JP2009144952A - 蒸気監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 復水系腐食監視装置と蒸気質監視装置の両装置を備えていても、両装置で使用される冷却媒体の総使用量を減少させることができる蒸気監視装置を提供する。
【解決手段】 ボイラからの蒸気Sを第1の熱交換器10にて冷却して得られた凝縮水W1をテストピースP周りに流して、この凝縮水W1のよるテストピースPの腐食の状況調べることによって、蒸気Sの復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置2と、復水系腐食監視装置2からの凝縮水W1を第2の熱交換器20により更に冷却して、この凝縮水W2に関する、溶存酸素濃度、pH値、及び電気伝導率の少なくとも何れかを計測し、この計測値に基づいて蒸気Sの質を監視する蒸気質監視装置3とを備えた蒸気監視装置1であって、第1及び第2の熱交換器10,20に通される冷却媒体Cを、一方の熱交換器から他方の熱交換器へと順に通すようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ボイラからの蒸気Sを第1の熱交換器10にて冷却して得られた凝縮水W1をテストピースP周りに流して、この凝縮水W1のよるテストピースPの腐食の状況調べることによって、蒸気Sの復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置2と、復水系腐食監視装置2からの凝縮水W1を第2の熱交換器20により更に冷却して、この凝縮水W2に関する、溶存酸素濃度、pH値、及び電気伝導率の少なくとも何れかを計測し、この計測値に基づいて蒸気Sの質を監視する蒸気質監視装置3とを備えた蒸気監視装置1であって、第1及び第2の熱交換器10,20に通される冷却媒体Cを、一方の熱交換器から他方の熱交換器へと順に通すようにしている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ボイラからの蒸気の復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置と、この蒸気の品質を監視する蒸気質監視装置とを備えた蒸気監視装置に関するものである。
ボイラからの蒸気に関しては、蒸気を凝縮させて復水系においてどの程度の腐食が生じるかを調べたり、凝縮させた凝縮水の水質を調べて蒸気の品質を評価することが行われている。蒸気の復水系における腐食の状況を監視するには、例えば、特許文献1に記載されているような復水系腐食監視装置が用いられ、蒸気の品質を監視するためには、例えば、特許文献2や特許文献3に記載されているような蒸気質監視装置が用いられている。
復水系腐食監視装置100は、図3の(a)で示されるように、ボイラからの蒸気Sを冷却水Cを用いて凝縮させる熱交換器101と、内部のテストピース周りに熱交換器101からの凝縮水W1を通過させ、この凝縮水W1によるテストピースの腐食の状況を調査するテストピースカラム102とを有している。蒸気質監視装置110は、図3(b)で示されるように、ボイラからの蒸気Sを冷却水Cを用いて凝縮させる熱交換器111と、熱交換器111からの凝縮水W2について、溶存酸素濃度やpH値等を連続的に計測する計測部112とを有している。なお、蒸気質監視装置110は、ボイラからの蒸気を食品等に吹き込んで使用する工場等において多く使用されている。
ここで、復水系腐食監視装置100のテストピースカラム102には、熱交換器101で作られた、温度が35〜65℃で、流量が300〜600mL/minの凝縮水W1が流され、蒸気質監視装置110計測部112には、熱交換器111で作られた、温度が10〜40℃で、流量が30〜200mL/minの凝縮水W2が流される。蒸気Sが一般の低圧飽和蒸気(例えば、圧力0.6MPa)の場合、復水系腐食監視装置100において、例えば、温度t1が50℃で、流量q1が450mL/minの凝縮水W1を得るには、熱交換器101に、流量Q1が17L/minの冷却水Cを流す必要があり、蒸気質監視装置110において、例えば、温度t2が30℃で、流量q2が100mL/minの凝縮水W2を得るには、熱交換器111に、流量Q2が5L/minの冷却水Cを流す必要がある。この場合、冷却水Cの温度T1を24℃とすれば、熱交換器101の出口における冷却水Cの温度T10は40.1℃となり、熱交換器111の出口における冷却水Cの温度T11は36.6℃となる。
一方、蒸気監視装置として、復水系腐食監視装置100と蒸気質監視装置110との両装置を備え、復水系の腐食の状況を監視するとともに、蒸気中に含まれる溶存酸素濃度や、pH値等を測定して、蒸気の品質を監視することもなされている。
特許第3662037号公報
特開第2007−93128号公報
特開第2006−97963号公報
しかしながら、上記従来の蒸気監視装置では、蒸気を凝縮させるために使用される冷却水Cが、復水系腐食監視装置100と蒸気質監視装置110とで全く独立に取り扱われているため、かかる装置で使用される冷却水Cの量は、復水系腐食監視装置100用と蒸気質監視装置110用とが加算されたものとなり、膨大な量になっていた。このような冷却媒体の使用量は、環境負荷低減の観点から減らすことが望まれるとともに、特に、夏場の渇水時期には、減らすことが望まれていた。
この発明は、以上の点に鑑み、復水系腐食監視装置と蒸気質監視装置の両装置を備えていても、両装置で使用される冷却媒体の総使用量を減少させることができる蒸気監視装置を提供することを目的とする。
この発明の請求項1記載の発明は、ボイラからの蒸気を第1の熱交換器にて冷却して得られた凝縮水をテストピース周りに流して、この凝縮水による前記テストピースの腐食の状況を調べることによって、前記蒸気の復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置と、前記復水系腐食監視装置からの前記凝縮水を第2の熱交換器により更に冷却して、この凝縮水に関する、溶存酸素濃度、pH値、及び電気伝導率の少なくとも何れかを計測し、この計測値に基づいて前記蒸気の質を監視する蒸気質監視装置とを備えた蒸気監視装置であって、前記第1及び第2の熱交換器に通される冷却媒体を、一方の熱交換器から他方の熱交換器へと順に通していることを特徴とする。
この発明によれば、一方の熱交換器(例えば、蒸気質監視装置の第2の熱交換器)に通した冷却媒体(冷却水)を、続けて他方の熱交換器(復水系腐食監視装置の第1の熱交換器)にも通しているので、例えば、第1の熱交換器に使用される量(17L/min)の冷却水を両熱交換器に使用することにより、第2の熱交換器に使用されていた冷却水(5L/min)を無しですますことができる。この場合、例えば、第2の熱交換器通過による冷却水の温度上昇は僅かであるので、第1の熱交換器に流入する冷却水の温度上昇を無視できる。
この発明の請求項2記載の発明は、ボイラからの蒸気を第1の熱交換器にて冷却して得られた凝縮水をテストピース周りに流して、この凝縮水による前記テストピースの腐食の状況を調べることによって、前記蒸気の復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置と、前記ボイラからの蒸気を第2の熱交換器にて冷却して得られた凝縮水を用いて、この凝縮水に関する、溶存酸素濃度、pH値、及び電気伝導率の少なくとも何れかを計測し、この計測値に基づいて前記蒸気の質を監視する蒸気質監視装置とを備えた蒸気監視装置であって、前記第1及び第2の熱交換器に通される冷却媒体を、一方の熱交換器から他方の熱交換器へと順に通していることを特徴とする。
この発明によれば、一方の熱交換器(例えば、蒸気質監視装置側の第2の熱交換器)に通した冷却媒体(冷却水)を、そのまま他方の熱交換器(復水系腐食監視装置側の第1の熱交換器)に通した場合、この冷却水は、第2の熱交換器通過により温度が上昇するため、第1の熱交換器への流入温度が上昇する。したがって、第1の熱交換器からの冷却水の出口温度が上昇し、この第1の熱交換器出口の凝縮水の温度も上昇するので、第1の熱交換器出口の凝縮水の温度を従来通りの温度(50℃)に維持するためには、第1の熱交換器の伝熱面積をやや大きくしてやる必要がある。ところが、この場合、第2の熱交換器に対する冷却水の流量が増加し、その出口温度を下げることができるとともに、第2の熱交換器中の冷却水の流速が増加した分、熱伝達係数も大きくなるので、第2の熱交換器の伝熱面積は小さくすることができる。したがって、第1及び第2の熱交換器の伝熱面積の増減は相殺され、結局、第2の熱交換器に使用されていた冷却水を無しですますことができる。
この発明の請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の場合において、前記第2の熱交換器に通した冷却媒体を、前記第1の熱交換器に通すようにしていることを特徴とする。
この発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の場合において、前記第1の熱交換器に対しては、前記冷却媒体を前記蒸気の流れと並流となるように流し、前記第2の熱交換器に対しては、前記冷却媒体を前記凝縮水又は前記蒸気の流れと向流となるように流していることを特徴とする。
この発明の請求項1及び3記載の発明によれば、一方の熱交換器(例えば、蒸気質監視装置側の第2の熱交換器)に通した冷却媒体(冷却水)を、続けて他方の熱交換器(復水系腐食監視装置側の第1の熱交換器)に通しても、冷却媒体(冷却水)に特別な温度上昇をほとんど生じさせることがないため、結局、冷却水の使用量を、一方の熱交換器に使用していた分とほぼ同量だけ減少させることができる。
この発明の請求項2及び3記載の発明によれば、一方の熱交換器(例えば、蒸気質監視装置側の第2の熱交換器)に通した冷却媒体(冷却水)を、続けて他方の熱交換器(復水系腐食監視装置側の第1の熱交換器)に通すことにより、熱交換器の伝熱面積に変化が生じても、一方の熱交換器の伝熱面積の増加分と他方の熱交換器の伝熱面積の減少分とが相殺されるため、結局、冷却水の使用量を、一方の熱交換器に使用していた分とほぼ同量だけ減少させることができる。
この発明の請求項4記載の発明によれば、第2の熱交換器に関しては、向流の流れによって、冷却水により蒸気や凝縮水を効率よく冷却できるとともに、第1の熱交換器に関しては、蒸気に多少の変動(温度や圧力の変動)が生じたり、冷却水に多少の変動(流量や温度の変動)が生じても、並流の流れによって、出口の凝縮水の温度に与える影響を小さく抑えることができる。
以下、この発明の最良の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
実施形態1.
図1はこの発明の一実施の形態に係る蒸気監視装置を示している。
実施形態1.
図1はこの発明の一実施の形態に係る蒸気監視装置を示している。
蒸気監視装置1は、図1で示されるように、ボイラからの蒸気Sが流れる配管Hから、引き込み配管H1を介して、蒸気Sを受け入れる復水系腐食監視装置2と、復水系腐食監視装置2から出た凝縮水W1を受け入れる蒸気質監視装置3と、復水系腐食監視装置2からの凝縮水W1を蒸気質監視装置3に流すための凝縮水配管4と、復水系腐食監視装置2と蒸気質監視装置3とをつなぐ冷却水配管5とから構成されている。
復水系腐食監視装置2は、冷却媒体である冷却水Cを使用して、蒸気Sを所定温度で所定流量の凝縮水W1にする第1の熱交換器としての第1冷却器10と、内部に複数のテストピースPが着脱可能に取り付けられ、第1冷却器10からの凝縮水W1をテストピースP周りに連続的に流すことにより、この凝縮水W1によるテストピースPの腐食の状況が調査できる透明なテストピースカラム11と、第1冷却器10とテストピースカラム11とをつなぐ連絡配管12と、テストピースカラム11からの凝縮水W1を排出する排出配管13とから構成されている。第1冷却器10は、やや細長い形状をしており、蒸気Sの入口側に冷却水Cの入口部10aが設けられ、凝縮水W1の出口側に冷却水Cの出口部10bが設けられていて、この第1冷却器10では、蒸気S等と冷却水Cとは、互いに向流となる向きに流されている。
蒸気質監視装置3は、復水系腐食監視装置2から排出された凝縮水W1の一部を所定の流量だけ受け入れ、この凝縮水W1を更に冷却して所定の温度の凝縮水W2にする第2の熱交換器としての第2冷却器20と、第2冷却器20からの凝縮水W2の水質を連続的に計測する計測部21と、第2冷却器20と計測部21とをつなぐ連絡配管22と、計測部21からの凝縮水W2を排出させる排出配管23とから構成されている。
第2冷却器20は、やや細長い形状をしており、凝縮水W2の出口側に冷却水Cの入口部20aが設けられ、凝縮水W1の入口側に冷却水Cの出口部20bが設けられていて、この第2冷却器20では、凝縮水W1等と冷却水Cとは、互いに並流となる向きに流されている。計測部21には、凝縮水W2中の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計(以下、DO計21aという)と、凝縮水W2の電気伝導度を計測する電気伝導度計(以下、EC計21bという)と、凝縮水W2のpH値を計測するpH計21cとが設けられていて、この計測部21において、いわゆる蒸気Sの品質が計測できるようになっている。なお、計測部21には、DO計21a、EC計21b、及びpH計21cのうちの少なくとも1つが備えられておればよく、計測部21では、溶存酸素濃度、電気伝導度、pH値のうちの少なくとも1つが計測されておればよい。
凝縮水配管4は、復水系腐食監視装置2の凝縮水W1の排出配管13と、蒸気質監視装置3の第2冷却器20の凝縮水入口部とを連結するものであり、復水系腐食監視装置2からの凝縮水W1を蒸気質監視装置3側に取り込むことによって、蒸気質監視装置3の第2冷却器20の負荷軽減を図るものである。凝縮水配管4中のバルブ4aや排出配管13中のバルブ13a,13bを調整することにより、蒸気質監視装置3側に所定流量の凝縮水W1が供給される。なお、凝縮水W1は、テストピースPの腐食によってやや汚れた状態になりえるが、この反応は時間をかけて生じるので、この汚れ等が、凝縮水W2の水質を連続的に計測する計測部21に与える影響はほとんどない。
冷却水配管5は、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10の入口部10aと、蒸気質監視装置3の第2冷却器20の出口部20bとをつないで、第2冷却器20から排出された冷却水Cを第1冷却器10側に供給するものである。この冷却水配管5により、冷却水Cの使用量の低減が図られる。
この蒸気監視装置1では、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10内に配管Hからの蒸気Sが供給されるとともに、蒸気質監視装置3の第2冷却器20に冷却水Cが供給されることにより、冷却水Cは、第2冷却器20と凝縮水配管4とを介して、第1冷却器10に供給され、第1冷却器10内の蒸気Sを冷却して凝縮水W1に変える。この凝縮水W1は、テストピースカラム11内に流入して、テストピースP周りを移動した後、凝縮水配管4を介して、必要な量のみが蒸気質監視装置3の第2冷却器20に供給され、残りのものは、排出配管13を介して外部に排出される。また、第2冷却器20に供給された凝縮水W1は、冷却水Cにより冷やされて凝縮水W2に変えられる。この凝縮水W2は、計測部21に送られて、この計測部21中の、DO計21a、EC計21b、及びpH計21cにより、その溶存酸素濃度、電気伝導度、pH値が連続的に計測された後、排出配管23から外部に排出される。
ボイラを備えた工場の担当者は、計測部21における計測値を見て、蒸気Sの品質を判断し、この蒸気Sが例えば食品加工等に使用できるか否かを判断する。また、この担当者は、テストピースカラム11内のテストピースPの腐食の状況を調べることにより、蒸気Sの復水系における腐食の状況を判断する。
つぎに、復水系腐食監視装置2や蒸気質監視装置3に流される凝縮水W1,W2の温度や流量について説明する。復水系腐食監視装置2のテストピースカラム11においては、凝縮水W1の流量は300〜600mL/min(400〜500mL/minがより好ましい)が好ましく、凝縮水W1の温度は35〜65℃(45〜55℃がより好ましい)が好ましい。この理由は以下の通りである。
凝縮水W1の流量に関しては、これが300mL/minより低下すると、一定の流路断面積が必要とされるテストピースカラム11内における凝縮水W1の流速低下が生じ、テストピースカラム11内での凝縮水W1の温度低下が無視できなくなるからである。この場合、テストピースカラム11内で凝縮水W1の自然対流が発生し、テストピースPの取り付け位置によって、凝縮水W1による腐食環境(凝縮水の温度や流速)が異なることとなり、腐食量にばらつきが生じる。また、凝縮水W1の流量が600mL/minより大きくなると、冷却水Cの不足時における蒸気噴出のリスクが高まり、監視に伴う危険性が大きくなるからである。
凝縮水W1の温度に関しては、密閉系における腐食速度は温度に依存するため、これが35℃より小さくなると、腐食速度が低くなりすぎ、テストピースPの重量が減少するまでに多くの時間がかかりすぎるとともに、腐食量にばらつきが生じ易くなるからである。また、凝縮水W1の温度が65℃を超えると、冷却水Cの不足時に、テストピースカラム11内で蒸気噴出の危険性が生じるとともに、テストピースPの取り付け器具等の耐熱温度の問題も生じるからである。したがって、復水系腐食監視装置2では、一般的に、凝縮水W1の流量q1は450mL/min程度の値が選択され、凝縮水W1の温度t1は50℃程度の値が選択される。
蒸気質監視装置3の計測部21においては、凝縮水W2の流量は、30〜200mL/min(50〜150mL/minがより好ましい)が好ましく、凝縮水W2の温度は10〜40℃(20〜30℃がより好ましい)が好ましい。この理由は以下の通りである。
凝縮水W2の流量に関しては、これが30mL/minより低いと、蒸気Sを取り込んでから計測するまでのタイムラグが大きくなりすぎ、監視の意義が失われてくるとともに、計測機器側からもその下限値が定められるからである。また、凝縮水W2の流量は、200mL/min以下で正確な計測が可能であり、この値以上のものは必要ないからである。凝縮水W2の温度に関しては、凝縮水W2中の溶存ガス量は温度によって大きく変化するため、これが10℃より低かったり、40℃より高かったりすると、凝縮水W2が計測部21を移動している間に、凝縮水W2に温度変化が生じやすく、計測値が不正確になりやすいからである。また、ボイラJISの水質管理値におけるpH値と電気伝導度は、試料温度が25℃基準で定められているので、凝縮水W2の温度も25℃近辺が好ましいからである。したがって、蒸気質監視装置3では、一般的に、凝縮水W2の流量q2は100mL/min程度の値が選択され、凝縮水W2の温度t2は30℃程度の値が選択される。
つぎに、この蒸気監視装置1の冷却水Cに関する作用効果について説明する。この場合、蒸気Sには、圧力0.6MPaの飽和蒸気が用いられ、冷却水Cには、流量Qが17L/minで、温度T1が24℃のものが使用されるものとする。また、復水系腐食監視装置2のテストピースカラム11には、温度t1が50℃で、流量q1が450mL/minの凝縮水W1が流され、蒸気質監視装置3の計測部21には、温度t2が30℃で、流量q2が100mL/minの凝縮水W2が流されるものとする。なお、機器からのヒートロスは考えないものとする。
蒸気質監視装置3の第2冷却器20では、流量が100mL/minの凝縮水W1の温度を50℃から30℃まで下げればよいので、第2冷却器20に供給される冷却水C(温度が24℃で、流量が17L/min)は、第2冷却器20により0.1℃だけ加熱され、その出口部20bにおける温度T2は24.1℃となる。また、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10では、0.6MPaの蒸気S(エンタルピ659.5kcal/kg)を冷却して、温度t1が50℃で、流量q1が450mL/minの凝縮水W1を作ればよいので、第1冷却器10に供給される冷却水C(温度が24.1℃で、流量が17L/min)は、第1熱交20により16.1℃だけ加熱され、その出口部10bにおける温度T3は40.2℃となる。
以上のように、この蒸気監視装置1では、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10を冷却する冷却水Cで、蒸気質監視装置3の第2冷却器20を冷却しても、この冷却水Cの温度上昇はほとんど無いため、その後、この冷却水Cで第1冷却器10を冷却しても、凝縮水W1の温度をほぼ50℃まで下げることができ、凝縮水W1側に不都合は生じない。したがって、この蒸気監視装置1では、蒸気質監視装置3の第2冷却器20のみを冷却するための冷却水Cをなくすことができ、使用する冷却水Cの量を減少させることができる。
また、この蒸気監視装置1では、蒸気質監視装置3の第2冷却器20中を通る冷却水Cの流速を従来のもの(冷却水Cを5L/min使用するもの)より上げることができるので、冷却水C側の熱伝達係数が大きくなり、その分、第2冷却器20の小型化を達成することができる。
さらに、この蒸気監視装置1では、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10に関して、蒸気S等の流れと冷却水Cの流れとが並流となるようにしているので、蒸気Sに多少の変動(圧力や温度の変動)が生じたり、冷却水Cに多少の変動(温度や流量の変動)が生じても、第1冷却器10出口の凝縮水W1の温度に与える影響を小さく抑えることができる。また、この蒸気監視装置1では、蒸気質監視装置3の第2冷却器20に関して、凝縮水W1等の流れと冷却水Cの流れとが向流となるようにしているので、冷却水Cにより凝縮水W1を効率よく冷却できる。
なお、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10において、蒸気S等の流れと冷却水Cの流れとを向流となるようにして、冷却水Cにより蒸気S等を効率的に冷却できるようにしてもよい。
実施形態2.
つぎにこの発明の他の実施の形態に係る蒸気監視装置を図2を参照しつつ説明する。この蒸気監視装置1Aでは、凝縮水配管4を設けず、蒸気質監視装置3の第2冷却器20Aに、配管Hからの引き込み配管H2を介して、蒸気Sを供給している点が、実施形態1の蒸気監視装置1と異なるのみである。
つぎにこの発明の他の実施の形態に係る蒸気監視装置を図2を参照しつつ説明する。この蒸気監視装置1Aでは、凝縮水配管4を設けず、蒸気質監視装置3の第2冷却器20Aに、配管Hからの引き込み配管H2を介して、蒸気Sを供給している点が、実施形態1の蒸気監視装置1と異なるのみである。
蒸気質監視装置3の第2冷却器20Aでは、0.6MPaの蒸気S(エンタルピ659.5kcal/kg)を冷却して、温度t2が30℃で、流量q2が100mL/minの凝縮水W2を作ればよいので、第2冷却器20Aに供給される冷却水C(温度T1が24℃で、流量Qが17L/min)は、第2冷却器20Aにより3.7℃の温度上昇分だけ加熱され、その出口部10bにおける温度T2は27.7℃となる。また、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10では、0.6MPaの蒸気Sを冷却して、温度t1が50℃で、流量q2が450mL/minの凝縮水W1を作ればよいので、第1冷却器10に供給される冷却水C(温度T2が27.7℃で、流量Qが17L/min)は、第1熱交20により16.1℃だけ加熱され、その出口部10bにおける温度T3は43.8℃となる。
ここで、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10では、その伝熱面積が、実施形態1の第1冷却器10や従来の熱交換器101と変わらないとすれば、冷却水Cの温度が3.7℃分だけ上昇して、その分、蒸気Sや途中の凝縮水との温度差が減少するので、吸熱量が数パーセント減少し、凝縮水W1の温度t1を50℃に保つためには、その伝熱面積を増加させる必要がある。一方、蒸気質監視装置3の第2冷却器20Aでは、冷却水Cの出口の温度T2(27.7℃)が、従来の場合(温度T11は36.6℃である)より減少し、かつ、冷却水Cの流速増加に伴って熱伝達係数が大きくなるので、吸熱量が増加し、凝縮水W2の温度を30℃に保つには、伝熱面積を減少させる必要がある。すなわち、この蒸気監視装置1Aでは、復水系腐食監視装置2の第1冷却器10の伝熱面積増分と、蒸気質監視装置3の第2冷却器20の伝熱面積減少分とが相殺して、全体としては、冷却水Cを17L/minですますことができ、従来より蒸気質監視装置にのみ用いてきた冷却水C(5L/min)をなくすことができる。
また、この蒸気監視装置1Aでも、第1冷却器10や第2冷却器20に関する、蒸気Sや凝縮水W1の流れと冷却水Cの流れに関して、蒸気監視装置1と同様な効果を達成することができる。
なお、第1及び第2冷却器10,20Aに通される冷却水Cの量は、17L/minでなく、従来の熱交換器101,111による冷却水Cの総使用量(17+5=22L/min)より小さければ、17L/minより多くてもよい。
1,1A 蒸気監視装置
2 復水系腐食監視装置
3 蒸気質監視装置
10 第1冷却器(第1の熱交換器)
20,20A 第2冷却器(第2の熱交換器)
C 冷却水
P テストピース
S 蒸気
W1,W2 凝縮水
2 復水系腐食監視装置
3 蒸気質監視装置
10 第1冷却器(第1の熱交換器)
20,20A 第2冷却器(第2の熱交換器)
C 冷却水
P テストピース
S 蒸気
W1,W2 凝縮水
Claims (4)
- ボイラからの蒸気を第1の熱交換器にて冷却して得られた凝縮水をテストピース周りに流して、この凝縮水による前記テストピースの腐食の状況を調べることによって、前記蒸気の復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置と、前記復水系腐食監視装置からの前記凝縮水を第2の熱交換器により更に冷却して、この凝縮水に関する、溶存酸素濃度、pH値、及び電気伝導率の少なくとも何れかを計測し、この計測値に基づいて前記蒸気の質を監視する蒸気質監視装置とを備えた蒸気監視装置であって、
前記第1及び第2の熱交換器に通される冷却媒体を、一方の熱交換器から他方の熱交換器へと順に通していることを特徴とする蒸気監視装置。 - ボイラからの蒸気を第1の熱交換器にて冷却して得られた凝縮水をテストピース周りに流して、この凝縮水による前記テストピースの腐食の状況を調べることによって、前記蒸気の復水系の腐食を監視する復水系腐食監視装置と、前記ボイラからの蒸気を第2の熱交換器にて冷却して得られた凝縮水を用いて、この凝縮水に関する、溶存酸素濃度、pH値、及び電気伝導率の少なくとも何れかを計測し、この計測値に基づいて前記蒸気の質を監視する蒸気質監視装置とを備えた蒸気監視装置であって、
前記第1及び第2の熱交換器に通される冷却媒体を、一方の熱交換器から他方の熱交換器へと順に通していることを特徴とする蒸気監視装置。 - 前記第2の熱交換器に通した冷却媒体を、前記第1の熱交換器に通すようにしていることを特徴とする請求項1又は2記載の蒸気監視装置。
- 前記第1の熱交換器に対しては、前記冷却媒体を前記蒸気の流れと並流となるように流し、前記第2の熱交換器に対しては、前記冷却媒体を前記凝縮水又は前記蒸気の流れと向流となるように流していることを特徴とする請求項3記載の蒸気監視装置。
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