JP2009168989A - 光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示輝度が高くコントラストの向上した光学フィルム及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】フィルム基板上に第一面とそれに対向する第二面を有する光学フィルムにおいて、該第一面はマイクロレンズにより全面が被覆され、そのマイクロレンズの焦点が該第二面近傍にあり、該第二面上にも該第一面に対応するマイクロレンズをもち、その該第二面上におけるマイクロレンズの被覆率が60〜80%であり、かつ、該第二面上におけるマイクロレンズの非被覆領域が吸収領域を持っていることを特徴とする光学フィルム及び画像表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は画像表示装置に用いる光学フィルムに関する。
PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(陰極線管)等の画像表示装置を明るい所で観察する場合、外光(螢光燈、日光等の外来光)の影響で画面が白化し、画像コントラストが低下すると云う問題が有った。
この問題を解決するためにNDフィルターといわれる光吸収層を画像表示装置の前面に配置し、外光の表示装置内部への入射を抑制する手法が一般的にとられている。
しかしながら、NDフィルターは外光のノイズを吸収するとともに表示装置から出てくる映像光も同時に減衰させてしまうため、表示輝度と明所でのコントラストは取り合いの関係になっていた。
これらの課題に対して、黒色のルーバーを持つフィルムを配置し、外光を吸収する手法や光吸収層と光導出用レンズの組み合わせによりコントラストを向上させる手法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、ルーバータイプの場合光を吸収する方向にどうしても異方性をもつという特性を持ちこれらのフィルムを画像表示装置前面に使用した場合、画像表示装置の垂直方向での視野と水平方向の視野で大きな見え方の違いが出てくることが問題となる。
また、特許文献2に記載の方法は、画像表示装置からくる光の多くを光吸収層が吸収してしまい光のロスが大きい課題があり、表示輝度およびコントラストの向上の両立を果たすには問題を残していた。
特開2006−189867号公報 特開2007−101639号公報
本発明の目的は、表示輝度が高くコントラストの向上した光学フィルム及び画像表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.フィルム基板上に第一面とそれに対向する第二面を有する光学フィルムにおいて、該第一面はマイクロレンズにより全面が被覆され、そのマイクロレンズの焦点が該第二面近傍にあり、該第二面上にも該第一面に対応するマイクロレンズをもち、その該第二面上におけるマイクロレンズの被覆率が60〜80%であり、かつ、該第二面上におけるマイクロレンズの非被覆領域が吸収領域を持っていることを特徴とする光学フィルム。
2.前記光学フィルムを法線方向から見たときの第一面および第二面におけるマイクロレンズの最大長さが10〜100μmであることを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
3.前記第一面のマイクロレンズが正面から見た時に六角形状をしていることを特徴とする前記1又は2に記載の光学フィルム。
4.前記第一面のマイクロレンズの焦点が第二面のマイクロレンズの最下部から±10μmであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
5.前記第二面上におけるマイクロレンズの非被覆領域の吸収領域の吸収率が90%以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
6.前記1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムの第一面が画像表示側に装着されており、第二面が視認側に装着されていることを特徴とする画像表示装置。
7.画像表示装置がプラズマディスプレイパネルであることを特徴とする前記6に記載の画像表示装置。
本発明により、表示輝度が高くコントラストの向上した光学フィルム及び画像表示装置を提供することができた。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の光学フィルムにおいて、第一面はマイクロレンズにより全面が被覆されていることを特徴とする。本特許でいう全面とは、第一基板上におけるマイクロレンズによる被覆領域が99%以上であることを表す。マイクロレンズの形状は、球形、楕円形などの形状を含む。
第一面のマイクロレンズは、その焦点が第二面の近傍にあることを特徴とする。ここでいう焦点距離とは、第一面側からフィルム法線方向に並行な光線を入射した場合に集光する距離が、光学フィルムの厚みと略同等の位置にあることを示す。即ち、第二面のマイクロレンズの最下部から±10μmの所に焦点を有する。具体的には、焦点距離をL、光学フィルムの厚みをTとした場合に以下の式(1)を満足する。
0≦|L−T|/T≦10%・・・・式(1)
本発明の光学フィルムの第二面は、マイクロレンズによる被覆領域とマイクロレンズを含まない非被覆領域からなり、マイクロレンズ被覆領域は第二面の60〜80%の範囲であることを特徴とする。さらに、第二面におけるマイクロレンズによる非被覆領域に吸収領域を持つことを特徴とする。なお本発明でいう被覆領域とは基板上にマイクロレンズを形成した領域のことを表す。また、吸収領域とは可視光を吸収する材料などをコーティング等の種々の公知の手法により形成されている領域を表す。本発明でいう被覆率とはマイクロレンズで覆われている部分の比率を表す。非吸収領域の範囲が40%を超えるとノイズとなる外部光を減少させコントラストを向上させることが出来るが、画像表示装置からの光を減少させる効果が大きく輝度を大きく低下させてしまうため、マイクロレンズの被覆領域は60%以上であることが好ましい。また、吸収領域の第二面上に占める比率が20%より小さい場合には、外光の影響を遮る効果が不十分となるためマイクロレンズの被覆領域は80%以下であることが好ましい。このため、マイクロレンズに被覆領域は60〜80%であることが好ましい。
本発明の光学フィルムは画像表示装置として使用されるため、その解像度に影響を与えないことを特徴とする。画像表示装置の解像度にもよるが、一般的に視認されないという観点から本発明のマイクロレンズの法線方向から見た時の最大長さは100μm以下である必要がある。また、マイクロレンズの最大長さが10μmよりも大きいと干渉現象などの画像表示としての悪影響を抑制できるためマイクロレンズの最大長さは10μm以上であることが好ましい。
本発明の光学フィルムの第一面上のマイクロレンズは、画像表示装置からの光を最大限に視認側に伝搬させる必要があることから、多面体形状であることが好ましい。さらに、視認位置が上下左右に変わってもその時の輝度変化が一定である観点から六角形状であることが好ましい。
本発明の光学フィルムは外光を吸収し、画像表示装置からの光は透過させるという観点からマイクロレンズにより全面が被覆された第一面が画像表示装置側に、また、外光を抑制する光を遮断する観点から吸収領域の存在する第二面を視認側に配置することを特徴とする。
本発明の光学フィルムはディスプレイ表面に使用され、輝度およびコントラストを向上させる役割を果たす。
ノイズとなる外光は第二面側から入射してディスプレイ内部へと侵入し、内部で反射され再び外部へと出射する。本発明のフィルムでは、第二面側に吸収領域を持つためこの外光を効率的に吸収しディスプレイ内部への侵入を防止する役割を果たす。ディスプレイから出射した信号光は第一面から入射し、第一面のマイクロレンズにより集光し第二面近傍で照度ムラを引き起こす。第二面上の照度の高い部分はマイクロレンズが設置されており、それを通過して視認者に映像として出射される。一部の映像光は第二面上の吸収領域に当たり視認者に到達できず輝度を落とす結果となるが、第一面のマイクロレンズによる効果によりその影響は小さいものとなる。また、第二面上のマイクロレンズの形状を適切に設定することにより、ディスプレイの配光を適切に調整することが可能となる。
本発明の光学フィルムに使用される素材として特に限定はないが、可視光域に吸収を持たないものが好ましい。特に、可視光領域での透過率が80%以上のものが好ましい。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ノルボルネン系樹脂、セルロースエステル等の各種樹脂材料を使用することが出来る。中でも、透過率の観点からセルロースエステルが好ましい。
本発明の吸収領域に使用される素材として、特に限定はないが可視光領域における吸収が大きいものが好ましく用いることが出来る。吸収物質としては、黒の着色剤(カーボンブラックの他、従来公知の黒の染料)を分散含有する樹脂または黒の着色剤によって染色された樹脂や、ネガ型の感光性発色材料などが挙げられる。
本発明の光学フィルムのレンズ部分は、平面状のフィルム基材に目的とするレンズと対をなす金型を用いて型押しする手法や紫外線硬化樹脂を塗布した後金型を押し付けながら紫外線硬化によりレンズを作製する手法、など公知の手法を用いて成型することが出来る。
本発明の吸収領域の製造には、第二面上にマイクロレンズを製造した後に塗布により形成する方法が好ましく用いられる。塗布方法としては、ディップコート法、減圧塗布法、バーコート法、IJ(インクジェット)法などが挙げられる。マイクロレンズの形状に影響を及ぼさない観点から、非接触式の塗布方法が好ましい。マイクロレンズを形成した領域以外に吸収領域を形成するため、吸収領域を形成する膜厚および塗布時の溶媒を適宜選択することが好ましい。吸収領域の吸収率は90%以上であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
フィルム基板として、セルロースエステルフィルム(コニカミノルタ社製 KC8UX2MW)を使用した。フィルム基板を形成するレンズ形状と対をなす金型(1)および金型(2)を用い200℃、加重3000kgw、30秒加圧の条件で両面から押し付けることにより基材シートの第一面および第二面にマイクロレンズを形成した。
第二面上のマイクロレンズの非被覆領域にコニカミノルタ社製インクジェットプリントユニットSP−L2130を用いて吸収率が90%以上になるように印字して吸収領域を作製し、本発明の光学フィルムを作製した。
光学フィルムの第一面に作製したレンズの形状及び配列の概略を図1に示す。
第一面に作製したレンズは、正六角形状であり六方細密配列とした。図1中、Lは最大長さ、Pはレンズピッチを表す。すなわち第一面でのレンズ被覆領域は100%である。
光学フィルムの第二面に作製したレンズの形状および配置の概略を図2に示す。
第二面に作製したレンズは、円形であり六方配列とした。図2中、Pはピッチを表し、L2は円の直径を表す。
第二面上のレンズ領域以外は、吸収領域とした。また、フィルム法線方向から見て第一面および第二面のレンズの中心が一致するようにした。第二面上に作製するレンズ被覆領域および吸収領域の比率を変化させ、試料1から試料5までを作製した。試料1および5は比較例、試料2〜4は本発明の試料である。なお第一面および第二面に形成されたレンズ形状による焦点はすべての水準で第二面および第一面の近傍にあった。
試料1〜5とさらに比較例として透過率の異なるNDフィルターを利用し、明所コントラストの測定を行った。得られた結果を表1および図3にまとめて記載する。表1において、比較試料1はフィルムなしで、比較試料2〜4は透過率の異なるNDフィルターである。それぞれ、図3において、a〜iでデータの位置を示す。
(評価方法)
(明所コントラスト測定)
市販のプラズマディスプレイを利用し、最表面に本発明の試料を配置して測定を行った。測定にはELDIM社製EZ−contrastを用いて行った。測定の条件として明所コントラストは、室内で蛍光灯を点灯させた状態でコントラストの測定を行った。
Figure 2009168989
図3から明らかなように、光学フィルム1〜5は比較のNDフィルターに対して正面輝度および明所コントラストの関係が良好なことがわかる。ただし、比較の光学フィルム5は正面輝度がフィルム装着されていない水準に対して輝度が50%以下となっており実用上問題を抱えていることがわかる。
また、目視観察の結果、明所コントラストが15以下の試料1の水準は画像のコントラストが明瞭ではなくコントラスト向上効果が小さかった。
表1及び図3から、本発明の光学フィルム2〜4がコントラスト向上および正面輝度の関係から良好であった。
実施例2
実施例1の光学フィルム3の第一面のおよび第二面のマイクロレンズの長さを変化させた試料を作製し、目視評価により表面のムラを観察した。
(評価方法)
(ムラ評価)
明所コントラストで使用したディスプレイを暗所に条件で目視により評価を行った。評価結果は以下のようにした。
△:ディスプレイのムラが確認しづらい状態
○:ディスプレイのムラが確認できず良好な状態
◎:ディスプレイのムラが全く確認できず良好な状態。
試料3および試料6〜11の光学フィルムの特性とムラ評価を表2にまとめて記載する。
Figure 2009168989
表2の結果から、特に本発明のマイクロレンズの最大長さが10〜100μmの範囲である時に特に良好な均一性が確認できる。
実施例3
実施例1と同様の手法により光学フィルムを作製した。ただし、光学フィルムのレンズ形状は、三角、四角形の二種類に変化させた。三角形のレンズ形状および配置を図4及び図5に、四角形レンズの形状および配置を図6および7に模式的に図示する。三角および四角形状の正面輝度とコントラストは実施例1の結果とほぼ同じ結果となった。但し、目視の結果、三角および四角上レンズでは辺と垂直な方向で正面から傾けた方向でムラが見られ、六角形状レンズのほうが良好な結果となった。
本発明の光学フィルムの第一面に作製したレンズの形状及び配列の概略を示す図である。 本発明の光学フィルムの第二面に作製したレンズの形状及び配列の概略を示す図である。 正面輝度比率と明所コントラストの関係を示す図である。 本発明の光学フィルムの第一面に作製した別の形状のレンズの形状及び配列の概略を示す図である。 本発明の光学フィルムの第一面に作製した別の形状のレンズの形状及び配列の概略を示す図である。 本発明の光学フィルムの第一面に作製した別の形状のレンズの形状及び配列の概略を示す図である。 本発明の光学フィルムの第一面に作製した別の形状のレンズの形状及び配列の概略を示す図である。
符号の説明
L 最大長さ
P レンズピッチ
a 試料1
b 試料2
c 試料3
d 試料4
e 試料5
f 比較試料1
g 比較試料2
h 比較試料3
i 比較試料4

Claims (7)

  1. フィルム基板上に第一面とそれに対向する第二面を有する光学フィルムにおいて、該第一面はマイクロレンズにより全面が被覆され、そのマイクロレンズの焦点が該第二面近傍にあり、該第二面上にも該第一面に対応するマイクロレンズをもち、その該第二面上におけるマイクロレンズの被覆率が60〜80%であり、かつ、該第二面上におけるマイクロレンズの非被覆領域が吸収領域を持っていることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記光学フィルムを法線方向から見たときの第一面および第二面におけるマイクロレンズの最大長さが10〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記第一面のマイクロレンズが正面から見た時に六角形状をしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記第一面のマイクロレンズの焦点が第二面のマイクロレンズの最下部から±10μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記第二面上におけるマイクロレンズの非被覆領域の吸収領域の吸収率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルムの第一面が画像表示側に装着されており、第二面が視認側に装着されていることを特徴とする画像表示装置。
  7. 画像表示装置がプラズマディスプレイパネルであることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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