JP2009156385A - 走行車両の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリ選択スイッチの操作で複数のメモリ変速位置を順番に出力させることにより、目的の変速位置を迅速、的確に選択し、操作性を容易化する。
【解決手段】変速メモリに設定した複数のメモリ変速位置を、メモリ選択スイッチ2の操作で順番に出力させながら選択指定可能に設けた構成とする。変速メモリには、複数の変速位置を記憶させておき、変速時にはメモリ選択スイッチ2を操作する毎に、この複数のメモリ変速位置を順番に出力させながら目的のメモリ変速位置を選択指定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、作業に適する走行変速操作を迅速、的確に行うことができる走行車両の変速制御装置に関する。
例えば、主変速装置と副変速装置とを備えた農用トラクタの走行変速装置であって路上走行モードと作業走行モードに切り替えて変速を行う走行変速装置の作業速において、作業走行モード毎に各副変速位置での使用累積時間が一番長い主変速位置を制御部のメモリに記憶し、副変速レバーを当該変速位置にシフトすることによってこの目的の主変速位置を自動的に操作できる技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開2005−9532号公報(第3頁、図8)。
前記のような従来の所謂メモリ変速にあっては、作業が変った場合等でメモリされた主変速位置が、今回の作業速と一致しない場合がある。このときは、副変速レバーに設けた主変速スイッチ等を複数回にわたり操作して変速を一致させることになり、操作が煩わしいことがある。
請求項1に記載の発明は、コントローラ(9)の変速メモリ(1)に設定した複数のメモリ変速位置を、メモリ選択スイッチ(2)の操作で順番に出力させながら選択指定可能に設けた走行車両の変速制御装置において、前記メモリ変速位置として、前回副変速位置毎に最も長い時間使用した主変速装置(6)の変速位置を設定する使用時間位置モード、副変速位置毎に該主変速位置を任意に設定する任意位置モード、又は、副変速位置(8)の切替により、この切替操作時の車速に最も近い主変速位置に変速する車速差小位置モードを有することを特徴とする。
従って、メモリ変速において、使用時間位置モードでは、各副変速位置毎に最も長い時間にわたって使用した主変速位置を設定するため、この主変速位置は複数設定されることになる。又、任意位置モードにおいても同様である。更に、車速差小位置モードにあっては、各副変速位置相互間にわたって変速される場合の主変速位置の選択であるから、例えば、副変速位置が低速位置から高速位置へ切換られたときは、主変速位置は最低速の変速段位置に選択され、又、逆に副変速位置が高速位置から低速位置へ切換られたときは、主変速位置は最高速の変速段位置に選択されて、過負荷等によるエンジンストップ等を防止する。このような変速により、車速差を小さくして円滑な変速走行を維持させる。又、メモリ変速位置として、これら使用時間位置モード、任意位置モード及び車速差小位置モードの各モード変速位置を組み合せてメモリ変速位置として設定することが可能である。
請求項2に記載の発明は、前記メモリ変速位置を選択指定するメモリ選択スイッチ(2)を、副変速レバー(4)に設けたことを特徴とする。メモリ変速を操作するときは、副変速レバー(4)を作業位置の低速位置、又は高速位置に操作して、メモリ選択スイッチ(2)を押すことによって、前記メモリ選択スイッチ(2)をON、OFFし、複数のメモリ変速位置を順番に出力させながら、目的に適するメモリ変速位置を指定することができる。
請求項1に記載の発明は、メモリ選択スイッチ(2)の操作で指定されるメモリ変速位置が複数あって、この複数のメモリ変速位置を順番に出力させるため、目的の変速位置を迅速、的確に選択することができ、操作性を容易化することができる。
そして、メモリ変速位置として、各種作業、又は変速操作等に応じた変速位置を設定することができ、作業に即応じた変速位置の選択を迅速、的確に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、メモリ変速位置は、副変速位置毎に整理して設定されるため、副変速レバー(4)による副変速操作と、メモリ変速スイッチ(2)によるメモリ変速操作を行うとき、副変速レバー(4)を把持した手の指で、メモリ選択スイッチ(2)を押し操作すればよいから、操作を簡単、かつ容易に行うことができる。
図例に基づいて、車両としてトラクタ作業機を構成し、車体は前部にエンジン10を搭載し、このエンジン10の後側にクラッチハウジングやミッションケース11等を一体的に連結し、この前部に前輪12を、後部に後輪13を軸装して、各々連動駆動して走行する四輪駆動走行可能の構成としている。左右の後輪13間には運転席14を搭載し、フロア15を介して前側のダッシュボード16上にステアリングハンドル17を設ける。このダッシュボード16上にスロットルレバー18や、前後進切替レバー19等を設け、フロア15部にアクセルペダル20や、クラッチペダル21等を配置している。又、運転席14横のフェンダ部に、副変速レバー4や、昇降レバー23等を配置する。この車体の後部には、リフトアーム24によって昇降されるトップリンク25や、ロアリンク26が設けられ、作業機としてロータリ形態の耕耘装置27を連結し、PTO軸28を介して連動回転して、耕耘作業を可能に構成している。
前記ミッションケース11等の伝動構成について、エンジン10からメインクラッチ30を介して前後切替装置5へ連動し、更に、四段変速の第一変速ギヤ61と、二段変速の第二変速ギヤ62とからなる八段変速の主変速装置6、及び、三段変速の副変速装置8等を経て、後輪デフ31に動力伝達し、後輪12を合計二十四段の変速を可能に構成する。また、前輪増速装置32、前輪デフ33等を連動して前輪13を変速連動すべく構成している。又、前記メインクラッチ30からはPTOクラッチ34や、PTO変速装置35を介してPTO軸28を連動する。
これら前後切替装置5の変速ギヤ及び第二変速ギヤ62には変速用油圧クラッチを有し、この切替クラッチをコントローラ9からの電磁出力によって作動する。この電磁出力によって油圧回路のソレノイドバルブ36、37を切替えることによって、各切替クラッチが油圧作動されるパワーシフト形態である。また第1種変速ギヤ61にはシンクロメッシュ形態のクラッチギヤを有し、このクラッチギヤをコントローラ9からの電磁出力によって作動するもので、電磁出力によって油圧回路のソレノイドバルブ38を切替えることによって変速段を切り替える構成である。なお、副変速装置8は3組のギヤの組み合わせで低速・中速・高速の3段に切り替わるコンスタントメッシュ形態の変速装置であり、クラッチギヤは副変速レバー4の操作で切り替わる構成である。
前記副変速装置8や、主変速装置6を操作する副変速レバー4のグリップ部には、主変速を行う増速スイッチ41と、減速スイッチ42を設けると共に、メモリ選択スイッチ2を設ける。この副変速レバー4は、中立位置から低速L、中速M、高速Hの三段の各変速位置に操作するようにレバーガイド43に案内させる。又、この高速H位置から横側へ操作して路上高速HH位置へもシフトすることができる。副変速レバー4を各副変速位置L、M、Hに操作した状態で、主変速を1速位置〜8速位置に操作して、計二十四段の変速を行わせることできるが、路上高速位置HHに操作した状態では、主変速を5速位置〜8速位置の四段変速に制限される。前記増速スイッチ41は1回押す毎に増速スイッチ44をONして、主変速を一段毎シフトアップすることができる。又、減速スイッチ42を1回押す毎に減速スイッチ45をONして、主変速を一段毎シフトダウンすることができる。
前記コントローラ9には、この変速制御を行うためのCPUや、制御プログラム、変速メモリ1等を有し、この入力側には、前記増速スイッチ44、減速スイッチ45、変速制御を入り切りする変速制御入切スイッチ46、メモリ選択スイッチ2、副変速位置センサ47、前後進スイッチ48、クラッチペダル踏込スイッチ49、アクセル位置センサ50、エンジン回転センサ51、前輪回転センサ52、後輪回転センサ53等を接続する。
又、出力側には、前記各制御バルブ36、37、38等のソレノイドと、前後進切替装置5のソレノイド、リフトアーム24を昇降するための作業機昇降用制御バルブのソレノイド、操作盤の液晶モニタ54や、ブザー、表示ランプ等を配置して出力することができる。
ここにおいて、この変速制御装置は、変速メモリ1に設定した複数のメモリ変速位置を、メモリ選択スイッチ2の操作で順番に出力させながら選択指定可能に設けた走行車両の変速制御装置の構成とする。変速メモリ1には、複数の変速位置を記憶させておき、変速時にはメモリ選択スイッチ2を操作する毎に、この複数のメモリ変速位置を順番に出力させながら目的のメモリ変速位置を選択指定する。
又、前記メモリ変速位置として、前回副変速位置毎に最も長い時間使用した主変速位置を設定する使用時間位置Aモード、副変速位置毎に主変速位置を任意に設定する任意位置Bモード、又は、副変速位置の切替により、この切替操作時の車速に最も近い変速位置に変速する車速差小位置Cモードを有することを特徴とする。
前記メモリ変速において、使用時間位置Aモードでは、各副変速位置毎に最も長い時間にわたって使用した主変速位置を設定するため、この主変速位置は複数設定されることになる。又、任意位置Bモードにおいても同様である。更に、車速差小位置Cモードにあっては、各副変速位置相互間にわたって変速される場合の主変速位置の選択であるから、例えば、副変速位置が低速位置から中速位置へ切換られたときは、主変速位置はこの副変速位置レンジの最低速の主変速段位置に選択され、又、逆に副変速位置が中速位置から低速位置へ切換られたときは、主変速位置はこの副変速位置レンジの最高速の主変速段位置に選択されて、過負荷等によるエンジストップ等を防止する。
このような変速により、車速差を小さくして円滑な変速走行を維持させる。又、メモリ変速位置として、これら使用時間位置Aモード、任意位置Bモード、及び車速差小位置Cモードの各モード変速位置を組み合せてメモリ変速位置として設定することが可能である。
更には、前記メモリ変速位置を選択指定するメモリ選択スイッチ2を、副変速レバー4に設けたことを特徴とする。メモリ変速を操作するときは、副変速レバー4を作業位置の低速位置L、乃至高速位置Hに操作して、メモリ選択スイッチ2をON、OFFし、複数のメモリ変速位置を順番に出力させながら、目的に適するメモリ変速位置を指定することができる。
前記自動変速には、アクセルペダル20の操作によるアクセル変速と、前回に使用された最長使用時間位置等に自動変速されるメモリ変速とがある。このうちアクセル変速は、路上走行を行うとき、副変速レバー4を路上高速位置HHに操作し、前後進切替レバー19を前進位置に操作してクラッチを接続すれば、後はアクセルペダル20を操作するだけで自動で変速位置がアップ、ダウンされるために、楽に路上走行することができる。
詳述すると、アクセルペダル20には、この踏込位置(エンジン10の回転設定位置)を検出するアクセル位置センサ50を設け、エンジン10の出力軸には実際の回転数を検出するエンジン回転センサ51を設けている。そして、副変速レバー4を予め設定して路上高速位置HHにシフトさせると、コントローラ9によって、まずこの副変速HHレンジの全主変速位置の内、路上走行に適した主変速位置が自動的にセットされる。そして、実際に走行すると、アクセルペダル20の踏込位置によって設定されたエンジン回転数と、実際のエンジン回転数とが比較され、ペダル踏込位置に適したエンジン回転数が出力されていれば、前記コントローラ9により主変速装置6を一段毎にシフトアップさせる。反対に、エンジン10に負荷が掛かりペダル踏込位置に適したエンジン回転数が出力されていなければ、その位置を保持し、更にこの状態が継続すれば一段毎にシフトダウンさせる。
前記メモリ変速では、コントローラ9の変速メモリ1に予め設定するメモリ変速位置を選択指定することによって行われものである。この変速メモリ1に設定するメモリ変速位置として、使用時間任意位置Aモードと、任意位置Bモード、車速差小位置Cモードとがある。これらの内のいずれかの変速位置A,B,又はCモードの複数位置を、副変速位置レンジにおける主変速位置として設定しておき、メモリ変速の自動変速制御時には、これらのいずれかのメモリ変速位置を選択して自動変速させるものである。
そして、圃場を移動して作業を行うとき、副変速レバー4を作業位置(低速L、中速M、又は高速H位置で、路上高速位置HHを除く)に操作して、メモリ選択スイッチ2によって、例えば使用時間位置Aモードを選択したときは、主変速は過去最も長時間にわたって使用した変速位置Aに自動的に瞬時に切替り、使い慣れた変速位置で作業を開始することができる。
前記コントローラ9にはメモリ1、乃至カウンターを備えて、副変速レバー4を作業位置である低速L、中速M、又は高速H位置のいずれかに設定すると、コントローラ9では副変速位置L、M、H毎に当該レンジにおける各主変速位置の累積使用時間をカウントして変速メモリ1に記憶している。
そして、副変速レバー4を操作して副変速位置をこれいずれかの位置にシフトすると、このシフトした副変速位置におけるメモリ主変速位置に自動的に切替えられる。このようにメモリ変速では、副変速レバー4を作業位置にシフトするだけで、主変速位置が自動的に選択されて、慣れた変速位置で、作業を直ちに開始することができる。
前記任意位置Bモードは、メモリ選択スイッチ2を利用して設定することが可能に構成している。このメモリ選択スイッチ2を長時間(例えば1秒以上)押して、副変速位置毎の主変速位置を増速スイッチ41、又は減速スイッチ42等の操作によって適宜の目的変速位置に変速して変速メモリ1に設定したものである。このメモリ設定位置は各作業速副変速位置毎に複数宛て設定することができる。このメモリ選択スイッチ2の短時間(1秒以内)の操作時は、メモリ変速の切替操作を行うことができ、長時間押し操作したときのみ主変速位置を変速メモリ1に登録することができる。
又、車速差小位置Cモードは、副変速を切替えるときの切換副変速位置レンジで、切換前変速位置と車速の最も近い位置に主変速するもので、例えば、副変速を中速Mから低速Lレンジの主変速位置へ切替変速する場合は、低速Lレンジの主変速8速位置へ切替制御するものである。又、逆に副変速レンジを低速L位置から中速M位置へ切替えたときは、この低速Lレンジの主変速位置を中速Mレンジの主変速1速位置へ切替制御するものである。
前記各制御モードA,B,Cの各データが変速メモリ1に記憶設定されることによって、自動制御スイッチ46をONし、副変速レバー4を作業位置に操作してメモリ選択スイッチ2を短時間(1秒以下)押して該選択スイッチ2をONする毎に、このメモリ1に登録されている副変速位置レンジ内の複数の制御モードが順番に出力されて、モニター54に表示されるため、操作目的の制御モードA,B,またはCが表示されるとき、メモリ選択スイッチ2の押しを停止することによって、この表示モードA,B,又はCが選択指定される。このようにして作業に適応する変速位置が選択されると、アクセルペダル20の操作によって作業走行することができる。
このようなメモリ主変速の切替は、規定車速以下の車速になっている場合にのみ可能にしている。高速走行中に大きく変速レンジが変更されると、危険な場合があるため、規定車速以下でのみ作動させて、安全を図る。
このような変速走行、乃至作業走行中において、メモリ選択スイッチ2を長時間(1秒以上)押すと、現在走行しているときの主変速位置が現在の副変速位置の任意メモリ位置(任意位置Bモード)として変速メモリ1に記憶することができる。
更に、メインクラッチ30を切りにして、前後進切替装置5を中立位置に操作し、作業走行を一旦停止することができるが、前回の変速操作からの経過時間が規定の短時間内に、前記と同様にしてメモリ選択スイッチ2を押して、メモリ変速位置の切替選択を行うことができる。
又、前記副変速レバー4を路上高速位置HHに変速したとき、アクセルペダル20操作と連動の前記アクセル変速を作動する場合に、このアクセル変速制御の入り切り操作を、メモリ選択スイッチ2によって兼用して行わせる構成として、操作スイッチ等の数を少なくすることが可能である。
又、前記副変速レバー4のメモリ選択スイッチ2による複数メモリ変速位置の切替は、メインクラッチ30の操作と連動して行うように構成することも可能であり、操作を簡単に行なうことができる。この場合、メインクラッチ30のクラッチペダル21をメモリ選択スイッチ2と兼用させることができる。
又、このクラッチペダル21によるメモリ変速位置の切替は、作業を継続していて、一時中断するような場合に、メインクラッチ30を操作し停車させる場合がある。ここでメモリ変速位置が変更されると、作業者の意図に反した変速位置になってしまうことがあるため、前記副変速レバー4を操作した後、規定時間内のクラッチ30操作時のみ変更するように構成する。
又、主として図7に基づいて、前記副変速レバー4のグリップ部にクラッチボタン51を設け、このクラッチボタン51を押すことによって、前記メインクラッチ30を切り操作するときのみメモリ変速位置を切替ることができる構成としたものである。この形態では前記クラッチペダル21の操作ではメモリ変速を行わない構成とする。
メモリ変速制御のブロック図。 そのフローチャート。 トラクタの側面図。 副変速レバー部の側面図。 伝動系路図。 変速レンジ表。 一部別例を示す副変速レバー部の斜視図。
符号の説明
1 変速メモリ
2 メモリ選択スイッチ
4 副変速レバー
5 前後進切替装置
6 主変速装置
8 副変速装置
9 コントローラ

Claims (2)

  1. コントローラ(9)の変速メモリ(1)に設定した複数のメモリ変速位置を、メモリ選択スイッチ(2)の操作で順番に出力させながら選択指定可能に設けた走行車両の変速制御装置において、前記メモリ変速位置として、前回副変速位置毎に最も長い時間使用した主変速装置(6)の変速位置を設定する使用時間位置モード、副変速位置毎に該主変速位置を任意に設定する任意位置モード、又は、副変速位置(8)の切替により、この切替操作時の車速に最も近い主変速位置に変速する車速差小位置モードを有することを特徴とする走行車両の変速制御装置。
  2. 前記メモリ変速位置を選択指定するメモリ選択ボタン(3)を、副変速レバー(4)に設けたことを特徴とする請求項1に記載の走行車両の変速制御装置。
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