JP2009117640A - 負荷時タップ切換器付静止誘導電器 - Google Patents

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寿至 師岡
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【課題】防火性及び長期動作安定性に優れた、負荷時タップ切換器を備えた静止誘導器を提供すること。
【解決手段】タンクと、該タンク内に引火点が250℃を超える液体絶縁物とともに収納された電磁誘導機器と、該電磁誘導機器の電圧調整を行う負荷時タップ切換器とを備え、前記負荷時タップ切換器は切換開閉器部とタップ選択部とを備え、少なくとも前記タップ選択部の絶縁媒体として、引火点が250℃を超え、かつ80℃における体積抵抗率が10 13 Ω・cm以上である式(1)、式(2)、式(3)及び/又は式(4)の合成ポリオールエステルが充填されている負荷時タップ切換装置付静止誘導器。
(R1−CH C{CH −O(CO)−R2} ・・・・式(1)
(R1−CH )C{CH −O(CO)−R2} ・・・・式(2)
C{CH ―O(CO)R2} ・・・・式(3)
{R2−(CO)O−CH C−CH OCH −C{CH −O(CO)−R2} ・・・式(4)
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷時タップ切換器を備え、絶縁・冷却媒体として難燃性の液体絶縁物を用いた、難燃性液体入りの静止誘導器に関する。
従来、絶縁・冷却媒体を使用する静止誘導器である変圧器の絶縁・冷却媒体には鉱油等の絶縁油が用いられてきた。
この鉱油に代えて変圧器の絶縁・冷却媒体として難燃性のシリコーン液を用いることにより、変圧器の防火性を向上させることができる。これに伴い、変圧器に装備されている電圧調整用の負荷時タップ切換器についても防火性が求められている。
負荷時タップ切換器は主に切換開閉器部とタップ選択器部から構成される。特許文献1には、切換開閉器部に引火点が250℃を超えるエステル油あるいは液体シリコーンを用い、タップ選択器部には引火点が250℃を超える天然エステル油を用いた負荷時タップ切換器が記載されている。また、天然エステル油に換えて合成エステル油を用いることが記載されている。さらに、切換開閉器部に引火点が250℃を超える液体シリコーンを用い、タップ選択器部には引火点が250℃を超える液体シリコーンを用い、低摺動抵抗型のタップ切換器を用いた負荷時タップ切換器が記載されている。
また、タップ切換器においては媒体の中でアークを出さないようにした、真空スイッチ式負荷時タップ切換器が提案され、実用に供されている。
特開2006−114615号公報
特許文献1記載の方法で、切換開閉器部に液体シリコーンを用いた場合、アーク発生時に液体シリコーンが重合することにより絶縁物を生成し、切換開閉器部の接触不良を起こす可能性がある。また、タップ選択器部に液体シリコーンを用いた場合、金属間の摺動部の潤滑特性が悪い液体シリコーンでは、低摺動抵抗型のタップ切換器を用いてもタップ選択器部の金属が摩耗する可能性がある。また、切換開閉器部、あるいはタップ選択器部に天然または合成エステル油を用いる場合、難燃性の装置とすることが難しく、また、体積抵抗率が低く、加水分解による劣化によって絶縁特性が低下する可能性がある。
本発明の目的は、防火性に優れ、長期間安定した動作性を示す負荷時タップ切換器を備えた静止誘導器を提供することにある。
本発明は、タンクと、該タンク内に引火点が250℃を超える液体絶縁物とともに収納された電磁誘導機器と、該電磁誘導機器の電圧調整を行う負荷時タップ切換器とを備え、前記負荷時タップ切換器は切換開閉器部とタップ選択部とを備え、少なくとも前記タップ選択部の絶縁媒体の絶縁油成分として、実質的に、引火点が250℃を超え、かつ80℃における体積抵抗率が1013Ω・cm以上である式(1)、式(2)、式(3)及び式(4)で表わされる群から選択された1つ以上の合成ポリオールエステル合成ポリオールエステルが充填されていることを特徴とする負荷時タップ切換装置付静止誘導電器を提供するものである。
(R1−CHC{CH−O(CO)−R2} ・・・・式(1)
(R1−CH)C{CH−O(CO)−R2} ・・・・式(2)
C{CH―O(CO)R2} ・・・・式(3)
{R2−(CO)O−CHC−CHOCH−C{CH−O(CO)−R2}
・・・式(4)
(式中、R1は水素、または炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数5から12のアルキル基のいずれかまたは複数である)
本発明においては、少なくとも前記タップ選択部の絶縁媒体の絶縁油として、実質的に前記合成ポリオールエステルを充填したものである。従って、添加物例えば、酸化防止剤、酸捕捉剤、消泡剤、金属不活性剤等などを少量添加することは許される。また、本発明の精神の範囲内で、絶縁油成分として、他の絶縁油成分を少量添加することも許される。
また、前記ポリオールエステルは、式(1)で表わされるネオペンチルグリコール系ポリオールエステル、式(2)で表わされるトリメチロールプロパン系ポリオールエステル、式(3)で表わされるペンタエリスリトール系ポリオールエステル及び式(4)で表わされるジペンタエリスリトール系ポリオールエステルからなる群から選択された1つ以上のポリオールエステルであるとよい。特に、合成ポリオールエステルの前記アルキル基のうち分岐したアルキル基が全体の20mol%以上であることが好ましい。
本発明によれば、切換開閉器部に要求される絶縁特性、耐アーク性を満たし、かつ、タップ選択器部に要求される絶縁特性、摺動特性を満たす、防火性に優れた負荷時タップ切換器付き難燃性液体入り静止誘導器を提供できる。
次に本発明の実施例のシリコーン液入り電気機器について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態を例示すれば以下のとおりである。
(1)タンクと、該タンク内に引火点が250℃を超える液体絶縁物とともに収納された電磁誘導機器と、該電磁誘導機器の電圧調整を行う負荷時タップ切換器とを備え、前記負荷時タップ切換器は真空スイッチを有する切換開閉器部とタップ選択部とを備え、少なくとも前記タップ選択部の絶縁媒体として、引火点が250℃を超え、かつ80℃における体積抵抗率が1013Ω・cm以上である、式(1)で表わされるネオペンチルグリコール系ポリオールエステル、式(2)で表わされるトリメチロールプロパン系ポリオールエステル、式(3)で表わされるペンタエリスリトール系ポリオールエステル及び式(4)で表わされるジペンタエリスリトール系ポリオールエステルからなる群から選択された1つ以上のポリオールエステルが充填されている負荷時タップ切換装置付静止誘導電器である。
(2)前記合成ポリオールエステルの全アルキル基のうち、分岐したアルキル基が20mol%以上であるときにエステルの安定性、耐加水分解性が優れているので好ましい。
(3)前記負荷時タップ切換器が真空スイッチであってもよい。
(4)前記切換開閉器が機械式の場合、絶縁媒体6として引火点が250℃を超える前記式(1)、式(2)、式(3)又は式(4)で表わされる合成ポリオールエステルが充填されていてもよい。
(5)前記アルキル基のうち分岐したアルキル基が全体の20mol%以上であることが好ましい。
以下図面を参照して本発明を具体的に実施例及び比較例により説明する。
(実施例1〜3)、(比較例1〜4)
負荷時タップ切換器16は、大きく分けて切換開閉器部17とタップ選択器部18とからなる。実施例1〜3においては、切換開閉器部17として真空スイッチを用いた真空スイッチ式負荷時タップ切換器を用いた。真空スイッチ式負荷時タップ切換器の模式図を図2に示す。図1及び図2において、液体絶縁・冷却媒体6を収容したタンク1に、鉄心2に一次巻線3及び二次巻線4を巻装した変圧器を収納する。巻線は絶縁筒5に挿入される。液体絶縁・冷却媒体6は鉄心2に形成された油溝15を介して循環し、鉄心2を冷却する。鉄心2は巻線の上下端にある絶縁物11,12,13,14と、締め金具10a,10bにより、堅く締結される。なお、タンクには防爆のために、窒素ガス7を封入する。
液体絶縁・冷却媒体6は冷却配管9a,9bを用いて冷却器8を循環させ、これを冷却する。
切換開閉器部17として真空スイッチを用いたときは、アークが真空スイッチ内に閉じ込められ、かつ機械的に駆動する部分が存在しないので、切換開閉器部17には潤滑性を与えるための鉱油、ポリオールエステル等の液体絶縁・冷却媒体も必須ではない。しかし、機械式開閉器を用いたときは、絶縁性及び潤滑性に優れた絶縁・潤滑剤を用いる。
真空スイッチを切換開閉器として用いたときの回路図が図2に示されている。図において、真空スイッチ22a、22bが切換開閉器部17aに収容され、真空スイッチ22a,22bと限流抵抗器21が直列に接続され、それらに対してタップ切換器部18とタップ巻線20は並列に接続されている。
図3は、開閉器部として、抵抗式負荷時タップ切換器を用いたときの概略構成を示し、切換開閉器部17bのタンク内には絶縁・冷却媒体19aが封入される。接点の開閉は、可動アーク接触子24と固定アーク接触子23との間で行われる。その他の構成は図2に示したものと略同じである。ただし、図3の場合は接点が機械的に摺動するので、その潤滑性を確保するために、潤滑性のある鉱油、ポリオールエステル等の液体絶縁・冷却媒体が必要である。
変圧器に関して、絶縁・冷却媒体は冷却配管9a、9bを用いて循環する。タンクの上部から温められ媒体6が引き出され、冷却器8によって冷却された媒体はタンクの下方にある配管9bを経てタンクに戻される。
鉄心2の中央部には油道15が設けられ、冷却された媒体が鉄心を冷却しながらこの油道を上昇する。
また、タップ選択器部には絶縁媒体19が充填されている。絶縁媒体としては引火点が250℃を超える合成ポリオールエステルを用いるが、合成ポリオールエステルとしては、多価アルコールと1価の脂肪酸とから合成され、熱安定性、耐加水分解性に優れているヒンダードタイプが好ましい。
多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。1価の脂肪酸としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等があり、これらを1種類以上用いることができる。
本発明においては、分子中に少なくとも二つのエステル基を持つ、前記式(1)、(2)、(3)及び/または(4)で表わされるポリオールエステルが用いられる。式(1)はネオペンチルグリコール系ポリオールエステル、式(2)はトリメチロールプロパン系ポリオールエステル、式(3)はペンタエリスリトール系ポリオールエステル、式(4)はジペンタエリスリトール系ポリオールエステルである。本実施例では式(3)のペンタエリスリトール系ポリオールエステル、および式(4)のジペンタエリスリトール系ポリオールエステルについて効果を確認した。式(1)のネオペンチルグリコール系ポリオールエステル、式(2)のトリメチロールプロパン系ポリオールエステルについても、効果が確認された式(3)、(4)と同様にヒンダードタイプのポリオールエステルであり、類似の化学構造を持つことから、熱安定性、耐加水分解性に優れており、絶縁性、潤滑性も優れていると考えられ、タップ選択器部の絶縁媒体の絶縁油成分として、好ましく用いることができる。これらのポリオールエステルは1種類でも良いが、2種類以上混合して用いても良い。絶縁媒体19のポリオールエステルは分子中のアルキル基R2は、分岐したアルキル基が20mol%以上である方がより好ましい。分岐したアルキル基が20mol%以上であることによって、耐加水分解性を向上することができる。
また、絶縁媒体19には、酸化防止剤、酸捕捉剤、消泡剤、金属不活性剤等を混合しても良い。実施例1〜3、および比較例1〜4において、タップ選択器部に用いた絶縁媒体の主な特性を評価した結果を表1に示す。比較例1には、従来よりタップ選択器部の絶縁媒体として用いられている鉱油の評価結果を示す。潤滑特性としては、ASTM4172に準じて、高速四球式摩耗防止性能試験機を用いて四球試験を行い,試験後の固定球について摩耗痕の直径を測定した。
Figure 2009117640
実施例1〜3において、タップ選択器部に用いた絶縁媒体はいずれも引火点は250℃を超え、体積抵抗率も80℃において1.0×1013Ω・cm以上であり、十分な絶縁特性を有することがわかった。また、四球試験後の固定球の摩耗痕径は比較例1の鉱油の場合と比べて小さく、摩耗量が少なく潤滑特性も優れていることがわかる。なお、表1において、潤滑特性は鉱油と比較した時の目視観察結果を示し、鉱油と同程度以上の潤滑性を示すものを○で示し、鉱油に比べて劣るものを×で示した。
タップ切換器のタップ開閉器部として真空スイッチを用いた場合、アークと冷却媒体は接触しないので、冷却媒体としてシリコーン液を用いるのが好ましい。また、変圧器等の誘導機器を収容するタンクに封入する絶縁・冷却媒体として、シリコーン液を用いるのが好ましいが、他の絶縁・冷却媒体例えば鉱油を用いることもできる。ただし、この構成は難燃化機器としては好ましくない。
比較例2において、タップ選択器部に用いる絶縁媒体として、ジメチルシリコーン液を検討したが、引火点は250℃を超え、体積抵抗率も80℃において1.0×1013Ω・cm以上であるものの、四球試験後の固定球の摩耗痕径は比較例1の鉱油の場合と比べて非常に大きく、十分な潤滑特性が得られなかった。
比較例3〜4において、式(5)に示す直鎖の脂肪酸エステル及び式(6)に示すグリセリンの脂肪酸エステルを検討した。いずれも、四球試験後の固定球の摩耗痕径は比較例1の鉱油の場合と比べて小さく、摩耗量が少なく潤滑特性は優れていることがわかる。また、比較例3については、体積抵抗率が80℃において1.0×1013Ω・cm以上であり、十分な絶縁特性を得られ、比較例4については、引火点は250℃を超えている。しかしながら、実施例1〜3のようなヒンダードタイプのポリオールエステルと比べて、熱安定性、耐加水分解性は劣る。従って、十分な潤滑特性が得られるものの、化学的な安定性にかけ、容易に加水分解し、絶縁特性が低下する、あるいはタップ選択器部の構成部材を腐食させやすいという課題が残る。
Figure 2009117640
以上のように、負荷時タップ切換器として真空スイッチを用いることによって、媒体の中でアークを出さないようにすることにより、難燃化を図ることができ、さらに、タップ選択器部の絶縁媒体として引火点が250℃を超える、式(1)、(2)、(3)及び/または(4)で表わされる合成ポリオールエステル(式中、R1は水素、または炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数5から12のアルキル基のいずれかまたは複数)を充填することにより、タップ選択器部に要求される絶縁特性、摺動特性を満たし、防火性を向上させることができる。
(実施例4〜6)
実施例4〜6においては、図1の本発明の一実施例である負荷時タップ切換器付き変圧器において、切換開閉器部17として限流抵抗器を用いた抵抗式負荷時タップ切換器を用いた。抵抗式負荷時タップ切換器の模式図を図3に示す。抵抗式負荷時タップ切換器においては、切換開閉器部17に絶縁媒体19aが用いられる。実施例4〜6において、タップ選択器部には絶縁媒体としてポリオールエステル油を用いた。タップ選択器部に用いた絶縁媒体を表2に、切換開閉器に用いた絶縁媒体を表3に示す。実施例1〜3においてタップ選択器部に用いた絶縁媒体は、いずれも引火点は250℃を超え、体積抵抗率も80℃において1.0×1013Ω・cm以上であり、十分な絶縁特性を有することから、切換開閉器の絶縁媒体としても用いることができる。
Figure 2009117640
Figure 2009117640
実施例4〜6において、タップ選択器部に用いた絶縁媒体はいずれも引火点は250℃を超え、体積抵抗率も80℃において1.0×1013Ω・cm以上であり、十分な絶縁特性を有することがわかる。また、潤滑特性も優れていることがわかった。
また、切換開閉器部に用いた絶縁媒体はいずれも引火点は250℃を超え、体積抵抗率も80℃において1.0×1013Ω・cm以上であり、十分な絶縁特性を有することがわかる。
(実施例7、8)、(比較例5〜7)
コーンカロリーメーター法により、絶縁媒体の燃焼性を評価した。各絶縁媒体に50kW/m2の放射熱量を負荷した際の最大発熱速度を測定した結果を表4に示す。
Figure 2009117640
一例として、分岐鎖混合脂肪酸エステルCの最大発熱速度を測定した結果を表4にあわせて示した。鉱油と比べて合成ポリオールエステルであるペンタエリスリトール系の分岐鎖混合脂肪酸エステルA、Cの最大発熱速度は低いことがわかる。
合成ポリオールエステルの種類によって、最大発熱速度はほとんど変わらないと考えられることから、合成ポリオールエステルの最大発熱速度は表4の値と大きく変わらないと考えられる。以上のように、負荷時タップ切換器として、切換開閉器部に引火点が250℃を超える、前記式(1)、(2)、(3)及び/または(4)で表わされるポリオールエステルを用いた抵抗式負荷時タップ切換器を用いることによって、難燃化を図ることができ、さらに、タップ選択器部の絶縁媒体として引火点が250℃を超える、前記式(1)、(2)、(3)及び/または(4)で表わされるポリオールエステルを充填することによる、タップ選択器部に要求される絶縁特性、摺動特性を満たし、防火性を向上させることができる。
本発明は、負荷時タップ切換器を備え、絶縁・冷却媒体として難燃性の液体絶縁物を用いた、難燃性液体入りの静止誘導器に関し、防火性、耐アーク性、摺動特性を向上させる方法に関する。本発明は、シリコーン液入変圧器をはじめとするシリコーン液等の難燃性の液体絶縁物を用いた電気機器に適用可能である。
本発明の一実施例であり、切換開閉器部に要求される絶縁特性、耐アーク性を満たし、かつ、タップ選択器部に要求される絶縁特性、摺動特性を満たす、防火性に優れた負荷時タップ切換器付きシリコーン液入り変圧器の模式図。 本発明が適用される真空スイッチ式負荷時タップ切換器の模式図。 本発明が適用される抵抗式負荷時タップ切換器の模式図。
符号の説明
1…タンク、2…鉄心、3…一次巻線、4…二次巻線、5…絶縁筒、6…絶縁冷却媒体、7…窒素、8…冷却器、9a、9b…冷却配管、10a、10b…締め金具、11、12、13、14…絶縁物、15…油導、16…負荷時タップ切換器、17、17a、17b…切換開閉器部、18…タップ選択器部、19、19a…絶縁媒体、20…タップ巻線、21…限流抵抗器、22a、22b…真空スイッチ、23…固定アーク接触子、24…可動アーク接触子。

Claims (6)

  1. タンクと、該タンク内に引火点が250℃を超える液体絶縁物とともに収納された電磁誘導機器と、該電磁誘導機器の電圧調整を行う負荷時タップ切換器とを備え、前記負荷時タップ切換器は切換開閉器部とタップ選択部とを備え、少なくとも前記負荷時タップ選択器部の絶縁媒体の絶縁油成分として、実質的に、引火点が250℃を超え、かつ80℃における体積抵抗率が1013Ω・cm以上である式(1)、式(2)、式(3)及び式(4)で表わされる群から選択された1つ以上の合成ポリオールエステルを用いたことを特徴とする負荷時タップ切換装置付静止誘導電器。
    (R1−CHC{CH−O(CO)−R2} ・・・・式(1)
    (R1−CH)C{CH−O(CO)−R2} ・・・・式(2)
    C{CH―O(CO)R2} ・・・・式(3)
    {R2−(CO)O−CHC−CHOCH−C{CH−O(CO)−R2}
    ・・・式(4)
    (式中、R1は水素、または炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数5から12のアルキル基のいずれかまたは複数である)
  2. 前記アルキル基のうち分岐したアルキル基が全体の20mol%以上であることを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置付静止誘導電器。
  3. 前記切換開閉器に絶縁媒体として引火点が250℃を超える前記式(1)、式(2)、式(3)又は式(4)で表わされる合成ポリオールエステルが充填されていることを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置付静止誘導電器。
  4. 前記切換開閉器は真空スイッチであることを特徴とする請求項1記載の負荷時タップ切換装置付静止誘導電器。
  5. タンクと、該タンク内に絶縁物とともに収納された電磁誘導機器と、該電磁誘導機器の電圧を調整するための、切換開閉器部及びタップ選択器部を有する負荷時タップ切換器とを備え、前記切換開閉器部は真空スイッチを備え、前記タップ選択器部の絶縁媒体の絶縁油成分として、実質的に、引火点が250℃を超え、かつ80℃における体積抵抗率が1013Ω・cm以上である式(1)、式(2)、式(3)及び式(4)で表わされる群から選択された1つ以上の合成ポリオールエステルを用いたことを特徴とする負荷時タップ切換装置付静止誘導電器。
    (R1−CHC{CH−O(CO)−R2} ・・・・式(1)
    (R1−CH)C{CH−O(CO)−R2} ・・・・式(2)
    C{CH―O(CO)R2} ・・・・式(3)
    {R2−(CO)O−CHC−CHOCH−C{CH−O(CO)−R2}
    ・・・式(4)
    (式中、R1は水素、または炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数5から12のアルキル基のいずれかまたは複数である)
  6. 前記アルキル基のうち分岐したアルキル基が全体の20mol%以上であることを特徴とする請求項5記載の負荷時タップ切換装置付静止誘導電器。
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