JP2009148737A - イオン除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水から発生するスケールや界面活性剤などのイオンを除去することができる、特に、低コストでコンパクトなイオン除去装置を提供する。
【解決手段】
被処理水の流路中に配置された通水性の第1の電極と、該第1の電極の下流側に位置して当該第1の電極に電気的に接続される導電性繊維と、該導電性繊維の下流側に位置して、前記第1の電極と対を成す通水性の第2の電極と、該第2の電極と前記導電性繊維間に介在された絶縁性多孔質スペーサと、前記両電極に印加する電流を制御する制御手段とを備え、前記両電極に印加する電流値を制御することにより、前記絶縁性多孔質スペーサで被処理水中のスケールを除去するスケール除去工程と界面活性剤を除去する界面活性剤除去処理工程の何れかを実行する。

【選択図】図3

Description

本発明は、水からスケールや界面活性剤などのイオンを除去するイオン除去装置に関するものである。
従来より、コンデンサなどの被冷却対象を水にて冷却するクーリングタワーや電解水を生成する電解水生成装置などでは、水が使用されているが、この水中からスケールが発生し易く、発生したスケールは伝熱面や配管、又は、電極などに付着して悪影響を及ぼす不都合を招いていた。このため、定期的に薬剤を添加してスケールの発生を防止していた。しかしながら、薬剤を添加する場合には、添加する薬剤濃度や薬品の在庫の十分な管理と、使用する薬剤の十分な知識が必要となり、このような繁雑な作業や取り扱い状の危険性、更には、薬剤処理による環境負荷への影響などから薬剤を用いずにスケールを除去する技術が求められていた。
その一つとして、水を電解処理することでスケールを防止する試みがなされて来ている。当該電解処理は、水中に一対の電極を浸漬し、これら電極間に電圧を印加して、陰極の表面に炭酸カルシウムやケイ酸マグネシウムなどの硬度成分を析出させ、付着させる。次に、電極の極性を転換して上記スケール成分を電極から剥離した後、別の装置でこれらスケール成分を回収して、係る硬度成分を除去処理するものであった。そして、スケールが除去された水(被処理水)を前述したクリーングタワーの冷却水や電解水生成装置の電解水を生成するための水として用いることで、これら装置の伝熱面や配管内、又は、電極などにスケールが発生する不都合を解消することができるようになった(例えば、特許文献1参照)。
一方、洗濯機等の洗浄装置では、洗浄工程で界面活性剤を含んだ洗剤が使用されるが、従来より水中から界面活性剤を除去して排出する試みが成されてきている。この界面活性剤を含む廃水処理方法として、廃水に凝集材を転化した後沈澱させ、続いてろ過することにより処理する方法や、UV照射により界面活性剤を分解して処理する方法など様々な方法が提案されてきている。
特開2001−259690号公報
しかしながら、前述したスケール除去装置では少なくとも電解を行う電解装置と、電極から剥離させたスケールを回収する回収装置とが必要となり、装置の設置面積が広く要求されるという問題が生じていた。
また、電解装置と回収装置とを接続する配管に剥離したスケールが付着して配管が詰まる恐れがあった。更に、電極に付着したスケールを剥離させるためには、極性の転換を行う必要があるが、この極性の転換によるスケール成分の剥離作業は電極の劣化の要因となるため、なるべく極性転換を行わずに運転することが求められていた。
更に、スケールの除去に加えて、界面活性剤の除去を行うためには界面活性剤除去用の装置を追加しなければならず、全体の装置がより大型化し、コストの増大を招くといった問題が生じる。更にまた、従来では1つの系内で、スケールと界面活性剤の除去を可能とした装置はなかった。
本発明は、係る従来技術を解決するために成されたものであり、被処理水から発生するスケールや界面活性剤などのイオンを除去することができる、特に、低コストでコンパクトなイオン除去装置を提供することを目的とする。
本発明のイオン除去装置は、被処理水の流路中に配置された通水性の第1の電極と、該第1の電極の下流側に位置して当該第1の電極に電気的に接続される導電性繊維と、該導電性繊維の下流側に位置して、前記第1の電極と対を成す通水性の第2の電極と、該第2の電極と前記導電性繊維間に介在された絶縁性多孔質スペーサと、前記両電極に印加する電流を制御する制御手段とを備え、前記両電極に印加する電流値を制御することにより、前記絶縁性多孔質スペーサで被処理水中のスケールを除去するスケール除去工程と界面活性剤を除去する界面活性剤除去処理工程の何れかを実行することを特徴とする。
請求項2の発明のイオン除去装置は、上記発明において前記界面活性剤がアニオン性かカチオン性かに応じて、前記界面活性剤除去処理工程において前記両電極に印加する電位の極性を切り替える手段を有することを特徴とする。
請求項3の発明のイオン除去装置は、上記発明において前記電性繊維は、炭素繊維、活性炭素繊維、白金繊維、チタン繊維、カーボンナノチューブ、並びにそれぞれ触媒を塗布した炭素繊維、樹脂繊維、活性炭素繊維、チタン繊維の何れか、若しくは2種類以上含むことを特徴とする。
請求項4の発明のイオン除去装置は、上記発明において前記界面活性剤除去工程において前記第1の電極に正電位を印加する場合、前記電流値500mA以下、又は電力値25W以下とすることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電極に印加する電流値を制御することにより、絶縁性多孔質スペーサによるスケール除去処理工程と界面活性剤除去処理工程のいずれかを実行するので、例えば、スケール除去処理工程では電極に流す電流値が高く、界面活性剤除去処理工程では電極に流す電流値が低くなるように制御することで、被処理水を支障なく流通させながら、スケールの回収と、界面活性剤の回収とを行うことができる。特に、界面活性剤除去処理工程では、スケール除去処理工程において電極に流す電流値より著しく低い電流値にて、被処理水中から界面活性剤を除去処理することが可能であるので、消費電力を著しく低減することができる。
更に、請求項2の発明の如く界面活性剤がアニオン性(陰イオン性)かカチオン性(陽イオン性)かに応じて、界面活性剤除去処理工程において電極に印加する電位の極性を切り替える手段を有するので、アニオン性の界面活性剤を処理する場合には、上記手段を操作して、第1の電極に正電位を印加し、第2の電極に負電位を印加させることで、導電性繊維表面におけるイオンの吸着現象により、アニオン性の界面活性剤が吸着し、絶縁性多孔質スペーサにてアニオン性の界面活性剤を効果的に回収することができる。また、カチオン性の界面活性剤を処理する場合には、上記手段を操作して、第1の電極に負電位を印加し、第2の電極に正電位を印加させることで、導電性繊維表面上でのイオン吸着現象を利用し、絶縁性多孔質スペーサにてカチオン性の界面活性剤を効果的に回収することができる。
特に、アニオン性の界面活性剤を処理する場合には、上述の如く第1の電極に正電位を印加し、導電性繊維も正電位に帯電させるが、この場合、正電位に帯電した導電性繊維付近の被処理水は酸化され、水酸化物イオンが放電して酸素が発生し、酸性水となる。このため、高い電流値で電極に電圧を印加すると、酸化力の高い酸素が多量に発生し、導電性繊維を腐食し、耐久性を著しく低下するので、界面活性剤の除去率が低下する問題がある。そこで、請求項3の発明の如く第1の電極に正電位を印加する場合には電流値500mA以下、又は電力値25W以下に制御することで、導電性繊維の腐食を抑制することができ、安定的に界面活性剤を除去することが可能となる。
本発明のイオン除去装置は、被処理水からスケールや界面活性剤などのイオンを除去するものであり、衣類や食器などを洗浄する洗浄装置、コンデンサなどの被冷却物を冷却するクーリングタワーや水を電解処理して次亜塩素酸や酸性水などの殺菌水やアルカリイオン水などの電解水を生成する電解水生成装置など被処理水を用いた種々の装置に適用することができる。以下、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。
先ず、本発明のイオン除去装置を洗浄装置に適用した場合について説明する。本実施例では、本発明のイオン除去装置を衣類等の洗濯に用いられる洗濯機Wに適用した場合を例に挙げて説明する。具体的に、本実施例のイオン除去装置は、洗濯機Wの排水通路に設置して、洗浄水やすすぎ水に含まれる界面活性剤やスケールなどを除去するものとする。
図1は本発明のイオン除去装置を適用した洗濯機Wの概略構成図、図2は図1の洗濯機Wにおける水の流れを示す図である。
本実施例の洗濯機Wは、衣類等の被洗濯物の洗浄に用いられるものであり、外郭を構成する本体101により構成されている。この本体101の前面には、被洗濯物を出し入れするための開口扉103が取り付けられており、該開閉扉103の上方に位置する本体101の前面上部には、各種操作スイッチや表示部が設けられた操作パネル104が配設されている。
本体101内には、樹脂製の図示しない外槽ドラムとこの外槽ドラムの内側に配設された洗濯槽と脱水槽を兼ねるステンレス製の内槽ドラム102から成るドラム本体Dが設けられている。外槽ドラム及び内槽ドラム102は、共に有底筒状を呈しており、円筒の軸を前上方から後下方に延在する斜め方向となるように配設され、上端開口は、本体101に設けられる開閉扉103に向けて斜め上方向となるように配設されている。そして、内槽ドラム102は内部が被洗濯物を収容する収容室105とされ、当該内槽ドラム102の図示しない回転軸は、外槽ドラムに装着された駆動モータ108の軸109に連結され、当該軸109に連結された内槽ドラム102の回転軸を中心とし、内槽ドラム102は外槽ドラム内で回転可能に保持されている。また、内槽ドラム102の全周壁には、空気及び水(被処理水)が流通可能な多数の透孔(図示されない)が形成されている。
前記駆動モータ108は、洗濯運転の洗浄工程及びすすぎ工程時において、前記軸109を中心として内槽ドラム102を回転させるためのモータである。尚、駆動モータ108は後述する制御装置Cにより駆動が制御されている。また、駆動モータ108は、軸109の他端に装着されている。
前記本体101の上部には、給水通路112が設けられており、この給水通路112の一端には、内槽ドラム102内に水道水を供給するための給水源107が給水バルブ112Vを介して接続されている。この給水バルブ112Vは前記制御装置Cにて開閉制御される。
また、給水通路112の他端は、外槽ドラムの内部と連通しており、制御装置Cにて給水バルブ112Vが開放されると、外槽ドラム内に設けられた内槽ドラム102内の収容室に給水源107から水(水道水)が供給されるように構成されている。
そして、外槽ドラムの下部には収容室105にて用いられた後の洗浄水やすすぎ水を収容室105から排出するための排水通路113の一端が接続され、この排水通路113の他端には、貯留タンク110が排水バルブ113Vを介して接続されている。そして、貯留タンク110の最下部には二つの出口110A、110Bが形成されており、一方の出口110Aには、循環通路115の一端が接続され、この循環通路115の他端には、貯留タンク110内に貯えられた上記洗浄水やすすぎ水等(被処理水)からスケールや界面活性剤などのイオンを除去するための本発明のイオン除去装置Sの流入口3が循環バルブ115Vを介して接続されている。
そして、イオン除去装置Sの上端部には、流出口4が形成されており、当該流出口4には、循環通路116の一端が接続されている。そして、循環通路116は、イオン除去装置Sの流出口4に接続された一端からイオン除去装置S外部に延出し、他端はポンプPを介して貯留タンク110に接続されている。また、貯留タンク110の最下部に形成された他方の出口110Bには外部排水通路114の一端が接続されている。そして、外部排出通路114は外部排水バルブ114Vを介し、他端は洗濯機Wの外部の排水溝にて開口して、ここから洗濯機Wの排水が外部に排出可能とされている。上記ポンプPの運転、外部排水バルブ114V及び循環バルブ115Vの開閉も前記制御装置Cにて制御されている。
ここで上記イオン除去装置Sについて図3を用いて詳述する。図3は洗濯機Wの本体101の下部に設置されたイオン除去装置Sの概略構成図である。被処理水が流れる流路中に配置されており、被処理水を導入する流入口3が下端部に設けられ、流出口4が上端部に設けられたケース5と、このケース5内に収容された通水性を有する網目状(メッシュ状)の第1の電極6と、この第1の電極6の下流側に位置して第1の電極6に電気的に接続され通水性を有する導電性繊維8と、この導電性繊維8の下流側に位置して、第1の電極6と対を成す通水性を有する網目状(メッシュ状)の第2の電極7と、第2の電極7と導電性繊維8間に介在された通水性を有する絶縁性多孔質スペーサ9などを備えている。
ケース5はガラスや樹脂材などの絶縁部材から成り、本体10と、この本体10の上下開口を閉塞する蓋部材12、13から構成されている(図4)。本体10は、縦長円筒状を呈した壁面10Aと、この壁面10Aの上下端部に円周方向(図4では横方向)に延出し、所定の厚みを有した上下縁部10B、10Cから成る。そして、本体10の壁面10Aの内側には前記各部材(網目状電極6、7、導電性繊維8及びスペーサ9)を収容する処理室15が形成されている。実施例の本体10の内径(壁面10Aの内径)は40mmとされている。
上記蓋部材12には、当該蓋部材12を軸方向(図4では上下方向)に貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔は処理室15を経た被処理水を処理槽1から取り出すための流出口4とされている。また、蓋部材13にも、上記蓋部材12と同様に軸方向(図4では上下方向)に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔は原液槽20からの被処理水を処理槽1内に導くための流入口3とされている。
そして、本体10の縁部10Bには、Oリング17を介して蓋部材12が取り付けられ、同様に、縁部10CにもOリング17を介して蓋部材13が取り付けられて、これにより、ケース5が構成されている。このように、本実施例では、本体10の各縁部10B、10Cにそれぞれシール部材としてのOリング17を介して蓋部材12、13を取り付けて、ケース5を構成しているので、本体10と蓋部材12、13とのシール性が向上し、ケース5の水密性を高めることができる。
一方、上述した電極6、7は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、チタン又はステンレスなどの単体、若しくは、少なくとも白金(Pt)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、チタン又はステンレスの何れかを含む導電体を網目状(メッシュ状)に加工した不溶性の電極である。電極6、7は、同一の素材から構成され、具体的に、本実施例の電極6、7は、チタン電極を白金とイリジウムから成る合金にて被覆した白金−イリジウム被覆チタン電極を網目状で、且つ、全体が円盤状を呈するように加工したものを用いるものとする。即ち、各電極6、7は網目状に加工することで、被処理水を流通可能な通水性(被処理水が透過可能)の電極とされている。また、係る網目状の電極6、7は、本体10の内径と略同一の外径を有する円盤状となるよう形成されている。また、電極6、7は給電棒18を介して制御装置C(供給手段)に接続されて、当該制御装置Cにより電極6と電極7との間を通過する電流が一定値(定電流)となるように、両電極に印加される電圧の電圧値が制御されている。また制御装置Cは両電極へ印加する電流値の制御も可能であり、極性転換機能も有する。この給電棒18は流入口3、或いは、流出口4にそれぞれパッキンなどのシール部材18Aを介して取り付けられている。
前記導電性繊維8には、炭素繊維、活性炭素繊維、白金繊維、チタン繊維、カーボンナノチューブ、並びにそれぞれ触媒を塗布した炭素繊維、樹脂繊維(ヨウ素や五フッ化砒素等をドープしたポリアセチレン樹脂等のそれ自体が導電性である樹脂繊維又は導電性材料が組成物として配合されている樹脂繊維)、活性炭素繊維、チタン繊維のいずれか、若しくは2種類以上含んだものが使用される。特に炭素繊維は、安価であり且つ吸着性能が優れるので、導電性繊維8の材料として好適である。
また導電性繊維8は多孔質ブロック状又はスポンジ状又はフェルト状であるために通水性を有し(被処理水が透過可能)、第1の電極6の流路下流側となる電極6の上面に密着された状態で配置されている。
また、導電性繊維8は電極6、7間で直接通電が生じることのない構造とされている。具体的に、本実施例では被処理水の流路である処理室15の断面方向において、少なくとも前記電極6が導電性繊維8より外側に出ない構造となるように形成されている。即ち、前述したように電極6は、本体10の内径と略同一の外径を有する円盤状に形成されているため、導電性繊維8も同様に、被処理水が流れる流路方向に直交する断面が略同一となるように、本体10の内径と略同一の外径を有する円盤状に形成されている。このように、本実施例では、流路の断面方向において電極6が導電性繊維8より外側に出ない構造とすることで、電極6、7間で直接通電が生じる不都合を回避することができる。
そして、上記電極6は、ケース5内の下方であって、本体10の壁面10Aの内壁面に電極6の外周壁が当接するように配置されると共に、導電性繊維8は処理室15内において、この電極6の被処理水の流路の下流側となる電極6の上面に、該電極6の中央部と導電性繊維8の中央部とが一致するように、且つ、本体10の壁面10Aの内面との間に隙間無く配置されている。
他方、導電性繊維8の流路下流側となる導電性繊維8の上面には前記スペーサ9が当接して設けられている。即ち、スペーサ9は、導電性繊維8とその流路下流側に位置する電極7との間に介設されている。このスペーサ9は、絶縁性(非導電性)の多孔質体であって、空隙率が高いものを用いることが望ましい。ここで、空隙率とは、多孔質構造の内部に存在する空隙部(空気の部分)の割合のことである。従って、空隙率が高いほどスペーサ9の密度(かさ密度)が低く(目が粗い)、空隙率が低いほどスペーサ9の密度が高く(目が細かい)なる。絶縁性多孔質体には、絶縁性(非導電性)の樹脂(PP樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等)、化学繊維(ガラス繊維、ポリエステル繊維等)、不織布、紙などが使用されるが、本実施例では、通水性を有する高分子の不織布、例えば、ポリエステルやサラン(旭化成製)等のポリ塩化ビニリデン系の高分子などであって、空隙率が95%より大きいものをスペーサ9として使用している。
また、当該スペーサ9は、導電性繊維8の上面に当接し、当該導電性繊維8を押圧しているので、導電性繊維8は、スペーサ9の当該押圧力により、第1の電極に押しつけられ、該第1の電極6の上面に密着されることとなる。このように、導電性繊維8を電極6と密着させることで、この導電性繊維8が電極6と電気的に接続されると共に、電極6に対する接触抵抗を低下させ、電極6の一部分を形成することとなる。即ち、電極6に通電されると、導電性繊維8にも通電され、この導電性繊維8は、電極6と同一の電位に帯電されることとなる。
更に、スペーサ9を設けることで、導電性繊維8の電極7側の面(即ち、本実施例では上面)を平坦化することができる。即ち、上述したように、導電性繊維8は電極6に密着して設けられているため、導電性繊維8全体が電極6の一部を構成することとなるが、導電性繊維8の上面が平坦でない場合、導電性繊維表面が不均一に帯電し、吸着効率が低下する。また対向する電極7との距離が不均一となるため、導電性繊維8に均一に電流が流れず、導電性繊維8の上面と電極7の下面との距離が最も近い部分(即ち、最短距離の箇所)に局所的に大電流が流れる不都合が生じる。
特に触媒を塗布された導電性繊維8の場合、局所的に大電流が流れた箇所では、触媒層が剥離しやすくなるため劣化しやすく、当該導電性繊維8の寿命が短くなると云う問題が生じていた。そこで、本発明の如く導電性繊維8の上面にスペーサ9を配置することで、電極7側の面(即ち、本実施例では上面)も平坦化することができるようになる。これにより、導電性繊維8と電極7との距離を略均一とすることが可能となる。これにより、導電性繊維8に局所的に大電流が流れる不都合を解消することができる。
尚、本実施例では、上述した如く電極6と導電性繊維8との断面を略同一となるように形成したので、電極6の中央部と導電性繊維8の中心部とを一致して配置することで、電極6の上面と、導電性繊維8の下面とが全面で当接することとなる。
一方、本実施例のスペーサ9は、前記導電性繊維8と同様に円盤状に形成されているが、外径が導電性繊維8より小径に形成されている。そして、スペーサ9は、中央部(軸心方向の中心)が導電性繊維8の中央部(軸心方向の中心)と一致するように導電性繊維8の上面に密着された状態で配置される。当該スペーサ9は、外周に固定リング19が取り付けられた状態で、導電性繊維8上に配置される。固定リング19は、内径がスペーサ9の外径と略同一に形成されており、スペーサ9の外周面を固定リング19の内周面にて保持可能に構成されている。また、固定リング19の外径は本体10の壁面10Aの内径と略同一とされ、固定リング19を本体10に取り付けた際に、壁面10Aと固定リング19との間に隙間がないように形成されている。
このように、スペーサ9の外径を導電性繊維8の外径より小さくし、この導電性繊維8の外径より小さくして生じた空間にスペーサ9の外周面に本体の壁面10Aの内径と同一に形成した固定リング19を取り付けることで、スペーサ9が位置する流路を導電性繊維8が位置する部分よりも狭くしている。これにより、万が一、導電性繊維8の外周面と本体10の壁面10Aの内周面との間に僅かに隙間が存在して、電極6を経た被処理水がこの隙間を流れたとしても、導電性繊維8の上面に位置する固定リング19により内側(内径側)に流れ、ここに位置する導電性繊維8を通過することとなる。
これにより、電極6、7間で直接通電する不都合を防ぐことができるようになる。
特に、本実施例の如くスペーサ9の外周に固定リング19を取り付けることで、スペーサ9が移動する不都合も解消でき、且つ、固定リング19の重さにより、導電性繊維8の上面を抑える押圧力も増大するので、導電性繊維8を電極6により密着させ、且つ、導電性繊維8の上面をより一層平坦化することができるので、導電性繊維8の上面でより均一な電場を得ることができる。これにより、処理効率をより一層向上させることができるようになる。このように、本発明のイオン除去装置Sでは、電極6,7と、導電性繊維8と、スケール及び界面活性剤を回収するスペーサ9と、電極6,7に印加する電圧及び電流値を制御する制御装置C(制御手段)を備えたので、単一の系内(処理槽1内)でスケール及び界面活性剤の回収を行うことができ、装置の小型化を図ることができる。
尚、本実施例の洗濯機Wは、前述した制御装置Cにより運転が制御されている。この制御装置Cは駆動モータ108の駆動、給水通路112の給水バルブ112Vの開閉、排水通路113の排水バルブ113Vの開閉、外部排水通路114の外部排水バルブ114Vの開閉、第1及び第2の電極6、7の通電等、洗濯機Wの制御を司る制御手段であり、汎用のマイクロコンピュータにて構成されている。特に、制御装置Cは、第1及び第2の電極6、7への電流値を制御することにより、スペーサ9によるスケール除去処理工程と界面活性剤除去処理工程とを選択的に実行する。スケール除去処理は、被処理水をカソード(負電位)となる電極側からアノード(正電位)となる電極側に流通させることで、カソードとなる電極のアノード側の面で被処理水中の硬度成分をスケールとして析出させて、これをスペーサ9にて回収し、被処理水中から除去するものである。この場合、スケール除去処理工程では、制御装置Cにより被処理水の流路の上流側となる第1の電極6及び導電性繊維8に負電位を印加し、下流側となる第2の電極7に正電位を印加することで、カソードとなる導電性繊維8のアノード側の面(上面)で被処理水中の硬度成分をスケールとして析出させて、この析出したスケールを下流側にあるスペーサ9に捕えて、当該スペーサ9にてスケールを回収することができる。
また、界面活性剤除去工程は、使用される洗剤の種類によりその洗剤中に含まれる界面活性剤がアニオン性(陰イオン性)の界面活性剤とカチオン性(陽イオン性)の界面活性剤とに分かれるので、使用される洗剤に応じて第1の電極6及び第2の電極7に印加する電位の極性を切り換える必要がある。例えば、アニオン性の界面活性剤を除去処理する場合(即ち、アニオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用された場合)には、第1の電極6及び導電性繊維8に正電位を印加し、第2の電極7に負電位を印加することで、導電性繊維表面におけるイオンの吸着現象により、アニオン性の界面活性剤が吸着し、スペーサにてアニオン性の界面活性剤を効果的に回収させて、被処理水中からアニオン性の界面活性剤を除去することができる。
一方、カチオン性の界面活性剤を除去処理する場合(即ち、カチオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用された場合)には、第1の電極6及び第2の電極7の極性を切り換える。即ち、第1の電極6及び導電性繊維8に負電位を印加し、第2の電極7に正電位を印加することで、導電性繊維表面におけるイオンの吸着現象により、カチオン性の界面活性剤が吸着し、スペーサ9にてカチオン性の界面活性剤を効果的に回収させて、被処理水中からカチオン性の界面活性剤を除去することができる。
本実施例では、前述した操作パネル104に上記各除去処理工程を選択するための操作スイッチSW1、SW2、SW3が設けられており、当該操作スイッチSW1、SW2、SW3の操作により被処理水に対して実行する処理が選択可能に構成されている。即ち、操作スイッチSW1及び操作スイッチSW2は、界面活性剤がアニオン性であるかカチオン性であるかに応じて、界面活性剤工程において電極6、7に印加する電位の極性を切り換えるための切替手段である。SW1に使用者によりこの操作スイッチSW1が選択されると、制御装置Cは、後述する比較的低い電流値で、第1の電極6に正電位を印加し、第2の電極7に負電位を印加する。これにより、導電性繊維8及び第1の電極6はアノードとなり、第2の電極7はカソードとなる。
また、使用者によりこの操作スイッチSW2が選択されると、制御装置Cは、後述する比較的低い電流値で、第1の電極6に負電位を印加し、第2の電極7に正電位を印加する。これにより、導電性繊維8及び第1の電極6はカソードとなり、第2の電極7はアノードとなる。ここで、上述したように洗剤の種類によりその洗剤中に含まれる界面活性剤がアニオン性の界面活性剤とカチオン性の界面活性剤とが分かれるので、使用者に分かりやすいようにSW1にアニオン性の界面活性剤を含む洗剤名を記載し、SW2にカチオン性の界面活性剤を含む洗剤名を記載しておいても良い。
また、操作スイッチSW3は、スケールを除去する処理モードを選択するためのスイッチである。使用者によりこの操作スイッチSW3が選択されると、制御装置Cは後述する高い電流値で第1の電極6に負電位を印加し、第2の電極7に正電位を印加する。これにより、導電性繊維8及び第1の電極6はカソードとなり、第2の電極7はアノードとなる。
ここで、本実施例のイオン除去装置Sを用いた被処理水の処理において電極6、7に流す電流値と処理時間について具体的に検討した。先ず、本発明のイオン除去装置Sに一定時間繰り返し被処理水循環して流して、電極6、7に流れる電流値を変化させて、被処理水中の界面活性剤とスケールの除去率を調べた。この場合、標準水(Na+230.5mg/L、Ca2+10mg/L、Mg2+5mg/L、K+ 1.5mg/L)を用い、スケールの除去については該標準水以外の塩を添加しない試料を被処理水とし、アニオン性の界面活性剤の除去ではこの標準水にア ニオン性の界面活性剤を含む洗剤を添加したものを被処理水とすると共に、カチオン性の界面活性剤の除去では上記標準水にカチオン性の界面活性剤を含む洗剤を添加したものを被処理水として用いた。尚、導電性繊維8として直径40mm、表面積12.56cm2の炭素繊維を用い、スペーサ9として空隙率が95%より大きいポリ塩化ビニリデン系の高分子であるサラン(旭化成製)を用いた。
図5は、イオン除去装置Sに60分間繰り返し被処理水を循環させて、電流値を変化させた場合の被処理水中の界面活性剤及びスケールの除去率である。図5において、縦軸は除去率、横軸は電流値である。また、菱形のプロットはカチオン性の界面活性剤、四角のプロットはアニオン性の界面活性剤、黒丸のプロットはスケールをそれぞれ示している。
図5に示すように、本実施例のイオン除去装置Sに60分間繰り返し被処理水を循環させた場合、カチオン性の界面活性剤を含む被処理水では、電流値が60mAのとき、被処理水から当該カチオン性の界面活性剤を約60%除去でき、150mA以上の電流値となると被処理水からカチオン性の界面活性剤を約80%除去できることがわかった。また、アニオン性の界面活性剤を含む被処理水では、電極6、7に150mA(ミリアンペア)の定電流で電圧を印加すると、被処理水からアニオン性の界面活性剤を43%除去でき、500mAでは当該界面活性剤を約50%除去できることがわかった。
しかしながら、当該アニオン性の界面活性剤の処理において、図5に示すように電極6、7に500mAより電流値を高くすると、除去率が低下することがわかった。理由として、アニオン性の界面活性剤の処理では、電極6に正電位を印加し、導電性繊維8を正電位に帯電させて、スペーサ9にてアニオン性の界面活性剤の回収を行うが、この場合、正電位に帯電した導電性繊維8付近の被処理水は酸化され、水酸化物イオンが放電して酸素が発生し、酸性水となる。そのため酸化力の高い酸素が大量に発生し、導電性繊維8を著しく腐食させるので、除去率が低下するものと考えられる。本現象は電極に500mA、直流電圧50Vを印加した時(電力値25W)に発生したため、そこで、アニオン性の界面活性剤の処理では、電極6、7に流す電流値500mA以下、又は電力値25W以下に制御するものとする。これにより、導電性繊維8の腐食を抑制することができ、安定的にアニオン性の界面活性剤を除去することが可能となると考えられる。
次に、イオン除去装置Sにおける処理時間を変更して、被処理水中のカチオン性の界面活性剤の除去率を調べた。図6は、本実施例のイオン除去装置Sの各電極6、7にそれぞれ60mA、150mA、500mAの定電流となるように電圧を印加し、処理時間を変化させた場合の被処理水中のカチオン性界面活性剤の除去率である。図6において、縦軸は界面活性剤の除去率の目安となる被処理水中のTOC(全有機炭素)の除去率、横軸は処理時間である。図5の菱形のプロットに示すように、電極6、7に流れる電流値が60mAと最も低い場合には、処理時間20分で除去率は20%以下、40分では30%程度となり、60分間、被処理水を循環処理した場合には除去率は約60%となった。また、四角のプロットで示すように、電流値を150mAとすると、40分以上の処理時間で約80%の界面活性剤を除去できることがわかった。また、電流値を更に上昇して、500mAとした場合(図6の三角のプロット)、150mAの定電流となるように電極6、7に電圧を印加した場合と同様に、40分以上被処理水をイオン除去装置Sに循環処理することで、約80%の界面活性剤を除去できることがわかった。
以上の結果から、本実施例のイオン除去装置Sにて被処理水中の界面活性剤を除去する場合には、各電極6、7に150mAの定電流で電圧を印加すると共に、当該イオン除去装置Sに40分以上、例えば本実施例では60分間、被処理水を循環させるものとする。但し、界面活性剤の回収効率は、界面活性剤の濃度、量、導電性繊維8の表面積に依存するので、電流値、循環時間はこれに限定されるものではない。
また、図5に示すように、電極6、7に150mAの定電流で電圧を印加した場合、被処理水からは殆どスケールを除去することができなかった。当該スケールの除去率は、電流値の上昇と比例して高くなり、図5に示すように1500mAの高電流値とした場合に被処理水からスケールを64%程除去できることがわかった。
さらに図5に示すようにカチオン性の界面活性剤の除去処理とスケールの除去処理では、共に第1の電極6に負電位を印加し、第2の電極7に正電位を印加することとなるが、両者では除去可能な電流値が大きく相違することがわかった。即ち、カチオン性の界面活性剤を除去する場合には、比較的低い電流値(例えば、前述した150mA)であっても被処理水から界面活性剤を充分に除去することができるが、スケール除去の場合には150mA程の電流値では被処理水から充分にスケールを除去することができず、500mA以上の高電流値とした場合に被処理水からスケールを在る程度除去出来ることがわかった。
そこで、本実施例のイオン除去装置Sにて被処理水中のスケール除去を行う場合には高い電流値、例えば、500mA以上の電流値(本実施例では500mAの定電流)にて各電極6、7に電圧を印加すると共に、上述した各界面活性剤除去処理と同様に60分間、イオン除去装置Sに被処理水を循環させるものとする。
(1)アニオン性の界面活性剤除去処理工程
以上の構成で次に本実施例の洗濯機Wの動作を説明する。始めに、被処理水中のアニオン性の界面活性剤を除去する場合について説明する。先ず、開閉扉103から内槽ドラム102の収容室105に被洗濯物と当該被洗濯物の量に応じた所定量の洗剤(この場合、使用される洗剤はアニオン性の界面活性剤を含む洗剤)が投入され、開閉扉103が閉じられて、前述した操作スイッチのうちの電源スイッチと選択スイッチSW1が選択され、スタートスイッチが操作されると、前記制御装置Cにより洗濯運転が開始される。
これにより、前記給水バルブ112Vが開かれ、給水通路112が開放される。これにより、給水源107から外槽ドラム内の内槽ドラム102の収容室105内に水が供給される。尚、このとき、排水通路113の排水バルブ113Vは閉じられているものとする。
そして、内槽ドラム102の収容室105内に所定量の水が溜まると、制御装置Cにより給水バルブ112Vが閉じられて給水通路112が閉塞される。これにより、給水源107からの水の供給が停止される。
次に、制御装置Cは駆動モータ108を通電起動し、軸109を回転させる。これにより、当該軸109に取り付けられた内槽ドラム102が外槽ドラム内で回転し始め、洗浄工程が開始される。
この洗浄工程において、収容室105内に貯留された水(以下、洗浄水)には、上述したようにアニオン性の界面活性剤を含む洗剤が添加されていることから、当該界面活性剤により洗浄水の表面張力が小さくされ、衣類等の被洗濯物の繊維の間に洗浄水が浸透する。そして、繊維に付着した汚れ成分を界面活性剤により取り囲み、洗浄水中に汚れ成分を取り出す。界面活性剤の疎水基に付着する形で洗浄水中に取り出された汚れ成分は、界面活性剤分子によって取り囲まれて可溶化しているため、再び繊維に付着しない。また、衣類等に付着している汗に由来するナトリウムイオンなどのカチオンは、洗浄水中に溶出する。
当該洗浄工程の開始から所定時間経過すると、制御装置Cは、駆動モータ108を停止し、排水通路113の排水バルブ113Vを開放する。これにより、内槽ドラム102内の収容室105の洗浄水(即ち、外槽ドラム内の洗浄水)が排水通路113を介して貯留タンク110内に排出される。このとき、イオン除去装置Sに接続された循環通路115の循環バルブ115V及び外部に導出される外部排水通路114に接続された外部排水バルブ114Vは閉じられているものとする。
そして、内槽ドラム102内の収容室105の洗浄水が貯留タンク110内に排出されると、制御装置Cは、洗浄工程から脱水工程に移行する。この脱水工程では、制御装置Cは、前記洗浄工程の終了時に開放した排水通路113の排水バルブ113Vを開放した状態を維持したまま、この脱水を所定時間実行した後、排水通路113の排水バルブ113Vを閉じて、脱水工程を終了する。尚、本実施例の洗濯機Wでは、この脱水工程の後段、又は、脱水工程の終了後において、制御装置Cは、以下の界面活性剤除去処理工程を実行する。
この界面活性剤除去処理工程では、制御装置Cは、循環通路115の循環バルブ115Vを開放し、ポンプPの運転を開始する。これにより、貯留タンク110内の洗浄水(当該工程では以降、被処理水と称する)は、出口110Aから循環通路115、循環バルブ115Vを介して、イオン除去装置Sの流入口2から処理槽1内の処理室15に供給される。尚、外部排水バルブ114Vは閉じられた状態のままである。
上記流入口2から処理槽1内の処理室15に被処理水が供給されると、処理室15内の第1の電極6、導電性繊維8、スペーサ9及び第2の電極7は被処理水中に浸漬されるかたちとなる。そして、処理室15に供給された被処理水は、第1の電極6、導電性繊維8、スペーサ9及び第2の電極7を順次通過した後、最終的に流出口3に接続された循環通路116よりイオン除去装置Sの外部に流出する。
また、制御装置Cは上記循環バルブ115Vの開放及びポンプPの運転の開始と同時にイオン除去装置Sの被処理水の流路上流側となる第1の電極6に正電位を印加し、下流側となる第2の電極7に負電位を印加する。これにより、導電性繊維8が第1の電極6と同じ正電位に帯電される。このとき、制御装置Cは、後述するスケール除去処理工程において各電極6、7に流れる電流値より低い電流値で電圧を印加する。本実施例では、制御装置Cは、上述したように150mAの定電流となるように電極6、7に電圧を印加するものとする。
上述の如く第1の電極6及び導電性繊維8に正電位が印加され、第2の電極7に負電位が印加されると、被処理水の流路上流側となる第1の電極6及び導電性繊維8はアノードとなり、下流側となる第2の電極7はカソードとなる。ここで、前述したように本実施例ではアニオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用されていることから、洗剤に含まれる界面活性剤は負電位に帯電し、当該界面活性剤及び界面活性剤に取り囲まれた汚れ成分を含む界面活性剤も、正電位とされた導電性繊維8の上面に吸着して、そこから流路下流側となるスペーサ9側(即ち、第2の電極7側)に回収されることになる。
更に、上記の如く電極6、7に電圧を印加すると、被処理水の電気分解が生じる。即ち、電極6、7により処理室15内の被処理水に通電すると、アノードとなる第1の電極6及び導電性繊維8では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こり、カソードとなる第2の電極7では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こると同時に、被処理水に含まれる塩化物イオンが、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、更にこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
この構成では電極6、7に通電することで、HClO(次亜塩素酸)が生成され、当該HClOにより、被処理水中の汚れ成分などの有機物も次亜塩素酸により分解処理することができる。尚、本実施例では電極6、7に通電することで、HClO(次亜塩素酸)が生成されるものとしたが、当該次亜塩素酸に限らず、電解処理により活性酸素種を含む電解水が生成されるものであれば良く、例えば、電解処理することによりオゾンが生成されるものとしても、汚れ成分などを分解処理することが可能である。
そして、上記の如くイオン除去装置Sにてアニオン性の界面活性剤、洗剤及び汚れ成分が除去された後の被処理水は、循環通路116からポンプPを経て再び貯留タンク110内に戻る。そして、貯留タンク110の出口110Aから循環通路115に入り、循環バルブ115Vを介してイオン除去装置Sの流入口2から処理槽1内の処理室15に供給されるサイクルを繰り返す。これにより、導電性繊維8による吸着効果と電気分解により発生する次亜塩素酸による分解効果により、界面活性剤、洗剤及び汚れ成分等が被処理水から徐々に除去処理されていく。
上記界面活性剤除去処理工程が所定時間(例えば、本実施例では60分)実行されると、制御装置Cは、循環通路115の循環バルブ115Vを閉じ、次に、循環通路116のポンプPを停止して、界面活性剤除去処理工程を終了する。尚、界面活性剤除去処理工程において界面活性剤が除去処理された被処理水は制御装置Cにより外部排出バルブ114が開放されて、貯留タンク110の出口110Bより外部排出通路114から洗濯機Wの外部に排出される。尚、当該界面活性剤処理工程で処理された被処理水は、界面活性剤及び汚れ成分を含まないので、次回の洗浄やすすぎ等に再利用することも可能である。この場合、例えば、図2に破線で示すように貯留タンク110と給水通路112と
を配管120にて接続し、この配管120上に貯留タンク110内の被処理水を汲み上げるためのポンプP2を取り付け、洗濯運転の洗浄工程やすすぎ工程の給水時に当該ポンプP2の運転により、貯留タンク110内の被処理水を配管120及び給水通路112を介して収容室105に供給するものとすれば、給水源107からの給水量を著しく低減することができ、効率的な節水を実現することができるようになる。他方、本実施例の洗濯機Wでは、この界面活性剤除去処理工程の後段、又は、界面活性剤除去処理工程の終了後において、制御装置Cは、以下のすすぎ工程を実行する。
このすすぎ工程では、先ず、給水バルブ112Vが開かれ、給水通路112が開放される。これにより、給水源107から外槽ドラム内の内槽ドラム102の収容室105内に水が供給される。このとき、排水通路113の排水バルブ113Vは閉じられているものとする。内槽ドラム102の収容室105内に所定量の給水が行われると、制御装置Cにより給水バルブ112Vが閉じられ、給水通路112が閉塞される。これにより、給水源107からの水の供給が停止される。
そして、前記駆動モータ108の回転動作が所定時間繰り返されてすすぎが行われると、制御装置Cは、駆動モータ108を停止して、排水通路113の排水バルブ113Vを開放する。これにより、収容室105(外槽ドラム内)のすすぎ水が排水通路113を介して貯留タンク110内に排出される。このとき、イオン除去装置Sに接続される循環通路115の循環バルブ115V及び外部に導出される外部排水通路114に接続される外部排水バルブ114Vは閉じられているものとする。
そして、収容室105(外槽ドラム内)のすすぎ水が貯留タンク110内に排出されると、制御装置Cは、すすぎ工程から脱水工程に移行する。脱水工程では、制御装置Cは、前記すすぎ工程の終了時に開放した排水通路113の排水バルブ113Vを開放した状態を維持したまま、この脱水を所定時間実行した後、排水通路113の排水バルブ113Vを閉じて、脱水工程を終了する。
尚、本実施例の洗濯機Wでは、この脱水工程の後段、又は、脱水工程の終了後において、制御装置Cは、前記同様に界面活性剤除去処理工程を実行する。尚、界面活性剤除去処理工程における動作は前記同様であるためここでは説明を省略する。
(2)カチオン性の界面活性剤除去処理工程
次に、カチオン性の界面活性剤のみを除去する場合について説明する。先ず、開閉扉103から内槽ドラム102の収容室105に被洗濯物と当該被洗濯物の量に応じた所定量の洗剤(この場合、使用される洗剤はカチオン性の界面活性剤を含む洗剤)が投入され、開閉扉103が閉じられて、前述した操作スイッチのうちの電源スイッチと選択スイッチSW2が選択され、スタートスイッチが操作されると、前記制御装置Cにより洗濯運転が開始される。
尚、洗濯運転の洗浄工程、脱水工程及びすすぎ工程における動作は上記(1)で説明した動作と同様であるため、ここでは説明を省略し、上記と相違するカチオン性の界面活性剤の除去処理工程のみ説明する。
即ち、制御装置Cは、循環通路115の循環バルブ115Vを開放し、ポンプPの運転を開始する。これにより、貯留タンク110内の洗浄水(当該工程では以降、被処理水と称する)は、出口110Aから循環通路115、循環バルブ115Vを介して、イオン除去装置Sの流入口2から処理槽1内の処理室15に供給される。尚、外部排水バルブ114Vは閉じられた状態のままである。
上記流入口2から処理槽1内の処理室15に被処理水が供給されると、処理室15内の第1の電極6、導電性繊維8、スペーサ9及び第2の電極7は被処理水中に浸漬されるかたちとなる。そして、処理室15に供給された被処理水は、第1の電極6、導電性繊維8、スペーサ9及び第2の電極7を順次通過した後、最終的に流出口3に接続された循環通路116よりイオン除去装置Sの外部に流出する。
また、制御装置Cは上記循環バルブ115Vの開放及びポンプPの運転の開始と同時にイオン除去装置Sの被処理水の流路上流側となる第1の電極6に負電位を印加し、下流側となる第2の電極7に正電位を印加する。これにより、導電性繊維8が第1の電極6と同じ負電位に帯電される。このとき、制御装置Cは、後述するスケール除去処理工程において各電極6、7に流れる電流値より低い定電流で電圧を印加する。本実施例では、制御装置Cは、上記(1)のアニオン性の界面活性剤除去処理工程と同様に150mAの定電流となるように電極6、7に電圧を印加するものとする。
上述の如く第1の電極6及び導電性繊維8に負電位が印加され、第2の電極7に正電位が印加されると、被処理水の流路上流側となる第1の電極6及び導電性繊維8はカソードとなり、下流側となる第2の電極7はアノードとなる。ここで、前述したように本実施例ではカチオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用されていることから、洗剤に含まれる界面活性剤は正電位に帯電し、当該界面活性剤及び界面活性剤に取り囲まれた汚れ成分を含む界面活性剤も、負電位とされた導電性繊維8の上面に吸着して、そこから流路下流側となるスペーサ9側(即ち、第2の電極7側)に回収されることになる。
更に、上述の如く電極6、7により処理室15内の被処理水に通電すると、カソードとなる第1の電極6及び導電性繊維8(特に、導電性繊維8の第2の電極7側の面)では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こると同時に、被処理水中に含まれる塩化物イオンが、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、更にこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。
また、アノードとなる第2の電極7では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こる。
このように、電極6、7に通電することで、HClO(次亜塩素酸)が生成され、当該HClOにより、被処理水中の汚れ成分などの有機物も分解処理することができる。
そして、上記の如くイオン除去装置Sにてカチオン性の界面活性剤、洗剤及び汚れ成分が除去された後の被処理水は、循環通路116からポンプPを経て再び貯留タンク110内に戻る。そして、貯留タンク110の出口110Aから循環通路115に入り、循環バルブ115Vを介してイオン除去装置Sの流入口2から処理槽1内の処理室15に供給されルサイクルを繰り返す。これにより、導電性繊維8による吸着効果と電気分解により発生する次亜塩素酸による分解効果により、汚れ成分等が徐々に除去されていく。
上記界面活性剤除去処理工程が所定時間(例えば、本実施例では60分)実行されると、制御装置Cは、循環通路115の循環バルブ115Vを閉じ、次に、循環通路116のポンプPを停止して、界面活性剤除去処理工程を終了する。尚、界面活性剤除去処理工程において界面活性剤が除去処理された被処理水は制御装置Cにより外部排出バルブ114が開放されて、貯留タンク110の出口110Bより外部排出通路114から洗濯機Wの外部に排出される。尚、このように当該界面活性剤処理工程で処理された被処理水は、界面活性剤及び汚れ成分を含まないので、次回の洗浄やすすぎ等に再利用することも可能である。この場合、前記同様に図2に破線で示すように貯留タンク110と給水通路112とを配管120にて接続し、この配管120上に貯留タンク110内の被処理水を汲み上げるためのポンプP2を取り付け、洗濯運転の洗浄工程やすすぎ工程の給水時に当該ポンプP2の運転により、貯留タンク110内の被処理水を配管120及び給水通路112を介して収容室105に供給するものとすれば、給水源107からの給水量を著しく低減することができ、効率的な節水を実現することができるようになる。
(3)スケール除去処理工程
次に、被処理水中のスケールを除去する場合について説明する。先ず、開閉扉103から内槽ドラム102の収容室105に被洗濯物と当該被洗濯物の量に応じた所定量の洗剤が投入され、開閉扉103が閉じられて、前述した操作スイッチのうちの電源スイッチと選択スイッチSW3が選択され、スタートスイッチが操作されると、前記制御装置Cにより洗濯運転が開始される。
尚、洗濯運転の洗浄工程、脱水工程及びすすぎ工程における動作は前記(1)で説明した動作と同様であるため、ここでは説明を省略し、上記と相違するスケールの除去処理工程のみ説明する。
即ち、制御装置Cは、循環通路115の循環バルブ115Vを開放し、ポンプPの運転を開始する。これにより、貯留タンク110内の洗浄水(当該工程では以降、被処理水と称する)は、出口110Aから循環通路115、循環バルブ115Vを介して、イオン除去装置Sの流入口2から処理槽1内の処理室15に供給される。尚、外部排水バルブ14Vは閉じられた状態のままである。
上記流入口2から処理槽1内の処理室15に被処理水が供給されると、処理室15内の第1の電極6、導電性繊維8、スペーサ9及び第2の電極7は被処理水中に浸漬されるかたちとなる。そして、処理室15に供給された被処理水は、第1の電極6、導電性繊維8、スペーサ9及び第2の電極7を順次通過した後、最終的に流出口3に接続された循環通路116よりイオン除去装置Sの外部に流出する。
また、制御装置Cは上記循環バルブ115Vの開放及びポンプPの運転の開始と同時にイオン除去装置Sの被処理水の流路上流側となる第1の電極6に負電位を印加し、下流側となる第2の電極7に正電位を印加する。これにより、導電性繊維8が第1の電極6と同じ負電位に帯電される。このとき、制御装置Cは、前述した界面活性剤除去処理工程において各電極6、7に流れる電流値より高い定電流で電圧を印加する。本実施例では、制御装置Cは、500mA(ミリアンペア)の定電流となるように電極6、7に電圧を印加するものとする。
これにより、被処理水の流路の上流側となる第1の電極6はカソードとなり、下流側となる第2の電極7はアノードとなる。即ち、各電極6、7により処理室15内の被処理水に通電すると、カソードとなる第1の電極6及び導電性繊維8(特に、導電性繊維8の第2の電極7側の面)では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こり、アノードとなる第2の電極7では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こる。
上記の如くカソードとなる導電性繊維8のアノードとなる第2の電極7側の面(即ち、導電性繊維8の上面)では、水酸化物イオン(OH-)が生成される。水酸化物イオンは非常に強い塩基であるため、導電性繊維8の上面周囲は局所的にアルカリ性となる。これにより、被処理水中の硬度成分が当該水酸化物イオンと反応し、塩となる。具体的には、被処理水中に含まれ主なスケール成分となるカルシウム、マグネシウム、カリウム、シリカなどのイオンが、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムなどの難溶性の塩となって析出する。尚、被処理水中にリン、イオウや亜鉛などのイオンが含まれる
ときは、塩として硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛なども析出することがある。尚、スケール成分となる上記カルシウム、マグネシウム、カリウム、シリカなどのイオンの一部は、導電性繊維表面におけるイオンの吸着現象により、引き寄せられ、効率よくスケールを析出させることができる。
そして、析出したスケールは、当該導電性繊維8の流路下流側に位置するスペーサ9に回収される。即ち、導電性繊維8の表面に析出したスケールは、導電性繊維8に密着した流路下流側に位置するスペーサ9に付着し、堆積するので、効率よくスケール回収することが出来る。
更に、スペーサ9に付着したスケールは種結晶となる。即ち、スペーサ9に付着したスケールを核として後にスペーサを通過するスケールが付着して成長するので、回収効率をより一層向上させることができる。
そして、上記の如くイオン除去装置Sにてスケールが除去された後の被処理水は、循環通路116からポンプPを経て再び貯留タンク110内に戻る。そして、貯留タンク110の出口110Aから循環通路115に入り、
循環バルブ115Vを介してイオン除去装置Sの流入口2から処理槽1内の処理室15に供給され、上述したスケールが除去されるサイクルを繰り返す。尚、当該スケール除去処理工程では、上記カチオン性の界面活性剤も除去することができる。即ち、洗剤としてカチオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用された場合には、スケール除去処理工程を選択することで、スペーサ9にてスケールを回収し、導電性繊維8にてカチオン性の界面活性剤を回収することができる。当該カチオン性の界面活性剤の除去動作は上記(2)で詳述した通りであるのでここでは説明を省略する。
上記スケール除去処理工程が所定時間(例えば、本実施例では60分)実行されると、制御装置Cは、循環通路115の循環バルブ115Vを閉じ、次に、循環通路116のポンプPを停止して、スケール除去処理工程を終了する。尚、スケール除去処理工程においてスケールが除去処理された被処理水は制御装置Cにより外部排出バルブ114が開放されて、貯留タンク110の出口110Bより外部排出通路114から洗濯機Wの外部に排出される。尚、当該スケール処理工程で処理された被処理水は、次回の洗浄やすすぎ等に再利用することも可能である。この場合、前記同様に図2に破線で示すように貯留タンク110と給水通路112とを配管120にて接続し、この配管120上に貯留タンク10内の被処理水を汲み上げるためのポンプP2を取り付け、洗濯運転の洗浄工程やすすぎ工程の給水時に当該ポンプP2の運転により、貯留タンク110内の被処理水を配管120及び給水通路112を介して収容室105に供給するものとすれば、給水源107からの給水量を著しく低減することができ、効率的な節水を実現することができるようになる。
上記のようにスケールが除去された後の被処理水を洗浄やすすぎ等に利用することで、特に、界面活性剤とスケールとが結合してできる金属石けんが減少するので、被洗浄物の洗浄効果を向上することができる。
更に、カチオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用された場合には、スケール処理工程において、カソードとなる導電性繊維8にてカチオン性の界面活性剤が静電吸着又は固着されるので、カチオン性の界面活性材も積極的且つ効果的に除去することが可能である。
他方、例えば、アニオン性の界面活性剤を含む洗剤が使用された場合に、スケールとアニオン性の界面活性剤の両方を除去処理したい場合には、スイッチSW1、SW3を選択することで制御装置Cが両工程を順次実行する。例えば、制御装置Cが上記(1)で説明した界面活性剤除去処理工程を所定時間行った後、上記(3)で説明したスケール除去処理工程を実行するものとすれば、被処理水中からスケールとアニオン性の界面活性剤の両方を除去処理することが可能である。
以上詳述したように本発明のイオン除去装置Sによりスケールや界面活性剤などのイオンを回収して被処理水中から除去することができる。特に、本発明の装置によれば、単一の系内で電解処理を行い、スケールと界面活性剤とを回収することができるので、装置の小型化とコストの低減を図ることができる。
特に、界面活性剤除去処理では、上述したようにスケール除去処理工程で各電極6、7に流れる大電流値より遙かに低い電流値であってもイオン除去装置Sに繰り返し被処理水を流すことで、導電性繊維8にて界面活性剤を充分に除去することができるので、本実施例の如く当該界面活性剤除去処理工程において低い電流値にて電極6、7に電圧を印加し、繰り返してイオン除去装置Sに被処理水を流すことで、消費電力を著しく低減することができるようになる。
尚、本実施例のイオン除去装置Sにおいて、例えば、スペーサ9に予め種結晶を担持させるよう構成すれば、スケール除去処理工程においてスペーサ9により一層スケールが付着し易くなり、回収効率を更に改善することができるようになる。
回収したスケールの排出は、通常の場合、電極6及び電極7に印加する電位の極性を反転させると、導電性繊維8がアノード(正電位)となるので、電解反応により導電性繊維表面が局所的に酸性に傾き、導電性繊維表面に析出したスケールが溶解して、電解反応により導電性繊維表面が局所的に酸性に傾くので、スペーサに付着したスケールも溶解し、陽イオンとして下流側から排出される。多量のスケールが付着した場合、被処理水の流通に支障を来す恐れがあるため、スペーサ9を交換する必要がある。このスペーサ9を交換する場合、先ず、システムSの電源を切断して、電極6、7への通電を停止した後、ケース5の蓋部材12及び蓋部材13を取り外して、本体10の一方の開口、例えば、下端の開口から電極6を上端側に押し出すことで、上端の開口から電極7、固定リング17、スペーサ9、導電性繊維8及び電極6を取り外して交換することができる。或いは、何れか一方の蓋部材(蓋部材12、若しくは、蓋部材13)を取り外して、例えば、蓋部材12を取り外して、ここからこれらの部材を引き抜いて交換することも可能である。
本発明のイオン除去装置を適用した洗濯機の概略構成図である。 図1の洗濯機の水の流れを示す図である。 図1の洗濯機に適用した本発明の一例のイオン除去装置の概略構成図である。 本発明のイオン除去装置の縦断側面図である。 電流値の変化に伴う被処理水中の界面活性剤の除去率を示す図である。 処理時間の変化に伴う被処理水中の界面活性剤の除去率を示す図である。
符号の説明
C 制御装置
S イオン除去装置
W 洗濯機
1 処理槽
3 流入口
4 流出口
5 ケース
6 電極(第1の電極)
7 電極(第2の電極)
8 導電性繊維
9 絶縁性多孔質スペーサ
10 本体
10A 壁面
10B、10C 縁部
12、13 蓋部材
15 処理室
17 Oリング
18 給電棒
19 固定リング
101 本体
102 内槽ドラム
103 開閉扉
104 操作パネル
105 収容室
107 給水源
108 駆動モータ
109 軸
110 貯留タンク
110A、110B 出口
112 給水通路
112V 給水バルブ
113 排水通路
113V 排水バルブ
114 外部排水通路
114V 外部排水バルブ
115、116 循環通路
115V 循環バルブ
SW1、SW2、SW3 操作スイッチ

Claims (4)

  1. 被処理水の流路中に配置された通水性の第1の電極と、
    該第1の電極の下流側に位置して当該第1の電極に電気的に接続される導電性繊維と、
    該導電性繊維の下流側に位置して、前記第1の電極と対を成す通水性の第2の電極と、
    該第2の電極と前記導電性繊維間に介在された絶縁性多孔質スペーサと、
    前記両電極に印加する電流を制御する制御手段とを備え、
    前記両電極に印加する電流値を制御することにより、前記絶縁性多孔質スペーサで被処理水中のスケールを除去するスケール除去工程と界面活性剤を除去する界面活性剤除去処理工程の何れかを実行することを特徴とするイオン除去装置。
  2. 前記界面活性剤がアニオン性かカチオン性かに応じて、前記界面活性剤除去処理工程において前記両電極に印加する電位の極性を切り替える手段を有することを特徴とする請求項1記載のイオン除去装置。
  3. 前記導電性繊維は、炭素繊維、活性炭素繊維、白金繊維、チタン繊維、カーボンナノチューブ、並びにそれぞれ触媒を塗布した炭素繊維、樹脂繊維、活性炭素繊維、チタン繊維の何れか、若しくは2種類以上含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン除去装置。
  4. 前記界面活性剤除去工程において前記第1の電極に正電位を印加する場合、前記電流値を500mA以下、又は電力値25W以下とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のイオン除去装置。
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