JP2009156753A - 熱流センサ用薄膜サーミスタ、及び熱流センサ用薄膜サーミスタを用いた熱流センサ - Google Patents

熱流センサ用薄膜サーミスタ、及び熱流センサ用薄膜サーミスタを用いた熱流センサ Download PDF

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Abstract

【課題】誘導加熱調理器の天板の裏面からでも鍋の底の温度を瞬時に、なおかつ精度良く予測することができ、低価格で量産性に優れた熱流センサ、および熱流センサに使用する熱流センサ用薄膜サーミスタを提供すること。
【解決手段】被検知体表面に接触させて被検知体表面の熱を吸収する受熱板と、被検知体表面と接触する前記受熱板の面の反対面に前記細長基板のひとつの短辺側の側面部分が前記受熱板と接触して配置された前記熱流センサ用薄膜サーミスタと、前記受熱板と対向し前記細長基板のもうひとつの短辺側の側面部分に配置された弾性体と、前記熱流センサ用薄膜サーミスタと前記弾性体とを内包し、前記受熱板を保持する筐体と、から構成される。
【選択図】 図2

Description

測定対象物の深部の温度を熱流測定によって予測する熱流センサ、および熱流センサに用いる熱流センサ用薄膜サーミスタの構造に関する。
従来、人体などの体温測定を含む温度測定法は、熱伝導、熱対流、熱放射によるもので、温度センサが測定対象物と熱平衡になることが必要であった。このために測定対象物の熱伝導性が悪い場合には、熱平衡に至るまでに相当の時間がかかり、測定時間を短縮しようとすれば測定精度が犠牲になってしまう欠点があった。
そこで本出願人は、特開2006−258520号公報によって熱流測定による方法を提案した。図9は、本出願人が提案した電子体温計用プローブの概略図を示している。図9において、この電子体温計用プローブは、基板107の表面に形成された第1温度センサ151a、及び第2温度センサ152aと、第1温度センサ151aと第2温度センサ152aが実装されたプリント配線板101と、人体表面との熱的接触を行うための有底金属パイプ108とからなり、基板107を有底金属パイプ108の内壁面に垂直配置し、基板107の一側面部分が有底金属パイプ108の内壁面に接触するように固定することによって、有底金属パイプ108の内壁面と第1温度センサ151a、及び第2温度センサ152aが形成された基板107間が熱的に結合されるように構成されている。図9に示された電子体温計用プローブにおいて、プローブの有底金属パイプ先端部を人体表面に接触させたときに、第1温度センサと第2温度センサ温度測定値から、熱伝導方程式を用いて体深部の温度を算出するものである。即ち、熱伝導方程式によって、人体表面と第1センサ間、及び第1温度センサと第2温度センサ間で測定される熱流によって人体深部の温度を算出するもので、熱流測定は熱平衡を待たずに人体の正確な温度を速やかに測定できるというものである。
ところで誘導加熱調理器は、誘導加熱コイルに交流電流を供給し、誘導加熱コイルで発生した磁力線が天板に載せられた電気抵抗をもった金属鍋に渦電流を発生させ、ジュール熱によって発熱した鍋が調理物を加熱調理させる調理器具である(図10)。図10において、S100はサーミスタ温度センサ、175はサーミスタ温度センサS100を保持するホルダ、171は誘導加熱調理器の天板、172は誘導加熱コイル、173は天板171に置かれた鍋、174は鍋173の中に入れられた調理物であり、サーミスタ温度センサS100はホルダ175によって天板171に接触されている。この誘導加熱調理器は、調理物174の調理過程において天板171の裏に接触させた温度センサS100(図10ではサーミスタチップをガラスによって封止したサーミスタ温度センサ)によって天板171の裏面の温度を検知し、マイコン(不図示)で誘導加熱コイル172へ交流電流の供給を調整している。しかし天板171の裏に接触させたサーミスタ温度センサS100は、加熱された鍋173の熱によって温められた天板171の裏面の温度を検知しているに過ぎない。天板171は、荷重に耐えられなくてはならないので通常4mm程度の厚みの耐熱ガラスによって出来ている。したがって、鍋の底の熱を吸収した天板171は、天板171の裏まで熱が伝導するまで時間がかかり、サーミスタ温度センサS100への熱伝導の遅れが生じてしまう。従ってこのサーミスタ温度センサS100を内蔵した誘導加熱調理器は、加熱調理時において、鍋173の底の温度と天板171の裏面の温度にズレが生じており、誘導加熱コイル172への交流電流の供給タイミングがずれて必ずしも調理物174が美味しく仕上がるものではなかった。
特開2006−258520号公報
そこで本出願人は、特開2006−258520公報によって提案した深部温度を予測する電子体温計用プローブ(図9)を誘導加熱調理器の天板の裏に接触させて鍋の底の温度を予測する熱流センサに転用できないか検討した。
しかしながら、本出願人は、本出願人が提案した電子体温計用プローブを誘導加熱調理器の天板に接触させて熱流が予測できるか実験を行ったが、天板からの熱を第1温度センサ、及び第2温度センサで吸収すると同時にプリント配線板へも基板から熱が伝導し、熱流が、第1温度センサから第2温度センサの一方向だけではなく、天板の熱を吸収した基板からプリント配線板にも伝導してしまい精度の良い温度予測を行うことができないことが明らかになった。この課題を解消するために基板の熱が、プリント配線板へ伝導することを考慮しマイコンで演算させて熱流を予測する方法もあるが、熱伝導方程式のパラメータが増えるためにマイコンに負担をかけてしまうことになる。
また、本出願人が提案した熱流センサに転用した電子体温計用プローブは、金属パイプに位置精度よく基板を熱結合させるため、第一にプリント配線板に基板を位置精度良く実装しなければならない。更に第二に、プリント配線板は、金属パイプに位置精度よく配置させなくてはならない。このため、高度な実装技術や実装後の基板の配置を検査するための検査装置が必要となり、工数の増加や歩留まり低下をもたらす問題があった。
また、誘導加熱調理器のみならず電化製品に内蔵される電子部品は、家電メーカからの安定供給、低価格の要求に応じるため、電子体温計用プローブを単に誘導加熱調理器へ転用するだけでは、基板がプリント配線板に実装されている構造上、工数の増加や歩留り低下に問題があり、量産性やコスト高に課題があった。
本発明は、上記課題を解消するためになされたもので、誘導加熱調理器の天板の裏面からでも鍋の底の温度を瞬時に、なおかつ精度良く予測することができ、低価格で量産性に優れた熱流センサを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、細長基板と、該細長基板上に形成された2つのサーミスタ薄膜と、該2つのサーミスタ薄膜のそれぞれを外部へ電気的に導出させる前記細長基板上に形成された極細配線パターンとから構成された熱流センサ用薄膜サーミスタにおいて、前記2つサーミスタ薄膜の内、ひとつのサーミスタ薄膜が、前記細長基板のひとつの短辺に近接して配置されていることを特徴とする熱流センサ用薄膜サーミスタである。
本発明の請求項2に係わる発明は、前記2つのサーミスタ薄膜が幅細に形成され、前記細長基板のひとつの短辺に対して平行に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の熱流センサ用薄膜サーミスタである。
本発明の請求項3に係わる発明は、前記細長基板が、アルミナ、ジルコニア、サファイア、或いはシリコンの何れか一つからなることを特徴とする請求項1,2に記載の熱流センサ用薄膜サーミスタである。
本発明の請求項4に係わる発明は、請求項1乃至3に記載の熱流センサ用薄膜サーミスタを用いて構成される熱流センサにおいて、被検知体表面に接触させて被検知体表面の熱を吸収する受熱板と、被検知体表面と接触する前記受熱板の面の反対面に前記細長基板のひとつの短辺側の側面部分が前記受熱板と接触して配置された前記熱流センサ用薄膜サーミスタと、前記受熱板と対向し前記細長基板のもうひとつの短辺側の側面部分に配置された弾性体と、前記熱流センサ用薄膜サーミスタと前記弾性体とを内包し、前記受熱板を保持する筐体とから構成されたことを特徴とする熱流センサである。
本発明の請求項5に係わる発明は、前記熱流センサ用薄膜サーミスタと前記弾性体の間に、熱絶縁板を設けることを特徴とする請求項4に記載の熱流センサである。
本発明の請求項6に係わる発明は、前記受熱板に前記熱流センサ用薄膜サーミスタの細長基板の短辺の側面部分を嵌合する凹陥部を設けることを特徴とする請求項4に記載の熱流センサである。
本発明の請求項7に係わる発明は、前記熱絶縁板に、前記熱流センサ用薄膜サーミスタの細長基板の短辺の側面部分を嵌合する凹陥部を設けることを特徴とする請求項5に記載の熱流センサである。
本発明の請求項8に係わる発明は、前記筐体が、めっきによって表面が覆われていることを特徴とする請求項4に記載の熱流センサである。
本発明に係わる熱流センサを構成する熱流センサ用薄膜サーミスタは、ひとつのサーミスタ薄膜が、細長いアルミナ基板の短辺に近接して形成されることによって、受熱板からの熱を周囲へ放熱させることなく素早く検知することができ、熱伝導方程式に基づいた正確な被検知体の温度を予測させるものである。
本発明に係わる熱流センサを構成する熱流センサ用薄膜サーミスタは、2つのサーミスタ薄膜が幅細に形成され、細長基板の短辺に対して平行に配置されることよって、受熱板から伝わるそれぞれのサーミスタ薄膜の熱勾配の傾きを少なくして検知することができ、熱伝導方程式に基づいた正確な被検知体の温度を予測させるものである。
本発明に係わる熱流センサを構成する熱流センサ用薄膜サーミスタは、配線パターンを極細にすることよって、熱を吸収した2つのサーミスタ薄膜から配線パターンへの放熱を抑えることができ、熱伝導方程式に基づいた正確な被検知体の温度を予測させるものである。
本発明に係わる熱流センサは、プリント配線板を使用することなく熱流センサ用薄膜サーミスタによって作られるので、プリント配線板への放熱の問題を解消することができ、細長基板を伝わる熱流を2つのサーミスタ薄膜で計測することにより精度よく深部温度を予測することができる。
本発明に係わる熱流センサは、プリント配線板を使用することなく熱流センサ用薄膜サーミスタによって作られるので、部品点数が少なく小型化が可能である。
本発明に係わる熱流センサは、受熱板に熱流センサ用薄膜サーミスタを位置精度よく配置させるための凹陥部を設けることにより、熱結合が良好で組み立てが容易になる。
本発明に係わる熱流センサは、弾性体と熱流センサ用薄膜サーミスタとの間に熱絶縁板を設けることにより、熱流センサ用薄膜サーミスタからの放熱を抑制し、熱伝導方程式に基づいた正確な被検知体の温度を予測することができる。
本発明に係わる熱流センサは、熱絶縁板に熱流センサ用薄膜サーミスタを位置精度よく配置させるための凹陥部を設けることにより、組み立てが容易になる。
本発明に係わる熱流センサは、筐体の外表面にめっきを行うことで、電磁誘導などから発生する外来ノイズからシールドでき、熱流センサの誤動作を防止することができる。
以下に本発明に係る熱流センサの実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は本発明に係わる熱流センサの鳥瞰図で、図2は図1のX,Yで切り取られる熱流センサSの内部を説明する断面図である。
図1、および図2において熱流センサSは、熱流センサ用薄膜サーミスタ21と、受熱板6と、弾性体7と、熱絶縁板8と、筐体9(一対の筐体部品9A、9Bで構成されている)と、引出線10とで構成されている。熱流センサ用薄膜サーミスタ21は、受熱板6に設けられた凹陥部6aと熱絶縁板8に設けられた凹陥部8aとで位置精度よく挟持されている。また、熱流センサ用薄膜サーミスタ21は、受熱板6を筐体9の開口部へ固定することにより弾性体7の弾性力によって受熱板6に押さえつけられ、受熱板6と熱的に結合されている。なお図1に示した本発明に係わる熱流センサ外形は、9mm×9mm、高さ10mmの寸法の直方体である。
次に、それぞれの構成部品に関して詳細に説明する。図3に示すように、熱流センサ用薄膜サーミスタ21は、寸法が6mm×1.6mm、板厚0.38mmの細長いアルミナ基板(細長基板)15の表面上にMn、Ni、Coなどの遷移金属酸化物からなるサーミスタ薄膜1、及びサーミスタ薄膜2と、サーミスタ薄膜1、及びサーミスタ薄膜2を外部へ電気的に導出させるためのプラチナからなる極細配線パターン3と、引出線10へ電気的に接続させるための電極パッド4が公知のスパッタ法などの方法で形成されている。更にサーミスタ薄膜1、及びサーミスタ薄膜2は、ガラスペーストをスクリーン印刷の手法で塗布し、焼成炉で焼き付けた保護膜5で覆われている。この保護膜5は、スパッタ法によって例えば二酸化珪素の膜を形成しても良い。この細長いアルミナ基板15は、熱の流れを一方向に制限するために細長い形状にしている。サーミスタ薄膜1は、後述する受熱板からの熱を素早く、尚且つ周囲への放熱を最小限に抑えるために細長いアルミナ基板15の短辺に近接して形成されている。また極細配線パターン3は、熱を吸収したサーミスタ薄膜1、及びサーミスタ薄膜2からの放熱を抑えるために幅が約30μmで極細に形成されている。なお本発明に係わる熱流センサでは、細長基板15にアルミナを用いたが、ジルコニア、サファイア、石英、シリコンなどの基板を用いても良い。更に、サーミスタ薄膜1とサーミスタ薄膜2の距離は、サーミスタ薄膜2とサーミスタ薄膜2に一番近い電極パッド4との距離よりも近くしたほうが好ましい。後述する、引出線10への熱放散を防止し、精度の良い熱流測定を行うためである。
また図4に示したしたとおり、サーミスタ薄膜1、及びサーミスタ薄膜2は、絶縁基板の短辺に対して平行で幅細に形成しても良い。サーミスタ薄膜1,2を幅細に絶縁基板15の短辺に対して平行に形成することによって、受熱板6から伝わるサーミスタ薄膜1、及び2内の熱勾配の傾きを少なくして検知することができ、正確な予測ができる。
図2において、受熱板6は、ステンレス製で、板厚が0.1mmと薄く、中央に熱流センサ用薄膜サーミスタ21の細長基板15の短辺側の側面部分が嵌合するようにハーフエッチングされた凹陥部6aが設けられている。凹陥部6aの深さは、約20μmである。なお受熱板6は、アルミニウム、銅など熱伝導率の良好な材料であれば開示したステンレスに限定されるものではない。また図示しないが、受熱板6は、凹陥部6aの周囲をメッシュ状に形成しても良い。凹陥部6aの周囲をメッシュ状に形成することによって、受熱板6と筐体9との熱抵抗を増加させて熱伝導を抑制することができる。このメッシュ状の受熱板6は、筐体9への熱伝導を抑制させ、受熱板6と熱的に結合している熱流センサ用薄膜サーミスタ21へ効率よく熱伝導させ、熱伝導方程式に基づいた精度の良い深部温度の予測ができる。
また熱絶縁板8は、板厚が1.5mmで、熱伝導率の低いPPS樹脂によって成型されている。熱絶縁板8は、後に説明する筐体9の内部に挿入できるように成型されている。更に熱絶縁板8には、中央に熱流センサ用薄膜サーミスタ21の細長基板15の短辺側の側面部分が嵌合するように形成された凹陥部8aが設けられている。凹陥部8aの深さは、0.5mm程である。
また図2において、弾性体7は、弾力性に富んだシリコンスポンジを用いる。弾性体7は、後に説明する筐体9の内部に挿入できるように成型されている。弾性体7は、シリコンスポンジに限定されるものではなく、図示しないが、コイルばね、板ばね、ゴムなど弾性力が長期に維持できる材料を使用すれば良い。
図2、及び図5において、筐体9は、一対の筐体部品9A、9Bにより有底ケースの形状からなる。筺体9は、受熱板6の熱を放熱させないように熱伝導率の低い樹脂が好ましい。本発明に係わる熱流センサの筐体9は、PPS樹脂を用いた。筐体部品9A、9Bのそれぞれには、熱絶縁板8が弾性体7の弾性力で可動できるような切り欠き部9aと、受熱板6を固定するための切り欠き部9bが設けられている。更に筐体部品9A、9Bのそれぞれには、熱流センサ用薄膜サーミスタ21に接続された引出線10を外部へ導出するための孔9cが設けられている。なお、筐体9となる筐体部品9A、9Bのそれぞれの外表面には、電磁誘導などの外来ノイズを遮断するためにめっきを行っても良い。
次に、本発明に係わる熱流センサの作製方法を図2を基に説明する。まず始めに、熱流センサ用薄膜サーミスタ21は、極細配線パターン3に設けられた電極パッド4に引出線10をはんだ付けの手法によって電気的に接続させる。次に図のように筐体部品9Aの内部に弾性体7をはめ込み、更に熱絶縁板8と受熱板6をそれぞれ筐体部品9Aの切欠き部9a、9bに挿入する。次に、熱絶縁板8の凹陥部8aと受熱板6の凹陥部6aに熱流センサ用薄膜サーミスタ21の基板の短辺側の側面部分をそれぞれ嵌合させる。引出線10は、筐体部品9Aの孔部9cから外部へ導出される。そして最後に筐体部品9Aに筐体部品9Bをはめ合わせ、図1に示した熱流センサSが完成する。
また、図6に示すように、引出線10を電極パッド4に直接接続することなしに、筐体部品9Aの孔部9cに引出線10が電気的に接続されたコネクタ41を嵌合し、このコネクタ41から電極パッド4へそれぞれ電線42をスポット溶接などの手法により電気的に接続しても良い。コネクタ41は、引出線10が引っ張られることによる熱流センサ用薄膜サーミスタ21への応力を防止することができる。なお、電線42は、図示しないが、コイルバネのような伸び縮みする材料でも良い。
次に、本発明に係わる熱流センサの被検知体の深部の温度を計算する方法について説明する。
本発明に係わる熱流センサは、(a)被検知体とサーミスタ薄膜1の間、(b)サーミスタ薄膜1とサーミスタ薄膜2の間の熱流測定によって被検知体表面から深部までの任意の場所の温度を計算するものである。以下に、熱伝導方程式による深部の温度予測アルゴリズムについて説明する。熱源を含まない一次元熱伝導方程式は下記(1)式で表すことができる。
Figure 2009156753
式(1)において、熱流の入口X(in)と出口X(out)における熱流の差はサーミスタ薄膜1とサーミスタ薄膜2の間のギャップをΔxとすると(2)式になる。
Figure 2009156753
ここで、一次元の熱流qは(3)式となる。
Figure 2009156753
差分法を用いると(2)式は次のように書き表せる。
Figure 2009156753
X(in)とX(out)に一定距離Δx離して配置されたサーミスタ薄膜1とサーミスタ薄膜2において、サーミスタ薄膜1が物体に熱的接触することによる熱流の移動による温度変化は近似的に(5)式ように表せる。
Figure 2009156753
ここで、T(B)は物体の温度、T(s1)、T(s2)はそれぞれサーミスタ薄膜1、及びサーミスタ薄膜2の温度、a(in)及びa(out)は上式からそれぞれ以下のように表せる。
Figure 2009156753
上式から[X(in)+X(out)]/2の位置における温度上昇は、物体から入る熱a(in)×[T(B)−T(s1)]から受熱板から出る熱a(out)×[T(s1)−T(s2)]を差し引いたものとして定義できる。本発明に係わる熱流センサは、熱平衡を待たずに熱流に相当する測定温度によって、未知のT(B)、a(in)及びa(out)を上式から求めるものである。
次に、本出願人は、本発明に係わる実施例の熱流センサを用い、誘導加熱調理器の天板に載せた鍋の底部の温度を測定した。図7において、71は誘導加熱調理器の天板、72は誘導加熱コイル、73は鍋、74は鍋に注がれた水、Sは本発明に係わる熱流センサである。また、鍋73の外底部には、本発明に係わる熱流センサSの鍋底の温度予測との温度差を確認するために熱電対75が取り付けられている。天板71は、厚みが4mmの耐熱ガラスで出来ており、鍋73はステンレス製で、直径200mm、深さ100mm、厚みが3mmのものである。鍋73には高さ60mmまで水を注いでいる。更に熱流センサSは、誘導加熱コイル72の中心部に配置されており、天板71に受熱板6が熱的に結合するように接触させている。
本出願人は、実際に誘導加熱コイル72に交流電流を供給し、本発明に係わる熱流センサSの予測値と鍋73の外底部に取り付けた熱電対75の温度を測定し、比較を行った。その結果が図8である。図8のグラフに示したとおり、誘導加熱コイル72に交流電流を供給し始めて30秒間は、本発明に係わる熱流センサSの予測が鍋73の外底部の温度を若干下回っているが、それ以降は、鍋73の外底部の温度を正確に予測できていることが確認できた。
本発明に係わる熱流センサ用薄膜サーミスタ、及び熱流センサ用薄膜サーミスタを用いた熱流センサは、誘導加熱調理器天板の裏面から鍋底の温度を予測する用途のほかに、他の家電、人体温度測定、各種産業機器、OA機器の被検知体となる深部の温度の予測を必要とする箇所に適用可能な熱流センサである。
本発明に係わる熱流センサの鳥瞰図である。 本発明に係わる熱流センサの内部を説明する断面図である。 本発明に係わる熱流センサの構成部品である熱流センサ用薄膜サーミスタを説明する図である。 本発明に係わる熱流センサの構成部品である熱流センサ用薄膜サーミスタの他の実施例を説明する図である。 本発明に係わる熱流センサの構成部品である筐体を説明する図である。 本発明に係わる熱流センサの内部を説明する他の断面図である。 本発明に係わる熱流センサを誘導加熱調理器に実機させた概念図である。 本発明に係わる熱流センサを誘導加熱調理器に実機させて熱流センサで鍋の底面の温度を予測した値を表した図である。 従来の電子体温計用プローブの概略図である。 従来の温度センサを採用した誘導加熱調理器の概念図である。
符号の説明
1 サーミスタ薄膜
2 サーミスタ薄膜
3 極細配線パターン
4 電極パッド
5 保護膜
6 受熱板
7 弾性体
8 熱絶縁板
9 筐体
10 引出線
15 細長基板
21 熱流センサ用薄膜サーミスタ

Claims (8)

  1. 細長基板と、該細長基板上に形成された2つのサーミスタ薄膜と、該2つのサーミスタ薄膜のそれぞれを外部へ電気的に導出させる前記細長基板上に形成された極細配線パターンとから構成された熱流センサ用薄膜サーミスタにおいて、前記2つサーミスタ薄膜の内、ひとつのサーミスタ薄膜が、前記細長基板のひとつの短辺に近接して配置されていることを特徴とする熱流センサ用薄膜サーミスタ。
  2. 前記2つのサーミスタ薄膜が幅細に形成され、前記細長基板のひとつの短辺に対して平行に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の熱流センサ用薄膜サーミスタ。
  3. 前記細長基板が、アルミナ、ジルコニア、サファイア、或いはシリコンの何れか一つからなることを特徴とする請求項1,2に記載の熱流センサ用薄膜サーミスタ。
  4. 請求項1乃至3に記載の熱流センサ用薄膜サーミスタを用いて構成される熱流センサにおいて、被検知体表面に接触させて被検知体表面の熱を吸収する受熱板と、被検知体表面と接触する前記受熱板の面の反対面に前記細長基板のひとつの短辺側の側面部分が前記受熱板と接触して配置された前記熱流センサ用薄膜サーミスタと、前記受熱板と対向し前記細長基板のもうひとつの短辺側の側面部分に配置された弾性体と、前記熱流センサ用薄膜サーミスタと前記弾性体とを内包し、前記受熱板を保持する筐体と、から構成されたことを特徴とする熱流センサ。
  5. 前記熱流センサ用薄膜サーミスタと前記弾性体の間に、熱絶縁板を設けることを特徴とする請求項4に記載の熱流センサ。
  6. 前記受熱板に前記熱流センサ用薄膜サーミスタの細長基板の短辺の側面部分を嵌合する凹陥部を設けることを特徴とする請求項4に記載の熱流センサ。
  7. 前記熱絶縁板に、前記熱流センサ用薄膜サーミスタの細長基板の短辺の側面部分を嵌合する凹陥部を設けることを特徴とする請求項5に記載の熱流センサ。
  8. 前記筐体が、めっきによって表面が覆われていることを特徴とする請求項4に記載の熱流センサ。
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