待して前もって大当たりへの遷移を期待することができる。
ここで、従来の遊技機においても、始動入賞時に大当たりの発生が確定した場合に、その確定以前に待機中の変動表示にハズレリーチを毎回現出させたり、特定のキャラクタ(例えば、「恐竜」)の表示を毎回現出させる制御を行って連継演出を実行するものがある。しかし、かかる遊技機において、連継演出を構成する特定のキャラクタ等が大当たりの発生が確定する以前に待機中の変動表示の回数分を限度に行われることを遊技者が知ってしまうことがある。遊技者は、連継演出を構成する特定のキャラクタがLCDに表示された場合に、保留ランプで変動表示の待機回数を確認し、その時点で待機中の変動表示のうち最後の変動表示にのみ期待して遊技を行うことがあり、この場合、最後の変動表示に到達するまでの途中の変動表示が遊技者にとって消化的なものとなり、大当たりの発生を期待する対象となる変動表示が少なくなってしまうという問題点があった。
これに対し、本実施例のパチンコ機Pにおいては、連継表示としての「背景点滅」の現出を伴う変動表示の実行中には、保留ランプ8a〜8dが虹色に点滅して遊技者が保留球数を視認し難い状態となるので、遊技者は、「背景点滅」の現出を視認してから保留球数を簡単には確認できなくなる。よって、遊技者は、実行中の変動表示が連継演出を構成する最後の変動表示かもしれないという期待をもって変動表示を視認することとなる。従って、連継演出の開始以降の各回の変動表示に期待を持って遊技を行うことができると共に、連継演出を構成する変動表示が積み重なるにつれて、より大きな期待感を抱くことができる。即ち、連継演出中に保留ランプ8a〜8dを視認し難いようにすることで、連継演出の発生の契機となった変動表示が察知され難くなり、連継演出の実行中における変動表示毎に遊技者に特定の遊技状態への遷移を期待させることができ、連継演出によって有利な遊技状態への遷移を期待させる変動表示の対象を増大することができるのである。従って、連継演出を構成する途中の動的表示の内容を選定する処理が無駄にならず、複数回の動的表示にわたって有利な遊技へ近づく連継演出を活用することができる。
また、図5に示す連継ハズレテーブル22a3には、連継表示としての「背景点滅」の現出を伴う変動表示に対する変動表示の変動パターンを示す値として、「長続パターン」に対応した値と、「長続パターン」を区分した各部分と同一の態様を示す「前半パターン」と「継続パターン」とに対応した複数の値とが記憶される。1の始動入賞が始動口スイッチ27に検出され、変動パターンコマンドとして「長続パターン」に対応した値が主制御基板Cで行われる表示コマンド決定処理(S33)により抽出されると、「長続変動」が表示用制御基板Dの制御に従って行われる。また、連続する2回の始動入賞が始動口スイッチ27によって検出され、「前半パターン」と「継続パターン」とに対応した複数の値が変動パターンコマンドとして抽出された場合にも「長続変動」が行われる。「長続変動」は、複数種類の始動入賞の回数に基づいて実行されるので、変動パターンによっては変動表示の実行回数が認識し難くなる。このため、たとえ遊技者が常に保留ランプ8a〜8dを視認し続けて保留球数を認識していたとしても、連継演出中に遊技者が保留球数を視認し難くなってから実行を終えた変動表示の回数が推測し得なくなる。よって、連継演出の発生の契機となった変動表示が変動表示の内容に基づいても察知され難くして、連継演出中の各変動表示に対して大当たりの発生を期待させることができる。
また、「長続パターン」は、変動表示の表示結果としての変動図柄10の組み合わせを変動表示の途中と最後との2回現出するパターンであり、「前半パターン」と「継続パターン」とは、1の始動条件の成立に基づいて変動表示の表示結果を1回ずつ現出するパターンで構成されている。このため、1回の始動入賞に応じて必ず1回の表示結果を現出し、「前半パターン」による変動表示が行われる場合であっても、内部乱数カウンタ23bによる抽選結果に基づいた表示結果を始動入賞毎に現出させることができる。よって、始動入賞に基づいた抽選に対する表示結果を遊技者に確実に示して遊技者の不信感を低減することができる。なお、「長続パターン」は、上記したように必ずしも複数回の表示結果を現出させるものとする必要はなく、「前半パターン」としての表示結果の現出はなく、「継続パターン」にのみ表示結果を現出させるものとしても良い。
更に、「前半パターン」による変動表示は、変動図柄10が左方にスクロールして開始されるのに対し、「継続パターン」による変動表示は、サメ10cが変動図柄10(主図柄10a)を食べるアニメーションから開始される。つまり、「継続パターン」は、「前半パターン」とは変動表示を開始する態様を異ならせた変動パターンである。このため、変動表示を視認する遊技者に対しては、変動表示の表示結果が現出した後に「継続パターン」による変動表示が行われた場合に、あたかも前回の変動表示が継続しているかの疑心を抱かせることができ、連継演出の発生の契機となった変動表示を一層判り難くすることができる。
また、本実施例のパチンコ機Pにおいては、連継表示としての「背景点滅」の現出を伴う変動表示であってリーチ表示を伴わないハズレ変動に対しては、図5に示す連継ハズレテーブル22a3によって、1の始動入賞に基づく変動表示のパターンとして、表示結果を1回だけ現出する通常形態としての「ハズレ変動2」と、変動表示の途中で擬似的に表示結果を現出し、変動表示の最後に(真の)表示結果を現出する増殖形態としての「ハズレ変動3」とから変動パターンが選定される。遊技者にとっては、変動表示の表示結果は、変動表示の待機回数に対してその待機回数以上に変則的に現出し得るものとなる。
例えば、待機中の変動表示が4回である場合に4回目に大当たりが発生するときには、その大当たり発生前の3回の変動表示が最大で各2回ずつ表示結果が現出し得る。このため、「背景点滅」の現出を伴う変動表示の開始後の4回から7回までのいずれかの表示結果によって大当たりが発生することとなり、表示結果の現出回数からは変動表示の実行回数が認識し得なくなる。よって、「ハズレ変動3」の実行によって1回の始動入賞によってあたかも待機中の変動表示が2回行われたかのような印象を遊技者に抱かせるので、連継演出の開始時に待機されていた変動表示が擬似的に増加もするし、「長続変動」の実行によって減少もし得る。従って、遊技者は連継演出の発生の契機となった変動表示を全く察知し得ず、連継演出中の変動表示の全てに期待感を抱く遊技を満喫することができる。
ここで、従来においても1回の変動表示の中で表示結果を複数回現出させる遊技機が知られている。この種の遊技機においては、1回の変動表示の演出の一態様として複数回の表示結果を現出する演出が設定されており、変動表示の実行回数を認識し難いようにするためとは作用、効果が全く異なる。また、従来の遊技機においては、保留球数を表示するための保留ランプ等は、変動表示の待機回数、その開始と終了、その進行状況等を確認するために必要不可欠であって、遊技者に保留球数を判り難くして1回の変動表示の中で複数回の表示結果が現出することに何ら有利な点がないように考えられる。これに反して、本実施例のパチンコ機Pは、保留球数を遊技者が視認し難い態様に変化させる構成を備えた上で、更に、変動表示の実行回数を認識しにくくするために1回の変動表示で複数回の表示結果を現出させるものであり、これらの各構成によって連継演出中における大当たりへの期待感が各段に高められると共に、従来にはない新たな遊技性を生じさせている。
更に、増殖形態としての「ハズレ変動3」は、「ハズレ変動2」による2回分の変動表示に対応する変動パターンであるので、連継演出中に実行されているハズレ変動が、「ハズレ変動3」によるのか、それとも「ハズレ変動2」によるのかは、変動表示を視認するだけでは識別し得ず、連継演出中における待機中の変動表示の進行状況を一層判り難くすることができると共に、表示用制御手段Dによる変動表示の制御において「ハズレ変動2」の制御をそのまま「ハズレ変動3」の制御に活用することができる。例えば、「ハズレ変動2」と「ハズレ変動3」に用いる画像データを共通化してROMの記憶容量に余裕を持たせたり、変動表示中における制御プログラムの一部又は全部を共通化することができ、変動表示の制御に必要なプログラムやデータの容量を少なくしてROM容量に制限のあるハードウェアに対応させ易くすることができる。
しかも、増殖形態としての「ハズレ変動3」は、リーチ表示を伴わないハズレ変動による2回分の変動表示に対応するパターンである。増殖形態による変動表示を行わせる場合に、リーチ表示を伴わせる変動を連続させてしまうと、1回の始動入賞に対して複数回の変動表示が行われていることが悟られやすく、連継演出中の変動表示の進行状況が推測されるおそれがある。ハズレ変動は、大当たり抽選とハズレリーチの抽選とに当選しなかった場合に行われる変動であって最も多く実行されるものであるので、このハズレ変動を連続して行わせても遊技者には違和感を抱かせ難い。よって、変動表示の進行状況を一層判り難くすることができる。
また、図11のS52の処理によって演出実行エリア連継表示の現出を示すコマンドが変動パターンコマンドとして選定されると共に、図11のS57の処理によってハズレリーチの抽選に当選したと判断されてハズレリーチに対応した値が変動パターンコマンドとして選定されると、連継表示の現出を伴うハズレリーチに対応した変動パターンが選定される。ここで、従来の遊技機においては連継演出の発生時に保留ランプ8a〜8dを視認して特定の変動表示の実行時期が推測されてしまうとそれ以前の変動表示でリーチ表示を伴うハズレリーチが実行されてもその期待感は希薄なものとなりがちであった。これに対し、連継演出中に保留ランプ8a〜8dが視認し難くなると、遊技者は、各変動表示毎に連継演出発生の契機となった特定の変動表示であるかの疑心を抱いて変動表示を視認するので、たまたまハズレリーチが選定された変動表示であっても、遊技者には、その変動表示の実行中に特定の変動表示であることを強く期待させ、特別遊技状態への遷移を意識させることができる。よって、従来には遊技者にとってあまり期待が持てなかった連継演出中のハズレリーチが有効に活用され、変動表示の待機回数が視認し得る状態で実行される連継演出に対する一層の差別化を図ることができる。
また、増殖形態としての「ハズレ変動3」は、図11のS57の処理によってハズレリーチの抽選に当選しなかったと判断された場合に限ってハズレ変動設定処理(S60)によって選定される一方、ハズレリーチの抽選に当選した場合には、ハズレリーチを実行させる処理(S58及びS59の処理)が行われ、増殖形態としての「ハズレ変動3」が選定されない。よって、ハズレリーチの実行比率は、リーチ乱数カウンタ23cの値に基づく抽選条件に従わせつつ、連継演出中における増殖形態の選定による遊技性を提供することができる。なお、必ずしもハズレリーチの抽選に当選した場合に「ハズレ変動3」を全く選定しないようにする必要はないが、ハズレリーチの抽選に当選しなかった変動表示より「ハズレ変動3」を高比率で選定することが好ましい。「ハズレ変動3」が選定されすぎて、ハズレリーチの抽選条件に対して実行比率に差が生じることを抑制することができる。
更に、増殖形態としての「ハズレ変動3」は、図12のS61の処理によって連続表示を現出させる変動表示であると判断された場合に限って図12のS62の処理によって選定される一方、連続表示を現出させない変動表示に対しては選定されない。増殖形態は、待機中の変動表示が消化されずに表示結果が現出するパターンであるので、1の表示結果が現出される毎に変動表示の消化が行われる一般のパチンコ機とは異なるために遊技者に違和感を抱かせ易い。これに対し、本実施例のパチンコ機Pでは、連続表示を現出させる変動表示であると判断された場合に限って増殖形態が選定されるものであり、連続表示の現出する変動表示においては遊技者が保留球数を視認し難い状態となっているので、増殖形態による変動表示が行われても遊技者に違和感を抱かせ難い。また、遊技者が保留球数を視認し易い変動表示の実行中には増殖形態による変動表示が行われないので、一般のパチンコ機と同様の遊技性となって遊技者に違和感を抱かせ難いものとすることができる。なお、必ずしも遊技者が保留球数を容易に視認し得る変動表示に対して「ハズレ変動3」を全く選定しないようにする必要はないが、遊技者が保留球数を視認し難い変動表示より「ハズレ変動3」を高比率で選定することが好ましい。「ハズレ変動3」の選定によって遊技者に違和感を抱かせる機会を少なくすることができる。
しかも、本実施例のパチンコ機Pは、保留球数が多い場合に限って短い変動時間による「ハズレ変動1」を変動パターンとして選定して遊技者にとって無駄になる始動入賞を抑制する処理を行うが、それら処理は、連続表示を現出させる変動表示に対してはスキップされる。保留球数が所定数(本実施例においては「2」)以上であるか否かによって変動パターンを切り替えると、遊技者が保留球数を視認し難い状態としても、変動表示の変動時間によって保留球数が特定されてしまう。これに対し、本実施例のパチンコ機Pは、保留球カウンタ23aの値に応じてハズレ変動の変動時間を切り替える各処理(図12のS63からS65の処理)を、図12のS61の処理によって連続表示を現出させる変動表示であると判断された場合にスキップする。よって、遊技者は、変動表示の実行時間に基づく変動表示の待機回数を推測し得ず、連継演出の発生の契機となった動的表示を特定し難くすることができる。
なお、連続表示を現出させる変動表示に対してハズレ変動の変動時間を切り替える各処理を必ずしもスキップさせる必要はない。連続表示を現出させる変動表示に対しては、連続表示を現出させない変動表示より、保留球数に応じて変動表示の変動時間を切り替える処理を低減させるものであれば良い。遊技者に、変動表示の実行時間に基づく変動表示の待機回数を推測し難くすることができる。
また、パチンコ機Pにおいて、連継表示としての「背景点滅」の現出は、必ずしも表示させる必要はなく、補助LED83を点滅させることによる保留ランプ8a〜8dの点滅を連継表示の現出としても良い。遊技者は、保留ランプ8a〜8dの状態変化に気づいた時点で連継表示の現出を認識する一方、その連継表示の現出時には、保留球数が視認し難い状態となっているので「背景点滅」の現出を伴わせなくても上記した実施例と同様に連継演出によって有利な遊技状態への遷移を期待させる変動表示の対象を増大することができる。
また、S107の処理で4個の補助LED83をすべて消灯するタイミングは、変動表示を開始してから「背景点滅」が現出するまでの一定時間が経過した後にしても良い。「背景点滅」が連続現出して保留球数を視認し難い状態が継続した後に、保留球数を視認し得る変動表示に復帰する変動表示において、「背景点滅」が現出する時期までは、その現出を継続して期待させることができる。よって、連継表示が伴わない動的表示においても、遊技者が連継表示の現出開始時期より前に保留球数の視認し難い状態の終了を確認してしまい、連継表示の連続を期待する遊技の興趣低下を抑制することができる。
次に、図17を参照して、第2実施例について説明する。上記した第1実施例では、LCD3の上側に配設された保留ランプ8a〜8dの点灯によって保留球数を表示し、連継演出中にすべての保留ランプ8a〜8dを点滅させて遊技者が保留球数を視認し難いようにした。これに対し、第2実施例では、保留ランプ8a〜8dによる保留球数の表示に代えて、LCD3の表示画面に保留球数を表示する回数表示領域101を設け、表示用制御基板Dの制御によって回数表示領域101の表示を更新して保留球数を表示するものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみについて説明する。
図17は、第2実施例のパチンコ機PにおけるLCD3の表示画面を例示した図である。LCD3の表示画面における中央上部には、左右方向に沿って4つの白抜きの丸印が並べて表示された回数表示領域101が設けられており、この回数表示領域101の丸印が保留球数に対応した個数分だけ赤色の丸印の表示に変化して保留球数が表示される。表示用制御基板Dの制御については、公知のものであるので、その説明を省略する。
この第2実施例のパチンコ機Pにおいては、第1実施例における連継表示としての「背景点滅」を現出させるタイミングで、飛行体を模したキャラクタ102が表示画面の上方から矢印D方向に沿って下降して表示される。その後、矢印U方向に沿ってキャラクタ102は、上昇するものであるが、このキャラクタ102が上昇しても、LCD3の回数表示領域101には、4つの丸印が消去された状態とする。遊技者にとっては、回数表示領域101の消去によって保留球数を確認し得ない状態となる。回数表示領域101の4つの丸印は、第1実施例における点滅中の補助LED83を消灯して保留ランプ8a〜8dの表示を通常の状態に復帰させるタイミングで、表示画面の上方から下降して表示させ、遊技者が保留球数を確認可能な状態にする。
このように、第2実施例のパチンコ機Pにおいては、遊技者は、連継表示としてのキャラクタ102の現出を視認した後の連継演出の実行期間中には保留球数を確認し得なくなる。よって、遊技者は、変動表示の次の変動表示が待機中の最後の変動表示かもしれないという期待をより確実に遊技者に抱かせることができ、連継演出の開始以降の各回の変動表示に期待を持って遊技を行わせることができる。
また、連継表示としてのキャラクタ102は、表示画面上で保留球数を表示する回数表示領域101に重なりつつ配置されて保留球数が視認し得ないように隠蔽されるので、回数表示領域101の隠蔽時において遊技者に感じさせる違和感の少ない変動表示を実現することができる。更に、保留球数が変動図柄10の表示と同一のLCD3に表示されることにより、部品構成を単純化して製造コストを抑えることができる。
なお、保留球数を表示する回数表示領域101に重なって配置されるキャラクタ102は、必ずしも表示画面に画像で表示される平面的なものとする必要はなく、回数表示領域101の上側に樹脂で立体的に形成したキャラクタを、回数表示領域101に重なるように上下方向に動作させるモータやソレノイドを駆動して回数表示領域101を隠蔽する構成としても良い。
次に、図18から図21を参照して第3実施例について説明する。上記した第1実施例では、始動入賞時には内部乱数カウンタ23b等の各値を取得して大当たりやハズレリーチの発生を抽選するものの変動パターンの選定は行わず、変動開始時に変動パターンの選定を行い、その選定された変動パターンに対応した値を変動パターンコマンドとして抽出した。これに対し、第3実施例では、始動入賞時に一旦変動パターンを選定し、更に変動を開始するタイミングで必要に応じて変動パターンを更新して、その変動パターンに対応した値を変動パターンコマンドとして抽出する。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみについて説明する。
図18は、第3実施例における始動入賞変動開始処理(S200)のフローチャートである。第1実施例における始動入賞変動開始処理(S12)では、始動入賞時に内部乱数カウンタ23b等の値を一旦演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込んで記憶したのに対し、第3実施例における始動入賞変動開始処理では、始動入賞時に変動パターンを選定し、その選定された変動パターンに対応した値を演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込んで記憶する。このため、第3実施例における始動入賞変動開始処理(S200)は、始動口スイッチ27が球を検出したタイミングで行われる処理の一部(S210及びS211の処理)と、変動を開始するタイミングで行われる処理の一部(S212からS215の処理)とが、第1実施例における始動入賞開始処理(図9参照)に対して変更されている。
第3実施例における始動入賞変動開始処理(S200)では、S21の処理において始動口スイッチ27が球を検出したとき、保留球カウンタ23aの値が「4」以上である場合には、保留球カウンタ23aの値の加算と始動入賞コマンドの送信とを行った後に表示コマンド決定処理(S210)を実行する。
図19は、始動入賞変動開始処理(S200)の中で行われる表示コマンド決定処理(S210)のフローチャートである。この表示コマンド決定処理(S210)は、始動入賞時に変動パターンを一旦選定すると共に、その選定された変動パターンに対応した値を演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込んで記憶する。
まず、連継演出乱数カウンタ23dの値が連継表示を現出させる値「7」か確認し(S221)、その値が「7」であれば(S221:Yes)、連継表示の現出を示す値「C1h」を変動パターンコマンドの上位バイトとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込み(S222)、処理をS224へ移行する。一方、S221の処理において連継演出乱数カウンタ23dの値が連継表示を現出させる値でない場合には(S221:No)、連継表示の非現出を示す値「C0h」を変動パターンコマンドの上位バイトとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込み(S223)、処理をS224へ移行する。
S224以降の処理では、内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを判断する(S224)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S224:Yes)、大当たりテーブル22a1(図5参照)より変動パターンカウンタ23gの値に対応する変動パターンコマンドを今回の始動入賞に対する変動パターンとして選定し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込む(S225)。更に、大当たり図柄カウンタ23eの値に対応した変動図柄10の組み合わせを示す値を、今回の始動入賞に対する停止図柄コマンドとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込み(S226)、この表示コマンド決定処理(S210)を終了する。
S224の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S224:No)、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値であるか否かを判断する(S227)。その値がハズレリーチを発生させる値であれば(S227:Yes)、ハズレリーチテーブル22a2(図5参照)より変動パターンカウンタ23gの値に対応する変動パターンコマンドを選定し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込む(S228)。更に、カウンタ用バッファ23mに記憶されたハズレリーチを構成する変動図柄10の組み合わせを示す値を保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込み(S229)、この表示コマンド決定処理(S210)を終了する。
S227の処理においてリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合には(S227:No)、リーチ表示を伴わないハズレ変動に対する変動表示の内容を設定する。まず、連継ハズレテーブル22a3(図5参照)より変動パターンカウンタ23gの値に対応する変動パターンコマンドを選定し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込む(S230)。なお、第1実施例において連継表示を現出するハズレ変動に限って使用した連継ハズレテーブル22a3(図5参照)は、第3実施例においては、リーチ表示を伴わないすべてのハズレ変動に対する変動パターンコマンドの選定に使用する。
S230の処理後、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lにハズレ図柄カウンタ23fの値を書き込み(S231)、この表示コマンド決定処理(S210)を終了する。
表示コマンド決定処理(S210)が終了すると、今回の始動入賞に対応した演出実行1〜4メモリ23i〜23lには、表示コマンドを構成する変動パターンコマンドと停止図柄コマンドとが書き込まれて記憶される。このため、変動開始時においては、表示コマンドの設定を必ずしも行う必要はなく、スムースに変動開始時の処理を進行することができる。
図18に戻って説明する。表示コマンド決定処理(S210)の終了後には、第1実施例における始動入賞時と同様、内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値の1つである「7」か確認し(S26)、その値が「7」であれば(S26:Yes)、連継表示を連続して現出させる演出実行メモリ書換処理を実行する(S211)。
ここで、図20を参照して、第3実施例における演出実行メモリ書換処理(S211)について説明する。この処理では、第1実施例の演出実行メモリ書換処理に対して、S241の処理の部分のみが変更されている。
演出実行メモリ書換処理(S211)では、保留球カウンタ23aの値を退避した後(S41)、待機中の変動表示のデータとして演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドの上位バイトを、連継表示を現出させる値「C1h」に書き換える(S241)。その後に、保留球カウンタ23aの値を減算しても保留球カウンタ23aの値が「1」以上であって待機中の変動表示があれば(S44:Yes)、S241の処理を再度行って待機中の変動表示のデータを連継表示を現出させるものに書き換える。
なお、上記した各実施例のように、演出実行メモリ書換処理によって変動表示のデータを直接書き換えて連継表示を連続して現出させる必要はない。連継表示を連続現出させる場合(S26:Yes)には、演出実行メモリ書換処理に代えて特定のフラグをオンし、その後に大当たりを発生させる変動表示が実行された場合にそのフラグをオフする。そのフラグがオン状態で実行される変動表示には、連継表示を現出させることにより連継表示を連続して現出させても良い。
図18に戻って説明する。演出実行メモリ書換処理(S211)の終了に伴って始動入賞時の処理は終了し、変動を開始させるためのS28以降の各処理に処理を移行する。
保留球カウンタ23aの値が「1」以上であって、且つ、変動表示中又は大当たり中でないことが確認された場合には(S28:Yes,S29:No)、変動表示を開始させるタイミングである。この場合には、保留球カウンタ23aの値を減算した後(S30)、演出実行1メモリ23iに記憶されている表示コマンドを演出実行エリア23hに書き込む(S212)。更に、演出実行2〜4メモリ23j〜23lに記憶されている表示コマンドを演出実行1〜3メモリ23i〜23kへそれぞれ1つずつシフトする(S213)。S213の処理後、「継続変動」の設定を行う継続変動設定処理を実行する(S214)。
ここで、図21を参照して、第3実施例における継続変動設定処理(S214)について説明する。この処理では、第1実施例の継続変動設定処理(S110、図13参照)に対し、継続変動フラグ23nを使用することなく、「前半変動」の変動終了後に開始される変動表示を「継続変動」とするものである。
第3実施例における継続変動設定処理(S214)では、まず、今回の変動を開始するために演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「前半変動」を示すものか判断する(S251)。今回の変動表示に対して選定された変動パターンコマンドが「前半変動」を示すものでなければ(S251:No)、前もって選定された変動パターンコマンドを更新することなく、継続変動設定処理(S214)を終了する。
一方、S251の処理において、演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「前半変動」を示すものであると判断されると(S251:Yes)、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか判断し(S252)、その値が「1」以上でなければ(S252:No)、「前半変動」の実行中に始動入賞が発生しない限り、次回に「継続変動」を行えず「長続変動」を最後まで実行できない。このため、変動パターンコマンドの下位バイトを「長続変動」の実行を示す値である「24h」に更新し(S253)、「前半変動」が開始されないようにして継続変動設定処理(S214)を終了する。
S252の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」以上である場合には(S252:Yes)、演出実行1メモリ23iに記憶された変動パターンコマンドの下位バイトを「継続変動」の実行を示す値「26h」に更新し(S254)、継続変動設定処理(S214)を終了する。S254の処理で次回の変動表示として待機中の変動表示の変動パターンが強制的に「継続変動」とされるので、表示用制御基板Dに送信される変動パターンコマンドとして「前半パターン」に対応する値と「継続パターン」に対応する値とが順に抽出され、表示用制御基板Dは、LCD3に「前半変動」と「継続変動」とを順に表示する。
継続変動設定処理(S214)の後には、図18に示すS215の処理によって演出実行エリア23hに記憶された表示コマンドを表示用制御基板へ送信し(S215)、始動入賞変動開始処理(S200)を終了する。
このように、第3実施例における始動入賞変動開始処理(S200)では、変動開始前に実行される表示コマンド決定処理(S210)によって選定された変動パターンコマンドが演出実行1〜4メモリに記憶される。このため、「前半変動」の変動終了後に開始される変動表示は、変動開始時における継続変動設定処理(S214)の中で「継続変動」とすることができる。よって、「前半変動」と「継続変動」との連続による変動表示(図6、図7参照)を正しい順序で確実に実行することができる。
次に、図22及び図23を参照して第4実施例について説明する。上記した第1,第3実施例では、表示コマンド決定処理により「前半変動」が選定された場合、その「前半変動」の変動終了後に開始される変動表示を強制的に「継続変動」に設定して「前半変動」と「継続変動」とを連続して実行させた。これに対し、第4実施例では、表示コマンド決定処理によって「前半変動」と「継続変動」とが順に選定されることを条件として「前半変動」と「継続変動」とを連続して実行させ、その条件を満たさなければ「前半変動」と「継続変動」とを実行させないようにしたものである。以下、第3実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみについて説明する。
図22は、第4実施例における変動パターンの選定に使用する変動パターン決定テーブル122aの構成を模式的に示した図である。この変動パターン決定テーブル122aは、第3実施例と同様、主制御基板CのROM22に記憶されている(図3参照)。また、変動パターン決定テーブル122aには、第3実施例の変動パターン決定テーブル22aに対し、連継ハズレテーブル22a3に代えて、ハズレ変動テーブル122a3がリーチ表示を伴わないハズレの変動パターンを選定するために設定されている。このハズレ変動テーブル122a3には、上記した連継ハズレテーブル22a3には割り当てられていなかった「継続パターン」に対して変動パターンカウンタ23gの値が割り当てられている。
図22に示すように、ハズレ変動テーブル122a3には、「0〜255」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23gの値が、「ハズレ変動2」に対して「0〜143」、「ハズレ変動3」に対して「144〜175」、「長続パターン」に対して「176〜191」、「前半パターン」に対して「192〜223」、「継続パターン」に対して「224〜255」に区分けされている。ハズレ変動テーブル122a3は、図19に示す表示コマンド決定処理(S210)において、始動入賞時に内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でもない場合に、連継ハズレテーブル22a3に代えて参照される(図19、S230参照)。その参照時に変動パターンカウンタ23gの値が「224〜255」の範囲内であれば、「継続変動」の選定となり、「継続パターン」に対応した値「26h」が、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込まれる。
図23は、第4実施例における継続変動設定処理(S300)のフローチャートである。この継続変動設定処理(S300)は、図18に示す第3実施例の始動入賞変動開始処理(S200)の中で、継続変動設定処理(S214、図21参照)に代えて実行される処理である。第4実施例の継続変動設定処理(S300)では、第3実施例の継続変動設定処理(S214)に対し、「前半変動」と「継続変動」とが順に選定された場合に限って「前半変動」を開始させると共にその変動終了後に「継続変動」を実行させる。
第4実施例における継続変動設定処理(S300)では、まず、今回の変動を開始するために演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「前半変動」を示すものかものか判断する(S301)。今回の変動表示に対して始動入賞時の表示コマンド決定処理で選定された変動パターンコマンドが「前半パターン」に対応した値であり、「前半変動」を示すものであれば(S301:Yes)、保留球カウンタ23aの値が「1」以上か判断し(S302)、その値が「1」以上であれば(S302:Yes)、演出実行1メモリ23iに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものか判断する(S303)。
S303の処理で、演出実行1メモリ23iに記憶された変動パターンコマンドが「継続パターン」に対応した値で「継続変動」を示すものであれば(S303:Yes)、「前半変動」を開始させても、次回の変動表示として「継続変動」が選定されて待機中の変動表示となっている。この場合には、継続変動フラグ23nをオンして「前半変動」の実行を記憶し(S304)、この継続変動設定処理(S300)を終了する。
S302の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」以上でない場合(S302:No)、及び、S303の処理において演出実行1メモリ23iに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものでない場合には(S303:No)、次回の変動表示として「継続変動」が選定されていない。この場合には、演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドを「ハズレ変動2」の実行を示す値に書き換えて更新し(S305)、この継続変動設定処理(S300)を終了する。これにより、「前半変動」が単独で行われて、その後に「継続変動」が継続しないで不完全な変動表示となることを防止することができる。
S301の処理で演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「前半変動」を示すものでなければ(S301:No)、演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものか判断し(S306)、「継続変動」を示すものであれば(S306:Yes)、継続変動フラグ23nがオンか判断する(S307)。継続変動フラグ23nがオンであれば(S307:Yes)、前回の変動表示で「前半変動」が行われた後の変動表示を開始するタイミングであるので、継続変動フラグ23nをオフし(S308)、演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドは「継続変動」を示すものに維持したままで、継続変動設定処理(S300)を終了する。
S307の処理で継続変動フラグ23nがオフであれば(S307:No)、演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」であって表示コマンド決定処理(S210)により「継続変動」が選定されたものの、前回の変動表示として「前半変動」が行われていないので、演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドを「ハズレ変動2」の実行を示す値に書き換えて更新し(S305)、この継続変動設定処理(S300)を終了する。これにより、「前半変動」が行われずに「継続変動」が行われて、不完全な変動表示となることを防止することができる。
S306の処理で演出実行エリア23hに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」でなければ(S306:No)、表示コマンド決定処理(S210)により選定された変動パターンコマンドを更新することなく、継続変動設定処理(S300)を終了する。
このように、第4実施例の継続変動設定処理では、S301からS303の処理により、表示コマンド決定処理(S210)によって「前半変動」が選定される(「前半パターン」に対応した値が一旦抽出される)と共に、次回の変動表示として「継続変動」が選定されて待機中の変動表示となっていると判断される場合に限って、「前半変動」を示す「前半パターン」に対応した値を、表示用制御基板Dへ送信するための変動パターンコマンドとして抽出する。また、S306及びS307の処理により、表示コマンド決定処理(S210)によって「継続変動」が選定される(「継続パターン」に対応した値が一旦抽出される)と共に、前回の「前半変動」の実行を示す継続変動フラグ23nがオンである場合に限って「継続変動」を示す「継続パターン」に対応した値を、変動パターンコマンドとして抽出する。よって、「前半変動」又は「継続変動」が単独で行われて不完全な変動表示となることを防止し、「前半変動」と「継続変動」との連続による変動表示(図6、図7参照)を正しい順序で確実に実行することができる。
次に、図23から図25を参照して第5実施例について説明する。上記した第1,第3,第4実施例では、変動を開始するタイミングで継続変動設定処理を実行して変動パターンコマンドを確定し、「前半変動」と「継続変動」とを予め定めた順序に従って連続実行させていた。これに対し、第5実施例では、始動入賞のタイミングで表示コマンド決定処理と継続変動設定処理とを共に行って変動パターンコマンドを確定しておき、変動開始時には、始動入賞のタイミングで確定した変動パターンコマンドをそのまま抽出して表示用制御基板Dへ送信して「前半変動」と「継続変動」とを連続実行させるものである。以下、第3実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみについて説明する。
図24は、第5実施例における変動パターンの選定に使用する変動パターン決定テーブル222aの構成を模式的に示した図である。この変動パターン決定テーブル222aは、第3実施例と同様、主制御基板CのROM22に記憶されている。また、変動パターン決定テーブル222aには、第3実施例の変動パターン決定テーブル22aに対し、連継ハズレテーブル22a3に代えて、ハズレ変動テーブル222a3がリーチ表示を伴わないハズレの変動パターンを決定するために設定されている。このハズレ変動テーブル222a3には、上記した連継ハズレテーブル22a3には割り当てられていなかった「継続パターン」に対して変動パターンカウンタ23gの値が割り当てられる一方、「前半パターン」に対して変動パターンカウンタ23gの値が割り当てられていない。
図24に示すように、ハズレ変動テーブル222a3には、「0〜255」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23gの値が、「ハズレ変動2」に対して「0〜207」、「ハズレ変動3」に対して「208〜239」、「長続パターン」に対して「240〜251」、「継続パターン」に対して「252〜255」に区分けされている。ハズレ変動テーブル222a3は、図25に示す表示コマンド決定処理(S210)において、始動入賞時に内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でもない場合に、連継ハズレテーブル22a3に代えて参照される(図19、S230参照)。その参照時に変動パターンカウンタ23gの値が「252〜255」の範囲内であれば「継続パターン」に対応した値「26h」が変動パターンコマンドとして選定され、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに書き込まれて記憶される。
図25は、第5実施例における始動入賞変動開始処理(S400)のフローチャートである。第3実施例における始動入賞変動開始処理(S300)では、始動入賞時に変動パターンに対応した値を一旦抽出して変動パターンを選定し、その変動パターンに対応した変動パターンコマンドを変動開始時に行われる継続変動設定処理(S214)で必要に応じて更新した。これに対し、第5実施例における始動入賞変動開始処理(S400)は、始動入賞時に変動パターンコマンドを抽出すると共に、その変動パターンに対応した変動パターンコマンドを継続変動設定処理(S410)で更新し、始動入賞時に抽出した変動パターンコマンドにより変動表示を実行する。このため、第5実施例における始動入賞変動開始処理(S400)は、第3実施例における始動入賞開始処理(図9参照)に対し、始動口スイッチ27が球を検出したタイミングで行われる処理として継続変動設定処理(S410)が追加され、変動を開始するタイミングで行われる処理から継続変動設定処理(S214)が除かれている。
第5実施例における始動入賞変動開始処理(S410)では、S21の処理において始動口スイッチ27が球を検出したとき、保留球カウンタ23aの値が「4」以上である場合には、保留球カウンタ23aの値の加算と始動入賞コマンドの送信とを行った後に表示コマンド決定処理(S210)を実行し、その後に継続変動設定処理(S410)を実行する。
図26は、図25の始動入賞変動開始処理(S400)の中で行われる継続変動設定処理(S410)のフローチャートである。この継続変動設定処理(S410)は、表示コマンド決定処理(S210)で選定された変動パターンを必要に応じて更新する処理である。
第5実施例における継続変動設定処理(S410)では、まず、今回の始動入賞に対応して保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示す「継続パターン」に対応した値か判断する(S411)。その変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものでなければ(S411:No)、継続変動設定処理(S410)を終了する。
S411の処理において、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものであると判断されると(S411:No)、保留球カウンタ23aの値が「2」以上であるか判断する(S412)。保留カウンタ23aの値が「2」以上であれば(S412:Yes)、今回の始動入賞より前に始動入賞のあった待機中の変動表示が1つ以上ある。
この場合には、前回の始動入賞に対応して(保留球カウンタ23aの値より「1」減算した値が示す)演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものか判断し(S413)、「継続変動」を示すものでなければ(S413:No)、前回の始動入賞に対応して演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドを「前半変動」を示すものに書き換え、この継続変動設定処理(S410)を終了する。これにより、待機中の変動表示により「前半変動」を実行させると共に今回の始動入賞による変動表示で「継続変動」を実行させることができ、「前半変動」と「継続変動」との連続による変動表示を正しい順序で実行させることができる。
S412の処理において保留球カウンタ23aの値が「2」以上でなければ(S412:Yes)、今回の始動入賞より前に始動入賞のあった待機中の変動表示が1つもない状態であるので、今回の始動入賞に基づいて「継続変動」を実行しようとしても、その前に「前半変動」を実行できない。このため、今回の始動入賞に対応して演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドを「長続変動」を示すものに書き換え、この継続変動設定処理(S410)を終了する。
S413の処理において前回の始動入賞に対応して演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドが「継続変動」を示すものであれば(S413:Yes)、前回の始動入賞に対して「継続変動」が選定されると共に、前々回の始動入賞に対して「前半変動」が選定されている。このとき、前回の始動入賞に対応した変動パターンコマンドを「前半変動」を示すものに更新してしまうと、「前半変動」が2回続けて実行されてしまい、「前半変動」と「継続変動」との連続による変動表示を実現できない。このため、S413の処理により前回の始動入賞に対して「継続変動」が選定されていると判断された場合(S413:Yes)、処理をS415に移行して変動パターンコマンドを書き換えて、今回の始動入賞に対する変動パターンを「長続変動」とし、この継続変動設定処理(S410)を終了する。
このように、第5実施例では、始動入賞時に表示コマンド決定処理(S210)を行って変動パターンに対応した変動パターンコマンドを抽出すると共に、その変動パターンコマンドを継続変動設定処理(S410)で更新し、始動入賞時に抽出した変動パターンコマンドにより変動表示を実行する。このため、待機された変動表示の変動開始時においては、変動パターンコマンドの設定を行う必要がなく、スムースに変動開始時の処理を進行することができる。
また、第5実施例では、今回の始動入賞に対する表示コマンド決定処理(S210)で「継続パターン」に対応した変動パターンコマンドが抽出される(S411、Yes)と共に、S412の処理により今回の始動入賞より前の始動入賞に対する変動表示が1つ以上待機されていると判断された場合に、今回の始動入賞に対する変動パターンコマンドとして「継続変動」を示す「継続パターン」に対応した値を抽出し、表示用制御基板Dへ変動パターンコマンドとして送信する(図25、S215参照)。一方、S412の処理により変動表示が待機されていないと判断されると、「継続パターン」以外の変動パターンである「長続変動」を示す「長続パターン」に対応した値を変動パターンコマンドとして抽出する。このため、「前半変動」を実行するのに必要な変動表示が待機された状態で始動入賞のあった変動表示に限って「継続パターン」に対応した値を抽出することができ、表示用制御基板Dには、「前半変動」の実行後に「継続変動」を実行させることができる。よって、不完全な動的表示の実行を防止して「前半変動」と「継続変動」との連続による変動表示を最後まで確実に継続することができる。
更に、表示コマンド決定処理(S210)と継続変動設定処理(S410)とにおいて「継続パターン」に対応した変動パターンコマンドが抽出された場合(S411,S412:Yes、S413:No)には、演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドは、始動入賞時に行われるS414の処理により「前半変動」を示す「前半パターン」に対応した変動パターンコマンドに更新され、この更新された変動パターンコマンドが、変動パターンコマンドとして「継続パターン」に対応した変動パターンコマンドの送信前に表示用制御基板Dへ送信される。即ち、始動入賞時の処理において「継続変動」と「前半変動」とが設定され、変動開始のタイミングにおいては予め設定された変動パターンコマンドを送信するだけでよい。よって、変動開始時における制御の負担を少なくし、変動開始時における速やかな制御の進行と、より安定した制御とを実現することができる。
なお、上記した第3〜第5実施例においては、保留ランプ8の態様によって遊技者が保留球数を視認し難い変動表示であるか否かに拘わらず、リーチ表示を伴わないハズレの変動表示に対しては同一のテーブルに基づいて変動パターンコマンドを抽出する。このため、遊技者が保留球数を視認し難い変動表示以外の通常の変動表示にまで、「ハズレ変動3(増殖)」による変動表示や、「前半変動」と「継続変動」との連続による変動表示が行われ、遊技者に違和感を抱かせやすい。これらの変動表示は、必ずしも通常の変動表示に対して実行する必要はないので、変動開始時に変動パターンコマンドの上位バイトを確認し、保留球数を視認し難い変動表示に対してのみ「ハズレ変動3」、「前半変動」及び「継続変動」を実行し、通常の変動表示に対してはそれらの変動パターンが選定された場合には、「ハズレ変動2」等の他の変動パターンに強制的に変更しても良い。
ここで、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機1における検出手段としては、上記実施例における始動口スイッチ27および主制御基板Cの処理であって始動口スイッチ27が球を検出したか否かを確認する処理(図9、図18及び図25のS21の処理)が該当し、抽選手段としては、上記実施例における主制御基板CのRAM23に設けられて2ms毎に更新される内部乱数カウンタ23bと、その内部乱数カウンタ23bの値を始動入賞時に取得する始動入賞変動開始処理(図8のS12、図18のS200、図25のS400の各処理)とが該当し、抽選手段による所定の抽選結果の導出としては、始動入賞時に取得して演出実行1〜4メモリ23i〜23kに書き込まれた内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる「7」又は「315」の値であるときが該当する。
請求項1記載の遊技機および後述する遊技機1における抽出手段としては、上記実施例における、主制御基板CのROM22に設けられた変動パターン決定テーブル22a,122a,222a、主制御基板CのRAM23に設けられた変動パターンカウンタ23g、表示コマンド決定処理(図9のS33並びに図18及び図25のS210の各処理)及び継続変動設定処理(図18のS214及び図25のS410の各処理)が該当し、抽出手段による形態情報の抽出としては表示用制御基板Dへ表示コマンドとして送信され、LCD3にて行われる変動パターンに対応する値(変動パターンコマンド)の抽出が該当する。また、変動実行手段としては、上記実施例における表示用制御基板Dが該当し、変動入賞手段としては、特定入賞口5(大入賞口)を閉鎖させた状態から、遊技者にとって有利な開放させた状態に切り替わる変動入賞装置が該当する。
また、後述する遊技機1における回数表示更新手段としては、上記第1,第3〜第5実施例における音声ランプ制御基板L(保留LED82を点灯する図15のS103の処理)が該当し、遊技状態判定手段としては、上記実施例における始動入賞時に取得して演出実行1〜4メモリ23i〜23kに書き込まれた内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値「7」か確認する処理(図9,図18及び図25のS26の処理)が該当する。回数表示変更手段としては、上記第1,第3〜第5実施例における4個の補助LED83と演出実行メモリ書換処理(図9のS27並びに図18及び図25のS211の各処理)とその演出実行メモリ書換処理に基づいて4個の補助LED83をすべて点滅させる処理(図15のS105の処理)とが該当する。回数表示復帰手段としては、上記第1,第3〜第5実施例における点滅中の4個の補助LED83をすべて消灯する処理(図15のS107の処理)が該当する。また、上記第2実施例においては、回数表示更新手段、回数表示変更手段、および、回数表示復帰手段としては、LCD3の回数表示領域101に表示される画像を制御する表示用制御基板Dが該当する。
また、後述する遊技機1における回数表示変更手段が、「遊技状態判定手段の判定に基づいて・・・特定の態様に変化させる」とは、遊技状態判定手段の判定結果に対応して回数表示部の態様を特定の態様に変化させることを意味しており、遊技状態判定手段によって遊技状態を特定の遊技状態へ遷移させると判定された場合に、回数表示部の態様を、各回数(各待機回数)毎に設定された複数種類の態様とは異なる特定の態様に変化させることとしても良い。また、待機回数表示手段によって回数表示部に表示される複数種類の態様としては、LCDや7セグメントのダイオード等によって数字で待機回数が表示される場合における待機回数毎に各数字で表示される態様であっても、予め定められた区画内における特定の態様を有する領域の数(例えば、赤色で点灯するランプの点灯数)や大きさ等で表示される場合におけるその区画に待機回数毎に表示される態様であっても良い。
また、後述する遊技機1における回数表示変更手段によって変化させられる回数表示部における特定の態様としては、各回数毎に設定された複数種類の態様とは全く別の態様に変化させるものはもちろん、一時的には複数種類の態様のいずれかに一致するものの、連続的に態様を変化させることにより遊技者が視認した場合に複数種類の態様とは異なる態様として視認し得るものをも含む趣旨である。例えば、回数表示部に各回数毎に特定色(例えば赤色)の発光体(ランプ)の点灯個数を異ならせた態様を複数種類の態様として設定された場合に、その複数種類の態様を連続して変化させる態様(ランプの点灯個数が1個、2個、3個、4個と次第に増加した後に、再度1個からランプの点灯増加が開始される態様)を特定の態様としても良い。
また、後述する遊技機1において「長続形態を区分した各区分と同一又は類似の態様を示す区分形態」とは、長続形態の一部と完全に同一の態様を示す動的表示に対応する形態はもちろん、遊技者が長続形態と同一の態様と視認し得る程度に類似した態様を示す動的表示に対応する形態をも含むことを意味している。例えば、長続形態の態様に対して区分形態の態様が、変動途中における図柄の停止時間が僅かに長い(或いは短い)ものであったり、長続形態においては変動途中では図柄が静止しないで動作を継続するのに対して、区分形態においては各区分形態の区切りで図柄が一旦静止するものであっても良い。「複数の区分形態情報が所定の順序に従って抽出手段によって抽出された場合」とは、変動実行手段により行われる動的表示が所定の動的表示と同一又は類似の態様を示す動的表示となる順序に従うように抽出手段によって複数の区分形態情報が抽出された場合を意味し、制御の上で区分形態情報を抽出する順序を意味するものではない。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記した第1実施例では、始動入賞時には大当たりやリーチの抽選を実行するものの変動パターンの選定は行わず、変動開始時に変動パターンの選定を行ったが、始動入賞時に図11に示す表示コマンド決定処理(継続変動設定処理を除く)を実行して一旦変動パターンを選定し、変動開始時に継続変動設定処理(S110、図13参照)を実行して必要に応じて変動パターンを更新しても良い。変動開始時における主制御基板Cの処理を少なくして、変動開始時の制御をスムースに進行させることができ、安定した制御を実現することができる。
また、上記実施例においては、連継表示を伴う変動表示の開始時に補助LED83を点滅状態にして保留ランプ8a〜8dを点滅させ、遊技者が保留球数を視認し難くしたが、保留ランプ8a〜8dを点滅させるタイミングは、始動入賞のタイミングで行っても良い。即ち、始動入賞変動開始処理(図9参照)において、始動入賞のタイミングで内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であることが確認され、演出実行メモリ書換処理が実行されたタイミングで保留ランプ8a〜8dを点滅させても良い。遊技者が変動表示の待機回数を視認し難くなる期間をより長く設けることができ、待機中の変動表示の進行状況を推測し難くする「長続変動」や「増殖変動」による動的表示の実行機会を増やすと共に連継演出の開始前に遊技者が動的表示の待機回数を確認する機会を少なくして、待機中の動的表示の進行状況を推測し難くすることができる。
更に、上記実施例においては、連継演出中に選定され得る複数回の変動(増殖変動)が行われるパターンとして、2回の変動(ハズレ変動2)を連ねたパターンのみを例示したが、3回以上の変動を連ねたパターンとしても良い。また、上記実施例においては、ハズレ変動を連ねたパターンのみを例示したが、必ずしもハズレ変動を連ねたパターンとする必要はなく、リーチ表示を伴う「ノーマルリーチ」や「スーパーリーチ」の変動パターンを1又は2以上含むものとしても良い。
また、増殖形態を構成する各変動は、表示結果を1回現出させる変動が連ねられたと視認し得る程度に類似したパターンとしても良い。例えば、増殖形態としての「ハズレ変動3」が、「ハズレ変動2」が2回連ねられたと認識し得る程度に似通った11.1秒や、10.9秒の変動時間で構成される2回の変動としても良い。上記実施例と同一の効果を奏するものとなる。
更に、上記第1実施例においては、遊技者が保留ランプ8a〜8dによって保留球数を視認し難くなるように、補助LED83を点滅状態としたが、補助LED83が点滅状態となったときには、遊技者が保留球数を視認し得ないように補助LED83の輝度に比べて保留LED82の輝度を低くし、或いは、保留LED82を消灯しても良い。また、補助LED83の点滅の早さや点灯色を調整して遊技者から視認し得ない状態を形成することは好ましい。
また、上記第1実施例においては、保留球数を表示するための保留LED82とは別に、遊技者に保留球数を視認し難くさせるための補助LED83を設けたが、必ずしも補助LED83を設ける必要はない。上記第1実施例において補助LED83の点滅期間中においては、4個の保留LED82のすべてを点滅状態とするなど、保留球数を表示する態様とは異なる態様に点灯状態を更新し、上記第1実施例において点滅中の補助LED83を消灯するタイミングで保留LED82の点灯状態が保留球数に対応するように、音声ランプ制御基板Lに制御を行わせても良い。
更に、上記各実施例においては、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値「7」である場合に演出実行メモリ書換処理(図10参照)を実行し、複数回の変動表示にわたる連継表示の現出によって大当たりの発生に基づく特別遊技状態への遷移を遊技者に示唆した。しかし、連継表示の現出によって遷移を示唆する遊技状態を、必ずしも上記実施例における特別遊技状態とする必要はない。遷移を示唆する特別遊技状態としては、大当たりの発生確率が通常状態より高確率とされる確率変動状態、普通図柄による変動表示が高確率で当たりとなると共に普通電動役物4が通常状態時より長時間(例えば、通常状態時に0.5秒開放するのに対して3秒)開放されて図柄作動口4への入賞が通常状態より容易となり、更に1回の変動表示に要する時間が短縮されて特別遊技状態が短期間で付与され易い時間短縮状態、又は、上記した遊技状態の組み合わせなどとしても良い。また、連継表示の現出によって直接的には遊技者に遊技価値が付与されない他の遊技状態への遷移を示唆しても良い。例えば、リーチ表示を現出させる場合、即ち、大当たりを発生させる場合に加えて始動入賞時に取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値「7」である場合に演出実行メモリ書換処理(図10参照)を実行し、リーチ表示が現出して特別遊技状態の発生が期待できる遊技状態への遷移を連継表示の現出によって示唆しても良い。
更に、上記実施例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、LCD3上で識別情報としての図柄を横方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。識別情報を表示する表示装置と、その表示装置に表示される識別情報を用いた複数種類の動的形態に対応した複数の形態情報を記憶する形態記憶手段と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記形態記憶手段に記憶された形態情報を抽出する抽出手段と、その抽出手段により抽出された形態情報に基づいて前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記所定の抽選結果が導出されると、前記動的表示に予め定めた表示結果を現出させると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記表示装置による動的表示の待機回数に対応した回数情報を記憶する待機回数記憶手段と、その待機回数記憶手段によって記憶された回数情報に対応して更新され、前記待機回数を各回数毎に設定された複数種類の態様で所定の回数表示部に表示する待機回数表示手段と、その待機回数表示手段を制御して、前記回数表示部の態様を前記待機回数記憶手段に記憶された回数情報に対応した態様に更新する回数表示更新手段と、前記検出手段によって検出された始動条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特定の遊技状態へ遊技状態を遷移させるか否かを判定する遊技状態判定手段と、その遊技状態判定手段の判定に基づいて、前記回数表示部の態様を、前記複数種類の態様とは異なる特定の態様に変化させる回数表示変更手段と、その回数表示変更手段によって前記特定の態様に変化させられた前記回数表示部の態様を、待機中の動的表示を少なくとも1つ含めて前記特定の遊技状態への遷移以前に連続して行われる複数回の動的表示にわたって継続した後に、前記複数種類の態様のいずれかに復帰させる回数表示復帰手段とを備え、前記形態記憶手段は、前記複数の形態情報として、所定の動的表示が行われる長続形態に対応した長続形態情報と、その長続形態を少なくとも2以上に区分した各部分と同一又は類似の態様を示す2種以上の区分形態に対応した複数の区分形態情報とを記憶するものであり、前記変動実行手段は、前記検出手段によって1の始動条件の成立が検出されて前記形態記憶手段に記憶された前記長続形態情報が前記抽出手段によって抽出された場合に前記所定の動的表示を前記表示装置に行わせると共に、前記検出手段によって複数の始動条件の成立が検出されて前記形態記憶手段に記憶された前記複数の区分形態情報が所定の順序に従って前記抽出手段によって抽出された場合に前記所定の動的表示と同一又は類似の態様を示す動的表示を前記表示装置に行わせるものであることを特徴とする遊技機1。
なお、遊技機1における変動実行手段は、長続形態と区分形態とを含む複数種類の動的形態による動的表示に対応した画像データを記憶する画像記憶手段を備え、その画像記憶手段に記憶された画像データを使用して前記複数種類の動的形態による動的表示を前記表示装置に行わせるものとしても良い。画像記憶手段としては、表示用制御基板DのキャラクタROM35が例示される。
遊技機1において、前記形態記憶手段は、前記複数の区分形態情報として、前記長続形態の開始から一定期間の形態に相当する先頭形態に対応した先頭形態情報を記憶し、前記抽出手段は、前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせるタイミングで前記長続形態を構成する区分数と同数以上に動的表示が待機されている場合にのみ前記先頭形態情報を抽出すると共に、その先頭形態情報による動的表示の後に後続する動的表示の形態情報として長続形態に相当する順序に従って前記区分形態情報を抽出し、前記変動実行手段は、その抽出手段による前記先頭形態情報の抽出に基づいて前記所定の動的表示を開始させるものであることを特徴とする遊技機2。
動的表示の動的形態は、一般に、始動条件が成立する毎に各々独立した抽選により選定される。このため、連続する複数回の動的表示の動的形態として、長続形態に相当するように区分形態が偶然に連続して選定された場合には所定の動的表示を遊技者に視認させられるものの、区分形態による動的表示が連続して選定されないと所定の動的表示が不完全な状態で途絶えてしまう。かかる不完全な動的表示の実行は、遊技に対する不信感を抱かせるおそれがある。
遊技機2によれば、抽出手段は、長続形態を構成する区分数と同数以上に動的表示が待機されている場合にのみ先頭形態情報を抽出するので、形態情報の抽出後に長続形態を継続するのに必要な回数分の動的表示が待機された状態に限って先頭形態情報が抽出され、変動実行手段によって先頭形態による動的表示が開始させられる。よって、先頭形態による動的表示の後に長続形態を構成する区分形態による動的表示が実行可能となり、不完全な動的表示の実行を防止して所定の動的表示を最後まで確実に継続することができる。
なお、先頭形態情報としては、例えば、上記した各実施例における主制御基板CのROMに記憶される「前半パターン」を示す「25h」が例示される。長続形態を構成する区分数とは、長続形態を区分形態に区分した数を意味しており、上記実施例においては「長続パターン」が「前半パターン」と「継続パターン」とに区分されて構成されるので「2」となる。
遊技機2において、所定の待機情報を記憶する待機情報記憶手段と、その待機情報記憶手段に記憶される待機情報を前記動的表示の待機回数に応じて更新する更新手段とを備え、前記抽出手段は、その待機情報記憶手段に前記所定数以上の動的表示の待機に対応した特定待機情報が記憶されている場合に所定条件下で前記先頭形態情報を抽出する一方、前記待機情報記憶手段に前記特定待機情報が記憶されていない場合に前記先頭形態情報以外の形態情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、抽出手段は、待機情報記憶手段に所定数以上の動的表示の待機に対応した特定待機情報が記憶されている場合に所定条件下で先頭形態情報を抽出する一方、待機情報記憶手段に特定待機情報が記憶されていなければ先頭形態情報以外の形態情報を抽出する。このため、形態情報の抽出後に所定数以上の区分形態を継続するのに必要な回数分の動的表示が待機された状態に限って先頭形態情報を抽出し、変動実行手段には長続形態による動的表示を開始させることができる。よって、不完全な動的表示の実行を防止して所定の動的表示を最後まで確実に継続することができる。
なお、待機情報記憶手段に記憶される待機情報としては、動的表示の待機回数を記憶する保留球カウンタ23aに記憶される情報や、動的表示の態様に対応した情報を記憶する演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶される情報等が例示される。また、先頭形態情報を抽出するための所定条件とは、待機情報記憶手段に所定数以上の動的表示の待機に対応した特定待機情報が記憶されている場合に選択的に前形態情報が抽出されるように一定制限を付すための条件であり、この条件としては、例えば、所定範囲内で定期的に更新されるカウンタの値を始動条件の成立したタイミングで取得し、そのとき取得した値が特定の値である条件等が例示される。この所定条件としては、上記第1〜第3実施例においては主制御基板Cによって変動パターンカウンタ23gと変動パターン決定テーブル22a,122aとにより「前半パターン」を示す変動パターンコマンドを抽出するという条件が例示され、上記第4実施例における主制御基板Cによって変動パターンカウンタ23gと変動パターン決定テーブル222aとにより「前半パターン」と「継続パターン」とを示す変動パターンコマンドを連続して抽出するという条件が例示される。
遊技機3において、前記抽出手段は、前記待機情報記憶手段に前記特定待機情報が記憶されているか否かを、前記動的表示を開始するタイミングで判断する待機情報判断手段を備え、その待機情報判断手段により前記特定待機情報が記憶されていると判断された場合に所定条件下で前記前形態情報を抽出する一方、前記待機情報判断手段により前記特定待機情報が記憶されていないと判断された場合に前記前形態情報以外の形態情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、動的表示を開始するタイミングで所定数以上の動的表示の待機に対応した特定待機情報が待機情報記憶手段に記憶されているか否かが判断されるので、動的表示の待機回数が最大となるタイミングで待機情報判断手段による判断を行わせることができる。よって、始動条件が成立し難い遊技機であっても、抽出手段によって先頭形態情報を抽出し、複数の区分形態で構成される長続形態による動的表示を実行する機会を多くすることができる。
なお、待機情報判断手段としては、上記第1,第3,第4実施例における保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか否かを判断する処理(図13のS113,図21のS252,図23のS302の各処理)が例示される。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記形態記憶手段は、前記複数の区分形態情報として、所定の区分形態に継続して行われた場合に前記長続形態に相当する継続形態に対応した継続形態情報を記憶するものであり、前記抽出手段は、所定の抽出情報を記憶する抽出情報記憶手段と、その抽出情報記憶手段に記憶される抽出情報を前記抽出手段が前記所定の区分形態情報を抽出したか否かに応じて異なる情報に更新する抽出情報更新手段とを備え、前記抽出情報記憶手段に前記所定の区分形態情報の抽出に対応した抽出情報が記憶されている場合に前記継続形態情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、抽出情報記憶手段に記憶される抽出情報は、抽出手段が所定の区分形態情報を抽出したか否かに応じて異なる情報に更新されるものであり、抽出手段は、抽出情報記憶手段に所定の区分形態情報の抽出に対応した抽出情報が記憶されている場合に継続形態情報を抽出する。このため、所定の区分形態による動的表示の実行後には、継続形態による動的表示を継続して実行することができ、複数の区分形態による動的表示を長続形態に相当する順序に従わせて実行することができる。
なお、抽出情報記憶手段としては、上記第1,第4実施例における継続変動フラグ23nが例示され、抽出情報更新手段としては、上記第1実施例における図13のS115及びS117の処理と、上記第4実施例における図23のS304及びS307の処理が例示される。
遊技機1又は2において、前記形態記憶手段は、前記複数の区分形態情報として、所定数の区分形態に継続して行われた場合に前記長続形態を構成する終了形態に対応した終了形態情報を記憶するものであり、前記抽出手段は、前記所定数以上の動的表示が待機されているか否かを判断する待機回数判断手段を備え、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたタイミングで前記待機回数判断手段により前記所定数以上の動的表示が待機されていると判断された場合に所定条件下で前記終了形態情報を抽出する一方、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたタイミングで前記待機回数判断手段により前記所定数以上の動的表示が待機されていないと判断された場合に前記終了形態情報以外の形態情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、抽出手段は、待機回数判断手段により所定数以上の動的表示が待機されていると判断された場合には、始動条件の成立が検出された動的表示に対する形態情報として所定条件下で終了形態情報を抽出する。一方、待機回数判断手段により所定数以上の動的表示が待機されていないと判断された場合には、終了形態情報以外の形態情報を抽出する。このため、形態情報の抽出前に所定数以上の区分形態を実行するのに必要な回数分の動的表示が待機された状態で始動条件の成立した動的表示に限って終了形態情報を抽出することができ、変動実行手段には、長続形態を構成する所定数の区分形態による動的表示の実行後に、終了形態による動的表示を実行させることができる。よって、不完全な動的表示の実行を防止して所定の動的表示を最後まで確実に継続することができる。
また、変動開始時には、一般に識別情報を表示する表示装置の制御や、表示装置に同期して作動する音声出力やランプ点灯を行う装置の制御を行う必要があり、制御の負担が増大して制御進行の妨げとなったり、異常の発生や制御の停止といった不安定な制御状態となり易い。これに対し、遊技機6によれば、抽出手段は、検出手段により始動条件の成立が検出されたタイミングで、当該始動条件の成立が検出された動的表示に対する形態情報として、終了形態情報を抽出するので、複数の区分形態で構成される所定の動的表示を実行するか否かを、変動開始のタイミングとは別のタイミングで設定することができる。よって、変動を開始するタイミングで区分形態による動的表示の実行を設定する場合に比して、変動開始時における制御の負担を少なくし、変動開始時の制御を速やかに進行させると共に、より安定した制御を実現することができる。
なお、待機回数判断手段としては、上記第5実施例において主制御基板Cによって保留球カウンタ23aの値を確認する処理(図26のS312の処理)が例示される。
遊技機6において、前記形態記憶手段は、前記複数の区分形態情報として、前記所定数の区分形態に対応した終了前形態情報を記憶するものであり、前記抽出手段は、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたタイミングで前記形態記憶手段に記憶される形態情報のうち前記終了前形態情報以外の形態情報より前記形態情報を抽出すると共に、前記待機回数判断手段の判断に応じて前記終了形態情報を抽出する先行抽出手段と、その先行抽出手段により抽出された形態情報を記憶する抽出記憶手段と、その抽出記憶手段に記憶された形態情報を前記終了前形態情報に更新する抽出情報更新手段とを備え、前記先行抽出手段により前記終了形態情報を抽出する場合には、前記抽出情報更新手段により前記抽出情報記憶手段に記憶された形態情報を前記終了前形態情報に更新し、前記長続形態に相当する順序に従って前記終了前形態情報と前記終了形態情報とを抽出するものであることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、先行抽出手段により抽出された形態情報は抽出記憶手段に記憶され、その抽出記憶手段に記憶された形態情報に基づいて、変動実行手段は、表示装置に識別情報の動的表示を行わせる。また、先行抽出手段により終了形態情報が抽出された場合には、抽出記憶手段に記憶された形態情報は、抽出情報更新手段により終了前形態情報に更新され、その更新された終了前形態情報が終了形態情報の抽出前に抽出される。よって、終了形態情報に対応した終了形態による動的表示の設定と、終了前形態情報に対応した所定数の区分形態による動的表示の設定とを共に、変動開始のタイミングとは別のタイミングで設定することができる。従って、変動開始時における制御の負担を一層少なくし、変動開始時における速やかな制御の進行と、より安定した制御とを実現することができる。
なお、先行抽出手段としては、上記第5実施例における主制御基板CのROMに記憶される変動パターン決定テーブル222aより変動パターンコマンドを抽出する表示コマンド決定処理(図25のS310の処理)が例示され、抽出記憶手段としては表示コマンド決定処理により抽出された変動パターンコマンドを記憶する主制御基板CのRAM23(演出実行1〜4メモリ23i〜23l)が例示され、抽出情報更新手段としては、演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶された変動パターンコマンドを書き換える処理(図26のS314の処理)が例示される。また、遊技機2における先頭形態情報は、長続形態を2つに区分して区分形態が構成される場合には終了前形態に相当し、長続形態を3つ以上に区分して区分形態が構成される場合には終了前形態のうち長続形態の開始から一定期間の形態に相当する先頭の区分形態に相当する。
遊技機7において、前記抽出手段は、前記検出手段により始動条件の成立が検出されたタイミングで、当該始動条件の成立前であって前記所定数以内に始動条件の成立した待機中の動的表示に対する形態情報として前記終了形態情報が前記抽出情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する抽出情報判断手段を備え、その抽出情報判断手段により前記終了形態情報が前記抽出情報記憶手段に記憶されていないと判断される場合にのみ、前記終了形態情報を抽出すると共に前記抽出情報更新手段により前記抽出情報記憶手段に記憶された形態情報を前記終了前形態情報に更新するものであることを特徴とする遊技機8。抽出記憶手段に終了形態情報が記憶されている場合には、複数の区分形態による所定の動的表示が設定されている。この所定の動的表示が設定された動的表示を一部として複数の区分形態による所定の動的表示を再設定してしまうと、所定の動的表示が途中で一旦途絶え、再度始めから所定の動的表示が開始されるので、不完全な動的表示が実行されてしまう。
遊技機8によれば、検出手段により成立が検出された始動条件の成立前であって所定数以内に始動条件の成立した待機中の動的表示に対する形態情報として終了形態情報が記憶されているか否かが抽出情報判断手段によって判断され、その抽出情報判断手段により終了形態情報が抽出情報記憶手段に記憶されていると判断される場合にのみ、終了形態情報を抽出すると共に抽出情報更新手段により抽出情報記憶手段に記憶された形態情報を終了前形態情報に更新する。このため、待機中の動的表示によって複数の区分形態による所定の動的表示が設定されている場合には、待機回数判断手段により所定数以上の動的表示が待機されていると判断されても終了前形態による動的表示が設定されない。よって、複数の区分形態による所定の動的表示が設定された後に、再度所定の動的表示が重ねて設定されることを防止して、所定の動的表示が途中で途絶えて不完全な状態となることを未然に防ぐことができる。
なお、抽出情報判断手段としては、上記第5実施例における「継続パターン」を示す情報が前回の始動入賞に対応して演出実行1〜4メモリ23i〜23lに記憶されているか判断する処理(図26のS313の処理)が例示される。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記長続形態は、1の始動条件の成立に基づいて前記動的表示の表示結果と同一又は類似の態様で示される擬似表示結果を前記動的表示の途中で現出するものであり、前記2種以上の区分形態は、1の始動条件の成立に基づいて前記擬似表示結果を現出するタイミングで前記動的表示の表示結果を現出する区分形態と、前記長続形態と同一のタイミングで動的表示の表示結果を現出する区分形態とにより構成されていることを特徴とする遊技機9。始動条件の成立があった場合に遊技者は所定の遊技価値が付与される場合に現出する表示結果が表示装置に表示されることを期待して遊技を行うものである。このため、長続形態を複数に区分して区分形態を設けた場合に1回も表示結果を現出しない動的表示が行われる区分形態があると、1回分の抽選が無効になったかの印象を与えて遊技者に不信感を抱かせかねない。
遊技機9によれば、2種以上の区分形態を構成する区分形態は、1の始動条件の成立に基づいて長続形態における擬似表示結果を現出するタイミングで動的表示の表示結果を現出する区分形態と、長続形態と同一のタイミングで動的表示の表示結果を現出する区分形態とにより構成されているので、区分形態による動的表示であっても始動条件の成立に応じて表示結果が現出される。よって、区分形態による動的表示が行われる場合であっても、抽選手段による抽選結果に基づいた表示結果を始動条件の成立に対応して現出させることができる。従って、始動条件の成立に基づいた抽選に対する表示結果を遊技者に確実に示して遊技者の不信感を低減することができる。
なお、動的表示の表示結果とは、動的表示が行われていた識別情報が停留して一定の識別情報又は一定の識別情報の組み合わせが表示装置に表示された状態(表示結果)を意味している。また、動的表示が停留した状態とは、識別情報が停止(静止)して表示された状態に限らず、識別情報が所定範囲内で移動や揺動等の動作をしつつ一定の識別情報が表示装置に表示された状態をも含むものである。また、擬似表示結果としては、上記実施例における「長続パターン」による変動表示の途中で表示される停止図柄が該当するが、必ずしも動的表示の表示結果と全く同一の態様である必要はなく、遊技者が動的表示の表示結果が現出したと視認し得る程度に類似するものであっても良い。例えば、停止図柄の表示時間が表示結果に比べて短かったり、表示結果が完全に図柄が停止するのに対して擬似表示結果は一定範囲内で揺れ動くものであっても良い。
遊技機9において、前記2種以上の区分形態は、前記長続形態の開始後一定期間が経過するまでの動的形態に相当する先頭形態と、1の区分形態が動的表示の表示結果を現出した後に継続する動的表示が行われる1又は2以上の後続形態とを有し、その1又は2以上の後続形態は、前記先頭形態とは前記動的表示を開始する態様を異ならせた動的形態であることを特徴とする遊技機10。一般に、遊技者は、所定の形態で識別情報の動的表示が開始されることを視認することにより実行中の動的表示が前回とは別の始動条件の成立によるものであることを認識する。
遊技機10によれば、後続形態は、先頭形態とは動的表示を開始する態様を異ならせた動的形態であるので、動的表示を視認する遊技者に対しては、動的表示の表示結果が現出した後に後続形態による動的表示が行われた場合に、1の始動条件の成立に基づく動的表示が終了した区分形態によるものか、それとも動的表示が継続している長続形態によるものかを疑わせることができる。よって、待機回数の視認し難い状態における連継演出中には、動的表示の進行状況を一層判り難くすることができ、連継演出中に連継演出の発生の契機となった動的表示の実行を特定し難くすることができる。
なお、動的表示を開始する態様とは、停留状態の識別情報が動的表示を開始する態様であり、例えば、停留状態の識別情報が特定の方向(例えば、上から下、或いは、右から左等)に移動し若しくは回転する場合が例示される。また、動的表示を開始する態様としては、停留状態の識別情報が拡大、縮小、或いは、別の識別情報が重なることにより消失して動的表示を開始する場合等が例示される。
遊技機9又は10において、前記2種以上の区分形態は、第1区分形態と、その第1区分形態に継続して行われた場合に前記長続形態に相当する第2区分形態とを有しており、前記抽出手段に抽出された形態情報に基づいて前記第1区分形態から前記第2区分形態にかけて前記予め定めた表示結果を構成する識別情報とは別の継続情報を表出する表出手段を備えたことを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、表出手段によって識別情報とは別の継続情報が第1区分形態から第2区分形態にかけて表出されるので、第1区分形態によって動的表示の表示結果が現出されても、遊技者には、継続情報の表出によって第2区分形態による動的表示が前回の動的表示に継続して行われているかの疑心を抱かせることができる。よって、各区分形態毎に動的表示の表示結果を現出させつつ、動的表示の待機回数が視認し難い状態における動的表示の進行状況を判り難くすることができ、遊技者に違和感を抱かせずに連継演出の発生の契機となった動的表示を特定し難い遊技性を提供することができる。
なお、表出手段は、識別情報を表示する表示装置に継続情報を表示させる手段であっても良く、表示装置以外の装置とその装置に継続情報を表出する手段とを備えたものでも良い。表示装置以外の装置としては、ランプやLCD等で構成された表示装置、音声を出力する装置、遊技者によって操作される操作ハンドルの振動によって継続情報を表出する装置等、遊技者に情報を伝達し得る表示装置以外の各種装置が例示される。
遊技機11において、前記動的表示の表示結果は、前記表示装置に表示される識別情報が停止表示されて現出するものであり、前記表出手段は、前記第1区分形態から前記第2区分形態にかけて前記表示装置に前記継続情報を表示すると共に、その継続情報を前記識別情報に重なりつつ動作を継続して表示するものであることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、第1区分形態から第2区分形態にかけては、継続情報の動作が継続するので、表示装置に表示される識別情報が停止表示されても、未だ動的表示が継続されているのかの印象を遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者には、継続情報の表出によって第2区分形態による動的表示があたかも前回の動的表示に継続して行われているかの疑心を動的形態によって抱かせることができる。また、遊技者は、識別情報の動的表示に注目して遊技を行うものであり、継続情報は、その識別情報に重なりつつ表示される。よって、遊技を行う遊技者が継続情報の現出を見落としにくくなり、継続情報の表出によって動的表示が継続して行われている印象を遊技者により確実に付与することができる。
遊技機12において、前記動的表示の表示結果は、前記表示装置に表示される識別情報が停止表示されて現出するものであり、前記表出手段は、前記第1区分形態から前記第2区分形態にかけて前記表示装置に前記継続情報を表示すると共に、その継続情報を前記識別情報に重なりつつ前記動的表示の表示結果が現出した場合に一旦動作を停止して表示するものであることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、第1区分形態から第2区分形態にかけては、継続情報が一旦動作を停止するので、表示装置に表示される識別情報が停止表示された場合に、その停止表示された第1区分形態による動的表示が終了したかの印象を抱かせると共に、継続情報の表出によって未だ動的表示が継続されているかの疑心をも抱かせることができる。また、継続情報が、識別情報に重なりつつ表示されるので、遊技者には、継続情報の表出を見落としにくくして動的表示が継続して行われている印象をより確実に付与することができる。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記形態記憶手段は、前記複数の形態情報として、前記動的表示の途中で現出して所定の遊技価値の付与を示唆する期待態様を伴う期待形態に対応した期待形態情報と、その期待態様を伴わない不利形態に対応した不利形態情報とを記憶するものであり、前記抽出手段は、前記回数表示変更手段により前記回数表示部の態様が前記特定の態様に変化させられる特別動的表示に対して所定条件下で前記期待形態情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、特別動的表示に対して所定条件下で期待形態情報が抽出されるので、変動実行手段により特別動的表示に対して期待態様を伴う動的表示が実行され得る。特別動的表示に対しては回数表示部の態様が特定の態様に変化させられると共に、通常形態と増殖形態とによる動的表示が実行され得るので、遊技者にとって連継演出発生の契機となった動的表示が特定し難い状態となっている。その状態で期待形態による動的表示が開始されて期待態様が現出すると、実行中の動的表示が連継演出発生の契機となった動的表示であることを強く期待させて有利な遊技状態への遷移を意識させることができる。よって、連継演出中における遊技者の期待感に抑揚を持たせることができ、動的表示の待機回数が視認し得る状態で実行される連継演出に対する一層の差別化を図ることができる。
遊技機1から14のいずれかにおいて、前記形態記憶手段は、前記複数の形態情報として、前記動的表示の表示結果と同一又は類似の態様で示される擬似表示結果を前記動的表示の途中で現出しない通常形態に対応した通常形態情報と、前記擬似表示結果を前記動的表示の途中で現出する増殖形態に対応した増殖形態情報とを記憶するものであることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、検出手段によって1の始動条件の成立が検出されて形態記憶手段に記憶された増殖形態情報が抽出手段によって抽出された場合、変動実行手段は、動的表示の途中で擬似表示結果を現出することなく動的表示の表示結果を現出する通常形態による動的表示を表示装置に行わせる。一方、検出手段によって1の始動条件の成立が検出されて形態記憶手段に記憶された増殖形態情報が抽出手段によって抽出された場合には、変動実行手段は、動的表示の途中で擬似表示結果を現出させた後に動的表示の表示結果を現出する増殖形態による動的表示を表示装置に行わせる。擬似表示結果は、動的表示の態様と同一又は類似の態様で示されるので、遊技者にとっては動的表示の表示結果が動的表示の待機回数に対してその待機回数以上に変則的に現出し得るものとなり、表示結果の現出回数からは動的表示の実行回数が認識し難くなる。よって、遊技者が連継演出の開始時に動的表示の待機回数を認識していたとしても、連継演出の発生の契機となった動的表示を特定し難くして連継演出によって有利な遊技状態への遷移を期待させる動的表示の対象を増大することができる。
遊技機15において、前記増殖形態は、前記通常形態による複数回の動的表示と同一又は類似の態様を示す動的形態であることを特徴とする遊技機16。増殖形態による動的表示は、通常形態による複数回の動的表示と同一又は類似の態様となるので、通常形態による複数回の動的表示か、増殖形態による1の動的表示かは、動的表示を視認するだけでは推測し得ない。よって、待機回数が視認し難い連継演出中においては、遊技者が連継演出の開始前に動的表示の待機回数を認識していたとしても、動的表示の進行状況を判り難くして連継演出発生の契機となった動的表示を特定し難くすることができる。
なお、通常形態による複数回の動的表示としては、通常形態と全く同一の動的形態による複数回の動的表示としても良い。実行中の動的表示が通常形態によるものか増殖形態によるものかを識別不能にすることができると共に、変動実行手段による動的表示の制御において通常形態による動的表示の制御をそのまま増殖形態に対する制御に活用することができ、例えば画像データの共通化によってROMの記憶容量に余裕を持たせる等、変動表示の制御に必要なプログラムやデータの容量を少なくしてROM容量に制限のあるハードウェアに対応させ易くすることができる。
また、通常形態による複数回の動的表示と類似の態様を示す動的表示とは、通常形態による複数回の動的表示の実行と視認し得る程度に動的表示の変動時間や態様等が類似した動的表示を意味している。例えば、動的表示の開始後に複数の図柄による高速変動が行われ、その後に図柄が順に停止する形態において、変動時間が僅かに異なる動的表示(例えば、通常形態では8秒の高速変動を伴うのに対し、7.9秒や8.1秒の高速変動にした動的表示)や、通常形態によるものとは背景色を僅かに異ならせた動的表示等が例示される。また、通常形態による複数回の動的表示は、同一の通常形態(例えば、11秒のハズレ変動)による動的表示を複数回連続させて構成しても良く、複数種類の異なる通常形態による複数回の動的表示(例えば、11秒のハズレ変動とノーマルリーチとによる複数回の動的表示)で構成しても良い。
遊技機15又は16において、前記形態記憶手段は、前記複数の形態情報として、前記動的表示の途中で現出して所定の遊技価値の付与を示唆する期待態様を伴う期待形態に対応した期待形態情報と、その期待態様を伴わない不利形態に対応した不利形態情報とを記憶するものであり、前記増殖形態は、その不利形態による複数回の動的表示に対応する動的形態であることを特徴とする遊技機17。所定の遊技価値の付与を示唆する期待態様(例えば、リーチ表示)は、始動条件の成立に基づいて選択されにくいものとするのが一般的であるので、増殖形態の一部を期待形態としてしまうと、遊技者に増殖形態の選定が悟られやすく、連継演出中に動的表示の進行状況が推測されるおそれが生じる。
遊技機17によれば、増殖形態が不利形態による複数回の動的表示とされているので、抽出手段により増殖形態情報が抽出されて連継演出中において増殖形態による動的表示が行われても、遊技者が違和感を抱き難いものにすることができる。よって、動的表示の進行状況を一層判り難くすることができる。
なお、期待態様としては、上記実施例におけるリーチ表示、「泡」や「魚群」などの特定のキャラクタ等、動的表示の途中で表示装置に表示される特定の態様が例示される。また、期待態様には、表示装置に表示されるもの以外にも、スピーカから特定の効果音を出力したり、或いは、図示しない操作ハンドルを振動させる等の触覚を介して遊技者に情報を伝達する態様が含まれるものとする。ここで、リーチ表示とは、複数の識別情報からなる複数の識別情報列が予め定めた識別情報の組み合わせで確定停止して所定の遊技価値が付与される遊技機において、少なくとも1つの識別情報列を残して他の識別情報列の動的表示が停留して表示されたとき、その停留した識別情報が予め定めた表示結果(識別情報の組み合わせ)の一部を構成し、動的表示中の表示結果如何によって予め定めた表示結果の現出を示唆する表示である。
遊技機17において、前記抽選手段は、前記始動条件の成立に基づいて前記期待形態による動的表示を実行するか否かを抽選する期待形態抽選手段を備え、前記抽出手段は、その期待形態抽選手段により前記期待形態による動的表示を実行しない抽選結果が導出された動的表示に対しては、その期待形態による動的表示を実行させる抽選結果が導出された動的表示より前記増殖形態情報を高比率で抽出するものであることを特徴とする遊技機18。期待形態抽選手段による抽選に当選した場合にまで、抽出手段によって不利形態による複数回の動的表示で構成される増殖形態に対応した増殖形態情報が抽出されてしまうと、期待形態の抽選条件に従って期待形態による動的表示を実行することができず、期待形態によって所定の遊技価値を期待させる機会が減少する。
遊技機18によれば、抽出手段は、期待形態抽選手段により期待形態による動的表示を実行しない抽選結果が導出された動的表示に対しては、その期待形態を実行させる抽選結果が導出された動的表示より増殖形態情報を高比率で抽出する。このため、期待形態による動的表示を実行しない抽選結果の導出された動的表示が、不利形態による複数回の動的表示に変更されることを抑制することができる。よって、期待形態による動的表示の抽選条件に従って遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させる機会の減少を抑制しつつ、通常形態と増殖形態との選定による遊技性を提供することができる。
なお、抽出手段は、期待形態抽選手段により期待形態による動的表示を実行しない抽選結果が導出された動的表示に対してのみ、増殖形態情報を抽出し、その期待形態による動的表示を実行させる抽選結果が導出された動的表示に対しては増殖形態情報を抽出しないものとしても良い。期待形態による動的表示の実行をその抽選条件に従ったものにすることができ、遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させる機会をそのまま維持しつつ、通常形態と増殖形態との選定による遊技性を提供することができる。期待形態抽選手段としては、上記実施例におけるリーチ乱数カウンタ23cと、そのリーチ乱数カウンタ23cの値を始動入賞時に取得する始動入賞変動開始処理(図8のS12の処理)とが例示される。
遊技機15又は16において、前記増殖形態は、動的表示の途中で所定の遊技価値の付与を示唆する期待形態を伴う期待形態による動的表示を少なくとも1以上含む動的形態であることを特徴とする遊技機19。増殖形態による動的表示の実行時には、必ず期待形態による動的表示の実行によって期待態様が伴うので、遊技者には所定の遊技価値の付与に対する期待を、抽出手段によって増殖形態情報が抽出される毎に抱かせることができる。
遊技機15から19のいずれかにおいて、前記抽出手段は、前記回数表示変更手段によって前記回数表示部の態様が前記特定の態様に変化させられる特別動的表示に対する形態情報の抽出であるか否かを判断する回数表示判断手段を備え、その回数表示判断手段によって前記特別動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には、前記特別動的表示以外の動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合より高比率で前記増殖形態情報を抽出するものであることを特徴とする遊技機20。増殖形態による動的表示が実行されると、待機中の動的表示が消化されずに動的表示の表示結果が現出するので、遊技者にとっては違和感のあるものとなり易い。一方、連継演出中には、通常形態と増殖形態とによる動的表示の選定により、連継演出の発生の契機となった動的表示を特定し難くして有利な遊技状態への遷移を期待させる動的表示の対象を増大することができ、動的表示の形態として増殖形態を選定することが望まれる。
遊技機20によれば、抽出手段は、回数表示判断手段によって回数表示部の態様が前記特定の態様に変化させられる特別動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には、特別動的表示以外の動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合より高比率で増殖形態情報を抽出され、変動実行手段によって増殖形態による動的表示が行われる。回数表示部の態様に基づく待機回数の視認性が低下した特別動的表示には、増殖形態が選定されても、動的表示の表示結果の現出と待機中の動的表示の消化との対応が認識し得ないので、増殖形態による動的表示が高比率で実行されても遊技者には動的表示の実行に違和感を抱かせ難く、特別動的表示以外の動的表示にあっても増殖形態の選定が少なくなって遊技者に違和感を抱かせ難い遊技機を提供することができる。
なお、抽出手段は、回数表示判断手段によって特別動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合にのみ増殖形態情報を抽出し、特別動的表示以外の動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には増殖形態情報を抽出しないものとしても良い。特別動的表示に対してのみ増殖形態情報が抽出されるので、特別動的表示以外の動的表示によっては動的表示の表示結果の現出と待機中の動的表示の消化との対応のずれによる違和感を抱かせず、増殖形態の動的表示による遊技性を提供することができる。ここで、回数表示判断手段としては、例えば、上記実施例における連継表示の現出する動的表示であるか否かに基づいて保留ランプ83のすべてが点滅する動的表示であるか否かを判断する処理(図12のS61の処理)が例示される。
遊技機1から20のいずれかにおいて、前記抽出手段は、前記回数表示判断手段によって前記特別動的表示以外の動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には前記待機回数記憶手段に記憶される回数情報に応じた別々の抽出条件に基づいて前記形態情報を抽出する第1抽出手段と、前記回数表示判断手段によって前記特別動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には前記待機回数記憶手段に記憶される回数情報に拘わらず一定の抽出条件に基づいて前記形態情報を抽出する第2抽出手段とを備えていることを特徴とする遊技機21。動的表示の待機回数に対応する回数情報に応じた別々の抽出条件に基づいて形態情報を抽出することによって、動的表示の待機回数に適した動的形態による動的表示を意図的に実行する遊技機が知られている。例えば、待機中の動的表示が多い場合に実行時間の短い動的形態に対応した形態情報の抽出比率を高めることにより、動的表示が待機され易い遊技機であっても速やかに待機された動的表示を消化させるものがある。しかし、この種の遊技機においては、回数表示部の態様を特定の態様に変化させたり、区分形態や増殖形態等の複数種類の動的形態による動的表示を実行して動的表示の待機回数を判り難くしようとしても、動的表示の動的形態によって動的表示の待機回数が悟られ、連継演出の発生の契機となった動的表示が遊技者に推測されるおそれがある。
遊技機21によれば、回数表示判断手段によって特別動的表示以外の動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には、形態情報は、待機回数記憶手段に記憶される回数情報に応じた別々の抽出条件に基づいて第1抽出手段により抽出される。このため、動的表示の待機回数に適した動的形態に対応した形態情報を作為的に抽出して待機回数に適した動的表示を意図的に実行させることができる。一方、回数表示判断手段によって特別動的表示に対する形態情報の抽出であると判断された場合には、形態情報は、待機回数記憶手段に記憶される回数情報に拘わらず一定の抽出条件に基づいて第2抽出手段により抽出される。このため、回数表示部の態様に基づく待機回数の視認性が低下した特別動的表示に対しては動的表示の待機回数に拘わらず一定の条件で形態情報が抽出され、動的表示の動的形態によって動的表示の待機回数が悟られない。よって、待機回数に適した動的表示を意図的に実行させつつ、連継演出の発生の契機となった動的表示は特定し難い遊技性を提供することができる。
なお、第1抽出手段としては、例えば、ハズレ変動設定処理において保留球カウンタ23aの値に基づいてハズレの変動パターンを選定する各処理(図12のS63からS65の処理)が例示され、第2抽出手段としては、保留球カウンタ23aの値を参照することなく、連継ハズレテーブル22a3と変動パターンカウンタ23gとに基づいて変動パターンコマンドを選定する処理(図12のS62の処理)が例示される。
遊技機1から21のいずれかにおいて、前記遊技状態判定手段は、前記検出手段によって始動条件の成立が検出されたタイミングで前記特定の遊技状態へ遊技状態を遷移させるか否かを判定するものであることを特徴とする遊技機22。
遊技機22によれば、検出手段によって始動条件の成立が検出されたタイミングで遊技状態判定手段が特定の遊技状態へ遊技状態を遷移させるか否かを判定するので、検出手段によって始動条件の成立が検出されて動的表示の実行が待機されたタイミングより後には、回数表示変更手段に回数表示部の態様を特定の態様に変化させることができる。よって、回数表示変更手段によって回数表示部の態様を特定の態様に変化させた状態を始動条件の成立したタイミングに近い早い段階で発生させることができ、動的表示の待機回数が視認し難い状態をより長く継続することができる。
遊技機22において、前記回数表示変更手段は、前記遊技状態判定手段の判定に基づいて前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させる場合に、当該判定が行われた後における最初の動的表示の実行期間中に変化させるものであることを特徴とする遊技機23。
遊技機23によれば、回数表示変更手段は、遊技状態判定手段による判定が行われた後における最初の動的表示の実行期間中に回数表示部の態様を特定の態様に変化させるので、当該判定が行われる前に待機されていた全ての動的表示が実行される期間中に継続して回数表示部の態様を特定の態様に変化させることができる。よって、動的表示の待機回数が視認し難い状態における動的表示の実行回数を多量にすることができ、待機中の動的表示の進行状況が推測し難くする長続形態や区分形態による動的表示の実行機会を増やして、待機中の動的表示の進行状況を一層推測し難くすることができる。なお、回数表示変更手段は、最初の動的表示の実行期間中に変化させるタイミングとして、動的表示が開始されるタイミングとすることは好ましい。動的表示の途中で回数表示部の態様を特定の態様に変化させる場合に比べて、動的表示の待機回数が視認し難い状態における動的表示の実行期間が長くなるので、連継演出の開始前に遊技者が動的表示の待機回数を確認する機会を少なくすることができる。
遊技機22において、前記回数表示変更手段は、前記遊技状態判定手段の判定に基づいて前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させる場合に、当該判定が行われたタイミングで前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機24。
遊技機24によれば、回数表示変更手段は、遊技状態判定手段による判定が行われたタイミングで回数表示部の態様を特定の態様に変化させるので、動的表示の待機回数が視認し難い期間をより長く設けることができる。よって、待機中の動的表示の進行状況を推測し難くする長続形態や区分形態による動的表示の実行機会を増やすと共に連継演出の開始前に遊技者が動的表示の待機回数を確認する機会を少なくして、待機中の動的表示の進行状況を推測し難くすることができる。
遊技機1から24のいずれかにおいて、前記変動実行手段は、前記回数表示変更手段によって回数表示部の態様を特定の態様に変化させた状態を含む動的表示に対しては、前記回数表示更新手段によって前記回数表示部の態様を前記待機回数に対応した態様に更新して行われる動的表示より高確率で前記表示装置に所定の連継情報を表示させるものであることを特徴とする遊技機25。
遊技機25によれば、回数表示変更手段によって待機回数が特定の態様に変化させられた動的表示に対しては、回数表示更新手段によって待機回数に対応した態様に更新して行われる動的表示より高確率で、変動実行手段によって所定の連継情報が表示される。このため、連継情報は、待機回数が視認し難い状態で連続して行われる複数回の動的表示に対して表示されやすいものとなる。よって、連継情報が複数回の動的表示に対して連続して表示されることで、遊技者に待機回数が視認し難い連継演出の実行期間中であることを、回数表示部を視認することなく示唆することができる。従って、遊技中には、予め定めた表示結果の現出によって所定の遊技価値の付与を示す表示装置に遊技者の意識を向けさせつつ、連継演出の実行期間中を示唆することができ、更に、待機回数を視認し難くすることによって連継演出の発生の契機となった動的表示を察知させ難くすることができる。
なお、変動実行手段は、回数表示変更手段によって回数表示部の態様を特定の態様に変化させた状態を含む動的表示に限って表示装置に所定の連継情報を表示させ、回数表示更新手段によって回数表示部の態様を待機回数に対応した態様に更新して行われる動的表示に対しては連継情報を表示させないものであっても良い。連継情報が表示される動的表示においては、必然的に待機回数を視認し難くすることができるので、遊技者には、動的表示の待機回数に基づいて連継演出の発生の契機となった動的表示を一層察知させ難くすることができる。
また、遊技機25における連継情報としては、動的表示を視認して情報の有無を視認し得るものを意味しており、表示装置に通常とは異なる態様で表示された識別情報(例えば、通常は黒色で表示される図柄を赤色で表示する)であっても、予め設定して動的表示の途中で現出するキャラクタ(例えば、大量の泡や魚群など)であっても、上記実施例のように表示装置に通常とは異なる態様で表示された背景(例えば、「背景点滅」の表示)であっても良い。
遊技機25において、前記変動実行手段は、前記動的表示を開始してから一定時間の経過後に前記表示装置に前記連継情報を表示させるものであり、前記回数表示変更手段は、前記変動実行手段によって前記連継情報を表示させる動的表示におけるその連継情報の表示開始前に前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機26。
遊技機26によれば、回数表示変更手段は、変動実行手段によって連継情報の表示が開始される前に回数表示部の態様を特定の態様に変化させる。このため、回数表示部の態様が特定の態様に変化する動的表示において連継情報が表示装置に表示されたときには、待機回数を視認し難い状態とすることができる。よって、遊技者が連継情報の視認後に待機回数を確認し、連継演出の発生の契機となった動的表示を察知することを防止することができる。
なお、「連継情報の表示開始前」とは、連継情報の表示を伴う動的表示と連継情報の表示を伴わない動的表示との態様が一致して進行する期間の終了までを意味しており、上記実施例においては、動的表示の開始後に連継情報としての図4(b)の「背景点滅」の表示を開始する前の状態が例示される。
遊技機25又は26において、前記変動実行手段は、前記動的表示を開始してから一定時間が経過した後に前記表示装置に前記連継情報を表示させるものであり、前記回数表示復帰手段は、前記回数表示部の態様を前記複数種類の態様に復帰させる動的表示における前記連継情報の表示開始時期より後に前記回数表示部の態様を復帰させるものであることを特徴とする遊技機27。
遊技機27によれば、回数表示復帰手段は、待機回数を示す複数種類の態様に回数表示部の態様を復帰させる動的表示における連継情報の表示開始時期より後に回数表示部の態様を復帰させる。このため、待機回数が視認し難い状態が終了する動的表示において連継情報の表示が開始される時期には待機回数が視認し難い状態とすることができる。よって、連継情報の表示が伴わない動的表示においても、遊技者が連継情報の表示開始時期より前に待機回数の視認し難い状態の終了を確認してしまい、連継情報の連続を期待する遊技の興趣低下を抑制することができる。
遊技機1から27のいずれかにおいて、前記待機回数表示手段は、前記回数表示部を一面側に形成する透明又は半透明なカバー部材と、そのカバー部材における前記回数表示部の裏面側に配設される第1の発光体とを備え、前記回数表示更新手段は、前記第1の発光体を制御して前記回数表示部の態様を前記回数情報に対応した態様に更新するものであり、前記回数表示変更手段は、前記第1の発光体とは別に設けられた第2の発光体を備え、その第2の発光体を前記待機回数記憶手段によって記憶された回数情報に拘わらず略同一の態様で発光させて前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機28。
遊技機28によれば、回数表示更新手段によって第1の発光体が制御されて回数表示部に待機回数が表示される一方、待機回数の表示に使用する第1の発光体とは別の第2の発光体によって回数表示部の態様が特定の態様に変化させられる。よって待機回数の表示制御を従来の制御と同一のものにして設計変更の規模を少なくすることができ、待機回数が視認し難い状態を生じさせることができる。
遊技機1から27のいずれかにおいて、前記待機回数表示手段は、前記待機回数を複数種類の態様で発光して表示する発光体であり、前記回数表示変更手段は、その発光体が発光する態様を前記複数種類の態様とは異なる態様であって、前記待機回数記憶手段によって記憶された回数情報に拘わらずに略同一の態様で発光させて前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機29。
遊技機29によれば、回数表示変更手段は、その発光体が発光する態様を複数種類の態様とは異なる態様で発光させて前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させるので、特定の態様に変化させるために専用の発光体や他の部材を設ける場合に比較して発光体に要するコストを低減することができ、遊技機全体のコストの増加を抑えることができる。
遊技機1から27のいずれかにおいて、前記待機回数表示手段は、前記待機回数記憶手段によって記憶された待機回数を前記回数表示部に画像で表示するものであり、前記回数表示変更手段は、前記回数表示部における前記待機回数を表示する画像より前面側に重ねて特定の画像を表示することにより前記回数表示部の態様を前記特定の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機30。
遊技機30における特定の画像としては、画像を表示可能な表示装置の表示領域に表示される人物、動物、シンボル等のイメージを付した対象物(キャラクタ)や、対象物以外の柄や模様等、待機回数を表示する画像を覆う大きさの画像であれば良い。また、識別情報を表示する表示装置に回数表示部を形成し、遊技機25等に記載の表示装置に表示される連継情報を、遊技機30における特定の画像とすることは好ましい。待機回数の表示と、識別情報の表示とを同一の表示装置で構成することにより、部品構成を単純化して製造コストを抑えつつ、待機回数の回数表示領域の隠蔽時において遊技者に感じさせる違和感を抑制した動的表示を実現することができる。
遊技機1から30のいずれかにおいて、前記特定の遊技状態は、前記所定の遊技価値を遊技者に付与する特別遊技状態であることを特徴とする遊技機31。
遊技機31によれば、回数表示変更手段によって待機回数を視認し難くすることによって特別遊技状態への遷移を示唆することができ、遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させて遊技の興趣を高めることができる。なお、特別遊技状態とは、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技状態であり、例えば、球等の有価価値を有する遊技媒体が遊技者に付与される大当たり状態、大当たり状態の発生確率が通常状態より高確率とされる確率変動状態、又は、始動条件の成立が通常状態より容易にされると共に1の動的表示に要する時間が短縮されて特別遊技状態が付与され易い時間短縮状態等が例示される。
遊技機1から30のいずれかにおいて、前記特定の遊技状態は、前記動的表示の実行途中であって前記所定の遊技価値の付与を遊技者に期待させる期待態様の現出後における遊技状態であることを特徴とする遊技機32。
遊技機32によれば、回数表示変更手段によって待機回数を視認し難くすることによって期待態様の現出後における遊技状態(例えば、リーチ表示が表示された後であって動的表示の表示結果が表示されるまでの遊技状態)への遷移を示唆することができ、遊技者には、所定の遊技価値の付与を、期待態様の現出を介して間接的に期待させることができる。また、期待態様は、所定の遊技価値の付与とは異なり、直接的に遊技者に利益が付与されるものではないので、所定の遊技価値が付与される場合に限定して特定の遊技状態を構成する場合に比較して、遊技場の損害を抑えつつ回数表示変更手段によって待機回数が視認し難くなる遊技の興趣を頻繁に付与することができる。
遊技機1から32のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機33。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から32のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機34。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から32のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機35。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
3 LCD(表示装置)
8 保留表示装置(待機回数表示手段)
22 主制御基板のROM(形態記憶手段)
22a,122a,222a 変動パターン決定テーブル(形態記憶手段の一部)
27 始動口スイッチ(検出手段の一部)
33 表示用制御基板のRAM
33a 保留球カウンタ
83 補助LED
C 主制御基板
D 表示用制御基板(変動実行手段)
L 音声ランプ制御基板
P パチンコ機(遊技機)
8 保留表示装置(待機回数表示手段)
22 主制御基板のROM(形態記憶手段)
22a,122a,222a 変動パターン決定テーブル(形態記憶手段の一部)
27 始動口スイッチ(検出手段の一部)
33 表示用制御基板のRAM
33a 保留球カウンタ
83 補助LED
C 主制御基板
D 表示用制御基板(変動実行手段)
L 音声ランプ制御基板
P パチンコ機(遊技機)
Claims (2)
- 識別情報を表示する表示装置と、その表示装置に表示される識別情報を用いた複数種類の動的形態に対応した複数の形態情報を記憶する形態記憶手段と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記形態記憶手段に記憶された形態情報を抽出する抽出手段と、その抽出手段により抽出された形態情報に基づいて前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる変動実行手段と、前記抽選手段により所定の抽選結果が導出された場合に第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替えられる変動入賞手段とを備え、前記所定の抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させ、前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記形態記憶手段は、第1の表示変動を行う動的形態に対応する第1形態情報と、第2の表示変動を行う動的形態に対応する第2形態情報と、前記第1の表示変動および前記第2の表示変動を行う動的形態に対応する第3形態情報と、第4の表示変動を行う動的形態に対応する第4形態情報と、前記第4の表示変動を複数回行う動的形態に対応する第5形態情報とを少なくとも記憶し、
前記抽出手段は、識別情報の動的表示のうち所定の始動条件の成立に対する動的表示において前記第1形態情報を抽出可能な第1抽出手段と、その所定の始動条件の成立の次の始動条件の成立に対する動的表示において第2形態情報抽出条件が成立している場合に前記第2形態情報を抽出可能な第2抽出手段と、識別情報の動的表示のうち一の始動条件の成立に対する動的表示において前記第3形態情報を抽出可能な第3抽出手段と、識別情報の動的表示のうち所定の始動条件の成立に対する動的表示において前記第4形態情報を抽出可能な第4抽出手段と、識別情報の動的表示のうち一の始動条件の成立に対する動的表示において前記第5形態情報を抽出可能な第5抽出手段とを有し、
前記変動実行手段は、前記第1抽出手段による前記第1形態情報の抽出に基づいて前記第1の表示変動を行う動的形態を所定の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第1変動実行手段と、前記第2抽出手段による前記第2形態情報の抽出に基づいて前記第2の表示変動を行う動的形態をその所定の始動条件の成立の次の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第2変動実行手段と、前記第3抽出手段による前記第3形態情報の抽出に基づいて前記第1の表示変動および前記第2の表示変動を行う動的形態を一の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第3変動実行手段と、前記第4抽出手段による前記第4形態情報の抽出に基づいて前記第4の表示変動を行う動的形態を所定の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第4変動実行手段と、前記第5抽出手段による前記第5形態情報の抽出に基づいて前記第4の表示変動を複数回行う動的形態を一の始動条件の成立に対する動的表示において実行可能な第5変動実行手段とを有し、
前記第4変動実行手段によって実行される場合の第4の表示変動において使用される画像データおよび制御プログラムと、前記第5変動実行手段によって複数回実行される場合の第4の表示変動において使用される画像データおよび制御プログラムとは、共通の画像データおよび制御プログラムが使用されることを特徴とする遊技機。 - 前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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