JP2009106998A - 摩擦点接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウム製部材と亜鉛−鉄合金メッキ鋼製部材を点接合する摩擦点接合方法に関し、接合時のアルミニウム製部材のAlとZn−Fe合金メッキ層のZnの拡散を促進させ、接合強度の向上を図ると共に、接合時間を短縮する。
【解決手段】鋼製部材13のZn−Fe合金メッキ層14の表面がレーザー加熱により平滑化された後、Zn−Fe合金メッキ層14にアルミニウム製部材17を重ね合わせ、回転ツール7を回転させながらアルミニウム製部材17の接合部に押圧することにより、Zn−Fe合金メッキ層14のZnがアルミニウム製部材17内に拡散してZn拡散層18が形成されると共に、アルミニウム製部材17のAlがZn−Fe合金メッキ層14内に拡散してAl−Fe中間層19が形成され、この中間層19を介してアルミニウム製部材17と鋼製部材13の接合部が点接合される
【選択図】図11
【解決手段】鋼製部材13のZn−Fe合金メッキ層14の表面がレーザー加熱により平滑化された後、Zn−Fe合金メッキ層14にアルミニウム製部材17を重ね合わせ、回転ツール7を回転させながらアルミニウム製部材17の接合部に押圧することにより、Zn−Fe合金メッキ層14のZnがアルミニウム製部材17内に拡散してZn拡散層18が形成されると共に、アルミニウム製部材17のAlがZn−Fe合金メッキ層14内に拡散してAl−Fe中間層19が形成され、この中間層19を介してアルミニウム製部材17と鋼製部材13の接合部が点接合される
【選択図】図11
Description
本発明は、アルミニウム製部材と鋼製部材を重ね合わせて点接合する摩擦点接合方法に関するものである。
従来から、アルミニウム製部材と鋼製部材の接合方法においては、アルミニウム製部材と鋼製部材とを摩擦熱を利用して接合する摩擦点接合方法が知られている。この摩擦点接合方法においては、アルミニウム製部材と鋼製部材とを重ね合わせた状態で、摩擦点接合装置の回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材に押圧して摩擦熱を発生させ、アルミニウム製部材の接合部を軟化させ塑性流動を生じさせてアルミニウム製部材と鋼製部材の接合部を固相状態で点接合する。
特許文献1には、鋼製の被接合部材同士を重ね合わせて点接合する摩擦攪拌接合装置が開示されている。この摩擦攪拌接合装置はレーザー装置を備え、被接合部材同士を重ね合わせた状態で、レーザー光をこれら被接合部材の被接合部分に照射させ、被接合部分が軟化温度に達するまで加熱した後、接合ツールで被接合部分を摩擦攪拌接合にて点接合する。軟化温度は、被接合部分が溶融する溶融温度未満で且つ被接合部分が接合ツールに対して軟化する温度である。
ところで、近年、鋼製部材として、その表面にZn−Fe合金メッキ層を形成したZn−Fe合金メッキ鋼板が自動車の車体など広く実用に供されている。この鋼製部材は、鋼板の表面に溶融亜鉛メッキを施した後、所定の加熱条件下(温度・時間・加熱速度)で鋼板のFeをZnメッキ層中に拡散させZn−Fe合金メッキ層を生成させた防錆鋼板である。この鋼板は、従来の溶融亜鉛メッキ鋼板と比較して、防錆性能を持ちつつ、鋼板を所望の大きさ及び形状にプレス成形する際の成形性、溶接性、塗装耐食性などに優れている。
特開2006−21217号公報
従来の摩擦点接合方法においては、アルミニウム製部材とZn−Fe合金メッキ鋼製部材とを摩擦点接合にて点接合する場合、鋼製部材のZn−Fe合金メッキ層の軟化温度(約530℃〜600℃)が接合時の摩擦熱(約400℃〜500℃)よりも高いので、アルミニウム製部材とZn−Fe合金メッキ層の接合部においてAlとZnの拡散が促進されず、これら接合部の接合強度を高めることができないうえ、接合時間が長くかかるという問題がある。
特許文献1の摩擦攪拌接合装置を用いた接合方法は、摩擦点接合時の接合ツールの摩耗を低減する為に、被接合部材を予熱で軟化させた後摩擦点接合する方法であり、本発明の摩擦点接合方法とは対象とする部材や接合方法が異なる。
本発明の目的は、アルミニウム製部材とZn−Fe合金メッキ鋼製部材を点接合する摩擦点接合方法に関し、接合時のアルミニウム製部材とZn−Fe合金メッキ層の接合部においてAlとZnの拡散を促進させ、接合強度の向上を図ると共に、接合時間を短縮することである。
本発明の目的は、アルミニウム製部材とZn−Fe合金メッキ鋼製部材を点接合する摩擦点接合方法に関し、接合時のアルミニウム製部材とZn−Fe合金メッキ層の接合部においてAlとZnの拡散を促進させ、接合強度の向上を図ると共に、接合時間を短縮することである。
請求項1の摩擦点接合方法は、鋼製部材とアルミニウム製部材とを重ね合わせ、回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材に押圧して摩擦熱を発生させ、アルミニウム製部材の接合部を軟化させ塑性流動を生じさせてアルミニウム製部材と鋼製部材を固相状態で点接合する摩擦点接合方法において、鋼製部材の接合面側に、亜鉛メッキを施した後合金化処理してZn−Fe合金メッキ層を形成する第1工程と、次にZn−Fe合金メッキ層の接合部の表面を加熱して金属結晶の平滑化処理を施す第2工程と、次に鋼製部材のZn−Fe合金メッキ層にアルミニウム製部材を重ね合わせ、回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材の接合部に押圧して摩擦熱を発生させ、アルミニウム製部材を軟化させてZn拡散層を形成すると共に、Zn−Fe合金メッキ層にAlを拡散させてAl−Fe中間層を形成し、このAl−Fe中間層を介してアルミニウム製部材と鋼製部材とを点接合する第3工程とを備えたことを特徴としている。
この摩擦点接合方法では、鋼製部材に形成されたZn−Fe合金メッキ層の表面が加熱されて平滑化された後、アルミニウム製部材と鋼製部材の接合部が摩擦点接合にて点接合される。
表面が平滑化されたZn−Fe合金メッキ層にアルミニウム製部材を重ね合わせ、回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材の接合部に押圧することにより、アルミニウム製部材及びZn−Fe合金メッキ層の接合部において、Zn−Fe合金メッキ層のZnがアルミニウム製部材内に拡散してZn拡散層が形成されると共に、アルミニウム製部材のAlがZn−Fe合金メッキ層内に拡散してAl−Fe中間層が形成され、この中間層を介してアルミニウム製部材と鋼製部材の接合部が点接合されるので、接合強度の向上を図ることができる。
請求項2の摩擦点接合方法は、請求項1の発明において、平滑化処理は、レーザー光をZn−Fe合金メッキ層の接合部に照射する処理であることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、第1工程において鋼製部材の接合面側に、亜鉛メッキを施した後合金化処理してZn−Fe合金メッキ層を形成し、次に第2工程においてZn−Fe合金メッキ層の接合部の表面を加熱して金属結晶の平滑化処理を施し、次に第3工程において回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材の接合部に押圧して摩擦熱を発生させ、アルミニウム製部材を軟化させて塑性流動を生じさせ、Zn−Fe合金メッキ層のZnをアルミニウム製部材に拡散させたZn拡散層を形成すると共に、Zn−Fe合金メッキ層にAlを拡散させてAl−Fe中間層を形成し、このAl−Fe中間層を介してアルミニウム製部材と鋼製部材とを点接合するので、次の効果が得られる。
Zn−Fe合金メッキ層の接合部の表面を加熱して金属結晶を破壊して平滑化した後に摩擦点接合するので、接合時のアルミニウム製部材のAlとZn−Fe合金メッキ層のZnの拡散が促進され、接合強度を高めると共に、接合時間を短縮することができる。
請求項2の発明によれば、平滑化処理は、レーザー光をZn−Fe合金メッキ層の接合部に照射する処理であるので、レーザー光でZn−Fe合金メッキ層の接合部の表面の平滑化を効率よく処理することができる。
本実施例は、アルミニウム製部材と鋼製部材を点接合する摩擦点接合方法に、本発明を適用した場合の一例である。
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、摩擦点接合装置1は、接合ガン2を装備したロボット3と、ロボット3と接合ガン2を駆動制御する制御装置5と、接合ガン2で点接合される2枚(又は3枚)の金属構成部材(例えば、鋼製部材とアルミニウム製部材)とを重ね合わせた状態で位置決め保持するワーク保持装置(図示略)とを備えている。
図1,2に示すように、摩擦点接合装置1は、接合ガン2を装備したロボット3と、ロボット3と接合ガン2を駆動制御する制御装置5と、接合ガン2で点接合される2枚(又は3枚)の金属構成部材(例えば、鋼製部材とアルミニウム製部材)とを重ね合わせた状態で位置決め保持するワーク保持装置(図示略)とを備えている。
ロボット3は汎用の6軸垂直多関節型ロボットであり、そのロボットハンドの先端部に接合ガン2が装備されている。このロボット3が、接合ガン2をワーク保持装置(図示略)で位置決め保持された金属構成部材をスポット接合動作位置と、この接合動作位置から退避した待機位置とに亙って移動させる。
図2に示すように、接合ガン2は、受け具6と、回転ルーツ7と、回転ツール駆動機構8とを有する。受け具6と回転ツール7は上下に対向状に配設され、受け具6は逆L字状のアーム9の下先端部に着脱可能に上向きに取付られ、アーム9の上部側に回転ツール駆動機構8が設けられ、この回転ツール駆動機構8に回転ツール7が着脱可能に下向きに取付られている。回転ツール駆動機構8は、回転ツール7を接合軸Xを中心として回転させる回転モータ10と、回転ツール7を接合軸Xに沿って昇降させて複数の金属構成部材を押圧する昇降モータ11とを有する。
図3に示すように、回転ツール7の胴体部7aの先端面(下端面)にはショルダ部7bが形成されている。このショルダ部7bは平坦な形状をなし、ショルダ部7bの中心部に細径のピン部7cが突設されている。受け具6は、回転ツール7と略同径に形成され、その先端面(上端面)は平坦に形成されている。
図1に示すように、制御装置5は、ロボット3の各種電動アクチュエータ(図示略)にハーネス12を介して接続されて、それらアクチュエータを夫々駆動制御し、また、接合ガン2の回転モータ10と昇降モータ11にハーネス20と中継ボックス22とハーネス21を介して接続され、これら回転モータ10と昇降モータ11を夫々駆動制御する。
次に、上記の摩擦点接合装置1を用いてアルミニウム製部材17と鋼製部材13を固相状態で点接合する摩擦点接合方法について、図4に示す接合工程図に基づいて説明する。尚、図4中のPi(i=1,2,・・・)は各工程を示す。
P1(第1工程)において、図5に示すように、鋼製部材13(例えば、鋼板)の接合面側に溶融亜鉛メッキを施した後合金化処理して亜鉛−鉄合金メッキ層(以下、Zn−Fe合金メッキ層)14を有する、Zn−Fe合金メッキ鋼板(合金化亜鉛メッキ鋼板)15が形成される。
P1(第1工程)において、図5に示すように、鋼製部材13(例えば、鋼板)の接合面側に溶融亜鉛メッキを施した後合金化処理して亜鉛−鉄合金メッキ層(以下、Zn−Fe合金メッキ層)14を有する、Zn−Fe合金メッキ鋼板(合金化亜鉛メッキ鋼板)15が形成される。
合金化処理においては、所定の加熱条件下(温度・時間・加熱速度)で鋼板13の鉄を亜鉛メッキ層中に拡散させてFe−Zn合金メッキ層14が形成される。Zn−Fe合金メッキ鋼板15は、従来の溶融亜鉛メッキ鋼板と比較して、軟化温度(例えば、530℃〜600℃)が高く、防錆性能を持ちつつ、複雑な形状をプレス成形する際の成形性、溶接性、塗装耐食性などに優れ、主に自動車の車体などに使用されている。このZn−Fe合金メッキ層14の表面性状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、図6に示すように、棒状や粒状の金属結晶が無数に密集した状態である。
次に、図4のP2(第2工程)のレーザー光照射工程において、図7に示すように、レーザー装置の集光ヘッド16からのレーザー光LをZn−Fe合金メッキ層14の接合部に照射してその表面を加熱する。レーザー装置は、レーザー発振器(図示略)と、光ファイバー(図示略)と、移動可能な集光ヘッド16などを有する。レーザー発振器で発生したレーザー光Lが光ファイバーにより集光ヘッド16へ導光され、集光ヘッド16からレーザー光LがZn−Fe合金メッキ層14の表面の接合部に照射される。
このレーザー光照射工程においては、レーザー光Lをナノ秒(ns) レベルでZn−Fe合金メッキ層14の接合部に局部的に照射すると、その表面が加熱され油分やコンタミなどが蒸発して除去されると共に、棒状や粒状の金属結晶が破壊される。そのZn−Fe合金メッキ層14の表面性状を走査型電子顕微鏡で観察すると、図8に示すように、棒状や粒状の金属結晶が完全に無くなり、滑らかな表面上に空孔が存在する形態へ表面性状が変化している、即ち、レーザー処理により、最上層の表面性状が、Zn−Fe合金メッキ層が除去されることなく平滑化される。
次に、図4のP3及びP4(第3工程)において、図12に示すように、アルミニウム板17を上板、Zn−Fe合金メッキ鋼板15を下板とし、Zn−Fe合金メッキ層14の接合部の表面にアルミニウム板17の接合部を重ね合わせ、Zn−Fe合金メッキ鋼板15とアルミニウム板17とを摩擦点接合にて点接合する。この場合、平滑化されたZn−Fe合金メッキ層14の接合部の表面とアルミニウム板17の接合部とが面接触した状態で重なり合うことになる。
図9に示すように、回転ツール駆動機構8により回転ツール7が回転駆動されつつ接合軸Xに沿って下降駆動されると、最初に回転ツール7のピン部7cがアルミニウム板17の接合部に当接して回転ツール7を位置決めし、次にショルダ部7bがその接合部に当接し、アルミニウム板17の接合部を押圧していく。この押圧により、回転ツール7及びアルミニウム板17の間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱の温度は、例えば、400℃〜500℃である。この摩擦熱により、アルミニウム板17の接合部は軟化するが、Zn−Fe合金メッキ層14や鋼板13の接合部は軟化しない。なお、回転ツール7のショルダ部7bは平坦面なので、摩擦熱が発生しやすくなっている。
図10,図11に示すように、ピン部7cがZn−Fe合金メッキ層14部分にまで至らないように回転ツール7を回転させつつ押圧を継続させる。これにより、アルミニウム板17の接合部だけがせん断されて塑性流動が発生し、アルミニウム板17とZn−Fe合金メッキ層14の接合部の境界において、Zn−Fe合金メッキ層14のZnがアルミニウム板17内に拡散してZn拡散層18が形成されると共に、アルミニウム板17のAlがZn−Fe合金メッキ層14内に拡散してAl−Fe中間層19が形成される。このとき、Zn−Fe合金メッキ層14のZnは、ほとんどアルミニウム板17内に拡散する。このため、Al−Fe中間層19は、Zn成分が少なく、Al及びFeを主成分とするものとなる。また、Al−Fe中間層19が形成された箇所以外の領域には、Zn−Fe合金メッキ層14が残留する
アルミニウム板17内の塑性流動を所定時間継続させ、アルミニウム板17と鋼板1313とがAl−Fe中間層19を介して固相状態で点接合される。昇降モータ11により回転ツール7が上昇駆動され、回転ツール7がアルミニウム板17内から離間される。その後、接合部が冷却されて硬化し、アルミニウム板17と鋼板13の接合部の接合が完了する。こうして、図13に示すように、Zn拡散層18及びAl−Fe中間層19を積層形成している摩擦点接合構造が得られる。このAl−Fe中間層19の厚さは、接合前のZn−Fe合金メッキ層14とほぼ同じ厚さである。
次に、上述した摩擦点接合方法により形成されるアルミニウム製部材17と鋼製部材13の摩擦点接合構造の効果検証試験について説明する。
[接合ガン]
接合ガンとして位置制御型接合ガンユニットを使用した。回転ツール7のショルダ部7bの直径を10mmとした。回転ツール7のピン部7cの直径を2mm、長さを0.3mmとした。
[接合ガン]
接合ガンとして位置制御型接合ガンユニットを使用した。回転ツール7のショルダ部7bの直径を10mmとした。回転ツール7のピン部7cの直径を2mm、長さを0.3mmとした。
[ワーク材料]
アルミニウム製部材17として、厚み1.2mmの6000系アルミニウム板を準備し、鋼製部材13として、亜鉛メッキを施した後合金化処理してZn−Fe合金メッキ層を形成した、厚み0.8mmのZn−Fe合金メッキ鋼板を準備した。なお、Zn−Fe合金メッキ層は片面のみ示しているが、通常は鋼板の両面に形成される。
アルミニウム製部材17として、厚み1.2mmの6000系アルミニウム板を準備し、鋼製部材13として、亜鉛メッキを施した後合金化処理してZn−Fe合金メッキ層を形成した、厚み0.8mmのZn−Fe合金メッキ鋼板を準備した。なお、Zn−Fe合金メッキ層は片面のみ示しているが、通常は鋼板の両面に形成される。
[接合方法]
レーザー光をZn−Fe合金メッキ鋼板のZn−Fe合金メッキ層の表面に照射してその表面を加熱した後、アルミニウム板を上板、Zn−Fe合金メッキ鋼板を下板し、これらを重ねた状態で、回転ツールを回転させながらアルミニウム板に押圧して、アルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板を摩擦点接合にて点接合した。
レーザー光をZn−Fe合金メッキ鋼板のZn−Fe合金メッキ層の表面に照射してその表面を加熱した後、アルミニウム板を上板、Zn−Fe合金メッキ鋼板を下板し、これらを重ねた状態で、回転ツールを回転させながらアルミニウム板に押圧して、アルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板を摩擦点接合にて点接合した。
[レーザー処理条件]
出力値500W、レーザー出力調整40A−500W、パルス周波数調整50000Hz、レーザースキャン速度調整150Hz、レーザー照射幅(スキャン幅)調整70mm、進行速度10mm/sec 、オフセット0mm、インテンシティー1.1E+07w/cm2 、とした。
出力値500W、レーザー出力調整40A−500W、パルス周波数調整50000Hz、レーザースキャン速度調整150Hz、レーザー照射幅(スキャン幅)調整70mm、進行速度10mm/sec 、オフセット0mm、インテンシティー1.1E+07w/cm2 、とした。
[接合条件]
回転ツールの回転数を2500rpmとし、回転ツールの押圧力を押込み深さ(アルミニウム板の上部、中部、下部)に応じて2000N、4000N、2000Nとした。また、接合時間をそれぞれ2.0s、1.0s、2.0sとして、アルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板を接合した。
回転ツールの回転数を2500rpmとし、回転ツールの押圧力を押込み深さ(アルミニウム板の上部、中部、下部)に応じて2000N、4000N、2000Nとした。また、接合時間をそれぞれ2.0s、1.0s、2.0sとして、アルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板を接合した。
[接合部の観察]
接合後のアルミニウム板及びZn−Fe合金メッキ鋼板の接合部の境界面を、反射電子像(BSE)観察及びEPMA分析した。Zn−Fe合金メッキ層のZnがアルミニウム板内に拡散してZn拡散層が形成されていると共に、アルミニウム板のAlがZn−Fe合金層中に拡散してAl−Fe中間層が形成されていることが観察された。
接合後のアルミニウム板及びZn−Fe合金メッキ鋼板の接合部の境界面を、反射電子像(BSE)観察及びEPMA分析した。Zn−Fe合金メッキ層のZnがアルミニウム板内に拡散してZn拡散層が形成されていると共に、アルミニウム板のAlがZn−Fe合金層中に拡散してAl−Fe中間層が形成されていることが観察された。
[接合強度の試験及び評価]
Fe−Al中間層を形成した接合部の剪断強度を測定した。図14に示すように、Fe−Al中間層の接合部の剪断強度は、比較例としてのアルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板の接合部の剪断強度よりも高い剪断強度を示した。また、接合時間を短縮(0.4s)した場合でも、高い剪断強度を示した。なお比較例は、レーザー処理工程を行わずにアルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板を摩擦点接合にて点接合したものである。
Fe−Al中間層を形成した接合部の剪断強度を測定した。図14に示すように、Fe−Al中間層の接合部の剪断強度は、比較例としてのアルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板の接合部の剪断強度よりも高い剪断強度を示した。また、接合時間を短縮(0.4s)した場合でも、高い剪断強度を示した。なお比較例は、レーザー処理工程を行わずにアルミニウム板とZn−Fe合金メッキ鋼板を摩擦点接合にて点接合したものである。
このように、本実施例の摩擦点接合方法では、第1工程において、鋼板13の接合面側に亜鉛メッキを施した後合金化処理してZn−Fe合金メッキ層14を形成し、第2工程においてZn−Fe合金メッキ層14の表面がレーザー光で加熱され、無数に密集した棒状や粒状の金属結晶が破壊されると共に油分やコンタミなどが除去され、Zn−Fe合金メッキ層14が損なわれない状態で最上層(極表面)の表面性状が平滑化される。
第3工程において、表面が平滑化されたZn−Fe合金メッキ層14にアルミニウム板17を重ね合わせ、回転ツール7を回転させながらアルミニウム板17の接合部に押圧することにより、アルミニウム板17及びZn−Fe合金メッキ層14の接合部の境界において、Zn−Fe合金メッキ層14のZnがアルミニウム板17内に拡散してZn拡散層18が形成されると共に、アルミニウム板17のAlがZn−Fe合金メッキ層14内に拡散してAl−Fe中間層19が形成され、このAl−Fe中間層19を介してアルミニウム板17と鋼板13の接合部が点接合されるので、接合強度を高めることができると共に、接合時間を短縮することができる。また、Al−Fe中間層19の周辺にはZn−Fe合金メッキ層14が残留しているので、耐食効果も持続させることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕例えば、自動車の車体の製造において、前記アルミニウム板17及びZn−Fe合金メッキ鋼板15を車体構成部材として使用し、これら部材を接合する際、前記実施例の摩擦点接合方法を採用してもよい。
1〕例えば、自動車の車体の製造において、前記アルミニウム板17及びZn−Fe合金メッキ鋼板15を車体構成部材として使用し、これら部材を接合する際、前記実施例の摩擦点接合方法を採用してもよい。
2〕前記実施例においては、回転ツール7のショルダ部7bを平坦にしているが、これに限らず、例えば、ショルダ部の形状を円錐台状に窪んだ形状にしてもよい。但し、平坦にしている方が、摩擦熱が発生しやすい。
3〕アルミニウム製部材17として、アルミニウム板の他に、アルミニウム合金板でもよい。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
L レーザー光
7 回転ツール
13 鋼板
14 Zn−Fe合金メッキ層
15 Zn−Fe合金メッキ鋼板
17 アルミニウム板
18 Zn拡散層
19 Al−Fe中間層
7 回転ツール
13 鋼板
14 Zn−Fe合金メッキ層
15 Zn−Fe合金メッキ鋼板
17 アルミニウム板
18 Zn拡散層
19 Al−Fe中間層
Claims (2)
- 鋼製部材とアルミニウム製部材とを重ね合わせ、回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材に押圧して摩擦熱を発生させ、アルミニウム製部材の接合部を軟化させ塑性流動を生じさせてアルミニウム製部材と鋼製部材を固相状態で点接合する摩擦点接合方法において、
前記鋼製部材の接合面側に、亜鉛メッキを施した後合金化処理してZn−Fe合金メッキ層を形成する第1工程と、
次に前記Zn−Fe合金メッキ層の接合部の表面を加熱して金属結晶の平滑化処理を施す第2工程と、
次に前記鋼製部材のZn−Fe合金メッキ層にアルミニウム製部材を重ね合わせ、前記回転ツールを回転させながらアルミニウム製部材の接合部に押圧して摩擦熱を発生させ、アルミニウム製部材を軟化させて塑性流動を生じさせ、Zn−Fe合金メッキ層のZnをアルミニウム製部材に拡散させたZn拡散層を形成すると共に、前記Zn−Fe合金メッキ層にAlを拡散させてAl−Fe中間層を形成し、このAl−Fe中間層を介してアルミニウム製部材と鋼製部材とを点接合する第3工程と、
を備えたことを特徴とする摩擦点接合方法。 - 前記平滑化処理は、レーザー光を前記Zn−Fe合金メッキ層の接合部に照射する処理であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦点接合方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102015122412A1 (de) | 2014-12-26 | 2016-06-30 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Reibpunktfügevorrichtung und reibpunktfügeverfahren |
KR20200023812A (ko) * | 2018-08-27 | 2020-03-06 | 현대자동차주식회사 | 아연도금강 용접방법 |
EP3680052A4 (en) * | 2017-09-05 | 2021-06-02 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | DOUBLE ACTING FRICTION POINT WELDING PROCESS AND DOUBLE ACTING FRICTION POINT WELDING DEVICE |
-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007283751A patent/JP2009106998A/ja active Pending
Cited By (4)
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