JP2009117787A - 多数ミラーによる太陽光採光・集光・送光・照射システム及びその構成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 高層建物の北側や密集住宅地では、太陽光を必要とする冬期に殊にその恩恵を受けられない。逆にあり余る太陽光に曝される東南アジア、アフリカ諸国では太陽光は活用されず貧困である場合が多い。
必要な所に太陽光を長時間もたらし、又は集光して活用する技術が求められる。具体的には太陽の季節的・時間的な位置の変化に対応すると共に集光・送光する技術の開発である。
【解決手段】 メインミラーと多数の方位計付きミラーを対応乃至組合せることにより太陽光を採光・集光し、それを送光パイプにより任意の場所等へ送光し、照射装置によって対象物を照射する。これは光そのものとして活用するが、熱も視野に入れることができる。この事を実現するためのシステム及びその構成装置が本発明である。本発明の実施により関連産業の発展と社会への貢献が見込まれる。
【選択図】なし

Description

本発明は自然界のエネルギー（太陽光）の利用に関する。

従来より、太陽光の採光・照射については様々な試みがなされている。
それらは
（１）２〜３個のミラーの組合せにより所定の場所へ送光し、照射するもの
（２）太陽追尾装置により採光し、光ファイバーを使って所定の場所へ送光し照射するもの
等である。（１）の場合、太陽の位置の変化に対して限定的な対応しかできない。
（２）の場合、コスト高により高価であり、且つ送光される光量が少なく、弱い照射である。そのため、現状では一般的な普及の対象とはなっていない。

高層建物の北側、密集した住宅地、木造家屋の地下室等は太陽光を必要とする冬期に殊に恩恵を受けることができない。逆に、あり余る太陽光に曝される東南アジア、中東、アフリカ諸国では太陽光が活用されておらず、貧困である場合が多い。

太陽光を活用するためには
（１）時々刻々に変化する太陽光の方位に如何に対応して持続して採光・集光するか、
（２）採光・集光した太陽光を如何に効率的に、且つ自在に送光するか、
（３）そして如何に照射等に利用するか、
である。

年単位では、春夏秋冬に伴う太陽の南北の位置の移動、日単位では東から西への位置移動に如何に対応して採光・集光を行うか。

基本的には、鏡面の反射光の特性を全面的に活用する。
（１）ガラスの（鏡の）鏡面は太陽光を散乱光から鏡面の方向（方位）に応じた方向（方位）を持った光に変化させる。これを便宜上、鏡面反射光と名付ける。

（２）一つの鏡面は、多数の方向（方位）からの鏡面反射光をそれらの方向（方位）に応じて、同時に且つそれぞれの照度を弱めることなく反射する。

（３）光は鏡面に垂直に立つ法線に関し、入射角と等しい角度で反射する（反射の法則）。そしてこの法線は、鏡面が方向（方位）を持つことから、鏡面に応じた方位を持つ。方位を持つ法線という意味で便宜上「ベクトル法線」と名付ける。

（４）鏡面反射光は全て方位を持つ。

（５）ガラスの鏡面は集光的性質が強く、１００％近い反射を行う。

（６）鏡面反射光は送光距離による照度の劣化が少ない。

（７）鏡面反射光は鏡面の方位を変えることにより自在にその方位を変えることができる。

（８）送光パイプの内側を構成する鏡面は１００％近い反射を繰り返して送光を行う。

本発明は、メインミラーと［請求項５］に記載する方位計付きミラーの多くを組み合わせることにより採光・集光を行う。

採光・集光された太陽光を［請求項３］に記載する送光装置により所定の場所等へ送光する。

［請求項４］に記載した照射装置により、対象とする場所等への照射を行う。

（１）メインミラーに多数の方位計付きミラーを対応（組み合わせる）させることにより、太陽の季節的、時刻的位置の変化にかかわらず、採光・集光が可能になる。これはあたかも、大型帆船が多数の帆によって如何なる風向においても目指す方向へ航行することができる如くである。

（２）採光・集光された太陽光は、その照度を劣化させることなく所定の場所等へ到達することができる。

（３）送光された太陽光は各種の照射装置等により対象とする場所を照射する。

かくして、従来の陽の当たらない場所にも太陽光が燦々と差し込むことになる。又、太陽光のあり余るアジア、アフリカ諸国に於いても太陽光を活用できる装置の開発を待って豊かな国造りが可能となる。

発明の実施の最良の形態

以下、本発明の実施形態を図１〜図８に基づいて説明する。

本発明は図２〜図４の採光・集光装置、送光パイプ及び照射装置を図１の様に配置して太陽光を利用するシステムである。建物の屋上等の採光可能な場所に図２の採光・集光装置を設置し図３の送光パイプにより任意の場所等に送光し、図４の照射装置で対象物（部屋）等を照射する。

図２の採光・集光装置は、後方中央にメインミラーを配置し、その周囲と該装置の側壁面及び底面に方位計付きミラーを配置して、各ミラーを相互に対応、関連づけることによって採光・集光する。この場合、太陽光は送光口に集光される。

図３の送光パイプは、内側の全面をガラス素材の鏡とするもので完全反射が得られるため、照度の減衰を最小に抑えながら遠方まで送光することができる。送光パイプの屈折点は図３のように、光の方向変換ミラーを配置する。

図４の照射装置で、送光パイプにより送り込まれる光を照射する。この照射装置は対象物等の種類、内容等に応じ様々な形態が考えられる。

採光、集光、送光、照射のシステムを示す図 （Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は採光・集光装置の外観図 送光パイプの構成を示す図 照射装置の例示図 鏡面光の特性を利用する採光・集光装置の原理を示している。 送光の原理を示す図 方位計付きミラーの構成図である。これにより、鏡面光を自在に相互に対応、組合せ、集光する。 方位計付きミラーを取り付けるための壁面網と取付方法である。

Claims (5)

1. 本発明は、第２〜第５項記載の各装置を使用して太陽光を採光・集光・送光して長時間に亘り任意の場所等を照射できるシステムである。
2. 主たるミラー（以下メインミラーという）に第５項記載の方位計付きミラーを組合せ、太陽光を採光、集光する装置。
3. 内側をミラー貼りにした送光パイプを使用して任意の場所等へ送光する装置。
4. 照射する場所等に対応した各照射装置。
5. ミラーと方位計を一体化させた装置（方向計付きミラー）。

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