以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示部にて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示とのうち、いずれかの可変表示が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において飾り図柄の可変表示(例えば上下方向あるいは左右方向のスクロール表示など)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示(完全停止表示)されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示(完全停止表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。特別図柄や飾り図柄が完全停止表示されたときには、各図柄の可変表示における表示結果が確定的に表示され、それ以後は今回の可変表示が進行しないことを遊技者が認識できる表示状態となる。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が完全停止表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。完全停止表示や仮停止表示のように、特別図柄や飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識できる程度に表示図柄を停止表示することは、導出表示ともいう。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタを示す演出画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタとを組み合わせた演出画像など。なお、キャラクタを示す演出画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、可変表示される飾り図柄の種類数は、8種類のものに限定されず、任意の複数種類からなる飾り図柄であればよい。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に、上方から下方へ、あるいは、右側から左側へと、流れるようなスクロール表示が行われる。そして、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示部5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示部5Hも配置されている。始動入賞記憶表示部5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示部5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。ここで、保留記憶表示を行う際に、可変表示ゲームの始動条件が成立したことに基づく特図保留記憶数は特定できたものの、その始動条件が第1始動条件であるか第2始動条件であるかを特定できない場合に、例えば特図保留記憶数に対応する個数の表示部位を灰色表示に変化させることなどにより、特図保留記憶数の表示態様を所定の表示態様に変更してもよい。
なお、始動入賞記憶表示部5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示部5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示部5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示部5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄とは異なる識別情報としての色図柄を可変表示する色図柄表示部が設けられていてもよい。一例として、色図柄表示部には、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときに、色図柄の変動(例えば表示色の更新表示)が開始される「左」の色図柄表示部と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに、色図柄の変動が開始される「右」の色図柄表示部とが含まれていればよい。そして、特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が完全停止表示されるときには、色図柄の変動が終了して、色図柄の可変表示結果となる確定色図柄が完全停止表示される。「左」及び「右」の色図柄表示部にて可変表示される色図柄には、例えば4種類の図柄(「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」など)といった、複数種類の色図柄が含まれていればよい。色図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。一例として、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」の色図柄それぞれに対して、「1」〜「4」の図柄番号が付されていればよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、所定の普通電動役物用ソレノイドによって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用ソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、所定の大入賞口扉用ソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用ソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3における所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタンが設置されていてもよい。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定の可変表示時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を完全停止表示する。普通図柄の可変表示時間は、例えば各普図ゲームの開始時に、所定の乱数値を示す数値データを抽出することなどにより、複数種類の可変表示時間のうちで、いずれかに決定されればよい。普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第1開始条件は、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したときなどに、第1特図を用いた今回の特図ゲームが開始可能となることにより成立する。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2開始条件は、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したときなどに、第2特図を用いた今回の特図ゲームが開始可能となることにより成立する。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定の可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を完全停止表示する。特別図柄の可変表示時間は、各特図ゲームの開始時に、例えば図4に示すような変動パターン種別決定用の乱数値MR4を示す数値データや、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づいて決定された変動パターンに対応して、複数種類の可変表示時間のうちで、いずれかに決定される。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄として、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されれば、非特定表示結果としての「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、通常大当り図柄(「非確変大当り図柄」ともいう)と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となる場合における特別図柄や飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。
「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となる場合における特別図柄や飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」(「確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が突確大当り図柄となる場合における特別図柄や飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる可変表示ゲームに対応して、時短状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に、通常状態へと制御されることになる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
画像表示装置5の表示画面では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示画面では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄の加速表示(全図柄加速表示)を行い、所定速度に達すれば、飾り図柄の定速表示(全図柄定速表示)を行う。こうした全図柄加速表示や全図柄定速表示は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を可変表示する全図柄変動に含まれる。こうした全図柄変動の後、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の減速表示(各図柄減速表示)を行い、変動速度が「0」となれば、飾り図柄を停留して表示する一方で、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示を行う。そして、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が変動パターンなどに基づいて決定された可変表示時間に達したときには、可変表示結果となる確定飾り図柄を完全停止表示する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を減速表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を減速表示(全図柄減速表示)するものが含まれていてもよい。
全図柄変動が開始された後には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち全部または一部の飾り図柄表示部にて、飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示することがある。ここで、リーチ表示状態とは、画像表示装置5の表示画面にて導出表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が導出表示されているときに未だ導出表示されていない残りの飾り図柄表示部(例えば「中」の飾り図柄表示部5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ表示状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるアニメーション画像や実写画像といった演出画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このような演出画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。リーチ演出の中には、それが出現すると、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)に比べて大当りが発生しやすい(高い確率で大当りとなる)ように設定されたものがある。このような特別のリーチ演出を、スーパーリーチ演出(あるいは単に「スーパーリーチ」)ともいう。一例として、スーパーリーチとなるリーチ演出には、ノーマルリーチと同様のリーチ演出を所定時間が経過するまで行ってから、例えば背景画像の表示態様や、表示されるキャラクタ、飾り図柄の変動方向といった飾り図柄の変動態様のうち、少なくともいずれか1つがリーチ表示状態となる以前やノーマルリーチのときとは異なるものとなることにより、演出態様が変化(いわゆる「発展」)して、スーパーリーチに特有のリーチ演出における導入部分が開始されるものが含まれていればよい。また、スーパーリーチとなるリーチ演出には、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されたときに、ノーマルリーチと同様のリーチ演出を行うことなく、スーパーリーチに特有のリーチ演出における導入部分が開始されるものが含まれていてもよい。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄がリーチ状態で導出表示される可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」、「イントロ」、「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」といった特定演出が実行可能に設定されている。なお、この実施の形態における特定演出は、対応する演出動作が実行されるか否か応じて特図変動時間が変化するものであればよい。例えば、ある特定演出が実行される場合には、その特定演出が実行されない場合に比べて、特図変動時間が長くなるものであればよい。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させる全図柄変動を行ってから、2つ以上の飾り図柄表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示部のうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示部(例えば「左」の飾り図柄表示部5Lと「右」の飾り図柄表示部5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、特定演出における飾り図柄の仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の特定演出では、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに対応して、全図柄変動が開始されてから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて順次または同時に飾り図柄を仮停止表示させた後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる再可変表示動作(再変動)を、所定回(例えば最大3回まで)実行する演出動作である。一例として、「擬似連」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、擬似連チャンス目として予め定められた複数種類の飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。そして、再変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンスのいずれかが仮停止表示されることで、「擬似連」の特定演出が行われると認識でき、再変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の特定演出において、再変動が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
「擬似連」の特定演出が実行される飾り図柄の可変表示中には、擬似連続変動の進行に伴って、例えば画像表示装置5の表示画面における所定位置に予め用意されたキャラクタを示す演出画像を表示することや、スピーカ8L、8Rから所定の音声(特別音)を出力させること、遊技効果ランプ9を所定の点灯パターンで点灯させること、遊技領域内あるいは遊技領域外に設けられた演出用役物が備える複数の可動部材を動作させることといった、所定の演出動作が実行されてもよい。一例として、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を再可変表示させるときには、キャラクタを示す演出画像の表示、特別音の出力、ランプの点灯、可動部材の動作のうち、いずれか1つ、あるいは、複数の動作を組み合わせた演出動作が行われることにより、擬似連続変動が行われることを認識可能に報知するようにしてもよい。
「イントロ」の特定演出では、全図柄変動が開始されてから、例えば飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示される以前に、リーチ演出にて行われる演出表示の導入部分といった、リーチ演出と予め関連づけられた所定の演出表示が行われる。一例として、「イントロ」の特定演出では、スーパーリーチ演出にて行われる演出表示の導入部分に相当する演出表示が行われる。こうした「イントロ」の特定演出が実行されることにより、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示された後にノーマルリーチよりも高い確率で「大当り」となるスーパーリーチ演出が実行されることに対する、遊技者の期待感が高められる。
「発展チャンス目」の特定演出では、全図柄変動が開始されてから、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、予め定められた発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されて所定のリーチ演出が開始される。一例として、「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、発展チャンス目として予め定められた複数種類の飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。これにより、遊技者は、複数種類の発展チャンス目のいずれかが仮停止表示されたときに、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示される可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを認識でき、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示される期待感や、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。
「発展チャンス目終了」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる演出表示が行われる。一例として、「発展チャンス目終了」の特定演出では、「発展チャンス目」の特定演出で仮停止表示される発展チャンス目のいずれかが、確定飾り図柄として停止表示され、飾り図柄の可変表示が終了する。こうして、発展チャンス目のいずれかが導出表示されたときには、「発展チャンス目」の特定演出により飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されることもあれば、「発展チャンス目終了」の特定演出により飾り図柄の可変表示が終了することもある。これにより、発展チャンス目のいずれかが導出表示(仮停止表示)されたときに、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されることに対する期待感を高め、「発展チャンス目」の特定演出により飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されたときには、飾り図柄の可変表示が継続しつつ、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることから、遊技者の喜悦感を高めることができる。
さらに、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や特定演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像を表示することなどといった、飾り図柄の可変表示態様以外の表示態様により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。例えば、「キャラクタ表示」、「ステップアップ画像」、「背景変更」といった予告演出が実行可能に設定されていればよい。なお、予告演出は、対応する演出動作が実行されるか否かによって特図変動時間に変化が生じないものであればよい。「キャラクタ表示」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)にて飾り図柄を導出表示させる以前に、画像表示装置5の表示領域における所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。「ステップアップ画像」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示部にて飾り図柄を導出表示させる以前に、画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示が行われることがある。なお、「ステップアップ画像」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。「背景変更」の予告演出では、画像表示装置5の表示領域における背景画像の表示を、複数種類のいずれかに変更させる演出表示が行われる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄や、複数種類の発展チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄が、停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態または通常状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第1確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「第1確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第2確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「第2確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第3確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「第3確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
このように、可変表示結果が「大当り」となるときの大当り種別が「第1確変」や「第2確変」である場合には、飾り図柄の可変表示にて確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることで、15ラウンド大当り状態に制御された後に確変状態となることが確定する。その一方で、可変表示結果が「大当り」となるときの大当り種別が「第3確変」である場合には、大当り種別が「通常」となる場合と同様に、飾り図柄の可変表示にて通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。そのため、大当り種別が「第3確変」である場合には、確変状態となるか否かを、飾り図柄の可変表示結果からは遊技者が認識することはできない。すなわち、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることが確定する特定表示結果に含まれるとともに、確変状態に制御されることが確定する特別表示結果に含まれる。その一方で、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、確変状態に制御されることが確定しない特別表示結果以外の特定表示結果(非特別表示結果)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることや、複数種類の発展チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、複数種類の突確チャンス目として予め定められた飾り図柄の組合せのいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示態様が「突確」である場合と同様にして飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることや、複数種類の発展チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が小当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「小当り」の可変表示態様(小当り種別ともいう)と称される。ここで、複数種類の突確チャンス目のいずれかとなる確定飾り図柄は、飾り図柄の可変表示態様が「突確」となる場合に限り停止表示され、可変表示態様が「小当り」となる場合などには確定飾り図柄として停止表示されない。すなわち、飾り図柄の可変表示にて突確チャンス目となる確定飾り図柄が停止表示された場合には、「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となることが確定する。可変表示結果が「小当り」となった後には、2ラウンド大当り状態と同様の可変入賞動作が行われる小当り遊技状態に制御され、その小当り遊技状態が終了すると、遊技状態が変更されないことから、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。なお、可変表示結果が「小当り」となる可変表示ゲームに対応して、確変状態や時短状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に、通常状態へと制御されることになる。
可変表示結果が「大当り」となるときの大当り種別が「通常」、「第1確変」、「第3確変」のいずれかである場合には、飾り図柄の可変表示中に、特定変動表示としての変動中昇格演出が実行されることがある。変動中昇格演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rの有効ライン上に通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄と、通常大当り組合せとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、飾り図柄の可変表示態様が「通常」や「第3確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、可変表示態様が「第1確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われる。
可変表示結果が「大当り」となるときの大当り種別が「通常」と「第3確変」のいずれかである場合には、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態に制御された後、その15ラウンド大当り状態が終了するまでの期間にて、確変状態に制御するか否かの報知演出としての大当り中昇格演出が実行される。ここで、大当り中昇格演出が実行されるタイミングは、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態における最初のラウンドが開始される以前の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが実行中の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから、次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間であってもよい。あるいは、15ラウンド大当り状態の終了後における最初の特別図柄や飾り図柄の変動中に、大当り中昇格演出に相当する演出動作が行われるようにしてもよい。15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させ、通常図柄と、確変図柄のうちいずれかを、演出表示結果として停止表示させる。このとき、大当り中昇格失敗演出では通常図柄を演出表示結果として停止表示させる一方、大当り中昇格成功演出では確変図柄を演出表示結果として停止表示させればよい。他の一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄とは異なる所定の演出画像が表示されてもよい。例えば、大当り中昇格演出として、ルーレットゲームを示す演出画像の表示を行う。このとき、大当り中昇格失敗演出では回転するルーレットに投入されたボールが「偶数」に入って「残念!」という演出画像の表示を行う一方、大当り中昇格成功演出では回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入って「確変!」という演出画像の表示を行う。特図ゲームにおける確定特別図柄として「7」の数字を示す特別図柄が停止表示されることに対応して、「第3確変」の大当り種別により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り中昇格成功演出を実行することにより、確変状態となる昇格がある旨を報知する。特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されることに対応して、「通常」の大当りにより可変表示結果が「大当り」となった後には、例えば大当り中昇格失敗演出が実行される一方で、大当り中昇格成功演出は実行されず、確変状態となる昇格がある旨の報知が行われない。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、乱数用クロック生成回路111などが搭載されている。乱数用クロック生成回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部にて、所定周波数の乱数用クロック信号を生成し、図5に示すような遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103に供給するための回路である。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B及びカウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B及びカウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。
コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前判定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「通常」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第1確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第2確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「第3確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C05Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「突確」となる旨の決定結果を示す第6可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C06Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の決定結果を示す第7可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」及び「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。なお、飾り図柄停止コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する可変表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して可変表示結果を確定させるようにしてもよい。
A0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
A0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間であるか、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から終了時点まで継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA4XXHは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」であることに基づく2ラウンド大当り状態や、可変表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作で大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する突確・小当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA5XXHは、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作の終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間における演出画像の表示を指定する突確・小当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。突確・小当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば2ラウンド大当り状態におけるラウンドや小当り遊技状態における可変入賞動作の実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドとしては、15ラウンド大当り状態と2ラウンド大当り状態、小当り遊技状態で共通の演出制御コマンドを用いるようにしてもよい。この場合には、共通の演出制御コマンドを用いることで、演出制御コマンドの種類数を削減することができる。なお、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態では、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが伝送されたときでも、画像表示装置5における演出画像の表示動作といった演出動作の切り替えが行われず、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態となる以前から変動パターンに対応して実行されている一連の演出動作が、継続して実行されてもよい。また、小当り遊技状態では、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドの伝送が行われないようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示部5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図24に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)、あるいは、始動データ記憶部151Cにおける始動データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
この実施の形態では、第1及び第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件及び第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、例えば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能とする8種類の演出制御コマンドの、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
図4は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、制御用クロック生成回路101と、リセット/割込みコントローラ102と、乱数回路103と、CPU(Central Processing Unit)104と、ROM(Read Only Memory)105と、RAM(Random Access Memory)106と、タイマ回路(PIT)107と、入出力制御回路108と、入出力ポート109とを備えて構成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU104がROM105から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU104がROM105から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU104がRAM106に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU104がRAM106に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU104が入出力ポート109を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU104が入出力ポート109を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
制御用クロック生成回路101は、制御用クロック信号を生成して、例えばCPU104といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100において遊技の進行を制御する各種回路に供給する。ここで、制御用クロック信号の発振周波数は、主基板11に搭載された乱数用クロック生成回路111によって生成される乱数用クロック信号の発振周波数とは異なる周波数となっている。また、制御用クロック信号の発振周波数と乱数用クロック信号の発振周波数とのうち、いずれか一方の発振周波数が他方の発振周波数の整数倍にもなっていない。なお、制御用クロック生成回路101は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部にて乱数用クロック生成回路111とは異なるクロック生成回路により生成された外部クロックを、所定の分周比や逓倍数で分周あるいは逓倍することにより、所定の発振周波数を有する制御用クロック信号を生成してもよい。
主基板11では、例えば図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、リーチ判定用の乱数値MR3、変動パターン種別決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5、加算値決定用の乱数値MR6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。CPU104は、乱数回路103から抽出した数値データに基づき、例えば図24に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路103とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工あるいは更新することで、乱数値MR1〜MR6の全部または一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。以下では、一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、加算値決定用の乱数値MR6を示すデータとが、CPU104により乱数回路103から抽出された数値データをソフトウェアにより加工することで生成され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU104がランダムカウンタなどを用いてソフトウェアにより更新するものとする。なお、乱数回路103は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
図5に示す乱数値MR1〜MR6のうち、乱数値MR2〜MR5については、加算値や加算判定値、最大判定値が定められている。加算値は、1回のタイマ割込みなどに対応して各乱数値に加算する値であり、その値は乱数値を更新するための乱数更新処理が実行されるごとに異ならせることができる。例えば、加算値は、加算値決定用の乱数値MR6などに基づいて求められるものであり、一時的な変数として加算値を記憶するための領域がRAM106などに設けられていればよい。加算判定値は、加算値決定用の乱数値MR6との比較により、各乱数値に対応した加算値を取得するために用いられる値である。より具体的には、加算値決定用の乱数値MR6が各乱数値に対応した加算値の初期値として読み出された後、現在の加算値が加算判定値よりも小さくなったと判定されるまで、現在の加算値から加算判定値を減算した値を、新たな加算値として更新していく。
乱数判定値は、最終的に求められた加算値を加算したことによる更新後の各乱数値が取り得る値の範囲内であるかを判定するために用いられる値である。そして、更新後の各乱数値が対応する乱数判定値を超えているときには、更新後の乱数値から乱数判定値を減算した値が、新たな乱数値として設定される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値である。例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2は、「0」〜「99」の範囲の値をとる。また、大当り種別決定用の乱数値MR2に対応して、加算値の範囲が「0」〜「3」、加算判定値が「4」、最大判定値が「100」に定められている。
リーチ判定用の乱数値MR3は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示する「リーチ」の可変表示態様とするか否かを判定するために用いられる乱数値である。例えば、リーチ判定用の乱数値MR3は、「0」〜「239」の範囲の値をとる。また、リーチ判定用の乱数値MR3に対応して、加算値の範囲が「0」〜「7」、加算判定値が「8」、最大判定値が「240」に定められている。
変動パターン種別決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。例えば、変動パターン種別決定用の乱数値MR4は、「0」〜「241」の範囲の値をとる。また、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に対応して、加算値の範囲が「0」〜「7」、加算判定値が「8」、最大判定値が「242」に定められている。
変動パターン決定用の乱数値MR5は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。例えば、変動パターン決定用の乱数値MR5は、「0」〜「255」の範囲の値をとる。また、変動パターン決定用の乱数値MR5に対応して、加算値の範囲が「0」〜「7」、加算判定値が「8」、最大判定値が「256」に定められている。
加算値決定用の乱数値MR6は、各乱数値に対応した加算判定値と比較されることなどにより、各乱数値に対応した加算値を取得するために用いられる値である。例えば、加算値決定用の乱数値MR6は、「0」〜「7」の範囲の値をとる。
図6は、乱数回路103の一構成例を示すブロック図である。乱数回路106は、図6に示すように、クロック用フリップフロップ201と、初期値設定回路202と、カウンタ回路203A、203Bと、ラッチ用フリップフロップ204A、204Bと、乱数値レジスタ205A、205B、206A、206Bとを備えている。
クロック用フリップフロップ201は、例えばD型フリップフロップなどを用いて構成され、乱数用クロック生成回路111から供給された乱数用クロック信号RCLKがクロック端子CKに入力される。また、クロック用フリップフロップ201では、逆相出力端子(反転出力端子)QバーがD入力端子に接続されている。そして、正相出力端子(非反転出力端子)Qからカウント用クロック信号CC0を出力する一方で、逆相出力端子(反転出力端子)Qバーからラッチ用クロック信号RC0を出力する。この場合、クロック用フリップフロップ201は、クロック端子CKに入力される乱数用クロック信号RCLKにおける信号状態が所定の変化をしたときに、正相出力端子(非反転出力端子)Q及び逆相出力端子(反転出力端子)Qバーからの出力信号における信号状態を変化させる。例えば、クロック用フリップフロップ201は、乱数用クロック信号RCLKの信号状態がローレベルからハイレベルへと変化する立ち上がりのタイミング、あるいは、乱数用クロック信号RCLKの信号状態がハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりのタイミングのうち、いずれか一方のタイミングにて、D入力端子における入力信号を取り込む。このとき、正相出力端子(非反転出力端子)Qからは、D入力端子にて取り込まれた入力信号が反転されることなく出力される一方で、逆相出力端子(反転出力端子)Qバーからは、D入力端子にて取り込まれた入力信号が反転されて出力される。こうして、クロック用フリップフロップ201の正相出力端子(非反転出力端子)Qからは乱数用クロック信号RCLKにおける発振周波数(例えば20MHz)の1/2となる発振周波数(例えば10MHz)を有するカウント用クロック信号CC0が出力される一方、逆相出力端子(反転出力端子)Qバーからはカウント用クロック信号CC0の逆相信号(反転信号)、すなわちカウント用クロック信号CC0と同一周波数でカウント用クロック信号CC0とは位相がπ(=180°)だけ異なるラッチ用クロック信号RC0が出力される。
クロック用フリップフロップ201から出力されたカウント用クロック信号CC0は、カウンタ回路203A、203Bのクロック端子に入力されて、各カウンタ回路203A、203Bにおけるカウント値の歩進に用いられる。また、クロック用フリップフロップ201から出力されたラッチ用クロック信号RC0は、分岐点BR1にてラッチ用クロック信号RC1とラッチ用クロック信号RC2とに分岐される。したがって、ラッチ用クロック信号RC1とラッチ用クロック信号RC2とは、互いに同一の発振周波数を有し、互いに共通の周期で信号状態が変化することになる。ここで、ラッチ用クロック信号RC1やラッチ用クロック信号RC2における信号状態の変化としては、例えばローレベルからハイレベルへと変化する立ち上がりや、ハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりなどがある。ラッチ用クロック信号RC1は、ラッチ用フリップフロップ204Aのクロック端子CKに入力されて、ラッチ信号SL1の生成に用いられる乱数取得用クロック信号となる。ラッチ用クロック信号RC2は、ラッチ用フリップフロップ204Bのクロック端子CKに入力されて、ラッチ信号SL2の生成に用いられる乱数取得用クロック信号となる。
ここで、乱数用クロック信号RCLKの発振周波数と、制御用クロック生成回路101によって生成される制御用クロック信号の発振周波数とは、互いに異なる周波数となっており、また、いずれか一方の発振周波数が他方の発振周波数の整数倍になることがない。そのため、カウント用クロック信号CC0やラッチ用クロック信号RC1、RC2はいずれも、CPU104に供給される制御用クロック信号とは異なる周期で信号状態が変化する発振信号となる。すなわち、クロック用フリップフロップ201は、乱数用クロック生成回路111によって生成された乱数用クロック信号RCLKに基づき、乱数更新用クロック信号となるカウント用クロック信号CC0や、複数の乱数取得用クロック信号となるラッチ用クロック信号RC1、RC2として、制御用クロック信号とは異なる周期で信号状態が変化する発振信号を生成する。
初期値設定回路202は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始された後に乱数回路103にて乱数の発生を開始する際における1周目の初期値の設定や、カウンタ回路203A、203Bが所定の初期値から所定の最終値まで循環的に数値データを更新したときに新たな初期値の設定などを行う。初期値設定回路202からは、設定した初期値を示す8ビットの初期値設定信号SK1が出力され、カウンタ回路203Aに入力される。また、初期値設定回路202からは、設定した初期値を示す8ビットの初期値設定信号SK2が出力され、カウンタ回路203Bに入力される。
カウンタ回路203A、203Bは、例えばクロック用フリップフロップ201から供給されるカウント用クロック信号CC0の立ち上がりエッジなどに応答して、カウント値を所定の初期値から所定の最終値まで、予め定められた順序に従って循環的に更新する。具体的な一例として、カウンタ回路203A、203Bはそれぞれ、8ビットのバイナリカウンタを用いて構成され、カウンタ回路203Bが下位カウンタとなって第0ビット〜第7ビットの各ビット値を生成し、カウンタ回路203Aが上位カウンタとなって第8ビット〜第15ビットの各ビット値を生成することで、合計で16ビットのデータ信号を出力する。
下位カウンタとなるカウンタ回路203Bは、クロック用フリップフロップ201から供給されるカウント用クロック信号CC0の信号状態がローレベルからハイレベルとなる立ち上がりエッジが入力されるごとに、第0ビットのデータ信号をローレベルとハイレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、ローレベルが論理値の「0」でハイレベルが論理値の「1」に対応する。負論理を適用するものとすると、ローレベルが論理値の「1」でハイレベルが論理値の「0」と読み替えればよい。第0ビットのデータ信号における信号状態がハイレベルからローレベルに反転するときには、すなわち、第0ビットのデータ信号による論理値が「1」から「0」に変化するごとに、第1ビットのデータ信号をローレベルとハイレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビット(mは「2」〜「7」の範囲の値)のデータ信号における信号状態がハイレベルからローレベルに反転するときには、すなわち、第m−1ビットのデータ信号による論理値が「1」から「0」に変化するごとに、第mビットのデータ信号をローレベルとハイレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号における信号状態がハイレベルからローレベルに反転するときには、すなわち、第7ビットのデータ信号による論理値が「1」から「0」に変化するごとに、桁上げ信号CAを出力する。カウンタ回路203Bから出力された桁上げ信号CAは、上位カウンタとなるカウンタ回路203Aの入力端子に供給される。
上位カウンタとなるカウンタ回路203Aでは、クロック用フリップフロップ201から供給されるカウント用クロック信号CC0の信号状態がローレベルからハイレベルとなる立ち上がりエッジが入力されたときに、下位カウンタとなるカウンタ回路203Bから供給された桁上げ信号CAを取り込み、桁上げ信号CAがハイレベル(オン状態)である場合には、すなわち、桁上げ信号CAが入力されるごとに、第8ビットのデータ信号をローレベルとハイレベルとで交互に反転させる。そして、第8ビットのデータ信号における信号状態がハイレベルからローレベルに反転するときには、すなわち、第8ビットのデータ信号による論理値が「1」から「0」に変化するごとに、第9ビットのデータ信号をローレベルとハイレベルとで交互に反転させる。同様に、第n−1ビット(nは「10」〜「15」の範囲の値)のデータ信号における信号状態がハイレベルからローレベルに反転するときには、すなわち、第n−1ビットのデータ信号による論理値が「1」から「0」に変化するごとに、第nビットのデータ信号をローレベルとハイレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタとなるカウンタ回路203Bのデータ信号をカウント値における8ビット(1バイト)の下位バイトCLとし、上位カウンタとなるカウンタ回路203Aのデータ信号をカウント値における8ビット(1バイト)の上位バイトCUとした16ビット(2バイト)のデータ信号の論理値は、クロック用フリップフロップ201から供給されるカウント用クロック信号CC0の立ち上がりエッジが入力されるごとに、0(0000H)→1(0001H)→2(0002H)→…→65535(FFFFH)と値が連続するように更新され、最大値となる65535(FFFFH)の次は初期値0(0000H)へと値が循環する。また、カウンタ回路203A、203Bから出力されるデータ信号の論理値が最終値に達したときには、初期値設定回路202から出力される初期値設定信号SK1、SK2により、新たな初期値が設定される。
ラッチ用フリップフロップ204A、204Bはそれぞれ、例えばD型フリップフロップなどを用いて構成される。ラッチ用フリップフロップ204Aでは、D入力端子に第1始動口スイッチ22Aからの配線が接続され、クロック端子CKにラッチ用クロック信号RC1を伝送する配線が接続されている。そして、ラッチ用フリップフロップ204Aは、ラッチ用クロック信号RC1の立ち上がりエッジなどに応答して、第1始動口スイッチ22Aから伝送された始動入賞信号SS1を取り込み、ラッチ信号SL1として出力する。これにより、ラッチ用フリップフロップ204Aでは、ラッチ用クロック信号RC1の立ち上がりエッジに同期して、始動入賞信号SS1がラッチ信号SL1として出力される。ラッチ信号SL1は、乱数値レジスタ205A、205Bのクロック端子に入力される。ラッチ用フリップフロップ204Bでは、D入力端子に第2始動口スイッチ22Bからの配線が接続され、クロック端子CKにラッチ用クロック信号RC2を伝送する配線が接続されている。そして、ラッチ用フリップフロップ204Bは、ラッチ用クロック信号RC2の立ち上がりエッジなどに応答して、第2始動口スイッチ22Bから伝送された始動入賞信号SS2を取り込み、ラッチ信号SL2として出力する。これにより、ラッチ用フリップフロップ204Bでは、ラッチ用クロック信号RC2の立ち上がりエッジに同期して、始動入賞信号SS2がラッチ信号SL2として出力される。
なお、始動入賞信号SS1、SS2は、第1始動口スイッチ22A、22Bから直接伝送されるものに限定されない。一例として、第1始動口スイッチ22Aからの出力信号や第2始動口スイッチ22Bからの出力信号がオン状態となっている時間を計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ミリ秒)になったときに、始動入賞信号SS1や始動入賞信号SS2を出力するタイマ回路を設けてもよい。
乱数値レジスタ205Aは、ラッチ用フリップフロップ204Aから伝送されるラッチ信号SL1を用いて、カウンタ回路203Aから出力されるカウント値の上位バイトCUを取り込んで記憶する。一例として、乱数値レジスタ205Aは、ラッチ信号SL1の信号状態がローレベル(オフ状態)からハイレベル(オン状態)へと変化する立ち上がりエッジにおいて、カウンタ回路203Aから出力されているカウント値の上位バイトCUとなるデータ信号を取り込み、そのデータ信号に示される数値データを記憶する。乱数値レジスタ205Aに記憶された数値データは、第1始動入賞口への入賞に対応した乱数値となる数値データの上位バイトRU1として、CPU104などにより読み出される。
乱数値レジスタ205Bは、ラッチ用フリップフロップ204Aから伝送されるラッチ信号SL1を用いて、カウンタ回路203Bから出力されるカウント値の下位バイトCLを取り込んで記憶する。一例として、乱数値レジスタ205Bは、ラッチ信号SL1の信号状態がローレベルからハイレベルへと変化する立ち上がりエッジにおいて、カウンタ回路203Bから出力されているカウント値の下位バイトCLとなるデータ信号を取り込み、そのデータ信号に示される数値データを記憶する。乱数値レジスタ205Bに記憶された数値データは、第1始動入賞口への入賞に対応した乱数値となる数値データの下位バイトRL1として、CPU104などにより読み出される。
乱数値レジスタ206Aは、ラッチ用フリップフロップ204Bから伝送されるラッチ信号SL2を用いて、カウンタ回路203Aから出力されるカウント値の上位バイトCUを取り込んで記憶する。一例として、乱数値レジスタ206Aは、ラッチ信号SL2の信号状態がローレベルからハイレベルへと変化する立ち上がりエッジにおいて、カウンタ回路203Aから出力されているカウント値の上位バイトCUとなるデータ信号を取り込み、そのデータ信号に示される数値データを記憶する。乱数値レジスタ206Aに記憶された数値データは、第2始動入賞口への入賞に対応した乱数値となる数値データの上位バイトRU2として、CPU104などにより読み出される。このように、乱数値レジスタ206Aは、ラッチ信号SL2を用いて、乱数値レジスタ205Aと共通のカウンタ回路203Aから出力されるカウント値の上位バイトCUとなるデータ信号を取り込み、乱数値となる数値データの上位バイトRU2を記憶する。したがって、カウンタ回路203Aに入力されてカウント値の更新に用いられるカウント用クロック信号CC0は、乱数値レジスタ205Aと乱数値レジスタ206Aとで共通のものとなる。
乱数値レジスタ206Bは、ラッチ用フリップフロップ204Bから伝送されるラッチ信号SL2を用いて、カウンタ回路203Bから出力されるカウント値の下位バイトCLを取り込んで記憶する。一例として、乱数値レジスタ206Bは、ラッチ信号SL2の信号状態がローレベルからハイレベルへと変化する立ち上がりエッジにおいて、カウンタ回路203Bから出力されているカウント値の下位バイトCLとなるデータ信号を取り込み、そのデータ信号に示される数値データを記憶する。乱数値レジスタ206Bに記憶された数値データは、第2始動入賞口への入賞に対応した乱数値となる数値データの下位バイトRL2として、CPU104などにより読み出される。このように、乱数値レジスタ206Bは、ラッチ信号SL2を用いて、乱数値レジスタ205Bと共通のカウンタ回路203Bから出力されるカウント値の下位バイトCLとなるデータ信号を取り込み、乱数値となる数値データの下位バイトRL2を記憶する。したがって、カウンタ回路203Bに入力されてカウント値の更新に用いられるカウント用クロック信号CC0は、乱数値レジスタ205Bと乱数値レジスタ206Bとで共通のものとなる。こうして、クロック用フリップフロップ201から出力されてカウンタ回路203A、203Bのそれぞれに供給されるカウント用クロック信号CC0は、ラッチ信号SL1を用いて乱数値となる数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRL1を取得する乱数値レジスタ205A、205Bと、ラッチ信号SL2を用いて乱数値となる数値データの上位バイトRU2及び下位バイトRL2を取得する乱数値レジスタ206A、206Bとに共通のクロック信号として、カウンタ回路203A、203Bにおけるカウント値の更新に用いられる。
なお、乱数値レジスタ205A、205B、206A、206Bはそれぞれ、CPU104からの出力制御信号がオフ状態であるときに読出不能(ディセイブル)状態となり、出力制御信号がオン状態であるときに読出可能(イネイブル)状態となるようにしてもよい。加えて、乱数値レジスタ205A、205Bは、CPU104からの出力制御信号がオン状態であるときには、ラッチ用フリップフロップ204Aから伝送されるラッチ信号SL1を受信しない受信不能状態となり、ラッチ信号SL1の立ち上がりエッジが生じても記憶データが更新されないようにしてもよい。あるいは、乱数値レジスタ205A、205Bは、ラッチ用フリップフロップ204Aから伝送されるラッチ信号SL1の立ち上がりエッジが入力されてから所定時間が経過するまでは、CPU104からの出力制御信号を受信しない受信不能状態となり、出力制御信号がオン状態となっても記憶データが読み出されないようにしてもよい。これにより、ラッチ信号SL1の立ち上がりエッジに応じて乱数値レジスタ205A、205Bの記憶データが更新されるときに、不安定な記憶状態の数値データが読み出されることを防止できる。また、乱数値レジスタ206A、206Bは、CPU104からの出力制御信号がオン状態であるときには、ラッチ用フリップフロップ204Bから伝送されるラッチ信号SL2を受信しない受信不能状態となり、ラッチ信号SL2の立ち上がりエッジが生じても記憶データが更新されないようにしてもよい。あるいは、乱数値レジスタ206A、206Bは、ラッチ用フリップフロップ204Bから伝送されるラッチ信号SL2の立ち上がりエッジが入力されてから所定時間が経過するまでは、CPU104からの出力制御信号を受信しない受信不能状態となり、出力制御信号がオン状態となっても記憶データが読み出されないようにしてもよい。これにより、ラッチ信号SL2の立ち上がりエッジに応じて乱数値レジスタ206A、206Bの記憶データが更新されるときに、不安定な記憶状態の数値データが読み出されることを防止できる。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100のROM105には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM105には、CPU104が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルをそれぞれ構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM105には、CPU104が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルをそれぞれ構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図7は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1及び非リーチPB1−2、非リーチPC1−1及び非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。
図8は、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応して予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−8、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−4、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−4、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−4、スーパーPC4−1及びスーパーPC4−2、スーパーPD1−1及びスーパーPD1−2、スーパーPE1−1及びスーパーPE1−2、スーパーPF1−1〜スーパーPF1−3、特殊PG1−1〜特殊PG1−4、特殊PG2−1〜特殊PG2−3、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンが用意されている。
CPU104は、ROM105に記憶されているユーザプログラムやデータを読み出し、RAM106をワークエリアとして使用して、プログラムに従った制御動作を行う。図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるアドレスマップの一例を示す図である。図9に示すように、0000H番地〜01FFH番地の領域は、RAM106に割り当てられたワークエリアである。また、1000H番地〜101CH番地の領域は、タイマ回路107や入出力制御回路108等が備える内蔵レジスタに割り当てられた内蔵レジスタエリアである。2000H番地〜200FH番地の領域は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたアドレスデコーダに割り当てられたチップセレクト信号デコードエリアである。E000H番地〜FFFFHの領域は、ROM105に割り当てられており、ユーザプログラム管理エリアとユーザプログラム/データエリアとを含んでいる。
ROM105に割り当てられたE080H番地〜FFFFH番地の領域であるユーザプログラム/データエリアには、ユーザにより予め作成されたユーザプログラムやユーザデータが記憶される。ROM105に割り当てられたE000H番地〜E07FH番地の領域であるユーザプログラム管理エリアには、CPU104がユーザプログラムを実行する際に用いられてパチンコ遊技機1の動作内容を設定するためのユーザプログラム管理データが記憶される。
図10は、図9に示すユーザプログラム管理エリアにおけるアドレスマップの一例を示す図である。図10に示すように、ユーザプログラム管理エリアに含まれるE00AH番地〜E011H番地の領域には、遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーなどといった、所定のマイクロコンピュータ固有値が記憶されている。図10に示すE01CH番地の領域には、乱数回路103の初期設定を行うために用いられる乱数初期設定(KRSS)を示すデータが記憶される。図11は、E01CH番地の領域に記憶される乱数初期設定(KRSS)を示すデータの内容を例示する説明図である。
図11に示すように乱数初期設定データは8ビットのデータとして構成されるが、第7〜第5ビット[ビット7−5]は未使用となっている。乱数初期設定データの第4ビット[ビット4]は、乱数回路103にて生成される乱数値となる数値データにおける1周目のスタート値である初期値についての設定を示している。図11に示す例では、乱数初期設定データの第4ビット[ビット4]が“0”であるときには乱数値における1周目のスタート値をデフォルト値である「0000H」とすることを示し、“1”であるときには遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づく値とすることを示している。
図11に示す乱数初期設定データの第3及び第2ビット[ビット3−2]は、乱数回路103にて生成される乱数値となる数値データにおける2周目以降のスタート値である初期値についての設定を示している。図11に示す例では、乱数初期設定データの第3及び第2ビット[ビット3−2]が“00”であるときには乱数値におけるスタート値の変更を行わないことを示し、“01”であるときには遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づく値をスタート値とすることを示し、“10”であるときにはユーザRAMであるRAM106における格納データの加算値をスタート値とすることを示し、“11”であるときにはユーザRAMであるRAM106における指定アドレスの格納値をスタート値とすることを示している。
図11に示す乱数初期設定データの第1及び第0ビット[ビット1−0]は、乱数回路103にて生成される乱数値となる数値データにおける乱数列(順列)の変更方法についての設定を示している。図11に示す例では、乱数初期設定データの第1及び第0ビット[ビット1−0]が“00”であるときには順列を変更しないことを示し、“10”であるときには2周目以降にてユーザプログラムによる変更を可能とすることを示し、“11”であるときには2周目以降にて自動的に変更することを示している。
図12は、ROM105に記憶される特図表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果判定テーブルとして、図12(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図12(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果判定テーブル130Aでは、図24に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1が、大当り判定値データや小当り判定値データ、ハズレ判定値データと対応付けられるように、割り振られている。第2特図表示結果判定テーブル130Bでは、確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1が、大当り判定値データやハズレ判定値データと対応付けられるように、割り振られている。第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特別図柄表示結果判定テーブル130Bにおいて特図表示結果判定用の乱数値MR1を示すテーブルデータは、大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り振られる判定用データとなっている。そして、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、確変フラグがオンであるときには、確変フラグがオフであるときに比べて多くの乱数値MR1が、大当り決定値データに割り振られている。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、確変フラグがオンとなる。その一方で、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるときには、確変フラグがオフとなる。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときに比べて、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り振られている。
また、図12(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aの設定例では、特図表示結果判定用の乱数値MR1のうち、所定範囲の値(「30000」〜「30099」)が小当り判定値データと対応付けられるように割り振られている。これに対して、図12(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bの設定例では、特図表示結果判定用の乱数値MR1が小当り判定値データとは対応付けられないように割り振られている。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると判定される割合を、異ならせることができる。なお、第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいても、特図表示結果判定用の乱数値MR1のうち、第1特図表示結果判定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の値が、小当り判定値データと対応付けられるように割り振られていてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわりなく、共通の特図表示結果判定テーブルを参照して、可変表示結果の判定を行うようにしてもよい。
図13は、ROM105に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図24に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2が、「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別と対応付けられるように、割り振られている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1開始条件の成立により第1特別図柄表示装置4Aにて第1特図を用いた特図ゲームを開始するときに「1」が設定される一方で、第2開始条件の成立により第2特別図柄表示装置4Bにて第2特図を用いた特図ゲームを開始するときに「2」が設定される。また、大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定された大当り種別に対応して、「0」〜「4」のいずれかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいる。
図13に示す大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する大当り種別決定用の乱数値MR2の割り振りが異なっている。すなわち、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2のうち「82」〜「99」の範囲の値が「突確」の大当り種別に割り振られる一方で、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、「突確」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2が割り振られていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。なお、変動特図指定バッファ値が「2」である場合にも、大当り種別決定用の乱数値MR2のうち、変動特図指定バッファ値が「1」である場合とは異なる所定範囲の値が、「突確」の大当り種別に対して割り振られるようにしてもよい。一例として、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2のうち、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に比べて少ない個数の値が「突確」の大当り種別に対して割り振られるように設定すれば、第2開始条件が成立したときには、第1開始条件が成立したときに比べて、「突確」の大当り種別に決定される割合を低減することができる。
図14(A)〜(F)及び図15(A)〜(C)は、ROM105に記憶される大当り用変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、大当り変動パターン種別決定テーブルとして、図14(A)〜(F)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Fと、図15(A)〜(C)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132G〜132Iとが、予め用意されている。大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iはそれぞれ、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iは、例えば図15(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかや、大当り種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。各大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iでは、大当り種別の決定結果が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR4が、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8、スーパーCB3−1〜スーパーCB3−5、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった複数種類の変動パターン種別のいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
ここで、一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合に着目すれば、大当り種別が「通常」または「第3確変」である場合に用いられる図14(A)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Aと、大当り種別が「第1確変」である場合に用いられる図14(B)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Bとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR4の割り振りが異なっている。また、大当り用変動パターン種別決定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている一方で、大当り用変動パターン種別決定テーブル132BではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られていない。他方、大当り用変動パターン種別決定テーブル132AではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られていない一方で、大当り用変動パターン種別決定テーブル132BではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている。このように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれかである場合に着目して、その遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dや(通常状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132E〜132H(確変状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132C、132I(時短状態のときに選択)を互いに比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR4の割り振りが異なっており、また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
特に、大当り種別が「突確」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別決定テーブル132D、132H、132Iでは、例えば特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった、大当り種別が「突確」以外である場合には変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られない変動パターン種別に対して、変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている。これにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突確」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、他の一例として、大当り種別が「通常」に決定された場合に着目すれば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図14(A)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図14(E)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Eとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR4の割り振りが異なっている。また、大当り用変動パターン種別決定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている一方で、大当り用変動パターン種別決定テーブル132EではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られていない。このように、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に着目して、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別決定テーブル132A、132E(「通常」または「第3確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132B、132F(「第1確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132C、132G(「第2確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132D、132H、132I(「突確」のときに選択)を互いに比較すると、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR4の割り振りが異なっており、また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られることがある。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
図16(A)〜(C)は、ROM105に記憶される小当り用変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、小当り用変動パターン種別決定テーブルとして、図16(A)〜(C)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cが、予め用意されている。小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cはそれぞれ、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると判定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、例えば図16(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。各小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR4が、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1といった複数種類の変動パターン種別のいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
ここで、図16(A)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Aにて変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られた特殊CA4−1の変動パターン種別には、図14(D)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Dにおいても変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている。図16(B)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Bにて変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られた特殊CB4−1の変動パターン種別には、図15(B)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Hにおいても変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている。図16(C)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Cにて変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られた特殊CC4−1の変動パターン種別には、図15(C)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Iにおいても変動パターン種別決定用の乱数値MR4が割り振られている。このように、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別は、大当り種別が「突確」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合で共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り種別が「突確」である場合に用いられる図14(D)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Dや、図15(B)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132H、図15(C)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Iと、可変表示結果が「小当り」となる場合に用いられる図16(A)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Aや、図16(B)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133B、図16(C)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Cとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
図17(A)〜(C)は、ROM105に記憶されるリーチ判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ判定テーブルとして、図17(A)〜(C)に示すリーチ判定テーブル134A〜134Cが、予め用意されている。リーチ判定テーブル134A〜134Cはそれぞれ、可変表示結果を「ハズレ」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御しないと判定されたときに、飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示するか否かを、リーチ判定用の乱数値MR3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、例えば図17(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。各リーチ判定テーブル134A〜134Cでは、リーチ判定用の乱数値MR3が、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といった可変表示態様を「非リーチ」とする旨の判定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といった可変表示態様を「リーチ」とする旨の判定結果のいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
ここで、例えば図17(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1の判定結果に割り振られる一方で「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1の判定結果に割り振られる。また、合計保留記憶数が「1」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち非リーチHA1−1に割り振られる乱数値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2の判定結果に割り振られる。さらに、合計保留記憶数が「2」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り振られる乱数値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3の判定結果に割り振られる。合計保留記憶数が「3」または「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合のそれぞれに対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3の判定結果のそれぞれに割り振られる乱数値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の値が、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5の判定結果に割り振られる。このような設定により、合計保留記憶数が所定数(例えば「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、可変表示態様を「リーチ」とする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図18(A)〜(C)は、ROM105に記憶されるリーチ用変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ用変動パターン種別決定テーブルとして、図18(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cが、予め用意されている。リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cはそれぞれ、可変表示結果を「ハズレ」として可変表示態様を「リーチ」とする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といった可変表示態様を「リーチ」とする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cでは、可変表示態様を「リーチ」とする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR4が、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2といった複数種類の変動パターン種別のいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
ここで、例えば図18(A)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Aの設定例では、リーチHA2−1の判定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR4のうち「0」〜「128」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り振られる一方で、それ以外の乱数値がスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り振られる。また、リーチHA2−2の判定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR4のうち「0」〜「170」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り振られる。さらに、リーチHA2−3の判定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR4のうち「0」〜「182」の範囲の値がノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り振られる。リーチHA2−1の判定結果は、図17(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定により、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3が割り振られている。リーチHA2−2の判定結果は、合計保留記憶数が「1」である場合や「2」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3が割り振られている。リーチHA2−3の判定結果は、合計保留記憶数が「3」、「4」のいずれかである場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3が割り振られれている。これらの設定により、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出(ノーマルリーチ)が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図19(A)〜(C)は、ROM105に記憶される非リーチ用変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、非リーチ用変動パターン種別決定テーブルとして、図19(A)〜(C)に示す非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cが、予め用意されている。非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cはそれぞれ、可変表示結果を「ハズレ」として可変表示態様を「非リーチ」とする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といった可変表示態様を「非リーチ」とする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cでは、可変表示態様を「非リーチ」とする旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR4が、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3といった複数種類の変動パターン種別のいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
図20、図21(A)及び(B)は、ROM105に記憶される当り変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、当り変動パターン決定テーブルとして、図20に示す当り変動パターン決定テーブル137Aと、図21(A)に示す当り変動パターン決定テーブル137Bと、図21(B)に示す当り変動パターン決定テーブル137Cとが、予め用意されている。当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cはそれぞれ、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン決定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−5のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン決定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン決定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR5が、飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とする場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
図22及び図23は、ROM105に記憶されるハズレ変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、ハズレ変動パターン決定テーブルとして、図22に示すハズレ変動パターン決定テーブル138Aと、図23に示すハズレ変動パターン決定テーブル138Bとが、予め用意されている。ハズレ変動パターン決定テーブル138A、138Bはそれぞれ、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときに、リーチ判定結果や変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各ハズレ変動パターン決定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン決定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン決定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン決定テーブル138Aでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR5が、飾り図柄の可変表示結果を「ハズレ」とし可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかと対応付けられるように、割り振られている。ハズレ変動パターン決定テーブル138Bでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR5が、飾り図柄の可変表示結果を「ハズレ」とし可変表示態様が「リーチ」とする場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかと対応付けられるように、割り振られている。
ここで、図22に示すハズレ変動パターン決定テーブル138Aの設定例では、非リーチCA1−4や非リーチCC1−2といった非リーチの変動パターン種別となる場合に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7といった特定演出を実行する変動パターンに、変動パターン決定用の乱数値MR5が割り振られている。また、非リーチCB1−3の変動パターン種別に対応して、変動パターン決定用の乱数値MR5のうち、「0」〜「100」の範囲の値が「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する非リーチPA1−7の変動パターンに割り振られている。このような設定により、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定結果、及び、飾り図柄の可変表示状態を「非リーチ」とする旨の判定結果に対応して、変動パターンを非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7のいずれかに決定し、特定演出となる演出動作を実行することができる。
そして、非リーチCA1−4の変動パターン種別に対しては、図19(A)に示す非リーチ用変動パターン種別変動パターンの136Aにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR4のうち、非リーチHA1−1の判定結果に対応して「217」〜「241」の範囲の値が割り振られ、非リーチHA1−2の判定結果に対応して「230」〜「241」の範囲の値が割り振られ、非リーチHA1−3の判定結果に対応して「231」〜「241」の範囲の値が割り振られ、非リーチHA1−4の判定結果と非リーチHA1−5の判定結果のそれぞれに対応して「237」〜「241」の範囲の値が割り振られる。ここで、非リーチHA1−1の判定結果に対しては、図17(A)に示すリーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち「0」〜「204」の範囲の値が割り振られる。非リーチHA1−2の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「1」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち「0」〜「217」の範囲の値が割り振られる。非リーチHA1−3の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「2」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち「0」〜「220」の範囲の値が割り振られる。非リーチHA1−4の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「3」、「4」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち「0」〜「230」の範囲の値が割り振られる。非リーチHA1−5の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「5」〜「8」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR3のうち「0」〜「230」の範囲の値が割り振られる。したがって、合計保留記憶数が「1」や「2」である場合には、合計保留記憶数が「0」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、合計保留記憶数が「3」、「4」あるいは「5」〜「8」のいずれかである場合には、合計保留記憶数が「0」である場合や、「1」または「2」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
図7に示す変動パターンの一例では、特定演出が実行されない非リーチPA1−1の変動パターンにおける特図変動時間が5.75秒であり、非リーチPA1−2の変動パターンにおける特図変動時間が3.75秒であり、非リーチPA1−3の変動パターンにおける特図変動時間が1.50秒である。これに対して、「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンにおける特図変動時間は8.25秒であり、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチPA1−5の変動パターンにおける特図変動時間は16.70秒であり、「イントロ」の特定演出が実行される非リーチPA1−6の変動パターンにおける特図変動時間は7.75秒であり、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される非リーチPA1−7の変動パターンにおける特図変動時間は9.25秒である。すなわち、「非リーチ」に対応して特定演出が実行される変動パターンにおける特図変動時間はいずれも、特定演出が実行されない変動パターンにおける特図変動時間に比べて長くなっている。そして、合計保留記憶数が「1」以上である場合には、「0」である場合に比べて特定演出を実行する非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっており、また、合計保留記憶数が「3」以上である場合には、「3」未満である場合に比べて非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。こうして、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM106には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図24に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図24に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。また、RAM106としては、例えばDRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU104には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU104がROM105から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU104における1命令の実行時間ごとに行われることになる。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU104により取得された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU104により取得された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cには、合計保留記憶数の上限値(例えば「8」)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶する。
なお、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151B、始動データ記憶部151Cは、別々に設けるようにしてもよいし、これらを組み合わせた記憶領域を設けるようにしてもよい。一例として、図25に示すように、始動データ記憶領域と乱数値記憶領域とを組み合わせた領域を8つ含む記憶領域を設けるようにしてもよい。図25に示す構成において、始動データ記憶領域と乱数値記憶領域の各領域には、RAM106における連続したアドレスが割り当てられればよい。
図25に示す構成では、例えば合計保留記憶数に基づいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの値を更新することによって、空き領域の先頭となる始動データ記憶領域に、始動データをセットする。このとき、空き領域の先頭を特定するには、例えば1つの保留データ(始動データと乱数値を示す数値データ)におけるデータ数を合計保留記憶数に乗算した値に1加算した値(始動データ記憶領域1つ分を加算した値)を、アドレスのオフセット値として特定する。こうして特定したオフセット値に従ってポインタの値を更新すればよい。図26に示す構成では、1つの保留データに対応して始動データ記憶領域と乱数値記憶領域が1つずつの合計2つのデータ格納領域が設けられている。そこで、合計保留記憶数を2倍した値に1加算した値がアドレスのオフセット値として特定される。一例として、合計保留記憶数が「3」である場合には、オフセット値として「+7」(合計保留記憶数「3」を2倍した後に1加算した値)が特定され、このオフセット値に対応した始動データ記憶領域に始動データをセットすることになる。また、1つの保留データに対応して1つの始動データ記憶領域と2つの乱数値記憶領域との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合計保留記憶数を3倍した値に1加算した値(始動データ記憶領域1つ分を加算した値)が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を図25に示す保留番号「1」に対応した始動データ記憶領域とする場合には、1つの保留データにおけるデータ数を合計保留記憶数に乗算した値が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。例えば、図25に示す構成では、合計保留記憶数を2倍した値が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。また、1つの保留データに対応して1つの始動データ記憶領域と2つの乱数値記憶領域との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合計保留記憶数を3倍した値が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。
こうして始動データ記憶領域に始動データをセットした後には、アドレスを指定するポインタの値を1加算して、加算後のポインタが指すアドレスの乱数値記憶領域に、乱数値を示す数値データを格納すればよい。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図29のステップS55や図31に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図29のステップS56に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「大当り」とする旨の判定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「小当り」とする旨の判定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームの実行時間である普図変動時間といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、ラウンド数カウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路103とは別個に、CPU104がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU104によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンドが終了して次回のラウンドが開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。また、ラウンド数カウンタは、小当り遊技状態における可変入賞動作の実行回数もカウントするようにしてもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号としての始動入賞信号SS1がオン状態となっているときに、遊技制御用のタイマ割込みが発生するごとにカウントアップされるアップカウンタとして用いられる。そして、第1始動入賞判定カウンタの値である第1始動入賞判定カウント値が所定の入賞判定値(例えば「2」)に達したときに、第1始動入賞口に進入した遊技球を有効に検出したと判定される。
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号としての始動入賞信号SS2がオン状態となっているときに、遊技制御用のタイマ割込みが発生するごとにカウントアップされるアップカウンタとして用いられる。そして、第2始動入賞判定カウンタの値である第2始動入賞判定カウント値が所定の入賞判定値(例えば「2」)に達したときに、第2始動入賞口に進入した遊技球を有効に検出したと判定される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファ、始動口バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM105における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が“1”に設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値が“2”に設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が“0”に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様を、「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図13に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)が「0」に設定され、大当り種別が「第1確変」の場合には大当り種別バッファ値が「1」に設定され、大当り種別が「第2確変」の場合には大当り種別バッファ値が「2」に設定され、大当り種別が「第3確変」の場合には大当り種別バッファ値が「3」に設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別バッファ値が「4」に設定される。
始動口バッファには、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口のうち、いずれの始動入賞口に進入した遊技球が有効に検出されたかに対応したバッファ値が、始動口バッファ値として格納される。一例として、第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより有効に検出されたときには、始動口バッファ値が「1」に設定され、第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより有効に検出されたときには、始動口バッファ値が「2」に設定される。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路107は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0〜CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。例えば、タイマ回路107では、チャネルごとに予め設定したカウント値から所定周期でのカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込みフラグをオン状態にセットする。このとき、割込許可状態であれば、タイマ回路107がリセット/割込みコントローラ102に対して割込み要求を発生する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力制御回路108は、入出力ポート109を介した外部装置から遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM105に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、入出力ポート109には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE;InCircuit Emulator)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
一例として、入出力制御回路108は、ROM105における記憶データの全部または一部といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しが、入出力ポート109に接続された外部装置から要求されたことを検出する。この読出要求を検出したときに、入出力制御回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを許可するか否かの判定を行う。例えば、ROM105における記憶データの全部または一部に暗号化処理が施されているものとする。この場合、入出力制御回路108は、外部装置からの読出要求がROM105に記憶された暗号化処理プログラムや鍵データ等に対する読出要求であれば、この読出要求を拒否して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを禁止する。入出力ポート109では、ROM105の記憶データが出力される出力ポートと、内部バスとの間にスイッチ素子を設け、入出力制御回路108が内部データの読み出しを禁止した場合には、このスイッチ素子をオフ状態とするように制御すればよい。このように、入出力制御回路108は、外部装置からの読出要求が所定の内部データ(例えばROM105の所定領域)の読み出しを要求するものであるか否かに応じて、内部データの読み出しを禁止するか許可するかを決定するようにしてもよい。
あるいは、入出力制御回路108は、内部データの読出要求を検出したときに、所定の認証コードが外部装置から入力されたか否かを判定してもよい。この場合には、例えば入出力制御回路108の内部あるいはROM105の所定領域に、認証コードとなる所定のコードパターンが予め記憶されていればよい。そして、外部装置から認証コードが入力されたときには、この認証コードを内部記憶された認証コードと比較して、一致すれば読出要求を受容して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを許可する。これに対して、外部装置から入力された認証コードが内部記憶された認証コードと一致しない場合には、読出要求を拒否して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを禁止する。このように、入出力制御回路108は、外部装置から入力された認証コードが内部記憶された認証コードと一致するか否かに応じて、内部データの読み出しを禁止するか許可するかを決定するようにしてもよい。これにより、検査機関などが予め知得した正しい認証コードを用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データを損なうことなく読み出すことができ、内部データの正当性を適切に検査することなどが可能になる。
他の一例として、入出力制御回路108に読出禁止フラグを設け、読出禁止フラグがオン状態であれば外部装置によるROM105の読み出しを禁止する。その一方で、読出禁止フラグがオフ状態であるときには、外部装置によるROM105の読み出しが許可される。ここで、読出禁止フラグは、初期状態ではオフ状態であるが、読出禁止フラグを一旦オン状態とした後には、読出禁止フラグをクリアしてオフ状態に復帰させることができないように構成されていればよい。すなわち、読出禁止フラグはオフ状態からオン状態に不可逆的に変更することが可能とされている。例えば、入出力制御回路108には、読出禁止フラグをクリアしてオフ状態とする機能が設けられておらず、どのような命令によっても読出禁止フラグをクリアすることができないように設定されていればよい。そして、入出力制御回路108は、外部装置からROM105における記憶データといった遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しが要求されたときに、読出禁止フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、読出禁止フラグがオンであれば、外部装置からの読出要求を拒否して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを禁止する。他方、読出禁止フラグがオフであれば、外部装置からの読出要求を受容して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを許可にする。このような構成であれば、ゲーム制御用のプログラムを作成してROM105に格納する提供者においては、読出禁止フラグがオフとなっている状態でデバッグの終了したプログラムをROM105から外部装置に読み込むことができる。そして、デバッグの作業が終了した後に出荷する際には、読出禁止フラグをオン状態にセットすることにより、それ以後はROM105の外部読出を制限することができ、パチンコ遊技機1の使用者などによるROM105の読出を防止することができる。このように、入出力制御回路108は、読出禁止フラグといった内部フラグがオフであるかオンであるかに応じて、内部データの読み出しを禁止するか許可するかを決定するようにしてもよい。
なお、読出禁止フラグを不可逆に設定するのではなく、オン状態からオフ状態に変更することも可能とする一方で、読出禁止フラグをオン状態からオフ状態に変更して内部データの読み出しが許可されるときには、ROM105の記憶データを消去(例えばフラッシュ消去など)することにより、ROM105の外部読出を制限するようにしてもよい。
さらに他の一例として、ROM105の所定領域における記憶データの内容に応じて、ROM105における記憶データの読み出しを禁止するか許可するかを切り替えられるようにしてもよい。例えば、ROM105のユーザプログラム管理エリアにおける先頭アドレスから所定バイト数(例えば8バイトなど)までのスタート領域における記憶データが予め定められた外部読出許可データとなっている場合には、外部装置によるROM105の読み出しを可能にして、内部データの外部読出を許可する。これに対して、スタート領域における記憶データが外部読出許可データとは異なる外部読出禁止データとなっている場合には、外部装置によるROM105の読み出しを不能にして、内部データの外部読出を禁止する。そして、内部データの外部読出を禁止した場合に、入出力ポート109に接続された外部装置から内部データの読み出しが要求されたときには、予め定められた固定値を出力することで、外部装置からは内部データを読み出すことができないようにすればよい。また、スタート領域における記憶データが外部読出許可データや外部読出禁止データとは異なるROM読出禁止データ(例えば全て「00H」)となっている場合には、ROM105自体を読出不能として、ROM105における記憶データの読み出しを防止してもよい。そして、例えば製造段階のROMでは、スタート領域における記憶データをROM読出禁止データとすることで、ROM自体を読出不能としておき、開発用ROMとするのであれば外部読出許可データをスタート領域に書き込むことで、外部装置による内部データの検証を可能にする。これに対して、量産用ROMとするのであれば外部読出禁止データをスタート領域に書き込むことで、CPU104などによる遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部におけるROM105の読み出しは可能とする一方で、外部装置によるROM105の読み出しはできないようにすればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。一例として、入出力ポート109には、図26に示すようなビット割当てを有する入力ポートIP00が含まれている。図26に示す入力ポートIP00では、第0ビット[ビット0]にリセット信号が入力され、第1ビット[ビット1]に乱数用クロック生成回路111にて生成された乱数用クロック信号RCLKが入力され、第4ビット[ビット4]にカウントスイッチ23の検出信号が入力され、第5ビット[ビット5]にゲートスイッチ21の検出信号が入力され、第6ビット[ビット6]に第2始動口スイッチ22Bの検出信号である始動入賞信号SS2が入力され、第7ビット[ビット7]に第1始動口スイッチ22Aの検出信号である始動入賞信号SS1が入力される。このように、入力ポートIP00では、第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号SS1と、第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号SS2とが、それぞれ別個のビットに入力される。この場合、入力ポートIP00に入力された始動入賞信号SS1と始動入賞信号SS2はそれぞれ、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部で分岐されて、乱数回路103とCPU104とに伝送されるようにしてもよい。もしくは、入力ポートIP00に入力された始動入賞信号SS1と始動入賞信号SS2は、乱数回路103とCPU104に共通の内部バス上に伝送されることにより、乱数回路103とCPU104の双方に供給できるようにしてもよい。あるいは、第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号SS1と、第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号SS2とを、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部でそれぞれ分岐して、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路103とCPU104とに伝送されるようにしてもよい。この場合には、入力ポートIP00において、乱数回路103に伝送される始動入賞信号SS1、SS2が入力されるビットと、CPU104に伝送される始動入賞信号SS1、SS2が入力されるビットとを、それぞれ別個に設けるようにしてもよい。
なお、乱数用クロック信号RCLKは、入力ポートIP00の第1ビット[ビット1]といった入出力ポート109に含まれる入力ポートへと入力されるものに限定されない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート109とは別個に、乱数用クロック信号RCLKを入力するために設けられた専用の入力端子を備え、その入力端子に乱数用クロック信号RCLKが直接入力されるように構成されてもよい。
パチンコ遊技機1に搭載された演出制御基板12には、図2に示すように、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが設けられている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対して情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12が備えるROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。例えば、ROM121が記憶する決定テーブルには、複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出決定テーブルなどが含まれている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5の表示画面における飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。また、ROM121が記憶する制御パターンテーブルには、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために予め用意された複数種類の演出制御パターンが格納されている。
演出制御基板12が備えるRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、例えば演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。演出制御フラグ設定部には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。一例として、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。一例として、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。一例として、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
演出制御基板12が備える表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12が備えるI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ100へのリセット信号がオフ状態となったことに応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU104によって図27のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理が実行される。図27に示す遊技制御メイン処理を開始すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、まず、CPU104が割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、割込モードの設定を行う(ステップS2)。例えば、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより、あるいはCPU104がROM105の所定領域(例えば割込ベクタ領域)における記憶データを読み出すことにより、割込アドレスが生成されるマスク可能割込の割込モード(割込みモード2)が設定される。マスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100が自動的に割込禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
そして、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS3)。また、例えば入出力制御回路108といった内蔵デバイス(内蔵周辺回路)に対応して、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。そして、例えばタイマ回路107などに含まれるCTC(カウンタ/タイマ回路)や入出力ポート109に含まれるPIO(パラレル入出力ポート)などの設定を行う(ステップS5)。その後、RAM106をアクセス可能に設定する(ステップS6)。なお、ステップS6の処理を実行するより前に、電源基板などから主基板11に供給される電源断信号がオフ状態となっていることをチェックするようにしてもよい。ここで、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときには、各種の電源電圧が徐々に上昇して規定値に達する。電源断信号は、所定の電源電圧が規定値に達したとき、あるいは、その電源電圧が規定値に達してから所定時間が経過したときに、オン状態からオフ状態へと切り替わる信号であればよい。電源断信号がオフ状態となっていることのチェックは、1回だけ行うようにしてもよいし、複数回繰り返して行うようにしてもよい。複数回繰り返してチェックする場合には、各回のチェック結果が一致していないときに、オフ状態であることを更にもう一度チェックするようにしてもよい。電源断信号がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、電源断信号がオフ状態となっていることを再びチェックすればよい。
ステップS6の処理を実行した後には、パチンコ遊技機1に設けられた所定のクリアスイッチから伝送される検出信号(クリア信号)がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS7)。なお、CPU104は、クリア信号の状態を1回だけ確認してもよいし、複数回繰り返して確認するようにしてもよい。このとき、クリアスイッチからのクリア信号がオフ状態であれば(ステップS7;No)、遊技制御フラグ設定部152などに設けられたバックアップフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS8)。バックアップフラグの状態は、電力供給が停止されるときに、遊技制御フラグ設定部152に記憶されればよい。そして、このバックアップフラグの記憶箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、バックアップフラグの状態は保存されることになる。ステップS8では、例えばバックアップフラグの値として「55H」が記憶されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が記憶されていれば、バックアップなし(オフ状態)であると判断される。
ステップS8にてバックアップフラグがオンであるときには(ステップS8;Yes)、RAM106のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9の処理では、例えばRAM106の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、チェックサムバッファは、例えば遊技制御バッファ設定部155などに設けられ、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムを記憶する。そして、比較結果が不一致であれば、RAM106の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS9でのチェック結果が正常であるときには(ステップS9;Yes)、主基板11の内部状態とサブ側の各制御基板(例えば演出制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14など)の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を実行する(ステップS10)。ステップS10にて遊技状態復旧処理を実行した後には、例えばプログラムカウンタの内容が電源断時の内容に設定されることなどにより、電源断前の処理状態に復帰する。
ステップS7にてクリアスイッチからのクリア信号がオン状態である場合や(ステップS7;Yes)、ステップS8にてバックアップフラグがオフである場合(ステップS8;No)、あるいは、ステップS9にてチェック結果が正常でない場合には(ステップS9;No)、停電復旧時でない電源投入時に対応した初期化処理を実行する。
この初期化処理では、まず、RAM106のクリア処理を実行する(ステップS11)。なお、ステップS11の処理では、所定のデータ(例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタにおける格納データなど)が任意の値あるいは予め定められている初期値などに設定されてもよい。また、RAM106の全領域を初期化してもよいし、一部の領域を初期化する一方で所定のデータはそのままにしてもよい。また、RAM106における所定の作業領域に対して初期値を設定するなどの設定処理も行われる(ステップS12)。ステップS12の処理により、例えば、遊技制御フラグ設定部152、遊技制御タイマ設定部153、遊技制御カウンタ設定部154、遊技制御バッファ設定部155などに初期値が設定されればよい。そして、演出制御基板12に対して初期表示指定コマンドを送信する(ステップS13)。このときには、演出制御基板12以外のサブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための制御コマンド(初期化指定コマンド)を送信してもよい。演出制御基板12では、初期表示指定コマンドを受信すると、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に対して所定の表示制御指令を送信することなどにより、画像表示装置5の表示画面においてパチンコ遊技機1における制御が初期化されたことを報知するための画像を表示させるなどの初期化報知が行われる。
ステップS13の処理に続いて、CPU104は、乱数回路103の初期設定を行うための乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。図28は、ステップS14にて実行される乱数回路設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、乱数回路設定処理を実行するときには、まず、乱数用クロック生成回路111から遊技制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される乱数用クロック信号RCLKが正常に入力されているかを確認するようにしてもよい。このとき、乱数用クロック信号RCLKが正常に入力されていなければ、例えば画像表示装置5に所定の警告画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、遊技効果ランプ9に含まれる警告ランプを点灯させること、あるいは、これらのいずれかを組み合わせることなどにより、エラーの発生を報知してもよい。また、乱数用クロック信号RCLKが正常に入力されていなければ、CPU104による以後の処理を実行停止として、遊技制御用マイクロコンピュータ100における制御を停止するようにしてもよい。乱数用クロック信号RCLKの正常な入力を確認する動作の一例として、乱数用クロック信号RCLKを遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部にて分岐させ、一方を乱数回路103に入力し、他方を遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部あるいは外部に設けられたウォッチドッグタイマ(WDT)のリセット端子に入力する。ウォッチドッグタイマでは、経過時間の計測が行われ、リセット端子に入力された乱数用クロック信号RCLKの立ち上がりタイミング又は立ち下がりタイミングにて、経過時間の計測値がリセットされる。そして、経過時間の計測値が所定のタイムアウト値に達したときには、CPU104に対してタイムアウト信号を出力する。したがって、CPU104は、ウォッチドッグタイマからタイムアウト信号が出力されたときには、乱数用クロック信号RCLKが正常に入力されていないと判断することができる。また、ステップS10にて遊技状態復旧処理を実行するときにも、同様にして乱数用クロック生成回路111から遊技制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される乱数用クロック信号RCLKが正常に入力されているかを確認するようにしてもよい。
図28に示す乱数回路設定処理において、CPU104は、まず、ROM105に記憶された乱数初期設定データ(KRSS)の第4ビット[ビット4]を読み出す(ステップS31)。ここで、図11に示すように、乱数初期設定データ(KRSS)の第4ビット[ビット4]は、乱数回路103にて生成される乱数値となる数値データにおける1周目のスタート値である初期値についての設定を示している。このときには、ステップS31での読出値が「0」であるか否かを判定する(ステップS32)。そして、読出値が「0」であれば(ステップS32;Yes)、乱数回路103において生成する乱数値における1周目のスタート値を、デフォルト値である「0000H」に設定する旨の決定を行う(ステップS33)。他方、ステップS31での読出値が「1」であれば(ステップS32;No)、乱数回路103において生成する乱数値における1周目のスタート値を、遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づいて決定する(ステップS34)。ここで、ステップS34の処理では、例えばCPU104がROM105におけるE00AH番地〜E011H番地の領域から読み出した遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバーを、そのまま乱数値を生成するための1周目のスタート値に設定するようにしてもよい。あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバーを用いて所定の演算を実行することにより算出された値を、乱数値を生成するための1周目のスタート値に設定するようにしてもよい。例えば、CPU104がROM105から読み出した遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバーに所定のスクランブル処理を施す演算や、IDナンバーを用いた加算・減算・乗算・除算などの演算を実行して、算出された値を用いるようにすればよい。
ステップS33またはステップS34にて決定されたスタート値は、乱数回路103が備える初期値設定回路202に入力されることで、乱数回路103により乱数値となる数値データを生成するための1周目のスタート値として設定される。なお、ステップS33やステップS34の処理は、乱数回路103が備える初期値設定回路202が実行するようにしてもよい。例えば、CPU104がステップS32にて読出値が「0」であると判定したときには、乱数回路103に所定の第1初期値設定信号を送る。乱数回路103がCPU104から第1初期値設定信号を受けたときには、初期値設定回路202が所定のレジスタの記憶データを読み出し、その読出値を示す初期値設定信号SK1、SK2をカウンタ回路203A、203Bにそれぞれ入力させることなどにより、乱数値を生成するための1周目のスタート値を、デフォルト値である「0000H」に設定する(ステップS33に相当する処理)。他方、CPU104がステップS33にて読出値が「1」であると判定したときには、乱数回路103に第1初期値設定信号とは異なる第2初期値設定信号を送る。乱数回路103がCPU104から第2初期値設定信号を受けたときには、初期値設定回路202が所定のレジスタに記憶されたIDナンバーに基づいて生成されるデータを選択し、その選択したデータを示す初期値設定信号SK1、SK2をカウンタ回路203A、203Bに入力させることなどにより、乱数値を生成するための1周目のスタート値を、遊技制御用マイクロコンピュータ100ごとに付与された固有の識別情報であるIDナンバーに基づいた値に設定する(ステップS34に相当する処理)。ここで、所定のレジスタに記憶されたIDナンバーは、乱数値の最大値である「65535」以下となる桁の数値のみが抽出されてカウンタ回路203A、203Bに設定されてもよい。あるいは、所定のレジスタに記憶されたIDナンバーが初期値設定回路202に内蔵された演算回路(例えば乗算回路)に入力されることにより、例えばIDナンバーの各桁における数値を用いた所定の演算が実行され、この演算により算出された値を示すデータがカウンタ回路203A、203Bに設定されてもよい。また、CPU104は、初期値設定回路202の動作を直接制御してステップS33、S34に相当する処理を実行させてもよいし、例えば乱数回路103の内部または外部に初期値設定制御用として設けられて初期値設定回路202が参照可能な所定のレジスタにステップS31での読出値に対応した制御データをセットすることなどにより、初期値設定回路202の動作を間接的に制御するようにしてもよい。CPU104が初期値設定制御用のレジスタに制御データをセットした場合には、例えば乱数回路103にて乱数値の生成を開始するときに初期値設定回路202が初期値設定用のレジスタに記憶されている制御データを参照し、その制御データに従った初期値設定動作を行うことにより、ステップS31での読出値に応じた1周目のスタート値を生成して、カウンタ回路203A、203Bに設定することができる。
ステップS33、S34の処理のいずれかを実行した後には、CPU104がROM105に記憶されている乱数初期設定データ(KRSS)の第1及び第0ビット[ビット1−0]を読み出す(ステップS35)。そして、ステップS35での読出値に基づいて、乱数回路103における乱数値の更新方式を設定する(ステップS36)。例えば、ステップS35での読出値が「00」であるときには、乱数値の更新順である順列を変更しないように設定する。また、ステップS35での読出値が「10」であるときには、乱数値の2周目以降における順列をユーザプログラムにより変更可能とするように設定する。さらに、ステップS35での読出値が「11」であるときには、乱数値の2周目以降における順列を自動的に変更するように設定する。なお、S36の処理では、CPU104が乱数回路103を直接制御してステップS35での読出値に対応した乱数更新方式を設定してもよいし、例えば乱数回路103の内部あるいは外部に設けられてカウンタ回路203A、203Bが参照可能な所定のレジスタにステップS35での読出値に対応した制御データをセットすることなどにより、カウンタ回路203A、203Bでの乱数更新方式を間接的に制御するようにしてもよい。ステップS36にてレジスタに制御データをセットした場合には、例えばカウンタ回路203A、203Bがレジスタに記憶されている制御データを参照し、その制御データに従った乱数更新動作を行うことにより、ステップS36で設定された乱数更新方式に従って、乱数値を生成するための順列を変更または保持させることができる。
この後、CPU104がROM105に記憶されている乱数初期設定データ(KRSS)の第3及び第2ビット[ビット3−2]を読み出す(ステップS37)。そして、ステップS37での読出値に基づいて、乱数回路103にて生成される乱数値における2周目以降のスタート値に関する初期設定を行う(ステップS38)。一例として、ステップS38の処理では、CPU104がROM105から読み出した乱数初期設定データ(KRSS)の第3及び第2ビット[ビット3−2]を示す読出データを、乱数回路103もしくはCPU104に内蔵された所定のレジスタや、RAM106の所定領域に格納して記憶させることなどにより、CPU104が遊技制御用のタイマ割込み処理を実行中に乱数回路103により生成される乱数における2周目以降のスタート値に関する設定を参照できるような初期設定が行われればよい。
図27に示すステップS14にて以上のような乱数回路設定処理を実行した後には、タイマ割込みの設定を行う(ステップS15)。一例として、ステップS15の処理では、2ミリ秒ごとに定期的なタイマ割込みがかかるように、タイマ回路107などに含まれるCTCにおけるレジスタの設定が行われる。このときには、初期値として2ミリ秒に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。これにより、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、2ミリ秒ごとに遊技制御用のタイマ割込みが発生する。以上のような初期化処理が終了すると、CPU104は、乱数更新処理を繰り返し実行する(ステップS16)。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えばCPU104がCTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図29のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図29に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU104は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各スイッチ21、22A、22B、23などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS51)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS52)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS53)。
情報出力処理に続いて、乱数更新処理を実行する(ステップS54)。この後、CPU104は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS55)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS56)。CPU104は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU104は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS57)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、入出力ポート109に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理が終了すると、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図30は、乱数更新処理として、図27に示すステップS16や図29に示すステップS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す乱数更新処理において、CPU104は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS71)。続いて、大当り種別決定用の乱数値MR2を、更新処理の対象とする乱数値として設定する(ステップS72)。
その後、CPU104は、例えば遊技制御カウンタ154に設けられたランダムカウンタなどから、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データを読み出す(ステップS73)。このときには、ステップS73での読出値が、更新処理の対象となる乱数値ごとに定められた加算判定値未満であるか否かを判定する(ステップS74)。ここで、図5に示すように、乱数値MR2〜MR5のそれぞれに対応して、加算判定値が予め定められている。ステップS74にて読出値が加算判定値未満であれば(ステップS74;Yes)、ステップS73にて読み出した乱数値MR6を、加算値に設定する(ステップS75)。これに対して、ステップS74にて読出値が加算判定値以上であれば(ステップS74;No)、ステップS73にて読み出した乱数値MR6から加算判定値を減算した値を、加算値に設定する(ステップS76)。
ステップS75、S76の処理のいずれかを実行した後には、更新処理の対象となる乱数値に加算値を加算して、加算後乱数値とする(ステップS77)。このときには、ステップS77にて得られた加算後乱数値が、更新処理の対象となる乱数値ごとに定められた最大判定値未満であるか否かを判定する(ステップS78)。ここで、図5に示すように、乱数値MR2〜MR5のそれぞれに対応して、最大判定値が予め定められている。ステップS78にて加算後乱数値が最大判定値未満であれば(ステップS78;Yes)、ステップS77にて得られた加算後乱数値を、更新後乱数値に設定する(ステップS79)。これに対して、ステップS78にて加算後乱数値が最大判定値以上であれば(ステップS78;No)、ステップS77にて得られた家産後乱数値から最大判定値を減算した値を、更新後乱数値に設定する(ステップS80)。
ステップS79、S80の処理のいずれかを実行した後には、ランダムカウンタにて更新処理の対象となる乱数値を格納する所定領域に、更新後乱数値をセットする(ステップS81)。こうして、更新処理の対象となる乱数値の更新が完了する。ステップS81の処理に続いて、未処理の乱数値があるか否かを判定する(ステップS82)。この実施の形態では、乱数値MR2〜MR5について、順次に更新処理の対象となる乱数値にセットすることにより、乱数更新処理が1回実行されるごとに、乱数値MR2〜MR5の全部が更新されるようにする。ステップS82にて未処理の乱数値がある場合には(ステップS82;Yes)、次の乱数値を更新処理の対象となる乱数値にセットしてから(ステップS83)、ステップS73の処理に戻る。他方、ステップS82にて未処理の乱数値がない場合には(ステップS82;No)、割込みを許可してから(ステップS84)、乱数更新処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理として、図29に示すステップS55にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU104は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図32及び図33は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図32及び図33に示す始動入賞判定処理において、CPU104は、まず、図26に示す入力ポートIP00のデータを読み出して、例えばROM106の所定領域にロードする(図32のステップS201)。そして、ステップS201におけるロード結果の第6ビット[ビット6]が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。図26に示すように、第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号としての始動入賞信号SS2がオン状態である場合には、ロード結果の第6ビット[ビット6]が“1”となる。すなわち、ロード結果の第6ビット[ビット6]が“1”であるときには、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であることになる。そこで、ステップS202にて“1”であると判定された場合には(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201におけるロード結果の第7ビット[ビット7]が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。図26に示すように、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号としての始動入賞信号SS1がオン状態である場合には、ロード結果の第7ビット[ビット7]が“1”となる。すなわち、ロード結果の第7ビット[ビット7]が“1”であるときには、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であることになる。そこで、ステップS205にて“1”であると判定された場合には(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの値(始動口バッファ値)を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU104は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図33のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図32に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図32に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU104は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU104は、始動口バッファ値に応じた始動データを、始動データ記憶部151Cにおける空き領域の先頭にセットして記憶させる(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「第1」を示す始動データをセットし、始動口バッファ値が「2」であるときには、「第2」を示す始動データをセットする。そして、CPU104は、乱数設定処理を実行する(ステップS219)。ステップS219にて乱数設定処理を実行した後には、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS220)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM105における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM105における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図29に示すステップS57のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
また、CPU104は、例えばROM105における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。なお、第1始動口入賞指定コマンドテーブルが、第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されるとともに、第2始動口入賞指定コマンドテーブルが、第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されている場合には、ステップS220、S221の処理として第1始動口入賞指定コマンドテーブルと第2始動口入賞指定コマンドテーブルのうち、始動口バッファ値に応じたコマンドテーブルの記憶アドレスだけを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すればよい。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図29に示すステップS57のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、そのバッファ値を「0」に初期化してから(ステップS223)、図32に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、そのバッファ値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図32に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図32に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図33に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、図32に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図32に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図33に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図34は、図33のステップS219にて実行される乱数設定処理の一例を示すフローチャートである。この乱数設定処理では、CPU104が乱数回路103から抽出した乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより加工するための処理を実行する。図35は、乱数回路103から抽出した乱数値を示す数値データを、CPU104がソフトウェアにより特図表示結果判定用の乱数値MR1や加算値決定用の乱数値MR6に加工するまでの動作を説明するための説明図である。
図34に示す乱数設定処理において、CPU104は、まず、割込み禁止に設定した後(ステップS351)、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS352)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100が乱数設定処理の開始に対応して自動的に割込禁止状態となる場合には、ステップS351の処理を実行しなくてもよい。そして、ステップS352において始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS352;「1」)、図6に示すような乱数回路103から、乱数値レジスタ205Aに記憶された乱数値となる数値データの上位バイトRU1と、乱数値レジスタ205Bに記憶された乱数値となる数値データの下位バイトRL1とを、読み出して抽出する(ステップS353)。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS352;「2」)、乱数回路103から、乱数値レジスタ206Aに記憶された乱数値となる数値データの上位バイトRU2と、乱数値レジスタ206Bに記憶された乱数値となる数値データの下位バイトRL2とを、読み出して抽出する(ステップS354)。こうして乱数回路103から抽出された数値データは、CPU104が有する16ビットの汎用レジスタなどに格納される。例えば図35に示すように、乱数回路103から抽出された数値データのうちで、乱数値レジスタ205Aから抽出された数値データの上位バイトRU1や、乱数値レジスタ206Aから抽出された数値データの上位バイトRU2といった、数値データの上位バイトに相当する部分は、CPU104が有する汎用レジスタにて、上位バイトGR1−1として格納される。また、乱数回路103から抽出された数値データのうちで、乱数値レジスタ205Bから抽出された数値データの下位バイトRL1や、乱数値レジスタ206Bから抽出された数値データの下位バイトRL2といった、数値データの下位バイトに相当する部分は、CPU104が有する汎用レジスタにて、下位バイトGR1−2として格納される。なお、乱数回路103から抽出された数値データは、CPU104が有する汎用レジスタに格納されるものに限定されず、例えばRAM106の所定領域に格納されるようにしてもよい。
続いて、CPU104は、内部のリフレッシュレジスタRR1の格納値(リフレッシュレジスタ値)を、加工用の乱数値となる数値データとして読み出す(ステップS355)。CPU104は、汎用レジスタにおける上位バイトGR1−1に、ステップS355にて読み出したリフレッシュレジスタ値を加算する(ステップS356)。このとき、汎用レジスタにおける下位バイトGR1−2については、そのままにしておく。その後、CPU104は、汎用レジスタの格納値、すなわち上位バイトGR1−1に加工用の乱数値となるリフレッシュレジスタ値を加算した値に基づき、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを設定する(ステップS357)。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1が「0」〜「65535」の範囲の値をとる場合には、汎用レジスタの格納値と「FFFFH」とを論理積演算して、あるいは、汎用レジスタの格納値をそのまま出力して、RAM106の所定領域に格納することなどにより、16ビットの乱数値MR1を示す数値データを設定する。他の一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1が「0」〜「16383」の範囲の値をとる場合には、汎用レジスタの格納値と「7F7FH」とを論理積演算して、RAM106の所定領域に格納することなどにより、14ビットの乱数値MR1を示す数値データを設定する。なお、特図表示結果判定用の乱数値MR1が「0」〜「16383」の範囲の値をとる場合には、汎用レジスタの格納値のうち任意の14ビット値が乱数値MR1として抽出されるように、所定の論理値との論理積演算などが実行されればよい。また、論理積演算に代えて、論理和演算が実行されてもよい。このとき、乱数値MR1を示す数値データが格納されるRAM106の領域は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどに含まれていればよい。あるいは、CPU104は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bのいずれかにおける空き領域の先頭に、乱数値MR1を示す数値データを保留データとして格納することにより、乱数値MR1を設定してもよい。
ステップS357の処理に続いて、CPU104は、汎用レジスタの格納値に基づき、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データを設定する(ステップS358)。一例として、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データが「0」〜「7」の範囲の値をとる場合には、汎用レジスタの格納値と「C0C0H」とを論理積演算して、RAM106の所定領域に格納することなどにより、4ビットの乱数値MR6を示す数値データを設定する。なお、汎用レジスタの格納値のうち任意の4ビット値が乱数値MR6として抽出されるように、所定の論理値との論理積演算などが実行されればよい。また、論理積演算に代えて、論理和演算が実行されてもよい。このとき、乱数値MR6を示す数値データが格納されるRAM106の領域は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどに含まれていればよい。
ステップS358の処理に続いて、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出する(ステップS359)。そして、ステップS359にて抽出した乱数値MR2を示す数値データなどが始動口バッファ値に応じた第1特図保留記憶部151Aあるいは第2特図保留記憶部151Bにおける空き領域の先頭に保留データとしてセットされることで、抽出した乱数値が記憶される(ステップS360)。なお、ステップS357にて遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタに乱数値MR1を示す数値データを格納した場合には、そのランダムカウンタから抽出した乱数値MR1を示す数値データが、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとともに、保留データとして第1特図保留記憶部151Aあるいは第2特図保留記憶部151Bにおける空き領域の先頭にセットされればよい。その後、CPU104は、割込みを許可してから(ステップS361)、乱数設定処理を終了する。なお、加算値決定用の乱数値MR6を設定するための処理は、図30に示すステップS73の処理にて乱数値MR6を読み出すごとに、実行されるようにしてもよい。この場合には、ステップS73の処理が実行されるときに、図34に示すステップS355、S356、S358の処理を実行することにより、乱数回路103から新たな数値データを抽出することなく、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データの更新を行うようにしてもよい。あるいは、ステップS73の処理が実行されるごとに、乱数回路103から数値データを抽出して、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データの更新を行うようにしてもよい。このとき乱数回路103から抽出する数値データは、常に乱数値レジスタ205A、205Bの記憶データといった一定の乱数値レジスタに記憶された数値データとしてもよいし、ステップS73の処理が実行されるごとに、乱数値レジスタ205A、205Bの記憶データと、乱数値レジスタ206A、206Bの記憶データとを、交互に抽出するようにしてもよい。
図31に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄、色図柄などの可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄及びハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かのリーチ判定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける値(特図変動タイマ値)を1減算あるいは1加算することにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグと小当りフラグのいずれかがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新し、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。また、大当りフラグと小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大入賞口開放回数最大値の設定に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口開放回数最大値が15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。これに対して、大入賞口開放回数最大値が2ラウンド大当り状態に対応した「2」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイドに対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、その大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることにより大入賞口開放回数最大値が「2」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイドに対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図36は、図31のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す特別図柄通常処理において、CPU104は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値が「0」であるか否か、すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、合計保留記憶数カウント値が「0」以外であれば(ステップS231;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読み出す(ステップS232)。ここでは、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読み出せばよい。
この実施の形態では、第1始動条件と第2始動条件とを区別することなく、先に成立した始動条件に対応する特図ゲームから順次に実行するものとして説明する。これに対して、例えば第2保留記憶数が「0」でないことを条件として、第1特図を用いた特図ゲームよりも、第2特図を用いた特図ゲームを優先して実行するようにしてもよい。この場合には、例えばステップS231にて合計保留記憶数カウント値が「0」以外であれば、第2保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定する。そして、第2保留記憶数カウント値が「0」であれば、始動データ記憶部151Cから「第1」を示す始動データが読み出された場合と同様の処理を実行する一方で、第2保留記憶数カウント値が「0」以外であれば、始動データ記憶部151Cから「第2」を示す始動データが読み出された場合と同様の処理を実行すればよい。あるいは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、いずれの保留記憶数が多いかを判定し、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を用いた特図ゲームを優先して実行するようにしてもよい。この場合には、例えばステップS231にて合計保留記憶数カウント値が「0」以外であれば、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値とを比較する。そして、第1保留記憶数カウント値の方が大きい場合には、始動データ記憶部151Cから「第1」を示す始動データが読み出された場合と同様の処理を実行する一方で、第2保留記憶数カウント値の方が大きい場合には、始動データ記憶部151Cから「第2」を示す始動データが読み出された場合と同様の処理を実行すればよい。このとき、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値が一致した場合には、第1特図を用いた特図ゲームを優先して実行してもよいし、第2特図を用いた特図ゲームを優先して実行してもよい。このように、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を用いた特図ゲームを優先して実行することで、無効な始動入賞の発生を低減することができる。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した始動データに応じた特図保留記憶部から、保留データを読み出す(ステップS234)。例えば、始動データが「第1」である場合には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す。
ステップS234の処理に続いて、始動データに応じた保留記憶数カウント値を1減算するとともに、始動データに応じた特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS235)。例えば、始動データが「第1」である場合には、第1保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。この後、始動データに応じた変動特図指定バッファの設定を行う(ステップS236)。ステップS236の処理では、例えば図37(A)に示すように、始動データが「第1」であれば変動特図指定バッファ値を「1」に設定する一方で、始動データが「第2」であれば変動特図指定バッファ値を「2」に設定する。
ステップS236の処理に続いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かや「小当り」とするか否かを判定するための使用テーブルとして、始動データに応じた特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(ステップS237)。例えば、始動データが「第1」であれば図12(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aを使用テーブルとしてセットする一方で、始動データが「第2」であれば図12(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bを使用テーブルとしてセットする。CPU104は、こうしてセットされた特図表示結果判定テーブルを参照することにより、ステップS234にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS238)。
ステップS238にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS238;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS239)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図13に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS240)。そして、ステップS234にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、ステップS240にてセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」という複数種類のうち、いずれかに決定する(ステップS241)。なお、ステップS236の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別決定テーブル131にて「突確」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2が割り当てられていないことから、大当り種別が「突確」に決定されることはない。こうしてステップS241にて決定された大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値を、「00」〜「04」のいずれかに設定する(ステップS242)。
ステップS238にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS238;No)、ステップS234にて読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、ハズレ判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS243)。このとき、ハズレ判定値データと合致しなければ(ステップS243;No)、小当り判定値データに合致するものとして、小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS244)。
ステップS242とステップS244の処理のいずれかを実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS245)。このときには、例えば図37(B)に示すように、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」である場合や、小当り種別が「小当り」である場合には、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。なお、大入賞口開放回数最大値の設定は、図31に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、大当りフラグや小当りフラグがオンであると判定されたときに、行われるようにしてもよい。
ステップS243にて乱数値MR1を示す数値データがハズレ判定値データと合致する場合や(ステップS243;Yes)、ステップS245の処理を実行した後には、可変表示結果の判定結果や大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS243にて乱数値MR1を示す数値データがハズレ判定値データと合致する場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の事前判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS238にて乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には、ステップS241における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」〜「第3確変」のいずれかとする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、ステップS243にて乱数値MR1を示す数値データがハズレ判定値データと合致しない場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の事前判定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。
図38は、図31のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す変動パターン設定処理において、CPU104は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに基づき、図15(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iのいずれかを選択してセットする(ステップS262)。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグの状態から特定すればよい。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS263;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに基づき、図16(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択してセットする(ステップS264)。
ステップS263にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに基づき、図17(D)に示すテーブル選択設定に従い、飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示するか否かを判定するための使用テーブルとして、リーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択してセットする(ステップS265)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS266)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、リーチ判定用の乱数値MR3を抽出する(ステップS267)。そして、ステップS267にて抽出したリーチ判定用の乱数値MR3に基づき、ステップS265にてセットしたリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを参照することにより、リーチ表示状態の有無を判定する(ステップS268)。
ステップS268においてリーチ表示状態ありとする旨のリーチ判定結果が得られた場合には(ステップS269;Yes)。ステップS268におけるリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1の判定結果といったリーチ表示状態ありの各判定結果に応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図18(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択してセットする(ステップS270)。これに対して、ステップS268においてリーチ表示状態なしとする旨のリーチ判定結果が得られた場合には(ステップS269;No)、ステップS268における非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果といったリーチ表示状態なしの各判定結果に応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(A)〜(C)に示す非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択してセットする(ステップS271)。
ステップS262、S264、S270、S271の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン種別決定用の乱数値MR4を抽出する(ステップS272)。そして、ステップS272にて抽出した変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS262、S264、S270、S271のいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS273)。
ここで、ステップS272、S273の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS272、S273の処理では、ステップS268におけるリーチ表示状態の有無の判定結果に関わりなく、変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS273の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM105のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
こうしてステップS273にて変動パターン種別が決定された後には、その変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図20、図21(A)及び(B)に示す当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cや図22、図23に示すハズレ変動パターン決定テーブル138A、138Bといった複数種類の変動パターン決定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS274)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン決定用の乱数値MR5を抽出する(ステップS275)。そして、ステップS275にて抽出した変動パターン決定用の乱数値MR5に基づき、ステップS274にてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS276)。
ここで、ステップS275、S276の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR5を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS275、S276の処理では、ステップS268におけるリーチ表示状態の有無の判定結果に関わりなく、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR5を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS276の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM105のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
このようなステップS276における変動パターンの決定に続いて、その変動パターンの決定結果に応じた特図変動時間を設定する(ステップS277)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS278)。一例として、変動特図指定バッファ値が“1”であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が“2”であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS278の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS279)。例えば、変動特図指定バッファ値が“1”である場合に、CPU104は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM105における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が“2”である場合に、CPU104は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM105における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS279での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図29に示すステップS57のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドが、順次に送信されることになる。
ステップS279での設定に続いて、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS280)、変動パターン設定処理を終了する。
図39は、図31のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す特別図柄停止処理において、CPU104は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM105における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS295)。例えば、ステップS295では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数をカウントするための特図変動回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS297)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS297;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS298)。例えば、ステップS298の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS298の処理に続いて、ステップS293の処理と同様に、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS299)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS300)。そして、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS301)。
また、ステップS297にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS297;No)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS302)。ステップS301、S302の処理のいずれかを実行した後には、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS303)。例えば、ステップS303の処理では、特図変動回数カウンタの値(特図変動回数カウント値)を、例えば1減算または1加算するなどして更新し、更新後の特図変動回数カウント値が所定の特別遊技状態終了判定値と合致するか否かの判定が行われる。このとき、特別遊技状態終了判定値と合致すれば、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、確変状態や時短状態を終了して通常状態に制御すればよい。他方、特別遊技状態終了判定値と合致しなければ、確変フラグや時短フラグの状態を維持して、ステップS303の処理を終了すればよい。こうした確変状態や時短状態の終了判定を実行した後には、特別図柄停止処理が終了する。なお、特図変動回数カウント値に基づく終了判定は、時短状態である場合のみ行うようにして、確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続されるようにしてもよい。あるいは、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変状態終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM105などに格納された確変状態終了判定テーブルを参照することにより、確変状態を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。
図40は、図31に示すステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す大当り終了処理において、CPU104は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図31に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、ステップS312にて読み出した大当り種別バッファ値が「通常」の大当り種別に対応した「0」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、大当り種別バッファ値が「0」であれば(ステップS313;Yes)、時短状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS314)。一例として、ステップS314の処理では、時短フラグがオン状態にセットされるとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS313にて大当り種別バッファ値が「0」以外である場合には(ステップS313;No)、確変状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS315)。一例として、ステップS315の処理では、確変フラグがオン状態にセットされるとともに、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。なお、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変状態が継続されるようにした場合には、ステップS315の処理において、特図変動回数カウンタの設定を行う必要はない。ステップS314、S315の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS316)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動し、図41のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図41に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122の演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作といった、演出用の電気部品を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図42は、図41のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えばRAM122の演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S166の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板11から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示や、色図柄表示部における色図柄の可変表示を、開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄や色図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や仮停止図柄、予告演出の有無等を決定し、その決定結果に応じて、予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして選択して設定する処理などが含まれている。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、例えばRAM122の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)などに対応して、使用パターンとなる演出制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。そして、例えば演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示終了値(例えば「0」)となったこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御プロセスタイマ値が可変表示終了値となったことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される可変表示結果が「大当り」である場合に、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、当り開始指定コマンドから特定される可変表示結果が「小当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS165の小当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「小当り」となったことなどに対応して演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS166のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了することなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な動作例について説明する。図43は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路103の動作を説明するためのタイミングチャートである。また、図43(A)では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御用クロック生成回路101により生成される制御用クロック信号CCLKを示している。図43(B)では、乱数用クロック生成回路111により生成される乱数用クロック信号RCLKを示している。図43(A)及び(B)に示すように、制御用クロック信号CCLKの発振周波数と、乱数用クロック信号RCLKの発振周波数とは、互いに異なる周波数となっており、また、いずれか一方の発振周波数が他方の発振周波数の整数倍になることがない。
図43(B)に示すように、乱数用クロック信号RCLKは、タイミングT10,T11,T12,…においてローレベルからハイレベルに立ち上がる。そして、図6に示すように、乱数用クロック信号RCLKは、乱数回路103のクロック用フリップフロップ201におけるクロック端子CKに入力される。クロック用フリップフロップ201は、逆相出力端子(反転出力端子)QバーからD入力端子へとフィードバックされるラッチ用クロック信号RC0を、クロック端子CKに入力される乱数用クロック信号RCLKの立ち上がりエッジに応答して取り込み(ラッチして)、正相出力端子(非反転出力端子)Qからカウント用クロック信号CC0として出力する。これにより、カウント用クロック信号CC0は、図43(C)に示すように、タイミングT10,T12,T14,…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がり、乱数用クロック信号RCLKの発振周波数の1/2の発振周波数を有する信号となる。例えば、乱数用クロック信号RCLKの発振周波数が20MHzであれば、カウント用クロック信号CC0の発振周波数は10MHzとなる。そして、乱数用クロック信号RCLKの発信周波数は制御用クロック信号CCLKの発振周波数の整数倍にも整数分の1にもならないことから、カウント用クロック信号CC0の発振周波数は、制御用クロック信号CCLKの発振周波数とは異なる周波数となる。カウンタ回路203A、203Bはそれぞれ、例えば図43(D)に示すように、クロック用フリップフロップ201から伝送されたカウント用クロック信号CC0の立ち上がりエッジに応答して、各カウント値CU、CLを更新して出力する。
クロック用フリップフロップ201から出力されるラッチ用クロック信号RC0は、カウント用クロック信号CC0の反転信号となり、その発振周波数はカウント用クロック信号CC0の発振周波数と同一で、その位相はカウント用クロック信号CC0の位相とπ(=180°)だけ異なる。ラッチ用クロック信号RC0は、分岐点BR1にてラッチ用クロック信号RC1とラッチ用クロック信号RC2とに分岐される。したがって、例えば図43(E)に示すように、各ラッチ用クロック信号RC0、RC1、RC2はいずれも、共通の周期で信号状態が変化する発振信号となる。ラッチ用クロック信号RC1は、ラッチ用フリップフロップ204Aのクロック端子CKに入力される。ラッチ用クロック信号RC2は、ラッチ用フリップフロップ204Bのクロック端子CKに入力される。
ラッチ用フリップフロップ204Aは、ラッチ用クロック信号RC1の立ち上がりエッジに応答して、第1始動口スイッチ22Aから伝送される始動入賞信号SS1を取り込み(ラッチして)、ラッチ信号SL1として出力端子Qから出力する。これにより、例えば図43(F)に示すようなタイミングでオフ状態(ローレベル)とオン状態(ハイレベル)とで信号状態が変化する始動入賞信号SS1は、ラッチ用クロック信号RC1が立ち上がるタイミングT11、T13、T15、…にてラッチ用フリップフロップ204Aに取り込まれ、図43(G)に示すようなタイミングT11、T13で信号状態がオフ状態とオン状態とで変化するラッチ信号SL1として出力される。ここで、第1始動口スイッチ22Aから伝送される始動入賞信号SS1は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出されたときに、オフ状態からオン状態へと変化する。ラッチ用フリップフロップ204Aから出力されたラッチ信号SL1は、乱数値レジスタ205A、205Bに供給されて、乱数値となる数値データを取得するために用いられる。こうして、ラッチ用フリップフロップ204Aでは、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、ラッチ用クロック信号RC1を用いて、乱数値となる数値データを取得するためのラッチ信号SL1が、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出された場合とは別個に生成される。
ラッチ用フリップフロップ204Bは、ラッチ用クロック信号RC2の立ち上がりエッジに応答して、第2始動口スイッチ22Bから伝送される始動入賞信号SS2を取り込み(ラッチして)、ラッチ信号SL2として出力端子Qから出力する。これにより、例えば図43(I)に示すようなタイミングでオフ状態(ローレベル)とオン状態(ハイレベル)とで信号状態が変化する始動入賞信号SS2は、ラッチ用クロック信号RC2が立ち上がるタイミングT11、T13、T15、…にてラッチ用フリップフロップ204Bに取り込まれ、図43(J)に示すようなタイミングT14、T15で信号状態がオフ状態とオン状態とで変化するラッチ信号SL2として出力される。ここで、第2始動口スイッチ22Bから伝送される始動入賞信号SS2は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出されたときに、オフ状態からオン状態へと変化する。ラッチ用フリップフロップ204Bから出力されたラッチ信号SL2は、乱数値レジスタ206A、206Bに供給されて、乱数値となる数値データを取得するために用いられる。こうして、ラッチ用フリップフロップ204Bでは、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、ラッチ用クロック信号RC2を用いて、乱数値となる数値データを取得するためのラッチ信号SL2が、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出された場合とは別個に生成される。
乱数値レジスタ205Aは、上位カウンタとなるカウンタ回路203Aから出力されるカウント値の上位バイトCUを、ラッチ用フリップフロップ204Aからクロック端子へと入力されるラッチ信号SL1の立ち上がりエッジに応答して取り込み(ラッチして)、記憶データとなる数値データの上位バイトRU1を更新する。乱数値レジスタ205Bは、下位カウンタとなるカウンタ回路203Bから出力されるカウント値の下位バイトCLを、ラッチ用フリップフロップ204Aからクロック端子へと入力されるラッチ信号SL1の立ち上がりエッジに応答して取り込み(ラッチして)、記憶データとなる数値データの下位バイトRL1を更新する。例えば図43(G)に示すように、タイミングT11にてラッチ信号SL1がオフ状態からオン状態に変化する立ち上がりエッジが生じた場合には、このタイミングT11にてカウンタ回路203Aから出力されているカウント値の上位バイトCUが、図43(H)に示すように、乱数値レジスタ205Aに取り込まれ、数値データの上位バイトRU1として取得される。また、タイミングT11では、カウンタ回路203Bから出力されているカウント値の下位バイトCLが、乱数値レジスタ205Bに取り込まれ、数値データの下位バイトRL1として取得される。これにより、乱数値レジスタ205A、205Bは、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、乱数値として用いられる数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRL1を、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出された場合とは別個に、取得して記憶することができる。
乱数値レジスタ206Aは、上位カウンタとなるカウンタ回路203Aから出力されるカウント値の上位バイトCUを、ラッチ用フリップフロップ204Bからクロック端子へと入力されるラッチ信号SL2の立ち上がりエッジに応答して取り込み(ラッチして)、記憶データとなる数値データの上位バイトRU2を更新する。乱数値レジスタ206Bは、下位カウンタとなるカウンタ回路203Bから出力されるカウント値の下位バイトCLを、ラッチ用フリップフロップ204Bからクロック端子へと入力されるラッチ信号SL2の立ち上がりエッジに応答して取り込み(ラッチして)、記憶データとなる数値データの下位バイトRL2を更新する。例えば図43(J)に示すように、タイミングT13にてラッチ信号SL2がオフ状態からオン状態に変化する立ち上がりエッジが生じた場合には、このタイミングT13にてカウンタ回路203Aから出力されているカウント値の上位バイトCUが、図43(K)に示すように、乱数値レジスタ206Aに取り込まれ、数値データの上位バイトRU2として取得される。また、タイミングT13では、カウンタ回路203Bから出力されているカウント値の下位バイトCLが、乱数値レジスタ206Bに取り込まれ、数値データの下位バイトRL2として取得される。これにより、乱数値レジスタ206A、206Bは、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、乱数値として用いられる数値データの上位バイトRU2及び下位バイトRL2を、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出された場合とは別個に、取得して記憶することができる。
こうして、乱数値レジスタ205A、205Bは、ラッチ用フリップフロップ204Aがラッチ用クロック信号RC1を用いて生成したラッチ信号SL1の立ち上がりエッジに応答して、数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRL1を取得する。乱数値レジスタ205A、205Bに記憶された数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRL1は、図32に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されることで(ステップS208;Yes)、第1始動口スイッチ22Aにより有効な遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、図34に示すステップS353にてCPU104によって読み出される。このとき、ステップS357、S358では、乱数値レジスタ205A、205Bから読み出された数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRL1を用いて、例えば図35に示すようにして、特図表示結果判定用の乱数値MR1や加算値決定用の乱数値MR6が設定される。
また、乱数値レジスタ206A、206Bは、ラッチ用フリップフロップ204Bがラッチ用クロック信号RC2を用いて生成したラッチ信号SL2の立ち上がりエッジに応答して、数値データの上位バイトRU2及び下位バイトRL2を取得する。乱数値レジスタ206A、206Bに記憶された数値データの上位バイトRU2及び下位バイトRL2は、図32に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されることで(ステップS211;Yes)、第2始動口スイッチ22Bにより有効な遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、図34に示すステップS354にてCPU104によって読み出される。このとき、ステップS357、S358では、乱数値レジスタ206A、206Bから読み出された数値データの上位バイトRU2及び下位バイトRL2を用いて、例えば図35に示すようにして、特図表示結果判定用の乱数値MR1や加算値決定用の乱数値MR6が設定される。
このように、乱数回路103では、クロック用フリップフロップ201及びカウンタ回路203A、203Bが、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞に基づき乱数値となる数値データを取得するように構成されたラッチ用フリップフロップ204A及び乱数値レジスタ205A、205Bの組合せと、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞に基づき乱数値となる数値データを取得するように構成されたラッチ用フリップフロップ204B及び乱数値レジスタ206A、206Bの組合せとに対して、共通化されている。したがって、クロック用フリップフロップ201から出力されてカウンタ回路203A、203Bに供給されることによりカウント値の更新に用いられるカウント用クロック信号CC0は、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞に基づき乱数値となる数値データを取得する構成と、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞に基づき乱数値となる数値データを取得する構成とについて、共通の乱数更新用クロック信号となる。
次に、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄の可変表示を中心とした、各種の演出画像を表示することによる演出動作の具体例について説明する。演出制御基板12では、主基板11から伝送された第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したことに対応して、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンなどに基づき、例えば演出制御用CPU120が所定の表示制御指令を表示制御部123に供給することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の変動を開始させる。
以下ではまず、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合における具体例について説明する。図44は、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合のうち、特定演出が実行されない場合や、「擬似連」の特定演出が実行される場合、「滑り」の特定演出が実行される場合、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドにより非リーチPA1−1の変動パターンが指定されたときには、図44(C1)及び(C2)に示すような特定演出が実行されない場合となり、非リーチPA1−4の変動パターンが指定されたときには図44(E1)〜(E4)に示すような「滑り」の特定演出が実行される場合となり、非リーチPA1−5の変動パターンが指定されたときには図44(D1)〜(D6)に示すような「擬似連」の特定演出が実行される場合となり、非リーチPA1−7の変動パターンが指定されたときには図44(F1)〜(F6)に示すような「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合となる。図44(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図44(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示部5Lにて「6」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)される。
特定演出が実行されない場合や「滑り」の特定演出が実行される場合には、図42に示すステップS161の飾り図柄変動設定処理にて左最終停止図柄として「6」の数字を示す飾り図柄が決定されたことに対応して、図44(B)に示すような飾り図柄の停止表示が行われることになる。なお、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンであれば、常に「右」の飾り図柄表示部5Rにて一旦仮停止表示した飾り図柄を再変動させる「滑り」の特定演出が実行され、「左」の飾り図柄表示部5Lに停止表示する飾り図柄は、「滑り」の特定演出によっては変更されなければよい。また、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合には、図42に示すステップS161の飾り図柄変動設定処理にて所定の発展チャンス目を構成する飾り図柄の組合せが左中右最終停止図柄として決定されたことに対応して、図44(B)に示すような飾り図柄が停止表示されればよい。「擬似連」の特定演出が実行される場合には、図42に示すステップS161の飾り図柄変動設定処理にて左最終停止図柄として「6」の数字を示す飾り図柄が決定され、その左最終停止図柄に基づき所定の擬似連チャンス目を構成する飾り図柄の組合せが左中右仮停止図柄として決定されたことに対応して、図44(B)に示すような飾り図柄が停止表示されればよい。
その後、特定演出が実行されない場合には、一例として、図44(C1)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図44(C2)に示すように「中」の飾り図柄表示部5Cにて「4」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。このとき「右」の飾り図柄表示部5Rや「中」の飾り図柄表示部5Cにて停止表示される確定飾り図柄は、図42に示すステップS161の飾り図柄変動設定処理にて決定されればよい。
これに対して、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、一例として、図44(D1)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図44(D2)に示すように「中」の飾り図柄表示部5Cにて「6」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)することにより、擬似連チャンス目となる飾り図柄が停止表示される。このときには、例えば飾り図柄の揺れ変動表示といった仮停止表示を行ってから、図44(D3)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させればよい。その後、例えば図44(D4)〜(D6)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「6」、「7」、「4」の数字を示す飾り図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「滑り」の特定演出が実行される場合には、一例として、図44(E1)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて「5」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図44(E2)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて飾り図柄を再変動させる。その後、図44(E3)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて「7」の数字を示す飾り図柄が導出表示されることで、停止表示させる飾り図柄を変更する。ここで、図44(E1)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて仮停止表示される飾り図柄は、例えば図42に示すステップS161の飾り図柄変動設定処理にて、右最終停止図柄に基づいて決定されればよい。その後、例えば図44(E4)に示すように、「中」の飾り図柄表示部5Cにて「4」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合には、一例として、図44(F1)に示すように「右」の飾り図柄表示部5Rにて「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図44(F2)に示すように「中」の飾り図柄表示部5Cにも「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)する。これにより、所定の発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示される。このときには、例えば図44(F3)に示すように、仮停止表示された飾り図柄が一定方向に回転するような演出表示が行われ、続いて図44(F4)に示すように、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示される発展が生じることを遊技者に期待させるような演出表示(煽り演出)が行われる。ここで、図44(F4)に示すような演出表示から仮停止表示されている飾り図柄が反転する方向に回転すれば、リーチ表示状態となる発展が生じることになる。この例では、リーチ表示状態となる発展が生じることなく、例えば図44(F5)に示すように、回転状態にあった仮停止表示された飾り図柄が元に戻るような演出表示が行われてから、所定の発展チャンス目を構成する確定飾り図柄がそのまま停止表示(最終停止表示)される。
図45は、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合のうち、「イントロ」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドにより非リーチPA1−6の変動パターンが指定されたときには図45に示すような「イントロ」の特定演出が実行される場合となる。図45(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図45(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示部5Lにて「3」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)され、「右」の飾り図柄表示部5Rにて「2」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されるとともに、「中」の飾り図柄表示部5Cに相当する表示位置に、キャラクタCH1を示す演出画像が表示される。なお、キャラクタCH1を示す演出画像は、後に飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示された場合に実行されるリーチ演出にて、演出画像として出現するものであればよい。
続いて、例えば図45(C)に示すように、「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rにて仮停止表示された飾り図柄を更新させるような演出表示が行われてから、例えば図45(D)に示すように、キャラクタCH1が変化するような演出画像の更新表示に伴って、「左」の飾り図柄表示部5Lでは「4」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、「右」の飾り図柄表示部5Rでは「3」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、それぞれ行われる。また、例えば図45(E)に示すように、「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rにて更新表示された飾り図柄をさらに更新させるような演出表示が行われてから、例えば図45(F)に示すように、キャラクタCH1が変化するような演出画像の更新表示に伴って、「左」の飾り図柄表示部5Lでは「2」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、「右」の飾り図柄表示部5Rでは「1」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、それぞれ行われる。そして、例えば図45(G)に示すように、キャラクタCH1が変化するような演出画像の更新表示に伴って、「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rにて仮停止表示された飾り図柄を更新させるような演出表示が行われてから、例えば図45(H)〜(K)に示すように、「左」の飾り図柄表示部5Lでは「2」の数字を示す飾り図柄が仮停止表示される一方で、「右」の飾り図柄表示部5Rでは「1」〜「3」の数字を示す飾り図柄が所定順序で更新表示される。その後、「右」の飾り図柄表示部5Rでは、例えば図45(L)に示すように飾り図柄を更新させるような演出表示が行われてから、図45(M)に示すように「3」の数字を示す飾り図柄が仮停止表示される。こうして「イントロ」の特定演出が終了すると、例えば図45(N)に示すように、キャラクタCH1を示す演出画像が消去されてから、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図46は、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合のうち、「イントロ」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドによりスーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンのいずれかが指定されたときなどには図46に示すような「イントロ」の特定演出が実行される場合となる。図46に示す表示動作例では、図46(A)〜(L)の部分において、図45(A)〜(L)と同様の演出表示が行われる。その後、「右」の飾り図柄表示部5Rでは、例えば図46(M)に示すように「2」の数字を示す飾り図柄が仮停止表示されることにより、「左」の飾り図柄表示部5Lにて仮停止表示されている飾り図柄と揃って、リーチ表示状態となる。こうして「イントロ」の特定演出が終了すると、例えば図46(N)に示すように、キャラクタCH1を示す演出画像が消去されてから、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されたことに対応したリーチ演出などが開始され、その後にリーチ組合せとなる確定飾り図柄や、大当り組合せとなる確定飾り図柄などが、停止表示(最終停止表示)される。
図47〜図49は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」以外である場合の表示動作例を示している。図47(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図47(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示部5Lにて「6」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)される。
そして、例えば変動パターンがスーパーPA4−2であるときなどのように、「滑り」の特定演出が実行される場合には、一例として、図47(C1)〜(C3)に示すように、「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、「右」の飾り図柄表示部5Rにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示されるように、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。また、例えば変動パターンがスーパーPA4−4であるときなどのように、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、一例として、図47(D1)〜(D5)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示が行われる。その後、「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rにて「6」の数字を示す飾り図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。さらに、例えば変動パターンがスーパーPC4−1であるときなどのように、「発展チャンス目」の特定演出が実行される場合には、一例として、図47(E1)〜(E6)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて、所定の発展チャンス目となる飾り図柄の組合せを停止表示(仮停止表示)した後、仮停止表示されている飾り図柄が反転する方向に回転するような演出表示が行われた後に、飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示される。
図47(C3)や図47(D5)に示すようにして飾り図柄がリーチ表示状態で導出表示された後には、例えば図48(A)に示すように、「中」の飾り図柄表示部5Cにおける飾り図柄の変動速度が低下する。そして、例えば変動パターンがノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8のいずれかであるときなどには、図48(B)に示すように「中」の飾り図柄表示部5Cにて「6」を示す数字が「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rと揃って停止表示(仮停止表示)される「ノーマル」のリーチ演出が行われる。なお、図48(B)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、例えば図48(H)に示すように「5」を示す数字が「中」の飾り図柄表示部5Cにて停止表示されることを示す演出画像を表示させてから「中」の飾り図柄表示部5Cにて「5」を示す数字の飾り図柄を停止表示させるといった、「中」の飾り図柄表示部5Cにて「6」を示す数字以外の飾り図柄を停止表示させることなどにより、リーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示させ、飾り図柄の可変表示を終了すればよい。リーチ演出α1〜リーチ演出α3やリーチ演出β1〜リーチ演出β3のいずれかが実行される場合には、例えば図48(C)に示すように、低下していた「中」の飾り図柄表示部5Cにおける飾り図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。例えば、リーチ演出β1では、図48(D)に示すようなキャラクタCH2を示す演出画像が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。また、リーチ演出α1〜リーチ演出α3のいずれかである場合には、図48(E)に示すようなキャラクタCH1を示す演出画像が表示された後、図48(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、リーチ演出α1では、例えば図48(G)に示すように、1段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される飾り図柄が出現する。図48(G)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、リーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示させ、飾り図柄の可変表示を終了すればよい。これに対して、リーチ演出α2やリーチ演出α3では、例えば図48(H)及び(I)に示すように、2段階目の演出表示に進むことになる。他方、リーチ演出β2やリーチ演出β3では、図48(J)に示すようなキャラクタCH3を示す演出画像が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
図48(I)に示すようにして2段階目の演出表示が進行すると、リーチ演出α2であれば、例えば図49(A)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される飾り図柄が出現する。なお、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、例えば図49(B)に示すように、表示されている飾り図柄が変更されず、リーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示させ、飾り図柄の可変表示を終了させればよい。これに対して、リーチ演出α3では、例えば図49(B)〜(D)に示すように、3段階目の演出表示(「救済演出」ともいう)に進むことになる。そして、3段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される飾り図柄が出現する。ここで、変動中昇格演出を実行しない場合には、図49(E)に示すように、仮停止表示された飾り図柄がそのまま最終停止図柄となる確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)される。これに対して、変動中昇格演出を実行する場合には、図49(F)に示すようにして通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示した後に、図49(G)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させる。そして、大当り種別が「第1確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、例えば図49(H)に示すように、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われる。なお、変動中昇格失敗演出が実行される場合には、図49(G)に示すような飾り図柄の再変動を行った後、例えば図49(F)と同様に、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示させればよい。
図50は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」である場合の表示動作例を示している。この場合には、まず、例えば図50(A)に示すように、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図50(B)〜(D)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「1」、「5」、「3」の数字を示す飾り図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、所定の突確チャンス目となる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。このときには、2ラウンド大当り状態における大当り中演出として、例えば図50(E)に示すように「LIVEモード」といった特別な演出モードに移行することを報知する演出画像を表示させる。そして、2ラウンド大当り状態が終了することに応じたエンディング演出として、例えば図50(F)に示すような演出画像を表示させ、「LIVEモード」であることを認識可能とする表示については、例えば図50(G)に示すように、次の飾り図柄の変動が開始された後にも、表示させたままにしておく。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口での遊技球の始動入賞が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたときに、乱数回路103において、ラッチ用フリップフロップ204A、乱数値レジスタ205A、205Bにより、第2始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出された場合とは別個に、乱数値となる数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRL1を更新するように、カウンタ回路203A、203Bから出力されるカウント値の上位バイトCU及び下位バイトCLを取得する。これに対して、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口での遊技球の始動入賞が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたときには、乱数回路103において、ラッチ用フリップフロップ204B、乱数値レジスタ206A、206Bにより、第1始動入賞口における遊技球の始動入賞が検出された場合とは別個に、乱数値となる数値データの上位バイトRU2及び下位バイトRL2を更新するように、カウンタ回路203A、203Bから出力されるカウント値の上位バイトCU及び下位バイトCLを取得する。これにより、例えば第1及び第2始動入賞口といった、複数の始動領域に遊技球が同時に進入して始動入賞が発生したときでも、正確な乱数値となる数値データを取得することができる。また、クロック用フリップフロップ201及びカウンタ回路203A、203Bは、ラッチ用フリップフロップ204A及び乱数値レジスタ205A、205Bの組合せと、ラッチ用フリップフロップ204B及び乱数値レジスタ206A、206Bの組合せとに対して、共通化されており、カウンタ回路203A、203Bに供給されることによりカウント値の更新に用いられるカウント用クロック信号CC0は、各組合せに共通の乱数更新用クロック信号となる。これにより、乱数回路103における回路構成を簡素化することができ、パチンコ遊技機1の製造コストを削減することができる。そして、ラッチ用フリップフロップ204A、204Bはそれぞれ、互いに共通のクロック用フリップフロップ201にて生成されたラッチ用クロック信号RC0を分岐点BRで分岐したことにより、互いに共通の周期で信号状態が変化するラッチ用クロック信号RC1、RC2を用いて、乱数値となる数値データを取得するためのラッチ信号SL1、SL2を生成する。これによっても、乱数回路103における回路構成の簡素化や、パチンコ遊技機1における製造コストの削減を図ることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、入出力制御回路108により、例えばROM105の記憶データといった、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データにつき、外部読出が制限される。これにより、例えばROM105に記憶されているゲーム制御用のプログラムといった、遊技制御処理プログラムを遊技制御用マイクロコンピュータの外部から読み出して解析などをすることが困難になる。そして、遊技制御処理プログラムの解析結果に基づく狙い撃ちや、いわゆる「ぶら下げ基板」を接続することによる不正行為を、確実に防止することができる。
乱数用クロック生成回路111により生成される乱数用クロック信号RCLKの発振周波数と、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御用クロック制御用クロック生成回路101により生成される制御用クロック信号CCLKの発振周波数とは、互いに異なっており、また、一方の発振周波数が他方の発振周波数の整数倍となることもない。そのため、乱数回路103のクロック用フリップフロップ201により生成されるカウント用クロック信号CC0やラッチ用クロック信号RC0の発振周波数は、乱数用クロック信号RCLKの発振周波数の1/2となるが、制御用クロック信号CCLKの発振周波数とは異なるものとなる。こうして、制御用クロック信号CCLKとカウント用クロック信号CC0とに同期が生じることを防ぎ、CPU104の動作タイミングからは、乱数回路103にてカウンタ回路203A、203Bから出力されて乱数値となる数値データの上位バイトRU1及び下位バイトRU2あるいは上位バイトRU2及び下位バイトRL2として取得されるカウント値の上位バイトCU及び下位バイトCLにおける更新タイミングを特定することが困難になる。これにより、CPU104の動作タイミングから乱数回路103における乱数値となる数値データの更新動作を解析した結果に基づく狙い撃ちなどを、確実に防止することができる。また、ラッチ用クロック信号RC0を分岐することにより生成されるラッチ用クロック信号RC1、RC2の発振周波数も、制御用クロック信号CCLKの発振周波数とは異なるものとなる。こうして、制御用クロック信号CCLKとラッチ用クロック信号RC1、RC2とに同期が生じることを防ぎ、CPU104の動作タイミングからは、乱数回路103にて乱数値となる数値データが取得される動作タイミングを特定することが困難になる。これにより、CPU104の動作タイミングから乱数回路103における乱数値となる数値データの取得動作を解析した結果に基づく狙い撃ちなどを、確実に防止することができる。
図32に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、図33に示すステップS215にてステップS214での読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立する。その後、図36に示すステップS232にて「第1」を示す始動データが読み出されたときには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立し、図38に示すステップS278の設定により、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示が開始される。また、図32に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、図33に示すステップS215にてステップS214での読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立する。その後、図36に示すステップS232にて「第2」を示す始動データが読み出されたときには、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立し、図38に示すステップS278の設定により、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示が開始される。そして、乱数回路103では、第1始動入賞口での遊技球の始動入賞が検出された場合と、第2始動入賞口での遊技球の始動入賞が検出された場合とで、乱数値となる数値データが別個に取得される。これにより、短時間のうちに第1及び第2始動入賞口の双方に遊技球が進入して始動入賞が発生したときでも、第1特図を用いて特図ゲームを実行するための第1始動条件と、第2特図を用いて特図ゲームを実行するための第2始動条件のうち、いずれか一方の成立に対応して取得された乱数値が、他方の成立に対応した乱数値として用いられてしまう不都合を、確実に防止することができる。
図13に示す大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別が「突確」に決定される割合を異ならせるように、テーブルデータが構成されている。これにより、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて2ラウンド大当り状態に制御されることに対する遊技者の期待感を異ならせ、遊技興趣を向上させることができる。特に、第2開始条件が成立したときには大当り種別を「突確」には決定しないようにすることで、例えば確変状態や時短状態といった第2始動入賞口が拡大開放状態に制御されやすい期間において、大当り種別が「突確」となることで遊技興趣が低下することを防止でき、確変状態や時短状態において賞球が払い出される頻度を高めることができる。
図27に示すステップS16や図29に示すステップS54では、図30のフローチャートに示すような乱数更新処理が実行されることにより、乱数値MR2〜MR5の更新が行われる。そして、図38のステップS272では、変動パターン種別決定用の乱数値MR4を示す数値データが抽出される。また、ステップS275では、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データが抽出される。ステップS273では、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前判定結果や飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示するか否かのリーチ判定結果などに基づき、ステップS262、S264、S270、S271の処理のいずれかにてセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照し、ステップS272にて抽出した変動パターン種別決定用の乱数値MR4を用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。ステップS276では、ステップS273にて決定された変動パターン種別に応じて、ステップS274にてセットされた変動パターン決定テーブルを参照し、ステップS275にて抽出した変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。このように、ステップS273では、事前判定結果やリーチ判定結果に応じて、例えば異なる変動パターン種別決定テーブルあるいは同一の変動パターン種別決定テーブル内でも異なるテーブルデータを参照することなどにより、異なる変動パターン種別の決定を行う。また、ステップS275では、事前判定結果やリーチ判定結果に基づいて決定された変動パターン種別に応じて、例えば異なる変動パターン決定テーブルあるいは同一の変動パターン決定テーブル内でも異なるテーブルデータを参照することなどにより、異なる変動パターンの決定を行う。そのため、変動パターン種別決定用の乱数値MR4を示す数値データとしては、事前判定結果やリーチ判定結果にかかわりなく共通の数値データを用いることができ、また、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとしても、事前判定結果やリーチ判定結果にかかわりなく共通の数値データを用いることができる。これにより、変動パターン種別や変動パターンの決定用となる乱数値を示す数値データの更新を行うために実行される乱数更新処理などにおける処理量を低減して、プログラム量の削減を図ることができる。
図30のフローチャートに示す乱数更新処理では、ステップS73にて加算値決定用の乱数値MR6を読み出し、ステップS74〜S76にて乱数値MR6の読出値を用いて更新処理の対象となる乱数値に加算する加算値を決定する。続いて、ステップS77〜S80では、その加算値を用いて更新後乱数値を設定する。ここで、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データは、図34に示すステップS353、S354にて乱数回路103から抽出された乱数値となる数値データを用いて、例えばステップS358などにおいてCPU104が図35に示すようなソフトウェアによる加工をして設定される。これにより、乱数値MR2〜MR5といった各種の決定用乱数値となる数値データは、その更新値がランダムになり、これらの乱数値により決定される演出動作などの種類に偏りが生じることを防止できる。
図31に示すステップS101では、図32及び図33のフローチャートに示すような始動入賞判定処理が実行される。このときには、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立するときにも、例えば第1及び第2始動入賞口といった、複数の始動領域のいずれに遊技球が進入したことにより特別図柄や飾り図柄の可変表示を実行するための始動条件が成立したかの特定や、特定された始動領域に対応した特図表示結果判定用の乱数値MR1の抽出などが、共通の処理モジュールを用いて実行される。また、図31に示すステップS110では、図36のフローチャートに示すような特別図柄通常処理が実行される。このときには、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立するときにも、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの事前判定処理などが、共通の処理モジュールを用いて実行される。これにより、例えば第1及び第2始動入賞口といった、複数の始動領域を設けた場合でも、プログラム量の増大を防止することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部に設けられた乱数用クロック生成回路111により、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御用クロック生成回路101で生成される制御用クロック信号CCLKの発振周波数とは異なる発振周波数を有する乱数用クロック信号RCLKを生成して、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路103に供給するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104に供給されるクロック信号と、乱数回路103に供給されるクロック信号とが、共通のクロック生成回路に含まれる1つの発振器により生成された発振信号を用いて、生成されるようにしてもよい。この場合には、例えば乱数用クロック信号RCLKと制御用クロック信号CCLKをそれぞれ生成するための分周器などを設け、ラッチ用クロック信号RC0、RC1、RC2と制御用クロック信号CCLKとの同期が生じにくくなるように、各分周器における分周比などを設定すればよい。制御用クロック生成回路101と乱数用クロック生成回路111とは、その全部または一部が、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部に設けられてもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部に設けられてもよい。
上記実施の形態では、乱数回路103が乱数用クロック生成回路111により生成された乱数用クロック信号RCLKの供給を受け、クロック用フリップフロップ201により、カウント用クロック信号CC0とラッチ用クロック信号RC0とを生成するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば乱数用クロック生成回路111といった、乱数回路103の外部において、カウント用クロック信号CC0やラッチ用クロック信号RC0となる発振信号が生成されるようにしてもよい。あるいは、乱数回路103の内部にて、カウント用クロック信号CC0を生成するための回路と、ラッチ用クロック信号RC0を生成するための回路とを、別個に設けるようにしてもよい。一例として、クロック用フリップフロップ201と同様のフリップフロップによりカウント用クロック信号CC0を生成する一方で、カウント用クロック信号CC0の信号状態を反転させる反転回路を設け、その反転回路から出力される信号を、ラッチ用クロック信号RC0として用いるようにしてもよい。
上記実施の形態では、CPU104の内部にあるリフレッシュレジスタRR1の格納値を汎用レジスタにおける上位バイトGR1−1に加算して、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや、加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データを設定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、リフレッシュレジスタRR1の格納値とは異なり、ハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算してもよい。また、リフレッシュレジスタRR1の格納値などを加算することに代えて、減算、論理和、論理積といった、所定の演算処理を実行するようにしてもよい。あるいは、リフレッシュレジスタRR1の格納値を汎用レジスタにおける下位バイトGR1−2に加算するようにしてもよい。あるいは、これらの演算処理を何ら実行せずに、汎用レジスタにおける上位バイトGR1−1や下位バイトGR1−2をそのまま用いて、各種の乱数値となる数値データを設定するようにしてもよい。また、乱数回路103から抽出された数値データの上位バイトRU1、RU2と、下位バイトRL1、RL2とを入れ替えて、汎用レジスタにおける上位バイトGR1−1や下位バイトGR1−2として格納してもよい。さらに、汎用レジスタにおける上位バイトGR1−1もしくは下位バイトGR1−2にリフレッシュレジスタRR1の格納値を加算した後に、あるいは、汎用レジスタにおける上位バイトGR1−1や下位バイトGR1−2に加算などの演算処理を行うことなく、上位バイトと下位バイトとを入れ替えるようにしてもよい。乱数回路103から抽出された数値データの上位バイトRU1、RU2と、下位バイトRL1、RL2とのうち、特定のビットのデータを、他のビットのデータと入れ替えるようにしてもよい。この場合には、例えば乱数回路103における乱数値レジスタ205A、206Aと、汎用レジスタの上位バイトGR1−1とを接続するバスや、乱数回路103における乱数値レジスタ205B、206Bと、汎用レジスタの下位バイトGR1−2とを接続するバスにおいて、特定のビットのデータを他のビットのデータと入れ替えるように、配線をクロスさせるなどすればよい。
上記実施の形態では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データや加算値決定用の乱数値MR6を示す数値データといった、主基板11で用いられる乱数値を設定する際に、ソフトウェアによる加工を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出制御基板12といった、サブ側の制御基板で用いられる乱数値を設定する際にも、ソフトウェアによる加工を行ってもよい。一例として、演出制御基板11に搭載された演出制御用CPU120が、飾り図柄の可変表示における確定飾り図柄となる最終停止図柄を決定するために用いる乱数値や、予告演出を実行するか否かを決定するために用いる乱数値などについて、ソフトウェアによる加工を行って設定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、例えばROM105における記憶データの全部または一部といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの外部読出を、入出力制御回路108により制限するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100にてROM105の記憶データを外部読出するための接続端子などを、パチンコ遊技機1の提供者において外部装置が接続不能に封止することなどにより、ROM105の外部読出などを制限できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口とが、複数の始動領域として設けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば3個以上といった複数の始動領域が設けられるものであってもよい。この場合、各始動領域にて遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、互いに異なる特別図柄を用いた特図ゲームを実行するための始動条件が成立するようにしてもよい。あるいは、例えば3個以上の始動領域のうちで、一部(少なくとも2個)の始動領域にて遊技球の始動入賞が検出されたことに基づき、同一の特別図柄を用いた特図ゲームを実行するための始動条件が成立するようにしてもよい。また、複数の始動領域のうち、いずれの始動領域にて遊技球の始動入賞が検出された場合でも、共通する1個(あるいは1組)の特別図柄を用いた特図ゲームを実行するための始動条件が成立するようにしてもよい。この場合には、複数の始動領域において遊技球の始動入賞が検出された順番と同一の順番で、特図ゲームを開始するための開始条件が成立するようにしてもよい。あるいは、複数の始動領域に優先順位を付け、優先順位が高い始動領域にて遊技球の始動入賞が検出されたことに基づく特図ゲームを開始するための開始条件を、優先順位が低い始動領域にて遊技球の始動入賞が検出されたことに基づく開始条件よりも、優先的に成立させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図31に示すステップS111の変動パターン設定処理として、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、図38のフローチャートに示すような処理が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とでは、互いに異なる処理を実行して、変動パターン種別を複数種類のいずれとするかの決定や、変動パターンを複数種類のいずれとするかの決定を行うようにしてもよい。この場合、変動パターン種別を決定するための処理や、変動パターンを決定するための処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、変動パターン種別決定用の乱数値SR4を示す数値データや、変動パターン決定用の乱数値SR5を示す数値データとしては、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。
例えば、大当り用変動パターン種別決定テーブルや小当り用変動パターン種別決定テーブル、リーチ用変動パターン種別決定テーブル、非リーチ用変動パターン種別決定テーブルといった変動パターン種別決定テーブルとして、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて、各変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値SR4の割当てを異ならせたものを予め用意してもよい。そして、第1開始条件の成立に対応して実行される変動パターン設定処理では、第1開始条件の成立に応じた変動パターン種別決定テーブルを使用テーブルとして選択し、変動パターン種別決定用の乱数値SR4に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。これに対して、第2開始条件の成立に対応して実行される変動パターン設定処理では、第2開始条件の成立に応じて第1開始条件が成立した場合とは異なる変動パターン種別決定テーブルを使用テーブルとして選択し、第1開始条件が成立した場合と共通の変動パターン種別決定用の乱数値SR4に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定すればよい。
また、飾り図柄をリーチ表示状態で導出表示するか否かの判定処理についても、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とでは、互いに異なる処理が実行されるようにしてもよい。この場合、リーチ状態とするか否かの処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、リーチ判定用の乱数値MR3を示す数値データとしては、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。さらに、例えば上記実施の形態において図36に示したステップS241のような処理に代えて、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する処理として、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とで互いに異なる処理が実行されるようにしてもよい。この場合、大当り種別を決定するための処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとしては、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われない。その一方で、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突確」となったことに基づいて2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別決定テーブル131は、変動特図指定バッファ値に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「突然時短」や「突然通常」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態に制御される。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態に制御される。これにより、2ラウンド大当り状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
このような「突然時短」や「突然通常」を設ける場合には、「突然時短」及び「突然通常」以外である場合とは異なる変動パターン種別や変動パターンに決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」であることにより2ラウンド大当り状態に制御されるにもかかわらず、15ラウンド大当り状態に制御される場合と同様の演出動作が行われて遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。また、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合には、可変表示結果が「小当り」となる場合、あるいは、大当り種別が「突確」となる場合と、共通の変動パターン種別に決定可能としてもよい。これにより、変動パターンを決定する際には、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合であるか、可変表示結果が「小当り」となる場合あるいは大当り種別が「突確」となる場合であるかに関わりなく、共通の変動パターン決定テーブルを用いることができ、データ容量の削減を図ることができる。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、確変状態や時短状態といった遊技状態に制御できるものとして説明した。そして、確変状態や時短状態では、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば確変状態には、継続して確変制御が行われるとともに、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高める有利開放制御が行われる高確高ベース状態と、確変制御は行われるが有利開放制御は行われない高確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。また、時短状態には、特図変動時間が短縮されるとともに有利開放制御が行われる低確高ベース状態と、特図変動時間は短縮されるが有利開放制御は行われない低確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大当り遊技状態の終了後に、高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御されるようにしてもよい。他の一例として、大当り種別が「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御される割合を、互いに異ならせるようにしてもよい。
大当り種別が「突確」である場合に変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する際には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれに制御するかに応じて、異なる変動パターン種別に決定するようにしてもよい。一例として、図36に示すステップS241にて大当り種別が「突確」に決定された際には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれに制御するかを決定するための判定処理を実行する。このとき、高確低ベース状態に制御することが決定された場合には、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別といった、大当り種別が「突確」となる場合と可変表示結果が「小当り」となる場合で共通の変動パターン種別に決定する。これに対して、高確高ベース状態に制御することが決定された場合には、特殊CA4−2、特殊CB4−2、特殊CC4−2といった、大当り種別が「突確」となる場合のみに専用の変動パターン種別に決定すればよい。これにより、大当り種別が「突確」で大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態となる場合には、飾り図柄の可変表示中における演出動作や2ラウンド大当り状態における演出動作として、可変表示結果が「小当り」となる場合と共通の演出動作が行われた後、高確低ベース状態となることができる。他方、大当り種別が「突確」で大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態となる場合には、飾り図柄の可変表示中における演出動作や2ラウンド大当り状態における演出動作として、大当り種別が「突確」となる場合のみに専用の演出動作が行われた後、高確高ベース状態となることができる。
上記実施の形態では、画像表示装置5の表示領域において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられ、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて1個の飾り図柄が停止表示されることで、予め定められた1個の有効ライン上に最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて「上段」、「中段」、「下段」の3カ所に飾り図柄を停止表示可能とし、5個あるいは8個の有効ライン上に最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づき変動パターン種別が非リーチCA1−4や非リーチCC1−2の変動パターン種別に決定されたことに対応して、特定演出を実行するための非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7の変動パターンのいずれかに決定されるものとして説明した。すなわち、変動パターン種別決定用の乱数値MR4を用いて変動パターン種別を決定することにより、特定演出の有無が決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて変動パターンを決定することにより、特定演出の有無が決定されるようにしてもよい。一例として、非リーチCA1−4や非リーチCC1−2の変動パターン種別には、非リーチPA1−1の変動パターンも含まれるように、ハズレ変動パターン決定テーブル138Aのテーブルデータを設定する。この場合には、変動パターン種別決定用の乱数値MR4に基づき変動パターン種別が非リーチCA1−4や非リーチCC1−2の変動パターン種別に決定された時点では、未だ特定演出の有無が確定せず、変動パターン決定用の乱数値MR5に基づき変動パターンが非リーチPA1−1に決定されることにより特定演出を実行しないことが決定される一方で、変動パターンが非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7のいずれかに決定されることにより特定演出を実行することが決定される。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。