JP2009099464A - チューブ型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】アノード電極に供給される液体燃料を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れる、構成が簡単なチューブ型燃料電池を提供する。
【解決手段】外周面側にアノード電極を有するチューブ型燃料電池セルを備えたチューブ型燃料電池スタックと、該チューブ型燃料電池スタックを収容する燃料容器と、を備え、燃料容器内に液体燃料が満たされるとともに、燃料容器内に液体燃料を攪拌させる攪拌機が備えられていることを特徴とする、チューブ型燃料電池とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アノード電極に供給される液体燃料を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れる、構成が簡単なチューブ型燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質層と、電解質層の表面に配設される電極(アノード及びカソード)とを備える積層体で電気化学反応を起こし、当該電気化学反応により発生した電気エネルギーを、電極と接続された集電体を介して外部に取り出す装置である。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下「PEFC」という。)は、低温領域での運転が可能であり、起動時間が短く、システムが小型軽量であることから、電気自動車の動力源や携帯用電源として注目されている。
上記PEFC以外にも様々な形態の燃料電池が提案されており、具体的には、例えば、直接型メタノール燃料電池(以下「DMFC」という。)を挙げることができる。DMFCはPEFCの一種であるとも言えるが、一般的なPEFCが燃料として水素(気体)を用いるのに対し、DMFCはその名の通り、燃料としてメタノール(液体)を用いる。燃料に液体を用いることができる燃料電池としては、DMFCの他に、例えば、アルカリ型燃料電池(以下「AFC」という。)を挙げることができる。PEFCやDMFCはアノード電極からカソード電極へと水素イオンを移動させるのに対し、AFCは燃料としてアルカリ水溶液型燃料を用いて、カソード電極からアノード電極へと水酸化物イオンを移動させる。
また、燃料電池の形状についても様々な提案がなされている。具体的には、複数の平板型の燃料電池セルを積層したもの(以下「平板型燃料電池」ということがある。)や、複数のチューブ型の燃料電池セルを束ねて電気的に接続したもの(以下「チューブ型燃料電池」ということがある。)がある。
平板型のDMFCとしては、例えば、特許文献1に、セルスタックと、セルスタックが浸漬される、液体燃料を貯蔵した燃料タンクとを備え、セルスタックは、プロトン導電性の高分子膜からなる電解質を介して一対の空気極と燃料極とが接合された電極−膜接合体を、燃料極側に液体燃料を供給し、燃料極側で生成した反応生成物を排出するための燃料流路と、空気極側に空気を供給し、空気極側で生成した反応生成物を排出するための空気流路とを有するセパレータ板を介在させて積層し、かつ燃料流路は、燃料タンク内の液体燃料をセルスタック内に導入するための開口を設けたものであり、液体燃料に、酸を添加しない有機溶媒と水の混合物を用いることを特徴とする直接液体供給形燃料電池に関する技術が開示されている。
一方、チューブ型のDMFCとしては、例えば、特許文献2に、液体の燃料を酸化するアノードと酸素を還元するカソードと上記アノードと上記カソードとを絶縁する電解質膜を有する燃料電池であって、上記燃料電池は中空支持体構造であって、上記中空支持体の外周面にアノード,電解質膜,カソードを配して発電部が構成され、上記中空支持体内部で上記燃料が上記発電部外部で上記酸素を含む気体が接触することを特徴とする燃料電池に関する技術が開示されている。
特開2005−135811号公報 特開2004−259705号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術のように、液体燃料が満たされた容器に平板型燃料電池を浸した形態では、容器内で液体燃料を攪拌することが困難である。そのため、容器内で液体燃料の濃度分布が生じたり、燃料電池セルでの電気化学反応で生成される気体が電極表面に滞留したりすることによって、燃料電池の発電性能が低下する虞がある。また、特許文献2に開示されているような従来のチューブ型燃料電池では、チューブ型燃料電池セルでの電気化学反応によって生じる気体を電極表面から除去するため、未反応の液体燃料を捨てるか、又は循環させることによって、液体燃料に流れを与えてその液体燃料と共に電極表面の気体を除去している。しかし、未反応の液体燃料を捨てるとすると、液体燃料の利用効率が悪くなる。また、未反応の液体燃料を循環させるとすると、循環させるためにポンプなどを含むシステムが別途必要となる。すなわち、部品点数が増えて構成が複雑になるうえ、ポンプなどを動かすためのエネルギーが必要になる。
そこで本発明は、アノード電極に供給される液体燃料を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れる、構成が簡単なチューブ型燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、外周面側にアノード電極を有するチューブ型燃料電池セルを備えたチューブ型燃料電池スタックと、該チューブ型燃料電池スタックを収容する燃料容器と、を備え、燃料容器内に液体燃料が満たされるとともに、燃料容器内に液体燃料を攪拌させる攪拌機が備えられていることを特徴とする、チューブ型燃料電池である。
本発明において、「外周面側にアノード電極を有するチューブ型燃料電池セル」とは、中空形状をしており、内周面側にカソード電極を有し、外周面側にアノード電極を有するチューブ型燃料電池セルであって、アノード電極側に供給される燃料として液体を用いるものであれば特に限定されず、公知のチューブ型燃料電池セルで良い。また、「チューブ型燃料電池セルを備えたチューブ型燃料電池スタック」とは、チューブ型燃料電池セルが電気的に複数連結されて一体化されたものであって、具体的には、例えば、チューブ型燃料電池セルを複数束ねて構成されたチューブ型燃料電池モジュールを複数積層したものなどである。さらに、「チューブ型燃料電池スタックを収容する燃料容器」とは、上記チューブ型燃料電池スタックを収容できる容器であって、液体燃料を漏らさずに溜められる容器を意味する。加えて、「燃料容器内に、液体燃料が満たされる」とは、燃料容器内に収容されたチューブ型燃料電池スタックが浸るように、燃料容器内に液体燃料が満たされていることを意味する。
上記本発明のチューブ型燃料電池において、燃料容器が密閉性を有するとともに、該燃料容器にガス排出弁が備えられていることが好ましい。
ここに、「燃料容器が密閉性を有する」とは、燃料容器が、燃料容器内に供給された液体燃料、及びチューブ型燃料電池の運転中にアノード電極側から生じる気体を、意図せずに燃料容器の外に漏らすことがない程度の密閉性を有する容器であることを意味する。また、「燃料容器にガス排出弁が備えられている」とは、燃料電池の運転中にアノード電極側から生じる気体を、燃料容器の外に任意に排出することができる排出弁が、燃料容器に備えられることを意味する。
上記本発明のチューブ型燃料電池において、燃料容器内に、気液分離膜が備えられていることが好ましい。
ここに、「気液分離膜」とは、液体を通さずに気体のみ通すことが可能な膜、すなわち、燃料容器内に供給された液体燃料と、燃料容器内に存在する気体とを分離することが可能な膜を意味する。本発明に用いることができる気液分離膜の具体例としては、例えば、ゴアテックス(「ゴアテックス」は、ジャパンゴアテックス株式会社の登録商標。)、ポアフロン(「ポアフロン」は住友電気工業株式会社の登録商標。)などを挙げることができる。
上記本発明のチューブ型燃料電池において、燃料容器内の液体燃料の量を測定する手段が備えられていることが好ましい。
ここに、「燃料容器内の液体燃料の量を測定する手段」とは、燃料容器内に満たされた液体燃料の量を測定できるものであれば良く、特に限定されない。具体的には、例えば、燃料容器内に満たされた液体燃料の液面高さを測るレベルゲージなどを挙げることができる。
上記本発明のチューブ型燃料電池において、燃料容器内の液体燃料の濃度を測定する手段が備えられていることが好ましい。
ここに、「燃料容器内の液体燃料の濃度を測定する手段」とは、燃料容器内に満たされた液体燃料の濃度を測定できるものであれば特に限定されず、チューブ型燃料電池の運転中に燃料容器内に満たされた液体燃料の濃度が変わる形態の場合に備えられることが好ましい。
本発明によれば、液体燃料が満たされた燃料容器内に、外周面側にアノード電極を有するチューブ型燃料電池セルを備えたチューブ型燃料電池スタックが収容され、さらに、燃料容器内の液体燃料を攪拌させることによって、簡単な構成で、アノード電極に供給される液体燃料を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れるチューブ型燃料電池を提供することができる。
また、燃料容器が密閉性を有するとともに、該燃料容器にガス排出弁が備えられていることによって、燃料容器内の液体燃料は漏れることなく、燃料容器内の気体は任意に排出させて適切に処理することが容易になる。
また、燃料容器内に気液分離膜が備えられることによって、簡単な構成で、燃料容器から液体燃料を漏らすことなく、気体のみを排出させることができる。
また、燃料容器内の液体燃料の量を測定する手段が備えられることによって、チューブ型燃料電池セルでの電気化学反応によって消費された分の液体燃料を、燃料容器内に供給することが容易になる。
また、燃料容器内の液体燃料の濃度を測定する手段が備えられることによって、チューブ型燃料電池セルでの電気化学反応が進むにつれて燃料容器内の液体燃料の濃度が変わる形態のチューブ型燃料電池の場合に、燃料容器内の液体燃料の量と濃度を調整することが容易になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明のチューブ型燃料電池について、具体的に説明する。
第1実施形態
図1は、本発明にかかるチューブ型燃料電池の第1実施形態であるチューブ型燃料電池10の断面を概略的に示す図である。図面の上下方向が、チューブ型燃料電池10の上下方向である。図中の矢印は、液体燃料の流れの向きを示している。また、図が煩雑になるのを防ぐため、一部符号を省略している。
図1に示すように、チューブ型燃料電池10には、チューブ型燃料電池スタック1、チューブ型燃料電池スタック1を収容する燃料容器4が備えられ、燃料容器4には液体燃料7が満たされるとともに、液体燃料7を攪拌することができる攪拌機5が具備されている。さらに、燃料容器4には燃料供給口6、及びガス排出弁11が備えられおり、燃料供給口6からは液体燃料7を燃料容器4内に供給することができ、ガス排出弁11からは液体燃料7の液面8より上部に形成された空間9に溜まった気体を排出させることができる。
チューブ型燃料電池スタック1は、直径が約1mmで、長さが約150mmのチューブ型燃料電池セル2を100本内蔵したチューブ型燃料電池モジュール3が400個積層されているものとする。チューブ型燃料電池スタック1に備えられるチューブ型燃料電池セル2は、外周面側にアノード電極を有し、該アノード電極に供給される燃料として液体を用いるものであれば、特に限定されず、公知のもので良い。以下の本発明の説明においては、チューブ型燃料電池セル2が、中空形状の電解質膜、当該電解質膜の内周面側に形成されるカソード電極、及び当該電解質膜の外周面側に形成されるアノード電極を備える、チューブ型のDMFCであって、液体燃料7がメタノール水溶液(以下「メタノール7」という。)であるとする。
燃料容器4は、チューブ型燃料電池スタック1、及び攪拌機5を収容でき、燃料供給口6から燃料容器4内へと供給されたメタノール7でチューブ型燃料電池スタック1、及び攪拌機5を十分に浸せる容積を有する容器である。また、燃料容器4は、燃料容器4内のメタノール7及び気体を意図せずに漏らすことがない程度の密閉性を有し、メタノール7と反応しないことや耐熱性など、チューブ型燃料電池10の運転中の環境に耐え得る性能を有する。燃料容器4は、これらの条件を備えるものであれば特に限定されず、金属製でも樹脂製でも良い。
チューブ型燃料電池10では、燃料容器4に設けられた燃料供給口6から燃料容器4内にメタノール7が供給される。燃料容器4内に供給されたメタノール7は、攪拌機5によって燃料容器4内で攪拌され、図1に示すように、チューブ型燃料電池スタック1を通過する。攪拌機5は、燃料容器4内でメタノール7の攪拌を行うことができ、チューブ型燃料電池10の運転時の環境に耐え得るものであれば特に限定されないが、できる限り消費電力を抑えられるものが好ましい。
攪拌機5によって攪拌され、チューブ型燃料電池スタック1を通過するメタノール7は、チューブ型燃料電池セル2、2、…のアノード電極へと達する。そして、アノード電極へと達したメタノール7は、アノード電極に分散された触媒の作用下で、下記反応式(1)に示すように、プロトンと電子と二酸化炭素とに分離する。
CHOH+HO → CO+6H+6e (1)
アノード電極で生じたプロトンは、アノード電極、電解質膜、及び、カソード電極に含有されるプロトン伝導性ポリマーによって伝導され、カソード電極へと達する。これに対し、アノード電極で生じた電子及び二酸化炭素は電解質膜を通過することができない。そのため、二酸化炭素は空間9に溜る。空間9に溜まった二酸化炭素は、ガス排出弁11を適宜開放することで燃料容器4から任意に排出される。電子はアノード電極の内周面側に配設された内側集電体、及びカソードの外周面側に配設された外側集電体を含む外部回路を経て、カソード電極へと達する。
一方、カソード電極(チューブ型燃料電池セル2の内周面側)には、図示していない配管から空気などの酸素含有ガス(以下、「空気」という。)が供給される。上述した過程を経てカソード電極へと達したプロトン及び電子は、カソード電極に分散された触媒の作用下で、カソード電極へと供給される空気に含有される酸素と、下記反応式(2)に示す反応をする。
+4H+4e → 2HO (2)
したがって、チューブ型燃料電池セル2全体では、下記反応式(3)で示す反応が起こることになり、この電気化学反応の過程において、上述したように電子が外部回路を経て移動するため、電気エネルギーが取り出される。
CHOH+3/2O → CO+2HO (3)
チューブ型燃料電池10の運転中、燃料容器4内のメタノール7は、上記反応式(3)に示したように、チューブ型燃料電池セル2、2、…での電気化学反応によって消費される。したがって、燃料容器4内に新たにメタノール7が供給されなければ、燃料容器4内のメタノール7の量は減少していく一方である。チューブ型燃料電池10では、燃料容器4内のメタノール7の量を測定するレベルゲージ(不図示)を備えることによって、電気化学反応によって消費された分のメタノール7を燃料容器4内へと供給し続け、燃料容器4内のメタノール7の量を一定に保つことが容易である。
このように、チューブ型燃料電池10では、燃料容器4内に供給されたメタノール7がチューブ型燃料電池セル2、2、…での電気化学反応によって消費されるまで燃料容器4内に留められ、さらに、燃料容器4内のメタノール7の量が一定に保たれることによって、安定した運転を続けることが可能である。
チューブ型燃料電池10では、上記反応式(1)に示すように、チューブ型燃料電池セル2での電気化学反応によって、チューブ型燃料電池セル2のアノード電極側で二酸化炭素が生じる。この二酸化炭素が電極表面に滞留すれば、アノード電極へのメタノール7の供給が阻害され、発電性能が低下する虞がる。そのため、チューブ型燃料電池10では、攪拌機5によって燃料容器4内のメタノール7を攪拌している。燃料容器4内のメタノール7を攪拌することで、チューブ型燃料電池セル2のアノード電極に、流れを持ったメタノール7を供給することができる。アノード電極に、流れを持ったメタノール7が供給されることによって、アノード電極表面の二酸化炭素を除去することができため、アノード電極の全面にメタノール7を供給することができる。また、攪拌機5によって燃料容器4内のメタノール7が攪拌されることによって、燃料容器4内のメタノール7の濃度の均一性を向上させるという効果も得られる。したがって、チューブ型燃料電池10は、発電性能の向上を図ることができる。
流れを持ったメタノール7がアノード電極に供給される過程について、以下により具体的に説明する。
チューブ型燃料電池セル2の形状がチューブ型であることによって、複数のチューブ型燃料電池セル2を備えたチューブ型燃料電池スタック1では、チューブ型燃料電池セル2同士の間に間隙が形成されている。そのため、燃料容器4内のメタノール7を攪拌機5で攪拌すると、メタノール7は、図1に示すように、チューブ型燃料電池スタック1を容易に通り抜けることができる。より具体的に言えば、チューブ型燃料電池スタック1に備えられるチューブ型燃料電池セル2同士の間に間隙が形成されていることによって、攪拌機5によってチューブ型燃料電池スタック1の方へと送られたメタノール7は、大きな圧損を受けずにその間隙を通って、容易にチューブ型燃料電池スタック1を通り抜けることができる。また、チューブ型燃料電池セル2は、外周面側にアノード電極を有している。すなわち、チューブ型燃料電池セル2は、アノード電極が剥き出しの状態になっている。したがって、チューブ型燃料電池スタック1を通り抜けるメタノール7は、チューブ型燃料電池セル2同士の間に形成された間隙を流通する際に、チューブ型燃料電池セル2のアノード電極に供給される。つまり、流れを持ったメタノール7がチューブ型燃料電池セル2のアノード電極に供給されることになる。
従来の液体燃料を用いるチューブ型燃料電池では、アノード電極に供給される液体燃料に流れを持たせるためには、未反応の液体燃料を排出させて捨てる、又は未反応の液体燃料を一旦排出させて循環させるためのシステムを設けて循環させるといった方法を採っていた。従来のように、未反応の液体燃料を排出させて捨てるとすれば、液体燃料の利用効率が悪くなる。また、未反応の液体燃料を循環させるとすれば、循環させるためにポンプ等を含むシステムが必要になり、部品点数が増えて構成が複雑になるうえ、ポンプなどを動かすためのエネルギーが必要になる。
しかし、チューブ型燃料電池10では、上述したように、燃料容器4から未反応のメタノール7を排出させて捨てることなく、また、一旦燃料容器4から排出させて循環させるためのシステムを備えることなく、攪拌機5を備えるだけで、燃料容器4内でメタノール7に流れを持たせることができる。したがって、チューブ型燃料電池10は、簡単な構成で、チューブ型燃料電池セル2、2、…のアノード電極に供給されるメタノール7を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れる。
第2実施形態
図2は、本発明にかかるチューブ型燃料電池の第2実施形態であるチューブ型燃料電池20の断面を概略的に示す図である。図中の矢印は、液体燃料の流れの向きを示している。図2において、図1と同様の構成を採るものには、図1で用いた符号と同符号を付し、適宜説明を省略する。また、図が煩雑になるのを防ぐため、一部符号を省略している。
図2に示すように、チューブ型燃料電池20には、チューブ型燃料電池スタック1、チューブ型燃料電池スタック1を収容する燃料容器24が備えられ、燃料容器24にはメタノール7が満たされるとともに、メタノール7を攪拌することができる攪拌機5が具備されている。さらに、燃料容器24には燃料供給口26、及び気液分離膜28が備えられおり、燃料供給口26からはメタノール7を燃料容器24内に供給することができ、気液分離膜28を介して燃料容器24内の気体を排出させることができる。
燃料容器24は、チューブ型燃料電池スタック1、及び攪拌機5を収容でき、燃料供給口26から燃料容器24内へと供給されたメタノール7でチューブ型燃料電池スタック1、及び攪拌機5を十分に浸せる容積を有する容器である。また、燃料容器24は、燃料容器24内のメタノール7を意図せずに漏らすことがない程度の密閉性を有し、メタノール7と反応しないことや耐熱性など、チューブ型燃料電池20の運転中の環境に耐え得る性能を有する。燃料容器24は、これらの条件を備えるものであれば特に限定されず、金属製でも樹脂製でも良い。
チューブ型燃料電池20の運転中は、上述したチューブ型燃料電池10と同様に、燃料容器24内のメタノール7が攪拌機5で攪拌され、燃料容器24内のチューブ型燃料電池セル2、2、…での電気化学反応によってメタノール7が消費されて、電気エネルギーが取り出されるとともに、二酸化炭素が発生する。チューブ型燃料電池20では、燃料容器24内のメタノール7の量を測定するレベルゲージ(不図示)を備えることによって、チューブ型燃料電池10と同様に、燃料供給口26から燃料容器24内にメタノール7が供給され、燃料容器24内のメタノール7の量を一定に保ち、安定した運転を続けることが容易である。また、電気化学反応によって発生した二酸化炭素は、気液分離膜28を通って、燃料容器24の外へと排出される。気液分離膜28は、チューブ型燃料電池20の運転中の環境に耐え得るものであって、メタノール7を透過させず、二酸化炭素を透過させる膜でれば特に限定されない。気液分離膜28の具体的例としては、ゴアテックス(「ゴアテックス」は、ジャパンゴアテックス株式会社の登録商標。)、ポアフロン(「ポアフロン」は住友電気工業株式会社の登録商標。)などを挙げることができる。
チューブ型燃料電池20は、チューブ型燃料電池10と同様に、燃料容器24内のメタノール7を、電気化学反応で消費されるまで燃料容器24内に留めることが可能であり、燃料容器24内のメタノール7を攪拌機5で攪拌することによって、チューブ型燃料電池セル2、2、…のアノード電極に、流れを持ったメタノール7を供給することができる。したがって、チューブ型燃料電池20は、簡単な構成で、チューブ型燃料電池セル2、2、…のアノード電極に供給されるメタノール7を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れる。
本発明のチューブ型燃料電池のような、アノード電極に供給される液体燃料を排出させずに運転する方法を、平板型燃料電池に適用した場合は、以下のような欠点を有することになる。
平板型燃料電池スタックは平板型のMEAとセパレータとが交互に積層された形態となっているため、アノード電極は剥き出しの状態になっていない。平板型燃料電池スタックに備えられる単セルのアノード電極に液体燃料を供給するには、アノード電極に隣接するセパレータに刻設された流路に液体燃料を流通させる必要がある。しかし、液体燃料を排出させずに、当該流路で液体燃料を攪拌する(液体燃料に流れを持たせる)ことは困難である。したがって、流路の液体燃料を排出させなければ、液体燃料が流路内で停滞することになり、燃料電池の運転中にアノード電極側で生じる気体を除去することができない。そのため、アノード電極への液体燃料の供給が阻害され、燃料電池の性能低下に繋がる虞がある。さらに、セパレータに刻設された流路から液体燃料を排出させずに留めておくと、液体燃料の濃度が不均一になり、燃料電池の性能低下に繋がる虞がある。
これまでの本発明の説明では、メタノール水溶液を燃料とするDMFCを用いる形態について説明してきたが、本発明はかかる形態に限定されるものではない。本発明に用いることができるチューブ型燃料電池セルは、外周面側にアノード電極を有し、アノード電極に供給される燃料として液体を用いるものであれば良く、その液体燃料はメタノール水溶液に限定されない。本発明に用いることができるDMFC以外のチューブ型燃料電池セルとして、DMFCと同様にアノード電極からカソード電極へと水素イオンを移動させる形態のものでは、液体燃料としてエタノール、イソプロピルアルコール水溶液、エチレングリコール水溶液などを用いる形態のチューブ型燃料電池セルを挙げることができる。また、カソード電極からアノード電極へと水酸化物イオンを移動させるAFCを用いる場合には、液体燃料として、ボロンハライド水溶液、メタノール水溶液、エタノール、ヒトラジン水溶液、アンモニア水溶液などから選択することができる。
また、これまでの本発明の説明において、チューブ型燃料電池10のように、燃料容器4(密閉容器)にチューブ型燃料電池スタック1を収容し、ガス排出弁11から気体を排出させる形態のチューブ型燃料電池と、チューブ型燃料電池20のように、チューブ型燃料電池スタック1を、気液分離膜28を備える容器に収容し、気液分離膜28を介して気体を排出させる形態のチューブ型燃料電池とについて説明してきた。このどちらの形態のチューブ型燃料電池であっても、簡単な構成で、アノード電極に供給される液体燃料を高効率で利用することが可能であるとともに、発電性能の向上を図れる、という本発明特有の効果を得ることができる。ただし、より簡単な構成にするという観点からは、チューブ型燃料電池20のように、気液分離膜28を備える形態が好ましい。一方、液体燃料としてアンモニア水溶液を用いる場合など、そのまま大気中に放出させることが好ましくない気体を排出させる可能性がある場合は、チューブ型燃料電池10のように、ガス排出弁11から気体を排出させる形態とした方が、排出された気体を大気中に放出する前に適当な処理を施すことが容易であるため好ましい。
さらに、これまでの本発明の説明では、燃料容器内の液体燃料の量を測定することによって、チューブ型燃料電池の運転中に、燃料容器内に液体燃料を供給し続ける形態について説明したが、用いるチューブ型燃料電池セルの種類(液体燃料の種類)によっては、かかる形態では燃料容器内の液体燃料の濃度を一定に保つことが困難になる場合がある。具体的には、例えば、メタノール水溶液を燃料とするDMFCなどのように、チューブ型燃料電池セルでの電気化学反応の進行に伴って、燃料容器内の液体燃料の濃度に変化が生じ難い場合は、一定濃度の液体燃料を燃料容器内に供給し続ければ良いため、燃料容器内の液体燃料の量のみを測定する形態であっても良いと考えられる。一方、チューブ型燃料電池セルでの電気化学反応の進行に伴って、燃料容器内の液体燃料の濃度に変化が生じる場合は、燃料容器内の液体燃料の濃度を測定する手段を備えることが好ましい。かかる手段を備えることで、燃料容器内の液体燃料の濃度を把握することが可能になり、燃料容器内の液体燃料の量及び濃度を調整することで、その量及び濃度を一定に保ち、燃料電池を安定して運転させることが可能になる。チューブ型燃料電池セルでの電気化学反応の進行に伴って、燃料容器内の液体燃料の濃度に変化が生じるチューブ型燃料電池セルの具体例としては、例えば、上述したAFCを挙げることができる。AFCでは、電気化学反応によってアノード電極側で水が生成されるため、一定濃度の液体燃料を燃料容器内に供給すると、電気化学反応の進行に伴って、燃料容器内の液体燃料の濃度が薄くなる。
本発明のチューブ型燃料電池10の断面を概略的に示す図である。 本発明のチューブ型燃料電池20の断面を概略的に示す図である。
符号の説明
1 チューブ型燃料電池スタック
2 チューブ型燃料電池セル
3 チューブ型燃料電池モジュール
4 燃料容器
5 攪拌機
6 燃料供給口
7 液体燃料
8 液面
9 空間
10 チューブ型燃料電池
11 ガス排出弁
20 チューブ型燃料電池
24 燃料容器
26 燃料供給口
28 気液分離膜

Claims (5)

  1. 外周面側にアノード電極を有するチューブ型燃料電池セルを備えたチューブ型燃料電池スタックと、前記チューブ型燃料電池スタックを収容する燃料容器と、を備え、
    前記燃料容器内に液体燃料が満たされるとともに、前記燃料容器内に前記液体燃料を攪拌させる攪拌機が備えられていることを特徴とする、チューブ型燃料電池。
  2. 前記燃料容器が密閉性を有するとともに、前記燃料容器にガス排出弁が備えられていることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ型燃料電池。
  3. 前記燃料容器内に、気液分離膜が備えられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のチューブ型燃料電池。
  4. 前記燃料容器内の前記液体燃料の量を測定する手段が備えられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチューブ型燃料電池。
  5. 前記燃料容器内の前記液体燃料の濃度を測定する手段が備えられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のチューブ型燃料電池。
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