JP2009173546A - 光誘導親水性物品及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体上に、噴霧熱分解、化学蒸着、又はマグネトロンスパッター真空蒸着により光誘導親水性被覆を形成することにより、基体に光誘導親水性表面を与える方法及び物品を提供する。
【解決手段】光誘導親水性被覆は50Å〜500Åの厚さ、5未満、好ましくは2未満の根二乗平均粗さ、及び3.0×10−3cm−1−1±2.0×10−3cm−1−1より小さな光触媒活性度を有することができる。基体には、ガラスシート及び連続的フロート法ガラス帯を含めたガラス基体が含まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基体(例えば、ガラスシート又は連続的フロート法ガラス帯)の上に親水性被覆を付着させる方法、及びその方法によって作られた製造物品に関する。
参照関連出願
本願は、1997年3月14日に出願された暫定米国特許出願Serial No.60/040,566の権利を主張する、1997年7月23日に出願された米国特許出願Serial No.08/899,257(現在の米国特許第6,027,766号)の分割出願である1999年4月1日に出願された「光触媒により活性化される自浄性装置」(Photocatalytically-Activated Self-Cleaning Appliances)と題するグリーンバーグ(Greenberg)その他による米国特許出願Serial No.09/282,943のCIPである。これらの出願は、全て参照により全体的にここに組み込んである。この出願は、参照により全体的にここに組み込んだ2001年2月28日に出願された「光誘導親水性物品及びその製造法」(Photo-Induced Hydrophilic Article and Method of Making Same)と題する暫定米国特許出願Serial No.60/272,197の権利を主張するものである。
次の検討では、本発明に関する一般的技術的考察について論ずる。しかし、ここで論ずる特定の文献は米国特許法で「従来の技術」を構成するものと見做すべきではなく、そのような容認はされていない。
多くの物質、例えば、建築窓、自動車透明体、及び航空機窓のようなガラス基体については、その基体の表面が一般的有機及び無機の表面汚染物のような表面汚染物を実質的に、出来るだけ長い時間持たないことが良好な可視性のため望ましい。慣習的にはこのことは、これらの表面を屡々清浄にすることを意味してきた。この清浄化操作は、化学的クリーニング溶液を補助として用い又はそれを用いずに表面を手で拭くことにより行われるのが典型的である。この方法は労力及び時間が掛かり且つ/又はコストが高くつくものである。従って、現存するガラス基体よりも奇麗にし易く、そのような手によるクリーニング操作の必要性又は頻度を少なくした表面を有する基体、特にガラス基体の必要性が存在する。
或る半導体金属酸化物は、被覆中に配合すると、光触媒により活性化される(今後「PA」と呼ぶ)自浄(self-cleaning)性を有する被覆、即ち、或る電磁波に露出すると被覆表面上の有機汚染物質と相互作用し、それら汚染物質を劣化又は分解する被覆を与えることが知られている。一般的に有機化合物の光触媒による酸化に関する特許及び論文の書誌は、D.ブレイク(Blake)による「水及び空気からの危険化合物の光触媒による除去に関する研究の図書目録(Bibliography of Work On The Photocatalytic Removal of HazardousCompounds from Water and Air)、National RenewableEnergy Laboratory (May 1994)、1995年10月更新及び1996年10月更新に報告されている。
典型的には、これらのPA被覆は、出来るだけ短い時間で被覆上の有機汚染物を崩壊又は分解するのに充分な光触媒活性度を持つのに充分なように厚く作る。例えば、WO 00/75087には、最低限5×10−3cm−1−1の光触媒活性度を有する光触媒により活性化される被覆が記載されている。更に別のPA被覆は、例えば、米国特許第5,873,203号、第6,027,766号、及び第6,054,227号明細書に記載されている。
これらのPA被覆は、それらの自浄性の外に、典型的には、親水性、即ち水濡れ性も有する。PA被覆の親水性は曇り、即ち、被覆上の水滴の蓄積を減少するのに役立つ。水滴の蓄積は被覆した基体を通る可視光線の透過率及び視界を減少することがある。これまでこの親水性は幾つかの因子に伴われており、その中には被覆表面の増大した表面粗さ(皺)及び増大した被覆気孔率がある。例えば、米国特許第6,103,363号明細書には、5nm〜15nmの好ましい根二乗平均(root mean square、RMS)表面粗さ及び70%〜90%の好ましい気孔率を有する親水性光触媒活性化自浄性被覆が記載されている。しかし、この程度の表面粗さは、表面のクリーニングが一層困難になることがあり、例えば、汚れ及びあかが蓄積する小さな窪みを与えることにより、或は表面の上を擦ったクリーニング用布からの繊維の引っ掛かり又はちぎれにより、一層困難になることがある。その上、被覆の気孔率を増大することは、溝を与え、それを通って下にある基体が化学的に侵食されることがある。
前に述べた希望のレベルの被覆厚さ、光触媒活性度、表面粗さ、及び被覆気孔率を達成するために、多くのPA自浄性被覆は、ゾル・ゲル法により堆積されてきた。典型的なゾル・ゲル法では、結晶化されていないコロイド状懸濁物を室温又は室温近辺で基体上に被覆し、次に加熱して結晶化被覆を形成する。例えば、米国特許第6,013,372号明細書には、金属酸化物の層中に光触媒粒子を混合し、その混合物をゾル・ゲル法により基体に適用することにより形成した親水性光触媒自浄性被覆が記載されている。
しかし、従来のゾル・ゲル法は、或る用途条件又は基体とは経済的に又は実際的に両立することができない。例えば、慣用的フロート法ガラス製造では、溶融金属浴中のフロート法ガラス帯は熱過ぎて、ゾルに用いた溶媒の蒸発又は化学反応のためゾルを受け入れることができない。更に、溶融金属浴の環境は、ゾルを適用するのに必要となるスプレー装置のような移動機械に対し助けとなるものではない。従って、ゾルは、典型的にはフロート法ガラス帯が溶融金属浴を出て、ほぼ室温まで冷却された後に適用されなければならない。次に被覆した帯を、その被覆を結晶化するのに充分な温度まで再加熱しなければならない。そのような冷却及び再加熱操作は、設備、エネルギー、取扱いコストの点で実質的な資本投入を必要とし、製造効率をかなり低下する。更に、ソーダ・石灰・シリカガラスのようなナトリウム含有基体を再加熱することは、基体中のナトリウムイオンを被覆の方へ移動させる機会を増大し、それは堆積した被覆の「ナトリウムイオン被毒」として従来言及されている。これらのナトリウムイオンが存在することは、自浄性被覆の光触媒活性度を低下するか又は無くすことがある。更に、ゾル・ゲル法は厚い被覆、例えば数μの厚い被覆を生ずるのが典型的であり、それは被覆された物品の光学的及び/又は美的性質に悪影響を与えることがある。典型的には、PA自浄性被覆の厚さが増大するに従って、被覆の光透過率及び反射率が、光学的干渉効果により一連の最少及び最大値を越えてしまう。被覆の反射及び透過光の色は、これらの光学的効果により変動する。このように、希望の自浄性を与えるのに充分な厚さの被覆が、望ましくない光学的性質を有することがある。
従って、被覆、特に親水性被覆を有する製造物品を与え、それらの欠点の少なくとも幾つかを減少するか又は除いた物品を製造する方法を与えることが有利であろう。
本発明は、少なくとも一つの表面及び親水性被覆、特に表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆(下に定義する)を有する基体を含む製造物品に関する。被覆は、化学蒸着(chemical vapor deposition、今後CVDと呼ぶ)、噴霧熱分解(spray pyrolysis)、及び/又はマグネトロンスパッター蒸着(megnetron sputtered vacuum deposition、今後MSVDと呼ぶ)から選択された方法により堆積することができる。一つの態様として、被覆、例えば被覆の外側表面は、0nmに等しいか又はそれより大きく、4nmに等しいか又はそれより小さく、例えば3nmに等しいか又はそれより小さく、例えば2nmに等しいか又はそれより小さく、例えば1nmに等しいか又はそれより小さい範囲の根二乗平均粗さを有する。もし基体がフロート法ガラス帯であり、被覆がそのフロート法ガラス帯の製造中にCVDにより溶融錫浴中で蒸着されるならば、特に有利である。本発明の別の特別な態様として、光誘導親水性被覆は、0cm−1−1に等しいか又はそれより大きく、3×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さく、例えば2×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい範囲内の光触媒活性度を有する。本発明の別の態様として、基体は、溶融金属浴中に位置するフロート法ガラス帯であり、光誘導親水性被覆は、0Åより大きく、500Åに等しいか又はそれより小さい範囲の厚さを有し、その光誘導親水性被覆は、化学蒸着により溶融金属浴中で蒸着されている。本発明は、そのような物品を製造する方法にも関する。
図1は、本発明の光誘導親水性被覆を上に堆積した基体の一部分の断面図(実物大ではない)である。 図2は、フロート法ガラス製造のための溶融金属浴中のガラス帯に、本発明の半導体金属酸化物被覆を適用するための被覆過程を示す側面図(実物大ではない)である。 図3は、本発明の特徴を組込んだ絶縁ガラスユニットの側断面図(実物大ではない)である。
非常に薄い半導体金属酸化物被覆、例えば、0Åより大きく、500Åに等しいか又はそれより小さい程度の被覆は、光触媒自浄性を達成するのに典型的に用いられている被覆より薄く、その非常に薄い被覆の光触媒活性度が、有機汚染物を分解するのに自浄性被覆に典型的に望まれる活性度よりも低い場合でも、それらの親水性を維持することが全く思いがけなく発見された。即ち、測定可能又は商業的に許容可能な光触媒自浄性活性度を持つ程の充分な光活性性にはなっていないことがあるが薄い半導体金属酸化物被覆が維持する光活性性が、その被覆が親水性であるのには充分であることが発見された。この光誘導親水性は、曇り性を減少し且つ/又はその被覆物品をクリーニングし易くし、例えば、被覆してない物品よりも容易に汚れ及び/又は水滴斑点を拭い去ることを可能にする。更に、光誘導親水性は、水を薄膜化し、乾燥を早くし、水滴斑点を少なくする。なぜなら、水が液滴状になって斑点を残す傾向を持たなくなるからである。汚れも、手で被覆を拭うことなく、被覆を単に濯ぐだけで一層容易に除去することができる。更に、これら非常に薄い半導体金属酸化物被覆は、一層厚い光触媒自浄性被覆に伴われる望ましくない光学的問題を起こしにくい。これらの非常に薄い半導体金属酸化物被覆は、依然としてそれらの光誘導親水性を維持しながら、以前に考えられていたよりも遥かに滑らかで緻密に作ることができることも全く思いがけなく発見された。本発明の実施で用いることができる適当な半導体金属酸化物の一例は、チタンの酸化物である。
一つの態様として、本発明は、基体の少なくとも一つの表面に、その表面の少なくとも一部分を覆ってCVD、噴霧熱分解、又はMSVDにより堆積した二酸化チタン被覆のような光誘導親水性半導体金属酸化物被覆を有する基体を与える。その被覆は、0Åより大きく、500Åに等しいか又はそれより小さく、例えば400Åに等しいか又はそれより小さく、例えば300Åに等しいか又はそれより小さい範囲の厚さを有し、被覆の外側表面は、一般に、0nmに等しいか又はそれより大きく、2nmに等しいか又はそれより小さく、例えば1.9nm以下、例えば1nm以下のRMS粗さを有することができる。約200Å以下の厚さを有する本発明の被覆の場合、その被覆表面は滑らかさを一層少なくすることができ、例えば5nm以下、例えば4.9nm以下、例えば4nm以下、例えば3nm以下、例えば2nm以下、例えば1nm以下のRMS粗さを有することができる。特別な態様として、基体は、溶融錫浴中に位置するフロート法ガラス帯(リボン)である。
一つの態様として、本発明は、少なくとも一つの表面、及びその少なくとも一つの表面の少なくとも一部分に直接堆積した光誘導親水性被覆を有するフロート法ガラス帯からなる物品を与える。光誘導親水性被覆は、溶融金属浴中のフロート法ガラス帯上に直接堆積することができる。
本発明は、少なくとも一つの表面、及びその少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆を有する基体からなる物品も与える。基体は溶融金属浴中に位置するフロート法ガラス帯でもよく、光誘導親水性被覆は500Å以下の厚さを持つことができ、光誘導親水性被覆は溶融金属浴中で化学蒸着により少なくとも一つの表面を覆って蒸着することができる。
本発明は、更に、少なくとも一つの表面、及びその少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆を有する基体からなる物品を与える。光誘導親水性被覆は、500℃〜1200℃の範囲の温度で化学蒸着により蒸着することができ、その光誘導親水性被覆は、500Å以下の厚さを有することができる。
基体の少なくとも一部分を覆う光誘導親水性被覆を形成するための方法を与える。その方法は、第一表面及び第二表面を有する基体を与え、それらの表面の少なくとも一方は中に錫が拡散しており、前記表面の少なくとも一方の上に、化学蒸着、噴霧熱分解、マグネトロンスパッター真空蒸着から選択された方法により被覆装置から金属酸化物前駆物質を堆積し、そして前記金属酸化物前駆物質を分解するのに充分な温度へ前記基体を加熱し、2nm以下の根二乗平均粗さを有する光誘導親水性被覆を形成することを含む。
基体の少なくとも一部分を覆って光誘導親水性被覆を形成する別の方法は、溶融金属浴中のフロート法ガラス帯を与え、前記ガラス帯の一番上の表面に化学蒸着により直接被覆装置から金属酸化物前駆物質材料を蒸着し、そして前記ガラス帯を前記金属酸化物前駆物質材料を分解するのに充分な温度へ加熱し、光誘導親水性被覆を形成することからなる。
基体の少なくとも一部分を覆って光誘導親水性被覆を形成する更に別の方法は、少なくとも一つの表面を有する基体を与え、前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆う金属酸化物前駆物質材料をCVD被覆装置により蒸着し、前記基体を400℃〜1200℃の範囲の温度に加熱して前記金属酸化物前駆物質材料を分解し、光誘導親水性被覆を形成し、然も、光誘導親水性被覆が500Å以下の厚さを有するのに充分な前駆物質材料を与えることからなる。
本発明は、本発明の方法により形成された物品にも関する。
ここで用いられる「内側(inner)」、「外側(outer)」、「より上に(above)」、「より下に(below)」、「一番上(top)」、「底(bottom)」、等のような空間又は方向的用語は、図面に示されているような本発明に関する。しかし、本発明は、種々の別な配向を取ることもでき、従ってそのような用語は限定するものとして考えるべきではないことは理解されるであろう。更に、本明細書及び特許請求の範囲の範囲で用いられている大きさ、物理的特徴、処理パラメーター、成分量、反応条件等を表現する全ての数字は、どの場合でも用語「約」によって修正できるものとして理解すべきである。従って、反対のことが指示されていない限り、次の明細書及び特許請求の範囲中に記載された数値は大略のものであり、本発明によって得られるように求められる希望の性質に依存して変化させることができるものである。最低限、特許請求の範囲と同等の教義の適用を制限する試みとしではなく、各数値は、少なくとも多数の報告された重要な数値を参照し、通常の端数を丸める方法を適用することにより与えられたものと見做すべきである。更に、ここに記載した多くの範囲は、その中に含まれるどのような小さい範囲でも全て包含されるものと理解すべきである。例えば、「1〜10」と述べた範囲は、1の最低値と10の最大値の間に入る(それらの数値をも含めて)どのような小さい範囲でも全て包含するものと考えるべきである。即ち、1以上の最低値で始まり、10以下の最大値で終わる全ての小範囲、例えば5.5〜10のような範囲が含まれる。更に、ここで用いられる用語「を覆って堆積した(deposited over)」又は「を覆って与えた(provided over)」とは、上ではあるが必ずしも表面と接触していないで堆積又は与えられていることを意味する。例えば、基体「を覆って堆積した」被覆とは、堆積した被覆と基体との間に位置する同じか又は異なる組成物の一つ以上の他の被覆フイルムが存在することを排除するものではない。更に、ここに記載する全ての%は、反するものが指示されていない限り、「重量」による。ここで論ずる全ての光触媒活性度値は、参考としてここに入れる米国特許第6,027,766号明細書に記載されている慣用的ステアリン酸試験によって決定されたものである。全ての根二乗平均粗さの値は、1μmの表面積に亙って原子力顕微鏡により根二乗平均(RMS)を測定することにより決定できるものである。更に、ここに「参考として入れてある」ものとして言及されている文献は、その全体を組込んでいるものと理解されたい。
次に図1に関し、そこには本発明の特徴を有する物品20が示されている。物品20は、表面21を有する基体22を有し、その表面21の少なくとも一部分を覆って本発明の光誘導親水性(今後PHと呼ぶ)被覆24が堆積している。ここで用いる用語「光誘導親水性被覆」(photo-induced hydrophilic coating)とは、光活性化親水性である物質又は被覆を指す。「光活性化親水性(photoactively hydrophilic)」とは、被覆表面上の水滴の接触角が、その被覆を電磁波に露出した結果として、時間と共に減少する被覆を意味する。例えば接触角は15°より小さい値、例えば10°より小さい値まで減少し、超親水性になることができ、例えば、PH被覆表面で24W/mの強度を有するように配置した、オハイオ州クリーブランドのQ−パネル社(Q-Panel Co.)から(商標名)UVA340として販売されている光源からの紫外線に60分露出した後、5°に等しいか又はそれより小さく、例えば4°に等しいか又はそれより小さく、例えば35°に等しいか又はそれより小さい値まで減少する。接触角は、その光源に一層長く露出するか、又は異なった光源及び/又は異なった照明強度に露出すると、更に、例えば2°に等しいか又はそれより小さく、例えば1°に等しいか又はそれより小さい値にまで低下することができる。
本発明に対する限定と考えるべきものではないが、本発明のPH被覆は光活性であるか又は光活性のように挙動すると考えられる。用語「光活性」又は「光活性的に」とは、特定の周波数の輻射線で照射した時、ホール・電子対を光発生することを指すことは当業者には認められるであろう。本発明の実施で有用な光活性物質の例には、半導体金属酸化物が含まれる。光活性的に親水性になるが、被覆24は必ずしもそれが自浄性になる程度まで光触媒性でなくてもよく、即ち、合理的又は経済的に有用な時間内で被覆表面上の汚れのような有機物質を分解するのに充分な程光触媒性でなくてもよい。
本発明の広い実施の態様として、基体22は希望の光学的特性を有するどのような希望の材料からなっていてもよい。例えば、基体22は可視光線に透明であってもよい。「透明」とは、0%より大きく、100%までの基体22を通る透過率を有することを意味する。「可視光」とは、395nm〜800nmの範囲の電磁波エネルギーを意味する。別法として、基体22は「半透明」又は「透明」にすることができる。「半透明」とは、電磁波エネルギー(例えば、可視光)を通過させるが、他の側の目的物がはっきりとは見えない位にそれを拡散させることを意味する。「不透明」とは、可視光透過率が0%であることを意味する。基体22のための適当な材料には、プラスチック〔例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらを製造するための単量体の共重合体、又はそれらの混合物〕、セラミック、又はガラスが含まれる。ガラスはどのような種類のものでもよく、例えば、慣用的フロート法ガラス又は平板ガラスでもよく、どのような光学的性質、例えば、可視光透過率、紫外線透過率、赤外線透過率、及び/又は全太陽エネルギー透過率のどのような値でも、それを持っているどのような組成物からなっていてもよい。「フロート法ガラス」とは、溶融ガラスが溶融金属浴上に乗せられ、制御しながら冷却してフロート法ガラス帯を形成する慣用的フロート法により形成されるガラスを意味する。帯は、次に希望に応じ、切断し且つ/又は成形し且つ/又は熱処理する。フロート法ガラスの例は、米国特許第4,466,562号及び第4,671,155号明細書に記載されている。例えば、ガラスは慣用的ソーダ・石灰・珪酸塩ガラス、硼珪酸塩ガラス、又は鉛ガラスでもよい。ガラスは、「透明ガラス」、即ち無色又は非着色ガラスでもよい。別法として、ガラスは色づいているか又は別に着色したガラスでもよい。ガラスは非強化、熱処理、又は熱強化ガラスでもよい。ここで用いる用語「熱強化(heat strengthened)」とは、アニール、急冷強化(temper)、又は少なくとも部分的に急冷強化したことを意味する。本発明に対する限定ではないが、基体12のために適したガラスの例は、米国特許第4,746,347号、第4,792,536号、第5,240,886号、第5,385,872号、及び第5,393,593号明細書(これらは参考のためここに入れてある)に記載されている。基体22は、どのような希望の大きさ、例えば長さ、幅、形、又は厚さのものでもよい。例えば、幾つか名前を上げると、基体22は、建築窓のガラス板、明かり取り窓、絶縁性ガラスユニットの一枚のガラス板、又は慣用的自動車風防ガラスのための積層体、横又は後部窓、サンルーフ、又は航空機透明体でもよい。
PH被覆24は、図1に示したように、基体22の表面21の上に直接、即ち表面接触させて堆積してもよい。ソーダ・石灰・シリカガラスのようなナトリウム含有基体を用いた場合でも、本発明の非常に薄いPH被覆は、その被覆が下に記載する浴中法により適用された時でもその基体中のナトリウムにより非親水性にされることはないことが判明している。従って、ガラスと本発明のPH被覆との間にナトリウム障壁層を用いることなく、ソーダ・石灰・シリカガラスのクリーニングをし易くすることができる。場合により、そのような障壁層を用いてもよい。
別法として、下に記載するように、PH被覆24と基体22との間に、一つ以上の他の層又は被覆、即ち、一つ以上の機能性被覆(例えば、反射防止被覆)又はナトリウムイオン拡散障壁層を介在させることができる。例えば、PH被覆24を、基体22上に存在する被覆の多層積層体の外側、即ち、一番外側の層にしてもよく、或はPH被覆24を、そのような多層積層体中の一番外側の層以外の層の一つとして埋め込んでもよい。「外側層」とは、光活性親水性になるのに充分であるが、必ずしも光触媒性になるとは限らない光活性度を有する被覆を与えるのに充分な励起電磁波、例えば、紫外線を受ける層を意味する。好ましくは、PH被覆24は、基体22上の一番外側の被覆である。
上で論じたように、PH被覆24は、従来知られていた自浄性被覆の程度のレベルの光触媒活性度を持つ必要はない。例えば、PH被覆24は、0cm−1−1に等しいか又はそれより大きく、5×10−3cm−1−1±2×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さく、例えば4×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さく、例えば3×10−3cm−1−1±2×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さく、例えば2×10−3cm−1−1±2×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい範囲内の光触媒活性度を有することができる。
PH被覆24は、光活性親水性を持ち、CVD法、噴霧熱分解法、又はMSVD法により堆積することができるどのような被覆材料でも含むことができる。例えば、本発明を限定するものではないが、PH被覆24は、一種類以上の金属酸化物、金属合金酸化物、又は半導体金属酸化物又は金属合金酸化物、例えば、チタン酸化物、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、鉄酸化物、銀酸化物、コバルト酸化物、クロム酸化物、銅酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、亜鉛酸化物、亜鉛/錫合金酸化物、錫酸亜鉛、チタン酸ストロンチウム、及びそれらの混合物又は組合せを含むことができるが、それらに限定されるものではない。金属酸化物及び/又は金属合金酸化物には、金属の酸化物、超酸化物、又は亜酸化物が含まれる。
本発明の実施で特に有用なPH被覆24の一つの例は、二酸化チタンである。二酸化チタンは、無定形及び三種類の結晶形態、即ち、アナターゼ、ルチル、及びブルッカイト結晶形態として存在している。アナターゼ相二酸化チタンは、化学的侵食に対する優れた抵抗性及び優れた物理的耐久性を持ちながら、強い光活性親水性を示す。二酸化チタンのルチル相は、光活性親水性を示すこともできる。アナターゼ及び/又はルチル及び/又はブルッカイト及び/又は無定形相の混合物又は組合せも、その組合せが光活性親水性を示す限り、本発明で許容することができる。
PH被覆24は、許容可能なレベルの光活性親水性を与えるのに充分な厚さを持つべきである。PH被覆24を「許容可能」又は「許容不可能」にする絶対的値は存在しない。なぜなら、PH被覆が許容可能なレベルの光活性親水性を有するか否かは、そのPH被覆物品を用いる目的及び条件、及びその目的に合うように選択された性能基準に大きく依存して変化するからである。しかし、上で論じたように、光活性親水性を達成するPH被覆24の厚さは、従来の商業的に許容可能なレベルの光触媒自浄性活性度を達成するのに必要とされていた厚さよりも遥かに小さくすることができる。例えば、PH被覆24は、10Å〜5000Åの範囲の厚さを有することができ、この範囲で厚い方の被覆は、光触媒自浄性活性度のみならず親水性も有することができる。この範囲で被覆が薄くなるにつれて、光触媒自浄性活性度は低下するのが典型的である。被覆の厚さが、50Å〜3000Å、例えば100Å〜1000Å、例えば200Å〜500Å、例えば200Å〜300Åのような範囲で減少するにつれて、光触媒自浄性活性度は測定できなくなることがあるが、選択された電磁波の存在下で親水性は依然として存在する。基体22が一枚のフロート法ガラスであり、PH被覆24が、その一枚のフロート法ガラスを覆ってCVD法により直接形成された幾らかのアナターゼ二酸化チタンPH被覆を有する場合、200Å〜300Åの厚さで、PH被覆表面で24W/mの強度を有するUVA−340光源からの紫外線にそのPH被覆を露出した場合、ステアリン酸試験フイルムの除去に対し、0〜2×10−3cm−1−1±2×10−3cm−1−1、例えば、1.8×10−3cm−1−1〜2.8×10−3cm−1−1の範囲の光触媒活性度を与えることが見出されている。このPH被覆は、この同じ紫外線下で超親水性にもなり、UVA−340光源に60分露出した後、4°±2°〜7°±2°の範囲の水滴接触角を持っていた。被覆はその全領域に亙って均一な厚さになっていなくてもよいことは、当業者に認められるであろう。従って、ここで論ずる厚さの値は、全被覆に亙る平均の厚さと考えるべきである。
本発明の別の態様として、本発明のPH被覆24の外側表面は、以前の親水性自浄性被覆よりも遥かに滑らかにすることができるが、依然としてその光活性親水性を維持している。例えば、被覆24、特にその被覆の一番上、即ち外側表面は、200Å〜300Åのような上記範囲内で薄い被覆の場合でさえも、0nmに等しいか又はそれより大きく、5nmより小さい範囲のRMS粗さを有することができ、例えば、4.9nmに等しいか又はそれより小さく、例えば、4nmに等しいか又はそれより小さく、例えば、3nmに等しいか又はそれより小さく、例えば、2nmに等しいか又はそれより小さく、例えば、1nmに等しいか又はそれより小さく、例えば、0.3nm〜0.7nmのRMS粗さを持つことができる。例えば、直ぐ上で論じた200Å〜300ÅのPH被覆は、原子力顕微鏡で測定して、0.55nm〜0.65nmのRMS表面粗さを持っていた。
本発明の更に別の態様として、PH被覆24は、低い可視光反射率を持つことができる。ここで用いる「可視光反射率」は、慣用的色度座標指定(R)Y(照明C、観察者角度2°)に言及している。例えば、PH被覆物品は、10%〜25%、例えば、15%〜25%、例えば、19%〜24%、例えば、15%〜22%、例えば、25%に等しいか又はそれより小さく、例えば、23%に等しいか又はそれより小さく、例えば、20%に等しいか又はそれより小さい範囲の可視光反射率を有することができる。
本発明の更に別の態様として、PH被覆24は、以前の親水性自浄性被覆よりも緻密に作ることができる。例えば、PH被覆24は、実質的に非多孔性にすることができる。「実質的に非多孔性」とは、被覆を従来のフッ化水素酸液滴試験に耐えることができるように、被覆が充分緻密であることを意味する。その液滴試験では、0.5体積%のフッ化水素酸(HF)水溶液の2滴を被覆試料の上に乗せ、その試料の上に慣用的実験室用時計皿を室温で8分間かぶせておく。8分後、時計皿を取り除き、被覆を損傷について調べる。本発明の緻密なPH被覆24は、従来の一層多孔性の自浄性被覆よりも化学侵食に対し下の基体を一層よく保護し、従来のゾル・ゲル法により適用した自浄性被覆よりも一層堅く、一層傷付きにくくなっている。
本発明に従い、10Å〜500Å、例えば、400Åに等しいか又はそれより小さく、例えば、200Å〜300Åの範囲の厚さを有するPH被覆は、噴霧熱分解、CVD、又はMSVDのいずれか一つ以上により基体22上に形成することができる。噴霧熱分解法では、有機又は金属含有前駆物質を水性懸濁物、例えば、水性溶液として運び、CVD法ではキャリヤーガス、例えば、窒素ガスに入れて運び、基体22の表面の方へ送る。同時に基体22は、その基体22の上で前駆物質を分解し、PH被覆24を形成させるのに充分な高さの温度にする。MSVD法では、金属含有カソードターゲットを、不活性雰囲気又は酸素含有雰囲気中で減圧下でスパッターし、基体22を覆うスパッター被覆を蒸着させる。基体22は、被覆中又は被覆後加熱し、スパッター被覆の結晶化を起こし、PH被覆24を形成する。慣用的噴霧熱分解、CVD、及びMSVD法は当業者によく理解されており、従って、ここで詳細に記述しなくても良いであろう。
それらの方法の各々が、被覆24の希望の特性及びガラス製造方法の種類に依存して利点及び欠点を有する。例えば、慣用的フロート法ガラス製造では、溶融ガラスを溶融金属(錫)浴中の溶融金属、例えば錫のプールの上へ注ぎ、連続的フロート法ガラス帯を形成する。錫浴中のフロート法ガラス帯の温度は、一般に浴の導入端部での1203℃(2200°F)から浴の出口端部での592℃(1100°F)までの範囲にある。フロート法ガラス帯はその錫浴から取り出し、徐冷炉中でアニールし、即ち制御しながら冷却し、然る後、希望の長さ及び幅のガラスシートに切断する。錫浴と徐冷炉(annealing lehr)との間のフロート法ガラス帯の温度は、480℃(896°F)〜580℃(1076°F)の範囲にあり、徐冷炉中のフロート法ガラス帯の温度は、204℃(400°F)〜557℃(1035°F)ピークの範囲内にあるようにすることができる。米国特許第4,466,562号及び第4,671,155号明細書(参考のためここに入れてある)は、フロート法ガラス製造についての検討を与えている。
CVD及び噴霧熱分解法は、フロート法ガラス製造ではMSVD法よりも好ましい。なぜなら、それらは上昇させた温度でフロート法ガラス帯のような連続的基体を被覆することと一層よく両立することができるからである。CVD及び噴霧熱分解被覆法の例は、米国特許第4,344,986号、第4,393,095号、第4,400,412号、第4,719,126号、第4,853,257号、及び第4,971,843号明細書(それらの特許は参考のためここに入れてある)に記載されている。
本発明を実施する際、一つ以上のCVD被覆装置を、フロート法ガラス帯製造工程の幾つかの点で用いることができる。例えば、CVD被覆装置を、フロート法ガラス帯が錫浴を通って移動する間、それが錫浴を出た後、それが徐冷炉に入る前、それが徐冷炉を通って移動する間、又はそれが徐冷炉を出た後に、用いることができる。CVD法は、移動するフロート法ガラス帯を被覆することができ、然も、フロート法ガラス帯を製造するのに伴われる激しい環境に耐えることができるので、CVD法は、溶融錫浴中のフロート法ガラス帯にPH被覆24を与えるのに特によく適している。米国特許第4,853,257号、第4,971,843号、第5,536,718号、第5,464,657号、及び第5,599,387号明細書(参考のためここに入れてある)には、溶融錫浴中のフロート法ガラス帯を被覆するため、本発明の実施で用いることができるCVD被覆装置及び方法が記載されている。
例えば、図2に示したように、一つ以上のCVD被覆装置50を、溶融錫プール54の上の錫浴52の所に配置することができる。フロート法ガラス帯56が錫浴52を通って移動する間に、帯56の一番上の表面に前駆物質材料を送る。前駆物質材料は分解して光活性親水性活性度を有する本発明のPH被覆を形成する。例えば、前駆物質材料は、分解して半導体金属酸化物、例えば、結晶質金属酸化物を形成するように選択することができる。本発明の実施で用い、CVD法により二酸化チタンPH被覆を形成することができる前駆物質材料の例には、四塩化チタン(TiCl)、チタンテトライソプロポキシド〔Ti(OC〕(今後TTIPとして言及する)、チタンテトラブトキシド、チタンテトラエトキシド〔Ti(OC〕(今後TTEtとして言及する)、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。CVD法で用いることができるキャリヤーガスの例には、空気、窒素、酸素、アンモニア、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。キャリヤーガス中の金属含有前駆物質の濃度は、上に列挙した金属含有前駆物質の場合、0.01体積%〜0.4体積%、例えば、0.05体積%〜0.4体積%、例えば、0.05体積%〜2体積%、例えば、0.05体積%〜1体積%の範囲にすることができるが、これらの濃度は他の金属含有前駆物質の場合には変化させることができることは当業者によって認められるであろう。
CVD法(同様に下で論ずる噴霧熱分解法)の場合、基体22(例えば、フロート法ガラス帯56)の上にPH被覆24を形成する間のそれら基体の温度は、金属含有前駆物質材料を分解し、光活性親水性活性度を有する被覆を形成する範囲内にすべきである。この温度範囲の下限は、選択された金属含有前駆物質の分解温度により大きく影響を受ける。上に列挙したチタン含有前駆物質の場合、前駆物質の充分な分解を与える基体22の下限温度は、400℃(752°F)〜500℃(932°F)の範囲にすることができる。この温度範囲の上限は、基体を被覆する方法により影響を受ける。例えば、基体22がフロート法ガラス帯56で、PH被覆24を、フロート法ガラス帯56を製造する間の溶融錫浴52中のフロート法ガラス帯56に適用する場合、フロート法ガラス帯56は1000℃(1832°F)を越える温度に到達することがある。フロート法ガラス帯56は、800℃(1472°F)より高い温度では大きさの増減、即ち、寸法合わせ(例えば、延伸又は圧縮)をすることができる。もしPH被覆24を、フロート法ガラス帯56に、その大きさの増減前又は増減中に適用するならば、PH被覆24は、フロート法ガラス帯56が延伸されるか又は圧縮される間に、夫々亀裂を生ずるか又は皺になることがある。従って、フロート法ガラス帯56の形状が安定した時(冷却による熱的収縮の場合を除く)、例えば、ソーダ・石灰・シリカガラスの場合800℃(1472°F)より低くなり、フロート法ガラス帯56が金属含有前駆物質を分解できる温度、例えば、400℃(752°F)より高い温度になった時に、PH被覆を適用することができる。
噴霧熱分解については、米国特許第4,719,126号、第4,719,127号、第4,111,150号、及び第3,660,061号明細書(参考のためここに入れてある)には、慣用的フロート法ガラス帯製造工程で用いることができる噴霧熱分解装置及び方法が記載されている。CVD法と同様に噴霧熱分解法は、移動するフロート法ガラス帯を被覆するのに充分適しているが、噴霧熱分解は、CVD装置よりも複雑な装置を有し、通常錫浴の出口端部と徐冷炉の入口端部との間で用いられる。
本発明の実施で、噴霧熱分解法によりPH被覆を形成するのに用いることができる金属含有前駆物質の例には、比較的水に不溶性の有機金属反応物、特に金属アセチルアセトネート化合物が含まれ、それらはジェットミルにかけるか又は湿式粉砕して10μより小さな粒径にし、化学的湿潤剤を用いることにより、水性媒体中に懸濁する。二酸化チタンPH被覆を形成するのに適した金属アセチルアセトネートは、チタニルアセチルアセトネート〔TiO(C〕である。水性懸濁物中の金属アセチルアセトネートの相対的濃度は、その水性懸濁物の5〜40重量%の範囲にある。湿潤剤は、陰イオン性、非イオン性、又は陽イオン性組成物を含めたどのような比較的発泡性の低い表面活性剤でもよいが、非イオン性が好ましい。湿潤剤は0.24重量%で添加されるのが典型的であるが、0.01%〜1%以上の範囲にすることができる。水性媒体は、蒸留水又は脱イオン水が好ましい。金属含有フイルムを熱分解堆積するための水性懸濁物は、米国特許第4,719,127号明細書(これは参考のためここに入れてある)に記載されており、特に第2欄第16行〜第4欄第48行に記載されている。
直接溶融錫上に乗っているフロート法ガラス帯の下側表面(一般に「錫側」として言及されている)は、表面に拡散した錫を有し、それが錫側に、溶融錫と接触していなかった反対側の表面(一般に「空気側」として言及されている)とは異なった錫吸収パターンを与えている。本発明のPH被覆は、フロート法ガラス帯の空気側に、それが錫上に支えられている間に、上で述べたようにCVD法により形成してもよく、フロート法ガラス帯の空気側に、それが錫浴を出た後に、CVD又は噴霧熱分解法により形成してもよく、且つ/又はフロート法ガラス帯の錫側に、それが錫浴を出た後に、CVD法により形成してもよい。
MSVDに関し、米国特許第4,379,040号、第4,861,669号、第4,900,633号、第4,920,006号、第4,938,857号、第5,328,768号、及び第5,492,750号明細書(参考のためここに入れてある)には、ガラス基体を含めた基体上に金属酸化物フイルムをスパッター被覆するためのMSVD装置及び方法が記載されている。MSVD法は、フロート法ガラス帯の上に、その製造中、PH被覆を与えることとは一般に両立できるものではない。なぜなら、就中、MSVD法は、連続的に移動するフロート法ガラス帯の上に形成するのが困難な減圧を、スパッター操作中に必要とするからである。しかし、MSVD法は、基体22、例えば、ガラスシートの上にPH被覆24を蒸着するのに許容することができる。基体22を400℃(752°F)〜500℃(932°F)の範囲の温度に加熱し、基体上のMSVDスパッターした被覆を蒸着過程中に結晶化し、それにより後の加熱操作を除くことができる。スパッター中基体を加熱することは、或る場合には好ましくないことがある。なぜなら、スパッター中の付加的加熱操作は、生産性を低下するからである。別法として、スパッター被覆は、MSVD被覆装置内で直接、高エネルギープラズマを用いることによる後熱処理を用いることなく結晶化することができるが、この場合もMSVD被覆装置により生産性を低下する傾向があるため、これは好ましい方法ではない。
MSVD法を用いてPH被覆(特に、300Å以下で、2nm以下のRMS粗さを有するPH被覆)を与える方法の例は、基体上に被覆をスパッターし、MSVD被覆装置から被覆された基体を取り出し、然る後、その被覆された基体を熱処理して、そのスパッター被覆を結晶化し、PH被覆24にする。例えば、本発明を限定するものではないが、チタン金属のターゲットを5〜50%、例えば、20%の酸素を含むアルゴ/酸素雰囲気中で、5〜10ミリトールの圧力でスパッターし、基体22の上に希望の厚さの二酸化チタン被覆をスパッター蒸着することができる。蒸着したままの被覆は結晶化されていない。被覆した基体を被覆装置から取り出し、400℃(752°F)〜600℃(1112°F)の範囲の温度に、二酸化チタンのPH結晶形態の形成を促進するのに充分な時間加熱し、PH活性にする。例えば、被覆した基体を少なくとも1時間、400℃(752°F)〜600℃(1112°F)の範囲の温度に加熱することができる。基体22がフロート法ガラス帯から切り取ったガラスシートである場合、PH被覆24を、空気側及び/又は錫側上にスパッター蒸着することができる。
CVD、噴霧熱分解、又はMSVD法により堆積したPH被覆24を有する基体22は、次に一回以上の後PH被覆アニーリング操作にかけることができる。アニールの温度及び時間は、基体22の構成、PH被覆24の構成、PH被覆24の厚さ、及びPH被覆24が直接基体22と接触しているか、又は基体22上の多層積層体の一つの層であるかを含めた幾つかの因子により影響を受けることは認められるであろう。
基体22上に堆積したPH被覆中へ基体22から移動することができるナトリウムイオンを基体22が含む場合、CVD法、噴霧熱分解法、又はMSVD法によりPH被覆が与えられると、それらナトリウムイオンはチタンを消費しながら不活性化合物を形成することにより、例えば、チタン酸ナトリウムを形成するか、光励起された電荷の再結合を起こすことにより、PH被覆の光活性親水性を妨げるか又は破壊することがある。従って、PH被覆24を堆積する前に、基体の上にナトリウムイオン拡散障壁(sodium ion diffusion barrier、SIDB)層を堆積することができる。適当なSIDB層は、米国特許第6,027,766号明細書(参考のためここに入れてある)に詳細に論じられており、ここで詳細に論ずることはしない。後被覆加熱を用いる場合、ソーダ・石灰・シリカガラスのようなナトリウム含有基体では、ナトリウム障壁層を持つことが好ましい。溶融金属浴中で本発明のPH被覆を適用する場合、ナトリウム障壁層は任意的なものである。
本発明のPH被覆は、電磁波スペクトルの紫外線範囲、例えば、300nm〜395nmの範囲の輻射線に露出すると、光活性親水性になるのが好ましい。紫外線源には天然の源、例えば太陽放射線、ブラックライト、又は上に記載したようなUVA−340光源のような紫外線光源のような人工的光源が含まれる。
図1に示したように、本発明のPH被覆24の外に、機能性被覆46(下で説明する)のような一つ以上の付加的被覆を、基体22の上又はそれを覆って堆積することができる。例えば、機能性被覆46は、表面21とは反対側の基体22の主表面60を覆って堆積することができる。機能性被覆46はどのような慣用的方法により堆積してもよく、例えば、噴霧熱分解、CVD、MSVD、ゾル・ゲル法等でもよいが、それらに限定されるものではない。例えば、米国特許第4,584,206号及び第4,900,110号明細書(参考のためここに入れてある)には、化学蒸着によりガラス帯の下側表面上に金属含有フイルムを蒸着するための方法及び装置が記載されている。そのような既知の装置を、フロート法ガラス製造で溶融錫浴の下流に配置し、ガラス帯の下側、即ち、本発明のPH被覆とは反対側に機能性被覆を与えることができる。別法として、一つ以上の他のCVD被覆装置を錫浴の所に配置し、フロート法ガラス帯のPH被覆24の上又は下に機能性被覆を蒸着することができる。
本発明の製造物品の例を、絶縁ガラス(IG)ユニット30の形で図3に示す。絶縁ガラスユニットは、スペーサー組立体(図示されていない)により第二ガラス板34から隔てられた第一ガラス板32を有し、そのガラス板は、それら2枚のガラス板32、34の間に室が形成されるように密封材系により適所に保持されている。第一ガラス板32は、第一表面36(表面番号1)及び第二表面38(表面番号2)を有する。第二ガラス板34は第一表面40(表面番号3)及び第二表面42(表面番号4)を有する。第一表面36は、IGユニットの外側表面、即ち、環境に曝される表面で、第二表面42は内側の表面、即ち、構造体の内側を形成する表面にすることができる。IGユニットの例は、米国特許第4,193,236号、第4,464,874号、第5,088,258号、及び第5,106,663号明細書(参考のためここに入れてある)に記載されている。図3に示したように、PH被覆24は、番号1又は番号4の表面上に配置するのが好ましく、番号1の表面上であるのが好ましい。PH被覆24は曇りを減少し、IGユニット30をクリーニングし且つ維持し易くしている。
場合により一つ以上の機能性被覆46を、番号2、番号3、又は番号4の表面の少なくとも一部分を覆って堆積することができる。ここで用いる用語「機能性被覆」とは、基体を覆ってそれが堆積されるその基体の一つ以上の物理的性質、例えば、光学的、熱的、化学的、又は機械的性質を変える被覆を指し、後の処理中に基体から除去されることを意図するものではない。機能性被覆46は、同じか又は異なる組成物又は機能性を持つ一つ以上の機能性被覆フイルムを有することができる。ここで用いる用語「層」又は「フイルム」とは、希望の又は選択された被覆組成物の被覆領域を指す。フイルムは均一、不均一、又は段階的組成上の変化を有するものでもよい。外側表面又は部分(即ち、基体から最も遠い表面又は部分)、内側表面又は部分(即ち、基体に最も近い表面又は部分)、及び外側と内側の表面の間の部分が、実質的に同じ組成を有する場合、フイルムは「均一」である。フイルムが一種類以上の成分について実質的に増大する分率を有し、内側表面から外側表面へ、又はその逆に移動した時に一種類以上の他の成分について実質的に減少する分率を有する場合、フイルムは「漸次変化(graded)」している。フイルムが均一又は漸次変化以外である場合、フイルムは「不均一」である。「被覆」は、一つ以上の「フイルム」から構成されている。
機能性被覆46は、例えば、米国特許第5,653,903号及び第5,028,759号明細書に記載されているような電気伝導性加熱窓被覆のような電気伝導性被覆であるか、又はアンテナのような機能を果たすことができる単一フイルム又は多層フイルム被覆にすることができる。同様に、機能性被覆46は、太陽光調節被覆、例えば、可視光、赤外線、又は紫外線エネルギー反射性又は吸収性被覆にすることができる。適当な太陽光調節被覆の例は、米国特許第4,898,789号、第5,821,001号、第4,716,086号、第4,610,771号、第4,902,580号、第4,716,086号、第4,806,220号、第4,898,790号、第4,834,857号、第4,948,677号、第5,059,295号、及び第5,028,759号明細書及び米国特許出願No.09/058,440に見出される。同様に、機能性被覆46は、低放射性被覆にすることができる。「低放射性被覆」は、可視波長エネルギー、例えば、400nm〜780nmを、被覆を通って透過できるようにしているが、一層長い波長の太陽赤外線エネルギー及び/又は熱赤外線エネルギーを反射し、建築嵌込み窓ガラスの熱絶縁性を改良することを目的としているのが典型的である。「低放射性」とは、0.4より小さく、好ましくは0.3より小さく、一層好ましくは0.2より小さい放射性を意味する。低放射性被覆の例は、例えば、米国特許第4,952,423号、及び第4,504,109号明細書及び英国特許、GB2,302,102に見出される。機能性被覆46は単一層又は多層被覆でもよく、一種類以上の金属、非金属、半金属、半導体、及び/又は合金、化合物、複合体、それらの組合せ又は混合物を含むことができる。例えば、機能性被覆46は、単一層金属酸化物被覆、多層金属酸化物被覆、非金属酸化物被覆、又は多層被覆にすることができる。更に、機能性被覆は、反射防止性被覆にすることができる。
本発明で用いるのに適した機能性被覆の例は、ペンシルバニア州ピッツバーグのPPGインダストリーズ社から、被覆のサンゲート(SUNGATE)(登録商標名)及びソーラーバン(SOLARBAN)(登録商標名)系のものとして市販されている。そのような機能性被覆は、可視光に対し透明であるか又は実質的に透明であるのが好ましい誘電体又は反射防止性材料、例えば、金属酸化物又は金属合金の酸化物を含む一つ以上の反射防止性被覆フイルムを含むのが典型的である。機能性被覆46は、反射性金属、例えば、金のような貴金属、銅、又は銀、又はそれらの組合せ又は合金を含む赤外線反射性フイルムを含むこともでき、更に、金属反射性層の上及び/又は下に位置する、当分野で知られているような、チタンのような下地フイルム又は障壁フイルムを含むことができる。
機能性被覆46は、マグネトロンスパッター蒸着(MSVD)、化学蒸着(CVD)、噴霧熱分解(即ち、熱分解堆積)、大気圧CVD(APCVD)、低圧CVD(LPCVD)、プラズマ促進CVD(PECVD)、プラズマ補助CVD(PACVD)、熱又は電子ビーム蒸着、カソードアーク蒸着、プラズマスプレー蒸着、及び湿式化学蒸着(例えば、ゾル・ゲル、銀鏡形成等)のようなどのような慣用的やり方で堆積してもよいが、それらに限定されるものではない。機能性被覆を基体のPH被覆側に適用する場合、PH被覆の前に錫浴中でその機能性被覆を適用するのが好ましい。機能性被覆がPH被覆とは反対側60上にある場合、その機能性被覆は、上で論じたように、フロート法の錫浴の後で、例えばCVD又はMSVDにより基体22の錫側に適用することができる。
上の検討で、PH被覆を基体の空気側を覆って適用し、機能性被覆を基体の錫側を覆って適用したが、機能性被覆は基体の空気側を覆って適用してもよいことは分かるであろう。例えば、錫浴中のフロート法ガラス帯に適用し、その後で基体の錫側を覆ってPH被覆を希望の方法、例えば、上に記載したような方法により適用してもよい。
自浄性被覆を形成するゾル・ゲル法に勝る本発明の利点には、ゾル・ゲル被覆法で得られる一般的に一層厚い多孔質の自浄性被覆とは対照的に、基体上に薄くて緻密なPHフイルムを形成することができることが含まれる。本発明のPH被覆は薄く、例えば、500Åに等しいか又はそれより薄く、好ましくは300Åに等しいか又はそれより薄いため、それらはガラス基体上の透明な被覆として使用するのに美的に許容することができる。更に別の利点は、本発明によるPH被覆を与える方法は、現在利用できるゾル・ゲル法で必要になるような、被覆又は被覆前駆物質を適用した後の基体を再加熱する必要性をなくしていることである。このことは、本発明の方法をコストが低く一層効率的なもの、例えば、設備のコストを低くし、エネルギーコストを少なくし、製造時間を短くしたもの(それらに限定されるものではない)にしているのみならず、本発明のPH被覆のナトリウムイオン移動の機会を、従ってナトリウムイオンによる被毒を著しく減少している。更に、本発明の方法は、フロート法ガラス帯のような連続的に移動している基体上にPASC被覆を形成するのに適合させ易いのに対し、現在利用できるゾル・ゲル法は、それ程容易に適合させることはできない。
本発明の次の実施例は、例示のために与えられており、本発明はそれらに限定されるものではない。
慣用的CVD法により、慣用的錫浴中を1,229cm/分(484インチ/分)の速度で移動する386cm(152″)のフロート法ガラス帯(厚さ3.3mmの透明ガラス)の上に、232Åの厚さ(偏光法及び透過率データーにより決定した)を有する二酸化チタンの122cm(48″)幅のPH被覆を蒸着した。その被覆は、窒素含有キャリヤーガス中に0.07モル%のチタンテトライソプロポキシドである前駆物質材料から形成し、659℃(1220°F)のガラス帯温度で適用した。次に被覆した帯をアニール、即ち、制御された速度で冷却し、7.5cm(3″)×15cm(6″)の試料片に切断した。蒸着した被覆の結晶構造は、X線回折によりアナターゼであることが決定された。被覆は、慣用的ステアリン酸試験により決定して1.8×10−3cm−1−1の光触媒活性度を有し、反射率(R)Y=19.43、x=0.2741、y=0.2774、及び透過率Y=78.50、x=0.3187、y=0.3279、の色度座標(照明C、観察者角度2°)を持っていた。
被覆した物品の光活性親水性を測定するため、試料片を、インディアナ州メディソンのメディソン・ケミカル社(Madison Chemical Inc.)から市販されているダート(DART)210クリーナーの希釈(pH2.9)クリーニング水溶液を用い、145°Fで20分間超音波クリーニングした。次に試料片を室温の脱イオン水で濯ぎ、次に脱イオン水中で2回目の超音波クリーニングを155°Fで10分間行なった。試料片を再び室温の脱イオン水で濯ぎ、圧縮窒素で吹き付け乾燥した。試料片をUVA340バルブからのUV輻射線に24W/mで照射し、水滴の接触角を時間と共に測定した。水滴接触角は、レイム・ハート(Rame-Hart)望遠角度測定器、102−00−115型で、試料を水平(非傾斜)位置にして測定した。測定した各試料について、水滴接触角は、UVA−340による約30分の照射で、約21°〜47°から約4°〜11°へ低下し、約60分の照射で約3°〜7°へ低下した。
幾つかの試料片について、10サイクル及び25サイクルで1000gの荷重を持つCS−10F円板を用いて、平板回転摩耗試験(Taber abrasion test)を行なった。パシフィック・サイエンティフィック(Pacific Scientific)XL211ヘイズガードシステム(HazeGuard System)を用いて各試料についての透過曇りは0.0であることが決定された。五つの試料片については、摩耗抵抗のためのANSIZ26.1−1983の試験No.18の方法(1000サイクル、平板一つ当たり500g)に従い、平板回転摩耗試験を行い、2.4%の拡散光の平均増加を与えた。
試料片を幾つかの慣用的試験方法にかけ、それらの結果を下の表1に与える。フイルム劣化結果は、肉眼観察に基づいており、色の測定を反映している。接触角の結果は、上に記載したようにして決定した。
Figure 2009173546
表1に示したように、PH被覆はフイルムの劣化を示さず、各試験後、その光誘導親水性を維持していた。
上の記述で開示した概念から離れることなく、本発明に修正を加えることができることは当業者に容易に認められるであろう。従って、ここに詳細に記述した特定の態様は、単に例示のためであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の全範囲及びその如何なる同等のものでもその全てに与えられるべきものである。
20 物品
21 基体表面
22 基体
24 PH被覆
30 絶縁ガラスユニット
32 第一ガラス板
34 第二ガラス板
36 第一表面
38 第二表面
40 第一表面
42 第二表面
46 機能性被覆
50 CVD被覆装置
52 錫浴
56 フロート法ガラス帯
60 基体主表面

Claims (53)

  1. 少なくとも一つの表面を有する基体、及び
    前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆、を有し、
    前記光誘導親水性被覆の外側表面は、2nmに等しいか又はそれより小さい根二乗平均粗さを有し、前記光誘導親水性被覆が、化学蒸着、マグネトロンスパッター真空蒸着、及び噴霧熱分解から選択された方法により堆積されている、物品。
  2. 物品上の水滴の接触角が、被覆をUVA340輻射線に24W/mで60分間照射した後、15°より小さい、請求項1に記載の物品。
  3. 物品上の水滴の接触角が、被覆をUVA340輻射線に24W/mで60分間照射した後、10°より小さい、請求項1に記載の物品。
  4. 物品上の水滴の接触角が、被覆をUVA340輻射線に24W/mで60分間照射した後、5°より小さい、請求項1に記載の物品。
  5. 物品上の水滴の接触角が、1°に等しいか又はそれより小さい、請求項1に記載の物品。
  6. 光誘導親水性被覆が、500Åに等しいか又はそれより小さい厚さを有する、請求項1に記載の物品。
  7. 光誘導親水性被覆が、400Åに等しいか又はそれより小さい厚さを有する、請求項1に記載の物品。
  8. 光誘導親水性被覆が、300Åに等しいか又はそれより小さい厚さを有する、請求項1に記載の物品。
  9. 光誘導親水性被覆が、200Åに等しいか又はそれより小さい厚さを有する、請求項1に記載の物品。
  10. 光誘導親水性被覆が、50Å〜500Åの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の物品。
  11. 光誘導親水性被覆が、チタン酸化物、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、鉄酸化物、銀酸化物、銅酸化物、タングステン酸化物、亜鉛/錫合金酸化物、錫酸亜鉛、モリブデン酸化物、亜鉛酸化物、チタン酸ストロンチウム、コバルト酸化物、クロム酸化物、及びそれらの混合物又は組合せから選択された少なくとも一種類の金属酸化物及び/又は金属合金酸化物を含有する、請求項1に記載の物品。
  12. 光誘導親水性被覆が、二酸化チタンを含有する、請求項1に記載の物品。
  13. 二酸化チタンが、アナターゼ、ルチル、ブルッカイト、無定形、及びそれらの混合物又は組合せからなる群から選択されている、請求項12に記載の物品。
  14. 光誘導親水性被覆が実質的に非多孔性である、請求項1に記載の物品。
  15. 被覆の外側表面が、1nmに等しいか又はそれより小さい根二乗平均粗さを有する、請求項1に記載の物品。
  16. 被覆の外側表面が、0.2nm〜0.7nmの範囲の根二乗平均粗さを有する、請求項1に記載の物品。
  17. 被覆が、5×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する、請求項1に記載の物品。
  18. 被覆が、3×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する、請求項1に記載の物品。
  19. 被覆が、2×10−3cm−1−1±2×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する、請求項1に記載の物品。
  20. 物品が、15%〜25%の範囲の可視光反射率を有する、請求項1に記載の物品。
  21. 光誘導親水性被覆と基体との間に位置する少なくとも一つの付加的被覆を有する、請求項1に記載の物品。
  22. 付加的被覆が、ナトリウムイオン拡散障壁、太陽光調節被覆、及び反射防止被覆からなる群から選択された機能性被覆である、請求項21に記載の物品。
  23. 基体が第一表面及び第二表面を有し、前記第一表面の少なくとも一部分を覆って堆積した被覆を有し、前記第二表面がその中に拡散した錫を有する、請求項1に記載の物品。
  24. 基体がフロート法ガラス帯であり、堆積法が、化学蒸着及び噴霧熱分解から選択されている、請求項1に記載の物品。
  25. フロート法ガラス帯が溶融金属浴中に位置しており、堆積法が化学蒸着である、請求項24に記載の物品。
  26. 物品が、内側表面及び外側表面を有する一体的又は積層窓ユニットであり、前記外側表面上に堆積した光誘導親水性被覆を有する、請求項1に記載の物品。
  27. 物品が番号1、2、3、及び4の表面を有する絶縁ガラスユニットであり、光誘導親水性被覆が、番号1又は番号4の表面の少なくとも一方の上に位置している、請求項1に記載の物品。
  28. 番号2、番号3、又は番号4の表面の少なくとも一つの上に位置する機能性被覆を有する、請求項27に記載の物品。
  29. 物品が、自動車の透明体である、請求項1に記載の物品。
  30. 物品が建築物の窓である、請求項1に記載の物品。
  31. 物品が、内側表面を有する自動車透明体であり、前記内側表面上に被覆が堆積してある、請求項1に記載の物品。
  32. 被覆が、200Å〜300Åの範囲の厚さ、1nmに等しいか又はそれより小さい根二乗平均粗さ、及び3×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する二酸化チタンを含有する、請求項1に記載の物品。
  33. 基体が、その基体の少なくとも一部分を覆って堆積した機能性被覆を有する、請求項1に記載の物品。
  34. 機能性被覆が太陽光調節被覆である、請求項33に記載の物品。
  35. 基体が第一表面及び第二表面を有し、前記第一表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆、及び前記第二表面の少なくとも一部分を覆って堆積した機能性被覆を有する、請求項1に記載の物品。
  36. 少なくとも一つの表面を有するフロート法ガラス帯、及び
    前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分の上に直接堆積した光誘導親水性被覆、を有し、
    前記光誘導親水性被覆が、溶融金属浴中のフロート法ガラス帯上で直接堆積される、物品。
  37. 少なくとも一つの表面を有する基体、及び
    前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆、を有し、
    前記光誘導親水性被覆が、3×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する物品。
  38. 少なくとも一つの表面を有する基体、及び
    前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆、を有し、
    前記基体が溶融金属浴中に位置するフロート法ガラス帯であり、前記光誘導親水性被覆が500Å以下の厚さを有し、前記光誘導親水性被覆が、化学蒸着により溶融金属浴中の前記少なくとも一つの表面を覆って蒸着されている、物品。
  39. 少なくとも一つの表面を有する基体、及び
    前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆って堆積した光誘導親水性被覆、を有し、
    前記光誘導親水性光が、500℃〜1200℃の範囲の温度で化学蒸着により蒸着されており、前記光誘導親水性被覆が500Å以下の厚さを有する、物品。
  40. 基体の少なくとも一部分を覆って光誘導親水性被覆を形成する方法において、
    第一表面及び第二表面を有し、それら表面の少なくとも一方が中に拡散した錫を有する基体を準備し、
    前記表面の少なくとも一方の上に、化学蒸着、噴霧熱分解、及びマグネトロンスパッター真空蒸着から選択された方法により被覆装置から金属酸化物前駆物質を堆積し、そして
    前記基体を前記金属酸化物前駆物質を分解するのに充分な温度に加熱し、2nm以下の根二乗平均粗さを有する光誘導親水性被覆を形成する、
    諸工程を含む、光誘導親水性被覆形成方法。
  41. 被覆装置が化学蒸着被覆装置であり、金属酸化物前駆物質が、四塩化チタン、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシド、及びそれらの混合物から選択されている、請求項40に記載の方法。
  42. 光誘導親水性被覆が、二酸化チタンを含む、請求項40に記載の方法。
  43. 光誘導親水性被覆が、被覆した基体上の水滴の接触角が340nmのUV輻射線に24W/mの強度で60分間照射した後、15°より小さくなるような厚さを有する、請求項40に記載の方法。
  44. 光誘導親水性被覆が、300Åに等しいか又はそれより小さい厚さを有する、請求項40に記載の方法。
  45. 光誘導親水性被覆が、50Å〜250Åの厚さを有する、請求項40に記載の方法。
  46. 被覆装置が熱分解被覆装置であり、第一表面上に前記熱分解被覆装置から金属酸化物前駆物質の懸濁物を送ることを含む、請求項40に記載の方法。
  47. 金属酸化物前駆物質を、基体の表面上に直接堆積する、請求項40に記載の方法。
  48. 被覆が、3×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する、請求項40に記載の方法。
  49. 被覆が200Å〜300Åの範囲の厚さ、0.2nm〜1.5nmの根二乗平均粗さ、及び3×10−3cm−1−1に等しいか又はそれより小さい光触媒活性度を有する、請求項40に記載の方法。
  50. 基体の少なくとも一部分を覆って光誘導親水性被覆を形成する方法において、
    溶融金属浴中にフロート法ガラス帯を提供し、
    化学蒸着により前記ガラス帯の一番上の表面に直接被覆装置から金属酸化物前駆物質材料を蒸着し、そして
    前記ガラス帯を、前記金属酸化物前駆物質材料を分解するのに充分な温度へ加熱し、光誘導親水性被覆を形成する、
    諸工程を含む、光誘導親水性被覆形成方法。
  51. 金属酸化物前駆物質材料を蒸着し、500Å以下の厚さを有する光誘導親水性被覆を与えることを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 基体の少なくとも一部分を覆う光誘導親水性被覆を形成する方法において、
    少なくとも一つの表面を有する基体を準備し、
    前記少なくとも一つの表面の少なくとも一部分を覆ってCVD被覆装置から金属酸化物前駆物質材料を蒸着し、
    前記基体を400℃〜1200℃の範囲の温度へ加熱し、前記金属酸化物前駆物質材料を分解し、前記光誘導親水性被覆を形成し、そして
    前記光誘導親水性被覆が500Å以下の厚さを有するのに充分な前駆物質材料を与える、
    諸工程を含む、光誘導親水性被覆形成方法。
  53. 請求項40に記載の方法により形成された物品。
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