JP2009170622A - 電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】内部抵抗が低い電気化学キャパシタ用電極及びそれを用いた電気化学キャパシタを提供する。
【解決手段】イオン伝導体を介して2つの電極2,4を配置した構成の電気化学キャパシタにおいて、前記2つの電極2,4のうち、少なくとも一方の電極2の電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことを特徴とし、導電性を補助する物質を含まないようにした。これにより、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタ用電極を得ることができ、その電極を用いることにより、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタを実現することができる。
【選択図】図1
【解決手段】イオン伝導体を介して2つの電極2,4を配置した構成の電気化学キャパシタにおいて、前記2つの電極2,4のうち、少なくとも一方の電極2の電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことを特徴とし、導電性を補助する物質を含まないようにした。これにより、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタ用電極を得ることができ、その電極を用いることにより、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタを実現することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電デバイスである電気化学キャパシタに用いられる電気化学キャパシタ用電極、及び、その電気化学キャパシタ用電極を用いた電気化学キャパシタに関するものであり、より詳しくは電極材料に特徴を有する電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタに関する。
電気化学キャパシタは、従来の分極性電極とイオン伝導体(電解液)に生成する電気二重層のみを利用した電気二重層キャパシタの他に、電気二重層容量と共に電極の酸化還元による疑似容量を蓄電要素として取り込んだレドックスキャパシタ、正極、負極の一方の電極が電気二重層型、他方が酸化還元型で充放電を行うハイブリッド型キャパシタなどがある。
その中でも、電気二重層キャパシタは、広い温度範囲で優れた充放電サイクル特性や出力特性をもつことや、環境に優しい材料を使用していることから、これまでに半導体メモリバックアップ用電源やアクチュエーターバックアップ用電源として幅広く用いられてきた。
さらに近年、画像形成装置の加熱装置、定着装置用の補助電源や、電気自動車の電源や、太陽電池または風力発電などの自然エネルギー貯蔵用電源装置として、大型キャパシタの幅広い用途展開の試みがなされており、次世代のクリーンな蓄電デバイスとして、活発な研究が行われている。
電気二重層キャパシタは、正負極の分極性電極と、イオン伝導性(電解液)との界面に形成される電気二重層に、電荷を蓄積して使用する電気化学キャパシタである。電極に、表面積が大きく、電導度が大きい電気化学的に安定な活性炭などを用いることで、ファラッドオーダーの小型で大容量なキャパシタを得ることができる。
電気二重層キャパシタの基本構成は、(1)表面電気二重層を形成するための分極性電極、(2)電気二重層に蓄積された電荷を出し入れするための集電電極、(3)分極性電極との界面に電気二重層を形成するためのイオン伝導体(電解液)、(4)分極性電極同士の電気的な絶縁を保持するためのセパレータ、(5)これらの構成要素を実用デバイスとして機能させるための外装ケース、である。
上述した通り、電気二重層キャパシタの充放電機構は、電気二重層に電荷を蓄積して使用するのみで、非ファラデー反応が起こっている。これに対して、非分極性電極における電気化学的なレドックス反応が充放電機構である二次電池と比較した時、高出力での充放電が可能であり、さらに広い温度範囲における充放電サイクル特性も極めて高い。一方、そのような電荷蓄積機構のため、二次電池と比較してエネルギー密度(容量)が低いという課題がある。また、二次電池も高エネルギー密度特性を有するが、充放電時に正負極でファラデー反応が起こるため、耐久性に問題がある。
電気化学キャパシタに属するレドックスキャパシタの基本構成は、電気二重層キャパシタとほぼ同様だが、電極材料が異なる。電極材料の種類を分類すると、金属酸化物電極系、導電性高分子電極系に分けられる。これらは、電気エネルギーの貯蔵と放出に、(1)電極材料(活物質)のレドックス、(2)電極表面のイオンの吸脱着、(3)電気二重層における充放電、の全てあるいは一部を利用するものである。レドックスキャパシタは、活性炭電極を用いる電気二重層キャパシタとは蓄電機構が異なり、(1)の電極材料(活物質)のレドックス、(2)の電極表面のイオンの吸脱着が蓄電機構の中心となっている。
レドックスキャパシタは、電極活物質のレドックスを利用する点では二次電池系に類似してはいるが、定電流放電で電圧は直線的に減衰、急速充放電が可能で優れたサイクル特性を有する点で、二次電池系とは異なるといえる。しかし、レドックスキャパシタは、電気二重層キャパシタと比べて、電極材料が高価であり、サイクル寿命でも劣るという課題がある。
そこで近年、電気二重層キャパシタの充放電特性及び耐久性を維持しつつ、高エネルギー密度(高容量)の実現を目指して、片方の極にファラデー反応を起こす電極、もう片方に非ファラデー反応を起こす電極を用いるハイブリッドキャパシタが活発に研究されているが、長期信頼性試験の結果が得られていないのが現状である。
これら電気化学キャパシタの中で、電気自動車の電源や、太陽電池または風力発電などの自然エネルギー貯蔵用電源装置というアプリケーションで、現状最も期待されているのは、高出力、長寿命特性を有する電気二重層キャパシタである。しかし、どの用途においてもアシストする負荷電流が大きくなるほど、電気二重層キャパシタには高出力密度化及び高エネルギー密度化が求められ、その電極材料の低抵抗化、高容量化が課題となっている。
前述したが、近年、蓄電デバイスの高容量化に向けて、電極に導電性高分子や金属酸化物を使用したレドックスキャパシタが開発されている。例えば、代表的なものとして、特許文献1に記載のポリアセン系材料があるが、反応速度が遅く、内部抵抗が高いという欠点がある。
それに対し、内部抵抗を改善させるため、特許文献2に開示されているように導電性付与材であるカーボンと組み合わせたり、特許文献3に開示されているように金属微粒子と組み合わせる方法等が提案されている。
しかしながら、導電性高分子に単純にカーボンや金属を混合しても導電性高分子の欠点である導電性の低さは改善されない。
それに対し、内部抵抗を改善させるため、特許文献2に開示されているように導電性付与材であるカーボンと組み合わせたり、特許文献3に開示されているように金属微粒子と組み合わせる方法等が提案されている。
しかしながら、導電性高分子に単純にカーボンや金属を混合しても導電性高分子の欠点である導電性の低さは改善されない。
また、特許文献4で開示されている電気二重層キャパシタは、内部抵抗を低減させるために、電極材料に導電性付与材を添加しているが、相対的に活物質である活性炭の量が少なくなり、キャパシタの容量が低下するという問題がある。
なお、特許文献5には、小型で高電圧の電気化学キャパシタを実現させるため、導電性セラミックスを使用する方法が提案されているが、その導電性セラミックスは酸化物を指しており、本発明者らが提案する導電性非酸化物セラミックスとは異なる。さらに、本発明者らは電気化学キャパシタの内部抵抗を低減させるために重要な、導電性非酸化物セラミックスの含有比率も後述の実施例で明記するが、上記の特許文献には、導電性酸化物セラミックスや結合材(バインダー)の量の記載がない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、電極材料に導電性付与材を使用することなく、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタ用電極を提供することであり、さらには、その電気化学キャパシタ用電極を用いた電気化学キャパシタを提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、イオン伝導体を介して2つの電極を配置した構成の電気化学キャパシタに用いられる電気化学キャパシタ用電極であって、電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことを特徴とする。
本発明の第1の手段は、イオン伝導体を介して2つの電極を配置した構成の電気化学キャパシタに用いられる電気化学キャパシタ用電極であって、電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことを特徴とする。
本発明の第2の手段は、第1の手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスは、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスは、Ti(チタニウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオビウム)、Ta(タンタリウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロミウム)から選ばれる少なくとも1種類の金属を含むことを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスは、Ti(チタニウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオビウム)、Ta(タンタリウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロミウム)から選ばれる少なくとも1種類の金属を含むことを特徴とする。
本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスは、TiC、ZrC、HfC、VC、NbC、TaC、WC、TiN、ZrN、HfN、VN、NbN、TaN、TiB2、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、W2B5、Mo2B5、FeB、NiB、TiSi2、ZrSi2、CrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、WSi2、MoSi2から選ばれる少なくとも1種類を含む、単成分系あるいは多成分系の導電性非酸化物セラミックスであることを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第1〜第4のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスの含有比率が90重量%未満から99重量%以内の範囲であることを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第1〜第4のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスの含有比率が90重量%未満から99重量%以内の範囲であることを特徴とする。
本発明の第6の手段は、第1〜第5のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記結合剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等のフッ素系バインダーであることを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第1〜第6のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスに結合剤としてフッ素系バインダーを加えて混練後、ロール圧延してシート状に成形し、乾燥したシート状成型物を金属集電体に熱圧着するかあるいは導電性接着剤等を介して接合することにより形成することを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第1〜第6のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスに結合剤としてフッ素系バインダーを加えて混練後、ロール圧延してシート状に成形し、乾燥したシート状成型物を金属集電体に熱圧着するかあるいは導電性接着剤等を介して接合することにより形成することを特徴とする。
本発明の第8の手段は、第1〜第6のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極において、前記導電性非酸化物セラミックスに結合剤としてフッ素系バインダーを加えて混練後、前記結合剤を溶解できる溶媒又は該溶媒を含む混合溶媒を導電性非酸化物セラミックスに混合してスラリーとし、これを金属集電体の両表面に塗布、乾燥して電極層を成形して形成することを特徴とする。
本発明の第9の手段は、イオン伝導体を介して2つの電極を配置した構成の電気化学キャパシタにおいて、前記2つの電極のうち、少なくとも一方の電極に第1〜8のいずれか1つの手段の電気化学キャパシタ用電極を用いたことを特徴とする。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の電気化学キャパシタにおいて、前記イオン伝導体として、水系電解液、非水系有機電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質のいずれかを用いることを特徴とする。
さらに本発明の第11の手段は、第9または第10の手段の電気化学キャパシタにおいて、前記イオン伝導体として、非水系有機電解液を用いることを特徴とする。
さらにまた本発明の第12の手段は、第9または第10の手段の電気化学キャパシタにおいて、2つの電極間にイオン伝導体を含むセパレータを設けたことを特徴とする。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の電気化学キャパシタにおいて、前記イオン伝導体として、水系電解液、非水系有機電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質のいずれかを用いることを特徴とする。
さらに本発明の第11の手段は、第9または第10の手段の電気化学キャパシタにおいて、前記イオン伝導体として、非水系有機電解液を用いることを特徴とする。
さらにまた本発明の第12の手段は、第9または第10の手段の電気化学キャパシタにおいて、2つの電極間にイオン伝導体を含むセパレータを設けたことを特徴とする。
本発明の電気化学キャパシタ用電極によれば、電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことにより、電極材料に導電性付与材を使用することなく、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタ用電極を提供することができ、その電極を用いることにより、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明では、電気化学キャパシタに用いる電気化学キャパシタ用電極の電極材料に、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合剤を使用することを必須とし、導電性を補助する物質を含まないことを特徴としている。
本発明では、電気化学キャパシタに用いる電気化学キャパシタ用電極の電極材料に、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合剤を使用することを必須とし、導電性を補助する物質を含まないことを特徴としている。
本発明に関わる導電性非酸化物セラミックスは、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とし、前記導電性非酸化物セラミックスに含まれる金属元素としては、Ti(チタニウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオビウム)、Ta(タンタリウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロミウム)から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする。
その導電性非酸化物セラミックスの具体例としては、例えば、TiC、ZrC、HfC、VC、NbC、TaC、WC、TiN、ZrN、HfN、VN、NbN、TaN、TiB2、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、W2B5、Mo2B5、FeB、NiB、TiSi2、ZrSi2、CrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、WSi2、MoSi2などがあるが、単成分系、多成分系のどちらでも構わない。
前記電気化学キャパシタ用電極における、前記導電性非酸化物セラミックスの含有比率は、90重量%未満から99重量%以内の範囲であることが好ましく、特に95重量%以上から99重量%以内であることが好ましい。これは、導電性非酸化物セラミックスの含有量が少なすぎると充分な導電性を確保できなくなり、逆に多すぎると電極の成型が不可能になってしまうためである。
本発明に関わる結合剤は、上記導電セラミックス粒子を結着可能な結合剤であれば特に制限されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等のフッ素系バインダーを好ましく用いることができる。
本発明の電気化学キャパシタに使用される電極は、具体的には、導電性非酸化物セラミックスに結合剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を加えて混練後、ロール圧延してシート状に成形し、乾燥したシート状成型物を金属集電体に熱圧着するか導電性接着剤等を介して接合することにより形成することが好ましい。
また、上記の圧延成形の代わりに、上記結合剤を溶解できる溶媒又は該溶媒を含む混合溶媒(水、N−メチルピロリドン等)を導電性非酸化物セラミックスに混合してスラリーとし、これを金属集電体の両表面に塗布、乾燥して電極層を成形してもよい。電極層の厚さについては特に限定されないが、容量、抵抗、強度の観点から、好ましくは10μm〜500μm程度である。
電気化学キャパシタに用いられるイオン伝導体としては、水系電解液、非水系有機電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質を用いることができるが、電気化学キャパシタの高エネルギー密度化の観点から、非水材料系、特に非水系有機電解液を用いることが好ましい。非水系有機電解液は、有機溶媒に溶質(電解質)を溶解させて構成される。
非水系有機電解液の有機溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、アセトニトリル等のニトリル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、スルホラン等のスルホラン誘導体などが好ましく、特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン及びスルホラン誘導体等からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
さらに、非水系有機電解液中に含まれる溶質は、電気伝導性、溶媒に対する溶解度、電気化学的安定性の点で第4級オニウム塩、環状第4級窒素化合物塩が好ましい。電解質のカチオンとしては、限定されることはないが、特に、R1R2R3R4N+又は、R1R2R3R4P+(ただし、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、それぞれが結合して環を形成してもよい。)で表される第4級オニウムカチオン、又は環状第4級窒素化合物であるR1R2C3H3N2 +(ただし、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基)で表されるイミダゾリウムカチオンと、BF4 −、PF6 −、CF3SO3 −、N(SO2CF3)2−、ClO4 −等のアニオンとからなる塩のいずれか1種又は2種以上を混合したものが好ましい。
非水系有機電解液中の上記電解質の濃度は、電気二重層形成に必要なイオン量を確保し、充分な電気伝導性を得る目的から0.5mol/L以上であることが好ましく、特に、1.0mol/L以上であることが好ましい。
イオン伝導体に、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質を用いる場合には必要がないが、水系電解液、非水系有機電解液を使用する場合は、2極の電極が接触してショートしないように、セパレータが必要となる。セパレータは、2極の電極を絶縁する一方で、充放電に伴って起きる電解液中のイオンの移動をスムーズにするものである。そのため、イオン透過性に優れるポリエチレン多孔体フィルム、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン多孔体フィルム、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、セルロース紙、クラフト紙、レーヨン繊維とサイザル麻繊維混抄シート、ポリエステル繊維等を用いる場合が多い。
以下、本発明の電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタのより具体的な実施例について説明する。
[実施例1]電極材料を構成する活物質の体積抵抗率測定
ここで、使用した導電性非酸化物セラミックスは、和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)、STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)、添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)、STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)、和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の5種類とした。
ここで、使用した導電性非酸化物セラミックスは、和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)、STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)、添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)、STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)、和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の5種類とした。
まず、セラミックス材料の嵩密度を測定し、その1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03g、0.06g、0.09gになるように、それぞれ秤量した。これは、各導電性非酸化物セラミックスの嵩密度が異なり、それぞれのセラミックス材料と結合剤の分量を合わせるため、また、比較例で示す活性炭と結合剤の分量を合わせるためである。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t(トン)/φ5(直径:5mm)で圧着し、このφ5(直径:5mm)の活物質ペレットを評価サンプルとした。なお、この際、活物質ペレットの厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整した。
[サンプル1−1]
重量比;WSi2:PTFE=100:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;WSi2:PTFE=100:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[サンプル1−2−1]
重量比;WC:PTFE=100:0.80
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;WC:PTFE=100:0.80
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[サンプル1−2−2]
重量比;WC:PTFE=100:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;WC:PTFE=100:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[サンプル1−3]
重量比;TiN:PTFE=100:2.74
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;TiN:PTFE=100:2.74
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[サンプル1−4]
重量比;TiC:PTFE=100:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;TiC:PTFE=100:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[サンプル1−5]
重量比;NbSi2:PTFE=100:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;NbSi2:PTFE=100:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[比較例1]
[サンプル1−6]
重量比;WSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:1.38:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−1に対応)
[サンプル1−6]
重量比;WSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:1.38:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−1に対応)
[サンプル1−7]
重量比;WC:PTFE:アセチレンブラック=100:1.60:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−2−2に対応)
重量比;WC:PTFE:アセチレンブラック=100:1.60:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−2−2に対応)
[サンプル1−8]
重量比;TiN:PTFE:アセチレンブラック=100:2.47:2.47
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−3に対応)
重量比;TiN:PTFE:アセチレンブラック=100:2.47:2.47
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−3に対応)
[サンプル1−9]
重量比;TiC:PTFE:アセチレンブラック=100:2.78:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−4に対応)
重量比;TiC:PTFE:アセチレンブラック=100:2.78:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−4に対応)
[サンプル1−10]
重量比;NbSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:3.18:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−5に対応)
重量比;NbSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:3.18:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。(⇒サンプル1−5に対応)
[サンプル1−11]
重量比;活性炭:PTFE=89:11
比較例で使用した従来材料の活性炭粉末は、BET法で測定した比表面積が2000m2/g、公称平均粒径が8〜12μm、製造方法は木質燐酸賦活である。そして、活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量した。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t(トン)/φ5(直径:5mm)で圧着し、このφ5(直径:5mm)の活物質ペレットを評価サンプルとした。この時、活物質ペレットの厚さが400μmなるように活物質の量を調整した。以下のサンプルも同様に、活物質ペレットの厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整し、活物質ペレット評価サンプルを作製した。ここで、結合材であるPTFEの量を減らした活物質ペレット(重量比;活性炭:PTFE=94:6)の作製も試みたが、成型できなかった。つまり、この組成比(重量比;活性炭:PTFE=94:6)では、結合剤の不足のため、電極の作製が難しいと考えられる。
重量比;活性炭:PTFE=89:11
比較例で使用した従来材料の活性炭粉末は、BET法で測定した比表面積が2000m2/g、公称平均粒径が8〜12μm、製造方法は木質燐酸賦活である。そして、活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量した。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t(トン)/φ5(直径:5mm)で圧着し、このφ5(直径:5mm)の活物質ペレットを評価サンプルとした。この時、活物質ペレットの厚さが400μmなるように活物質の量を調整した。以下のサンプルも同様に、活物質ペレットの厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整し、活物質ペレット評価サンプルを作製した。ここで、結合材であるPTFEの量を減らした活物質ペレット(重量比;活性炭:PTFE=94:6)の作製も試みたが、成型できなかった。つまり、この組成比(重量比;活性炭:PTFE=94:6)では、結合剤の不足のため、電極の作製が難しいと考えられる。
[サンプル1−12]
重量比;活性炭:PTFE=78:22
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;活性炭:PTFE=78:22
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
[サンプル1−13]
重量比;活性炭:PTFE:アセチレンブラック=80:10:10
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
重量比;活性炭:PTFE:アセチレンブラック=80:10:10
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、活物質ペレットを作製した。
上述のサンプル1−1〜1−13で示した活物質ペレット評価サンプルを、低抵抗率計ロレスタ−GP(三菱化学(株)製)で、体積抵抗率を測定した。その測定結果を下記の表1に示す。
表1を参照して、導電性付与材を含まないサンプル1−11とサンプル1−12、導電性付与材を含むサンプル1−13を比較すると、従来材料の活性炭材料は、導電性付与材を添加することで、抵抗が減少した。しかし、導電性付与材を含まないサンプル1−1と導電性与材を含むサンプル1−6、導電性付与材を含まないサンプル1−2−2と導電性付与材を含むサンプル1−7、導電性付与材を含まないサンプル1−3と導電性付与材を含むサンプル1−8、導電性付与材を含まないサンプル1−4と導電性付与材を含むサンプル1−9、導電性付与材を含まないサンプル1−5と導電性付与材を含むサンプル1−10をそれぞれ比較すると、導電性非酸化物セラミックス材料は、導電性付与材を添加しない方が抵抗が小さくなることがわかった。これは、導電性非酸化物セラミックス材料が導電性付与材より抵抗が低いためであると考えられる。さらに、導電性非酸化物セラミックス電極(サンプル1−1〜サンプル1−5)は、活性炭電極(サンプル1−11、サンプル1−12)より、抵抗が小さいことがわかった。これは、導電性非酸化物セラミックス材料自体の抵抗が活性炭より低いためだと考えられる。また、導電性非酸化物セラミックス材料を使用したサンプル1−2−1とサンプル1−2−2の抵抗において、結合材が少ない方が抵抗が小さくなることがわかった。つまり、従来材料の活性炭では結合材を10重量%も必要としたが、導電性非酸化物セラミックスに添加する結合材は、それよりも少なくすることが可能なので、さらなる内部抵抗の低減に有利である。
[実施例2]電気化学キャパシタを構成する電極の電気化学的抵抗測定
実施例1では、電気化学キャパシタ用電極の電極材料を構成する活物質のみの体積抵抗率を測定したが、次は電気化学キャパシタをセルにした状態で電極の電気化学的抵抗を評価した。測定には、図1に示すような構成の3極セルからなる電気化学キャパシタを使用した。また、このセルは、水分や酸素が混入しないように、露点:−70℃以下、酸素濃度:1ppm以下で管理されたドライボックス内で組み立てた。なお、使用した材料については、以下に示す。
実施例1では、電気化学キャパシタ用電極の電極材料を構成する活物質のみの体積抵抗率を測定したが、次は電気化学キャパシタをセルにした状態で電極の電気化学的抵抗を評価した。測定には、図1に示すような構成の3極セルからなる電気化学キャパシタを使用した。また、このセルは、水分や酸素が混入しないように、露点:−70℃以下、酸素濃度:1ppm以下で管理されたドライボックス内で組み立てた。なお、使用した材料については、以下に示す。
図1は本発明に係る電気化学キャパシタの3極セルを分解した状態で示す斜視図であり、図中の符号1はベースフランジ(作用極ボディー)、2は評価対象となる作用極(評価電極)、3はセパレータ、4は対極(対向電極)、5は参照極Agワイヤー付ガイドリング、6は電極ピース、7はスプリング、8はOリング、9はセンターフランジ(参照極ボディー)、10はカバーフランジ(対極ボディー)、11は蝶ナット、12はOリング、13はピン、14はスプリング、15はトップキャップである。
この3極セルを構成する電極のうち、対極(対向電極)4は、作用極2(評価電極)の特性を正しく測定できるように、作用極2(評価電極)より有効比表面積(容量)が充分大きい活性炭電極(φ13(直径:13mm)、400μm厚、基板:エッチドAl箔(50μm厚))とした。この時、活物質の厚さが上記の厚さになるように活物質の量を調整した。セパレータ3は、セルロース紙(40μm厚、ニッポン高度紙工業(株)製)をφ25(直径:25mm)に打抜いた物を使用した。なお、後述する作用極2、上述のセパレータ3と対極4については、すべて150℃、12時間の真空乾燥を実施した。参照極5については、銀ワイヤーとした。非水系有機電解液は、プロピレンカーボネート+1MテトラエチルアンモニウムBF4塩(水分値:<20ppm、富山薬品工業(株)製)を使用した。なお、作用極2、セパレータ3、対極4については、それぞれ非水系有機電解液の真空含浸を実施し、活物質内部まで、電解液を浸透させた。さらに、セル内部には、非水系有機電解液をそれぞれ1.5mL注入し、測定中にセル内部で、非水系有機電解液の枯渇が起こらないようにした。作用極2(評価電極)の作製法については、以下に示す。
[サンプル2−1]
重量比;WSi2:PTFE=100:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量した。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、φ5(直径:5mm)のエッチドAl箔(50μm厚)上に、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t/φ5(直径:5mm)で圧着し、作用極(評価極)とした。この時、活物質の厚さが400μmなるように活物質の量を調整した。以下のサンプルも同様に、活物質の厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整し、作用極2(評価極)を作製した。
重量比;WSi2:PTFE=100:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量した。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、φ5(直径:5mm)のエッチドAl箔(50μm厚)上に、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t/φ5(直径:5mm)で圧着し、作用極(評価極)とした。この時、活物質の厚さが400μmなるように活物質の量を調整した。以下のサンプルも同様に、活物質の厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整し、作用極2(評価極)を作製した。
[サンプル2−2−1]
重量比;WC:PTFE=100:0.80
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;WC:PTFE=100:0.80
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
[サンプル2−2−2]
重量比;WC:PTFE=100:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;WC:PTFE=100:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
[サンプル2−3]
重量比;TiN:PTFE=100:2.74
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;TiN:PTFE=100:2.74
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
[サンプル2−4]
重量比;TiC:PTFE=100:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;TiC:PTFE=100:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
[サンプル2−5]
重量比;NbSi2:PTFE=100:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;NbSi2:PTFE=100:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
[比較例2]
[サンプル2−6]
重量比;WSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:1.38:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、作用極2(評価極)を作製した。(⇒サンプル2−1に対応)
[サンプル2−6]
重量比;WSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:1.38:1.38
和光純薬工業(株)製WSi2(ニ珪化タングステン、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、作用極2(評価極)を作製した。(⇒サンプル2−1に対応)
[サンプル2−7]
重量比;WC:PTFE:アセチレンブラック=100:1.60:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−2−2に対応)
重量比;WC:PTFE:アセチレンブラック=100:1.60:1.60
STREM CHEMICALS社製WC(炭化タングステン、公称平均粒径:<1μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−2−2に対応)
[サンプル2−8]
重量比;TiN:PTFE:アセチレンブラック=100:2.47:2.47
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−3に対応)
重量比;TiN:PTFE:アセチレンブラック=100:2.47:2.47
添川理化学(株)製TiN(窒化チタン、公称平均粒径:1.43μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−3に対応)
[サンプル2−9]
重量比;TiC:PTFE:アセチレンブラック=100:2.78:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−4に対応)
重量比;TiC:PTFE:アセチレンブラック=100:2.78:2.78
STREM CHEMICALS社製TiC(炭化チタン、公称平均粒径:2μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−4に対応)
[サンプル2−10]
重量比;NbSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:3.18:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−5に対応)
重量比;NbSi2:PTFE:アセチレンブラック=100:3.18:3.18
和光純薬工業(株)製NbSi2(ニ珪化ニオブ、公称平均粒径:6〜12μm)の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.09gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。(⇒サンプル2−5に対応)
[サンプル2−11]
重量比;活性炭:PTFE=89:11
比較例で使用した従来材料の活性炭粉末は、BET法で測定した比表面積が2000m2/g、公称平均粒径が8〜12μm、製造方法は木質燐酸賦活である。そして、活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量した。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、φ5(直径:5mm)のエッチドAl箔(50μm厚)上に、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t/φ5(直径:5mm)で圧着した。この時、活物質の厚さが400μmなるように活物質の量を調整した。以下のサンプルも同様に、活物質の厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整し、作用極2(評価極)を作製した。
重量比;活性炭:PTFE=89:11
比較例で使用した従来材料の活性炭粉末は、BET法で測定した比表面積が2000m2/g、公称平均粒径が8〜12μm、製造方法は木質燐酸賦活である。そして、活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.03gになるよう、上記の通りに秤量した。そして、それぞれ瑪瑙乳鉢で混練を実施した。さらに、φ5(直径:5mm)のエッチドAl箔(50μm厚)上に、混練した活物質材料を錠剤成形器において、0.5t/φ5(直径:5mm)で圧着した。この時、活物質の厚さが400μmなるように活物質の量を調整した。以下のサンプルも同様に、活物質の厚さがすべて400μmになるように活物質量を調整し、作用極2(評価極)を作製した。
[サンプル2−12]
重量比;活性炭:PTFE=78:22
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;活性炭:PTFE=78:22
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)が0.06gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
[サンプル2−13]
重量比;活性炭:PTFE:アセチレンブラック=80:10:10
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
重量比;活性炭:PTFE:アセチレンブラック=80:10:10
活性炭粉末の1cm3当たり、結合剤PTFE(テフロン(登録商標)6−J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)と、導電性付与材アセチレンブラック(デンカブラック、電気化学工業(株)製)がそれぞれ0.03gになるよう、上記の通りに秤量し、測定用作用極2を作製した。
測定は、solatron SI1280B(Electrochemical Measurement、(株)東陽テクニカ製)を使用し、PotentialSquare−Wave測定を実施した。測定条件は、電位を、自然電位→0V→+1.25V→0V→−1.25Vと走査し、+1.25Vと−1.25Vの直後に流れた最大電流値(mA/F)を測定した。測定結果を以下の表2に示す。
表2を参照して、導電性付与材を含まないサンプル2−11とサンプル2−12、導電性付与材を含むサンプル2−13を比較すると、従来材料の活性炭材料は、導電性付与材を添加することで、電流が流れる傾向を示し、体積抵抗率測定の時と同様に抵抗が減少した。しかし、導電性付与材を含まないサンプル2−1と導電性与材を含むサンプル2−6、導電性付与材を含まないサンプル2−2−2と導電性付与材を含むサンプル2−7、導電性付与材を含まないサンプル2−3と導電性付与材を含むサンプル2−8、導電性付与材を含まないサンプル2−4と導電性付与材を含むサンプル2−9、導電性付与材を含まないサンプル2−5と導電性付与材を含むサンプル2−10をそれぞれ比較すると、導電性非酸化物セラミックス材料は、導電性付与材を添加しない方が電流が流れる傾向を示した。これはセルの状態でも、導電性非酸化物セラミックスは、導電性付与材より抵抗が低いことを示している。また、導電性非酸化物セラミックス電極(サンプル2−1〜サンプル2−5)は、活性炭電極(サンプル2−11、サンプル2−12)より、電流が流れる傾向を示した。これは、セルの状態でも、導電性非酸化物セラミックスの方が抵抗が低いことを示している。また、導電性非酸化物セラミックス材料を使用したサンプル2−2−1とサンプル2−2−2の抵抗において、結合材が少ない方が電流が流れることがわかった。これは、体積抵抗率測定の時と同様に、従来材料の活性炭では結合材を10重量%も必要としたが、導電性非酸化物セラミックスに添加する結合材は、それよりも少なくすることが可能なので、さらなる内部抵抗の低減に有利である。つまり、電気化学キャパシタ用電極の電極材料として、導電性非酸化物セラミックスは、導電性付与材を添加することなく、抵抗を低くすることが可能であり、さらに従来の活性炭電極より抵抗を小さくすることができる。
従って、電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことにより、電極材料に導電性付与材を使用することなく、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタ用電極を得ることができ、その電極を用いることにより、内部抵抗が小さい電気化学キャパシタを実現することができる。
1:ベースフランジ(作用極ボディー)
2:作用極(評価電極)
3:セパレータ
4:対極(対向電極)
5:参照極Agワイヤー付ガイドリング
6:電極ピース
7:スプリング
8:Oリング
9:センターフランジ(参照極ボディー)
10:カバーフランジ(対極ボディー)
11:蝶ナット
12:Oリング
13:ピン
14:スプリング
15:トップキャップ
2:作用極(評価電極)
3:セパレータ
4:対極(対向電極)
5:参照極Agワイヤー付ガイドリング
6:電極ピース
7:スプリング
8:Oリング
9:センターフランジ(参照極ボディー)
10:カバーフランジ(対極ボディー)
11:蝶ナット
12:Oリング
13:ピン
14:スプリング
15:トップキャップ
Claims (12)
- イオン伝導体を介して2つの電極を配置した構成の電気化学キャパシタに用いられる電気化学キャパシタ用電極であって、
電極材料として、導電性非酸化物セラミックス粒子と、その粒子を結着可能な結合材を含むことを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - 請求項1記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記導電性非酸化物セラミックスは、炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - 請求項1または2記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記導電性非酸化物セラミックスは、Ti(チタニウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオビウム)、Ta(タンタリウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロミウム)から選ばれる少なくとも1種類の金属を含むことを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記導電性非酸化物セラミックスは、TiC、ZrC、HfC、VC、NbC、TaC、WC、TiN、ZrN、HfN、VN、NbN、TaN、TiB2、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、W2B5、Mo2B5、FeB、NiB、TiSi2、ZrSi2、CrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、WSi2、MoSi2から選ばれる少なくとも1種類を含む、単成分系あるいは多成分系の導電性非酸化物セラミックスであることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記導電性非酸化物セラミックスの含有比率が90重量%未満から99重量%以内の範囲であることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記結合剤は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等のフッ素系バインダーであることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記導電性非酸化物セラミックスに結合剤としてフッ素系バインダーを加えて混練後、ロール圧延してシート状に成形し、乾燥したシート状成型物を金属集電体に熱圧着するかあるいは導電性接着剤等を介して接合することにより形成することを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極において、
前記導電性非酸化物セラミックスに結合剤としてフッ素系バインダーを加えて混練後、前記結合剤を溶解できる溶媒又は該溶媒を含む混合溶媒を導電性非酸化物セラミックスに混合してスラリーとし、これを金属集電体の両表面に塗布、乾燥して電極層を成形して形成することを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。 - イオン伝導体を介して2つの電極を配置した構成の電気化学キャパシタにおいて、
前記2つの電極のうち、少なくとも一方の電極に請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気化学キャパシタ用電極を用いたことを特徴とする電気化学キャパシタ。 - 請求項9記載の電気化学キャパシタにおいて、
前記イオン伝導体として、水系電解液、非水系有機電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質のいずれかを用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。 - 請求項9または10に記載の電気化学キャパシタにおいて、
前記イオン伝導体として、非水系有機電解液を用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。 - 請求項9または10に記載の電気化学キャパシタにおいて、
2つの電極間にイオン伝導体を含むセパレータを設けたことを特徴とする電気化学キャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008006480A JP2009170622A (ja) | 2008-01-16 | 2008-01-16 | 電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008006480A JP2009170622A (ja) | 2008-01-16 | 2008-01-16 | 電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009170622A true JP2009170622A (ja) | 2009-07-30 |
Family
ID=40971482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008006480A Pending JP2009170622A (ja) | 2008-01-16 | 2008-01-16 | 電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009170622A (ja) |
-
2008
- 2008-01-16 JP JP2008006480A patent/JP2009170622A/ja active Pending
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