JP2009103531A - 静電容量型圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力が掛かった際に柔軟に変形して電極間距離が変化する静電容量型圧力センサを提供することである。
【解決手段】電極3,4間に誘電体2を備え、前記誘電体2の一部又は全部を、膨張又は収縮が可能な気泡構造体9とした。静電容量型圧力センサ1に圧力が作用すると、誘電体2の気泡構造体9が収縮又は膨張し、電極3,4間の距離が変化して静電容量が変化する。静電容量と圧力の大きさとは予め関連付けられており、静電容量が変化することをもって圧力を検出する。
【選択図】図5
【解決手段】電極3,4間に誘電体2を備え、前記誘電体2の一部又は全部を、膨張又は収縮が可能な気泡構造体9とした。静電容量型圧力センサ1に圧力が作用すると、誘電体2の気泡構造体9が収縮又は膨張し、電極3,4間の距離が変化して静電容量が変化する。静電容量と圧力の大きさとは予め関連付けられており、静電容量が変化することをもって圧力を検出する。
【選択図】図5
Description
本発明は、静電容量型圧力センサに関するものである。
従来の静電容量型圧力センサが、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているような静電容量型圧力センサには、ガラス基板等の柔軟性のない部材が備えられている。
特開2007−205858号公報
このような静電容量型圧力センサを、例えばタイヤ圧力モニタシステムに使用する場合には、静電容量型圧力センサは空気注入用のバルブに装着される。しかし、昨今は静電容量型圧力センサのタイヤ部(柔軟に変形する部位)への装着が要望されてきており、柔軟性のない従来の静電容量型圧力センサでは不都合が生じることが予想される。
また、従来の静電容量型圧力センサでは、ダイヤフラムなどの検出部が外部振動の影響を受けて変位することがあり、これが圧力検出の精度を悪化させていた。
そこで本発明は、圧力が掛かった際に柔軟に変形し、さらに振動の影響を受けにくい静電容量型圧力センサを提供することを目的としている。
また、従来の静電容量型圧力センサでは、ダイヤフラムなどの検出部が外部振動の影響を受けて変位することがあり、これが圧力検出の精度を悪化させていた。
そこで本発明は、圧力が掛かった際に柔軟に変形し、さらに振動の影響を受けにくい静電容量型圧力センサを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、電極間に誘電体を備えており、前記誘電体の一部又は全部が、膨張又は収縮が可能な気泡構造体であることを特徴とする静電容量型圧力センサである。
請求項1の発明の静電容量型圧力センサでは、電極間に備えた誘電体の一部又は全部が、膨張又は収縮が可能な気泡構造体であるので、圧力が掛かると誘電体は柔軟に変形する。その結果、電極間の距離が変化し静電容量が変化するので、圧力を検出することができる。また、気泡構造体の膨張又は収縮で圧力を検出するので、外部からの振動の影響を受けにくく、検出精度が高い。さらに、誘電体の一部又は全部が気泡構造体であるので、静電容量型圧力センサは重量が軽い。また、安価に製造できる。
請求項2の発明は、気泡構造体の一部又は全部が、完全独立気泡構造体であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型圧力センサである。
請求項2の発明の静電容量型圧力センサでは、気泡構造体の一部又は全部が完全独立気泡構造体であるので、作用する圧力の変化が微小であっても、気泡構造体は敏感に膨張又は収縮する。よって、極めて精度良く圧力又は圧力変動を検出することができる。
請求項3の発明は、前記誘電体が、1又は複数の樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のうちのいずれかに記載の静電容量型圧力センサである。
請求項3の発明の静電容量型圧力センサは、誘電体が1又は複数の樹脂で構成されているので、様々な誘電率の誘電体が構成可能である。よって、用途に応じて誘電体を単一の樹脂で構成したり、複数の樹脂で合成樹脂を構成して誘電率を任意に設定することができる。
請求項4の発明は、電極が、誘電体と共に変形可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の静電容量型圧力センサである。
請求項4の発明の静電容量型圧力センサは、電極が誘電体と共に変形可能であるので、誘電体が膨張又は収縮し易い。よって、圧力又は圧力変動を極めて精度良く検出できる。
本発明の静電容量型圧力センサは、電極間に備えた誘電体の一部又は全部が、膨張又は収縮が可能な気泡構造体であるので、圧力が掛かると誘電体は柔軟に変形する。その結果、電極間の距離が変化し静電容量が変化するので、圧力を検出することができる。また、気泡構造体の膨張又は収縮で圧力を検出するので、外部からの振動の影響を受けにくく、検出精度が高い。さらに、誘電体の一部又は全部が気泡構造体であるので、静電容量型圧力センサの重量を軽量化できる。
図1は、本発明を実施した静電容量型圧力センサの分解斜視図であり、図2は、図1の静電容量型圧力センサの組立斜視図である。また、図3は、図2の静電容量型圧力センサの部分断面図である。
図1に示すように静電容量型圧力センサ1は、誘電体2の両側(図1で見て上側と下側)に電極3,電極4が配置されて構成される。すなわち、電極3,4はコンデンサを構成しており、電極3,4の間に誘電体2が配置される。
電極3,4は、一辺の寸法がX1,他辺の寸法がY1の四角形の薄膜状導電性部材で構成されている。また、誘電体2は、一辺の寸法がX2,他辺の寸法がY2,厚さがd1の立体構造を呈している。ここで、本実施例ではX1<X2で且つY1<Y2であり、電極3,4よりも誘電体2の方が縦横の寸法が大きく、誘電体2の両面(図1で見て上側の面と下側の面)には電極3,4を配置する電極設置部7が設けてある。ちなみに、X1=X2,Y1=Y2としても差し支えない。仮にX1=X2,Y1=Y2とすると、静電容量型圧力センサの小型化を図ることができると共に、誘電体2の材料を節約することができる。すなわち、安価に静電容量型圧力センサを製造できる。
電極3,4は、銅箔テープのようなシート状に構成されたものを採用し、これを誘電体2に貼付する。また電極3,4は、シート状のものを採用する代わりに真空成膜、メッキ、又は導電性ペースト塗布によって誘電体2上に形成してもよい。このような電極3,4は、圧力が作用すると柔軟に変形可能である。
電極3,4は、一辺の寸法がX1,他辺の寸法がY1の四角形の薄膜状導電性部材で構成されている。また、誘電体2は、一辺の寸法がX2,他辺の寸法がY2,厚さがd1の立体構造を呈している。ここで、本実施例ではX1<X2で且つY1<Y2であり、電極3,4よりも誘電体2の方が縦横の寸法が大きく、誘電体2の両面(図1で見て上側の面と下側の面)には電極3,4を配置する電極設置部7が設けてある。ちなみに、X1=X2,Y1=Y2としても差し支えない。仮にX1=X2,Y1=Y2とすると、静電容量型圧力センサの小型化を図ることができると共に、誘電体2の材料を節約することができる。すなわち、安価に静電容量型圧力センサを製造できる。
電極3,4は、銅箔テープのようなシート状に構成されたものを採用し、これを誘電体2に貼付する。また電極3,4は、シート状のものを採用する代わりに真空成膜、メッキ、又は導電性ペースト塗布によって誘電体2上に形成してもよい。このような電極3,4は、圧力が作用すると柔軟に変形可能である。
そして各電極3,4には導線5,6の一端が接続されており、導線5,6の他端は容量検出回路8に接続されている。容量検出回路8は、電極3,4間の静電容量を検出する。静電容量と電極3,4間の距離とは、後述のように反比例の関係にあり、電極3,4間の距離が短くなるほど静電容量は大きくなる。
静電容量と作用する圧力の関係は、後述のように予め実験によって求められており、その相関関係(マップ)が図示しないメモリに記憶されている。よって容量検出回路8で静電容量を検出し、さらに図示しないメモリに記憶されたマップを参照することによって圧力が検出される。すなわち容量検出回路8は、検出された静電容量に対応するマップに記憶された圧力を読み取る(又は指標により指定する)機能も兼ね備えている。ここでマップとは、後述する図8(a),(b),(c)に示すグラフに該当するものである。
図3に示すように、誘電体2は樹脂(例えばウレタン)の発泡体で構成されている。すなわち、誘電体2の素材は多数の気泡構造体9が形成された樹脂であり、ウレタンの代わりにブタジエンゴムを採用するのも好ましい。図3は、断面が楕円形の気泡構造体が連続的に配置された誘電体2を示している。気泡構造体の構成の仕方(例えば、断面形状の違いや採用する樹脂の種類等)によって誘電体2の弾性係数(特に縦弾性係数)は異なるが、外圧が作用した際(外圧が変動した際)に、少なくとも膨張と収縮とを繰り返すことができる程度以上の強度が維持できればよい。この誘電体2の弾性係数の大きさは、誘電体2の変形のし易さに直接関わるので、圧力の検出精度に大きな影響を及ぼす。
図1,図3に示す例では、誘電体2の厚さはd1であり、電極3,4は誘電体2の両面に各々配置される。すなわち、電極3と電極4の間隔はd1となる。このように構成された静電容量型圧力センサ1は、圧力を受けると図4又は図5に示すような状態となる。図4は、静電容量型圧力センサの全体が押圧されて両電極間の距離が短くなった状態を示す静電容量型圧力センサの部分断面図である。また、図5は、静電容量型圧力センサが部分的に押圧されて、両電極間の距離(間隔)が部分的に短くなった状態を示す静電容量型圧力センサの部分斜視図である。
図4に示すように静電容量型圧力センサ1の全体が押圧されると、誘電体2の気泡構造体9が一様に圧縮され、両電極3,4間の距離は一様に距離d2となる。また、その押圧が解除されると、各気泡構造体9は、図4に示す状態から膨張して図3に示す状態に戻る。すなわち気泡構造体9は、膨張と収縮が可能である。
また、図5に示すように静電容量型圧力センサ1が部分的に押圧されると、電極3が凹み、誘電体2が部分的に圧縮されて、電極3と電極4の間の静電容量が大きくなる。このとき、静電容量型圧力センサ1に作用する局部的な圧力(外圧)によって静電容量型圧力センサ1は変形している。仮に圧力以外に外部から振動が作用しても、気泡構造体9の個々の容積や形状は、その振動によっては変化せず(すなわち気泡構造体9は変形せず)、両電極間の静電容量は変化しない。よって、振動が作用した際に、圧力が変動したと誤検出することはない。
図4や図5に示すように静電容量型圧力センサ1に圧力が作用した場合における、電極3,4の間の距離(又は両電極間の仮想容積)と静電容量との関係を図6に示す。図6は、静電容量型圧力センサに外圧が作用した際の両電極間距離と静電容量の関係を示すグラフである。
図6のグラフに示すように、両電極間距離と静電容量とは反比例する。以下に記すように誘電体2を構成すると、検出を所望する範囲の圧力(又は変動する圧力)を特に精度よく検出することができるようになる。すなわち、気泡構造体9の構成の仕方や誘電体2自体の素材の選定の仕方によって、特に敏感に検出できる圧力範囲を設定することができ、様々な用途で静電容量型圧力センサ1を使用することができるようになる。
すなわち、図3〜図5では、誘電体2の全体が気泡構造体9を構成している例を示したが、気泡構造体9は、誘電体2の一部であってもよい。例えば、気泡を含まない樹脂層と気泡を含む層とが積層された構成であってもよい。
すなわち誘電体2に、電極3,4の面に沿って広がる気泡構造体9の層が構成されていれば、外圧が作用すると気泡構造体9が変形(膨張又は収縮)して電極3,4間の距離が変化して静電容量が変動し、外圧を検出することができる。また、気泡の含有率を変化させることによって検出可能な圧力範囲を様々に設定することができる。すなわち、気泡の含有率が高くなるほど検出可能な圧力範囲が広くなる。
すなわち誘電体2に、電極3,4の面に沿って広がる気泡構造体9の層が構成されていれば、外圧が作用すると気泡構造体9が変形(膨張又は収縮)して電極3,4間の距離が変化して静電容量が変動し、外圧を検出することができる。また、気泡の含有率を変化させることによって検出可能な圧力範囲を様々に設定することができる。すなわち、気泡の含有率が高くなるほど検出可能な圧力範囲が広くなる。
また、誘電体2の素材は、単一の樹脂であってもよいが、複数の樹脂を混同した複合樹脂(混合樹脂)であっても差し支えない。誘電体2の素材は、誘電体2自体の剛性や誘電率等を勘案して任意に選定することができる。
誘電体2の素材の違いや、気泡構造体9の設け方の違いによって図6の曲線は変化する。よって、電極間距離の変動が小さくても静電容量の変化が大きくなるように設定すると、所望する範囲における圧力変化を極めて精度良く検出することができるようになる。
また、周知のように電極の面積が大きくなるほど静電容量は大きくなる。図7は、電極面積と静電容量との関係を示すグラフである。図7に示すように、電極面積と静電容量とは比例する。図7の直線の傾きは、誘電体2の誘電率が高くなるほど大きくなる。
以下では、電極面積が異なる3種類の電極3,4を製造し、実験により、電極面積毎に静電容量と圧力(外圧)の関係を求めた。図8(a),(b),(c)は、各々本発明の静電容量型圧力センサの電極面積毎の圧力と静電容量の測定結果を示すグラフである。
すなわち、同じ素材で大きさが異なる3種類の電極3,4を構成し、ゲージ圧力に対する静電容量を各々測定し、図8(a),(b),(c)のグラフに示した。
すなわち、同じ素材で大きさが異なる3種類の電極3,4を構成し、ゲージ圧力に対する静電容量を各々測定し、図8(a),(b),(c)のグラフに示した。
図8(a)では、電極3,4を一辺(すなわち、図1の寸法X1,Y1)が40mmの正方形とした場合のゲージ圧力に対する静電容量型圧力センサの静電容量の関係を示している。同様に図8(b)では電極3,4を一辺が10mmの正方形とした場合、図8(c)では電極3,4を一辺が5mmの正方形とした場合のゲージ圧力に対する静電容量型圧力センサの静電容量の関係を示している。ここで、誘電体2は厚さ100μmの発泡ウレタンを採用した。
ゲージ圧を0.5atm(気圧)毎に最大4atmまで変化させ、各々のゲージ圧における静電容量を測定すると、一辺が40mmの場合(図8(a)の場合)には概ね600pF(ピコ・ファラッド)〜800pF,一辺が10mmの場合(図8(b)の場合)には35.0pF〜50pF,そして一辺が5mmの場合(図8(c)の場合)には9pF〜13pFの範囲を、各々推移するグラフが得られた。
これら3つのグラフから、電極面積が大きくなるほど検出できる静電容量の検出領域が大きくなることがわかる。すなわち、電極面積を小さくすると圧力変化に対する容量変化が小さくなり、検出感度が悪化するが、電極間距離を小さくすることで検出感度を良好にすることが可能である。
これら3つのグラフから、電極面積が大きくなるほど検出できる静電容量の検出領域が大きくなることがわかる。すなわち、電極面積を小さくすると圧力変化に対する容量変化が小さくなり、検出感度が悪化するが、電極間距離を小さくすることで検出感度を良好にすることが可能である。
1 静電容量型圧力センサ
2 誘電体(絶縁体)
3,4 電極
5,6 導線
7 電極設置部
8 容量検出回路
9 気泡構造体
2 誘電体(絶縁体)
3,4 電極
5,6 導線
7 電極設置部
8 容量検出回路
9 気泡構造体
Claims (4)
- 電極間に誘電体を備えており、前記誘電体の一部又は全部が、膨張又は収縮が可能な気泡構造体であることを特徴とする静電容量型圧力センサ。
- 気泡構造体の一部又は全部が、完全独立気泡構造体であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型圧力センサ。
- 前記誘電体は、1又は複数の樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電容量型圧力センサ。
- 電極が、誘電体と共に変形可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の静電容量型圧力センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007274303A JP2009103531A (ja) | 2007-10-22 | 2007-10-22 | 静電容量型圧力センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007274303A JP2009103531A (ja) | 2007-10-22 | 2007-10-22 | 静電容量型圧力センサ |
Publications (1)
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ID=40705342
Family Applications (1)
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JP2007274303A Pending JP2009103531A (ja) | 2007-10-22 | 2007-10-22 | 静電容量型圧力センサ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101731173B1 (ko) * | 2015-09-02 | 2017-04-28 | 한국과학기술원 | 다공성 탄성중합체 유전층을 구비하는 정전용량형 압력센서 |
KR101829215B1 (ko) * | 2016-08-17 | 2018-02-14 | 주식회사 와이즈터치 | 압력 센서 및 이의 제조 방법 |
-
2007
- 2007-10-22 JP JP2007274303A patent/JP2009103531A/ja active Pending
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KR101731173B1 (ko) * | 2015-09-02 | 2017-04-28 | 한국과학기술원 | 다공성 탄성중합체 유전층을 구비하는 정전용량형 압력센서 |
KR101829215B1 (ko) * | 2016-08-17 | 2018-02-14 | 주식회사 와이즈터치 | 압력 센서 및 이의 제조 방법 |
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