JP2009098035A - 原子力プラント - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急地震速報等の地震信号を利用して、地震動(地震波:S波)到達前、種々のプラント保護動作を開始し、地震による残留リスクを削減ないし低減させる原子力プラント。
【解決手段】本発明に係る原子力プラントは、緊急地震速報等の地震信号を利用して原子力プラント内の種々のプラント保護動作を、地震動到達前に開始するものである。この原子力プラントは、緊急地震速報あるいは震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号aを受信する受信手段11と、受信した緊急地震速報等の地震信号aからの地震の震度が所定の震度を上廻るか否かを判断する震度判断手段12と、緊急地震速報等の地震信号から地震の震度が所定の震度を上廻った場合で地震動到達前にプラント保護動作を開始するプラント保護手段13とを有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震発生直後で所定震度以上の地震動到達前に、各種プラントやその周辺付帯施設を緊急隔離させたり、緊急スクラムさせるプラント保護技術に係り、特に、所定震度以上の地震動到達前に原子力プラントや、その付帯施設のプラント保護動作を開始して完了させる原子力プラントおよびその保護動作方法に関する。
従来の原子力プラントでは、原子力発電プラントやこの原子力発電プラントで使用された使用済み再処理施設等にプラント付帯施設が設けられる。従来の原子力プラントは、地震が発生すると、実際に所定の地震加速度で原子力プラントが振動したことを地震計で計測し、所定の地震加速度を上廻る場合に、原子力プラントを緊急スクラムさせたり、緊急隔離させる原子力プラントの保護動作を自動的に行なうようになっている。例えば、原子力発電プラントの場合、地震計からの地震発生信号を受けて原子炉緊急停止系をスクラム動作させることが一般的である。
一方、水力発電所等のダムは優れた耐震性を有する構造物であるが、大地震の際に損傷を受けた事例が幾つか報告されている。地震が発生した際に、地震動の到達前に地震の発生を知り、地震対策を講じることは極めて有効である。
近年、高感度地震観測網等の地震観測網が高密度に整備され、地震情報を迅速に収集・分析・活用されるようになりつつあり、震源から少し離れた地域では、地震動の到達前に緊急地震情報の配信が可能になってきた。
このような背景から緊急地震情報と既設ダムの地震観測情報と三次元解析技術を有機的に組み合せ、既存ダムの地震時安全性を迅速に評価判定する地震対策技術が、特許文献1に開発されている。
特開2006−162415号公報
特許文献1に記載された地震対策技術で、緊急地震速報を受信してから、地震動到達前に地震の発生を把握し、既設ダムの地震時損傷形態を予測するためには、地盤−ダム構造物系の地震損傷解析を三次元動的解析の形で実施し、システム化しなければならず、大型で高性能なスーパーコンピュータが必要となり、時間を要する複雑な作業が必要である。
また、従来の原子力プラントのように、地震動の到達後にプラント保護動作を実施する場合や、原子力プラントが設計で想定される以上の地震に襲われた場合には、原子力プラントのプラント保護動作そのものが地震によって機能損失してしまい、緊急隔離や緊急スクラムが不能となって、所定のプラント保護機能を果すことができない虞がある。地震波が到達後には、原子力プラントの緊急スクラム、緊急隔離を行なえないことがあり、この場合、原子力プラントは残留リスクが大きくなり、種々のプラント保護動作を確実に実施する上で、大きな問題がある。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、各種プラントのプラント保護動作を所定以上の地震動が到達する前に開始もしくは完了し、地震による残留リスクを削減ないし大幅に低減させた原子力プラントを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、原子炉以外の周辺施設からの放射能洩れを、地震発生前に未然にかつ確実に防止したり、また、放射性物質の放出量を最小限に抑制できるプラント保護動作を確実かつ安全に実施することができる原子力プラントおよびその保護動作方法を提供するにある。
本発明に係る原子力プラントおよびその保護動作方法は、緊急地震速報あるいは震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号を利用して震度が例えば5強のように所定の地震以上の時に、原子力プラント内の種々のプラント保護動作を地震動到達前に開始するものである。ここで、原子力プラントとは原子力発電プラント(BWRやPWRプラント)や種々の化学プラント、再処理プラントだけでなく、原子力プラント内の種々のプラント、その付帯施設や原子炉以外の周辺施設も対象とする。
本発明に係る原子力プラントは、上述した課題を解決するために、緊急地震速報あるいは震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号を受信する受信手段と、受信した緊急地震速報等の地震信号からの地震の震度が所定の震度を上廻るか否かを判断する震度判断手段と、緊急地震速報等の地震信号から地震の震度が所定の震度を上廻った場合に地震動到達前にプラント保護動作を開始するプラント保護手段とを有するものである。
また、本発明に係る原子力プラントの保護動作方法は、上述した課題を解決するために、緊急地震速報あるいは震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号を受信する工程と、受信した緊急地震速報等の地震信号からの地震の震度が所定の震度を上廻るか否かを判断する工程と、緊急地震速報等の地震信号から地震の震度が所定の震度を上廻った場合に地震動到達前にプラント保護動作を開始する工程と、を有することを特徴とする方法である。
本発明の原子力プラントおよびその保護動作方法によれば、所定以上の震度の地震動が到達する前にプラント保護手段がプラント保護動作を開始させ、種々のプラント保護動作を完了することができ、プラント保護手段を地震動到達前に確実にかつ安定的に作動させて地震による残留リスクを削減ないしは低減させることができる。
本発明に係る原子力プラントおよびその保護動作方法の実施の形態について、図1ないし図3を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る原子力プラントの第1の実施形態を示す構成図である。
原子力プラント10は、軽水炉の場合、BWR原子力発電プラントとPWR原子力発電プラントとがある。BWR原子力発電プラントは、原子炉建屋(R/B)とタービン建屋(T/B)の本館建屋と、制御建屋(C/B)および廃棄物処理建屋(RW/B)でプラント配置の主建屋構成が構成される。制御建屋(C/B)と廃棄物処理建屋(RW/B)を独立建屋とするか、原子炉建屋と一体化するかは、岩盤深さ、設計用地震大きさ、敷地形状により決定される。
また、PWR原子力発電プラントは、シングル型プラントとツイン型プラントの2種があり、プラント配置の建屋は、原子炉建屋(RB)、原子炉補助建屋(AB)、タービン建屋(TB)および中間建屋(制御建屋:IB)等で構成される。PWR原子力発電プラントは、BWR原子力発電プラントとは異なり、主蒸気が非放射性であるため、タービン建屋は管理区域外の施設となり、タービン発電機を含む、いわゆる原子炉二次系設備の基本構成は、火力発電所のタービン発電機設備と異ならない。
原子力発電プラント10には、震源や地震の規模(マグニチュード)を推定して知らせる気象庁からの緊急地震速報、あるいは震源から近い場合、震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号aを、地震動(地震波、主要動:S波)の到達前に受信する受信手段11と、受信した緊急地震速報等の地震信号aによる(原子力プラント10近くの)震度が所定の震度、例えば5強あるいは6強を上廻るか否かを判断する震度判断手段12と、緊急地震情報等の地震信号aによる(原子力プラント10近くの)震度が所定の震度を上廻った場合、原子力プラント10のプラント保護動作を実施するプラント保護手段13とを有する。
プラント保護手段13は、震度判断手段12が、所定の震度を上廻ることを検知した場合に、地震動(地震波)の到達前にプラント保護動作を自動的に実施するものである。プラント保護手段13には、地震動到達前に初期微動(P波)を検知し、原子炉緊急停止系(Reactor Scram)を作動してスクラムさせる地震前スクラム15と、地震動地震前に主蒸気隔離弁(MSIV)を緊急隔離する主蒸気隔離弁(MSIV)閉16と、地震動到達前にタービンを停止させるタービントリップ17と、地震動到達前に所内変圧器から起動変圧器への負荷の自動切替(起動切替)が行なわれる起変切替18と、地震動到達前に非常用ディーゼル(D/G)を自動起動させるD/G起動19と、地震動到達前に高圧非常用炉心冷却系(ECCS)を起動させる高圧ECCS起動20を有し、地震動到達前に原子力プラント10のプラント保護動作を実施するようになっている。
プラント保護手段13は、さらに、地震動到達前に建屋内漏洩水の外部放出を防止する外部放出防止手段の放出口自動閉22と、地震動到達前に放射能を帯びた燃料プール水が環境に放出されるのを防止する燃料プール自動堰23とを有する。燃料プール自動堰23は、地震動到達前に震度判断手段12が所定以上の震度を検出したときに、爆破弁24を直接作動させ、アキュムレータ25を介して燃料プール自動堰23を緊急に起動させてもよい。この自動堰23の起動により燃料プールからの漏洩水を完全に遮断し、燃料プール水が一部環境に放出されるのを防止している。また、建屋内漏洩水放出口自動閉22も、地震動の到達前に緊急地震速報等の地震信号aを受け、地震の大きさを判断する震度判断手段12からの出力信号により外部放出防止手段を自動的に起動させて建屋内漏洩水の外部放出を防止してもよい。
次に、原子力プラント10のプラント保護動作を説明する。
原子力プラント10に備えられるプラント保護手段13は、個々のプラント保護動作毎に所定の震度が設定され、緊急地震速報等の地震信号aによる(原子力プラント10近くでの)予測震度が所定値を上廻る場合に、個々のプラント保護動作が自動的に行なわれる。
震度判断手段12は、緊急地震速報等による予測震度が予め設定された震度を上廻る場合に、出力信号がプラント保護手段13に出力され、プラント保護動作が地震動の到達前に例えば初期微動(P波)を検知した段階で開始される。
プラント保護手段13で地震前スクラム15を自動作動させることにより、地震動(S波)の到達前にスクラム動作が開始され、原子炉炉心の核反応を完全に停止させることができる。地震前スクラム15には数秒程度しか時間を要しないため、緊急地震情報を受信してからでも、核反応の停止を完全に完了させることができる。この地震前スクラム15にはプラント保護動作は、地震動到達前のスクラム動作であるため、スクラム動作の安全性、確実性を確保でき、従来の地震後(地震動発生後)のスクラムに較べて極めて安全性が著しく有効である。
従来の地震後のスクラム動作では、原子力プラント10が設計基準を大幅に上廻る地震に襲われた場合、スクラム機能が損なわれて故障し、原子炉の停止が行なえなくなることが生じる虞がある。これを地震時ATWSという。原子炉の停止が行なえなくなると、地震時確率論的安全評価(PSA)上、炉心損傷に至る主要な事故シーケンスであるドミナントシーケンスの1つが生じる虞があることが知られている。
例えば、強大な地震動により燃料チャンネルや原子炉炉心の上部格子板が変形すると、制御棒の挿入が阻害される。この発生事象は確率論的には勿論限りなくゼロに近く、発生確率の低い事象であるが、強大地震による主要な残留リスクの1つとなっている。
これに対し、プラント保護手段13に原子炉緊急停止手段を備えて地震前スクラム15を行なうことができると、強大地震が発生した場合にも、原子力プラント10の残留リスクを完全に排除することができ、地震動到達前のプラント保護動作は極めて有効な手段となる。
また、原子力プラント10がBWRプラントの場合、プラント保護手段13に地震前スクラム15と同時に主蒸気隔離弁(MSIV)を備えて、MSIV閉16の緊急隔離を行なうと、MSIV閉16の作動は数秒以内に完了することができるので、仮に設計条件を大幅に超える地震に襲われ、主蒸気管破断事故が発生しても、原子炉側からの炉水流出をゼロにすることができる。
従来は、主蒸気管破断事故が発生すると、破断検知後にMSIVを急速に閉鎖する設計となっているため、原子炉側から大量、例えば30トンの炉水が環境に放出される虞がある。また、同一のサイト内に多数基の原子力プラントが設置されている場合、地震時に全ての原子力プラントで同時に主蒸気管破断事故が発生する可能性がある。
全ての原子力プラントで主蒸気管破断事故が同時に発生しても、地震動到達前に、地震前スクラム15や主蒸気隔離弁(MSIV)閉16のスクラム保護動作を実施することができると、サイト周辺の公衆の被曝線量をほぼ完全にゼロにすることができる。
原子炉の設計条件を大幅に上廻る強大地震に襲われた場合、主蒸気管判断事故を完全に防止することは困難であるが、地震動発生前にMSIV閉塞のプラント保護動作を行なうことができるので、公衆の被曝事故を未然にかつ確実に防止することができる。
さらに、プラント保護手段13により地震動到達前にタービンの運転を停止させるタービントリップ17を行なうことができ、タービンの停止により、タービンの破損およびタービンミサイルの発生を未然にしかも確実に防止することができる。
原子力プラント10がPWR発電プラントの場合は、原子炉二次系設備の基本的構成は火力発電所のタービン設備と異ならず、一般火力発電所並みの設計が行なわれている。PWR発電プラントでは、強い地震に襲われると、タービンの破損に至る可能性が高いが、この実施形態ではプラント保護手段13により、地震動到達前にタービンを停止させるタービントリップ17を備えてプラント保護動作が行なわれるので、仮にタービンが破損してもミサイル化する危険性を排除できる。
この原子力プラント10では、地震動到達前にプラント保護手段13のプラント保護動作を開始させ、タービントリップ17を事前に行なうことができるので、同時に原子力プラント10の所内変圧器から起動変圧器への負荷の自動切替(起変切替)18を行なうことができ、外部電源系からの給電が可能となる。
しかし、強大地震発生時には、外部電源系自体が損傷してしまう虞があるので、事前に非常用ディーゼル発電機(D/G)を自動起動を行なうことができ、非常用電源を地震動到達前に立ち上げることができる。一般に非常用ディーゼル発電機(D/G)の起動には10秒程度要するので、D/Gの自動起動により地震動(地震波)到達直前にAC電源の確保が可能となる。
従来のように、地震後に外部電源の喪失を受けてD/Gの起動が行なわれると、強大地震では長周期の地震動が継続している最中に、D/Gが起動することとなるので、地震の振動により起動が失敗する虞がある。
本実施形態の原子力プラント10では、地震動到達前にプラント保護手段13をプラント保護動作させて、非常用ディーゼル発電機(D/G)が自動起動されるので、AC電源を確保し、外部電源が喪失してもAC電源を確保できないリスクを完全に排除することができる。
また、原子力プラント10がBWR発電プラントの場合、耐震性に極めて優れた高圧非常用炉心冷却系(ECCS)が備えられる。このため、地震動到達前に耐震設計に優れた高圧ECCSを起動させることができれば、地震後に運転員が手動で原子炉の水位計を見ながら、より耐震設計の低い系統で炉水位の制御を行なう必要がなくなる。BWR発電プラントに備えられる高圧ECCSは耐震設計に優れており、原子炉が高圧でも炉内に注水が可能で、炉水位を自動的に制御することができる。このため、地震後の運転員の負担を大幅に緩和させることができる。
さらに、本実施形態の原子力プラント10では、地震動到達前にプラント保護手段13のプラント保護動作により、また、震度判断手段12からの出力信号により、建屋内漏洩水の外部放出防止手段が作動して、建屋内の漏洩水の放出口自動閉22が行なわれ、建屋内漏洩水の外部放出が防止される。一方、燃料プール自動堰23も急速に起動し、放射能を帯びた燃料プール水が一部環境に放出されるのを防止することができる。
本実施形態では原子力プラント10に地震波が到達する前にプラント保護手段13が種々のプラント保護動作を開始し、完了することができる。その結果、原子炉の設計条件を大幅に超える地震による残留リスクを削減ないしは低減することが可能となる。
[第2の実施形態]
図2は本発明に係る原子力プラント1の第2実施形態を説明する構成図である。
この原子力プラント10Aにおいて、第1実施形態に示される原子力プラント10と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
図2に示される原子力プラント10Aのプラント建屋30は放射性の炉水や蒸気を原子炉一次系設備を取り扱う管理区域31の建屋と、管理区域外である非管理区域32の建屋に区分けされる。管理区域30の建屋は、放射性水を扱う燃料プール33を備え、BWR発電プラントでは原子炉建屋やタービン建屋で構成される。PWR発電プラントでは原子炉建屋や原子炉補助建屋で管理区域30が構成される。また、非管理区域32の建屋には漏洩水を集めるドレンサンプ34とドレン水を移送する移送ポンプ35が一般的に設置される。また、隔離弁36が設けられ、この隔離弁36により非管理区域32は外部の環境から隔離される。
ドレンサンプ34内の水位が高くなると、移送ポンプ35がドレン水を自動的に外部に、例えば海中に移送する設計となっていることが多い。非管理区域32のドレンサンプ34には、通常放射能を含まない漏洩水が貯溜される。プラント建屋30は非管理区域32であっても、原子炉設計条件を大幅に上廻る地震が発生した場合には、原子力プラント10A内の予想されていない箇所からごく微量の放射能を含む水が漏洩してくる可能性も否定できない。
放射能が微量であると、ドレン水移送時に放射能を検出することが困難であるため、最悪の場合、極微量の放射能を含んだ漏洩水が環境に放出されてしまうことが考えられる。
第2の実施形態では、緊急地震速報の地震信号a、あるいは地震計からの地震信号aにより、地震動(主要動:S波)到達前に震度判断手段12で震度が所定の震度を上廻るか否かを判断し、所定の震度を上廻る場合、隔離保護命令信号bによりドレンサンプ34の移送ポンプ35を緊急停止させる。この移送ポンプ35の緊急停止とともに隔離弁36を自動的に閉鎖させてもよい。隔離弁36は、震度判断手段12からの隔離保護命令信号bにより作動させるプラント保護手段13によりプラント保護動作が開始され、隔離弁36閉動作を行なってもよい。
この場合、地震時に放射能を帯びた漏洩水を原子力プラント10Aの外部に不用意に放出してしまうことを完全に排除することができる。一般には、移送ポンプ35や隔離弁36は耐震設計されていないので、第2実施形態に示すように緊急地域速報の信号aや地震計信号aにより地震波が到達する前に隔離してしまうことは、非常に有効な地震対応手段となる。
[第3の実施形態]
図3は本発明に係る原子力プラントの第3実施形態を示す構成図である。
この第3実施形態に示された原子力プラント10Bは地震発生直後で地震動到達前に、震度が所定の震度を上廻った場合に、原子力プラント10Bの保護動作を行なうため、燃料プール40からの漏洩水を完全に遮断し、放射能を帯びた燃料プール水が一部環境に放出するのを防止するプール水漏洩防止手段41を備える。
このプール水漏洩防止手段41に備えられる自動堰43は、通常時は折り畳まれて気密性および水密性を有する可撓性の側壁44と、この側壁44に接合され、水密性を有する底部45、側壁44に圧搾空気を供給する圧搾空気供給系46と、この圧搾空気供給系46を作動させる信号系47とを少なくとも有する。
自動堰43の側壁44には、船舶使用の救命ボートに使用されるボート材料と同じ可撓性に富む堰材料が使用される。
第3実施形態では、信号系47が作動し、緊急地震速報や地震計からの地震情報等の地震信号aを入力して、プラント保護手段であるプール水漏洩防止手段41の隔離弁48が開作動すると、圧搾空気供給系46から圧搾空気が瞬時に側壁44部に供給される。側壁44部は燃料プール40の周囲を覆い、水密性を有する底部45と一体をなしてプール水カバー壁を構成している。
このプール水カバー壁は、地震動が到達する前に成形することができ、地震動(主要)動:S波)が到達して燃料プール40内のプール水が大きく揺れて溢水(オーバフロー水)が生じても、放射能を帯びたプール水を外部の環境に放出するのを防止できる。
すなわち、地震波(S波)が到達し、燃料プール40内のプール水が長周期地震動によって長期間スロッシングし、その都度外周部の床にプール水が溢水しても、放射能を帯びたプール水が一部環境に放出されるのを防止できる。第3実施形態の原子力プラント10Bでは、燃料プール40の外周囲を覆うようにプール水カバー壁を形成したので、このプール水カバー壁によって燃料プール40からの漏洩水を完全に遮断し、再び燃料プール40に還流させる機能を有する。この結果、燃料プール40の水位が低下して燃料プール40の冷却機能が阻害される問題を確実に回避することができる。
本発明に係る原子力プラントによれば、地震動(地震波(S波))到達前に所定震度以上の地震を検出してプラント保護手段を作動させ、種々のプラント保護動作を開始させることができる。原子力プラントをBWR発電プラントやPWR発電プラントに適用した例を示したが、原子力プラント以外の発電プラントや、化学プラント、交通機関にも適用することができ、大きな地震の地震動到達前に、初期微動(P波)や緊急地震情報等の地震信号を検出して各種プラントや機関を緊急停止させるように構成してもよい。
本発明に係る原子力プラントの第1実施形態を示す構成図。 本発明に係る原子力プラントの第2実施形態を示す構成図。 本発明に係る原子力プラントの第3実施形態を示す構成図。
符号の説明
10,10A,10B 原子力プラント
11 受信手段
12 震度判断手段
13 プラント保護手段
15 地震前スクラム
16 主蒸気隔離弁閉
17 タービントリップ
18 起変切替
19 非常用ディーゼル発電機(D/G)起動
20 高圧非常用炉心冷却系(ECCS)起動
22 建屋内漏洩水放出口の自動閉
23 燃料プール自動堰起動
24 爆破弁
25 アキュムレータ
30 プラント建屋
31 管理区域
32 非管理区域
33,40 燃料プール(使用済み燃料プール)
34 ドレンサンプ
35 移送ポンプ
36 隔離弁
41 プール水漏洩防止手段
43 自動堰
44 側壁
45 底部
46 圧搾空気供給系
47 信号系

Claims (13)

  1. 緊急地震速報あるいは震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号を受信する受信手段と、
    受信した緊急地震速報等の地震信号からの地震の震度が所定の震度を上廻るか否かを判断する震度判断手段と、
    緊急地震速報等の地震信号から地震の震度が所定の震度を上廻った場合に地震動到達前にプラント保護動作を開始するプラント保護手段とを有することを特徴とする原子力プラント。
  2. 前記プラント保護手段は地震動到達前に原子炉緊急停止系をスクラムさせるプラント保護動作を開始しており、前記原子力プラントは原子力発電プラントであることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  3. 前記プラント保護手段は地震動到達前にプラント保護動作を開始させる建屋内漏洩水の外部放出防止手段であることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  4. 前記プラント保護手段は、地震動到達前に主蒸気隔離弁を自動閉鎖させるプラント保護動作を開始しており、前記原子力プラントは沸騰水型軽水炉であることを特徴とする請求項1記載の原子力プラント。
  5. 前記プラント保護手段は、地震動到達前にタービン・トリップさせるプラント保護動作を開始しており、原子力プラントは原子力発電プラントであることを特徴とする請求項1記載の原子力プラント。
  6. 前記プラント保護手段は、地震動到達前に所内変圧器から起動変圧器へ負荷を自動切換えすることでプラント保護動作を開始しており、前記原子力プラントは原子力発電プラントであることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  7. 前記プラント保護手段は、地震動到達前に非常用ディーゼル発電機を自動起動させるプラント保護動作を開始させることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  8. 前記プラント保護手段は、地震動到達前に高圧ECCSを自動起動させてプラント保護動作を開始しており、前記原子力プラントは沸騰水型軽水炉であることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
  9. 前記プラント保護手段は、地震到達前にプールの周囲を囲う自動堰を起動させるプラント保護動作を開始させることを特徴とする請求項1記載の原子力プラント。
  10. 前記自動堰は、通常時は折り畳まれ気密性および水密性を有し、燃料プールの周囲を囲む側壁と、上記側壁と接合され、水密性を有する底部と、前記側壁に圧搾空気を供給する圧搾空気供給系と、上記圧搾空気供給系を作動させる信号系を少なくとも有することを特徴とする請求項9記載の原子力プラント。
  11. 前記燃料プールは、使用済み燃料プールであり、前記原子力プラントは沸騰水型軽水炉であることを特徴とする請求項9または10に記載の原子力プラント。
  12. 前記燃料プールは、使用済み燃料の再処理用プールであり、前記原子力プラントは使用済み燃料再処理施設であることを特徴とする請求項9または11に記載の原子力プラント。
  13. 緊急地震速報あるいは震源に近い地震計からの地震情報等の地震信号を受信する工程と、受信した緊急地震速報等の地震信号からの地震の震度が所定の震度を上廻るか否かを判断する工程と、
    緊急地震速報等の地震信号から地震の震度が所定の震度を上廻った場合に地震動到達前にプラント保護動作を開始する工程と、
    を有することを特徴とする原子力プラントの保護動作方法。
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