JP2009122842A - 設定パラメータ最適化装置およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】設定パラメータ最適化装置2は、撮影画像間で共有する被写体について対応付けられた画素に設定されているパラメータ値を対応付けた対応リストを、選択可能なすべての撮影画像ペアについて作成する対応リスト作成手段20と、パラメータベクトルの設定変更値について撮影画像間の差分を最小化させるためのパワー関数に対応リストを用いたときのパワー値を算出するパワー値算出手段31と、対応リストが作成された全組み合わせおよびパラメータベクトルの各成分に対するパワー値の総和として総パワー値を算出する総パワー値算出手段32と、総パワー値を最小化するようにパラメータベクトルの設定変更値を制御し、最小状態を与えるときの各パラメータベクトルを各撮影画像の設定パラメータとする最小化手段33とを備える。
【選択図】図1
Description
(A1)すべてのカメラのカラーフィルタは同じである。
(A2)すべてのカメラの絞り量を完全に同じものにすることは非常に困難である。この絞り量の違いを補償するためゲイン量を調整する。しかし、ゲイン量がRGBチャンネルで共通化されているカメラや、数種類の中からゲイン量を選ぶ程度の粗っぽい調整機能しか有していないカメラでは、十分に補償しきれない。残念ながら、現状では、ほとんどのカメラは、このようなタイプのカメラである。
(A3)ゲイン量やズームなどのカメラの特徴量のレベルは線形に変化するものではなく、かつカメラの個体差もある。そのため、ゲイン量やズームなどの応答は、完全には同じものになることはない。
なお、マルチカメラにおいて色補正を色差空間で行う方法も存在するが、処理が比較的煩雑になってしまう(特許文献1参照)。
これに対して、カラーフィルタの色空間において、線形変換で色補正を行うものも存在する(特許文献2参照)。しかし、線形変換では、電子回路の非線形性などに起因して色合いの違いが発生してしまう。
(B1)カラーパターンボードを工夫することで、希望する色相のデータを得られる。そのため、色相のほぼ全域のデータを得ることも可能である。
(B2)カメラ間において対応する色を容易に特定することができる。なお、カメラ“1”、カメラ“2”の2台で同一シーンを撮影したきに、3次元空間中の一点が両カメラに写っているときに、それらの写っている点を対応点と呼ぶ。また、このときの各対応点の色を「対応する色」と呼ぶ。
(C1)カラーパターンボードを用意しなくても良い。逆にカラーパターンボードを使うことを想定すると、例えば、サッカー場のような大規模な空間を撮影する場合には、非常に大きなカラーパターンボードが必要となり、これを用意することは容易ではない。
(C2)カメラ間において、対応する色を撮影された画像内からピックアップするならば、撮影された画像内で実際に使われている輝度のすべてを利用して補正量を求めることも可能である。一方、カラーパターンボードの色だけでは、一部の輝度しか使えない場合もある。このような例としては、外光が入射してくる窓が被写体の脇にある状態の撮影が挙げられる。カラーパターンを被写体付近に置くと、カラーパターンよりも窓のほうが明るく写る。このとき、カラーパターンを撮影してもカラーパターンからは高輝度の領域のデータを得られない。つまり、撮影した画像に高輝度の領域があっても、その領域は補正値の算出に使われないことになる。そのため、この領域の補正量を作成するために何らかの追加処理が必要になってしまう。
(C3)もし、カラーパターンボードがあっても無くても同じ結果が得られるならば、無いほうが容易なのでよい。
(D1)カラーパターンボードを使用しない。
(D2)RGBチャンネルを独立に処理する。
(D3)非線形の変換で色補正を行う(ルックアップテーブルを利用する)。
(D4)オクルージョン問題にも対応できる。
また、非特許文献3に記載された方法では、最近接したカメラ間で画像を調整するので、1以上スキップした画像間では、色合いが類似したものにはならない可能性がある。また、対象人物を中心に円周状に配置されている場合には、対象人物の後ろ側の撮影画像と、対象人物の正面側の撮影画像とは著しく異なるので、順番に類似させていったときに著しく異なる画像を前の画像に類似させてしまうと、それを境にその後の画像の色合いが極めて不自然なものとなる。
つまり、従来の方法では、2台のカメラの撮影画像間では妥当な色補正ができるが、マルチカメラ全体では、必ずしも妥当な色補正にはなっていないという問題があった。
ここで、各撮影画像を同等に扱う場合には、撮影画像ペアの両方の撮影画像のパラメータベクトルの各成分の設定変更値を制御することができる。これにより、各撮影画像のパラメータが均一化される。その結果、マルチカメラ全体として撮影画像が均一となる。また、特定の撮影画像を参照画像としてパラメータの変更を行わず、かつその他の撮影画像については同等の扱いとして参照画像に合わせて設定変更値を制御することもできる。この場合には、その他の撮影画像は、参照画像に類似すると共に、その他の撮影画像間も類似させることができる。その結果、マルチカメラ全体として撮影画像が均一となる。
[マルチカメラパラメータ補正装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る設定パラメータ最適化装置を含むマルチカメラパラメータ補正装置を模式的に示すブロック図である。カメラVは、被写体を撮影するものであり、撮影した被写体の映像(画像信号)を設定パラメータ最適化装置2に出力している。なお、カメラVの台数は3台以上であればよく、また、それらの配置は任意である。
ルックアップテーブル記憶部52は、最小化手段33で求められた総パワー値を最小化する状態を与えるときの各パラメータベクトルの成分の値を格納したルックアップテーブルをカメラ毎に記憶するものである。具体的には、カメラ毎のルックアップテーブルは、さらに、RGBチャンネル別に作成される。なお、この具体例は後記する第3実施形態において詳しく説明する。
図2は、図1に示したマルチカメラパラメータ補正装置の動作を示すフローチャートである。マルチカメラパラメータ補正装置1は、画素対応付け手段10によって、撮影画像ペアを形成する各撮影画像間で、共有する被写体について画素の対応付けを、選択可能なすべての撮影画像ペアについて行い(ステップS101)、対応リスト作成手段20によって、各画素に既に設定されているパラメータの既設定値により対応リストを、選択可能なすべての撮影画像ペアについて作成する(ステップS102)。
総パワー値算出手段32は、総パワー値を算出する際に、撮影画像ペアとして対応付けられたすべての組み合わせを考慮するものとして説明したが、撮影画像ペアとして対応づけた撮影画像において、マルチカメラ全体において均一化を図る際に好ましくないような画像(エラー画像)が含まれていた場合には、それを排除することができる。その具体的方法について図3(a)を参照して説明する。
(ケース1)では、E1,2、E1,3、E1,4のうち、単純に例えばE1,4が閾値を超えたならば、インデックスが“4”のカメラをカメラペアとしては選択しないこととして総パワー値を算出する。
(ケース2)では、集合{E1,2、E1,3、E1,4}うち、例えばE1,4が集合においてその統計的偏り度が閾値を超えたならば、インデックスが“4”のカメラをカメラペアとしては選択しないこととして総パワー値を算出する。統計的偏り度は、例えば、平均値や分散度等である。統計的偏り度の閾値とは、例えば、平均値の±a%、分散度の±ασ%のように定義することができる。ここで、a、α、σは予め定められた値を示す。
エラー画像が含まれていた場合の排除方法の例(第2変形例)について図3(b)を参照して説明する。この第2変形例では、総パワー値算出手段32は、撮影画像ペアの一方の撮影画像が所定の撮影画像に固定され、かつ、他方の撮影画像が順次切り替えられることで組み合わされる各撮影画像ペアについて、パワー値のパラメータベクトルの各成分に対する総和を示す画像ペアパワー値をそれぞれ算出した算出値を積算する。
そして、総パワー値算出手段32は、その積算結果が、予め定められた閾値を超えた場合(ケース3)、当該積算結果において撮影画像ペアの一方において固定された撮影画像を除外し、総パワー値を算出する。または、総パワー値算出手段32は、その積算結果が、撮影画像ペアの一方の固定された撮影画像が順次切り替えられることで組み合わされる各撮影画像ペアにおける画像ペアパワー値の積算結果を要素とする集合においてその統計的偏り度が予め定められた閾値を超えた場合(ケース4)、当該積算結果において撮影画像ペアの一方において固定された撮影画像を除外し、総パワー値を算出する。
(ケース3)では、ΣE1,j、ΣE2,j、ΣE3,j、ΣE4,jのうち、単純に例えばΣE4,jが閾値を超えたならば、インデックスが“4”のカメラをカメラペアとしては選択しないこととして総パワー値を算出する。
(ケース4)では、集合{ΣE1,j、ΣE2,j、ΣE3,j、ΣE4,j}うち、例えばΣE4,jが集合においてその統計的偏り度が閾値を超えたならば、インデックスが“4”のカメラをカメラペアとしては選択しないこととして総パワー値を算出する。ここで、統計的偏り度は図3(a)で説明したものと同様である。
図4は、本発明の第2実施形態に係る設定パラメータ最適化装置を含むマルチカメラパラメータ補正装置を模式的に示すブロック図である。図4に示すマルチカメラパラメータ補正装置1Aは、撮影画像の画像情報のパラメータの代わりにカメラのパラメータを最適化する点が第1実施形態と異なっている。そのため、マルチカメラパラメータ補正装置1Aは、図1に示した構成と同様であるが、その機能が異なっている。図4において、同一の構成には同一の符号を付し、以下では、異なる機能のみを説明する。
第3実施形態は、設定パラメータ最適化装置2において、撮影画像の画像情報の設定パラメータとして、色の強度を示すパラメータを扱うものである。この場合の設定パラメータ最適化装置2およびそれを含むマルチカメラパラメータ補正装置1の構成は第1実施形態と同様である。ただし、マルチカメラパラメータ補正装置1は、色補正を行うマルチカメラ色補正装置として機能する。したがって、以下では、色補正に必要な色(輝度)の強度のパラメータの最適化、および具体的な色補正について詳細に説明する。
以下では、マルチカメラのカメラV間の組み合わせの1つ1つをVN(View Network)として定義し、各組み合わせを総称してVNS(View Networks)とする。VNは、カメラペアを示す。また、カメラペアを構成する各カメラVでそれぞれ撮影された撮影画像ペアをも示す。ここで、カメラVの台数や配置は特に限定されるものではない。
図6は、色補正の流れを示すフローチャートである。図6中の長方形は計算ステップを表し、台形はループを表している。最初にステップ1で、マルチカメラの中から参照カメラとVNSを手動で選ぶ。後のステップで、他のカメラ(対象カメラ)を参照カメラの色に似るように補正するので、ここでは望ましい色合いのカメラを参照カメラとして選ぶことが重要である。
ステップ2では、ある時刻での対象カメラと参照カメラとの対応点を検出する。
ステップ3では、RGBのチャンネルごとに対応点から対応色を検出する。
ステップ4では、RGBのチャンネルごとに、補正量を表すルックアップテーブル(LUT:lookup table)を算出する。この計算では、3次元空間中に置かれた撮影対象の1点から発する光は、どの方向にも同じ強さで発せられるという規則(ランベルト則:Lambertian condition)を仮定している。言い換えれば、対応点は同じ色になるということを仮定している。
ステップ5では、LUTを用いてフレームごとに対象カメラの画像(ビデオ映像)の色補正を実行する。
ここでは、ステップ2以降の説明で用いるカメラやVNSの記号表記をまとめて説明する。マルチカメラを構成するKV個のカメラVk(0≦k<KV)によるカメラ集合を式(1)で示す。kはカメラのインデックスである。そして、式(2)に示すように、このうちの1台のカメラを参照カメラRとする。また、式(3)に示すように、VNS(VNの集合)の各要素(VN)を、各カメラVを併記して一般に(V0 n,V1 n)と表記することとする。ここで、nはVNSのインデックスすなわちカメラペア(または撮影画像ペア)のインデックスである。nの総数はKNである(0≦n<KN))。また、Vの下付の「0」と「1」は、カメラペア(または撮影画像ペア)のいずれか一方を指す。つまり、(V0 n,V1 n)のカッコ内の「V0 n」、「V1 n」は、式(4)に示すように、カメラ集合の中から対応付けられたカメラペア(または撮影画像ペア)のうちのいずれか一方を指す。
このステップの目的は、前記した式(3)に示すすべてのVNSすなわちカメラペア(または撮影画像ペア)から対応点リストPn(f)を作ることである。図7は、画素対応付けの一例を模式的に示す図である。図7は対応点の例を示したもので、図中の太い線は対応点の一部を示している。この例では、人物の「右肩」、「右脇」、「左手」、「左脇」が対応点として抽出されている様子を示したが、実際には数多くの対応点が抽出される。
SIFTとは、ガウスフィルタ処理を施した画像を複数枚つくり、それらから特徴点を抽出し、その特徴点付近の輝度分布から対応点を決定する方法である。なお、SIFTについては、「D. G. Lowe、“Distinctive Image Features from Scale-Invariant Keypoints”、International Journal of Computer Vision、vol.60、no.2、p.91-110、Jan.2004」に詳細が記載されているので、ここでは説明を省略する。
このステップの目的は、式(5)に示した対応点リストPn(f)から、対応リスト(対応色のリスト)Qnを作ることである。図8はQnの例を示したものである。図8には、全対応色のほんの一部を例として記載してある。図8(a)、図8(b)および図8(c)には、それぞれ、Rチャンネル、GチャンネルおよびBチャンネルにおいて、全対応色のほんの一部を例として記載してある。撮影画像から対応点の色を持ってきて対応色として扱うのが、非常にシンプルな方法である。しかしながら、本実施形態では、ガウスフィルタ処理した画像を複数枚つくり、そこから対応色をピックアップすることにした。
また、ガウスフィルタ処理した画像のインデックスsが「1」である場合(第1番目の処理画像の場合)、RGB各チャンネル用に画像A0 1および画像A1 1から300組の対応色をピックアップする。
さらに、ガウスフィルタ処理した画像のインデックスsが「2」である場合(第2番目の処理画像の場合)、RGB各チャンネル用に画像A0 2および画像A1 2から300組の対応色をピックアップする。
結局、Rチャンネル用の対応リスト(対応色のリスト)Qnには、900組の対応色が作られる。同様に、GとBチャンネル用のQnに対してもそれぞれ900組の対応色が作られることになる。
このステップの目的は、カメラVkの撮影画像の輝度(bi k、0≦bi k<256)から、大よその補正輝度(ci k、0≦ci k<256)への修正を表すルックアップテーブル(LUT)をカメラ毎に作ることである。このテーブルを、前記した式(11)に示す対応リスト(対応色のリスト)Qnから作る。図10(a)、図10(b)および図10(c)には、それぞれ、Rチャンネル、GチャンネルおよびBチャンネルにおいて、LUTの例としてテーブルの最初と最後だけを例として記載してある。図10において、入力値(Captured)は、撮影画像の輝度(bi k、0≦bi k<256)を示し、近似値(approximate)は大よその補正輝度(ci k、0≦ci k<256)を示す。
また、カメラ内でノード間を接続するリンクは、隣り合うノード間(あるいはパラメータベクトルの隣り合う成分間)のエネルギFi kを示す。ここで、kはview(カメラ)のインデックスである。本実施形態では、エネルギFi nは、式(18)で定義される。
このステップの目的は、LUT Ckを用いて、対象カメラVkの撮影画像Aから、補正後画像Zを作ることである。このことは、厳密には、カメラペア(撮影画像ペア)で考えたときに、対象カメラVkが制御側であるのか基準側であるのかによって式(21)または式(22)のように定式化される。なお、式(21)のAo(h,w)は、制御側画像I0 n(f)のRGBチャンネル(Ior、Iog、Iob)の(h,w)であり、式(22)のA1(h,w)は、基準側画像I1 n(f)のRGBチャンネル(I1r、I1g、I1b)の(h,w)である。
[予備実験]
<実験方法>
最終結果(色補正された画像)の表示だけでは、マルチカメラ全体においてカメラ間の色合いがどの程度均一化されたことになるのかを客観的に示す数値を提示できないので、予め定められた割合の数値を指標として改善効果を調べる予備実験を行った。
予備実験では、「ファジー(Fuzzy)」というテストシーケンスと、これを用いた「歪んだファジー(Distorted fuzzy)」というテストシーケンスとを作成した。
(T1)ファジーは、8枚の画像で構成されている。
(T2)8枚の画像を図13に示すように左側から右側に向けて順に画像F0,画像F1,…,画像F7とする。なお、図13では、両端を除く6枚の図示を省略した。
(T3)8枚の画像は、1台のカメラによって撮影されたものである。
(T4)高精度な移動装置にカメラを取り付けて、わずかに横方向に移動させては止めるという動作を8回繰り返し、止めた際に被写体を撮影した。
(T5)止める度に10回ずつ撮影し、止めた際の10回の平均画像を1枚の画像として8枚の画像を生成した。そのため、ファジーには、カメラの受光素子などで発生するホワイトノイズは無い。
(T6)撮影中には、照明などの環境は変化してない。
(T7)ファジー(Fuzzy)という名称の由来は、カメラの前にたくさんの物を乱雑に置いたためである。
(U1)ファジーのうちの1枚(例:F0)を、ガンマ曲線変換などで歪ませる。
(U2)ファジーのうちの他の1枚(例:Fl)を参照画像(参照カメラRで撮影した撮影画像に相当する画像)として、(U1)で作成した「歪んだ画像」の色合いを参照画像に類似させるように色補正する。
つまり、カメラ間の組み合わせ、すなわちカメラペア(撮影画像ペア)を18組として予め指定した。これは、ファジーのうち、カメラのインデックスに対応したインデックスkに関して、18組の画像ペアを作ることに相当する。
補正画像H7 7および補正画像Hk 7のPSNRrgbの測定結果を図15に示す。
本手法(実施例)の比較例として、参照画像の色合いに類似させるように参照画像に対してその他の対象画像を独立に補正する手法(非特許文献1の手法)を用いた。これに対して、本手法(実施例)は、参照画像の色合いに対象画像を類似させつつ対象画像どうしの色合いをも類似させる手法である。
マルチカメラパラメータ補正装置1(図1参照)を用いて、実写のマルチカメラ映像についての色補正を行った。具体的には、5個のカメラVk(0≦k<5)によって、マルチカメラを構成した。このときのカメラ集合を式(35)で示す。そして、式(36)に示すように、インデックスkが「0」であるカメラを参照カメラRであるものとした。また、式(37)に示すように、VNS(VNの集合)の各要素(VN)を定義した。つまり、カメラ間の組み合わせ、すなわちカメラペア(撮影画像ペア)を10組として予め指定した。この組み合わせは、5台のカメラについての実質的な全組み合わせになっている(10=5C2)。
図16(a)〜図16(e)は、各カメラV0〜V4で撮影された撮影画像を模式的に示す図である。ここでは、5枚の撮影画像の色合いが向上することを強調し、かつ簡単に説明するために、以下のように、簡略化した。すなわち、各撮影画像に表示されている人物の上着の右半身側のハッチング領域が一様にある色(RGBチャンネルを合成した色)になっているものとする。そのとき、ハッチングの本数が多いほど色の強度が大きいことを示すものとする。また、色の強度は、実際の結果を正確に反映するものではない。さらに、5枚の撮影画像に写る人物の画面上の大きさ、向きおよび配置は、カメラの配置を正確に反映するものではない。図17(a)〜図17(e)は、図16(a)〜図16(e)にそれぞれ対応するものであり、その表示方法は図16と同様である。
2(2A) 設定パラメータ最適化装置
10 画素対応付け手段
20 対応リスト作成手段
30 テーブル計算手段
31 パワー値算出手段
32 総パワー値算出手段
33 最小化手段
40 補正実行手段
50 記憶手段
51 対応リスト記憶部
52 ルックアップテーブル記憶部
V カメラ
M 入力装置
D 出力装置
Claims (7)
- 被写体を共有する3以上のカメラで撮影するマルチカメラから取得した前記各カメラで撮影された各撮影画像の中から選択された撮影画像ペアのうちの少なくとも一方の撮影画像の画像情報の設定パラメータを制御する設定パラメータ最適化装置であって、
前記撮影画像ペアを形成する各撮影画像間で、前記共有する被写体について画素を対応付ける画素対応付け手段と、
前記撮影画像間で対応付けられた各画素にそれぞれ設定されているパラメータの既設定値を、前記対応付けられたすべての画素にわたって対応付けた対応リストを選択可能なすべての撮影画像ペアについて作成する対応リスト作成手段と、
前記対応リストが作成された各撮影画像に対応する設定変更用のパラメータベクトルにおける各成分の設定変更値について前記撮影画像間の差分を最小化させるために、予め定められたパワー関数に対して、前記対応リストに対応付けられているパラメータの既設定値を適用することで前記設定変更用のパラメータベクトルの各成分それぞれについてパワー値を算出するパワー値算出手段と、
前記対応リストが作成されたすべての組み合わせおよび前記パラメータベクトルの各成分に対する、前記パワー値の総和である総パワー値を算出する総パワー値算出手段と、
前記総パワー値を最小化または最大化するように、前記撮影画像ペアのうちの少なくとも一方の撮影画像のパラメータベクトルの各成分の設定変更値を制御し、前記総パワー値が最小状態または最大状態を与えるときの各パラメータベクトルを、前記被写体を共有する各撮影画像の画像情報の設定パラメータとすることで前記撮影画像間の差分を最小化させる最小化手段とを備えることを特徴とする設定パラメータ最適化装置。 - 被写体を共有する3以上のカメラで撮影するマルチカメラから取得した前記各カメラで撮影された各撮影画像の中から選択された撮影画像ペアの撮影画像の画像情報に基づいて、前記選択された撮影画像ペアを撮影したカメラぺアのうちの少なくとも一方のカメラの設定パラメータを制御する設定パラメータ最適化装置であって、
前記撮影画像ペアを形成する各撮影画像間で、前記共有する被写体について画素を対応付ける画素対応付け手段と、
前記撮影画像ペアに対応して各カメラに設定されている各カメラのパラメータの既設定値を、前記対応付けられたすべての画素にわたって対応付けた対応リストを選択可能なすべての撮影画像ペアについて作成する対応リスト作成手段と、
前記対応リストが作成された各撮影画像を撮影した各カメラに対応する設定変更用のパラメータベクトルにおける各成分の設定変更値について前記撮影画像間の差分を最小化させるために、予め定められたパワー関数に対して、前記対応リストに対応付けられているパラメータの既設定値を適用することで前記設定変更用のパラメータベクトルの各成分それぞれについてパワー値を算出するパワー値算出手段と、
前記対応リストが作成されたすべての組み合わせおよび前記パラメータベクトルの各成分に対する、前記パワー値の総和である総パワー値を算出する総パワー値算出手段と、
前記総パワー値を最小化または最大化するように、前記撮影画像ペアを撮影したカメラぺアのうちの少なくとも一方のカメラのパラメータベクトルの各成分の設定変更値を制御し、前記総パワー値が最小状態または最大状態を与えるときの各パラメータベクトルを、前記被写体を共有する各カメラの設定パラメータとすることで前記撮影画像間の差分を最小化させる最小化手段とを備えることを特徴とする設定パラメータ最適化装置。 - 前記画素対応付け手段は、前記カメラの設定パラメータの更新により前記撮影画像間で、前記共有する被写体についての画素の対応付けが変化した場合に、当該撮影画像間の画素の対応付けを更新することを特徴とする請求項2に記載の設定パラメータ最適化装置。
- 前記総パワー値算出手段は、
前記撮影画像ペアの一方の撮影画像が所定の撮影画像に固定され、かつ、他方の撮影画像が順次切り替えられることで組み合わされる各撮影画像ペアについて、前記パワー値の前記パラメータベクトルの各成分に対する総和を示す画像ペアパワー値をそれぞれ算出し、
その算出結果が、予め定められた閾値を超えた場合、または、前記撮影画像ペアの他方の撮影画像が順次切り替えられることで組み合わされる各撮影画像ペアにおける前記画像ペアパワー値の算出結果を要素とする集合においてその統計的偏り度が予め定められた閾値を超えた場合、当該算出結果において撮影画像ペアの他方において組み合わされた撮影画像を除外し、
前記総パワー値を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の設定パラメータ最適化装置。 - 前記総パワー値算出手段は、
前記撮影画像ペアの一方の撮影画像が所定の撮影画像に固定され、かつ、他方の撮影画像が順次切り替えられることで組み合わされる各撮影画像ペアについて、前記パワー値の前記パラメータベクトルの各成分に対する総和を示す画像ペアパワー値をそれぞれ算出した算出値を積算し、
その積算結果が、予め定められた閾値を超えた場合、または、前記撮影画像ペアの一方の固定された撮影画像が順次切り替えられることで組み合わされる各撮影画像ペアにおける前記画像ペアパワー値の積算結果を要素とする集合においてその統計的偏り度が予め定められた閾値を超えた場合、当該積算結果において撮影画像ペアの一方において固定された撮影画像を除外し、
前記総パワー値を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の設定パラメータ最適化装置。 - 前記撮影画像の画像情報の設定パラメータとして、色の強度を示すパラメータを扱うことを特徴とする請求項1に記載の設定パラメータ最適化装置。
- 被写体を共有する3以上のカメラで撮影するマルチカメラから取得した前記各カメラで撮影された各撮影画像の中から選択された撮影画像ペアのうちの少なくとも一方の撮影画像の画像情報の設定パラメータを制御するために、コンピュータを、
前記撮影画像ペアを形成する各撮影画像間で、前記共有する被写体について画素を対応付ける画素対応付け手段、
前記撮影画像間で対応付けられた各画素それぞれ設定されているパラメータの既設定値を、前記対応付けられたすべての画素にわたって対応付けた対応リストを選択可能なすべての撮影画像ペアについて作成する対応リスト作成手段、
前記対応リストが作成された各撮影画像に対応する設定変更用のパラメータベクトルにおける各成分の設定変更値について前記撮影画像間の差分を最小化させるために、予め定められたパワー関数に対して、前記対応リストに対応付けられているパラメータの既設定値を適用することで前記設定変更用のパラメータベクトルの各成分それぞれについてパワー値を算出するパワー値算出手段、
前記対応リストが作成されたすべての組み合わせおよび前記パラメータベクトルの各成分に対する、前記パワー値の総和である総パワー値を算出する総パワー値算出手段、
前記総パワー値を最小化または最大化するように、前記撮影画像ペアのうちの少なくとも一方の撮影画像のパラメータベクトルの各成分の設定変更値を制御し、前記総パワー値が最小状態または最大状態を与えるときの各パラメータベクトルを、前記被写体を共有する各撮影画像の画像情報の設定パラメータとすることで前記撮影画像間の差分を最小化させる最小化手段、
として機能させることを特徴とする設定パラメータ最適化プログラム。
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