JP2009172863A - 繊維強化樹脂構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア材の周囲にボイドの無い状態で繊維強化樹脂を形成することができ、複雑な最終形状にも追従できる繊維強化樹脂構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】コア材12の表面に未硬化の樹脂15aと強化繊維15bとを有するプリプレグ15を配置し、コア材12を成形型1内に配置し、成形型1内を脱気し、コア材12を加圧方向yから加圧することにより、樹脂15aを強化繊維15bに含浸させ、樹脂15aを加熱して硬化させ、コア材12の周囲に繊維強化樹脂16を成形する繊維強化樹脂構造体10の製造方法であって、加圧方向に対して傾斜した傾斜面11a、11bにより分割されたコア片11B,11A,11Bからなるコア材を用い、含浸時に、コア片11Bを加圧方向から加圧することにより、コア片11Aをコア材11Aに隣接するコア片11Bの傾斜面11bに沿ってスライドさせて、成形型1の内面に向かって、コア材12の表面を加圧する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化樹脂構造体の製造方法に係り、特に、成形型を用いてプリプレグを加圧して成形する繊維強化樹脂構造体の製造方法に関する。
従来の繊維強化樹脂構造体、いわゆるFRP構造体は、強化繊維と樹脂とを少なくとも含む繊維強化樹脂(FRP)を有する構造体である。該構造体は、機械的強度を維持しつつ、軽量化を図るべき箇所に使用されるものである。このようなFRP構造体の繊維強化樹脂は、強化繊維に樹脂を含浸させることにより成形される。
例えば、このようなFRP構造体は、図4に示すようにして製造される。まず、多面体(たとえば四角柱)状のコア材82を準備し、該コア材82の表面に、強化繊維85bと未硬化の樹脂85aからなるプリプレグ85を配置する。この配置状態で、プリプレグ85が配置されたコア材82を、上型2と下型3とからなる成形型1内に配置する。
次に、コア材が配置された成形型1内をパイプ5により接続された減圧装置7により脱気すると共に、該コア材82を含むプリプレグ85を一方向(所定の加圧方向y)から加圧することにより、プリプレグ85の強化繊維85bに未硬化の樹脂85aを含浸する。
そして、含浸された未硬化の樹脂を加熱して硬化させ、コア材82の周囲に繊維強化樹脂86を成形し、コア材82に繊維強化樹脂86が一体成形されたFRP構造体80を製造することができる。
しかし、このようなFRP構造体は、図5(A)に示す(図4のA部の拡大図)ように、コア材82の表面のうち、加圧方向yと垂直方向(X軸方向)に沿って形成された表面に配置されたプリプレグ(横壁部86A)は、加圧時の圧力が伝達されるので、強化繊維85bに未硬化の樹脂85aが含浸されやすい。しかし、図5(B)に示す(B部の拡大図)のように、コア材の表面のうち加圧方向y(Y軸方向)に沿って形成された表面に配置されたプリプレグ(縦壁部86B)は、加圧時の圧力が充分に伝達されないので、強化繊維85bに未硬化の樹脂85aが含浸され難い。この結果、縦壁部86Bのプリプレグ85内に残留するエアは前記加圧力により分散されず、特に、繊維強化樹脂86の縦壁部86Bに、ボイドBが形成されることがあった。
このように、プリプレグ85の縦壁部86Bには加圧方向yの加圧力が伝達され難いため、該加圧方向yとは異なる方向からも加圧力を付与できるように、例えば、コア材の四方から圧力を加えることが好ましい。しかし、単純に、成形型1の外部の四方からコア材82に、圧力をかけようとした場合には、成形装置上の問題、作業性の問題等があり、好ましい方法であるとは言い難い。
そこで、図6に示すように、加圧方向yに交差する傾斜側面92aを有するコア材92と、この形状に合わせた上型72及び下型73からなる成形型71を用いて、強化繊維95aに未硬化の樹脂95bを含浸させる方法が取られている。このように、プリプレグ95が配置された縦壁部96Bが加圧方向に対して傾斜していることにより、上型72からの加圧方向yの加圧力が縦壁部96Bに作用するので、横壁部96Aと同様に、強化繊維95bに未硬化の樹脂95aを好適に含浸させることができる。
また別のFRP構造体の製造方法として、発泡液を内部に有した中空体のコア材の表面に強化繊維基材を配置する工程と、該コア材を成形型内に配置してバッグフィルムで覆う工程と、バッグフィルムで覆われた型内部を真空状態して、型内部に樹脂を注入して、樹脂を強化繊維基材に含浸する工程を少なくとも含む、FRP構造体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−79649号公報
しかし、図6に示す製造方法を用いた場合には、FRP構造体の形状は制約されるばかりでなく、コア材の全面に加圧力を作用させる場合には、成形型の形状が複雑なものになってしまう。
また、特許文献1に記載の前記製造方法は、含浸時に、発泡液を発泡させて、該発泡による加圧力により強化繊維基材に樹脂に含浸させようとしているが、該発泡による加圧力では、樹脂が含浸した状態の強化繊維内のエアを、均一に分散させるには充分とは言えない。この結果、繊維強化樹脂内には、前記エアによるボイドが残留することもあり、良好な成形物を得ることができないおそれがあった。
本発明は、前記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コア材の周囲に未硬化の樹脂と強化繊維とを有するプリプレグを配置し、該プリプレグを加圧してコア材の周囲にボイドの無い状態で繊維強化樹脂を成形することができ、複雑な最終形状にも追従できる繊維強化樹脂構造体の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法はコア材の表面に未硬化の樹脂と強化繊維とを有するプリプレグを配置する工程と、前記プリプレグを配置したコア材を成形型内に配置する工程と、前記コア材が配置された成形型内を脱気すると共に、前記コア材を所定の加圧方向から加圧することにより、前記未硬化の樹脂を強化繊維に含浸させる工程と、含浸された未硬化の樹脂を加熱して硬化させ、前記コア材の周囲に繊維強化樹脂を成形する工程と、を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体の製造方法であって、前記コア材として、前記加圧方向に対して傾斜した傾斜面により分割された複数のコア片からなるコア材を用い、前記含浸工程において、少なくとも1つのコア片を前記加圧方向から加圧することにより、該加圧されたコア片を該加圧されたコア片に隣接するコア片の前記傾斜面に沿ってスライドさせ、該スライドにより、前記成形型の内面に向かって前記コア材の表面を加圧することを特徴としている。
本発明によれば、まず、プリプレグを配置する工程の際に、コア材として、コア材を分割したコア片を準備する。分割されたコア片は、コア材を成形型内に配置した際の成形型からの加圧方向に対して傾斜した傾斜面に沿って、前記コア材を分割したものである。また、コア片が成形型内において前記加圧により隣接するコア片に対して傾斜面に沿ってスライド可能なように、分割したコア片を配置すると共に、このコア片の配置により得られるコア材の表面にプリプレグを配置する。
そして、プリプレグを配置したコア材を成形型内に配置し、コア材が配置された成形型内を脱気する。この脱気と共に、コア材のうち少なくとも1つのコア片を、一方向(所定の加圧方向)から加圧する。この際に、加圧されたコア片を加圧されたコア材に隣接するコア片の前記傾斜面に沿ってスライドさせるので、傾斜面に作用した前記一方向の加圧力の一部が、加圧方向に対して垂直方向にも作用する。
この垂直方向の加圧力により、前記加圧方向に沿って形成された成形型の内面に向かって、コア材の表面を加圧することができる。これにより、成形型の内面とコア材の表面との間に配置された縦壁部(コア材の表面のうち加圧方向に沿って形成された表面に配置されたプリプレグ)にも加圧力の一部が伝達されるので、前記縦壁部は、横壁部(コア材の表面のうち加圧方向と垂直方向に沿って形成された表面に配置されたプリプレグ)と同様に、強化繊維に未硬化の樹脂が含浸されやすくなる。
このようにしてコア材の周囲に、繊維強化樹脂が一体化され成形されるため、コア材と繊維強化樹脂との間や、樹脂と強化繊維との間にボイドが残留し難く、コア材の最終形状を忠実に再現した繊維強化樹脂構造体を成形することができる。
さらに、本発明に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法の好ましい具体的な態様としては、前記プリプレグを配置する工程において、前記コア片同士の間に未発泡の発泡樹脂を配置し、含浸工程において、少なくとも前記未発泡の発泡樹脂を加熱することにより、前記発泡樹脂を発泡させながら前記含浸を行うことが好ましい。
発泡樹脂の発泡により、コア材の表面が成形型の内面に向かって加圧されるのを助長すると共に、コア片同士の隙間、及びコア片とプリプレグとの一部に生じる隙間に、発泡樹脂を充填することができ、内部欠陥のない繊維強化樹脂構造体を得ることができる。また、コア材同士の間に発泡樹脂を配置することにより、成形型内に配置するコア片同士の仮止めをすることができる。
前記樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を挙げることができ、該樹脂を発泡させる発泡剤を含み、所定の温度で樹脂を発泡させることができるのであれば、これらの樹脂は特に限定されるものではない。
また、前記含浸工程において、前記コア材に樹脂を用い、前記発泡樹脂として前記コア材と同種の樹脂を用いることが好ましい。本発明にいう「同種の樹脂」とは、前述したような樹脂の系が同じものをいう。このように同種の樹脂を用いることにより、コア片同士の接合を容易にし、含浸時においてコア片を一体成形することができる。また、コア材の樹脂も、発泡樹脂であることがより好ましい。コア材の樹脂も発泡樹脂にすることにより、繊維強化樹脂構造体の軽量化を図るばかりでなく、よりコア材同士の接合性を向上させることができる。
なお、本発明にいう「強化繊維」とは、複合材料の機械的強度を強化するための樹脂強化用の繊維をいい、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、又は高強度ポリエチレン繊維などの繊維が挙げられる。
また、本発明に係る強化繊維は、織布、不織布いずれであってもよく、織布である場合には、その織り方としては、平織、綾織、朱子織などの織組織からなる基材であってもよく、強化繊維を一方向に引き揃えた複数層を隣接する層の繊維軸が30°〜90°程度ずれるように交差積層させた、いわゆる多軸の繊維構造の基材であってもよい。
また、本発明に係る未硬化の樹脂としては、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、BT樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂に硬化剤を所定量添加した樹脂を挙げることができる。
本発明の繊維強化樹脂構造体の製造方法によれば、コア材と繊維強化樹脂が一体化されて繊維強化樹脂構造体が形成されるため、コア材と繊維強化樹脂との間、あるいは樹脂と強化繊維との間にボイドが残留することが少なく、複雑な最終形状にも追従して高品質の繊維強化樹脂構造体を成形して製造することができる。
以下、本発明に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法と、繊維強化樹脂構造体の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体(FRP構造体)の製造方法で使用される成形型の断面図を含む製造装置の構成図、図2は、図1の成形型に配置されたコア材の配置状態及び加圧時のコア材の挙動を説明するための図である。
先ず、本実施形態の繊維強化樹脂構造体をプレス成形で成形する成形型について図1を参照して説明する。成形型1は上型2と下型3とから構成され、下型3のキャビティ4内に上型2の突部が進入してキャビティ内の容積を縮小させることができるように、下型3に対して上型2が移動可能に嵌合されている。そして、上型2と下型3との嵌合部分は、移動中を含めて気密が保たれている。この構成により、キャビティ4内は密閉された空間となっている。そして、キャビティ4の内面は、製造される繊維強化樹脂構造体の最終形状に沿うような形状に形成されている。
キャビティ4は成形品の収容スペースであり、本実施形態ではキャビティ4に、コア材やプリプレグ等を収容する。そして、成形型1は、上型2を嵌合させて収容スペースであるキャビティ4を密閉し、上型2を下降させてキャビティ4内において後述するプリプレグを加圧したあと、プリプレグを硬化させ樹脂成形品を成形することができるように構成されている。
また、成形型1は、下型3の側面にキャビティ4内に連通するパイプ5が接続され、このパイプには開閉弁6を介して真空ポンプ等の減圧装置7が接続されている。この構成により、成形型1はキャビティ4内の空気を吸引して減圧状態、あるいは真空状態とすることができる構成となっている。なお、開閉弁6は必ずしも必要でなく、減圧装置7を直接パイプ5に接続してもよい。
前記のように構成された成形型1を用いて繊維強化樹脂構造体を成形する製造方法について以下に説明する。この実施形態で成形される繊維強化樹脂構造体10は、コア材12を覆うように繊維強化樹脂16がコア材12に一体成形されたものである。このような繊維強化樹脂構造体10の製造方法として、まず、第1の工程として、コア材(芯材)12を準備する。
コア材12は、可撓性を有した多孔質の樹脂、例えば発泡樹脂から形成され、その外形は、成形される繊維強化樹脂構造体10の最終形状となるように形成されている。さらに、コア材12は、3つに分割されたコア片11B,11A,11Bからなり、この分割されたコア片は、コア材12を成形型1のキャビティ4に配置した際に、成形型1からの加圧方向に対して傾斜した傾斜面11a,11bに沿ってコア材12を分割したものである。
さらに、準備したコア材12に対して、コア材12を構成する各コア片11B,11A,11Bのそれぞれの傾斜面11a,11b同士の間に、コア材の発泡樹脂と同種の未発泡の発泡樹脂21を配置する。
そして、第2の工程として、図2に示すように、後述するような成形型1にコア材12を配置する際に、上型2により加圧される中央のコア片11Aが、その両側に隣接したコア片11B,11Bの傾斜面11bをスライドして、加圧方向yに移動可能なように、中央にコア片11Aを配置し、その両側にコア片11B,11Bを配置する。このようなコア材の配置状態を維持して、コア材12の表面に未硬化の樹脂15aと強化繊維15bとを有するプリプレグ15を、コア材12を被覆するように積層して配置する。尚、ここでいう加圧方向yは、図に示すXY軸の直交座標系のY軸方向に一致している。
プリプレグ15は、未硬化の熱硬化性樹脂からなる樹脂15aと、カーボンファイバ等の強化繊維15bとを積層した構造となっている。プリプレグ15は、強化繊維15bに樹脂15aが予め含浸されたものでも、含浸されず積層されたものでもよい。なお、本実施形態では、強化繊維15bを二層(図1の破線部参照)有しているが、これらの層数は特に限定されるものではない。また、本実施形態では、予めは強化繊維15bと樹脂15aとを積層したプリプレグ15を使用したが、コア材の表面に、強化繊維とフィルム状の樹脂を順次積層させてもよい。
このあと、第3の工程として、プリプレグ15が積層して被覆されたコア材12を、成形型1内のキャビティ4に配置する。そして、キャビティの上部開口に上型2の突部を嵌合させ、下型3に上型2を被せて嵌合させ、型締めすることでキャビティ4内は密閉空間となる。
その後、パイプ5の開閉弁6を開いた状態で減圧装置7を作動させて、成形型1内のキャビティ4の空気を吸引することにより脱気し、キャビティ4を減圧状態とする。該減圧状態を保持しながら、コア材12を加圧方向から加圧することにより、成形型1とコア材12の間において未硬化の樹脂15aを強化繊維15bに含浸させる。
具体的には、図1及び図2に示すように、白抜き矢印に示すように、コア片11Aを所定の加圧方向(具体的には下方の一方向)に加圧して、該加圧されたコア片を該加圧されたコア材に隣接するコア片の前記傾斜面に沿ってスライドさせて、成形型1の内面に向かって、前記コア材12の表面を加圧する。
この加圧の際には、該加圧により、コア片11Aを、図2に示すように、コア片11Aに隣接するコア片11B,11Bの傾斜面11aに沿ってスライドさせる。これにより、成形型のX方向に沿った内面に向かって、コア片11B,11A,11Bの表面(コア材12の上下面12a,12b)を加圧すると共に、該スライドにより、両側のコア片11B,11Bの加圧方向に沿って形成された表面(コア材12の周方向の表面(側面12c))をも、加圧することができる。
このように、加圧方向に沿って形成された成形型1の内面に向かって、コア材12の側面12cを加圧することができる。これにより、成形型1の内面とコア材12の側面との間に配置された縦壁部(コア材の表面のうち加圧方向yに沿って形成された表面に配置されたプリプレグ15)16Bにも加圧力の一部が伝達されるので、縦壁部16Bは、横壁部(コア材の表面のうち加圧方向と垂直方向に沿って形成された表面に配置されたプリプレグ15)16Aと同様に、強化繊維15bに未硬化の樹脂15aが含浸されやすくなる。
さらに、この加圧の際に、成形型1を加熱して、少なくとも未発泡の発泡樹脂21を加熱することにより発泡させながら含浸を行う。発泡樹脂21の発泡により、成形型1の内面に向かって、前記コア材12の表面が加圧されるのを助長すると共に、コア片同士の隙間に発泡樹脂21を充填することができ、内部欠陥のない繊維強化樹脂構造体10を得ることができる。
また、コア材12同士の間に発泡樹脂を配置することにより、成形型1内に配置するコア片11A,11B同士の仮止めをすることができる。さらに、コア材12を構成する樹脂と発泡樹脂21とを、例えばウレタン系樹脂などの同種(同じ系)の樹脂を用いることにより、コア片同士を容易に接合することが可能である。
このあと、第4の工程として、前記の工程で含浸された未硬化の樹脂15aを加熱して硬化させ、コア材12の周囲に繊維強化樹脂16を成形する。図示していないヒーター等の加熱装置でキャビティ4内を熱硬化温度以上に加熱すると、未硬化の樹脂15aと強化繊維15bはコア材12に密着して一体化されて硬化し、繊維強化樹脂16が成形される。
このようにして、コア材12の周囲に繊維強化樹脂16が一体化され成形されるため、コア材12と繊維強化樹脂16との間や、樹脂15aと強化繊維15bとの間にボイドが残留せず、コア材12の最終形状を忠実に再現した繊維強化樹脂構造体10が成形される。また、繊維強化樹脂構造体10にはボイドの残留ほとんどなく、たとえ残留していても、加圧によりボイドは分散されるので、繊維強化樹脂構造体10の強度が向上する。
特に、繊維強化樹脂構造体10は、コア材12に作用する加圧力を横方向に分解することができる傾斜面11a,11bを設けたので、横壁部16Aばかりでなく縦壁部16Bを構成する樹脂15aと強化繊維15bに対しても圧力を加えることができ、縦壁部16Bにおいても、樹脂15aを強化繊維15bに確実に含浸させることができ、縦壁部16Bのボイドの残留を防止することができる。これにより、長期間に亘って、クラック等の発生しない高品質な繊維強化樹脂構造体10を成形することができる。
さらに、本発明に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法で使用されるコア材、及びプリプレグの他の実施形態を図3に基づいて説明する。この実施形態は、繊維強化樹脂構造体の芯となるコア材及びプリプレグが2個に分割されて構成される。なお、2個に限られるものでなく、3個以上の複数個から構成されるものでもよいことは勿論である。
図3において、本実施形態の製造方法で成形される繊維強化樹脂構造体30は、2つのコア材32,32が配置されている。各コア材32は、可撓性を有した多孔質の樹脂、例えば発泡樹脂から形成され、前記実施形態と同様に、加圧方向に対して傾斜した傾斜面により3つに分割されたコア片31B,31A,31Bからなる。
そして、コア片31B,31A,31Bのそれぞれの傾斜面同士の間に、コア材の発泡樹脂と同種の未発泡の発泡樹脂21を配置し、上型2により加圧される中央のコア片11Aが、その両側に隣接したコア片31B,31Bの傾斜面をスライドして、加圧方向に移動可能なように、中央にコア片31Aを配置し、その両側にコア片31B,31Bを配置する。このようなコア片の配置状態を維持して、コア材32の表面に未硬化の樹脂35aと強化繊維35bとを有するプリプレグを、コア材32を被覆するように積層して配置する。
このあとの工程は、前記実施形態と同様に、プリプレグ35が積層及び被覆された各コア材32を、成形型内のキャビティに並列に配置する。そして、キャビティの空気を脱気し、各コア材32を図3に示すように所定の加圧方向yから加圧して、加圧されたコア片31Aをコア片31Aに隣接するコア片31Bの傾斜面に沿ってスライドさせて、成形型の内面に向かって、コア材32の表面を加圧する。またこの加圧と共に、少なくとも未発泡の発泡樹脂を加熱することにより発泡させながら、未硬化の樹脂35aを強化繊維35bに含浸させる。その後、含浸された未硬化の樹脂35aを加熱して硬化させ、コア材32の周囲に繊維強化樹脂36を成形する。
このように成形された繊維強化樹脂構造体30では、芯となるコア材32,32は2つ並んでいるため繊維強化樹脂36の縦壁部36a,36b,36cが3面に形成され、中央に位置する縦壁部36bが補強となって強度が向上する効果を有する。特に、曲げやねじれに強い高剛性の繊維強化樹脂構造体30を成形することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、プリプレグを構成する強化繊維としてカーボンファイバの例を示したが、これに限られるものでなく、グラスファイバやセラミックファイバ等の他の強化繊維を用いることもできる。
また、プリプレグを構成する強化繊維は、織布、不織布や、繊維がランダムに配列されたもの等、適宜のものを用いることができる。直方体状の形状のものを示したが、その他の多角柱体、円柱体等、適宜の形状のものを用いることができ、コア材を加圧できれば、その形状は問われない。
本発明の繊維強化樹脂構造体は最終形状が複雑な場合でも精度良く成形することができ、ボイドの少ない品質の高い成形品とすることができ、本発明の活用例として、自動車や二輪車等の各種の精密成形品の用途のほか、電気部品や玩具等の各種の成形品にも適用できる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法で使用される成形型の断面図を含む製造装置の構成図。 図1の成形型に配置されたコア材の配置状態及び加圧時のコア材の挙動を説明するための図。 本発明に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法で使用される中空体、コア材、及びプリプレグの他の実施形態の断面図。 従来の繊維強化樹脂構造体の製造方法で使用される成形型の断面図を含む製造装置の構成図。 図4に示す繊維強化樹脂構造体の部分的な拡大図であり(A)は、図4のA部の拡大図であり、(B)は、図4のB部の拡大図。 他の従来の繊維強化樹脂構造体の製造方法で使用される成形型の断面図を含む製造装置の構成図。
符号の説明
1:成形型、2:上型、3:下型、4:キャビティ、5:パイプ、6:開閉弁、7:減圧装置、B:ボイド、y:加圧方向、10:繊維強化樹脂構造体、11A:コア片、11B:コア片、11a:傾斜面、11b:傾斜面、12:コア材、15:プリプレグ、15a:樹脂、15b:強化繊維、16:繊維強化樹脂、16A:横壁部、16B:縦壁部、21:発泡樹脂、30:繊維強化樹脂構造体、31A:コア片、31B:コア片、32:コア材、35:プリプレグ、35a:樹脂、35b:強化繊維、36:繊維強化樹脂、36a:縦壁部、36b:縦壁部

Claims (3)

  1. コア材の表面に未硬化の樹脂と強化繊維とを有するプリプレグを配置する工程と、
    前記プリプレグを配置したコア材を成形型内に配置する工程と、
    前記コア材が配置された成形型内を脱気すると共に、前記コア材を所定の加圧方向から加圧することにより、前記未硬化の樹脂を強化繊維に含浸させる工程と、
    含浸された未硬化の樹脂を加熱して硬化させ、前記コア材の周囲に繊維強化樹脂を成形する工程と、
    を少なくとも含む繊維強化樹脂構造体の製造方法であって、
    前記コア材として、前記加圧方向に対して傾斜した傾斜面により分割された複数のコア片からなるコア材を用い、
    前記含浸工程において、少なくとも1つのコア片を前記加圧方向から加圧することにより、該加圧されたコア片を該加圧されたコア片に隣接するコア片の前記傾斜面に沿ってスライドさせ、該スライドにより、前記成形型の内面に向かって前記コア材の表面を加圧することを特徴とする繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  2. 前記プリプレグを配置する工程において、前記コア片同士の間に未発泡の発泡樹脂を配置し、含浸工程において、少なくとも前記未発泡の発泡樹脂を加熱することにより、前記発泡樹脂を発泡させながら前記含浸を行うことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  3. 前記含浸工程において、前記コア材に樹脂を用い、前記発泡樹脂として前記コア材と同種の樹脂を用いることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014531996A (ja) * 2011-10-06 2014-12-04 スネクマ 複合材料部品を製作するための装置
KR20150101328A (ko) * 2014-02-26 2015-09-03 한국기술교육대학교 산학협력단 차량의자 등받이부 제조방법 및 이에 사용되는 제조금형
KR20180055554A (ko) * 2016-11-17 2018-05-25 주식회사 성우하이텍 Rtm 성형 장치 및 방법

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