JP2009111721A - 入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム - Google Patents

入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2009111721A
JP2009111721A JP2007282006A JP2007282006A JP2009111721A JP 2009111721 A JP2009111721 A JP 2009111721A JP 2007282006 A JP2007282006 A JP 2007282006A JP 2007282006 A JP2007282006 A JP 2007282006A JP 2009111721 A JP2009111721 A JP 2009111721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
phase difference
unit
information
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007282006A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayasu Kato
正恭 加藤
Masahiro Kageyama
昌広 影山
Masumi Kawakami
真澄 川上
Atsusuke Niihara
敦介 新原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007282006A priority Critical patent/JP2009111721A/ja
Publication of JP2009111721A publication Critical patent/JP2009111721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Studio Devices (AREA)

Abstract

【課題】好適に高解像度の画像信号を生成するための技術を提供することを目的とする。
【解決手段】入力された複数のフレーム3744,3745における画像のずれを基に、画素数を補間して増加させることによって、高解像度画像を生成するためにバッファリング器3728に、入力部から入力された画像をバッファリングしておき、入力された画像と、バッファリング器3728にバッファリングされているフレーム3744の画像とを基に、2つの画像の画素ごとのずれの度合いの情報である位相差θ3743を生成し、生成した位相差θ3743を制御信号3742として、次のフレームの画像が、前のフレームの画像と所定のずれを生じるよう入力部3701を制御することを特徴とする。
【選択図】図35

Description

本発明は、入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラムの技術に関する。
最近のテレビ受像機は大画面化が進んでおり、放送や通信、蓄積媒体などから入力され
た画像信号をそのまま表示するのではなく、デジタル信号処理によって水平・垂直方向の
画素数を増やして表示することが一般的に行われている。この際、一般的に知られている
sinc関数を用いた補間ローパスフィルタやスプライン関数等によって画素数を増やすだけでは解像度を上げることはできない。
そこで、特許文献1、特許文献2、非特許文献1に記載されているように、入力された複数の画像フレーム(以下、フレームと略記)を合成して1枚のフレームとすることにより、高解像度化しながら画素数を増やす技術(以下、従来技術)が提示されている。
さらに、特許文献3には、高解像度化に適した画像が得られるようレンズの移動量を予め設定しておく技術が提示されている。また、特許文献3には、画像がレンズの移動量を超える、もしくはレンズの移動量を下回る移動量を示したときに、画像を複数のエリアに分割し、前のフレームと相関の高いエリアの画像は、高解像度化に用いるが、相関の低いエリアの画像は、高解像度化に適していないと判定し、当該エリアの画像を高解像度化処理に用いない技術も提示されている。
特開平8−336046号公報 特開平9−69755号公報 特開平10−191136号公報 青木伸 "複数のデジタル画像データによる超解像処理", Ricoh Technical Report pp.19-25, No.24, NOVEMBER, 1998
これらの従来技術では、(1)位置推定、(2)広帯域補間、(3)加重和、の3つの処理により高解像度化を行う。ここで、(1)位置推定は、入力された複数の画像フレームの各画像データを用いて、各画像データのサンプリング位相(標本化位置)の差を推定するものである。(2)広帯域補間は、各画像データを折返し成分も含め、原信号の高周波成分をすべて透過する帯域の広いローパスフィルタを用いて画素数(サンプリング点)を補間して増やし、画像データを高密度化するものである。(3)加重和は、各高密度化データのサンプリング位相に応じた重み係数により加重和をとることによって、画素サンプリングの際に生じた折返し成分を打ち消して除去するとともに、同時に原信号の高周波成分を復元するものである。
図43は、一般的な高解像度化技術の概要を示す図である。
図43(a)に示すように、異なる時間軸上のフレーム#1 201、フレーム#2 202、フレーム#3 203 が入力され、これらを合成して出力フレーム206を得ることを想定する。簡単のため、まず被写体が水平方向に移動(矢印204)した場合を考え、水平線205の上の1次元の信号処理によって高解像度化することを考える。このとき、図43(b)と図43(d)に示すように、フレーム#2 202とフレーム#1 201では、被写体の移動(矢印204)の量に応じて信号波形の位置ずれが生じる。前記した(1)位置推定によってこの位置ずれ量を求め、図43(c)に示すように、位置ずれが無くなるようにフレーム#2 202を動き補償207(図43(b)参照)するとともに、各フレームの画素208のサンプリング位相209,210の間の位相差θ211を求める。この位相差θ211に基づき、前記した(2)広帯域補間および(3)加重和を行うことにより、図43(e)に示すように、元の画素208のちょうど中間(位相差θ=π)の位置に新規画素212を生成することにより、高解像度化を実現する。
(3)加重和については後記する。なお、実際には被写体の動きが平行移動だけでなく、回転や拡大・縮小などの動きを伴うことも考えられるが、フレーム間の時間間隔が微小な場合や被写体の動きが遅い場合には、これらの動きも局所的な平行移動に近似して考えることができる。
特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに記載の技術によって1次元方向の2倍の高解像度化を行う場合、前記(3)の加重和を行う際、図44に示すように、少なくとも3枚のフレーム画像の信号を用いる必要があった。ここで、図44は、1次元の周波数領域で、各成分の周波数スペクトルを示した図であり、(a)は、各成分の位相関係を示す図であり、(b)は、原成分の位相関係を示す図であり、(c)は、折返し成分の位相関係を示す図である。図44において、周波数軸からの距離が信号強度を表し、周波数軸を中心とした回転角が位相を表す。前記(3)の加重和について、以下に詳しく説明する。
前記(2)の広帯域補間にて、ナイキスト周波数の2倍の帯域(周波数0〜サンプリング周波数fsまでの帯域)を透過する広帯域ローパスフィルタによって画素補間すると、原信号と同じ成分(以下、原成分)と、サンプリング位相とに応じた折返し成分の和が得られる。このとき、3枚のフレーム画像の信号に対して前記(2)広帯域補間の処理を行うと、図44(a)に示すように、各フレームの原成分301〜303の位相はすべて一致し、折返し成分304〜306の位相は各フレームのサンプリング位相の差に応じて回転することがよく知られている。それぞれの位相関係をわかりやすくするために、各フレームの原成分の位相関係を図44(b)に示し、各フレームの折返し成分の位相関係を図44(c)に示す。
ここで、3枚のフレーム画像の信号に対して、乗算する係数を適切に選択して前記(3)加重和を行うことにより、各フレームの折返し成分304〜306を互いに打ち消して除去することができ、原成分だけを抽出できる。このとき、各フレームの折返し成分304〜306のベクトル和を0にする、すなわち、Re軸(実軸)の成分とIm軸(虚軸)の成分を両方ともに0とするためには、少なくとも3つの折返し成分が必要となる。従って、2倍の高解像度化を実現するために、すなわち1個の折返し成分を除去するために、少なくとも3枚のフレーム画像の信号を用いる必要があった。
同様に、特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに記載されているように、水平・垂直の2次元の入力信号に対して高解像度化する場合、折返しが縦横2方向から来るので、原信号の帯域が縦横共に2倍に広がると、3つの折返し成分が重なり、それらを打ち消すためには2M+1=7個のデジタルデータ(=7枚のフレーム画像の信号)を必要としていた。
従って従来技術は、フレームメモリや信号処理回路の規模が大きくなって経済的でない。また、時間的に離れた数多くのフレーム画像の位置推定を正確に行う必要があるため構成が複雑となる。すなわち、従来技術は、例えばテレビジョン放送信号や画像信号記録再生装置の入力信号等の動画像のフレームを高解像度化することが困難である。
また、特許文献3に記載の技術では、レンズの移動量が、入力画像に関わらず予め固定的に設定されているため、入力画像の移動量に対応して、高解像度化に適するようレンズを移動することができないという問題がある。また、相関の低いエリアを高解像度化に適していないと判定して、高解像度化処理に用いないことから、高解像度化に用いる画素と用いない画素が生じるという問題がある。
本発明は、前記課題に鑑みて為されたものであって、好適に高解像度の画像信号を生成するための技術を提供することを目的とする。
前記課題に鑑みて、本発明は、入力された複数のフレームにおける画像のずれを基に、画素数を補間して増加させることによって、高解像度画像を生成するために記憶部に、入力部から入力された画像をバッファリングしておき、前記入力された画像と、前記記憶部にバッファリングされているフレームの画像とを基に、2つの画像の画素ごとのずれの度合いの情報である位相差情報を生成し、前記生成した位相差信号を制御信号として、次のフレームの画像が、前のフレームの画像と所定のずれを生じるよう前記入力部を制御することを特徴とする。
本発明によれば、好適に高解像度の画像信号を生成することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と記載)について、図面を参照しつつ説明する。
以下に説明する本発明の各実施形態に係る画像信号処理装置では、解像度変換部から入力部を制御するための制御信号を入力部に送信し、入力部で前記制御信号をもとに記録再生処理部または切替器への画像信号を制御するものである。
なお、以下の各実施形態の記載において、前記した(1)位置推定には、参考文献1や参考文献2に記載されているような方法を用いればよい。また前記した(2)広帯域補間には、非特許文献1に記載されているようなナイキスト周波数の2倍の通過帯域を持つ一般的なローパスフィルタを用いればよい。
[参考文献1] 安藤繁 “画像の時空間微分算法を用いた速度ベクトル分布計測シス
テム”,計測自動制御学会論文集,pp.1330-1336, Vol.22, No.12,1986
[参考文献2] 小林弘幸ほか “DCT変換に基づく画像の位相限定相関法”, 信学技法 IEICE Technical Report ITS2005-92,IE2005-299(2006-02), pp.73-78
また、以下に記載する各実施形態で「SR信号」との表記は「Super Resolution信号」の略である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る画像信号処理装置の構成を示す図である。
本実施形態に係る画像信号処理装置は、例えばテレビジョン受像機等の画像表示装置に適用される。以下の本実施形態の説明においては、画像信号処理装置として画像表示装置を例にして説明する。図1において、本実施形態に係る画像信号処理装置は、例えばテレビジョン放送信号などの動画像のフレーム列が入力される入力部1と、この入力部1から入力されたフレームを高解像度化するための解像度変換部2と、更にこの解像度変換部2によって高解像度化されたフレームに基づき画像を表示する表示部3とを備えている。この表示部3として、例えばプラズマディスプレイパネル、液晶表示パネル、もしくは電子/電解放出型ディスプレイパネルが用いられる。以下、解像度変換部2の概要について説明する。
図1において、まず位置推定部101により、入力部1に入力されたフレーム#1上の処理対象の画素のサンプリング位相(標本化位置)を基準として、フレーム#2上の対応する画素の位置を推定し、サンプリング位相差θ(位相差θ102)を求める。次に、動き補償・アップレート部115のアップレート器103,104により、位相差θ102の情報を用いてフレーム#2を動き補償してフレーム#1と位置を合わせるとともに、フレーム#1とフレーム#2の画素数をそれぞれ2倍に増して高密度化する。位相シフト部116では、この高密度化したデータの位相を一定量だけシフトする。ここで、データの位相を一定量だけシフトする手段として、π/2位相シフト器106,108を用いることができる。また、π/2位相シフト器106,108で生じる遅延を補償するために、遅延器105,107により高密度化したフレーム#1とフレーム#2の信号を遅延させる。折返し成分除去部117では、遅延器105,107とπ/2位相シフト器106,108の各出力信号に対して、係数決定器109にて位相差θ102をもとに生成した係数C0,C2,C1,C3を乗算器110〜113にてそれぞれ乗算し、加算器114にてこれらの信号を加算して出力を得る。この出力は、表示部3に供給される。なお、位置推定部101は、上記従来技術をそのまま用いて実現することができる。アップレート器103,104、π/2位相シフト器106,108および折返し成分除去部117の各詳細については後記する。
なお、図1において、位置推定部101で位相差θ102を求めた後、アップレート器103,104でフレーム#1およびフレーム#2をそれぞれアップレートしているが、これに限らず、アップレート器103,104でフレーム#1およびフレーム#2をそれぞれアップレートした後、アップレートしたフレーム#1およびフレーム#2を基に、位置推定部101が位相差θ102を求めてもよい。
次に、図2を参照して、第1実施形態に係る画像信号処理装置の動作を示す。
図2は、第1実施形態において、1次元の周波数領域で、各成分の周波数スペクトルを示した図であり、(a)は、各成分の位相関係を示す図であり、(b)は、原成分の位相関係を示す図であり、(c)は、折返し成分の位相関係を示す図である。
図2は、図1に示した遅延器105,107とπ/2位相シフト器106,108の各出力を1次元の周波数領域で示したものである。図2(a)において、遅延器105,107から出力されたアップレート後のフレーム#1とフレーム#2の信号はそれぞれ、原成分401,402と、元のサンプリング周波数(fs:図3を参照して後記)から折り返された折返し成分405,406を加えた信号となる。このとき、折返し成分406は前記した位相差θ102だけ位相が回転している(図2(c)参照)。一方、π/2位相シフト器106,108から出力されたアップレート後のフレーム#1とフレーム#2の信号はそれぞれ、π/2位相シフト後の原成分403,404と、π/2位相シフト後の折返し成分407,408を加えた信号となる。図2(b)および図2(c)は、図2(a)に示した各成分の位相関係をわかりやすくするために、原成分と折返し成分をそれぞれ抜き出して示したものである。ここで、図2(b)に示す4つの成分のベクトル和を取ったときに、Re軸の成分を1とし、Im軸の成分を0とするとともに、図2(c)に示す4つの成分のベクトル和を取ったときに、Re軸とIm軸の両方の成分を0とするように、各成分に乗算する係数を決定して加重和をとれば、折返し成分を打ち消してキャンセルし、原成分だけを抽出することができる。すなわち、2枚のフレーム画像だけを用いて、1次元方向の2倍の高解像度化行う画像信号処理装置を実現できる。この係数決定方法の詳細については後述する。
図3は、図1におけるアップレート器の動作を示す図である。
図3において、横軸は周波数を、縦軸は利得(入力信号振幅に対する出力信号振幅の比の値)を表し、アップレート器103,104(図1参照)の「周波数−利得」特性を示している。ここで、アップレート器103,104では、もとの信号のサンプリング周波数(fs)に対して2倍の周波数(2fs)を新しいサンプリング周波数とし、もとの画素間隔のちょうど中間の位置に新しい画素のサンプリング点(=ゼロ点)を挿入することによって画素数を2倍にして高密度化するとともに、−fs〜+fsの間の周波数をすべて利得2.0の通過帯域とするフィルタをかける。このとき、図3に示すように、デジタル信号の対称性により、2fsの整数倍の周波数ごとに繰り返す特性となる。
図4は、第1実施形態におけるアップレート器の動作の具体例を示す図である。
図4は、図3に示した周波数特性を逆フーリエ変換して得られるフィルタのタップ係数を示している。このとき、各タップ係数Ck(ただし、kは整数)は一般的に知られているsinc関数となり、サンプリングの位相差θ102を補償するために(−θ)だけシフトし、Ck=2sin(πk+θ)/(πk+θ)とすればよい。なお、アップレート器103(図1参照)では、位相差θ102を0とおき、Ck=2sin(πk)/(πk)とすればよい。また、位相差θ102を、整数画素単位(2π)の位相差+小数画素単位の位相差で表すことにより、整数画素単位の位相差の補償については単純な画素シフトにより実現し、小数画素単位の位相差の補償については前記アップレート器103,104(図1参照)のフィルタを用いてもよい。
図5に、第1実施形態に用いるπ/2位相シフト器の動作例を示す図であり、(a)は、「周波数‐利得」特性を示す図であり、(b)は、「周波数‐位相差」特性を示す図である。
π/2位相シフト器106,108(図1参照)として、一般に知られているヒルベルト変換器を用いることができる。図5(a)において、横軸は周波数を、縦軸は利得(入力信号振幅に対する出力信号振幅の比の値)を表し、ヒルベルト変換器の「周波数−利得」特性を示している。ここで、ヒルベルト変換器では、もとの信号のサンプリング周波数(fs)に対して2倍の周波数(2fs)を新しいサンプリング周波数として、−fs〜+fsの間の0を除く周波数成分をすべて利得1.0の通過帯域とする。また、図5(b)において、横軸は周波数を、縦軸は位相差(入力信号位相に対する出力信号位相の差)を表し、ヒルベルト変換器の「周波数−位相差」特性を示している。ここで、0〜fsの間の周波数成分についてはπ/2だけ位相を遅らせ、0〜−fsの間の周波数成分についてはπ/2だけ位相を進ませる。このとき、図5に示すように、デジタル信号の対称性により、2fsの整数倍の周波数ごとに繰り返す特性となる。
図6は、第1実施形態に用いるπ/2位相シフト器をヒルベルト変換器で構成したときの動作を示す図である。
図6は、図5に示した周波数特性を逆フーリエ変換して得られるフィルタのタップ係数を示している。このとき、各タップ係数Ckは、k=2m(ただしmは整数)のときはCk=0とし、k=2m+1のときはCk=−2/(πk)とすればよい。
なお、第1実施形態に用いるπ/2位相シフト器106,108(図1参照)は、微分器を用いることも可能である。この場合、正弦波を表す一般式cos(ωt+α)をtで微分して1/ωを乗じると、d(cos(ωt+α))/dt*(1/ω)=−sin(ωt+α)=cos(ωt+α+π/2)となり、π/2位相シフトの機能を実現できる。すなわち、対象とする画素の値と隣接画素の値との差分を取ったのちに、1/ωの「周波数−振幅」特性を持ったフィルタを掛けることによってπ/2位相シフトの機能を実現してもよい。
図7は、第1実施形態に用いる係数決定器の動作と具体例を示す図であり、(a)は、各成分における条件を示し、(b)は、各係数の条件を示し、(c)は、(a)および(b)の条件から導き出される各係数の式を示し、(d)は、各係数の具体値の例を示す。
図7(a)に示すように、図2(b)に示した4つの成分のベクトル和を取ったときに、Re軸の成分を1とし、Im軸の成分を0とするとともに、図2(c)に示した4つの成分のベクトル和を取ったときに、Re軸とIm軸の両方の成分を0とするように、各成分に乗算する係数を決定すれば、2枚のフレーム画像だけを用いて、1次元方向の2倍の高解像度化行う画像信号処理装置を実現できる。図1に示すように、遅延器105の出力(アップレート後のフレーム#1の原成分と折返し成分の和)に対する係数をC0、π/2位相シフト器106の出力(アップレート後のフレーム#1の原成分と折返し成分のそれぞれのπ/2位相シフト結果の和)に対する係数をC1、遅延器107(図1参照)の出力(アップレート後のフレーム#2の原成分と折返し成分の和)に対する係数をC2、π/2位相シフト器106の出力(アップレート後のフレーム#2の原成分と折返し成分のそれぞれのπ/2位相シフト結果の和)に対する係数をC3、として図7(a)の条件を満たすようにすると、図2(b)および図2(c)に示した各成分の位相関係から、図7(b)に示す連立方程式を得ることができ、これを解くと図7(c)に示す結果を導くことができる。係数決定器109は、このようにして得た係数C0、C1、C2、C3を出力すればよい。一例として、位相差θ102をπ/8ごとに0〜2πまで変化させたときの係数C0、C1、C2、C3の値を、図7(d)に示す。これは、もとのフレーム#2の信号を、1/16画素の精度で位置推定し、フレーム#1に対して動き補償した場合に相当する。
なお、アップレート器103,104(図1参照)およびπ/2位相シフト器106,107は、理想的な特性を得るためには無限大のタップ数を必要とするが、タップ数を有限個で打ち切って簡略化しても実用上問題ない。このとき、一般的な窓関数(例えばハニング窓関数やハミング窓関数など)を用いてもよい。簡略化したヒルベルト変換器の各タップの係数を、C0を中心として左右点対象の値、すなわちC(−k)=−Ck(kは整数)とすれば、位相を一定量だけシフトすることができる。
以上のように各部を構成すれば、好適に、すなわちより少ないフレーム数で、かつ簡単な構成で高解像度化を実現することができる。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る位相シフト部および折返し成分除去部の構成を示す図である。
図8に示した構成は、図7(c)に示した係数C0、C1、C2、C3の関係を利用して、図1に示した構成を簡略化したものである。すなわち、C0=C2=1/2であり、C1=−C3=−(1+cosθ)/sinθであることから、アップレート後のフレーム#1と動き補償・アップレート後のフレーム#2の各信号から、加算器1001と減算器1004により和と差の信号を生成する。和信号は、fs遮断フィルタ1002を介したのちに、乗算器1003にてC0(=0.5)を掛けて加算器1008に入力される。ここで、fs遮断フィルタ1002は、アップレート前のサンプリング周波数(fs:図3参照)の成分を零点として遮断するフィルタであり、例えば図8の符号1011中に示すタップ係数を用いることにより実現できる。このfs遮断フィルタ1002は、図5(a)に示したようにヒルベルト変換器1005の「周波数‐利得」特性にて周波数fsの利得が零点になるために折返し成分を除去できず、周波数fsの不要成分が残留してしまうことを防ぐのが目的である。従って、周波数fsの成分も含めてπ/2位相シフトできる手段をヒルベルト変換器1005の替わりに用いれば、このfs遮断フィルタ1002は不要になる。
一方、差信号については、ヒルベルト変換器1005にて位相を一定量(=π/2)だけシフトしたのちに、係数決定器1007にて位相差θ102に基づいて決定した係数C1を乗算器1006で乗算し、加算器1008にて加算して出力を得る。ここで、fs遮断フィルタ1002とヒルベルト変換器1005を有す位相シフト部1009は、図1に示した位相シフト部116の半分の回路規模で実現できる。また、係数決定器1007は、図7(c)に示した係数C1だけを出力すればよく、加算器1001、減算器1004、乗算器1003,1006、加算器1008および係数決定器1007を有す折返し成分除去部1010は、乗算器の個数を減らすことができるため、図1に示した折返し成分除去部117よりも小さい回路規模で実現できる。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る位相シフト部および折返し成分除去部の構成を示す図である。
図9に示す構成は、図7(d)に示したように位相差θが0のときに係数C1、C3が不定になることや、位相差θ102が0に近づくにつれて係数C1、C3が大きくなることでノイズ等に脆弱になることを防ぐために、図8に示した構成をベースとして、位相差θ102が0近傍になったときに補助的画素補間部1105からの出力に切り替えるように構成したものである。すなわち、一般的な補間ローパスフィルタ1101をバイパス経路として用意し、係数決定器1103にて前記した係数C0,C1のほかに新たにC4を生成して、乗算器1102にて補間ローパスフィルタ1101の出力と係数C4を乗算し、加算器1104で高解像度化した信号に加えて出力する。それ以外は、図8に示した構成と同一である。
図10は、第3実施形態に係る補間ローパスフィルタの動作例を示す図である。
図10は、もとのサンプリング周波数fsの1/2をカットオフ周波数とする周波数特性を逆フーリエ変換して得られるフィルタのタップ係数を示している。このとき、各タップ係数Ck(ただし、kは整数)は一般的なsinc関数となり、Ck=sin(πk/2)/(πk/2)とすればよい。
図11は、第3実施形態に係る係数決定器の動作例を示す図である。
図11は、図7(d)に示した係数C0,C1をベースとし、通常は新たな係数C4を0としているが、位相差θが0近傍になったときに、係数C1の値を強制的に0にするとともに、係数C4の値を1.0とする動作を示している。この動作により、図9に示す構成において、位相差θ102が0近傍になったときに、加算器1104の出力を自動的に補間ローパスフィルタ1101の出力に切替えることができるようになる。なお、位相差θ102(図9参照)が0に近づくとともに、図10に示した係数から図11に示した係数に連続的に徐々に近づけるようにしてもよい。また、図1における位置推定部101にて、フレーム#1上の処理対象の画素に対応した画素がフレーム#2上にないと判定された場合も、図9における位相差θ102が0近傍になったときと同様に各係数を制御して、加算器1104の出力を自動的に補間ローパスフィルタ1101の出力に切替えてもよい。
(第1実施形態のフローチャート)
図12は、図1における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
なお、このフローチャートの方法は、例えば、図1に示すような構成で実施してもよく、また、制御部とメモリとソフトウェアプログラムにより実施してもよい。また、一部のステップを回路で行い、一部のステップを制御部とメモリとソフトウェアプログラム等で実施してもよい。以下、各部の名称および符号は、図1に準ずることとする。また、図12のステップS1401〜ステップS1417をステップS5、図13のステップS1501〜ステップS1517をステップS5’、および図14とのステップS1501〜ステップS1517をステップS5’’とする。
なお、図1では、位置推定部101で位相差102を求めた後、アップレート器103,104でフレーム#1およびフレーム#2をそれぞれアップレートしているが、前記したように、アップレート器103,104でフレーム#1およびフレーム#2をそれぞれアップレートした後、アップレートしたフレーム#1およびフレーム#2を基に、位置推定部101が位相差102を求めてもよい。図12と、後記する図13および図14では、アップレート器103,104でフレーム#1およびフレーム#2をそれぞれアップレートした後、アップレートしたフレーム#1およびフレーム#2を基に、位置推定部101が位相差θ102を求める例を説明するが、位置推定とアップレートの順番が入れ替わってもよいことは、当然である。
図12において、処理はステップS1401から開始し、ステップS1418にて、動き補償・アップレート部115が、各フレームの画像データを2倍にアップレートする。すなわち、ステップS1402にて、アップレート器103が、フレーム#1の画像データをアップレートしてフレームバッファ#1に書込み、ステップS1403にて、アップレート器104が、フレーム#2の画像データをアップレートしてフレームバッファ#2に書き込む。ここで、アップレートとは、各フレームバッファの値を一旦0でクリアしたのちに、1画素おきにデータを書き込むことである。また、フレームバッファとは、アップレートされた画像データ(フレーム)を、RAM(Random Access memory)や、HD(Hard Disk)などに一時的に記憶することである。
次に、ステップS1404にて、解像度変換部2は、フレームバッファ#1の最初の画素(例えば左上の画素)を処理対象に設定して、以下、フレームバッファ#1に対するすべての画素データの処理が終わるまで、処理をループする。
ステップS1405では、位置推定部101が、フレームバッファ#1の対象画素を基準にしてフレームバッファ#2の中の対応する画素の位置を推定し、位相差θを出力する。このとき、対応する画素の位置を推定する方法として、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載の技術をそのまま用いることができる。
ステップS1406では、動き補償・アップレート部115が、ステップS1405で求めた位相差θをもとに、フレームバッファ#2の中の対応する画素の近傍の画素を動き補償する。このとき、近傍の画素として、ステップS1408のπ/2位相シフトの処理で用いる画素データ、すなわち有限のタップ数が作用する範囲の画素データだけを動き補償すればよい。この動き補償の動作は、図3および図4を用いて説明した動作と同一である。
続いて、ステップS1419にて、位相シフト部116が、フレームバッファ#1と動き補償したフレームバッファ#2に対して、位相を一定量だけシフトする。すなわち、ステップS1407,S1408により、π/2位相シフト器106,108が、各フレームバッファの中の画素データをπ/2位相シフトする。
続いて、ステップS1420にて、折返し成分除去部117が、位相差θに基づいて図7(a),(b),(c)の条件を満たすように設定した係数C0、C1、C2、C3を用いて、ステップS1419の出力データそれぞれに乗算し、これらを加算することにより、フレームバッファ#1、#2の画素データから折返し成分を除去し、フレームバッファ#3に出力する。すなわち、ステップS1409にて、係数決定器109が、位相差θをもとに係数C0、C1、C2、C3を決定し、ステップS1410,S1411,S1412,S1413にて、乗算器110〜113が、各係数とフレームバッファ#1、#2の画素データおよびπ/2位相シフト後のデータとそれぞれ乗算したのち、ステップS1414にて、加算器114が、すべてを加算して、フレームバッファ#3に出力する。この折返し成分除去部117の動作は、図7を用いて説明した動作と同様である。
続いて、ステップS1415にて、解像度変換部2は、フレームバッファ#1の全画素の処理が完了したかどうかを判定し、完了していなければ(S1415→No)、ステップS1416で次の画素(例えば右隣の画素)を処理の対象に設定してステップS1405以降に戻り、完了していれば(S1415→Yes)、ステップS1417にて処理を終了する。
以上のような処理を行うことにより、解像度変換部2は、フレームバッファ#1とフレームバッファ#2の画素データを用いて、フレームバッファ#3に高解像度化した信号を出力することができる。動画に応用する場合は、解像度変換部2が、ステップS1401からステップS1417に至る処理を、フレームごとに繰り返せばよい。
(第2実施形態のフローチャート)
図13は、図8における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートの方法は、例えば、図1の構成における位相シフト部116を図8の位相シフト部1009および図1の折返し成分除去部117を図8の折返し成分除去部1010で置き換えた構成で実施してもよく、また、制御部とメモリとソフトウェアプログラムにより実施してもよい。また、一部のステップを回路で行い、一部のステップを制御部とメモリとソフトウェアプログラム等で実施してもよい。以下、各部の名称および符号は、図1および図8に準ずることとする。なお、ステップS1501〜ステップS1517をステップS5’とする。
図13において、処理はステップS1501から開始し、ステップS1518にて、動き補償・アップレート部115が、各フレームの画像データをアップレートする。すなわち、ステップS1502にて、アップレート器103が、フレーム#1の画像データをアップレートしてフレームバッファ#1に書込み、ステップS1503にて、アップレート器104が、フレーム#2の画像データをアップレートしてフレームバッファ#2に書き込む。ここで、アップレートとは、各フレームバッファの値を一旦0でクリアしたのちに、1画素おきにデータを書き込むことにより実現できる。
次に、ステップS1504にて、解像度変換部2が、フレームバッファ#1の最初の画素(例えば左上の画素)を処理対象に設定して、以下、フレームバッファ#1のすべての画素データの処理が終わるまで、処理をループする。
ステップS1505では、位置推定部101が、フレームバッファ#1の対象画素を基準にしてフレームバッファ#2の中の対応する画素の位置を推定し、位相差θを出力する。このとき、対応する画素の位置を推定する方法として、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載の技術をそのまま用いることができる。
ステップS1506では、動き補償・アップレート部115が、ステップS1505で求めた位相差θ102をもとに、フレームバッファ#2の中の対応する画素の近傍の画素を動き補償する。このとき、「近傍の画素」として、後記するステップS1510のヒルベルト変換の処理で用いる画素データ、すなわち有限のタップ数が作用する範囲の画素データだけを動き補償すればよい。この動き補償の動作は、図3および図4を用いて説明した動作と同様である。
続いて、ステップS1519およびステップS1520にて、折返し成分除去部1010および位相シフト部1009が、位相差θに基づいて、位相を一定量だけシフトし、フレームバッファ#1,#2の画素データから折返し成分を除去し、フレームバッファ#3に出力する。まず、ステップS1507にて、加算部1001が、フレームバッファ#1の画素データの値と動き補償したフレームバッファ#2の画素データの値を加算し、ステップS1509にて、fs遮断フィルタ1002が、周波数fsの成分を遮断する。
また、ステップS1508にて、減算部1004が、フレームバッファ#1の画素データの値から動き補償したフレームバッファ#2の画素データの値を減算する。ここで、減算した結果に対して、ステップS1519にて位相を一定量だけシフトする。すなわち、同様に減算した近傍のデータも用いて、ステップS1510にて、ヒルベルト変換器1005が、ヒルベルト変換する。この位相シフトの動作(ステップS1519)は、図5および図6を用いて説明した動作と同一である。
続いて、ステップS1511にて、乗算部1003が、fs成分遮断後のデータに係数C0(=0.5)を乗算するとともに、ステップS1512にて、係数決定器1007が、位相差θをもとに係数C1を決定し、ステップS1513にて、乗算部1006が、係数C1とヒルベルト変換後のデータを乗算したのち、ステップS1514にて、加算部1008が、両者のデータを加算して、フレームバッファ#3に出力する。
続いて、ステップS1515にて、解像度変換部2は、フレームバッファ#1の全画素の処理が完了したかどうかを判定し、完了していなければ(S1515→No)、ステップS1516で次の画素(例えば右隣の画素)を処理の対象に設定してステップS1505以降に戻り、完了していれば(S1515→Yes)、ステップS1517にて処理を終了する。
以上のような処理を行うことにより、解像度変換部2は、フレームバッファ#1とフレームバッファ#2の画素データを用いて、フレームバッファ#3に高解像度化した信号を出力することができる。動画に応用する場合は、解像度変換部2が、ステップS1501からステップS1517に至る処理を、フレームごとに繰り返せばよい。
(第3実施形態のフローチャート)
図14は、図9における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートの方法は、例えば、図1の構成における位相シフト部116を図9の位相シフト部1009および折返し成分除去部117を図8の折返し成分除去部1010で置き換え、さらに、図9の補助的画素補間部1105を有した構成で実施してもよく、また、制御部とメモリとソフトウェアプログラムにより実施してもよい。また、一部のステップを回路で行い、一部のステップを制御部とメモリとソフトウェアプログラム等で実施してもよい。図14に示した処理ステップの動作は、図7(d)に示したように位相差θが0のときに係数C1、C3が不定になることや、位相差θ102が0に近づくにつれて係数C1、C3が大きくなることでノイズ等に脆弱になることを防ぐために、図13に示した処理ステップをベースとして、位相差θが0近傍になったときにステップS1606の処理結果をフレームバッファ#3に出力するように構成したものである。なお、ステップS1605の処理は、図13のステップS1520におけるステップS1512及びステップS1514が、それぞれ後記するステップS1601及びステップS1604に置き換わったものである。
なお、図14において、図13と同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。また、以下、各部の名称および符号は、図9に準ずることとする。さらに、ステップS1501〜ステップS1517をステップS5’’とする。
ステップS1505の後、ステップS1601にて、係数決定器1103が、位相差θをもとに係数C0、C1、C4を決定し、ステップS1504の後、ステップS1602にて、補間ローパスフィルタ1101が、フレームバッファ#1の中の対象の画素データとその近傍の画素データを用いて一般的な補間ローパスフィルタ処理を行う。そして、ステップS1603にて、乗算部1102が、補間ローパスフィルタ処理を行った画素データに、係数C4を乗算する。次に、ステップS1604にて、加算器1104が、ステップS1603の出力に、ステップS1511,S1513の出力と加算してフレームバッファ#3に出力する。それ以外は、図13に示した処理ステップと同一である。なお、ステップS1601での係数決定の動作は、図11を用いて説明した動作と同一である。また、ステップS1602での補間ローパスフィルタの動作は、図10を用いて説明した動作と同一である。
なお、図12、図13、図14に示した処理ステップを動作させるハードウェアは、信号入出力部(I/O:Input/Output)、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの信号処理LSI(Large-Scale Integration)、フレームバッファ(メモリ)から構成される一般的な映像処理機器やコンピュータ等により容易に実現できるため、図示は省略する。
以上のような技術により、複数の画像フレームを合成することにより不要な折返し成分を除去して高解像度化を行う装置において、少なくとも2枚のフレーム画像があれば、1次元方向の2倍の高解像度化行う画像信号処理を実現できる。
次に、図15を用いて、本実施形態と特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載されている技術の動作の違いを説明する。
図15は、本実施形態と特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載されている技術の動作の違いを説明するための図であり、(a)は、各入力画像を示す図であり、(b)は、各サンプリング位相を示す図であり、(c)は、折返し成分の位相関係を示す図である。
図15(a)において、フレーム#1 1701〜フレーム#5 1705の間に、被写体が右方向に移動するような入力画像を用意する。この際、図15(b)に示すように、各フレームにおけるサンプリング位相を見ると、フレーム#1 1701とフレーム#2 1702との間では対応画素の位置が1/4画素(=π/2)ずれており、フレーム#1 1701とフレーム#3 1703との間では対応画素の位置が1画素(=2π)ずれている。フレーム#1 1701とフレーム#4 1704との間では対応画素の位置が5/4画素(=5π/2)ずれており、フレーム#1 1701とフレーム#5 1705との間では対応画素の位置が2画素(=4π)ずれるように、意図的に被写体を移動させる。このとき、各フレーム上の信号に含まれるそれぞれの折返し成分の位相は、フレーム#1 1701上の信号に含まれる折返し成分の位相を基準にして、図15(c)のように表すことができる。この入力画像(フレーム#1 1701〜フレーム#5 1705)に対して2倍の高解像度化を行う場合、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載されている技術では、フレーム#1 1701〜フレーム#5 1705の中のどの3フレームを用いても折返し成分のベクトル和を0にすることができないため、高解像度化は実現できない。一方、本実施形態(第1〜第3実施形態)を用いれば、例えば、隣接する2フレーム(例:フレーム#1 1701およびフレーム#2 1702を用いて折返し成分のベクトル和を0にできるため、高解像度化を実現できる。すなわち、図15(a)の入力画像(フレーム#1 1701〜フレーム#5 1705)をテストパターンとして用いることにより、本実施形態(第1〜第3実施形態)の動作状況を確認することができる。
(第4実施形態)
これまでは2フレームの信号を用いて2倍の高解像度化を説明したが、同様にnフレーム(nは2以上の整数)の信号を用いてn倍の高解像度化を実現できる。この際に、図7(a)に示したように、原成分の和のRe軸=1、原成分の和のIm軸=0、の条件とともに、もとのサンプリング周波数(fs)の1〜(n−1)倍の周波数からそれぞれ折り返された(n−1)個の折返し成分のベクトル和をそれぞれ0と置いて、連立方程式を解けばよい。以下、図16と図17を用いて、この内容を詳細に説明する。
図16は、nフレーム(nは2以上の整数)の信号を用いてn倍の高解像度化を行う画像信号処理装置の構成例を示す図である。
図16において、まず位置推定部1801の位置推定器1801−1〜1801−(n−1)により、入力されたフレーム#1上の処理対象の画素のサンプリング位相(標本化位置)を基準として、入力されたフレーム#2〜フレーム#n上の対応する画素の位置を推定し、位相差θ1 1802−1〜位相差θ(n−1) 1802−(n−1)を求める。次に、動き補償・アップレート部1806のアップレート器1803−0〜1803−(n−1)により、各位相差θ1 1802−1〜θ(n−1) 1802−(n−1)の情報を用いてフレーム#2〜フレーム#nを動き補償してフレーム#1と位置を合わせるとともに、各フレームの画素数をそれぞれn倍に増して高密度化する。位相シフト部1807では、この高密度化したデータの位相を一定量だけシフトして、信号Si0〜Si(n−1)とする。ここで、データの位相を一定量だけシフトする手段として、π/2位相シフト器1805−0〜1805−(n−1)を用いることができる。また、各π/2位相シフト器1805−0〜1805−(n−1)で生じる遅延を補償するために、遅延器1804−0〜1804−(n−1)により高密度化した各フレームの信号を遅延させて、信号Sr0〜Sr(n−1)とする。折返し成分除去部1808では、これらの信号Si0〜Si(n−1)、Sr0〜Sr(n−1)、位相差θ1 1802−1〜θ(n−1) 1802−(n−1)を用いて折返し成分除去のための演算を行い、出力を得る。なお、位置推定部1801における位置推定器1801−1〜1801−(n−1)は、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載の技術をそのまま用いて実現することができる。また、動き補償・アップレート部1806および位相シフト部1807については、図3〜図6に示した内容をもとに、図中の周波数をfsからfs*n/2に変更することによって容易に類推して実現可能なため、図示は省略する。なお、位相シフト部1807にて、fs*n/2の周波数の利得が零点になって折返し歪を除去できない場合は、fs*n/2の周波数の利得が零点になる遮断フィルタを用いたほうがよい。この遮断フィルタは、遅延器1804−0〜1804−(n−1)の位置に挿入してもよいが、折返し成分除去部1808の出力の位置に挿入しても同様の効果が得られることは明らかである。
なお、図16においても、図1と同様に、位置推定器1801−1〜1801−(n−1)と、アップレート器1803−1〜1803−(n−1)とのそれぞれの位置が入れ替わり、フレーム#1〜フレーム#nをそれぞれアップレートした後、位置推定器1801−1〜1801−(n−1)で各位相差θ1 1802−1〜θ(n−1) 1802−(n−1)を求めてもよい。
図17は、折返し成分除去部の動作の詳細を示す図であり、(a)は、折返し成分除去した出力を得るための計算式であり、(b)は、係数を求めるための計算式である。
図17(a)に、信号Si0〜Si(n−1)、Sr0〜Sr(n−1)、位相差θ1〜θ(n−1)を用いて折返し成分除去した出力を得るための計算式を示す。ここで、Ci0〜Ci(n−1)、Cr0〜Cr(n−1)は、それぞれ信号Si0〜Si(n−1)、Sr0〜Sr(n−1)に乗じる係数である。
図17(b)に、これらの係数Ci0〜Ci(n−1)、Cr0〜Cr(n−1)を求めるための計算式を示す。この計算式は、左辺および右辺ともにマトリクス形式になっており、上から2行ごとに、原成分、サンプリング周波数(fs)の成分、サンプリング周波数(fs)の2倍の成分、以下同様に、サンプリング周波数(fs)の(n−1)倍までの成分を示しており、各1行目(奇数行)はRe軸、各2行目(偶数行)はIm軸の各成分を示している。この計算式の左辺のマトリクスは、原成分のRe軸の和が1であり、その他の成分はすべて0であることを示している。この計算式の右辺はマトリクスの積演算になっている。右辺の左側のマトリクスは、左から2列ごとに、フレーム#1のサンプリング位相(基準)、フレーム#2とフレーム#1とのサンプリング位相差、以下同様に、フレーム#nとフレーム#1のサンプリング位相差に応じて長さ1のベクトルを回転させることを示しており、各1列目(奇数列)はRe軸、各2列目(偶数列)はIm軸にそれぞれ長さ1のベクトルを射影した際の値を示している。ここで、上から2行ごとに、サンプリング周波数に比例してサンプリング位相差(回転角)が大きくなる特徴がある。右辺の右側のマトリクスは求めたい係数である。すなわち、図17(b)に示す計算式は、不要な折返し成分を除去して原成分のRe軸のみを抽出するために、フレーム#1〜フレーム#nの各成分に適切な係数を乗じてベクトル和をとる、ということを示している。従って、図17(b)の逆マトリクス演算によって係数Ci0〜Ci(n−1)、Cr0〜Cr(n−1)を求め、その係数を図17(a)に代入して演算することによって不要な(n−1)個の折返し成分を除去することができ、n倍の高解像度化を実現できる。この際、n=2とおけば、図16に示した構成は図1に示した構成と一致し、図17に示した計算式は図7に示した計算式と一致する。
第4実施形態における動作のフローチャートは、例えば、図12に示したフローチャートの入力フレーム数を2からnとし、#2から#nまでにおける任意の#kのフレームについて、フレームのデータをフレームバッファ#kに書き込むステップ、フレームバッファ#1の対象画素を基準にしてフレームバッファ#kの対応画素の位置を推定し、位相差θを出力するステップ、位相差θをもとに、フレームバッファ#kの対応画素の近傍の画素を動き補償を行うステップ、動き補償後のデータを1フレームにつき2系統出力し、一方はそのままで他方をπ/2位相シフトするステップを各k分追加する。次に図12のステップS1420を、フレーム#1とフレーム#kとの位相差θ(k−1)に応じて定めた各係数と各出力データとを乗算し、すべての乗算結果を加算するステップとすればよい。
また、第4実施形態における動作のフローチャートは、例えば、図13、図14に示したフローチャートの入力フレーム数を2からnとしてもよい。すなわち、#2から#nまでにおける任意の#kのフレームについて、フレームのデータをフレームバッファ#kに書き込むステップ、フレームバッファ#1の対象画素を基準にしてフレームバッファ#kの対応画素の位置を推定し、位相差θを出力するステップ、位相差θをもとに、フレームバッファ#kの対応画素の近傍の画素を動き補償を行うステップを追加する。つぎに、図13、図14のステップS1506から出力される2系統の出力が、nが1増えるごとに2ずつ増える。これらの出力データ各々に乗算する係数をフレーム#1とフレーム#kとの位相差θ(k−1)に応じて定める。最後に図13のステップS1520をフレーム#1とフレーム#kとの位相差θ(k−1)に応じて定めた各係数と各出力データとを乗算し、すべての乗算結果を加算するステップとすればよい。または、図14のステップS1605を、フレーム#1とフレーム#kとの位相差θ(k−1)に応じて定めた各係数と各出力データとを乗算し、補間ローパスフィルタ1602の出力と係数C4との積と、すべての乗算結果とを加算するステップとすればよい。
このような第4実施形態における動作は、図16のような構成で実施しなくとも、制御部とメモリとソフトウェアプログラムにより実施してもよい。また、一部のステップを回路で行い、一部のステップを制御部とメモリとソフトウェアプログラムなどで実施してもよい。
なお、ここでは水平方向の高解像度化を例に挙げて説明したが、本実施形態(第1〜第4実施形態)は、これに限定されるわけではなく、垂直方向や斜め方向の高解像度化に適用することが可能である。例えば、各実施形態をインタレース−プログレッシブ走査変換(I−P変換)に適用することにより、2枚のフィールド画像から1枚のフレーム画像を生成することができる。すなわち、フィールド画像を「走査線数が1/2のフレーム画像」と見なして本発明を適用することにより、静止画・動画に関わらず、画像1枚あたりの走査線数を2倍(すなわち、垂直方向の解像度を2倍)にした出力画像を得ることができる。また、水平・垂直方向を組み合わせた2次元の高解像度化にも適用可能である。
(第5実施形態)
図18は、第5実施形態に係る画像信号処理装置の例を示す図である。
第5実施形態に係る画像処理装置は、例えばテレビジョン放送信号などの動画像のフレーム列が入力される入力部1と、この入力部1から入力されたフレームを水平・垂直方向を組み合わせた2次元の高解像度化するための解像度変換部4と、さらに、この解像度変換部4によって高解像度化されたフレームに基づき画像を表示する表示部3とを備えている。この解像度変換部4では、水平方向および垂直方向のそれぞれに解像度変換処理を行い、それぞれの結果のうち解像度向上効果が大きい成分を選択的に、もしくは混合させて出力することにより、2次元の高解像度化を実現する。第5実施形態に係る解像度変換部4の詳細について説明する。
図18において、入力部1に入力されたフレーム#1 2010とフレーム#2 2013とをもとに、水平解像度変換部2001と垂直解像度変換部2005とは、水平方向の画素数を増加させたフレーム2011と垂直方向の画素数を増加させたフレーム2014とをそれぞれ生成する。ここで、各解像度変換部2001,2005は、図1に示した解像度変換部2の構成をそのまま用いて、水平方向および垂直方向の信号処理をそれぞれ行う。この際、水平解像度変換部2001では、図1に示したアップレート器103,104、遅延器105,107、およびπ/2位相シフト器106,108は、それぞれ水平方向のアップレート、遅延、π/2位相シフトを行うように構成する。同様に、垂直解像度変換部2005では、図1に示したアップレート器103,104、遅延器105,107、およびπ/2位相シフト器106,108は、それぞれ垂直方向のアップレート、遅延、π/2位相シフトを行うように構成する。これらは、図3〜図6に示した動作と特許文献1、特許文献2および非特許文献1などに記載された技術とを用いて実施可能である。
第5実施形態では、被写体が水平・垂直方向の2次元的に移動したことを想定し、図1および図43に示した動作を2次元に拡張する。すなわち、水平解像度変換部2001の中の位置推定部101(図1参照)および動き補償・アップレート部115(図1参照)では、フレーム#1上の被写体を基準としてフレーム#2上の被写体を2次元的に動き補償するとともに、各フレームの画素のサンプリング位相差のうち、水平位相差θHを折返し成分除去部117(図1参照)の係数決定に用いる。同様に、垂直解像度変換部2005の中の位置推定部101(図1参照)および動き補償・アップレート部115(図1参照)では、フレーム#1上の被写体2016を基準としてフレーム#2上の被写体2017を2次元的に動き補償するとともに、各フレームの画素のサンプリング位相差のうち、垂直位相差θVを折返し成分除去部117(図1参照)の係数決定に用いる。折返し成分除去部117(図1参照)の係数決定は、図7に示した動作をそのまま用いればよい。
被写体が斜め方向に移動した場合を想定すると、水平解像度変換部2001によって水平方向の画素数を増加させられたフレーム2011には斜め方向の歪が含まれることになるが、もともとの入力信号の垂直周波数が低い成分(縦線など)では、この歪が無視できる程度に小さい。同様に、垂直解像度変換部2005によって垂直方向の画素数を増加させられたフレーム2014には斜め方向の歪が含まれることになるが、もともとの入力信号の水平周波数が低い成分(横線など)では、この歪が無視できる程度に小さい。
この特性を利用し、前記した信号処理に従って水平方向の画素数を増加させたフレーム2011は、垂直アップレート器2002および画素補間器2003からなる垂直補間部2004によりフレーム2012を生成し、SR(水平)信号とする。ここで画素補間器2003は、補間したい画素の上下の画素データの平均値を出力するような、一般的な垂直ローパスフィルタを用いればよい。同様に、垂直方向の画素数を増加させたフレーム2014は、水平アップレート器2006および画素補間器2007からなる水平補間部2008により、フレーム2015を生成しSR(垂直)信号とする。ここで、画素補間器2007は、補間したい画素の左右の画素データの平均値を出力するような、一般的な水平ローパスフィルタを用いればよい。このように、画素補間器2003,2007を用いて、処理対象の方向と直交する方向の高周波成分を除去して低周波成分だけを抽出すれば、前記した斜め方向に移動した際に発生する歪の影響を無視できる程度に小さくすることができる。上記の処理によって生成したSR(水平)信号とSR(垂直)信号を混合器2009によって混合して出力信号とし、表示部3にて表示する。混合器2009の詳細な構成および動作については後記する。
(第6実施形態)
図19は、第6実施形態に係る画像信号処理装置の例を示す図である。
第6実施形態に係る画像処理装置は、図18に示す画像信号処理装置の構成を変更したものであり、図18における垂直補間部2004の垂直アップレート器2002を、水平解像度変換部2001における位相シフト部の前に設置した構成である。つまり、図18の垂直補間部2004の垂直アップレート器2002と、水平解像度変換部2001の中の(水平方向への)アップレート器とを共通化させたものである。
同様に、図18における水平補間部2008の水平アップレート器2006を、垂直解像度変換部2005における位相シフト部の前に設置した構成である。つまり、図18の水平補間部2008の水平アップレート器2006と、垂直解像度変換部2005の中の(垂直方向への)アップレート器とを共通化させたものである。
これにより、各解像度変換部2001,2005の中にあるアップレート器103,104(図1参照)と、各補間部2004,2008の中にある各アップレート器2002,2006(図18参照)を共通化するとともに、水平解像度変換部2001と垂直解像度変換部2005との中にあるそれぞれの位置推定部101(図1参照)を共通化できるため、より小さい回路規模および演算量で同様の信号処理を実現できるようになる。
図19において、まず位置推定部2101が、入力部1に入力されたフレーム#1上の処理対象の画素のサンプリング位相(標本化位置)を基準として、フレーム#2上の対応する画素の位置を推定し、水平方向と垂直方向のそれぞれのサンプリング位相差θH 2102、θV 2103を求める。次に、動き補償・アップレート部2110の水平・垂直アップレート器2104,2105により、位相差θH 2102、θV 2103の情報を用いてフレーム#2を動き補償してフレーム#1と位置を合わせるとともに、フレーム#1とフレーム#2の画素数をそれぞれ水平・垂直ともに2倍(合計4倍)に増して高密度化する。水平・垂直アップレート器2104,2105は、図3および図4に示した動作・構成を水平・垂直方向の2次元に拡張したものであり、容易に実施可能なため、図示は省略する。位相シフト部2111では、この高密度化したデータの位相を一定量だけシフトする。このとき、水平位相シフト器2106は、水平方向の位相シフトを行い、垂直位相シフト器2107は、垂直方向の位相シフトを行うものであり、図1に示した遅延器105,107およびπ/2位相シフト器108と、図5および図6とに示した動作・構成と同様に実施できるため、図示は省略する。位相シフトした各信号に対し、折返し成分除去部2112における水平方向の折返し成分除去器2108および垂直方向の折返し成分除去器2109にてそれぞれ水平・垂直方向の折返し成分を除去する。次に、水平方向の折返し成分除去器2108の出力を画素補間器2003で画素補間してSR(水平)信号ととし、垂直方向の折返し成分除去器2109の出力を画素補間器2007を用いて画素補間してSR(垂直)信号ととし、これらを混合器2009で両者を混合して出力とする。各折返し成分除去器2108,2109は、図1に示した折返し成分除去部117の構成をそのまま用いることができる。位相差θ102(図1参照)として、折返し成分除去器2108では水平位相差θH 2102を用い、折返し成分除去器2109では垂直位相差θV 2103を用いて図7に示した動作を行うことにより、それぞれの方向の折返し成分を除去することができる。
図20は、図19における混合器の第1の構成例を示す図である。
図20において、混合器2009は、加算器2201と乗算器2202を用いて、混合器2009に入力されたSR(水平)とSR(垂直)の各信号の平均値を生成して出力する。図20に示す構成は、混合器2009を最も簡単に構成した例であるが、水平・垂直の各解像度向上効果もそれぞれ1/2になってしまう。
図21は、図19における混合器の第2の構成例を示す図である。
図21において、混合器2009に入力されたSR(水平)とSR(垂直)の各信号に対し、混合器2009は、乗算器2303および乗算器2304を用いて係数K(水平)と係数K(垂直)をそれぞれ乗じ、加算器2305で両者を加算して出力する。係数K(水平)と係数K(垂直)は、それぞれ係数決定器2301,2302にて生成する。以下、この係数決定器2301,2302の動作について説明する。
図19に示した折返し成分除去器2108,2109は、図19に示す位相差θH 2102および位相差θV 2103を基に、図1に示す係数決定器109にて図7に示す係数C0〜C3を発生して折返し成分除去の演算を行う。このとき、位相差θH 2102、θV 2103が0のときに係数C1およびC3が不定になることや、位相差θH 2102、θV 2103が0に近づくにつれて係数C1、C3が大きくなることでノイズ等に脆弱になることを防ぐために、図11に示す係数C4(0≦C4≦1)を導入して、図9に示す構成のように補助的画素補間を行うのが好ましい。逆に言えば、係数C4の値が0.0のときは解像度向上の効果があるが、係数C4の値が1.0に近づくにつれて、解像度向上の効果が小さくなることになる。この性質を利用し、水平位相差θH 2102が0近傍(すなわち、係数C4(水平)が1.0近傍)のときは垂直解像度変換結果のSR(垂直)が強く反映され、垂直位相差θV 2103が0近傍(すなわち、係数C4(垂直)が1.0近傍)のときは水平解像度変換結果のSR(水平)が強く反映されるように、水平・垂直方向それぞれの係数C4の値を用いて係数K(水平)と係数K(垂直)を決定する。この動作を実現するため、例えば図21に示す係数決定器2301ではK(水平)=C4(水平)+(1−C4(垂直))/2の演算を行ってK(水平)を決定し、係数決定器2302ではK(垂直)=C4(垂直)+(1−C4(水平))/2の演算を行ってK(垂直)を決定している。
図22は、係数C4(水平)および係数C4(垂直)をそれぞれ変化させたときの各係数決定器の出力(係数K(水平)および係数K(垂直))の一例を示す図である。
図22に示すように、係数C4(水平)が大きくなると係数K(水平)が小さくなるとともに係数K(垂直)が大きくなり、係数C4(垂直)が大きくなると係数K(水平)が大きくなるとともに係数K(垂直)が小さくなるように動作する。係数C4(水平)と係数C4(垂直)の値が等しいときには、係数K(水平)と係数K(垂直)がそれぞれ0.5となる。このように水平・垂直で独立して変化する係数C4に対して、係数K(水平)と係数K(垂直)を足してちょうど1.0になるように係数Kを決定して、SR(水平)とSR(垂直)を混合する。
図23および図24を用いて、混合器2009の第3の動作および構成例をそれぞれ説明する。図23は、水平周波数をμ、垂直周波数をνとして表した2次元周波数領域を示す図である。
元の入力画像の水平サンプリング周波数をμs、垂直サンプリング周波数をνsとすると、図18および図19に示した解像度変換部4の出力は、水平周波数μが−μs〜μsの範囲、垂直周波数νが−νs〜νsの範囲の信号となる。水平・垂直の各解像度変換により高周波成分が再生されるようになるが、高周波成分はもともと信号レベルが小さいため、水平解像度変換による効果が大きいのは(μ,ν)=(±μs/2,0)の近傍の周波数領域2501の成分(特に(μ,ν)=(+μs/2,0)を含み、μ>0となる周波数の領域と、(μ,ν)=(−μs/2,0)を含み、μ<0となる周波数の領域の成分)となり、垂直解像度変換による効果が大きいのは(μ,ν)=(0,±νs/2)の近傍の周波数領域2502の成分(特に(μ,ν)=(0,+νs/2)を含み、ν>0となる周波数の領域と、(μ,ν)=(0,−νs/2)を含み、ν<0となる周波数の領域の成分)となる。従って、これらの周波数成分2501,2502を2次元フィルタで抽出して混合すると、解像度向上効果が大きい成分を選択的に出力することができる。
図24は、水平・垂直の各解像度変換による効果が大きい成分を抽出する混合器の構成例を示す図である。
図24において、混合器2009は、2次元フィルタ2601を用いて、混合器2009に入力されたSR(水平)の解像度向上効果が大きい周波数領域2501(図23参照)の成分を抽出する。同様に、混合器2009は、2次元フィルタ2602を用いて、混合器2009に入力されたSR(垂直)の解像度向上効果が大きい周波数領域2502(図23参照)の成分を抽出する。さらに、混合器2009は、周波数領域2501,2502以外の成分として、加算器2603と乗算器2604を用いてSR(水平)とSR(垂直)の平均の信号を作り、2次元フィルタ2605を用いて、2次元フィルタ2601,2602の各通過帯域以外の成分(すなわち、残りの成分)を抽出する。2次元フィルタ2601,2602,2605の各出力信号を加算器2606で加算し出力とする。なお、図24中に示す2次元フィルタ2601,2602,2605の中の丸で囲まれた数字はそれぞれのフィルタのタップ係数の一例を示している(各フィルタの係数は説明の簡略化のため、整数にて表記している。本来の係数値は丸で囲まれた数字とその右部に示された「×1/16」等に示される演算の積である。例えば、2次元フィルタ2601では丸で囲まれた各数字にそれぞれ1/16を乗算したのが本来の係数値である。以下の説明に示される2次元フィルタの係数において同じ)。2次元フィルタ2601は、±μs/2を通過帯域の中心周波数とする水平バンドパスフィルタと垂直ローパスフィルタの積とし、2次元フィルタ2602は、±νs/2を通過帯域の中心周波数とする垂直バンドパスフィルタと水平ローパスフィルタの積とし、2次元フィルタ2605は、全帯域から2次元フィルタ(2601)と2次元フィルタ(2602)との通過帯域を減じた特性とすればよい。
(第7実施形態)
図25は、第7実施形態に係る画像信号処理装置を示す図である。
第7実施形態に係る画像処理装置は、図19に示した構成例に、さらに右下および右上方向の斜め成分の高解像度変換手段を加えた構成としている。すなわち、位相シフト部2708に斜め(右下)位相シフト器2701と斜め(右上)位相シフト器2702とを追加するとともに、折返し成分除去部2709に折返し成分除去器2705,2706を追加し、画素補間器2710,2711をそれぞれ介したのちに、SR(水平)、SR(垂直)、SR(右上)、SR(右下)の各信号を混合器2707にて混合し、出力とする。ここで、画素補間器2710,2711は、補間したい画素の上下左右の画素データの平均値を出力するような、一般的な2次元ローパスフィルタを用いればよい。位相差θとして斜め方向の位相差情報が必要であり、水平位相差θH 2102と垂直位相差θV 2103とを加算器2703で加算した位相差(θH+θV)を折返し成分除去器2705に入力し、減算器2704で生成した位相差(−θH+θV)を折返し成分除去器2706に入力するように構成すればよい。なお、折返し成分除去器2108,2109,2705,2706の構成および動作は、すべて共通である。
なお、図25においても、図1などと同様に、位置推定部2101と、水平・垂直アップレート器2104,2105は、入れ替え可能である。
図26は、2次元周波数領域における位相シフト部の動作を示す図であり、(a)は、水平位相シフト部における図、(b)は、垂直位相シフト部における図、(c)は、斜め(右下)位相シフト部における図、(d)は、斜め(右上)位相シフト部における図である。
図26(a)〜(d)は、図23と同様に水平周波数をμ、垂直周波数をνとして表した2次元周波数領域である。これらの各位相シフト部2106,2107,2701,2702(それぞれ図25参照)は、図1に示した位相シフト部116と同様の構成とし、その中のπ/2位相シフト器106,108の「周波数−位相差」特性をそれぞれの方向に合わせて変更する。すなわち、図26(a)において、水平位相シフト器2106では、入力信号の水平周波数サンプリング周波数をμsとした場合に、図5に示した動作と同様に、−μs〜0の範囲の周波数成分の位相をπ/2だけシフトし、0〜μsの範囲の周波数成分の位相を−π/2だけシフトする。同様に、図26(b)において、垂直位相シフト器2107では、入力信号の垂直周波数サンプリング周波数をνsとした場合に、−νs〜0の範囲の周波数成分の位相をπ/2だけシフトし、0〜νsの範囲の周波数成分の位相を−π/2だけシフトする。同様に、斜め(右下)位相シフト器2701および斜め(右上)位相シフト器2702では、図26(c)および図26(d)にそれぞれ示すように、信号の位相を−π/2あるいはπ/2だけシフトする。これらの「周波数−位相差」特性は、図6に示したタップ係数を、2次元のサンプリング点に合わせて水平、垂直、斜め(右下)、斜め(右上)のそれぞれの方向に配置することにより容易に実現できる。
図27は、図25に示す混合器の第1の構成例を示す図である。
図27において、混合器2707は、加算器2901と乗算器2902とを用いて、入力されたSR(水平)、SR(垂直)、SR(右下)、SR(右上)の各信号の平均値を生成して出力する。図27に示す構成は、混合器2707を最も簡単に構成した例であるが、水平・垂直・右下・右上の各解像度向上効果もそれぞれ1/4になってしまう。
図28は、図25に示す混合器の第2の構成例を示す図である。
図28において、混合器2707は、入力されたSR(水平)、SR(垂直)、SR(右下)、SR(右上)の各信号に対し、乗算器3005〜3008を用いて、係数K(水平)、係数K(垂直)、係数K(右下)、係数K(右上)をそれぞれ乗じ、加算器3009でそれらの信号を加算して出力とする。係数K(水平)、係数K(垂直)、係数K(右下)、係数K(右上)は、それぞれ係数決定器3001〜3004にて生成される。以下、この係数決定器3001〜3004の動作について説明する。図25に示す折返し成分除去器2108,2109,2705,2706は、図25に示す位相差θH 2102、位相差θV 2103、位相差(θH+θV)、位相差(−θH+θV)を基に、図1に示す係数決定器109にて、図7に示す係数C0〜C3を発生して折返し成分除去の演算を行う。このとき、位相差θH 2102、θV 2103、(θH+θV)、(−θH+θV)が0のときに係数C1およびC3が不定になることや、位相差θH 2102、θV 2103、(θH+θV)、(−θH+θV)が0に近づくにつれて係数C1、C3が大きくなることでノイズ等に脆弱になることを防ぐために、図11に示す係数C4(0≦C4≦1)を導入して、図9に示す構成のように補助的画素補間を行うのが好ましい。逆に言えば、係数C4の値が0.0のときは解像度向上の効果があるが、係数C4の値が1.0に近づくにつれて、解像度向上の効果が小さくなることになる。この性質を利用し、水平位相差θH 2102が0近傍(すなわち、係数C4(水平)が1.0近傍)のときは水平解像度変換結果のSR(水平)が弱くなり、水平位相差θH 2102が0近傍でないとき(すなわち、係数C4(水平)が0.0近傍のとき)は水平解像度変換結果のSR(水平)が強くなるように、係数決定器3001にて係数K(水平)を決定する。この一例として、係数K(水平)=(1+C4(水平)*3−C4(垂直)−C4(右下)−C4(右上))/4とすればよい。同様に、係数決定器3002〜3004は、それぞれ係数K(垂直)、K(右下)、K(右上)を決定する。このとき、独立して変化する係数C4(水平)、係数C4(垂直)、係数C4(右下)、係数C4(右上)に対して、係数K(水平)+係数K(垂直)+係数K(右下)+係数K(右上)=1.0となるよう係数Kを決定して、SR(水平)、SR(垂直)、SR(右下)、SR(右上)を混合する。
図29は、図25における混合器の第3の動作を示す図である。
図29は、図23と同様に水平周波数をμ、垂直周波数をνとして表した2次元周波数領域である。図29において、元の入力画像の水平サンプリング周波数をμs、垂直サンプリング周波数をνsとすると、図25に示した解像度変換部4の出力は、水平周波数μが−μs〜μsの範囲、垂直周波数νが−νs〜νsの範囲の信号となる。斜め(右上)の解像度変換による効果が大きいのは、図29に示すような(μ,ν)=(+μs/2,+νs/2)の近傍と(μ,ν)=(−μs/2,−νs/2)の近傍の周波数領域3101の成分(特に(μ,ν)=(+μs/2,+νs/2)を含み、μ>0,ν>0となる周波数の領域と、(μ,ν)=(−μs/2,−νs/2)を含み、μ<0,ν<0となる周波数の領域の成分)となる。斜め(右下)の解像度変換による効果が大きいのは、図29に示すような(μ,ν)=(+μs/2,−νs/2)の近傍と(μ,ν)=(−μs/2,+νs/2)の近傍の周波数領域3102の成分(特に(μ,ν)=(+μs/2,−νs/2)を含み、μ>0,ν<0となる周波数の領域と、(μ,ν)=(−μs/2,+νs/2)を含み、μ<0,ν>0となる周波数の領域の成分)となる。従って、これらの周波数成分3101,3102を2次元フィルタで抽出し、図23に示した周波数成分2501,2502も併せて混合すると、解像度向上効果が大きい成分を選択的に出力することができる。
図30は、図25における混合器の第3の構成を示す図である。
図30では、水平・垂直・斜め(右下)・斜め(右上)の各解像度変換による効果が大きい成分を抽出する混合器2707の構成例を示す。図30において、混合器2707は、2次元フィルタ3201を用いて、入力されたSR(右下)の解像度向上効果が大きい周波数領域3102(図29参照)の成分を抽出する。同様に、混合器2707は、2次元フィルタ3202を用いて、入力されたSR(右上)の解像度向上効果が大きい周波数領域3101(図29参照)の成分を抽出する。また、図24に示すフィルタと同様のフィルタである2次元フィルタ2601,2602により、それぞれSR(水平)およびSR(垂直)の解像度向上効果が大きい周波数領域2501,2502(それぞれ図23参照)の成分を抽出する。混合器2707は、周波数領域2501,2502,3101,3102以外の成分として、加算器3203と乗算器3204を用いてSR(水平)、SR(垂直)、SR(右下)、SR(右上)の平均の信号を作り、2次元フィルタ3205を用いて、2次元フィルタ2601,2602,3201,3202の各通過帯域以外の成分を抽出する。混合器2707は、2次元フィルタ2601,2602,3201,3202,3205の各出力信号を加算器3206で加算し、出力とする。なお、図30中に示す2次元フィルタ2601,2602,3201,3202,3205の中の丸で囲まれた数字は、それぞれのフィルタのタップ係数の一例を示す。
(第7実施形態のフローチャート)
図31は、図25における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
図31は、図25における画像信号処理装置の動作をソフトウェアプログラムにより実現した例である。図31において、解像度変換部4は、処理はステップS3301から開始し、ステップS5−1,S5−2,S5−3,S5−4にて、それぞれ水平、垂直、斜め(右下)、斜め(右上)の高解像度化を行う。ここで、各ステップS5−1,S5−2,S5−3,S5−4では、図12のステップS5、図13のステップS5’および図14のステップS5’’の処理のうち、いずれかを、水平、垂直、斜め(右下)、斜め(右上)の各方向に実行すればよい。すなわち、解像度変換部4は、π/2位相シフト(ステップS1407およびステップS1408:図12参照)、ヒルベルト変換(ステップS1510:図13および図14参照)などの「周波数−位相」特性を、図26に示すようにそれぞれの方向に応じて変更するとともに、位相差θをθH、θV、(θH+θV)、(−θH+θV)にそれぞれ置き換えて処理すればよい。各ステップS5−1,S5−2,S5−3,S5−4の処理結果は、図12〜図14を用いて説明したように、それぞれのフレームバッファ#3に書き込まれる。続くステップS3302−1,S3302−2,S3302−3,S3302−4では、画素補間器2003,2007,2705,2706が、それぞれ垂直、水平、斜め方向の画素補間を行い、出力するフレームの水平・垂直の画素数と同じになるように、2次元フレームバッファ#3の全画素を生成する。続くステップS3303では、混合器2707が、図27や、図28や、図30を用いて説明した方法に従って各フレームバッファ#3のデータを画素ごとに混合して、出力用のフレームバッファ#4に出力する。なお、前記した第5実施形態および第6実施形態に係る画像信号処理装置の動作をソフトウェアプログラムにより実現する場合には、斜め方向の処理を行うステップS5−3,S5−4、それらの結果に対して画素補間を行うステップS3302−3,S3302−4は不要である。また、ステップS3303の混合方法として、混合器2009が、図20、図21および図24を用いて説明した方法に従って、データを混合すればよい。このステップS3303の混合方法については、前記した動作説明をもとにして容易に実現可能なため、フローチャートの図示は省略する。
(第8実施形態)
図32は、第8実施形態に係る画像表示装置を示す図である。
第8実施形態に係る画像表示装置は、前記した第1〜第7実施形態のいずれか一の実施形態に記載された画像信号処理を行う構成とした画像表示装置である。
図32において、画像表示装置3500は、例えば、テレビジョン信号などを含む放送波やネットワークなどを介して放送信号や映像コンテンツや画像コンテンツなどを入力する入力部3501と、入力部3501から入力されたコンテンツを録画もしくは再生する録画再生部3502と、録画再生部3502がコンテンツを記録するコンテンツ蓄積部3503と、録画再生部3502が再生した映像信号または画像信号に第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された画像信号処理を行う画像信号処理部3504と、画像信号処理部3504にて処理された映像信号または画像信号を表示する表示部3505と、録画再生部3502が再生した音声信号を出力する音声出力部3506と、画像表示装置3500の各構成部を制御する制御部3507と、ユーザが画像表示装置3500の操作を行うユーザインターフェース部3508などを備える。
画像表示装置3500が、第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された画像信号処理を行う画像信号処理部3504を備えることで、入力部3501に入力された映像信号または画像信号をより高解像度で高画質な映像信号または画像信号として表示部3505に表示することができる。よって、表示部3505の表示デバイスの解像度よりも、低解像度の信号が入力部3501から入力された場合も、再生信号を高解像度化しつつ高画質で高精細な表示を行うことが可能となる。
また、コンテンツ蓄積部3503に蓄積された映像コンテンツまたは画像コンテンツを再生する際も、より高解像度で高画質な映像信号または画像信号に変換して表示部3505に表示することができる。
また、画像信号処理部3504の画像処理をコンテンツ蓄積部3503に蓄積された映像コンテンツまたは画像コンテンツの再生後に行うことにより、コンテンツ蓄積部3503に蓄積されるデータは、表示部3505に表示される解像度のよりも相対的に低解像度である。よって相対的にコンテンツのデータ量を小さくして蓄積できるという効果がある。
また、画像信号処理部3504を録画再生部3502に含め、録画時に前記した画像信号処理を行ってもよい。この場合は、再生時には上述の画像信号処理を行う必要がないため、再生時の処理負荷を低減できるという効果がある。
ここで、前記した画像信号処理は画像信号処理部3504にて行うと説明したが、制御部3507とソフトウェアで実現してもよい。この場合、第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された方法で画像信号処理を行えばよい。
第8実施形態において、録画再生部3502は、録画時は入力部3501から入力された映像などのコンテンツの状態に応じて、符号化を行ってからコンテンツ蓄積部3503に記録すればよい。
また、第8実施形態において、録画再生部3502は、録画時は入力部3501から入力された映像などのコンテンツが符号化された状態であれば、復号化を行って再生すればよい。
また、第8実施形態に係る画像表示装置において、コンテンツ蓄積部3503は必ずしも必要ない。この場合は、録画再生部3502は、録画を行わず、入力部3501から入力された映像などのコンテンツの再生を行えばよい。
この場合も、入力部3501に入力された映像信号または画像信号をより高解像度で高画質な映像信号または画像信号として表示部3505に表示することができる効果に変わりはない。
また、画像表示装置3500は、例えば、プラズマテレビでも、液晶テレビでも、ブラウン管でも、プロジェクタでもよく、また他のデバイスを用いた装置でもよい。同様に、表示部3505は例えば、プラズマパネルモジュールでも、LCD(Liquid Crystal Display)モジュールでも、プロジェクタ用デバイスでもよい。また、コンテンツ蓄積部3503は例えば、ハードディスクドライブでも、フラッシュメモリでもよく、リムーバブルメディアディスクドライブでもよい。音声出力部3506は、例えば、スピーカなどでもよい。また、入力部3501は、放送波を受信するチューナを備えたものでもよく、またネットワークと接続するLAN用コネクタを備えたものでもよく、USB(Universal Serial Bus)コネクタを備えたものでもよい。さらに、映像信号や音声信号をデジタル入力する端子を備えたものでもよく、コンポジット端子やコンポーネント端子などのアナログ入力端子を備えたものでもよい。また、ワイヤレスにてデータを転送する受信部でもよい。
(第9実施形態)
図33は、第9実施形態に係る録画再生装置を示す図である。
第9実施形態に係る録画再生装置は、前記した第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された画像信号処理を行う構成とした録画再生装置である。
図33において、録画再生装置3600は、例えば、例えば、テレビジョン信号などを含む放送波やネットワークなどを介して放送信号や映像コンテンツや画像コンテンツなどを入力する入力部3501と、入力部3501から入力されたコンテンツを録画もしくは再生する録画再生部3502と、録画再生部3502がコンテンツを記録するコンテンツ蓄積部3503と、録画再生部3502が再生した映像信号または画像信号に第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された画像信号処理を行う画像信号処理部3504と、画像信号処理部3504にて処理された映像信号または画像信号を他の装置などに出力する画像映像出力部3605と、録画再生部3502が再生した音声信号を他の装置などに出力する音声出力部3606と、録画再生装置3600の各構成部を制御する制御部3507と、ユーザが録画再生装置3600の操作を行うユーザインターフェース部3508などを備える。
録画再生装置3600が、第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された画像信号処理を行う画像信号処理部3504を備えることで、入力部3501に入力された映像信号または画像信号をより高解像度で高画質な映像信号または画像信号として、他の装置などに出力することができる。よって、低解像度の映像信号または画像信号を高解像度化しつつ高画質で高精細な映像信号または画像信号に変換する高画質高解像度化信号変換装置が好適に実現できる。
また、コンテンツ蓄積部3503に蓄積された映像コンテンツまたは画像コンテンツを再生する際も、より高解像度で高画質な映像信号または画像信号に変換して他の装置などに出力することができる。
よって、低解像度の映像信号または画像信号を入力して蓄積しておき、再生・出力時に
は高解像度化しつつ高画質で高精細な映像信号または画像信号に変換して出力する録画再
生装置が好適に実現できる。
また、画像信号処理部3504の画像処理をコンテンツ蓄積部3503に蓄積された映像コンテンツまたは画像コンテンツの再生後に行うことにより、コンテンツ蓄積部3503に蓄積されるデータは、他の装置に出力する信号の解像度のよりも相対的に低解像度である。よって相対的にコンテンツのデータ量を小さくして蓄積できるという効果がある。
また、画像信号処理部3504を録画再生部3502に含め、録画時に前記した画像信号処理を行ってもよい。この場合は、再生時には前記した画像信号処理を行う必要がないため、再生時の処理負荷を低減できるという効果がある。
ここで、前記した画像信号処理は画像信号処理部3504にて行うと説明したが、制御部3507とソフトウェアで実現してもよい。この場合、第1〜第7実施形態のいずれかの実施形態に記載された方法で画像信号処理を行えばよい。
第9実施形態において、録画再生部3502は、録画時は入力部3501から入力された映像などのコンテンツの状態に応じて、符号化を行ってからコンテンツ蓄積部3503に記録すればよい。
また、第9実施形態において、録画再生部3502は、録画時は入力部3501から入力された映像などのコンテンツが符号化された状態であれば、復号化を行って再生すればよい。
また、第9実施形態に係る画像映像出力部3605と音声出力部3606とは一体としても構わない。この場合は、映像信号と音声信号を一本のケーブルで出力するコネクタ形状などを用いることができる。
また、録画再生装置3600は、例えば、HDDレコーダでも、DVDレコーダでも、また他の記憶装置デバイスを用いた装置でもよい。同様に、コンテンツ蓄積部3503は例えば、ハードディスクドライブでも、フラッシュメモリでもよく、リムーバブルメディアディスクドライブでもよい。
また、入力部3501は、放送波を受信するチューナを備えたものでもよく、またネットワークと接続するLAN用コネクタを備えたものでもよく、USBコネクタを備えたものでもよい。さらに、映像信号や音声信号をデジタル入力する端子を備えたものでもよく、コンポジット端子やコンポーネント端子などのアナログ入力端子を備えたものでもよい。また、ワイヤレスでデータを転送する受信部でもよい。
また、画像映像出力部3605は、映像信号をデジタル出力する端子を備えたものでもよく、コンポジット端子やコンポーネント端子などのアナログ出力する端子を備えたものでもよい。またネットワークと接続するLAN用コネクタを備えたものでもよく、USBコネクタを備えたものでもよい。さらに、ワイヤレスでデータを転送する送信部でもよい。音声出力部3606に関しても、画像映像出力部3605と同様である。
さらに、入力部3501は、例えば、撮像光学系と受光素子を備えるものとしてもよい。この場合、録画再生装置3600は例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ(監視カメラシステム)などに適用できる。このとき例えば入力部3501は、撮像光学系にて撮影対象を受光素子上に撮像し、受光素子にから出力される信号を元に画像データまたは映像データを生成し、録画再生部3502に出力すればよい。
録画再生装置3600が、例えばデジタルカメラであれば、1回の撮影で時間的に異なる複数の画像を記録するようにし、この複数の画像データに画像信号処理部3504の画像信号処理を行えば、1枚の高画質な高解像度画像を得ることができる。なお、画像信号処理部3504の画像処理は、デジタルカメラからデータを出力する際に、コンテンツ蓄積部3503に記録される画像に対して行ってもよい。また、録画再生部3502と画像信号処理部3504とを一体化するなどして、コンテンツ蓄積部3503に記録するよりも前に、画像信号処理部3504の画像処理を行うようにしてもよい。この場合、コンテンツ蓄積部3503には最終的にユーザが取り扱いたい拡大画像のみを保存すればよく、後にユーザが画像データを取り扱う際に管理が容易になる。
以上説明したデジタルカメラによれば、デジタルカメラの受光素子の解像度を越えた解
像度を有する高画質画像データを得ることができる。
また、録画再生装置3600が、例えばビデオカメラであれば、入力部3501の撮像光学系にて受光素子上に撮像した映像を映像データとして録画再生部3502に出力すればよい。録画再生部3502は、コンテンツ蓄積部3503に映像データを記録し、画像信号処理部3504は記録された映像データから、高解像度化された映像データを生成すればよい。このようにすれば、ビデオカメラの受光素子の解像度を越えた解像度を有する高画質映像データを得ることができる。また、このとき、画像信号処理部3504は記録された映像データに含まれる複数のフレームのデータを用いて、一枚のスチル画像データを生成してもよい。このようにすれば、映像データから一枚の高画質画像データを得ることができる。また、前記したデジタルカメラの場合と同様に、画像信号処理部3504の画像処理はコンテンツ蓄積部3503への映像データの記録前でも、記録後でも構わない。
以上説明したビデオカメラによれば、ビデオカメラの受光素子の解像度を越えた解像度を有する高画質映像データや、撮影した映像データを用いて高画質なスチル画像データを得ることができる。
また、録画再生装置3600が、例えば、監視カメラ(監視カメラシステム)である場合も、前記したビデオカメラの場合と同様に監視カメラの受光素子の解像度を越えた解像度を有する高画質映像データや、撮影した映像データを用いて高画質なスチル画像データを得ることができる。このとき、例えば、撮像光学系と受光素子を備えた入力部3501と録画再生部3502との距離が離れており、ネットワークケーブルなどで接続されている場合でも、録画再生部3502までは低解像度の映像データで送信し、その後の画像信号処理部3504の画像信号処理により、高解像度化することができる。これにより、撮像光学系と受光素子を備えた入力部3501からの送信ネットワークの帯域を効率よく利用しながら、高解像度の映像データを得ることができる。
第8実施形態に係る画像表示装置と、第9実施形態に係る録画再生装置は、両者の機能と各構成部を一体としても、また、本発明の一実施の形態となりうる。この場合は前記した画像信号処理を行った映像信号または画像信号を表示することも、他の装置に出力することもでき、表示装置、記録再生装置、出力装置のいずれの装置としても使用でき、ユーザにとって使い勝手がよい。
次に、図34は、本実施形態(第1〜第9実施形態)と、特許文献1、特許文献2および非特許文献1などに記載の技術の動作の違いを示す図であり、(a)は、入力画像、(b)は、出力画像を示す。
図34(a)は、解像度変換部4(図1など参照)に入力されたフレーム#1 3401、フレーム#2 3402、フレーム#3 3403、フレーム#4 3404およびフレーム#5 3405を示し、図34(b)は、解像度変換部4から出力された各フレームを示す。解像度変換部4は、各フレームにて、被写体が1/4画素ずつ右回りに移動し、4フレームで1周するように意図的に被写体を移動させる。この動きをフレーム#6以降も同様に連続させる。
特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに記載されている技術では、前記したように、水平・垂直の2次元の入力信号に対して高解像度化する場合、折返しが縦横2方向から来るので、原信号の帯域が縦横共に2倍に広がると、3つの折返し成分が重なり、それらを打ち消すためには2M+1=7個のデジタルデータ(=7枚のフレーム画像の信号)を必要としていた。従って、図31(a)に示すような4フレームで一巡するような信号を入力した場合、どの7フレームを選択しても独立したデータが得られないため、高解像度化処理による解が不定となり求められない。
一方、本実施形態による技術を用いれば、例えば隣接する2フレーム(例えば、フレーム#1 3401とフレーム#2 3402(あるいはフレーム#2 3402とフレーム#3 3403))とを用いて、図34(b)に示すように水平方向(あるいは垂直方向)の折返し成分を除去して高解像度化を実現できる。すなわち、図34(a)の入力画像をテストパターンとして用いることにより、本実施形態の動作状況を確認することができる。このテストパターンの絵柄として、一般的によく知られている円形ゾーンプレート(CZP:Circular Zone Plate)を用いれば、解像度変換の効果を表示部3(図1など参照)にて確認できるようになる。すなわち、円形ゾーンプレートをフレームごとに左右に移動させれば水平方向の解像度が向上した画像が表示され、上下(あるいは斜め)に移動させれば垂直方向(あるいは斜め方向)の解像度が向上した画像が表示されるなど、テストパターンの移動方向に応じた解像度向上の効果を確認することができる。
なお、特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに記載されている技術により、3フレームを用いて1次元(水平・垂直・斜め(右下)・斜め(右上))の高解像度化を複数方向に対して行い、それらの各結果を本発明の各実施形態における混合器2009(図18、図19など参照)あるいは混合器2707(図25など参照)に入力して混合し、2次元の解像度変換結果として出力してもよい。この場合、図18、図19、図25、図31に示したように2フレームのみを用いて2次元の解像度変換を行う構成よりもフレームメモリや動き推定部などの信号処理回路の規模が大きくなるが、特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに記載されているように少なくとも7フレームの信号を用いるよりも、フレームメモリや動き推定部などの信号処理回路の規模を小さくできる。
また、第5〜第7実施形態では、1次元方向の2倍の高解像度化を例に挙げて説明したが、図16および図17を用いて説明したようなn倍の高解像度化処理を、第5〜第7実施形態における水平、垂直、斜め(右上)、斜め(右下)の各高解像度処理として用いてもよい。
また、第5〜第7実施形態では、フレーム#1とフレーム#2との入力信号の組を用いてフレーム#1の解像度を変換する場合を例に挙げて説明したが、これ以外にも例えば、解像度変換部4(図18など参照)が、フレーム#1とフレーム#3、フレーム#1とフレーム#4などの複数の組を用いて、それぞれでフレーム#1の解像度を変換し、それらの結果を混合して、フレーム#1の最終的な解像度変換結果としてもよい。このときの混合方法として、各結果の平均値をとってもよいし、図21および図22に示したようにフレームごとの係数C4(フレーム)の値に応じて混合してもよい。この場合、係数C4(フレーム)として、フレームごとの係数C4(水平)と係数C4(垂直)のMAX値(小さくないほうの値)を用いてもよい。また、画素ごとにすべての組の係数C4(水平)、C4(垂直)を比較し、係数C4が最も小さい組(すなわち、最も解像度向上効果が大きい組)から得られる解像度変換結果を画素ごとに選択して、フレーム#1の最終的な解像度変換結果としてもよい。
なお、前記したフレーム#1、フレーム#2、フレーム#3などは、時間的に不連続なフレームでもよいし、時間的に逆順となっていてもよい。
(第10実施形態)
図35は、第10実施形態に係る画像処理装置(入力画像制御装置または撮像装置)の構成を示す図である。
図35は、第1〜第9実施形態に係る解像度変換部を用いて、記録媒体に記録する画像データ量を抑えながら、高解像度の画像を表示したり出力したりすることが可能な記録再生装置に係る構成例である。図35に示す構成の記録時の動作では、入力部3701から入力された画像信号(動画像)を、記録再生処理部3709にてデータ圧縮を行ったのちに、記録媒体3708に記録し、記録側に切り替えられている切替器3716を介して、解像度変換部3710で、高解像度化処理を行い、高解像度化された画像データを表示部3715および出力部3714に出力する。さらに、解像度変換部3710は、入力部3701へ制御信号3742を送信し、入力部3701は、送信された制御信号3742を基に、自分自身を制御することで、記録再生処理部3709または切替器3716への信号を制御する。
一方、再生時には、記録再生処理部3709が、記録媒体3708から画像データを取得し、取得した画像データをデータ伸張し、再生側に切り替えた切替器3716を介して、表示部3715および出力部3714へ画像データを出力する。
ここで、入力部3701は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの光電変換素子3706や、レンズ3704や、解像度変換部3710から送信された制御信号3742を基に、これらの光電変換素子3706およびレンズ3704の位置制御などを行う撮像部制御信号変換処理部3721(制御部)、撮像部制御信号変換処理部3721から送られた制御信号3742を基に、レンズ3704や光電変換素子3706の制御を行うレンズ制御部3703、光電変換素子制御部3705などを有する撮像部3702と、信号レベル調整、コントラスト調整、ブライトネス調整、ホワイトバランス調整などを行う信号処理部3707を有する。
レンズ3704は、画像を結像する結像部3723を含み、光電変換素子3706は、画像を画像信号に変換する光電変換部3725を含む。さらに、信号処理部3707は、実際の信号処理を行う信号処理器3726を含み、レンズ制御部3703は、実際のレンズ3704の制御を行うレンズ制御器3722を含み、光電変換素子制御部3705は、実際の光電変換素子3706の制御を行う素子制御器3724を含む。
また、記録再生処理部3709は、画像信号の符号化・復号化処理や、記録媒体3708の書込み・読出し制御やエラー訂正処理などを行う記録再生処理器3727を有する。このとき、符号化・復号化処理として、一般に知られているMPEG(Moving Picture Expert Group)−1、MPEG−2、MPEG−4、H.264、VC−1などの標準規格化された符号化・復号化方式を用いてもよいし、非標準の符号化・復号化方式を用いてもよい。また、記録媒体3708として、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、HD DVD、BD(Blue-ray Disc:登録商標)などの光ディスク、フラッシュメモリなどの半導体記録素子などを用いてもよい。
解像度変換部3710の各部は、前記した図1、図16、図18、図19および図25に示した解像度変換部2の各部に相当し、図12、図13、図14および図31のフローチャートに示した信号処理方法の動作をそのまま用いることができるため、説明を省略する。
また、表示部3715は、ビューファインダのような中小画面ディスプレイでもよいし、大型テレビや放送局などで用いられるスタジオモニタのような大画面ディスプレイでもよい。さらに、出力部3714は、画像信号をNTSC(National Television Standards Committee)方式やコンポーネント信号(D1〜D5形式)のようなアナログ信号として出力してもよいし、「IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394」やUSBなどの信号インタフェース規格を用いてデジタル信号として出力してもよい。また、画像信号とともに、音声信号や、記録時刻などを示す制御信号3742を記録媒体3708に記録・再生してもよいことは言うまでもない。
以下、図36に沿って、図35に示す画像処理装置による入力部3701の制御方法を説明する。
図36は、本実施形態に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
まず、処理はステップS4001から開始し、ステップS4002にて、解像度変換部3710の位置推定部3729は、バッファリング器3728にバッファリングされているフレーム#1 3744と、入力部3701から送信されてきたフレーム#2 3745とから、位相差θ3743(図1などにおける位相差θ102と同様の信号)を算出し、ステップS4003にて、算出した位相差θ3743を制御信号3742として、撮像部3702の撮像部制御信号変換処理部3721へ送信する。ステップS4004にて、撮像部制御信号変換処理部3721は、送信された制御信号3742(位相差θ3743)を、レンズ制御信号または光電変換素子制御信号に変換し、ステップS4005にて、それぞれレンズ制御部3703および光電変換素子制御部3705へ出力する。ここで、制御信号3742としては、例えば複数フレーム間の位相差θ3743を用いる。ここで、レンズ制御信号は、例えばレンズ位置情報、レンズ形状情報、レンズ角度情報を含んだ情報である。また、光電変換素子制御信号は、例えば光電変換素子位置情報、光電変換素子角度情報を含んだ情報である。また、ここでは、フレーム#1 3744およびフレーム#2 3745の2枚のフレーム間の位相差θ 3743を用いているが、複数フレーム間の位相差θ 3743を制御信号3742として用いる場合の撮像部制御信号変換処理部3721の詳細は後記する。
レンズ制御部3703は、例えば、レンズ制御信号に含まれるレンズ位置情報をもとにレンズ3704の空間的位置を制御し、レンズ形状情報をもとにレンズ3704の形状を制御し、レンズ角度情報を基にレンズ3704の光軸に対する角度を制御する。光電変換素子制御部3705は、例えば光電変換素子制御情報に含まれる光電変換素子位置情報をもとに光電変換素子3706の空間的位置を制御し、光電変換素子角度情報を元に、光電変換素子3706の光軸に対する角度を制御する。
図37は、撮像部制御信号変換処理部の構成を示す図である。
図37において、図35と同様の要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
撮像部制御信号変換処理部3721は、位置推定部3729から送られてきた位相差θ3743(制御信号3742)を計n個バッファリングするバッファリング器3814,3815・・・3816と、バッファリング器3814,3815・・・3816にバッファリングされているn個の位相差θ3743を基に、次に撮像部制御信号変換処理部3721に入力されてくる位相差θ3743(図35参照)を推定する次回位相差推定器3817と、推定された位相差θ3743の画像全体に対するヒストグラムを作成するヒストグラム作成器3818と、ヒストグラムを基に、レンズ制御信号や、光電変換素子制御情報を取得し、レンズ制御器3722や、素子制御器3724へ出力するヒストグラム分析器3819を有してなる。
次に、適宜、図35を参照しつつ、図38に沿って、図37に示す撮像部制御信号変換処理部3721の動作を説明する。
図38は、撮像部制御信号変換処理部の動作を示すフローチャートである。
まず、処理は、ステップS4101から始まり、ステップS4102,S4103,・・・,S4104にて、バッファリング器3814,3815・・・3816が、入力されてきた位相差θ3743を入力順にn個(nは2以上の整数)バッファリングする。バッファリングは、例えば、図示しないRAMなどに、位相差θ3743が格納されることによって行われる。次に、ステップS4105にて、次回位相差推定器3817が、バッファリングされているn個の位相差θ3743から、次回入力される位相差を推定する。ここで、前記次回位相差の推定方法として、例えば、回帰分析などの統計学的手法を用いることが出来るが、一般的なので詳細は省略する。
そして、ステップS4106にて、ヒストグラム作成器3818が、推定された位相差θ(推定位相差)の値から、位相差ごとの画素数を表すヒストグラムを作成する。つまり、推定位相差は、画素ごとの情報(例えば、ある画素の位相差は、π/6で、ある画素の位相差は、π/4であるなどのように)であるため、ある位相差をもつ画素が画像全体でいくつ存在するかをカウントすることにより、ヒストグラムを作成する。ヒストグラムについては、図38および図39を参照して後記する。ここで、各画素に重みをつけて画素数をカウントし、ヒストグラムを作成してもよい。例えばビデオカメラにおいて画像を撮影する場合においては、撮影画像でフォーカスが当たっている箇所に対応する画素に重み2を、それ以外の画素に重み1をつけて位相差ごとの画素数をカウントし、ヒストグラムを作成してもよい。
続いて、ステップS4107にて、ヒストグラム分析器3819が、作成したヒストグラムのパターンを分析し、ステップS4108にて、ヒストグラム分析器3819が、分析結果に応じてレンズ制御情報、または光電変換素子制御情報を、それぞれレンズ制御器3722、または素子制御器3724に送信する。そして、ステップS4109にて、レンズ制御器3722は、レンズ制御情報をもとにレンズを制御し、素子制御器3724は、光電変換素子制御情報をもとに光電変換素子を制御するなど、入力部の制御が行われ、ステップS4110にて処理が終了する。記憶部には、ヒストグラムの形状パターンに対応したレンズ位置情報や、レンズ形状情報や、レンズ角度情報といったレンズ制御情報を有する位相差‐レンズ位置情報、光電変換素子位置情報や、光電変換素子角度情報などの素子制御情報が、ヒストグラムのパターンに対応している位相差‐素子情報などが格納されている。ヒストグラム分析器3819は、ヒストグラム作成器3818で作成されたヒストグラムの形状を基に、記憶部から対応するレンズ制御情報や、素子制御情報を取得する。
次に、図35および図37を参照しつつ、図39、図40、および図41に沿って、ヒストグラム分析を説明する。
図39は、複数フレーム画像間の位相差に対応する乗算係数の値の例を示す図であり、図40および図41は、ヒストグラム作成器が作成したヒストグラムの例を示す図である。
ここで、乗算係数とは、例えば、図1の係数決定器109で決定される係数である。位置推定部3729(図35)で算出される位相差θ3743に対応する乗算係数が図39のような特性を持つ場合、位相差がπ付近となる画素(フレーム#1とフレーム#2とが、半画素分ずれている画素)では、次回位相差推定器3817で推定された位相差に多少の推定誤差が生じても、対応する乗算係数には大きな誤差は生じない。しかし、推定された位相差が0付近または2π付近となる画素(フレーム#1とフレーム#2とが、1画素分ずれている画素)では、位相差に少しでも推定誤差が生じると、対応する乗算係数に大きな誤差を生じることになる。このため、位相差が0付近または2π付近となる画素で、このような推定誤差が生じると、適切な高解像度化処理が実施できない。
例えば、図40のように、ヒストグラム作成器3818において、特定の位相差に多くの画素が集中するような位相差‐画素数ヒストグラムが得られた場合、2π付近の位相差θを有する画素が多数存在するため、推定誤差の影響が大きくなってしまう。ここで、図38および図41に示すヒストグラムは、フレーム#1 3744(図35参照)とフレーム#2 3745(図35参照)との間で、画素ごとに位相差θ3743を算出した際の位相差θ3743に対する画素数を示す図である。
そこで、例えば、ヒストグラムのメジアンまたはモードが位相差πになるような次フレーム画像が得られるように、レンズまたは光電変換素子を制御すれば、適切な高解像度処理ができる。つまり、ヒストグラムの山がπ付近となるよう、レンズまたは光電変換素子を制御する。具体的には、ヒストグラム分析器3819は、ヒストグラムのメジアンまたはモードとπとの差分だけ画像サンプリング位置がずれるようにレンズまたは光電変換素子を光軸垂直平面内で移動するよう、レンズまたは光電変換素子にレンズ制御信号または光電変換素子制御信号を送信する。ここで、特定位相差に多くの画素が集中しているかどうかは、あらかじめ閾値を設定しておくことで判定可能である。また、図41のように、画素が特定位相差には集中しないような位相差‐画素数ヒストグラムが得られた場合には、レンズまたは光電変換素子を光軸方向に移動し、特定位相差(位相差π付近)に多くの画素が集中するようレンズまたは光電変換素子を制御する。このようにすれば、推定誤差の影響が小さい特定位相差(位相差π)に多くの画素が集中させることができるため、乗算係数の誤差の影響を小さくすることができ、適切な高解像度処理が実施できる。例えば、予めヒストグラムの形状パターンごとに対応したレンズ制御信号および光電変換素子制御信号が、位相差‐レンズ位置情報や、位相差‐素子位置情報として記憶部に格納されており、ヒストグラム分析器3819は、ヒストグラム作成器3818より得られたヒストグラムの形状パターンをキーとして、記憶部からレンズ制御信号や、光電変換素子制御信号を取得する。
このような動作で入力部におけるレンズや、光電変換素子を制御して、高解像度化処理の入力として用いる複数フレーム画像を調整することにより、乗算係数の誤差の影響を小さくすることができ、適切な高解像度化処理が実施できる。
図42は、第1〜第10実施形態に係る画像信号処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図42に示すように、前記した第1〜第10実施形態に係る画像信号処理装置のうちの、いずれか1つである画像信号処理装置5000は、CPU5001、RAM5002、ROM5003、ネットワークインターフェース5004、表示制御部5005およびHD5006が、バス5007を介して互いに接続している。表示制御部5005には、ディスプレイなどのモニタ5008が接続されている。
なお、第10実施形態に示す画像信号処理装置を、例えばビデオカメラ(撮像装置)に搭載してもよい。
第10実施形態によれば、入力映像のフレーム間の差分から生じる位相差θを用いて、レンズ3704や、光電変換素子3706を移動させて、次に入力されるフレームが、高解像度化に適した画像となるよう調節するので、画像信号処理装置に入力された画像に対応したレンズ3704や、光電変換素子3706の調節が可能となる。また、次に入力されるフレームが、高解像度化に適した画像となるようレンズ3704や、光電変換素子3706を調節するので、すべてのフレーム(画素)を高解像度化処理に使用することができる。
また、たとえば特許文献3に記載されているような、画像信号記録再生装置で映像を記録するときに、撮像部のレンズを移動し、高解像度化に用いる複数フレーム画像間に意図的に位相差θ211を作り出すことで高解像度化を実現する技術では、レンズの移動に依存して決まる複数フレーム間の位相差が高解像度化処理に適した値にならないため、高解像度化処理によって入力画像より高解像度な出力画像を得られない場合がある。詳しくいうと、位相差θ211の変化量に対して、対応する乗算係数の変化量が大きい場合には、位相差の微小な推定誤差が、対応する乗算係数の大きな誤差につながるため、高解像度化処理で適切に各フレームの折り返し成分304〜306が除去できず、かえって画質が劣化してしまう。
第10実施形態によれば、ヒストグラム作成器3818が作成したヒストグラムの山を乗算係数の誤差の影響が小さい位相差πの付近へ移動するようレンズ3704や、光電変換素子3706を移動させるため、乗算係数の推定誤差の影響を小さくすることができる。
第1〜第10実施形態に係る解像度変換部4,3710および第10実施形態における入力部3701における各部は、図42のROM5003またはHD5006に格納されているプログラムが、RAM5002に展開され、CPU5001によって実行されることによって具現化する。
本発明の各実施形態は、各実施形態において説明した装置以外に、例えば、DVDプレーヤーやHDDプレーヤーにも同様に適用でき、更には1セグ(セグメント)放送を受信するための携帯画像表示端末(例えば携帯電話)にも適用できることは言うまでもない。また、画像フレームとしては、テレビジョン放送信号以外の信号の画像フレームを用いてもよい。例えば、インターネットを介して送信されるストリーミング画像や、DVDプレーヤーやHDDプレーヤーから再生された画像に対しても、同様に各実施形態は適用できる。
また、本発明における各実施形態は、下記の場合にも有用である。
すなわち、本発明における各実施形態は、複数の低解像度画像を入力し、これらを位置合わせして、1枚の高解像度画像を生成する技術であり、入力画像の解像度の限界を超えた高精細画像が得られることができる。
これまでは、1枚の出力画像を作成する際に、大量(10〜50フレーム程度)の入力フレームと多数(10〜100回程度)の繰り返し演算が必要であった。このため、大量のメモリや超高速な演算を行うプロセッサが必要であり、リアルタイムのテレビ映像に応用するのは困難であった。
ここで、いかに少ない入力フレーム数/演算量で超解像処理を実現するかが、テレビ受像機への応用に向けた重要な課題となっていたが、本発明における各実施形態の画像処理装置を用いれば、入力フレーム数を最少で2枚まで減らすとともに、繰り返し演算も不要とすることができる。
さらに、各実施形態を用いれば、画像を単純に拡大して画素数を増やしていたこれまでのSD(Standard Definition:標準画質)→HD(High Definition:高精細画質)変換技術(アップコンバート技術)とは異なり、入力画像の解像度の限界を超えて、標準画質(SD)の動画像を高精細画質(HD)に変換することができる。これにより、例えば、デジタル放送と大画面薄型テレビの普及に伴いHD化が進むテレビの高精細表示ニーズに応え、既存のDVDメディアやSD画質の番組、既にSD画質で記録した映像などを、ハイビジョンに近い画質で再生することが可能となる。
また、各実施形態を用いれば、これまでよりも少ない入力フレーム数で高精細な映像が得られるため、テレビ受像機でのリアルタイム処理を前提とした信号処理方式に好適に用いることが可能となる。
また、各実施形態を用いれば、例えば、640×360画素のSD画質の画像を入力し、縦方向2倍、横方向2倍の解像度となる1280×720画素のHD画質の画像を、例えば2枚の入力画像からより高精細に生成することが可能となる。すなわち標準画質のテレビ映像をハイビジョンに近い画質に変換を得ることが可能となる。
また、各実施形態ではフレーム単位での高解像度化を例に挙げて説明した。しかし高解像度化の対象は、必ずしもフレーム全体でなくともよい。例えば、入力画像または入力映像のフレームの一部分を解像度化の対象としてもよい。すなわち、入力映像のフレームの一部分の複数フレーム分を対象として、前記した各実施形態の画像処理を実施すれば、入力画像または入力映像の一部分の高画質な拡大画像を得ることができる。これは、例えば、映像の一部分の拡大表示などに適用できる。
なお、前記した各実施形態のいずれを組み合わせても、本発明の一実施形態となりうる。
各実施形態によれば、低解像度の画像を好適に拡大画像に変換する処理を行うことができ、高画質な高解像度画像を好適に得ることができる。すなわち画像信号を好適に高解像度化することができる。
また、各実施形態によれば、高画質な高解像度画像を得るために必要な画像のフレーム数を低減することができる。
第1実施形態に係る画像信号処理装置の構成を示す図である。 第1実施形態において、1次元の周波数領域で、各成分の周波数スペクトルを示した図であり、(a)は、各成分の位相関係を示す図であり、(b)は、原成分の位相関係を示す図であり、(c)は、折返し成分の位相関係を示す図である。 図1におけるアップレート器の動作を示す図である。 第1実施形態におけるアップレート器の動作の具体例を示す図である。 第1実施形態に用いるπ/2位相シフト器の動作例を示す図であり、(a)は、「周波数‐利得」特性を示す図であり、(b)は、「周波数‐位相差」特性を示す図である。 第1実施形態に用いるπ/2位相シフト器をヒルベルト変換器で構成したときの動作を示す図である。 第1実施形態に用いる係数決定器の動作と具体例を示す図であり、(a)は、各成分における条件を示し、(b)は、各係数の条件を示し、(c)は、(a)および(b)の条件から導き出される各係数の式を示し、(d)は、各係数の具体値の例を示す。 第2実施形態に係る位相シフト部および折返し成分除去部の構成を示す図である。 第3実施形態に係る位相シフト部および折返し成分除去部の構成を示す図である。 第3実施形態に係る補間ローパスフィルタの動作例を示す図である。 第3実施形態に係る係数決定器の動作例を示す図である。 図1における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 図8における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 図9における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 本実施形態と特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載されている技術の動作の違いを説明するための図であり、(a)は、各入力画像を示す図であり、(b)は、各サンプリング位相を示す図であり、(c)は、折返し成分の位相関係を示す図である。 nフレーム(nは2以上の整数)の信号を用いてn倍の高解像度化を行う画像信号処理装置の構成例を示す図である。 折返し成分除去部の動作の詳細を示す図であり、(a)は、折返し成分除去した出力を得るための計算式であり、(b)は、係数を求めるための計算式である。 第5実施形態に係る画像信号処理装置の例を示す図である。 第6実施形態に係る画像信号処理装置の例を示す図である。 図19における混合器の第1の構成例を示す図である。 図19における混合器の第2の構成例を示す図である。 係数C4(水平)および係数C4(垂直)をそれぞれ変化させたときの各係数決定器の出力(係数K(水平)および係数K(垂直))の一例を示す図である。 水平周波数をμ、垂直周波数をνとして表した2次元周波数領域を示す図である。 水平・垂直の各解像度変換による効果が大きい成分を抽出する混合器の構成例を示す図である。 第7実施形態に係る画像信号処理装置を示す図である。 2次元周波数領域における位相シフト部の動作を示す図であり、(a)は、水平位相シフト部における図、(b)は、垂直位相シフト部における図、(c)は、斜め(右下)位相シフト部における図、(d)は、斜め(右上)位相シフト部における図である。 図25に示す混合器の第1の構成例を示す図である。 図25に示す混合器の第2の構成例を示す図である。 図25における混合器の第3の動作を示す図である。 図25における混合器の第3の構成を示す図である。 図25における画像信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 第8実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 第9実施形態に係る録画再生装置を示す図である。 本実施形態(第1〜第9実施形態)と、特許文献1、特許文献2および非特許文献1などに記載の技術の動作の違いを示す図であり、(a)は、入力画像、(b)は、出力画像を示す。 第10実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。 本実施形態に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。 撮像部制御信号変換処理部の構成を示す図である。 撮像部制御信号変換処理部の動作を示すフローチャートである。 複数フレーム画像間の位相差に対応する乗算係数の値の例を示す図である。 ヒストグラム作成器が作成したヒストグラムの例を示す図である(その1)。 ヒストグラム作成器が作成したヒストグラムの例を示す図である(その2)。 第1〜第10実施形態に係る画像信号処理装置のハードウェア構成を示す図である。 一般的な高解像度化技術の概要を示す図である。 1次元の周波数領域で、各成分の周波数スペクトルを示した図であり、(a)は、各成分の位相関係を示す図であり、(b)は、原成分の位相関係を示す図であり、(c)は、折返し成分の位相関係を示す図である。
符号の説明
1,3701 入力部
2,4,3710 解像度変換部
3 表示部
101,1801,2101,3729 位置推定部
102 位相差θ
103,104,1803−1〜1803−(n−1) アップレート器
105,107,1804−1〜1804−(n−1) 遅延器
106,108,1805−1〜1805−(n−1) π/2位相シフト器
109,1007,1103,2301,2302 係数決定器
115,1806,2110 動き補償・アップレート部
116,1807,2111,2708 位相シフト部
117,1010,1808,2112,2709 折返し成分除去部
119,3001〜3004 係数決定機
1002 fs遮断フィルタ
1005 ヒルベルト変換器
1009 位相シフト部
1101,1602 補間ローパスフィルタ
1105 補助的画素補間部
1801−1〜1801−(n−1) 位置推定器
2001 水平解像度変換部
2002 垂直アップレート器
2003,2007,2710 画素補間器
2004 垂直補間部
2005 垂直解像度変換部
2006 水平アップレート器
2008 水平補間部
2009,2707 混合器
2104,2105 水平・垂直アップレート器
2106 水平位相シフト器
2107 垂直位相シフト器
2108,2109,2705 折返し成分除去器
2601,2603,2605,3201,3202,3205 2次元フィルタ
2701 斜め(右下)位相シフト器
2702 斜め(右上)位相シフト器
3500 画像表示装置
3501 入力部
3502 録画再生部
3503 コンテンツ蓄積部
3504 画像信号処理部
3505,3715 表示部
3506 音声出力部
3507 制御部
3508 ユーザインターフェース部
3517 次回位相差推定器
3600 録画再生装置
3605 画像映像出力部
3606 音声出力部
3702 撮像部
3703 レンズ制御部
3704 レンズ
3705 光電変換素子制御部
3706 光電変換素子
3707 信号処理部
3708 記録媒体
3709 記録再生処理部
3714 出力部
3716 切替器
3721 撮像部制御信号変換処理部
3722 レンズ制御器
3723 結像部
3724 素子制御器
3725 光電変換部
3726 信号処理器
3727 記録再生処理器
3728,3814〜3816 バッファリング器
3742 制御信号
3817 次回位相差推定器
3818 ヒストグラム作成器
3819 ヒストグラム分析器

Claims (19)

  1. 入力された複数のフレームにおける画像のずれを基に、画素数を補間して増加させることによって、高解像度画像を生成するための入力画像制御装置であって、
    画像を撮像して入力する入力部と、
    前記入力された画像をバッファリングする記憶部と、
    前記入力された画像と、前記記憶部にバッファリングされているフレームの画像とを基に、前記入力部の制御信号を生成する制御信号生成部と、
    前記入力部の制御信号に基づいて、前記入力部の制御を行う制御部とを有し、
    前記入力部の制御信号は、2つの画像の画素ごとのずれの度合いの情報である位相差情報であり、
    前記制御部は、前記位相差情報から、次に入力されるフレームの画像が、前のフレームの画像と所定のずれを生じるよう前記入力部を制御することを特徴とする入力画像制御装置。
  2. 前記入力部は、画像を結像させるためのレンズを有し、
    前記記憶部には、複数の前記位相差情報がバッファリングされており、
    前記制御部は、
    前記記憶部における前記複数の位相差情報を基に、次に入力されるフレームの位相差情報を推定し、前記推定した位相差情報を基に、前記レンズの制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の入力画像制御装置。
  3. 前記記憶部には、前記位相差情報と、前記レンズの制御情報とが対応付けられた位相差‐レンズ制御情報が格納されており、
    前記制御部は、
    前記記憶部の位相差‐レンズ制御情報から、前記推定された位相差情報に対応する前記レンズの制御情報を取得し、前記取得したレンズの制御情報を基に、前記レンズの制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の入力画像制御装置。
  4. 前記推定された位相差情報とは、画像全体における推定される画素ごとの位相差を、ヒストグラムとした情報であることを特徴とする請求項2に記載の入力画像制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記ヒストグラムの山が、位相差πの位置となるよう前記入力部の制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の入力画像制御装置。
  6. 前記レンズの制御情報とは、前記レンズの空間的位置情報、前記レンズの形状情報および前記レンズの角度情報を有することを特徴とする請求項3に記載の入力画像制御装置。
  7. 前記入力部は、レンズによって結像した画像を画像信号に変換する光電変換素子を有し、
    前記記憶部には、複数の前記位相差情報がバッファリングされており、
    前記制御部は、
    前記記憶部における前記複数の位相差情報を基に、次に入力されるフレームの位相差情報を推定し、前記推定した位相差情報を基に、前記光電変換素子の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の入力画像制御装置。
  8. 前記記憶部には、前記位相差情報と、前記光電変換素子の制御情報とが対応付けられた位相差‐素子制御情報が格納されており、
    前記制御部は、
    前記記憶部の位相差‐素子制御情報から、前記推定された位相差情報に対応する前記光電変換素子の制御情報を取得し、前記取得した光電変換素子の制御情報を基に、前記光電変換素子の制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の入力画像制御装置。
  9. 前記推定された位相差情報とは、画像全体における推定される画素ごとの位相差を、ヒストグラムとした情報であることを特徴とする請求項7に記載の入力画像制御装置。
  10. 前記制御部は、
    前記ヒストグラムの山が、位相差πの位置となるよう前記入力部の制御を行うことを特徴とする請求項9に記載の入力画像制御装置。
  11. 前記光電変換素子の制御情報とは、前記光電変換素子の光電変換素子の位置情報および光電変換素子の角度情報を有することを特徴とする請求項8に記載の入力画像制御装置。
  12. 入力された複数のフレームにおける画像のずれを基に、画素数を補間して増加させることによって、高解像度画像を生成出力する撮像装置であって、
    画像を撮像して入力するレンズと、
    前記レンズによって結像した画像を画像信号に変換する光電変換素子と、
    前記入力された画像をバッファリングする記憶部と、
    前記入力された画像と、前記記憶部にバッファリングされているフレームの画像とを基に、制御信号を生成する制御信号生成部と、
    前記制御信号に基づいて、前記レンズの制御を行う制御部と、
    前記入力された複数のフレームにおける画像のずれを基に、画素数を補間して増加させることにより、高解像度画像を生成する解像度変換部と、
    前記解像度変換部によって生成された高解像度画像を出力する出力部とを有し、
    前記制御信号は、2つの画像の画素ごとのずれの度合いの情報である位相差情報であり、
    前記制御部は、前記位相差情報から、次のフレームの画像が、前のフレームの画像と所定のずれを生じるよう前記レンズおよび前記光電変換素子を制御することを特徴とする撮像装置。
  13. 前記記憶部には、複数の前記位相差情報がバッファリングされており、
    前記制御部は、
    前記記憶部における前記複数の位相差情報を基に、次に入力されるフレームの位相差情報を推定し、前記推定した位相差情報を基に、前記レンズおよび前記光電変換素子の制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. 前記記憶部には、前記位相差情報と、前記レンズの制御情報とが対応付けられた位相差‐レンズ制御情報と、前記位相差情報と、前記光電変換素子の制御情報とが対応付けられた位相差‐素子制御情報とが格納されており、
    前記制御部は、
    前記記憶部の位相差‐レンズ制御情報から、前記推定された位相差情報に対応する前記レンズの制御情報を取得し、前記記憶部の位相差‐素子制御情報から、前記推定された位相差情報に対応する前記光電変換素子の制御情報を取得し、前記取得したレンズおよび前記光電変換素子の制御情報を基に、前記レンズおよび前記光電変換素子の制御を行うことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
  15. 前記推定された位相差情報とは、画像全体における推定される画素ごとの位相差を、ヒストグラムとした情報であることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
  16. 前記制御部は、
    前記ヒストグラムの山が、位相差πの位置となるよう前記入力部の制御を行うことを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
  17. 前記レンズの制御情報とは、前記レンズの空間的位置情報、前記レンズの形状情報および前記レンズの角度情報を有し、前記光電変換素子の制御情報とは、前記光電変換素子の光電変換素子の位置情報および光電変換素子の角度情報を有することを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
  18. 入力された複数のフレームにおける画像のずれを基に、画素数を補間して増加させることによって、高解像度画像を生成するための入力画像制御装置における入力画像制御方法であって、
    前記入力画像制御装置は、
    記憶部に、入力部から入力された画像をバッファリングしておき、
    前記入力された画像と、前記記憶部にバッファリングされているフレームの画像とを基に、2つの画像の画素ごとのずれの度合いの情報である位相差情報を生成し、
    前記生成した位相差信号を制御信号として、次のフレームの画像が、前のフレームの画像と所定のずれを生じるよう前記入力部を制御することを特徴とする入力画像制御方法。
  19. 請求項18に記載の入力画像制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

JP2007282006A 2007-10-30 2007-10-30 入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム Pending JP2009111721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007282006A JP2009111721A (ja) 2007-10-30 2007-10-30 入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007282006A JP2009111721A (ja) 2007-10-30 2007-10-30 入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009111721A true JP2009111721A (ja) 2009-05-21

Family

ID=40779735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007282006A Pending JP2009111721A (ja) 2007-10-30 2007-10-30 入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009111721A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111512320A (zh) * 2017-12-27 2020-08-07 索尼公司 图像处理装置、图像处理方法和程序

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111512320A (zh) * 2017-12-27 2020-08-07 索尼公司 图像处理装置、图像处理方法和程序
CN111512320B (zh) * 2017-12-27 2023-11-24 索尼公司 图像处理装置、图像处理方法和程序

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4775210B2 (ja) 画像信号処理装置、画像高解像度化方法、画像表示装置、記録再生装置
US7830369B2 (en) Video signal processing apparatus, video displaying apparatus and high resolution method for video signal
JP2009015025A (ja) 画像信号処理装置および画像信号処理方法
JP4876048B2 (ja) 映像送受信方法、受信装置、映像蓄積装置
JP2009033581A (ja) 画像信号記録再生装置
US8089557B2 (en) Video signal processing apparatus, video signal processing method and video display apparatus
US20090009660A1 (en) Video displaying apparatus, video signal processing apparatus and video signal processing method
JP5250232B2 (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法及び画像表示装置
JP2009100112A (ja) 画像信号処理装置及び画像信号処理方法
JP2008182347A (ja) 映像処理システム
JP2009033582A (ja) 画像信号記録再生装置
JP2009111721A (ja) 入力画像制御装置、撮像装置、入力画像制御方法およびプログラム
JP5103314B2 (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法、および映像表示装置
WO2017145752A1 (ja) 画像処理システムおよび画像処理装置
JP2010073075A (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法
JP2009017242A (ja) 画像表示装置、画像信号処理装置および画像信号処理方法
JP2009163551A (ja) 画像処理システムおよびこれに用いるカメラと録画再生装置
JP5250233B2 (ja) 画像信号処理装置、画像信号処理方法及び画像表示装置
JP4988460B2 (ja) 画像信号処理装置および画像信号処理方法
JP2009171370A (ja) 画像信号処理装置、画像表示装置、画像信号処理方法
JP2009141444A (ja) 画像信号処理装置、画像表示装置、画像信号処理方法
Gohshi et al. Development of Real-time HDTV-to-8K TV Upconverter.
JP5416899B2 (ja) 映像表示装置
JP5416898B2 (ja) 映像表示装置
WO2016002245A1 (ja) 画像処理システム、及び、画像処理方法