JP2009104713A - Cartridge - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、磁気テープを巻装するリールを回転可能に収納するカートリッジに関する。 The present invention relates to a cartridge that rotatably stores a reel around which a magnetic tape is wound.
磁気テープのカートリッジは、図7に示すように、上フランジ105と下フランジ106をハブ104に結合したリール102に磁気テープ103を収納し、リール102をテープケース101に内蔵して構成される。このような構成のカートリッジ107は、記録再生装置(以下、ドライブ装置という。)に装填されると、リール102がドライブ装置側のリール駆動軸と係合し、回転される。また、カートリッジ107は、表部に形成されたテープローディング用の空間部を開閉するリッド(図示せず)の回動によって、磁気テープ103を開放する。ドライブ装置は、開放された磁気テープ103を、カートリッジ107の前面から磁気ヘッド(図示せず)へローディングし、所定の記録再生動作を行いながら磁気テープ103を走行させる。
As shown in FIG. 7, the magnetic tape cartridge is configured such that the
カートリッジ107を構成するリール102は一般に、生産性及び軽量化の観点から、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)やPOM(ポリアセタール)等の熱可塑性合成樹脂材料を射出成形することにより形成される。一方、磁気テープ103は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁性の非磁性支持体の上に磁性材料が塗布又は蒸着により被着されて構成される。
The
したがって、上フランジ105と下フランジ106は、磁気テープ103の非磁性支持体との摩擦によって帯電する恐れがある。このように、上フランジ105と下フランジ106が帯電したリール102を用いて磁気テープ103をカートリッジ107内へ巻き取ると、巻き取り中に磁気テープ103を上フランジ105及び下フランジ106側に引き付ける力(静電引力)が作用する。
Therefore, the
磁気テープ103は、磁気テープ103のテープ間の空気を巻き取り張力により排出しながら(通常は上フランジ側と下フランジ側に均等に押し出す)巻き取られる。カートリッジ107に磁気テープ103を巻取る際に、上フランジ105及び下フランジ106に静電引力が作用すると、磁気テープ103の巻き取り張力は、幅方向で不安定になり、空気が排出される方向が不安定になる。
The
磁気テープ103には、空気を排出する側と反対側に加わる空気排出の反作用(排空力)および上述の静電引力が働く。従って、巻き取り中に空気が排出される方向が不安定になった場合、排空力と静電引力の合力が不安定となる。従って、磁気テープ103の一部が上フランジ105及び下フランジ106側のテープエッジから飛び出してしまい、磁気テープ103が凹凸になるいわゆる「巻き乱れ」が生じる。
The
一方、磁気テープの生産効率の点および使用時に短時間で必要領域を読み取る必要性から、巻き取り速度を上げることが要望されている。磁気テープの巻き取り速度を上げると巻き乱れが発生しやすくなる。カートリッジ107に巻装された状態で巻き乱れが生じている磁気テープ103は、輸送中にテープエッジがダメージを受け易く、記録メディアとして、品質管理上大きな問題となる。
On the other hand, from the viewpoint of production efficiency of magnetic tape and the necessity of reading a necessary area in a short time during use, it is desired to increase the winding speed. Increasing the winding speed of the magnetic tape tends to cause winding disturbance. The
この様な問題に対し、以下に示す方法により、磁気テープの巻き乱れを抑える方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法は、まず磁気テープの製造時において、幅広な磁気テープ(磁気テープ原反)を規定幅に裁断した後に、テーパ形状のリールに磁気テープを巻き、パンケーキを作成する。つぎに、作成したパンケーキにおいて、磁気テープの幅方向に生じている経時的な形状変化を、高温高湿度環境に長時間保管することで一方に偏らせる(湾曲させる)。つぎに、このように湾曲させられた磁気テープを、所定の長さ分だけカートリッジに巻き取る。磁気テープが湾曲しているため、空気排出方向が安定し巻き乱れを抑えることができる。
上記従来の巻き取り方法では、磁気テープに必要な湾曲量を得るためには、磁気テープを高温高湿度環境に長時間保管する必要がある。したがって、長時間保管のため生産リードタイムが長くなるという問題がある。 In the above conventional winding method, in order to obtain the amount of bending required for the magnetic tape, it is necessary to store the magnetic tape in a high temperature and high humidity environment for a long time. Therefore, there is a problem that production lead time becomes long due to long-term storage.
本発明は、磁気テープを高速で巻き取っても巻き乱れが発生せず、生産リードタイムを長くすることがないカートリッジを提供することを目的とする。 An object of the present invention is to provide a cartridge that does not cause turbulence even when a magnetic tape is wound at a high speed and does not lengthen the production lead time.
本発明のカートリッジは、磁気テープと、前記磁気テープを巻き取るリールとを備え、前記リールは、磁気テープを巻き取るハブと、前記ハブの一端に設けられた第1フランジと、前記ハブの他端に設けられた第2フランジとを有する。上記課題を解決するために、前記第1フランジは、導電材料を含むことを特徴とする。 The cartridge of the present invention includes a magnetic tape and a reel for winding the magnetic tape. The reel includes a hub for winding the magnetic tape, a first flange provided at one end of the hub, and the hub. And a second flange provided at the end. In order to solve the above problems, the first flange includes a conductive material.
ここで、導電材料を含むとは、第1フランジの表面に導電材料を成膜する場合および第1フランジの構成材料に導電フィラーを添加する場合を含む。 Here, including a conductive material includes a case where a conductive material is formed on the surface of the first flange and a case where a conductive filler is added to the constituent material of the first flange.
本発明によれば、巻き取り時に磁気テープの一方向にのみ静電引力が作用するので、磁気テープを高速で巻き取っても巻き乱れが発生せず、生産リードタイムを長くする必要がないカートリッジを提供することができる。 According to the present invention, since electrostatic attraction acts only in one direction of the magnetic tape at the time of winding, there is no turbulence even if the magnetic tape is wound at high speed, and there is no need to lengthen the production lead time. Can be provided.
本発明のカートリッジにおいて、前記第1フランジは、表面に導電性材料が成膜された構成にすることもできる。 In the cartridge of the present invention, the first flange may be configured such that a conductive material is formed on the surface.
また、前記第1フランジは、導電性フィラーが添加された合成樹脂材料で構成されてもよい。 The first flange may be made of a synthetic resin material to which a conductive filler is added.
また、前記第2フランジと前記第1フランジの表面電気抵抗値の比が100以上である構成にすることもできる。 Moreover, it can also be set as the structure whose ratio of the surface electrical resistance value of a said 2nd flange and a said 1st flange is 100 or more.
また、前記第1フランジは表面電気抵抗値が1012Ω/□以下であり、前記第2フランジは表面電気抵抗値が1014Ω/□以上である構成にすることもできる。 The first flange may have a surface electrical resistance value of 10 12 Ω / □ or less, and the second flange may have a surface electrical resistance value of 10 14 Ω / □ or more.
以下、本発明のリールの好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。 Hereinafter, preferred embodiments of the reel of the present invention will be described with reference to the drawings.
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るカートリッジ7の構成を示す斜視図である。テープケース1に磁気テープ3が巻かれたリール2が設けられている。リール2は、磁気テープ3を巻き取るハブ4と、上フランジ5、および下フランジ6(第1フランジまたは第2フランジ)で構成されている。
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a perspective view showing a configuration of a
図2は、磁気テープ3の構造を示す断面図である。PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等からなる非磁性のベースフィルム11表面に、磁性材料が塗布あるいは蒸着によって被着された磁性層12が形成されている。なお、磁性層12上に保護層13を設けることができる。さらに、保護層13上に潤滑層14を設けることができる。また、ベースフィルム11の裏面にウレタン等からなるバックコート層15が形成されている。
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the structure of the
図1のテープケース1の例として、ビデオテープレコーダ用8mmビデオテープカセットについて説明する。上フランジ5および下フランジ6は、強度や成形し易さなどを考慮して、PS(ポリスチレン)樹脂、POM(ポリアセタール)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂などの合成樹脂により構成されている。上フランジ5は、後述するように磁気テープ3の巻装状態を確認できるように、特にAS樹脂やPS樹脂やPC樹脂等の透明な合成樹脂材料を用いて形成されることが好ましい。
As an example of the
上フランジ5は、表面に導電材料が成膜され、表面電気抵抗値が下フランジ6よりも低く構成されている。表面電気抵抗値は、例えば、ASTM−D257に規定される測定法により測定される。
The
以上のように構成されるリール2には、透明なリーダーテープ(図示せず)の一端がクランパ(図示せず)を介して固定されている。また、リーダーテープの他端は、スプライステープ(図示せず)を介して磁気テープ3の端部に接合されており、連続した磁気テープ3はテープケース1内のリール2に巻装されている。
One end of a transparent leader tape (not shown) is fixed to the
次に、本発明のカートリッジにおける磁気テープ3の巻き取り動作の一例について説明する。磁気テープ3は、全厚略5μmであり、上述した図2に示す構造である。まず、幅50cm以上の幅広テープ(以後、磁気テープ原反と称する)を、スリット装置を用いて8mm幅に切断し、フランジの無いハブに巻き取り、パンケーキを形成する。磁気テープ原反は、1.6m/sから5m/sの速さでスリット装置の刃物を通過して切断され、10000mの磁気テープ3からなるパンケーキを形成する。
Next, an example of the winding operation of the
つぎに、8mm幅に裁断された磁気テープ3を規定された長さの分だけカートリッジ7内へ巻き取る。図3は、パンケーキ22からカートリッジ7へ磁気テープ3を巻き取る巻き取り装置の構成を示す平面図である。ハブ21に巻き取られたパンケーキ22から磁気テープ3が誘導ロール23を介してカートリッジ7のリール2に巻き取られる。磁気テープ3をカートリッジ7へ巻き取る速さは20m/sとし、1つのカートリッジ7に巻き取る長さは略200mとし、巻き取る際に磁気テープ3へ加える張力は0.3N以下とする。
Next, the
なお、パンケーキ22からカートリッジ1内に巻き取るまでの走行系において、磁気テープ3の表面をクリーニングする目的で、クリーニングテープを磁気テープ3の表面に接触させても構わない。また、磁気テープ表面性を滑らかにする目的で、研磨テープを磁気テープ3の表面に接触させても構わない。
In the running system from the
カートリッジ7に磁気テープ3を巻き取る際に、リール2を構成する下フランジ6は、巻き取られる磁気テープ3のベースフィルム11あるいはバックコート層15などの絶縁層と接触し、帯電する。下フランジ6は、磁気テープ3と接触した場所で帯電する。従って、磁気テープ3の巻き取りの際に、磁気テープ3と下フランジ6のみに静電引力が作用し、磁気テープ3の空気排出方向が一方向に安定して巻き取られるため、巻き乱れを抑えることができる。
When the
なお、磁気テープ3の巻き乱れが生じているか否かは、カートリッジ7を分解して、リール2に巻装された磁気テープ3の外観(以後、巻き姿と称する)を観察することにより検証することができる。図4は、本実施の形態に係る磁気テープ3が巻き付けられたリール2のハブ4の中心を含む切断を示す断面図である。図4(a)は巻き乱れが無い状態を示し、図4(b)および(c)は巻き乱れが生じた状態を示す。
Whether the
巻き姿の確認は、リール2の回転軸に対して垂直でリール2の外側から中心向き(矢印の向き)に目視により磁気テープ3と上フランジ5の間に空間があるか否かにより行う。巻き乱れが無い場合は、図4(a)に示すように、巻き取られた磁気テープ3の最外周部からハブ4側にかけて、磁気テープ3と上フランジ5の間に空間が観察される。一方、巻き乱れている場合は、図4(b)に示すように、磁気テープ3と上フランジ5の間に空間が観察されない。あるいは、図4(c)に示すように、巻き取られた磁気テープ3の最外周部からハブ4側において、磁気テープ3と上フランジ5の間の空間が、局部的に狭くなっていることが観察される。なお、上フランジ5より下フランジ6の方の表面電気抵抗値が低い構成にした場合は、磁気テープ3と下フランジ6の間に空間があるか否かにより巻き姿を確認する。
The winding state is confirmed by checking whether there is a space between the
また、図5に示すようにテープ残量を確認する透明窓が付いていないカートリッジに対しては、X線を用いてカートリッジを分解しないで巻き姿を確認することもできる。 Further, as shown in FIG. 5, for a cartridge that does not have a transparent window for checking the remaining amount of tape, the winding state can be confirmed without disassembling the cartridge using X-rays.
10000mの磁気テープ3で構成されたパンケーキから磁気テープ3を巻装したカートリッジ7を40巻以上形成し、全てのカートリッジ7を分解して巻き姿を確認した。
40 or more rolls of the
図6は、上フランジ5および下フランジ6の調整されたそれぞれの表面電気抵抗値において、磁気テープ3を巻き取った場合に、巻き乱れなく磁気テープ3を巻き取ることができる割合(%)を示す表である。上フランジ5が表面電気抵抗値1×1016Ω/□のPS樹脂で構成され、下フランジ6が表面電気抵抗値1×1014Ω/□のPOM樹脂で構成されている。所定の表面電気抵抗値を得るために、上フランジ5および下フランジ6の表面に銀がスパッタにより成膜される。一方のフランジの表面電気抵抗値が1×1014Ω/□以上であり、もう一方のフランジの表面電気抵抗値が1012Ω/□以下である場合は、巻き乱れなく磁気テープを巻き取ることができた。それ以外の場合には巻き乱れが多発した。
FIG. 6 shows the ratio (%) at which the
また、上フランジ5がAS樹脂(表面電気抵抗値1×1016Ω/□)で構成され、下フランジ6がPOM樹脂(表面電気抵抗値1014Ω/□)で構成された場合について、フランジ表面に銀をスパッタリングにより成膜して表面電気抵抗値を変えながら、磁気テープ3を巻き取ると図6と同様の結果となった。
Further, when the
以上のように、本実施の形態に係るカートリッジは、磁気テープ3を巻き取るリール2の上フランジ5と下フランジ6に表面電気抵抗値に差を生じさせることにより、巻き乱れ無く磁気テープ3を巻き取ることができる。
As described above, the cartridge according to the present embodiment causes the
なお、実施の形態1、2において、フランジの表面電気抵抗値を調整するために、導電性材料をフランジ表面にスパッタリングにより成膜したが、鍍金により導電性の皮膜を形成しても構わないし、導電性材料を塗布して導電性の皮膜を形成しても構わない。 In the first and second embodiments, in order to adjust the surface electrical resistance value of the flange, the conductive material was formed by sputtering on the flange surface. However, a conductive film may be formed by plating. A conductive film may be formed by applying a conductive material.
また、表面電気抵抗値を調整するために銀をスパッタリングしたが他の導電材料を用いることもできる。 Moreover, although silver was sputtered to adjust the surface electrical resistance value, other conductive materials can be used.
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るカートリッジのリール2は、上フランジ5がPS樹脂(表面電気抵抗値1×1016Ω/□)で構成され、下フランジ6がPOM樹脂(表面電気抵抗値1×1014Ω/□)で構成されている。上フランジ5および下フランジ6に、カーボンナノチューブを導電フィラーとして添加し、表面電気抵抗値を変化させる。カートリッジの他の構成は、実施の形態1のカートリッジと同様の構成であり、同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
(Embodiment 2)
In the
ここで、導電性フィラーとは、フランジに導電性能を付与するために添加される充填材であって、粒状フィラー、フレーク状フィラー及び繊維状フィラーがある。粒状フィラーは、導電性カーボンが代表的で、フレーク状フィラーにはアルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、ニッケルコートマイカなどがある。また、繊維状フィラーには、カーボン、アルミニウム、銅、黄銅、ステンレス鋼などを繊維状に形成したものがある。本実施の形態では導電フィラーとしてカーボンナノチューブを用いているがこれに限定されない。 Here, the conductive filler is a filler added to impart electrical conductivity to the flange, and includes a granular filler, a flaky filler, and a fibrous filler. The particulate filler is typically conductive carbon, and the flaky filler includes aluminum flake, nickel flake, nickel-coated mica and the like. In addition, there are fibrous fillers in which carbon, aluminum, copper, brass, stainless steel, or the like is formed into a fibrous shape. In this embodiment, carbon nanotubes are used as the conductive filler, but the present invention is not limited to this.
上フランジ5および下フランジ6の表面電気抵抗値を変化させ、それぞれの表面電気抵抗値において磁気テープを巻き取った場合に、巻き乱れなく磁気テープを巻き取ることができる割合は、図6と同様となった。すなわち、一方のフランジの表面電気抵抗値が1014Ω/□以上であり、もう一方のフランジの表面電気抵抗値が1012Ω/□以下である場合は、巻き乱れなく磁気テープを巻き取ることができた。それ以外の場合には巻き乱れが多発した。
When the surface electrical resistance values of the
以下、実施の形態1および2のリール2の具体的な実施例および実施例に対比する巻き乱れが生じるリールの例(比較例)を示す。
Hereinafter, specific examples of the
実施例1、2および比較例1〜3は、実施の形態1におけるカートリッジを用いた例であり、実施例3、4および比較例4,5は、実施の形態2におけるカートリッジを用いた例である。
Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 to 3 are examples using the cartridge in
(実施例1)
上フランジ5の表面に銀をスパッタリングして、表面電気抵抗値が1×1012Ω/□になるように調整した。下フランジ6の表面には銀をスパッタリングせず、表面電気抵抗値が1014Ω/□であった。このような構成で磁気テープ3の巻き取りを高速で行うと、巻き乱れ無しに巻き取ることができた。これは、下フランジ6と磁気テープ3の間のみに静電引力が生じ、磁気テープ3の空気排出方向が一定するためである。
(Example 1)
Silver was sputtered on the surface of the
(比較例1)
下フランジ6の表面に銀をスパッタリングして、表面電気抵抗値が1×1012Ω/□になるよう調整した。上フランジ5の表面には銀をスパッタリングせず、表面電気抵抗値が1×1016Ω/□であった。このような構成で磁気テープ3の巻き取りを高速で行うと、巻き乱れ無しに巻き取ることができたカートリッジ7は、全体の16%であった。
(Comparative Example 1)
Silver was sputtered on the surface of the
これは、上フランジ5および下フランジ6による磁気テープ3に作用する静電引力が小さいまたは作用しなかったため、高速で巻き取りする際に磁気テープ3の走行が不安定になったためである。この場合、低速で巻き取りをすると、磁気テープ3は、テープとテープの間の空気を巻き取り張力により通常は上フランジ5側と下フランジ6側に均等に押し出して巻き乱れない。しかし、高速で巻き取りをすると、磁気テープ3の幅方向にかかる巻き取り張力が、磁気テープ3の長手方向の極微小な湾曲により不安定になったためである。
This is because the electrostatic attraction acting on the
(比較例2)
上フランジ5の表面に銀をスパッタリングして、表面電気抵抗値が1×1014Ω/□になるよう調整した。下フランジ6には銀をスパッタリングせず、表面電気抵抗値が1×1016Ω/□であった。
(Comparative Example 2)
Silver was sputtered on the surface of the
このような構成で磁気テープ3の巻き取りを高速で行うと、巻き乱れ無しに巻き取ることができたカートリッジは、全体の7%であった。これは、上フランジ5および下フランジ6が帯電し、磁気テープ3を引き合ったため、磁気テープ3の巻き取りが不安定になったためである。
When the
以上のように、本発明のリール2を用いることにより、下フランジ6は、磁気テープ3の非磁性支持体との摩擦により帯電する。このように下フランジ6に帯電したリール2を用いて磁気テープ3をカートリッジ1内へ巻き取りすると、巻き取り中に磁気テープ3が下フランジ6側の一方に静電引力が作用するので、磁気テープ3を高速でカートリッジ7に巻き取っても巻き乱れを防止することができる。
As described above, by using the
(実施例2)
上フランジ5を銀がスパッタリングされていないAS樹脂で構成し、表面電気抵抗値を1×1016Ω/□とした。また、下フランジ6をPOM樹脂で構成し、表面に銀をスパッタリングして、表面電気抵抗値が1×1012Ω/□になるよう調整した。このような構成のリール2を用いて磁気テープ3の巻き取りを高速で行うと、巻き乱れ無く、磁気テープ3を巻き取ることができた。
(Example 2)
The
これは、磁気テープ3と上フランジ5との摩擦により、磁気テープ3と上フランジ5の間に静電引力が生じ、磁気テープ3が巻かれる際の空気排出の向きが一定となるためである。
This is because the friction between the
(比較例3)
上フランジ5および下フランジ6に銀をスパッタリングせず、それぞれ表面電気抵抗値を1×1016Ω/□および1×1014Ω/□とした。このような構成で磁気テープ3の巻き取りを高速で行うと、巻き乱れ無しに巻き取ることができたカートリッジ7は、ほとんどなかった。これは、上フランジ5および下フランジ6がそれぞれ帯電し、磁気テープ3との間に静電引力が生じたため、巻き取る際の空気排出の向きが乱れ、磁気テープ3の巻き取りが不安定になったためである。
(Comparative Example 3)
Silver was not sputtered on the
(実施例3)
上フランジ5をPS樹脂で構成し、カーボンナノチューブを添加して表面電気抵抗値を1×1012Ω/□に調整した。また、下フランジ6をPOM樹脂で構成し、カーボンナノチューブを添加せず、表面電気抵抗値を1×1014Ω/□とした。
(Example 3)
The
このような構成で磁気テープ3を高速で巻き取りすると、巻き乱れは生じなかった。これは、磁気テープ3との接触により、下フランジ6が帯電され、帯電により磁気テープ3と下フランジ6の間に静電引力が発生し、磁気テープ3の空気排出方向が一定するためである。
When the
(実施例4)
下フランジ6にカーボンナノチューブを添加して、表面電気抵抗値が1×1012Ω/□になるよう調整した。上フランジ5には導電フィラーを添加せず、表面電気抵抗値が1×1014Ω/□であった。このような構成のリール2で磁気テープ3を高速で巻き取りすると、巻き乱れは生じなかった。巻き取られた磁気テープ3はリール2内の上フランジ6側に沿って巻装された。これは、上フランジ6と磁気テープ3の間に静電引力が発生し、磁気テープ3の空気排出方向が一定したためである。
Example 4
Carbon nanotubes were added to the
(比較例4)
上フランジ5にカーボンナノチューブを添加して、表面電気抵抗値が1×1012Ω/□になるよう調整した。また、下フランジ6にカーボンナノチューブを添加し、表面電気抵抗値が1×1012Ω/□になるよう調整した。
(Comparative Example 4)
Carbon nanotubes were added to the
このような構成で磁気テープ3を高速で巻き取りすると、巻き乱れ無しに巻き取ることができたカートリッジ7は、ほとんどなかった。これは、上フランジ5および下フランジ6と磁気テープ3の間で静電引力が生じないため、巻き取る際の空気排出の向きが乱れ、磁気テープ3の巻き取りが不安定になったためである。
When the
(比較例5)
上フランジ5にカーボンナノチューブを添加して、表面電気抵抗値が1×1014Ω/□になるよう調整した。また、下フランジ6にカーボンナノチューブを添加して、表面電気抵抗値が1×1014Ω/□になるよう調整した。
(Comparative Example 5)
Carbon nanotubes were added to the
このような構成で磁気テープ3を高速で巻き取りすると、巻き乱れ無しに巻き取ることができたカートリッジは、ほとんどなかった。これは、上フランジ5および下フランジ6が帯電し、磁気テープ3との間にそれぞれ静電引力が生じたため、巻き取る際の空気排出の向きが乱れ、磁気テープ3の巻き取りが不安定になったためである。
When the
上述の実施の形態1〜4および比較例1〜5の結果から、上フランジ5、下フランジ6は、スパッタリングおよび導電性フィラーの添加のどちらの方法によっても、同様の巻き取り結果となることがわかる。つまり、磁気テープ3の巻き取りは上フランジ、下フランジ6の表面電気抵抗値の依存することがわかる。
From the results of the above-described
以上のように、本発明は、磁気テープ3を巻き取るリール2の上フランジ5と下フランジ6に表面電気抵抗に差を生じさせることにより、巻き乱れ無く磁気テープ3を巻き取ることができる。
As described above, according to the present invention, the
なお、上フランジ5または下フランジ6に、プラスまたはマイナス電荷を照射して帯電させることにより、巻き乱れを抑える構成にすることもできる。照射する電荷は、直流的に、交流的にあるいはパルス状に与えられる。また、上フランジ5と磁気テープ3あるいは下フランジ6と磁気テープ3の電位差を大きくすることで乱れなく巻き取ることができるので、磁気テープにプラスまたはマイナスの電荷を照射する構成にすることもできる。
In addition, it can also be set as the structure which suppresses winding disorder by irradiating the
また、上フランジ5および下フランジ6の最適な表面電気抵抗値の範囲は、必ずしも上述した範囲である必要はなく、磁気テープ3の質量、巻き取り速度により変わるので、本実施の形態の範囲に限定されない。
Moreover, the range of the optimum surface electric resistance value of the
また、本発明が本実施の形態に限定されるものでないことは勿論である。 Of course, the present invention is not limited to this embodiment.
本発明のカートリッジは、磁気テープを高速巻き取りしても巻き乱れが少ないという利点を有し、磁気記憶媒体などに利用可能である。 The cartridge of the present invention has an advantage that even when the magnetic tape is wound at high speed, there is little turbulence and can be used for a magnetic storage medium.
1 テープケース
2 リール
3 磁気テープ
4 ハブ
5 上フランジ
6 下フランジ
7 カートリッジ
11 ベースフィルム
12 磁性層
13 保護層
14 潤滑層
15 バックコート層
21 ハブ
22 パンケーキ
23 誘導ロール
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記磁気テープを巻き取るリールとを備え、
前記リールは、
磁気テープを巻き取るハブと、
前記ハブの一端に設けられた第1フランジと、
前記ハブの他端に設けられた第2フランジとを有するカートリッジにおいて、
前記第1フランジは、導電材料を含むことを特徴とするカートリッジ。 Magnetic tape,
A reel for winding the magnetic tape,
The reel
A hub for winding magnetic tape,
A first flange provided at one end of the hub;
In a cartridge having a second flange provided at the other end of the hub,
The cartridge according to claim 1, wherein the first flange includes a conductive material.
前記第2フランジは表面電気抵抗値が1014Ω/□以上である請求項4記載のカートリッジ。 The first flange has a surface electrical resistance value of 10 12 Ω / □ or less,
The cartridge according to claim 4, wherein the second flange has a surface electrical resistance value of 10 14 Ω / □ or more.
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