JP2009122014A - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線タグを用いて、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子とを接続する複数のケーブルの誤配線を自動的に検出することで、人手による誤配線の修正作業を不要にした無線通信装置を提供する。
【解決手段】通信制御部7Aは、無線タグ1からの無線信号を複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nで検出することが可能な状態に設定する状態設定手段74と、該状態設定手段74で通信可能状態となった複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに、異なるタイミングで無線タグ1を検出させ、複数の端子8a、8b、…、8nを介して検出信号を受信する。検出信号が検出された端子を識別する端子識別情報と、複数の端子の中で検出された順序を示す受信順序情報とを関連付けて第1の記憶手段76に記憶する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線タグとの無線通信を実行する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
無線通信装置は、一般的にタグリーダ/ライタと呼ばれ、工場における製造ラインに多く適用され、RFID(Radio Frequency IDentification)システムを構成している。無線通信装置は、製造ラインの搬送経路上を搬送されるワーク又は該ワークを保持するパレットに予め取り付けられている複数の無線タグとの間で無線信号の送受信による非接触通信を行う。無線通信装置は、無線タグのタグ識別情報を読み取って、読み取ったタグ識別情報(以下、読取タグIDと呼ぶ)が各工程に対応して予め記憶されているタグ識別情報(以下、記憶タグIDと呼ぶ)と一致するか照合する。読取タグIDが記憶タグIDと一致している場合、無線通信装置は、工程に対応した正しい無線タグであると判断して、工程に対応した製造情報を無線タグに書き込む。
上記RFIDシステムに用いられる無線通信装置は、複数の通信ヘッド部と、通信制御部と、複数の通信ヘッド部を通信制御部に電気的に接続する複数のケーブルとを有する。複数の通信ヘッド部は、複数の無線タグとの間で無線信号を送受する。通信制御部は、無線信号を生成して複数の通信ヘッド部に時分割に送り、また複数の通信ヘッド部から時分割に送られた無線信号からタグ識別情報を読み取り、複数の無線タグとの一連の通信動作の制御を行う。
複数の通信ヘッド部は、ワークの大きさに応じて無線タグを検出し易いような間隔で製造ラインの搬送経路に沿って配置される。複数の通信ヘッド部から延伸する複数のケーブルは、1つのケーブル群として纏められ所定の経路を延伸して、通信制御部の対応する複数の端子にそれぞれ接続される。
ワークの大きさが大きくなると、必然的に各通信ヘッド部間の距離が大きくなり、よって複数の通信ヘッド部と通信制御部とを接続する複数のケーブルの長さが長くなる。また、製造ラインの搬送経路に沿って複数の通信ヘッド部が配置されるため、製造ラインの数が多くなると、通信制御部の複数の端子に接続される複数のケーブルの数も多くなる。斯かる長く、多くのケーブルの引き回し及び配線作業は、人手に頼らざるをえないのが実情である。
特開2002−005979号公報
従来のような、長く、多くのケーブルの配線作業を間違いなく行うためには、人の大変な労力を必要としていた。斯かる状況の中では、通信制御部の端子に間違って別のケーブルを接続する、という誤配線が起きる可能性がある。斯かる誤配線の例として、1番の端子に2番のケーブルを接続し、2番の端子に1番のケーブルを接続する場合がある。
斯かる場合、製造ラインに製造用のワークが流されて、通信制御部は、1番の端子に接続された2番のケーブルを経由して2番の通信ヘッド部に、1番の無線タグの1番のタグ識別情報のリード命令を含む無線信号を送信すると、2番の無線タグの2番のタグ識別情報を受け取ることになり、1番の無線タグの1番のタグ識別情報でないことに気付く。
次に、通信制御部は、2番の端子に接続された1番のケーブルを経由して1番の通信ヘッド部に、2番の無線タグの2番のタグ識別情報のリード命令を含む無線信号を送信すると、1番の無線タグの1番のタグ識別情報を受け取ることになり、2番の無線タグの2番のタグ識別情報でないことに気付く。
このように、製造ラインに製造用のワークが流されて初めて、1番の端子に2番のケーブルを接続し、2番の端子に1番のケーブルを接続した誤配線が判明し、該誤配線を人手により修正する作業が必要になる、という問題があった。
斯かる誤配線の問題に関して、特許文献1には、配線基板の各検出ポイント間でオープン/ショート試験を行う配線基板検査機の誤配線対応方法が開示されており、該配線基板検査機は、配線基板を坦持する検査機構の複数の探針に、対応する複数の導線の一端が接続され、該複数の導線の他端がテスター回路の対応する複数のコネクタ端子に接続される構成を有し、複数の探針と複数のコネクタ端子との対応関係を示すアドレスデータを予め格納しておき、複数の導線を複数のコネクタ端子に接続した後、間違ったコネクタ端子に導線が接続された誤配線を検出した場合、誤配線に係るアドレスデータの部分を変更することにより、テスター回路が誤配線されたコネクタ端子を認識することができ、誤配線の人手による修正作業が不要になる、というものである。
しかし、特許文献1に開示されている方法では、どのようにして配線状況を検出するのかの手段の開示が無く、前述したRFIDシステムに単純に応用することができるものではない。そのため、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子とを接続する複数のケーブルの配線状況を検出する手法、さらにはその配線状況を受けて人手による誤配線の修正作業を不要にする手段及び方法が必要とされていた。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、無線通信装置において、無線タグを用いて、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子とを接続する複数のケーブルの配線状況を自動的に検出することを第1の目的とする。さらに第2の目的として、その配線状況を受けて人手による誤配線の修正作業を不要にした無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、第1発明に係る無線通信装置は、複数の端子を有する通信制御部と、前記前記通信制御部の複数の端子にケーブルを介してそれぞれ接続され、無線タグとの間で無線通信を行う複数の通信ヘッド部とを備えた無線通信装置において、前記通信制御部は、前記無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部にて検出することが可能な状態に設定する状態設定手段と、前記状態設定手段により前記複数の通信ヘッド部をそれぞれ通信可能状態とし、前記複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで前記無線タグを検出した場合、前記複数の通信ヘッド部それぞれから、前記複数の端子それぞれを介して検出信号を受信する受信手段と、前記複数の端子それぞれを識別するための端子識別情報を予め記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された端子識別情報に基づき、前記受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、前記状態設定手段により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、前記端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて前記第1の記憶手段に記憶させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
斯かる構成により、状態設定手段が、無線タグからの無線信号を複数の通信ヘッド部で検出することが可能な状態に設定した場合、複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで無線タグを検出したときには、複数の通信ヘッド部それぞれから複数の端子を介して検出信号を受信し、端子識別情報に基づき、受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、状態設定手段により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて記憶する。このため通信制御部は、どの端子から検出信号が検出されたのかとその順番を知ることで、接続する複数のケーブルの配線状況を自動的に検出することができる。
第2発明に係る無線通信装置は、第1発明において、前記制御手段は、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を、各通信ヘッド部が接続されている各端子の前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶してある構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、無線通信装置は、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子との接続関係を予め知ることができる。ここで接続関係とは、特に端子と通信ヘッド部との関係を示し、その端子での無線タグの検出順番までは含まない。
第3発明に係る無線通信装置は、第2発明において、前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、抵抗値が異なる抵抗器を備え、前記通信制御部は、一定の電圧を発生して前記抵抗器に印加する定電圧発生回路と、該定電圧発生回路により前記一定の電圧が印加されたときに前記抵抗器に流れる電流を検出する電流検出回路と、該電流検出回路により検出された電流の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第1の通信ヘッド部識別手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記第1の通信ヘッド部識別手段により得られた前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、通信制御部の電流検出回路が、複数の通信ヘッド部のそれぞれで異なった値の電流を検出することで、通信ヘッド部識別手段は、電流の値に基づき複数の通信ヘッド部を識別して通信ヘッド部識別情報を得、制御手段は、通信ヘッド部識別情報を端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段に予め記憶させる。これにより、通信制御部は、無線タグから無線信号を受信しなくても、また、通信により通信ヘッド部識別情報を受信しなくても、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子との接続関係を知ることができる。
第4発明に係る無線通信装置は、第2発明において、前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、電圧値が異なる電圧を発生する電圧発生回路をさらに備え、前記通信制御部は、 前記電圧発生回路により発生された電圧を検出する電圧検出回路と、該電圧検出回路により検出された電圧の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第2の通信ヘッド部識別手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記第2の通信ヘッド部識別手段により得られた前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、通信制御部の電圧検出回路が、複数の通信ヘッド部のそれぞれで異なった値の電圧を検出することで、通信ヘッド部識別手段は、電圧の値に基づき複数の通信ヘッド部を識別して通信ヘッド部識別情報を得、制御手段は、通信ヘッド部識別情報を端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段に予め記憶させる。これにより、通信制御部は、無線タグから無線信号を受信しなくても、また、通信により通信ヘッド部識別情報を受信しなくても、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子との接続関係を知ることができる。
第5発明に係る無線通信装置は、第1発明において、前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を予め記憶してある第2の記憶手段をさらに備え、前記通信制御部は、前記受信手段による前記通信ヘッド部それぞれからの検出信号の受信とともに、前記複数の通信ヘッド部の第2の記憶手段から前記通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第3の通信ヘッド部識別手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第3の通信ヘッド部識別手段により得られた前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に記憶する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、複数の通信ヘッド部は、通信ヘッド部識別情報が予め記憶されている第2の記憶手段を備え、通信制御部は、複数の通信ヘッド部との通信により、第2の記憶手段から通信ヘッド部識別情報を読み出して受信し、通信ヘッド部識別情報を受信した端子の端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段に記憶させる。これにより、通信制御部は、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子との接続関係を知ることができる。
第6発明に係る無線通信装置は、第1から第5発明のいずれか一つにおいて、前記通信制御部はさらに、前記第1の記憶手段に記憶されている、前記受信順序情報、前記通信ヘッド部識別情報、及び前記端子識別情報の関係に基づき、前記複数の端子の、前記複数の通信ヘッド部との通信順位を設定する通信順位設定手段を備えた構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、通信順位設定手段を用いて、受信順序情報、通信ヘッド部識別情報、及び端子識別情報に基づき、複数の端子の、複数の通信ヘッド部との通信順位を設定する。つまり通信順位を受信順序情報に対応させて設定するため、誤配線状態のままであっても、ソフトウェア制御により所望の順番で無線タグと通信ヘッド部との通信を行うことが可能となり、人手による誤配線の修正作業を不要にできる。
第7発明に係る無線通信装置は、第6発明において、 前記第1の記憶手段は、通信順序に応じた通信内容を予め記憶してあり、前記通信順位設定手段は、設定された通信順位にて前記通信内容を前記通信ヘッド部に割り当てる構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、複数の通信ヘッド部のそれぞれに対する通信内容が予め第1の記憶手段に記憶されており、通信制御部は、複数の端子と複数の通信ヘッド部との配線状況を知ることができるので、誤配線状態であったとしても通信順序に応じて設定された通信内容を、受信順序情報を用いて、各端子に接続された通信ヘッド部にそれぞれ割り当てるので、誤配線の修正作業を行うことなく、正しい順番で無線タグと無線通信を行うことができる。
第8発明に係る無線通信装置は、第1乃至第7発明のいずれか一つにおいて、前記第1の記憶手段は、前記無線タグを識別する無線タグ識別情報を予め記憶してあり、前記通信制御部はさらに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致した場合、前記状態設定手段が、無線タグ識別情報が一致した無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部で異なるタイミングにて検出することが可能な状態に設定する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、無線タグ識別情報が予め第1の記憶手段に記憶されているので、複数の無線タグが存在する環境においても、無線タグ検出手段が、他の無線タグの影響を受けずに、受信順序情報を記憶する対象となる無線タグを検出することができる。
第9発明に係る無線通信装置は、第1乃至第8発明において、前記通信制御部はさらに、前記無線タグから受信した無線信号の強度の最大値を検出する最大強度検出手段を備え、前記第1の記憶手段は、前記最大強度検出手段により無線信号の強度の最大値が検出された時点で前記受信順序情報を記憶する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、最大強度検出手段により無線信号の強度の最大値が検出された時点で受信順序情報を記憶することで、隣接する通信ヘッド部の通信領域の一部がオーバーラップしている場合でも、隣接する通信ヘッド部からの無線信号を容易に区別して受信することができる。
前記の第1の目的を達成するため、第10発明に係る無線通信方法は、複数の端子と前記複数の端子それぞれを識別するための端子識別情報を記憶する第1の記憶手段とを有する通信制御部と、前記通信制御部の複数の端子に、ケーブルを介してそれぞれ接続され、無線タグとの間で無線通信を行う複数の通信ヘッド部とを備える無線通信装置について、前記通信制御部と前記複数の通信ヘッド部との配線状況を記憶する無線通信方法において、前記無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部にて検出することが可能な状態に設定する状態設定工程と、該状態設定工程にて通信可能な状態となった前記複数の通信ヘッド部それぞれが、異なるタイミングで前記無線タグを検出するとともに、前記複数の通信ヘッド部それぞれから前記複数の端子を介して検出信号を受信する受信工程と、前記第1の記憶手段に記憶された端子識別情報に基づき、前記受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、前記状態設定工程により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、前記端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて前記第1の記憶手段に記憶させる制御工程と、を含むことを特徴とする。
斯かる構成により、状態設定工程にて、無線タグからの無線信号を複数の通信ヘッド部で検出することが可能な状態に設定した場合、複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで無線タグを検出したときには、複数の通信ヘッド部それぞれから複数の端子を介して検出信号を受信し、端子識別情報に基づき、受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、状態設定工程により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて記憶する。このため通信制御部は、どの端子から検出信号が検出されたのかとその順番を知ることで、接続する複数のケーブルの配線状況を自動的に検出することができる。
第11発明に係る無線通信方法は、第10発明において、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて予め記憶する第1の通信ヘッド部識別情報記憶工程をさらに含む構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、通信ヘッド部識別情報記憶工程にて、通信ヘッド部識別情報が端子識別情報と関連して予め記憶されているので、無線信号を受信した端子の端子識別情報と通信ヘッド部識別情報とから、端子と通信ヘッドとの接続関係が可能となる。
第12発明に係る無線通信方法は、第11発明において、前記状態設定手段に先立って、 一定の電圧を発生して、前記複数の通信ヘッド部のそれぞれに設けられた、抵抗値が異なる抵抗器に印加する定電圧印加工程と、該定電圧印加工程にて前記一定の電圧を印加したときに前記抵抗器に流れる電流を検出する電流検出工程と、該電流検出工程にて検出した電流の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第1の通信ヘッド部識別工程と、前記第1の通信ヘッド部識別情報記憶工程は前記第1の通信ヘッド部識別工程にて得た前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶するをさらに含む構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、電流検出工程にて、複数の通信ヘッド部のそれぞれで異なった値の電流を検出することで、通信ヘッド部識別工程にて、電流の値に基づき複数の通信ヘッド部を識別して通信ヘッド部識別情報を得、通信ヘッド部識別情報記憶工程にて、通信ヘッド部識別情報を端子識別情報と関連付けて記憶する。これにより、無線タグから無線信号を受信しなくても、また、通信により通信ヘッド部識別情報を受信しなくても、複数の通信ヘッド部と複数の端子との接続関係を知ることができる無線通信方法を提供することが可能となる。
第13発明に係る無線通信方法は、第11発明において、前記状態設定手段に先立って、 前記複数の通信ヘッド部のそれぞれに応じて電圧値が異なる電圧を発生する電圧発生工程と、 該電圧発生工程にて発生した電圧を検出する電圧検出工程と、該電圧検出工程にて検出した電圧の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第2の通信ヘッド部識別工程と、前記第1の通信ヘッド部識別情報記憶工程は、前記第2の通信ヘッド部識別工程にて得た前記第2の通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶することをさらに含む構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、電圧検出工程にて複数の通信ヘッド部のそれぞれで異なった値の電圧を検出することで、通信ヘッド部識別工程にて、電圧の値に基づき複数の通信ヘッド部を識別して通信ヘッド部識別情報を得、通信ヘッド部識別情報記憶工程にて、通信ヘッド部識別情報を端子識別情報と関連付けて記憶する。これにより、無線タグから無線信号を受信しなくても、また、通信により通信ヘッド部識別情報を受信しなくても、複数の通信ヘッド部と複数の端子との接続関係を知ることができる無線通信方法を提供することが可能となる。
第14発明に係る無線通信方法は、第10発明において、前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を予め記憶してある第2の記憶手段をさらに備え、前記受信工程とともに、前記複数の通信ヘッド部の第2の記憶部から前記通信ヘッド部識別情報を読み出して受信する通信ヘッド部識別情報受信工程と、該通信ヘッド部識別情報受信工程にて受信した前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に記憶する第2の通信ヘッド部識別情報記憶工程とをさらに含む構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、複数の通信ヘッド部は、通信ヘッド部識別情報が予め記憶されている第2の記憶手段を備え、複数の通信ヘッド部からの検出信号の受信工程とともに、第2の記憶手段から通信ヘッド部識別情報を読み出して受信し、通信ヘッド部識別情報を受信した端子の端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段に記憶させる。これにより、予め通信ヘッド部識別情報を読み出していなくても、検出信号の受信のタイミングでその情報を読み出すので、不要な読出し工程を削減することができ、なおかつ通信制御部は、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子との接続関係を知ることができる。
第15発明に係る無線通信装置は、第11乃至第14発明のいずれか一つにおいて、記憶してある、前記受信順序情報、前記端子識別情報、及び前記通信ヘッド部識別情報に基づき、前記複数の端子の、前記複数の通信ヘッド部との通信順位を設定する通信順位設定工程をさらに含む構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、通信順位設定工程にて、受信順序情報、通信ヘッド部識別情報、及び端子識別情報に基づき、複数の端子の、複数の通信ヘッド部との通信順位を設定する。つまり通信順位を受信順序情報に対応させて設定するため、誤配線状態のままであっても、ソフトウェア制御により所望の順番で無線タグと通信ヘッド部との通信を行うことが可能となるなり、人手による誤配線の修正作業を不要にできる。
第16発明に係る無線通信方法は、第15発明において、通信順位に応じた通信内容を、前記通信ヘッド部識別情報と関連付けて予め記憶する通信内容記憶工程と含み、前記通信順位設定工程は、さらに設定された通信順位にて前記通信内容を前記通信ヘッド部に割り当てることを含む構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、通信内容記憶工程にて、複数の通信ヘッド部のそれぞれに対する通信内容を予め記憶しており、複数の端子と複数の通信ヘッド部との接続関係を知ることができるので、製造工程において無線タグと通信するときに、複数の通信ヘッド部に応じて通信内容を変更することなく、複数の通信ヘッド部に対して通信内容を容易に設定することができる無線通信方法を提供することが可能となる。
第17発明に係る無線通信方法は、第10乃至16発明のいずれか一つにおいて、前記無線タグを識別する無線タグ識別情報を予め記憶する無線タグ識別情報記憶工程と、該無線タグ識別情報記憶工程にて記憶した前記無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致するか否かを判断する第2の判断工程とをさらに含み、該第2の判断工程にて、記憶してある前記無線タグ識別情報と受信した前記無線タグ識別情報とが一致すると判断された場合、前記状態設定工程にて、前記無線タグ識別情報が一致した無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部で異なるタイミングにて検出することが可能な状態に設定する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、無線タグ識別情報記憶工程にて、無線タグ識別情報を予め記憶しているので、複数の無線タグが存在する環境においても、他の無線タグの影響を受けずに、受信順序情報を記憶する対象となる無線タグを検出することができる。
第18発明に係る無線通信方法は、第10乃至17発明のいずれか一つにおいて、前記無線タグから受信した無線信号の強度の最大値を検出する最大強度検出工程をさらに含み、該最大強度検出工程にて前記無線信号の強度の最大値を検出した時点で前記受信順序情報記憶工程にて前記受信順序情報を記憶する構成を有することが好ましい。
斯かる構成により、最大強度検出工程にて無線信号の強度の最大値が検出された時点での受信順序情報を得ることで、隣接する通信ヘッド部の通信領域の一部がオーバーラップしている場合でも、隣接する通信ヘッド部からの無線信号を容易に区別して受信することができる。
前記の第1の目的を達成するため、第19発明に係るコンピュータプログラムは、複数の端子と前記複数の端子それぞれを識別するための端子識別情報を記憶する第1の記憶手段とを有する通信制御部と、前記複数の端子にケーブルを介してそれぞれ接続され、前記通信制御部と無線タグとの間で無線通信を行う複数の通信ヘッド部と を備えた無線通信装置にて実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記無線通信装置を、前記無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部にて検出することが可能な状態に設定する状態設定手段、該状態設定手段により前記複数の通信ヘッド部をそれぞれ通信可能状態とし、前記複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで前記無線タグを検出する場合、前記複数の通信ヘッド部それぞれから、前記複数の端子を介して検出信号を受信する受信手段、及び前記第1の記憶手段に記憶された端子識別情報に基づき、前記受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、前記状態設定手段により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、前記端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて前記第1の記憶手段に記憶させる制御手段として機能させる構成を有する。
状態設定手段が、無線タグからの無線信号を複数の通信ヘッド部で検出することが可能な状態に設定した場合、複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで無線タグを検出したときには、複数の通信ヘッド部それぞれから複数の端子を介して検出信号を受信し、端子識別情報に基づき、受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、状態設定手段により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて記憶する。このため通信制御部は、どの端子から検出信号が検出されたのかとその順番を知ることで、接続する複数のケーブルの配線状況を自動的に検出することができる。
本発明によれば、無線タグを用いて、複数の通信ヘッド部と通信制御部の複数の端子とを接続する複数のケーブルの配線状況を自動的に検出することができる。さらに人手による誤配線の修正作業を不要にした無線通信装置、無線通信方法及びコンピュータプログラムを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施の形態の説明で参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置4Aを工場の製造ライン2に適用した場合の一構成例を示すブロック図である。図1において、無線タグ1が、物品3に取り付けられて、製造ライン2のコンベア上を図中白抜き矢印Aで示す方向(所定方向)に移動する。無線通信装置4Aは、無線タグ1からの無線信号を検出する複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5n(纏めて符号5で示す)を備える。複数の通信ヘッド部5で検出された無線信号は、複数のケーブル6a、6b、…、6n(纏めて符号6で示す)を介して通信制御部7Aの複数の端子8a、8b、…、8n(纏めて符号8で示す)で受信される。ここで、無線タグ1とは、複数のケーブル6の誤配線を検出するための試験用の無線タグを意味する。以下、無線通信装置4Aの構成及び機能について説明する。
図1において、無線通信装置4Aは、複数の通信ヘッド部5と、複数のケーブル6と、複数の端子8を有する通信制御部7Aとを含む。通信制御部7Aは、切換手段71と、送受信回路72と、制御手段73Aと、第1の記憶手段76とを含む。制御手段73Aは、状態設定手段74を含んで構成される。
複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nはそれぞれ、アンテナ素子51a、51b、…、51n(纏めて符号51で示す)を含む。アンテナ素子51としては、例えばUHF帯域(950MHz帯域)以上の周波数帯域で通信を行う場合、λ/2ダイポールアンテナ等が用いられ、またHF帯域(13.56MHz帯域)以下の周波数帯域で通信を行う場合、コイル状に導線を捲いたループアンテナが用いられる。
複数のケーブル6a、6b、…、6nの一端は、それぞれ、アンテナ素子51a、51b、…、51nに例えば半田付けにより固定される。複数のケーブル6a、6b、…、6nは1つのケーブル群として纏められ、工場内を所定の経路で引き回す作業が行われ、通信制御部7Aの複数の端子8a、8b、…、8nに配線される。ここで、図1に示す例では、1番目のケーブル6aの他端が1番目の端子8aではなく2番目の端子8bに誤配線され、2番目のケーブル6bの他端が2番目の端子8bではなく1番目の端子8aに誤配線されている。
切換手段71は、高周波スイッチとして機能し、制御手段73Aにより制御されて、送受信回路72からの無線信号を時分割に切り換えて複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに送るとともに、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nからの無線信号を時分割に切り換えて送受信回路72に送る。
送受信回路72は、高周波回路素子から構成され、通信データを変調して得られた無線信号を切換手段71に送るとともに、切換手段71から送られた無線信号を復調して得られた通信データを制御手段73Aに送る。
制御手段73Aは、CPU、外部I/Fを含んで構成され、状態設定手段74、及び第1の記憶手段を制御して、誤配線を検出するための接続試験処理を実行させる。なお、接続試験処理については、後ほど詳細に説明する。
状態設定手段74は、外部機器(図示しない)から状態設定信号を受けて、制御手段73Aによる制御のもと、移動する無線タグ1からの無線信号を複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nで検出し、複数の端子8a、8b、…、8nを切換手段71により高速(無線タグ1の移動速度に対して)にスキャンして、複数の端子8a、8b、…、8nで無線信号を受信することが可能な状態、すなわち接続試験状態に設定する。
制御手段73Aは、状態設定手段74により接続試験状態に設定された場合、複数の端子8a、8b、…、8nで複数の無線信号をそれぞれ受信した順序に関する受信順序情報を得る。斯かる受信順序情報は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとの配線状況を調べるために用いられる。
図1の例では、状態設定手段74により接続試験状態に設定された時点を基準として、制御手段73Aはカウンタ変数を初期値1に設定する。そして、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに連続する番号を付しておき、無線タグ1からの無線信号の受信を開始する。無線タグ1が移動して1番目の通信ヘッド部5aの通信領域に入ると、1番目の通信ヘッド部5aに接続されているはずの1番目の端子8aではなく、1番目の通信ヘッド部5aに接続された2番目の端子8bで無線信号が受信される。このときのカウンタ変数の値に基づき、制御手段73Aは、1番目の通信ヘッド部5aと2番目の端子8bとの配線状況が認識され、誤配線されていると判断する。すなわち、カウンタ値が無線信号を受信した通信ヘッド部5を識別する番号に対応する。
次に、無線タグ1がさらに移動して2番目の通信ヘッド部5bの通信領域に入ると、カウンタ変数が'1'インクリメントされ、2番目の通信ヘッド部5bに接続されているはずの2番目の端子8bではなく、2番目の通信ヘッド部5bに接続された1番目の端子8aで無線信号が受信される。このときのカウンタ変数の値に基づき、制御手段73Aは、2番目の通信ヘッド部5bと1番目の端子8aとの配線状況が認識され、誤配線されていると判断する。
第1の記憶手段76には、複数の端子を識別する8を識別する端子識別情報Tが予め記憶されており、制御手段73Aは、端子識別情報Tに基づいて、受信手段である切替手段71及び送受信回路72により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子8を介して受信されたかを認識し、第1の記憶手段76に、無線タグ1からの無線信号を受信した時点のカウンタ変数の値を、端子識別情報T(i)と関連付けて記憶する。例えばカウンタ変数の値'1'を2番目の端子8bの端子識別情報T(2)と、カウンタ変数の値'2'を、1番目の端子8aの端子識別情報T(1)と、それぞれ関連付けて記憶する。このことにより、通信制御部は、どの端子から検出信号が検出されたのかとその順番を知ることで、接続する複数のケーブルの配線状況を自動的に検出することができる。さらに制御手段73Aは、第1の記憶手段76に記憶されている、カウンタ変数の値'1'と端子識別情報T(2)を参照することにより、1番目の通信ヘッド部5aと識別される通信ヘッド部に対して無線通信を行いたい場合、2番目の端子8bに対して無線信号を送受信し、また、第1の記憶手段76に記憶されている、カウンタ変数の値'2'と端子識別情報T(1)を参照することにより、2番目の通信ヘッド部5bと識別される通信ヘッド部に対して無線通信を行いたい場合、1番目の端子8aに対して無線信号を送受信するよう制御動作を行う。つまり語配線の修正作業なしで、所望の通信ヘッドに対して通信を行うことが可能となる。
次に、制御手段73Aが実行する接続試験処理について、図2を参照して説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置4Aの無線通信方法において制御手段73Aにより実行される接続試験処理の各処理工程を示すフローチャートである。図2において、まず、制御手段73Aは、何番目の通信ヘッド部及び何番目の端子であるのかを示す変数(カウンタ変数)iに1を初期設定する(i←1:ステップS201)。次に、制御手段73Aは、外部機器(図示しない)から状態設定信号が状態設定手段74に入力されたか否かにより、状態が通常の無線通信状態から接続試験状態に設定されたか否かを判断する(ステップS202)。
制御手段73Aは、状態が通常の無線通信状態から接続試験状態に設定されたと判断した場合(ステップS202:YES)、切換手段71によるスキャン動作を開始させる(ステップS203)。次に、制御手段73Aは、i番目の通信ヘッド部から無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS204)。
ここで、変数iの値は1に設定されているので、まず、制御手段73Aは、1番目の通信ヘッド部5aから無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS204)。無線タグ1が移動して1番目の通信ヘッド部5(このときの通信ヘッド部を通信ヘッド部5aとみなす)との通信領域に入ったとき、制御手段73Aは、1番目の通信ヘッド部5aから1番目のケーブル6aを介して2番目の端子8bで無線信号の受信があったと判断し(ステップS204:YES)、無線信号を受信した時点の変数iの値'1'(1番目に通信できたという情報)を、受信端子8bの端子識別情報T(2)と関連付けて、第1の記憶手段76に記憶させる(ステップS205)。
次に、制御手段73Aは、変数iの値が通信ヘッド部の数(端子の数)を示す定数n(例えば、n=8)以上であるか否かを判断し(ステップS206)、現在、変数iの値は1に設定されているので、変数iの値はn未満であると判断し(ステップS206:NO)、変数iの値をインクリメントして(i←i+1:ステップS207)、ステップS204に処理を戻す。
ここで、変数iの値は2に設定されているので、制御手段73Aは、2番目の通信ヘッド部(これを5bとする)から無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS204)。無線タグ1がさらに移動して2番目の通信ヘッド部5bとの通信領域に入ったとき、制御手段73Aは、2番目の通信ヘッド部5b(このときの通信ヘッド部を通信ヘッド部5bとみなす)から2番目のケーブル6bを介して1番目の端子8aで無線信号の受信があったと判断し(ステップS204:YES)、無線信号を受信した時点の変数iの値'2'(2番目に通信できたという情報)を、受信端子8aの端子識別情報T(1)と関連付けて、第1の記憶手段76に記憶させる(ステップS205)。
ここで、制御手段73Aは、変数iの値'1'に対応する1番目の通信ヘッド部5aと2番目の端子8bとが間違って接続され、また、変数iの値'2'に対応する2番目の通信ヘッド部5bと1番目の端子8aとが間違って接続されていると認識する。
このようにして、制御手段73Aは、ステップS204からS207の処理を繰り返し、変数iの値がn以上となったと判断した場合(ステップS206:YES)、n番目の通信ヘッド部5n及びn番目の端子8nまでの接続試験が終了したと判断し、処理を終了させる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、無線タグ1は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに対して付された番号順に移動し、各通信ヘッド部5a、5b、…、5nの通信領域に番号順に入るので、通信制御部7Aは、どの通信ヘッド部からの無線信号をどの端子で受信したのかを知ることができる。これにより、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとを接続する複数のケーブル6a、6b、…、6nの誤配線を自動的に検出することができる。
さらに本実施の形態1にて、通信制御部7Aは、第1の記憶手段76に記憶されている変数iの値に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nをそれぞれ識別する通信ヘッド部識別情報を得る通信ヘッド部識別手段を別に備え、制御手段73Aは、第1の記憶手段76に、通信ヘッド部識別手段により得られた通信ヘッド部識別情報を、端子識別情報と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
この場合、通信制御部7Aは、第1の記憶手段76に記憶されている、通信ヘッド部識別情報、及び端子識別情報に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの通信順位を設定する通信順位設定手段を備えていてもよい。これにより通信順位を受信順序情報に対応させて設定するため、誤配線状態のままであっても、ソフトウェア制御により所望の順番で無線タグと通信ヘッド部との通信を行うことが可能となり、人手による誤配線の修正作業を不要にした無線通信装置及び無線通信方法を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態1にて、第1の記憶手段76は、無線タグ1を識別する無線タグ識別情報を予め記憶してあり、通信制御部7Aは、第1の記憶手段76に記憶されている無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致することに基づき、接続試験に用いる無線タグを検出するようにしてもよい。これにより、無線タグ1の無線タグ識別情報が予め第1の記憶手段76に記憶されているので、複数の無線タグが存在する環境においても、他の無線タグの影響を受けずに、接続試験に用いる無線タグ1を検出することができる。
なお、本実施の形態1にて、第1の記憶手段76は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれに対する通信内容を、通信ヘッド部識別情報と関連付けて予め記憶していてもよい。これにより、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれに対する通信内容が予め第1の記憶手段76に記憶されており、通信制御部7Aは、複数の端子8a、8b、…、8nと複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの接続関係を知ることができるので、製造工程において無線タグと通信するときに、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに応じて通信内容を変更することなく、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに対して通信内容を容易に設定することができる。
なお、本実施の形態1にて、複数の端子8a、8b、…、8nは脱着可能としてもよい。これにより、通信ヘッド部の数に応じて使用する端子を通信制御部7Aにセットすることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置4Bを工場の製造ライン2に適用した場合の一構成例を示すブロック図である。本実施の形態2は、無線タグ1と無線通信を行う複数の通信ヘッド部5の順番を、無線信号を受信した時刻情報に基づいて特定する点において実施の形態1と相違する。したがって、図3において、制御手段73Bは、状態設定手段74と、計時手段75とを含んで構成される点を除いては実施の形態1と同様の構成であることから、同様の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
制御手段73Bは、CPU、外部I/Fを含んで構成され、状態設定手段74、計時手段75、及び第1の記憶手段76を制御して、誤配線を検出するための接続試験処理を実行させる。なお、接続試験処理については、後ほど詳細に説明する。
状態設定手段74は、外部機器(図示しない)から状態設定信号を受けて、制御手段73Bによる制御のもと、移動する無線タグ1からの無線信号を複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nで検出し、複数の端子8a、8b、…、8nを切換手段71により高速(無線タグ1の移動速度に対して)にスキャンして、複数の端子8a、8b、…、8nで無線信号を受信することが可能な状態、すなわち接続試験状態に設定する。
計時手段75は、制御手段73Bによる制御のもと、状態設定手段74により接続試験状態に設定された場合、複数の端子8a、8b、…、8nで複数の無線信号をそれぞれ受信した時刻を計時して時刻情報を得る。斯かる時刻情報は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとの接続関係を調べるために用いられる。
図3の例では、状態設定手段74により接続試験状態に設定され、無線タグ1が移動を開始した時点を基準として、計時手段75は計時を開始する。計時手段75による計時が開始して、無線タグ1が移動して時刻t(1)で1番目の通信ヘッド部5aの通信領域に入ると、1番目の通信ヘッド部5aに接続されているはずの1番目の端子8aではなく、1番目の通信ヘッド部5aに接続された2番目の端子8bで無線信号が受信される。このときの受信時刻t(1)に基づき、制御手段73Bは、1番目の通信ヘッド部1aと2番目の端子8bが誤配線されていると判断する。
次に、無線タグ1がさらに移動して時刻t(2)で2番目の通信ヘッド部5bの通信領域に入ると、2番目の通信ヘッド部5bに接続されているはずの2番目の端子8bではなく、2番目の通信ヘッド部5bに接続された1番目の端子8aで無線信号が受信される。このときの受信時刻t(2)に基づき、制御手段73Bは、1番目の通信ヘッド部1aと2番目の端子8bが誤配線されていると判断する。
第1の記憶手段76は、受信時刻t(1)に関する時刻情報D(1)を、2番目の端子8bの端子識別情報T(2)と関連付けて記憶し、また、受信時刻t(2)に関する時刻情報D(2)を、1番目の端子8aの端子識別情報T(1)と関連付けて記憶する。これにより、制御手段73Bは、第1の記憶手段76に記憶されている、時刻情報D(1)と端子識別情報T(2)を参照することにより、1番目の通信ヘッド部5aに対して無線通信を行いたい場合、2番目の端子8bに対して無線信号を送受信し、また、第1の記憶手段76に記憶されている、時刻情報D(2)と端子識別情報T(1)を参照することにより、2番目の通信ヘッド部5bに対して無線通信を行いたい場合、1番目の端子8aに対して無線信号を送受信するよう制御動作を行う。
次に、制御手段73Bが実行する接続試験処理について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置4Bの無線通信方法において制御手段73Bにより実行される接続試験処理の各処理工程を示すフローチャートである。なお、図4において、実施の形態1の説明で参照した図2と同じ処理工程については、同じ符号を付して説明を省略する。
図4において、制御手段73Bは、状態が通常の無線通信状態から接続試験状態に設定されたと判断した場合(ステップS202:YES)、計時手段75による計時(時刻t(i))を開始させ(ステップS401)、切換手段71によるスキャン動作を開始させる(ステップS402)。次に、制御手段73Bは、i番目の通信ヘッド部から無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS403)。
ここで、変数iの値は1に設定されているので、まず、制御手段73Bは、1番目の通信ヘッド部とみなした通信ヘッド部5aから無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS403)。無線タグ1が移動して1番目の通信ヘッド部5aとの通信領域に入ったとき、制御手段73Bは、1番目の通信ヘッド部5aから1番目のケーブル6aを介して2番目の端子8bで無線信号の受信があったと判断し(ステップS403:YES)、無線信号を受信した時刻t(1)に関する時刻情報D(1)(1番目の通信ヘッド部5aを識別する情報)を、受信端子8bの端子識別情報T(2)と関連付けて、第1の記憶手段76に記憶させる(ステップS404)。
次に、制御手段73Bは、変数iの値が通信ヘッド部の数(端子の数)を示す定数n(例えば、n=8)以上であるか否かを判断し(ステップS206)、現在、変数iの値は1に設定されているので、変数iの値はn未満であると判断し(ステップS206:NO)、変数iの値をインクリメントして(i←i+1:ステップS207)、ステップS403に処理を戻す。
ここで、変数iの値は2に設定されているので、制御手段73Bは、2番目の通信ヘッド部とみなした通信ヘッド部5bから無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS403)。無線タグ1がさらに移動して2番目の通信ヘッド部とみなした通信ヘッド部5bとの通信領域に入ったとき、制御手段73Bは、2番目の通信ヘッド部5bから2番目のケーブル6bを介して1番目の端子8aで無線信号の受信があったと判断し(ステップS403:YES)、無線信号を受信した時刻t(2)に関する時刻情報D(2)(2番目の通信ヘッド部5bを識別する情報)を、受信端子8aの端子識別情報T(1)と関連付けて、第1の記憶手段76に記憶させる(ステップS404)。
ここで、制御手段73Bは、時刻情報D(1)に対応する1番目の通信ヘッド部5aと2番目の端子8bとが間違って接続され、また、時刻情報D(2)に対応する2番目の通信ヘッド部5bと1番目の端子8aとが間違って接続されていると認識する。
このようにして、制御手段73Bは、ステップS403からS207の処理を繰り返し、変数iの値がn以上となったと判断した場合(ステップS206:YES)、n番目の通信ヘッド部5n及びn番目の端子8nまでの接続試験が終了したと判断し、処理を終了させる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2によれば、無線タグ1は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに対して移動し、各通信ヘッド部5a、5b、…、5nの通信領域に時系列に入るので、通信制御部7Bは、どの時刻に、すなわち、どの通信ヘッド部からの無線信号をどの端子で受信したのかを知ることができる。これにより、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとを接続する複数のケーブル6a、6b、…、6nの誤配線を自動的に検出することができ、人手による誤配線の修正作業を不要にした無線通信装置及び無線通信方法を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態2にて、通信制御部7Bは、第1の記憶手段76に記憶されている時刻情報に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nをそれぞれ識別する通信ヘッド部識別情報を得る通信ヘッド部識別手段を別に備え、制御手段73Bは、第1の記憶手段76に、通信ヘッド部識別手段により得られた通信ヘッド部識別情報を、端子識別情報と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
この場合、通信制御部7Bは、第1の記憶手段76に記憶されている、時刻情報、通信ヘッド部識別情報、及び端子識別情報に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの通信順位を設定する通信順位設定手段を備えていてもよい。これにより、ユーザは通信を行う通信ヘッド部の順番を自由に設定することができる。
なお、本実施の形態2にて、第1の記憶手段76は、無線タグ1を識別する無線タグ識別情報を予め記憶してあり、通信制御部7Bは、第1の記憶手段76に記憶されている無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致することに基づき、接続試験に用いる無線タグを検出するようにしてもよい。これにより、無線タグ1の無線タグ識別情報が予め第1の記憶手段76に記憶されているので、複数の無線タグが存在する環境においても、他の無線タグの影響を受けずに、接続試験に用いる無線タグ1を検出することができる。
なお、本実施の形態2にて、第1の記憶手段76は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれに対する通信内容を、通信ヘッド部識別情報と関連付けて予め記憶していてもよい。これにより、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれに対する通信内容が予め第1の記憶手段76に記憶されており、通信制御部7Bは、複数の端子8a、8b、…、8nと複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの接続関係を知ることができるので、製造工程において無線タグと通信するときに、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに応じて通信内容を変更することなく、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに対して通信内容を容易に設定することができる。
なお、本実施の形態2にて、複数の端子8a、8b、…、8nは脱着可能としてもよい。これにより、通信ヘッド部の数に応じて使用する端子を通信制御部7Bにセットすることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る無線通信装置4Cを工場の製造ライン2に適用した場合の一構成例を示すブロック図である。なお、本実施の形態3に係る無線通信装置4Cは、実施の形態1に係る無線通信装置4Aの構成に加えて、通信制御部7Cに、無線タグ1から受信した無線信号の強度の最大値を検出する最大強度検出手段77を設けた構成を有する。以下では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
ここで、隣接する通信ヘッド部、例えば、図5に示す1番目の通信ヘッド部5aと2番目の通信ヘッド部5bとの間の距離が短く、無線タグ1と1番目の通信ヘッド部5aとの通信領域と、無線タグ1と2番目の通信ヘッド部5bとの通信領域とが一部オーバーラップしている場合、1番目の通信ヘッド部5aと2番目の通信ヘッド部5bが検出した無線信号が干渉することになる。
しかし、図5に示すように、最大強度検出手段77は、まず、無線タグ1が移動して1番目の通信ヘッド部5aとの通信領域に入ったとき、1番目の通信ヘッド部とみなした通信ヘッド部5aからの受信信号の強度の最大値を検出し、次に、無線タグ1がさらに移動して2番目の通信ヘッド部5bとの通信領域に入ったとき、2番目の通信ヘッド部5bからの受信信号の強度の最大値を検出する。最大強度検出手段77により強度の最大値が検出された時点で、それぞれ1番目の通信ヘッド部5a及び2番目の通信ヘッド部5bから無線信号を受信したものとすることで、安定した受信信号の検出が可能となる。
次に、制御手段73Cが実行する接続試験処理について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施の形態3に係る無線通信装置4Cの無線通信方法において制御手段73Cにより実行される接続試験処理の各処理工程を示すフローチャートである。なお、図6において、実施の形態1の説明で参照した図2と同じ処理工程については、同じ符号を付して説明を省略する。
図6において、制御手段73Cは、i番目の通信ヘッド部から無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS204)。
ここで、変数iの値は1に設定されているので、まず、制御手段73Cは、1番目の通信ヘッド部5aから無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS204)。無線タグ1が移動して1番目の通信ヘッド部5aとの通信領域に入ったとき、制御手段73Cは、1番目の通信ヘッド部5aから1番目のケーブル6aを介して2番目の端子8bで無線信号の受信があったと判断する(ステップS204:YES)
次に、制御手段73Cは、最大強度検出手段77により、受信した無線信号の強度の最大値が検出された時点での変数iの値'1'(1番目の通信ヘッド部5aを識別する情報)を得る(ステップS601)。次に、制御手段73Cは、変数iの値'1'(1番目の通信ヘッド部5aを識別する情報)を、受信端子8bの端子識別情報T(2)と関連付けて、第1の記憶手段76に記憶させる(ステップS602)。
次に、制御手段73Cは、変数iの値が通信ヘッド部の数(端子の数)を示す定数n(例えば、n=8)以上であるか否かを判断し(ステップS206)、現在、変数iの値が1に設定されているので、変数iの値はn未満であると判断し(ステップS206:NO)、変数iの値をインクリメントして(i←i+1:ステップS207)、ステップS204に処理を戻す。
ここで、変数iの値は2に設定されているので、制御手段73Cは、2番目の通信ヘッド部5bから無線信号の受信があったか否かを判断する(ステップS204)。無線タグ1がさらに移動して2番目の通信ヘッド部とみなした通信ヘッド部5bとの通信領域に入ったとき、制御手段73Cは、2番目の通信ヘッド部5bから2番目のケーブル6bを介して1番目の端子8aで無線信号の受信があったと判断する(ステップS204:YES)。
次に、制御手段73Cは、最大強度検出手段77により、受信した無線信号の強度の最大値が検出された時点での変数iの値'2'(2番目の通信ヘッド部5bを識別する情報)を得る(ステップS601)。次に、制御手段73Cは、変数iの値'2'(2番目の通信ヘッド部5aを識別する情報)を、受信端子8aの端子識別情報T(1)と関連付けて、第1の記憶手段76に記憶させる(ステップS602)。
ここで、制御手段73Cは、変数iの値'1'に対応する1番目の通信ヘッド部5aと2番目の端子8bとが間違って接続され、また、変数iの値'2'に対応する2番目の通信ヘッド部5bと1番目の端子8aとが間違って接続されていると認識する。
このようにして、制御手段73Cは、ステップS204からS207の処理を繰り返し、変数iの値がn以上となったと判断した場合(ステップS206:YES)、n番目の通信ヘッド部5n及びn番目の端子8nまでの接続試験が終了したと判断し、処理を終了させる。
以上説明したように、本発明の実施の形態3によれば、最大強度検出手段77により無線信号の強度の最大値が検出された時点での変数iの値を得ることで、隣接する通信ヘッド部の通信領域の一部がオーバーラップしている場合でも、隣接する通信ヘッド部からの無線信号を容易に区別して受信することができる。
なお、本実施の形態3にて、通信制御部7Cは、第1の記憶手段76に記憶されている変数iの値に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nをそれぞれ識別する通信ヘッド部識別情報を得る通信ヘッド部識別手段を別に備え、制御手段73Cは、第1の記憶手段76に、通信ヘッド部識別手段により得られた通信ヘッド部識別情報を、端子識別情報と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
この場合、通信制御部7Cは、第1の記憶手段76に記憶されている、変数iの値、通信ヘッド部識別情報、及び端子識別情報に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの通信順位を設定する通信順位設定手段を備えていてもよい。これにより、ユーザは通信を行う通信ヘッド部の順番を自由に設定することができる。
なお、本実施の形態3にて、第1の記憶手段76は、無線タグ1を識別する無線タグ識別情報を予め記憶してあり、通信制御部7Cは、第1の記憶手段76に記憶されている無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致することに基づき、接続試験に用いる無線タグを検出するようにしてもよい。これにより、無線タグ1の無線タグ識別情報が予め第1の記憶手段76に記憶されているので、複数の無線タグが存在する環境においても、他の無線タグの影響を受けずに、接続試験に用いる無線タグ1を検出することができる。
なお、本実施の形態3にて、第1の記憶手段76は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれに対する通信内容を、通信ヘッド部識別情報と関連付けて予め記憶していてもよい。これにより、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれに対する通信内容が予め第1の記憶手段76に記憶されており、通信制御部7Cは、複数の端子8a、8b、…、8nと複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの接続関係を知ることができるので、製造工程において無線タグと通信するときに、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに応じて通信内容を変更することなく、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nに対して通信内容を容易に設定することができる。
なお、本実施の形態3にて、複数の端子8a、8b、…、8nは脱着可能としてもよい。これにより、通信ヘッド部の数に応じて使用する端子を通信制御部7Cにセットすることができる。
なお、実施の形態1乃至3では、無線タグ1を移動させて順番に複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの無線通信をすることにより誤配線を検出しているが、無線タグ1の移動方法は特に限定されるものではなく、工場のラインをそのまま利用してもよいし、作業者自ら持参して移動してもよい。後者の場合、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nの目に付きやすい場所に順番を記載したラベルを貼付しておき、無線信号の受信順序を確認することができるようにしてもよい。
また、無線タグ1を移動させるのではなく、無線タグ1は所定の位置に載置しておき、作業者が複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを順番に通信可能領域まで移動させることにより無線通信させてもよい。この場合、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nは、工場内搬入時には長い複数のケーブル6a、6b、…、6n等で通信制御部7A、7B又は7Cの各端子と接続された状態であり、誤配線があった場合であっても複数のケーブル6a、6b、…、6nのいずれかを接続し直す必要がなくなる。
また、実施の形態1乃至3では、無線タグ1からの無線信号を受信した時点に基づき、各通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別する構成としたが、無線タグ1からの無線信号の受信とは関係なく、各通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別する通信ヘッド部識別手段を有していてもよい。以下、斯かる通信ヘッド部識別手段の構成について説明する。
たとえば、第1の記憶手段76は、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nをそれぞれ識別する通信ヘッド部識別情報を、端子識別情報と関連付けて予め記憶していてもよい。これにより、複数のケーブル6a、6b、…、6nのいずれかに誤配線があった場合、通信制御部7A、7B又は7Cは、無線信号を受信した端子の端子識別情報と通信ヘッド部識別情報とから、どの通信ヘッド部とどの端子との間で誤配線があったのかを知ることができる。
また、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nはそれぞれ、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別する通信ヘッド部識別情報を予め記憶してある第2の記憶手段を備え、第1の記憶手段76は、第2の記憶手段から読み出された通信ヘッド部識別情報を、端子識別情報と関連付けて記憶するようにしてもよい。通信制御部7A、7B又は7Cは、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nとの通信により、第2の記憶手段から通信ヘッド部識別情報を読み出して受信し、通信ヘッド部識別情報を受信した端子の端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段76に記憶させる。これにより、通信制御部7A、7B又は7Cは、無線タグ1から無線信号を受信しなくても、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとの接続関係を知ることができる。
また、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nはそれぞれ、抵抗値が異なる抵抗器を備え、通信制御部7A、7B又は7Cは、一定の電圧を発生して抵抗器に印加する定電圧発生回路と、該定電圧発生回路により一定の電圧が印加されたときに抵抗器に流れる電流を検出する電流検出回路と、該電流検出回路により検出された電流の値に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別する通信ヘッド部識別情報を得る通信ヘッド部識別手段を備え、第1の記憶手段76は、通信ヘッド部識別手段により得られた通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて記憶するようにしてもよい。
斯かる構成により、電流検出回路が、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれで異なった値の電流を検出することで、通信ヘッド部識別手段は、電流の値に基づき複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別して通信ヘッド部識別情報を得、通信制御部7A、7B又は7Cは、通信ヘッド部識別情報を端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段76に記憶させる。これにより、通信制御部7A、7B又は7Cは、無線タグ1から無線信号を受信しなくても、また、通信により通信ヘッド部識別情報を受信しなくても、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとの接続関係を知ることができる。
また、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nはそれぞれ、電圧値が異なる電圧を発生する電圧発生回路を備え、通信制御部7A、7B又は7Cは、電圧発生回路により発生された電圧を検出する電圧検出回路と、該電圧検出回路により検出された電圧の値に基づき、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別する通信ヘッド部識別情報を得る通信ヘッド部識別手段とを備え、第1の記憶手段76は、通信ヘッド部識別手段により得られた通信ヘッド部識別情報を、端子識別情報と関連付けて記憶するようにしてもよい。
斯かる構成により、電圧検出回路が、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nのそれぞれで異なった値の電圧を検出することで、通信ヘッド部識別手段は、電圧の値に基づき複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別して通信ヘッド部識別情報を得、通信制御部7A、7B又は7Cは、通信ヘッド部識別情報を端子識別情報と関連付けて第1の記憶手段76に記憶させる。これにより、通信制御部7A、7B又は7Cは、無線タグ1から無線信号を受信しなくても、また、通信により通信ヘッド部識別情報を受信しなくても、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nと複数の端子8a、8b、…、8nとの接続関係を知ることができる。
これまで、複数の通信ヘッド部5a、5b、…、5nを識別する構成について説明したが、本発明は斯かる構成に限定されず、各アンテナ素子51a、51b、…、51nの種別を検出する構成を設けてもよい。アンテナ素子の種別としては、大きさ、形状、対応周波数、偏波方向(左旋回円偏波、右旋回円偏波、縦直線偏波、横直線偏波など)、指向特性(狭指向性、広指向性)、アンテナケーブル側の特性インピーダンス、などがある。各アンテナ素子51a、51b、…、51nの種別を検出することで、通信ヘッド部の設置時に、意図したアンテナ素子を有する通信ヘッド部であるか否かを確認することができる。
図7は、アンテナ種別を検出するアンテナ種別検出回路を備える場合の、本発明に係る無線通信装置4A、4B又は4Cの一構成例を示すブロック図である。実施の形態1乃至3と基本的な構成は同様であるが、通信制御部7A、7B又は7Cにアンテナ種別検出回路78および断線検出回路79、通信ヘッド部5a、…、5nにアンテナ種別通知手段52a、…、52nを備える点で相違している。
図7において、アンテナ素子51a、…、51nからのデータ送受信は、アンテナスイッチ71aを介して行い、それとは別に、アンテナ種別通知手段52a、…、52nから送信される各種アンテナ種別情報をマルチプレクサ71bを介して受信する。アンテナ種別検出回路78は、受信したアンテナ種別情報に基づいてアンテナ種別を検出し、制御手段73A、73B又は73Cに渡す。
通信制御部7A、7B又は7Cに設けられているアンテナ素子の種別を検出するアンテナ種別検出回路78および通信ヘッド部5a、…、5nに設けられているアンテナ種別通知手段52a、…、52nの構成としては、以下の構成が考えられる。
各通信ヘッド部5a、…、5nは、抵抗値が異なる抵抗器をアンテナ種別通知手段52a、…、52nとして備え、通信制御部7A、7B又は7Cは、一定の電圧を発生して抵抗器に印加する定電圧発生回路と、該定電圧発生回路により一定の電圧が印加されたときに抵抗器に流れる電流を検出する電流検出回路とをアンテナ種別検出回路78として備える。アンテナ種別検出回路78は、電流検出回路により検出された電流の値に基づき、各通信ヘッド部5a、…、5nのアンテナ素子の種別を検出する。
また、アンテナ種別通知手段52a、…、52nとして、チップジャンパ抵抗を用いてもよい。例えばアンテナの製造時に、各通信ヘッド部5a、…、5nにチップジャンパ抵抗を接地電位線に対してどのように実装するか又は実装しないかにより、オープン/ショートを検出することで、アンテナ素子の種別を検出する。これにより、n個の通信ヘッド部5a、…、5nに対して2のn乗のアンテナ素子の種別を検出することができる。
さらに、例えば、50Ωの特性インピーダンスのケーブルが各アンテナ素子51a、…、51nに接続される場合、各アンテナ素子51a、…、51nの特性インピーダンスも、無線通信に使用する高周波数(例えば、950MHz)で50Ωとなるように設計される。このことを利用して、各アンテナ素子51a、…、51nの両端に、50Ωに対して十分大きく(例えば、数十kΩ)、異なる抵抗値を有する抵抗器をアンテナ種別通知手段52a、…、52nとして設け、アンテナ素子の種別の検出時には、高周波領域から直流領域に切り換える周波数弁別器を設けることで、抵抗器の抵抗値の違いを検出して、アンテナ素子の種別を検出することができる。
また、各ケーブル6a、…、6nの断線及び短絡を検出する構成も考えられる。例えば、断線検出回路79は、送受信回路72が送信した無線信号が、送受信回路72へと反射して戻ってきた反射信号のレベルを基準レベル(例えば、特性インピーダンス50Ωに相当するレベル)と比較し、各ケーブル6a、…、6nのインピーダンスが50Ωより大きいか、小さいかを検出することで、各ケーブル6a、…、6nの断線又は短絡を検出するこができる。さらに、複数の周波数を用いることで、断線及び短絡位置を特定することができる。
一方、送受信回路そのものを各通信ヘッド部5a、…、5nに備える構成であっても良い。図8は、送受信回路53a、…、53nを各通信ヘッド部5a、…、5nに備える場合の、本発明に係る無線通信装置4A、4B又は4Cの他の構成例を示すブロック図である。実施の形態1乃至3と基本的な構成は同様であるが、通信制御部7A、7B又は7Cにアンテナ種別検出回路78および断線検出回路79、通信ヘッド部5a、…、5nにアンテナ種別通知手段52a、…、52nを備え、送受信回路53a、…、53nが各通信ヘッド部5a、…、5nに設けてある点で相違している。
図7と図8とを対比させると明白なように、送受信回路53a、…、53nが各通信ヘッド部5a、…、5nに備えられている場合、切換手段としてアンテナスイッチ71aの代わりに汎用的なマルチプレクサ71cを用いている。アンテナスイッチ71aは、高周波成分の信号を切換可能とするものであり、受信信号のL成分、C成分の調整が煩雑である。それに対してマルチプレクサ71cは仕様が簡潔であり安価であることから、通信ヘッド部の設置個数が多ければ多いほど、導入価格を抑制することが可能となる。
本発明にかかる無線通信装置は、非接触で無線タグに記録された情報を読み取る無線タグリーダ/ライタに適用できる。例えばデータキャリアシステム等と呼ばれる個別対象物認識システムとして、無線タグを物品に付与してこの物品の識別を行う。この用途としては、FA(Factory Automation)分野における工作機の工具や工場における部品、製品の管理、物流システム等に用いられる物品の識別システム、鉄道切符及びスーパーマーケットの価格読み取り等が挙げられる。
本発明の実施の形態1に係る無線通信装置を工場の製造ラインに適用した場合の一構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の無線通信方法において制御手段により実行される接続試験処理の各処理工程を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る無線通信装置を工場の製造ラインに適用した場合の一構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の無線通信方法において制御手段により実行される接続試験処理の各処理工程を示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る無線通信装置を工場の製造ラインに適用した場合の一構成例を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る無線通信装置の無線通信方法において制御手段により実行される接続試験処理の各処理工程を示すフローチャート アンテナ種別を検出するアンテナ種別検出回路を備える場合の、本発明に係る無線通信装置の一構成例を示すブロック図 送受信回路を各通信ヘッド部に備える場合の、本発明に係る無線通信装置の他の構成例を示すブロック図
符号の説明
1 無線タグ
2 製造ライン
3 物品
4A、4B、4C 無線通信装置
5a、5b、…、5n 通信ヘッド部
6a、6b、…、6n ケーブル
7A、7B、7C 通信制御部
8a、8b、…、8n 端子
71 切換手段
72 送受信回路
73A、73B、73C 制御手段
74 状態設定手段
75 計時手段
76 第1の記憶手段
77 最大強度検出手段

Claims (19)

  1. 複数の端子を有する通信制御部と、
    前記通信制御部の複数の端子にケーブルを介してそれぞれ接続され、無線タグとの間で無線通信を行う複数の通信ヘッド部と
    を備えた無線通信装置において、
    前記通信制御部は、
    前記無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部にて検出することが可能な状態に設定する状態設定手段と、
    前記状態設定手段により前記複数の通信ヘッド部をそれぞれ通信可能状態とし、前記複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで前記無線タグを検出した場合、前記複数の通信ヘッド部それぞれから、前記複数の端子それぞれを介して検出信号を受信する受信手段と、
    前記複数の端子それぞれを識別するための端子識別情報を予め記憶する第1の記憶手段と、
    前記受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを前記第1の記憶手段に記憶された端子識別情報に基づいて認識し、前記状態設定手段により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、前記端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて前記第1の記憶手段に記憶させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記制御手段は、前記複数の通信ヘッド部それぞれを識別するための通信ヘッド部識別情報を各通信ヘッド部が接続されている各端子の前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、抵抗値が異なる抵抗器を備え、
    前記通信制御部は、
    一定の電圧を発生して前記抵抗器に印加する定電圧発生回路と、
    該定電圧発生回路により前記一定の電圧が印加されたときに前記抵抗器に流れる電流を検出する電流検出回路と、
    該電流検出回路により検出された電流の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第1の通信ヘッド部識別手段と
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1の通信ヘッド部識別手段により得られた前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶する請求項2記載の無線通信装置。
  4. 前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、電圧値が異なる電圧を発生する電圧発生回路をさらに備え、
    前記通信制御部は、
    前記電圧発生回路により発生された電圧を検出する電圧検出回路と、
    該電圧検出回路により検出された電圧の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第2の通信ヘッド部識別手段と
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第2の通信ヘッド部識別手段により得られた前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶する請求項2記載の無線通信装置。
  5. 前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、前記複数の通信ヘッド部をそれぞれ識別するための通信ヘッド部識別情報を予め記憶してある第2の記憶手段をさらに備え、
    前記通信制御部は、前記受信手段による前記通信ヘッド部それぞれからの検出信号の受信とともに、前記複数の通信ヘッド部の第2の記憶手段から前記通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第3の通信ヘッド部識別手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第3の通信ヘッド部識別手段により得られた前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に記憶する請求項1記載の無線通信装置。
  6. 前記通信制御部はさらに、前記第1の記憶手段に記憶されている、前記受信順序情報、前記通信ヘッド部識別情報、及び前記端子識別情報の関係に基づき、前記複数の端子の、前記複数の通信ヘッド部との通信順位を設定する通信順位設定手段を備えた請求項2乃至5記載の無線通信装置。
  7. 前記第1の記憶手段は、通信順位に応じた複数の通信内容を予め記憶しており、
    前記通信順位設定手段は、設定された通信順位にて前記複数の通信内容を前記複数の通信ヘッド部にそれぞれ割り当てることを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 前記第1の記憶手段は、前記無線タグを識別する無線タグ識別情報を予め記憶してあり、
    前記通信制御部はさらに、前記第1の記憶手段に記憶されている前記無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致した場合、前記状態設定手段が、無線タグ識別情報が一致した無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部で異なるタイミングにて検出することが可能な状態に設定する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  9. 前記通信制御部はさらに、前記無線タグから受信した無線信号の強度の最大値を検出する最大強度検出手段を備え、
    前記第1の記憶手段は、前記最大強度検出手段により無線信号の強度の最大値が検出された時点で前記受信順序情報を記憶する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の記載の無線通信装置。
  10. 複数の端子と前記複数の端子それぞれを識別するための端子識別情報を記憶する第1の記憶手段とを有する通信制御部と、
    前記通信制御部の複数の端子に、ケーブルを介してそれぞれ接続され、無線タグとの間で無線通信を行う複数の通信ヘッド部と
    を備える無線通信装置について、前記通信制御部と前記複数の通信ヘッド部との配線状況を記憶する無線通信方法において、
    前記無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部にて検出することが可能な状態に設定する状態設定工程と、
    該状態設定工程にて通信可能な状態となった前記複数の通信ヘッド部それぞれが、異なるタイミングで前記無線タグを検出するとともに、前記複数の通信ヘッド部それぞれから前記複数の端子を介して検出信号を受信する受信工程と、
    前記受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを前記第1の記憶手段に記憶された端子識別情報に基づき認識し、前記状態設定工程により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、前記端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて前記第1の記憶手段に記憶させる制御工程と、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  11. 前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を、前記第1の記憶手段に前記端子識別情報と関連付けて予め記憶する第1の通信ヘッド部識別情報記憶工程をさらに含む請求項10記載の無線通信方法。
  12. 前記無線通信方法は、前記状態設定手段に先立って、
    一定の電圧を発生して、前記複数の通信ヘッド部のそれぞれに設けられた、抵抗値が異なる抵抗器に印加する定電圧印加工程と、
    該定電圧印加工程にて前記一定の電圧を印加したときに前記抵抗器に流れる電流を検出する電流検出工程と、
    該電流検出工程にて検出した電流の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第1の通信ヘッド部識別工程と、
    前記第1の通信ヘッド部識別情報記憶工程では、前記第1の通信ヘッド部識別工程にて得た第1の前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶することを特徴とする請求項11記載の無線通信方法。
  13. 前記無線通信方法は、前記状態設定手段に先立って、
    前記複数の通信ヘッド部のそれぞれに応じて電圧値が異なる電圧を発生する電圧発生工程と、
    該電圧発生工程にて発生した電圧を検出する電圧検出工程と、
    該電圧検出工程にて検出した電圧の値に基づき、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を得る第2の通信ヘッド部識別工程と、
    前記第1の通信ヘッド部識別情報記憶工程では、前記第2の通信ヘッド部識別工程にて得た第1の前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に予め記憶することを特徴とする請求項11記載の無線通信方法。
  14. 前記複数の通信ヘッド部はそれぞれ、前記複数の通信ヘッド部を識別する通信ヘッド部識別情報を予め記憶してある第2の記憶手段をさらに備え、
    前記受信工程とともに、前記複数の通信ヘッド部の第2の記憶部から前記通信ヘッド部識別情報を読み出して受信する通信ヘッド部識別情報受信工程と、
    該通信ヘッド部識別情報受信工程にて受信した前記通信ヘッド部識別情報を、前記端子識別情報と関連付けて前記第1の記憶手段に記憶する第2の通信ヘッド部識別情報記憶工程と
    をさらに含む請求項10記載の無線通信方法。
  15. 前記第1の記憶手段に記憶してある、前記受信順序情報、前記端子識別情報、及び前記通信ヘッド部識別情報に基づき、前記複数の端子の、前記複数の通信ヘッド部との通信順位を設定する通信順位設定工程をさらに含む請求項11乃至14のいずれか一項記載の無線通信方法。
  16. 前記無線通信方法は、さらに
    通信順位に応じた通信内容を前記第1の記憶手段に予め記憶する通信内容記憶工程を含み、
    前記通信順位設定工程は、前記通信順位にて前記通信内容を前記通信ヘッド部に割り当てる請求項15に記載の無線通信方法。
  17. 前記無線タグを識別する無線タグ識別情報を予め記憶する無線タグ識別情報記憶工程と、
    該無線タグ識別情報記憶工程にて記憶した前記無線タグ識別情報と、無線通信により受信した無線タグ識別情報とが一致するか否かを判断する第2の判断工程と
    をさらに含み、
    該第2の判断工程にて、記憶してある前記無線タグ識別情報と受信した前記無線タグ識別情報とが一致すると判断された場合、前記状態設定工程にて、前記無線タグ識別情報が一致した無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部で異なるタイミングにて検出することが可能な状態に設定する請求項10乃至16のいずれか一項記載の無線通信方法。
  18. 前記無線タグから受信した無線信号の強度の最大値を検出する最大強度検出工程をさらに含み、
    該最大強度検出工程にて前記無線信号の強度の最大値を検出した時点で前記受信順序情報記憶工程にて前記受信順序情報を記憶する請求項10乃至17のいずれか一項記載の無線通信方法。
  19. 複数の端子と前記複数の端子それぞれを識別するための端子識別情報を記憶する第1の記憶手段とを有する通信制御部と、
    前記複数の端子にケーブルを介してそれぞれ接続され、前記通信制御部と無線タグとの間で無線通信を行う複数の通信ヘッド部と
    を備えた無線通信装置にて実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
    前記無線通信装置を、
    前記無線タグからの無線信号を前記複数の通信ヘッド部にて検出することが可能な状態に設定する状態設定手段、
    該状態設定手段により前記複数の通信ヘッド部をそれぞれ通信可能状態とし、前記複数の通信ヘッド部それぞれが異なるタイミングで前記無線タグを検出する場合、前記複数の通信ヘッド部それぞれから、前記複数の端子を介して検出信号を受信する受信手段、及び
    前記第1の記憶手段に記憶された端子識別情報に基づき、前記受信手段により受信されたそれぞれの検出信号がいずれの端子を介して受信されたかを認識し、前記状態設定手段により前記通信ヘッド部が通信可能状態に設定されてから起算して前記複数の端子の中で前記検出信号を受信した順序を示す受信順序情報を算出し、前記端子識別情報と前記受信順序情報を関連付けて前記第1の記憶手段に記憶させる制御手段
    として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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