JP2009159862A - 組換え微生物バイオセンサー - Google Patents

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Isamu Maeda
勇 前田
Kazuyuki Yoshida
一之 吉田
Koichi Inoue
浩一 井上
Shinichi Takaichi
真一 高市
Katsuhiro Isoda
勝広 磯田
Kiyohito Yagi
清仁 八木
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Abstract

【課題】振盪培養器を必要とせず、嫌気条件下での培養により遺伝子組換え細菌を自然界にばら撒くおそれがない、少量の試料から精度よく短期間で簡便にヒ素等の環境中の有害汚染物質を検出することができる、コスト、操作性、迅速性の面で優れたバイオセンサーを提供すること。
【解決手段】被検物質の存在下に、フィトエン不飽和化酵素(CrtI)遺伝子が破壊され、CrtIを発現する機能を喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌に、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターとその下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターが導入されている形質転換淡水性紅色細菌を嫌気的明条件下で培養し、前記形質転換淡水性紅色細菌菌体の緑色から赤色への色調変化の程度を評価し、色調変化が認められた場合、前記被検物質が前記誘導物質を含むと判断する。
【選択図】なし

Description

本発明は、微生物バイオセンサーとして有用な形質転換淡水性紅色細菌や、かかる微生物バイオセンサーを用いたヒ素等の環境中の有害汚染物質の検出方法などに関する。
現在、世界各地で地下水のヒ素汚染が確認されており、深刻な問題となっている。バングラデッシュなどの発展途上国では飲料用としてヒ素に汚染されている地下水を利用していることが多く、高濃度に汚染された水を摂取し続けると皮膚病やガンなど多様な症状をきたすことが判明している(例えば、非特許文献1参照)。こうした水系環境中からヒ素を除去することによる水質改善は公衆衛生の観点からも早急の課題であり、水質改善を行うにあたって、まずはヒ素の検出が重要となるといわれている。ヒ素のような環境中の有害物質の検出には機器分析法によるものがある一方で、バイオセンサーによる簡便な検出法が近年着目され研究されている。
バイオセンサーはコスト、操作性、迅速性の面で注目されており、また酵素反応、抗原抗体反応、リガンドのレセプターへの結合といった生化学的反応を利用することにより特定物質との特異性が高いという特徴を有するため、試料が少量で済み、センシングシステムの微小化も可能となる。様々なバイオセンサーが研究されている中で、微生物細胞を利用した場合、培養が容易なだけではなく遺伝子操作が容易であるため、環境中の検出対象物質やレポーター遺伝子の選択が可能となり、用途の広がりに期待がもてるといわれている。
微生物バイオセンサーにも様々なシステムがある中で、組換え微生物バイオセンサーは宿主細胞、特定の物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーター、そしてプロモーターの下流のレポーター遺伝子の三要素からなり、場合によってレポーターの発するシグナルを検出する装置を組み合わせたシステムを利用するものである。このシステムの場合、レポーターとしてよく利用されているのが細菌やホタル由来のルシフェラーゼ(非特許文献2〜4参照)、オワンクラゲ由来のGFP(非特許文献3及び5参照)、大腸菌由来のLacZ(非特許文献3及び6参照)などである。
本発明者らは、カロテノイド合成系酵素CrtAをレポーターとし、海洋性光合成細菌ロドブラム・サルフィドフィラム(Rhodovulum sulfidophilum)を宿主としたヒ素応答バイオセンサーを既に開発している(非特許文献7)。ロドブラム・サルフィドフィラムはカロテノイド合成系の一種、スフェロイデン経路を有しており、本来はその最終産物であるスフェロイデノンを蓄積し、赤色を呈する細菌である。そしてこのセンサーはスフェロイデン経路の最終段階を触媒するスフェロイデンモノオキシゲナーゼ(CrtA)をコードするcrtAを破壊して得られたcrtA欠損株を用いているため、スフェロイデノンの前駆体のスフェロイデンを蓄積して黄色を呈している。そのためcrtAをレポーター遺伝子とし、その上流にヒ素誘導性のプロモーターを組み込んだプラスミドをロドブラム・サルフィドフィラムの菌体内に導入することで、ヒ素存在下においてCrtA活性が復活し、黄色から赤色への色調変化が起こる。
Y. Hagiwara, et al., (2004) Annuals of Disas. Prev. Res. Inst., Kyoto Univ., No. 47B Wilson T, Hastings JW (1998) Bioluminescence. Annu Rev Cell Dev Biol 14:197-230 Stocker J, Balluch D, Gsell M, Harms H, Feliciano J, Daunert S,Malik KA, van der Meer JR (2003) Environ Sci Technol37:4743-4750 Trang PT, Berg M,VietPH, van Mui N, van der Meer JR (2005) Environ Sci Technol 39:7625-7630 Tsien RY (1998) Ann Rev Biochem 67:509-544 Silhavy TJ, Beckwith JR (1985) Microbiol Rev 49:398-418 Fujimotoet al., (2006) Appl. Microbiol. Biotechnol., 73(2): 332-338
しかしながら、上述のルシフェラーゼやGFPをレポーターとして用いた場合は暗所で検出を行う必要があり、LacZをレポーターとして使用した場合はX−Galが必要であり、ホタル・ルシフェラーゼをレポーターとして使用した場合はD−ルシフェリンが必要である。
また、上述のロドブラム・サルフィドフィラムを利用した生細胞ヒ素応答バイオセンサーは、CrtAが酸素を必要とするケト化反応を触媒するので(Maeda et al., (2006) Appl. Microbiol. Biotechnol., 70, 397-402)、検出のために振盪培養が必要となり、培養液中の溶存酸素濃度により色調変化が左右されるおそれがある。また、ロドブラム・サルフィドフィラムが海水サンプルから単離された細菌であるため、サンプルの塩濃度を3%に調整する必要があるなど作業が煩雑になり、遺伝子組換え細菌を自然界にばら撒くおそれがある。また、黄色と赤色は同じ暖色に属するため、バックグラウンドの状況によっては黄色から赤色への変化を認識することが困難となる場合があった。
本発明の課題は、振盪培養器を必要とせず、嫌気条件下での培養により遺伝子組換え細菌を自然界にばら撒くおそれがない、少量の試料から精度よく短期間で簡便にヒ素等の環境中の有害汚染物質を検出することができる、コスト、操作性、迅速性の面で優れたバイオセンサーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した。ロドシュードモナス・パルストリスは、カロテノイド合成系の一種、スピリロキサンチン経路を有しており(図1参照)、その途中の段階にはフィトエン不飽和化酵素(CrtI)によって無色のフィトエンから段階的に不飽和化が起こり、赤色のリコペンが合成される過程を含むため、赤色を呈する細菌である。しかし、ロドシュードモナス・パルストリスのCrtI遺伝子を破壊したロドシュードモナス・パルストリスの変異株は、フィトエンからリコペンへの合成が進行せず、バクテリオクロロフィルの緑色を呈することが予想された。そこで、振盪培養器を必要とせず、嫌気条件下で培養できる淡水性紅色細菌であるロドシュードモナス・パルストリスと、ロドシュードモナス・パルストリスが有するスピリロキサンチン経路におけるフィトエンからリコペンへのフィトエン不飽和化酵素(CrtI)による不飽和化反応に注目し、野生型ロドシュードモナス・パルストリスのCrtI遺伝子を欠損させたロドシュードモナス・パルストリスの色素変異株をまず構築した。
また、ヒ素化合物に耐性をもつ大腸菌には2つの調節遺伝子(arsR、arsD)、3つの構造遺伝子(arsA、arsB、arsC)からなるarsオペロンが備わっていることが知られており(非特許文献3)、前記のように、本発明者らは、大腸菌に由来するarsオペロンのオペレーター/プロモーター領域とarsR遺伝子、及び光合成細菌ロドブラム・サルフィドフィラムにおいてカロテノイド合成をになうcrtAを広宿主域プラスミドpRK415に挿入することによりヒ素バイオセンサープラスミドを構築していた。
本発明者らは、以上の知見を基に、大腸菌−ロドシュードモナス・パルストリスシャトルベクターpMG103にヒ素応答性CrtI発現ユニットを挿入したベクターを構築し、該ベクターをCrtI遺伝子欠損変異株に導入し、ヒ素応答バイオセンサーの構築を試みた。すなわち、大腸菌由来のヒ素誘導性オペレーター/プロモーター領域の下流にレポーター遺伝子crtIを組み込んだプラスミドを、ロドシュードモナス・パルストリスの菌体内に導入し、ヒ素存在下においてCrtI活性を復活させることで、色調の変化を指標としてヒ素の存在を判定することができることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、(1)フィトエン不飽和化酵素(CrtI)遺伝子の全部又は一部が欠損・置換等の遺伝子変異により破壊され、CrtIを発現する機能を喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌に、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターが導入されていることを特徴とする形質転換淡水性紅色細菌や、(2)ベクターに組み込まれるCrtI遺伝子が、CrtIをコードする構造遺伝子であることを特徴とする上記(1)記載の形質転換淡水性紅色細菌や、(3)ベクターに組み込まれるCrtI遺伝子が、CrtIをコードする構造遺伝子及びプロモーター活性を有さないその制御領域からなることを特徴とする上記(1)記載の形質転換淡水性紅色細菌や、(4)淡水性紅色細菌が、ロドシュードモナス・パルストリスであることを特徴とする上記(1)〜(3)いずれか記載の形質転換淡水性紅色細菌や、(5)誘導性プロモーターが、ヒ素に応答して下流遺伝子への転写を促進するヒ素誘導性プロモーターParsであることを特徴とする上記(1)〜(4)いずれか記載の形質転換淡水性紅色細菌に関する。
また本発明は、(6)被検物質の存在下に、フィトエン不飽和化酵素(CrtI)遺伝子の全部又は一部が欠損・置換等の遺伝子変異により破壊され、CrtIを発現する機能を喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌に、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターが導入されている形質転換淡水性紅色細菌を嫌気的明条件下で培養し、前記形質転換淡水性紅色細菌菌体の緑色から赤色への色調変化の程度を評価し、色調変化が認められた場合、前記被検物質が前記誘導物質を含むと判断することを特徴とする前記形質転換淡水性紅色細菌をバイオセンサーとして使用する方法や、(7)淡水性紅色細菌が、ロドシュードモナス・パルストリスであることを特徴とする上記(6)記載の方法や、(8)誘導性プロモーターが、ヒ素に応答して下流遺伝子への転写を促進するヒ素誘導性プロモーターParsであることを特徴とする上記(6)又は(7)記載の方法や、(9)誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターからなるバイオセンサー用ベクターに関する。
本発明の生細胞ヒ素応答バイオセンサーに用いられているロドシュードモナス・パルストリスは淡水性であるため、地下水などの塩分濃度の低い被検物質をそのまま使用できる。またフィトエンからリコペンへの反応は脱水素反応であるので、酸素が存在しなくても反応が進行し、振盪培養などの処理が不要のため遺伝子組換え細菌を自然界にばら撒くおそれがない。また、緑色と赤色は補色の関係にあるため、被検物質が前記誘導物質を含む場合における本発明の形質転換淡水性紅色細菌の色調変化を認識することが容易となる。
本発明の形質転換淡水性紅色細菌としては、フィトエン不飽和化酵素(CrtI)遺伝子の全部又は一部が欠損・置換等の遺伝子変異により破壊され、CrtIを発現する機能を喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌に、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターが導入されている形質転換体であれば特に制限されず、本発明において淡水性紅色細菌とは、塩分を全く又はほとんど含まない水中で生育する、グラム陰性菌のうち、嫌気的条件下で、細胞膜が嵌入してできた内膜の小胞体状のクロマトフォアに含まれるバクテリオクロロフィルにより酸素を発生しない光合成を行って生育している紅〜褐色を呈する細菌全般を意味する。なお、紅色細菌は近年の16SrRNA系統解析により、プロテオバクテリア門に散在する種々の属に属する細菌であることが明らかとなっている。
このように本発明において使用する淡水性紅色細菌としては、淡水で生育可能であって、かつスピリロキサンチン経路とバクテリオクロロフィル合成経路を有し、スピリロキサンチン経路で合成される種々のカロテノイドの蓄積により菌株が赤色を呈する紅色細菌に属する菌を例示することができ、一般的に通性嫌気性菌で、有機酸を炭素源として好気条件下で生育するほか、光栄養的に嫌気条件下で生育可能である細菌であり、例えば、ロドシュードモナス属、ロドスピリルウム属、ロドミクロビウム属、ロドプラネス属、ロドシスタ属、ロドスピラ属、ロドビウム属、ルブリヴィヴァクス属、及びブラストクロリス属等に属する細菌などを挙げることができ、具体的には、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドシュードモナス・レノバセンシス(Rhodopseudomonas rhenobacensis)、ロドシュードモナス・フェカリス(Rhodopseudomonas faecalis)、ロドスピリルウム・ルブラム(Rhodospirillum rubrum)、ルブリヴィヴァクス・ゲラチノサス(Rubrivivax gelatinosus)、ロドミクロビウム・バニエリ(Rhodomicrobium vannielii)、ロドプラネス・ロゼウス(Rhodoplanes roseus)、ロドシスタ・センテナリア(Rhodocista centenaria)、ロドスピラ・トゥルエペリ(Rhodospira trueperi)、ロドビウム・オリエンティス(Rhodobium orientis)、ブラストクロリス・ヴィリディス(Blastochloris viridis)等を挙げることができ、好ましくはロドシュードモナス・パルストリスを挙げることができる。
本発明の形質転換淡水性紅色細菌を作製するために用いられる宿主細菌、すなわちCrtI遺伝子の全部又は一部が欠損・置換等の遺伝子変異により破壊され、CrtIを発現する機能が喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌は、CrtI遺伝子の全部又は一部を欠損・置換等の遺伝子変異手段により破壊することにより得ることができる。CrtIをコードする構造遺伝子、及びその転写制御領域からなる上記CrtI遺伝子の変異手段としては、CrtIをコードする構造遺伝子(CrtI遺伝子コード領域)を、化学合成、遺伝子工学的手法、突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法により置換、欠失等をさせることにより、CrtIを発現する機能を喪失させる方法を例示することができ、例えば、CrtI遺伝子コード領域の一部又は全部を含む領域に薬剤耐性マーカー遺伝子を導入することにより、CrtI遺伝子を発現する機能を喪失させ、かかる薬剤耐性マーカー遺伝子が導入された細菌が該薬剤に対して耐性になる性質を利用して変異が導入された細菌だけを選別することができる。上記薬剤耐性マーカー遺伝子としては、該遺伝子が導入された細胞を選別できるものであれば特に制限されず、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子等を具体的に挙げることができる。
上記CrtI(フィトエン不飽和化酵素)は、スピリロキサンチン経路の出発物質である無色のフィトエンを脱水素反応により不飽和化することで赤色のリコペンに転換する酵素活性を有するタンパク質である。スピリロキサンチン経路とは、光合成色素のカロテノイド生合成経路の一つであって、前駆体であるゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)2分子が結合して生成したフィトエンからスピリロキサンチンに至る図1に示される経路であり、該経路において合成されたオレンジ色〜赤色を呈する様々なカロテノイドは、化学式C4056の基本構造を有するイソプレノイドの誘導体であって、クロロフィルでは吸収しきれない光(おもに400〜500nm)を吸収することにより光エネルギーの変換効率の増大、酸素ラジカルに対する防御作用等に役立っていると考えられている。
上記誘導性プロモーターとしては、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進するプロモーターであれば特に制限されず、例えば、Pars(オペレーター/プロモーター)(非特許文献3等)、cadAオペレーター/プロモーター(G. Endo, et al. J. Bacteriol.,(1995), Vol.177, No.15, 4437-4441等)、merRオペレーター/プロモーター(J.J.Caguiat, et al., J. Bacteriol.,(1999), Vol.181, No.11, 3462-3471等)などのオペレーター−リプレッサー等と協働して転写を促進するプロモーターやトルエン−ベンゼン代謝経路プロモーター(N.C.Casavant, et al., Environ. Microbiol.,(2003), Vol.5, No.4, 238-249等)、narGプロモーター(K.M.DeAngelis, et al., Appl. Environ. Microbiol.,(2005), Vol.71, No.12, 8537-8547等)、salプロモーター(C.Werlen, et al., Appl. Environ. Microbiol.,(2004), Vol.70, No.1, 43-51等)、PalkBプロモーター/PalkS2プロモーター(I.Cases and V. de Korenzo, Nat. Rev. Microbiol.,(2005), Vol.3, No.2, 105-118等)などのオペレーター−リプレッサーと協働することなく転写を促進するプロモーターを挙げることができ、なかでもPars(オペレーター/プロモーター)を好適に示すことができる。
上記誘導物質としては、具体的には、Parsを賦活化するAs(III)、ビスマス(III)又はアンチモン(III)、CadCタンパク質に結合してcadAオペレーター/プロモーターを賦活化するCd(II)(G. Endo et al., J. Bacteriol.,(1995), Vol.177, No.15, 4437-4441等)、MerRに結合してmerオペレーター/プロモーターを賦活化するHg(II)(J.J.Caguiat, et al., J. Bacteriol.,(1999), Vol.181, No.11, 3462-3471等)、TbuT及びトルエン−ベンゼン代謝経路プロモーターを賦活化するトルエン(N.C.Casavant, et al., Environ. Microbiol.,(2003), Vol.5, No.4, 238-249)、narGプロモーターを賦活化する硝酸(K.M.DeAngelis, et al., Appl. Environ. Microbiol.,(2005), Vol.71, No.12, 8537-8547等)、salプロモーターを賦活化するナフタレン(C.Werlen, et al., Appl. Environ. Microbiol.,(2004), Vol.70, No.1, 43-51等)、AlkS及びalkBプロモーターを賦活化するオクタン(I.Cases and V. de Korenzo, Nat. Rev. Microbiol.,(2005), Vol.3, No.2, 105-118等)などを挙げることができる。
上記誘導物質が上記誘導性プロモーターを賦活化して、下流遺伝子への転写が誘導される。例えば、調節遺伝子arsRによりコードされるArsRはオペロンのオペレーター領域に結合するリプレッサータンパク質が、オペレーターに結合することにより通常はヒ素誘導性プロモーターParsからの下流遺伝子への転写を抑制しているが、細胞内にヒ素が取り込まれたヒ素化合物がArsRと結合すると構造的な変化が起こり、リプレッサーがオペレーターから解離して、Parsからの下流遺伝子への転写が促進される。この他、誘導物質がプロモーター部分に作用することで下流遺伝子への転写が促進されることもある。また、I.Cases and V. de Korenzo, Nat. Rev. Microbiol.,(2005), Vol.3, No.2, 105-118等に記載されているような、オクタンとPalkBプロモーター/PalkS2プロモーターにおける複雑な制御方法等も利用することができる。
また、上記のベクターに組み込まれるCrtI遺伝子としては、CrtIをコードする構造遺伝子及びその転写制御領域からなる遺伝子DNA(例えば、配列番号16に示される塩基配列)を挙げることができるが、誘導性プロモーター非依存的なCrtI遺伝子の転写を確実に抑制するため、転写制御領域(例えば、配列番号16に示される塩基配列のうち、1〜193からなる塩基配列)内のプロモーター活性がない遺伝子DNA、具体的には、CrtIをコードする構造遺伝子からなる遺伝子DNA(例えば、配列番号16に示される塩基配列のうち、194〜1729からなる塩基配列)や、CrtIをコードする構造遺伝子とSD配列からなる遺伝子DNA(例えば、配列番号16に示される塩基配列のうち、182〜1729からなる塩基配列)や、CrtIをコードする構造遺伝子及び変異等によりプロモーター活性を有さないその制御領域からなる遺伝子DNA(実施例2参照)などを好適に例示することができる。
本発明のバイオセンサー用ベクターとしては、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを発現ベクターに組み込んだ組換えベクターであれば特に制限されず、CrtI遺伝子と誘導性プロモーターとを、自立複製可能である発現ベクター、例えば発現コスミドベクター又は発現プラスミドベクター、好ましくは発現プラスミドベクターに適切にインテグレイトすることにより構築することができる。また、CrtI遺伝子が発現できる位置に該誘導性プロモーターの他、リプレッサー遺伝子、エンハンサー、ターミネーター等の制御配列を含有しているものを好適に使用することができる。
本発明の形質転換淡水性紅色細菌の作製における組換えベクターの宿主への導入方法としては、Davisら(BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, 1986)及びMolecular Cloning: A laboratory Manual,3rd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY., 2001.(モレキュラークローニング第3版)等に記載されている方法などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法、例えば、プロトプラスト−PEG法、リン酸カルシウムトランスフェクション法、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション法、カチオン性脂質媒介トランスフェクション法、エレクトロポレーション法、接合伝達(コンジュゲーション)法等により行うことができるが、エレクトロポレーション法、接合伝達(コンジュゲーション)法が好ましい。
本発明の形質転換淡水性紅色細菌をバイオセンサーとして使用する方法としては、上記本発明の形質転換淡水性紅色細菌を嫌気的明条件下で培養し、前記形質転換淡水性紅色細菌菌体の緑色から赤色への色調変化の程度を評価し、色調変化が認められた場合、前記被検物質が前記誘導物質を含むと判断する方法であれば特に制限されず、上記嫌気的明条件としては、バクテリオクロロフィルによる光合成を行うために必要な光量が存在し、かつ酸素が遮断されている状態を挙げることができる。かかる嫌気的明条件で、かつ誘導物質の存在下に培養すると、誘導された不飽和化酵素CrtIの脱水素作用により、紅色細菌菌体内の無色のフィトエン分子の4ヶ所が不飽和化された赤色のリコペンに変換され、最終的にはスピリロキサンチンにまで、スピリロキサンチン経路により変換されることになる。そして、このような嫌気的明条件下での培養には、振盪培養器が不要であり、装置を小型化することができる上に、密封により嫌気的状態を維持するため、遺伝子組換え菌である本発明の形質転換淡水性紅色細菌の周囲環境への漏洩・拡散の危険性を限りなく小さなものとすることができる。
上記のように、本発明の形質転換淡水性紅色細菌の菌体の緑色から赤色への色調変化の程度を評価し、色調変化が認められた場合、前記被検物質が前記誘導物質を含むと判断することができる。具体的には、淡水性光合成細菌であるロドシュードモナス・パルストリスのゲノム上からCrtIをコードするCrtI遺伝子を、例えばカナマイシン耐性遺伝子(Km)と置換することにより破壊したCrtI遺伝子欠損ロドシュードモナス・パルストリス株は、紫〜青及び橙〜赤の波長域の光を吸収して光合成を触媒するバクテリオクロロフィルを保有し、CrtI遺伝子が欠損してスピリロキサンチン経路におけるカロテノイド合成が行われていないため緑色を呈しているのに対し、誘導物質が存在するとプロモーター部分からCrtI遺伝子への転写が促進され、スピリロキサンチン経路における種々のカロテノイドの合成が行われ、かかるカロテノイドの蓄積により赤色を呈するようになることで、被検物質が誘導物質を含むと判断することができる。緑色から赤色への色調変化は、目視により判断することもでき、また、分光測色計により測定することもできる。また、形質転換淡水性紅色細菌菌体の色調の変化を、HSB表色系、RGB表色系、CIE1976L表色系等で表すことができる。例えば、CIE1976L表色系は、波長に基礎をおかず、心理的(色を見たとき)に、同じ色違いに見える色同士の距離(心理的な距離感)を均等に設定した色立体(=色空間)のことであって、例えば赤2色の色違いの度合いと、緑2色の色違いの度合いが、心理的に同じに見えるときには、その2色間の距離を同じにするという考え方のもとに開発されたシステムであり「色の並びが均等にできている」ということで、均等色空間と呼ばれる。L*値(Light:明度)、a値(赤緑方向の色彩)、b値(黄青方向の色彩)という3軸の座標で色が表現され、座標を見れば色が推定できるモデルになっており、例えば、L=100は白、L=0は黒、a>0ならば赤系統の色、a<0なら緑系統、b>0は黄系統、b<0は青系統というように推定できる。このシステムの利点は、色違い(色差)が均等に測れる点であり、三次元の色座標軸上でのベクトルの長さが長いほど視覚上の色変化が大きいと判断される。
一般的にバイオセンサーとは、狭義では酵素や抗体、脂質膜、一本鎖DNA等の基質認識能を利用した、生体反応を電気信号に変換することで読み取る装置を意味する場合もあるが、広義では測定対象物質と選択的に反応する物質の物理的・化学的変化、例えば酵素反応、抗原抗体反応、リガンドのレセプターへの結合といった生化学的反応における生体内分子の高度な分子認識機能を利用したセンサーの総称である。本発明の形質転換淡水性紅色細菌からなるバイオセンサーは、測定に特別な装置及び補酵素等を必要とせずにセンシングデバイスとして微生物細胞そのものを利用することが特徴となっている。本発明の組換え微生物バイオセンサーとして、宿主細胞、特定の物質に応答し、下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーター、そしてその下流のレポーター遺伝子の三要素からなり、形質転換淡水性紅色細菌菌体の色調変化の程度を評価し、色調変化が認められた場合、前記被検物質が前記誘導物質を含むと判断するものであり、場合によってレポーターの発するシグナルを検出する装置を組み合わせたシステムを利用することができるものである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1−1 センサープラスミドの構築
(1)実験材料
使用した培地を表1に、プラスミドを表2に、リンカーDNA(配列番号1、2)及びプライマー(配列番号3〜15)を表3にそれぞれ示す。また、pGEMT(登録商標)ベクターシステムI(Promega社製)のプロトコールに従って形質転換した大腸菌JM109形質転換株の培養はLB培地(表1参照)を用い、培地には必要に応じてアンピシリン(Amp)、カナマイシン(Km)、クロラムフェニコール(Cp)を各終濃度が50μg/mL、30μg/mL、又は100μg/mLとなるよう添加した。また形質転換過程の一時的な培養にはSOC培地(表1参照)を用いた。
Figure 2009159862
表2:実施例1で用いたプラスミド
Figure 2009159862
Figure 2009159862
(2)5’−NdeI−CrtI−SalI−3’断片の作製
レポーター遺伝子として使用するcrtI(上流193bp及びORFを含む領域)(配列番号16)を、ロドシュードモナス・パルストリスNo.7(Fujii et al.(1983) Agric. Biol. Chem. 47, 2747-2753)のトータルDNAを鋳型として、プライマーKpnI−crtIA(配列番号4)及びNdeI−SD−crtIS(配列番号3)を用いて、Pfx50(登録商標)DNAポリメラーゼ(Invitrogen社製)、LA Taq with GCバッファー(TaKaRa社製)、TaqDNAポリメラーゼ(Roche社製)を用い、各プロトコールに従ってポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。得られたPCR断片をMinElute(登録商標)PCR精製キット(QIAGEN社製)を用いて精製し、TAクローニングによりpGEM−T(登録商標)(Promega社製)にプロトコールに従い挿入してpGEMcrtIとし、大腸菌JM109に導入して形質転換した。形質転換株をLB/アンピシリン/IPTG/X−Galプレート上で、青/白カラーセレクションによりスクリーニングを行った。選抜された形質転換株からプラスミドpGEMcrtIを抽出し、制限酵素SphI処理によりcrtIの挿入方向を確認した。crtIがプラスミド上のlacZの転写方向と逆に挿入されたpGEMcrtIを選抜した。
上記pGEMcrtI中のcrtIのDNA塩基配列をシークエンス反応により確認後にpGEMcrtIを制限酵素SalIで処理し、フェノール/クロロホルム処理による精製後、制限酵素NdeI処理した。続いて電気泳動を行い、1.7kb付近のバンドを回収し、MinEluteゲル抽出キット(QIAGEN社製)を用いて、プロトコールに従い5’−NdeI−crtI−SalI−3’DNA断片を精製した(図2参照)。シークエンス反応はBigDyeターミネーターV3.1サイクルシークエンシングキット(Applied Biosystem社製)を用い、サンプルの調製は宇都宮大学のシークエンシング管理者が推奨する節約法のプロトコールに従って行った。
(3)5’−SphI−ΩarsR−NdeI−3’断片の作製
1)5’−PstI−arsR−NdeI−3’断片の作製
オペレーター及びプロモーターと推測される配列を上流に含むarsRのクローニングのためにpSENSE−As(H. Fujimoto, et al., (2006) Appl. Microbiol. Biotechnol.,73, 332-338)を鋳型として表3記載のプライマーttt−PstI−Pars−arsRF(配列番号5)及び5’−CrtA SDR(配列番号6)を用いて上記同様にPCRにより増幅し、得られたPCR産物をMinElutePCR精製キットを用いて精製し、次いで制限酵素PstIとNdeIの処理を行い、5’−PstI−arsR−NdeI−3’断片を作製した。
2)ターミネーター(Ω)のpGEM−Tベクターへの挿入
上記5’−NdeI−crtI−SalI−3’断片の作製時に用いたpGEMcrtIを制限酵素SphIで処理し、バッファーのNaCl濃度を調整後、制限酵素PstIで処理した。続いてcrtI断片を除くため電気泳動を行い、3.0kb付近のバンドを回収し、上記MinEluteゲル抽出キットを用いて、DNA断片を精製した。次に上流にSphIサイト、下流にPstIサイトの粘着末端を付加したターミネーター配列(Ω)(表3参照)を有するリンカーDNAをpGEMT付属のT4DNAリガーゼを用いて挿入してpGEMΩとし、大腸菌JM109に導入して形質転換した。コロニーPCRにより選抜した形質転換株からプラスミド(pGEMΩ)を抽出し、BssHII及びSphI処理を行い簡易的に挿入の確認後、上記と同様の方法のシークエンス反応により配列を確認した。
pGEMΩをNdeI及びPstI処理した後、プラスミドのセルフライゲーションを防ぐ目的で両制限酵素サイト間の6塩基対を除くための電気泳動を行い3.0kb付近のバンドを分別・回収し、上記同様MinEluteゲル抽出キットを用いて、DNA断片を精製した。
3)5’−SphI−Ω−arsR−NdeI−3’断片の作製
上記1)で得た5’−PstI−arsR−NdeI−3’断片を、上記2)で得たpGEMΩへ挿入してpGEMΩParsRとし、大腸菌JM109に導入して形質転換した。コロニーPCRにより選抜した形質転換株よりpGEMΩParsRを抽出した。pGEMΩParsRを鋳型にプライマーM13−Fwd(配列番号7) 及びM13−Rev(配列番号8)を用いて上記同様にPCRにより増幅し、得られたPCR産物を精製後、NdeI及びSphI処理を行い、5’−SphI−Ω−arsR−NdeI−3’断片を得た(図3参照)。
4)pMG105ΩParsRcrtIの作製
pMG105ベクターをSphI処理した後、バッファーのNaCl濃度を調整し、SalI処理を行った。続いてプラスミドのセルフライゲーションを防ぐ目的で両制限酵素サイト間の塩基対を除くための電気泳動を行い5.6kb付近のバンドを分別・回収し、上記同様MinEluteゲル抽出キットを用いてDNA断片を精製した。次に5’−NdeI−crtI−SalI−3’断片及び5’−SphI−Ω−arsR−NdeI−3’ 断片をpMG105ベクターとライゲーションさせたpMG105ΩParsRcrtIを用いて大腸菌JM109を形質転換した。上記青/白カラーセレクション及びコロニーPCRにより選抜した形質転換株よりプラスミド(pMG105ΩParsRcrtI)(図4参照)を抽出した。
5)pMG105ΩParsRcrtICmの作製
CrtI遺伝子を発現する機能を喪失させた、ロドシュードモナス・パルストリスNo.711はゲノム上のcrtIをKmと置換した変異株であるため、カナマイシン以外に感受性のある抗生物質を選択する必要があった。本研究室においてカナマイシン、アンピシリン、パロモマイシン、スペクチノマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンを用いた薬剤耐性試験の結果、クロラムフェニコールに対し感受性が見られたため、クロラムフェニコールを利用することにより、センサープラスミド導入後のスクリーニングを行うことにした。そこでpMG105ΩParsRcrtI中にクロラムフェニコール耐性遺伝子(Cm)を挿入することにした。
pLysS由来のCmをプライマーCmr−SpeIF(配列番号9)及びCmr−SpeIR(配列番号10)を用いて上記同様にPCRにより増幅し、得られたCm断片を精製し、制限酵素SpeI処理をしたpMG105ΩParsRcrtIに挿入して、大腸菌JM109を形質転換した。コロニーPCRにより選抜した形質転換株からプラスミド(pMG105ΩParsRcrtICm)(図4参照)を抽出し、NdeI、SalI及びSpeI処理を行い簡易的に挿入の確認後、シークエンスにより配列を確認した(図4参照)。
1−2 ヒ素応答バイオセンサー株の構築
(1)形質転換
上記pMG105ΩParsRcrtICmをセンサープラスミドとしてロドシュードモナス・パルストリスNo.711を形質転換した。対数増殖期(OD600:0.5)の状態にある−80℃にて保存していたロドシュードモナス・パルストリスNo.711を氷上で融解し、菌体は70μL、DNAは1〜2μL(〜1μg)用いた。パラメーター設定はジーンパルサーを25μF、1.25kV/mmに、パルスコントローラーは250Ωとし、タイムコンスタント値は4.6〜4.8msecになった。直ちに氷上へ移し30分間置き、ビタミン溶液(Vitamin solution:表1参照)を0.5%(v/v)添加した4CyMOM(表1参照)(抗生物質非添加)5mLに植菌し、30℃にて明条件で試験管内で24時間培養した。24時間後、遠心分離により(6,000rpm、5分間)集菌した。エレクトロポレーション時の残存プラスミドを除く目的で、集菌した菌体を2回洗浄(4CyMOM1mLに懸濁し、遠心分離後上清を除去)した。洗浄後、4CyMOM100μLに懸濁したものを基準とし、100倍希釈、1,000倍希釈、10,000倍希釈した希釈液100μLを4CyMOM寒天培地(Cp100μg/mL、200μg/mL)に撒き、30℃にて明条件で培養しスクリーニングした。なお、コロニーが確認できるまで1週間程度要した。
(2)ヒ素検出試験
寒天培地上に緑、赤、白及び中心が緑で縁が赤色をした4種類のコロニーが出現したので、各クローンからプラスミド及びトータルDNAを抽出し、PCRによりヒ素応答性CrtI発現ユニット構造を調べた(図5参照)。またPCRにより形質転換が成功したと考えられる株を選抜後、それらのクローンを用いてヒ素検出試験を行った。結果を表4に示す。いずれのクローンにおいてもヒ素添加による色変化は認められなかった。この原因としてヒ素非添加時においてもNo.711形質転換株が背景色として赤色を呈したことが考えられる。
Figure 2009159862

Color R:赤色、G:緑色、W:白色、R/G:中心が緑で縁が赤色
PCR ○:電気泳動において目的の長さのバンド検出
×:電気泳動において目的の長さとは異なるバンド検出
△:電気泳動において目的の長さのバンドが微かに検出
―:実施せず
As ×:ヒ素検出試験において色調変化なし
―:実施せず
(3)まとめ
ロドシュードモナス・パルストリスNo.711形質転換株がヒ素非添加時に寒天培地上で赤くなった原因として、
1)センサープラスミド導入後にセンサープラスミドがNo.711のゲノムDNAにインテグレートしたため、CrtIがParsではなく内在性crtIプロモーターの制御下で発現した、
2)センサープラスミド上にParsと共に内在性のcrtIプロモーターが含まれていたため、内在性crtIプロモーターの制御下でcrtIが発現した、
3)CrtI発現ユニット上流に挿入したターミネーターが機能せず、センサープラスミド上においてリードスルーが起きた事によりCrtIが発現した、といった可能性があると結論づけた。
2−1 CrtIをレポーターとしたヒ素応答センサープラスミドの再構築
実施例1において構築したプラスミドでは、ロドシュードモナス・パルストリスNo.7株由来のcrtIのORF及びその上流193bpが用いられている。crtIのORFのみを使用することで内在性crtIプロモーターがセンサープラスミド内に配置される可能性を排除することとした。
(1)実験材料
使用したプライマー(配列番号17〜25)を表5に、プラスミドを表6に示す。
Figure 2009159862
Figure 2009159862
(2)crtIの再クローニング
crtIのORFの上流193bpを除くことで、内在性のSD配列も除かれると推測できるので、人工的にSD配列を付加し、さらに転写制御のより強いコンストラクトを目的とし、arsRの終止コドンとcrtIの開始コドンの間にオペレーターを人工的に付加するなどして、図6に示すようにプライマーCrtI−NdeI−SDlessF(配列番号18)とnon−crtIA(配列番号20)を用いて「SD−less」を、プライマーCrtI−NdeI−SDF1(配列番号17)とnon−crtIA(配列番号20)を用いて「SD」を、プライマーNdeI−arsopeSDF1(配列番号19)とnon−crtIA(配列番号20)を用いて「operator」の3種類のセンサープラスミドの構築を試みた。先に構築したセンサープラスミド(pMG105ΩParsRcrtICm)を鋳型に、目的のコンストラクトに合わせた上記プライマーの組合せを用いて(図6参照)、PCRによりcrtIのORFを増幅させ、得られた増幅断片を精製し、TAクローニングによりpGEM−Tベクターへ挿入し、大腸菌JM109を形質転換した。上記青/白カラーセレクションにより形質転換株のスクリーニングを行い、選抜した形質転換株よりプラスミドを抽出し、制限酵素BamHI、NdeI処理によりcrtIの挿入方向を確認した。crtIがベクター上のlacZの転写方向と逆に挿入されたプラスミドを選抜し、NdeI及びSalI処理を行った。続いて電気泳動を行い、1.5kb付近のバンドを回収し、精製して、5’−NdeI−SD−less−crtI−SalI−3’、5’−NdeI−SD−crtI−SalI−3’、5’−NdeI−operator−crtI−SalI−3’を得た。
(3)センサープラスミドの構築
NdeI−SD−less−crtI−SalI、NdeI−SD−crtI−SalI、あるいはNdeI−operator−crtI−SalIと実施例1で用いたSphI−ΩParsR−NdeI、SphI及びSalIの両制限酵素の粘着末端を有するpMG103ベクターをライゲーションした。この過程を経て得られた3種類のプラスミドを用いて大腸菌JM109を形質転換した。カラーセレクション及びコロニーPCRにより選抜した形質転換株からプラスミドを抽出した。NdeI、SalI、SpeI処理を行い簡易的にΩParsRcrtI断片の挿入を確認後、シークエンスにより配列の確認をした。次に、各プラスミドをまずSpeI処理を行い精製後、5’−SpeI−Cm−SpeI−3’をプラスミド上のSpeI粘着末端と連結させた。このプラスミドを用いて大腸菌JM109を形質転換した。形質転換株よりプラスミドを抽出しSpeI処理よりCm断片の挿入の確認後、シークエンスにより配列の確認をした。これらの過程を経て得られたプラスミドをそれぞれSD、SD−less、operatorとする。
(4)ヒ素応答バイオセンサー株の構築
各センサープラスミドを用いて上記実施例1−1同様ロドシュードモナス・パルストリスNo.711を形質転換後、寒天培地上のコロニーからプラスミドを抽出し、PCRによりヒ素応答性CrtI発現ユニット構造を調べた。SDとSD−lessを用いた形質転換で得られたコロニーでは、3種類のプライマーの組合せを用いたPCRでSDあるいはSD−less陽性のコロニーが得られたが、3日間の培養後にコロニーの色が赤色に変化した。このため、SD及びSD−lessはセンサープラスミドとして利用しないことにした。一方、operatorを用いた形質転換で得られたコロニーを観察すると、緑、赤、及び中心が緑で縁が赤色の3種類が認められた。各コロニーからプラスミドを熱抽出し、PCRによりoperatorの構造を維持したプラスミドがコロニー中に保持されているか否かを確認した(図7参照)。そのPCRの結果は表7に示す。構築したoperatorを維持していると考えられるコロニー(クローンNo.20、25、及び36)について更に観察を続けた。
Figure 2009159862

Color R:赤色、G:緑色、R/G:中心が緑で縁が赤色
PCR ○:電気泳動において目的の長さのバンド検出
×:電気泳動において目的の長さとは異なるバンド検出
―:実施せず
クローンNo.20、25は時間が経つとコロニーが赤色に変化し、液体培養においても赤色を呈した。今回、オペレーター領域をarsRの下流に人工的に付加することでより強い転写制御が期待できるコンストラクトを作製したが、完全なCrtI発現ユニットが挿入されたプラスミドをもった形質転換株においてもベースとなるcrtIの発現を完全に防ぐことはできなかった。mRNAからの逆転写産物を用いたRT−PCRにより、arsRからcrtIまでのポリシストロン性のmRNAが転写されていることが確認できたので、導入したオペレーター領域によりCrtI遺伝子の転写が完全に防げないことが原因であると推定される。しかし、実施例1で構築した形質転換株のヒ素非添加の培養液と比較し、クローンNo.36は明らかにベースの赤色が抑えられており、operatorプラスミドでは比較的強いCrtI遺伝子の転写制御が行われていると推測される。またCrtIの翻訳にSD配列付加の有無は関係しないことも明らかになった。
2−2 ヒ素検出試験
(1)実験方法
No.36の形質転換株(表7参照)を用いて、培養液中にヒ素を添加することによる色の変化を視覚的に観察することにより、バイオセンサーとしての有用性の有無を確認した。−80℃にて保存のNo.36の形質転換株を、ビタミン溶液を0.5%(v/v)添加した4CyMOM(抗生物質非添加)5mLに植菌し、30℃、明条件下試験管内で48時間前培養した。次に、前培養液の300μLをビタミン溶液を0.5%(v/v)添加した4CyMOM(Km30μg/mL、Cp100μg/mL)50mLに植菌し、30℃にて明条件で36時間本培養を行った。遠心分離により集菌後、菌体を2回洗浄(4CyMOMに懸濁し、遠心分離後、上清を除去)した。洗浄後菌体を、ビタミン溶液を0.5%(v/v)添加した4CyMOM(抗生物質非添加)により希釈し、OD600を0.5に調整したものを試験管に5mL分注し、亜ヒ酸ナトリウムを添加し、30℃にてタングステンランプ照射条件下で培養した。亜ヒ酸ナトリウム添加24時間後の培養液の色調を確認した。
(2)結果
ヒ素(亜ヒ酸ナトリウム)を添加することにより、ヒ素無添加のコントロールと比較して培養液の赤色が濃くなっていたことが目視により確認できた(図8参照)。この結果から、育種されたバイオセンサー株を用いることで24時間以内に色調変化による亜ヒ酸ナトリウムの検出が可能であることが明らかとなった。このことから、転写スイッチを構成するParsとarsRによる転写調節システムがロドシュードモナス・パルストリスNo.711を宿主とした場合においても機能していることが確認できた。
(3)比較試験
本発明のCrtIをレポーターとしたバイオセンサー(図9(左)参照)と、CrtAをレポーターとし、海洋性光合成細菌ロドブラム・サルフィドフィラムを宿主としたバイオセンサー(図9(右)参照)との嫌気的条件における比較を示す。亜ヒ酸を10ppb及び50ppb添加した場合の、本発明によるバイオセンサーのΔE*abは、それぞれ1.85及び1.94であるのに対し、海洋性光合成細菌ロドブラム・サルフィドフィルムを宿主としたバイオセンサーによる値は、0.35及び0.71であり、本発明によるCrtIをレポーターとしたバイオセンサーは、特に嫌気条件での亜ヒ酸検出が可能である点が特に優れているといえる。
スピリロキサンチン経路を示す図である。 pGEM−TベクターにcrtIを挿入してpGEMcrtIを作製する方法を示す図である。 pGEMΩベクターにarsRを挿入してpGEMΩParsRを作製する方法を示す図である。 pMG105ベクターにcrtI、ΩarsRを挿入してpMG105ΩParsRcrtIベクターを作製し、さらに該ベクターにCmを挿入して、pMG105ΩParsRcrtICmを作製する方法を示す図である。 形質転換ロドシュードモナス・パルストリスが保持するpMG105ΩParsRcrtICmを確認するためのPCRで用いられたプライマーの結合部位を示す図である。PCRaは、tttPstI―ParsarsR(配列番号5)×RpalIU D−4−2(配列番号11)を用いるコロニーPCR;PCRbは、tttPstI―ParsarsR×ParsarsRF(配列番号15)を用いるネストPCR;PCRcは、tttPstI―ParsarsR×CrtID−6(配列番号12)を用いるネストPCR;PCRdは、tttPstI―ParsarsR×RpalIU D−4−2(配列番号11)を用いる総DNAによるPCR;PDReは、CrtID−7(配列番号13)×pMG105lacZF(配列番号14)を用いる総DNAによるPCRを示す。 プラスミド再構築に用いたCrtI遺伝子3種類と、該CrtI遺伝子を構築するために用いたプライマーとを示す図である。1は「5’−NdeI−SD−less−crtI−SalI−3’」、2は「5’−NdeI−SD−crtI−SalI−3’」、3は「5’−NdeI−operator−crtI−SalI−3’」を示す。 形質転換ロドシュードモナス・パルストリスが保持するプラスミド、operatorを確認するためのPCRで用いられたプライマーの結合部位を示す図である。PCRaは、pMG105lacZF2(配列番号21)×RpalIU D−4−2(配列番号22)を用いるコロニーPCR;PCRbは、pMG105lacZF2×CrtID−6(配列番号23)を用いるコロニーPCR;PCRcは、pMG105lacZF2×M13−Rev(配列番号24)を用いるコロニーPCR;PCRdは、pMG105lacZF2×RParsarsRF(配列番号25)を用いるコロニーPCRを示す。 ロドシュードモナス・パルストリス No.711を宿主、crtIをレポーター遺伝子としたバイオセンサー株の微好気明条件下における亜ヒ酸に対する24時間後のレスポンスを示す。 crtIをベースとしたバイオセンサーとcrtAをベースとした旧バイオセンサーとの、比較を表す表である。両バイオセンサーとも亜ヒ酸を添加して24時間嫌気明条件に置かれた後の、L*、a*、b*及びΔE*ab値を示したものである。色差ΔE*abは、L***表色系で規定されるそれぞれの測色値を(L *,a *,b *)及び(L *,a *,b *)としたとき、次式:ΔE*ab=((L−L2+(a−a2+(b−b21/2により求めた。

Claims (9)

  1. フィトエン不飽和化酵素(CrtI)遺伝子の全部又は一部が欠損・置換等の遺伝子変異により破壊され、CrtIを発現する機能を喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌に、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターが導入されていることを特徴とする形質転換淡水性紅色細菌。
  2. ベクターに組み込まれるCrtI遺伝子が、CrtIをコードする構造遺伝子であることを特徴とする請求項1記載の形質転換淡水性紅色細菌。
  3. ベクターに組み込まれるCrtI遺伝子が、CrtIをコードする構造遺伝子及びプロモーター活性を有さないその制御領域からなることを特徴とする請求項1記載の形質転換淡水性紅色細菌。
  4. 淡水性紅色細菌が、ロドシュードモナス・パルストリスであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の形質転換淡水性紅色細菌。
  5. 誘導性プロモーターが、ヒ素に応答して下流遺伝子への転写を促進するヒ素誘導性プロモーターParsであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の形質転換淡水性紅色細菌。
  6. 被検物質の存在下に、フィトエン不飽和化酵素(CrtI)遺伝子の全部又は一部が欠損・置換等の遺伝子変異により破壊され、CrtIを発現する機能を喪失した、スピリロキサンチン経路を有する淡水性紅色細菌に、誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターが導入されている形質転換淡水性紅色細菌を嫌気的明条件下で培養し、前記形質転換淡水性紅色細菌菌体の緑色から赤色への色調変化の程度を評価し、色調変化が認められた場合、前記被検物質が前記誘導物質を含むと判断することを特徴とする前記形質転換淡水性紅色細菌をバイオセンサーとして使用する方法。
  7. 淡水性紅色細菌が、ロドシュードモナス・パルストリスであることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 誘導性プロモーターが、ヒ素に応答して下流遺伝子への転写を促進するヒ素誘導性プロモーターParsであることを特徴とする請求項6又は7記載の方法。
  9. 誘導物質に応答して下流遺伝子への転写を促進する誘導性プロモーターと該誘導性プロモーターの下流に作動可能に連結されたCrtI遺伝子とを組み込んだベクターからなるバイオセンサー用ベクター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101270657B1 (ko) 2011-08-31 2013-06-03 한국원자력연구원 데이노코커스 레디오듀란스를 활용한 색소기반 카드뮴 육안 검출 바이오센서 및 이의 제조 방법
WO2023107188A1 (en) * 2021-12-10 2023-06-15 Massachusetts Institute Of Technology Prediction, biosynthesis, and integration as biosensors of molecules with unique light absorbance signatures and their subsequent in-field remote detection using multi or hyper-spectral cameras

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