JP2009118972A - 冷温用椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】楽な姿勢で患部を冷やし又は暖める。
【解決手段】冷温椅子は、着座者の臀部を支持する座板11と、座板11の後端に下端が設けられ着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21とを備える。背もたれ板21は着座者の腰部が当接する前面の温度を調整可能に構成される。背もたれ板21が中空に形成され、背もたれ板21の中空内部に冷却され又は加熱された水を注入して貯留させることにより背もたれ板21の前面の温度を冷却又は加熱調整する。座板11の後部に幅方向に延びて上方に開口する有底の長穴12aが形成され、背もたれ板21は長穴12aに離脱可能に挿着される挿着部22と挿着部22の上部に挿着部22と一体的に形成され座板11が臀部を支持する着座者の腰部を後方より支持する支持部23とを有する。背もたれ板21の給水口24が長穴12aに装着される下部に形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】冷温椅子は、着座者の臀部を支持する座板11と、座板11の後端に下端が設けられ着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21とを備える。背もたれ板21は着座者の腰部が当接する前面の温度を調整可能に構成される。背もたれ板21が中空に形成され、背もたれ板21の中空内部に冷却され又は加熱された水を注入して貯留させることにより背もたれ板21の前面の温度を冷却又は加熱調整する。座板11の後部に幅方向に延びて上方に開口する有底の長穴12aが形成され、背もたれ板21は長穴12aに離脱可能に挿着される挿着部22と挿着部22の上部に挿着部22と一体的に形成され座板11が臀部を支持する着座者の腰部を後方より支持する支持部23とを有する。背もたれ板21の給水口24が長穴12aに装着される下部に形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、着座者の腰部を冷やし又は暖めて治療する冷温用椅子に関するものである。
従来、患部を冷やし又は暖めて治療する治療方法としてアイシング及び温熱療法が知られている。アイシングは、患部を冷やして炎症作用を抑えて痛みを和らげることによりその患部を治療する療法であり、その治療薬として患部に直接貼り付けるタイプのものであって、消炎鎮痛作用を有するいわゆる湿布薬が広く知られている。一方、温熱療法は、患部を暖めることにより血行やリンパ管における流れを促進させ、それによりその循環を活性化させて治療するものであり、その治療薬として患部に直接貼り付ける温湿布なるものが知られている。しかし、このような消炎鎮痛作用を有する湿布薬やその患部を暖める温湿布にあっては、それらを患部に直接貼り付けることから、貼り付けられる患部の皮膚が弱いものに用いることが困難になる不具合があった。
このような不具合を解消するために、アイシングにあっては、氷等を袋に入れた状態で患部に押し当てることも考えられる。また、従来から足元を暖めるものとして湯たんぽが知られており、この湯たんぽの暖かさを利用して肩や腰を温めることによって、肩こりや腰痛を和らげようとする試みもなされている。そして、そのためのものとして湯たんぽカバーが提案されており、近年では、肩や腰、足首等の身体的要部を湯たんぽにより局部的に温める際に、湯たんぽを身体の要所箇所に安定良く装着するとともに、低温やけどを起こすようなおそれもないものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−160707号公報(明細書[0006]〜[0011]、図1〜図5)
しかし、アイシングにあっては、氷等を袋に入れた状態でその手に持ってその袋等を患部に押し当てることが必要であるけれども、氷等の入った袋を持って比較的長い時間患部に押し当て続けることは疲労等の観点から困難である不具合があった。また、上記の従来の湯たんぽカバーでは、湯たんぽを収納した状態でその湯たんぽを肩や腰、足首等の身体的要部に取り付けるものであり、湯たんぽが取り付けられる患者の負担が増加する未だ解決すべき課題が残存する。この点を解消するために、置かれた氷等を入れた氷袋や湯たんぽの上に患者が仰向けに寝ることによりその患者の肩や腰部、又は足首を乗せ、その氷袋や湯たんぽを患部に取付けることなくその患部を冷やし又は暖めることも考えられる。しかし、覚醒した状態では仰向けに寝た姿勢を比較的長い時間保ち続けるのは困難であり、その患部を十分に冷やし又は暖められない不具合があった。一方、例えば、湯たんぽに肩や腰部、又は足首を乗せた状態で就寝しまうと、湯たんぽが必要以上に長い時間患部に押し当てられることから、その患部に低温やけどが生じるおそれもある。
本発明の目的は、楽な姿勢で患部を冷やし又は暖めることができる冷温用椅子を提供することにある。
本発明の目的は、楽な姿勢で患部を冷やし又は暖めることができる冷温用椅子を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、着座者の臀部を支持する座板11と、座板11の後端に下端が設けられ着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21とを備えた椅子の改良である。
その特徴ある構成は、背もたれ板21は着座者の腰部が当接する前面の温度を調整可能に構成されたところにある。
その特徴ある構成は、背もたれ板21は着座者の腰部が当接する前面の温度を調整可能に構成されたところにある。
この請求項1に記載された冷温用椅子では、座板11に臀部を乗せるように着座すると、背もたれ板21に着座者の腰部が当接する。このような姿勢では上半身の自由度が増し、この状態で読書やTVを見ることもでき、比較的その姿勢を維持するのが容易である。このため、その背もたれ板21の前面の温度を調整して冷却するようにすれば、比較的楽な姿勢でその患部である腰部を冷やすことができ、その背もたれ板21の前面の温度を調整して暖めるようにすれば、比較的楽な姿勢でその患部である腰部を暖めることができる。
一方、座板11に臀部を乗せて背もたれ板21に腰部を当接させた状態での就寝は困難である。このため、冷却され又は暖められた背もたれ板21が就寝に基づいて必要以上に長い時間患部に押し当てられるようなことを防止することができ、その患部に低温やけどが生じるような事態を回避することができる。
一方、座板11に臀部を乗せて背もたれ板21に腰部を当接させた状態での就寝は困難である。このため、冷却され又は暖められた背もたれ板21が就寝に基づいて必要以上に長い時間患部に押し当てられるようなことを防止することができ、その患部に低温やけどが生じるような事態を回避することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、背もたれ板21が中空に形成され、背もたれ板21の中空内部に冷却され又は加熱された水を注入して貯留させることにより背もたれ板21の前面の温度を冷却又は加熱調整することを特徴とする。
この請求項2に記載された冷温用椅子では、注入する水の温度により背もたれ板21の前面の温度の調整が可能となり、その構造も比較的単純にすることができる。このため、背もたれ板21前面の温度の冷却又は加熱調整を比較的容易に行うとともに、比較的安価な冷温用椅子を得ることができる。
この請求項2に記載された冷温用椅子では、注入する水の温度により背もたれ板21の前面の温度の調整が可能となり、その構造も比較的単純にすることができる。このため、背もたれ板21前面の温度の冷却又は加熱調整を比較的容易に行うとともに、比較的安価な冷温用椅子を得ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、座板11の後部に幅方向に延びて上方に開口する有底の長穴12aが形成され、背もたれ板21は長穴12aに離脱可能に挿着される挿着部22と挿着部22の上部に挿着部22と一体的に形成され座板11が臀部を支持する着座者の腰部を後方より支持する支持部23とを有することを特徴とする。
この請求項3に記載された冷温用椅子では、背もたれ板21を座板11から取り外すことができる。このため、使用しない場合の保管に際して減容させることができ、その保管等を容易にすることができる。また、背もたれ板21は、注入された水を一時的に貯留してその表面の温度を調整可能に構成されているので、図4に示すように、座板11から離脱させた状態で一種の湯たんぽとして機能させることができる。
この請求項3に記載された冷温用椅子では、背もたれ板21を座板11から取り外すことができる。このため、使用しない場合の保管に際して減容させることができ、その保管等を容易にすることができる。また、背もたれ板21は、注入された水を一時的に貯留してその表面の温度を調整可能に構成されているので、図4に示すように、座板11から離脱させた状態で一種の湯たんぽとして機能させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、座板11は長穴12aが形成された後部12と臀部を支持する前部13とを有し、後部12の高さHが8〜11cmであって、前部13の上面が前方に向かって低位となるように傾斜して後端上面が後部12の上面になだらかに連続して形成され、前部13上面の水平面に対する傾斜角度θが5〜10度であることを特徴とする。
この請求項4に記載された冷温用椅子では、背もたれ板21が取り外された座板11を仰臥位における腰部の筋肉を弛緩させる整体具として使用することができる。即ち、図3に示すように、後部12を腰部の下方に位置させ、前部13をその背面の下方に位置させることにより腰部全体を持ち上げることができる。すると、腰椎前弯を更につくるようになり、その腰部周辺の筋肉を伸張させて弛緩することができる。これにより、血流やリンパの還流を促進させることができる。
この請求項4に記載された冷温用椅子では、背もたれ板21が取り外された座板11を仰臥位における腰部の筋肉を弛緩させる整体具として使用することができる。即ち、図3に示すように、後部12を腰部の下方に位置させ、前部13をその背面の下方に位置させることにより腰部全体を持ち上げることができる。すると、腰椎前弯を更につくるようになり、その腰部周辺の筋肉を伸張させて弛緩することができる。これにより、血流やリンパの還流を促進させることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、背もたれ板21の前面から座板11の前面までの水平距離Lが207mm〜250mmであって、座板11の前端上面に上方に膨出する指圧用凸条13bが幅方向に延びて形成されたことを特徴とする。
この請求項5に記載された冷温用椅子では、臀部を座板11に乗せるとその臀部と大腿部の間あたりに指圧用凸条13bが下方から接触することになる。この部分には東洋医学において言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の殷門などのツボがあり、このツボを刺激することにより泌尿器系の機能促進によいとされている。よって、この請求項5に記載された冷温用椅子では、この部分に指圧用凸条13bを接触させる事により、排泄などの新陳代謝促進効果を生じさせることができる。
この請求項5に記載された冷温用椅子では、臀部を座板11に乗せるとその臀部と大腿部の間あたりに指圧用凸条13bが下方から接触することになる。この部分には東洋医学において言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の殷門などのツボがあり、このツボを刺激することにより泌尿器系の機能促進によいとされている。よって、この請求項5に記載された冷温用椅子では、この部分に指圧用凸条13bを接触させる事により、排泄などの新陳代謝促進効果を生じさせることができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明であって、座板11の前面の幅方向の中央に凹部13cが形成されたことを特徴とする。
この請求項6に記載された冷温用椅子では、図5に示すように、臀部を座板11に乗せた状態で両膝を左右に開き、両足の裏側を重ね合わせた状態でそれら双方の踵を凹部13cに合わせることにより、あぐらのような姿勢を取ることができる。この結果、股関節可動域が大きくなり、リンパ還流促進の効果を生じさせる事ができる。
この請求項6に記載された冷温用椅子では、図5に示すように、臀部を座板11に乗せた状態で両膝を左右に開き、両足の裏側を重ね合わせた状態でそれら双方の踵を凹部13cに合わせることにより、あぐらのような姿勢を取ることができる。この結果、股関節可動域が大きくなり、リンパ還流促進の効果を生じさせる事ができる。
請求項7に係る発明は、請求項3又は4に係る発明であって、背もたれ板21の給水口が長穴12aに装着される下部に形成され、長穴12aの底部にその給水口24が進入可能な貫通孔12bが形成されたことを特徴とする。
この請求項7に記載された冷温用椅子では、背もたれ板21を座板11に取付けた状態で給水口を長穴12aの内部に隠すことができ、外観上の見栄えを向上させることができる。また、長穴12a内部に水等の異物が溜まった場合に貫通孔12bを介しての排出を可能にして、その清掃を容易にすることができる。
この請求項7に記載された冷温用椅子では、背もたれ板21を座板11に取付けた状態で給水口を長穴12aの内部に隠すことができ、外観上の見栄えを向上させることができる。また、長穴12a内部に水等の異物が溜まった場合に貫通孔12bを介しての排出を可能にして、その清掃を容易にすることができる。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれか1項に係る発明であって、背もたれ板21の前面に前方の膨出して着座者の腰部に当接する指圧用突起23aが形成されたことを特徴とする。
この請求項8に記載された冷温用椅子では、臀部を座板11に乗せて腰部を背もたれ板21の前面に押しつけると指圧用突起23aがその腰部に接触することになる。この部分には東洋医学で言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボがあり、消化器系や泌尿器系の機能促進によいとされている。従って、この請求項8に記載された冷温用椅子では、この部分に指圧用突起23aを押し付けることにより、消化器系や泌尿器系の機能を促進させることができる。
この請求項8に記載された冷温用椅子では、臀部を座板11に乗せて腰部を背もたれ板21の前面に押しつけると指圧用突起23aがその腰部に接触することになる。この部分には東洋医学で言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボがあり、消化器系や泌尿器系の機能促進によいとされている。従って、この請求項8に記載された冷温用椅子では、この部分に指圧用突起23aを押し付けることにより、消化器系や泌尿器系の機能を促進させることができる。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明であって、指圧用突起23aが背もたれ板21の前面の中央に幅方向に所定の間隔Dを開けて形成された上下方向に長い一対の凸条であって、所定の間隔Dが40〜110mmであることを特徴とする。
この請求項9に記載された冷温用椅子では、指圧用突起23aを構成する一対の凸条が中空の背もたれ板21の前面における曲げ強度を補強する補強リブとしての機能を有する。そして、所定の間隔Dが40〜110mmであることによりその一対の凸条からなる指圧用突起23aはいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボに接触して刺激する。これにより、消化器系や泌尿器系の機能を更に促進させることができる。
この請求項9に記載された冷温用椅子では、指圧用突起23aを構成する一対の凸条が中空の背もたれ板21の前面における曲げ強度を補強する補強リブとしての機能を有する。そして、所定の間隔Dが40〜110mmであることによりその一対の凸条からなる指圧用突起23aはいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボに接触して刺激する。これにより、消化器系や泌尿器系の機能を更に促進させることができる。
本発明の冷温用椅子では、着座者の腰部が当接する背もたれ板の前面の温度を調整可能にしたので、座板に臀部を乗せるように着座すると背もたれ板に着座者の腰部が当接し、このような姿勢では上半身の自由度が増し、この状態で読書やTVを見ることもでき、比較的その姿勢を維持するのが容易である。このため、その背もたれ板の前面の温度を調整して冷却するようにすれば、比較的楽な姿勢でその患部である腰部を冷やすことができ、その背もたれ板の前面の温度を調整して暖めるようにすれば、比較的楽な姿勢でその患部である腰部を暖めることができる。一方、座板に臀部を乗せて背もたれ板に腰部を当接させた状態での就寝は困難である。このため、冷却され又は暖められた背もたれ板が就寝に基づいて必要以上に長い時間患部に押し当てられるようなことを防止することができ、その患部に低温やけどが生じるような事態を回避することができる。
また、座板の後部に幅方向に延びて上方に開口する有底の長穴を形成し、背もたれ板の下部を長穴に離脱可能に挿着すれば、背もたれ板を座板から取り外すことができる。このため、使用しない場合の保管に際して減容させることができ、その保管等を容易にすることができる。また、背もたれ板が、注入された水を一時的に貯留してその表面の温度を調整可能に構成すれば、座板から離脱させた背もたれ板を一種の湯たんぽとして用いることができる。一方、背もたれ板が取り外された座板が後部と臀部を支持する前部とを有し、所定の形状を有するようなものであれば、背もたれ板が取り外されたその座板を仰臥位における腰部の筋肉を弛緩させる整体具として使用することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の冷温用椅子10は、着座者の臀部を支持する座板11と、その座板11の後端に下端が設けられて着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21とを備える。座板11は木材、金属又は樹脂成型品から成り、この実施の形態では、樹脂成型品からなる座板11を代表して説明するものとする。
図1及び図2に示すように、本発明の冷温用椅子10は、着座者の臀部を支持する座板11と、その座板11の後端に下端が設けられて着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21とを備える。座板11は木材、金属又は樹脂成型品から成り、この実施の形態では、樹脂成型品からなる座板11を代表して説明するものとする。
座板11は着座者がその臀部を乗せるところであり、そのために十分な幅A(図1)を有する。この幅Aは臀部を乗せることができる限り、その寸法は規定されないが、20cm以上であって、かつ50cm以下であることが好ましい。この幅Aが20cm未満であると着座者の臀部を乗せることが困難になり、50cmを超えるといたずらに大きく成りすぎて保管等に支障を来すからである。なお、この幅Aの好ましい範囲は28〜32cmである。
この座板11は、長穴12aが形成された後部12と着座者の臀部を支持する前部13を有する。長穴12aが形成された後部12の高さH(図2)は8〜11cmであって、臀部を支持する前部13はその上面が前方に向かって低位となるように傾斜し、その後端が後部12の上面に滑らかに連続するように形成される。そして、その前部13上面の傾斜角度θは水平面に対して5〜10度の範囲で形成され、その上面には臀部が収まる滑らかな一対の臀部用凹面13aが形成される。なお、後部12の高さHの好ましい範囲は9〜10cmであり、傾斜角度θの好ましい範囲は6〜8度である。
座板11の後部12における長穴12aは、その後部12に幅方向に延びて上方に開口するように形成される。この長穴12aは背もたれ板21の下部が離脱可能に挿着される部分であり、背もたれ板21の挿入深さを規定するために有底に形成される。この長穴12aは、後部12の高さの範囲内で背もたれ板21の取付け強度を確保する必要から、その深さF(図2)は5〜7cmであることが好ましく、6〜7cmであることが更に好ましい。
背もたれ板21は長穴12aに嵌挿される挿着部22と着座者の腰部を後方より支持する支持部23とを有し、挿着部22は長穴12aに挿入するとその長穴12aの内周面にその外周面が密着してその背もたれ板21を座板11に取付けるように構成される。この長穴12aと挿着部22により背もたれ板21は座板11に着脱可能に構成される。支持部23の高さE(図2)は20〜30cmであって、腰部を支持する前面は上方に向かって後方に移動するように傾斜し、その前面の傾斜角度αは鉛直面に対して5〜10度の範囲で形成される。なお、支持部23の高さEの好ましい範囲は28〜30cmであり、傾斜角度αの好ましい範囲は6.5〜8.5度である。そして、支持部23は下端が挿着部22の上端に滑らかに連続し、上方に向かうに従って、その断面積を減少させるように構成される。
そして、図2に詳しく示すように、座板11における長穴12aの幅方向中央の前端から座板11の前面までの距離L、即ち、背もたれ板21の前面から座板11の前面までの水平距離Lは207mm〜250mmの範囲になるように作られる。そして、座板11の前端上面には上方に膨出する指圧用凸条13bが幅方向に延びて形成される。この凸条13bの高さhは1.5〜3.0mmであって、その幅wは8〜9mmであることが好ましい。そして、座板11の前面には、その幅方向の中央に凹部13cが形成される。この凹部13cは、上方から観察すると円弧状を成し、その凹部13cの深さb(図2)は10〜15mmであって、その幅c(図1)は3〜5cmであることが好ましい。
一方、背もたれ板21は中空に形成され、その背もたれ板21の中空内部に冷却され又は加熱された水を注入して貯留させることにより着座者の腰部が接触する背もたれ板21の前面の温度を冷却又は加熱調整するように構成される。注入された水を一時的に貯留する点で、図4に示すように、座板11から離脱させた状態でこの背もたれ板21は一種の湯たんぽとしても機能するものであり、金属又は樹脂成型品によりこの背もたれ板21は作られる。図1及び図2に示す背もたれ板21は樹脂成型品からなり、この湯たんぽの機能も有する背もたれ板21の給水口24は外周に雄ねじが形成された筒状体により構成される。この筒状体からなる給水口24は、内周に雌ねじが形成されたキャップ26により開放可能に閉止される。図示しないが、キャップ26の内部には筒状の給水口24の端縁に当接してその給水口24から背もたれ板21の内部に注入された水が漏れ出すようなことを防止するパッキンが挿入される。
長穴12aの底部には、この背もたれ板21の下部が長穴12aに装着された状態で、給水口24を閉止したキャップ26が進入可能な貫通孔12bがその底部を貫通するように形成される。この貫通孔12bは長穴12aの底部を貫通することにより、その長穴12a内部に水等の異物が溜まった場合に貫通孔12bを介してその排出を容易にするとともに、背もたれ板21の下部が長穴12aに装着された状態でキャップ26の進入を許容してこのキャップ26が外部から視認されることを防止して外観上の見栄えを向上させるようになっている。
また、背もたれ板21を構成する支持部23の前面には、前方の膨出して着座者の腰部に当接する指圧用突起23aが形成される。図1に示す指圧用突起23aは、背もたれ板21の前面の中央に幅方向に所定の間隔Dを開けて形成された上下方向に長い一対の凸条であって、この指圧用突起23aは背もたれ板21を樹脂成型する際に支持部23に一体的に形成される。この指圧用突起23aを構成する凸条の高さm(図2)は1.5〜3.0mmであって、その幅n(図1)は1.5〜2.5cmであることが好ましい。また、この指圧用突起23aを構成する一対の凸条の所定の間隔D(図1)は40〜110mmであり、45〜100mmであることが好ましく、60〜90mmであることが更に好ましい。そして、図1に示す支持部23の前面にはこの指圧用突起23aを構成する一対の凸条の幅方向より外側に更に同様の補強用凸条23bが上下方向に延びて形成され、これらの指圧用突起23aを構成する凸条及び補強用凸条23bの双方により、樹脂成型品からなりかつ着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21の強度を向上させるように構成される。
このように構成された冷温用椅子では、着座者の臀部を支持する座板11と、座板11の後端に下端が設けられ着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板21とを備えたので、座板11に臀部を乗せるように着座すると、背もたれ板21に着座者の腰部が当接する。このような姿勢では上半身の自由度が増し、比較的その姿勢を維持するのが容易である。そして、その背もたれ板21の前面の温度を調整可能としたので、背もたれ板21を冷却すれば、比較的楽な姿勢でその患部である腰部を冷やすことができ、その背もたれ板21を暖めるようにすれば、比較的楽な姿勢でその患部である腰部を暖めることができる。そして、この状態での就寝は困難であるので、冷却され又は暖められた背もたれ板21が就寝に基づいて必要以上に長い時間患部に押し当てられるようなことを防止することができ、その患部に低温やけどが生じるような事態を回避することができる。
また、背もたれ板21を中空にしてその中空内部に冷却され又は加熱された水を注入して貯留させるようにしたので、注入する水の温度により背もたれ板21の前面の温度の調整が可能となり、背もたれ板21前面における温度調整が比較的容易になる。また、構造も比較的単純にすることができ、比較的安価な冷温用椅子を得ることができる。
ここで、背もたれ板21の前面から座板11の前面までの水平距離Lが207mm〜250mmであって、座板11の前端上面に上方に膨出する指圧用凸条13bを幅方向に延びて形成したので、臀部を座板11に乗せるとその臀部と大腿部の間あたりに指圧用凸条13bを下方から接触させて、この指圧用凸条13bは座板に乗せられた臀部がその傾斜に沿ってずり落ちることを防止することができる。また、臀部と大腿部の間あたりには東洋医学において言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の殷門などのツボがあるので、このツボを指圧用凸条13bにより刺激することができる。即ち、臀部と大腿部の間あたりに存在するツボに指圧用凸条13bを接触させる事ができ、これにより排泄などの新陳代謝を促進させることができる。
そして、座板11の前面の幅方向の中央に凹部13cを形成したので、図5に示すように、臀部を座板11に乗せた状態で両膝を左右に開き、両足の裏側を重ね合わせた状態でそれら双方の踵を凹部13cに合わせることにより、あぐらのような姿勢を取ることができる。この結果、股関節可動域が大きくなり、リンパ還流促進の効果を生じさせる事ができる。
一方、図1に示すように、背もたれ板21の前面に前方の膨出して着座者の腰部に当接する指圧用突起23aを形成したので、臀部を座板11に乗せて腰部を背もたれ板21の前面に押しつけると指圧用突起23aはその腰部に接触する。この部分には東洋医学で言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボがあり、消化器系や泌尿器系の機能促進によいとされている。従って、この冷温用椅子では、この部分に指圧用突起23aを押し付けることにより、消化器系や泌尿器系の機能を促進させることができる。そして、所定の間隔Dが40〜110mmであることによりその一対の凸条からなる指圧用突起23aがいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボに接触して刺激する。これにより、消化器系や泌尿器系の機能を更に促進させることができる。また、指圧用突起23aが上下方向に長い一対の凸条であるので、この凸条から成る指圧用突起23aに対して、中空の背もたれ板21の前面における曲げ強度を補強する補強リブとしての機能を持たせることもできる。
一方、図1に示すように、背もたれ板21の前面に前方の膨出して着座者の腰部に当接する指圧用突起23aを形成したので、臀部を座板11に乗せて腰部を背もたれ板21の前面に押しつけると指圧用突起23aはその腰部に接触する。この部分には東洋医学で言われるところのいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボがあり、消化器系や泌尿器系の機能促進によいとされている。従って、この冷温用椅子では、この部分に指圧用突起23aを押し付けることにより、消化器系や泌尿器系の機能を促進させることができる。そして、所定の間隔Dが40〜110mmであることによりその一対の凸条からなる指圧用突起23aがいわゆる足太陽膀胱経の肝兪・胆兪・脾兪・胃兪などのツボに接触して刺激する。これにより、消化器系や泌尿器系の機能を更に促進させることができる。また、指圧用突起23aが上下方向に長い一対の凸条であるので、この凸条から成る指圧用突起23aに対して、中空の背もたれ板21の前面における曲げ強度を補強する補強リブとしての機能を持たせることもできる。
また、座板11の後部に有底の長穴12aを形成して背もたれ板21を着脱自在としたので、背もたれ板21を座板11から取り外せば、使用しない場合の保管に際して減容させることができ、その保管等を容易にすることができる。また、背もたれ板21は、注入された水を一時的に貯留してその表面の温度を調整可能に構成されているので、図4に示すように、座板11から離脱させた状態で一種の湯たんぽとして機能させることができる。一方、背もたれ板21が取り外された座板11は、図3に示すように、仰臥位における腰部の筋肉を弛緩させる整体具として使用することもできる。
なお、上述した実施の形態では、樹脂成型品からなる座板11と背もたれ板21を説明したが、座板11や背もたれ板21は金属からなるものであっても良い。
11 座板
12 後部
12a 長穴
12b 貫通孔
13 前部
13b 指圧用凸条
13c 凹部
21 背もたれ板
22 挿着部
23 支持部
23a 指圧用突起
24 給水口
H 後部の高さ
θ 前部上面の傾斜角度
L 背もたれ板の前面から座板の前面までの水平距離
D 所定の間隔
12 後部
12a 長穴
12b 貫通孔
13 前部
13b 指圧用凸条
13c 凹部
21 背もたれ板
22 挿着部
23 支持部
23a 指圧用突起
24 給水口
H 後部の高さ
θ 前部上面の傾斜角度
L 背もたれ板の前面から座板の前面までの水平距離
D 所定の間隔
Claims (9)
- 着座者の臀部を支持する座板(11)と、前記座板(11)の後端に下端が設けられ前記着座者の腰部を後方より支持する背もたれ板(21)とを備えた椅子であって、
前記背もたれ板(21)は前記着座者の腰部が当接する前面の温度を調整可能に構成された
ことを特徴とする冷温用椅子。 - 背もたれ板(21)が中空に形成され、前記背もたれ板(21)の中空内部に冷却され又は加熱された水を注入して貯留させることにより前記背もたれ板(21)の前面の温度を冷却又は加熱調整する請求項1記載の冷温用椅子。
- 座板(11)の後部に幅方向に延びて上方に開口する有底の長穴(12a)が形成され、背もたれ板(21)は前記長穴(12a)に離脱可能に挿着される挿着部(22)と前記挿着部(22)の上部に前記挿着部(22)と一体的に形成され前記座板(11)が臀部を支持する着座者の腰部を後方より支持する支持部(23)とを有する請求項2記載の冷温用椅子。
- 座板(11)は長穴(12a)が形成された後部(12)と臀部を支持する前部(13)とを有し、前記後部(12)の高さ(H)が8〜11cmであって、前記前部(13)の上面が前方に向かって低位となるように傾斜して後端上面が前記後部(12)の上面になだらかに連続して形成され、前記前部(13)上面の水平面に対する傾斜角度(θ)が5〜10度である請求項3記載の冷温用椅子。
- 背もたれ板(21)の前面から座板(11)の前面までの水平距離(L)が207mm〜250mmであって、前記座板(11)の前端上面に上方に膨出する指圧用凸条(13b)が幅方向に延びて形成された請求項1ないし4いずれか1項に記載の冷温用椅子。
- 座板(11)の前面の幅方向の中央に凹部(13c)が形成された請求項5記載の冷温用椅子。
- 背もたれ板(21)の給水口(24)が長穴(12a)に装着される下部に形成され、前記長穴(12a)の底部に前記給水口(24)が進入可能な貫通孔(12b)が形成された請求項3又は4記載の冷温用椅子。
- 背もたれ板(21)の前面に前方の膨出して着座者の腰部に当接する指圧用突起(23a)が形成された請求項1ないし7いずれか1項に記載の冷温用椅子。
- 指圧用突起(23a)が背もたれ板(21)の前面の中央に幅方向に所定の間隔(D)を開けて形成された上下方向に長い一対の凸条であって、前記所定の間隔(D)が40〜110mmである請求項8記載の冷温用椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007294940A JP2009118972A (ja) | 2007-11-13 | 2007-11-13 | 冷温用椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007294940A JP2009118972A (ja) | 2007-11-13 | 2007-11-13 | 冷温用椅子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009118972A true JP2009118972A (ja) | 2009-06-04 |
Family
ID=40811812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007294940A Pending JP2009118972A (ja) | 2007-11-13 | 2007-11-13 | 冷温用椅子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009118972A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104188415A (zh) * | 2014-08-18 | 2014-12-10 | 常熟市福达红木家具厂 | 一种沙发 |
CN104921501A (zh) * | 2015-07-16 | 2015-09-23 | 秦朝东 | 一种智能冬夏双用沙发 |
JP5867972B1 (ja) * | 2015-03-23 | 2016-02-24 | 重吉 浅沼 | 冷暖房椅子 |
-
2007
- 2007-11-13 JP JP2007294940A patent/JP2009118972A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5867972B1 (ja) * | 2015-03-23 | 2016-02-24 | 重吉 浅沼 | 冷暖房椅子 |
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