JP2009135087A - 導電体の製造方法及び導電体 - Google Patents

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芳則 江尻
Takeshi Yoshida
健 吉田
Shigeharu Ariga
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Abstract

【課題】 穏やかな生産環境の下、従来よりもコストを抑えて、電子部品として良好な特性の導電体を形成できる導電体の製造方法及びそれにより得られる導電体を提供すること。
【解決手段】 導電体の製造方法は、被着体上に、直径が0.001μm〜1μmであり長さが0.01μm以上である微細繊維を全繊維量の50質量%以上含む繊維分散液を塗布して乾燥することにより、被着体表面の被覆率が1%〜80%である繊維層を形成する工程と、繊維層を無電解めっき液と接触させて微細繊維の少なくとも一部を導電性金属で被覆する工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電体の製造方法及び導電体に関し、特には、帯電防止膜、タッチパネル電極、電磁波シールド材等のディスプレイ用導電材として用いられる導電体及びその製造方法に関する。
電子工業品の多様化と需要の拡大に伴い、様々な材料や部材が組み合わされ複雑な工程を経て1つの電子工業品が完成される。旧来の電子工業品の製造工程では、無機材料が多用されているが、工業的な観点から求められるコストが引き金となり、たゆまない技術革新によって、使用される材料が無機材料から有機材料へと変遷する技術史が繰り返されている。
受像装置を例にすると、ブラウン管と称されるガラスと金属と無機蛍光体からなる電子工業品が、昨今では、液晶パネルとよばれる2枚のガラスの間に液晶や工業用樹脂が充填され、ガラスの外側には幾重ものプラスチックフィルムが積層された電子工業品が開発され、大量生産されている。現在、液晶パネルに使われているガラスや駆動用シリコンTFTは無機材料であるが、更にこれらを、プラスチックや有機TFTなどの有機材料に置き換えることが検討されている。
一方、電子工業品に必須である導電材料のうち透明な材料としては、現在のところ金属や酸化物系の透明導電材料が主に採用されているが、有機物質への変換に関する検討は進んでいると言い難い。その原因は、軽薄短小を要求される電子工業品材料には、薄く延伸しても十分な電気的特性を備える金属や光透過性に優れる酸化物が用いられるため、これに整合した工程として物理的真空成膜技術が確立されていることにあると考えられる。
ところが、電子部品の製造工程で真空の環境を形成して加工を行う物理的真空成膜技術を採用すると、導電膜を高真空環境、高エネルギー下で製膜する必要があるため、生産コストが著しく高くなる。そこで、生産コスト及び環境の観点から、従来よりも低コストかつ穏やかな環境で導電材料を加工する技術が求められている。
従来、導電体を得る方法としては、繊維を利用したものがある。例えば、特許文献1には、繊維とマトリクス材料を含有する樹脂複合シートに、スパッタリングや金属粒子を分散した塗布液を塗布することにより透明導電膜を製膜する方法が開示されている。また、特許文献2には、編組の繊維表面に導電層を形成した導電性材料が開示されている。更に、特許文献3には、セルロース系の小片、粉末及び繊維の中から選ばれる少なくとも1種類のセルロース系材料の加圧形成体からなり、該形成体はバインダーにより接合保持され、かつ該セルロース系材料の少なくとも一部は無電解めっき処理によりその表面に導電性金属皮膜が形成されている導電体が開示されている。また、特許文献4には、カーボンナノファイバーの表面に無電金属めっきによる多数の金属粒が析出している複合めっき物が開示されている。
特開2006−035647号公報 特開昭62−139205号公報 特開平01−128597号公報 特開2005−200732号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようにスパッタリング等の物理的真空成膜技術を採用すると、上述のとおり生産コストが著しく高くなる。また、スパッタリングの基材が高温による変質やダメージを受けやすくなる。更に、このような方法では、大画面化したディスプレイなどに用いられる大面積の導電体を作製しようとすると、大型の装置を導入する必要があり、生産コストが更に上昇してしまう。
特許文献2及び3に記載の方法で得られる導電性材料は、サイズが電子部品の部材としては大きく、また表面凹凸も大きすぎるため、ディスプレイ用導電材として用いた場合には表示品位が低下したりする場合があり、実用範囲が限られる。
特許文献4に記載の複合めっき物は、カーボンナノファイバーを用いるために材料コストが増大しやすい。また、特許文献4には、導電体の製造方法や得られる導電体の特性については記載されていない。
本発明は、上記事情にかんがみてなされたものであり、穏やかな生産環境の下、従来よりもコストを抑えて、電子部品として良好な特性の導電体を形成できる導電体の製造方法及びそれにより得られる導電体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、被着体上に、直径が0.001μm〜1μmであり長さが0.01μm以上である微細繊維を全繊維量の50質量%以上含む繊維分散液を塗布して乾燥することにより、被着体表面の被覆率が1%〜80%である繊維層を形成する工程と、繊維層を無電解めっき液と接触させて微細繊維の少なくとも一部を導電性金属で被覆する工程とを備える導電体の製造方法を提供する。
本発明の導電体の製造方法によれば、上記工程を有することにより、従来の物理的真空成膜技術による場合に比べて、穏やかな生産環境の下、従来よりもコストを抑えて、電子部品として良好な特性の導電体を被着体上に形成することができる。
本発明の導電体の製造方法において、環境負荷とコストの点から、上記微細繊維がセルロースミクロフィブリルを含むことが好ましい。
また、本発明の導電体の製造方法は、無電解めっき液と接触させた後の繊維層を、貴金属を含む置換めっき液と接触させる工程を更に備えることができる。
本発明はまた、本発明の導電体の製造方法により被着体上に形成され、導電体のシート抵抗が10Ω/cm以下である導電体を提供する。本発明の導電体は、電子部品として良好な特性を有しながらも、従来よりも安価に製造が可能である。
本発明によれば、穏やかな生産環境の下、従来よりもコストを抑えて、電子部品として良好な特性の導電体を形成できる導電体の製造方法及びそれにより得られる導電体を提供することができる。すなわち、本発明の導電体の製造方法によれば、物理的真空成膜技術を必要としないため、導電体を備える電子部品等の製造工程で真空の環境を準備する必要がなく、常圧低温で安価に導電体を形成でき、大面積化を図ることができる。
本発明の導電体の製造方法は、被着体上に、直径が0.001μm〜1μmであり長さが0.01μm以上である微細繊維を全繊維量の50質量%以上含む繊維分散液を塗布して乾燥することにより、被着体表面の被覆率が1%〜80%である繊維層を形成する第1工程と、繊維層を無電解めっき液と接触させて微細繊維の少なくとも一部を導電性金属で被覆する第2工程とを備える。
図1は、本発明の導電体の製造方法の一実施形態を説明する模式断面図である。図1の(a)は、上記第1工程後、被着体1上に繊維層2が形成された積層体3(被めっき体)を示している。また、図1の(b)は、積層体3(被めっき体)に対して上記第2工程が施され、微細繊維2aとこれを被覆する導電性金属4との複合体から構成される導電体5が被着体1上に形成された態様を示している。
被着体1としては、表面に比較的平滑性があるものを選択することができ、例えば、ガラス基板、樹脂基板、フィルム基板、セルロース基板等が挙げられる。繊維の膜(繊維層2)を形成し易くするため、必要に応じて被着体表面を水洗、アルカリ洗浄、UV処理、プラズマ処理、アルコキシシラン処理する等の前処理が被着体1に施されていてもよい。
繊維分散液は、繊維を分散媒に分散させてなる。
繊維としては、天然繊維、化学繊維のいずれも用いることができる。天然繊維としては、羊毛・アンゴラ・カシミア・モヘア等の動物繊維、絹、植物やバクテリアから得られるセルロース繊維などが挙げられる。化学繊維としては、レーヨン、ポリノジック、キュプラ等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維などが挙げられる。
本発明においては、環境負荷とコスト低減の観点から、工業的には、セルロース繊維を用いることが好ましく、セルロースミクロフィブリルを用いることがより好ましい。セルロースミクロフィブリルは、セルロース分子鎖が数十本束となってできた微細な繊維であり、セルロース繊維は、このセルロースミクロフィブリルがさらに束となって構成される。セルロース繊維の直径は数十μmにもなるのに対し、セルロースミクロフィブリルの直径は数nm〜0.1μmである。セルロースミクロフィブリルやそれらの誘導体は、セルロース繊維と比較して、分散性、他物質との親和性や微粒子の捕捉・吸着などに優れる特徴を有している。
本発明において、繊維分散液に含有される繊維は、直径が0.001μm〜1μmであり長さが0.01μm以上である微細繊維を全繊維量の50質量%以上含むことが必要である。この微細繊維は、分散性、他物質との親和性、微粒子の捕捉・吸着などの特性に優れていることから、上記第1工程においては、繊維分散液の塗布、乾燥により上記所定の被覆率の繊維層を均一に形成することができるとともに、上記第2工程においては、めっき触媒の付着性が良好となることで繊維表面にめっきすることが容易となる。直径が1μmを超える繊維を用いると、繊維層の均一性が低下する。一方、直径が0.001μm未満の繊維は、天然繊維、合成繊維に関わらず実質的に得ることが困難である。なお、繊維の直径は、SEM表面観察により測定される。また、繊維の長さは、光学顕微鏡で観察することにより測定される。
微細繊維の直径は、ディスプレイ用導電材として用いた場合の表示品位の観点から、0.005μm〜0.5μmが好ましく、0.005μm〜0.1μmがより好ましい。
微細繊維の含有量は、全繊維量の50質量%以上であることが必要であり、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%がさらにより好ましい。微細繊維の含有量が全繊維量の50%質量未満の場合、形成される導電体の表面凹凸が大きくなりすぎて、後工程で不具合が生じたり、ディスプレイ用導電材として用いた場合には表示品位が低下したりする場合がある。
微細繊維の長さとしては、上記第1工程で形成される繊維層の外観均一性、及び導電体の導電性の観点から、0.01μm以上とされ、上限は10000μmが好ましい。微細繊維の長さが0.01μm未満であると、繊維同士の絡み合いが少なくなるために導電体の導電性が低下する。一方、10000μmを超えると、繊維層の外観均一性が悪化する傾向がある。微細繊維の長さは、0.1μm〜5000μmの範囲がより好ましく、1μm〜1000μmの範囲がさらに好ましい。
上記のサイズの微細繊維を得る方法としては、例えば、セルロース繊維やセルロースミクロフィブリルを、物理処理又は化学処理することが挙げられる。物理処理としては、グラインダー、ホモジナイザー、遊星ボールミル等による処理が挙げられる。化学処理としては、アルカリ処理、酸処理、触媒処理によって、セルロース繊維を細分化する処理が挙げられる。
微細繊維として、セルロース繊維やセルロースミクロフィブリルを用いる場合、それらは、セルロースを化学的処理してセルロース誘導体に変性したものであってもよい。セルロース誘導体としては、例えば、アセチルセルロース類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースキサントゲン酸ソーダ、セルロースメチレート、セルローエチレート、アセチルブチルセルロース、ベンジルセルロース、セルロースグリコール酸ソーダ等が挙げられる。セルロースに新たな置換基を導入してセルロース誘導体とすることにより、微細繊維を分散媒に分散させやすくなったり、塗布、乾燥時の繊維同士の凝集が抑制され、より均一な繊維層を形成することが可能となる。
繊維の分散媒としては、水、並びにエーテル系、炭化水素系、エステル系、アルコ−ル系及びケトン系等の有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、塗布後の除去性が良好である点から、蒸気圧の高い溶媒が好ましく、具体的には、水、エタノールが好適である。
繊維分散液中の固形分(繊維の含有割合)は、0.001〜20質量%であると好ましく、0.01〜10質量%であるとより好ましく、0.01〜5質量%であると更に好ましい。固形分が0.001質量%未満であると、繊維の絡み合いが少なくなり、その結果、導電体の導電性が低下する傾向にある。また、固形分が10質量%を上回る場合、被着体上に被着体表面の被覆率が1%〜80%である繊維層を形成することが困難になる傾向にある。
被着体上に繊維分散液を塗布する方法としては、ロールコータ塗布、スピンコータ塗布、スプレー塗布、ディップコータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布、アプリケータ塗布、スプレー塗布等が挙げられる。
被着体上に塗布された繊維分散液の乾燥は、例えば、ホットプレート、オーブン等によって行うことができる。
繊維層2は、被着体表面の被覆率が1%〜80%となるように形成される。これにより、被着体上に形成される導電体の導電性を電子部品として十分な水準にすることができる。なお、繊維層の被着体表面の被覆率とは、繊維層を形成した被着体表面の単位面積に占める繊維の面積の割合を意味する。被着体表面の単位面積に占める繊維の面積の割合は、光学顕微鏡やSEMによって測定できる。
被覆率が1%〜80%の範囲外であると十分な導電性が得られない理由を本発明者らは以下のとおり考えている。繊維層の被覆率が80%を超えると、第2工程において繊維量が多い状態でめっきすることになる。その場合、繊維は比較的表面積が大きいことから、めっき反応が急激に起こり、異物が生じることで良質なめっき皮膜が得られない。一方、繊維層の被覆率が1%未満であると、繊維同士の絡み合いが少なくなるために、十分な導電性が得られにくくなる。また、繊維層の被覆率が80%を超えると、めっき後の乾燥工程で繊維層の収縮が起こり、めっき膜が断絶することが導電性を得られない要因として考えられる。
十分な導電性を付与する観点から、繊維層の被覆率は、80〜1%であることが好ましく、75〜5%であることがより好ましい。被覆率は、例えば、繊維分散液中の繊維の含有割合、繊維分散液の塗布量、繊維分散液の塗布回数によって調整することができる。
無電解めっき液としては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき等で用いられる公知の無電解めっき液が挙げられる。無電解銅めっき用の無電解めっき液としては、銅塩、銅イオンの錯化剤、水酸化アルカリ等のpH調整剤及び還元剤を含む水溶液が挙げられる。銅塩としては、硫酸銅、酸化銅、水酸化銅等が挙げられる。銅イオンの錯化剤としては、エレンジアミン四酢酸やその塩等が挙げられる。還元剤としては、ホルムアルデヒドやその水溶液等が挙げられる。
上記第2工程は、触媒付与を行った積層体3(被めっき体)を、上記の無電解めっき液に浸漬することにより実施できる。触媒付与は、例えば、パラジウムイオン溶液に積層体3(被めっき体)を浸漬した後、次亜燐酸ナトリウム水溶液に浸漬してパラジウムイオンを還元することにより行われる。無電解めっきを施す積層体3(被めっき体)には、触媒付与以外に、脱脂処理などの前処理を施すことができる。
無電解めっき液への浸漬時間は、5秒〜10分とすることができる。
本発明においては、繊維層に無電解めっきを施した後に、更に置換めっきを施してもよい。なお、置換めっきとは、無電解めっきされた金属とのイオン化傾向の差によって、無電解めっきで施された金属が溶解して新たな金属が析出するものである。この置換めっきは、無電解めっき液と接触させた後の繊維層を、貴金属を含む置換めっき液と接触させる工程により実施できる。
安定な貴金属による置換めっきを施すことによって、空気や加熱による酸化を抑制し、平坦化膜の積層などの後工程や経時による導電体の変質を防ぐことができる。貴金属を含む置換めっき液は、金、銀、パラジウム、白金、ロジウムから一種類以上の金属を含む公知の置換めっき液などを用いることができる。
上記の工程を経て形成される導電体5は、例えば、10Ω/cm以下のシート抵抗を有することができる。この理由を本発明者らは、めっきされた微細繊維(複合体)が被着体上に薄く絡み合って形成され、このような複合体があたかも回路のように働くことで良好な導電性が得られたためと考えている。
本発明の導電体の製造方法は、帯電防止膜、タッチパネル電極、電磁波シールド材等のディスプレイ用導電材として用いられる導電体の製造に有用である。
また、本発明は、上述した本発明の導電体の製造方法により得られたもの以外の、直径が0.001μm〜1μmであり長さが0.01μm以上である微細繊維を全繊維量の50質量%以上含む繊維群と、微細繊維の少なくとも一部を被覆する導電性金属との複合体を含んでなる導電体を提供する。このような導電体は、上記微細繊維を含む繊維群を無電解めっき液に浸漬した後、無電解めっきが施された繊維群を、濾過、遠心分離、透析等により無電解めっき液から取り出し、溶剤や樹脂等に分散して分散液を調製し、次いで、この分散液を被着体上に塗布して乾燥することにより形成することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
フラスコ内で34質量%クロロ酢酸水溶液100gと57.6質量%水酸化ナトリウム水溶液50gとを混合して、カルボキシメチルセルロース試薬を調製した。その試薬に繊維として「セリッシュKY−100G」(ダイセル化学工業社製、固形分10質量%、主幹繊維の長さが3μm以上、主幹繊維の直径が1μm以下)20gを添加して65℃のウォーターバス中で2時間攪拌した。得られた反応液を遠心分離して生成した沈殿物を水洗する工程を4回繰り返し、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩(以下「CMC」と表記する。)を得た。このCMCを、固形分が0.02質量%になるように純水中に分散してCMC分散液を得た。
一方で、被着体として厚さ0.5mmのコーニング1737ガラス基板(大きさ10cm×10cm)を準備し、その表面に受入洗浄装置(メックエンジニアリング社製)でUV処理を施し、親水性に改質した。
次に、ホットプレートを用いて90℃に加熱したガラス基板の主面上、CMC分散液をスプレー塗布し、十分に乾燥させて、ガラス基板上にCMC層(繊維層)が形成された積層体を得た。この繊維層を光学顕微鏡で観察したところ、基板上を占める繊維層の面積の割合は70%であった。
次に、めっき前処理として、プリディップである「PD301」(日立化成工業株式会社製、商品名)250g/L、PdClを含む無電解めっき触媒「HS202B」(日立化成工業株式会社製、商品名)30ml/Lに、上記の積層体を5分間浸漬した後、水洗した。さらに、積層体を、密着促進剤である「ADP601」(日立化成工業株式会社製、商品名)100ml/Lに5分間浸漬した後、水洗した。
このような前処理を行った積層体を、無電解銅めっき液「CUST201」(日立化成工業株式会社製、商品名)に1分10秒浸漬し、水洗後、60℃で10分間かけて乾燥した。こうして、ガラス基板上に導電体を形成した。
形成された導電体のシート抵抗は3200Ω/cmであった。なお、CMCとこれを被覆する銅めっきとの複合体を光学顕微鏡で観察したところ、基板上を占める複合体の面積の割合は70%であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られたCMCを純水に分散し、固形分が0.8質量%のCMC分散液を得た。
一方で、被着体として厚さ0.5mmのコーニング1737ガラス基板(大きさ10cm×10cm)を準備し、その表面に受入洗浄装置(メックエンジニアリング社製)でUV処理を施し、親水性に改質した。
次に、スピン塗布機(ダイトロンテクノロジー社製)を用いて、CMC分散液を上記ガラス基板の主面上に500rpm、10秒間の条件で塗布した後、ベルト搬送ホットプレート(大日本スクリーン社製)を用いて90℃で3分間加熱して、ガラス基板上にCMC層(繊維層)が形成された積層体を得た。この繊維層を光学顕微鏡で観察したところ、基板上を占める繊維層の面積の割合は100%であった。
次に、上記で得られた積層体に対して、実施例1と同様のめっき前処理と無電解銅めっき処理を行った。
この積層体のシート抵抗は測定限界を超える高抵抗であった。なお、CMCとこれを被覆する銅めっきとの複合体を光学顕微鏡で観察したところ、基板上を占める複合体の面積の割合は100%であった。
(比較例2)
ガラス基板上にCMC層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様して、ガラス基板上にめっき前処理と無電解銅めっき処理を行った。このガラス基板のシート抵抗は測定限界を超える高抵抗であった。
本発明の導電体の製造方法の実施形態を説明するための模式断面図である。
符号の説明
1…被着体、2…繊維層、2a…微細繊維、3…積層体、4…導電性金属、5…導電体。

Claims (4)

  1. 被着体上に、直径が0.001μm〜1μmであり長さが0.01μm以上である微細繊維を全繊維量の50質量%以上含む繊維分散液を塗布して乾燥することにより、前記被着体表面の被覆率が1%〜80%である繊維層を形成する工程と、
    前記繊維層を無電解めっき液と接触させて前記微細繊維の少なくとも一部を導電性金属で被覆する工程と、
    を備える、導電体の製造方法。
  2. 前記微細繊維が、セルロースミクロフィブリルを含む、請求項1に記載の導電体の製造方法。
  3. 前記無電解めっき液と接触させた後の前記繊維層を、貴金属を含む置換めっき液と接触させる工程を更に備える、請求項1又は2に記載の導電体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法により前記被着体上に形成され、導電体のシート抵抗が10Ω/cm以下である、導電体。
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