JP2009132161A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】駆動波形信号をパルス変調し、それをデジタル電力増幅器で増幅して駆動信号を出力するにあたり、駆動信号COMの再現性を向上させる。
【解決手段】駆動波形信号WCOMのパルス変調タイミングを規定するためのパルス変調基準信号COMrstを変調回路24に向けて出力することにより、駆動信号COMを駆動波形信号WCOMに再現させることが可能となる。駆動波形信号WCOMのパルス変調がパルス幅変調である場合、三角波信号の位相を規定する三角波位相基準信号をパルス変調基準信号COMrstとして出力する。駆動波形信号WCOMのパルス変調がパルス密度変調である場合、量子化誤差を初期化するためのリセット信号をパルス変調基準信号COMrstとして出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタに関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、印刷媒体と印刷ヘッド(インクジェットヘッドともいう)とを相対移動させながら、そのインクジェットヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。インクジェットヘッドをキャリッジと呼ばれる移動体に載せて印刷媒体の搬送方向と交差する方向に移動させるものを一般にマルチパス型インクジェットプリンタと呼んでいる。これに対し、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に長尺なインクジェットヘッド(一体である必要はない)を配置して、所謂1パスでの印刷が可能とするものを一般に「ラインヘッド型インクジェットプリンタ」と呼んでいる。特に、ラインヘッド型インクジェットプリンタでは、ローラに搬送ベルトを巻回して張架し、この搬送ベルトで印刷媒体を搬送しながら高速印刷を行うことで、印刷媒体一枚あたりの印刷所要時間を短縮することが提案されている。
ところで、この種のインクジェットプリンタでは、より一層高い階調が要求されている。階調とは、インクドットで表される所謂画素に含まれる各色の濃度の状態であり、各画素の色の濃度に応じたインクドットの大きさを階調度といい、インクドットで表現できる階調度の数を階調数と呼ぶ。高い階調とは、階調数が大きいことを意味する。階調度を変えるには、例えばインクジェットヘッドに設けられたアクチュエータへの駆動信号を変える必要がある。例えば、アクチュエータがピエゾ素子である場合には、ピエゾ素子に印加される電圧値が大きくなるとピエゾ素子(正確には振動板)の変位量(歪み)が大きくなるので、これを用いてインクドットの階調度を変えることができる。
そこで、以下に挙げる特許文献1では、例えば電圧波高値が異なる複数の駆動パルスを組合せて連結して駆動信号を生成し、これをインクジェットヘッドに設けられた同じ色のノズルのピエゾ素子に共通して出力しておき、この駆動信号から、形成すべきインクドットの階調度に応じた駆動パルスをノズル毎に選択し、その選択された駆動パルスを該当するノズルのピエゾ素子に供給してインク滴を吐出するようにすることで、要求されるインクドットの階調度を達成するようにしている。
駆動信号(或いは駆動パルス)の生成方法は、例えば下記特許文献2の図2に記載されている。即ち、駆動信号のデータが記憶されているメモリからデータを読出し、それをD/A変換器でアナログデータに変換し、電流増幅器を通してインクジェットヘッドに駆動信号を供給する。電流増幅器の回路構成は、同図3に示すように、プッシュプル接続されたトランジスタで構成され、所謂リニア駆動によって駆動信号を増幅している。しかしながら、このような構成の電流増幅器では、トランジスタのリニア駆動そのものが低効率であり、トランジスタ自体の発熱対策として大型トランジスタを使用する必要がある上、トランジスタの冷却用放熱板が必要となるなど、回路規模が大きくなるという欠点があり、特に冷却用放熱板の大きさは、レイアウト上、大きな障害となる。
この欠点を克服するため、駆動信号の増幅出力にデジタル電力増幅器、所謂D級アンプを用いることが考えられる。デジタル電力増幅器は、アナログ電力増幅器に比べて電力増幅効率に優れているために電力損失が少なく、また駆動信号の早い立ち上がりや立ち下がりにも十分に対応することが可能である。デジタル電力増幅器を用いて駆動信号を電力増幅する場合、例えばアクチュエータの駆動状態を制御する信号の基準となる駆動波形信号を生成し、その駆動波形信号をパルス変調し、パルス変調された変調信号をデジタル電力増幅器で電力増幅し、電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化してアクチュエータに駆動信号として供給する。例えば、下記特許文献3に記載されるインクジェットプリンタでは、出力された駆動信号を帰還し、電源電圧の変動による駆動信号の電圧値の変動を、フィードバック補正するようにしている。
特開平10−81013号公報 特開2004−306434号公報 特開2005−329710号公報
しかしながら、デジタル電力増幅器を用いて駆動信号の増幅を行う場合、駆動波形信号のパルス変調が必要となるが、例えばパルス変調にパルス幅変調を用いる場合、三角波信号の位相と駆動波形信号の位相とがずれると変調信号のパルス幅が変化し、その変化によって生成される駆動信号の再現性が低下する恐れがあり、そのような場合にはインクジェットヘッドのノズルから吐出されるインク滴の重量が変化して印刷画質劣化の原因となる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、駆動波形信号をパルス変調し、それをデジタル電力増幅器で増幅して駆動信号を出力するにあたり、駆動信号の再現性を向上させることができるインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドに設けられた複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられたアクチュエータと、インク滴を吐出すべきノズルのアクチュエータに駆動信号を印加する駆動手段とを備えたインクジェットプリンタであって、前記アクチュエータの駆動状態を制御する信号の基準となる駆動波形信号を生成する駆動波形信号発生手段と、前記駆動波形信号発生手段で生成された駆動波形信号をパルス変調する変調手段と、前記変調手段でパルス変調された変調信号を電力増幅するデジタル電力増幅器と、前記デジタル電力増幅器で電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化して前記アクチュエータに駆動信号として供給する平滑フィルタと、前記変調手段による駆動波形信号のパルス変調タイミングを規定するためのパルス変調基準信号を当該変調手段に向けて出力するパルス変調基準信号発生手段とを備え、前記変調手段による駆動波形信号のパルス変調がパルス密度変調であり、当該パルス密度変調が、駆動波形信号を量子化し、その入出力誤差である量子化誤差を遅延し、その遅延量子化誤差を駆動波形信号に加算するものである場合、前記パルス変調基準信号発生手段は、量子化誤差を初期化するためのリセット信号をパルス変調基準信号として出力することを特徴とするものである。
このインクジェットプリンタによれば、駆動波形信号のパルス変調タイミングを規定するためのパルス変調基準信号を当該変調手段に向けて出力することにより駆動信号の再現性を向上させることが可能となる。
また、駆動波形信号のパルス変調がパルス密度変調である場合には、変調シーケンス又は変調パラメータをリセットするためのリセット信号をパルス変調基準信号として出力することで駆動信号の再現性を向上させることが可能となる。
本発明のインクジェットプリンタを適用したラインヘッド型インクジェットプリンタの第1実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1のインクジェットプリンタの制御装置のブロック構成図である。 駆動波形信号生成の説明図である。 時系列的に連結された駆動波形信号又は駆動信号の説明図である。 駆動信号をアクチュエータに接続する選択部のブロック図である。 駆動信号発生回路のブロック構成図である。 パルス幅変調回路の作用の説明図である。 図6のデジタル電力増幅器の作用の説明図である。 図7のパルス幅変調回路で三角波信号の位相がずれた場合の駆動信号の説明図である。 図9の駆動信号を重ね合わせた説明図である。 三角波位相基準信号からなるパルス変調基準信号の作用の説明図である。 本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態を示すパルス密度変調回路のブロック図である。 図12のパルス密度変調回路で行われる処理のフローチャートである。 本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態を示す制御装置のブロック構成図である。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図であり、図1aは、その平面図、図1bは正面図である。図1において、印刷媒体1は、図の右から左に向けて図の矢印方向に搬送され、その搬送途中の印字領域で印字される、ラインヘッド型インクジェットプリンタである。但し、本実施形態のインクジェットヘッドは一カ所だけでなく、二カ所に分けて配設されている。
図中の符号2は、印刷媒体1の搬送方向上流側に設けられた第1インクジェットヘッド、符号3は、同じく下流側に設けられた第2インクジェットヘッドであり、第1インクジェットヘッド2の下方には印刷媒体1を搬送するための第1搬送部4が設けられ、第2インクジェットヘッド3の下方には第2搬送部5が設けられている。第1搬送部4は、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向(以下、ノズル列方向とも称す)に所定の間隔をあけて配設された4本の第1搬送ベルト6で構成され、第2搬送部5は、同じく印刷媒体1の搬送方向と交差する方向(ノズル列方向)に所定の間隔をあけて配設された4本の第2搬送ベルト7で構成される。
4本の第1搬送ベルト6と同じく4本の第2搬送ベルト7とは、互いに交互に隣り合うように配設されている。本実施形態では、これらの搬送ベルト6,7のうち、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7と、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7とを区分する。即ち、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7の重合部に右側駆動ローラ8Rが配設され、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7の重合部に左側駆動ローラ8Lが配設され、それより上流側に右側第1従動ローラ9R及び左側第1従動ローラ9Lが配設され、下流側に右側第2従動ローラ10R及び左側第2従動ローラ10Lが配設されている。これらのローラは、一連のように見られるが、実質的には図1aの中央部分で分断されている。そして、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6は右側駆動ローラ8R及び右側第1従動ローラ9Rに巻回され、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6は左側駆動ローラ8L及び左側第1従動ローラ9Lに巻回され、ノズル列方向右側2本の第2搬送ベルト7は右側駆動ローラ8R及び右側第2従動ローラ10Rに巻回され、ノズル列方向左側2本の第2搬送ベルト7は左側駆動ローラ8L及び左側第2従動ローラ10Lに巻回されており、右側駆動ローラ8Rには右側電動モータ11Rが接続され、左側駆動ローラ8Lには左側電動モータ11Lが接続されている。従って、右側電動モータ11Rによって右側駆動ローラ8Rを回転駆動すると、ノズル列方向右側2本の第1搬送ベルト6で構成される第1搬送部4及び同じくノズル列方向右側2本の第2搬送ベルト7で構成される第2搬送部5は、互いに同期し且つ同じ速度で移動し、左側電動モータ11Lによって左側駆動ローラ8Lを回転駆動すると、ノズル列方向左側2本の第1搬送ベルト6で構成される第1搬送部4及び同じくノズル列方向左側2本の第2搬送ベルト7で構成される第2搬送部5は、互いに同期し且つ同じ速度で移動する。但し、右側電動モータ11Rと左側電動モータ11Lの回転速度を異なるものとすると、ノズル列方向左右の搬送速度を変えることができ、具体的には右側電動モータ11Rの回転速度を左側電動モータ11Lの回転速度よりも大きくすると、ノズル列方向右側の搬送速度を左側よりも大きくすることができ、左側電動モータ11Lの回転速度を右側電動モータ11Rの回転速度よりも大きくすると、ノズル列方向左側の搬送速度を右側よりも大きくすることができる。
第1インクジェットヘッド2及び第2インクジェットヘッド3は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の各色毎に、印刷媒体1の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド2,3には、図示しない各色のインクタンクからインク供給チューブを介してインクが供給される。各インクジェットヘッド2,3には、印刷媒体1の搬送方向と交差する方向に、複数のノズルが形成されており(即ちノズル列方向)、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体1上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行うことにより、第1搬送部4及び第2搬送部5で搬送される印刷媒体1を一度通過させるだけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、これらのインクジェットヘッド2,3の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能であるが、駆動信号の波高値や電圧増減傾きを調整することでインク滴の吐出量を調整可能なピエゾ素子に特に好適である。
第1インクジェットヘッド2のインク滴吐出用ノズルは第1搬送部4の4本の第1搬送ベルト6の間にだけ形成されており、第2インクジェットヘッド3のインク滴吐出用ノズルは第2搬送部5の4本の第2搬送ベルト7の間にだけ形成されている。これは、後述するクリーニング部によって各インクジェットヘッド2,3をクリーニングするためであるが、このようにすると、どちらか一方のインクジェットヘッドだけでは、ワンパスによる全面印刷を行うことができない。そのため、互いに印字できない部分を補うために第1インクジェットヘッド2と第2インクジェットヘッド3とを印刷媒体1の搬送方向にずらして配設しているのである。
第1インクジェットヘッド2の下方に配設されているのが当該第1インクジェットヘッド2をクリーニングする第1クリーニングキャップ12、第2インクジェットヘッド3の下方に配設されているのが当該第2インクジェットヘッド3をクリーニングする第2クリーニングキャップ13である。各クリーニングキャップ12,13は、何れも第1搬送部4の4本の第1搬送ベルト6の間、及び第2搬送部5の4本の第2搬送ベルト7の間を通過できる大きさに形成してある。これらのクリーニングキャップ12,13は、例えばインクジェットヘッド2,3の下面、即ちノズル面に形成されているノズルを覆い且つ当該ノズル面に密着可能な方形有底のキャップ体と、その底部に配設されたインク吸収体と、キャップ体の底部に接続されたチューブポンプと、キャップ体を昇降する昇降装置とで構成されている。そこで、昇降装置によってキャップ体を上昇してインクジェットヘッド2,3のノズル面に密着する。その状態で、チューブポンプによってキャップ体内を負圧にすると、インクジェットヘッド2,3のノズル面に開設されているノズルからインク滴や気泡が吸い出され、インクジェットヘッド2,3をクリーニングすることができる。クリーニングが終了したら、クリーニングキャップ12,13を下降する。
第1従動ローラ9R,9Lの上流側には、給紙部15から供給される印刷媒体1の給紙タイミングを調整すると共に当該印刷媒体1のスキューを補正する、二個一対のゲートローラ14が設けられている。スキューとは、搬送方向に対する印刷媒体1の捻れである。また、給紙部15の上方には、印刷媒体1を供給するためのピックアップローラ16が設けられている。なお、図中の符号17は、ゲートローラ14を駆動するゲートローラモータである。
駆動ローラ8R,8Lの下方にはベルト帯電装置19が配設されている。このベルト帯電装置19は、駆動ローラ8R,8Lを挟んで第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7に当接する帯電ローラ20と、帯電ローラ20を第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7に押し付けるスプリング21と、帯電ローラ20に電荷を付与する電源18とで構成されており、帯電ローラ20から第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7に電荷を付与してそれらを帯電する。一般に、これらのベルト類は、中・高抵抗体又は絶縁体で構成されているので、ベルト帯電装置19によって帯電すると、その表面に印加された電荷が、同じく高抵抗体又は絶縁体で構成される印刷媒体1に誘電分極を生じせしめ、その誘電分極によって発生する電荷とベルト表面の電荷との間に生じる静電気力でベルトに印刷媒体1を吸着することができる。なお、ベルト帯電装置19としては、所謂電荷を降らせるコロトロンなどでもよい。
従って、このインクジェットプリンタによれば、ベルト帯電装置19で第1搬送ベルト6及び第2搬送ベルト7の表面を帯電し、その状態でゲートローラ14から印刷媒体1を給紙し、図示しない拍車やローラで構成される紙押えローラで印刷媒体1を第1搬送ベルト6に押し付けると、前述した誘電分極の作用によって印刷媒体1は第1搬送ベルト6の表面に吸着される。この状態で、電動モータ11R,11Lによって駆動ローラ8R,8Lを回転駆動すると、その回転駆動力が第1搬送ベルト6を介して第1従動ローラ9R,9Lに伝達される。
このようにして印刷媒体1を吸着した状態で第1搬送ベルト6を搬送方向下流側に移動し、印刷媒体1を第1インクジェットヘッド2の下方に移動し、当該第1インクジェットヘッド2に形成されているノズルからインク滴を吐出して印字を行う。この第1インクジェットヘッド2による印字が終了したら、印刷媒体1を搬送方向下流側に移動して第2搬送部5の第2搬送ベルト7に乗り移らせる。前述したように、第2搬送ベルト7もベルト帯電装置19によって表面が帯電しているので、前述した誘電分極の作用によって印刷媒体1は第2搬送ベルト7の表面に吸着される。
この状態で、第2搬送ベルト7を搬送方向下流側に移動し、印刷媒体1を第2インクジェットヘッド3の下方に移動し、当該第2インクジェットヘッドに形成されているノズルからインク滴を吐出して印字を行う。この第2インクジェットヘッドによる印字が終了したら、印刷媒体1を更に搬送方向下流側に移動し、図示しない分離装置で印刷媒体1を第2搬送ベルト7の表面から分離しながら排紙部に排紙する。
また、第1及び第2インクジェットヘッド2,3のクリーニングが必要なときには、前述したように第1及び第2クリーニングキャップ12,13を上昇して第1及び第2インクジェットヘッド2,3のノズル面にキャップ体を密着し、その状態でキャップ体内を負圧にすることで第1及び第2インクジェットヘッド2,3のノズルからインク滴や気泡を吸い出してクリーニングし、然る後、第1及び第2クリーニングキャップ12,13を下降する。
前記インクジェットプリンタ内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図2に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、ゲートローラモータ17を駆動制御するゲートローラモータドライバ63と、ピックアップローラ16を駆動するためのピックアップローラモータ51を駆動制御するピックアップローラモータドライバ64と、インクジェットヘッド2、3を駆動制御するヘッドドライバ65と、右側電動モータ11Rを駆動制御する右側電動モータドライバ66Rと、左側電動モータ11Lを駆動制御する左側電動モータドライバ66Lと、各ドライバ63〜65、66R、66Lの出力信号を外部のゲートローラモータ17、ピックアップローラモータ51、インクジェットヘッド2、3、右側電動モータ11R、左側電動モータ11Lで使用する駆動信号に変換して出力するインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dを備えている。この制御部62は、インタフェース61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルからインク滴を吐出するか或いはどの程度のインク滴を吐出するかという印字データ(駆動信号選択データSI&SP)を出力し、この印字データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜65、66R、66Lに制御信号を出力する。各ドライバ63〜65、66R、66Lから制御信号が出力されると、これらがインタフェース67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッドの複数のノズルに対応するアクチュエータ、ゲートローラモータ17、ピックアップローラモータ51、右側電動モータ11R、左側電動モータ11Lが夫々作動して、印刷媒体1の給紙及び搬送、印刷媒体1の姿勢制御、並びに印刷媒体1への印刷処理が実行される。
ヘッドドライバ65は、駆動波形信号WCOMを形成する駆動波形信号発生回路70と、パルス変調基準信号COMrstを出力するパルス変調基準信号発生回路71とを備えている。駆動波形信号発生回路70は、例えば図3に示すように、駆動波形信号WCOMが中間電位(オフセット)まで立ち上げられている状態から、時間幅T1の間、クロック信号の立上がりのタイミングで波形データ+ΔV1ずつ駆動波形信号WCOMを加算し、次いで時間幅T0の間、駆動波形信号WCOMを一定値に保持し(波形データ0)、次いで時間幅T2の間、クロック信号の立上がりのタイミングで波形データ−ΔV2ずつ駆動波形信号WCOMを減算する。このようにして生成された駆動波形信号WCOMを、例えばインタフェース67でパルス変調し、電力増幅して駆動信号COMとしてインクジェットヘッド2、3に供給することで、各ノズル毎に設けられているピエゾ素子などのアクチュエータを駆動することが可能となり、各ノズルからインク滴を吐出することができる。また、パルス変調基準信号発生回路71から出力されるパルス変調基準信号COMrstは、駆動波形信号のパルス変調タイミングを規定するためのものであるが、その詳細は後段に説明する。
この駆動信号COMの立上がり部分がノズルに連通するキャビティ(圧力室)の容積を拡大してインクを引込む(インクの吐出面を考えればメニスカスを引き込むとも言える)段階であり、駆動信号COMの立下がり部分がキャビティの容積を縮小してインクを押出す(インクの吐出面を考えればメニスカスを押出すとも言える)段階であり、インクを押出した結果、インク滴がノズルから吐出される。ちなみに、駆動信号COM又は駆動波形信号WCOMの波形は、前述からも容易に推察されるように、アドレスA0〜A3に書込まれる波形データ0、+ΔV1、−ΔV2、+ΔV3、第1クロック信号ACLK、第2クロック信号BCLKによって調整可能である。
この電圧台形波からなる駆動信号COMの電圧増減傾きや波高値を種々に変更することにより、インクの引込量や引込速度、インクの押出量や押出速度を変化させることができ、これによりインク滴の吐出量を変化させて異なるインクドットの大きさを得ることができる。従って、例えば図4に示すように、複数の駆動信号COMを時系列的に連結する場合でも、そのうちから単独の駆動信号COMを選択してピエゾ素子などのアクチュエータ22に供給し、インク滴を吐出したり、複数の駆動信号COMを選択してピエゾ素子などのアクチュエータ22に供給し、インク滴を複数回吐出したりすることで種々のインクドットの大きさを得ることができる。即ち、インクが乾かないうちに複数のインク滴を同じ位置に着弾すると、実質的に大きなインク滴を吐出するのと同じことになり、インクドットの大きさを大きくすることできるのである。このような技術の組み合わせによって多階調化を図ることが可能となる。なお、図4の左端の駆動パルスは、インクを引込むだけで押出していない。これは、微振動と呼ばれ、インク滴を吐出せずに、例えばノズルの乾燥を抑制防止したりするのに用いられる。
これらの結果、インクジェットヘッド2、3には、インタフェース67で生成された駆動信号COM、印刷データに基づいて吐出するノズルを選択すると共にピエゾ素子などのアクチュエータの駆動信号COMへの接続タイミングを決定する駆動信号選択データ信号SI&SP、全ノズルにノズル選択データが入力された後、駆動信号選択データSI&SPに基づいて駆動信号COMとインクジェットヘッド2、3のアクチュエータとを接続させるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、駆動信号選択データ信号SI&SPをシリアル信号としてインクジェットヘッド2、3に送信するためのクロック信号SCKが入力されている。なお、これ以後、複数の駆動信号COMを時系列的に連結して出力する場合、単独の駆動信号COMを駆動パルスPCOMとし、駆動パルスPCOMが時系列的に連結された信号全体を駆動信号COMと記す。
次に、前記駆動回路から出力される駆動信号COMとピエゾ素子などのアクチュエータを接続する構成について説明する。図5は、駆動信号COMとピエゾ素子などのアクチュエータとを接続する選択部のブロック図である。この選択部は、インク滴を吐出させるべきノズルに対応したピエゾ素子などのアクチュエータを指定するための駆動信号選択データSI&SPを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力をレベル変換するレベルシフタ213と、レベルシフタの出力に応じて駆動信号COMをピエゾ素子などのアクチュエータ22に接続する選択スイッチ201によって構成されている。
シフトレジスタ211には、駆動信号選択データ信号SI&SPが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の駆動信号選択データSI&SPがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオンオフできる電圧レベルに変換される。これは、駆動信号COMが、ラッチ回路212の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。従って、レベルシフタ213によって選択スイッチ201が閉じられるピエゾ素子などのアクチュエータは駆動信号選択データSI&SPの接続タイミングで駆動信号COMに接続される。また、シフトレジスタ211の駆動信号選択データSI&SPがラッチ回路212に保存された後、次の印字情報をシフトレジスタ211に入力し、インク滴の吐出タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、ピエゾ素子などのアクチュエータのグランド端である。また、この選択スイッチ201によれば、ピエゾ素子などのアクチュエータを駆動信号COMから切り離した後も、当該アクチュエータ22の入力電圧は、切り離す直前の電圧に維持される。
次に、駆動波形信号WCOMをパルス変調し、更に電力増幅して駆動信号COMを生成出力する、インタフェース67内に構築された駆動信号発生回路について説明する。この駆動信号発生回路は、図6に示すように、駆動波形信号発生回路70で生成された駆動波形信号WCOMをパルス変調する変調回路24と、変調回路24でパルス変調された変調信号を電力増幅するデジタル電力増幅器、所謂D級アンプ25と、デジタル電力増幅器25で電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化する平滑フィルタ26とを備えて構成される。駆動波形信号WCOMをパルス変調する変調回路24には、一般的なパルス幅変調(PWM)回路を用いた。このパルス幅変調回路24は、周知の三角波発振器と、この三角波発振器から出力される三角波信号と駆動波形信号WCOMとを比較する比較器とで構成される。このパルス幅変調回路24によれば、例えば図7に示すように、駆動波形信号WCOMが三角波信号以上であるときにHi、駆動波形信号WCOMが三角波信号未満であるときにLoとなる変調信号、所謂PWM信号が出力される。なお、本実施形態では、パルス変調基準信号発生回路71から出力されるパルス変調基準信号、具体的には三角波位相基準信号によって三角波信号の位相を規定することができるようになっている。
次に、デジタル電力増幅器、所謂D級アンプ25の作用について説明する。このデジタル電力増幅器25は、実質的に電力を増幅するための二つのMOSFETTrP、TrNからなるハーフブリッジドライバ段33と、パルス幅変調回路24からの変調信号に基づいて、それらのMOSFETTrP、TrNのゲート−ソース間信号GP、GNを調整するためのゲートドライブ回路34とを備えて構成され、ハーフブリッジドライバ段33は、ハイサイド側MOSFETTrPとローサイド側MOSFETTrNをプッシュプル型に組み合わせたものである。このうち、ハイサイド側MOSFETTrPのゲート−ソース間信号をGP、ローサイド側MOSFETTrNのゲート−ソース間信号をGN、ハーフブリッジドライバ段33の出力をVaとしたとき、それらが変調(PWM)信号に応じてどのように変化するかを図8に示す。なお、各MOSFETTrP、TrNのゲート−ソース間信号GP、GNの電圧値Vgsは、それらのMOSFETTrP、TrNをONするのに十分な電圧値とする。
変調信号がHiレベルであるとき、ハイサイド側MOSFETTrPのゲート−ソース間信号GPはHiレベルとなり、ローサイド側MOSFETTrNのゲート−ソース間信号GNはLoレベルとなるので、ハイサイド側MOSFETTrPはON状態となり、ローサイド側MOSFETTrNはOFF状態となり、その結果、ハーフブリッジドライバ段33の出力Vaは、供給電力VDDとなる。一方、変調信号がLoレベルであるとき、ハイサイド側MOSFETTrPのゲート−ソース間信号GPはLoレベルとなり、ローサイド側MOSFETTrNのゲート−ソース間信号GNはHiレベルとなるので、ハイサイド側MOSFETTrPはOFF状態となり、ローサイド側MOSFETTrNはON状態となり、その結果、ハーフブリッジドライバ段33の出力Vaは0となる。
このデジタル電力増幅回路25のハーフブリッジドライバ段33の出力Vaが平滑フィルタ26を介して選択スイッチ201に駆動信号COMとして供給される。平滑フィルタ26は、例えば一つの抵抗Rと一つのインダクタンスLと一つの静電容量Cの組み合わせからなるローパス(低域通過)フィルタで構成される。このローパスフィルタからなる平滑フィルタ26は、デジタル電力増幅回路25のハーフブリッジドライバ段33の出力Vaの高周波成分、即ち電力増幅変調信号成分を十分に減衰し且つ駆動信号成分COM(若しくは駆動波形成分WCOM)を減衰しないように設計される。
前述のようにデジタル電力増幅器25のMOSFETTrP、TrNが、所謂デジタル駆動される場合には、MOSFETがスイッチ素子として作用するため、ON状態のMOSFETに電流が流れるが、ドレイン−ソース間の抵抗値は非常に小さく、損失は殆ど発生しない。また、OFF状態のMOSFETには電流が流れないので損失は発生しない。従って、このデジタル電力増幅器25の損失は極めて小さく、小型のMOSFETを使用することができ、冷却用放熱板などの冷却手段も不要である。ちなみに、トランジスタをリニア駆動するときの効率が30%程度であるのに対し、デジタル電力増幅器の効率は90%以上である。また、トランジスタの冷却用放熱板は、トランジスタ一つに対して60mm角程度の大きさが必要になるので、こうした冷却用放熱板が不要になると、実際のレイアウト面で圧倒的に有利である。
図7は、前述したように、本実施形態のパルス幅変調回路24におけるパルス幅変調の作用を示すものであるが、同図a,bに示すように、場合によっては三角波信号の位相がずれる可能性がある。三角波信号の位相がずれると、駆動波形信号WCOMとの比較タイミングにずれが生じ、その結果、図9、図10に示すように、駆動信号COMにずれが生じる、つまり駆動信号COMの再現性が低下する。駆動信号の再現性が低下すると、当然ながら、インクジェットヘッド2,3のノズルから吐出されるインク滴の重量が変化して印刷画質劣化の原因となる。
そこで、本実施形態では、図11に示すように、三角波位相基準信号からなるパルス変調基準信号COMrstの立上がりに合わせて三角波信号を出力し始めるように構成されている。その結果、三角波位相基準信号からなるパルス変調基準信号を駆動波形信号WCOMと同期させることで、駆動波形信号WCOMと三角波信号との位相ずれがなくなり、駆動信号COMの再現性が向上し、もってインクジェットヘッド2,3のノズルから吐出されるインク滴の重量を確保して印刷画質劣化を防止することが可能となる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、インクジェットヘッド2,3に設けられた複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられたアクチュエータと、インク滴を吐出すべきノズルのアクチュエータに駆動信号COMを印加する駆動手段とを備えたインクジェットプリンタにあって、アクチュエータの駆動状態を制御する信号の基準となる駆動波形信号WCOMを生成し、その駆動波形信号WCOMをパルス変調し、パルス変調された変調信号を電力増幅し、電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化してアクチュエータに駆動信号COMとして供給するに際し、駆動波形信号WCOMのパルス変調タイミングを規定するためのパルス変調基準信号COMrstを当該変調手段に向けて出力する構成としたため、駆動信号COMの再現性を向上させることが可能となる。
また、駆動波形信号WCOMのパルス変調がパルス幅変調である場合、三角波信号の位相を規定する三角波位相基準信号をパルス変調基準信号COMrstとして出力する構成としたため、発明を実施化し易い。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態として、第1実施形態のパルス幅変調回路に代えてパルス密度変調回路を用いた場合について説明する。パルス密度変調回路は、周知のように、アナログ信号を量子化器で量子化(2値化)し、その結果に基づいて、クロック長相当のパルスをON・OFF制御するものである。図12には、本実施形態で駆動波形信号WCOMをパルス密度変調(PDM:Pulse Density Modulation)するパルス密度変調回路のブロック図を示す。基本的なパルス密度変調回路は、駆動波形信号WCOMを量子化器41で量子化(2値化)し、その入出力誤差を量子化誤差Err(t)として加減算器42で抽出し、その量子化誤差Err(t)を遅延素子44で遅延し、遅延量子化誤差Err(t−1)を加算器45で駆動波形信号WCOMに加算する。
しかしながら、この既存のパルス密度変調回路では、算出される量子化誤差Err(t)が常に変化しているため、駆動波形信号WCOMがパルス密度変調回路に入力される度に、その量子化誤差Err(t)が異なる。そのため、ピエゾ素子などのアクチュエータを駆動する度に、駆動波形信号WCOMをパルス密度変調PDMした変調信号が異なるものとなってしまう。そこで、本実施形態では、加減算器42と遅延素子44との間に初期化器43を介装し、リセット信号からなるパルス変調基準信号COMrstを駆動波形信号WCOMと同期して出力し、このリセット信号からなるパルス変調基準信号COMrstを入力したら、初期化器43で量子化誤差Err(t)を一定値に初期化して、変調シーケンス又は変調パラメータをリセットしてしまう。
図13は、このパルス密度変調回路の機能をフローチャートで示したものである。この演算処理では、まずステップS1で、時間tにおける駆動波形信号WCOM(t)を読込む。
次にステップS2に移行して、読込まれた駆動波形信号WCOM(t)に遅延量子化誤差Err(t−1)を加算する。
次にステップS3に移行して、遅延量子化誤差Err(t−1)が加算された駆動波形信号WCOM(t)を閾値と比較してパルス密度変調信号PDMを出力する。
次にステップS4に移行して、遅延量子化誤差Err(t−1)が加算された駆動波形信号WCOM(t)からパルス密度変調信号PDMを減算して量子化誤差Err(t)を算出する。
次にステップS5に移行して、リセット信号からなるパルス変調基準信号COMrstが入力されたか否かを判定し、リセット信号からなるパルス変調基準信号COMrstが入力された場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する。
ステップS6では、量子化誤差Err(t)を一定値に初期化してから、変調シーケンス又は変調パラメータをリセットしてからステップS7に移行する。
ステップS7では、量子化誤差Err(t)を遅延して遅延量子化誤差Err(t−1)を算出してからステップS1に移行する。
この演算処理によれば、リセット信号からなるパルス変調基準信号COMrstが入力されたら量子化誤差Err(t)が一定値に初期化されて変調シーケンス又は変調パラメータがリセットされるため、パルス密度変調開始時の駆動波形信号WCOMに加算される遅延量子化誤差Err(t−1)が一定の値となり、パルス密度変調されて電力増幅された駆動信号COMの再現性を向上させることができる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1実施形態の作用効果に加えて、駆動波形信号WCOMのパルス変調がパルス密度変調である場合、変調シーケンス又は変調パラメータをリセットするためのリセット信号をパルス変調基準信号COMrstとして出力する構成としたため、発明を実施化し易い。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態について、図14を用いて説明する。本実施形態では、前記第1実施形態の図2の制御装置のブロック図からパルス変調基準信号発生回路が削除されている。これに加えて、本実施形態では、駆動波形信号WCOMの周期を、第1実施形態のパルス幅変調回路24内の動作周期(キャリア周期)の整数倍としている。このように、駆動波形信号WCOMの周期をパルス幅変調回路24内の動作周期の整数倍とすることにより、パルス幅変調されて電力増幅された駆動信号COMを駆動波形信号WCOMに再現させることができる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、インクジェットヘッド2,3に設けられた複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられたアクチュエータと、インク滴を吐出すべきノズルのアクチュエータに駆動信号COMを印加する駆動手段とを備えたインクジェットプリンタにあって、アクチュエータの駆動状態を制御する信号の基準となる駆動波形信号WCOMを生成し、その駆動波形信号WCOMをパルス変調し、変調された変調信号を電力増幅し、電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化してアクチュエータに駆動信号COMとして供給するにあたり、駆動波形信号WCOMのパルス変調がパルス幅変調である場合、駆動波形信号WCOMの周期を変調手段内の動作周期の整数倍としたことにより、駆動信号COMの再現性を向上させることが可能となる。
なお、前記実施形態では所謂ラインヘッド型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置を適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、マルチパス型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
1は印刷媒体、2は第1インクジェットヘッド、3は第2インクジェットヘッド、4は第1搬送部、5は第2搬送部、6は第1搬送ベルト、7は第2搬送ベルト、8R,8Lは駆動ローラ、9R,9Lは第1従動ローラ、10R,10Lは第2従動ローラ、11R,11Lは電動モータ、24は変調回路、25はデジタル電力増幅器、26は平滑フィルタ、33はハーフブリッジブロック段、34はゲートドライブ回路、41は量子化器、42は加減算器、43は初期化器、44は遅延素子、45は加算器、70は駆動波形信号発生回路、71はパルス変調基準信号発生回路

Claims (1)

  1. インクジェットヘッドに設けられた複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられたアクチュエータと、インク滴を吐出すべきノズルのアクチュエータに駆動信号を印加する駆動手段とを備えたインクジェットプリンタであって、前記アクチュエータの駆動状態を制御する信号の基準となる駆動波形信号を生成する駆動波形信号発生手段と、前記駆動波形信号発生手段で生成された駆動波形信号をパルス変調する変調手段と、前記変調手段でパルス変調された変調信号を電力増幅するデジタル電力増幅器と、前記デジタル電力増幅器で電力増幅された電力増幅変調信号を平滑化して前記アクチュエータに駆動信号として供給する平滑フィルタと、前記変調手段による駆動波形信号のパルス変調タイミングを規定するためのパルス変調基準信号を当該変調手段に向けて出力するパルス変調基準信号発生手段とを備え、前記変調手段による駆動波形信号のパルス変調がパルス密度変調であり、当該パルス密度変調が、駆動波形信号を量子化し、その入出力誤差である量子化誤差を遅延し、その遅延量子化誤差を駆動波形信号に加算するものである場合、前記パルス変調基準信号発生手段は、量子化誤差を初期化するためのリセット信号をパルス変調基準信号として出力することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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