JP2009117889A - 平面スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】面状の振動体を備えるスピーカにおいて重さを軽量にする。
【解決手段】コイル22の上方にコイル12が位置し、コイル12の上方にコイル26が位置する。各コイルは平面状で上方から見ると巻回方向は同じとなっている。コイル26に正相の音響信号、コイル22にはコイル26に供給される音響信号の逆相の信号、コイル12には、コイル26に供給される音響信号を全波整流した信号が供給される。正相の音響信号の振幅がプラスとなると、コイル26とコイル12が引き合って振動体10は有孔板20U側に変位し、正相の音響信号の振幅がマイナスとなると、コイル22とコイル12が引き合って振動体10は有孔板20L側に変位する。磁石を配置しなくとも振動体10を変位させて音を出すことができるため、スピーカを薄く且つ軽くすることができる。
【選択図】図3
【解決手段】コイル22の上方にコイル12が位置し、コイル12の上方にコイル26が位置する。各コイルは平面状で上方から見ると巻回方向は同じとなっている。コイル26に正相の音響信号、コイル22にはコイル26に供給される音響信号の逆相の信号、コイル12には、コイル26に供給される音響信号を全波整流した信号が供給される。正相の音響信号の振幅がプラスとなると、コイル26とコイル12が引き合って振動体10は有孔板20U側に変位し、正相の音響信号の振幅がマイナスとなると、コイル22とコイル12が引き合って振動体10は有孔板20L側に変位する。磁石を配置しなくとも振動体10を変位させて音を出すことができるため、スピーカを薄く且つ軽くすることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、平面スピーカに関する。
平面型のスピーカとしては、特許文献1に開示された平面スピーカがある。この平面スピーカは、振動膜と複数の永久磁石を有しており、振動膜の両面には渦巻き状に面状のコイルが複数配置されている。また、このコイルに対向するようにコイルから所定距離だけ離れて永久磁石が配置されており、コイルに電流が流されるとフレミングの左手の法則により、振動膜上においてコイルが配置されている面と垂直方向に力が働いて振動膜が変位する。そして、コイルに音響信号を供給すると、音響信号に応じてコイルに流れる電流が変化し、これに応じて振動膜に働く力も変化することとなり、振動膜が振動して音響信号に応じた音声がスピーカから発生する。
特許文献1に開示された平面スピーカにおいては、振動膜およびコイルが平面状であるため、磁石、ボイスコイルおよび振動板を備えたスピーカユニットをエンクロージャに配置した一般的なスピーカと比較してスピーカを薄くすることが可能となっている。しかしながら、特許文献1に開示された平面スピーカにおいては、振動膜を振動させるために磁石を必要としているため、この磁石の分だけ重量が重くなる。また、厚さの面においても、磁石をコイルに対向させる必要があり、この磁石や磁石を格納するスペースの分については厚みを薄くすることが難しい。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、面状の振動体を備えるスピーカにおいて、軽量なスピーカを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために本発明は、板状の部材であって面上に平面コイルを有する第1部材と、板状の部材であって面上に平面コイルを有し、前記第1部材に対向して離間配置された第2部材と、面状で可撓性を有し、平面コイルを面上に有して前記第1部材と前記第2部材との間に支持された振動体とを備え、前記第1部材の平面コイルと前記第2部材の平面コイルと前記振動体の平面コイルは、前記第1部材と前記振動体と前記第2部材とに直交して前記第1部材と前記振動体と前記第2部材を貫く直線方向から見て重なっており、前記第1部材は、該第1部材を貫通する孔を有し、前記第2部材は、該第2部材を貫通する孔を有することを有する平面スピーカを提供する。
本発明においては、前記第1部材と前記第2部材と前記振動体は、前記平面コイルを複数有していてもよい。
また、本発明においては、前記第1部材と前記第2部材は、前記孔を複数備え、該孔は規則的に配置されていてもよい。
また、本発明においては、前記振動体は、該振動体の周縁部に固着された断面が波形の部材で支持されていてもよい。
また、本発明においては、前記第1部材と前記第2部材は、前記孔を複数備え、該孔は規則的に配置されていてもよい。
また、本発明においては、前記振動体は、該振動体の周縁部に固着された断面が波形の部材で支持されていてもよい。
本発明によれば、面状の振動体を備え、軽量なスピーカを提供することができる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る平面スピーカ1の外観を模式的に示した図、図2は、平面スピーカ1の断面を模式的に示した図、図3は、平面スピーカ1の分解斜視図である。図に示したように平面スピーカ1は、振動体10、有孔板20U,20L、スペーサ30U,30Lとで構成されている。
なお、本実施形態においては、スペーサ30Uとスペーサ30Lの構成は同じであるため、両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。また、図中の振動体10、有孔板20U,20L、スペーサ30等の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かう矢印を意味するものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る平面スピーカ1の外観を模式的に示した図、図2は、平面スピーカ1の断面を模式的に示した図、図3は、平面スピーカ1の分解斜視図である。図に示したように平面スピーカ1は、振動体10、有孔板20U,20L、スペーサ30U,30Lとで構成されている。
なお、本実施形態においては、スペーサ30Uとスペーサ30Lの構成は同じであるため、両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。また、図中の振動体10、有孔板20U,20L、スペーサ30等の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かう矢印を意味するものとする。
(平面スピーカ1の各部の構成)
スペーサ30は、絶縁体で形成されており、その形状は図3に示したように矩形で環状となっている。なお、本実施形態においては、スペーサ30のX方向およびY方向の長さと、有孔板20U,20LのX方向およびY方向の長さは同じとなっている。また、スペーサ30Uとスペーサ30LのZ方向の高さは、いずれも同じとなっている。また、スペーサ30Lは、音響信号が入力される端子30LAと端子30LBとを有しており、スペーサ30Uは、音響信号が入力される端子30UA、端子30UB、端子30UCおよび端子30UDを有している。
スペーサ30は、絶縁体で形成されており、その形状は図3に示したように矩形で環状となっている。なお、本実施形態においては、スペーサ30のX方向およびY方向の長さと、有孔板20U,20LのX方向およびY方向の長さは同じとなっている。また、スペーサ30Uとスペーサ30LのZ方向の高さは、いずれも同じとなっている。また、スペーサ30Lは、音響信号が入力される端子30LAと端子30LBとを有しており、スペーサ30Uは、音響信号が入力される端子30UA、端子30UB、端子30UCおよび端子30UDを有している。
振動体10は、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)で形成された膜状のフィルム11表面にアルミニウムを蒸着させた後、エッチングによりフィルム11上にアルミニウムの配線を形成したものである。なお、本実施形態においては、フィルム11の厚さは12μm、蒸着されたアルミニウムの厚さは25μmとなっているが、PETやアルミニウムの厚さは、この厚さに限定されるものではなく他の厚さであってもよい。
フィルム11においては、フィルム11を貫通し導電性を有するスルーホール13−1〜13−2が設けられており、また、フィルム11の一方の面上には渦巻き状に配線パターンが形成されてスルーホールに接続されているコイル12が形成されている(以下、振動体10については、フィルム11においてコイル12が形成されている面を表面といい、コイル12が形成されていない側の面を裏面という)。なお、振動体10においてコイル12は、表面側から見ると時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されている。また、フィルム11上には、音響信号が入力される入力端14A,14Bが設けられており、この入力端14Aから14Bまでの間は、コイル12、スルーホール13−1〜13−2、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
具体的には、入力端14Aから延びている配線パターンは、時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されてコイル12を形成し、2周半したところでスルーホール13−1に到達する。スルーホール13−1は、フィルム11の裏面側に通じており、この裏面側においては、スルーホール13−1と隣のスルーホール13−2をつなぐパターンが形成されている。そして、スルーホール13−2は、フィルム11の表面側に通じており、フィルム11の表面側においては、スルーホール13−2と入力端14Bとの間は配線パターンによりつながっている。
有孔板20Lは、板状で矩形のガラスエポキシ基板表面に、エッチングにより銅箔の配線パターンを形成したものである。ガラスエポキシ基板21においては、ガラスエポキシ基板21を貫通し導電性を有するスルーホール23−1〜23−2が設けられており、ガラスエポキシ基板21の一方の面上には渦巻き状に配線パターンが形成されてスルーホールに接続されているコイル22が形成されている(以下、有孔板20Lについては、ガラスエポキシ基板21においてコイル22が形成されている面を表面といい、コイル22が形成されていない側の面を裏面という)。
なお、有孔板20Lにおいてコイル22は、表面側から見ると時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されており、また、コイル22の大きさは、振動体10のコイル12の大きさと同じとなっている。
また、ガラスエポキシ基板21上には、音響信号が入力される入力端24A,24Bが設けられており、この入力端24Aから24Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル22、スルーホール23−1〜23−2、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
また、有孔板20Lは、孔25を有している。孔25は、ガラスエポキシ基板21を貫通する孔であってガラスエポキシ基板21の中央部分に形成されている。このように、有孔板20Lは、孔25を備えて空気の通過が可能となっているため、音響透過性が確保されている。
また、ガラスエポキシ基板21上には、音響信号が入力される入力端24A,24Bが設けられており、この入力端24Aから24Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル22、スルーホール23−1〜23−2、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
また、有孔板20Lは、孔25を有している。孔25は、ガラスエポキシ基板21を貫通する孔であってガラスエポキシ基板21の中央部分に形成されている。このように、有孔板20Lは、孔25を備えて空気の通過が可能となっているため、音響透過性が確保されている。
有孔板20Uは、有孔板20Lと同様に板状で矩形のガラスエポキシ基板表面に、エッチングにより銅箔の配線パターンを形成したものである。ガラスエポキシ基板21においては、ガラスエポキシ基板21を貫通し導電性を有するスルーホール27−1〜27−2が設けられており、ガラスエポキシ基板21の一方の面上には渦巻き状に配線パターンが形成されてスルーホールに接続されているコイル26が形成されている(以下、有孔板20Uについては、ガラスエポキシ基板21においてコイル26が形成されている面を裏面といい、コイル26が形成されていない側の面を表面という)。
なお、有孔板20Uにおいて、コイル26は、裏面側から見ると反時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されており、また、コイル26の大きさは、振動体10のコイル12の大きさと同じとなっている。
また、ガラスエポキシ基板21上には、有孔板20Lと同様に音響信号が入力される入力端28A,28Bが設けられており、この入力端28Aから28Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル26、スルーホール27−1〜27−2、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
また、有孔板20Uもは、有孔板20Lと同様の孔25を有している。
また、ガラスエポキシ基板21上には、有孔板20Lと同様に音響信号が入力される入力端28A,28Bが設けられており、この入力端28Aから28Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル26、スルーホール27−1〜27−2、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
また、有孔板20Uもは、有孔板20Lと同様の孔25を有している。
(平面スピーカ1の組み立て方法)
まず、表面を上に向けた状態で置かれた有孔板20Lの上にスペーサ30Lが載せられ、有孔板20Lの周縁部にスペーサ30Lが固着される。ここで、有孔板20Lの入力端24Aは、リード線(図示略)を介して端子30LAに接続され、入力端24Bは、リード線(図示略)を介して端子30LBに接続される。
まず、表面を上に向けた状態で置かれた有孔板20Lの上にスペーサ30Lが載せられ、有孔板20Lの周縁部にスペーサ30Lが固着される。ここで、有孔板20Lの入力端24Aは、リード線(図示略)を介して端子30LAに接続され、入力端24Bは、リード線(図示略)を介して端子30LBに接続される。
次に、表面を上にした振動体10がスペーサ30Lの上に載せられ、振動体10に張力を掛けた状態で振動体10の周縁部がスペーサ30Lに固着される。なお、スペーサ30Lに振動体10を固着すると、有孔板20Lのコイル22の上方には振動体10のコイル12が位置する。
この後、振動体10の周縁部の上にスペーサ30Uが載せられ、スペーサ30Uが振動体10に固着される。ここで、振動体10の入力端14Aは、リード線(図示略)を介して端子30UAに接続され、入力端14Bは、リード線(図示略)を介して端子30UBに接続される。
また、有孔板20Uの入力端28Aは、リード線(図示略)を介して端子30UCに接続され、入力端28Bは、リード線(図示略)を介して端子30UDに接続される。そして、裏面(コイル26が形成されている面)を下に向けて有孔板20Uがスペーサ30Uに載せられ、有孔板20Uの周縁部がスペーサ30Uに固着される。ここで、スペーサ30Uに有孔板20Uを固着すると、振動体10のコイル12に有孔板20Uのコイル26が対向する。
本実施形態においては、このように、有孔板20Lの上に振動体10が位置し、振動体10の上に有孔板20Uが位置することにより、コイル22の上方にコイル12が位置する。有孔板20Lの表面と振動体10の表面は、共に上方(同じ方向)に向けられるため、平面スピーカ1を上方から見ると、コイル12の巻回方向とコイル22の巻回方向は共に時計回りで同じ方向となる。
また、有孔板20Uは、コイル26を備える裏面側を下方(振動体10方向)に向けてスペーサ30Uに固着され、コイル26は、振動体10のコイル12に対向する。そして、有孔板20Uは、裏面側を振動体10に向けてスペーサ30Uに固着されるため、平面スピーカ1を上方側(有孔板20Uの表面側)から見ると、コイル26の巻回方向は時計回りとなり、振動体10のコイル12の巻回方向と同じとなる。
また、有孔板20Uは、コイル26を備える裏面側を下方(振動体10方向)に向けてスペーサ30Uに固着され、コイル26は、振動体10のコイル12に対向する。そして、有孔板20Uは、裏面側を振動体10に向けてスペーサ30Uに固着されるため、平面スピーカ1を上方側(有孔板20Uの表面側)から見ると、コイル26の巻回方向は時計回りとなり、振動体10のコイル12の巻回方向と同じとなる。
(平面スピーカ1の動作)
次に、平面スピーカ1の動作について説明する。図4(a)は、端子30UC,30UDを介してコイル26に供給される信号を例示した図、図4(b)は、端子30UA,30UBを介してコイル12に供給される信号を例示した図、図4(c)は、端子30LA,30LBを介してコイル22に供給される信号を例示した図である。ここで、図4(a)の信号は、正相の音響信号であり、図4(b)の信号は、図4(a)の信号を全波整流して得られた信号である。また、図4(c)の信号は、図4(a)の信号の逆相の信号である。
次に、平面スピーカ1の動作について説明する。図4(a)は、端子30UC,30UDを介してコイル26に供給される信号を例示した図、図4(b)は、端子30UA,30UBを介してコイル12に供給される信号を例示した図、図4(c)は、端子30LA,30LBを介してコイル22に供給される信号を例示した図である。ここで、図4(a)の信号は、正相の音響信号であり、図4(b)の信号は、図4(a)の信号を全波整流して得られた信号である。また、図4(c)の信号は、図4(a)の信号の逆相の信号である。
図4(a)〜図4(c)に示した信号が平面スピーカ1に供給された場合、まず、振幅が0の時点においては、コイル12、コイル22およびコイル26のいずれにも電流が流れないため、各コイルの周囲には磁界が発生しない。
次に、コイル26に供給される正相の音響信号の振幅がプラスとなると、コイル22においては、コイル26に供給される音響信号の逆相の信号が供給されるため、供給される信号の振幅がマイナスとなる。また、コイル12においては、コイル26に供給される音響信号を全波整流した信号が供給されるため、供給される信号の振幅がプラスとなる。
図5は、図4(a)の信号の振幅がプラスになった時における平面スピーカ1の作用を説明するための図である。なお、同図においては、コイルの配線の断面中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かって電流が流れていることを意味し、コイル断面中に「×」が記載されたものは図面の表から裏に向かって電流が流れていることを意味するものとする。また、図中の二点鎖線上の矢印は、磁界の方向を表している。
正相の音響信号において振幅がプラスとなると、有孔板20Uにおいては、入力端28Aから入力端28Bの方向へ電流が流れ、コイル26においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図5において二点鎖線で示したように、コイルの周囲においては右ネジの法則に従って同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10においては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図5において二点鎖線で示したように、コイル12の周囲においてもコイル26と同じ方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20Lにおいては、有孔板20Uに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Bから入力端24Aの方向へ電流が流れ、コイル22においては、コイルの内側端から外側端に向けて電流が流れる。すると、図5において二点鎖線で示したように、コイル22の周囲においては、コイル26と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10においては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図5において二点鎖線で示したように、コイル12の周囲においてもコイル26と同じ方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20Lにおいては、有孔板20Uに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Bから入力端24Aの方向へ電流が流れ、コイル22においては、コイルの内側端から外側端に向けて電流が流れる。すると、図5において二点鎖線で示したように、コイル22の周囲においては、コイル26と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
図5に示したように、コイル26の周囲とコイル12の周囲においては同じ方向の磁界が発生するため、コイル26とコイル12は引き合うこととなる。ここで、コイル26はガラスエポキシ基板21上にあって固定されているため、膜状で可撓性のある振動体10が上方向(図中の矢印A方向)へ変位させられる。一方、コイル12の周囲に生じた磁界とコイル22周囲に生じた磁界を見ると、コイル周囲に生じる磁界の方向が互いに反対となるため、コイル22とコイル12は反発することとなる。ここでも、コイル22はガラスエポキシ基板21上にあって固定されているため、膜状で可撓性のある振動体10が上方向(矢印A方向)へ変位させられる。
次に、正相の音響信号において振幅がマイナスとなると、有孔板20Uにおいては、入力端28Bから入力端28Aの方向へ電流が流れ、コイル26においては、コイルの内側端から外側端に向けて電流が流れる。すると、図6において二点鎖線で示したように、コイルの周囲においては右ネジの法則に従って同心円状に磁界が発生する。なお、図6においても図中の二点鎖線上の矢印は、磁界の方向を表している。
また、振動体10においては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図6において二点鎖線で示したように、コイル12の周囲においては、コイル26と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20Lにおいては、有孔板20Uに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Aから入力端24Bの方向へ電流が流れ、コイル22においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図6において二点鎖線で示したように、コイル22の周囲においては、コイル26と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10においては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図6において二点鎖線で示したように、コイル12の周囲においては、コイル26と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20Lにおいては、有孔板20Uに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Aから入力端24Bの方向へ電流が流れ、コイル22においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、図6において二点鎖線で示したように、コイル22の周囲においては、コイル26と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
図6に示したように、コイル22の周囲とコイル12の周囲においては同じ方向の磁界が発生するため、コイル22とコイル12は引き合うこととなる。ここでコイル22は固定されているため、膜状で可撓性のある振動体10が下方向(図中の矢印B方向)へ変位させられる。一方、コイル12の周囲に生じた磁界とコイル26の周囲に生じた磁界を見ると、コイル周囲に生じる磁界の方向が反対となるため、コイル26とコイル12は反発することとなる。ここでも、コイル26は固定されているため、振動体10が下方向へ変位させられる。
このように本実施形態に係る平面スピーカ1においては、音響信号の振幅の正負に応じてコイル周囲に発生する磁界の方向が変化し、各コイルの磁界の方向に応じて振動体10が上下に変位する。なお、各コイル周囲に生じる磁界の強さは、各コイルに流れる電流の大きさによって変化し、磁界の強さに応じて振動体10の変位量も変化する。振動体10の変位方向と変位量は、音響信号の振幅に対応したものとなるため、振動体10は音響信号の振幅に応じて振動し、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。そして、発生した音は、有孔板20Uと有孔板20Lを通り抜けて平面スピーカ1の外部に放射される。
本実施形態によれば、平面状のコイルに信号を供給すると、振動体10を振動させて音を出すことができる。つまり、特許文献1に開示されたスピーカのような磁石を備えなくとも音を出すことができるため、コイルに対向する磁石を有さない分、スピーカの厚みを抑えることが可能となり、また磁石を有していない分、スピーカの重さを抑えることが可能となる。
また、特許文献1に開示されたスピーカにおいては、音を出すための振動面が外部に露出しているため、人や物が触れて破損しやすいが、本実施形態においては、振動体10は、平面スピーカ1の内部に位置しているため、人や物が触れても振動体10を破損する虞が少ない。
また、特許文献1に開示されたスピーカにおいては、音を出すための振動面が外部に露出しているため、人や物が触れて破損しやすいが、本実施形態においては、振動体10は、平面スピーカ1の内部に位置しているため、人や物が触れても振動体10を破損する虞が少ない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る平面スピーカ1Aについて説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る平面スピーカ1Aの外観を模式的に示した図、図8は、平面スピーカ1Aの断面を模式的に示した図、図9は、平面スピーカ1Aの分解斜視図である。なお、以下の説明においては、平面スピーカ1Aにおいて第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係る平面スピーカ1Aについて説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る平面スピーカ1Aの外観を模式的に示した図、図8は、平面スピーカ1Aの断面を模式的に示した図、図9は、平面スピーカ1Aの分解斜視図である。なお、以下の説明においては、平面スピーカ1Aにおいて第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
振動体10Aは、膜状のPETのフィルム11表面にアルミニウムの配線を形成したものである。図10は、振動体10Aにおけるアルミニウムの配線パターンを模式的に示した図である。フィルム11においては、フィルム11を貫通し導電性を有するスルーホール13−1〜13−8が設けられており、また、フィルム11の一方の面上には渦巻き状に配線パターンが形成されて2行2列のコイル12−1〜12−4が形成されている(以下、振動体10Aについては、フィルム11においてコイル12−1〜12−4が形成されている面を表面といい、コイル12−1〜12−4が形成されていない側の面を裏面という)。なお、振動体10Aにおいてコイル12−1〜12−4は、表面側から見ると時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されている。また、入力端14Aから14Bまでの間は、コイル12−1〜12−4、スルーホール13−1〜13−8、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、スルーホールとコイル、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
具体的には、入力端14Aから延びている配線パターンは、時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されてコイル12−1を形成し、2周半したところでスルーホール13−1に到達する。スルーホール13−1は、フィルム11の裏面側に通じており、この裏面側においては、スルーホール13−1と隣のスルーホール13−2をつなぐ配線パターン15が形成されている。スルーホール13−2は、コイル12−1の隣のコイル12−2の外側端に繋がっており、コイル12−1とコイル12−2は、スルーホール13−1、スルーホール13−2、スルーホール13−1とスルーホール13−2とをつなぐ配線パターン15により繋がっている。
同様に、他のコイルについても、コイル同士は表面の配線パターンやスルーホールと裏面側の配線パターン15などを介してつながっている。そして、コイル12−4の内側端部は、スルーホール13−7と裏面の配線パターンを介してスルーホール13−8に繋がっており、スルーホール13−8は入力端14Bに繋がっているため、入力端14Aから入力端14Bまでの間は一筆書き状に繋がっている。
同様に、他のコイルについても、コイル同士は表面の配線パターンやスルーホールと裏面側の配線パターン15などを介してつながっている。そして、コイル12−4の内側端部は、スルーホール13−7と裏面の配線パターンを介してスルーホール13−8に繋がっており、スルーホール13−8は入力端14Bに繋がっているため、入力端14Aから入力端14Bまでの間は一筆書き状に繋がっている。
有孔板20LAは、板状で矩形のガラスエポキシ基板表面に、エッチングにより銅箔の配線パターンを形成したものである。ガラスエポキシ基板21においては、ガラスエポキシ基板21を貫通し導電性を有するスルーホール23−1〜23−8が設けられており、ガラスエポキシ基板21の一方の面上には渦巻き状に配線パターンが形成されて2行2列のコイル22−1〜22−4が形成されている(以下、有孔板20LAについては、ガラスエポキシ基板21においてコイル22−1〜22−4が形成されている面を表面といい、コイル22−1〜22−4が形成されていない側の面を裏面という)。
なお、有孔板20LAにおいてコイル22−1〜22−4は、表面側から見ると時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されており、また、コイル22−1〜22−4の大きさは、振動体10のコイル12−1〜12−4の大きさと同じとなっている。
また、入力端24Aから24Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル22−1〜22−4、スルーホール23−1〜23−8、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、スルーホールとコイル、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
また、入力端24Aから24Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル22−1〜22−4、スルーホール23−1〜23−8、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、スルーホールとコイル、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
有孔板20UAは、有孔板20LAと同様に板状で矩形のガラスエポキシ基板表面に、エッチングにより銅箔の配線パターンを形成したものである。図11は、有孔板20UAにおける銅箔の配線パターンを模式的に示した図である。ガラスエポキシ基板21においては、ガラスエポキシ基板21を貫通し導電性を有するスルーホール27−1〜27−8が設けられており、ガラスエポキシ基板21の一方の面上には渦巻き状に配線パターンが形成されて2行2列にコイル26−1〜26−4が形成されている(以下、有孔板20Uについては、ガラスエポキシ基板21においてコイル26−1〜26−4が形成されている面を裏面といい、コイル26−1〜26−4が形成されていない側の面を表面という)。
なお、有孔板20UAにおいて、コイル26−1〜26−4は、裏面側から見ると反時計回りで外側から内側へ渦巻き状に形成されており、また、コイル26−1〜26−4の大きさは、振動体10のコイル12−1〜12−4の大きさと同じとなっている。
また、入力端28Aから28Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル26−1〜26−4、スルーホール27−1〜27−8、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、スルーホールとコイル、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
また、入力端28Aから28Bまでの間は、振動体10の配線パターンと同様に、コイル26−1〜26−4、スルーホール27−1〜27−8、表面と裏面とに形成されて、スルーホール間、スルーホールとコイル、コイルと入力端、スルーホールと入力端などを接続する配線パターン15を介して一筆書き状に繋がっている。
(平面スピーカ1Aの組み立て方法)
まず、表面を上に向けた状態で置かれた有孔板20LAの上にスペーサ30Lが載せられ、有孔板20LAの周縁部にスペーサ30Lが固着される。ここで、有孔板20LAの入力端24Aは、リード線(図示略)を介して端子30LAに接続され、入力端24Bは、リード線(図示略)を介して端子30LBに接続される。
まず、表面を上に向けた状態で置かれた有孔板20LAの上にスペーサ30Lが載せられ、有孔板20LAの周縁部にスペーサ30Lが固着される。ここで、有孔板20LAの入力端24Aは、リード線(図示略)を介して端子30LAに接続され、入力端24Bは、リード線(図示略)を介して端子30LBに接続される。
次に、表面を上にした振動体10Aがスペーサ30Lの上に載せられ、振動体10Aに張力を掛けた状態で振動体10Aの周縁部がスペーサ30Lに固着される。なお、スペーサ30Lに振動体10Aを固着すると、有孔板20LAのコイル22−1の上方には振動体10のコイル12−1が位置し、コイル22−2の上方にはコイル12−2が位置し、コイル22−3の上方にはコイル12−3が位置し、コイル22−4の上方にはコイル12−4が位置する。
この後、振動体10Aの周縁部の上にスペーサ30Uが載せられ、スペーサ30Uが振動体10Aに固着される。ここで、振動体10Aの入力端14Aは、リード線(図示略)を介して端子30UAに接続され、入力端14Bは、リード線(図示略)を介して端子30UBに接続される。
また、有孔板20UAの入力端28Aは、リード線(図示略)を介して端子30UCに接続され、入力端28Bは、リード線(図示略)を介して端子30UDに接続される。そして、裏面(コイル26−1〜26−4が形成されている面)を下に向けて有孔板20UAがスペーサ30Uに載せられ、有孔板20UAの周縁部がスペーサ30Uに固着される。ここで、スペーサ30Uに有孔板20UAを固着すると、振動体10Aのコイル12−1に有孔板20Uのコイル26−1が対向し、コイル12−2にのコイル26−2が対向し、コイル12−3にコイル26−3が対向し、コイル12−4にコイル26−4が対向する。
本実施形態においては、このように、有孔板20LAの上に振動体10Aが位置し、振動体10Aの上に有孔板20UAが位置することにより、コイル22−1〜22−4の上方にコイル12−1〜12−4が位置する。有孔板20LAの表面と振動体10Aの表面は、共に上方(同じ方向)に向けられるため、平面スピーカ1Aを上方から見ると、コイル12−1〜12−4の巻回方向とコイル22−1〜22−4の巻回方向は共に時計回りで同じ方向となる。
また、有孔板20UAは、コイル26−1〜26−4を備える裏面側を下方(振動体10方向)に向けてスペーサ30Uに固着され、コイル26−1〜26−4は、振動体10Aのコイル12−1〜12−4に対向する。そして、有孔板20UAは、裏面側を振動体10Aに向けてスペーサ30Uに固着されるため、平面スピーカ1Aを上方側(有孔板20UAの表面側)から見ると、コイル26−1〜26−4の巻回方向は時計回りとなり、振動体10Aのコイル12−1〜12−4の巻回方向と同じとなる。
また、有孔板20UAは、コイル26−1〜26−4を備える裏面側を下方(振動体10方向)に向けてスペーサ30Uに固着され、コイル26−1〜26−4は、振動体10Aのコイル12−1〜12−4に対向する。そして、有孔板20UAは、裏面側を振動体10Aに向けてスペーサ30Uに固着されるため、平面スピーカ1Aを上方側(有孔板20UAの表面側)から見ると、コイル26−1〜26−4の巻回方向は時計回りとなり、振動体10Aのコイル12−1〜12−4の巻回方向と同じとなる。
(平面スピーカ1Aの動作)
次に、平面スピーカ1Aの動作について説明する。なお、以下の説明においても図4(a)に示した信号が端子30UC,30UDに供給され、図4(b)に示した信号が端子30UA,30UBに供給され、図4(c)に示した信号が端子30LA,30LBに供給された場合を例にして作用の説明を行う。
次に、平面スピーカ1Aの動作について説明する。なお、以下の説明においても図4(a)に示した信号が端子30UC,30UDに供給され、図4(b)に示した信号が端子30UA,30UBに供給され、図4(c)に示した信号が端子30LA,30LBに供給された場合を例にして作用の説明を行う。
図4(a)〜図4(c)に示した信号が平面スピーカ1Aに供給された場合、まず、振幅が0の時点においては、コイル12−1〜12−4、コイル22−1〜22−4およびコイル26−1〜26−4のいずれにも電流が流れないため、各コイルの周囲には磁界が発生しない。
次に、正相の音響信号(図4(a))において振幅がプラスとなると、有孔板20UAにおいては、入力端28Aから入力端28Bの方向へ電流が流れ、コイル26−1〜26−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイルの周囲においては右ネジの法則に従って同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10Aにおいては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12−1〜12−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイル12−1〜12−4の周囲においてもコイル26−1〜26−4と同じ方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20LAにおいては、有孔板20UAに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Bから入力端24Aの方向へ電流が流れ、コイル22−1〜22−4においては、コイルの内側端から外側端に向けて電流が流れる。すると、コイル22−1〜22−4の周囲においては、コイル26−1〜26−4と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10Aにおいては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12−1〜12−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイル12−1〜12−4の周囲においてもコイル26−1〜26−4と同じ方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20LAにおいては、有孔板20UAに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Bから入力端24Aの方向へ電流が流れ、コイル22−1〜22−4においては、コイルの内側端から外側端に向けて電流が流れる。すると、コイル22−1〜22−4の周囲においては、コイル26−1〜26−4と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
このようにコイル26−1〜26−4の周囲とコイル12−1〜12−4の周囲においては同じ方向の磁界が発生するため、コイル26−1〜26−4とコイル12−1〜12−4は引き合うこととなり、振動体10が上方向へ変位させられる。一方、コイル12−1〜12−4の周囲に生じた磁界とコイル22−1〜22−4周囲に生じた磁界を見ると、コイル周囲に生じる磁界の方向が互いに反対となるため、コイル22−1〜22−4とコイル12−1〜12−4は反発することとなり、ここでも振動体10は上方向へ変位させられる。
次に、正相の音響信号において振幅がマイナスとなると、有孔板20UAにおいては、入力端28Bから入力端28Aの方向へ電流が流れ、コイル26−1〜26−4においては、コイルの内側端から外側端に向けて電流が流れる。すると、コイルの周囲においては右ネジの法則に従って同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10Aにおいては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12−1〜12−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイル12−1〜12−4の周囲においては、コイル26−1〜26−4と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20LAにおいては、有孔板20UAに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Aから入力端24Bの方向へ電流が流れ、コイル22−1〜22−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイル22−1〜22−4の周囲においては、コイル26−1〜26−4と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
また、振動体10Aにおいては、入力端14Aから入力端14Bの方向へ電流が流れ、コイル12−1〜12−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイル12−1〜12−4の周囲においては、コイル26−1〜26−4と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
一方、有孔板20LAにおいては、有孔板20UAに流れる信号とは逆相の信号が供給されるため、入力端24Aから入力端24Bの方向へ電流が流れ、コイル22−1〜22−4においては、コイルの外側端から内側端に向けて電流が流れる。すると、コイル22−1〜22−4の周囲においては、コイル26−1〜26−4と反対方向で同心円状に磁界が発生する。
このように、コイル22−1〜22−4の周囲とコイル12−1〜12−4の周囲において同じ方向の磁界が発生すると、コイル22−1〜22−4とコイル12−1〜12−4は引き合うこととなり、振動体10を下方向へ変位させられる。一方、コイル12−1〜12−4の周囲に生じた磁界とコイル26−1〜26−4周囲に生じた磁界を見ると、コイル周囲に生じる磁界の方向が反対となるため、コイル26−1〜26−4とコイル12−1〜12−4は反発することとなり、ここでも振動体10Aは下方向へ変位させられる。
このように本実施形態に係る平面スピーカ1Aにおいても、音響信号の振幅の正負に応じてコイル周囲に発生する磁界の方向が変化し、各コイルの磁界の方向に応じて振動体10が上下に変位する。そして、各コイル周囲に生じる磁界の強さは、各コイルに流れる電流の大きさによって変化し、磁界の強さに応じて振動体10Aの変位量も変化する。振動体10Aの変位方向と変位量は、音響信号の振幅に対応したものとなるため、振動体10Aは音響信号の振幅に応じて振動し、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10Aから発生する。そして、発生した音は、有孔板20UAと有孔板20LAを通り抜けて平面スピーカ1Aの外部に放射される。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
上述した第2実施形態では、振動体10A、有孔板20UA,20LAにおけるコイルの数は4個となっているが、各部材に配置されるコイルの数は、4個に限定されるものではなく、3個以下でも5個以上でもよい。なお、コイルの数が複数の場合には、コイルの配置は規則的であるのが好ましい。このように規則的にコイルを配置すると、振動体10に作用する力を均一に近づけることが可能となり、また、複数配置することで振動体10に作用する力を大きくすることができる。
上述した実施形態においては、有孔板20U,20UA,20L,20LAはガラスエポキシ基板上に配線パターンが設けられているが、ガラス基板など、ガラスエポキシ基板以外の基板に配線パターンを設けて有孔板としてもよく、また、板状にしたポリイミドなどの樹脂材上に配線パターンを設けて有孔板としてもよい。また、例えば鉄などの板状の強磁性の部材の表面に絶縁層を設け、この絶縁層の上に配線パターンを形成して有孔板としてもよい。
また、有孔板20U,20Lにおいては、図に示した孔25より径の小さい孔を配線パターンを避けて規則的に複数設けるようにしてもよい。
また、有孔板20U,20Lにおいては、図に示した孔25より径の小さい孔を配線パターンを避けて規則的に複数設けるようにしてもよい。
上述した実施形態においては、コイルの外形は所定の大きさに限定されるものではなく、任意にその大きさを選択することができる。また、配線パターンの厚さ、スペーサ30の厚さについても任意に選択することができる。また、コイルの形状は方形に限定されるものではなく、円形や楕円形であってもよい。
上述した実施形態においては、振動体10,10Aは、張力を掛けられた状態でスペーサ30Uとスペーサ30Lとの挟まれて支持されているが、枠状で断面が波形の所謂コルゲート材を振動体10,10Aの周縁部に固着させ、このコルゲート材をスペーサ30Uとスペーサ30Lで挟んで支持することにより、振動体10,10Aがコルゲート部材で支持されるようにしてもよい。このような構成においては、振動体10,10Aがコイル周囲に発生した磁界により上方向または下方向への力を受けると、コルゲート部材が変形し振動体10,10Aが上方向または下方向へ変位する。
上述した実施形態においては、コイル12−1〜12−4は、フィルム11の一方の面側に形成されているが、例えば、コイル12−1とコイル12−4を表面側、コイル12−2とコイル12−3を裏面側というようにフィルム11の両面にコイルを配置するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、平面スピーカ1を上方から見ると、コイル12、コイル22、コイル26の巻回方向は同じとなっているが、コイルの巻回方向は、この方向に限定されるものではない。
例えば、平面スピーカ1を上方から見たときに、各コイルの巻回方向が反時計回りであってもよい。なお、この場合においても、有孔板20Uと有孔板20Lとでは、一方の有孔板に正相の音響信号が入力され、もう一方の有孔板に逆相の音響信号が入力される。
例えば、平面スピーカ1を上方から見たときに、各コイルの巻回方向が反時計回りであってもよい。なお、この場合においても、有孔板20Uと有孔板20Lとでは、一方の有孔板に正相の音響信号が入力され、もう一方の有孔板に逆相の音響信号が入力される。
また、平面スピーカ1を上方から見たときに、コイル26、コイル12は時計回りに巻回され、コイル22は反時計回りに巻回されていてもよい。
この場合、コイル22において、コイル26と同様に正相の音響信号が供給されると、音響信号の振幅がプラスであると図5に示したように磁界が働いて振動体10が矢印A方向へ変位し、音響信号の振幅がマイナスであると図6に示したように磁界が働いて振動体10が矢印B方向へ変位する。
要は、音響信号の振幅がプラスになった時には、振動体10が有孔板20U側へ変位し、音響信号の振幅がマイナスになった時には、振動体10が有孔板20L側へ変位するように、コイルの巻回方向とコイルに供給される音響信号が設定されていればよい。
この場合、コイル22において、コイル26と同様に正相の音響信号が供給されると、音響信号の振幅がプラスであると図5に示したように磁界が働いて振動体10が矢印A方向へ変位し、音響信号の振幅がマイナスであると図6に示したように磁界が働いて振動体10が矢印B方向へ変位する。
要は、音響信号の振幅がプラスになった時には、振動体10が有孔板20U側へ変位し、音響信号の振幅がマイナスになった時には、振動体10が有孔板20L側へ変位するように、コイルの巻回方向とコイルに供給される音響信号が設定されていればよい。
1,1A・・・平面スピーカ、10・・・振動体、11・・・フィルム、12,12−1〜12−4・・・コイル、13,13−1〜13−8・・・スルーホール、14A,14B・・・入力端、15・・・配線パターン、20U,20L・・・有孔板、21・・・ガラスエポキシ基板、22,22−1〜22−4・・・コイル、23,23−1〜23−8・・・スルーホール、24A,24B・・・入力端、25・・・孔、26,26−1〜26−4・・・コイル、27,27−1〜27−8・・・スルーホール、28A,28B・・・入力端、30U・・・スペーサ、30UA,30UB,30UC,30UD・・・端子、30L・・・スペーサ、30LA,30LB・・・端子
Claims (4)
- 板状の部材であって面上に平面コイルを有する第1部材と、
板状の部材であって面上に平面コイルを有し、前記第1部材に対向して離間配置された第2部材と、
面状で可撓性を有し、平面コイルを面上に有して前記第1部材と前記第2部材との間に支持された振動体と
を備え、
前記第1部材の平面コイルと前記第2部材の平面コイルと前記振動体の平面コイルは、前記第1部材と前記振動体と前記第2部材とに直交して前記第1部材と前記振動体と前記第2部材を貫く直線方向から見て重なっており、
前記第1部材は、該第1部材を貫通する孔を有し、前記第2部材は、該第2部材を貫通する孔を有すること
を有する平面スピーカ。 - 前記第1部材と前記第2部材と前記振動体は、前記平面コイルを複数有することを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
- 前記第1部材と前記第2部材は、前記孔を複数備え、該孔は規則的に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の平面スピーカ。
- 前記振動体は、該振動体の周縁部に固着された断面が波形の部材で支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の平面スピーカ。
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