JP2009170640A - 色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置 - Google Patents

色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイを構成するセルの電圧逆転現象を防止して発電する色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】太陽光発電装置1は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧と出力電流とから出力電力を演算する電力演算部18と、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を所定の周期で変更する制御指示値変更部15と、変更する前の制御指示値における出力電力と変更した後の制御指示値における出力電力との比較結果に基づいて、制御指示値変更部15に対して制御指示値の変更指示を行って最大電力追従制御を行うと共に、変更した後の制御指示値における出力電圧が予め設定された下限値以下にならないように変更指示を行う制御部13と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置に関する。
近年、環境問題、エネルギー問題の観点から、太陽電池を電源とした発電システムが注目されている。特に、現在、実用化されている太陽電池は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコン等を用いたPN接合を利用して形成されたものが主流となっている。これらの太陽電池はメンテナンスも少なく、当該太陽電池に日照さえあれば電力を得ることが可能であるが、当該電力は日射量に大きく影響する。そのため、これまでに、太陽電池から電力を効率良く取り出すことを目的とした、光電池の最大出力電力制御方式に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の光電池の最大出力電力方式は、所謂、山登り法という最大電力追従方式を採用している。この方法では、一定の時間間隔で太陽電池の動作点電圧を増加或いは減少させた際に、太陽電池の出力電力が増加した場合には、更に動作点電圧を同じ方向に変化させ、太陽電池の出力電力が減少した場合には、動作点電圧を逆方向に変化させる。このように特許文献1に記載の光電池の最大出力電力制御方式は、前回の出力電力と今回の出力電力とを比較し、より大きな出力電力が得られるように動作点電圧を移動させ太陽電池が最大電力点付近で発電可能なように制御を行っている。また、予め太陽電池の動作点電圧に閾値を設け、その範囲内で太陽電池の出力電流を増大させる制御を行っている太陽電池の最大電力制御方法がある(例えば、特許文献2)。
特開昭57−206929号公報 特開2001−60117号公報
一方、上述のような太陽電池は、変換効率が低く、製造コストが高いという課題を有していることから、このような太陽電池に替わる技術として、色素増感太陽電池が注目されている。色素増感太陽電池は、半導体層に光増感色素を吸着させて形成され、上述のPN接合による太陽電池とは異なるメカニズムで作動する。
色素増感太陽電池は、光透過性を有する基板と当該基板に積層された光透過性を有する導電層と受光に伴って電子を放出する色素とを有する光極と、当該光極に対して所定の間隔を隔てて対面すると共に導電性を有する対極と、光極と対極との間に挟持された電荷移動層とからなる。一般的に、色素としてはルテニウム錯体が使用され、電荷移動層としては、ヨウ素等の電解質を含む導電体が使用されている。色素増感太陽電池においては、色素が太陽光を吸収して励起されると電子を放出する現象、ルテニウム錯体からなる色素に残った正孔が電荷移動層のヨウ素を酸化させる現象、酸化されたヨウ素が対極から電子を受け取り還元される現象を利用して電力が得られる。単一のセルが光照射を受けた場合には、上述した一連の現象により電圧及び電流を発生する。ここで、単一セルの電圧は、1V未満であるため、太陽光発電装置を形成する場合には、所定の出力が得られるように複数個のセルを直並列に接続したモジュール、または複数個のモジュールを直並列に接続したアレイとして使用される。
色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイを構成するセルの特性が非常に均一である理想的な場合では、太陽電池電圧を開放状態から短絡状態へと変化させた場合、図1に示されるようにセル電圧も一様に開放状態から短絡状態、即ち1Vから0Vに変化する。しかしながら、現実の色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイでは全てのセルの特性を均一にすることは容易ではない。そのため、例えば直列に接続された色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの電圧を一定の電圧よりも低くする(短絡側に近づく)と、セルの特性の差等により、太陽電池電圧が0Vの場合に図2の(a)のようにセル電圧が0Vになるセルもあれば、セル電圧が0Vにならないセル、即ち図2の(b)のようなプラスの電位を有するセルや図2の(c)のようなマイナスの電位を有するセルが発生する。特に、このようなマイナス電位を有するセルは電力の供給時に抵抗体のように作用すると共に(〔0006〕段落の5〜8行目のような)反応以外の構成部材に悪影響を及ぼす副反応が発生するため、長期耐久性を要する用途においては好ましくない。
また、色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を出力電流で制御すると、日射が急激に低下した時等に、以下のような問題が生じる。日射が急激に変化した場合には、出力電圧−出力電流特性は図3に示されるAからBのように変化する。このような急激な日射の変化に伴って色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力状態が変化したにも拘らず、制御指示値が更新されない場合には、日射が急激に変化する前には、例えばAで示される特性のa点で出力が行われていたものが、日射が急激な変化した後には、Bで示される特性のb点で出力が行われることとなる。このようなb点での出力は、a点での出力に比べて出力電力の供給能力が低いため、色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を出力電流で制御すると、セルが短絡状態に近い状態となり、図2の(c)のような電圧逆転現象が発生する可能性が高くなる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイを構成するセルの電圧逆転現象を防止して長期に渡って発電する色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置の特徴構成は、色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧と出力電流とから出力電力を演算する電力演算部と、前記色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を所定の周期で変更する制御指示値変更部と、前記変更する前の制御指示値における出力電力と前記変更した後の制御指示値における出力電力との比較結果に基づいて、前記制御指示値変更部に対して前記制御指示値の変更指示を行って最大電力追従制御を行うと共に、前記変更した後の制御指示値における出力電圧が予め設定された下限値以下にならないように変更指示を行う制御部と、を備える点にある。
このような特徴構成であれば、制御指示値変更部が周期的に制御指示値を変更することで色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイが最大動作点付近で作動させる最大電力追従制御を行う場合に、色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの発電状態を色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧を用いて制御するため、日射が急激に変化した場合であっても、セルの特性のばらつき等による電圧逆転現象を防止することができる。また、日射変動等により色素増感太陽電池の発電状況が頻繁に変化するような場合であっても、色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が予め設定された下限値以下にならないように制御されるため、より確実にセル電圧の電圧逆転現象の発生を防止することができる。
また、前記下限値は、その時点のカレンダー情報に基づいて設定される構成とすると好適である。
このような構成であれば、季節や時刻の変化に伴う日射変化や温度変化により特性が変化する色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイから有効に出力電力を得ることが可能となる。
また、前記制御部は、前記出力電圧が予め設定された制御開始電圧を超えた場合に前記最大電力追従制御を開始する構成とすると好適である。
このような構成であれば、セル電圧の電圧逆転現象が発生しやすい出力電圧が低い状態を回避することができるため、より確実にセル電圧の電圧逆転現象の発生を防止することができる。
また、前記制御開始電圧は、その時点のカレンダー情報に基づいて設定される構成とすると好適である。
このような構成であれば、季節や時刻の変化に伴う日射変化や温度変化により特性が変化する色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイから有効に出力電力を得ることが可能となる。
また、前記制御部は、予め設定された時間における前記出力電力の変動幅に応じて、前記最大電力追従制御と、予め設定された制御開始電圧で制御する定電圧制御と、を切り替える構成とすると好適である。
このような構成であれば、例えば、日射変動等により色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの発電状況が頻繁に変化するような場合であっても、日射変動時にセル電圧の電圧逆転現象を防止できると共に、最大電力追従制御中に日射変動が発生した場合に生じる制御指示値のミスマッチによる出力低下を防止することができる。
また、前記制御指示値変更部は、所定の1周期の間に行われる前記制御指示値の変更を、少なくとも2段階以上となるように段階的に行う構成とすると好適である。
このような構成であれば、制御指示値変更部が制御指示値を変更する際、段階的に変更するため、1回あたりの変化量を小さくすることができる。そのため、制御指示値の変化量を大きくした場合に、セル電圧の電圧逆転現象が発生しやすい特徴を有する色素増感太陽電池であっても、電圧逆転現象の発生を防止することができる。
また、前記制御指示値変更部が前記制御指示値を変更した場合に、当該変更後、予め設定した時間が経過した後、電圧測定部が前記出力電圧を測定し、電流測定部が前記出力電流を測定する構成とすると好適である。
このような構成であれば、制御指示値を変更した場合であっても、制御指示値の変更に応じて変動する出力電圧を安定した状態で測定することができる。したがって、精度良く出力電圧を測定することが可能となる。
1.第一の実施形態
以下、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイを用いた太陽光発電装置1の概略構成を模式的に示したブロック図である。本太陽光発電装置1は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイから出力される出力電圧と出力電流とから出力電力を算出し、当該出力電力に応じて色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を変更し、変更後の制御指示値における出力電圧が予め設定された下限値以下にならないように制御する機能を備えている。
本太陽光発電装置1は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイ、電流測定部11、電圧測定部12、制御部13、下限値設定部14、制御指示値変更部15、電力変換部16、電力比較部17、電力演算部18、記録部19の各機能部を備える。以下、本太陽光発電装置1の各部の構成について説明する。
色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイに用いられるセルのセル電圧は1V程度である。そのため、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイは、太陽光発電装置1に接続される負荷20を動作させるのに必要な電圧値にすると共に、負荷20が消費する消費電流に応じた供給能力を確保するために、複数のセルを直並列に接続して用いられる。この色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイは、詳細は後述するが動作点を制御する制御指示値が制御部13により制御されて動作する。
電流測定部11は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電流の測定を行う。この出力電流は直流電流であり、交流負荷である負荷20が消費する消費電流及び電力変換部16(後述する)での損失が含まれる。測定された出力電流値は、制御部13に伝達される。また、電圧測定部12は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧の測定を行う。この出力電圧は直流電圧であり、測定された出力電圧値は、制御部13に伝達される。
制御部13は、電流測定部11により測定された出力電流値及び電圧測定部12により測定された出力電圧値を後述の電力演算部18に伝達する。当該電力演算部18は、制御部13から伝達された出力電流値及び出力電圧値から、出力電力の演算を行う。この演算された出力電力は、記録部19に記録される。
太陽光発電装置1は、下限値設定部14を備えている。下限値設定部14は、下限値の設定を行う。下限値とは、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの電圧逆転現象の発生を防止するために設けられる色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作閾値の下限値である。制御部13は、電圧逆転現象の発生を防止するために、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値以下にならないように制御指示値変更部15に対して制御指示値の変更指示を行う。
制御指示値変更部15は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を所定の周期で変更する。この制御指示値変更部15により変更された制御指示値に応じて、制御部13は色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイから効率よくエネルギーを取り出すために、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイにかかる出力端子間の電圧を、適切な状態となるように制御する。具体的には、電力比較部17により行われる、変更する前の制御指示値における出力電力と、変更した後の制御指示値における出力電力との比較結果に基づいて、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点が常に最大出力点に追従して出力が最大となるように制御指示値変更部15に対して制御指示値の変更指示を行って最大電力追従制御を行う。
以下に、本太陽光発電装置1が行う最大電力追従制御について説明する。まず、制御部13は、制御指示値変更部15により変更された制御指示値に応じて、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御指示値となるように制御する。そして、電流測定部11により測定された出力電流値と、電圧測定部12により測定された出力電圧値とから電力演算部18が出力電力を演算し、演算結果が記録部19に記録される。
次に、制御指示値変更部15は制御指示値を所定の値(ΔV1)だけ変化させた値に変更する。制御部13は、制御指示値変更部15により変更された変更後の制御指示値に応じて、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点が制御指示値となるように制御を行う。そして、電流測定部11により測定された出力電流値と、電圧測定部12により測定された出力電圧値とから電力演算部18が出力電力を演算し、演算結果が記録部19に記録される。
電力比較部17は、記録部19に記録されている前回の出力電力値と、電力演算部18により演算された今回の出力電力値との比較を行う。この比較結果から、前回の出力電力よりも今回の出力電力の方が大きい場合には、制御指示値変更部15は、制御指示値の変更した量、即ちΔV1を今回の制御指示値に加算して次回の制御指示値として用いる。
一方、前回の出力電力よりも今回の出力電力の方が大きくない場合には、制御指示値変更部15は、制御指示値の変更した量、即ちΔV1を今回の制御指示値から減算して次回の制御指示値として用いる。このような制御を繰り返すことにより、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイが、最大電力点付近で作動するように制御を行うことが可能となる。なお、電力比較部17により行われる電力比較においては、上述のように、制御指示値を変更する前の出力電力は、記録部19に記録されている出力電力値を用い、制御指示値を変更した後の出力電力は、電力演算部18により演算された出力電力値を用いて行われる。
また、制御部13は、制御指示値を変更した後の色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値以下にならないように制御指示値変更部15に対して制御指示値の変更指示を行う。
このように、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作状態を出力電圧により制御することにより、特に日射の急激な変化(急激な減少等)があった場合であっても、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイを構成するセルのセル電圧の電圧逆転現象の発生を防止することが可能となる。また、出力電圧に対して下限値を設けることにより、より確実にセル電圧の電圧逆転現象の発生を防止することが可能となる。
ここで、上述のように、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイから出力される出力電圧及び出力電流は直流である。一方、負荷20は交流負荷であるため、色素増感太陽電池10からの出力を交流に変換する必要がある。この変換は、電力変換部16により行われる。電力変換部16は、公知のインバータ回路からなり、PWM制御により周波数変換が行われる。したがって、電力変換部16の出力は交流出力となり、交流負荷である負荷20に適した電力供給が可能となる。
次に、本実施形態に係る太陽光発電装置1において実行される色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの最大電力追従制御について説明する。図5は、本実施形態に係る太陽光発電装置1の制御の全体の手順を示すフローチャートである。以下に説明する手順は、上記の太陽光発電装置1の各機能部を構成するハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方の組み合わせにより実行される。
まず、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイは、動作点が制御部13により所定の制御指示値で制御され(ステップ#101)、発電を行う。この状態で、電圧測定部12は出力電圧の測定を行い(ステップ#102)、電流測定部11は出力電流の測定を行う(ステップ#103)。測定された出力電圧値と出力電流値とが、制御部13を介して電力演算部18に伝達される。電力演算部18は、これらの出力電圧値と出力電流値とから出力電力を演算し、演算結果を記録部19に記録する(ステップ#104)。
次に、電力比較部17が、前回の出力電力と今回の出力電力との比較を行う(ステップ#105)。前回の出力電力は記録部19に記録されている出力電力が用いられ、今回の出力電力は電力演算部18により演算された出力電力が用いられる。ここで、前回の出力電力より今回の出力電力の方が大きい場合には(ステップ#106:Yes)、制御指示値変更部15は、制御指示値を所定の値(ΔV1)だけ大きい値に変更する(ステップ#107)。一方、前回の出力電力より今回の出力電力の方が小さい場合には(ステップ#106:No)、制御指示値変更部15は、制御指示値を所定の(ΔV1)だけ小さい値に変更する(ステップ#108)。
制御部13は、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10の出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値以下であるか否かの判定を行う(ステップ#109)。色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が、下限値以下であれば(ステップ#110:No)、制御部13は、制御指示値変更部15に対して制御指示値を所定の値(ΔV2)だけ大きい値に変更するように変更指示を行う。この変更指示に従って、制御指示変更部15は制御指示値を所定の値(ΔV2)だけ大きい値に変更する(ステップ#111)。この時、ΔV2は、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が、少なくとも下限値よりも大きい値になるように設定される。
ステップ#110において、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値より大きい場合(ステップ#110:Yes)、或いはステップ#111において制御指示値が変更された場合において、制御を継続する場合には(ステップ#112:No)、ステップ#101に戻り処理を継続する。制御を継続しない場合には(ステップ#112:Yes)、処理を終了する。このようなフローに応じて、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を制御することにより、セルの電圧逆転現象を防止して最大電力追従制御を行うことが可能となる。
2.第二の実施形態
以下、本発明に係る第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、制御部13が行う最大電力追従制御を開始する制御開始電圧が設けられている点と、予め設定された時間における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅に応じて最大電力追従制御と定電圧制御とを切り替える点とにおいて、第一の実施形態と異なる。これら以外の構成については、第一の実施形態と同様である。そのため、以下では制御開始電圧、及び最大電力追従制御と定電圧制御との切り替えを中心に説明する。
第二の実施形態においても、制御部13が制御指示値変更部15により設定される制御指示値に応じて色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する。図6は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの単一セルの出力電圧(太陽電池電圧)−出力電流特性の一例を示したものである。実線で示された特性が、出力電力に相当する。ここで、図2中の(c)で示されたような電圧反転現象が生じる可能性がある出力電圧が低い状態で、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイが最大出力追従制御を行わないように制御開始電圧が設定される。色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイは、早朝等、まだ日射が少ない状態においても、所定の強度の日射があれば色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力端子間に開放端電圧を発生させる。本実施形態においては、当該開放端電圧が、予め設定された制御開始電圧を超えた場合に、制御部13が第一の実施形態と同様の最大出力追従制御を開始する。この制御開始電圧は制御部13に記憶される。なお、本実施形態でも上述の第一の実施形態と同様、下限値が設定される。本実施形態に係る制御開始電圧は、当該下限値よりも大きい値で設定される。このように下限値と制御開始電圧との間でヒステリシスを設定すると、最大電力追従制御と後述する定電圧制御との切り替えをスムーズに行うことができるため好適である。
また、本実施形態においては、予め設定された時間における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅が、所定値以下である場合には制御部13は最大出力追従制御を行うが、例えば雲等の影響から生じる日射の変動により、予め設定された時間における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅が、所定値を超えた場合には、最大電力追従制御を一時停止し、上述の制御開始電圧で定電圧制御を行う。そして、定電圧制御状態で出力電力の変動幅が、所定値以下になった後に、最大電力追従制御が再開される。ここで、出力電力の変動幅は、電力演算部18により演算された演算結果に基づいて算出可能であり、所定値(例えば、出力電力の±7%等)を閾値として、制御部13が最大電力追従制御と定電圧制御とを切り替える。
このように色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの開放端電圧が制御開始電圧以上となった状態で制御部13が最大電力追従制御を行うと共に、予め設定された時間における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅が、所定値を超えた場合に定電圧制御を行うため、セルの電圧逆転現象の発生を防止することが可能となる。また、最大電力追従制御中に日射変動が発生した場合に生じる制御指示値のミスマッチによる出力低下を防止することができる。
次に、第二の実施形態に係る太陽光発電装置1において実行される色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの最大電力追従制御について説明する。図7は、第二の実施形態に係る太陽光発電装置1の制御の全体の手順を示すフローチャートである。
まず、電圧測定部12により色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が測定され(ステップ#201)、測定結果が制御部13に伝達される。この場合の出力電圧は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの開放端電圧に相当する。当該出力電圧が、予め設定された制御開始電圧を超えていない場合には(ステップ#202:No)、所定時間経過後(ステップ#203)、出力電圧を測定する(ステップ#201)。
一方、出力電圧が、予め設定された制御開始電圧を超えた場合には(ステップ#202:Yes)、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイは、動作点が制御部13により所定の制御指示値で制御され(ステップ#204)、発電を行う。この状態で、電圧測定部12は出力電圧の測定を行い(ステップ#205)、電流測定部11は出力電流の測定を行う(ステップ#206)。測定された出力電圧値と出力電流値とが、制御部13を介して電力演算部18に伝達される。電力演算部18は、これらの出力電圧値と出力電流値とから出力電力を演算し、演算結果を記録部19に記録する(ステップ#207)。
次に、制御部13が予め設定された時間における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅が、所定値以下であるか否かの判定を行う。予め設定された時間における出力電力の変動幅が所定値以下であれば(ステップ#208:Yes)、電力比較部17が、前回の出力電力と今回の出力電力との比較を行う(ステップ#209)。前回の出力電力は記録部19に記録されている出力電力が用いられ、今回の出力電力は電力演算部18により演算された出力電力が用いられる。ここで、前回の出力電力より今回の出力電力の方が大きい場合には(ステップ#210:Yes)、制御指示値変更部15は、制御指示値を所定の値(ΔV1)だけ大きい値に変更する(ステップ#211)。一方、前回の出力電力より今回の出力電力の方が小さい場合には(ステップ#210:No)、制御指示値変更部15は、制御指示値を所定の(ΔV1)だけ小さい値に変更する(ステップ#212)。
制御部13は、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10の出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値以下であるか否かの判定を行う(ステップ#213)。色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が、下限値以下であれば(ステップ#214:No)、制御部13は、制御指示値変更部15に対して制御指示値を所定の値(ΔV2)だけ大きい値に変更するように変更指示を行う。この変更指示に従って、制御指示変更部15は制御指示値を所定の値(ΔV2)だけ大きい値に変更する(ステップ#215)。この時、ΔV2は、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が、少なくとも下限値よりも大きい値になるように設定される。
ステップ#214において、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10の出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値より大きい場合(ステップ#214:Yes)、或いはステップ#215において制御指示値が変更された場合において、制御を継続する場合には(ステップ#216:No)、ステップ#204に戻り処理を継続する。制御を継続しない場合には(ステップ#216:Yes)、処理を終了する。
ステップ#208に戻り、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅が所定値より大きければ(ステップ#208:No)、制御部13は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が制御開始電圧となるように制御指示値を設定し(ステップ#217)、制御開始電圧で定電圧制御を行う(ステップ#218)。この状態で、電圧測定部12が出力電圧の測定を行い(ステップ#219)、電流測定部11が出力電流の測定を行う(ステップ#220)。そして、これらの測定結果から電力演算部18が出力電力の演算を行う(ステップ#221)。予め設定された時間における演算された出力電力の変動幅が、所定位置以下であれば(ステップ#222:Yes)、ステップ#204に戻り、処理が継続される。一方、演算された出力電力の変動幅が、所定値よりも大きければ(ステップ#222:No)、ステップ#219に戻り、再度出力電力の測定を行う(ステップ#219)。このようなフローに応じて、色素増感太陽電池の制御指示値を制御することにより、セルの電圧逆転現象を防止して最大電力追従制御を行うことが可能となる。
3.第三の実施形態
以下、本発明に係る第三の実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係る色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイを用いた太陽光発電装置1の概略構成を模式的に示したブロック図である。第三の実施形態は、下限値設定部14が設定する下限値と、制御部13が設定する制御開始電圧とがパラメータ格納部21に格納されるパラメータに基づいて設定される点において、上述の実施形態と異なる。第三の実施形態に係るパラメータ格納部21が設けられている点以外の構成については、第二の実施形態と同様である。そのため、以下ではパラメータ格納部21を中心に説明する。
上述の実施形態においては、制御部13により制御指示値に基づいて最大電力が得られるように制御されるが、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力特性は日射条件や温度条件により変化する。周知のように、年間を通じて日射条件や温度条件が同じであることは稀である。したがって、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力特性は、常に変化する。制御開始電圧と下限値とを固定すると、上述のような変化に対応しきれずに、最大電力追従制御ができなくなると共に、電圧反転現象が生じる可能性がある。そこで、本実施形態においては、その時点のカレンダー情報、即ち現在の月や時刻により制御開始電圧と下限値とを変更する構成となっている。制御開始電圧と下限値とは、パラメータ格納部21に予め格納されている。
図9に、パラメータ格納部21に格納される制御開始電圧のパラメータを示す。月と時間に対応するように制御開始電圧のパラメータが格納される。例えば、2月の2時には「data0202」のパラメータを使用し、3月の2時には「data0302」のパラメータを使用する。このようなパラメータを現在の月と時間とに応じて、制御部13が参照して制御開始電圧を変更する。図示はしないが、下限値においてもパラメータ格納部21に設定された下限値のパラメータを下限値設定部14が参照して設定する。なお、現在の月と時間とを示すカレンダー情報は、制御部13により取得され、制御部13から下限値設定部14に伝達される。
次に、第三の実施形態に係る太陽光発電装置1において実行される色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの最大電力追従制御について説明する。図10は、第三の実施形態に係る太陽光発電装置1の制御の全体の手順を示すフローチャートである。
まず、制御部13が現在のカレンダー情報を取得する(ステップ#301)。そして、カレンダー情報が下限値設定部14に伝達され、下限値設定部14が当該カレンダー情報に対応する下限値を設定し、制御部13が取得されたカレンダー情報に対応する制御開始電圧を設定する(ステップ#302)。
次に、電圧測定部12により色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が測定され(ステップ#303)、測定結果が制御部13に伝達される。この場合の出力電圧は、色素増感太陽電池10の開放端電圧に相当する。当該出力電圧が、予め設定された制御開始電圧を超えていない場合には(ステップ#304:No)、所定時間待機後(ステップ#305)、出力電圧を測定する(ステップ#303)。
一方、出力電圧が、予め設定された制御開始電圧を超えた場合には(ステップ#304:Yes)、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイは、動作点が制御部13により所定の制御指示値で制御され(ステップ#306)、発電を行う。この状態で、電圧測定部12は出力電圧の測定を行い(ステップ#307)、電流測定部11は出力電流の測定を行う(ステップ#308)。測定された出力電圧値と出力電流値とが、制御部13を介して電力演算部18に伝達される。電力演算部18は、これらの出力電圧値と出力電流値とから出力電力を演算し、演算結果を記録部19に記録する(ステップ#309)。
次に、制御部13が予め設定された時間における色素増感太陽電池10の出力電力の変動幅が、所定値以下であるか否かの判定を行う。予め設定された時間における出力電力の変動幅が所定値以下であれば(ステップ#310:Yes)、電力比較部17が、前回の出力電力と今回の出力電力との比較を行う(ステップ#311)。前回の出力電力は記録部19に記録されている出力電力が用いられ、今回の出力電力は電力演算部18により演算された出力電力が用いられる。ここで、前回の出力電力より今回の出力電力の方が大きい場合には(ステップ#312:Yes)、制御指示値変更部15は、制御指示値を所定の値(ΔV1)だけ大きい値に変更する(ステップ#313)。一方、前回の出力電力より今回の出力電力の方が小さい場合には(ステップ#312:No)、制御指示値変更部15は、制御指示値を所定の(ΔV1)だけ小さい値に変更する(ステップ#314)。
この状態で、ステップ#301で取得された時間から、下限値及び制御開始電圧が変更を要する程度に時間が進行している場合には(ステップ#315:Yes)、下限値設定部14が現在のカレンダー情報に対応する下限値に変更し、制御部13が現在のカレンダー情報に対応する制御開始電圧を変更する(ステップ#316)。一方、時間が進行していない場合には(ステップ#315:No)、下限値及び制御開始電圧を変更せずに、処理を継続する。制御部13は、ステップ#313或いはステップ#314において変更された制御指示値における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値以下であるか否かの判定を行う(ステップ#317)。色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が、下限値以下であれば(ステップ#318:No)、制御部13は、制御指示値変更部15に対して制御指示値を所定の値(ΔV2)だけ大きい値に変更するように変更指示を行う。この変更指示に従って、制御指示変更部15は制御指示値を所定の値(ΔV2)だけ大きい値に変更する(ステップ#319)。この時、ΔV2は、変更された制御指示値が、少なくとも下限値よりも大きい値になるように設定される。
ステップ#318において、変更された制御指示値における色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が下限値設定部14により設定される下限値より大きい場合(ステップ#318:Yes)、或いはステップ#319において制御指示値が変更された場合において、制御を継続する場合には(ステップ#320:No)、ステップ#306に戻り処理を継続する。制御を継続しない場合には(ステップ#320:Yes)、処理を終了する。
ステップ#310に戻り、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電力の変動幅が所定値より大きければ(ステップ#310:No)、制御部13は、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧が制御開始電圧となるように制御指示値を設定し(ステップ#321)、制御開始電圧で定電圧制御を行う(ステップ#322)。この状態で、電圧測定部12が出力電圧の測定を行い(ステップ#323)、電流測定部11が出力電流の測定を行う(ステップ#324)。そして、これらの測定結果から電力演算部18が出力電力の演算を行う(ステップ#325)。予め設定された時間における演算された出力電力の変動幅が、所定位置以下であれば(ステップ#326:Yes)、ステップ#306に戻り、処理が継続される。一方、演算された出力電力の変動幅が、所定値よりも大きければ(ステップ#326:No)、ステップ#323に戻り、再度出力電力の測定を行う(ステップ#323)。このようなフローに応じて、色素増感太陽電池の制御指示値を制御することにより、長期耐久性に悪影響があると懸念される状態を回避しながら、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイからの出力を有効に取り出すことが可能となる。
4.その他の実施形態
上記各実施形態では、制御指示値を変更する場合には、制御指示値が制御指示値変更部15により変更されるとして説明した。この場合に、所定の1周期の間に行われる制御指示値の変更を、少なくとも2段階以上となるように段階的に行うと好適である。色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を変更する際、変化量が大きい場合には電圧逆転現象が発生する可能性が高い。したがって、制御指示値を変更する際には変化量を小さくして行うと良い。具体的には、例えば制御指示値を1V大きくする場合には、0.5Vステップで2段階に分けて大きくすると好適である。勿論、更にステップ(段階)を細かく0.1Vステップで大きくすることも、好適である。
上記実施形態では、電圧測定部12が出力電圧を測定し、電流測定部11が出力電流を測定するとして説明した。これらの測定を行うにあたり、制御指示値変更部15が制御指示値を変更した場合には、当該変更後、予め設定した時間(例えば、数秒程度)が経過した後、測定すると好適である。色素増感太陽電池10は制御指示値の変更直後は、出力電圧及び出力電流が安定しない状態となる可能性があるため、このように所定時間経過した後、測定する構成とすると、色素増感太陽電池10を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力が安定した状態で測定することが可能となる。
理想的な色素増感太陽電池セルの出力特性を示す図 実際の色素増感太陽電池セルの出力特性を示す図 色素増感太陽電池の動作点を出力電流により制御した場合の例を示す図 第一の実施形態に係る色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置の概略構成を模式的に示したブロック図 第一の実施形態に係る太陽光発電装置の制御の示すフローチャート 色素増感太陽電池の単一セルの出力特性の一例を示した図 第二の実施形態に係る太陽光発電装置の制御の示すフローチャート 第三の実施形態に係る色素増感太陽電池を用いた太陽光発電装置の概略構成を模式的に示したブロック図 パラメータ格納部に格納される制御開始電圧のパラメータの一例を示す図 第三の実施形態に係る太陽光発電装置の制御の示すフローチャート
符号の説明
1:太陽光発電装置
10:色素増感太陽電池
11:電流測定部
12:電圧測定部
13:制御部
14:下限値設定部
15:制御指示値変更部
16:電力変換部
17:電力比較部
18:電力演算部
19:記録部
20:負荷

Claims (7)

  1. 色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの出力電圧と出力電流とから出力電力を演算する電力演算部と、
    前記色素増感太陽電池を用いた太陽電池モジュールまたはアレイの動作点を制御する制御指示値を所定の周期で変更する制御指示値変更部と、
    前記変更する前の制御指示値における出力電力と前記変更した後の制御指示値における出力電力との比較結果に基づいて、前記制御指示値変更部に対して前記制御指示値の変更指示を行って最大電力追従制御を行うと共に、前記変更した後の制御指示値における出力電圧が予め設定された下限値以下にならないように変更指示を行う制御部と、
    を備える太陽光発電装置。
  2. 前記下限値は、その時点のカレンダー情報に基づいて設定される請求項1に記載の太陽光発電装置。
  3. 前記制御部は、前記出力電圧が予め設定された制御開始電圧を超えた場合に前記最大電力追従制御を開始する請求項1又は2に記載の太陽光発電装置。
  4. 前記制御開始電圧は、その時点のカレンダー情報に基づいて設定される請求項3に記載の太陽光発電装置。
  5. 前記制御部は、予め設定された時間における前記出力電力の変動幅に応じて、前記最大電力追従制御と、予め設定された制御開始電圧で制御する定電圧制御と、を切り替える請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
  6. 前記制御指示値変更部は、所定の1周期の間に行われる前記制御指示値の変更を、少なくとも2段階以上となるように段階的に行う請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
  7. 前記制御指示値変更部が前記制御指示値を変更した場合に、当該変更後、予め設定した時間が経過した後、電圧測定部が前記出力電圧を測定し、電流測定部が前記出力電流を測定する請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
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