以下、本発明に係る画像検索装置および画像分類装置の実施の形態について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
まず、本発明に係る画像検索装置について説明する。図1は、実施の形態1に係る画像検索装置のブロック構成図である。図1に示す画像検索装置は、パーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータ100で構成されており、全体を制御するCPU101と、ブートプログラム等を記憶したROM102と、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM103と、問合せ画像,検索実行命令等の入力を行うためのキーボード104およびマウス105と、例えば検索結果の画像を表示するためのCRTや液晶ディスプレイ等のモニタ106と、本発明に係る画像検索装置としての機能をCPU101(コンピュータ100)に実行させるための画像検索ソフト107,複数の画像が登録された画像DB108,画像DB108中の画像から抽出した特徴量が登録された画像特徴DB109等を記憶したハードディスク110と、画像を入力するためのスキャナやディジタルカメラを接続するためのインターフェイス(I/F)111と、インターネットやLANのようなネットワーク112にコンピュータ100(画像検索装置)を接続するためのネットワーク・アダプタ113と、上記各部を接続するバス114と、を備えている。
図2は、図1に示した画像検索装置において実行される処理を示すブロック図である。処理の詳細な内容については後述するが、図2において、ユーザ・インターフェイス(U/I)部151(本発明の指定手段および出力手段に該当する)は、ユーザに対して画像検索を行うための検索条件入力画面,検索結果表示画面等を表示して、検索条件の入力,検索結果の出力処理等を実行する。特徴抽出エンジン152(本発明の重要度決定手段および特徴抽出手段に該当する)は、画像DB108に登録する画像(検索対象の画像)および検索時に指定される問合せ画像から画像の特徴量を抽出する処理を実行する。さらに、マッチング・エンジン153(本発明の検索手段に該当する)は、問合せ画像から抽出された特徴量と画像特徴DB109に登録された画像DB108中の画像の特徴量とを比較し、問合せ画像の特徴に該当する特徴を有する画像を検索する処理を実行する。
なお、図2において、U/I部151,特徴抽出エンジン152およびマッチング・エンジン153は、図1に示した画像検索ソフト107を構成するモジュールを意味している。これら各部による処理は、図1に示したCPU101が画像検索ソフト107を実行することによって実現される。
つぎに、前述した構成を有する画像検索装置によって実行される処理について、
(1)特徴量抽出処理
(2)画像検索処理
の順で説明する。
(1)特徴量抽出処理
まず、検索対象の画像を画像DB108に登録する処理を例にとって、画像の特徴を表す特徴量を各画像から抽出する処理を説明する。ここでは、一例として、従来から良く知られている画像の色特徴(色ヒストグラム),画像のエッジ特徴および画像中のテクスチャ特徴を特徴量として抽出するものとする。
図3は、実施の形態1に係る画像検索装置において実行される画像登録処理の概略を示すフローチャートである。図2に示した特徴抽出エンジン152は、U/I部151を介して登録対象となる画像を入力する(S11)。入力する画像は、例えば、スキャナで読み取った画像,ディジタルカメラで撮像した画像,ネットワーク112を介してダウンロードした画像,予めハードディスク110に記憶されていた画像等、いかなるものであっても良い。
そして、特徴抽出エンジン152は、入力した画像から特徴量を抽出する処理を実行する(S12)。このステップS12において、上記3種類の特徴量が各画像から抽出されるものとする。これら3種類の特徴量は、以下に示すように従来から知られている方法を用いて各画像から抽出することができる。
画像の色ヒストグラム(以下、単に「色」と記述する)は、適当な色空間(例えばLab,Luv,HSVなどが一般的)を選択して複数の領域に分割し、画像の各ピクセルが色空間中のどの領域に対応するかを調べ、領域毎のピクセル数を全体のピクセル数により正規化することによって得ることができる。画像のエッジ(以下、「構造」と記述する)は、例えばsobelのようなエッジ抽出フィルタを用いて得ることができる。さらに、テクスチャは、同時生起行列に基づくテクスチャ抽出によって得ることができる(参考文献:高木幹夫雄,下田陽久監修,「画像解析ハンドブック」,東京大学出版会,1991年)。
ステップS12で画像から特徴量を抽出した後、特徴抽出エンジン152は、画像DB108に登録する元の画像に関連付けて、抽出した特徴量を画像特徴DB109に登録する(S13)。また、元の画像も画像DB108に登録される。
なお、画像検索の高速化という観点から、画像DB108に登録する検索対象の画像については、登録時に予め特徴量を抽出して画像特徴DB109に登録しておくことが好ましい。ただし、画像検索時に検索対象の各画像から特徴量を抽出することにする場合には、予め特徴量を抽出しておく必要はない。
図3に示した処理を実行することにより、画像DB108に登録された画像は、抽出した特徴量の種類毎に図4に示すような特徴空間にマップされることになる。画像検索時においては、後述するように問合せ画像から画像の特徴量を抽出し、同じく図4に示す特徴空間にマップする。図4に示すポイント(黒点)は、特徴空間にマップされた画像を示し、問合せ画像のポイントと各画像のポイント間の距離が画像の類似度となる。なお、画像の特徴量の多くはベクトルデータであり、類似度であるポイント間の距離の計算には一般にユークリッド距離などのベクトルの距離定義式が利用される。また、画像の特徴量の種類に合わせて独自の距離を定義することもできる。
(2)画像検索処理
続いて、実施の形態1に係る画像検索装置において実行される画像検索処理について説明する。実施の形態1に係る画像検索装置は、単に問合せ画像を検索条件として指定するのみでは問合せ画像とユーザが検索結果として希望する画像との類似観点を装置に伝えられないという点を考慮したものであって、検索に使用する特徴量の種類毎に問合せ画像を指定することによって、ユーザが適切と考える仮想的な一つの問合せ画像を表現できるようにしたものである。なお、前述したように、ここで使用可能な特徴量の種類としては、色,構造およびテクスチャの3種類であるものとし、検索対象の画像は画像DB108に登録された画像であるものとする。
図5は検索時に使用される検索ウインドウを示す説明図であり、図6は実施の形態1に係る画像検索処理を示すフローチャートである。図2のU/I部151は、画像検索処理を実行する際に図5に示す検索ウインドウ200aを図1に示したモニタ106上に画面表示する。検索ウインドウ200aは、画像検索に用いられる色,構造およびテクスチャの特徴量毎にそれぞれ一つの問合せ画像を指定するための画像指定欄A,BおよびCと、画像検索処理の実行を指定するための検索ボタン201と、検索結果の画像を表示する画像表示欄202と、を備えている。
ユーザは、図5に示した各画像指定欄において、特徴量の種類毎に問合せ画像をそれぞれ指定する(S101)。問合せ画像として指定する画像は、例えば、スキャナで読み取った画像,ディジタルカメラで撮像した画像,ネットワーク112を介してダウンロードした画像,予めハードディスク110に記憶されていた画像等、いかなるものであっても良い。
ここで、問合せ画像の指定方法について具体的に説明する。前提として、ユーザが検索結果として希望する画像を適切に表現した一枚の画像は存在しないが、例えば、検索結果として希望する画像に画像の配色の雰囲気が似た画像A,画像の構造(オブジェクトの配置等)の雰囲気が似た画像Bおよび画像中のテクスチャの雰囲気が似た画像Cが見つかったものとする。
ユーザは、図5に示すように、これら3枚の画像A,BおよびCをそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに問合せ画像として指定する。具体的には、検索結果として希望する画像に画像の配色の雰囲気が似ている問合せ画像Aを特徴量「色」に対応する画像指定欄Aに指定する。同様に、検索結果として希望する画像に画像の構造の雰囲気が似ている問合せ画像Bを特徴量「構造」に対応する画像指定欄Bに、画像中のテクスチャの雰囲気が似ている問合せ画像Cを特徴量「テクスチャ」に対応する画像指定欄Cに指定する。
なお、以下の説明において、画像指定欄Aに指定された画像を問合せ画像Aと、画像指定欄Bに指定された画像を問合せ画像Bと、画像指定欄Cに指定された画像を問合せ画像Cと呼ぶことにする。
このように、単に問合せ画像を複数指定するだけでなく、画像検索に使用される各種類の特徴量毎に問合せ画像を指定することにより、ユーザが適切と考える仮想的な一つの問合せ画像を表現できると共に、検索に対するユーザの意図を装置側に正確に伝えることが可能となる。したがって、後述する検索処理によって、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
図6のフローチャートの説明に戻る。ユーザが図5の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから対応する種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S102)。すなわち、特徴抽出エンジン152は、問合せ画像Aから色の特徴量を、問合せ画像Bから構造の特徴量を、問合せ画像Cからテクスチャの特徴量を抽出する。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
なお、問合せ画像A,BおよびCから抽出した特徴量が画像特徴DB109に登録されている場合には、図6のステップS102の処理をスキップすることができる。
続いて、マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、該当する特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して、検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S103)。
このステップS103における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。この画像間の距離が、二つの画像の類似度に該当し、距離が短いほど二つの画像が色の特徴において類似していることになる。マッチング・エンジン153は、同様に、構造の特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求めると共に、テクスチャの特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。ここで、特徴量の種類の数をN、特徴量jの問合せ画像をQj、検索対象の画像をIi、特徴量jの画像間の距離式をDj()とすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図5の画像表示欄202に表示する(S104)。ここでは、総合類似度として、検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202には検索対象の画像を全て表示する必要はなく、予め定めた数の画像のみを表示したり、予め定めた閾値以下(総合類似度が画像間の距離で表されている場合)の総合類似度を得た画像のみを表示することにしても良い。すなわち、検索結果をどのように表示するかについては任意に設定・変更することが可能である(以下の実施の形態においても同様)。
また、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。また、画像表示欄202に表示された画像をマウス105でクリックすることにより、画像を拡大して表示する処理を行うことも可能である。
このように、実施の形態1に係る画像検索装置によれば、問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める際に使用される各種類の特徴量毎にそれぞれ一つの問合せ画像を指定し、検索対象の画像毎に、指定された各問合せ画像との類似度を対応する種類の特徴量を用いて求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて検索結果を出力することにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、検索に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、検索に対するユーザの意図を正確に反映した検索結果を得ることができ、ユーザが望む通りの精度の高い画像検索処理を行うことができる。
例えば、問合せ画像として適切な画像が存在しない場合であっても、検索結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を問合せ画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの問合せとして使用することができる。
なお、実施の形態1の説明において、全ての種類の特徴量にそれぞれ対応して問合せ画像を指定することにしたが、必ず全ての種類の特徴量に対応して問合せ画像を指定する必要はない。また、色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いることにしたが、これらはあくまでも例示であって、特徴量の種類および数を限定することを意図したものではない。
〔実施の形態2〕
実施の形態2に係る画像検索装置は、実施の形態1の場合と同様に、単に問合せ画像を検索条件として指定するのみでは問合せ画像とユーザが検索結果として希望する画像との類似観点を装置に伝えられないという点を考慮したものであって、複数の問合せ画像と検索に使用する特徴量の種類とを指定することによって、ユーザが適切と考える仮想的な一つの問合せ画像を表現できるようにしたものである。なお、実施の形態2に係る画像検索装置において、実施の形態1で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像検索処理についても共通する点については適宜説明を省略する。
図7は検索時に使用される検索ウインドウを示す説明図であり、図8は実施の形態2に係る画像検索処理を示すフローチャートである。図2のU/I部151は、画像検索処理を実行する際に図7に示す検索ウインドウ200bを図1に示したモニタ106上に画面表示する。検索ウインドウ200bは、複数の問合せ画像を指定するための画像指定欄A,BおよびCと、各画像指定欄に指定した問合せ画像毎に、検索対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定するための特徴量指定ボタン203と、画像検索処理の実行を指定するための検索ボタン201と、検索結果の画像を表示する画像表示欄202と、を備えている。
実施の形態1で説明したように、前提として、ユーザが検索結果として希望する画像を適切に表現した一枚の画像は存在しないが、例えば、検索結果として希望する画像に画像の配色の雰囲気が似た画像A,画像の構造の雰囲気が似た画像Bおよび画像中のテクスチャの雰囲気が似た画像Cが見つかったものとする。
ユーザは、図7に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像毎に検索対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定する(S201)。
具体的に、ユーザは、図7に示すように3枚の画像A,BおよびCを画像指定欄A,BおよびCに問合せ画像として指定する。そして、ユーザは、検索結果として希望する画像に画像の配色の雰囲気が似ている問合せ画像Aについては、特徴量指定ボタン203において「色」を指定する。同様に、検索結果として希望する画像に画像の構造の雰囲気が似ている問合せ画像Bについては「構造」を、画像中のテクスチャの雰囲気が似ている問合せ画像Cについては「テクスチャ」を指定する。
このように、単に問合せ画像を複数指定するだけでなく、指定した各問合せ画像毎にユーザが重視する画像の特徴に該当する特徴量を指定することにより、ユーザが適切と考える仮想的な一つの問合せ画像を表現できると共に、検索に対するユーザの意図を装置側に正確に伝えることが可能となる。したがって、後述する検索処理によって、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
ただし、図7においては、各問合せ画像に対してそれぞれ異なる種類の特徴量を指定することにしたが、同一種類の特徴量を指定しても良い。すなわち、複数の問合せ画像全てに同一種類の特徴量を指定しても良い。
そして、ユーザが図7の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびC,ならびに特徴量の種類を特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから指定された種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S202)。すなわち、特徴抽出エンジン152は、問合せ画像Aから色の特徴量を、問合せ画像Bから構造の特徴量を、問合せ画像Cからテクスチャの特徴量を抽出する。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
なお、問合せ画像A,BおよびCから抽出した特徴量が画像特徴DB109に登録されている場合には、図8のステップS202の処理をスキップすることができる。
続いて、マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、ユーザが指定した種類の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S203)。
このステップS203における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。この画像間の距離が、二つの画像の類似度に該当し、距離が短いほど二つの画像が色の特徴において類似していることになる。マッチング・エンジン153は、同様に、構造の特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求めると共に、テクスチャの特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。ここで、特徴量の数をN、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、特徴量jの画像間の距離式をDj()、k番目の画像の特徴量jの指定の有無をtjk(指定されていれば1、指定されていなければ0)とすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図7の画像表示欄202に表示する(S204)。ここでは、総合類似度として、検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202には検索対象の全ての画像を表示する必要はなく、予め定めた数の画像のみを表示したり、予め定めた閾値以下(総合類似度が画像間の距離で表されている場合)の総合類似度を得た画像のみを表示することにしても良い。
また、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。また、画像表示欄202に表示された画像をマウス105でクリックすることにより、画像を拡大して表示する処理を行うことも可能である。
このように、実施の形態2に係る画像検索装置によれば、問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像毎に検索対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定し、検索対象の画像毎に、指定された種類の特徴量を用いて各問合せ画像との類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度を合計して総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて検索結果を出力することにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、検索に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、検索に対するユーザの意図を正確に反映した検索結果を得ることができ、ユーザが望む通りの精度の高い画像検索処理を行うことができる。
例えば、問合せ画像として適切な画像が存在しない場合であっても、検索結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を問合せ画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの問合せとして使用することができる。加えて、指定した各問合せ画像毎にユーザが希望する特徴量を指定することができるため、実施の形態1に係る画像検索装置に比べ、検索条件を自由に設定することができる。
なお、実施の形態2の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。すなわち、問合せ画像を1枚のみ指定しても同様の方法で検索処理を行うことができるが、実施の形態2においては複数枚指定することに意味がある。また、色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いることにしたが、これらはあくまでも例示であって、特徴量の種類を限定することを意図したものではない。
〔実施の形態3〕
実施の形態3に係る画像検索装置は、実施の形態2の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図をさらに正確に表現できるようにしたものである。
図9は、実施の形態3に係る画像検索装置において用いられる検索ウインドウ200cを示す説明図である。図9に示す検索ウインドウ200cは、図7に示した検索ウインドウ200bの構成に加えて、画像指定欄A,BおよびCに指定された問合せ画像毎に相対的な重要度を指定するための重要度指定バー204を備えている。
実施の形態1および2で説明したように、前提として、ユーザが検索結果として希望する画像を適切に表現した一枚の画像は存在しないが、例えば、検索結果として希望する画像に画像の配色の雰囲気が似た画像A,画像の構造の雰囲気が似た画像Bおよび画像中のテクスチャの雰囲気が似た画像Cが見つかったものとする。
ユーザは、図9に示すように、これら3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに問合せ画像A,BおよびCとして指定する。つぎにユーザは、検索結果として希望する画像に画像の配色の雰囲気が似ている問合せ画像Aについては特徴量指定ボタン203において「色」を指定する。同様に、検索結果として希望する画像に画像の構造の雰囲気が似ている問合せ画像Bについては「構造」を、画像中のテクスチャの雰囲気が似ている問合せ画像Cについては「テクスチャ」を指定する。
続いて、ユーザは重要度指定バー204を用いて各問合せ画像に重要度を指定する。この重要度指定バー204は、一例として、各問合せ画像毎に「0」を中心にして「+」の重要度および「−」の重要度を指定することができるように構成されている。なお、重要度として「+」方向および「−」方向の両方ではなく、「+」方向のみ、または「−」方向のみを指定できるようにしても良い。
例えば、問合せ画像A,BおよびCのうち、検索結果として希望する画像に類似する配色を持った問合せ画像Aが最も重要である、即ち、検索結果として問合せ画像Aのような配色の画像が特に欲しいとユーザが感じる場合、ユーザは重要度指定バー204を「+」方向の所望の位置に移動させ、問合せ画像Aは重要であることを指定する。このようにして重要度が指定されると、後述する検索時において、検索対象の画像と問合せ画像Aとの類似度に対し、問合せ画像Aに対して指定された重要度に応じた「+」の重み付けが行われる。
なお、例えば、問合せ画像Cのようなテクスチャの画像は検索結果として欲しくないとユーザが感じる場合、ユーザは重要度指定バー204を「−」方向の所望の位置に移動させる。すなわち、「−」方向の重要度を指定することによりNOT条件を問合せ画像に付与することができる。したがって、こんな特徴を有する画像は検索結果として欲しくないとユーザが考える画像を問合せ画像として指定することも可能である。この場合、検索対象の画像と問合せ画像Cとの類似度に対し、問合せ画像Cに対して指定された重要度に応じた「−」の重み付けが行われることになる。
このように、問合せ画像毎にユーザが重要度を指定することを可能にすることにより、検索に対するユーザの意図を検索条件として正確に表現することが可能となる。すなわち、後述する検索処理によって、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。なお、必ず重要度を指定しなければならないわけではなく、ユーザが希望する場合に、希望する問合せ画像に対して指定すれば良い。
つぎに、実施の形態3に係る画像検索装置による画像検索処理について説明する。図10は、実施の形態3に係る検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図9に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定し、指定した各問合せ画像毎に検索対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定すると共に、必要に応じて重要度を指定する(S301)。図9に示したように、ユーザは、問合せ画像A,BおよびCを指定し、各問合せ画像A,BおよびC毎に特徴量の種類および重要度を指定したものとする。
続いて、ユーザが図9の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびC,ならびに特徴量の種類を特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから指定された種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S302)。すなわち、特徴抽出エンジン152は、問合せ画像Aから色の特徴量を、問合せ画像Bから構造の特徴量を、問合せ画像Cからテクスチャの特徴量を抽出する。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
続いて、マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、ユーザが指定した種類の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S303)。
このステップS303における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、重要度指定バー204で指定された問合せ画像Aの重要度に応じて重み付けを行う。マッチング・エンジン153は、同様に、構造の特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求め、求めた距離に対して問合せ画像Bの重要度に応じた重み付けを行うと共に、テクスチャの特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求め、求めた距離に対して問合せ画像Cの重要度に応じた重み付けを行う。
なお、重み付けの対象となる類似度は画像同士の特徴量間の距離であるため、「+」の重要度に基づく「+」の重み付けは画像間の距離を短くする方向に働き、「−」の重要度に基づく「−」の重み付けは画像間の距離を長くする方向に働くことになる。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。ここで、特徴量の数をN、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、特徴量jの画像間の距離式をDj()、k番目の画像の特徴量jの重要度をwjk(該当する特徴が指定されていなければ0)とすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図9の画像表示欄202に表示する(S304)。ここでは、総合類似度として、検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。また、画像表示欄202に表示された画像をマウス105でクリックすることにより、画像を拡大して表示する処理を行うことも可能である。
このように、実施の形態3に係る画像検索装置によれば、求めた類似度に対し、問合せ画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各問合せ画像毎に重要度を指定することが可能であり、検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度を求め、求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態3の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。ただし、実施の形態3においては、問合せ画像毎に重要度を指定するため、複数枚の問合せ画像を指定することに意味がある。
また、詳細な説明については省略するが、実施の形態1で説明した画像検索装置においても、実施の形態3で説明したように各問合せ画像毎に重要度を指定することができるようにしても良い。
〔実施の形態4〕
実施の形態4に係る画像検索装置は、ユーザの意図を検索条件として正確に表現するための一つの手法として、AND検索を実行可能にするものである。なお、実施の形態4に係る画像検索装置において、実施の形態1で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像検索処理についても共通する点については適宜説明を省略する。
図11は、実施の形態4に係る画像検索装置において用いられる検索ウインドウ200dを示す説明図である。この検索ウインドウ200dは、画像指定欄A,BおよびC,検索ボタン201ならびに画像表示欄202に加え、AND検索の実行を指定するためのAND指定ボタン205およびOR検索の実行を指定するためのOR指定ボタン206を備えている。OR検索については、後述する実施の形態8において詳細に説明することにし、ここではAND検索についてのみ説明する。また、検索の際に用いる特徴量は一種類であるものとするが、当然、複数種類の特徴量を用いることにしても良い。
続いて、実施の形態4に係る画像検索装置による画像検索処理について説明する。図12は、実施の形態4に係る画像検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図11に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定し、AND指定ボタン205を選択してAND条件による画像検索処理を指定する(S401)。図11に示したように、ユーザは、3枚の問合せ画像A,BおよびCを指定したものとする。
続いて、ユーザが図11の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから所定の特徴量を抽出する処理を実行する(S402)。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、所定の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S403)。
このステップS403における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、所定の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。マッチング・エンジン153は、同様に、所定の特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求めると共に、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。ここで、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、画像間の距離式をD()とすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
なお、複数種類の特徴量を用いて検索を行う場合は、各種類の特徴量毎に検索対象の画像および各問合せ画像の類似度(距離)を求め、検索対象の画像毎に、特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度の全てを合計して総合類似度を求めれば良い。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図11の画像表示欄202に表示する(S404)。ここでの総合類似度は、問合せ画像A,BおよびCの全てに対する検索対象の各画像の類似度を意味しているため、画像のAND検索が実行されたことになる。ただし、ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
そして、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態4に係る画像検索装置によれば、問合せ画像を複数指定し、検索対象の画像毎に、指定された各問合せ画像との類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度を合計して総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて検索結果を出力することにより、AND検索を行うことが可能となるため、ユーザの意図を検索条件として正確に表現するための一つの手法を提供することができる。
なお、実施の形態4の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類を特に示さなかったが、色,構造およびテクスチャ等、いかなる種類の特徴量であっても単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
〔実施の形態5〕
実施の形態5に係る画像検索装置は、実施の形態4の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図をさらに正確に表現できるようにしたものである。
図13は、実施の形態5に係る画像検索装置において用いられる検索ウインドウ200eを示す説明図である。図13に示す検索ウインドウ200eは、図11に示した検索ウインドウ200dに加えて、画像指定欄A,BおよびCに指定された各問合せ画像毎に相対的な重要度を指定する重要度指定バー207を備えている。
この重要度指定バー207は、実施の形態3で説明したように、各問合せ画像毎に「0」を中心にして「+」の重要度および「−」の重要度を指定することを可能にするものである。したがって、ユーザが重要と考える問合せ画像に対して「+」の重要度を指定し、このような画像に類似する画像は検索結果として欲しくないと考える場合は該当する問合せ画像に対して「−」の重要度を指定することができる。指定した重要度は、求めた類似度に対する重み付けとして検索結果に反映される。なお、重要度として「+」方向および「−」方向の両方ではなく、「+」方向のみ、または「−」方向のみを指定できるようにしても良い。
つぎに、実施の形態5に係る画像検索装置による画像検索処理について説明する。図14は、実施の形態5に係る検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図13に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像毎に必要に応じて重要度を指定し、さらにAND指定ボタン205を選択してAND条件による画像検索処理を指定する(S501)。図13に示したように、ユーザは、問合せ画像A,BおよびCを指定し、指定した各問合せ画像A,BおよびC毎に任意の重要度を指定したものとする。
そして、ユーザが図13の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから所定の特徴量を抽出する処理を実行する(S502)。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、所定の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S503)。
このステップS503における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、所定の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、検索ウインドウ200eにおいて指定された問合せ画像Aの重要度に応じて重み付けを行う。マッチング・エンジン153は、同様に、検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求め、求めた距離に対して問合せ画像Bの重要度に応じた重み付けを行うと共に、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求め、求めた距離に対して問合せ画像Cの重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。ここで、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、画像間の距離式をD()、k番目の画像の重要度をwkとすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図13の画像表示欄202に表示する(S504)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態5に係る画像検索装置によれば、求めた類似度に対し、問合せ画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各問合せ画像毎に重要度を指定することが可能であり、検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度を求め、求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態5の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類を特に示さなかったが、色,構造およびテクスチャ等、いかなる種類の特徴量であっても単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
〔実施の形態6〕
実施の形態6に係る画像検索装置は、実施の形態4の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図をさらに正確に表現できるようにしたものである。
図15は、実施の形態6に係る画像検索装置において用いられる検索ウインドウ200fを示す説明図である。図15に示す検索ウインドウ200fは、図11に示した検索ウインドウ200dに加えて、画像指定欄A,BおよびCに指定された各問合せ画像A,BおよびC毎に、検索に使用される特徴量の種類毎の重要度を指定する重要度指定バー208を備えている。なお、検索に使用される特徴量としては、一例として、色,構造およびテクスチャの3種類を用いるものとする。
重要度指定バー208は、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像毎に指定することを可能とするものであって、実施の形態3の重要度指定バー204(図9参照)で説明したように「0」を中心にして「+」の重要度および「−」の重要度を指定することを可能にするものである。なお、重要度として「+」方向および「−」方向の両方ではなく、「+」方向のみ、または「−」方向のみを指定できるようにしても良い。
具体的に、この重要度の指定方法を図15の問合せ画像Aを例にとって説明する。例えば、問合せ画像Aにおける配色は検索結果として希望する画像に近いと考える場合、ユーザは色の重要度指定バー208を操作して「+」の重要度を指定する。一方、問合せ画像Aにおける構造は検索結果として希望する画像とはほとんど似ていないと考える場合、ユーザは構造の重要度指定バー208を操作して「−」の重要度を指定する。
そして、後に説明する検索処理において、問合せ画像Aと検索対象の画像の類似度が色の特徴量,構造の特徴量およびテクスチャの特徴量毎に求められる。上記例においては、色の特徴量に「+」の重要度が、構造の特徴量に「−」の特徴量が指定されているため、色の特徴量を用いて求めた類似度に対して「+」の重要度に応じた「+」の重み付けが行われ、構造の特徴量を用いて求めた類似度に対して「−」の重要度に応じた「−」の重み付けが行われる。この処理は、検索対象の各画像との類似度に対して実行される。
問合せ画像BおよびCについても、上述した特徴量毎の重要度を指定することにより、問合せ画像Aのような処理が実行されることになる。
このように、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像毎に指定することにより、検索に対するユーザの意図を確実に装置側に伝えることが可能となる。そして、検索処理によって、重要度は各種類の特徴量毎に求めた類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。なお、必ず重要度を指定しなければならないわけではなく、ユーザが希望する場合に、希望する問合せ画像の任意の特徴量に対して指定すれば良い。
つぎに、実施の形態6に係る画像検索装置による画像検索処理について説明する。図16は、実施の形態6に係る検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図15に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像毎に特徴量の種類毎の重要度を指定し、さらにAND指定ボタン205を選択してAND条件による画像検索処理を指定する(S601)。図15に示したように、ユーザは、問合せ画像A,BおよびCを指定し、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像A,BおよびC毎に指定したものとする。
そして、ユーザが図15の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S602)。その後、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
続いて、マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、3種類の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S603)。
このステップS603における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、検索ウインドウ200fにおいて問合せ画像Aに対して指定された色の特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いた距離をそれぞれ求め、求めた各距離に対し、検索ウインドウ200fで問合せ画像Aに対して指定された構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、問合せ画像Bに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。また、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、問合せ画像Cに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。ここで、特徴量の数をN、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、特徴量jの画像間の距離式をDj()、k番目の画像の特徴量jの重要度をwjkとすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図15の画像表示欄202に表示する(S604)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態6に係る画像検索装置によれば、複数種類の特徴量を用いて問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、問合せ画像および特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像毎に指定することが可能であり、検索対象の画像それぞれについて、各種類の特徴量毎に各問合せ画像との類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態6の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類は、色,構造およびテクスチャの3種類に限定されるものではなく、いかなる種類の特徴量の組み合わせであっても良い。
〔実施の形態7〕
実施の形態7に係る画像検索装置は、実施の形態4の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図を装置側が汲み取ることができるようにしたものである。
前述した実施の形態5および6においては、ユーザが問合せ画像の重要度または問合せ画像毎に各特徴量の重要度を指定する必要があったが、実施の形態7に係る画像検索装置においては、画像検索に使用する特徴量を用いてユーザによって指定された問合せ画像間の類似度を求め、求めた特徴量毎の類似度に基づいて各問合せ画像間における特徴量毎の重要度を装置側で決定し、類似度に対する重み付けとして反映するという点が特徴となる。ここでは、例として、色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いて検索処理を行うものとし、検索条件を指定するための検索ウインドウは図11に示した検索ウインドウ200dと同一であるものとする。
つぎに、実施の形態7に係る画像検索装置による画像検索処理について説明する。図17は、実施の形態7に係る検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図11に示した検索ウインドウ200dを表示させ、各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、AND指定ボタン205を選択してAND条件による画像検索処理を指定する(S701)。ユーザは、問合せ画像A,BおよびCを指定したものとする。
そして、ユーザが図11の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S702)。
続いて、特徴抽出エンジン152は、抽出した3種類の特徴量毎に、各問合せ画像A,BおよびC同士の距離(類似度)を求め、求めた各特徴量毎の距離に基づいて各問合せ画像A,BおよびC間における特徴量毎の重要度を決定する(S703)。
具体的に、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に、問合せ画像同士の特徴間距離を求める。各特徴量毎に求めた距離の分散が大きい場合にはその特徴量についてはユーザは関知していないことを意味し、分散が小さい場合にはユーザはその特徴量を重視していると判断できる。したがって、分散が大きい特徴量の場合には重要度を小さくし、分散が小さい場合には重要度を大きくするように設定する。
例えば、σ2を特徴iにおける全ての問合せ画像間の距離の分散とするとi番目の特徴量の重要度wkは以下の式で決定することができる。kはwkが適正な値に収まるようにするための任意の係数である。
なお、距離の分散の程度に応じて、前述した実施の形態3,5および6で説明したように、「+」の重要度や「−」の重要度を設定することも可能である。
その後、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に抽出した各問合せ画像の特徴量および対応する重要度をマッチング・エンジン153に渡す。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、3種類の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S704)。
このステップS704における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、特徴抽出エンジン152で色の特徴量について決定した重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いた距離をそれぞれ求め、求めた各距離に対し、特徴抽出エンジン152で決定した構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。また、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図11の画像表示欄202に表示する(S705)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCとの特徴量間の距離の合計を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態7に係る画像検索装置によれば、複数種類の特徴量を用いて問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎に各問合せ画像間の類似度を求め、求めた各種類の特徴量毎の類似度に基づいて各問合せ画像間における各種類の特徴量毎の重要度を決定し、検索対象の画像それぞれについて、各種類の特徴量毎に各問合せ画像との類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度に対し、決定した各種類の特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行うことにより、装置側でユーザが指定した問合せ画像間における各種類の特徴量の重要度を判断し、判断した重要度を画像間の類似度に反映させるため、ユーザの意図に合った検索結果を返すことが可能となる。したがって、ユーザが望む通りの検索処理を実現することができ、ユーザが望む検索結果を得ることができる。
なお、実施の形態7の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類は、色,構造およびテクスチャの3種類に限定されるものではなく、いかなる種類の特徴量の組み合わせであっても良い。
〔実施の形態8〕
実施の形態8に係る画像検索装置は、ユーザの意図を検索条件として正確に表現するための一つの手法として、OR検索を実行可能にするものである。実施の形態8に係る画像検索装置による画像検索処理は、実施の形態4で説明に用いた図11の検索ウインドウ200dにおいて、AND指定ボタン205ではなく、OR指定ボタン206が指定された場合に実行される。
図18は、実施の形態8に係る画像検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図11に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定し、OR指定ボタン206を選択してOR条件による画像検索処理を指定する(S801)。ユーザは、図11に示すように3枚の問合せ画像A,BおよびCを指定したものとする。
そして、ユーザが図11の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから所定の特徴量を抽出する処理を実行する(S802)。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、所定の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像A,BおよびCとの類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S803)。
このステップS803における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、所定の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。マッチング・エンジン153は、同様に、所定の特徴量に基づいて検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求めると共に、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度とする。換言すれば、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択する。ここで、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、画像間の距離式をD()とすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
なお、複数種類の特徴量を用いて検索を行う場合は、各種類の特徴量毎に検索対象の画像および各問合せ画像の類似度(距離)を求め、検索対象の画像毎に、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度の中から最も高い類似性を示す類似度(最も短い距離)を選択して総合類似度とすれば良い。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図11の画像表示欄202に表示する(S804)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCのいずれか一つとの特徴量間の距離を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときはいずれか一つの問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、実施の形態8においては、検索対象の画像が問合せ画像A,BおよびCのいずれか一つと類似していれば、高い類似性を示す総合類似度が得られる。したがって、OR検索が実現されることになる。
また、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態8に係る画像検索装置によれば、問合せ画像を複数指定し、検索対象の画像毎に、指定された各問合せ画像との類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択し、選択した類似度に基づいて検索結果を出力することにより、OR検索を行うことが可能となるため、ユーザの意図を検索条件として正確に表現するための一つの手法を提供することができる。
なお、実施の形態8の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類を特に示さなかったが、色,構造およびテクスチャ等、いかなる種類の特徴量であっても単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
〔実施の形態9〕
実施の形態9に係る画像検索装置は、実施の形態8の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図をさらに正確に表現できるようにしたものである。実施の形態9に係る画像検索装置による画像検索処理は、実施の形態5で説明に用いた図13の検索ウインドウ200eにおいて、AND指定ボタン205ではなく、OR指定ボタン206が指定された場合に実行される。
図19は、実施の形態9に係る画像検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図13に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像毎に必要に応じて重要度を指定し、さらにOR指定ボタン206を選択してOR条件による画像検索処理を指定する(S901)。ユーザは、図13に示したように問合せ画像A,BおよびCを指定し、指定した各問合せ画像A,BおよびC毎に任意の重要度を指定したものとする。
そして、ユーザが図13の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから所定の特徴量を抽出する処理を実行する(S902)。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、所定の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S903)。
このステップS903における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、所定の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、検索ウインドウ200eで指定された問合せ画像Aの重要度に応じて重み付けを行う。マッチング・エンジン153は、同様に、検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を求め、求めた距離に対して問合せ画像Bの重要度に応じた重み付けを行うと共に、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を求め、求めた距離に対して問合せ画像Cの重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度とする。ここで、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、画像間の距離式をD()、k番目の画像の重要度をwkとすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図13の画像表示欄202に表示する(S904)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCのいずれか一つとの特徴量間の距離を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときはいずれか一つの問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態9に係る画像検索装置によれば、求めた類似度に対し、問合せ画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各問合せ画像毎に重要度を指定することが可能であり、検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度を求め、求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態9の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類を特に示さなかったが、色,構造およびテクスチャ等、いかなる種類の特徴量であっても単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
〔実施の形態10〕
実施の形態10に係る画像検索装置は、実施の形態8の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図をさらに正確に表現できるようにしたものである。実施の形態10に係る画像検索装置による画像検索処理は、実施の形態6で説明に用いた図15の検索ウインドウ200fにおいて、AND指定ボタン205ではなく、OR指定ボタン206が指定された場合に実行される。
図20は、実施の形態10に係る画像検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図15に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像に特徴量の種類毎の重要度を指定し、さらにOR指定ボタン206を選択してOR条件による画像検索処理を指定する(S1001)。ユーザは、図15に示したように問合せ画像A,BおよびCを指定し、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像A,BおよびC毎に指定したものとする。
そして、ユーザが図15の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S1002)。その後、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に抽出した各問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、3種類の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1003)。
このステップS1003における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、検索ウインドウ200fにおいて問合せ画像Aに対して指定された色の特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いた距離をそれぞれ求め、求めた各距離に対し、検索ウインドウ200fで問合せ画像Aに対して指定された構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、問合せ画像Bに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。また、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、問合せ画像Cに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度とする。ここで、特徴量の数をN、問合せ画像の数をM、k番目の問合せ画像をQk、検索対象の画像をIi、特徴量jの画像間の距離式をDj()、k番目の画像の特徴量jの重要度をwjkとすると、検索対象の各画像毎の総合類似度Siは以下のように表わされる。
マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図15の画像表示欄202に表示する(S1004)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCのいずれか一つとの特徴量間の距離を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときはいずれか一つの問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態10に係る画像検索装置によれば、複数種類の特徴量を用いて問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、問合せ画像および特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像毎に指定することが可能であり、検索対象の画像それぞれについて、各種類の特徴量毎に各問合せ画像との類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
なお、実施の形態10の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類は、色,構造およびテクスチャの3種類に限定されるものではなく、いかなる種類の特徴量の組み合わせであっても良い。
〔実施の形態11〕
実施の形態11に係る画像検索装置は、実施の形態8の画像検索装置において、検索に対するユーザの意図を装置側が汲み取ることができるようにしたものである。実施の形態11に係る画像検索装置による画像検索処理は、実施の形態8(実施の形態4)で説明に用いた図11の検索ウインドウ200dにおいて、AND指定ボタン205ではなく、OR指定ボタン206が指定された場合に実行される。
図21は、実施の形態11に係る画像検索処理を示すフローチャートである。ユーザは、図11に示した各画像指定欄に問合せ画像を複数指定すると共に、OR指定ボタン206を選択してOR条件による画像検索処理を指定する(S1101)。ユーザは、図11に示したように問合せ画像A,BおよびCを指定したものとする。
その後、ユーザが図11の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像A,BおよびCを特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、各問合せ画像A,BおよびCから色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を抽出する処理を実行する(S1102)。
続いて、特徴抽出エンジン152は、抽出した3種類の特徴量毎に、各問合せ画像A,BおよびC同士の距離(類似度)を求め、求めた各特徴量毎の距離に基づいて各問合せ画像A,BおよびC間における特徴量毎の重要度を決定する(S1103)。
具体的に、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に、ユーザが指定した複数の問合せ画像同士の特徴間距離を求める。各特徴量毎に求めた距離の分散が大きい場合にはその特徴量についてはユーザは関知していないことを意味し、分散が小さい場合にはユーザはその特徴量を重視していると判断できる。したがって、分散が大きい特徴量の場合には重要度を小さくし、分散が小さい場合には重要度を大きくするように設定する。例えば、各特徴量の重要度は、実施の形態7で示した数7を用いて決定することができる。
その後、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に抽出した各問合せ画像の特徴量および対応する重要度をマッチング・エンジン153に渡す。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、3種類の特徴量を用いて各問合せ画像A,BおよびCとの類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各問合せ画像A,BおよびCとの類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して検索対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1104)。
このステップS1104における処理を検索対象の一つの画像を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、色の特徴量を用いて類似度を求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、特徴抽出エンジン152で色の特徴量について決定した重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像と問合せ画像Aについて、構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いた距離をそれぞれ求め、求めた各距離に対し、特徴抽出エンジン152で決定した構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、検索対象の画像と問合せ画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。また、検索対象の画像と問合せ画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた検索対象の画像と各問合せ画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度とする。マッチング・エンジン153は、このようにして検索対象の画像毎に総合類似度を求め、検索対象の画像毎の総合類似度をU/I部151に出力する。
U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎の総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い順に検索対象の画像を図11の画像表示欄202に表示する(S1105)。ここでは総合類似度として検索対象の画像と問合せ画像A,BおよびCのいずれか一つとの特徴量間の距離を用いているため、実際には、総合類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、総合類似度は0以上の値を持ち、総合類似度が0のときはいずれか一つの問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。
このように、実施の形態11に係る画像検索装置によれば、複数種類の特徴量を用いて問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎に各問合せ画像間の類似度を求め、求めた各種類の特徴量毎の類似度に基づいて各問合せ画像間における各種類の特徴量毎の重要度を決定し、検索対象の画像それぞれについて、各種類の特徴量毎に各問合せ画像との類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度に対し、決定した各種類の特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行うことにより、装置側でユーザが指定した問合せ画像間における各種類の特徴量の重要度を判断し、判断した重要度を画像間の類似度に反映させるため、ユーザの意図に合った検索結果を返すことが可能となる。したがって、ユーザが望む通りの検索処理を実現することができ、ユーザが望む検索結果を得ることができる。
なお、実施の形態11の説明において、問合せ画像として3枚の画像を用いたが、問合せ画像の枚数は3枚に限定されるものではない。また、特徴量の種類は、色,構造およびテクスチャの3種類に限定されるものではなく、いかなる種類の特徴量の組み合わせであっても良い。
〔実施の形態12〕
実施の形態12に係る画像検索装置は、前述した実施の形態1〜11と異なる視点で画像検索を行うことを可能にするものである。なお、実施の形態12に係る画像検索装置において、実施の形態1で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像検索処理についても共通する点については適宜説明を省略する。
実施の形態12に係る画像検索装置は、検索時に使用する特徴量の粗さのレベル(視点の細かさ)をユーザが指定できるようにし、ユーザによって指定された粗さのレベルに対応する特徴量を利用して、問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求めるというものである。ここで、特徴量の粗さとは、画像から抽出された特徴量が、抽出対象の画像の所定の特徴をどの程度忠実に表現しているかの度合いを示すものであると定義することにする。そこで、以下では、
1.特徴量抽出処理
2.画像検索処理
の順で実施の形態12に係る画像検索装置によって実行される処理について説明する。
1.特徴量抽出処理
ここでは、検索対象の画像については粗さの異なる複数の特徴量を予め抽出しておくことにし、問合せ画像のうち、特徴量が抽出されていない問合せ画像については検索実行時に特徴量を抽出することにする。検索対象の画像から特徴量を抽出するタイミングは、実施の形態1で説明したように、検索対象の画像を画像DB108に登録するときとする。そこで、図3を参照しつつ各画像から特徴量を抽出する処理について説明する。
図2の特徴抽出エンジン152は、U/I部151を介して登録対象となる画像を入力し(S11)、入力した画像から特徴量を抽出する処理を実行する(S12)。
実施の形態12においては、例えば、少なくとも画像を何分割するかを表す分割数を特徴量の粗さのレベルとして段階的に定義した抽出基準に基づいて、特徴抽出エンジン152が画像から粗さの異なる特徴量を抽出できるようにしている。具体的に、抽出基準として例えば以下のような特徴量の粗さのレベルが定義されており、特徴抽出エンジン152は、ステップS11で入力した画像から同一の特徴(色,構造等)について異なる粗さのレベルの特徴量を抽出する。なお、抽出される特徴量は粗さが異なるのみであって、特徴量の種類(例えば、色,構造等)は同一である。
・レベル1:図22(a)に示すように、画像全体から特徴量1を抽出する。
・レベル2:図22(b)に示すように、画像を4分割して分割画像A〜Dを生成し、各分割画像A〜Dからそれぞれ特徴量A〜Dを抽出することにより、一つの画像から特徴量A〜Dからなる特徴量2(特徴量群)を抽出する。
・レベル3:図22(c)に示すように、画像を8分割して分割画像A〜Hを生成し、各分割画像A〜Hからそれぞれ特徴量A〜Hを抽出することにより、一つの画像から特徴量A〜Hからなる特徴量3(特徴量群)を抽出する。
・レベル4:図22(d)に示すように、画像を16分割して分割画像A〜Pを生成し、各分割画像A〜Pからそれぞれ特徴量A〜Pを抽出することにより、一つの画像から特徴量A〜Pからなる特徴量4(特徴量群)を抽出する。
ここで、画像の構造(エッジ)および色(色ヒストグラム)を特徴量として抽出する処理を例にとって、画像からレベル1〜4の特徴量を抽出する処理を具体的に説明する。
(1)構造
▲1▼ レベル1
例えばsobelのようなエッジ抽出フィルタを用いて、ステップS11で入力した画像からエッジ情報を抽出する。抽出したエッジ情報から、エッジの位置,エッジの強度および方向を得ることができる。エッジの強度については適当な閾値で2値化し、上下左右斜め方向のエッジ成分のエッジ画像データを得る。一例として、図23に示す画像から得た上下左右斜め方向のエッジ成分のエッジ画像データを図24(a)〜図24(d)に示す。
図24(a)〜図24(d)のエッジ画像データについて、エッジ部分を黒画素、その他を白画素と仮定し、
・画像全体に対する黒画素の割合
・黒画素の重心
・黒画素の分散
・黒画素の連結矩形のサイズの平均
・黒画素の連結矩形のサイズの分散
というようなエッジ情報を各エッジ画像データから抽出し、これを画像全体の構造の特徴量1とする。
▲2▼ レベル2
図24(a)〜図24(d)のエッジ画像データをそれぞれ図22(b)に示すように分割画像A〜Dに分割し(4分割)、各分割画像A〜Dから▲1▼で説明したエッジ情報を抽出して分割画像単位の構造の特徴量A〜Dを得る。その結果、特徴量A〜Dからなる特徴量2を画像から抽出することができる。
▲3▼ レベル3および4
また、レベル3については図24(a)〜図24(d)のエッジ画像データをそれぞれ図22(c)に示したように分割画像A〜Hに分割し(8分割)、レベル4については図22(d)に示したように分割画像A〜Pに分割し(16分割)、レベル2の場合と同様の方法でそれぞれ特徴量A〜Hからなる特徴量3および特徴量A〜Pからなる特徴量4を画像から抽出することができる。
(2)色
つぎに、画像の色(色ヒストグラム)を特徴量として抽出する処理を説明する。
▲1▼ レベル1
適当な色空間(例えばLab,Luv,HSV等)を選択して複数の領域に分割し、ステップS11で入力した画像の各ピクセルが色空間中のどの領域に対応するかを調べ、領域毎のピクセル数を画像全体のピクセル数で正規化することによって図22(a)に示した画像全体を対象とした特徴量1を抽出する。
▲2▼ レベル2
適当な色空間(例えばLab,Luv,HSV等)を選択して複数の領域に分割すると共に、ステップS11で入力した画像を図22(b)に示したように分割画像A〜Dに分割する(4分割)。そして、分割画像Aの各ピクセルが色空間中のどの領域に対応するかを調べ、領域毎のピクセル数を分割画像A全体のピクセル数で正規化することによって特徴量Aを抽出することができる。他の分割画像B〜Dについても同様な処理を行ってそれぞれ特徴量B〜Dを抽出し、特徴量A〜Dからなる特徴量2をステップS11で入力した画像から抽出する。
▲3▼ レベル3およびレベル4
レベル3についてはステップS11で入力した画像を図22(c)に示したように分割画像A〜Hに分割し(8分割)、レベル4については図22(d)に示したように分割画像A〜Pに分割し(16分割)、レベル2の場合と同様の方法でそれぞれ特徴量A〜Hからなる特徴量3および特徴量A〜Pからなる特徴量4を画像から抽出する。
このように、分割数を変化させて同一の画像から特徴量を抽出することにより、例えば、ある画像は全体的には青であるが、詳細に見ると青と少しの赤が混じっているといったような、視点の細かさに依存した特徴量を抽出することができる。例えば、青を中心とする画像中のいずれの位置に赤が分散しているかという情報を含む特徴量を抽出することができる。
このようにして、ステップS11で入力した画像から各レベルの特徴量を抽出した後、図3のフローチャートに示すように、特徴抽出エンジン152は、画像DB108に登録する元の画像に関連付けて、抽出した特徴量を画像特徴DB109に登録する(S13)。
なお、ここでは、画像の構造および色の特徴を特徴量として抽出することを例にとって説明したが、他の種類の特徴を特徴量として抽出することにしても良い。また、例えば画像を4分割するといった場合であっても、図22(b)に示した分割方法以外にも様々な方法が考えられる(例えば、画像を縦長または横長に4分割する等)。したがって、分割方法は任意に設定することが可能である。
2.画像検索処理
図25は、実施の形態12に係る画像検索装置で使用される検索ウインドウ200gの一例を示す説明図である。検索ウインドウ200gは、画像指定欄A〜C,検索ボタン201および画像表示欄202に加え、検索に使用する特徴量の種類を指定する特徴指定欄209と、特徴指定欄209で指定された種類の特徴量のうち、いずれのレベル(粗さ)の特徴量を用いるかを指定する粗さレベル指定欄210と、を備えている。特徴指定欄209では、例えば構造の特徴量および色の特徴量のいずれか一方または両方を指定することができ、粗さレベル指定欄210では、例えばレベル1〜4の少なくとも一つを指定することができるものとする。粗さレベル指定欄210で指定可能なレベルは、前述した特徴量の抽出基準の各レベルに対応している。
なお、特徴指定欄209において、いずれの特徴量も指定されなかった場合には、構造および色の両方の特徴量を用いて検索処理が行われるものとし、粗さレベル指定欄210においていずれのレベルも指定されなかった場合には、全てのレベルの特徴量を用いて検索処理が行われるものとする。また、使用可能な種類の特徴量を全て指定できるようにするため、特徴指定欄209に「全て」というボタンを用意することにしても良い。同様に、レベルを全て指定できるようにするため、粗さレベル指定欄210に「全て」というボタンを用意することにしても良い。
続いて、実施の形態12に係る画像検索処理について説明する。なお、ここでは、検索ウインドウ200gにおける検索条件の指定の仕方に応じて異なる処理が行われることになることから、最初に図26のフローチャートを参照しつつ画像検索処理の概略を説明した後、異なる検索条件毎に場合分けして個別に説明することにする。
(1)画像検索処理の概略
まず、実施の形態12に係る画像検索処理の概略を説明する。ユーザは、図25に示した画像指定欄に問合せ画像を少なくとも一つ指定すると共に、特徴指定欄209および粗さレベル指定欄210において、検索時に使用する特徴量の種類および使用する特徴量の粗さのレベルを指定する(S1201)。
続いて、ユーザが図25の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像,特徴量の種類および粗さのレベルの種類を特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、指定された特徴量の種類および粗さのレベルに応じて問合せ画像から特徴量を抽出する(S1202)。ただし、ユーザによって指定された問合せ画像から既に特徴量が抽出されている場合には、このステップS1202の処理をスキップすることができる。また、検索対象の画像について特徴量を抽出していない場合は、この時点で特徴量を抽出することにしても良い。その後、特徴抽出エンジン152は、抽出した問合せ画像の特徴量をマッチング・エンジン153に渡す(図4の特徴空間にそれぞれマップする)。
マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、検索ウインドウ200gにおいて指定されたレベルの特徴量を用いて問合せ画像との類似度を求める処理を実行する(S1203)。すなわち、マッチング・エンジン153は、該当するレベルの特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像との距離を各特徴毎に定義された距離定義式を用いて求める。
特徴量Fは通常、ベクトルとしてF={f1,f2,f3,・・・,fn}であらわされ、画像a、bから抽出した特徴量をそれぞれFa、Fbとすると、以下の数11で示す差分距離式D(Fa,Fb)が一般に距離定義式として用いられる。
「構造」、「色」の特徴量の場合にもこの距離式が利用できるが、「構造」での「画像全体に対する黒画素の割合」をヒストグラムとして特徴量とした場合には、画像中のエッジが十分にある場合には適切な類似度を得ることが可能であるが、画像中のエッジが少ない場合には適切な類似度を得られない。
人間のエッジに対する類似感覚では、たとえば画像中にエッジがない画像と少しでもある画像の場合には大きな違いを感じるが、画像が十分にエッジを持っている場合には、その量が多少異なっていてもその違いには鈍感である。そこで、差分距離式よりも距離の精度を高めるためにヒストグラムを全エッジ画素数で正規化する(正規化距離式)ことによって、この問題を解決することが可能である。
つまり、ヒストグラムの要素は以下の式で与えられる。
foi=fi/N
なお、foiは正規化されたヒストグラムの要素である。また、全画素数Nは、数12の式で与えられる。
なお、ベクトル要素がすべて0でS=0の時は正規化はおこなわない。つまり、正規化距離式は数13の式で与えられる。
画像中のエッジが少ない場合には上記式が有効であるが、多い場合には従来のヒストグラムの方が適切な類似度を得ることができる。そこで、エッジが多い場合には従来式に近い計算式になり、少ない場合には上記式に近い計算式になるような数14の式を考案した。
なお、正規化のための値を全画素数により以下の数15のように変動させる。
kは定数であり、対象とする画像集合によって適宜指定する。
以上のような計算を検索時に行うだけでなく、予め特徴量の抽出時に正規化や半正規化で得られるベクトルに変換してデータベースに登録することで、検索時には単純な差分式を用いて距離を求めることができ、高速な検索をおこなうことも可能である。
上記半正規化式により画像中のエッジの多い少ないに関わらず適切な類似度を算出することができるが、検索時に計算する場合には式が複雑な分、時間がかかるという問題がある。そこで、エッジ数および要求される検索速度に従い従来の差分距離式と正規化距離式を選択し算出する。
たとえば、以下のように場合分けが可能である。
1)両方の画像のエッジ割合がある閾値A以上の場合
差分距離式を選択
2)どちらか一方が閾値Aより下の場合
a)高速性が要求される場合
差分距離式を選択
b)高速性が要求されない場合
正規化距離式を利用
ただし、この方式では場合分けにより、異なる式を選択するので結果として得られる距離空間は距離の公理を満たさない。距離の公理を満たす必要がある場合には半正規化式が望ましい。
続いて、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた問合せ画像との類似度を参照し、例えば類似度の高い順に検索対象の画像を図25の画像表示欄202に表示する(S1204)。ただし、ここでは類似度として検索対象の画像と問合せ画像との特徴量間の距離を用いているため、実際には、類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、類似度は0以上の値を持ち、類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
(2)画像検索処理の具体例
つぎに、前述した図26のフローチャートに対応させつつ、
▲1▼ 一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして「レベル1」が指定された場合
▲2▼ 一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして「レベル2」が指定された場合
▲3▼ 一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして二つ以上のレベルが指定された場合
▲4▼ 複数種類の特徴量が指定された場合
▲5▼ 複数の問合せ画像が指定された場合
の順で具体的に実施の形態12に係る画像検索処理を説明する。
▲1▼ 一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして「レベル1」が指定された場合
図25に示した検索ウインドウ200gにおいて、ユーザが、一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして「レベル1」を指定したものとする(S1201)。
特徴抽出エンジン152は、図22(a)に示すように、問合せ画像全体を対象として、特徴量「色」について「レベル1」に該当する特徴量である「特徴量1」を抽出する(S1202)。
そして、マッチング・エンジン153は、特徴抽出エンジン152において抽出された問合せ画像および検索対象の画像の特徴量1に基づいて、検索対象の画像毎に問合せ画像との類似度を求める(S1203)。具体的には、該当する特徴量1に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた検索対象の画像と問合せ画像との距離を各特徴毎に定義された距離定義式を用いて求める。
その後、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた問合せ画像との類似度を参照し、例えば類似度の高い(値の小さい)順に検索対象の画像を図25の画像表示欄202に表示する(S1204)。
このように、レベル1のような粗さの特徴量を選択して画像検索処理を実行することができるようにすることにより、例えば、色の特徴量を用いて検索を
場合にあっては、全体的に青い画像を検索するというような検索処理を実行することが可能となる。
なお、詳細な説明については省略するが、特徴量として「構造」や他の種類の特徴量が指定された場合であっても、同様な処理で検索処理を行うことができる。
▲2▼ 一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして「レベル2」が指定された場合
図25に示した検索ウインドウ200gにおいて、ユーザが、一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして「レベル2」を指定したものとする(S1201)。
特徴抽出エンジン152は、図22(b)に示すように、問合せ画像を分割画像A〜Dに分割し、各分割画像A〜Dからそれぞれ「色」の特徴量A〜Dを抽出する(S1202)。その結果、特徴量「色」について「レベル2」に該当する特徴量であって、特徴量A〜Dからなる「特徴量2」が問合せ画像から抽出されることになる。
そして、マッチング・エンジン153は、特徴抽出エンジン152において抽出された問合せ画像および検索対象の画像の特徴量2に基づいて、検索対象の画像毎に問合せ画像との類似度を求める(S1203)。具体的には、検索対象の画像および問合せ画像の分割画像A同士,分割画像B同士,分割画像C同士および分割画像D同士の類似度を求める。より詳細には、特徴抽出エンジン152において抽出された特徴量2に基づいて、図4に示した特徴量空間中にプロットされた分割画像A同士,分割画像B同士,分割画像C同士および分割画像D同士の距離を各特徴毎に定義された距離定義式を用いて求める。ここでは分割画像A〜Dのそれぞれについて類似度を求めることになるため、4つの類似度を得ることになる。
続いて、マッチング・エンジン153は、求めた4つの類似度を用いて、検索対象の画像および問合せ画像の類似度を決定する。類似度の決定方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。
▲2▼−1 4つの類似度の二乗和により検索対象の画像および問合せ画像の類似度を決定する。
▲2▼−2 4つの類似度を合計することにより、検索対象の画像および問合せ画像の類似度を決定する(AND検索参照)。
▲2▼−3 4つの類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択することにより、検索対象の画像および問合せ画像の類似度を決定する(OR検索参照)。
なお、▲2▼−1〜▲2▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200gで指定することができるようにしても良い。
その後、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた問合せ画像との類似度を参照し、例えば類似度の高い(値の小さい)順に検索対象の画像を図25の画像表示欄202に表示する(S1204)。
このように、レベル2のような粗さの特徴量を選択して画像検索処理を実行することができるようにすることにより、例えば、色の特徴量を用いて検索を行う場合にあっては、全体的に青いがある部分には赤が混じっている画像を検索するというような検索処理を実行することが可能となる。すなわち、どの色が画像のどの位置に存在するかを踏まえた検索処理が可能となり、画像全体を対象として抽出した特徴量(レベル1)を用いた検索では行うことができない細かい視点で検索処理を行うことができる。
なお、詳細な説明については省略するが、特徴量として「構造」や他の種類の特徴量が指定された場合にあっても、同様な処理で検索処理を行うことができる。また、粗さレベルのレベル3および4が指定された場合であっても、前述したレベル2の処理と同様な処理で検索処理を行うことが可能であるため、ここでは説明を省略する。
▲3▼ 一つの問合せ画像,特徴量として「色」および粗さレベルとして二つ以上のレベルが指定された場合
ここでは、粗さレベルとして二つ以上のレベルが指定された場合の一例として、粗さレベルが全て指定された場合に基づいて画像検索処理を説明する。そこで、図25に示した検索ウインドウ200gにおいて、ユーザが、一つの問合せ画像,特徴量として「色」および全ての粗さレベルを指定したものとする(S1201)。前述したように、粗さレベル指定欄210においていずれのレベルも指定しない場合または全てのレベルを指定した場合に、粗さレベルを全て指定したことになる。
特徴抽出エンジン152は、図22(a)〜図22(d)に示すように、検索ウインドウ200gにおいて指定された問合せ画像から、レベル1〜4に応じて特徴量1〜4を抽出する(S1202)。なお、レベル1に対応する特徴量1は▲1▼の項で説明した方法で、レベル2〜4に対応する特徴量2〜4は▲2▼の項で説明した方法で抽出することができる。
そして、マッチング・エンジン153は、特徴抽出エンジン152において抽出された問合せ画像および検索対象の画像の特徴量1〜4を用いて、検索対象の画像毎に問合せ画像との類似度を求める(S1203)。ここでは、各特徴量(レベル)毎に検索対象の画像および問合せ画像の類似度を求めることになり、その結果、検索対象の画像毎に問合せ画像に対する4つの類似度が得られることになる。なお、特徴量1(レベル1)を用いて検索対象の画像および問合せ画像の類似度を求める処理は、▲1▼の項で説明した処理と同様である。また、特徴量2〜4(レベル2〜4)を用いて検索対象の画像および問合せ画像の類似度を求める処理は、それぞれ▲2▼の項で説明した処理と同様である。
続いて、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像毎に各レベルに応じて求めた問合せ画像との4つの類似度を用いて、問合せ画像との最終的な類似度を決定する。最終的な類似度の決定方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。
▲3▼−1 4つの類似度の二乗和により、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索の変形)。
▲3▼−2 4つの類似度を合計することにより、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索を参照)。
▲3▼−3 4つの類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択することにより、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(OR検索を参照)。
▲3▼−1および▲3▼−2の方法で問合せ画像との最終的な類似度を決定することにする場合にあっては、例えば、全体的に青く、かつ、ある部分に赤が混じっている画像を検索するというような検索処理(AND検索)を実行することが可能となる。すなわち、全ての(二つ以上の)粗さのレベルの特徴量を用いるため、特定のレベルの特徴量のみを用いて検索を行う場合に比べて、高い精度で希望する画像を検索することができる。また、▲3▼−3の方法で問合せ画像との最終的な類似度を決定することにする場合にあっては、例えば、全体的に青い画像および全体的に青くある部分に赤が混じっている画像のいずれかを検索するというような検索処理(OR検索)を実行することが可能となる。
なお、▲3▼−1〜▲3▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200gで指定することができるようにしても良い。
その後、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた問合せ画像との類似度を参照し、例えば類似度の高い(値の小さい)順に検索対象の画像を図25の画像表示欄202に表示する(S1204)。
このように、粗さの異なる特徴量を複数選択して画像検索処理を実行することができるようにすることにより、特定の粗さの特徴量を一つ用いる場合に比べて、検索に対する視点が異なる様々な方法で検索処理を実行することが可能となる。なお、詳細な説明については省略するが、特徴量として「構造」や他の種類の特徴量が指定された場合にあっても、同様な処理で検索処理を行うことができる。
▲4▼ 複数種類の特徴量が指定された場合
特徴指定欄209において複数種類の特徴量が指定された場合、特徴抽出エンジン152は、検索ウインドウ200gで指定された種類およびレベルの特徴量を問合せ画像からそれぞれ抽出する(S1202)。例えば、構造および色の特徴量が指定された場合、特徴抽出エンジン152は、問合せ画像から、構造の特徴量について該当する粗さレベルの特徴量を抽出すると共に、色の特徴量について該当するレベルの特徴量を抽出する(図22参照)。
そして、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像毎に、問合せ画像との類似度を特徴量の種類毎に求め、求めた特徴量の種類毎の類似度を用いて、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(S1203)。
最終的な類似度の決定方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。
▲4▼−1 特徴量の種類毎に求めた類似度の二乗和により、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索の変形)。
▲4▼−2 特徴量の種類毎に求めた類似度を合計することにより、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索を参照)。この方法を用いる場合は、複数種類の特徴量に応じたAND検索を実行することが可能となる。
▲4▼−3 特徴量の種類毎に求めた類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択することにより、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(OR検索を参照)。この方法を用いる場合は、複数種類の特徴量に応じたOR検索を実行することが可能となる。
なお、▲4▼−1〜▲4▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200gで指定することができるようにしても良い。
また、例えば、問合せ画像が一つ、構造および色の特徴量ならびに粗さレベル1および2が指定された場合には、検索対象の画像毎に、レベル1の構造の特徴量を用いて得た類似度,レベル2の構造の特徴量を用いて得た類似度,レベル1の色の特徴量を用いて得た類似度およびレベル2の色の特徴量を用いて得た類似度が得られることになる。このような場合、得られた全ての類似度を合計して問合せ画像との最終的な類似度を決定することにしても良いし(▲4▼−2(▲4▼−1)の方法を参照)、得られた類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択して問合せ画像との最終的な類似度を決定することにしても良い(▲4▼−3の方法を参照)。また、これに代えて、特徴量の種類毎に各レベルの類似度を合計し、または各レベルの類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択して、特徴量の種類毎の問合せ画像に対する類似度を求めた後、前述した▲4▼−1〜▲4▼−3のいずれかの方法を用いて問合せ画像との最終的な類似度を決定することにしても良い。
その後、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い(値の小さい)順に検索対象の画像を図25の画像表示欄202に表示する(S1204)。
▲5▼ 複数の問合せ画像が指定された場合
複数の問合せ画像が指定された場合、特徴抽出エンジン152は、検索ウインドウ200gで指定された種類およびレベルの特徴量を各問合せ画像からそれぞれ抽出する(S1202)。そして、マッチング・エンジン153は、▲1▼〜▲4▼のいずれかの項で説明したようにして検索対象の画像毎に各問合せ画像との類似度を求めた後、検索対象の画像の総合類似度を求める(S1203)。
総合類似度を求める方法としては、例えば以下のような方法がある。
▲5▼−1 各検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度の二乗和を総合類似度とする(AND検索の変形)。
▲5▼−2 各検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度を合計して総合類似度とする(AND検索を参照)。この方法を用いる場合は、AND検索を実行することが可能となる。
▲5▼−3 各検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択して総合類似度とする(OR検索を参照)。この方法を用いる場合は、OR検索を実行することが可能となる。
なお、▲5▼−1〜▲5▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200gで指定することができるようにしても良い。
その後、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた総合類似度を参照し、例えば総合類似度の高い(値の小さい)順に検索対象の画像を図25の画像表示欄202に表示する(S1204)。
以上説明したように、実施の形態12に係る画像検索装置によれば、問合せ画像を少なくとも一つ指定すると共に、画像から抽出する特徴量の粗さのレベルを粗から細に向かって段階的に定義した抽出基準に基づいて、検索に利用する特徴量の粗さのレベルを少なくとも一つ指定し、抽出基準に基づいて、問合せ画像および複数の検索対象の画像から少なくとも指定された粗さのレベルに該当する特徴量を所定のタイミングで抽出し、検索対象の画像毎に、指定された粗さのレベルに応じた特徴量を用いて問合せ画像との類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた類似度に基づいて検索結果を出力するため、検索精度の異なる複数種類の検索処理を実行することが可能となる。すなわち、ユーザが検索に使用する特徴量の粗さのレベルを少なくとも一つ指定することができるため、検索に対するユーザの視点の細かさを検索条件として表現でき、ユーザの意図を検索条件として正確に表現することができる。したがって、ユーザが望む通りの画像検索処理を行うことが可能となる。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。また、特徴量の種類を構造および色としたが、構造のみ、または色のみを用いることにしても良いし、他の種類の特徴量を用いることにしても良い。また、複数の問合せ画像や複数種類の特徴量を指定する場合に、他の実施の形態で説明したように重要度を指定することができるようにしても良い。
また、実施の形態12においては、画像を何分割するかによって特徴量の粗さを定義することにしたが、画像のみではなく、画像中に存在するオブジェクトも特徴量の抽出対象とし、オブジェクトを何分割するかによってオブジェクト単位の特徴量の粗さを定義することにしても良い。画像中に存在するオブジェクトも特徴量の抽出対象とする場合の検索処理は、前述した検索処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
さらに、前述したように、画像を分割して得た分割画像毎に特徴量を抽出することを利用して、以下のような画像検索処理を実現することも可能である。ここでは、説明の便宜上、画像を4分割する場合を例として、実施の形態12に係る画像検索装置の変形例を説明する。
(変形例1)
前述した実施の形態12においては、問合せ画像および検索対象の画像の分割画像をそれぞれ一対一対応で比較して類似度を求めることにより、問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求めていた。これに対し、変形例1は、例えば、図27に示すように問合せ画像の分割画像の一つを指定し、指定した分割画像と検索対象の画像の各分割画像との類似度を求めることにより、検索対象の画像の中から、問合せ画像の特定の分割画像と類似する分割画像を有する画像を探し出すことができるようにするものである。
(変形例2)
変形例2は、例えば、図28に示すように、問合せ画像全体と検索対象の画像の各分割画像との類似度を求めることにより、検索対象の画像の中から、問合せ画像を含む画像を探し出すことができるようにするものである。
詳細な説明については省略するが、このような変形例1および変形例2のような検索処理を可能とすることにより、様々な方法で画像の検索を行うことが可能となる。
〔実施の形態13〕
実施の形態13に係る画像検索装置は、検索対象の画像の中から、問合せ画像を含む画像を探し出すことができるようにすることにより、前述した実施の形態1〜12と異なる視点で画像検索を行うことを可能にするものである。なお、実施の形態13に係る画像検索装置において、実施の形態1で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像検索処理についても共通する点については適宜説明を省略する。
具体的に、実施の形態13に係る画像検索装置は、問合せ画像を少なくとも一つ指定し、検索対象の画像毎に、検索対象の画像中の所定のサイズの領域と問合せ画像との類似度を予め抽出した所定の特徴量を用いて求める処理を検索対象の画像全体にわたって繰り返し実行することにより、検索対象の画像の中から、問合せ画像を含む画像を探し出すことができるようにするものである。
実施の形態13に係る画像検索装置において、検索対象の画像中の所定のサイズの領域と問合せ画像との類似度を予め抽出した所定の特徴量を用いて求める処理については様々な手法を用いることが可能であるが、ここでは図29および図30に示すような手法を用いることにする。例えば、図29に示すように、問合せ画像を4分割して分割画像a〜dを生成し、各分割画像から所定の種類の特徴量を抽出し、また、検索対象の画像を16分割して分割画像A〜Pを生成し、各分割画像から問合せ画像の場合と同様の種類の特徴量を抽出する。ただし、問合せ画像および検索対象の画像の分割数を、それぞれ8および16に限定するものではなく、問合せ画像の分割数<検索対象の画像の分割数という関係にあれば良い。そして、各分割画像から抽出した特徴量を用いて、図30(a)〜図30(i)に示すように、問合せ画像と検索対象の画像の一部との類似度を順次求める。図30は、それぞれ図29に示した検索対象の画像を示し、検索対象の画像中の斜線部分は問合せ画像と比較されている領域に該当する。なお、問合せ画像および検索対象の画像の分割数を逆にすれば(例えば、問合せ画像を16分割し、検索対象の画像を8分割する。すなわち、問合せ画像の分割数>検索対象の画像の分割数)、問合せ画像中に含まれている画像を検索することが可能となる。
以下、実施の形態13に係る画像検索装置による画像検索処理について具体的に説明する。なお、前提として、少なくとも検索対象の画像については、図29に示したように各分割画像からそれぞれ特徴量が抽出されているものとする。特徴量を抽出する具体的な処理については、実施の形態12で説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、抽出する特徴量の種類は、色,構造等いかなるものであっても良い。
図31は、実施の形態13に係る画像検索処理のフローチャートであり、図32は、検索ウインドウ200hの一例を示す説明図である。ユーザは、図32に示す画像指定欄A〜Cのいずれかに問合せ画像を少なくとも一つ指定する(S1301)。ここでは、説明を単純にするために、問合せ画像が一つ指定されたものとする。
続いて、ユーザが図32の検索ボタン201を指定すると、U/I部151は、問合せ画像を特徴抽出エンジン152に入力し、特徴抽出エンジン152は、問合せ画像から所定の種類の特徴量を抽出する(S1302)。特徴抽出エンジン152は、図29に示したように、問合せ画像を分割して分割画像a〜dを生成し、各分割画像から所定の種類の特徴量を抽出する。ただし、ユーザによって指定された問合せ画像から既に特徴量が抽出されている場合には、このステップS1302の処理をスキップすることができる。
そして、マッチング・エンジン153は、画像DB108に登録されている検索対象の画像毎に、特徴抽出エンジン152で抽出した特徴量を用い、検索対象の画像中の所定の領域と問合せ画像との類似度を求める処理を検索対象の画像の全体にわたって実行し、問合せ画像との類似度を求める(S1303)。
このステップS1303において実行される処理の一例について、図30を参照しつつ詳細に説明する。例えば、図30(a)に着目して説明すると、マッチング・エンジン153は、特徴抽出エンジン152で予め抽出した問合せ画像および検索対象の画像の各分割画像の特徴量を用いて、
・問合せ画像の分割画像aと検索対象の画像の分割画像Aとの類似度
・問合せ画像の分割画像bと検索対象の画像の分割画像Bとの類似度
・問合せ画像の分割画像cと検索対象の画像の分割画像Eとの類似度
・問合せ画像の分割画像dと検索対象の画像の分割画像Fとの類似度
をそれぞれ求める。換言すれば、図4に示した特徴量空間中にプロットされた分割画像同士の距離を各特徴毎に定義された距離定義式を用いて求める。ここでは4つの分割画像毎に類似度を求めるため、4つの類似度が得られることになる。
続いて、マッチング・エンジン153は、求めた4つの類似度を用いて、図30(a)に示した検索対象の画像の領域と問合せ画像との類似度を決定する。類似度の決定方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。
▲1▼−1 4つの類似度の二乗和により検索対象の画像の領域と問合せ画像との類似度を決定する。
▲1▼−2 4つの類似度を合計することにより、検索対象の画像の領域と問合せ画像との類似度を決定する(AND検索を参照)。
▲1▼−3 4つの類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択することにより、検索対象の画像の領域と問合せ画像との類似度を決定する(OR検索を参照)。
なお、▲1▼−1〜▲1▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200hで指定することができるようにしても良い。
マッチング・エンジン153は、図30(b)〜図30(i)に示す場合についても前述した処理を実行し、検索対象の画像の各領域と問合せ画像との類似度を決定する。
図30(a)〜図30(i)のように、検索対象の画像の各領域と問合せ画像との類似度を求めた結果、検索対象の画像毎に、問合せ画像との9つの類似度が得られることになる。そこで、マッチング・エンジン153は、検索対象の画像毎に、9つの類似度を用いて問合せ画像との最終的な類似度を決定する処理を実行する。最終的な類似度の決定方法としては、例えば以下のような方法が考えられる。
▲2▼−1 9つの類似度の二乗和により、検索対象の画像と問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索の変形)。
▲2▼−2 9つの類似度を合計することにより、検索対象の画像と問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索を参照)。
▲2▼−3 9つの類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択することにより、検索対象の画像と問合せ画像との最終的な類似度を決定する(OR検索を参照)。
なお、▲2▼−1〜▲2▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200hで指定することができるようにしても良い。
図31のフローチャートの説明に戻り、U/I部151は、マッチング・エンジン153によって検索対象の画像毎に求められた問合せ画像との最終的な類似度を参照し、例えば類似度の高い順に検索対象の画像を図32の画像表示欄202に表示する(S1304)。ここでは類似度として検索対象の画像と問合せ画像との特徴量間の距離を用いているため、実際には、類似度の値の小さい順に検索対象の画像が画像表示欄202に表示されることになる。すなわち、類似度は0以上の値を持ち、類似度が0のときは各問合せ画像の特徴量および検索対象の画像の特徴量が等しいということを意味する。
なお、以上の説明は、指定された問合せ画像が一つで検索に用いられる特徴量の種類も一種類であったが、複数種類の特徴量を用いることもできるし、問合せ画像を複数指定することもできる。
そこで、複数種類の特徴量を用いる場合の処理の一例を簡単に説明する。マッチング・エンジン153は、前述したように、同一種類の特徴量毎に検索対象の画像と問合せ画像との類似度を求める。そして、マッチング・エンジン153は、例えば以下のような方法で異なる種類の特徴量毎に求めた類似度を用いて、検索対象の画像毎に、問合せ画像との類似度を決定することができる。
▲3▼−1 特徴量の種類毎に求めた類似度の二乗和により、問合せ画像との最終的な類似度を決定する(AND検索の変形)。
▲3▼−2 特徴量の種類毎に求めた類似度を合計することにより、問合せ画像との最終的な類似度を決定する。この方法を用いる場合は、複数種類の特徴量に応じたAND検索を実行することが可能となる。
▲3▼−3 特徴量の種類毎に求めた類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択することにより、問合せ画像との最終的な類似度を決定する。この方法を用いる場合は、複数種類の特徴量に応じたOR検索を実行することが可能となる。
なお、▲3▼−1〜▲3▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200hで指定することができるようにしても良い。
また、複数の問合せ画像が指定された場合の処理の一例を簡単に説明する。マッチング・エンジン153は、前述したように、検索対象の画像と各問合せ画像との類似度を求める。そして、マッチング・エンジン153は、例えば以下のような方法を用いて、検索対象の画像毎に、各問合せ画像に対する検索対象の画像の類似度を決定することができる。
▲4▼−1 各検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度の二乗和を検索対象の画像の総合類似度とする(AND検索の変形)。この方法を用いると、問合せ画像としての複数の画像を含む画像を検索することが可能となる。
▲4▼−2 各検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度とする。この方法を用いる場合は、複数の問合せ画像を用いたAND検索を実行することが可能となる。すなわち、問合せ画像としての複数の画像を含む画像を検索することが可能となる。
▲4▼−3 各検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度の中から最も高い(値の小さい)類似度を選択して検索対象の画像の総合類似度とする。この方法を用いる場合は、複数の問合せ画像を用いたOR検索を実行することが可能となる。すなわち、問合せ画像としての複数の画像のいずれかを含む画像を検索することができる。
なお、▲4▼−1〜▲4▼−3のいずれの方法を利用するかを検索ウインドウ200hで指定することができるようにしても良い。
以上説明したように、実施の形態13に係る画像検索装置によれば、問合せ画像を少なくとも一つ指定し、検索対象の画像毎に、検索対象の画像中の所定のサイズの領域と指定された問合せ画像との類似度を予め抽出した所定の特徴量を用いて求める処理を検索対象の画像全体にわたって繰り返し実行し、検索対象の画像毎に求めた類似度に基づいて検索結果を出力するため、検索対象の画像の中から、問合せ画像を含む画像を探し出すことができる。したがって、ユーザの意図するような画像検索を実現する一つの手法を提供することができる。
なお、画像表示欄202に表示された検索結果の画像を参照した結果、絞込み検索を行いたい場合には、画像表示欄202に表示された画像を問合せ画像として指定して同様の検索処理を行うこともできる。また、複数の問合せ画像や複数種類の特徴量を指定する場合に、他の実施の形態で説明したように重要度を指定することができるようにしても良い。
〔実施の形態14〕
続いて、本発明に係る画像分類装置について説明する。この画像分類装置は、前述した画像検索装置と同様に、画像間の類似度を用いて画像を分類するものである。画像を予め分類しておくことで、分類を辿るだけでユーザが所望する画像を探し出すことができる。こうすることで画像検索とは異なる方法で容易にユーザの所望する画像を探すことが可能となる。
本発明の実施の形態14に係る画像分類装置は、実施の形態1で説明した画像検索処理を応用して画像を分類するものである。したがって、実施の形態1で説明した点と共通する点については適宜説明を省略することにする。
図33は、実施の形態14に係る画像分類装置のブロック構成図である。図33において、図1に示した画像検索装置と同一の構成については同一の符号を付し、ここでは異なる点についてのみ説明する。図33に示す画像分類装置は、図1に示した画像検索装置と異なる点として、本発明の画像分類装置としての機能をCPU101(コンピュータ100)に実行させるための画像分類ソフト301と、分類項目(後述するフォルダ),分類対象の画像を各分類項目に分類するための分類条件,分類した結果の画像情報等が登録される分類木DB302と、を備えている。
図34は、図33に示した画像分類装置において実行される処理を示すブロック図であり、図2に対応するものである。ユーザ・インターフェイス(U/I)部151(本発明の設定手段,指定手段および表示手段に該当する)は、ユーザに対して画像分類を行うための分類項目設定画面,分類結果表示画面等を表示して、分類条件の入力,分類結果の出力処理等を実行する。特徴抽出エンジン152は、画像DB108に登録する画像(分類対象の画像)および後述する分類基準として設定される画像から画像の特徴量を抽出する処理を実行する。さらに、マッチング・エンジン153(本発明の演算手段,決定手段,分類手段および検索手段に該当する)は、基準画像と分類対象の画像との類似度を求め、求めた類似度に基づいて分類対象の画像の分類先となる分類項目を決定する処理(例えば、分類木DB302に登録された分類項目に画像のIDを登録して分類する)を実行する。
つぎに、前述した構成を有する画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。ここでは画像DB108に登録された複数の画像を分類対象の画像とする。また、画像を分類する際に用いる特徴量は画像の色,構造およびテクスチャであり、画像DB108中の分類対象の画像からは、図3を用いて実施の形態1で説明した処理によって既に各種類の特徴量が抽出されているものとする。
(1)分類項目設定処理
図35は、画像の分類項目の設定処理や分類後の画像の表示を行うための画像分類ウインドウ350aの一例を示す説明図である。図34のU/I部151は、ユーザによって画像分類ウインドウ350aの表示が指定されると、図35に示すような画像分類ウインドウ350aを表示し、ユーザの指示に応じて後述するフォルダの作成や分類条件の設定等の処理を実行する。
この図35には、既に画像を管理するための項目(以下「フォルダ」と記述する)が設定されている様子が示されているが、ここではルートに当たる画像DBフォルダ351のみが存在しているものと仮定し、各フォルダを設定する処理を説明する。
図35中の画像DBフォルダ351は、画像DB108中に登録された画像の全てを管理するフォルダである。なお、この画像DBフォルダ351の設定を変更することにより、分類対象の画像を画像DB中の画像から別の画像に変更することができる。例えば、実施の形態1〜13で説明した画像検索装置で検索した結果の画像を指定して分類することも可能である。
ユーザは、この画像DBフォルダ351の下位に画像DB108の画像を分類する分類先となる新たなフォルダを設定する。例えば、ユーザは、図示しないメニューから「フォルダ作成」を選択し、画像DBフォルダ351の下位にフォルダ352を作成する。
そして、ユーザは、フォルダ352に分類対象の画像(画像DB108中の画像)を分類するための分類条件を設定するため、フォルダ352を選択すると共に、図示しないメニューから「分類条件設定」を選択し、図35に示されている分類条件設定ウィンドウ360aを表示させる。
分類条件設定ウインドウ360aは、図5に示した検索ウインドウ200aの一部とほぼ同一の構成であり、分類条件設定ウインドウ360aには、実施の形態1で説明した検索条件と同様の方法で分類条件を設定することができる。分類条件設定ウインドウ360aは、画像を分類する際に使用される例えば色,構造およびテクスチャの特徴量毎に、分類対象の画像を分類するための基準として用いられる複数の基準画像(画像検索の問合せ画像に該当する)を指定するための画像指定欄A,BおよびCと、所望のフォルダに対して分類条件の設定を指定するための設定ボタン361と、を備えている。
基準画像として指定する画像としては、例えば、スキャナで読み取った画像,ディジタルカメラで撮像した画像,ネットワーク112を介してダウンロードした画像,予めハードディスク110に記憶されていた画像,画像DB108に登録されている画像等、いかなるものであっても良い。
ユーザは、実施の形態1で説明したように、例えば3枚の画像を各種類の特徴量に対応させ、それぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定する。また、図示することは省略するが、分類条件設定ウインドウ360aからフォルダ毎に、基準画像および検索対象の画像の類似度の閾値を設定することができる。後述するように、フォルダに設定された基準画像との類似度が閾値を超えた分類対象の画像がそのフォルダに分類されることになる。ここではフォルダ毎に閾値を設定することにするが、フォルダ全体を対象として一つの閾値を設定することにしても良い。
そして、ユーザが設定ボタン361を選択すると、U/I部151は、指定された基準画像および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。なお、基準画像として設定された画像から特徴量を抽出していない場合にあっては、分類条件をフォルダに設定する際に特徴抽出エンジン152が特徴量を抽出する処理を行うことにしても良い。もちろん、画像を分類する処理を行う際に各基準画像から必要な特徴量を抽出することにしても良い。
なお、ユーザは、フォルダ354〜357のように、作成したフォルダ(例えばフォルダ353)に分類される画像をさらに分類するためのフォルダ(例えば、フォルダ353に対してフォルダ354および355)を作成し、同様に分類条件を設定することができる。
このようにして、図35に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。U/I部151は、作成したフォルダや対応する分類条件をフォルダ情報として、フォルダの階層構造に関する情報と共に分類木DB302に登録する。
実施の形態1で説明したように、各フォルダ毎に単に基準画像を複数指定するだけでなく、画像を分類する際に使用される各種類の特徴量に対応させて各問合せ画像を指定できるため、ユーザが適切と考える仮想的な一つの基準画像を表現できると共に、分類に対するユーザの意図を分類基準として正確に表現することが可能となる。したがって、後述する分類処理によって、ユーザの意図が反映された分類結果の画像を得ることが可能となる。
(2)画像分類処理
図36は、実施の形態14の画像分類処理を示すフローチャートである。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、対応する種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像との類似度を求めると共に、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1401)。
このステップS1401における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図35の分類条件設定ウインドウ360aを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。マッチング・エンジン153は、同様に、構造の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求めると共に、テクスチャの特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする(数1を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1401で求めた分類対象の画像の総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1402)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像の総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1403)。すなわち、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像の総合類似度が閾値を超える場合、そのフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1401〜S1403の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。なお、フォルダ毎に得られた総合類似度に応じて、分類対象の画像は2以上のフォルダに分類されることもあり得る。
図37は、画像DB108中の画像を各フォルダ352〜358に分類した後の画像分類ウインドウ350aの様子を示す説明図である。各フォルダ352〜358には、マッチング・エンジン153によって選択された代表画像が表示されている。また、ユーザが特定のフォルダを選択すると、そのフォルダに分類された画像が画像分類ウインドウ350aの右側に一覧表示される。
このように、実施の形態14に係る画像分類装置によれば、分類項目を設定し、設定した分類項目それぞれに対し、基準画像および分類対象の画像の類似度を求める際に使用される各種類の特徴量毎にそれぞれ一つの基準画像を設定し、分類項目毎に、設定された各基準画像および分類対象の画像の類似度を対応する種類の特徴量を用いて求めると共に、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求め、分類項目毎に求めた分類対象の画像の総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて、分類対象の画像の分類先となる分類項目を決定することにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、分類に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、分類に対するユーザの意図を正確に反映した分類結果を得ることができ、ユーザが望む通りの分類処理を実現することができる。
例えば、基準画像として適切な画像が存在しない場合であっても、分類結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を基準画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの問合せ画像として使用することができる。
なお、ここでは色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いることにしたが、これらはあくまでも例示であって、特徴量の種類を限定することを意図したものではない。
また、図37に示したように、フォルダ毎に代表画像を表示することにしたが、これに代えて、フォルダ名を表示したり、フォルダに設定した基準画像を表示することにしても良い。
さらに、詳細な説明については省略するが、画像DB108に新たに画像が登録された場合、その画像についても分類処理を行うことにより、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。例えば、U/I部151が画像DB108の状態を監視することにすれば、人手を要することなく、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。
〔実施の形態15〕
実施の形態15に係る画像分類装置は、実施の形態2で説明した画像検索処理を応用して画像を分類するものである。なお、実施の形態15に係る画像分類装置において、実施の形態14で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像分類装置の動作についても共通する点については適宜説明を省略する。
以下に、実施の形態15に係る画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。
(1)分類項目設定処理
図38は、画像の分類項目の設定処理や分類後の画像の表示を行うための画像分類ウインドウ350bの一例を示す説明図である。ここで、ユーザは、フォルダ352を作成したものとし、フォルダ352に分類条件を設定するため、図38に示すような分類条件設定ウインドウ360bを表示させる。
図38に示す分類条件設定ウインドウ360bは、図7に示した検索ウインドウ200bの一部とほぼ同一の構成であり、分類条件設定ウインドウ360bには、実施の形態2で説明した検索条件と同様の方法で分類条件を設定することができる。分類条件設定ウインドウ360bは、分類対象の画像を分類するための基準として用いられる複数の基準画像(画像検索の問合せ画像に該当する)を指定するための画像指定欄A,BおよびCと、各画像指定欄に指定した基準画像毎に、分類対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定する特徴量指定ボタン362と、対応するフォルダに対して分類条件の設定を指定するための設定ボタン361と、を備えている。
ユーザは、実施の形態2で説明したように、例えば3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定し、各基準画像A,BおよびC毎に分類対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定する。図38に示す分類条件設定ウインドウ360bは、一例として色・構造・テクスチャの中から所望の特徴量を指定することができるようになっている。
また、図示することは省略するが、分類条件設定ウインドウ360bからフォルダ毎に、基準画像および検索対象の画像の類似度の閾値を設定することができる。後述するように、フォルダに設定された基準画像との類似度が閾値を超えた分類対象の画像がそのフォルダに分類されることになる。ここではフォルダ毎に閾値を設定することにするが、フォルダ全体を対象として一つの閾値を設定することにしても良い。
そして、ユーザが設定ボタン361を選択すると、U/I部151は、指定された基準画像,特徴量の種類および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。なお、基準画像として設定された画像から特徴量を抽出していない場合にあっては、分類条件をフォルダに設定する際に特徴抽出エンジン152が特徴量を抽出する処理を行うことにしても良い。もちろん、画像を分類する処理を行う際に各基準画像から必要な特徴量を抽出することにしても良い。
なお、ユーザは、フォルダ354〜357のように、作成したフォルダ(例えばフォルダ353)に分類される画像をさらに分類するためのフォルダ(例えば、フォルダ353に対してフォルダ354および355)を作成し、同様に分類条件を設定することができる。
このようにして、図38に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。U/I部151は、作成したフォルダや対応する分類条件をフォルダ情報として、フォルダの階層構造に関する情報と共に分類木DB302に登録する。
実施の形態2で説明したように、各フォルダ毎に単に基準画像を複数指定するだけでなく、指定した各基準画像毎にユーザが重視する画像の特徴に該当する特徴量を指定できるため、ユーザが適切と考える仮想的な一つの基準画像を表現できると共に、分類に対するユーザの意図を分類基準として正確に表現することが可能となる。したがって、後述する分類処理によって、ユーザの意図が反映された分類結果の画像を得ることが可能となる。
(2)画像分類処理
実施の形態15の画像分類処理について図36を参照しつつ説明する。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ユーザが指定した種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像との類似度を求めると共に、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1401)。
このステップS1401における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図38の分類条件設定ウインドウ360bを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。マッチング・エンジン153は、同様に、構造の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求めると共に、テクスチャの特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする(数2を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1401で求めた分類対象の画像の総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1402)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像の総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1403)。すなわち、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像の総合類似度が閾値を超える場合、そのフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1401〜S1403の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。なお、フォルダ毎に得られた総合類似度に応じて、分類対象の画像は2以上のフォルダに分類されることもあり得る。画像の分類処理が実行されると、図38の画像分類ウインドウ350bの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態15に係る画像分類装置によれば、フォルダを設定し、設定したフォルダ毎に、基準画像を複数設定すると共に、設定した各基準画像毎に分類対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を設定し、フォルダ毎に、設定された種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度を合計して総合類似度を求め、フォルダ毎に求めた総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて分類対象の画像の分類先となるフォルダを決定することにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、分類に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、分類に対するユーザの意図を正確に反映した分類結果を得ることができ、ユーザが望む通りの分類処理を実現することができる。
例えば、基準画像として適切な画像が存在しない場合であっても、分類結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を基準画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの問合せ画像として使用することができる。
なお、ここでは色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いることにしたが、これらはあくまでも例示であって、特徴量の種類を限定することを意図したものではない。
さらに、詳細な説明については省略するが、画像DB108に新たに画像が登録された場合、その画像についても分類処理を行うことにより、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。例えば、U/I部151が画像DB108の状態を監視することにすれば、人手を要することなく、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。
〔実施の形態16〕
実施の形態16に係る画像分類装置は、実施の形態15の画像分類装置において、実施の形態3で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図をさらに正確に表現できるようにしたものである。なお、実施の形態16において、実施の形態14で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像分類装置の動作についても共通する点については適宜説明を省略する。
以下に、実施の形態16に係る画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。
(1)分類項目設定処理
図39は、実施の形態16に係る画像分類装置において用いられる画像分類ウインドウ350cを示す説明図である。ここで、ユーザは、フォルダ352を作成したものとし、フォルダ352に分類条件を設定するため、図39に示すような分類条件設定ウインドウ360cを表示させる。
図39に示す分類条件設定ウインドウ360cは、図38に示したものに加えて(実施の形態3の検索ウインドウ200cに示すように)、画像指定欄A,BおよびCに指定された各基準画像毎に相対的な重要度を指定する重要度指定バー363を備えている。
ユーザは、図39に示すように、例えば3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定し、指定した基準画像A,BおよびC毎に分類対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定する。
続いて、実施の形態3の重要度指定バー204で説明したように、ユーザは重要度指定バー363を用いて各基準画像に重要度を指定する。この重要度指定バー363は、各基準画像毎に「0」を中心にして「+」の重要度および「−」の重要度を指定することを可能とするものである。なお、重要度として「+」方向および「−」方向の両方ではなく、「+」方向のみ、または「−」方向のみを指定できるようにしても良い。
このように、基準画像毎にユーザが重要度を指定することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現することが可能となる。すなわち、後述する分類処理によって、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された分類結果の画像を得ることが可能となる。
さらに、ユーザはフォルダ352の閾値を指定し、設定ボタン361を選択すると、U/I部151は、基準画像,特徴量の種類,重要度および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。
このような処理を各フォルダに対して行うことにより、図39に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。設定されたフォルダのフォルダ情報は、分類木DB302に登録される。
(2)画像分類処理
図40は、実施の形態16の画像分類処理を示すフローチャートである。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ユーザが指定した種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像との類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1601)。
このステップS1601における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図39の分類条件設定ウインドウ360cを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、ユーザが指定した基準画像Aの重要度に応じて重み付けを行う。マッチング・エンジン153は、同様に、構造の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求め、求めた距離に対して基準画像Bの重要度に応じた重み付けを行うと共に、テクスチャの特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求め、求めた距離に対して基準画像Cの重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする(数3を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1601で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1602)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1603)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1601〜S1603の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図39の画像分類ウインドウ350cの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態16に係る画像分類装置によれば、求めた類似度に対し、基準画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各基準画像毎に重要度を設定することが可能であり、フォルダ毎に、各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
なお、詳細な説明については省略するが、実施の形態14で説明した画像分類装置においても、実施の形態16で説明したように各問合せ画像毎に重要度を指定することができるようにしても良い。
〔実施の形態17〕
実施の形態17に係る画像分類装置は、ユーザの意図を分類条件として正確に表現するための一つの手法として、実施の形態4で説明したAND検索を応用した画像分類処理を行うものである。なお、実施の形態17に係る画像分類装置において、実施の形態14で既に説明した構成については同一の符号を使用して詳細な説明を省略し、画像分類装置の動作についても共通する点については適宜説明を省略する。また、実施の形態17に係る画像分類装置においては、画像間の類似度を求める際に用いる特徴量は一種類であるものとするが、当然、複数種類の特徴量を用いることにしても良い。
以下に、実施の形態17に係る画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。
(1)分類項目設定処理
図41は、実施の形態17に係る画像分類装置において用いられる画像分類ウインドウ350dを示す説明図である。ここで、ユーザは、フォルダ352を作成したものとし、フォルダ352に分類条件を設定するため、図41に示すような分類条件設定ウインドウ360dを表示させる。
図41に示す分類条件設定ウインドウ360dは、画像指定欄A,BおよびC,ならびに設定ボタン361に加え、AND条件を指定するためのAND指定ボタン364およびOR条件を指定するためのOR指定ボタン365が設けられている点である。なお、OR条件については、後述する実施の形態21において詳細に説明する。
ユーザは、図41に示すように、例えば3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定し、AND指定ボタン364を選択してAND条件を指定する。さらに、ユーザがフォルダ352の閾値を指定し、設定ボタン361を指定すると、U/I部151は、基準画像,AND条件の指定および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。
このような処理を各フォルダに対して行うことにより、図41に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。なお、設定されたフォルダのフォルダ情報は、分類木DB302に登録される。
(2)画像分類処理
実施の形態17の画像分類処理について図36を参照しつつ説明する。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、所定の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1401)。
このステップS1401における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図41の分類条件設定ウインドウ360dを参照)および分類対象の画像の類似度を所定の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。マッチング・エンジン153は、同様に、所定の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求めると共に、分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする(数4を参照)。なお、複数種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求める場合は、各種類の特徴量毎に分類対象の画像および各基準画像の類似度(距離)を求め、分類対象の画像毎に、各基準画像に対する全ての類似度を合計して総合類似度を求めれば良い。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1401で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1402)。ただし、ここでは、類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1403)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1401〜S1403の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ検索対象の画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図41の画像分類ウインドウ350dの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態17に係る画像分類装置によれば、フォルダを設定し、設定したフォルダ毎に、基準画像を複数設定し、フォルダ毎に、設定された各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度を合計して総合類似度を求め、フォルダ毎に求めた総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて分類対象の画像の分類先となるフォルダを決定するため、AND検索処理を応用した画像分類処理を行うことが可能となる。したがって、新たな分類方法で画像を分類可能な画像分類装置を提供することができる。
なお、実施の形態17においては、特徴量の種類を特に示さなかったが、色,構造およびテクスチャ等、いかなる種類の特徴量であっても単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
さらに、詳細な説明については省略するが、画像DB108に新たに画像が登録された場合、その画像についても分類処理を行うことにより、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。例えば、U/I部151が画像DB108の状態を監視することにすれば、人手を要することなく、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。
〔実施の形態18〕
実施の形態18に係る画像分類装置は、実施の形態17の画像分類装置において、実施の形態5で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現できるようにしたものである。
以下に、実施の形態18に係る画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。
(1)分類項目設定処理
図42は、実施の形態18に係る画像分類装置において用いられる画像分類ウインドウ350eを示す説明図である。ここで、ユーザは、フォルダ352を作成したものとし、フォルダ352に分類条件を設定するため、図42に示すような分類条件設定ウインドウ360eを表示させる。
図42に示す分類条件設定ウインドウ360eは、図41に示した分類条件設定ウインドウ360dに加えて、画像指定欄A,BおよびCに指定された各基準画像間の相対的な重要度を指定する重要度指定バー366を備えている。
ユーザは、図42に示すように、例えば3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定すると共に、重要度指定バー366を用いて基準画像A,BおよびC毎に重要度を指定する。この重要度指定バー366は、実施の形態5の重要度指定バー207で説明したように、各基準画像毎に「0」を中心にして「+」の重要度および「−」の重要度を指定することを可能にするものである。なお、重要度として「+」方向および「−」方向の両方ではなく、「+」方向のみ、または「−」方向のみを指定できるようにしても良い。
このように、基準画像毎にユーザが重要度を指定することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現することが可能となる。すなわち、後述する分類処理によって、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された分類結果の画像を得ることが可能となる。
さらに、ユーザがAND指定ボタン364を選択してAND条件を指定すると共に、フォルダ352の閾値を指定した後、設定ボタン361を指定すると、U/I部151は、基準画像,重要度,AND条件の指定および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。
このような処理を各フォルダに対して行うことにより、図42に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。なお、設定された各フォルダのフォルダ情報は、分類木DB302に登録される。
(2)画像分類処理
実施の形態18の画像分類処理について図40を参照しつつ説明する。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、所定の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像との類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度を合計して総合類似度を求める処理を実行する(S1601)。
このステップS1601における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図42の分類条件設定ウインドウ360eを参照)および分類対象の画像の類似度を所定の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、ユーザが指定した基準画像Aの重要度に応じて重み付けを行う。マッチング・エンジン153は、同様に、所定の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求め、求めた距離に対して基準画像Bの重要度に応じた重み付けを行うと共に、所定の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求め、求めた距離に対して基準画像Cの重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする(数5を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1601で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1602)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1603)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1601〜S1603の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図42の画像分類ウインドウ350eの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態18に係る画像分類装置によれば、求めた類似度に対し、基準画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各基準画像毎に重要度を設定することが可能であり、フォルダ毎に、各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
〔実施の形態19〕
実施の形態19に係る画像分類装置は、実施の形態17の画像分類装置において、実施の形態6で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現できるようにしたものである。なお、実施の形態19に係る画像分類装置においては、例として、色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いて分類処理を行うものとする。
以下に、実施の形態19に係る画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。
(1)分類項目設定処理
図43は、実施の形態19に係る画像分類装置において用いられる画像分類ウインドウ350fを示す説明図である。ここで、ユーザは、フォルダ352を作成したものとし、フォルダ352に分類条件を設定するため、図43に示すような分類条件設定ウインドウ360fを表示させる。
図43に示す分類条件設定ウインドウ360fは、図41に示した分類条件設定ウインドウ360dに加えて、画像指定欄A,BおよびCに指定された各基準画像毎に、分類対象の画像との類似度を求める際に使用される特徴量の種類毎の重要度を指定するための重要度指定バー367を備えている。
ユーザは、図43に示すように、例えば3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定し、指定した基準画像A,BおよびC毎に、特徴量の種類毎の重要度を指定する。この重要度指定バー367は、実施の形態6で説明したように、各基準画像の特徴量の種類毎に、「0」を中心にして「+」の重要度および「−」の重要度を指定することを可能にするものである。なお、重要度として「+」方向および「−」方向の両方ではなく、「+」方向のみ、または「−」方向のみを指定できるようにしても良い。
このように、各種類の特徴量毎の重要度を各基準画像毎に指定することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現することが可能となる。すなわち、後述する分類処理によって、重要度は各種類の特徴量毎に求めた類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された分類結果の画像を得ることが可能となる。
さらに、ユーザは、AND指定ボタン364を選択してAND条件を指定すると共に、フォルダ352の閾値を指定した後、設定ボタン361を選択すると、U/I部151は、基準画像,重要度,AND条件の指定および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。
このような処理を各フォルダに対して行うことにより、図43に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。なお、設定された各フォルダのフォルダ情報は、分類木DB302に登録される。
(2)画像分類処理
実施の形態19に係る画像分類処理について図40を参照しつつ説明する。ユーザが分類処理の開始を指定すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、3種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1601)。
このステップS1601における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図43の分類条件設定ウインドウ360fを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、ユーザが基準画像Aに対して指定した色の特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と基準画像Aとの距離を構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いてそれぞれ求め、求めた各距離に対し、ユーザが基準画像Aに対して指定した構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、分類対象の画像と基準画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、基準画像Bに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。また、分類対象の画像と基準画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、基準画像Cに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする(数6を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1601で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1602)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1603)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1601〜S1603の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図43の画像分類ウインドウ350fの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態19に係る画像分類装置によれば、複数種類の特徴量を用いて基準画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、基準画像および特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎の重要度を各基準画像毎に設定することが可能であり、フォルダそれぞれについて、各種類の特徴量毎に各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
なお、特徴量の種類は、色,構造およびテクスチャの3種類に限定するものではなく、いかなる種類の特徴量の組み合わせであっても良い。
〔実施の形態20〕
実施の形態20に係る画像分類装置は、実施の形態17の画像分類装置において、実施の形態7で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図を装置側が汲み取ることができるようにしたものである。なお、実施の形態20に係る画像分類装置は、例として、色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量を用いて分類処理を行うものとする。
前述した実施の形態18および19においては、ユーザが基準画像の重要度または各基準画像に特徴量毎の重要度を指定する必要があったが、実施の形態20に係る画像分類装置においては、ユーザによってフォルダ毎に指定された基準画像間の類似度を、基準画像および分類対象の画像の類似度を求める際に使用する特徴量を用いて求め、求めた特徴量毎の類似度に基づいて各基準画像間における特徴量毎の重要度を装置側で決定し、類似度に対する重み付けとして反映するという点が特徴となる。
以下に、実施の形態20に係る画像分類装置の動作について、
(1)分類項目設定処理
(2)画像分類処理
の順で説明する。
(1)分類項目設定処理
図41を用いて分類項目設定処理について説明する。ユーザは、フォルダ352を作成したものとし、フォルダ352に分類条件を設定するため、図41に示すような分類条件設定ウインドウ360dを表示させる。
ユーザは、図41に示すように、例えば3枚の画像をそれぞれ画像指定欄A,BおよびCに基準画像A,BおよびCとして指定し、AND指定ボタン364を選択してAND条件を指定する。さらに、ユーザがフォルダ352の閾値を指定し、設定ボタン361を選択すると、特徴抽出エンジン152は、色,構造およびテクスチャの3種類の特徴量毎に、各基準画像A,BおよびC間の距離(類似度)を求め、求めた各特徴量毎の距離に基づいて各基準画像A,BおよびC間における特徴量毎の重要度を決定する。
具体的に、特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎に、基準画像同士の特徴間の距離を求める。各特徴量毎に求めた距離の分散が大きい場合にはその特徴量についてはユーザは関知していないことを意味し、分散が小さい場合にはユーザはその特徴量を分類基準として重視していると判断できる。したがって、分散が大きい特徴量の場合には重要度を小さくし、分散が小さい場合には重要度を大きくするようにする(数7を参照)。
特徴抽出エンジン152は、3種類の特徴量毎の重要度をU/I部151に入力し、U/I部151は、基準画像,特徴抽出エンジン152で決定された重要度,AND条件の指定および閾値を分類条件としてフォルダ352に設定する。
このような処理を各フォルダに対して行うことにより、図41に示すような複数のフォルダ352〜358が分類対象の画像を分類するための分類項目として設定される。なお、設定されたフォルダのフォルダ情報は分類木DB302に登録される。
(2)画像分類処理
つぎに、実施の形態20の画像分類処理について図40を参照しつつ説明する。ユーザが分類処理の開始を指定すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、3種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S1601)。
このステップS1601における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図41の分類条件設定ウインドウ360dを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、特徴抽出エンジン152で色の特徴量について決定した重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と基準画像Aについて、構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いた距離を求め、求めた各距離に対し、特徴抽出エンジン152で決定した構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、分類対象の画像と基準画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。また、分類対象の画像と基準画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離を合計し、距離の合計値を総合類似度とする。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS1601で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S1602)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S1603)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS1601〜S1603の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358に分類された画像のうち、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図41の画像分類ウインドウ350dの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態20に係る画像分類装置によれば、複数種類の特徴量を用いて基準画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、分類項目毎に、設定された各基準画像間の類似度を各種類の特徴量毎に求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に基づいて各基準画像間における各特徴量毎の重要度を決定し、分類項目それぞれについて、各種類の特徴量毎に各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に対し、決定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、装置側でユーザが指定した基準画像間における各種類の特徴量の重要度を判断し、判断した重要度を画像間の類似度に反映させるため、ユーザの意図に合った画像の分類結果を返すことが可能となる。したがって、ユーザが望む通りの分類処理を実現することができ、ユーザが望む分類結果を得ることができる。
なお、特徴量の種類は、色,構造およびテクスチャの3種類に限定するものではなく、いかなる種類の特徴量の組み合わせであっても良い。
〔実施の形態21〕
実施の形態21に係る画像分類装置は、ユーザの意図を分類条件として正確に表現するための一つの手法として、実施の形態8で説明したOR検索を応用した画像分類処理を行うものである。
実施の形態21に係る画像分類装置による画像の分類処理は、実施の形態17で説明に用いた図41の分類条件設定ウインドウ360dにおいて、AND指定ボタン364ではなく、OR指定ボタン365が選択された場合に実行される。そこで、実施の形態17における「(1)分類項目設定処理」の説明において、OR指定ボタン365が選択されたものとして、以下にOR条件による画像分類処理を説明する。
なお、OR条件の指定と共に、図41に示したフォルダ352には、実施の形態17の場合と同様に基準画像A,BおよびC,ならびに閾値が分類条件として設定されたものとする。
図44は、実施の形態21の画像分類処理を示すフローチャートである。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、所定の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S2101)。
このステップS2101における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図41の分類条件設定ウインドウ360dを参照)および分類対象の画像の類似度を所定の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。マッチング・エンジン153は、同様に、所定の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求めると共に、分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求める。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度を求める(数8を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に最も高い類似性を示す類似度を選択して総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS2101で選択した類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S2102)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、選択した類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S2103)。すなわち、マッチング・エンジン153は、選択した類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS2101〜S2103の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358それぞれに分類された画像の中から、最も高い類似度(ステップS2101で選択された類似度のことであり、距離で表現すれば最も小さい類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図41の画像分類ウインドウ350dの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
なお、実施の形態21の画像分類処理においては、分類対象の画像が、あるフォルダに設定された各基準画像のいずれかに対して閾値以上の類似度が得られる程類似していればそのフォルダに分類されることになる。したがって、実施の形態21の画像分類処理にOR検索が応用されていることがわかる。
このように、実施の形態21に係る画像分類装置によれば、フォルダを設定し、設定したフォルダ毎に、基準画像を複数設定し、フォルダ毎に、設定された各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択し、各フォルダ毎に選択した類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて分類対象の画像の分類先となるフォルダを決定するため、OR検索処理を応用した画像分類処理を行うことが可能となる。したがって、新たな分類方法で画像を分類可能な画像分類装置を提供することができる。
なお、詳細な説明については省略するが、画像DB108に新たに画像が登録された場合、その画像についても分類処理を行うことにより、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。例えば、U/I部151が画像DB108の状態を監視することにすれば、人手を要することなく、画像DB108中の画像を常に分類した状態に保つことができる。
〔実施の形態22〕
実施の形態22に係る画像分類装置は、実施の形態21の画像分類装置において、実施の形態9で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現できるようにしたものである。
実施の形態22に係る画像分類装置による画像の分類処理は、実施の形態18で説明に用いた図42の分類条件設定ウインドウ360eにおいて、AND指定ボタン364ではなく、OR指定ボタン365が選択された場合に実行される。そこで、実施の形態18における「(1)分類項目設定処理」の説明において、OR指定ボタン365が選択されたものとして、以下にOR条件による画像分類処理を説明する。
なお、OR条件の指定と共に、図42に示したフォルダ352には、実施の形態18の場合と同様に基準画像A,BおよびC,各基準画像の重要度ならびに閾値が分類条件として設定されたものとする。
図45は、実施の形態22の画像分類処理を示すフローチャートである。ユーザが分類処理の開始を指示すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、所定の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像との類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S2201)。
このステップS2201における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図42の分類条件設定ウインドウ360eを参照)および分類対象の画像の類似度を所定の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、所定の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、ユーザが指定した基準画像Aの重要度に応じて重み付けを行う。マッチング・エンジン153は、同様に、所定の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Bとの距離を求め、求めた距離に対して基準画像Bの重要度に応じた重み付けを行うと共に、所定の特徴量に基づいて分類対象の画像と基準画像Cとの距離を求め、求めた距離に対して基準画像Cの重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度を求める(数9を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、ステップS2201で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S2202)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S2203)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS2201〜S2203の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358それぞれに分類された画像の中から、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図42の画像分類ウインドウ350eの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態22に係る画像分類装置によれば、求めた類似度に対し、基準画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各基準画像毎に重要度を設定することが可能であり、フォルダ毎に、各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
〔実施の形態23〕
実施の形態23に係る画像分類装置は、実施の形態21の画像分類装置において、実施の形態10で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図を正確に表現できるようにしたものである。
実施の形態23に係る画像分類装置による画像の分類処理は、実施の形態19で説明に用いた図43の分類条件設定ウインドウ360fにおいて、AND指定ボタン364ではなく、OR指定ボタン365が選択された場合に実行される。そこで、実施の形態19における「(1)分類項目設定処理」の説明において、OR指定ボタン365が選択されたものとして、以下にOR条件による画像分類処理を説明する。
なお、OR条件の指定と共に、図43に示したフォルダ352には、実施の形態19の場合と同様に基準画像A,BおよびC,各基準画像について特徴量の種類毎に指定された重要度ならびに閾値が分類条件として設定されたものとする。
つぎに、実施の形態23に係る画像分類処理について図45を参照しつつ説明する。ユーザが画像分類処理の開始を指定すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、3種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S2201)。
このステップS2201における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図43の分類条件設定ウインドウ360fを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、ユーザが基準画像Aに対して指定した色の特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と基準画像Aとの距離を構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いて求め、求めた各距離に対し、ユーザが基準画像Aに対して指定した構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、分類対象の画像と基準画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、基準画像Bに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。また、分類対象の画像と基準画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、基準画像Cに対して指定された各特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度とする(数10を参照)。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、分類木DB302を参照して、フォルダ352〜358毎に、ステップS2201で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S2202)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S2203)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS2201〜S2203の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358それぞれに分類された画像の中から、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図43の画像分類ウインドウ350fの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態23に係る画像分類装置によれば、複数種類の特徴量を用いて基準画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、基準画像および特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎の重要度を各基準画像毎に設定することが可能であり、フォルダそれぞれについて、各種類の特徴量毎に各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
〔実施の形態24〕
実施の形態24に係る画像分類装置は、実施の形態21の画像分類装置において、実施の形態11で説明した画像検索処理を応用することにより、分類に対するユーザの意図を装置側が汲み取ることができるようにしたものである。
実施の形態24に係る画像分類装置による画像の分類処理は、実施の形態20で説明に用いた図41の分類条件設定ウインドウ360dにおいて、AND指定ボタン364ではなく、OR指定ボタン365が選択された場合に実行される。そこで、実施の形態20における「(1)分類項目設定処理」の説明において、OR指定ボタン365が選択されたものとして、以下にOR条件による画像分類処理を説明する。
なお、OR条件の指定と共に、図41に示したフォルダ352には、実施の形態20の場合と同様に基準画像A,BおよびC,特徴量の種類毎に特徴抽出エンジン152で決定された重要度ならびに閾値が分類条件として設定されたものとする。
つぎに、実施の形態24の画像分類処理について図45を参照しつつ説明する。ユーザが画像分類処理の開始を指定すると、図34のマッチング・エンジン153は、フォルダ352〜358毎に、3種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた各類似度に対して重要度に応じた重み付けを行い、各類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して分類対象の画像の総合類似度を求める処理を実行する(S2201)。
このステップS2201における処理についてフォルダ352を例にとって具体的に説明する。マッチング・エンジン153は、分類木DB302のフォルダ情報を参照し、フォルダ352に設定された基準画像A(図41の分類条件設定ウインドウ360dを参照)および分類対象の画像の類似度を色の特徴量を用いて求める。すなわち、マッチング・エンジン153は、色の特徴量に基づいて図4に示した特徴量空間中にプロットされた分類対象の画像と基準画像Aとの距離を例えばユークリッド距離などのベクトルの距離定義式を用いて求める。続いて、マッチング・エンジン153は、求めた距離に対し、特徴抽出エンジン152で色の特徴量について決定した重要度に応じて重み付けを行う。さらに、マッチング・エンジン153は、分類対象の画像と基準画像Aについて、構造の特徴量およびテクスチャの特徴量を用いた距離を求め、求めた各距離に対し、特徴抽出エンジン152で決定した構造の特徴量の重要度およびテクスチャの特徴量の重要度に応じて重み付けを行う。
マッチング・エンジン153は、同様に、分類対象の画像と基準画像Bとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。また、分類対象の画像と基準画像Cとの距離を3種類の特徴量毎に求め、求めた各距離に対し、各種類の特徴量毎に決定された重要度に応じた重み付けを行う。
その後、マッチング・エンジン153は、3種類の特徴量毎に求めた分類対象の画像と各基準画像A,BおよびCとの距離の中から最も短い距離を選択して総合類似度を求める。マッチング・エンジン153は、このようにしてフォルダ352〜358毎に総合類似度を求める。
続いて、マッチング・エンジン153は、分類木DB302を参照して、フォルダ352〜358毎に、ステップS2201で求めた総合類似度が閾値を超えるか否かを判定する(S2202)。ただし、ここでは類似度として距離を用いており、距離が短い(距離の値が小さい)ほど類似性が高いことになるため、実際には、総合類似度が閾値以下(または未満)であるか否かを判定することになる。
そして、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダに分類対象の画像を分類する(S2203)。すなわち、マッチング・エンジン153は、求めた総合類似度が閾値を超えるフォルダを分類対象の画像の分類先として決定し、分類木DB302中に登録された該当するフォルダのフォルダ情報に関連付けて分類対象の画像のID(予め設定されているものとする)を分類木DB302に登録する。
以上説明したステップS2201〜S2203の処理を画像DB108中に登録されている各画像に対して実行することにより、画像DB108中の画像を分類することができる。また、マッチング・エンジン153は、各フォルダ352〜358それぞれに分類された画像の中から、最も高い総合類似度(距離で表現すれば最も小さい総合類似度)を持つ画像を代表画像として選択し、該当するフォルダ情報に関連付けて分類木DB302に登録する。画像の分類処理が実行されると、図41の画像分類ウインドウ350dの各フォルダ352〜358には、図37に示すように代表画像が表示される。
このように、実施の形態24に係る画像分類装置によれば、複数種類の特徴量を用いて基準画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、分類項目毎に、設定された各基準画像間の類似度を各種類の特徴量毎に求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に基づいて各基準画像間における各特徴量毎の重要度を決定し、分類項目それぞれについて、各種類の特徴量毎に各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に対し、決定された重要度に応じた重み付けを行うことにより、装置側でユーザが指定した基準画像間における各種類の特徴量の重要度を判断し、判断した重要度を画像間の類似度に反映させるため、ユーザが望む通りの画像分類処理を実現することができ、ユーザが望む画像の分類結果を得ることができる。
〔実施の形態25〕
つぎに、実施の形態25に係る画像分類装置について説明する。実施の形態25に係る画像分類装置は、ユーザが希望する基準で画像を動的に分類していき、所望の画像を探し出すことができるようにするものである。
なお、実施の形態25に係る画像分類装置の構成および画像分類ソフトの構成は図33および図34の通りであるため、ここではこれらについての説明を省略し、画像分類処理についてのみ説明することにする。また、分類対象となる画像は、ここでは画像DB108に登録されている画像であるものとし、これらの画像からは色,構造およびテクスチャの特徴量が抽出されて画像特徴DB109に登録されているものとする。
図46〜図48は、実施の形態25における画像分類処理の説明図である。ユーザが図示しないメニューから「画像分類処理」を選択すると、図34のU/I部151は、図46に示す画像分類ウインドウ400を画面表示する。
図46に示す画像分類ウインドウ400には、初期状態として、画像DB108中の全ての画像を対象とした分類項目401と、画像DB108中に登録された画像を動的に分類していく際に使用する特徴量の種類を表す分類項目402a,403aおよび404aとが示されている。ユーザが分類項目402a,403aおよび404aのいずれかを選択することにより、画像DB108中の画像が動的に分類されることになる。
ここで、分類項目402aは、色の特徴量を用いて画像を分類する際に使用する項目であり、分類項目403aは、構造の特徴量を用いて画像を分類する際に使用する項目であり、分類項目404aは、テクスチャの特徴量を用いて画像を分類するための項目である。
図46において、ユーザが分類項目402aを指定したものとすると、U/I部151は、色の特徴量が指定されたことをマッチング・エンジン153に通知する。マッチング・エンジン153は、色の特徴空間(図4参照)において画像DB108中の画像をNearest Neighbor法やK−平均アルゴリズム等の一般的なクラスタリング手法を用いてクラスタリングする(類似する画像同士のグループに分類する)と共に、個々のクラスタから代表画像を選択する。なお、代表画像については、例えばクラスタの中心の画像を代表画像として選択する等、代表画像同士が非類似であれば選択方法はいかなるものであっても良い。
そして、U/I部151は、マッチング・エンジン153からクラスタリングの結果を入力し、図47に示すように、ユーザによって選択された分類項目402aに関連付けて代表画像405〜408を表示する。図47においては、代表画像が4枚表示されているため、画像DB108の画像が色の特徴量により4つのクラスタに分類されたことが示されている。つまり、実施の形態25においては、特徴量の種類を指定することによって生成されるクラスタが実質的な分類項目ということになる。ユーザは必要に応じて代表画像以外の各クラスタに属する画像を表示して見ることができる。
図48は、代表画像407のクラスタを色の特徴空間でさらにクラスタリングして分類した結果を示している。このように、段階的に特徴量の種類を指定していくことにより、ユーザは目的の画像にたどり着くことができる。
なお、色以外の特徴量については詳細な説明を省略するが、構造やテクスチャの特徴量が選択された場合であっても、同様に特徴空間でクラスタリングが行われ、画像が分類されていくことになる。
このように、実施の形態25に係る画像分類装置によれば、特徴量の種類が指定されると、指定された種類の特徴量を用いて分類対象の各画像間の類似度を求め、求めた分類対象の各画像間の類似度に基づいて、分類対象の各画像を類似する画像同士のグループに分類し、分類された各グループからそれぞれグループを代表する代表画像を選択して画面表示し、さらに、表示された代表画像の一つが指定されるとと共に、特徴量の種類が指定されると、指定された種類の特徴量を用いて代表画像の属するグループに分類された各画像を類似する画像同士のグループに分類し、分類された各グループからそれぞれグループを代表する代表画像を選択して画面表示することにより、画像を分類したい時にユーザが希望する基準で画像を動的に分類していくことが可能となるため、画像の分類を利用して所望の画像を探し出すことが可能となる。したがって、新たな分類方法で画像を分類可能な画像分類装置を提供することができる。
また、特徴量の種類を分類項目402,403および404として画面表示し、指定された分類項目に関連付けて、分類された各グループの代表画像を画面表示することにより、図48に示すように画像DB108中の画像を分類した結果を木構造で画面表示できるため、ユーザが画像分類処理の様子を一目で認識でき、動的な画像分類処理の利便性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態25の画像分類処理によって画像を分類した結果を、例えば分類履歴として分類木DB302に登録しておくことにより、再利用することができる。
また、分類対象の画像は画像DB108中の画像に限定されるものではなく、例えば実施の形態1〜13の画像検索装置で検索した結果の複数の画像を分類対象の画像として用いることもできる。
〔実施の形態26〕
つぎに、実施の形態26の画像分類装置について説明する。実施の形態26に係る画像分類装置は、実施の形態14〜25で説明した画像分類装置の一部または全てを一つの画像分類装置として統合したものである。すなわち、実施の形態14〜25における説明から明らかなように、これらの装置は図33および図34に示したような共通の構成で実現可能なものであるため、容易に統合することができる。
実施の形態14〜25で説明した画像分類装置を一つに統合することにより、各フォルダ毎に異なる方法で分類条件を設定することができる。例えば、図35において、フォルダ352には実施の形態14で説明した分類条件を、フォルダ353には実施の形態17で説明した分類条件を、フォルダ358には実施の形態21で説明した分類条件をそれぞれ設定することができる。
なお、分類条件の設定処理や画像の分類処理については各実施の形態の項で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
このように、実施の形態14〜25で説明した画像分類装置を一つに統合することにより、さまざまな視点で分類条件を設定することができ、分類条件の設定に関する自由度を増すことができる。
なお、画像分類装置の場合と同様の理由で、実施の形態1〜13で説明した画像検索装置を一つの装置として統合することも可能である。これにより、異なる検索方法を組み合わせて所望の画像を検索することが可能となる。
〔実施の形態27〕
さらに、実施の形態1〜25で説明した画像検索装置および画像分類装置の一部または全てを一つの装置として統合することもできる(画像検索装置または画像分類装置のマッチング・エンジン153に画像検索処理および画像分類処理の両方の機能を持たせるということ)。つまり、本発明の実施の形態で説明した画像検索処理および画像分類処理においては、図2および図34に示したマッチング・エンジン153が画像から抽出した特徴量を用いて画像間の類似度を求めることが基本となっていることから、実施の形態1〜25で説明した画像検索装置および画像分類装置を一つの装置に容易に統合することが可能である。
詳細な説明については省略するが、実施の形態1〜25で説明した画像検索装置および画像分類装置を一つの装置に統合することによって以下のような処理を行うことが可能となる。
(1)実施の形態14〜25で説明したいずれかの画像分類処理で各フォルダ(分類項目)に分類した画像の中から選択した画像を問合せ画像として指定して、実施の形態1〜13で説明したいずれかの画像検索処理で画像検索を行うことができる。
(2)実施の形態1〜13で説明したいずれかの画像検索処理で検索された検索結果の画像を分類対象とし、実施の形態14〜25(または26)で説明したいずれかの画像分類処理で分類することができる。
(3)実施の形態14〜25で説明したいずれかの画像分類処理で特定のフォルダ(分類項目)に分類された複数の画像を検索対象とし、実施の形態1〜13で説明したいずれかの画像検索処理で所望の画像を検索することができる。
このように、実施の形態1〜25で説明した画像検索装置および画像分類装置の一部または全てを一つの装置に統合することにより、自由に画像検索処理や画像分類処理を実行することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置および画像分類装置は、各フローチャートに基づく手順に従って、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現される。このプログラムは、前述した各実施の形態毎、または任意に組み合わせて提供することが可能である。
このプログラムは、ハードディスク,フロッピー(登録商標)ディスク,CD−ROM,MO,DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。そして、図49(a)に示すように、プログラムは、記録媒体450からCPU101(コンピュータ100)によって読み出され、CPU101がプログラムに基づく処理を実行することによって本発明に係る画像検索装置および/または画像分類装置が実現される。
また、このプログラムは、図49(b)に示すように、サーバ451の記録媒体からインターネットやLANのようなネットワークを介してダウンロードし、CPU101に読み込むという形態においても実行可能なものである。また、ネットワークではなく、例えば放送波でプログラムを配信することによってもダウンロードして実行することができる。
また、前述した各実施の形態においては特に言及しなかったが、本発明に係る画像検索装置および画像分類装置は、静止画に限らず、動画像にも適用することができる。これは、動画像は連続する静止画からなるものであるからである。
また、実施の形態1〜3で説明した画像検索処理は実施の形態4〜7で説明したAND検索と同様の手法を用いたものであるといえ、それらに対して実施の形態8〜11で説明したOR検索を適用することも可能であることから、検索ウインドウ200a,200bおよび200c(図5,図7および図9)において、AND条件およびOR条件を指定できるようにしても良い。実施の形態14〜16で説明した画像分類装置においても、同様に、分類条件の一つしてAND条件およびOR条件を指定できるようにしても良い。
また、実施の形態4〜7で説明した画像検索装置,実施の形態8〜11で説明した画像検索装置,実施の形態17〜20で説明した画像分類装置,および実施の形態21〜24で説明した画像分類装置においては、それぞれAND条件またはOR条件を指定することにしているが、AND条件またはOR条件の指定は必須のものではない。換言すれば、AND条件またはOR条件を指定しなくても、各実施の形態で説明した処理を実行するように装置を構成することができる。
また、詳細な説明については省略するが、実施の形態14〜24で説明した画像分類装置において、例えば図35に示したフォルダ354に画像を分類する処理を実行するタイミングは、フォルダ353に画像が分類された後となる。なぜなら、フォルダ354はフォルダ353に分類された画像をさらに分類するためのものであるからである。加えて、画像を分類するためのフォルダの追加・削除や、フォルダに設定した分類条件の変更等の処理を自由に行うこともできる。
さらに、詳細な説明については省略するが、例えばクライアント・サーバシステムにおいて、サーバに各実施の形態で説明した画像検索装置または画像分類装置の機能を持たせるようにして、クライアントから検索条件を指定したり、分類された画像をクライアントの画面に表示させたりすることが可能であることは明らかである。
(1)以上説明したように、上記実施形態の画像検索装置によれば、問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める際に使用される各種類の特徴量毎にそれぞれ一つの問合せ画像を指定し、検索対象の画像毎に、指定された各問合せ画像との類似度を対応する種類の特徴量を用いて求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて検索結果を出力することにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、検索に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、検索に対するユーザの意図を正確に反映した検索結果を得ることができ、ユーザが望む通りの精度の高い画像検索処理を行うことができる。具体的には、例えば、問合せ画像として適切な画像が存在しない場合であっても、検索結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を問合せ画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの問合せとして使用することができる。
(2)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、問合せ画像を複数指定すると共に、指定した各問合せ画像毎に検索対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を指定し、検索対象の画像毎に、指定された種類の特徴量を用いて各問合せ画像との類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて検索結果を出力することにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、検索に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、検索に対するユーザの意図を正確に反映した検索結果を得ることができ、ユーザが望む通りの精度の高い画像検索処理を行うことができる。具体的には、例えば、問合せ画像として適切な画像が存在しない場合であっても、検索結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を問合せ画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの問合せとして使用することができる。
(3)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、問合せ画像を複数指定し、検索対象の画像毎に、指定された各問合せ画像との類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度を合計して検索対象の画像の総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて、検索結果を出力することにより、AND検索を行うことが可能となるため、ユーザの意図を検索条件として正確に表現するための一つの手法を提供することができる。
(4)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、問合せ画像を複数指定し、検索対象の画像毎に、指定された各問合せ画像との類似度を求めると共に、求めた各問合せ画像との類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して検索対象の画像の総合類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた総合類似度に基づいて、検索結果を出力することにより、OR検索を行うことが可能となるため、ユーザの意図を検索条件として正確に表現するための一つの手法を提供することができる。
(5)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、求めた類似度に対し、問合せ画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各問合せ画像毎に重要度を指定することが可能であり、検索対象の画像毎に、各問合せ画像との類似度を求め、求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行った後、総合類似度を求めることにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
(6)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、複数種類の特徴量を用いて問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、問合せ画像および特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎の重要度を各問合せ画像毎に指定することが可能であり、検索対象の画像それぞれについて、各種類の特徴量毎に各問合せ画像との類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度に対し、指定された重要度に応じた重み付けを行った後、総合類似度を求めることにより、ユーザの意図を検索条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された検索結果の画像を得ることが可能となる。
(7)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、複数種類の特徴量を用いて問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎に、指定された各問合せ画像間の類似度を求め、求めた各種類の特徴量毎の類似度に基づいて各問合せ画像間における各種類の特徴量毎の重要度を決定し、検索対象の画像それぞれについて、各種類の特徴量毎に各問合せ画像との類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた各問合せ画像との類似度に対し、決定した各種類の特徴量毎の重要度に応じた重み付けを行った後、総合類似度を求めることにより、装置側でユーザが指定した問合せ画像間における各種類の特徴量の重要度を判断し、判断した重要度を画像間の類似度に反映させるため、ユーザの意図に合った検索結果を返すことが可能となる。したがって、ユーザが望む通りの検索処理を実現することができ、ユーザが望む検索結果を得ることができる。
(8)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、問合せ画像を少なくとも一つ指定すると共に、画像から抽出する特徴量の粗さのレベルを粗から細に向かって段階的に定義した抽出基準に基づいて、検索に利用する特徴量の粗さのレベルを少なくとも一つ指定し、抽出基準に基づいて、問合せ画像および複数の検索対象の画像から少なくとも指定された粗さのレベルに該当する特徴量を所定のタイミングで抽出し、検索対象の画像毎に、指定された粗さのレベルに応じた特徴量を用いて問合せ画像との類似度を求め、検索対象の画像毎に求めた類似度に基づいて検索結果を出力するため、検索精度の異なる複数種類の検索処理を実行することが可能となる。すなわち、ユーザが検索に使用する特徴量の粗さのレベルを少なくとも一つ指定することができるため、検索に対するユーザの視点の細かさを検索条件として表現でき、ユーザの意図を検索条件として正確に表現することができる。したがって、ユーザが望む通りの画像検索処理を行うことが可能となる。
(9)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、抽出基準が、少なくとも画像を何分割するかを表す分割数を粗さのレベルとして段階的に定義しており、段階的に定義された粗さのレベルのいずれか一つに応じて特徴量を抽出する場合、該当する分割数に基づいて画像を分割して複数の分割画像を生成し、生成した各分割画像から特徴量をそれぞれ抽出することにより、問合せ画像および検索対象の画像から分割画像単位の特徴量からなる特徴量群を抽出し、特徴量群を利用して問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求める場合、問合せ画像および検索対象の画像の対応する分割画像毎の類似度を該当する特徴量を用いてそれぞれ求めることにより、問合せ画像および検索対象の画像の類似度を求めるようにしたため、画像の分割数で特徴量の粗さのレベルを容易に定義することができ、各分割画像毎に類似度を求めることによって画像検索に画像特徴の位置関係という概念を導入することが可能となる。したがって、精度の高い画像検索処理を実行することが可能となる。
(10)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、抽出基準が、段階的に定義された粗さのレベル中の最も粗い特徴量を示すレベルとして、画像を分割することなく、画像全体を特徴量の抽出対象とするレベルを含み、画像全体を特徴量の抽出対象とするレベルに応じて特徴量を抽出する場合、問合せ画像および検索対象の画像から画像全体を対象として特徴量を抽出するため、画像特徴の位置関係を無視した単純なレベルでの検索処理を含めることが可能となる。
(11)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、抽出基準が、画像中に存在するオブジェクトを特徴量の抽出対象とする場合に、オブジェクトから抽出する特徴量の粗さのレベルの定義を含むため、さらに異なる視点で検索条件を指定することが可能となり、ユーザの意図を検索条件として正確に表現することができる。
(12)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、複数の検索対象の画像については抽出基準で定義された全ての粗さのレベルに応じた特徴量を予め抽出しておき、指定された問合せ画像のうち、特徴量が抽出されていない問合せ画像については類似度を求める処理を実行する前に指定された粗さのレベルに応じた特徴量を抽出するようにしたため、画像検索処理の高速化を図ることができる。
(13)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、問合せ画像を少なくとも一つ指定し、検索対象の画像毎に、検索対象の画像中の所定のサイズの領域と指定された問合せ画像との類似度を予め抽出した所定の特徴量を用いて求める処理を検索対象の画像全体にわたって繰り返し実行し、検索対象の画像毎に求めた類似度に基づいて検索結果を出力するため、検索対象の画像の中から、問合せ画像を含む画像を探し出すことができる。したがって、ユーザの意図するような画像検索を実現する一つの手法を提供することができる。
(14)また、上記実施形態の画像検索装置によれば、さらに、検索結果の画像を問合せ画像として指定できるため、さらに詳細な絞込み検索を行うことができ、ユーザが望む通りの検索処理を実現することができる。
(15)また、上記実施形態のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、上記実施形態のいずれか1つに記載の画像検索装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したため、このプログラムをコンピュータに実行させることにより、検索条件を指定する際にユーザの視点を確実に装置に伝えることを可能とすると共に、ユーザの視点に合った検索結果を返すことを可能とする画像検索装置を実現することが可能となる。すなわち、ユーザが望む通りの検索処理を実現することができる画像検索装置を実現することが可能となる。
(16)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、分類項目を設定し、設定した分類項目それぞれに対し、基準画像および分類対象の画像の類似度を求める際に使用される各種類の特徴量毎にそれぞれ一つの基準画像を設定し、分類項目毎に、設定された各基準画像および分類対象の画像の類似度を対応する種類の特徴量を用いて求めると共に、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求め、分類項目毎に求めた分類対象の画像の総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて、分類対象の画像の分類先となる分類項目を決定することにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、分類に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、分類に対するユーザの意図を正確に反映した分類結果を得ることができ、ユーザが望む通りの分類処理を実現することができる。すなわち、基準画像として適切な画像が存在しない場合であっても、例えば分類結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を基準画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの基準画像として使用するため、分類条件を指定する際にユーザの視点を確実に装置に伝えることができると共に、このような基準画像を使用して分類処理を実行するため、ユーザの望む分類先に画像を適切に分類することが可能となる。
(17)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、分類項目を設定し、設定した分類項目毎に、基準画像を複数設定すると共に、設定した各基準画像毎に分類対象の画像との類似度を求める際に使用する特徴量の種類を設定し、分類項目毎に、設定された種類の特徴量を用いて各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求め、分類項目毎に求めた分類対象の画像の総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて、分類対象の画像の分類先となる分類項目を決定することにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることができると共に、分類に対するユーザの意図を確実に装置に伝えることができるため、分類に対するユーザの意図を正確に反映した分類結果を得ることができ、ユーザが望む通りの分類処理を実現することができる。すなわち、基準画像として適切な画像が存在しない場合であっても、例えば分類結果として望む画像に色の雰囲気が似た画像やオブジェクトの形状の雰囲気が似た画像を基準画像として指定し、これらの画像を合わせたものを一つの基準画像として使用するため、分類条件を指定する際にユーザの視点を確実に装置に伝えることができると共に、このような基準画像を使用して分類処理を実行するため、ユーザの望む分類先に画像を適切に分類することが可能となる。
(18)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、分類項目を設定し、設定した分類項目毎に、基準画像を複数設定し、分類項目毎に、設定された各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度を合計して分類対象の画像の総合類似度を求め、分類項目毎に求めた分類対象の画像の総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて、分類対象の画像の分類先となる分類項目を決定するため、AND検索処理を応用した画像分類処理を行うことが可能となる。したがって、新たな分類方法で画像を分類可能な画像分類装置を提供することができる。
(19)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、分類項目を設定し、設定した分類項目毎に、基準画像を複数設定し、分類項目毎に、設定された各基準画像および分類対象の画像の類似度を求めると共に、求めた類似度の中から最も高い類似性を示す類似度を選択して分類対象の画像の総合類似度を求め、分類項目毎に求めた分類対象の画像の総合類似度および予め設定された分類先決定基準に基づいて、分類対象の画像の分類先となる分類項目を決定するため、OR検索処理を応用した画像分類処理を行うことが可能となる。したがって、新たな分類方法で画像を分類可能な画像分類装置を提供することができる。
(20)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、求めた類似度に対し、基準画像の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各基準画像毎に重要度を設定することが可能であり、分類項目毎に、各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行った後、総合類似度を求めることにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
(21)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、複数種類の特徴量を用いて基準画像および分類対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、基準画像および特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、各種類の特徴量毎の重要度を各基準画像毎に設定することが可能であり、分類項目それぞれについて、各種類の特徴量毎に各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に対し、設定された重要度に応じた重み付けを行った後、総合類似度を求めることにより、ユーザの意図を分類条件として正確に表現できるため、ユーザの意図を正確に装置に伝えることが可能となると共に、重要度は類似度に対する重み付けとして反映されるため、ユーザの意図が反映された画像の分類結果を得ることが可能となる。
(22)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、複数種類の特徴量を用いて基準画像および分類対象の画像の類似度を求める場合に、求めた類似度に対し、特徴量の種類に応じて任意の重み付けを行うことができるように、分類項目毎に、設定された各基準画像間の類似度を各種類の特徴量毎に求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に基づいて各基準画像間における各特徴量毎の重要度を決定し、分類項目それぞれについて、各種類の特徴量毎に各基準画像および分類対象の画像の類似度を求め、各種類の特徴量毎に求めた類似度に対し、決定された重要度に応じた重み付けを行った後、総合類似度を求めることにより、装置側でユーザが指定した基準画像間における各種類の特徴量の重要度を判断し、判断した重要度を画像間の類似度に反映させるため、ユーザの意図に合った画像の分類結果を返すことが可能となる。したがって、ユーザが望む通りの分類処理を実現することができ、ユーザが望む分類結果を得ることができる。
(23)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、分類項目毎に分類された画像をさらに分類するための分類項目を設定できるため、詳細な画像の分類処理を実行することが可能となる。
(24)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、特徴量の種類が指定されると、指定された種類の特徴量を用いて分類対象の各画像間の類似度を求め、求めた分類対象の各画像間の類似度に基づいて、分類対象の各画像を類似する画像同士のグループに分類し、分類された各グループからそれぞれグループを代表する代表画像を選択して画面表示し、さらに、表示された代表画像の一つを指定すると共に、特徴量の種類を指定すると、指定された種類の特徴量を用いて代表画像の属するグループに分類された各画像を類似する画像同士のグループに分類し、分類された各グループからそれぞれグループを代表する代表画像を選択して画面表示することにより、画像を分類したい時にユーザが希望する基準で画像を動的に分類していくことが可能となるため、画像の分類を利用して所望の画像を探し出すことが可能となる。したがって、新たな分類方法で画像を分類可能な画像分類装置を提供することができる。
(25)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、指定可能な特徴量の種類を画面表示し、指定された特徴量の種類に関連付けて各グループの代表画像を画面表示し、分類対象の複数の画像を分類した結果を木構造で画面表示するため、ユーザが画像分類処理の様子を一目で認識でき、動的な画像分類処理の利便性の向上を図ることができる。
(26)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、分類項目毎に分類された任意の画像を問合せ画像として用いて、問合せ画像と同一または類似の画像を検索するため、装置の利便性の向上を図ることができる。
(27)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、上記実施形態のいずれか一つに記載の画像検索装置を用いて検索を行うため、検索条件を指定する際にユーザの視点を確実に装置に伝えることが可能となると共に、ユーザの視点に合った検索結果を返すことが可能となり、装置の利便性の向上を図ることができる。
(28)また、上記実施形態の画像分類装置によれば、さらに、分類対象の画像が検索結果の画像であるため、例えば、画像の分類を検索結果の絞込みに応用することが可能となる。
(29)また、上記実施形態のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、上記実施形態のいずれか一つに記載の画像分類装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したため、このプログラムを実行することにより、分類条件を指定する際にユーザの視点を確実に装置に伝えることを可能とすると共に、ユーザの視点に合った分類項目に画像を分類することを可能とする画像分類装置を実現することが可能となる。すなわち、ユーザの望む分類先に画像を適切に分類することが可能となる画像分類装置を実現することができる。