JP2009144997A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッダタンク2C内のろう付け面積を減らしてろう付けを容易にする。
【解決手段】ヘッダタンク部2Cの幅方向にて流通路101A(101B)の内側幅寸法がチューブ4の幅寸法よりも小さく構成されており、中間プレート9Cの幅方向の長さを、ヘッダプレート8Aの幅方向の内側長さよりも小さくしている。
これによれば、ヘッダタンク部2Cでのろう付け面積が減って熱交換器1のろう付けを容易とすることができる。
【選択図】図2
【解決手段】ヘッダタンク部2Cの幅方向にて流通路101A(101B)の内側幅寸法がチューブ4の幅寸法よりも小さく構成されており、中間プレート9Cの幅方向の長さを、ヘッダプレート8Aの幅方向の内側長さよりも小さくしている。
これによれば、ヘッダタンク部2Cでのろう付け面積が減って熱交換器1のろう付けを容易とすることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数のチューブを積層したコア部と、チューブ列の長手方向の端部に接続されたヘッダタンク部とを備えた熱交換器に関するものであり、例えば、冷凍サイクル内に設けられるガスクーラや冷媒蒸発器などに適用して好適である。
従来の熱交換器として、例えば下記の特許文献1の第4実施形態に示されるものが知られている。図8は、このような従来の、複数のチューブ4を積層したコア部と、チューブ列の長手方向の端部に接続されたヘッダタンク部2Aとを備えた熱交換器の、ヘッダタンク部2Aの部分断面図であり、図9は、図8のヘッダタンク部2Aの構成を示す部分分解斜視図である。また、図10は、他の従来技術となるヘッダタンク部2Bの部分断面図である。なお、図8および図9は、チューブ列が単列のものであり、図10は、チューブ列が複列のものを示している。
これらのヘッダタンク部2A、2Bは、チューブ4の端部が接合されるヘッダプレート8A、8Bと、冷媒をチューブ4の積層方向(図9参照)に流通させるための流通路101を形成するタンクプレート10A、10Bと、ヘッダプレート8A、8Bとタンクプレート10A、10Bとの間に接合されてチューブ4の内部と流通路101とを連通させる連通空間91を形成する中間プレート9A、9Bとを備えている。
そして、ヘッダタンク部2A、2Bの幅方向(図8〜10参照)にて流通路101の内側幅寸法をチューブ4の幅寸法よりも小さくするとともに、その流通路101をチューブ4の幅方向の中央に配置している。なお、図8〜10で説明しない符合は、後述する本発明の実施形態中の符合と対応するものである。
特開2003−314987号公報
しかしながら、上記の従来技術では、中間プレート9A、9Bがヘッダプレート8A、8Bの内幅分だけ必要となり、ろう付けする面積が広い。このろう付け面積が広いことは、板材やろう材が多く必要となるうえ、熱容量が大きいためろう付けの際の温度管理が難しくなる。また、ろう付け面積が広い分だけ品質を管理する個所も多くなるという問題点がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、ヘッダタンク内のろう付け面積を減らしてろう付けを容易とすることのできる熱交換器を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、複数のチューブ(4)を積層し、チューブ(4)の長手方向および積層方向と直交する幅方向から流入してチューブ(4)の外を流れる流体とチューブ(4)の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行うコア部(3)と、チューブ(4)の長手方向の端部に接続されて内部と連通し、複数のチューブ(4)に冷媒を分配供給、もしくは複数のチューブ(4)から冷媒を集合回収するヘッダタンク部(2C〜2H)とを備えた熱交換器であって、
ヘッダタンク部(2C〜2H)は、チューブ(4)の端部が接合されるヘッダプレート(8A、8B)と、冷媒を積層方向に流通させるための流通路(101、101A〜101F)を形成するタンクプレート(10C〜10G)と、ヘッダプレート(8A、8B)とタンクプレート(10C〜10G)との間に接合されてチューブ(4)の内部と流通路(101、101A〜101F)とを連通させる連通空間(91)を形成する中間プレート(9C〜9F)とを備え、
ヘッダタンク部(2C〜2H)の幅方向にて流通路(101、101A〜101F)の内側幅寸法がチューブ(4)の幅寸法よりも小さく構成されており、中間プレート(9C〜9F)の幅方向の長さを、ヘッダプレート(8A、8B)の幅方向の内側長さよりも小さくしていることを特徴としている。
ヘッダタンク部(2C〜2H)は、チューブ(4)の端部が接合されるヘッダプレート(8A、8B)と、冷媒を積層方向に流通させるための流通路(101、101A〜101F)を形成するタンクプレート(10C〜10G)と、ヘッダプレート(8A、8B)とタンクプレート(10C〜10G)との間に接合されてチューブ(4)の内部と流通路(101、101A〜101F)とを連通させる連通空間(91)を形成する中間プレート(9C〜9F)とを備え、
ヘッダタンク部(2C〜2H)の幅方向にて流通路(101、101A〜101F)の内側幅寸法がチューブ(4)の幅寸法よりも小さく構成されており、中間プレート(9C〜9F)の幅方向の長さを、ヘッダプレート(8A、8B)の幅方向の内側長さよりも小さくしていることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、ヘッダタンク部(2C〜2H)でのろう付け面積が減って熱交換器(1)のろう付けを容易とすることができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の熱交換器において、流通路(101A〜101F)を、ヘッダタンク部(2C〜2F)の幅方向の外側縁部に寄せて形成していることを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、流通路(101、101A〜101F)の範囲は、ヘッダプレート(8A、8B)と中間プレート(9C〜9F)との接合を不要とすることができる。このため、ヘッダタンク部(2C〜2F)でのろう付け面積が減って熱交換器(1)のろう付けを容易とすることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱交換器において、流通路(101A〜101F)の範囲は、中間プレート(9C〜9E)を構成していないことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、流通路(101A〜101F)の範囲は、ヘッダプレート(8A、8B)と中間プレート(9C〜9F)との接合が不要なことより、中間プレート(9C〜9E)の幅を小さくすることができ、熱交換器(1)を軽量化およびコストダウンすることができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱交換器において、中間プレート(9F)の一部の端部(93)を流通路(101A)内に構成するように折り曲げていることを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、中間プレート(9F)の接合不要な端部(93)を流通路(101A)内に構成することにより、流通路(101A)内を流通する冷媒が撹拌されて熱交換性能向上の効果がある。なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜3を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態における熱交換器1Aの全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1中のII−II部分断面図、図3は、図2中のIII−III断面図である。なお、図中で同一または同等の部分には同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜3を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態における熱交換器1Aの全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1中のII−II部分断面図、図3は、図2中のIII−III断面図である。なお、図中で同一または同等の部分には同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
ここでは熱交換器として、二酸化炭素(CO2)を冷媒とする超臨界冷凍サイクル内のエバポレータ(冷媒蒸発器)に本発明を適用した形態を示す。なお、超臨界冷凍サイクルとは、上記した二酸化炭素の他に、エチレン、エタンおよび酸化窒素などを冷媒とする冷凍サイクルであって、高圧側圧力が冷媒の臨界圧力以上になるものを言う。
エバポレータ1Aは、大きくはコア部3と上下のヘッダタンク部2Cとから構成されている。これらを構成する各部材(以下で説明)は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金から成り、嵌合、かしめおよび治具固定などにより組み付けられ、予め各部材表面に設けられたろう材により一体にろう付けされている。
コア部3は、内部を冷媒が流通する複数のチューブ4と、波形に形成された複数のフィン5とが交互に積層されて構成されている。さらに、左右(積層方向)の最外方フィン5の更に外方に、断面コの字状に開口する強度部材としてのサイドプレート7が配設されて一体にろう付けされている。
また、コア部3の上下部、即ち、複数のチューブ4の長手方向におけるチューブ端部には、チューブ4の積層方向に延びる一対のヘッダタンク部2Cが設けられている。このヘッダタンク部2Cには、各チューブ4の端部が挿入されて接合され、ヘッダタンク部2Cの内部に設けられた流通路101A(上側)、101B(下側)とチューブ4の内部とが互いに連通するようにろう付けされている(図2、図3参照)。
一方、チューブ4は、断面が扁平状を成し、押し出し成形によって製造され、内部には扁平状の長辺方向に並ぶ複数の流通孔を有している(図9参照)。そして、両ヘッダタンク部2Cの長手方向(チューブ4の積層方向)端部には、エンドキャップ11がろう付けされ、流通路101A、101Bによって形成される開口部を閉塞するようになっている。
そして、上側のヘッダタンク部2Cには、冷媒流入口61Aが設けられた入口側のジョイントブロック6A、また下側のヘッダタンク部2Cには、冷媒流出口61Bが設けられた出口側のジョイントブロック6Aがそれぞれろう付けされ、内部にくまなく冷媒が流通するようになっている。なお、冷媒流入流出部の構成や冷媒の流し方は一例であり、本発明は図1に示すものに限るものではない。
ヘッダタンク部2Cは、図2、図3に示すように、チューブ4の端部が接合されるヘッダプレート8Aと、上記の流通路101A(101B)を形成するタンクプレート10Cと、ヘッダプレート8Aとタンクプレート10Cとの間に接合されてチューブ4の内部と流通路101A(101B)とを連通させる連通空間91を形成する中間プレート9Cとから成っている。
タンクプレート10Cは、板状部材をプレス加工して流通路101A(101B)の断面形状を略U字状に形成したものである。なお、ヘッダタンク部2Cの幅方向において、流通路101A(101B)の内側幅寸法は、チューブ4の幅寸法よりも小さくなるようにしている。そして、本実施形態の特徴の一つとして、その流通路101A(101B)を、ヘッダタンク部2Cの幅方向の外側縁部に寄せて形成している。
具体的に、図1示すエバポレータ1Aでは、上側のヘッダタンク部2Cの流通路101Aは、前後方向の前側に寄せており、下側のヘッダタンク部2Cの流通路101Bは、前後方向の後側に寄せて形成している。また、ヘッダプレート8Aは、板状部材をプレス加工して、爪部82(図9参照)を両側に有して断面がコの字状に形成されている。そして、ヘッダプレート8Aのチューブ4の端部に対応する位置には、チューブ挿入孔81が設けられている(図2参照)。
また、中間プレート9Cは、流通路101A(101B)を外側縁部に寄せたことに伴い、ヘッダタンク部2Cの幅方向において流通路101A(101B)の部分は、中間プレート9Cを構成していない。つまり、図8、図9に示す従来構造では、中間プレート9Aがヘッダプレート8Aの内幅分必要であったが、本実施形態では幅方向における反流通路101A(101B)側の半分の幅で充分となる。なお、図2以降で図中に太線で示す部分は、中間プレートと他の部材とがろう付けされている部分である。
これにより、中間プレート9Cを従来の半分の面積、半分の重さにできる。また、流通路101A(101B)の部分(図2中の左側部分)は、中間プレート9Cとのろう付けが不要となり、ろう付け面積を小さくできることより、エバポレータ1Aの一体ろう付けを容易にすることができる。
なお、中間プレート9Cのチューブ4の端部に対応する位置には、一方が開放されて櫛歯状に打ち抜かれた連通空間91と、連通空間91の反開放側端部には板厚の途中でチューブ4の端部の位置を規制する位置規制部としての段部92が設けられている(図9の従来構造参照)。
上述したヘッダプレート8A、中間プレート9C、タンクプレート10Cおよびチューブ4は、図2に示すように組み付けられる。ヘッダプレート8A内に中間プレート9Cとエンドキャップ11とをセットし、タンクプレート10Cを重ねた後に、ヘッダプレート8Aの爪部82をかしめて図2中のかしめ部82A、82Bの状態とする。つまり、タンクプレート10Cの上面を押え込んでヘッダタンク部2Cを形成する。
そして、これら両ヘッダタンク部2Cのチューブ挿入孔81に、各チューブ4の端部とサイドプレート7の端部とを挿入し、これら各部材を一体でろう付けする。チューブ4の端部は、中間プレート9Cの連通空間91の段部92によって流通路101Aの外側の領域に規制される。また、チューブ4の端部は、連通空間91の空間内に配置されることになり、タンクプレート10Cの流通路101Aと中間プレート9Cの連通空間91とによって連通部が形成される。
以上のように構成されるエバポレータ1Aにおいて、図1中の冷媒流入口61Aが図示しない膨張弁の吐出側と接続され、冷媒流出口61Bが図示しない圧縮機の吸入側と接続される。そして、膨張弁から吐出された低温低圧の冷媒は、上側のジョイントブロック6Aから上側のヘッダタンク部2Cの流通路101A内に流入する。
そして冷媒は、各チューブ4に分配されて下方へ流れ、下側のヘッダタンク部2Cの流通路101B内に流出して集合し、下側のジョイントブロック6Aから流出する。この間に冷媒は、コア部3において流体としての空気と熱交換し、空気を冷却して冷媒は蒸発する。
次に、本実施形態の特徴と、その効果について述べる。まず、ヘッダタンク部2Cの幅方向にて流通路101A(101B)の内側幅寸法がチューブ4の幅寸法よりも小さく構成されており、中間プレート9Cの幅方向の長さを、ヘッダプレート8Aの幅方向の内側長さよりも小さくしている。これによれば、ヘッダタンク部2Cでのろう付け面積が減って熱交換器1のろう付けを容易とすることができる。
また、流通路101Aを、ヘッダタンク部2Cの幅方向の外側縁部に寄せて形成している。これによれば、流通路101A(101B)の範囲は、ヘッダプレート8Aと中間プレート9Cとの接合を不要とすることができる。このため、ヘッダタンク部2Cでのろう付け面積が減って熱交換器1のろう付けを容易とすることができる。
また、具体的には、流通路101A(101B)の範囲は、中間プレート9Cを構成しないようにしている。これによれば、流通路101A(101B)の範囲は、ヘッダプレート8Aと中間プレート9Cとの接合が不要なことより、中間プレート9Cの幅を小さくすることができ、エバポレータ1Aを軽量化およびコストダウンすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態におけるエバポレータ1Bの全体構成を示す斜視図であり、図5は、図4中のV−V部分断面図である。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。上述の第1実施形態は、チューブ4の列が1列であったのに対して、本実施形態は、チューブ4の列を幅方向に2列にしたものである。そして、ジョイントブロック6Bを、上下のヘッダタンク部2Dのうち、一方のヘッダタンク2Dにのみ接合している。
次に、第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態におけるエバポレータ1Bの全体構成を示す斜視図であり、図5は、図4中のV−V部分断面図である。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。上述の第1実施形態は、チューブ4の列が1列であったのに対して、本実施形態は、チューブ4の列を幅方向に2列にしたものである。そして、ジョイントブロック6Bを、上下のヘッダタンク部2Dのうち、一方のヘッダタンク2Dにのみ接合している。
ヘッダタンク部2Dは、図5に示すように、チューブ4の端部が接合されるヘッダプレート8Bと、流通路101C〜101Fを形成するタンクプレート10Dと、ヘッダプレート8Bとタンクプレート10Dとの間に接合されてチューブ4の内部と流通路101C〜101Fとを連通させる連通空間91を形成する中間プレート9Dとから成っている。
タンクプレート10Dは、板状部材をプレス加工して流通路101C〜101Fの断面形状を略U字状に形成したものである。なお、ヘッダタンク部2Dの幅方向において、流通路101C〜101Fの内側幅寸法は、チューブ4の幅寸法よりも小さくなるようにしている。そして、本実施形態の特徴の一つとして、その流通路101C〜101Fを、ヘッダタンク部2Dの幅方向の外側縁部に寄せて形成している。
具体的に、図1示すエバポレータ1Bでは、両ヘッダタンク部2Dの前方側のチューブ列は、流通路101E、101Fを前側に寄せており、後方側のチューブ列は、流通路101C、101Dを後側に寄せて形成している。また、ヘッダプレート8Bは、板状部材をプレス加工して、爪部82を両側に有して断面がコの字状に形成されている。そして、チューブ4の端部に対応する位置にはチューブ挿入孔81が2列設けられている。
また、中間プレート9Dは、流通路101C〜101Fを外側縁部に寄せたことに伴い、ヘッダタンク部2Dの幅方向において流通路101C〜101Fの部分は、中間プレート9Dを構成していない。つまり、図10に示す従来構造では、中間プレート9Bがヘッダプレート8Bの内幅分必要であったが、本実施形態では幅方向における中央部の半分の幅で充分となる。
これにより、中間プレート9Dを従来の半分の面積、半分の重さにできる。また、流通路101C〜101Fの部分(ヘッダタンク部2Dの幅方向における端部)は、中間プレート9Dとのろう付けが不要となり、ろう付け面積を小さくできることより、エバポレータ1Bの一体ろう付けを容易にすることができる。
なお、中間プレート9Dのチューブ4の端部に対応する位置には、一方が開放されて櫛歯状に打ち抜かれた連通空間91が2列と、連通空間91の反開放側端部には板厚の途中でチューブ4の端部の位置を規制する位置規制部としての段部92が設けられている。
上述したヘッダプレート8B、中間プレート9D、タンクプレート10Dおよびチューブ4は、図5に示すように組み付けられる。ヘッダプレート8B内に中間プレート9Dとエンドキャップ11とをセットし、タンクプレート10Dを重ねた後に、ヘッダプレート8Bの爪部82をかしめて図5中のかしめ部82Bの状態とする。つまり、タンクプレート10Dの上面を押え込んでヘッダタンク部2Dを形成する。
そして、これら両ヘッダタンク部2Dのチューブ挿入孔81に、各チューブ4の端部とサイドプレート7の端部とを挿入し、これら各部材を一体でろう付けする。チューブ4の端部は、中間プレート9Dの連通空間91の段部92によって流通路101C〜101Fの外側の領域に規制される。また、チューブ4の端部は、連通空間91の空間内に配置されることになり、タンクプレート10Dの流通路101C〜101Fと中間プレート9Dの連通空間91とによって連通部が形成される。
以上のように構成されるエバポレータ1Bにおいて、図4中の冷媒流入口61Aが図示しない膨張弁の吐出側と接続され、冷媒流出口61Bが図示しない圧縮機の吸入側と接続される。そして、膨張弁から吐出された低温低圧の冷媒は、ジョイントブロック6Bの冷媒流入口61Aから上後方側の流通路101C内に流入する。
そして冷媒は、後方側の各チューブ4に分配されて下方へ流れ、一旦下後方側の流通路101D内に流出して集合し、そこから図示しない連通路を通って下前方側の流通部101Eへと流れる。そこから前方側のチューブ4に再度分配されて上方へ流れ、上前方側の流通部101Fに流出して再度集合し、ジョイントブロック6Bの冷媒流出口61Bから流出する。この間に冷媒は、コア部3において流体としての空気と熱交換し、空気を冷却して冷媒は蒸発する。
(第2実施形態の変形例)
図6は、図5に対する変形例を示す断面図である。ヘッダタンク部2Eは、図6に示すように、チューブ4の端部が接合されるヘッダプレート8Bと、流通路101C〜101Fを形成するタンクプレート10Eと、ヘッダプレート8Bとタンクプレート10Eとの間に接合されてチューブ4の内部と流通路101C〜101Fとを連通させる連通空間91を形成する中間プレート9Eとから成っている。
図6は、図5に対する変形例を示す断面図である。ヘッダタンク部2Eは、図6に示すように、チューブ4の端部が接合されるヘッダプレート8Bと、流通路101C〜101Fを形成するタンクプレート10Eと、ヘッダプレート8Bとタンクプレート10Eとの間に接合されてチューブ4の内部と流通路101C〜101Fとを連通させる連通空間91を形成する中間プレート9Eとから成っている。
なお、タンクプレート10Eに形成する流通路は、一方がヘッダタンク部2Eの幅方向の外側縁部に寄った流通路101Fとし、他方はチューブ4の中央に形成した流通路101としている。これにより、中間プレート9Eは、外側縁部に寄った流通路101F側だけ幅を小さくしている。このように、流通路を外側縁部に寄せるのは、ヘッダタンク部の幅方向の片側だけであっても良い。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態におけるヘッダタンク部2Fの部分断面図である。図2で示した第1実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態は、中間プレート9Fの一部の端部93を流通路101A内に構成するように折り曲げている。これによれば、中間プレート9Fの接合不要な端部93を流通路101A内に構成することにより、流通路101A内を流通する冷媒が撹拌されて熱交換性能向上の効果がある。なお、この構造は、図5、図6に示す複列の構造に適用しても良い。
次に、第3実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態におけるヘッダタンク部2Fの部分断面図である。図2で示した第1実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態は、中間プレート9Fの一部の端部93を流通路101A内に構成するように折り曲げている。これによれば、中間プレート9Fの接合不要な端部93を流通路101A内に構成することにより、流通路101A内を流通する冷媒が撹拌されて熱交換性能向上の効果がある。なお、この構造は、図5、図6に示す複列の構造に適用しても良い。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。図11および図12は、本発明の第4実施形態におけるヘッダタンク部2Gおよび2Hの部分断面図である。これらの図に示すように、流通路101を従来通りチューブ4の幅方向の中央に形成して、中間プレート9Cおよび9Dをヘッダプレート8Aおよび8Bの幅方向の内側長さよりも小さく構成しても良い。なお、タンクプレート10Fおよび10Gの端部は、かしめ部82Aを支えるために、図11および図12では下方へ折り立てている。
次に、第4実施形態について説明する。図11および図12は、本発明の第4実施形態におけるヘッダタンク部2Gおよび2Hの部分断面図である。これらの図に示すように、流通路101を従来通りチューブ4の幅方向の中央に形成して、中間プレート9Cおよび9Dをヘッダプレート8Aおよび8Bの幅方向の内側長さよりも小さく構成しても良い。なお、タンクプレート10Fおよび10Gの端部は、かしめ部82Aを支えるために、図11および図12では下方へ折り立てている。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、熱交換器として超臨界冷凍サイクル内のエバポレータに適用されるものとして説明したが、冷媒を冷却させるガスクーラに適用しても良い。更に、二酸化炭素を冷媒とする超臨界冷凍サイクルに限らず、亜臨界の冷凍サイクルや、その他車両エンジンに用いられる熱交換器などに広く適用することができる。
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、熱交換器として超臨界冷凍サイクル内のエバポレータに適用されるものとして説明したが、冷媒を冷却させるガスクーラに適用しても良い。更に、二酸化炭素を冷媒とする超臨界冷凍サイクルに限らず、亜臨界の冷凍サイクルや、その他車両エンジンに用いられる熱交換器などに広く適用することができる。
2C〜2H…ヘッダタンク部
3…コア部
4…チューブ
8A、8B…ヘッダプレート
9C〜9F…中間プレート
10C〜10G…タンクプレート
91…連通空間
93…一部の端部
101、101A〜101F…流通路
3…コア部
4…チューブ
8A、8B…ヘッダプレート
9C〜9F…中間プレート
10C〜10G…タンクプレート
91…連通空間
93…一部の端部
101、101A〜101F…流通路
Claims (4)
- 複数のチューブ(4)を積層し、前記チューブ(4)の長手方向および積層方向と直交する幅方向から流入して前記チューブ(4)の外を流れる流体と前記チューブ(4)の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行うコア部(3)と、
前記チューブ(4)の長手方向の端部に接続されて内部と連通し、前記複数のチューブ(4)に冷媒を分配供給、もしくは前記複数のチューブ(4)から冷媒を集合回収するヘッダタンク部(2C〜2H)とを備えた熱交換器であって、
前記ヘッダタンク部(2C〜2H)は、前記チューブ(4)の端部が接合されるヘッダプレート(8A、8B)と、冷媒を前記積層方向に流通させるための流通路(101、101A〜101F)を形成するタンクプレート(10C〜10G)と、前記ヘッダプレート(8A、8B)と前記タンクプレート(10C〜10G)との間に接合されて前記チューブ(4)の内部と前記流通路(101、101A〜101F)とを連通させる連通空間(91)を形成する中間プレート(9C〜9F)とを備え、
前記ヘッダタンク部(2C〜2H)の前記幅方向にて前記流通路(101、101A〜101F)の内側幅寸法が前記チューブ(4)の幅寸法よりも小さく構成されており、
前記中間プレート(9C〜9F)の前記幅方向の長さを、前記ヘッダプレート(8A、8B)の前記幅方向の内側長さよりも小さくしていることを特徴とする熱交換器。 - 前記流通路(101A〜101F)を、前記ヘッダタンク部(2C〜2F)の前記幅方向の外側縁部に寄せて形成していることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記流通路(101A〜101F)の範囲は、前記中間プレート(9C〜9E)を構成していないことを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記中間プレート(9F)の一部の端部(93)を前記流通路(101A)内に構成するように折り曲げていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
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2007
- 2007-12-14 JP JP2007323828A patent/JP2009144997A/ja active Pending
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