JP2009102366A - Aicaリボシド類縁体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アデノシンの細胞外レベルを増大する際に有用な5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(AICAリボシド)の類縁体を提供する。
【選択図】なし
Description
本出願は米国特許出願番号第566196号(1990年8月10日出願)の一部継続出願であり、該出願の開示は本明細書の一部を構成する。本出願は、共譲渡同時出願のメツナー(Metzner)らの米国特許出願“新規抗酸化剤およびフリーラジカルスカベンジャーによる組織損傷の減少の防止法(原題:Methods of Preventing of Decreasing Tissue Damage by Novel Antioxidants and Free Radical Scavengers)”(この出願は米国特許出願番号第566197号(1991年8月10日出願)の一部継続出願である)に関連しており、両出願の開示は本明細書の一部を構成する。
本発明は一般的にはヌクレオシド類縁体に関し、具体的には特に5-アミノ-1-ベータ-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(“AICAリボシド”)類縁体に関する。また本発明はこれらの化合物の製造と、心臓血管、大脳血管およびその他の虚血性障害、並びに、細胞外アデノシンの局所的増大による調節を受け得る他の疾患、例えば炎症や血栓症状態の治療におけるこれらの化合物の使用に関する。
本発明はAICAリボシド類縁体である新規化合物に関する。AICAリボシドは細胞内に入り、リン酸化を受けてプリン生合成の天然の中間体であるAICAリボシド一リン酸(“ZMP”)になる。AICAリボシドは、正味のATP消耗条件下で細胞外アデノシンレベルを増大させ、それゆえにアデノシンの心臓保護および神経保護特性の観点から強力な治療的用途を有するであろうと言われている。しかしながら、AICAリボシドはその効力が比較的低く、半減期が短い。また本研究者らは、AICAリボシドが血管脳関門を充分には通過せず、胃腸管からの吸収が非効率的であることを発見した。限られた効力、限られた経口生物利用能および限られた脳浸透性というこれらの特性は、治療薬として使用するためのその潜在的有効性を減じている。
本発明は、AICAリボシドと比較して増大した効力、効率または改善された薬物動態または代謝を示す、ある種の新規AICAリボシド類縁体に関する。具体的には、本発明は、次の位置に化学修飾を有する4組(シリーズ)の新規類縁体に関する:N-4(シリーズI)、C-2(シリーズII)、5'-C(シリーズIII)、および2'-C(シリーズIV)。これらの好ましいシリーズの化合物のいくつかは、AICAリボシドより低い濃度で、虚血後機能の機能回復の改善をもたらす。これらの化合物の有益な効果は、少なくとも部分的に、AICAリボシドより効果的に細胞外アデノシンレベルを増大させるその能力によってもたらされる。さらにこれらの化合物のいくつかは、アデノシン輸送および個々のアデノシン調節酵素の阻害剤である。
本明細書で使用される場合には、特に明言しない限り、次の用語は以下の意味を有する。
用語“ヒドロカルビル”は、主として炭素および水素で構成される有機ラジカルを意味し、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を包含すると共に、アリール基およびアルアルキル基を含む芳香族基、および飽和結合と不飽和結合、脂肪族環式(炭素環またはシクロアルキル)基あるいはアリール(芳香族)基またはその組み合わせで置換されたそのような基が混合している基を包含し、直鎖、分枝鎖あるいは環構造を意味するか、もしくはそれらの組み合わせを有するラジカルを意味し得る。
用語“アリール”は、約6〜14炭素原子を有する芳香族基を意味し、フェニルおよびナフチルなどの環式芳香系を包含する。
用語“アルケニル”は、少なくとも1つの二重結合を有する不飽和アルキル基(例;CH3CH=CH(CH2)2−)を意味し、直鎖アルケニル基および分枝鎖アルケニル基を共に包含する。
用語“ハロ”または“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
用語“アルキレン”は、ビラジカルである直鎖、分枝鎖および炭素環式アルキレン基を意味し、例えばエチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン(例;
用語“アシルアミノ”は、
用語“アシルエステル”は、
用語“混合エステル”は、少なくとも1つの炭酸エステル基と少なくとも1つのアシルエステル基を有する化合物、あるいは異なるアシルエステルまたは炭酸エステル基の組み合わせを有する化合物を意味する。
用語“炭素環式AICAリボシド”は、リボシル環の酸素原子がメチレン(−CH2−)で置換されているAICAリボシド類縁体を意味する。
用語“アルコキシ”は、R'O−基(R'はアルキルを表す)を意味する。
用語“ヒドロカルビルアミノ”は、NHR'または−NR'2(R'は独立に選択されたヒドロカルビル基を表す)を意味する。
本発明の好ましいAICAリボシド類縁体には、式I:
R1は水素、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アシルアミノ、またはジヒドロカルビルアミノアルキレンイミノを表し;
R2は水素、シアノ、ヒドロカルビルイミデート、カルボキシアミドオキシム、ヒドロカルビルオキシアミジン、カルボキシアミド、またはカルボン酸もしくはそのアミド、エステル、チオエステルあるいは塩を表し;
R3は水素、ヒドロカルビル、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ(互変性2-イミダゾールオンを含む)、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル(互変性2-イミダゾールチオンを含む)、またはヒドロカルビルチオを表し;
R4およびR5は独立に水素、アルキル、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表し;
R6は水素、ヒドロカルビル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシまたはヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステル基もしくはその塩を表す;
R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキシアミドを表し、R3が水素を表し、R4およびR5が水素、アシルまたはヒドロカルボキシカルボニルを表す場合は、R6はヒドロキシ、アシルオキシまたはヒドロカルビルオキシカルボキシを表さない]
で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を包含する。
で表される基であってもよい。適切なalk基には、n-ヘキシレンおよび1,4-シクロヘキシレンが含まれる。R3がヒドロキシはスルフヒドリルを表す上式の化合物は、異性体(互変異性体)であるイミダゾール-2-オン型およびイミダゾール-2-チオン型で存在し得るので、これらの異性体は式Iの範囲に包含されると見なされる。
(i)R1がアミノを表し、R2が、アミド水素の1つがヒドロカルビル基、より好ましくはアルアルキル基(これらのヒドロカルビルまたはアルアルキル基は任意に置換されていてもよく、適切な置換基には後に説明する置換基が含まれる)で置換されたカルボキシアミドを表し;R3が水素を表し、R4およびR5が水素またはヒドロカルビルオキシカルボニル(より好ましい)を表し、R6がヒドロキシまたはアミノを表す(シリーズI);
(ii)R1がアミノを表し、R2がカルボキシアミドを表し、R3がハロゲンまたはスルフヒドリルを表し、R4が水素を表し、R5が水素を表し、R6がヒドロキシを表す(シリーズII);
(iii)R1がアミノを表し、R2がカルボキシアミドを表し;R3、R4およびR5が水素を表し、R6がアミノを表す(シリーズIII);
(iv)R1がアミノを表し、R2がカルボキシアミドを表し、R3が水素を表し、R4がアルキルを表し、R5が水素を表し、R6がヒドロキシを表す(シリーズIV);
具体的には、種々の実験モデルにおける活性を論拠として、好ましい化合物には、表XIIおよびXIIIの化合物番号10、23、25、29、47、52、53(シリーズI)、27、43(シリーズII)、21、66(シリーズIII)、20、34(GP-1-250)および32(GP-1-262)(シリーズIV)が含まれる。
式Iの化合物の好ましい一群に含まれるいくつかの新規AICAリボシド類縁体を次に記述する:
Xが−O−または−CH2−を表し、R1がアミノ、ヒドロカルビルアミノまたはジヒドロカルビルアミノアルキレンイミノを表し、R2が、アミド水素(窒素原子に結合した水素)の1つが任意に、アルキル、シクロアルキルまたはアリールまたはアルアルキル(任意に、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチル、またはスルホンアミドから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)で置換されていてもよいカルボキシアミドを表すか;あるいはR2が、両アミド水素がアルキルで置換されているか、もしくは両者が1つのアルキレンまたはアルアルキレン基で置換されて環を形成しているカルボキシアミドを表すか;あるいはR2が−C(O)-S-R7(R7はアルキル、シクロアルキル、アリールまたはアルアルキル(任意に、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチルまたはスルホンアミドから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)を表す)を表すか;あるいはR2が式IIの基(ただしR1、R3、R4、R5およびR6は式Iでの定義に従い、alkは2〜8炭素原子のアルキレンを表す)を表し;R3が水素、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ(互変性イミダゾールオンを含む)、ヒドロカルビル、スルフヒドリル(互変性2-イミダゾールチオンを含む)またはヒドロカルビルチオを表し;R4およびR5が独立に水素、(1ないし約18炭素原子の)ヒドロカルビル、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表し;R6がヒドロキシ、水素、ヒドロカルビル、ハロゲン、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミド、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルあるいはその塩を表す;
−X−が−O−また−CH2−を表し、R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキシアミドを表し、R3が水素を表し、R4およびR5が独立に水素、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表す場合は、R6は水素、ヒドロキシ、アシルオキシまたはヒドロカルビルオキシカルボキシを表さないか、もしくはR4およびR5が共に水素を表す場合には、R6はリン酸エステルを表さない;またXが酸素を表し、R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキシアミドを表し、R3がスルフヒドリルを表し、R4およびR5が共に水素を表す場合は、R6はアセトキシを表さない;また、
Xが酸素を表し、R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキシアミドを表し、R3がクロロ、ブロモ、アミノまたはメトキシを表し、R4およびR5が共に水素を表す場合は、R6はヒドロキシを表さないか、もしくはR4およびR5が共にアセチルを表す場合は、R6はアセトキシを表さない;さらにまた、
Xが酸素を表し、R1がアミノを表し、R2がベンジルカルボキシアミドまたはp-ヨードフェニルカルボキシアミドを表し、R3が水素を表す場合は、R4およびR5は共に水素を表さず、R6はヒドロキシを表さないか、もしくはR2がp-ヨードフェニルカルボキシアミノを表す場合には、R4およびR5は同時にはアセチルを表さず、R6はアセトキシを表さない。
特に好ましい化合物の一例は、Xが酸素を表し、R1がアミノを表し、R2がp-クロロベンジルカルボキシアミドを表し、R3、R4およびR5が水素を表し、R6がアミノを表す化合物およびその塩である。特に好ましい塩の1つは、その塩酸塩である。
本発明の新規置換イミダゾール類縁体は後述の実施例に示すように、よく知られた化学反応によって合成することができる。一般的には、4-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾールからベーカー等(Baker D., J. Org. Chem. 47:3457(1982))が記述した経路で1-ベンジル-5-ニトロ-1H-イミダゾール-4-カルボン酸を製造し、次いでそのニトロ基の還元工程を追加してR1に目的のアミノ基を形成させることによって、式(I)の化合物を製造できる。別法として、フェリス等(Ferris, J.P., J. Org. Chem. 50:747(1985))が報告した洗練されたAICAリボシド合成法によれば、適切に保護したリボシドおよびジアミノマレオニトリルから出発して4-置換-5-アミノイミダゾール類を合成する汎用の経路が可能である。またこの経路は、マレオニトリル類からイミダゾール類への環化反応において適切なオルトエステルを選択することによって、目的のR3アルキル、ヒドロカルビルおよびアリール基を導入することを可能にする。他の望ましいR3置換基は、2-ブロモ-および5-アミノ-2-チオ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)-4-イミダゾールカルボキシアミドの製造についてはミヨシ等(Miyoshi T., Chem. Pharm. Bull. 24(9):2089(1976))が記述した方法によって、また2-アルコキシ、3-アミノ、および2-ヒドロキシ(互変性2-イミダゾールオン類として)で置換された5-アミノイミダゾール-4-カルボキシアミド類の製造についてはイワノビックス等(Ivanovics, G.A.等,J. Org. Chem. 25:3631(1974))の方法によって、導入することができる。目的のR1置換基がアシルアミノである化合物は、適切に保護した対応するR1アミノ化合物を望ましいアシル無水物でアシル化した後、アンモニアまたはナトリウムメトキシドで脱O-アシル化することによって製造できる。R1がアルキルアミノまたはアリールアミノを表す化合物は、サトー等(Sato等, Chem. Phrm. Bull. 37:1604(1989))が記述したように、適切に保護した対応するR1アミノ化合物を望ましいヒドロカルビルアミンで還元的にアルキル化することによって製造できる。
本発明のAICAリボシル類縁体は、虚血に関連する事象、即ち血液供給の制限に起因する状態の間の損傷を減少させるか、あるいは虚血に関連する事象の予防に特に有用であろう。これには、心臓発作あるいは心筋梗塞(心筋または心筋層に血液を供給している冠状動脈の1または複数の閉塞に続く状況であり、これが長期間にわたる場合は、組織の不可逆的な損傷をもたらす)が含まれる。AICAリボシドのように局部的なアデノシンレベルの増大を導き、それゆえに虚血心筋への血流を増大させる化合物は、この組織の損傷を改善するであろう。
(A1) 式:
[式中、Xは−O−または−CH2−を表し;
R1は水素、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、またはジヒドロカルビルアミノアルキレンイミノを表し;
R2は(窒素原子に結合している)アミド水素の1つが任意にアルキル、シクロアルキル、またはアリールもしくはアラルキル(任意に、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチル、またはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい)で置換されていてもよいカルボキサミドを表すか、もしくはR2は両アミド水素がアルキルで置換されたカルボキサミドを表すか、もしくは両アミド水素が共に1つのアルキレンまたはアルアルキレン基で置換されて環を形成しているカルボキサミドを表すか、もしくはR2は−C(O)−S−R7(R7はアルキル、シクロアルキル、あるいはアリールまたはアラルキル(任意にハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチル、またはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい)を表す)を表すか、もしくはR2は、式:
(式中、alkは2ないし8炭素原子のアルキレンを表す)
で表される基であり;
R3は水素、ヒドロカルビル、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、またはヒドロカルビルチオを表し;
R4およびR5は独立に水素、(1ないし約18炭素原子の)ヒドロカルビル、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表し;そして、
R6は水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルもしくはその塩を表す;
ただし、
(1)−X−が−O−また−CH2−を表し、R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキサミドを表し、R3が水素を表し、そしてR4およびR5が独立に水素、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表す場合、
R6はヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、またはリン酸エステルもしくはその塩を表す;
(2)R4およびR5が共に水素を表す場合、
R6は水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、またはヒドロカルビルオキシカルボキシを表す;
(3)Xが酸素を表し、R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキサミドを表し、R3がスルフヒドリルを表し、そしてR4およびR5が共に水素を表す場合、
R6はスルファミルオキシ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、N−アルキル、N−アラルキルまたはその塩を表す;
(4)R4およびR5が共にアセチルを表す場合、
R6はスルファミルオキシ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルもしくはその塩を表す;および
(5)R2が−CONH2を表し、R3が水素を表す場合、
R6は水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、ヒドロカルビルアミノ、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルもしくはその塩を表す]
で表されるAICAリボシドの置換イミダゾール類縁体からなる化合物;
(2A) 上記(A1)に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の治療的に有効な量を含有する、望ましくない血流減少に伴う組織の損傷を減少するか、もしくは防止するための医薬組成物;
(A3) 該組織が心筋である上記(A2)記載の医薬組成物;
(A4) 該損傷が充血性心不全に関係する上記(A2)記載の医薬組成物;
(A5) 該組織が脳である上記(A2)記載の医薬組成物;
(A6) 該組織が皮膚組織である上記(A2)記載の医薬組成物;
(A7) 該血流減少が心肺バイパスによるものである上記(A2)記載の医薬組成物;
(A8) 該血流減少が器官移植または心肺停止によるものである上記(A2)記載の医薬組成物;
(A9) 該組織が胎盤、肝臓、膵臓、腎臓、胃腸系である上記(A2)記載の医薬組成物;
(A10) 該血流減少が血管疾患に関係する上記(A2)記載の医薬組成物;
(A11) 該類縁体が予防的に投与される上記(A2)記載の医薬組成物;
(A12) 上記(A1)記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の治療的に有効な量を含有する、望ましくない血流減少領域を有する動物を治療するための医薬組成物;
(A13) 該血流減少領域内およびその周辺の細胞が病的過程による正味のアデノシン三リン酸分解代謝を受けている上記(A12)記載の医薬組成物;
(A14) 望ましくない該血流減少領域が冠状動脈閉塞または心筋梗塞によってもたらされるか、もしくはもたらされると思われる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A15) 望ましくない該血流減少領域が胸部アンギナに関係する上記(A12)記載の医薬組成物;
(A16) 望ましくない該血流減少領域が一時的虚血性発作に関係する上記(A12)記載の医薬組成物;
(A17) 望ましくない該血流減少領域が心筋不整脈を引き起こすか、もしくは引き起こすと思われる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A18) 望ましくない血流減少領域が血管血栓症によってもたらされる、もしくはもたらされると思われる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A19) 該血流減少が血小板または顆粒球の凝集または閉塞によってもたらされる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A20) 該血流減少が血管痙攣によってもたらされる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A21) 該血流減少が塞栓によってもたらされる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A22) 該血流減少が炎症または血管炎によってもたらされる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A23) 該血流減少が心臓麻痺に関係する上記(A12)記載の医薬組成物;
(A24) 望ましくない該血流減少領域がアテローム性動脈硬化によってもたらされるか、もしくはもたらされると思われる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A25) 望ましくない該血流減少領域が卒中を引き起こす、もしくは引き起こすと思われる上記(A12)記載の医薬組成物;
(A26) 該血流減少が器官移植または再建外科に関係する上記(A12)記載の医薬組成物;
(A27) 上記(A1)記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の治療的に有効な量を含有する、興奮性アミノ酸類の放出増大による興奮毒性によってもたらされる神経組織損傷を減少あるいは防止するための医薬組成物;
(A28) 該神経組織が脳または脊髄である上記(A27)記載の医薬組成物;
(A29) 該興奮毒性が脳外傷によってもたらされるか、もしくは脳外傷をもたらす上記(A27)記載の医薬組成物;
(A30) 該興奮毒性が神経変性状態によってもたらされるか、もしくは神経変性状態をもたらす上記(A27)記載の医薬組成物;
(A31) 該神経変性状態がパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病である上記(A30)記載の医薬組成物;
(A32) 上記(A1)記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の治療的に有効な量を含有する、神経変性疾患に伴う神経組織損傷を減少させるための医薬組成物;
(A33) 上記(A1)記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の治療的に有効な量を含有する、てんかん性発作を阻害するための医薬組成物;
(A34) 上記(A1)記載の化合物または医薬的に許容されるその塩の治療的に有効な量を含有する、アレルギー状態を治療するための医薬組成物;および
(A35) 該アレルギー状態が喘息または枯草熱に関係する請求項34記載の医薬組成物。
(1) 式:
[式中、Xは−O−または−CH2−であり;
R1は、水素、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、またはジヒドロカルビルアミノアルキレンイミノであり;
R2は、(窒素原子に結合している)アミド水素の1つが任意にアルキル、シクロアルキル、またはアリールもしくはアラルキル(任意に、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチル、またはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい)で置換されていてもよいカルボキサミドであるか、またはR2は、両アミド水素がアルキルで置換されたカルボキサミドを表すか、もしくは両アミド水素が共に1つのアルキレンまたはアルアルキレン基で置換されて環を形成しているカルボキサミドであり;
R3は、水素、ヒドロカルビル、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、またはヒドロカルビルチオであり;
R4およびR5は、独立に水素、(1ないし約18炭素原子の)ヒドロカルビル、またはヒドロカルビルオキシカルボニルであり;そして、
R6は、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、ヒドロカルビルアミノ、またはリン酸エステルもしくはその塩である]
で表されるAICAリボシドの置換イミダゾール類縁体からなる化合物;
(2) R6がヒドロカルビルアミノを表す上記(1)記載の化合物;
(3) R6が、任意に、1ないし8炭素原子のアルキル、ハロゲン、ニトロ、アルキルアミノ、アルキルチオまたはアルコキシから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいベンジルアミノである、上記(2)記載の化合物;
(4) R6が、非置換ベンジルアミノである、上記(3)記載の化合物;
(5) Xが酸素、R1がアミノ、R2が非置換カルボキサミド、R3、R4およびR5が水素である、上記(2)、(3)または(4)記載の化合物;
(6) R6がリン酸エステルまたはその塩である、上記(1)記載の化合物;
(7) R6が式:
で示される基またはその塩である、上記(6)記載の化合物;
(8) R2が、カルボキサミドであって、そのアミド水素が、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチルまたはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいアラルキルによって置換されているカルボキサミドである、上記(1)、(6)または(7)記載の化合物;
(9) アラルキルがベンジルである、上記(8)記載の化合物;
(10) ベンジル基のフェニル環が、ニトロ基によって一置換されている、上記(9)記載の化合物;
(11) フェニル環のパラ位が置換されている、上記(10)記載の化合物;
(12) Xが酸素、R1がアミノ、R3、R4およびR5が水素である、上記(9)、(10)または(11)記載の化合物;
(13) 式:
[式中、Xは−O−または−CH2−であり;
R1は、水素、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、またはジヒドロカルビルアミノアルキレンイミノであり;
R2は、(窒素原子に結合している)アミド水素の1つが、アルキル、シクロアルキル、またはアリールもしくはアラルキル(任意に、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチルまたはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい)で置換されているカルボキサミドであり;
R3は水素であり;
R4およびR5は、独立に水素、(1ないし約18炭素原子の)ヒドロカルビル、アシル、またはヒドロカルビルオキシカルボニルであり;そして、
R6は、水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシ、またはリン酸エステルもしくはその塩である]
で表されるAICAリボシドの置換イミダゾール類縁体からなる化合物;
(14) アミド水素が、アリールまたはアリールアルキル基で置換されている、上記(13)記載の化合物;
(15) アミド水素がベンジル基で置換されている、上記(14)記載の化合物;
(16) ベンジル基のフェニル環がハロゲン基により一置換されている、上記(15)記載の化合物;
(17) ハロゲンが塩素である、上記(16)記載の化合物;
(18) フェニル環がパラ位で置換されている、上記(17)記載の化合物;
(19) R1がアミノ、R4およびR5が水素、R6がアミノである上記(14)、(15)、(16)、(17)または記載の化合物;
(20) 上記(1)から(19)のいずれか記載の化合物またはその製薬的に許容される塩の治療的に有効な量を含有する、組織の血流を増大させるための医薬組成物;
(21) 化合物が式:
(22) 化合物が式:
で示される化合物またはその塩である、上記(20)記載の医薬組成物;
(23) 化合物が式:
で示される化合物またはその塩である、上記(20)記載の医薬組成物;
(24) 組織が心筋である、上記(20)記載の医薬組成物;
(25) 組織が脳である、上記(20)記載の医薬組成物;
(26) 組織が皮膚組織である、上記(20)記載の医薬組成物;および
(27) 組織が胎盤、肝臓、膵臓、腎臓、胃腸系由来の組織である、請求項20記載の医薬組成物。
本発明者らは、虚血の実験モデルにおいて虚血後の機能の回復を改善するいくつかのAICAリボシド類縁体を同定した。表Iに示すように、好ましい類縁体による治療がもたらす利益は、少なくともAICAリボシドと等価であり(化合物番号11、40(シリーズI)および同19(シリーズIII))、多くの例においてAICAリボシドより低い濃度でこれを達成する(例えば化合物番号10、23、25、29、47、52、53(シリーズI)、27(シリーズII)、21および66(シリーズIII))。化合物の細胞外アデノシンレベル増大能を特異的に評価する機能性検定において、これらの好ましい類縁体の多くが、AICAリボシドと比較して顕著に増大した有効性を示す。単離した回腸における刺激性収縮を阻害する化合物の能力、アデノシン媒介性の機能性応答を評価した結果は、好ましいシリーズのそれぞれに属するこれらの化合物がAICAリボシドより効果的であることを示した(表II)。さらに、N-4置換したAICAリボシド類縁体(シリーズI)は、AICAリボシドよりかなり高度に、虚血性ラット心臓において組織アデノシンレベルを増大させる(表III)と共に、冠状内皮細胞におけるアデノシン利用を阻害した(表IV)。また、この好ましいシリーズ(I)に属するいくつかの化合物は、より高い親和性でNBTI特異的アデノシン輸送部位に結合した(表V)。これらのデータは、この好ましい類縁体シリーズによる、AICAリボシドと比較して改善された機能性効用が、少なくとも部分的には、これらの化合物の細胞外アデノシンレベルを増大させる能力に起因することと、この能力をアデノシン輸送の阻害によって説明し得ることを示唆している(表V並びに図4および5を参照のこと)。細胞培養におけるアデノシン生産に対する化合物番号13の効果によって例示されるように、C-2置換したAICAリボシド類縁体(シリーズII)もアデノシン放出を増大させると思われる。さらにこれらの化合物のいくつかは、アデノシン代謝酵素アデノシンキナーゼの阻害剤である(表VII参照のこと)。2'-置換したAICAリボシド類縁体(シリーズIV)は、細胞培養モデルにおけるアデノシン利用を激しく調節する(図2)。この好ましいシリーズ(IV)に属する被験化合物のそれぞれは、もう1つの重要なアデノシン代謝酵素であるアデノシンデアミナーゼの効果的な阻害剤でもある(表VII)。したがってこれらの化合物は細胞外アデノシンレベルをAICAリボシドより効果的に増大させ、このことはアデノシンデアミナーゼ阻害の増大によって説明できる。
単離した心臓の機能的回復の改善
いくつかの好ましいAICAリボシド類縁体を、虚血後の心機能の回復を改善する能力について、単離したラット心臓モデルで試験した。
単離したラット心臓を、ランゲンドルフ(Langendorff)の方法に従って上行大動脈を通してカニューレ挿入し、灌流装置に接続した。この心臓を改良クレブス-ヘンセライト緩衝液(Krebs-Henseleit buffer)(pH7.4)を用いて、100cmH2Oの一定圧で37℃で灌流した。心機能の測定として、左心室発現圧(LVDP)を連続的に監視した。30分間の心臓の平衡化の後、圧力を30分間10cmH2Oに下げることによって心臓への流量を減少(即ち虚血)させた。次に、さらに30分間圧力を元のレベル(100cmH2O)に戻すことによって流量を回復させた。AICAリボシド類縁体のそれぞれを、比較のためのAICAリボシド自体と共に、灌流緩衝液に最終濃度5μM〜20μMで添加した。結果を表Iに示す。
シリーズ 化合物番号 濃度(μM) 機能回復率 P値
%基線LVDP
(心臓数)
灌流緩衝液 ---- 64.9±0.7 (125) ----
対照(虚血後)
1 (1-110) 20 79.4±1.3 (34) .0001
5 64.2±1.5 (6) NS1
I 10 (1-186) 20 84.5±3.5 (2) .0024
5 83.7±0.7 (6) .0001
11 (1-226) 20 85.7±6.2 (3) .0002
5 77.2±5.8 (7) NS1
16 (1-273)2 5 83.1±3.2 (5) .0001
23 (1-343) 1 79.0±2.3 (6) .0002
25 (1-360) 5 86.8±2.3 (6) .0001
72.4±1.6 (6) .0289
37 (1-270) 5 71.9±3.0 (5) .0500
29 (1-349) 1 76.7±2.9 (7) .0028
40 (1-392)2 20 78.5±3.7 (8) <.005
47 (1-450) 1 74.0±2.8 (6) .0045
52 (1-467) 5 86.0±2.5 (5) .0001
53 (1-468) 5 85.6±1.8 (10) .0001
59 (1-506) 1 75.8±2.2 (7) .0001
68 (1-538) 5 75.3±2.2 (4) .0033
シリーズ 化合物番号 濃度(μM) 機能回復率 P値
%基線LVDP
(心臓数)
69 (1-549) 5 77.0±2.8 (6) .0002
74 (1-572) 5 73.3±3.3 (6) .0012
II 27 (1-395) 5 74.6±3.7 (7) .0060
67 (1-535) 5 77.4±5.7 (3) .0045
III 19 (1-154) 20 85.5±1.7 (5) .0001
21 (1-227) 5 81.0±3.2 (8) .0001
1 77.0±4.4 (10) .0007
26 (1-332) 5 70.7±4.1 (8) .0466
62 (1-510) 5 75.5±2.3 (4) .0049
63 (1-517) 5 79.7±4.8 (4) .0001
65 (1-522) 5 72.3±5.6 (4) .0410
66 (1-531) 5 88.5±1.8 (5) .0001
76 (1-578) 5 74.0±2.5 (6) .0016
1NSは有意でないことを表わす
2既知化合物
単離した回腸における収縮の阻害
好ましいAICAリボシド類縁体を、単離した回腸から得た筋肉切片の刺激性収縮を阻害する能力について比較した。
縦筋断片(〜1cm)をモルモット回腸から取り出し、等張力変換器に接続し、95%O2/5%CO2を通気したクレブス-リンゲル溶液の入った被覆組織バス中に懸濁した。平行白金電極を使用し、1分間隔で、最大の90%の収縮を誘発するのに適した電圧で電流を供給した。被験化合物を組織バスに添加し、収縮を50%阻害する濃度(IC50)を決定した。これらを表IIに詳述する。
シリーズ 化合物番号 IC 50 (μM)
1 (1-110) >1000
I 11 (1-226) 200
12 (1-232) 400
23 (1-343) 3
24 (1-354) 400
25 (1-360) 20
29 (1-349) 60
35 (1-355) 60
39 (1-390) 500
41 (1-396) 100
42 (1-431) 6
44 (1-434) 20
45 (1-438) 100
47 (1-450) 10
53 (1-468) 70
30 (1-388) 20
II 27 (2-395) 500
43 (1-432) 200
III 21 (1-227) 800
26 (1-332) 200
IV 32 (1-262) 100
シリーズI(N-4)置換AICAリボシド類縁体を、虚血性ラット心臓における組織アデノシンレベルを増大させる能力について試験した。
雄のラットの腹腔内にAICAリボシド類縁体、AICAリボシド、もしくは食塩水(対照)を投与した。60分後に心臓を切開し、37℃でさらに60分間インキュベートした。組織抽出物を調製し、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)でアデノシンを分析した。この好ましいシリーズのAICAリボシド類縁体の組織アデノシンレベルを増大させる能力を、AICAリボシドと比較して表IIIに示す。この好ましいシリーズから選択したAICAリボシド類縁体(化合物番号10)の組織アデノシンレベルに対する投与量依存性効果を、AICAリボシド(化合物番号1)とより詳細に比較し、これを図1に示す。
化合物番号 組織アデノシンレベル
(食塩水に対する増加率(%))
1 (1-110) 30
10 (1-186) (実験 1) 79
10 (1-186) (実験 2) 68
11 (1-226) (実験 1) 53
11 (1-226) (実験 2) 45
12 (1-232) 29
36 (1-207) 34
AICAリボシド類縁体(シリーズ )による、細胞培養でのアデノシン利用の阻害
アデノシン利用に対するシリーズI(N-4)置換AICAリボシド類縁体の効果を、冠状内皮細胞培養を用いて比較した。この検定では、内皮細胞を5μMまたは50μMの被験化合物および1μM [3H]アデノシンと共に15分間インキュベートした。薄層クロマトグラフィー(TLC)による分離の後、シンチレーション計数で細胞外アデノシン濃度を測定することによって、アデノシン利用の阻害を決定した。この評価の結果を表IVに示す。
化合物番号 アデノシン利用阻害率(%)
5 μM 50 μM
1 (1-110) 5 ± 2 10 ± 1
23 (1-343) 27 ± 4 63 ± 2
28 (1-348) 17 ± 3 47 ± 2
29 (1-349) 41 ± 11 67 ± 8
25 (1-360) 21 ± 1 56 ± 2
30 (1-388) 21 ± 1 49 ± 4
38 (1-351)2 16 ± 1 44 ± 0
39 (1-390) 7 ± 4 29 ± 1
46 (1-445) 19 ± 4 30 ± 9
47 (1-450) 17 ± 3 19 ± 2
48 (1-452) 23 ± 3 25 ± 2
49 (1-453) 30 ± 4 33 ± 8
51 (1-466) 27 ± 2 65 ± 2
52 (1-467) 56 ± 2 71 ± 1
53 (1-468) 34 ± 4 58 ± 2
56 (1-487) 55 ± 7 65 ± 9
61 (1-509) 37 ± 28 72 ± 5
71 (1-562) 10 ± 3 31 ± 11
73 (1-566) 16 ± 0 33 ± 9
75 (1-577) 8 ± 0 30 ± 3
2既知化合物
[ 3 H]-NBTI結合検定におけるAICAリボシド類縁体(シリーズ )の効果
選択したシリーズI(N-4)置換AICAリボシド類縁体が、[3H]-ニトロベンジルチオイノシン(NBTI)の細胞膜への結合に影響を与える能力を比較した。増大する一連の濃度の被験化合物を0.5mg神経膜タンパク質および0.5nM [3H]-NBTIと共に、トリス緩衝液(pH7.4)中室温で30分間インキュベートした。この検定をクエンチし、膜を迅速な濾過によって集めた。次に、濾紙を可溶化し、シンチレーション計数によって放射活性を決定した。結合した[3H]-NBTIの50%置換をもたらす各被験化合物濃度(ED50)を表Vに詳述する。
シリーズ 化合物番号 ED 50 (μM)
1 (1-110) >1000
I 10 (1-186) 350
24 (1-354) 300
35 (1-355) 190
29 (1-349) 100
25 (1-360) 72
28 (1-348) 15
23 (1-343) 3
30 (1-388) 225
39 (1-390) 600
44 (1-434) 100
45 (1-438) 90
46 (1-445) 8
47 (1-450) 0.5
48 (1-452) 22
49 (1-453) 7
50 (1-459) 28
51 (1-466) 16
52 (1-467) 80
53 (1-468) 約100
55 (1-484) 60
56 (1-487) 32
57 (1-488) 80
58 (1-489) 80
59 (1-506) 2
60 (1-508) 17
61 (1-509) 32
64 (1-519) 48
II 27 (1-395) 344
43 (1-432) 71
III 54 (1-483) 28
WI-L2リンパ芽球におけるアデノシン輸送の阻害
本発明のAICAリボシド類縁体の1つの存在下におけるWI-L2リンパ芽球中のアデノシン輸送の阻害を次の方法に従って決定した。
WI-L2リンパ芽球懸濁液(0.5x106)200μlをシリコン油:鉱油の混合液(体積比8:2)100μl上に重層した。化合物番号53(1-468)をそれぞれ5.0、50.0、および500.0μMの濃度でこの細胞に添加し、得られた混合物を1分間か、もしくは1時間インキュベートした。次に、放射活性アデノシン(2.5μCi 初濃度1μM)5μlをこの細胞懸濁液に加え、その混合物を10秒間インキュベートした。次に、細胞を13000rpmで15秒間遠心分離し、その細胞ペレットの放射活性を測定した。
図4は、化合物番号53(1-468)と共に1分間予備インキュベートした場合のアデノシン輸送阻害を表しており、図5は、化合物番号53(1-468)と共に1時間予備インキュベートした場合のアデノシン輸送阻害を表している。
単離した細胞からのアデノシン放出に対するAICAリボシド類縁体(シリーズ )の効果
シリーズII(C-2)置換AICAリボシド類縁体を、冠状内皮細胞からのアデノシン放出に影響を与える能力について、AICAリボシド自体と比較した。この実験モデルでは、細胞を50μMの被験化合物で処理し、37℃で16時間インキュベートした。次に細胞をリン酸緩衝化食塩水で洗浄し、グルコースを含有せず(解糖を阻害するため)、50μM アンチマイシンA(酸化的リン酸化を阻害するため)および20μM デオキシコホルマイシン(アデノシンデアミナーゼによるアデノシン利用を阻害するため)を含有する標準培養培地中に再懸濁した。正味のATP消耗を誘発することによって虚血状態を刺激するためにこの処理を計画した。次にHPLCのために培地を処理した。アデノシン値を表VIに示す。
化合物番号 細胞外アデノシンレベル(μM) 増加率(%)
対照 1.42 ± 0.17 ----
1 (1-110) 1.64 ± 0.12 15.5
13 (1-240) 2.79 ± 0.19 96.5
アデノシンキナーゼ活性に対するAICAリボシド類縁体(シリーズII)の効果
50mM トリス-マレイン酸(pH7.0)、0.1%(w/v)BSA、1mM ATP、1mM MgCl2、0.5μM [U-14C]アデノシン(500mCi/mmol)および精製ブタ心臓アデノシンキナーゼ 0.1μgを含有する検定混合物 0.1mlを用いて、酵素活性の阻害を決定した。異なる濃度の被験化合物を検定混合物中37℃で20分間インキュベートした。それぞれの反応混合物から20μlを取り出し、ワットマン(Whatman)DE81濾紙の2cm2断片上にスポットした。次に、[14C]アデノシンを除去するために、この紙を1mM ギ酸アンモニウムで洗浄した後、脱イオン水で洗浄し、最後に95% エタノールで洗浄した。この紙を乾燥し、[14C]AMPをシンチレーション計数によって測定した。生成した[14C]AMPの量から活性を決定した。
結果を表VIIに示す。
化合物番号 IC 50 (μM)
1 (1-110) > 5000
27 (1-395) 8
67 (1-535) 23
70 (1-551) 17
単離した細胞におけるアデノシン利用に対するAICAリボシド類縁体(シリーズV)の効果
シリーズIV2'-置換AICAリボシド類縁体を、ヒトBリンパ芽球におけるアデノシン利用を阻害する能力について試験した。この検定では、細胞を濃度5μM、50μMまたは500μMの被験化合物および[3H]-アデノシン(1μM)と共に10分間予備インキュベートした。TLCでヌクレオシドを分離した後、シンチレーション計数で細胞外[3H]アデノシン濃度を測定することにより、アデノシン利用の阻害を決定した。ヒポキサンチンおよびイノシンレベルも測定した。2'-O-メチル(化合物番号20)、2'-O-エチル(化合物番号34)および2'-O-n-ブチル(化合物番号32)AICAリボシド類縁体とAICAリボシドとの比較結果を図2に示す。
ヒポキサンチンおよびイノシンレベルに対するこれらのAICAリボシド類縁体の効果(図2に記載)はアデノシンレベルに対する効果を反映しており、アデノシン利用に対する増大した影響がアデノシンデアミナーゼの阻害によって媒介されることを示唆している。この解釈は、単離したデアミナーゼを阻害するこれらの類縁体の能力を直接的に測定することによって支持される。
アデノシンデアミナーゼ活性の阻害を、50mM リン酸カリウム(pH7.0)、1mM アルファケトグルタレート、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ 15単位、0.125mM NADH、80μM アデノシンおよびウシ腸ムソーサ(musosa)アデノシンデアミナーゼ 0.002単位を含有する検定混合物 1mlを用いて、分光光度測定法によって決定した。異なる濃度の被験化合物を検定混合物中37℃で10分間インキュベートした。この反応を、340nmの吸光度の変化に基づいてNADHの酸化について連続的に監視した。 結果を表VIIIに示す。
化合物番号 IC 50 (μM)
1 (1-110) >5000
20 (1-188) 1400
34 (1-250) 510
32 (1-262) 175
ヒト全血における血小板凝集の阻害に対するAICAリボシド類縁体の効果
好ましいAICAリボシド類縁体が血小板凝集を阻害する能力を、ヒト全血中で試験した。健康な供給者から全血を採取し、凝固を防ぐために0.1体積のクエン酸ナトリウム中に集めた。全血凝集検出計を用い、インピーダンス技術によって血小板凝集を測定した。被験化合物を全血中37℃で10分間インキュベートし、凝集を引き出す5分前に10μM アデノシンを添加した。非処理対照で完全な凝集を誘発する最小濃度のADP(6〜25μM)を添加することによって凝集を誘発した。
結果を表IXに示す。
シリーズ 化合物番号 IC 50 (μM)
1 (1-110) 2700
I 4 (1-122) 200
23 (1-343) 38
28 (1-348) 180
29 (1-349) 90
51 (1-466) 193
52 (1-467) 480
53 (1-468) 150
56 (1-487) 75
59 (1-506) 70
61 (1-509) 171
71 (1-562) 40
72 (1-563) 300
II 27 (1-395) 950
43 (1-432) 620
IV 32 (1-262) 350
AICAリボシド類縁体の増大した経口生物利用能および半減期
好ましいAICAリボシド類縁体のいくつかを、絶食したビーグル成犬での増大した経口生物利用能について評価した。AICAリボシド類縁体を、前肢静脈経由で10mg/kg IVのボーラスとして、また胃管経由で20mg/kg 溶液として投与した。ヘパリン化した血液および尿を、24時間にわたって、選択した間隔で集めた。各試料を冷却し、4℃で遠心分離し、HPLC分析の前に凍結した。
結果を表Xに示す。
シリーズ 化合物番号 絶対経口生物利用能(%) 半減期(時間)
1 (1-110) 8 ± 4 (n=7) 0.35
I 53 (1-468) 32 ± 11 (n=2) 5.61
III 21 (1-227) 71 ± 13 (n=2) 1.30
症状発現前の安定性アンギナモデルにおける化合物番号53(1-468)の機能性効用
このAICAリボシド類縁体(1-468)を、再三の要求誘発性虚血のエピソードに伴う蓄積性の心臓機能不全を予防する能力について評価した。麻酔した雄イヌに装置を取り付けることによって、左腹部下行動脈の狭窄の存在下で、右動脈調整(ペーシング)の間の局部的心筋壁厚増大を測定した(YoungおよびMullance,Am.J.Physol.印刷中(1991))。表XIAに、調整#1後に投与した被験化合物の連続的IV注入(50μg/kg/分)で処置した動物において6回繰り返した調整エピソードの壁厚増大および動脈圧に対する効果を、食塩水処置した対照動物と比較する。表XIBには、調整後安静期の心拍数と動脈圧の変化を列挙し、これは、有意な血行動態効果を伴わずに壁厚増大の保存が起こることを立証している。
非虚血性壁厚増大率(%)
ペース# 食塩水 (N=9) 化合物番号53 (n=6)
1 41.6 ± 2.6 49.5 ± 6.5
2 31.7 ± 4.6 46.7 ± 7.0
3 25.8 ± 5.6 54.2 ± 9.4*
4 18.5 ± 5.5 48.1 ± 7.6*
5 11.8 ± 5.6 47.5 ± 8.2*
6 12.4 ± 6.0 42.1 ± 7.0 *
*P<0.05(食塩水に対して)
実験的卒中モデルにおけるAICAリボシド類縁体(シリーズI)の効果
シリーズI(N-4)置換AICAリボシド類縁体が、アレチネズミの卒中モデルにおいて海馬錐体細胞の生存を達成する能力を評価した。この試験では、雄のモンゴリアンアレチネズミをN2O:O2中の2〜3%ハロサンで麻酔し、総頚動脈を露出させた。次に、両総頚動脈の5分間の両側性閉塞によって虚血を誘発した。虚血性傷害後7日に脳を取り出し、組織学のために加工した。図3に示したデータは、アレチネズミを500mg/kgのAICAリボシド類縁体(化合物番号10(1-186)または11(1-226))あるいは食塩水(対照)で予備処置することの効果を示している。
5-アミノ-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号2(1-111))の製造
AICAリボシド(50g)をピリジン(450ml)に溶解した後、これを氷浴中で冷却した。酢酸無水物(80ml)を加え、氷浴を除去した。この反応混合物を3時間撹拌した。TLC(シリカゲル、展開液:塩化メチレン/メタノール(9/1))によって、反応が完結したことが示された。メタノール(5ml)を加えることによって未反応の酢酸無水物を中和した。溶媒を高真空下で留去した(バス温40℃以下)。残渣をジメチルホルムアミド(3x150ml)と同時留去した。種結晶を用いて、残渣をエタノールから結晶化した。三酢酸塩(白色固体)の収量62g;融点128〜129℃。
NMR (DMSO-d6)δppm 2.05-2.15(2s,9H,-CH3),4.3(ブロードs,3H,4'-CH,5'-CH2),5.3(m,1H,3'-CH),5.55(t,1H,2'-CH),5.87(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.7-6.9(ブロードd,2H,4-NH2),7.4(s,1H,2-CH)
この化合物の製造は米国特許第3450693号(K.SuzukiおよびI.Kumoshiro(1969))にも記述されている。Chem.Abs.71:816982(1969)をも参照のこと。
N 5 -ジメチルアミノメチレンアミノ-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号7(1-164))の製造
2',3',5'-トリ-O-アセチルAICAリボシド(10g)を、ジメチルホルミアミド(30ml)およびジメチルホルムアミドジメチルアセタール(20ml)に溶解した。この反応混合物を終夜撹拌した。TLC(シリカゲル、展開液;塩化メチレン/メタノール(9/1))で出発物質の消失を見ることによって反応の完結を確認した。溶媒を高真空下で留去した(バス温40℃以下)。残渣をシクロヘキシルアミンに溶解し、終夜撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をエタノールから結晶化した。収量は4.6g(白色固体)、融点173〜175℃であった。
NMR (MeOH-d4),δppm 3.0-3.05(2s,6H,N(CH3)2),3.75(m,2H,5'-CH2),4.0(q,1H,4'-CH),4.2(t,1H,3'-CH),4.35(t,1H,2'-CH),5.8(d,1H,1'-CH),7.7(s,1H,2-CH),8.25(s,1H,5-N=CH-N)
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(シクロペンチル)カルボキシアミド(化合物番号10(1-186))の製造
スリバスタバ等の方法(P.C.Srivastava,R.W.Mancuso,R.J. RosseauおよびR.K.Robins,J.Med.Chem.17(11),1207(1977))に従って、N-スクシンイミジル-5-アミノ-1-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシレート(“中間体番号4”)を合成した。中間体番号4(3.9g)を塩化メチレン(60ml)に溶解した。シクロペンチルアミン(0.8ml)を加え、その溶液を終夜撹拌した。TLC(シリカゲル、展開液;塩化メチレン/メタノール(9/1))で出発物質の消失を見ることによって反応の完結を確認した。この溶媒混合物を5%塩酸溶液(100ml)、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(100ml)および水(200ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去することにより黄色泡状物3.1gを得た。この泡状物3.1gをメタノール(70ml)に溶解し、氷浴中で冷却することによりアセチル基を除去した。水酸化アンモニウム(60ml)を加え、氷浴を除去した。2.5時間撹拌した後、TLC(シリカゲル、展開液;塩化メチレン/メタノール(9/1))によって、出発物質が完全に無くなったことを確認した。溶媒を減圧下で留去することにより残渣を得、これをシリカカラム(溶出液:塩化メチレン/メタノール(6/1))で精製した。TLCで同様の分画を集め、減圧下で溶媒を留去して、メタノール/酢酸エチルから結晶化した白色泡状物1.1gを得た(融点158〜160℃)。
NMR (DMSO-d6),δppm 1.4-1.9(m,8H,-CH2-CH2-),3.6(m,2H,5'-CH2),3.9(d,1H,NH-CH),4.0-4.35(m,3H,2',3',4'-CH),5.15-5.4(m,3H,2',3',5'-OH),5.45(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,-NH2),7.1(d,1H,-NH-),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(シクロプロピル)カルボシキアミド(化合物番号12(1-232))の製造
実施例Cに記述した方法に従い、シクロペンチルアミン(0.8ml)の代わりにシクロプロピルアミン(0.5ml)を用いることによってこの化合物を製造した。中間体番号4(コハク酸エステル)6.2gから出発して2.3gの収量を得た。
NMR (DMSO-d6)δppm 0.5(m,4H,CH2-CH2),2.7(m,1H,N-CH),3.6(m,2H,5'-CH2),3.8-4.3(m,3H,2',3',4'-CH),5.15-5.4(m,3H,2',3',5'-OH),5.45(d,1H,1'-CH),5.9(s,2H,NH2),7.2(s,1H,2-CH),7.4(d,1H,4-NH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(ベンジル)カルボキシアミド(化合物番号11(1-226))の製造
イノシン(10g)を、ジメチルホルムアミド(100ml)およびジメチルホルムアミドジベンジルアセタール(25ml)中に懸濁した。得られた混合物を70℃で終夜撹拌した。TLC(シリカ、展開液:塩化メチレン/メタノール(6/1))で反応の完結を確認した。溶媒を減圧下で留去した。残渣を水酸化アンモニウム(130ml)に溶解した。この混合物を終夜撹拌した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール(80ml)を加え、得られた混合物を温めた。固体を濾過によって集めた。1-ベンジルイノシンの収量は10.5gであり、これをNMRで特徴づけた。
中間体1-ベンジルイノシン(10.5g)を、エタノール(1.0L)および3M 水酸化ナトリウム溶液(140ml)に溶解した。この溶液を3時間還流した。TLC(シリカ)で反応の完結を確認した。溶媒を減圧下で留去した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、塩化メチレン/メタノール(6/1)で溶出した。TLCで類似の分画を集め、結晶が現れるまで濃縮した。標記の化合物7.4gを融点178〜179℃の白色固体として得た。
NMR (DMSO-d6)δppm 3.6(m,2H,5'-CH2),3.85-4.35(m,3H,2',3',4'-CH),4.4(d,2H,N-CH2),5.15-5.4(m,3H,2',3',5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.2-7.4(m,6H,2-CH,C6H5),7.95(t,1H,NH).
シャウ等の文献(E.Shaw,J.A.C.S.80:3899(1958))をも参照のこと。
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボン酸メチルエステル(化合物番号14(1-260))の製造
5-アミノ-1-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボン酸(3.85g、10mmol)をテトラヒドロフラン 40mlに溶解し、0℃に冷却した。過剰量のジアゾメタン/エーテル溶液を加え、その混合物を室温に温めた。過剰のジアゾメタンを分解するために酢酸を加え、その混合物を蒸発乾固した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン(7/3))で精製した。上記の系を用いるTLCによって判断した主生成物分画を合わせ、溶媒を留去することにより白色泡状物1.2gを得た。これをナトリウムメトキシド 20mgを含有するメタノール 40mlに溶解し、30分間撹拌した。シリカTLC(展開液:塩化メチレン/メタノール(6/1))によって、未反応の出発物質が無いことと、新しい低移動度の生成物スポットを確認した。反応液をダウエックス50(H+)樹脂で中和し、溶媒を留去することにより、目的の生成物0.64gを白色泡状物として得た。
IR(KBr):1725cm−1(−CO−OCH3)
NMR (DMSO-d6):δppm,3.65(s,3H,CH3),3.8(m,3H,4'-CH及び5'-CH2),4.1(m,1H,3'-CH),4.2(m,1H,2'-CH),5.5(d,1H,1'-CH),8.0(s,1H,2-CH).
5-アミノ-5'-スルファモイル-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号15(1-261))の製造
A.5-アミノ-2',3'-イソプロピリデン-1-β-リボフラノシル-5-スルファモイルイミダゾール-4-カルボキシアミドの製造
2',3'-イソプロピリデン-AICA-リボシド(2.98g、10mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(25ml)溶液に、水素化ナトリウム(300mg、80% 油分散液)を10分間かけて加えた。水素ガスの発生が停止した後、フラスコを氷浴に浸け、その混合物を30分間撹拌した。スルファモイルクロリド(1.3g、11mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(20ml)溶液をゆっくり加えた。反応混合物のTLC(シリカゲル、溶媒:塩化メチレン/メタノール(9/1))によって、出発物質がいくらか存在することがわかった。テトラヒドロフラン(10ml)中のスルファモイルクロリド(200mg)を追加し、得られた混合物を1時間撹拌した。メタノール(1ml)を加え、溶媒を高真空下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン/メタノール(9/1))にかけた。いくつかの分画を集めた。同一のTLCパターンを示す分画を合わせ、溶媒を留去することによりガラス状の生成物を得た。収量は1.5gであった。
1H-NMR (DMSO-d6)δppm,1.25及び1.55(2s,6H,C(CH3)2),4.1(d,2H,5'-CH2),4.25-4.35(m,1H,4'-CH),4.8-4.9及び5.1-5.2(2m,2H,2'-CH及び3'-CH),5.8(d,1H,1'-CH),5.9(s,2H,5-NH2),6.65-6.95(ブロードd,2H,CONH2),7.35(s,1H,2-CH),7.7(s,2H,SO2NH)
このNMRデータは、5-アミノ-2',3'-イソプロピリデン-1-β-リボフラノシル-5'-スルファモイルイミダゾール-4-カルボキシアミドの構造に一致した。この中間体生成物をさらに精製または単離することなく、次の脱保護工程に使用した。
上記の製造で得た化合物を60%ギ酸(20ml)に溶解し、得られた溶液を室温で48時間撹拌した。溶媒を高真空下で除去した。残渣を水と同時留去した。生成物を水性エタノールから結晶化した。標記の生成物1.0gを得た(融点174〜175℃)。
1H-NMR (DMSO-d6)δppm 3.9-4.3(m,5H,2'-CH,3'-CH,4'-CH及び5'-CH2),5.4及び5.5(2d,2H,2'-OH及び3'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.8(ブロードs,2H,5-NH2),6.6-6.9(ブロードd,2H,CONH2),7.3(s,1H,2-CH)及び7.6(s,2H,SO2NH2).
5'-アミノ-5'-デオキシ-AICA-リボシド(化合物番号21(1-227))の製造
A.5'-アジド-5'-デオキシ-AICA-リボシドの製造
5'-デオキシ-5'-ヨード-2',3'-イソプロピリデン-AICAリボシド(8.0g)(参考文献:P.C.Srivastava,A.R.Newman,T.R.MathewsおよびR.K.Robins,J.Med.Chem.18 1237(1975))、アジ化リチウム(4.0g)およびN,N-ジメチルホルムアミドの混合物を80〜90℃で5時間加熱した。この混合物を蒸発乾固し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン)にかけた。高移動度生成物を含有する分画を集め、溶媒を留去することにより生成物7.2gを得、これを60%ギ酸(100ml)による脱保護反応(室温、48時間)にさらした。過剰のギ酸を高真空下で留去した。その残渣を水(3x25ml)と同時留去することにより半固体生成物を得た。この生成物を水性エタノールから結晶化した。標記生成物の収量は5.0gであった(融点138〜139℃)。
1H NMR (DMSO-d6)δppm 3.55(d,2H,5'-CH2),3.95(ブロードs,2H,3'-CH及び4'-CH),4.2-4.4(m,1H,2'-CH),5.35及び5.50(2d,2H,2'-OH及び3'-OH),5.55(d,1H,1'-CH),5.75-5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.6-6.9(ブロードd,2H,CONH2)及び7.35(s,1H,2-CH).IR(KBr)cm−1:3400-3000(ブロードNH2,CONH2,OHなど),2150(S,N3)1640(CONH2).
5'-アジド-5'-デオキシ-AICA-リボシド(800mg)(工程(A)の生成物)のメタノール(40ml)溶液を、パール装置(Parr aparatus)中でパラジウム-炭素(5%)(100mg)を水素添加触媒とし、40psiで60分間水素添加した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過することにより触媒を除去した。その透明な濾液を蒸発乾固した。生成物を沸騰エタノールから結晶化した。融点188〜189℃の標記化合物650mgを得た。
1H-NMR (D2O)δppm,2.7(d,2H,5'-CH2),3.8-4.4(3m,3H,2'-CH,3'-CH及び4'-CH),5.4(d,1H,1'-CH)及び7.3(s,1H,2-CH).IR(KBr)cm−1:3500-3000(ブロードOH,NH2,CONH2,など),1640-1645(ブロードs,CONH2).
5-アミノ-1-(2-O-メチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号20(1-188))および5-アミノ-1-(3-O-メチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号22(1-243))の製造
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(5.2g、20mmol)を熱ジメチルホルムアミド 40mlに溶解し、塩化スズ(II)・二水和物 35mgを含有するメタノール 70mlで希釈した。ジアゾメタン 0.1molのエーテル(200ml)溶液を45分間かけて数度に分けて加えた。それぞれの添加後に、塩化スズ(II)・二水和物 20mgを加えた。得られた混合物を濾過し、溶媒を留去することによりシロップ状物を得た。このシロップ状物をメタノール25mlに溶解し、冷却することによって結晶性の5-アミノ-1-(2-O-メチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミドを得、これを濾過によって集めて乾燥した。収量1.2g、融点114〜117℃。
1H NMR (DMSO-d6)(化合物20について):δppm,3.3(s,3H,CH3),3.6(m,2H,5'-CH2),3.9(m,1H,4'-CH),4.1(m,1H,2'-CH),4.2(m,1H,3'-CH),5.2(d,1H,3'-OH),5.3(t,1H,5'-OH),5.6(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),6.7(ブロードd,2H,4-CONH2),7.3(s,1H,2-CH).
1H NMR (DMSO-d6)(化合物18について):δppm:3.3(s,3H,CH3),3.6(m,2H,5'-CH2),3.7(m,1H,4'-CH),4.0(m,1H,3'-CH),4.4(m,1H,2'-CH),5.3(t,1H,5'-OH),5.4(2d,2H,2'-CH及び1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.7(ブロードd,2H,CO-NH2),7.7(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダール-4-N-[(4-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号23(1-343))の製造
N-スクシンイミジル-5-アミノ-1-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-カルボキシレート3(0.50g)、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩(210mg)およびトリエチルアミン(0.16ml)を、クロロホルム(30ml)中室温で終夜撹拌した。この溶液を炭酸水素ナトリウム飽和溶液および水で洗浄した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた黄色タール状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン/メタノール(9/1))にかけた。集めた分画をTLCで監視した。類似の分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより黄色泡状物(0.38g)を得た。この泡状物をメタノール(20ml)に溶解し、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.25M溶液 0.3ml)を加えた。この溶液をアルゴン雰囲気下で15分間撹拌した。TLCが反応の完結を示した。この溶液をイオン交換カラムでpH6に中和した。樹脂を濾過し、溶液を高真空下で濃縮することにより黄色泡状物(0.23g)を得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.5(d,2H,-CH2-C6H4-NO2),5.2-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),7.3(s,1H,2-CH),7.4-8.2(ABq,4H,-C6H4-NO2),8.3(t,1H,4-CONH).
注)3Srivastava,P.C.,J.Med.Chem.17:1207(1974)
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(3-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号24(1-354))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに2-クロロベンジルアミンを用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4(d,2H,-CH2-O-Cl),5.1-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),7.2-7.4(m,4H,-C6H4-Cl),8.0(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号25(1-360))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに2,4-ジクロロベンジルアミンを用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4(d,2H,-CH2-C6H3-Cl2),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),7.2-7.6(m,3H,-C6H3-Cl2),8.1(t,1H,4-CONH-).
5-アミノ-2-チオ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号27(1-395-0))の製造
80%ギ酸 10mlに5-アミノ-2-チオ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド4 400mgを加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。シリカTLC(展開液:塩化メチレン/メタノール(4/1))が、出発物質の一主生成物への変換を示した。この混合物を蒸発乾固し、メタノール 5mlに溶解し、50mlのシリカゲルカラムにかけた。このカラムを塩化メチレン/メタノール(5/1)で溶出させた。TLCで決定した主生成物を集め、蒸発乾固した。残渣を熱メタノール 3mlに溶解し、冷却することによって結晶化した。標記の生成物150mgを得た(融点205〜208℃)。
1H NMR (DMSO-d6),δppm3.6(m,2H,5'-CH2),3.8(m,1H,4'-CH),4.1(m,1H,3'-CH),4.5(m,1H,2'-CH),5.1(d,1H,2'または3'-OH),5.2(d,1H,2'または3'-OH),5.7(t,1H,5'-OH),6.3(d,1H,1'-CH),6.4(ブロードs,2H,5-NH2),6.9(ブロードs,2H,4-CONH2),11.1(ブロードs,1H,5'-SH).
注)4T.Miyoshi,S.Suzaki,A.Yamazaki,Chem.Pharm.Bull.,24(9):2089-2093(1976)に製造が記述されている。
5-アミノ-1-(5-クロロ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号26(1-332))の製造
AICAリボシド(1.00g)、トリフェニルホスフィン(3.05g)および四塩化炭素(1.15ml)を、ジメチルホルムアミド(38ml)中室温で3時間撹拌した。この溶液をメタノール(15ml)で希釈した後、減圧下で濃縮した。得られた黄色タール状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン/メタノール(4/1))にかけた。類似の分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより紫色泡状物を得た。1H NMRによってトリフェニルホスフィンオキシドの存在がわかったので、上記のような第2のクロマトグラフィー工程が必要であった。白色泡状物0.43gを得た。
1H NMR (DMSO-d6),δppm 3.7-3.9(m,2H,5'-CH2),4.0-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.4-5.5(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.6(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.7-6.9(ブロードd,2H,4-CONH2),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-(2-O-エチル-β-D-リボフラノシル)-4-イミダゾール カルボキシアミド(化合物番号34(1-250))および5-アミノ-1-(3-O-エチル-β-D-リボフラノシル)-4-イミダゾール カルボキシアミド(化合物番号31(1-251))の製造
1-エチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジン 7g(44mmol)を、水酸化カリウム 8g、水9mlおよびエーテル 60mlの混合物にゆっくり加えた後、蒸留することによって、ジアゾメタン 約30mmolのエーテル(40ml)溶液を調製した。これを、塩化スズ(II)・二水和物 50mgを含むジメチルホルムアミド 35ml中の5-アミノ1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(AICAリボシド)3.2g(12mmol)にゆっくり加えた。添加中、溶解度を維持するためにメタノール 約20mlを加えた。微量の沈殿を除去するためにこの反応液を濾過し、溶媒を留去することにより黄色シロップ状物を得た。塩化メチレン/メタノール(3/1)を用いるシリカゲルTLCが、AICAリボシドより速く移動する主生成物スポットを示した。このシロップ状物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、塩化メチレン/メタノール(8/1)を用いて、TLCにより決定した主生成物を集めた。適切な分画の溶媒を留去することにより白色泡状物を得た。これをメタノール 7mlに溶解した。4℃に冷却するとこの混合物が結晶化して5-アミノ-1-(2-O-エチル-β-D-リボフラノシル)イミダール-4-カルボキシアミド(化合物番号34(1-250))160mgが得られ、これをNMRデカップリングおよび交換実験により確認した。
1H NMR (DMSO-d6)(化合物番号34について)δppm,1.05(t,3H,CH3),3.3-3.6(m,4H,2'-OCH2-,5'-CH2),3.9(m,1H,4'-CH),4.1-4.3(m,2H,2'-CH,3'-CH),5.15(d,1H,3-OH),5.25(t,1H,5'-OH),5.55(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),6.6-6.9(ブロードd,2H,4-CONH2),7.3(s,1H,7-CH).
1H NMR (DMSO-d6)(化合物番号31について):δppm,1.1(t,3H,CH3),3.4-3.7(m,4H,3'-OCH2-,5'-CH2),3.85(m,1H,4'-CH),4.0(m,1H,3'-CH),4.4(q,1H,2-CH),5.25(t,1H,5'-OH),5.35(d,1H,2'-OH),5.45(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.6-6.9(ブロードd,2H,4-CONH2),7.3(s,1H,1-CH).
主要な不純物を2'-O-エチル異性体と同定した。
5-アミノ-1-(2-O-n-ブチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミドおよび5-アミノ-1-(3-O-n-ブチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号32(1-262)および33(1-263))の製造
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(2.50g、10.0mmol)および塩化スズ(II)・水和物(35mg)を、ジメチルホルムアミド(40ml)およびメタノール(30ml)に溶解した。ジアゾブタン5 0.1mlのエーテル(150ml)溶液を数回に分けて加えた。添加の途中で、塩化スズ(II)・水和物(35mg)を追加した。出発物質が溶液状態にあることを確実にするために必要な時にメタノールを加えた。この混合物を1時間撹拌した後、減圧下で濃縮することにより油状物を得た。この油状物の1H NMR分析は、ほとんどがN-ブチルエチルカルバメートであることを示した。この油状物をヘキサンと共に撹拌し、デカンテーションによってN-ブチルエチルカルバメートを除去した。得られたタール状物を、塩化メチレン/メタノール(6/1)を溶出溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより桃色泡状物を得た。1H NMR分析により2'-および3'-ブチルエーテル化合物の混合物であることがわかった。HPLC分析により56:28混合物であることがわかった。この固体をイソプロパノール(2ml)に溶解し、冷却した。得られた固体を濾過し、乾燥することにより63mgを得た。HPLC分析により77/18混合物であることがわかった。1H NMRデカップリングおよび交換実験により主生成物が2'-O-n-ブチルエーテル化合物であることがわかった。
1H NMR (DMSO-d6)(化合物番号32について):δppm,0.8-1.5(m,7H,-CH2CH2CH3),3.3-4.2(m,7H,2'-OCH2-,2'-CH,3'-CH,4'-CH,5'-CH2),5.1(d,1H,3'-OH),5.3(t,1H,5'-OH),5.6(d,1h,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),7.6-7.8(ブロードd,2N,4-CONH2),7.3(s,1H,2-CH).
1H NMR (DMSO-d6)(化合物番号33について):δppm,0.8-1.6(m,7H,-CH2CH2CH3),3.4-4.4(m,7H,3'-OCH2-,2'-CH,3'-CH,4'-CH,5'-CH2),5.2(t,1H,5'-OH),5.3(d,1H,2'-OH),5.4(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.6-6.8(ブロードd,2H,4-CONH2),7.3(s,1N,7-CH).
注)5エチルエーテル(100ml)中のN-ニトロソ-N-n-ブチルメタン(Wilds,A.L.およびMeeder,A.L.,SOC 13(1948))16.5gを水(60ml)中の水酸化カリウム(55g)で処理することによりジアゾブタンを調製した。このジアゾブタン/エーテル溶液を蒸留せずに使用した。
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(3-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号28(1-348))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに3-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4(d,2H,-CH2-NO2),5.2-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-O),5.5(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),7.4(s,1H,7-CH),7.6-8.2(m,4H,-C6H4Cl),8.3(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号29(1-349))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに4-クロロベンゼンアミドを用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4(d,2H,-CH2-C6H4-Cl),5.2-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.15(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.3-7.4(m,5N,-C6H4Cl,7-CH),8.1(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(4-メチルフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号30(1-388))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに4-メチルベンジルアミンを用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,2.2(s,3H,-C6H4-CH3),3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,5H,2'-CH,3'-CH,4'-CH,-CH2- -C6H4-CH3),5.2-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.1-7.2(M,4H,-C6H4-CH3),7.3(s,1H,7-CH),7.9(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(3-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号35(1-355))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに3-クロロベンジルアミンを用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.3(d,2H,-CH2-C6H4-Cl),5.1-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,2H,5-NH2),7.2-7.4(m,4H,-C6H4-Cl),7.4(s,1H,7-CH),8.1(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-4-(1-ピペリジノカルバモイル)-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール(化合物番号36(1-207))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに ピペリジンを用いて製造した。生成物をエタノールから結晶化することにより、融点190〜192℃の標記生成物を得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.4-1.7(M,GH,ピペリジン環の3,4,5-CH2基),3.55(m,2H,5'-CH2),3.8-3.95(m,5H, ピペリジン環の2-及び6-CH2基,及び4'-CH),4.0-4.1(m,1H,3'-CH),4.25-4.35(m,7H,2-CH),5.15(d,1H,2'または3'-OH),5.2(t,1H,5'-OH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-N-(p-メトキシベンジル)カルボキシアミド(化合物番号39(1-390))の製造
実施例Jのように調製した活性化スクシネートエステル(0.5g)、4-メトキシベンジルアミン(0.15ml)および塩化メチレン(20ml)の混合物を終夜撹拌した。TLCが反応の完了を示した。溶媒を留去し、その残渣を、塩化メチレン/メタノール(9/1)混合液を用いる短いシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた。生成物を含む分画を集め、溶媒を留去した。このようにして得た残渣をメタノール(20ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド溶液を加えることによりpHを約10に調節した。この反応混合物を室温で45分間撹拌した後、その溶液をダウエックス50 H+樹脂で中和した(pH約6.0)。樹脂を濾過し、メタノール(2x2ml)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液の溶媒を留去し、その残渣をエタノールから結晶化した。収量100mg、融点187〜188℃であった。
1H NMR (DMSO-d6):δppm,3.55(m,2H,5'-CH2),37(s,3H,-OCH3),3.7-4.1(m,3H,2'-CH,3'-CH,及び4'-CH),4.35-4.2(dd,2H,-CH2-N-),5.1-5.4(3,m,3H,2'-OH,3'-OH,及び5'-OH),5.45(d,1H,1-CH),5.9(ブロード2H,NH2),6.8-7.2(m,4H,芳香族フェニル),7.3(s,17H,C2-H),及び7.85(t,1H,C-NH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(4-ジメチルアミノベンジル)-カルボキシアミド・塩酸塩(化合物番号41(1-396-3))の製造
4-ジメチルアミノベンジルアミン・塩酸塩(245mg、2mmol)の塩化メチレン(25ml)懸濁液に、トリエチルアミン(222mg、2mmol)を加え、得られた混合物を45分間撹拌し、これに、実施例Jに従って調製した活性化スクシネートエステル(500mg)を加えた。得られた混合物を室温で終夜撹拌した。TLCが反応の完了を示した。この反応混合物の溶媒を留去し、その残渣を、塩化メチレン/メタノール(9/1)混合液を用いる短いシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた。主生成物を示す分画を集め、蒸発乾固した。その残渣をメタノール(15ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド溶液を用いてpHを約10に調節した。室温で45分間撹拌した後、その溶液をダウエックス50樹脂で中和した。樹脂を濾過し、メタノール(2x5ml)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液を蒸発乾固した。泡状の残渣を無水エタノール(10ml)に溶解した。この溶液のpHを塩酸エタノール溶液で約5に調節した。溶媒を蒸発乾固し、その残渣を無水エーテルで処理した。分離した非晶性固体を濾過によって集め、エーテル(2x10ml)で洗浄し、高真空下で乾燥することにより250mgを得た。得られた化合物は極めて吸湿性であり、融点を測定できなかった。
1H NMR (D2O)δppm,3.05(s,6H,N(CH3)2),3.6(m,2H,5'-CH2),3.8-4.3(3m,3H,2'-CH,3'-CH,及び4'-CH),4.4(s,2H,CH2-N-),5.5(d,1H,1'-CH),7.3-7.4(m,4H,フェニル),及び7.9(s,1H,2-CH).
(R)-5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[2-ヒドロキシ-(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチル]カルボキシアミド(化合物番号42(1-431))の製造
実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を(R)-ノルエピネフリンに代え、クロロホルムの代わりにジメチルホルムアミドを反応溶媒として用いることによってこの化合物を製造した。
1H NMR (DMSO-d6):δppm,3.1-3.3(m,2H,-CH2-N),3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.8-3.9(m,1H,4'-CH),4.0-4.1(m,1H,3'-CH),4.2-4.3(m,1H,2'-CH),4.4-4.5(m,1H,フェニルCH-OH),5.2-5.4(m,1H,2'または3'-OH),5.2-5.3(t,1H,5'-OH),5.3-5.4(m,1H,2'または3'-OH),5.4-5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),6.5-6.8(m,3H,カテコールのアリール),7.1(t,1H,4-CONH),7.3(s,1H,2-CH),7.2-7.8(ブロードs,2H,カテコール-OH).
5-アミノ-2-チオフェニル-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号43(1-432))の製造
5-アミノ-2-ブロモ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド1(1.1g)、チオフェノール(1.3g)およびトリエチルアミン(0.61g)を、メタノール 25mlおよび1N 水酸化ナトリウム 3mlの混合液中で18時間還流した。この反応混合物を濃縮し、その残渣を塩化メチレン 40mlと混合した。この塩化メチレン混合物を水および飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを留去し、その残渣を、塩化メチレン/メタノール(95/5)を用いて、200mlのシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけることにより精製して、5-アミノ-2-チオフェニル-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド 0.5gを得た。イソプロピリデン基を除去するためにこの化合物を室温で80%ギ酸で3時間処理し、溶媒の留去、および塩化メチレン/メタノール(9/1)を用いるシリカクロマトグラフィーによる精製を行うことによって、標記の化合物250mgを白色泡状物として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.3-3.5(m,2H,5'-CH2),3.8-3.9(m,1H,4'-CH),4.0-4.1(m,1H,3'-CH),4.5(q,1H,2'-CH),5.1(d,1H,2'-または3'-OH),5.3(d,1H,2'-または3'-OH),5.7(t,1H,5'-OH),5.9(d,1H,1'-CH),7.5(ブロードs,2H,4-NH2),6.7及び7.1(ブロードs,2H,CONH2)7.1-7.5(m,5H,フェニル).
注)1Miyosi T.,Chem.Pharm.Bull.24:2089(1976)。
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(2-endo-ノルボルニル)カルボキシアミド(化合物番号45(1-438))の製造
(±)endo-2-アミノノルボルナン・塩酸塩(240mg)、トリエチルアミン(160mg)および塩化メチレンの混合物を、アルゴン下室温で45分間撹拌した。これに活性化スクシネートエステル(実施例J参照のこと)(750mg)を加え、終夜撹拌した。TLCが反応の完了を示した。溶媒を留去し、塩化メチレン/メタノール(9/1)混合液を用いて、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた。生成物を含む分画を集め、溶媒を留去した。その残渣をメタノール(25ml)に溶解し、ナトリウムメトキシド溶液でpHを約10に調節した。室温で45分間撹拌した後、その溶液をH+樹脂で中和した(pH約6)。樹脂を濾過し、メタノールで洗浄した。合わせた洗浄液と濾液の溶媒を留去し、その残渣を高真空下に置くことによって光沢のある固体生成物を得た。収量は280mgであった。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.1-2.4(m,10H,ノルボニル),3.6(ブロードM,2H,5'-CH2),3.9(m,1H,-N-CH),4-4.4(2m,3H,2'-CH,3'-CH及び4'-CH),5.05,及び5.35(2-d,2H,2'-OH及び3'-OH),5.25(t,1H,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロード2H,NH2),6.8(d,1H-NH-CO),7.25(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(3-ヨードフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号44(1-434))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩の代わりに3-ヨードベンジルアミンを用いて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.3(d,2H,-CH 2-C6H4-I),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.1-7.7(m,4H,-C6H4),7.3(s,1H,2-CH),8.1(t,1H,4-CONH-)
5-アミノ-1-(5-ヨード-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号46(1-445))の製造
この方法で使用する化合物、5-アミノ-1-(5-ヨード-5-デオキシ-2,3-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-ニトロフェニル)メチルカルボキシアミドを、化合物番号53(1-468)について実施例AHに記述する一連の反応(工程Bで終える)と同じ反応に従い、4-N-p-クロロベンジルアミド化合物(化合物番号29(1-349))を4-N-p-ニトロベンジルアミド化合物(化合物番号23(1-343))に代えることによって製造した。
5-アミノ-1-(5-ヨード-5-デオキシ-2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-ニトロフェニル)メチルカルボキシアミド(200mg)を80%ギ酸10mlに溶解した。この溶液を45℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣を水と2回、メタノールと2回、同時留去した。その残渣を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(6/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより標記化合物60mgを黄色泡状物として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.3-3.6(m,2H,5'-CH2),3.8-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.5(d,2H,-CH 2-C6H4NO2),5.4-5.5(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.6(d,2H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.4(s,1H,2-CH),7.5-8.2(m,4H,C6H4-NO2),8.3(4,1H,4-CONH-).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボン酸p-ニトロベンジルイチオエステル(化合物番号47(1-450))の製造
5-アミノ-1-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボン酸1(1.0g)を、窒素下で10分間撹拌しながらチオニルクロリド 8mlに溶解した。この混合物の溶媒を真空下で留去し、その残渣を、p-ニトロベンジルメルカプタン 2.0gを含有するテトラヒドロフラン 15mlに溶解した。トリエチルアミン(1.5ml)を加え、その混合物をアルゴン下で20分間撹拌した。溶媒を留去することによりゴム状にし、その残渣を塩化メチレン 50mlと混合し、水(2x25ml)で洗浄した。塩化メチレン層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去してシロップ状にし、これを、酢酸エチル/塩化メチレン(1/1)混合液を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、5-アミノ-1-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボン酸p-ニトロベンジルチオエステル 500mgを得た。TLCで脱アセチル化反応が完了したことを決定するまで微塩基性pHを維持するように、乾燥メタノール30ml中のナトリウムメトキシドで処理し、続いてダウエックス50(H+)で中和し、溶媒を留去することにより、メチルエステル体と思われる生成物が混入した目的の化合物を得た。塩化メチレン/メタノール(9/1)混合液を用いるシリカクロマトグラフィーで精製することにより目的の化合物38mgを黄色泡状物として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.5-3.7(m,2H,5'-CH2),3.9-4.0(m,1H,4'-CH),4.2-4.4(m,2H,2'-及び3'-CH),5.2(d,1H,2'-または3'-OH),5.3-5.5(m,2H,5'及び2'-または3'-OH),5.6(d,1H,1'-CH),6.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.4(s,1H,2-CH),7.6及び8.2(d,2H,フェニル).
注)1Srivastava,P.C.,J.Med.Chem.17:1207(1974)
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-1-インドリニルカルボキシアミド(化合物番号48(1452))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩をインドリンに代えて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.1(t,2H,インドリニル-CH2),3.6(m,2H,5'-CH2-),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.4(ブロードs,2H,5-NH2),6.9-8.1(m,4H,インドリニル芳香族),7.4(s,1H,2-CH).
(R)-5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[1-4-ニトロフェニル)エチル]カルボキシアミド(化合物番号49(1-453))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を(R)-4-ニトロ-α-メチルベンジルアミン・塩酸塩に代えて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.5(d,3H,N4-ベンジルカルボキシアミド上のα-メチル),3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.1(m,1H,N4-ベンジルカルボキシアミド上のメチンプロトン),5.1-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),7.3(s,1H,2-CH),7.6-8.2(m,4H,C6H4-NO2)8.0(d,1H,4-CONH-).
(S)-5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[1-(4-ニトロフェニル)エチル]カルボキシアミド(化合物番号50(1-459))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を(S)-4-ニトロ-α-メチルベンジルアミン・塩酸塩に代えて製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.5(d,3H,N4-ベンジルカルボキシアミド上のα-メチル),3.6(m,2H,5-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.1(m,1H,N4-ベンジルカルボキシイミド上のメチンプロトン),5.1-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.4(s,1H,2-CH),7.6-8.2(m,4H,C6H4NO2),8.0(d,1H,4-CONH-).
5-アミノ-1-(5-クロロ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[4-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号51(1-466))の製造
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-N-[(4-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号23(1-343))(0.5g)、トリフェニルホスフィン(1.00g)、四塩化炭素(0.37ml)およびTHF(25ml)を混合し、周囲温度アルゴン下で終夜撹拌した。白色の沈殿が生成した。ジメチルホルムアミド(8ml)を加え、その溶液を周囲温度アルゴン下で終夜撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた油状物をメタノール(3x20ml)と同時留去した。得られた粘性油状物を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(7/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、真空下で濃縮することにより黄色泡状物(0.28g)を得た。この泡状物を冷メタノールから結晶化することにより黄色結晶(200mg:融点174〜176℃)を得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm3.7-3.9(m,2H,5'-CH2),4.0-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.5(d,2H,-CH 2-C6H4NO2),5.4-5.6(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.6(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.4(s,1H,2-CH),7.5-8.2(m,4H,-C6H4NO2),8.3(t,1H,4-CONH-).
5-アミノ-1-(5-アジド-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物52(1-467))および5-アミノ-1-(5-アミノ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド・塩酸塩(化合物番号53(1-468))の製造
A.5-アミノ-1-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチルカルボキシアミドの製造
化合物番号29(1-349)(6.8g、17.8mmol)を、DMF 100ml、アセトン 15mlおよび2,2-ジメトキシプロパン 15mlの混合液に溶解した。塩化水素ガス(約1.0g)を加え、その混合物をアルゴン下で4時間撹拌した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム50ml中に注ぎ、減圧下45℃で留去した。残渣を酢酸エチル100mlおよび水25mlの混合液に溶解した。酢酸エチル層を分離し、水25mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することによって泡状にした。TLC(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール(9/1))によって、生成物中にかなり高移動度の不純物が存在することが示され、これを標記化合物の5'-(2-メトキシプロパン)混合ケタールと同定した。上記泡状物をメタノール100mlに溶解し、塩化水素エタノール溶液でpHを2.5に調節することにより、これを標記化合物に変換した。30分後、この混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで中和し、濃縮することによりスラリー状にした。これを塩化メチレン100mlに溶解し、水25mlで洗浄した。塩化メチレン層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより泡状物にした。真空下40℃で18時間乾燥することにより、標記化合物7.2g(96%)を得た。
塩化メチレン500ml中の工程Aの生成物(25g、59mmol)およびメチルトリフェノキシホスホニウムヨウ化物(76g、166mmol)の混合物を室温アルゴン下で30分間撹拌した。得られた溶液を水150ml、5%チオ硫酸ナトリウム150ml、1N 水酸化ナトリウム 150ml、水100mlで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、得られた油状物を、ヘキサン/酢酸エチル(2/1)で調製したフラッシュグレードシリカゲルの1.3lカラムにかけた。不純物を除去するために同じ溶媒でこのカラムを溶出させた後、ヘキサン/酢酸エチル(1/1)を用いて目的の生成物を溶出させた。適切な分画を合わせ、溶媒を留去することにより標記の化合物24.4gをゴム状固体として得た。不純分画を再度クロマトグラフィーにかけることにより、さらに2.3gの標記生成物を得た。総収量は26.7g(85%)であった。
DMF350ml中の工程Bの生成物(26.7g、50mmol)、アジ化リチウム(14g、285mmol)および18-クラウン-6(100mg)の混合物を室温アルゴン下で8時間撹拌した。このスラリー状物を濃縮することにより溶媒を除去し、その残渣を酢酸エチル500mlおよび水100mlの混合物に溶解した。酢酸エチル層を分離し、水および飽和食塩で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去することにより、まだ溶媒を含有している標記化合物25gを黄色ゴム状物として得た。これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
工程Cの生成物(上記のもの)を80%トリフルオロ酢酸150mlに溶解し、50℃に30分間温めた。この溶液を真空下40℃で留去することによりシロップ状にし、その残渣を水25mlから2回留去した。そのシロップ状残渣を酢酸エチル100mlに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム100ml上で穏やかに撹拌した。酢酸エチル層中で結晶化が始まり、1時間後に濾過によって結晶を集めた。これらの結晶を2つの追加クロップ(収穫)または酢酸エチル層の濃縮によって得た結晶と合わせることにより15.7g(工程Bの生成物に基づいて77%)を得た。分析用試料の融点は182〜183℃であった。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(M,2H,5'-CH2),4.0-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.3(d,2H,-CH2-C6H4Cl),5.4-5.5(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.3-7.4(m,4H,C6H4Cl),7.4(s,1H,2-CH),8.1(t,1H,4-CONH-).IR(KBr)cm−1,2110.
化合物52(1-467)(6.5g、159mmol)を沸騰エタノール500mlに溶解した。40℃に冷却した後、その溶液をアルゴンで飽和させ、10%パラジウム-炭素 0.5gを加えた。この混合物を水素雰囲気下で8時間撹拌した。この混合物をアルゴンで飽和させ、セライト505を通して濾過し、濃縮することによりシロップ状にし、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
工程Eの生成物(理論的に159mmol)をエタノール100mlに溶解し、6N 塩酸 3.5mlを加えた(湿pH試験紙で約3のpHになった)。この溶液の溶媒を留去することにより硬質シロップ状にした。このシロップ状物を熱エタノール50mlに溶解し、エチルエーテル150mlで希釈した。得られたゴム状沈殿物を密閉下で12時間撹拌し、得られた白色沈殿を濾過によって集め、エーテルで洗浄した。真空下40℃で乾燥することにより標記化合物6.0g(工程Dの化合物に基づく収率90%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.0-3.2(m,2H,5'-CH2),4.0-4.4(M,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4(d,2H,-CH2-C6H4Cl),5.8-6.2(ブロード,2H,2'-OH,3'-OH),7.2-7.4(m,4H,C6H4Cl),7.8(s,1H,2-CH),8.3(ブロード,3H,NH2・HCl).
5-アミノ-1-(5-アミノ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-(シクロペンチル)カルボキシアミド・塩酸塩(化合物番号37(1-270))の製造
この化合物を、4-N-p-クロロベンジルアミド化合物(表XIIの化合物29(1-349))を4-N-シクロペンチルアミド化合物(表XIIの化合物10(1-186))に代えて、化合物53(1-468)について実施例AHに記述した一連の反応によって製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.4-1.9(m,9H,シクロペンチル脂肪族プロトン),3.0-3.2(m,2H,5'-CH2),4.0-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.1(d,1H,4-CONH-),7.4(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-(5-デオキシ-5-メチルチオ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号54(1-483)の製造
化合物51(1-466)について実施例AIに記述した方法に従い、5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(4-ニトロフェニルメチル]カルボキシアミドに代えて5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボキシアミドを用いることにより、中間体5-アミノ-1-(5-クロロ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミドを製造した。
0.1N ナトリウムメトキシド/メタノール溶液にアルゴン下0℃でメチルメルカプタンを通気した。得られた0.1N メチルチオレートナトリウム/メタノール溶液に、5-アミノ-1-(5-クロロ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(0.40g)を加えた。この溶液を終夜還流下に加熱した。この溶液を冷却し、ダウエックス50強酸性イオン交換樹脂で中和した。この混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(4/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮し、真空乾燥することにより標記の化合物を白色泡状物(0.28g)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,2.1(s,2H,-S-CH3),3.7-3.9(m,2H,5'-CH2),3.9-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.3-5.4(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.8(ブロードs.,2H,5-NH2),6.6-6.9(ブロードm,2H,4-CONH2),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(4-ブロモフェニル)カルボキシアミド(化合物番号55(1-484))の製造
5-アミノ-1-(2,3,5-トリ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボン酸(Srivastava,P.C.等,J.Med.Chem.17 1207(1974))(0.75g)およびチオニルクロリド(7ml)を乾燥管下で周囲温度で15分間撹拌した。過剰のチオニルクロリドを減圧下で留去し、得られた残渣を塩化メチレン(3x20ml)と同時留去した。得られた黄色泡状物を塩化メチレン(40ml)に溶解し、4-ブロモアニリン(0.35g)を加えた。トリエチルアミン(約0.75ml)を、溶液が塩基性になるまで加えた。この溶液を乾燥管下で周囲温度で2時間撹拌した。この溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮することにより黄色泡状物を得た。この泡状物をメタノール(35ml)に溶解した。ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(0.5N溶液 約0.75ml)を加え、得られた溶液を乾燥管下で周囲温度で30分間撹拌した。この溶液をメタノール洗浄したダウエックス50(強酸性イオン交換樹脂)で中和した。この混合物を濾過し、減圧下で濃縮することにより淡黄色残渣を得た。この残渣をメタノール(15ml)/塩化メチレン(10ml)から結晶化することにより黄褐色結晶(0.23g)を得た。この結晶を再結晶化することにより灰白色結晶(90mg)を得た。融点214〜216℃(分解)。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,1'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.2(ブロードs.,2H,5-NH2),7.4-7.8(m,4H,-C6H4Br),7.4(s,1H,2-CH),9.5(s,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-N-[(4-ブロモフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号56(1-487))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を4-ブロモベンジルアミン・塩酸塩に代えることによって製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.3(d,2H,CH 2-C6H4Br),5.1-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.2-7.5(m,4H,-C6H4Br),7.3(s,1H,2-CH),8.0(t,1H,4-CONH-).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-N-(4-ヨードフェニル)カルボキシアミド(化合物番号57(1-488))の製造
この化合物を、4-p-ブロモフェニル誘導体について実施例AKに記述した方法に従い、4-ブロモアニリンを4-ヨードアニリンに代えることによって製造した。最終生成物をエタノールから再結晶化した。融点227〜229℃。
H NMR (DMSO-d6)δppm,3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.2(ブロードs.,2H,5-NH2),7.4(s,1H,2-CH),7.6-7.7(m,4H,-C6H4I),9.5(s,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(4-ニトロフェニル)カルボキシアミド(化合物番号58(1-489))の製造
この化合物を、4-p-ブロモフェンニル誘導体について実施例AKに記述した方法に従い、4-ブロモアニリンを4-ニトロアニリンに代えることによって製造した。最終生成物をメタノールから再結晶化することにより黄色粉末を得た
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.6(d,1H,1'-CH),6.4(ブロードs.,2H,5-NH2),7.5(s,1H,2-CH),8.1-8.3(m,4H,C6H4NO2),10.1(s,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-N-[2-(4-ニトロフェニル)エチル カルボキシアミド(化合物番号59(1-506))の製造
この化合物を、4-p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を4-ニトロフェネチルアミン・塩酸塩に代えることによって製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,2.9-3.0(t,2H,-CH2-C2H4-NO2),3.4-3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.8-5.4(ブロード,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9-6.2(ブロード,2H,5-NH2),7.5-8.2(m,4H,-C6H4NO2),7.6(s,1H,2-CH),7.7(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-4-[1-[4-(4-ニトロフェニル)]ピペラジノカルバモイル]-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール(化合物番号60(1-508))の製造
この化合物を、4-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を1-(4-ニトロフェニル)ピペラジンに代えることによって製造した。冷メタノールから再結晶化したこの生成物は融点199〜200℃であった。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.4-3.6(m,10H,3'-CH2,ピペラゾニルメチレン),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.3(ブロードs.,2H,5-NH2),7.0-8.1(m,4H,-C6H4NO2),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-(5-デオキシ-β-D-リボフラノシル(イミダゾール-4N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号61(1-509))の製造
5-アミノ-1-(5-ヨード-5-デオキシ-2,3-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物53(1-468)製造について実施例AH、工程Bに記述の方法を参照のこと)(0.64g)を50%ギ酸30ml中で終夜撹拌した。過剰の溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣を水(25ml)およびメタノール(25ml)と同時留去した。得られた黄色泡状物を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(9/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより5-アミノ-1-(5-ヨード-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド0.47gを得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.2-1.3(d,3H,5'-CH3),3.7-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.3(d,2H,CH 2-C6H4Cl),5.1-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,1'-OH),5.8(ブロードs.,2H,5-NH2),7.2-7.4(m,5H,-C6H4Cl,2-CH),8.1(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-(5-デオキシ-5-メチルスルフィニル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号62(1-510))の製造
実施例AKの5-アミノ-1-(5-デオキシ-5-メチルチオ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物54(1-483(0.40g)を水(20ml)に溶解した。30重量%過酸化水素(0.42ml)を加え、その溶液を30分間撹拌した。TLC(塩化メチレン/メタノール(6/1))によって出発物質がいくらか存在することがわかった。過酸化水素1.0mlを追加し、その溶液を15分間撹拌した。TLCが出発物質の消失を示した。溶媒を減圧下で留去することにより黄色泡状物を得た。この泡状物を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(3/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、真空下で濃縮することにより標記化合物75mgを黄色泡状物として得た。
HPLC(ウォーターズC18、100% 0.1N 酢酸、1.0ml/分、260nm)が2つの等モル量の生成物を示した。これは生成物のスルホキシド化合物ジアステレオ混合物への酸化と一致している。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,2.6(s,3H,CH3S(O)-),3.0-3.2(m,2H,5'-CH2),4.0-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.4-5.6(m,3H,2'-OH,3'-OH,1'-OH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),6.6-6.9(ブロード,2H,4-CONH6),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-(5-デオキシ-5-メチルアミノリボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号63(1-517))の製造
5'-デオキシ-5'-ヨード-2',3'-O-イソプロピリデン-AICAリボシド(1.00g)(参考文献:P.C.Srivastava,A.R.Newman,T.R.MathewsおよびT.R.MathewsおよびR.K.Robins,J.Med.Chem.18,1237(1975))、40重量%メチルアミン水溶液(3ml)およびメタノール(30ml)を混合し、還流下で18時間加熱した。この反応により生成物の混合物が得られた。この溶液を冷却し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(3/1)(400ml)および塩化メチレン/メタノール(3/1)(300ml)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。目的の生成物である遅く溶出する成分を含有する分画を合わせ、減圧下で溶媒を留去することにより5'-デオキシ-5'-メチルアミノ-2',3'-イソプロピリデン-AICA リボシド 0.13gを得た。
1H NMR(D6-DMSO-d6)δppm,2.3(s,3H,CH3N),2.5-2.7(m,2H,5'-CH2),3.3-3.4(ブロード,1H,MENH),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.1-5.4(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.4(d,1H,1'-CH),6.2(ブロードs,,2H,5-NH2),6.6-6.8(ブロード,2H,4-CONH),7.2(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-(2-クロロフェニル)カルボキシアミド(化合物番号64(1-519))の製造
この化合物を、4-p-ブロモフェニル誘導体のための化合物55(1-484)について実施例AKに記述した方法に従い、4-ブロモアニリンを2-クロロアニリンに代えることによって製造した。最終生成物を塩化メチレン(20ml)/メタノール(1ml)から再結晶化することによって標記の生成物0.25gを得た。融点131〜135℃。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.2(ブロードs,2H,5-NH2),7.0-8.4(m,5H,C6H4Br,2'-CH),9.1(s,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-(5-ベンジルアミノ-5-デオキシリボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号66(1-531))の製造
5'-デオキシ-5'-ヨード-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシド(1.00g)(参考文献:P.C.Srivastava,A.R.Newman,T.R.MathewsおよびR.K.Robins,J.Med.Chem.18:1237(1975))、ベンジルアミン(2.0ml)およびメタノール(40ml)を混合し、還流下で24時間加熱した。次に、化合物63(1-517)について実施例ASに記述した方法に従うことにより標記の化合物を得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,2.7(d,2H,-CH2-C6H5),3.3-3.4(ブロード,1H,-NH-CH2C6H5),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.1-5.4(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.4(d,1H,1-CH),6.1(ブロードs.,2H,5-NH2),6.6-6.8(ブロード,2H,4-CONH2),7.2-7.4(m,6H,-C6H5,2-CH).
5-アミノ-2-チオ-1-β-D-(5-デオキシリボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号67(1-535))の製造
A.5'-デオキシ-2',3'-イソプロピリデン-2-ブロモ-AICAリボシドの製造
5'-デオキシ-2',3'-イソプロピリデン-AICAリボシド(2.90g)(参考文献:P.C.Srivastava,A.R.Newman,T.R.MathewsおよびR.K.Robins,J.Med.Chem.18:1237(1975))のクロロホルム(100ml)溶液にN-ブロモスクシンイミドを20分間かけて少しづつ加えた。この溶液を周囲温度で30分間撹拌した。この溶液を水で洗浄し、食塩水で2回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下で留去することにより暗色泡状物を得た。この泡状物をシリカゲルカラムにかけて、塩化メチレン/メタノール(9/1)で溶出した。生成物を含有する分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより赤褐色泡状物2.02gを得た。
硫酸カリウム(3.7g)をエタノール(20ml)中還流下で15分間加熱した。この混合物を濾過した。その濾液に、5'-デオキシ-2',3'-イソプロピリデン-2-ブロモAICAリボシド(工程Aから)を加えた。この混合物を鋼鉄製ボンベ中100℃で5.5時間加熱した。この混合物を冷却し、濾過した。濾液のpHを酢酸で約5〜6に調節し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムにかけ、塩化メチレン/メタノール(7/1)で溶出した。生成物を含有する分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより暗褐色泡状物を得た。この泡状物を塩化メチレン(50ml)中で撹拌した後、濾過することにより淡紫色粉末を得た。この粉末を冷メタノール中で撹拌した後、濾過し、真空乾燥することにより淡黄色固体0.52gを得た。融点211〜214(分解)。
5'-デオキシ-2',3'-イソプロピリデン-2-チオールAICAリボシド(0.45g)(工程Bから)を50%ギ酸(30ml)中50℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をメタノール(2x20ml)と同時留去した。得られた固体をメタノール(25ml)中で温めた後、室温で終夜撹拌した。この混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮することにより緑色がかった泡状物を得た。この泡状物を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(5/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより黄色泡状物を得た。この泡状物を冷メタノールから結晶化することにより、標記の化合物69mgを得た。融点201〜203℃(分解)。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.3(d,3H,5'-CH3),3.6-4.5(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.0-5.2(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.6(ブロードs.,2H,5-NH2),6.0(d,1H,1'-CH),7.0(ブロード,2H,4-CONH),12.0(ブロードs,1H,-SH).
N,N'-ビス-(5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボニル)-1,6-ジアミノヘキサン(化合物番号68(1-538))の製造
N-スクシンイミジル-5-アミノ-1-(2,3,5-O-アセチル-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-カルボキシレート(2.50g)(参考文献:Srivastava,P.C.等,J.Med.Chem.17:1207(1974))、1,6-ヘキサンジアミン(0.300g)、トリエチルアミン(0.5ml)および塩化メチレン(35ml)を混合し、室温で18時間撹拌した。標記化合物を実施例Jに記述した方法に従って製造した。最終生成物をメタノールから結晶化することにより標記の化合物0.32gを得た。融点181〜185℃。
1H NMRデータを対称二量体の半分について記載する。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.2-1.5(m,4H,N-ヘキシルジカルボキシアミドのβ及びδメチレン),3.0-3.2(m,2H,N-ヘキシルジカルボキシアミドのαメチレン),3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.8-4.3(m,3H,2'-H,3'-CH,4'-CH),5.1-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.3(s,1H,2-CH),7.4(t,1H,4-CONH).
N,N'-ビス-(5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-カルボニル)-1,4-ジアミノシクロヘキサン(化合物番号69(1-549))の製造
この化合物を、化合物68(1-538)について実施例AWに記述した方法に従い、1,6-ヘキサンジアミンを1,4-ジアミノシクロヘキサンに代えることによって製造した。
1H NMRデータを対称二量体の半分について記載する。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,1.3-1.8(m,4H,シクロヘキサンメチレンプロトン),3.5-3.7(m,3H,5'-CH2,シクロヘキサンメチン),3.8-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.1-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs.,2H,5-NH2),7.1(d,1H,4-CONH),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-2-チオ-1-(5-アミノ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシルアミド(化合物番号70(1-551))の製造
A.5-デオキシ-5'-ヨード-2-ブロモ-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシドの製造
2-ブロモ-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシド(4.50g)(参考文献:T.Miyoshi,S.Suzaki,A.Yamazaki,Chem.Pharm.Bull.29,9:2089(1976))、メチルトリフェノキシホスホニウムヨウ化物(16.2g)および塩化メチレン(125ml)を混合し、室温で16時間撹拌した。この混合物を水、0.5M NAOH(100ml)、5% NaS2O3(150ml)、および食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去することにより橙色油状物を得た。この油状物を冷ジエチルエーテルでトリチュレートした。得られた混合物を濾過することにより灰色粉末3.53gを得た。母液を減圧下で濃縮することにより橙色油状物を得た。この油状物を短いシリカゲルカラムにかけた。このカラムを塩化メチレンで洗浄した後、塩化メチレン/メタノール(9/1)(250ml)で生成物を溶出させた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより橙色タール状物を得た。このタール状物を冷ジエチルエーテルでトリチュレートした。この混合物を濾過することにより灰色粉末をさらに0.94g得た。合わせた粉末(4.47g)を、溶出溶媒として酢酸エチル/ヘキサン(2/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより黄色泡状物(4.02g)を得た。
5'-デオキシ-5'-ヨード-2-ブロモ-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシド(4.02g)、アジ化リチウム(1.82g)およびDMF(65ml)を混合し、周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去することにより黄色油状物を得た。この油状物を酢酸エチル(200ml)に溶解し、水および食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去することにより黄色泡状物(3.01g)を得た。
5'-アジド-5'-デオキシ-2-ブロモ-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシド(2.00g)、トリフェニルホスフィン(1.83g)およびTHF(100g)を混合し、室温で16時間撹拌した。濃NH4OH(15ml)を加え、その溶液を還流下で6時間加熱した。この溶液を冷却し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をメタノール(2x30ml)と同時留去した。得られた残渣を冷メタノール(25ml)中で30分間撹拌した。この混合物を濾過することにより灰白色粉末を得た。この固体をメタノールから再結晶化することにより白色粉末(0.73g)を得た。
カリウムスルフィド(1.0g)をエタノール(10ml)中還流下で15分間加熱した。この混合物を濾過し、その濾液に5'-アミノ-5'-デオキシ-2-ブロモ-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシド(0.50g)を加えた。この混合物を鋼鉄製ボンベ中110℃で5時間加熱した。この混合物を冷却し、濾過した。その濾液を再度濾過した後、減圧下で濃縮することにより黄色タール状物を得た。このタール状物を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(3/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより黄色ガラス状物を得た(0.12g)。このガラス状物を80%トリフルオロ酢酸(8ml)に溶解し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去することにより黄色固体を得た。この固体をジエチルエーテル/エタノール(95/5)(10ml)中で撹拌した後、濾過し、乾燥することにより黄色固体(55mg)を得た。
1H NMR (DMSO-d6+D2O)δppm,2.6-2.9(m,2H,5'-CH2-),3.8-4.5(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),6.2(d,1H,1'-CH).
5-アミノ-1-(5-アジド-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号71(1-562))の製造
この化合物を、化合物52(1-467)について実施例AHに記述した方法に従い、化合物29(1-349)(p-クロロベンジル誘導体)を化合物23(1-343)(p-ニトロベンジル誘導体)に代えることによって製造した。
1H NMR(DMSO-d6)δppm,3.5-3.7(m,2H,5'-CH2),3.9-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4-4.5(d,2H,-CH2-PhNO2),5.4-5.5(m,2H,2'-OH,3'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,,2H,5-NH2),7.4(s,1H,2-CH),6.5-8.2(m,4H,-C6H4NO2),8.3(4,1H,4-CONH-).
5-アミノ-1-(5-アミノ-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[4-ニトロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号72(1-563))の製造
この化合物を化合物53(1-468)について実施例AHに記述した方法に従い、p-クロロベンジルアミド誘導体(化合物29(1-349))をp-ニトロベンジルアミド誘導体(化合物23(1-343))に代えることによって製造した。
1H NMR (DMSO+D2O)δppm2.6-2.8(m,2H,5'-CH2-),3.8-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4-4.5(m,2H,-CH2-C6H4NO2),5.4(d,1H,1'-CH),7.3(s,1H,2-CH),7.5-8.3(m,5H,CH2C6H4NO2,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-N-[(4-トリフルオロメチルフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号74(1-572))の製造
この化合物を、p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を4-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンに代えることによって製造した。最終生成物を塩化メチレン/メタノールから再結晶化した。融点137〜140。
1H NMR (DMSO-d6)δppm3.5-3.7(m,2H,5'-CH2),3.9-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4-4.5(d,2H,-CH2-PhCF3),5.2-5.5(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.3(s,1H,2-CH),7.4-7.7(m,4H,-C6H4CF3),8.2(t,1H,4-CONH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[(4-スルファモイルフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号75(1-577))の製造
この化合物を、p-ニトロベンジル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、4-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を4-(アミノメチル)ベンゼンスルホンアミド・塩酸塩に代えることによって製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm,3.5-3.7(m,2H,5'-CH2-),3.9-4.4(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),4.4-4.5(d,2H,-CH2-C6H4SO2),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,1H,1'-CH),6.0(ブロードs,,2H,5-NH2),7.3(ブロードs,2H,-SO2NH2),7.4(s,1H,2-CH),7.4-7.8(m,4H,-C6H4-),8.2(t,1H,4-CONH-).
5-アミノ-1-(5-(4-クロロベンジルアミノ)-5-デオキシ-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号76(1-578))の製造
5'-アミノ-5'-デオキシ-AICA-リボシド(0.50g)(表VIIIの化合物番号21(1-227))、4-クロロベンジルヨウ化物(0.50g)、炭酸カリウム(0.26g)およびDMF(15ml)を混合し、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣を温かいエタノール(35ml)中で撹拌した。不溶物を濾過によって除去し、その濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(3/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。2つの生成物のうちより低速で移動するものを含有する分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより黄褐色泡状物(0.21g)を得た。
1H NMR (DMSO-d6+D2)δppm 2.9-3.0(m,2H,5'-CH2-),3.9(s,2H,-CH2-C6H4),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.5(d,1H,1'-CH),7.3(s,1H,2-CH),7.4(m,4H,-C6H4Cl).
5-アミノ-1-(5-デオキシ-β,D-リボフラノシル)イミダゾールの製造;化合物番号77(1-588)
5'-デオキシAICAリボシド(1.00g)(参考文献:P.C.Srivastava,A.R.Newman,T.R.MathewsおよびR.F.Robins,J.Med.Chem.18:1237(1975))をN 水酸化カリウム(4.0ml)中還流下で5時間加熱した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残渣をエタノール(4x10ml)と同時留去した。得られた残渣をエタノール(15ml)で希釈し、微細沈殿を濾過した。数日静置することにより濾液から追加の沈殿が得られた。顕微鏡的固体を集め、合わせた固体物質を水(20ml)に溶解し、ダウエックス50W強酸性イオン交換樹脂で中和した。溶媒を減圧下で留去することにより暗色タール状物を得た。このタール状物を80%酢酸(20ml)に溶解し、穏やかに加熱した(60℃)。溶媒を減圧下で留去することにより暗色タール状物を得た。このタール状物をメタノール(2x15ml)と同時留去した。得られた残渣を、溶出溶媒として塩化メチレン/メタノール(3/1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、減圧下で濃縮することにより暗色タール状物を得た。このタール状物をトルエン(3x20ml)と同時留去した後、真空乾燥することにより暗褐色吸湿性泡状物(110mg)を得た。
1H NMR (D2)δppm,1.3(d,3H,5'-CH3),4.0-4.5(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.6(d,1H,1'-CH),6.4(s,1H,4-CH),7.7(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-(5-デオキシ-5-ジエチルアミノリボ-β,D-フラノシル)イミダゾール-4-カルボキシアミド(化合物番号65(1-522))の製造
5'-デオキシ-5'-ヨード-2',3'-イソプロピリデンAICAリボシド(1.00g)(参考文献:P.C.Srivastava,A.R.Newman,T.R.MathewsおよびR.K.Robins,J.Med.Chem.18:1237(1975))、ジエチルアミン(40重量%の水溶液 2.5ml)およびメタノール(30ml)を混合し、還流下で18時間加熱した。化合物63(1-519)について実施例ASに記述した方法に従うことにより標記の化合物を得た。
1H NMR (DMSO-d6)δppm 0.9(t,6H,5'-ジエチルアミン上のメチル基),2.4-2.7(m,6H,5'-CH2,5'-ジエチルアミン上のメチレン基),3.3-4.2(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2(ブロード,2H,2'-OH,3'-OH),5.4(d,1H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),5.7-5.9(ブロード,2H,4-CONH2),7.3(s,1H,2-CH).
5-アミノ-1-β-D-リボフラノシルイミダゾール-4-N-[3-4-ニトロフェニル)プロピル]カルボキシアミド(化合物番号73(1-566))の製造
この化合物を、p-ニトロフェニル誘導体について実施例Jに記述した方法に従い、p-ニトロベンジルアミン・塩酸塩を3-(4-ニトロフェニル)プロピルアミン(参考文献:B.W.Hardy等,J.Med.Chem.32:1108(1989))に代えることによって製造した。
1H NMR (DMSO-d6)δppm 1.7-3.2(m,6H,-CH2CH2-),3.5-3.6(m,2H,5'-CH2),3.9-4.3(m,3H,2'-CH,3'-CH,4'-CH),5.2-5.4(m,3H,2'-OH,3'-OH,5'-OH),5.5(d,2H,1'-CH),5.9(ブロードs,2H,5-NH2),7.3(s,1H,2-CH),7.5-8.2(m,5H,-CH6H4NO2,4-CONH-).
5-アミノ-1-(5-アミノ-5-デオキシ-2,3-ジ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[(4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミド(化合物番号78(1-599))の製造
A.5-アミノ-1-(5-アジド-5-デオキシ-2,3-ジ-O-アセチル-β-D-リボフラノシル)イミダゾール-4-N-[4-クロロフェニル)メチル]カルボキシアミドの製造
化合物52(実施例AH)2.4g(5.8mmol)を、ジメチルホルムアミド20mlおよびピリジン20mlの混合液に溶解した。この溶液をアルゴン下で3℃に冷却し、酢酸無水物1.5g(14mmol)を加えた。この混合物を18時間にわたって室温に温めた後、濃縮することによりシロップ状にした。このシロップ状物を塩化メチレン25mlに溶解し、水(3x15ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去することにより白色泡状物3.0gを得た。これを、塩化メチレン/メタノール(95/5)混合液を用いるシリカゲル(200ml)クロマトグラフィーでさらに精製することにより目的の生成物2.5gを白色泡状物として得た。
工程Aの生成物400mgをエタノール10mlに溶解し、10% Pd-炭素 50mgを加えた。この混合物を水素雰囲気下で30分間撹拌し、濾過し、その濾液の溶媒を留去することにより目的の生成物300mgを白色泡状物として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ2.0(s,3H,CH3CO-),2.1(s,3H,CH3CO-),2.9(m,2H,5'-CH2),4.1(m,1H,4'-CH),3.4(ブロードs,2H,5'-NH2),4.4(d,2H,-CH2-C6H4-Cl),5.3(m,1H,3'-CH),5.6(m,1H,3'-CH),5.8(d,1H,1'-CH),6.4(ブロードs,2H,5-NH2),7.3(m,4H,-C6H4-Cl),7.4(s,1H,2-CH),8.1(t,1H,4-CONH-).
Claims (1)
- 式:
[式中、Xは−CH 2 −を表し;
R1は水素、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、またはジヒドロカルビルアミノアルキレンイミノを表し;
R2は(窒素原子に結合している)アミド水素の1つが任意にアルキル、シクロアルキル、またはアリールもしくはアラルキル(任意に、ハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチル、またはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい)で置換されていてもよいカルボキサミドを表すか、もしくはR2は両アミド水素がアルキルで置換されたカルボキサミドを表すか、もしくは両アミド水素が共に1つのアルキレンまたはアルアルキレン基で置換されて環を形成しているカルボキサミドを表すか、もしくはR2は−C(O)−S−R7(R7はアルキル、シクロアルキル、あるいはアリールまたはアラルキル(任意にハロゲン、アルキル、アリール、ニトロ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、トリフルオロメチル、またはスルホンアミドから独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい)を表す)を表すか、もしくはR2は、式:
(式中、alkは2ないし8炭素原子のアルキレンを表す)
で表される基であり;
R3は水素、ヒドロカルビル、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、またはヒドロカルビルチオを表し;
R4およびR5は独立に水素、(1ないし約18炭素原子の)ヒドロカルビル、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表し;そして、
R6は水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルもしくはその塩を表す;
ただし、
(1)−X−が−CH 2 −を表し、R1がアミノを表し、R2が非置換カルボキサミドを表し、R3が水素を表し、そしてR4およびR5が独立に水素、アシルまたはヒドロカルビルオキシカルボニルを表す場合、
R6はヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、またはリン酸エステルもしくはその塩を表す;
(2)R4およびR5が共に水素を表す場合、
R6は水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、アミノ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、またはヒドロカルビルオキシカルボキシを表す;
(3)R 4およびR5が共にアセチルを表す場合、
R6はスルファミルオキシ、ヒドロカルビルアミノ、アジド、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルもしくはその塩を表す;および
(4)R2が−CONH2を表し、R3が水素を表す場合、
R6は水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、スルフヒドリル、ヒドロカルビルチオ、スルファミルオキシ、ヒドロカルビルアミノ、アシルオキシ、ヒドロカルビルオキシカルボキシまたはリン酸エステルもしくはその塩を表す]
で表されるAICAリボシドの置換イミダゾール類縁体からなる化合物。
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