JP2009106819A - 濃縮蒸留装置 - Google Patents

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Yuji Ikeda
雄二 池田
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Abstract

【課題】1つの装置だけで、液体原料の濃縮処理と精密な蒸留処理とを簡単に切り替えながら目的の処理を良好に行えるコンパクトな濃縮蒸留装置を提供する。
【解決手段】気密された連通閉鎖空間内での物質の相変化を利用した装置であり、蒸発容器36内に投入した液体原料を加熱して気化させる蒸発部12と、蒸気を冷却して液化する凝縮部14と、精留塔16と、凝縮液を受ける第1液受部18と、精留塔16の上方側で還流弁58を介して分岐して接続され精留塔16で精留された凝縮液を回収する第2液受部20と、精留塔16から流下する凝縮液を蒸発部12に戻して精留塔16での精留を行わせる帰還経路と、精留塔からの凝縮液を第1液受部18に回収して蒸発部12での液体原料の濃縮を行わせる不帰経路と、を選択的に切り替え可能な切替経路部22と、を備えた濃縮蒸留装置10から構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体原料を蒸発させて濃縮と精密な蒸留とを行える濃縮蒸留装置に関する。
例えば、化学分析や食品、医薬品、その他種々の分野では、液体原料の濃縮や蒸留を行って分析、加工等が行われている。従来、液体原料の濃縮を行う際には、例えば、特許文献1に示すようなロータリーエバポレータが利用されている。従来のロータリーエバポレータは、液体原料を入れるフラスコと、フラスコの下部側を湯に浸漬させて加熱する温浴槽と、フラスコを回転させるモータと、フラスコの自在な回転を維持しつつ冷却器と内部密閉状態で接続させるロータリージョイントと、蒸発した溶媒を冷却して液化する冷却器と、凝縮した液体を受ける受フラスコと、を含む。濃縮処理の際には、真空ポンプを介してフラスコ内部を減圧し、フラスコの回転により液体原料の加熱源に対する接触面積を増大させながら蒸発を促進させて原料液体の濃縮を行うものであった。
特開平10−180002号公報
しかしながら、従来のロータリーエバポレータでは、フラスコ内で加熱された際には蒸留して取り出したい目的の低沸点成分と同時に他の高沸点成分も蒸発するが、冷却器で冷却された凝縮液は全て受フラスコにそのまま回収される構成であるから、受フラスコ内に回収した液体は不純物が比較的多い割合で混ざっており蒸留の精度が低い問題があった。したがって、液体原料からの精度の高い蒸留が要求される場合には、エバポレータとは別の精密蒸留用の装置が用いられるが、濃縮用と精密蒸留用とのそれぞれの処理に適した専用の装置が必要となり、設備コストがかかるとともに、実験室に設置スペースを広く確保しなければならない等の問題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、1つの装置だけで、液体原料の濃縮処理と精密な蒸留処理とを簡単に切り替えながら目的の処理を良好に行えるコンパクトな濃縮蒸留装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、気密された連通閉鎖空間内での物質の相変化を利用した装置であり、蒸発容器36内に投入した液体原料を加熱して気化させる蒸発部12と、蒸発部12より上方位置に設置され、蒸発部12からの蒸気を冷却して液化する凝縮部14と、蒸発部12と凝縮部14との中間位置に接続された精留塔16と、蒸発部12と精留塔16との中間位置から分岐接続され凝縮液を受ける第1液受部18と、精留塔16の上方側で閉鎖空間に連通する還流弁58を介して分岐して接続され精留塔16で精留された凝縮液を回収する第2液受部20と、精留塔16から流下する凝縮液を蒸発部12に戻して液体原料の気化と液化を繰り返させて精留塔16での精留を行わせる帰還経路と、精留塔からの凝縮液を蒸発部12に戻さずに第1液受部18に回収して蒸発部12での液体原料の濃縮を行わせる不帰経路と、を選択的に切り替え可能な切替経路部22と、を備えたことを特徴とする濃縮蒸留装置10から構成される。
また、精留塔16の上部側には、凝縮部14からの凝縮液Lを精留塔16の精留作用部56に戻す前に一旦受け止める受部62と、受部62で受け止めた凝縮液Lを精留作用部56に戻す戻し管64と、受部62で受け止めた凝縮液Lを還流弁58を介して第2液受部20へ回収させる回収管66と、を有し、還流弁58を介して回収管66から第2液受部20へ流す量(La)と凝縮液の戻し管64から精留塔16へ戻す量(Lb)とを連係させることにより精留塔16での精留の精度を調整するオーバーフロー型の精留精度調整構造60が設けられたこととしてもよい。
また、精留精度調整構造60は、戻し管64の導入口64aを回収管66の導入口66aより高い位置に設定させ、還流弁58を介して受部62で受けた凝縮液の戻し管64からのオーバーフロー量(Lb)を増減させることにより精留の精度を調整させると好適である。
また、受部62は、精留塔16の上部側の周壁54aと、該周壁54aから内部側に向けて張り出した受壁68と、受壁68の内側張り出し端から上方側にむけて中空筒状に立ち上がって周壁54aとの間に間隙を形成する内筒部70と、を有することとしてもよい。
また、受部62は、内筒部70の上端側を閉鎖して凝縮部14からの凝縮液Lを受けて受部62上へ流す天壁72と、内筒部70に設けられた蒸気G通流用の通気孔74と、を含むこととしてもよい。
また、切替経路部22は、精留塔16の下部から蒸発部12側へ下り傾斜となるように接続されつつ第1液受部18と分岐接続された分岐経路管46と、該分岐経路管46の分岐位置に配置され、凝縮液を蒸発部12側へ戻す帰還経路と第1液受部18側に回収させる不帰経路とを切替える切替弁部48と、を含むこととしてもよい。
また、精留塔16の下方位置に第1液受部18と第2液受部20とを併設させ、分岐経路管46に接続された精留塔16と凝縮部14とが第1液受部18と第2液受部20の併設方向と交差する方向に鉛直に立てた支持フレーム32を介して傾設され支持されていることとしてもよい。
本発明の濃縮蒸留装置によれば、気密された連通閉鎖空間内での物質の相変化を利用した装置であり、蒸発容器内に投入した液体原料を加熱して気化させる蒸発部と、蒸発部より上方位置に設置され、蒸発部からの蒸気を冷却して液化する凝縮部と、蒸発部と凝縮部との中間位置に接続された精留塔と、蒸発部と精留塔との中間位置から分岐接続され凝縮液を受ける第1液受部と、精留塔の上方側で閉鎖空間に連通する還流弁を介して分岐して接続され精留塔で精留された凝縮液を回収する第2液受部と、精留塔から流下する凝縮液を蒸発部に戻して液体原料の気化と液化を繰り返させて精留塔での精留を行わせる帰還経路と、精留塔からの凝縮液を蒸発部に戻さずに第1液受部に回収して蒸発部での液体原料の濃縮を行わせる不帰経路と、を選択的に切り替え可能な切替経路部と、を備えたことから、液体原料から取り出す成分に応じて切替経路部を切替操作して、精留塔における精密な蒸留と、液体原料の蒸発部における蒸発濃縮と、を1つの装置だけで兼用でき、それぞれの処理を簡単かつ円滑に行える。その結果、例えば、実験室や工場等に設置する濃縮、蒸留の装置にかかるコストや設置スペースの節約を図ることができる。また、簡単な操作で液体原料の蒸発濃縮処理と精留処理とを切り替えることができるので使い勝手が良い。
また、精留塔の上部側には、凝縮部からの凝縮液を精留塔の精留作用部に戻す前に一旦受け止める受部と、受部で受け止めた凝縮液を精留作用部に戻す戻し管と、受部で受け止めた凝縮液を還流弁を介して第2液受部へ回収させる回収管と、を有し、還流弁を介して回収管から第2液受部へ流す量と凝縮液の戻し管から精留塔へ戻す量とを連係させることにより精留塔での精留の精度を調整するオーバーフロー型の精留精度調整構造が設けられたことから、還流弁の開閉調整を行って第2液受部に回収させる量と精留塔に戻す還流液の量とを調整しながら、精留塔における精留精度を調整して、目的の精度で精留された留出液を良好に得ることができる。
また、精留精度調整構造は、戻し管の導入口を回収管の導入口より高い位置に設定させ、還流弁を介して受部で受けた凝縮液の戻し管からのオーバーフロー量を増減させることにより精留の精度を調整させる構成とすることにより、簡単な構造で精留精度調整構造を具現できるとともに、受部で受け止めた凝縮液を還流弁に接続される回収部側へ優先的に誘導させるので、還流弁の開閉操作のみで簡単に戻し管からのオーバーフローの流量(還流液量)の調整が行え、精度調整の際の操作性が良い。
また、受部は、精留塔の上部側の周壁と、該周壁から内部側に向けて張り出した受壁と、受壁の内側張り出し端から上方側にむけて中空筒状に立ち上がって周壁との間に間隙を形成する内筒部と、を有することから、凝縮部からの凝縮液を確実に受部に受けさせて、凝縮液を回収管又は戻し管に誘導させることができ精留精度の調整を正確に行える。
また、受部は、内筒部の上端側を閉鎖して凝縮部からの凝縮液を受けて受部上へ流す天壁と、内筒部に設けられた蒸気通流用の通気孔と、を含むことから、蒸気の凝縮部側への通流を確保できるとともに、精留精度調整構造周辺では凝縮部からの凝縮液を蒸気に触れさせにくくしつつ該凝縮液を天壁により受けて受部に確実に誘導させて受部を介さず直接に精留作用部内に流下するのを防止でき、精留精度調整構造による精度の調整をより正確に行える。
また、切替経路部は、精留塔の下部から蒸発部側へ下り傾斜となるように接続されつつ第1液受部と分岐接続された分岐経路管と、該分岐経路管の分岐位置に配置され、凝縮液を蒸発部側へ戻す帰還経路と第1液受部側に回収させる不帰経路とを切替える切替弁部と、を含むことから、常に蒸発部からの蒸気の精留塔側への通流を妨げることなく良好に保持できるとともに、精留塔からの凝縮液を動力等を使わず重力を利用して蒸発部又は第1液受部へ自然流下させることができ、切替経路部を簡単な構造で低コストで製造できる。
また、精留塔の下方位置に第1液受部と第2液受部とを併設させ、分岐経路管に接続された精留塔と凝縮部とが第1液受部と第2液受部の併設方向と交差する方向に鉛直に立てた支持フレームを介して傾設され支持されていることから、簡単な構造で、装置全体をコンパクトに製造することができる。
以下添付図面を参照しつつ本発明の濃縮蒸留装置について説明する。図1ないし図4は本発明の濃縮蒸留装置の一実施形態を示している。本発明の濃縮蒸留装置は、蒸発部と、凝縮部と、精留塔と、第1液受部と、第2液受部と、切替経路部と、を備えており、切替経路部を切替えることにより液体原料の成分に応じて蒸発濃縮と、精密な蒸留と、を選択的にかつ簡単に行うことができる蒸発濃縮・精密蒸留兼用装置である。
本実施形態において、濃縮蒸留装置10は、図1、図2に示すように、気密された連通閉鎖空間内での物質の相変化を利用した装置であり、液体原料を気化させる蒸発部12と、蒸発部からの蒸気を冷却して液化する凝縮部14と、蒸発部12と凝縮部14との中間位置に接続された精留塔16と、精留塔16と蒸発部12との中間に分岐接続される第1液受部18と、精留塔16の上方側に分岐接続される第2液受部20と、蒸発部12と精留塔16との中間に接続される切替経路部22と、を備えている。
本実施形態では、濃縮蒸留装置10は、各構成部材を基台24を介して一体的に組み付けて支持されている。基台24は、平面視H形の下部フレーム25にキャスタ26が設けられており、装置全体が移動自在となっている。基台24には、下部フレーム25の中央位置から上方に支柱部28が立設されている。支柱部28の上部側には、回転駆動部30が設けられており、該回転駆動部30を介して蒸発容器としての蒸発フラスコ36が接続されており、支柱部28を介して蒸発部12が支持されている。支柱部28の上端側で回転駆動部30の近接位置には、鉛直に立てて配置された正面視逆U字状の支持フレーム32の縦杆部321、322の下端側が固定されている。支持フレーム32の縦杆部321、322の中間部及び下部には、正面側(図1上、左方側)に突設する複数の固定腕具34や受台35a、35bがその高さ位置を調整可能に固定されており、精留塔16及び第1液受部18、第2液受部20をそれぞれ所定の配置高さで支持している。支持フレーム32の上部側の横杆部323には、横倒し状に傾斜された凝縮部14の中間位置を固定支持する固定腕具34が上方に向けて突設されている。下方側から上方側にむかって蒸発部12の蒸発容器、切替経路部22、精留塔16、凝縮器14の順に内部気密閉鎖されつつ連通接続された状態で基台24を介して支持されており、それらの接続系内部は側面視変形コ字状の蒸気又は凝縮液の通流経路を含む気密閉鎖空間を形成している。蒸発部12で発生させた蒸気は切替経路部22、精留塔16の順に通過して凝縮器14で液化され、凝縮部14で生成された凝縮液は逆の経路で精留塔16、切替経路部22の順に流下するようになっている。
図1に示すように、蒸発部12は、蒸発容器内に投入した液体原料を加熱して気化させる蒸発手段である。本実施形態では、蒸発部12は、例えば、蒸発容器となるガラス製の蒸発フラスコ36と、該蒸発フラスコ36の下面側を湯に浸漬して一定温度で加温する加熱手段としてのウォーターバス38と、を含むエバポレータからなり、さらに詳細には、蒸発フラスコ36を回転駆動部30のロータリージョイント40に接続支持させた状態で該フラスコ36を回転させながらウォーターバス38で加熱するロータリーエバポレータからなる。回転駆動部30は、支柱部28の上端側に回転自在に支持され内部空間を該フラスコ内部と連通する連通路を形成したロータリージョイント40と、該ロータリージョイント40を介して蒸発フラスコ36を回転駆動させるモータ42等の駆動装置と、を有している。ロータリージョイント40は、接続具40aを介してその連結口を蒸発フラスコ36の口部と着脱可能に接続される。接続した状態では、接続具40aによりロータリージョイント40と蒸発フラスコ36との内部気密閉鎖状態を保持できる。ロータリージョイント40は、蒸発フラスコ36内で発生させた蒸気を上方側の凝縮部14側に誘導させるために連通路を上り傾斜させて形成され回転軸も同上り傾斜されて設定されている。ロータリージョイント40に接続される蒸発フラスコ36は口部を斜め上方に傾けた状態でその傾斜軸回りに一体的に回転する。これにより、蒸発フラスコ内の液体原料を薄膜化しつつ該加熱面積を増大させ、液体原料の蒸発効率を高めている。ウォーターバス38は、蒸発フラスコ38の下方側に配置されており、上面側が開口され湯を溜めてフラスコを湯煎するバス部本体と、バス部本体内の湯を加温するヒータ(図示せず)と、を備えている。図4にも示すように、ウォーターバス38は、蒸発フラスコに対して自在に近接離間できるように基台24に上下移動可能に支持されている。これにより、ウォーターバス38を蒸発フラスコ36の大きさに対応させて適切な位置に配置させたり、ロータリージョイント30に対する取り付け、取り外し等の際に上下位置を自在に調整できる。ウォーターバス38は、基台24に一体的に組み付けられた制御部44により、オン・オフ、ヒータによる湯温の調整、上下移動等が制御される。なお、制御部44は、モータ42の回転のオン・オフや回転速度も制御する。
図1、図2に示すように、切替経路部22は、蒸発部12と精留塔16とを気密閉鎖状態を保持しつつ内部連通状態で接続する管路を形成しているとともに第1液受部18に分岐接続されている。そして、蒸発部12からの蒸気を常時精留塔16へ誘導する経路を確保しているとともに、精留塔16から流下してくる凝縮液の経路を蒸発フラスコ36側に戻す帰還経路と第1液受部18側に回収させる不帰経路とを切替える。切替経路部22は、精留塔16から流下する凝縮液を蒸発フラスコ36に戻す帰還経路の態様では、蒸発フラスコ36内に戻った液体は再加熱されて気化される。すなわち、後述のように蒸発部12での気化と凝縮部14での液化が繰り返され、精留塔16における蒸気と凝縮液との気液接触による精留作用を行わせ、精密な蒸留(精留)を行わせる。一方、精留塔16から流下する凝縮液を蒸発部12に戻さずに第1液受部18に回収させる不帰経路の態様では、蒸発フラスコ36における液体原料の蒸発濃縮及び単蒸留を行える。すなわち、切替経路部22は、蒸留塔16から流下する凝縮液の経路を切り替え制御して蒸発部12における蒸発濃縮(又は単蒸留)処理と、精留塔16における精留処理と、を簡便に切替える切替手段である。本実施形態では、切替経路部22は、ロータリージョイント40の一端側と精留塔16の下端とを内部気密閉鎖状態で連通接続するとともに第1液受部18に分岐接続された分岐経路管46と、該分岐経路管46の分岐位置に配置された切替弁48と、を含む。分岐経路管46は、例えば、中間位置に分岐口50が形成されるガラス管で形成されており、本実施形態ではロータリージョイント40に接続される側面視略十字状管46aと精留塔16の下端開口に内部連通して接続される側面視略ト字状管46bとを組み合わせて構成されている。分岐経路管46は、その長手方向が蒸気の通流経路として精留塔16側に上り傾斜して設定されおり、蒸気を精留塔16側に誘導しやすいとともに、蒸発フラスコ36側に向けて下り傾斜であることから精留塔16から流下する凝縮液がその重力で円滑に蒸発フラスコ36側又は第1液受部18に流下させうる。分岐経路管46は、長手方向に交差する十字分岐部分の下方側を分岐口50とし、該分岐口50に接続管52を介して第1液受部18が接続される。切替弁48は、分岐経路管46の長手方向に向けて蒸気の通流経路を常時確保しつつ、分岐口50の開口を開閉させて精留塔16からの凝縮液の経路を帰還経路と不帰経路とに切替える。分岐口50の閉弁時には凝縮液を蒸発フラスコ内へ戻す帰還経路を形成し、分岐口50の開弁時には重力によって開口から凝縮液を誘導し接続管52に流下させて第1液受部18に回収する不帰経路を形成する。本実施形態では、切替弁48は、分岐経路管46の十字分岐位置に長手方向と交差して配置された弁体の下端側48aを分岐口50を自在に開閉するように設けられており、該分岐口50に対向する上方側から気密状態を保持させつつ外部に突設させた弁操作用のつまみ48bを介して外部から弁の開閉操作を可能としている。なお、切替弁の構成は、例えば、ト字状管の分岐側管に開閉弁を設ける構成等、その他任意の構造でもよい。
図1、図3に示すように、精留塔16は、蒸発部12と凝縮部14との中間位置に接続されており、切替経路部22を帰還経路に切替えて液体原料の気化と液化を繰り返させる際に、蒸発フラスコ36からの蒸気と凝縮部14からの凝縮液との接触機会を確保して精密な蒸留(精留)を行う精留作用部56を含む。本実施形態では、精留塔16は、精留塔本体を上下に伸びる円筒状に形成されたガラス製の中空基管54で構成されており、該中空基管54の内部に例えば、小さな螺旋状に巻かれたガラス部材、あるいはガラス製、テフロン(登録商標)製、金属製のラッシリング、スルザーパッキンや金網等の充填材55を無数に充填した充填塔からなる。中空基管54は、支持フレーム32の縦杆部321の中間位置に固定された固定腕具34、受台35aを介して支持されており、下部側の開口を分岐経路管46に、上部側の開口を凝縮部14に、内部気密閉鎖状態で連通接続されている。精留塔16は、中空基管54内部に充填材55を充填配置させることで精留作用部56を構成している。よって、蒸発フラスコ12からの蒸気は充填材55の間を上昇するとともに、凝縮部14からの凝縮液は還流液として充填材55の表面に沿って流下し、それらの気液が良好に接触する。このように気液を良く接触させるすなわち気液接触面積が確保される構造であるから、冷却された低温の凝縮液が下方から上昇してくる加熱された高温蒸気と接触して、蒸気中の高沸点成分の一部は凝縮液により凝縮される一方で、凝縮液中の低沸点成分の一部は蒸気により加熱されて再び気化される。これらの蒸発(気化)と凝縮(液化)が充填材を充填した中空基管54内部の上下方向で効率良く繰り返されることにより、次第に中空基管の上部側ほど低沸点成分の濃度が高くなるとともに、下部ほど高沸点成分の濃度が高くなり、精留精度を向上させている。この低沸点成分の濃度が高くなる中空基管54の上部側に、閉鎖空間に連通する還流弁58を介して第2液受部20が分岐接続されており、精留された凝縮液を回収できるようになっている。なお、精留塔16は充填塔に限らず、例えば、中空基管内部に複数の孔を設けた棚段を上下に複数段配置させた棚段塔など、任意の精留塔構造でもよい。また、精留塔の理想棚段は、本実施形態では、例えば、5段程度に設定されるが、当然ながら液体原料の成分に対応して精留精度を高く(又は低く)するには理想棚段を増加させて(減らして)設けるとよい。
図3に示すように、中空基管54の上部側は凝縮部14と気密閉鎖して内部連通接続されており、後述のように凝縮部14で生成された凝縮液Lは全て中空基管54の上端開口から基管内部に流下するようになっているが、該中空基管54の精留作用部56よりも上方側には、少なくとも精留作用部56に戻す還流液Lbの量を調整することにより精留精度を調整する精留精度調整構造60が設けられている。精留精度調整構造60は、凝縮部14からの凝縮液Gを精留作用部に戻す前に一旦受け止める受部62と、受部62で受け止めた凝縮液を精留作用部56に戻す(還流させる)戻し管64と、受部62で受け止めた凝縮液を還流弁58を介して第2液受部20へ回収させる回収管66と、を有しており、還流弁を介して凝縮液の戻し管64から精留作用部へ戻す量(Lb)と回収管66から第2液受部20へ流す量(La)とを連係させている。
受部62は、中空基管54の上部側の周壁54aと、該周壁54aから内部側に向けて円環状に張り出した受壁68と、該受壁68の内側張り出し端から上方側に向けて中空筒状に立ち上がって周壁54aとの間に間隙を形成している内筒部70と、を有している。すなわち、受部62は、周壁54aの内側と内筒部70との間に横断面ドーナツ状の空間の受部間隙62aが形成されるとともに、上面を開口し下面側を受壁68で閉鎖しており、この部分に凝縮液Lを受ける。内筒部70の上端側はドーム状に形成された天壁72で閉鎖されており、該天壁72では凝縮部から流下する凝縮液Lを受けて受部62へ確実に流す。内筒部70には、横向きに貫通する通気孔74が三方に穿孔されている。よって、中空基管54を上昇してくる蒸気Gを凝縮部14へ確実に通流させる構成を維持しつつ、精留精度調整構造周辺では蒸気Gと凝縮液Lとが直接接触しにくい構造となるとともに、凝縮液が直接精留作用部56に戻るのを防止しつつ確実に受部62へ誘導させて精留精度調整構造60による精度調整を確実に行える。
戻し管64は、例えば、内筒部70の内側に配置され受部間隙62aに内部連通して接続された逆L字状のガラス製パイプ部材からなる。戻し管64は、受壁68位置よりも上方に離隔した内筒部70の中間位置に接続されて受部間隙62aに導入口64aを臨ませつつ、他端側開口を精留作用部56の上方に設定している。回収管66は、受部間隙62aに内部連通して接続され、下り傾斜状に横方向に配管されつつ、その横突設端側からL字状に下方に延長配管されたガラス製パイプ部材からなる。回収管66の横方向配管部の突設端側には還流弁58が介設されており、還流弁58から流路方向を下方に変換して配管されており、該回収管66の下端側に第2液受部20が接続されている。回収管66は、周壁54aと内筒部70との間の受部間隙62aに臨む導入口66aの下端位置を受壁68上面と同じ高さに設定されている。還流弁58は、例えば、ニードルバルブやアングルバルブ等の回収管66を通流させる凝縮液の流量を微調整できる弁装置からなる。上記のように戻し管の導入口64aの位置を回収管の導入口66aより高い位置に設定していることから、受部62で受けた凝縮液は優先的に回収管66に流れる構造となる。よって、回収管66に介設された還流弁58の開閉操作により受部62に溜まる凝縮液Lの量が調整され、戻し管64からの凝縮液のオーバーフローの量(Lb)が調整されるオーバーフロー型の精留精度調整構造を構成している。還流弁58を開いて受部62で受け止めた凝縮液の回収管66から第2液受部20に流す量(La)を増やすと、凝縮液Lが受部に溜まりにくく戻し管64からオーバーフローする液量、すなわち戻し管64から精留作用部56へ戻す凝縮液(還流液)の量(Lb)が少なくなり、精留精度が低くなる。一方、還流弁58を絞って受部62で受け止めた凝縮液の回収管66から第2液受部20に流す液量(La)を少なくすると、凝縮液Lが受部62に溜まりやすく戻し管64からオーバーフローする液量、すなわち戻し管64から精留作用部56へ戻す凝縮液の量(Lb)が多くなり、精留精度が高くなる。このように第2液受部への回収量と精留塔の精留作用部56への還流液量との比率を調整することによって精留精度を調整でき、目的の精度で精留された凝縮液(留出液)を第2液受部20に回収できる。なお、図3では、説明のために図1、図2で示した管等の接続構成や方向を一部変更して示している。
図1に示すように、凝縮部14は、蒸発フラスコ36で発生させて精留塔16内を通過してきた蒸気を冷却して液化する。凝縮部14は、例えば、中空円筒管からなるガラス製の外管76内に、冷媒を流す螺旋状内管78を配置させており、外管76内に流入した蒸気は螺旋状内管により冷却されて液化(凝縮)される。外管76は、その長手方向を中空基管54の上端側から支持フレーム32側に傾設させて横倒し状に傾斜されており、精留塔の中空基管54の上部開口にその長手方向の端部側の側面に下方側に向けた開口を介して気密閉鎖状態で内部連通接続されている。外管76は、一端側を中空基管54に接続されるとともに、管長手方向の中間位置を支持フレーム32の上部側の横杆部323から上方に延設された固定腕具34を介して安定的に支持されている。外管76は、中空基管54との接続側が低くなるように傾斜されており、螺旋状内管78により液化された凝縮液は全て中空基管54の上端側へ自然流下する。これによって、凝縮部14は、本来の凝縮機能と凝縮部14から精留塔側へ還流させる機能とを一体的に兼用した還流構造一体型凝縮器であり、簡単な構造と省スペースを実現している。螺旋状内管78は、外管76内部に入った蒸気を冷却液化させる冷却手段であり、両端部を外管76の外部に取り出されて冷媒循環ユニット82(図4、参照)に接続され、該冷媒循環ユニット82を介して冷媒を一端側から他端側に通流させながら外管内部の蒸気を冷却する。なお、外管76の他端側76aは、真空ポンプ80(図4、参照)が接続されており、気密閉鎖されて内部連通接続されている外管76、中空基管54、分岐経路管46、ロータリージョイント40、蒸発フラスコ36及び第1、第2液受部18、20を含む系全体すなわち気密閉鎖内部空間全体を減圧して、加熱を抑えて蒸発フラスコ36内での蒸発を促すようになっている。
図1、図2に示すように、第1液受部18は、切替経路部22を不帰経路に切替えた際に、精留塔16から下方に流下してきた凝縮液を受ける。すなわち、蒸発フラスコ36において蒸発濃縮処理する際に単蒸留状の留出液を受ける単蒸留液回収器である。第1液受部18は、例えば、ガラス製の三つ口フラスコ等の受フラスコからなり、中央の口部に接続管52を介して分岐経路管46の分岐口50に接続されている。なお、残りの口部はコック84a、84bを介して閉鎖されて内部の気密閉鎖状態が保持される。なお、コック84bには例えば、真空ポンプ(図示せず)が接続されており、第1液受部18内を含む装置内全体すなわち気密閉鎖内部空間全体を減圧させることができる。第1液受部18の下面側には、回収した液体を外部に取り出すためのドレンバルブ86が設けられている。ドレンバルブ86から回収した液体を取り出す際には、受フラスコ内部が減圧されているので、切替弁48及び還流弁58を閉鎖し、真空ポンプと接続されたコック84bを閉鎖した状態で、コック84aを開き、受フラスコ内部を大気圧に戻すことで取り出される。第1液受部18は、例えば、中空基管54の下端に接続された分岐経路管46より下方位置に配置されて、支持フレーム32の一方の(図2上、右側の)縦杆部321の中間位置から正面側に向けて横方向に突設された固定腕具34に口部側を支持されつつ、下端位置から正面側に向けて突設された二股状に形成される受台35bに下面側を支持される。
第2液受部20は、切替経路部22の帰還経路に切替えた際に、中空基管54の精留作用部において精留処理された凝縮液を回収する精留液回収器である。第2液受部20は、例えば、第1液受部18よりやや小さなガラス製の三つ口フラスコ等の受フラスコからなり、中央の口部に還流弁58を介設している回収管66を介して中空基管54の上端側に分岐して接続されている。すなわち、精留処理の際に還流弁58を介して中空基管54の上部側の低沸点成分の濃度が高い凝縮液を回収する。なお、残りの口部はコック84a、84bを介して閉鎖されて内部の気密閉鎖状態が保持される。なお、コック84bには例えば、真空ポンプ(図示せず)が接続されており、第2液受部20内を含む装置内全体すなわち気密閉鎖内部空間全体を減圧させることができる。第2液受部20の下面側には、回収した液体を外部に取り出すためのドレンバルブ86が設けられている。ドレンバルブ86から回収した液体を取り出す際には、内部が減圧されているので、切替弁48及び還流弁58を閉鎖し、真空ポンプと接続されたコック84bを閉鎖した状態で、コック84aを開き、受フラスコ内部を大気圧に戻すことで取り出される。第2液受部20は、例えば、第1液受部18と略同じ高さ位置で支持フレーム32の他方の(図2上、左側の)縦杆部322の中間位置から正面側に向けて横方向に突設された固定腕具34に口部側を支持されつつ、下端位置から正面側に向けて突設された二股状に形成される受台35bに下面側を支持される。なお、第2液受部20に接続している回収管66の中間位置には補助冷却部88が介設されている。補助冷却部88は、回収管66の一部を螺旋状に形成させており、該螺旋部分の外側に冷媒を通流させる冷却外筒を備えている。冷却外筒は、冷媒循環ユニット82(図4、参照)に接続される。
上記のように、第1液受部18と第2液受部20とは略同じ高さ位置で正面視で横並び状に併設されており、中空基管54に対する凝縮部14の傾設方向(図2上では、紙面に垂直な方向)に対して交差する方向に配置されている。そして、第1、第2液受部18、20と中空基管54、凝縮部14は支持フレーム32を介して支持されている。これにより、例えば、装置の占有空間が横方向や縦方向に大幅に広がることなく各部材を効率良くまとめて配置させることができ、簡単な支持構成で蒸発濃縮処理と精留処理を兼用した装置をコンパクトな構造で実現できる。
図1に示すように、蒸発フラスコ36内部に液体原料を補充供給する供給管90が設けられている。供給管90は、コック91を介して分岐経路管46の端部から気密を保持しながら内部に挿入され、分岐経路管46及びロータリージョイント40の管中心部を長手方向に沿って通過し、その先端開口を蒸発フラスコ36内に延長させている。供給管90は、液体原料供給ユニット92と接続されており、コック91を介して必要に応じて蒸発フラスコ36内へ液体原料の供給が可能となっている。なお、供給管90は必ずしも設けなくてもよいが、本実施形態のように供給管90を設けた方が、装置を連続的に稼動して大量の液体原料を処理する際に有利である。
次に、図4を参照しつつ、本実施形態に係る濃縮蒸留装置10の作用を説明する。例えば、蒸発フラスコ36をロータリージョイント40の連結口に接続する際には、制御部44を介してウォーターバス38を下方に下げておき、接続した後には、ウォーターバスを蒸発フラスコ36に向けて上昇させて、該フラスコの下面側を湯に浸漬する。凝縮部14に接続された真空ポンプ80を介して系全体を減圧する。
例えば、蒸発フラスコ36において投入した液体原料から溶媒等の低沸点成分を分離除去して液体原料の蒸発濃縮を行う際には、切替弁48を操作して分岐経路管46の分岐口50を開放して切替経路部22を不帰経路に設定する。なお、この際、還流弁58を閉鎖しておき、凝縮部14から還流されて受部62で受け止められた全ての凝縮液が精留塔16内の精留作用部56に戻るようにしておく。モータ42を駆動させてロータリージョイント40を介して蒸発フラスコ36を回転させながらウォーターバス38により加熱することにより、蒸発フラスコ内部の液体原料の主に低沸点成分が気化されて蒸気となる。該蒸気は、蒸気フラスコ36の口部からロータリージョイント40、分岐経路管46、精留塔16内を通過し、凝縮部14の外管76内で冷却されて液化(凝縮)される。凝縮部14で液化された凝縮液は、傾斜された外管76により自然に流下して精留塔16内に戻り、分岐経路管46に流下し、分岐口50から接続管52を介して第1回収部18に回収される。凝縮部で液化された凝縮液は結果的にはすべて第1液受部20に集められるため、回収された液体の精留精度は低く、ほぼ単蒸留に近い処理となる。すなわち、装置10は、濃縮処理とともに単蒸留処理用としても利用できる。このようにして、凝縮液は蒸発フラスコ36に戻ることなく、従来のエバポレータと略同様に、良好に液体原料の蒸発濃縮処理が行われる。この処理の場合でも凝縮部14で冷却された凝縮液は全て精留塔16内を流下してくるので、蒸発フラスコ36からの蒸気は、該凝縮液と接触して蒸気の一部が冷却される。よって、蒸発フラスコ36と凝縮部14との間の距離が離れている構成であっても、精留塔16が一部凝縮機能を兼用することから、効率よい蒸留液の回収を行えて円滑に蒸発濃縮処理できる。必要に応じて、供給管90を介して蒸発フラスコ36内に液体原料を補充供給しながら蒸発濃縮を行い、処理終了後にはモータを停止して、ウォーターバスを下方に下げて、蒸発フラスコを取り外し、濃縮精製物が取り出される。なお、同処理で第1液受部18内部にほぼ単蒸留で回収された液体はドレンバルブ86を介して取り出される。
一方、例えば、蒸発フラスコ36において投入した液体原料を精密蒸留して溶媒等の低沸点成分を高精度で精製する際には、切替弁48を操作して分岐経路管46の分岐口50を閉鎖し、切替経路部22を帰還経路に設定する。この際、はじめのうちは還流弁58を閉鎖しておき、受部62で受け止められた全ての凝縮液が精留塔16内の精留作用部56に戻るようにしておく。上記の濃縮処理同様に、モータ42を駆動させてロータリージョイント40を介して蒸発フラスコ36を回転させながらウォーターバス38により加熱することにより、蒸発フラスコ内部の液体原料の主に低沸点成分が気化されて蒸気となる。該蒸気は、蒸気フラスコの口部からロータリージョイント40、分岐経路管46、精留塔16内を通過し、凝縮部14の外管76内部で冷却されて液化される。凝縮部14で液化された凝縮液は、傾斜された外管76により自然に流下して精留塔16内に戻り、さらに精留塔から分岐経路管46に流下し、再び蒸発フラスコ36内に戻り、再加熱されて気化される。液体原料の気化と液化を繰り返すことにより、精留塔16内で蒸気と凝縮液とが良好に接触して、次第に精留塔16の上部側ほど低沸点成分の濃度が高くなるとともに、下部ほど高沸点成分の濃度が高くなっていく。所定時間経過後に、還流弁58を所望の開度で開いて、精留精度調整構造60において凝縮部14から流下して受部62に受け止められた凝縮液の回収管66から第2液受部20に流れる量が還流弁58を介して調整されるのに対応して、戻し管64からの凝縮液のオーバーフローの量、すなわち精留作用部56へ戻す還流液の量が調整される。還流弁58の開度を大きく開くと、第2液受部20の回収量が増加するが、戻し管64から精留作用部56へ戻す凝縮液の量が少なくなり、精留精度が低くなる。還流弁58の開度を小さく絞ると、第2液受部20の回収量が減少するが、戻し管64から精留作用部56へ戻す凝縮液の量が多くなり、精留精度が高くなる。このように目的の精度で精留されるように第2液受部20への回収量と精留作用部56への還流液量との比率を設定した状態で精留を行いつつ、精製された凝縮液を第2液受部20に回収する。必要に応じて、供給管90を介して蒸発フラスコ36内に液体原料を補充供給しながら精留を行い、処理終了後には第2液受部20のドレンバルブ86を開いて精留精製物が取り出される。上記のように、一台の装置だけで、液体原料の蒸発濃縮処理と精留処理とを簡単に切替えて利用することができる。
以上説明した本発明の濃縮蒸留装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。例えば、上記実施形態では弁を手動により開閉操作する構成としたが、自動的に弁を開閉制御する構成としてもよい。例えば、還流弁58を電気的に作動する磁石を介して開閉させる弁機構とし、設定した所定の時間に対応して弁機構の磁石を作動させて弁を自動的に開閉制御させる構成等、その他の自動的な開閉弁構造としてもよい。
本発明の濃縮蒸留装置は、例えば、種々の研究や実験、成分分析、製品の製造等が行われる実験室、研究室、工場等で好適に利用される。
本発明の本実施形態に係る濃縮蒸留装置の側面図である。 図1の濃縮蒸留装置の正面図である。 図1の濃縮蒸留装置の精留塔の上部側の断面図の一部を省略した概略説明図である。 図1の濃縮蒸留装置の概略説明図である。
符号の説明
10 濃縮蒸発装置
12 蒸発部
14 凝縮部
16 精留塔
18 第1液受部
20 第2液受部
22 切替経路部
32 支持フレーム
36 蒸発フラスコ
46 分岐経路管
48 切替弁
56 精留作用部
58 還流弁
60 精留精度調整構造
62 受部
64 戻し管
66 回収管
68 受壁
70 内筒部
72 天壁
74 通気孔

Claims (7)

  1. 気密された連通閉鎖空間内での物質の相変化を利用した装置であり、
    蒸発容器内に投入した液体原料を加熱して気化させる蒸発部と、
    蒸発部より上方位置に設置され、蒸発部からの蒸気を冷却して液化する凝縮部と、
    蒸発部と凝縮部との中間位置に接続された精留塔と、
    蒸発部と精留塔との中間位置から分岐接続され凝縮液を受ける第1液受部と、
    精留塔の上方側で閉鎖空間に連通する還流弁を介して分岐して接続され精留塔で精留された凝縮液を回収する第2液受部と、
    精留塔から流下する凝縮液を蒸発部に戻して液体原料の気化と液化を繰り返させて精留塔での精留を行わせる帰還経路と、精留塔からの凝縮液を蒸発部に戻さずに第1液受部に回収して蒸発部での液体原料の濃縮を行わせる不帰経路と、を選択的に切り替え可能な切替経路部と、を備えたことを特徴とする濃縮蒸留装置。
  2. 精留塔の上部側には、凝縮部からの凝縮液を精留塔の精留作用部に戻す前に一旦受け止める受部と、受部で受け止めた凝縮液を精留作用部に戻す戻し管と、受部で受け止めた凝縮液を還流弁を介して第2液受部へ回収させる回収管と、を有し、還流弁を介して回収管から第2液受部へ流す量と凝縮液の戻し管から精留塔へ戻す量とを連係させることにより精留塔での精留の精度を調整するオーバーフロー型の精留精度調整構造が設けられたことを特徴とする請求項1記載の濃縮蒸留装置。
  3. 精留精度調整構造は、戻し管の導入口を回収管の導入口より高い位置に設定させ、還流弁を介して受部で受けた凝縮液の戻し管からのオーバーフロー量を増減させることにより精留の精度を調整させることを特徴とする請求項2記載の濃縮蒸留装置。
  4. 受部は、精留塔の上部側の周壁と、該周壁から内部側に向けて張り出した受壁と、受壁の内側張り出し端から上方側にむけて中空筒状に立ち上がって周壁との間に間隙を形成する内筒部と、を有することを特徴とする請求項2又は3記載の濃縮蒸留装置。
  5. 受部は、内筒部の上端側を閉鎖して凝縮部からの凝縮液を受けて受部上へ流す天壁と、内筒部に設けられた蒸気通流用の通気孔と、を含むことを特徴とする請求項4記載の濃縮蒸留装置。
  6. 切替経路部は、精留塔の下部から蒸発部側へ下り傾斜となるように接続されつつ第1液受部と分岐接続された分岐経路管と、
    該分岐経路管の分岐位置に配置され、凝縮液を蒸発部側へ戻す帰還経路と第1液受部側に回収させる不帰経路とを切替える切替弁部と、を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の濃縮蒸留装置。
  7. 精留塔の下方位置に第1液受部と第2液受部とを併設させ、分岐経路管に接続された精留塔と凝縮部とが第1液受部と第2液受部の併設方向と交差する方向に鉛直に立てた支持フレームを介して傾設され支持されていることを特徴とする請求項6記載の濃縮蒸留装置。
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