JP2009118582A - 発電素子、発電装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】コイル体に効率的に電圧を誘起させることができるようにする。
【解決手段】 非磁性材料で構成された平面視楕円形状を有する無端状の筒体26と、この筒体26の少なくとも長軸と交差するコーナー部C、Dの外面に導線が巻回されて構成されたコイル体28と、筒体26の内部に転動可能に配設された球状の磁石体30とから発電素子22を構成し、磁石体30が筒体26内を転動することでコイル体28に電圧を誘起させる。
【選択図】図1
【解決手段】 非磁性材料で構成された平面視楕円形状を有する無端状の筒体26と、この筒体26の少なくとも長軸と交差するコーナー部C、Dの外面に導線が巻回されて構成されたコイル体28と、筒体26の内部に転動可能に配設された球状の磁石体30とから発電素子22を構成し、磁石体30が筒体26内を転動することでコイル体28に電圧を誘起させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁石体とコイル体とを相対移動させることでコイル体に電磁誘導により電圧を誘起させるようにした発電素子、この発電素子のコイル体に誘起される電圧を直流に変換する変換回路を備えた発電装置、及び、この発電装置により駆動される駆動体を備えた電子機器に関する。
従来の腕時計やリモコン装置などの小型の電子機器では、その電子回路を動作させるための電源として乾電池や充電池などが用いられている。このような電子機器で乾電池や充電池を用いるものでは、起電力が低下したときには乾電池を交換したり充電地を充電したりする必要があるため、電子機器の管理が煩雑になると共に、予備の乾電池を準備していない場合や外出先などで充電器がない場合には電子機器そのものが使用できなくなるという問題があった。
このため、電子機器を駆動させるための電源として、その電子機器を手で振るなどして筒状のコイル体の内部で磁石体を転動させて磁石体とコイル体とを相対移動させることにより、筒状のコイル体に電磁誘導により電圧を誘起させるようにした発電装置を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
このような発電装置を用いた電子機器は、その電源については半永久的な使用が可能であり、乾電池を交換したり充電地を充電したりする必要がないことから管理が煩雑にならないだけでなく、予備の乾電池を準備していない場合や外出先などで充電器がない場合などでも使用が可能となり、さらには、使用済みの乾電池や充電不能になった充電池を廃棄する必要がないことから環境破壊を引き起こす虞もないものとなる。なお、このような発電装置では、磁石体とコイル体との相対移動速度に応じた大きさの電圧がコイル体の両端に誘起されることになる。
特開昭64−39256号公報
特開平10―42540号公報
ところが、上記提案されている従来構成では、筒状のコイル体が直線状に構成されると共に、磁石体がコイル体から外部に飛び出さないように両端が閉じられた有端状に構成されているため、相対移動により転動した磁石体がコイル体の端部に衝突して停止することから転動時間が短くなって磁石体の加速性能が低下することでコイル体と磁石体との相対移動速度に自ずと限界が生じることになり、コイル体に効率的に電圧を誘起させることができないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コイル体に効率的に電圧を誘起させることができる発電素子、この発電素子を用いた発電装置、及び、この発電装置により駆動される駆動体を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、電磁誘導により電圧を誘起させるようにした発電素子であって、非磁性材料で構成された平面視楕円形状を有する無端状の筒体と、この筒体の少なくとも長軸と交差するコーナー部外面に導線が巻回されて構成されたコイル体と、前記筒体の内部に転動可能に配設された球状の磁石体とを備えたことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記筒体が、その内面に前記磁石体が転動するときの摩擦抵抗を軽減させるための凹凸が形成されたものであることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2に係るものにおいて、前記筒体が、その一部に前記磁石体が転動するときの空気抵抗を軽減させるための空気抜き孔が形成されたものであることを特徴としている。
請求項4の発明は、電磁誘導により誘起される電圧を用いて駆動体を駆動させる発電装置であって、請求項1乃至3の何れかに記載の発電素子と、この発電素子のコイル体に誘起される電圧を直流に変換する変換回路とを備えたことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項4に係るものにおいて、前記変換回路が、前記発電素子のコイル体に誘起された電圧を昇圧する昇圧トランスと、この昇圧トランスにより昇圧された電圧を直流に変換する整流回路と、この整流回路から出力された直流電圧を定電圧化する定電圧回路とを備えたものであることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項5に係るものにおいて、前記変換回路が、前記定電圧回路からの出力される直流電圧により充電されるバックアップ用コンデンサを備えたものであることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、電磁誘導により誘起される電圧を用いて駆動される電子機器であって、請求項4乃至6の何れかに記載の発電装置と、この電源装置の定電圧回路から出力された直流電圧により駆動される駆動体とを備えたものであることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、発電素子が揺らされるなどして磁石体が筒体内を相対移動により転動するとき、筒体が無端状であることで動きが遮られないことから磁石体の加速性能に優れたものになると共に、筒体の長軸と交差するコーナー部は曲率が大きいことから他の曲率の小さい部分に比べて加速されることで磁石体の転動速度が増大される結果、そのコーナー部におけるコイル体に誘起される電圧が大きくなり、コイル体に効率的に電圧を誘起させることができる。
請求項2の発明によれば、筒体の内面に対する磁石体の摩擦抵抗が軽減されて筒体の内部における磁石体の転動速度が増大されることで、筒体の長軸と交差するコーナー部での加速がより増大されることになる結果、そのコーナー部におけるコイル体に誘起される電圧がより大きくなり、コイル体に効率的に電圧を誘起させることができる。
請求項3の発明によれば、筒体の内部における磁石体に対する空気抵抗が軽減されて筒体の内部における磁石体の転動速度が増大されることで、筒体の長軸と交差するコーナー部での加速がより増大されることになる結果、そのコーナー部におけるコイル体に誘起される電圧がより大きくなり、コイル体に効率的に電圧を誘起させることができる。
請求項4の発明によれば、発電素子のコイル体に効率的に誘起された電圧が変換回路で直流に変換されることになる結果、直流電圧を効率的に出力することのできる発電装置が実現されることになる。
請求項5の発明によれば、発電素子のコイル体に効率的に誘起された電圧は昇圧トランスで昇圧され、この昇圧された電圧は整流回路により直流電圧に変換されたのちに定電圧回路により定電圧化されて一定値にされることになる結果、安定した直流電圧を出力することのできる発電装置が実現されることになる。
請求項6の発明によれば、定電圧回路から出力される直流電圧によりバックアップ用コンデンサが充電されるため、発電素子が揺らされないようになってコイル体に電圧が誘起されなくなった後においても負荷に電力を供給することができる。
請求項7の発明によれば、安定した直流電圧を出力する発電装置により駆動体が駆動されることで駆動体の動作が安定したものとなる結果、動作精度の高い電子機器が実現されることになる。
図1は、本発明の一の実施形態に係る発電装置が適用される電子機器の一例としての電子腕時計の要部を概略的に示す図であり、(a)は電子腕時計の筐体の裏蓋を取り除いて示す背面図、(b)は(a)のA−A線における断面側面図である。
この図において、電子腕時計である電子機器10は、計時と時刻表示とを実行する時計モジュール12と、時計モジュール12の背面に配設された発電装置14とを備えている。なお、電子腕時計である電子機器10は、時計モジュール12及び発電装置14が、腕に巻き付けて固定するためのリストバンド16の取り付けられた筐体18内に収納されて構成される。
ここで、時計モジュール12は、本発明でいう駆動体を構成するものであり、表面に配設された時刻をデジタル表示するための図略のデジタル表示装置と、計時を行うクロック回路やデジタル表示装置を駆動するための駆動回路などを有する電子回路とから構成された周知の構成になるものである。
発電装置14は、電子機器10を取り付けた腕を振るなどしたときに電圧を誘起させる発電素子22と、この発電素子22に誘起された電圧を直流に変換する変換回路24とを備えたものである。なお、変換回路24は、図示を簡略化するため、ブロック化したものとして示している。
発電素子22は、合成樹脂などの非磁性材料により構成された平面視楕円形状を有する無端状の筒体26と、筒体26の長軸(楕円長軸)と交差するコーナー部C、Dを含む外面の略全域に導線が所定のピッチで巻回されて構成されたコイル体28と、筒体26の内部に転動可能に配設された球状の磁石体30とを備えている。
筒体26は、図2に示すように、筒体26を横切る方向の断面(横断面)が円形を有するもので、その内面の全域に半球状の小突起32を連続的に形成することで内面に磁石体30に対する摩擦抵抗を軽減させるための凹凸34を形成すると共に、その一部に磁石体30が転動するときの空気抵抗を軽減させるための外部に通じる空気抜き孔36を形成したものである。
なお、この筒体26は、コイル体28に誘起される電圧を大きくするにはコイル体28と磁石体30との距離を近接させる必要があることから、厚みの薄い材料で構成されると共に、磁石体30の転動に支障のない小さな内径に設定されたものである。また、筒体26が平面視楕円形状であるとは、図1(a)に示すように、筒体26の平面で見た形状が楕円形状を有していることを意味するものである。
コイル体28は、巻回数に比例した大きさの電圧が誘起されるものであり、スペース的に許容される範囲内での所要の誘起電圧に対応した巻回数を有し、両端子が変換回路24に接続されたものである。磁石体30は、コイル体28に誘起される電圧を大きくするには大きな磁力を有していることが望ましいことから、高透磁率を有する磁性材料により構成されている。なお、本実施形態では、磁石体30は、図3に示すように、一方の半球側がN極となるようにし、他方の半球側がS極となるようにしたものである。
このように構成された発電素子22は、電子機器10を取り付けた腕を意識的あるいは無意識的に振るなどしたとき、発電素子22が揺らされて磁石体30が無端状の筒体26の内面に接触した状態で楕円軌道を描いて相対移動することで転動し、これにより磁石体30がコイル体28の内部を相対移動することになる結果、コイル体28に電磁誘導により電圧(起電力)が誘起されることになる。
この場合、筒体26が無端状で磁石体30の動きが遮られないことから磁石体30に対する加速性能に優れたものになると共に、筒体26の長軸と交差する方向の相対するコーナー部C、Dは曲率が大きいことから曲率の小さい他の部分に比べて加速されることで磁石体30の転動速度が増大される結果、そのコーナー部C、Dにおけるコイル体28に誘起される電圧が大きくなり、コイル体28に効率的に電圧を誘起させることができる。
すなわち、磁石体30は、発電素子22が揺らされることで略同一の角速度で筒体26内を転動することになるため、楕円中心から離れているコーナー部C、Dの曲率の大きい部分の方が楕円中心に近接している曲率の小さい他の部分に比べて単位時間当たりの移動距離が長くなる結果、そのコーナー部C、Dにおけるコイル体28に誘起される電圧が大きくなり、コイル体28に効率的に電圧を誘起させることができることになる。
ここで、磁石体30は、筒体26の内面に小突起32により凹凸34が形成されていることで磁石体30との摩擦抵抗が効果的に軽減されて筒体26の内部を滑らかに転動することになり、磁石体30の転動速度が増大されることになる。また、磁石体30は、筒体26の一部に空気抜き孔36が形成されていることで磁石体30が転動するときの空気抵抗が軽減されて筒体26の内部を滑らかに転動することになり、これによっても磁石体30の転動速度が増大されることになる。
なお、磁石体30は、電子機器10を取り付けた腕の動きが一定しないことから筒体26の全周を連続的に転動するとは限らないが、筒体26の少なくとも一方のコーナー部C又はDを一方向(順方向又は逆方向)あるいは両方向(順方向及び逆方向)に転動することで、図4に示すような波形の電圧(交流電圧)が誘起される。この図4に示す波形図は、コイル体28の両端子間に誘起された電圧をオシロスコープで計測したものである。
変換回路24は、図5に示すように、発電素子22のコイル体28に誘起された電圧を昇圧する昇圧トランス38と、昇圧トランス38により昇圧された電圧を直流に変換する整流回路40と、整流回路40から出力された直流電圧を定電圧化する定電圧回路42とを備えたものである。
ここで、昇圧トランス38は、一次巻線44のインピーダンスを発電素子22のコイル体28のインピーダンスに近似させることで大きな電力が得られるようにしたもので、その一次巻線44に発電素子22のコイル体28の両端子T1、T2が接続され、二次巻線46に整流回路40が接続されたものである。整流回路40は、2つのダイオード48、50と2つの平滑コンデンサ52、54とにより倍電圧整流回路が構成されたものである。定電圧回路42は、三端子レギュレータなどにより構成されたものである。
このように構成された変換回路24は、発電素子22のコイル体28に誘起された電圧(例えば、図4に示す波形を有するもの)を昇圧トランス38により昇圧させたのち、整流回路40で倍電圧整流を行い、その直流電圧を定電圧回路42により定電圧化して一定値にする。そして、この定電圧化された直流電圧によりバックアップ用コンデンサ56を充電する一方、定電圧回路42から電子機器10に電力を供給することで駆動体である時計モジュール12を駆動させる。
このように、バックアップ用コンデンサ56が定電圧回路42から出力される直流電圧により充電されることで、就寝などで腕の振れが停止されて発電素子22が揺れないようになりコイル体28に電圧が誘起されなくなった場合でも、バックアップ用コンデンサ56から負荷に電力が供給されることで時計モジュール12を駆動させることができる。
なお、上記実施形態において、発電素子22のコイル体28には、腕を振るなどしたときに平均値で約100mVの交流電圧が誘起されるようにし、昇圧トランス38の二次巻線46には、平均値で約700mVの交流電圧が出力されるようにしている。この二次巻線46に出力される電圧が正弦波交流に近い波形を有するものとしたとき、整流回路40のダイオード48、50で整流された後の電圧は二次巻線46に出力される電圧の√2倍となり(ダイオード48、50での電圧降下を無視している。)、それらが2つの平滑コンデンサ52、54で加算されて約2倍の値となることから、定電圧回路42の入力側の電圧は約2.0Vとなる。
いま、時計モジュール12の動作電圧を1.5Vとすると、定電圧回路42の入力側の電圧を約2.0Vとする必要はないことになるが、発電素子22のコイル体28に誘起される電圧が完全な正弦波交流にはなり難いことや、ダイオード48、50で電圧降下が生じることなどを考慮して余裕を見た値としている。
また、バックアップ用コンデンサ56は、バックアップ時間を長くするためには大容量であることが望ましいが、上記実施形態では、電子機器10の筐体容積の制約により0.47F程度のものを採用している。これは、近年の時計モジュール12が1.5V程度の駆動電圧で1μA程度という非常に低い消費電流となるように構成されており、バックアップ用コンデンサ56の容量が0.47F程度であっても4日強のバックアップが可能となることによる。
このバックアップ時間は、Tをバックアップ時間(s)、Cをバックアップ用コンデンサの容量(F)、V0をバックアップ用コンデンサの初期電圧(V)、V1を使用最低電圧(V)、Iを使用負荷電流(A)としたとき、T=C(V0−V1)/Iの式により求めることができる。すなわち、V0を2V、V1を1.2V、Iを1μAとすると、バックアップ時間Tは、4.35日となる。
なお、上記した定数は、あくまでも上記実施形態における1つの例であって、負荷となる時計モジュール12などの駆動体の種類や発電素子22のコイル体28に誘起される電圧値などの種々の要因により変動するものであることから、実際に則した値に設定されることになる。
図6は、発電装置14を用いた電子機器10が家庭用リモコン送信機である場合の例を示すものである。この家庭用リモコン送信機である電子機器10は、発明の特徴部分となる基本構成については先の実施形態のものと同様であるので、同一の構成要素については同一の符号を用いることで詳細な説明を省略する。
この家庭用リモコン送信機である電子機器10は、筐体60内に収納された矩形状のプリント基板62に、リモコン送信機の駆動電源となる発電装置14と、テレビなどの電気機器に制御信号を送信するための送信回路64とが長手方向に沿って配設されると共に、筐体60の先端部にテレビなどの電気機器に向けて赤外線信号を送出するための赤外線発光ダイオード66が配設されて構成されたものである。
なお、送信回路64及び赤外線発光ダイオード66は、本発明でいう駆動体を構成するものである。また、筐体60には、テレビなどの電気機器に制御信号を送信するためのチャンネル切替ボタンや音量調整ボタンなどのボタン類が配設されているが、図示を省略している。また、変換回路24及び送信回路64は、図示を簡略化するため、ブロック化したものとして示している。
ここで、発電装置14は、先の実施形態と同様に、電子機器10を振るなどしたときに電圧を誘起させる発電素子22と、この発電素子22に誘起された電圧を直流に変換する変換回路24とを備えたものである。なお、家庭用リモコン送信機については、例えば、電源として必要とされる電圧は2〜3Vであるので、発電装置14から2〜3Vの直流電圧が出力されるように構成される一方、電流容量はスタンバイ時で1μA程度であり、瞬間的に赤外線発光ダイオード66に3mA程度が流れることを考慮して、変換回路24のバックアップ用コンデンサ56(図5)は1F程度のものを用いている。
このように構成された電子機器10は、テレビなどの電気機器に制御信号を送信する場合、予め電子機器10を手で振るなどして発電素子22に電圧を誘起させ、変換回路24で直流電圧に変換してバックアップ用コンデンサ56(図5)に充電させる。この状態で、テレビなどの電気機器に制御信号を送信するためのチャンネル切替ボタンや音量調整ボタンなどのボタン類を操作することで、駆動体である送信回路64と赤外線発光ダイオード66とに電力が供給されて所定の制御信号が送信されることになる。
本発明は、上記実施形態のように、非磁性材料で構成された平面視楕円形状を有する無端状の筒体26と、筒体26の外面に導線が巻回されて構成されたコイル体28と、筒体26の内部に転動可能に配設された球状の磁石体30とで発電素子22を構成している。
このため、発電素子22が揺らされるなどして磁石体30が筒体26内を相対移動により転動するとき、筒体26が無端状であることで磁石体30の動きが遮られないことから磁石体30の加速性能に優れたものになると共に、筒体26のコーナー部C、Dの曲率の大きい部分では曲率の小さい他の部分に比べて加速されることで磁石体30の転動速度が増大されてコーナー部C、Dにおけるコイル体28に誘起される電圧が大きくなり、コイル体28に効率的に電圧を誘起させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
(1)上記実施形態では、発電素子22を構成する筒体26は、平面視楕円形状に構成されたものであるが、厳密な意味での幾何学上の楕円に限るものではない。例えば、長円に近似した形状であってもよい。要は、磁石体30の転動速度が増大されることになる長軸方向のコーナー部を有した無端状であればよい。
(2)上記実施形態では、筒体26は、その内面の全域に小突起32により凹凸34が形成されているが、これに限るものではない。例えば、この凹凸34は磁石体30が加速される領域である筒体26のコーナー部C、Dにのみ形成されるような構成であってもよい。また、筒体26の内面が摩擦抵抗の小さな平滑面とされていたり、フッ素樹脂などの摩擦軽減部材でコーティングされていたりする場合では、必ずしも内面に凹凸34を形成する必要はない。
(3)上記実施形態では、筒体26は、その一部に磁石体30が転動するときの空気抵抗を軽減させるための外部に通じる空気抜き孔36を形成したものであるが、これに限るものではない。例えば、空気抜き孔36を全く形成しない構成とすることも可能である。また、空気抜き孔36を形成する代わりに内部を真空にしてもよい。この場合でも、磁石体30が転動するときの空気抵抗を軽減させることができる。また、空気抜き孔36を形成する場合であっても、筒体26の全域に所定のピッチで形成したり、筒体26のコーナー部C、Dに集中的に形成したりしてもよい。
(4)上記実施形態では、発電素子22を構成するコイル体28は、筒体26の略全域に導線が巻回されて構成されたものであるが、これに限るものではない。例えば、大きな誘起電圧を必要としない場合などでは、磁石体30が加速される領域である筒体26のコーナー部C、Dにのみ導線を巻回してコイル体28を構成するようにしてもよい。また、筒体26の略全域に導線を巻回する場合でも、筒体26のコーナー部C、Dでは導線を密に巻回し、コーナー部C、Dを除く他の部分では導線を疎に巻回するようにしてコイル体28を構成することも可能である。要は、コイル体28は、筒体26の少なくとも長軸と交差するコーナー部C、Dの外面に導線が巻回されて構成されておればよい。
(5)上記実施形態では、発電素子22を構成する球状の磁石体30は、一方の半球側がN極となるようにし、他方の半球側がS極となるようにしたものであるが、これに限るものではない。例えば、複数のN極と同数の複数のS極とを有するように構成したものであってもよい。また、磁石体30は、上記実施形態では筒体26内での転動を容易にするための表面加工を施したものではないが、例えば、フッ素樹脂などの摩擦軽減部材を表面にコーティングするようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、発電装置14が適用される電子機器10として、電子腕時計と家庭用リモコン送信機とを例示しているが、これに限るものではない。例えば、特別に大きな起電力と消費電流とを必要としないものであれば、発電装置14は種々の電子機器に適用可能である。
10 電子機器
12 時計モジュール
14 発電装置
22 発電素子
24 変換回路
26 筒体
28 コイル体
30 磁石体
34 凹凸面
36 空気抜き孔
38 昇圧トランス
40 整流回路
42 定電圧回路
56 バックアップ用コンデンサ
12 時計モジュール
14 発電装置
22 発電素子
24 変換回路
26 筒体
28 コイル体
30 磁石体
34 凹凸面
36 空気抜き孔
38 昇圧トランス
40 整流回路
42 定電圧回路
56 バックアップ用コンデンサ
Claims (7)
- 電磁誘導により電圧を誘起させるようにした発電素子であって、非磁性材料で構成された平面視楕円形状を有する無端状の筒体と、この筒体の少なくとも長軸と交差するコーナー部外面に導線が巻回されて構成されたコイル体と、前記筒体の内部に転動可能に配設された球状の磁石体とを備えたことを特徴とする発電素子。
- 前記筒体は、その内面に前記磁石体が転動するときの摩擦抵抗を軽減させるための凹凸が形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の発電素子。
- 前記筒体は、その一部に前記磁石体が転動するときの空気抵抗を軽減させるための空気抜き孔が形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の発電素子。
- 電磁誘導により誘起される電圧を用いて駆動体を駆動させる発電装置であって、請求項1乃至3の何れかに記載の発電素子と、この発電素子のコイル体に誘起される電圧を直流に変換する変換回路とを備えたことを特徴とする発電装置。
- 前記変換回路は、前記発電素子のコイル体に誘起された電圧を昇圧する昇圧トランスと、この昇圧トランスにより昇圧された電圧を直流に変換する整流回路と、この整流回路から出力された直流電圧を定電圧化する定電圧回路とを備えたものであることを特徴とする請求項4記載の発電装置。
- 前記変換回路は、前記定電圧回路から出力される直流電圧により充電されるバックアップ用コンデンサを備えたものであることを特徴とする請求項5記載の発電装置。
- 電磁誘導により誘起される電圧を用いて駆動される電子機器であって、請求項4乃至6の何れかに記載の発電装置と、この発電装置の定電圧回路から出力される直流電圧により駆動される駆動体とを備えたことを特徴とする電子機器。
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