JP2009098135A - 物質検出装置及び物質検出方法 - Google Patents

物質検出装置及び物質検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】上記事実を考慮して、小型でありながら物質の検出精度を向上することができる物質検出装置、及び小型の装置で高精度での物質検出を実現することができる物質検出方法を得る。
【解決手段】可搬型NOx検出装置10は、赤外光源26と、4つ以上の反射ミラー22によって光が周回し得る閉光路Cが形成される光学リングセル20と、閉光路Cに赤外光源26から赤外光を入射させると共に閉光路Cから光学リングセル20の外側に赤外光を出射させるための光学チョッパ30と、閉光路Cから出射された赤外光の強度に応じた信号を出力する高感度MCT装置36とを備えている。
【選択図】図10

Description

本発明は、光を利用した物質検出装置、物質検出方法に関する。
半導体レーザーを用いたガスタービン排気ジェット中の窒素酸化物部(NO、NO2)の同時測定装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、レーザー光を利用して、液体中の物質を検出する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
朱、山田、林、「半導体レーザーを用いたガスタービン排気ジェット中のNO/NO2同時測定装置の研究開発 −半導体レーザーを用いたガスタービン排気ジェット中のNO/NO2同時測定装置−」、宇宙航空研究開発機構研究開発資料ISSN 1349−1121 JAXA−RM−05−002、宇宙航空研究開発機構、2005年10月 特開2001−267047号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、折り返しミラーを対向配置して被検出物質を含むガス中にレーザ光を多重反射させる構成であるため、レーザ光の光路を長くして光の減衰率すなわち検出感度を高めることに制約がある。すなわち、多重反射によるレーザ光の光路を長くするためには、折り返しミラーとして大口径で高精度の曲面ミラーが必要になり、装置が大型化してしまう。装置の大型化は、搬送性や移動性を阻害する。また、装置の大型化により多量の被測定物のサンプリング(ガスの置換等)が必要になり、該サンプリングを含む測定時間が長くなってしまう。
本発明は、上記事実を考慮して、小型でありながら物質の検出精度を向上することができる物質検出装置、及び小型の装置で高精度での物質検出を実現することができる物質検出方法を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る物質検出装置は、光源と、3つ以上の反射ミラーによって、所定の方向から入射された光が周回し得る閉光路が形成される光学系と、前記光源の光を、前記光学系の閉光路に対し、前記所定の方向から入射させる入射手段と、前記光学系の閉光路から光を出射させる出射手段と、前記出射手段により前記光学系の閉光路から出射された光の強度に応じた信号を出力する光強度検出器と、を備えている。
請求項1記載の物質検出装置では、入射手段によって光学系に形成された閉光路(環状の光路)に光源の光を入射させると、この光は各反射ミラーで反射されながら閉光路を周回する。この周回に伴って光は、例えば被検出物質に吸収される。このため、光路に被検出物質が存在していた場合には、出射手段によって閉光路から出射された光は、入射光に対し強度が低下される。この出射光の強度を光強度検出器で検出することで、例えば被検出物質の有無や濃度等を検出することができる。ここで、本物質検出装置では、3つ以上の反射ミラーを並べて形成された閉光路を光が周回する構造であるため、個々の反射ミラーを大型化することなく、光路長(光の行程)を長く設定することができる。このため、本物質検出装置は、全体として小さく構成することができ、かつ物質の検出精度を高めることができる。
このように、請求項1記載の物質検出装置では、小型でありながら物質の検出精度を向上することができる。
請求項2記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1記載の物質検出装置において、前記光学系は、前記光学系は、前記3つ以上の反射ミラーが、それぞれ周方向に隣り合う前記反射ミラーに向けて光を反射する多角形状を成すように配置されて構成されている。
請求項2記載の物質検出装置では、3つ以上の反射ミラーの多角形状の配置によって、周方向に隣り合う反射ミラーに向けて光を反射する多角形状の閉光路が形成されているため、構造が簡単である。また、光学系の設定(調整)も容易である。
請求項3記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1又は請求項2記載の物質検出装置において、前記光学系は、前記閉光路を周回する光が全ての前記反射ミラーの表面で全反射されるように、前記3つ以上の反射ミラーが配置されて構成されている。
請求項3記載の物質検出装置では、全ての反射ミラーの表面で光が全反射されるので、各反射ミラーでの反射に伴う光の減衰が小さい。このため、光学系の閉光路での光の反射回数すなわち周回数(光路長)を増加することができ、検出精度の向上に寄与する。
請求項4記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の物質検出装置において、前記入射手段は、前記3つ以上の反射ミラーの少なくとも1つに部分的に設けられ光を透過させ得る光入射部と、前記光入射部を前記閉光路への光の入射を許容する入射許容位置と該閉光路への光の入射を禁止する入射禁止位置との間で移動可能な入射切替手段とを有し、前記出射手段は、前記3つ以上の反射ミラーの少なくとも1つに部分的に設けられ光を透過させる光出射部と、前記光出射部を前記閉光路からの光の出射を許容する出射許容位置と該閉光路からの光の出射を禁止する出射禁止位置との間で移動可能な出射切替手段とを有する。
請求項4記載の物質検出装置では、反射ミラーの1つに設けられた光入射部が入射切替手段によって入射許容位置に移動された状態で、光源の光が閉光路に入射される。この光は、各反射ミラーに反射されつつ閉光路を周回する。そして、上記した光入射部が設けられた反射ミラー又は他の反射ミラーに設けられた光出射部が、出射切替手段によって出射許容位置に至らされると、閉光路を周回した光が光出射部から出射される。これにより、例えば光入射部や光出射部を開閉するシャッタ等を有しない構成とすることができる。
請求項5記載の発明に係る物質検出装置は、請求項4記載の物質検出装置において、前記入射切替手段は、前記光入射部が設けられた前記反射ミラーを、該反射ミラーの反射面に対し直角でかつ前記光入射部から径方向にずれて配置された軸線廻りに回転させることで、前記入射許容位置と入射禁止位置をと切り替えるように構成され、前記出射切替手段は、前記光出射部が設けられた前記反射ミラーを、該反射ミラーの反射面に対し直角でかつ前記光出射部から径方向にずれて配置された軸線廻りに回転させることで、前記出射許容位置と出射禁止位置をと切り替えるように構成されている。
請求項5記載の物質検出装置では、光入射部が設けられた反射ミラーが上記軸線廻りに回転して、該光入射部が光学系の閉光路に一致する入射許容位置に至ると、該閉光路への光の入射が可能になる。また、光出射部が設けられた反射ミラーが上記軸線廻りに回転して、該光出射部が光学系の閉光路に一致する出射許容位置に至ると、該閉光路から光が出射される。これにより、光入射部が設けられた反射ミラー、光出射部が設けられた反射ミラーを回転駆動することで、連続的に入射、出射を繰り返すことが可能になる。
請求項6記載の発明に係る物質検出装置は、請求項5記載の物質検出装置において、前記光入射部と光出射部とは、同一の前記反射ミラーに設けられている。
請求項6記載の物質検出装置では、1つの反射ミラーを回転させることで、該反射ミラーによる光の入射状態と、反射状態と、出射状態とを切り替えることができ、構造が簡単である。
請求項7記載の発明に係る物質検出装置は、請求項6記載の物質検出装置において、前記光入射部及び光出射部は、前記反射ミラーの径方向に長手とされた共通の光学窓であり、該長手方向が前記閉光路の光軸と略平行となる場合に前記光源の光が入射及び出射されるようになっている。
請求項7記載の物質検出装置では、反射ミラーの光学窓が閉光路の光軸と略平行な方向に長手となるとき(光学窓が閉光路に沿って位置する場合)に、該光学窓から光が入射、出射される。この構成では、一度に多量の光を閉光路に入射させやすい。そして、閉光路に入射された光は、例えば該閉光路で拡がることで入射に対し出射が制限され、一部の光が閉光路を長距離に亘り周回する状態を得ることができる。
請求項8記載の発明に係る物質検出装置は、請求項6記載の物質検出装置において、前記光入射部及び光出射部は、前記反射ミラーの径方向に長手とされた共通の光学窓であり、該長手方向が前記閉光路の光軸と略直角を成す場合に前記光源の光が入射及び出射されるようになっている。
請求項8記載の物質検出装置では、反射ミラーの光学窓が閉光路の光軸と略直角を成す方向に長手となるときに、該光学窓から光が入射、出射される。この構成では、出射される光量を少なく抑えやすい。そして、閉光路に入射された光は、例えば該閉光路で拡がることで入射に対し出射が制限され、一部の光が閉光路を長距離に亘り周回する状態を得ることができる。
請求項9記載の発明に係る物質検出装置は、請求項7又は請求項8記載の物質検出装置において、前記光入射部には、前記閉光路への入射光を該閉光路からの出射光よりも多くするための拡大入射部が形成されている。
請求項9記載の物質検出装置では、入出射共通の光学窓における光入射部を構成する部分に拡大入射部が形成されているため、光学窓が入出射位置に位置する場合に入射光量を出射光量に対し増加させることができる。このため、例えば平行光を閉光路に入射して上記した光の周回を維持することができる。
請求項10記載の発明に係る物質検出装置は、請求項6〜請求項9の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光入射部及び光出射部が設けられた前記反射ミラーの回転速度を変更することで、前記光源からの光が前記光学系の閉光路を周回する長さを調整する。
請求項10記載の物質検出装置では、1つの反射ミラーの回転速度を変化させることによって入射状態から反射状態を経て出射状態に移行するまでの時間を変化させ、光が閉光路を周回する光路長を調整することができる。これにより、簡単な構造で検出精度の調整が可能になる。
請求項11記載の発明に係る物質検出装置は、請求項5〜請求項10の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光入射部が設けられた前記反射ミラーに対し同軸的かつ相対回転可能に設けられ、該相対回転によって前記光入射部をマスクする量を調整可能な光入射部マスク部材をさらに備えた。
請求項11記載の物質検出装置では、光入射部を有する反射ミラーとマスク部材との相対回転(角変位)によって、該マスク部材が光入射部の一部をマスクする量を調整し得る。これにより、光入射部を有する反射ミラーを交換することなく、入射光量や閉光路の周回距離(時間)を制御することが可能になる。
請求項12記載の発明に係る物質検出装置は、請求項5〜請求項11の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光出射部が設けられた前記反射ミラーに対し同軸的かつ相対回転可能に設けられ、該相対回転によって前記光出射部をマスクする量を調整可能な光出射部マスク部材をさらに備えた。
請求項12記載の物質検出装置では、光出射部を有する反射ミラーとマスク部材との相対回転(角変位)によって、該マスク部材が光出射部の一部をマスクする量を調整し得る。これにより、光出射部を有する反射ミラーを交換することなく、出射光量や閉光路の周回距離(時間)を制御することが可能になる。
請求項13記載の発明に係る物質検出装置は、請求項5〜請求項12の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光源は、パルス光を発する構成とされており、前記入射手段は、前記光入射部が前記入射許容位置に位置するときに前記光源がパルス光を発するように、前記光源と前記光入射部が設けられた反射ミラーの角変位とを同期させる同期手段をさらに備えて構成されている。
請求項13記載の物質検出装置では、入射手段の同期手段によって光源からのパルス光が、光入射部が入射許容位置に位置するタイミングで発生され、該閉光路に入射される。
請求項14記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項12の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光源は、連続光を発するようになっている。
請求項14記載の物質検出装置では、光入射部が入射許容位置に位置するタイミングで、光源からの連続光が閉光路に入射される。
請求項15記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項14の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光源は、被検出物質が吸収する波長の光を発する構成とされている。
請求項15記載の物質検出装置では、光源が被検出物質が吸収する波長の光を発するため、波長弁別フィルタ等の設置を不要にすることができる。
請求項16記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項15の何れか1項記載の物質検出装置において、前記光学系の前記閉光路を密閉する密閉手段と、前記密閉手段内に被測定サンプル又は基準サンプルを導入するためのサンプル導入手段と、前記密閉手段内に導入された被測定サンプル又は基準サンプルを該密閉手段内に保持させるサンプル封止手段と、をさらに備えた。
請求項16記載の物質検出装置では、例えば、密閉手段内に被検出物質を含まない基準サンプルを充填して測定(出射光の強度検出)を行った後、密閉手段内に被検出物質を含み得る被測定サンプルを充填して測定(出射光の強度検出)を行い、これらを比較することで精度の高い物質検出を行うことができる。密閉手段は、閉光路を密閉すれば足りるので、容量を小さくすることができ、密閉手段を設けることで装置全体が大型化されることが抑制される。
請求項17記載の発明に係る物質検出装置は、請求項16記載の物質検出装置において、前記密閉手段の内面は、光を反射する鏡面加工が施されている。
請求項17記載の物質検出装置では、密閉手段に入射された光は、該密閉手段の内面で反射しつつ閉光路を周回することが可能である。このため、例えば光源として比較的低輝度の光源(例えば、フィラメント加熱式の光源等)を採用することができる。
請求項18記載の発明に係る物質検出装置は、請求項16記載の物質検出装置において、前記密閉手段の内面は、光の反射を抑制する処理が施されている。
請求項18記載の物質検出装置では、光が密閉手段内に入射される。この密閉手段の内面は光の反射を抑制する処理が施されているため、該内面の反射による迷光を抑制することができる。このため、光源として、比較的高輝度(例えば、レーザ等)を採用した構成において密閉手段内面での反射に起因する迷光を抑制することができる。また、光源の光を平行光に整形して閉光路に入射するための光整形手段を有する構成としても良い。
請求項19記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項15の何れか1項記載の物質検出装置において、被検出物質を含まない状態で前記光源の光を周回させるための基準用の前記光学系と、被検出物質を検出するために前記光源の光を周回させるための検出用の前記光学系と、をそれぞれ備えた。
請求項19記載の物質検出装置では、基準用の光学系を用いて基準条件での測定(例えば、被検出物の影響を受けない出射光の強度検出)を行いながら、検出用の光学系を用いて測定条件での測定(被検出物の影響を受け得る出射光の強度検出)を行うことができる。このため、検出時間の短縮、検出精度の向上の双方に寄与する。
請求項20記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項19の何れか1項記載の物質検出装置において、被検出物質は、窒素酸化物であり、前記光源は、前記窒素酸化物が赤外線を吸収する波長で、かつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線レーザである。
請求項20記載の物質検出装置では、上記波長の赤外線レーザを光源として用いることで、水の干渉を抑えつつ窒素酸化物を良好に検出することができる。
請求項21記載の発明に係る物質検出装置は、請求項1〜請求項19の何れか1項記載の物質検出装置において、被検出物質は、窒素酸化物であり、前記光源は、連続赤外光を発する構成とされており、特定波長範囲の赤外線を透過する狭帯域の赤外線フィルタと、前記特定波長範囲内にカットオフ波長を有するカットオフフィルタとを組み合わせることで、前記窒素酸化物が赤外線を吸収する波長で、かつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線を選択的に透過するフィルタ手段を構成した。
請求項21記載の物質検出装置では、狭帯域の赤外線フィルタとカットオフフィルタとを組み合わせることで、水の干渉が問題とならない波長の赤外線を閉光路に入射させることができる。このため、本物質検出装置では、水の干渉を抑えつつ窒素酸化物を良好に検出することができる。
請求項22記載の発明に係る物質検出方法は、3つ以上の反射ミラーにより光が周回し得るように形成された閉光路に、光を入射させる入射ステップと、前記閉光路から光を出射させる出射ステップと、前記閉光路から出射された光の強度を測定する測定ステップと、を含む。
請求項22記載の物質検出方法では、入射ステップで閉光路に光を入射させ、出射ステップで閉光路から光を出射させる。これら入射ステップと出射ステップとの間で、光は閉光路を周回する。測定ステップでは、出射ステップで閉光路から出射された光の強度が測定される。この測定ステップで測定された光の強度に基づいて、例えば被検出物質の有無や濃度等を検出することができる。ここで、本物質検出方法では、3つ以上の反射ミラーを並べて形成された閉光路で光を周回させるため、大きな反射ミラーを用いることなく、長い光路長(光の行程)を得ることができる。このため、本物質検出方法により、小型の光学系(閉光路を形成する3つ以上の反射ミラーを含むもの)を用いて、高精度で被検出物質の生む、濃度等を検出することができる。
このように、請求項22記載の物質検出方法では、小型の装置で高精度での物質検出を実現することができる。
請求項23記載の発明に係る物質検出方法は、請求項22記載の物質検出方法において、前記3つ以上の反射ミラーの1つとして、光を透過し得る光学窓が一部に設けられると共に前記閉光路に対する位置を変化させ得る光学窓付ミラーを用い、前記入射ステップを、前記光学窓付ミラーの光学窓を前記閉光路に一致させて実行し、前記出射ステップを、前記入射ステップの実行後に前記光学窓付ミラーの光学窓を前記閉光路に一致させて実行する。
請求項23記載の物質検出方法では、光学窓が設けられた光学窓付ミラーを移動することで、光学窓が閉光路に一致する状態と一致しない状態とに切り替えることができる。光学窓が閉光路に一致する状態で該閉光路に光を入射させることで、入射ステップが行われ、この入射ステップの後、光学窓が閉光路に一致しない状態では光は閉光路を周回する。この状態から光学窓を閉光路に一致させると、該閉光路から光が出射される。すなわち、出射ステップが実行される。単に光学窓付ミラーの位置を変化させることで、入射ステップ、出射ステップを実行することができる。なお、光学窓付きミラーは、入射用と出射用とで共通化されたものを用いても良く、別個に構成されたものを用いても良い。
請求項24記載の発明に係る物質検出方法は、請求項23記載の物質検出方法において、前記反射ミラーを所定の軸線廻りに回転させ、前記反射ミラーの径方向に長手とされた光学窓の長手方向が前記閉光路の光軸と略平行となるときに、前記入射ステップ及び出射ステップを実行する。
請求項24記載の物質検出方法では、所定の軸線廻りに回転する反射ミラーの光学窓が閉光路の光軸と略平行な方向に長手となるとき(光学窓が閉光路に沿って位置する場合)に、該光学窓から光を入射、出射させる。この方法では、一度に多量の光を閉光路に入射しやすい。そして、閉光路に入射された光は、例えば該閉光路で拡がることで入射に対し出射が制限され、一部の光が閉光路を長距離に亘り周回する状態を得ることができる。
請求項25記載の発明に係る物質検出方法は、請求項23記載の物質検出方法において、前記反射ミラーを所定の軸線廻りに回転させ、前記反射ミラーの径方向に長手とされた光学窓の長手方向が前記閉光路の光軸と略直角を成すときに、前記入射ステップ及び出射ステップに実行する。
請求項25記載の物質検出方法では、反射ミラーの光学窓が閉光路の光軸と略直角を成す方向に長手となるときに、該光学窓から光を入射、出射させる。この方法では、出射される光量を少なく抑えやすい。そして、閉光路に入射された光は、例えば該閉光路で拡がることで入射に対し出射が制限され、一部の光が閉光路を長距離に亘り周回する状態を得ることができる。
請求項26記載の発明に係る物質検出方法は、請求項23〜請求項25の何れか1項記載の物質検出方法において、前記入射ステップと前記出射ステップとの時間差により、光が前記閉光路を周回する長さを調整する。
請求項26記載の物質検出方法では、入射ステップで光学窓を閉光路に一致させてから出射ステップで光学窓を閉光路に一致させるまでの時間により、光が閉光路を周回する光路長を調整することができる。これにより、簡単な構造で検出精度の調整が可能になる。
請求項27記載の発明に係る物質検出方法は、請求項23〜請求項26の何れか1項記載の物質検出方法において、前記入射ステップを、前記光学窓付きミラーの移動に同期させたパルス光をパルス光源から発生させて実行する。
請求項27記載の物質検出方法では、入射手段によってパルス光源からのパルス光が、光入射部が閉光路に一致するタイミングで発生されて、入射ステップが行われる。
請求項28記載の発明に係る物質検出方法は、請求項23〜請求項26の何れか1項記載の物質検出方法において、前記入射ステップを、連続光を光源から発生させて実行する。
請求項28記載の物質検出方法では、光源からの連続光が、入射手段によって、光入射部が閉光路に一致するタイミングで入射されることで、入射ステップが行われる。
請求項29記載の発明に係る物質検出方法は、請求項22〜請求項27の何れか1項記載の物質検出方法において、前記入射ステップで、被検出物質が吸収する波長の光を前記閉光路に入射させる。
請求項29記載の物質検出方法では、光源が被検出物質が吸収する波長の光を発するため、波長弁別フィルタ等を用いることなく、披検出物質の検出をすることができる。
請求項30記載の発明に係る物質検出方法は、請求項22〜請求項29の何れか1項記載の物質検出方法において、前記光学系の少なくとも前記閉光路を密閉する密閉手段を用い、前記密閉手段内を被検出物質が含まれない基準状態にした状態で、前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の基準値を測定し、前記密閉手段内を被検出物質を含み得る測定条件にした状態で、前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の測定値を得、前記基準値と前記測定値とに基づいて被検出物質の有無又は濃度を検出する。
請求項30記載の物質検出方法では、例えば、密閉手段内に被検出物質を含まない基準サンプルを充填して測定(出射光の強度検出)を行った後、密閉手段内に被検出物質を含み得る被測定サンプルを充填して測定(出射光の強度検出)を行い、これら基準値と測定値とに基づいて被検出物質の有無又は濃度を検出する。密閉手段は、閉光路を密閉すれば足りるので、サンプルの置換時間を短くすることができ、測定(サンプリング)間隔の短縮に寄与する。
請求項31記載の発明に係る物質検出方法は、請求項22〜請求項29の何れか1項記載の物質検出方法において、二組の前記光学系を用い、一方の前記光学系によって、被検出物質を含まない基準条件で前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の基準値を測定しながら、他方の前記光学系によって、被検出物質を含み得る測定条件で前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の測定値を得、前記基準値と前記測定値とに基づいて被検出物質の有無又は濃度を検出する。
請求項31記載の物質検出方法では、基準用の光学系を用いて基準条件で基準値(例えば、被検出物の影響を受けない出射光の強度検出)の測定を行いながら、検出用の光学系を用いて測定条件で被測定サンプル(被検出物の影響を受け得る出射光の強度検出)の測定を行うことで、ほぼ同時に測定した基準値と測定値を比較して被検出物質の有無又は濃度を検出する。このため、本物質検出方法では、検出時間の短縮、検出精度の向上の双方に寄与する。
請求項32記載の発明に係る物質検出方法は、請求項22〜請求項31の何れか1項記載の物質検出方法において、前記入射ステップで、窒素酸化物が赤外線を吸収する波長でかつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線レーザを前記閉光路に入射させ、被検出物質として窒素酸化物を検出する。
請求項32記載の物質検出方法では、上記波長の赤外線レーザを光源として用いて、水の干渉を抑えつつ窒素酸化物を良好に検出することができる。
請求項33記載の発明に係る物質検出方法は、請求項22〜請求項31の何れか1項記載の物質検出方法において、前記入射ステップで、特定波長範囲の赤外線を透過する狭帯域の赤外線フィルタと前記特定波長範囲内にカットオフ波長を有するカットオフフィルタとを透過させて得た、窒素酸化物が赤外線を吸収する波長でかつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線を、前記閉光路に入射させ、被検出物質として窒素酸化物を検出する。
請求項33記載の物質検出方法では、狭帯域の赤外線フィルタとカットオフフィルタとを組み合わせることで、水の干渉が問題とならない波長の赤外線を閉光路に入射することができる。このため、本物質検出方法では、水の干渉を抑えつつ窒素酸化物を良好に検出することができる。
以上説明したように本発明に係る物質検出装置は、小型でありながら物質の検出精度を向上することができるという優れた効果を有する。
また、本発明に係る物質検出方法は、小型の装置で高精度での物質検出を実現することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る物質検出装置としての可搬型NOx検出装置10について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図3には、可搬型NOx検出装置10の概略全体構成が模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、可搬型NOx検出装置10は、測定部12と、制御手段としてのコントローラ16とが、可搬型の装置ハウジング18に設けられて構成されている。
図1に示される如く、測定部12は、光学系としての光学リングセル20を備えている。光学リングセル20は、複数(この実施形態では4つ)の反射ミラー22を、周方向に隣り合う2つの反射ミラー22側を共に向くように傾斜された姿勢で、略正方形状に配置することで構成されている。各反射ミラー22は、それぞれミラーホルダ25にて装置ハウジング18に対し固定的に支持されている。ミラーホルダ25は、反射ミラー22の角度を調整可能に構成されても良い。
この光学リングセル20では、各反射ミラー22が略90°で光を反射させることで、図1に想像線に示される如く略正方形状(正多角形状)の閉光路Cが形成されるようになっている。これにより、光学リングセル20では、閉光路Cの1辺に沿って該閉光路Cに入射された光が各反射ミラー22で反射されつつ閉光路Cに沿って略同一平面上を周回する構成とされている。
この光学リングセル20を構成する各反射ミラー22の反射率は略99.8%とされている。閉光路Cが略正方形状を成す本実施形態では、各反射ミラー22の入射角と反射角を合わせた角度がそれぞれ略90°となるので、反射ミラー22の空気中における全反射条件(入射角(≧42°)と出射角(≧42°)との和が略84°以上)を満たす。したがって、この実施形態に係る光学リングセル20では、閉光路Cを周回する光に対し、各反射ミラー22の反射率は、金コート付の場合99.9%以上とされている。
また、可搬型NOx検出装置10の測定部12は、光源としての赤外光源26を備えている。赤外光源26は、主に赤外波長の拡散の少ない光線(平行光に近い光線)を発するようになっている。図3にも示される如く、この赤外光源26と光学リングセル20との間には、波長弁別フィルタ28が配置されている。波長弁別フィルタ28は、赤外光源26が発する赤外光のうち特定波長の光のみを透過させるようになっている。この実施形態に係る可搬型NOx検出装置10の測定部12では、NO(一酸化窒素)に吸収される波長(略5.33μm)の光を透過させる波長弁別フィルタ28と、NO2(二酸化窒素)に吸収される波長(略6.17μm)の光の透過させる波長弁別フィルタ28とを交換して取り付け可能とされている。
この赤外光源26が出力し波長弁別フィルタ28を透過した特定波長の光が光学リングセル20に導入されるようになっている。すなわち、赤外光源26は、光学リングセル20の外側から、略正方形を成す閉光路Cの一辺の延長線に沿う赤外光(平行光に近い光線)を発するように配置されている。このため、可搬型NOx検出装置10では、赤外光源26からの赤外光が各反射ミラー22の中央部近傍で反射されつつ閉光路Cを周回するようになっている。
そして、測定部12は、光学リングセル20に赤外光源26の赤外光を入射させる入射手段を構成する光学窓付ミラーとしての光学チョッパ30を備えている。光学チョッパ30は、略正方形状を成す閉光路Cにおける赤外光源26に最も近接して位置する角部(反射部)に配置されている。この実施形態では、光学チョッパ30は、複数の反射ミラー22のうちの1つとされ、赤外光源26からの赤外光を光学リングセル20の閉光路Cに入射させる機能と、閉光路Cの反射部として赤外光を反射(全反射)させる機能とを切り替え得る構成とされている。
さらに、この実施形態では、光学チョッパ30は、上記の入射機能、反射機能に加え、閉光路Cを周回している赤外光を光学リングセル20の外部に出射させる出射機能にも切り替え得る構成とされている。すなわち、光学チョッパ30は、本発明における出射手段をも構成している。以下、具体的に説明する。なお、光学チョッパ30について、他の反射ミラー22と区別しない場合には、反射ミラー22ということもある。
図2(A)〜図2(C)に示される如く、光学チョッパ30は、ハッチングを施して示すミラー部30A中の一部を、赤外光を透過する、本発明における光入射部、光出射部、光学窓としてのスリット30Bとすることで構成されている。スリット30Bは、ガラス24及び反射膜を切り抜いて(空間として)構成されている。
この光学チョッパ30は、回転軸32廻りに回転可能に可搬型の装置ハウジング18に支持されている(支持状態の図示は省略)。この回転軸32廻りの回転によって、光学チョッパ30は、図2(B)に示される如くスリット30Bを閉光路Cに一致させる入出射位置と、図2(C)に例示される如くスリット30Bが閉光路Cからずらされた反射位置とを取り得る構成されている。図1に示される如く、光学チョッパ30は、チョッパ駆動機構34によって回転駆動されるようになっている。
以上により、測定部12では、図4に示される如く、光学チョッパ30のスリット30Bが入出射位置に位置する際に赤外光源26から発せられた赤外光は、該スリット30Bを通じて反射ミラー22の閉光路Cに入射されるようになっている。この後、図5に示される如く、光学チョッパ30のスリット30Bが反射位置に移動すると、赤外光は、各反射ミラー22(光学チョッパ30のミラー部30A)で反射されつつ閉光路Cを周回するようになっている。
そして、この状態からスリット30Bが入出射位置に再度至ると、図6に示される如く、閉光路Cを周回していた赤外光がスリット30Bを通じて光学リングセル20の外部に出射されるようになっている。閉光路Cが略正方形状を成すこの実施形態では、赤外光の出射方向は、入射方向との直交方向とされている。すなわち、光学リングセル20では、光学チョッパ30が回転してスリット30Bが入出射位置から次の入出射位置に至るまでの時間Tだけ、赤外光が閉光路Cを周回する構成とされている。要求される時間Tに応じて、スリット30Bの数を設定すれば良い(スリット30Bは1つでも良い)。換言すれば、可搬型NOx検出装置10は、光学チョッパ30の回転速度及びスリット30Bの数(1回転当たりの数)によって、時間Tすなわち赤外光が閉光路Cを周回する距離を設定、制御(調整)することができる構成とされている。
図1及び図3に示される如く、測定部12は、赤外光の強度に応じた信号を出力する光強度検出器としての高感度MCT装置36を備えている。高感度MCT装置36は、スリット30Bを通じて光学リングセル20から出射された赤外光を受光し得るように該出射方向に向けて配置され、装置ハウジング18に固定されている。なお、高感度MCT装置36の受光感度は、105以上とされている。一方、上記した通り各反射ミラー22での全反射による反射率は99.9%以上であるので、例えば反射回数を4000回(閉光路Cを1000周)させる場合の反射による光の減衰率は、(0.999)4000≒0.018279以上になる。高感度MCT装置36の上記した受光感度を考慮すると、受光後の光の強度は、0.018279×105=1827.9以上とされる。これにより、光学リングセル20を備えた可搬型NOx検出装置10によるNOx検出が十分に現実的であることが解る。そして、例えば閉光路Cを一周する長さを2mとすれば、1000周で2000mの長光路が得られることが解る。
図3に示される如く、測定部12は、閉光路Cを密閉するため密閉構造を有する。具体的には、各ミラーホルダ25は、各反射ミラー22の反射面側を覆う中空体とされており、閉光路Cを周回する赤外光の出入を許容するための窓部25A、25Bが互いに直角を成す2箇所に設けられている。光学リングセル20の周方向に隣り合うミラーホルダ25は、一方の窓部25Aと他方の窓部25Bとを閉光路Cの辺に沿って接続する空洞体38にて連通されている。各ミラーホルダ25と空洞体38との間が気密にシールされることで、上記の通り閉光路Cが気密状態で密閉される構成である。したがって、この実施形態では、各ミラーホルダ25、空洞体38が本発明における密閉手段に相当する。
4つのミラーホルダ25の1つには、ガス導入口25Cが設けられており、ガス導入管40により閉光路Cを密閉する密閉空間R内にガスの導入が可能とされている。また、ガス導入口25Cが設けられたミラーホルダ25とは別のミラーホルダ25には、ガス排出口25Dが設けられており、ガス排出管42により密閉空間R内のガスを外部に排出可能とされている。
この実施形態では、ガス排出管42に設けられたエアポンプ44の作動により、ガス導入管40、ガス導入口25Cを経由してガスが密閉空間R内に導入されつつ、ガス排出口25D、ガス排出管42を経由してガスが密閉空間Rから排出されるようになっている。また、測定部12では、ガス導入管40、ガス排出管42には、それぞれ電磁弁46が設けられており、各電磁弁46を閉止することで、密閉空間Rにガスを充填した状態を維持することができる構成とされている。したがって、本実施形態におけるガス導入口25C、ガス排出口25D、ガス導入管40、ガス排出管42、エアポンプ44が本発明のサンプル導入手段に相当し、各電磁弁46が本発明におけるサンプル封止手段に相当する。
また、図3に示される如く、ガス導入管40は、電磁弁46に対するミラーホルダ25側とは反対側で分岐されており、一方は大気開放端40Aされると共に他方は基準ガス容器48に接続されている。このガス導入管40の分岐部には三方弁50が設けられており、この三方弁50により、ガス導入口25Cすなわち密閉空間Rは、大気への連通状態と基準ガス容器への連通状態とが選択的に切り替え可能とされている。基準ガス容器48には、基準ガスとしてNOx(NO及びNO2)が含まれない空気が貯められている。
以上説明した測定部12の赤外光源26、チョッパ駆動機構34、エアポンプ44、電磁弁46、及び三方弁50は、コントローラ16にて制御されるようになっている。また、コントローラ16は、高感度MCT装置36の出力信号に基づいて、NO又はNO2の濃度を算出するようになっている。
具体的には、可搬型NOx検出装置10では、密閉空間R内に基準ガス容器48から基準ガスを導入してNOxが存在しない場合の赤外光の強度を測定する基準値測定と、密閉空間R内に測定対象である大気を導入して赤外光の強度を測定するサンプル測定とを交互に行うように設定されている。なお、基準値測定一回に対し、複数回のサンプル測定を行うように設定しても良い。電磁弁46は、基準値測定とサンプル測定とが順次行われる繰り返し測定に対応するように、タイムスケジューラとして赤外光源26、チョッパ駆動機構34、エアポンプ44、電磁弁46、及び三方弁50を制御するようになっている。
また、コントローラ16は、基準値測定で得た赤外光の強度(基準値)に対するサンプル測定で得た赤外光の強度(測定値)の比、すなわちNOx(NO又はNO2)による赤外光の吸収による該赤外光の減衰率に基づいて、大気中のNOx濃度を検出するようになっている。コントローラ16によるより具体的な制御については、本実施形態の作用と共に説明する。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の可搬型NOx検出装置10は、例えば道路近辺や交差点等の沿道地点においてNOxの濃度を測定するために、該沿道地点に運ばれる。測定位置にセットされた可搬型NOx検出装置10は、電源が投入され、起動する。そして、例えばスタートスイッチが操作される等して測定が開始される。この際、波長弁別フィルタ28は、測定対称のNOxに応じて選択されている。ここでは、NO2の測定例を示す。
測定が開始された可搬型NOx検出装置10では、コントローラ16は、各電磁弁46を開弁させると共に三方弁50を基準ガス容器48側に切り替えて、所定時間(例えば0.1秒)だけエアポンプ44を作動させ、各電磁弁46を閉弁させる。これにより、密閉空間R内に基準ガスが充填され、大気の侵入が防止される。この状態から電磁弁46は、赤外光源26に赤外光を照射させると共にチョッパ駆動機構34を駆動して光学チョッパ30を回転させる。
すると、光学チョッパ30のスリット30Bが入出射位置に位置する瞬間に、図4に示される如く、波長弁別フィルタ28を透過した特定波長の赤外光が光学リングセル20の閉光路Cに入射される(入射ステップ)。閉光路Cに入射された赤外光は、図5に示される如く閉光路Cを周回する。そして、光学チョッパ30が所定角度(スリット30Bが1つの例では、360°)だけ回転してスリット30Bが再度入出射位置に至ると、該スリット30Bを通じて閉光路Cから赤外光が出射され(出射ステップ)、高感度MCT装置36にて受光される。この際、赤外光源26の赤外光は、スリット30Bから閉光路Cに入射される。以降、赤外光源26が連続光を発している期間中、入出射位置に位置するスリット30Bは、赤外光源26からの入射光、高感度MCT装置36への出射光を同時に通過させる。
スリット30Bが入出射位置から入出射位置に至るまでの設定時間に応じた所定距離だけ閉光路Cを周回し、該閉光路Cから出射された赤外光を受光した高感度MCT装置36は、該赤外光の強度に応じた信号をコントローラ16に出力する(測定ステップ)。この基準値測定での測定(高感度MCT装置36での受光)は、一回でも良いが、この実施形態では、基準サンプルを入れ替えないで基準値測定を複数回行い、コントローラ16において各測定時の高感度MCT装置36からの信号を重ね合わせて(積算して)増幅している。以上により、可搬型NOx検出装置10は、基準ガスについてNO2の影響を受けない場合の赤外光の強度である測定現場での測定条件(環境)における基準強度を得る。
次いで、コントローラ16は、各電磁弁46を開弁させると伴に三方弁50を大気開放端40Aに切り替えて、エアポンプ44を作動させる。すると、密閉空間R内の基準ガスが該密閉空間Rから排出されると共に、測定対称である沿道地点の大気が密閉空間Rに導入される。所定時間(例えば0.1秒)の経過後、エアポンプ44を停止させると共に電磁弁46を閉弁させる。これにより、密閉空間R内に大気が気密状態で充填される。この状態から電磁弁46は、赤外光源26に赤外光を照射させると共にチョッパ駆動機構34を駆動して光学チョッパ30を回転させる。
すると、上記した基準値測定の場合と同様に、赤外光は光学リングセル20の閉光路Cに入射され、スリット30Bが入出射位置から入出射位置に至るまでの設定時間に応じた所定距離だけ閉光路Cを周回し、該閉光路Cから出射されて高感度MCT装置36にて受光される。このサンプル測定においても、可搬型NOx検出装置10は、サンプルを入れ替えない状態で基準値測定と同じ回数だけ測定(高感度MCT装置36による赤外光の強度検出)を行い、該複数の測定結果を積算してサンプル測定における赤外光の測定強度を得る。
コントローラ16は、基準強度に対する測定強度の減衰率に基づいて、測定地点の大気中のNO2の濃度を算出する。可搬型NOx検出装置10は、例えば停止スイッチが操作される等して測定停止されるまで、以上の動作を繰り返す。したがって、可搬型NOx検出装置10を用いて、測定地点でのNO2濃度の時間変化の測定結果を得ることができる。
ここで、可搬型NOx検出装置10は、光学リングセル20を備えているので、換言すれば、赤外光源26の赤外光が環状の閉光路Cを周回する構造であるため、赤外光がNO2に吸収される光路長を長くすることができ、NO2の検出精度(感度)が向上する。
例えば光路長が10m程度の場合、光学吸収法で得られるNO2濃度は、1ppm〜100ppmが限界である。例えば検出感度をppbオーダーまで向上するために1kmの光路長を得る場合、2枚の曲面ミラーを対向配置した構成では、反射回数を100回程度とすると2枚のミラーの対向間隔が10m程度となり、搬送性、移動性を望むことは困難である。一方、対向間隔を1m程度にすると反射回数が1000回程度になるが、1000回の反射を実現するためには、ミラーの大口径化、曲面の高精度化が要求され、該ミラーの設計、設置、調整に著しく煩雑な作業が要求され、屋外での測定に適用することは実用的でない。
これに対して可搬型NOx検出装置10では、4つの反射ミラー22で環状の閉光路Cを形成するため、簡単な構造で、長い光路長を得ることができる。すなわち、各反射ミラー22は、単なる平面鏡として構成され、多角形状に(多角形の頂部の位置に)配置されれば足りる。また、各反射ミラー22は、周方向に隣り合う反射ミラー22に向けた一軸上に光を反射すれば足りるので、調整用のレーザ光を用いることで、容易に光軸を調整することができる。しかも、本実施形態では、赤外光を吸収するNOxが測定対象であるため、例えば可視光(波長600nm程度)を用いる場合と比較して、取り扱う波長が長く光軸調整に要求される精度が緩やかである。
これにより、可搬型NOx検出装置10では、1000回以上(10000回程度)の反射回数を実現可能であり、長い光路長を設定して高い検出精度(例えば10ppb〜10ppm)を得ることができる。特に、可搬型NOx検出装置10では、全反射条件で各反射ミラー22を配置しているので、反射ミラー22自体の反射率よりも高い反射率を得ることで、上記の如き多数の反射回数で高い検出精度を実現している。
図7は、NO2の濃度が既知であるサンプルを用いた測定結果を示している。この測定は、図7(A)では、スリット30Bが入出射位置に位置する時間が山形の波形で示されている。この例では、50μsec、250μsec付近でスリット30Bが入出射位置に位置する。この条件から、この測定時の光路長は略12kmであることが解る。図7(B)は、基準サンプル(NO2濃度が0ppb)での高感度MCT装置36からの出力波形(上記した積算処理を施さないもの)が示されている。図7(C)は、NO2濃度が20ppbであるサンプルでの測定結果である。図7(B)との比較で、50μsec、250μsec付近にピークが現れていることが解る。さらに、図7(D)は、NO2濃度が100ppbであるサンプルでの測定結果である。この図では、50μsec、250μsec付近に明確なピークが現れていることが解る。以上により、例えば、上記した積算処理を施したりすることで、20ppbレベルの高精度でのNO2検出が可能であることが解る。
また、可搬型NOx検出装置10では、上記の如く多数の反射回数が実現可能であるため、全体として(光学リングセル20を)コンパクトに構成することができる。例えば、上記した如く閉光路Cの周長を2mとする場合、略60cm×60cmで光学リングセル20を構成することができる。例えば、コントローラ16等を光学リングセル20の厚み(装置高さ)方向に配置することで、全体として略60cm×60cm×60cmの寸法で可搬型NOx検出装置10を構成することができる。この場合、装置の層質量は30kg程度であり、十分な搬送性・移動性が実現され、また設置スペースの確保も容易である。
また、上記寸法の可搬型NOx検出装置10では、閉光路Cを密閉する密閉空間Rの容量は500ml程度で足りるので、短時間での密閉空間R内のガスの置換が可能であり、測定間隔の短縮に寄与する。可搬型NOx検出装置10は、ガスの置換を考慮しなければ、ミリ秒オーダーから1秒程度での測定(積算処理を実施の場合)が可能であるため、NO2濃度の高速観察、ほぼリアルタイムの連続観察が可能である。
以上により、可搬型NOx検出装置10は、大気測定位置に容易に搬送、設置されて、例えば特定の移動車両か排出されるNO、NO2に対し高感度、高速で観察を行うことができる。すなわち、例えば、特定の車両がNO、NO2を多く排出していることを検知することが可能になる。
またここで、可搬型NOx検出装置10では、4つの反射ミラー22のうち1つを光学チョッパ30とすることで、簡単な構造で入射手段を構成することができる。しかも、可搬型NOx検出装置10では、光学チョッパ30(のスリット30B)が出射手段をも構成するので、可動部材が1つで足り、一層簡単な構造が実現されている。そして、可搬型NOx検出装置10では、光入射部としてのスリット30Bと、光出射部としてのスリット30Bとが共通の光学チョッパ30に設けられているため、光学チョッパ30の回転速度によって、赤外光源26の赤外光が光学リングセル20の閉光路Cを周回する光路長を設定、制御(調整)することができる。これにより、例えば、測定対象や条件に応じて、チョッパ駆動機構34による光学チョッパ30の回転速度(角速度)を設定することで、検出感度を優先したり、検出時間を優先したりすることが可能である。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部分等については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図8には、本発明の第2の実施形態に係る可搬型NOx検出装置60が図3に対応する模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、可搬型NOx検出装置60は、連続光を発する赤外光源26に代えて、パルス光を発するパルス赤外光源62を備える点で、第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置10とは異なる。
パルス赤外光源62は、同期手段としてのパルス光現駆動回路64にて所定のパルス幅の赤外光を、所定のパルス間隔で発する構成とされている。この実施形態では、パルス赤外光源62は、単波長光源であるレーザー装置とされ、より具体的には、NOxの吸収波長の赤外レーザ光を出力する半導体赤外レーザ装置とされている。このため、パルス赤外光源62が発するパルス光は、赤外光源26が発する連続光と比較して、より拡散が少なくかつ強度の高い光線(より平行光に近い光線)とされている。
また、この実施形態では、パルス赤外光源62は、NOの吸収波長(略5.33μm)の赤外レーザ光、NO2の吸収波長(略6.17μm)の赤外レーザ光を切り替えて(変調して)出力可能な構成とされている。したがって、可搬型NOx検出装置60は、波長弁別フィルタ28を有しない構成とされている。
パルス光現駆動回路64は、光学チョッパ30のスリット30Bを検出する回転位置センサ66からの信号(図7(A)に示す如き信号)、回転位置センサ66の設置位置と閉光路Cとの位置関係のデータ、及びコントローラ68からの光学チョッパ30の回転速度情報に基づいて、スリット30Bが入出射位置に至る時間を予測し、該スリット30Bが入出射位置に至る時間に所定パルス幅のパルス光(赤外レーザ光)が発せられるように、パルス赤外光源62を駆動するようになっている。すなわち、可搬型NOx検出装置60では、光学チョッパ30(のスリット30B)の回転に同期して、パルス赤外光源62がパルス光を発する構成とされている。
そして、パルス赤外光源62が発するパルス光のパルス幅(発光時間)は、スリット30Bが入出射位置に位置する期間に含まれるように設定されている。可搬型NOx検出装置60の他の構成(コントローラ68による制御を含む)は、可搬型NOx検出装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る可搬型NOx検出装置60によっても、可搬型NOx検出装置10と同様の作用によって、可搬型NOx検出装置10同様の効果を得ることができる。また、可搬型NOx検出装置60では、赤外光源26が発する連続光と比較して拡散の少ないパルス赤外光源62の赤外レーザ光を用いるため、NOxの検出感度を一層高めることができる。
図9は、NO2の濃度が既知であるサンプルを用いた測定結果を示している。図示は省略するが、この測定時の閉光路Cへのパルス光入社から出射までの時間は、略60μsecとされ、これにより該パルス光が閉光路Cを周回した光路長は、略18kmとされている。また、図9(A)〜図9(C)では、時間軸の略60μsec〜120μsec間の略60μsecがパルス光のパルス幅(スリット30Bが入出射位置に位置する期間に含まれる)に相当する。図9(A)は、基準サンプル(NO2濃度が0ppb)での高感度MCT装置36からの出力波形(上記した積算処理を施さないもの)が示されている。図9(B)は、NO2濃度が20ppbであるサンプルでの測定結果であり、図9(C)は、NO2濃度が100ppbであるサンプルでの測定結果である。これらの図から、可搬型NOx検出装置60では、光源として半導体赤外レーザ装置を用いるため、20ppbレベル低濃度においても高精度でのNO2検出が可能であることが解る。
半導体赤外レーザ装置であるパルス赤外光源62の採用は、例えば大気中の水分等の干渉成分の影響を受け難いメリットもある(後述する第5の実施形態参照)。
なお、第2の実施形態において、赤外光源26の発光時間を制御してパルス光源として用いることも可能である。この場合でも、可搬型NOx検出装置10と同等の検出性度を得ることができる。逆に、パルス赤外光源62を連続光源として可搬型NOx検出装置10に適用することで、可搬型NOx検出装置10の検出精度を上記した可搬型NOx検出装置60の検出精度の精度と同等に向上させることが可能である。
(第3の実施形態)
図10には、本発明の第3の実施形態に係る可搬型NOx検出装置70が図3に対応する模式的な平面図にて示されている。この図に示される如く、可搬型NOx検出装置70は、基準値測定を行うための基準測定部72と、サンプル測定を行うためのサンプル測定部74とを備える点で、基準ガス及びサンプル(大気)について単一の測定部12で測定する可搬型NOx検出装置10とは異なる。
基準測定部72及びサンプル測定部74は、それぞれ光学リングセル20(光学チョッパ30、チョッパ駆動機構34を含む)、赤外光源26、波長弁別フィルタ28、高感度MCT装置36を備えている。したがって、基準測定部72、74は、それぞれの赤外光源26から光学リングセル20の閉光路Cに入射され、該閉光路Cから出射された光の強度を、それぞれの高感度MCT装置36にて独立して検出し得る構成とされている。この実施形態では、基準測定部72の光学リングセル20が本発明における基準用の光学系に相当し、サンプル測定部74の光学リングセル20が本発明における検出用の光学系に相当する。
また、基準測定部72とサンプル測定部74とが独立している可搬型NOx検出装置70では、閉光路Cを密閉する密閉空間Rを有しない。すなわち、可搬型NOx検出装置70は、空洞体38、ガス導入管40、ガス排出管42、エアポンプ44、電磁弁46、基準ガス容器48、三方弁50を有しない構成とされている。
そして、基準測定部72は、カバー(フード)76にて覆われており、可搬型NOx検出装置70(サンプル測定部74)による測定サンプルである大気が該基準測定部72の光学リングセル20(閉光路C)内に入ることが防止されている。換言すれば、空洞体38内は、NOxを含まない基準ガスにて充満されていると把握することができる。一方、サンプル測定部74にはカバー76が設けられず、サンプル測定部74の閉光路Cは、可搬型NOx検出装置70を置いた位置の大気に曝されるようになっている。
また、可搬型NOx検出装置70は、コントローラ16に代えてコントローラ78を備えている。コントローラ78は、基準測定部72の高感度MCT装置36の出力信号すなわち赤外光の強度(基準値)に対する、サンプル測定部74の高感度MCT装置36の出力信号(測定値)の比、すなわちNOx(NO又はNO2)による赤外光の吸収による該赤外光の減衰率に基づいて、大気中のNOx濃度を検出するようになっている。
この実施形態では、コントローラ78は、基準測定部72とサンプル測定部74とでスリット30Bが入出射位置に位置するタイミングが一致するように、該基準測定部72のチョッパ駆動機構34とサンプル測定部74のチョッパ駆動機構34とを同期させて駆動する構成とされている。
以上説明した可搬型NOx検出装置70は、密閉空間R及び基準ガスとサンプルとを置換するための装置を備えないことから、例えば基準測定部72とサンプル測定部74とを高さ(上下)方向に積層して配置することで、全体として略60cm×60cm×60cmの寸法、すなわち可搬型NOx検出装置10と略同等の寸法、質量で構成することができる。このため、可搬型NOx検出装置70は、可搬型NOx検出装置10と同等の搬送性、移動性を有する。可搬型NOx検出装置70の他の構成は、可搬型NOx検出装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る可搬型NOx検出装置60によっても、基本的に可搬型NOx検出装置10と同様の作用によって、可搬型NOx検出装置10同様の効果を得ることができる。また、可搬型NOx検出装置60では、基準測定部72とサンプル測定部74とを備えるため、基準値測定とサンプル測定とを同時に行うことができる。すなわち、可搬型NOx検出装置70では、密閉空間R内のガスの置換を行うことなく、設置位置でのNOx濃度を検出することができる。したがって、可搬型NOx検出装置70では、より短いサンプリング間隔で測定を行うことができ、かつ1測定毎の検出時間が短くなるため、ほぼリアルタイムでのNOx濃度(の時間変化)を検出することができる。
しかも、基準値と測定値とをほぼ同時に測定するため、基準値に対する測定値の比であるNOx濃度の検出精度が高い。また、測定地点の環境(測定条件)の変化に対する追従性が高く、測定結果の信頼性が高い。
なお、上記した第3の実施形態において、それぞれ赤外光源26に代えて、パルス赤外光源62、パルス光現駆動回路64、回転位置センサ66を有する基準測定部72、サンプル測定部74によって可搬型NOx検出装置70を構成しても良い。また、上記した第3の実施形態において、基準測定部72とサンプル測定部74とで、赤外光源26(に代わるパルス赤外光源62)を共有しても良い。
また、上記した第3の実施形態において、基準測定部72は、カバー76に代えて、空洞体38を有して構成されても良い。この場合、ミラーホルダ25にガス導入口25C、ガス排出口25Dを設ける必要はない。
さらに、上記した第3の実施形態において、基準測定部72、サンプル測定部74の各光学リングセル20は、空洞体38とで密閉手段を構成し得るミラーホルダ25に代えて、単に各反射ミラー22を装置ハウジング18に固定するためのミラーホルダを備えた構成としても良い。
(第4の実施形態)
図11には、本発明の第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置80が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、可搬型NOx検出装置80は、赤外光源26、空洞体38に代えて、フィラメント加熱型赤外光源82、空洞体84を備える点で、第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置10とは異なる。また、可搬型NOx検出装置80は、波長弁別フィルタ28に代えて、狭帯域赤外線フィルタ86を備える点で、第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置10とは異なる。
フィラメント加熱型赤外光源82は、筒体82A内に配置されたフィラメント82Bを加熱することで連続赤外光を発するようになっている。筒体82Aの一端には反射鏡82Cが配置され、筒体82Aの他端には凸レンズ82Dが配置されている。これにより、フィラメント加熱型赤外光源82では、フィラメント82Bの発した赤外光が直接又は反射鏡82Cに反射され、凸レンズ82Dにて所定の焦点距離の位置に集光されるようになっている。
図12に示される如く、フィラメント加熱型赤外光源82は、光学チョッパ30のスリット30Bが入出射位置に位置する場合に、フィラメント82Bが発した赤外光のほぼ全てがスリット30Bを通過するように該赤外光を凸レンズ82Dにて絞る構成とされている。また、凸レンズ82Dの焦点距離は、最外周部での入射角が10〜30°になるように設定されている。したがって、可搬型NOx検出装置80は、フィラメント加熱型赤外光源82からの光がスリット30Bの通過後に密閉空間R内で拡がる構成である。なお、図12では、スリット30Bを1つだけ図示しているが、第1の実施形態と同様に複数のスリット30Bを設けても良いことは言うまでもない。
空洞体84は、寸法形状は空洞体38とほぼ同様に構成されている。具体的には、ミラーホルダ25等と共に光学リングセル20を構成する空洞体84は、該光学リングセル20の形状を変化させないという光学的要求と、光学リングセル20内に大気を自由に導入、気密保持し、排出するというガスハンドリング状の要求とを両立することが求められる。この要求に応えるため、空洞体84は、金属材にて構成されている。この実施形態では、空洞体84は、ステンレス鋼(具体的にはSUS304、SUS316等)にて構成されている。以上の点は、第1の実施形態に係る空洞体38についても同様に構成することができる。
そして、可搬型NOx検出装置80を構成する空洞体84は、その内面84Aが鏡面加工(ステンレス鋼の表面仕上加工で表現される所謂No.8仕上)にて仕上げられている。これにより、可搬型NOx検出装置80では、スリット30Bから入射された赤外光は、空洞体84の内径まで拡がって内面84Aに反射しつつ光学リングセル20(閉光路C)を周回(旋回)するようになっている。
また、図12及び図13に示される如く、可搬型NOx検出装置80では、スリット30Bは、光学チョッパ30の径方向に長手の矩形状に形成されており、その長手方向が閉光路Cの光軸と略平行となる(閉光路Cの面方向に沿って位置する)位置が入出射位置とされている。このスリット30Bは、例えば、空洞体38の内径が略20mmである場合に、20mm×4〜6mmの矩形状とされる。仮にスリット30Bの寸法を20mm×4mmとすると、空洞体38(光学リングセル20)との断面積比は略1:4となる。なお、図13に示す符号Liは入射光を、符号Loは出射光を、符号Lrは周回工を示すものとする。
狭帯域赤外線フィルタ86は、高感度MCT装置36と光学チョッパ30との間に配置されており、スリット30Bから出射された赤外光のうち、特定波長範囲の赤外光のみ高感度MCT装置36側に透過するようになっている。この実施形態では、狭帯域赤外線フィルタ86は、図15にハッチングを施して示す6.289μm〜6.329μm(波数で1580cm−1〜1590cm−1)の赤外光を透過する構成とされている。
そして、この実施形態に係る狭帯域赤外線フィルタ86は、2つの赤外線フィルタ86A、86Bの組み合わせとして構成されている。具体的には、図14(A)に示される狭帯域の赤外線フィルタ86A(透過特性略60%、1550cm−1〜1650cm−1)と、カットオフフィルタ86Bとを組み合わせることで、同図にハッチングを施して示す透過特性の狭帯域赤外線フィルタ86が構成されている。図14(B)は、図14(A)におけるハッチング部を拡大して示すものである。
図15に示される如く、狭帯域赤外線フィルタ86が透過する6.289μm〜6.329μmの波長は、後に詳述する如く水(H2O)による吸収が極めて弱い波長とされている。可搬型NOx検出装置80の他の構成は、図示しない部分も含め可搬型NOx検出装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置80によっても、基本的に可搬型NOx検出装置10と同様の作用によって、可搬型NOx検出装置10同様の効果を得ることができる。
この可搬型NOx検出装置80の作用における可搬型NOx検出装置10の作用とは異なる部分(説明を省略した部分を含む)を主に補足すると、フィラメント加熱型赤外光源82が発した赤外光は、凸レンズ82Dにより絞られることで、スリット30Bが入出射位置に位置するときには、ほぼ全量が光学リングセル20内に入射される。この赤外光は、スリット30Bを通過後に、空洞体84(光学リングセル20)の内径まで拡がり、空洞体84の内面84A、各反射ミラー22、光学チョッパ30のミラー部30Aで反射を繰り返しながら、閉光路Cを周回する。
ここで、可搬型NOx検出装置80では、スリット30Bから入射された赤外光が、該スリット30Bよりも断面積の大きい空洞体84内で広がるため、スリット30Bが入出射位置に位置する状態で、該スリット30Bから入射される光量が出射される光量よりも大となる。上記の如くスリット30Bと空洞体38との断面積が略1:4である可搬型NOx検出装置80では、スリット30Bから入射され光学リングセル20(閉光路C)を周回した赤外光の略80%がミラー部30Aにて反射され、周回光(旋回光)として光学リングセル20に蓄えられることとなる。これにより、1〜数10kmの光路長を得ることができる。
また、可搬型NOx検出装置80では、空洞体84の内面84Aが鏡面に仕上げられているため、フィラメント加熱型赤外光源82の発する比較的低輝度の赤外光を空洞体84の内面84Aにて反射させつつ光学リングセル20を周回させることができる。このため、輝度の比較的低い赤外光を効率良く利用して大気中のNOx濃度を精度良く検出することができる。
さらに、可搬型NOx検出装置80では、狭帯域赤外線フィルタ86を備えているため、水によって吸収される波長とは異なる波長の赤外光を選択的に高感度MCT装置36に受光させることができる。補足すると、図15に示される如く、水は、赤外線領域(2.5〜40μm)では、5〜7.7μmの範囲で強い吸収を示すものの、連続吸収帯域ではなく、水の赤外吸収の振動回転スペクトルP枝、Q枝、R枝に基づく飛び飛び(ディクリート)な吸収線が多数存在する。可搬型NOx検出装置80を構成する狭帯域赤外線フィルタ86は、図14(B)に示される如く透過率は2〜3%程度であるが、例えば赤外線フィルタ86A単体(図14(A)参照)で用いる場合と比較して波長の選択性が数倍向上するため、このような水の赤外光吸収線が殆ど存在せず、かつNO2の吸収領域である6.289μm〜6.329μmの波長を選択することができる。このため、可搬型NOx検出装置80では、狭帯域赤外線フィルタ86を設けることで、大気中の水分の影響を受けることなく、大気中のNO2の濃度を精度良く検出することができる。
なお、第4の実施形態では、光源としてフィラメント加熱型赤外光源82を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、半導体赤外線レーザ等を光源として採用することができる。赤外線レーザにおいても、スリット30Bの通過後に光径が広がることから、光学リングセル20を周回する周回光として該光学リングセル20に赤外光を蓄えることができ、所要の光路長を確保することができる。赤外線レーザを用いる場合、水による吸収線が殆ど存在しない6.289μm〜6.329μmの単波長光源とすることで、大気中の水分の影響を受けることなく、大気中のNOの濃度を精度良く検出することができる。このように比較的高輝度の赤外光を発する赤外線レーザを用いる構成では、内面84Aが鏡面に仕上げられた空洞体84に代えて、後述する如く内面94Aが黒染めされた空洞体94を設けても良い。
(第5の実施形態)
図16には、本発明の第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置90が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、可搬型NOx検出装置90は、フィラメント加熱型赤外光源82、空洞体84に代えて、半導体赤外レーザ装置92、空洞体94を備える点で、第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置80(可搬型NOx検出装置10)とは異なる。また、可搬型NOx検出装置90は、狭帯域赤外線フィルタ86を備えない点で、第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置80とは異なる。
半導体赤外レーザ装置92は、赤外レーザ発振器92Aと、レーザ光ビーム整形ユニット92Bとを主要部として構成されている。赤外レーザ発振器92Aは、上記の通り水による吸収線が殆ど存在しない6.289μm〜6.329μm範囲の赤外光を出力する単波長光源とされている。レーザ光ビーム整形ユニット92Bは、赤外レーザ発振器92Aが発したレーザビームを、光学リングセル20の光路径(空洞体38の内径)の平行光に整形するように構成されている。
具体的には、図17(A)に示される如く、レーザ光ビーム整形ユニット92Bは、赤外レーザ発振器92Aからのレーザビームを拡げるための第1凸レンズ92Cと、凸レンズ92Cにより拡げられた光を略平行にする第2凸レンズ92Dと、第2凸レンズ92Dからの光の平行性を高めるための開口(アパーチャ)92Eが形成された複数の整形用アパーチャ部材92Fとを主要部として構成されている。これにより、半導体赤外レーザ装置92(レーザ光ビーム整形ユニット92B)は、1〜2km進んでも殆ど拡がることがない赤外光を出力する構成である。なお、図17(B)に示される如く、焦点を通した光を拡げる凸レンズ92Cに代えて、焦点を通さずに光を拡げるための凹レンズ92Gを用いて、レーザ光ビーム整形ユニット92Bを構成しても良い。
空洞体94は、空洞体84と同様の観点から、ステンレス鋼等の金属材にて構成されている。この空洞体94の内面94Aには、光の反射が抑制される処理が施されている。この実施形態では、空洞体94の内面94Aは、黒染め(例えば、薬品による酸化、スプレー塗料による表面塗装)によって光の反射が抑制されるようになっている。
また、図18に示される如く、可搬型NOx検出装置90では、スリット30Bは、光学チョッパ30の径方向に長手の矩形状に形成されており、その長手方向が閉光路Cの光軸と略直角を成す位置が入出射位置とされている。図19(A)に示される如く、可搬型NOx検出装置90を構成する光学チョッパ30には、スリット30Bの縁部における光の入射側の一部が該入射方向に沿って切り欠かれた(面取りされた)拡大入射部としての切欠部96が形成されている。これにより、可搬型NOx検出装置90は、図19(B)に示す切欠部96が形成されていない比較例と比較で、入射光Liのうち光学リングセル20に入射された入射光Lirの幅Wiが出射光の幅Woに対し大となる構成とされている。
この実施形態では、直径が略110mm、厚みが略5mmの光学チョッパ30における最外周部に、該光学チョッパ30の周方向の縁部間の角度が7°で径方向の深さ22mmのスリット30Bを形成している。このスリット30Bの深さ方向中央部での開口幅(周方向幅)は略6mmであり、出射光の幅Woは略0.4mmとなる。そして、切欠部96は、入射光の幅Wiが1〜3mm程度となるように形成されている。これにより、可搬型NOx検出装置90では、スリット30Bを通じた出射光量に対する入射光量の比が略2.5〜8倍となる構成である。なお、図18では、スリット30Bを1つだけ図示しているが、第1の実施形態と同様に複数のスリット30Bを設けても良いことは言うまでもない。可搬型NOx検出装置90の他の構成は、図示しない部分も含め可搬型NOx検出装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置90によっても、基本的に可搬型NOx検出装置10又は可搬型NOx検出装置80と同様の作用によって、可搬型NOx検出装置10、80同様の効果を得ることができる。
この可搬型NOx検出装置90の作用における可搬型NOx検出装置10、80の作用とは異なる部分(説明を省略した部分を含む)を主に補足すると、半導体赤外レーザ装置92が発した平行とされた赤外光は、切欠部96、スリット30Bを通じて光学リングセル20内に入射される。この赤外光は、光学リングセル20内で殆ど拡がることなく該光学リングセル20を周回し、一部が入出射位置に位置するスリット30Bから出射される。図20(A)〜図20(D)は、光学チョッパ30の回転に伴いスリット30Bが入出射位置に達した直後から、入出射位置から外れる直前までの入出射状態を模式的に示した平面図である。これらの図から、スリット30Bが入出射位置に達した直後には、赤外光は切欠部96を通らずに入射され、その後、入出射位置から外れる直前まで入射光が切欠部96を通過することで、出射光の幅Woよりも広い入射光の幅Wiが確保されることが判る。なお、図20に示す矢印rは、光学チョッパ30の回転方向を示す。
ここで、可搬型NOx検出装置90では、光学チョッパ30に切欠部96が形成されているため、平行光を光学リングセル20に入射する構成において、光学リングセル20への入射光量が出射光量に対し大となる。このため、スリット30Bから入射され光学リングセル20(閉光路C)を周回した赤外光の大部分がミラー部30Aにて反射され、周回光(旋回光)として光学リングセル20に蓄えられることとなる。上記の如く出射光量に対する入射光量の比が略2.5〜8倍となるこの実施形態では、スリット30B、切欠部96から入射された光の略70〜90%の光を周回光(旋回光)とすることができ、1〜数10kmの光路長を得ることができる。
また、可搬型NOx検出装置90では、空洞体94の内面94Aが黒染めされているため、輝度の高い赤外光を発する半導体赤外レーザ装置92を光源とする構成において、空洞体94の内面94Aで赤外光を反射することに起因して、輝度が高い赤外光からの迷光が生じることが抑制される。このため、輝度の比較的高い赤外光を用いて迷光を抑制しつつ、大気中のNOx濃度を精度良く検出することができる。
さらに、可搬型NOx検出装置90では、半導体赤外レーザ装置92が、水の赤外光吸収線が殆ど存在せずかつNO2の吸収領域である6.289μm〜6.329μmの赤外光を発する単波長光源であるため、大気中の水分の影響を受けることなく、大気中のNO2の濃度を精度良く検出することができる。
(第6の実施形態)
図21には、本発明の第6の実施形態に係る可搬型NOx検出装置100が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、可搬型NOx検出装置100は、光学チョッパ30のスリット30Bを通じた赤外光の入出射量を調整するための光入射部マスク部材及び光出射部マスク部材としての回転マスク部材102を備える点で、第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置90とは異なる。
図22及び図23(A)、図23(B)に示される如く、回転マスク部材102は、略円板状に形成されると共に、スリット30Bと同じ数の窓部102Aを有する。この回転マスク部材102における周方向に隣り合う窓部102A間の部分がスリット30Bの少なくとも一部を被覆し得るマスク部102Bとされている。この実施形態では、マスク部102Bは、スリット30Bに対し径方向、周方向(幅方向)の寸法が同等以上とされており、対応するスリット30Bの全体を覆い得る構成とされている。
この回転マスク部材102は、光学チョッパ30に対し同軸的に相対回転可能に回転軸32(図21〜図23では図示省略)に支持されている。この実施形態では、回転マスク部材102は、光学チョッパ30に対する赤外光の入射側に摺動可能に配置されている。したがって、可搬型NOx検出装置100では、光学チョッパ30に対する回転マスク部材102の相対回転によって、図24(A)〜図24(D)に例示される如く、スリット30Bの実質的な入出射幅が調整されるようになっている。図示は省略するが、検出装置100は、回転マスク部材102の光学チョッパ30に対する相対角位置を維持するためのロック手段を有する。
また、この実施形態では、マスク部102Bにおける光学チョッパ30側の面は、黒染め処理が施されている。このマスク部102Bにおける光学チョッパ30側の面は、鏡面に仕上げられても良い。
さらに、可搬型NOx検出装置100は、図21に示される如く、光学チョッパ30に対する回転マスク部材102の相対角位置(位相差)を検出する位相検出器104を備えている。位相検出器104は、光学式位相検出器とされており、その検出信号はコントローラ16に入力されるようになっている。コントローラ16には、位相検出器104からの信号に基づいて得たスリット30Bの開口幅(の基準に対する変化の割合)を表示するようにしても良い。可搬型NOx検出装置100の他の構成は、図示しない部分も含め可搬型NOx検出装置90の対応する構成と同じである。
したがって、第6の実施形態に係る可搬型NOx検出装置100によっても、基本的に可搬型NOx検出装置10又は可搬型NOx検出装置90と同様の作用によって、可搬型NOx検出装置10、90同様の効果を得ることができる。
この可搬型NOx検出装置100の作用における可搬型NOx検出装置10、90の作用とは異なる部分(説明を省略した部分を含む)を主に補足すると、可搬型NOx検出装置100では、回転マスク部材102を備えるため、周方向幅がそれぞれ異なるスリット30Bを有する多種類の光学チョッパ30を設けることなく、測定条件に応じて所要のスリット30Bの幅(光遮断時間)を得ることができる。
すなわち、光遮断時間は、光学チョッパ30の回転速度及びスリット30Bの周方向幅にて設定されるが、測定条件によって光遮断時間を調整する要求がある。これに対して、可搬型NOx検出装置10〜90では、スリット30Bの周方向幅が一定であるため、異なる周方向幅のスリット30Bを有する光学チョッパ30に交換するか、光学チョッパ30の回転速度を制御することで、光遮断時間を調整することとなる。前者では、光学チョッパ30の交換の都度、煩雑な作業を伴う光軸調整が要求されるので実用的でない。後者では、光学チョッパ30を駆動するモータの回転速度の上下限により、光遮断時間の調整幅が制限される。
これらに対して可搬型NOx検出装置100では、回転マスク部材102にてスリット30Bの周方向幅を調整し得るため、光学チョッパ30の交換、光学チョッパ30の回転数制御に頼ることなく、光遮断時間を調整することができる。そして、可搬型NOx100では、回転マスク部材102によるスリット30Bの周方向幅の調整と、光学チョッパ30の回転数制御とを組み合わせることで、光遮断時間を略1μ秒〜1000μ秒の広範囲に制御することが可能とされている。この制御範囲は、光学チョッパ30の回転数制御による場合に対し、10倍以上広い範囲とされている。
光遮断時間について補足すると、光遮断時間は、光学リングセル20への入射光量、入射光が光学リングセル20を周回する回数、光学リングセル20自体の有効なサイズを設定する上で重要な設計要素(運転条件)である。この光遮断時間の制御範囲が広いことは、可搬型NOx検出装置100の設計自由度、各種測定条件への対応の容易性、NOx検出制度等に寄与する。
なお、上記した第6の実施形態では、第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置90をベースに回転マスク部材102を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、可搬型NOx検出装置10、60、70、80、90の何れに回転マスク部材102を適用しても良いことはいうまでもない。
また、上記した第4の実施形態では、図12及び図13に示される如く長手方向が閉光路Cの光軸と略平行となる位置が入出射位置とされるスリット30Bに対し、凸レンズ82Dにて絞られた光を入射させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図25(A)〜図25(F)に示される如く、半導体赤外レーザ装置92からの平行光を入射させる構成としても良い。この場合、図26(A)に示される如く光学リングセル20の光路壁(空洞体84、ミラーホルダ25等の壁部)によって、赤外光がスリット30Bにおける端部(光学チョッパ30の厚み部分)から出射されることが防止されるので、出射光量に対し入射光量が大となり、光学リングセル20に光を蓄える(周回させる)ことができる。この出射光量に対する入射光量をより大とするために、図26(B)に示される如く、光学チョッパ30におけるスリット30Bの径方向内端部に入射光と略平行となるように拡大入射部としての切欠部110を形成しても良い。この構成は、例えば第1〜第3の実施形態に係る可搬型NOx検出装置10、60、70に適用することも可能である。
さらに、上記した第5の実施形態では、図18に示される如く長手方向が閉光路Cの光軸と略直角を成す位置が入出射位置とされるスリット30Bに、半導体赤外レーザ装置92からの平行光が入射される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、長手方向が閉光路Cの光軸と略直角を成す位置が入出射位置とされるスリット30Bからフィラメント加熱型赤外光源82の赤外光を入射するようにしても良い。この場合、光学チョッパ30に切欠部96を設けることなく、光学リングセル20に光を蓄える(周回させる)ことができる。またこの場合、空洞体94に代えて空洞体84を用いることが好ましい。
またさらに、上記した各実施形態では、光学リングセル20が略正方形状の閉光路Cを形成する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、略長方形状や正多角形状の閉光路Cを形成する光学リングセル20にて可搬型NOx検出装置10、60、70を構成しても良い。但し、三角形(正三角形)状の閉光路Cとした場合、入射角と出射角との和が略60℃で全反射条件を満たさないので、各反射ミラー22での反射率が若干低下することを考慮する必要がある。
さらに、上記した実施形態では、本発明が可搬型NOx検出装置10、60、70、80、90、100に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の微小成分の検出(分析)に本発明を適用しても良いことは言うまでもない。また、本発明(光学リングセル20)が適用された装置が可搬型であることに限定されないことは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の要部を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置10を構成する光学チョッパを模式的に示す図であって、(A)は平面図、(B)は光の入出射を許容する状態の正面図、(C)は光の入出射を禁止する状態の正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の概略全体構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の閉光路への光入射状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の閉光路での光周回状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の閉光路からの光出射状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可搬型NOx検出装置出による標準サンプルを用いた測定例を示す図であって、(A)は光学チョッパによる入出射の切り替えタイミングを示す線図、(B)はNO2濃度0ppbのサンプルでの測定結果を示す線図、(C)はNO2濃度20ppbのサンプルでの測定結果を示す線図、(D)はNO2濃度100ppbのサンプルでの測定結果を示す線図である。 本発明の第2の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の概略全体構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る可搬型NOx検出装置出による標準サンプルを用いた測定例を示す図であって、(A)はNO2濃度0ppbのサンプルでの測定結果を示す線図、(B)はNO2濃度20ppbのサンプルでの測定結果を示す線図、(C)はNO2濃度100ppbのサンプルでの測定結果を示す線図である。 本発明の第3の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の概略全体構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の概略全体構成を模式的に示す平断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成するフィラメント加熱型赤外光源、光学チョッパを示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置におけるスリットの入出射位置での姿勢を示す概念的な斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成する狭帯域赤外線フィルタの特性を示す図であって、(A)は合成前の2つのフィルタの特性を示す線図、(B)は合成されたフィルタ特性を示す線図である。 本発明の第4の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成する狭帯域赤外線フィルタを透過する赤外光の波数と、水による赤外光の吸収帯域との関係を説明するための示す線図である。 本発明の第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の概略全体構成を模式的に示す平断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成するレーザ光ビーム整形ユニットを示す図であって、(A)は模式図、(B)は変形例に係る模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置におけるスリットの入出射位置での姿勢を示す概念的な斜視図である。 (A)は、本発明の第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置におけるスリットの入出射位置で入出射状態を示す模式図、(B)は、比較例おけるスリットの入出射位置で入出射状態を示す模式図である。 (A)〜(D)のそれぞれは、本発明の第5の実施形態に係る可搬型NOx検出装置におけるスリットの入出射位置で入出射状態の推移を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態に係る可搬型NOx検出装置の概略全体構成を模式的に示す平断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成する回転マスク部材と光学チョッパとを示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成部品示す図であって、(A)は光学チョッパの正面図、(B)は回転マスク部材の正面図である。 (A)〜(D)のそれぞれは、本発明の第6の実施形態に係る可搬型NOx検出装置を構成する回転マスク部材による光学チョッパのスリット幅の異なる調整状態を例示する正面図である。 (A)〜(F)のそれぞれは、本発明の実施形態の変形例に係る可搬型NOx検出装置におけるスリットの入出射位置で入出射状態の推移を示す模式図である。 (A)は、本発明の実施形態の変形例に係る可搬型NOx検出装置におけるスリットの入出射位置で入出射状態を示す模式図、(B)は、さらに別例おけるスリットの入出射位置で入出射状態を示す模式図である。
符号の説明
10 可搬型NOx検出装置(物質検出装置)
20 光学リングセル(光学系)
22 反射ミラー
25 ミラーホルダ(密閉手段)
26 赤外光源(光源)
30 光学チョッパ(光学窓付ミラー、反射ミラー、入射手段、出射手段)
30B スリット(光入射部、光出射部、光学窓)
34 チョッパ駆動機構(入射切替手段、出射切替手段)
36 高感度MCT装置(光強度検出器)
38 空洞体(密閉手段)
40 ガス導入管(サンプル導入手段)
42 ガス導入管(サンプル導入手段)
44 エアポンプ(サンプル導入手段)
46 電磁弁(サンプル封止手段)
60・70・80・90・100 可搬型NOx検出装置(物質検出装置)
62 パルス赤外光源(光源、パルス光源)
64 パルス光現駆動回路(同期手段)
72 基準測定部(基準用の光学系)
74 サンプル測定部(検出用の光学系)
82 フィラメント加熱型赤外光源(光源)
84・94 空洞体(密閉手段)
84A・94A 内面
86 狭帯域赤外線フィルタ(フィルタ手段)
86A 赤外線フィルタ
86B カットオフフィルタ
92 半導体赤外レーザ装置(光源、赤外線レーザ)
96・110 切欠部(拡大入射部)
102 回転マスク部材(光入射部マスク部材、光出射部マスク部材)

Claims (33)

  1. 光源と、
    3つ以上の反射ミラーによって、所定の方向から入射された光が周回し得る閉光路が形成される光学系と、
    前記光源の光を、前記光学系の閉光路に対し、前記所定の方向から入射させる入射手段と、
    前記光学系の閉光路から光を出射させる出射手段と、
    前記出射手段により前記光学系の閉光路から出射された光の強度に応じた信号を出力する光強度検出器と、
    を備えた物質検出装置。
  2. 前記光学系は、前記3つ以上の反射ミラーが、それぞれ周方向に隣り合う前記反射ミラーに向けて光を反射する多角形状を成すように配置されて構成されている請求項1記載の物質検出装置。
  3. 前記光学系は、前記閉光路を周回する光が全ての前記反射ミラーの表面で全反射されるように、前記3つ以上の反射ミラーが配置されて構成されている請求項1又は請求項2記載の物質検出装置。
  4. 前記入射手段は、前記3つ以上の反射ミラーの少なくとも1つに部分的に設けられ光を透過させ得る光入射部と、前記光入射部を前記閉光路への光の入射を許容する入射許容位置と該閉光路への光の入射を禁止する入射禁止位置との間で移動可能な入射切替手段とを有し、
    前記出射手段は、前記3つ以上の反射ミラーの少なくとも1つに部分的に設けられ光を透過させる光出射部と、前記光出射部を前記閉光路からの光の出射を許容する出射許容位置と該閉光路からの光の出射を禁止する出射禁止位置との間で移動可能な出射切替手段とを有する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の物質検出装置。
  5. 前記入射切替手段は、前記光入射部が設けられた前記反射ミラーを、該反射ミラーの反射面に対し直角でかつ前記光入射部から径方向にずれて配置された軸線廻りに回転させることで、前記入射許容位置と入射禁止位置をと切り替えるように構成され、
    前記出射切替手段は、前記光出射部が設けられた前記反射ミラーを、該反射ミラーの反射面に対し直角でかつ前記光出射部から径方向にずれて配置された軸線廻りに回転させることで、前記出射許容位置と出射禁止位置をと切り替えるように構成されている請求項4記載の物質検出装置。
  6. 前記光入射部と光出射部とは、同一の前記反射ミラーに設けられている請求項5記載の物質検出装置。
  7. 前記光入射部及び光出射部は、前記反射ミラーの径方向に長手とされた共通の光学窓であり、該長手方向が前記閉光路の光軸と略平行となる場合に前記光源の光が入射及び出射されるようになっている請求項6記載の物質検出装置。
  8. 前記光入射部及び光出射部は、前記反射ミラーの径方向に長手とされた共通の光学窓であり、該長手方向が前記閉光路の光軸と略直角を成す場合に前記光源の光が入射及び出射されるようになっている請求項6記載の物質検出装置。
  9. 前記光入射部には、前記閉光路への入射光を該閉光路からの出射光よりも多くするための拡大入射部が形成されている請求項7又は請求項8記載の物質検出装置。
  10. 前記光入射部及び光出射部が設けられた前記反射ミラーの回転速度を変更することで、前記光源からの光が前記光学系の閉光路を周回する長さを調整する光路長調整手段をさらに備える請求項6〜請求項9の何れか1項記載の物質検出装置。
  11. 前記光入射部が設けられた前記反射ミラーに対し同軸的かつ相対回転可能に設けられ、該相対回転によって前記光入射部をマスクする量を調整可能な光入射部マスク部材をさらに備えた請求項5〜請求項10の何れか1項記載の物質検出装置。
  12. 前記光出射部が設けられた前記反射ミラーに対し同軸的かつ相対回転可能に設けられ、該相対回転によって前記光出射部をマスクする量を調整可能な光出射部マスク部材をさらに備えた請求項5〜請求項11の何れか1項記載の物質検出装置。
  13. 前記光源は、パルス光を発する構成とされており、
    前記入射手段は、前記光入射部が前記入射許容位置に位置するときに前記光源がパルス光を発するように、前記光源と前記光入射部が設けられた反射ミラーの角変位とを同期させる同期手段をさらに備えて構成されている請求項5〜請求項12の何れか1項記載の物質検出装置。
  14. 前記光源は、連続光を発するようになっている請求項1〜請求項12の何れか1項記載の物質検出装置。
  15. 前記光源は、被検出物質が吸収する波長の光を発する構成とされている請求項1〜請求項14の何れか1項記載の物質検出装置。
  16. 前記光学系の前記閉光路を密閉する密閉手段と、
    前記密閉手段内に被測定サンプル又は基準サンプルを導入するためのサンプル導入手段と、
    前記密閉手段内に導入された被測定サンプル又は基準サンプルを該密閉手段内に保持させるサンプル封止手段と、
    をさらに備えた請求項1〜請求項15の何れか1項記載の物質検出装置。
  17. 前記密閉手段の内面は、光を反射する鏡面加工が施されている請求項16記載の物質検出装置。
  18. 前記密閉手段の内面は、光の反射を抑制する処理が施されている請求項16記載の物質検出装置。
  19. 被検出物質を含まない状態で前記光源の光を周回させるための基準用の前記光学系と、
    被検出物質を検出するために前記光源の光を周回させるための検出用の前記光学系と、
    をそれぞれ備えた請求項1〜請求項15の何れか1項記載の物質検出装置。
  20. 被検出物質は、窒素酸化物であり、
    前記光源は、前記窒素酸化物が赤外線を吸収する波長で、かつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線レーザである請求項1〜請求項19の何れか1項記載の物質検出装置。
  21. 被検出物質は、窒素酸化物であり、
    前記光源は、連続赤外光を発する構成とされており、
    特定波長範囲の赤外線を透過する狭帯域の赤外線フィルタと、前記特定波長範囲内にカットオフ波長を有するカットオフフィルタとを組み合わせることで、前記窒素酸化物が赤外線を吸収する波長で、かつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線を選択的に透過するフィルタ手段を構成した請求項1〜請求項19の何れか1項記載の物質検出装置。
  22. 3つ以上の反射ミラーにより光が周回し得るように形成された閉光路に、光を入射させる入射ステップと、
    前記閉光路から光を出射させる出射ステップと、
    前記閉光路から出射された光の強度を測定する測定ステップと、
    を含む物質検出方法。
  23. 前記3つ以上の反射ミラーの1つとして、光を透過し得る光学窓が一部に設けられると共に前記閉光路に対する位置を変化させ得る光学窓付ミラーを用い、
    前記入射ステップを、前記光学窓付ミラーの光学窓を前記閉光路に一致させて実行し、
    前記出射ステップを、前記入射ステップの実行後に前記光学窓付ミラーの光学窓を前記閉光路に一致させて実行する請求項22記載の物質検出方法。
  24. 前記反射ミラーを所定の軸線廻りに回転させ、
    前記反射ミラーの径方向に長手とされた光学窓の長手方向が前記閉光路の光軸と略平行となるときに、前記入射ステップ及び出射ステップを実行する請求項23記載の物質検出方法。
  25. 前記反射ミラーを所定の軸線廻りに回転させ、
    前記反射ミラーの径方向に長手とされた光学窓の長手方向が前記閉光路の光軸と略直角を成すときに、前記入射ステップ及び出射ステップに実行する請求項23記載の物質検出方法。
  26. 前記入射ステップと前記出射ステップとの時間差により、光が前記閉光路を周回する長さを調整する請求項23〜請求項25の何れか1項記載の物質検出方法。
  27. 前記入射ステップを、前記光学窓付きミラーの移動に同期させたパルス光をパルス光源から発生させて実行する請求項23〜請求項26の何れか1項記載の物質検出方法。
  28. 前記入射ステップを、連続光を光源から発生させて実行する請求項23〜請求項26の何れか1項記載の物質検出方法。
  29. 前記入射ステップで、被検出物質が吸収する波長の光を前記閉光路に入射させる請求項請求項22〜請求項27の何れか1項記載の物質検出方法。
  30. 前記光学系の少なくとも前記閉光路を密閉する密閉手段を用い、
    前記密閉手段内を被検出物質が含まれない基準状態にした状態で、前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の基準値を測定し、
    前記密閉手段内を被検出物質を含み得る測定条件にした状態で、前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の測定値を得、
    前記基準値と前記測定値とに基づいて被検出物質の有無又は濃度を検出する請求項22〜請求項29の何れか1項記載の物質検出方法。
  31. 二組の前記光学系を用い、
    一方の前記光学系によって、被検出物質を含まない基準条件で前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の基準値を測定しながら、
    他方の前記光学系によって、被検出物質を含み得る測定条件で前記入射ステップ、出射ステップ、測定ステップを行って光の強度の測定値を得、
    前記基準値と前記測定値とに基づいて被検出物質の有無又は濃度を検出する請求項22〜請求項29の何れか1項記載の物質検出方法。
  32. 前記入射ステップで、窒素酸化物が赤外線を吸収する波長でかつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線レーザを前記閉光路に入射させ、
    被検出物質として窒素酸化物を検出する請求項22〜請求項31の何れか1項記載の物質検出方法。
  33. 前記入射ステップで、特定波長範囲の赤外線を透過する狭帯域の赤外線フィルタと前記特定波長範囲内にカットオフ波長を有するカットオフフィルタとを透過させて得た、窒素酸化物が赤外線を吸収する波長でかつ水が赤外線を吸収する波長と異なる波長の赤外線を、前記閉光路に入射させ、
    被検出物質として窒素酸化物を検出する請求項22〜請求項31の何れか1項記載の物質検出方法。
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