JP2009097502A - 車載パワートレインの暖機システムと暖機方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な部品や制御の追加を必要とせず、軽量・低コストで対応が可能であると共に、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得ることができる車載パワートレインの暖機システムと暖機方法を提供すること。
【解決手段】車両のエンジン冷却水循環回路1に熱源からの熱を取り込み、エンジンEの暖機を促進する車載パワートレインの暖機システムにおいて、熱源として、家庭熱源を利用した住宅温水回路2を設け、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2に、ワンタッチコネクタ3を設けた。ワンタッチコネクタ3は、エンジンEを始動する前に両回路1,2を接続してエンジン冷却水循環回路1に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路1,2を切り離し、エンジンEの始動に備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、エンジンやトランスミッションやモータ等の車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機システムと暖機方法に関する。
環境対応型パワートレインを持つ車両として更に需要増加が期待されるハイブリッド車両は、エンジン車両に比べて排出熱量が少なく、寒冷時、車両発進してもしばらくの間は車室内温度が低いままというように、暖房性能不足が懸念される。
また、エンジンそのものの燃費性能向上と同様に、燃費改善のためにはエンジンやトランスミッションの暖機促進も重要な技術である。暖機促進の対応策としては、現在、内燃エンジンの始動前に排気ガス触媒を予熱するハイブリッド車両の発電用内燃エンジンの運転方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジン冷却回路とモータ冷却回路を有するハイブリッド車両において、廃熱を回収し暖機促進を図る車両用廃熱利用装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2874449号公報 特開2006−321389号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車両の発電用内燃エンジンの運転方法にあっては、エンジン燃焼制御において暖房・暖機のために燃料を通常より多めに噴く必要があり、それらが結局燃費悪化の要因となっている。
また、従来の車両用廃熱利用装置にあっては、排熱回収や蓄熱において、部品点数の増加による重量増によりその効果が十分発揮されない場合が考えられる。しかも、部品やシステム回路の追加や複雑な制御追加によるコストアップ要因の一つにもなる。
更に、上記従来方法は、いずれも車両の内部熱源を用いるものであるため、寒冷地や冬季等での発進時には、エンジンを始動した時点からエンジン暖機が完了する時までに、少なくとも数分程度は時間が掛かってしまい、即効性のある暖機効果が得られない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、複雑な部品や制御の追加を必要とせず、軽量・低コストで対応が可能であると共に、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得ることができる車載パワートレインの暖機システムと暖機方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機システムにおいて、
前記熱源からの熱を循環させる熱源回路を設け、
前記車両側暖機回路と前記熱源回路に、車載パワートレインを始動する前に両回路を接続して前記車両側暖機回路に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路を切り離すコネクタを設けたことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明では、車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機方法において、
前記熱源として、家庭熱源を利用した熱源回路を設け、
前記車両側暖機回路と前記熱源回路に、両回路の接続と両回路の切り離しが可能なコネクタを設け、
車載パワートレインを始動する前、前記コネクタの接続操作により、前記車両側暖機回路と前記熱源回路を接続する回路接続手順と、
両回路の接続状態で前記熱源回路から前記車両側暖機回路に熱を取り込む家庭熱エネルギー取り込み手順と、
前記車両側暖機回路側に熱を取り込んだ後、前記コネクタの切り離し操作により、前記車両側暖機回路と前記熱源回路を切り離す回路切り離し手順と、
を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法にあっては、車載パワートレインを始動する前、コネクタの接続操作により、車両側暖機回路と熱源回路が接続される。この両回路の接続状態で熱源回路から車両側暖機回路に熱が取り込まれる。そして、車両側暖機回路側に熱を取り込んだ後、コネクタの切り離し操作により、車両側暖機回路と熱源回路が切り離される。
すなわち、車載パワートレインの暖機を促進するために熱源からの熱エネルギーを利用したもので、例えば、家庭の床暖房用の温水に車両冷却水と同じ不凍液(LLC)を用い、車両のエンジン冷却水循環回路に家庭の床暖房用温水回路からの温水を送り込む。
このように、車両側の追加部品として、例えば、分岐管やコネクタのみの追加とすることが可能であるため、複雑な部品や制御の追加が必要なく、軽量・低コストとなる。
そして、車両への乗り込む前に予め車両側暖機回路に熱を取り込むことで、ユーザーの車両への乗り込み時、即時に暖機効果が得られる。例えば、エンジン冷却水の温度を高めるエンジン暖機の場合、エンジン始動初期の冷感もなく、また燃料噴射量の増加も必要ないため燃費向上に繋がる。
この結果、複雑な部品や制御の追加を必要とせず、軽量・低コストで対応が可能であると共に、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得ることができる。
以下、本発明の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムと暖機方法が適用されたエンジン車両を示す概略斜視図である。図2は実施例1のエンジンの暖機システムを示す全体システム図である。図3は実施例1のエンジンの暖機システムにおけるコネクタの接続直前の切り離し状態を示す断面図である。図4は実施例1のエンジンの暖機システムにおけるコネクタの接続状態を示す断面図である。
実施例1のエンジンの暖機システムは、図1に示すように、車両のエンジン冷却水循環回路1(車両側暖機回路)に熱源からの熱を取り込み、エンジンEの暖機を促進するもので、前記熱源として、家庭熱源を利用した住宅温水回路2(熱源回路)を設け、前記エンジン冷却水循環回路1と前記住宅温水回路2に、エンジンEを始動する前に両回路1,2を接続して前記エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路1,2を切り離すワンタッチコネクタ3(コネクタ)を設けている。
前記エンジン冷却水循環回路1は、図2に示すように、エンジンEとラジエータ4とヒータコア5とを並列に接続する回路であり、エンジン冷却水として、不凍液(LLC:Long Life Coolant)が用いられている。なお、前記ヒータコア5は、車室内暖房のためのエアコンユニットケース内に配置される。
前記住宅温水回路2は、図2に示すように、深夜電気やガス等を利用して加熱するヒータ6によりタンク7に貯留された家庭の床暖房用温水(温水)が流通する回路であり、水媒体としては、エンジン冷却水と同じ不凍液が用いられている。すなわち、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2は、同じ水媒体を用いた回路である。
そして、前記住宅温水回路2には、図2に示すように、熱の取り込み時、温水を車両循環側に切り替える温水循環切り替えバルブ8と、住宅温水回路2とエンジン冷却水循環回路1に温水を循環させる循環ポンプ9と、を備えている。
また、住宅温水回路2には、図2に示すように、温水循環切り替えバルブ8を主回路に流す側とし、循環ポンプ9を駆動させる床暖房時、タンク7に貯留された温水を循環して導入する床暖房用熱交換器10を有する。
前記ワンタッチコネクタ3は、図3に示すように、前記エンジン冷却水循環回路1から分岐する第1分岐管301,301'の位置に設けた車両側ジャック3aと、前記住宅温水回路2から分岐する第2分岐管302,302'の位置に設けた住宅側プラグ3bと、を備えた構成である。
前記ワンタッチコネクタ3は、図4に示すように、車両側ジャック3aと住宅側プラグ3bの接続操作を行うだけで、接続状態にて第1分岐管301,301'と第2分岐管302,302'を連通する。そして、前記ワンタッチコネクタ3は、図3に示すように、車両側ジャック3aと住宅側プラグ3bの切り離し操作を行うだけで、切り離し状態にて第1分岐管301,301'と第2分岐管302,302'を遮断する。
すなわち、切り離し時の車両側ジャック3aにおいては、図3に示すように、第1分岐管301に設けられたスプリング303の付勢力により入口開口304が入口蓋305により閉じられ、第1分岐管301'に設けられたスプリング306の付勢力により出口開口307が出口蓋308により閉じられる。そして、エンジン冷却水循環回路1内のバタフライバルブ309が開いている。このため、矢印方向にエンジン冷却水が流れるように、通常のエンジン冷却水循環回路1となる。
切り離し時の住宅側プラグ3bにおいては、図3に示すように、第2分岐管302に設けられたスプリング314の付勢力により入口開口315が入口蓋316により閉じられ、第2分岐管302'に設けられたスプリング317の付勢力により出口開口318が出口蓋319により閉じられる。
一方、接続時の車両側ジャック3aにおいては、図4に示すように、第2分岐管302に形成された入口押し込み端部310,310がスプリング303の付勢力に抗して入口蓋305を押し込むことにより入口開口304が開き、第2分岐管302'に形成された出口押し込み端部311,311がスプリング306の付勢力に抗して出口蓋308を押し込むことにより出口開口307が開く。そして、エンジン冷却水循環回路1内の入口開口304と出口開口307の間の位置に設けられたバタフライバルブ309が、入口蓋305に形成された第1押し出し棒320により押されて閉じる。
接続時の住宅側プラグ3bにおいては、図4に示すように、入口蓋305に形成された第2押し出し棒321がスプリング314の付勢力に抗して入口蓋316を押し込むことにより入口開口315が開き、出口蓋308に形成された第3押し出し棒322がスプリング317の付勢力に抗して出口蓋319を押し込むことにより出口開口318が開く。
このため、住宅温水回路2からの温水が、入口開口315,304から矢印方向にエンジン冷却水循環回路1へと流入し、エンジン冷却水循環回路1からのエンジン冷却水が出口開口307,318から矢印方向へと住宅温水回路2に流出する。なお、接続時に水密シール性を確保するため、第2分岐管302,302'には、入口側O−リング312と出口側O−リング313が設けられている。
前記ワンタッチコネクタ3の車両側ジャック3aは、図1に示すように、車両のフェンダー周辺に設定し、前記住宅側プラグ3bを接続するときに開き、前記住宅側プラグ3bを切り離した後に閉じる開閉蓋11を有する。なお、この開閉蓋11は、例えば、ガソリン給油口に設定されるように、閉じたときに車体アウターパネル面と一体的な連続面となるように形状設定された開閉蓋をいう。
次に、実施例1のエンジンの暖機システムにおけるプラグインウォームアップ制御系の構成を説明する。ここで、「プラグインウォームアップ」とは、コネクタ3の住宅側プラグ3bを車両側ジャック3aに接続した状態で(プラグイン)、住宅温水回路2の温水によりエンジンEの暖機を促進させる(ウォームアップ)ことをいう。
プラグインウォームアップ制御系としては、図2に示すように、演算処理回路として、プラグインウォームアップコントローラ12(プラグインウォームアップ制御手段)を有する。このプラグインウォームアップコントローラ12の操作盤には、マニュアルスイッチ13と、オートスイッチ14(自動暖機スイッチ)と、タイマー設定ダイアル15(タイマー設定手段)と、作動ランプ16と、を有する。
さらに、プラグインウォームアップコントローラ12には、外気温センサ17と、温水温度センサ18と、コネクタ接続スイッチ19(コネクタ接続検出手段)等からのセンサ信号やスイッチ信号を入力する。また、プラグインウォームアップコントローラ12からは、温水循環切り替えバルブ8と循環ポンプ9に対して制御指令を出力する。
図5は実施例1のプラグインウォームアップコントローラ12により実行されるプラグインウォームアップ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、コネクタ接続スイッチ19からのスイッチ信号がオフからオンへ変わったか否かを判断し、YESの場合はステップS2へ移行し、NOの場合はステップS1での判断を繰り返す。
すなわち、このステップS1では、ワンタッチコネクタ3の住宅側プラグ3bを車両側ジャック3aに接続するプラグイン操作が行われたことを、コネクタ接続スイッチ19からのスイッチ信号の変化により確認する。
ステップS2では、ステップS1でのプラグイン操作が行われたとの判断に続き、マニュアルスイッチ13からのスイッチ信号がオンであるか否かを判断し、YESの場合はステップS5へ移行し、NOの場合はステップS3へ移行する。
すなわち、実施例1の場合、プラグインウォームアップ制御として手動制御と自動制御を選択可能としているが、マニュアルスイッチ13への操作による手動制御を、自動制御に優先して行うようにしている。
ステップS3では、ステップS2でのマニュアルスイッチ13からのスイッチ信号がオフであるとの判断に続き、オートスイッチ14からのスイッチ信号がオンであるか否かを判断し、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はステップS2へ戻る。
ステップS4では、ステップS3でのオートスイッチ14からのスイッチ信号がオンであるとの判断に続き、タイマー設定ダイアル15により設定された設定時間に到達したか否かを判断し、YESの場合はステップS5へ移行し、NOの場合はステップS2へ戻る。
ここで、タイマー設定ダイアル15は、エンジン運転を開始する前(例えば、10分前)に温水の車両への流入が完了するように作動開始時間を設定するもので、時間設定は、何時間何分後というように待ち時間を設定しても良いし、午前6時というように時計時間を設定しても良い。
ステップS5では、ステップS2でのマニュアルスイッチ13がオンであるとの判断、あるいは、ステップS4でのタイマー設定時間に到達したとの判断に続き、その時点での外気温センサ17からの外気温Toと、温水温度センサ18からの温水温度Twを読み込み、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、ステップS5での外気温Toと温水温度Twの読み込みに続き、温水循環切り替えバルブ8に対し温水を車両循環側に切り替える指令を出力すると共に、循環ポンプ9を駆動する指令を出力し、ステップS7へ移行する。
なお、循環ポンプ9は、家庭暖房コントローラ側でも駆動制御されているので、既に床暖房制御のためにポンプ駆動状態にある場合には、ポンプ駆動状態を維持する。
ステップS7では、ステップS6での温水循環切り替えバルブ8と循環ポンプ9に対する温水循環開始指令の出力に続き、ステップS5にて読み込まれた外気温Toと温水温度Twに基づいて目標暖機温度T*を設定し、ステップS8へ移行する。
ここで、目標暖機温度T*を設定する場合の一例を説明する。外気温Toによりエンジン冷却水温度を推定できるので、温水温度とエンジン冷却水温度の差温を変え、エンジン冷却水と温水を循環させたときに到達するエンジン冷却水の温度上昇分を予め実験により求めてマップ化しておく。そして、目標暖機温度T*は、温水温度Twと外気温Toの差温とマップによりエンジン冷却水の温度上昇分を求め、この温度上昇分を外気温Toに加算することで設定する。
ステップS8では、ステップS7での目標暖機温度T*の設定に続き、温水温度センサ18からの温水温度Twが目標暖機温度T*以下になったか否かを判断し、YESの場合はステップS10へ移行し、NOの場合はステップS9へ移行する。
すなわち、温水とエンジン冷却水の循環混合により、温水温度Twが徐々に低下していくが、この温水温度Twが目標暖機温度T*以下になることで、温水とエンジン冷却水の循環混合によるエンジン暖機が完了したと推定できることによる。ちなみに、温水とエンジン冷却水の循環混合に要する時間は、30秒程度であることで、循環開始からタイマー管理によりエンジン暖機の完了を推定しても良い。
ステップS9では、ステップS8でのTw>T*であるとの判断に続き、マニュアルスイッチ13からのスイッチ信号がオフであるか否かを判断し、YESの場合はステップS10へ移行し、NOの場合はステップS8へ戻る。
ステップS10では、ステップS8でのTw≦T*であるとの判断、あるいは、ステップS9でのマニュアルスイッチ13がオフであるとの判断に続き、温水循環切り替えバルブ8に対し温水を温水回路循環側に切り替える指令を出力すると共に、循環ポンプ9を停止する指令を出力し、リターンへ移行する。
なお、循環ポンプ9は、家庭暖房コントローラ側でも駆動制御されているので、床暖房制御側でポンプ駆動の指令が出されている場合は、循環ポンプ9を停止することなく、ポンプ駆動状態を維持する。
次に、車両の暖機促進技術を説明する。
現状の車両の暖機促進技術としては、エンジン回転数アップ、廃熱回収、蓄熱などの方法により行われている。このうち、エンジン回転数をアップすると、燃料消費量が上昇し、燃費の悪化を招く。また、エンジン回転数アップ、廃熱回収、蓄熱のいずれの方法も、車両自体が持つ熱エネルギーを利用するものであるため、寒冷地や冬季等での発進時には、エンジンを始動した時点からエンジン暖機が完了する時までに、少なくとも数分程度は時間が掛かってしまい、暖機の即効性が不足している。
一方、燃費向上を目標の一つとして掲げる環境対応技術の開発が進み、ハイブリッド車両やバイオ燃料エンジン車両やアイドルストップ車両などが提案されている。しかし、これらの車両は、車両自体が生成する熱エネルギーの削減を目指すものであるため、一般のエンジン車両に比べて暖機促進が困難になる。
すなわち、環境対応技術による車両の場合、所望の燃費向上を達成するには、一般のエンジン車両と同様に、エンジンやトランスミッションなどの暖機促進が重要な解決課題となる。しかし、環境対応技術が進めば進むほど、車両自体が生成する熱エネルギーの削減量も多くなるため、一般のエンジン車両に比べて暖機に利用する熱エネルギーが不足してしまう。
そこで、本発明者は、車両自体が持つ熱エネルギーを利用するという考え方をそのまま踏襲したのでは暖機の即効性を解決できない点と、車両熱エネルギーに代えて外部の熱エネルギーを利用する点と、外部の熱エネルギーとして家庭用の暖房媒体、もしくは、廃熱を利用する点に着目した。
この着目点にしたがって、
・家庭用暖房媒体(温水)をキーオフ時に車体へ循環させる。
・接続部(コネクタ)は出来る限り使用者の作業を容易にする構造とする。
・タイマー機能によりエンジン始動前に暖機が完了するように作動コントロールする。
をコンセプトとするプラグインウォームアップによる車載パワートレインの暖機システムを提案した。
次に、作用を説明する。
以下、実施例1のエンジンの暖機システムにおける作用を、「マニュアル操作によるプラグインウォームアップ作用」、「自動制御によるオートプラグインウォームアップ作用」に分けて説明する。
[マニュアル操作によるプラグインウォームアップ作用]
例えば、寒冷地や冬季などで、自宅に駐車させている車両を予定外の時間に走らせる必要が生じた場合、まず、駐車場へ行き、エンジンEを始動する前に開閉蓋11を開け、露出した車両側ジャック3aに対し住宅側プラグ3bを接続する。このワンタッチコネクタ3の接続操作により、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2が接続される(回路接続手順)。
そして、プラグインウォームアップコントローラ12の操作盤に設けられているマニュアルスイッチ13を操作してスイッチオンとすると、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS5→ステップS6へと進み、ステップS6では、温水循環切り替えバルブ8に対し温水を車両循環側に切り替える指令が出力されると共に、循環ポンプ9を駆動する指令が出力される。そして、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS8→ステップS9の流れを繰り返すことで、エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込む。
したがって、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2の接続状態で、住宅温水回路2の温水がエンジン冷却水循環回路1に流れ込み、さらに、エンジン冷却水循環回路1からは低温のエンジン冷却水が住宅温水回路2に戻り、この温水の循環流れが繰り返され、住宅温水回路2からエンジン冷却水循環回路1に熱が取り込まれ、エンジン冷却水の温度が上昇する(家庭熱エネルギー取り込み手順)。
マニュアルスイッチ13をオンとしたままでしばらく待ち、ステップS8のエンジン暖機完了条件が成立する前に、時点でプラグインウォームアップコントローラ12の操作盤に設けられているマニュアルスイッチ13を操作してスイッチオフとすると、図5のフローチャートにおいて、ステップS9からステップS10へと進み、ステップS10では、温水循環切り替えバルブ8に対し温水回路側に切り替える指令が出力されると共に、床暖房を使っていないときは循環ポンプ9を停止する指令が出力される(マニュアル操作による暖機完了)。
また、マニュアルスイッチ13をオンとしたままでしばらく待ち、ステップS8のエンジン暖機完了条件が成立すると、図5のフローチャートにおいて、ステップS8からステップS10へと進み、ステップS10では、温水循環切り替えバルブ8に対し温水回路側に切り替える指令が出力されると共に、床暖房を使っていないときは循環ポンプ9を停止する指令が出力される(自動制御による暖機完了)。
その後、車両側ジャック3aから住宅側プラグ3bを切り離し、開いていた開閉蓋11を閉じるワンタッチコネクタ3の切り離し操作を行うことにより、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2が切り離される(回路切り離し手順)。
したがって、ユーザーが車両に乗り込んでエンジン始動を行うと、プラグインウォームアップ作用により即時にエンジン暖機効果が得られることになり、エンジン始動初期からヒータコア5による車室内暖房が発揮され、ユーザーに冷感を与えることもなく、また、燃料噴射量の増加も必要ないため燃費向上に繋がる。
[自動制御によるオートプラグインウォームアップ作用]
例えば、寒冷地や冬季などで、自宅に駐車させている車両をいつもと同じ朝の出勤時間に走らせるような場合、前日の夜に自宅へ戻って駐車場に車両を停止させ、エンジンを切った車両から降りた後、開閉蓋11を開け、露出した車両側ジャック3aに対し住宅側プラグ3bを接続する。このワンタッチコネクタ3の接続操作により、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2が接続される(回路接続手順)。
そして、プラグインウォームアップコントローラ12の操作盤に設けられているオートスイッチ14を操作してスイッチオンとし、タイマー設定ダイアル15により暖機開始時間を設定し、車両から離れる。なお、毎日、決まった時間に暖機開始をする場合には、タイマー設定ダイアル15による設定操作は不要である。
この自動設定操作を行った場合、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、ステップS4では、タイマー設定時間に到達していないことで、ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れが繰り返され、暖機開始まで待機される。
そして、翌朝となり、ステップS4において、タイマー設定時間に到達したと判断されると、ステップS4からステップS5→ステップS6へと進み、ステップS6では、温水循環切り替えバルブ8に対し温水を車両循環側に切り替える指令が出力されると共に、循環ポンプ9を駆動する指令が出力される。そして、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS8→ステップS9の流れを繰り返すことで、エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込む。
したがって、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2の接続状態で、住宅温水回路2の温水がエンジン冷却水循環回路1に流れ込み、さらに、エンジン冷却水循環回路1からは低温のエンジン冷却水が住宅温水回路2に戻り、この温水の循環流れが繰り返され、住宅温水回路2からエンジン冷却水循環回路1に熱が取り込まれ、エンジン冷却水の温度が上昇する(家庭熱エネルギー取り込み手順)。
そして、エンジン暖機が進行し、ステップS8のエンジン暖機完了条件が成立すると、図5のフローチャートにおいて、ステップS8からステップS10へと進み、ステップS10では、温水循環切り替えバルブ8に対し温水回路側に切り替える指令が出力されると共に、床暖房を使っていないときは循環ポンプ9を停止する指令が出力される。
その後、車両に乗り込むために駐車場に来たユーザーは、車両側ジャック3aから住宅側プラグ3bを切り離し、開いていた開閉蓋11を閉じるワンタッチコネクタ3の切り離し操作を行うことにより、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2が切り離される(回路切り離し手順)。
したがって、ユーザーが車両に乗り込んでエンジン始動を行うと、プラグインウォームアップ作用により即時にエンジン暖機効果が得られることになり、エンジン始動初期からヒータコア5による車室内暖房が発揮され、ユーザーに冷感を与えることもなく、また、燃料噴射量の増加も必要ないため燃費向上に繋がる。
なお、マニュアル操作であるか自動制御であるかに限らず、ワンタッチコネクタ3を切り離すことを忘れ、ユーザーが車両に乗り込み、エンジンEを始動させようとした場合には、ワンタッチコネクタ3が接続状態のままであることをブザー音やランプ点滅により知らせる。この場合、車両側の警報制御系に、車両側に設けたコネクタ接続スイッチからのスイッチ信号による警報機能を付加する。さらに、警報に加えて、コネクタ接続が確認されるまでエンジンEの始動禁止措置を講じるようにしても良い。
次に、効果を説明する。
実施例1の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機システムにおいて、前記熱源として、家庭熱源を利用した熱源回路を設け、前記車両側暖機回路と前記熱源回路に、車載パワートレインを始動する前に両回路を接続して前記車両側暖機回路に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路を切り離すコネクタを設けたため、複雑な部品や制御の追加を必要とせず、軽量・低コストで対応が可能であると共に、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得る車載パワートレインの暖機システムを提供することができる。
(2) 前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路1であり、前記熱源回路は、前記家庭熱源であるタンク7に貯留された温水が流通する住宅温水回路2であり、前記コネクタは、前記エンジン冷却水循環回路1から分岐する第1分岐管301,301'の位置に設けた車両側ジャック3aと、前記住宅温水回路2から分岐する第2分岐管302,302'の位置に設けた住宅側プラグ3bと、を備えた構成であるため、ユーザーが車両に乗り込むと即時にエンジン暖機効果が得られ、エンジン始動初期からヒータコア5による車室内暖房が発揮することができると共に、燃費向上を図ることができる。
(3) 前記コネクタは、前記車両側ジャック3aと前記住宅側プラグ3bの接続操作により、前記第1分岐管301,301'と前記第2分岐管302,302'を連通し、前記車両側ジャック3aと前記住宅側プラグ3bの切り離し操作により、前記第1分岐管301,301'と前記第2分岐管302,302'を遮断するワンタッチコネクタ3であるため、分岐管連通や分岐管遮断のための操作を不要とし、ユーザーによる接続操作や切り離し操作の作業負担を低減することができる。
(4) 前記ワンタッチコネクタ3の車両側ジャック3aは、車両のフェンダー周辺に設定し、前記住宅側プラグ3bを接続するときに開き、前記住宅側プラグ3bを切り離した後に閉じる開閉蓋11を有するため、車両側ジャック3aの位置がエンジン冷却水循環回路1に近い位置の設定となり、第1分岐管301,301'が短くてレイアウト的に有利にすることができると共に、外観上も目立たない設定とすることができる。
(5) 前記エンジン冷却水循環回路1と前記住宅温水回路2は、同じ水媒体を用いた回路であり、前記住宅温水回路2に、熱の取り込み時、温水を車両循環側に切り替える温水循環切り替えバルブ8と、前記住宅温水回路2と前記エンジン冷却水循環回路1に温水を循環させる循環ポンプ9と、を備えたため、車両側で必要とする追加構成を第1分岐管301,301'とコネクタ構造のみという簡単な構成としながら、住宅温水回路2に蓄えている温水をそのままエンジン冷却水循環回路1に循環させることで、短時間にて効率的にエンジン暖機を達成することができる。
(6) 前記ワンタッチコネクタ3が接続状態か否かを検出するコネクタ接続スイッチ19と、暖機開始時間を設定するタイマー設定ダイアル15と、コネクタ接続が確認され、オートスイッチ14が投入された後、前記タイマー設定ダイアル15による設定時間に到達すると、前記温水循環切り替えバルブ8を、温水循環側に切り替え、前記循環ポンプ9を駆動して前記住宅温水回路2と前記エンジン冷却水循環回路1の間で温水を循環させるプラグインウォームアップ制御手段(図5)と、を設けたため、タイマー機能によりエンジン始動前に暖機が完了するように暖機システムの作動時期をコントロールすることができる。
(7) 車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機方法において、前記熱源として、家庭熱源を利用した熱源回路を設け、前記車両側暖機回路と前記熱源回路に、両回路の接続と両回路の切り離しが可能なコネクタを設け、車載パワートレインを始動する前、前記コネクタの接続操作により、前記車両側暖機回路と前記熱源回路を接続する回路接続手順と、両回路の接続状態で前記熱源回路から前記車両側暖機回路に熱を取り込む家庭熱エネルギー取り込み手順と、前記車両側暖機回路側に熱を取り込んだ後、前記コネクタの切り離し操作により、前記車両側暖機回路と前記熱源回路を切り離す回路切り離し手順と、を備えたため、複雑な部品や制御の追加を必要とせず、軽量・低コストで対応が可能であると共に、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得る車載パワートレインの暖機方法を提供することができる。
実施例2は、家庭の熱エネルギーを利用する考え方において、実施例1のように家庭用温水を直接車両に呼び込むのではなく、熱交換器を介してエンジン冷却水の温度を上昇させるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図6は実施例2のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムを示す全体システム図である。
実施例2のエンジンの暖機システムは、図6に示すように、車両のエンジン冷却水循環回路1(車両側暖機回路)に熱源からの熱を取り込み、エンジンEの暖機を促進するもので、前記熱源として、家庭熱源を利用した住宅温水回路2(熱源回路)を設け、前記エンジン冷却水循環回路1と前記住宅温水回路2に、エンジンEを始動する前に両回路1,2を接続して前記エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路1,2を切り離すワンタッチコネクタ3(コネクタ)を設けている。
前記住宅温水回路2は、図6に示すように、深夜電気やガス等を利用して加熱するヒータ6によりタンク7に貯留された家庭の床暖房用温水(温水)が流通する回路であり、水媒体としては、エンジン冷却水循環回路1のエンジン冷却水(LLC)とは異なる浄水が用いられている。すなわち、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2は、それぞれ異なる水媒体を用いた回路である。
そして、前記住宅温水回路2には、図6に示すように、熱の取り込み時、エンジン冷却水と住宅温水の間で熱交換を行う暖機用熱交換器20と、温水を床暖房用熱交換器10(暖房用熱交換器)に流す側から暖機用熱交換器20に流す側(バイパス回路21側)に切り替える熱交換切り替えバルブ22と、前記住宅温水回路2に温水を循環させる住宅側循環ポンプ23と、前記エンジン冷却水循環回路1にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプ24と、を備えている。
また、住宅温水回路2には、図6に示すように、熱交換切り替えバルブ22を主回路に流す側とし、住宅側循環ポンプ23を駆動させる床暖房時、タンク7に貯留された温水を循環して導入する床暖房用熱交換器10を有する。
プラグインウォームアップ制御系としては、図6に示すように、演算処理回路として、プラグインウォームアップコントローラ12(プラグインウォームアップ制御手段)を有する。このプラグインウォームアップコントローラ12の操作盤には、マニュアルスイッチ13と、オートスイッチ14(自動暖機スイッチ)と、タイマー設定ダイアル15(タイマー設定手段)と、作動ランプ16と、を有する。
さらに、プラグインウォームアップコントローラ12には、外気温センサ17と、温水温度センサ18と、コネクタ接続スイッチ19(コネクタ接続検出手段)等からのセンサ信号やスイッチ信号を入力する。また、プラグインウォームアップコントローラ12からは、熱交換切り替えバルブ22と住宅側循環ポンプ23と車両側循環ポンプ24に対して制御指令を出力する。
なお、エンジン冷却水循環回路1とワンタッチコネクタ3等の他の構成については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、作用を説明すると、実施例1では、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2の水媒体を同じとし、家庭用温水を直接車両に呼び込むことでエンジン暖機を行っているのに対し、実施例2では、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2の水媒体を異ならせ、暖機用熱交換器20を介してエンジン冷却水の温度を上昇させてエンジン暖機を行う点で異なる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法にあっては、実施例1の(1),(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記車両側暖機回路(エンジン冷却水循環回路1)と前記熱源回路(住宅温水回路2)は、それぞれ異なる媒体を用いた回路であり、熱交換器(暖機用熱交換器20)を介し、前記熱源回路(住宅温水回路2)からの熱を前記車両側暖機回路(エンジン冷却水循環回路1)へ取り込むため、車両側暖機回路で用いられる媒体(不凍液など)による制約を受けず、温水や高温オイルや高温ガスなどによる熱源を有効に利用して即効性のある車両側暖機を行うことができる。
(9) 前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路1であり、前記熱源回路は、タンク7に貯留された温水が流通し、前記エンジン冷却水循環回路1とは異なる水媒体を用いた住宅温水回路2であり、前記住宅温水回路2に、熱の取り込み時、エンジン冷却水と住宅温水の間で熱交換を行う暖機用熱交換器20と、温水を暖機用熱交換器20に流す側に切り替える熱交換切り替えバルブ22と、前記住宅温水回路2に温水を循環させる住宅側循環ポンプ23と、前記エンジン冷却水循環回路1にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプ24と、を備えたため、車両側で必要とする追加構成を第1分岐管301,301'とコネクタ構造のみという簡単な構成としながら、家庭で使われる暖房温水を有効に利用して即効性のあるエンジン暖機を行うことができる。
実施例3は、実施例2と同様に、熱交換器を介してエンジン冷却水の温度を上昇させる考え方において、床暖房用の熱源以外に、給湯や風呂などの家庭排熱を利用し、エンジン冷却水を暖機するようにした例である。
まず、構成を説明する。
図7は実施例3のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムを示す全体システム図である。
実施例3のエンジンの暖機システムは、図7に示すように、車両のエンジン冷却水循環回路1(車両側暖機回路)に熱源からの熱を取り込み、エンジンEの暖機を促進するもので、前記熱源として、家庭熱源を利用した住宅温水回路2(熱源回路)を設け、前記エンジン冷却水循環回路1と前記住宅温水回路2に、エンジンEを始動する前に両回路1,2を接続して前記エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路1,2を切り離すワンタッチコネクタ3(コネクタ)を設けている。
前記エンジン冷却水循環回路1は、図7に示すように、エンジンEとラジエータ4とヒータコア5とを並列に接続する回路であり、エンジン冷却水として、不凍液(LLC:Long Life Coolant)が用いられている。
そして、エンジン冷却水循環回路1のコネクタ3の近傍位置には、図7に示すように、熱の取り込み時、エンジン冷却水と住宅温水の間で熱交換を行う暖機用熱交換器20と、エンジン冷却水循環回路1にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプ24と、を備えている。なお、車両側循環ポンプ24としては、エンジン冷却水循環回路1に既存のポンプを用いても良いし、新たにポンプを設定しても良い。
前記住宅温水回路2は、図7に示すように、風呂や給湯などの家庭内廃熱(家庭熱源)を利用し、熱交換により作り出された温水が流通する回路であり、水媒体としては、エンジン冷却水循環回路1のエンジン冷却水(LLC)とは異なる浄水などが用いられている。すなわち、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2は、それぞれ異なる水媒体を用いた回路である。
そして、前記住宅温水回路2には、図7に示すように、温水を暖機用熱交換器20に流す側(バイパス回路21側)に切り替える熱交換切り替えバルブ22と、前記住宅温水回路2に温水を循環させる住宅側循環ポンプ23と、を備えている。
また、住宅温水回路2には、図7に示すように、ヒータ6を廃止し、熱交換切り替えバルブ22を主回路に流す側とし、住宅側循環ポンプ23を駆動させる廃熱回収時、家庭内廃熱と熱交換する廃熱回収用熱交換器25を有する。
プラグインウォームアップ制御系としては、図7に示すように、演算処理回路として、プラグインウォームアップコントローラ12(プラグインウォームアップ制御手段)を有する。このプラグインウォームアップコントローラ12の操作盤には、マニュアルスイッチ13と、オートスイッチ14(自動暖機スイッチ)と、タイマー設定ダイアル15(タイマー設定手段)と、作動ランプ16と、を有する。
さらに、プラグインウォームアップコントローラ12には、外気温センサ17と、温水温度センサ18と、コネクタ接続スイッチ19(コネクタ接続検出手段)等からのセンサ信号やスイッチ信号を入力する。また、プラグインウォームアップコントローラ12からは、熱交換切り替えバルブ22と住宅側循環ポンプ23と車両側循環ポンプ24に対して制御指令を出力する。ここで、暖機時における車両側循環ポンプ24の駆動は、コネクタ3の接続時に、住宅側からの外部電源を同時接続することで行われる。
なお、ワンタッチコネクタ3等の他の構成については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、作用を説明すると、実施例1では、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2の水媒体を同じとし、家庭用温水を直接車両に呼び込むことでエンジン暖機を行っているのに対し、実施例3では、エンジン冷却水循環回路1と住宅温水回路2の水媒体を異ならせ、家庭内廃熱を利用して蓄えた温水を用い、暖機用熱交換器20を介してエンジン冷却水の温度を上昇させてエンジン暖機を行う点で異なる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法にあっては、実施例2の(8)の
効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路1であり、前記住宅側熱
源回路は、タンク7に貯留された温水が流通し、前記エンジン冷却水循環回路1とは異なる水媒体を用いた住宅温水回路2であり、前記エンジン冷却水循環回路1に、熱の取り込み時、エンジン冷却水と住宅温水の間で熱交換を行う暖機用熱交換器20と、前記エンジン冷却水循環回路1にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプ24と、を備え、前記住宅温水回路2に、熱の取り込み時、温水を暖機用熱交換器20に流す側に切り替える熱交換切り替えバルブ22と、前記住宅温水回路2に温水を循環させる住宅側循環ポンプ23と、を備えたため、住宅側で必要とする追加構成を第2分岐管302,302'とコネクタ構造のみによる簡単な構成としながら、風呂や給湯などの家庭用廃熱を有効に利用して即効性のあるエンジン暖機を行うことができる。
実施例4は、家庭の熱エネルギーを利用する考え方において、実施例1のような床暖房用熱交換器10を含む家庭への据え置き方式ではなく、商用電源をエネルギー源とした可搬式の熱交換器として、エンジン冷却水の温度を上昇させるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図9は実施例4のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムを示す全体システム図である。
実施例4のエンジンの暖機システムは、図9に示すように、車両のエンジン冷却水循環回路1(車両側暖機回路)に熱源からの熱を取り込み、エンジンEの暖機を促進する熱源としての温水回路30(熱源回路)を備える。また、エンジン冷却水循環回路1と温水回路30との間は、前述の実施例1ないし3と同様に、両回路1、2を接続して前記エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路1、2を切り離すワンタッチコネクタ3を設ける。
温水回路30は、図9に示すように、商用電源を利用して水媒体を加熱するヒータ6(熱源)によりタンク7に貯留された水媒体が流通する回路である。水媒体としては、エンジン冷却水と同じ不凍液が用いられる。すなわち、エンジン冷却水循環回路1と温水回路30は、同じ水媒体を用いた回路である。
そして、温水回路30には、図9に示すように、熱の取り込み時、温水を車両循環側に切り替える温水循環切り替えバルブ8と、住宅温水回路2とエンジン冷却水循環回路1に温水を循環させる循環ポンプ9と、を備えている。
実施例4の温水回路30は、可搬性の筐体である温水回路装置100に備えられる。温水回路装置100は、電源ケーブル33を備える。この電源ケーブル33の端部は差込プラグ形状となっており、商用電力線の差込プラグ受け(コンセント)に接続される。ヒータ6は、商用電力線からの電力の供給を受けて、水媒体を加熱する。
また、実施例4では、ワンタッチコネクタ3に、電源ケーブル33からの電力を車両へと供給する接点を設ける。具体的には、車両側ジャック3aと住宅側プラグ3bとの双方が接する部分に導電性の金属接点を設け、この金属接点を互いに付勢して接触圧力を高め、導電性を高めるバネ等の付勢手段を設けた。この接点により、電源ケーブル33を介して供給される商用電源が車両へと導かれ、商用電源の電力によって車両に搭載されたバッテリBを充電する。なお、搭載されるバッテリBの種類に応じて、プラグインウォームアアップコントローラ12内部に、バッテリBの充電を制御するための機能(例えば、バッテリ電圧の監視、交流・直流の変換、電圧の昇降、充電の開始・終了)を設けてもよい。
また、プラグインウォームアップコントローラ12に充電スイッチ31を設ける。ユーザーがワンタッチコネクタ3を接続したのち、充電スイッチ31を操作することにより、商用電源からの電力によってバッテリBが充電される。
または、プラグインウォームアップコントローラ12が、ワンタッチコネクタ3が接続されたときに、バッテリBの電圧やSOC等を測定し、該測定結果に基づいてバッテリBの充電の開始・終了を自発的に制御してもよい。
このように構成することによって、前述のように夜間等の駐車時に車両を暖機すると同時に、車両に搭載されたバッテリBを充電することができる。
プラグインウォームアップ制御系としては、図9に示すように、演算処理回路として、プラグインウォームアップコントローラ12(プラグインウォームアップ制御手段)を有する。このプラグインウォームアップコントローラ12の操作盤には、マニュアルスイッチ13と、オートスイッチ14(自動暖機スイッチ)と、タイマー設定ダイアル15(タイマー設定手段)と、作動ランプ16と、充電スイッチ31と、を有する。
さらに、プラグインウォームアップコントローラ12には、外気温センサ17と、温水温度センサ18と、コネクタ接続スイッチ19(コネクタ接続検出手段)等からのセンサ信号やスイッチ信号を入力する。また、プラグインウォームアップコントローラ12からは、温水循環切り替えバルブ8と循環ポンプ9に対して制御指令を出力する。なお、エンジン冷却水循環回路1とワンタッチコネクタ3等の他の構成については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、作用を説明すると、実施例4は、実施例1と同様に、エンジン冷却水循環回路1と温水回路30の水媒体を同じとし、ヒータ6によって加熱された水媒体を車両に呼び込むことでエンジン暖機を行なう。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
なお、実施例4のヒータ6(熱源)は、家庭または家庭外の排熱を用いるものであってもよい。例えば屋外の照明装置やベンダ(自動販売機)等の排熱を熱源として利用してもよい。
次に、効果を説明する。
実施例4の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路1であり、熱源回路は、商用電源と断続可能な電源ケーブル33により供給される電力によって発生する熱を循環する温水回路30であり、前記温水回路30は、可搬性の筐体(温水回路装置100)に備えたため、住宅側に固定的な設備を新たに追加する必要がなく、熱源回路である温水回路装置100を設置するコストを抑えることができる。また、温水回路装置100は、必ずしも住宅や住宅に併設された駐車場等に設置する必要はなく、商用電源さえ確保できれば、住宅から離れた駐車場等に設置することも可能となるので、設置場所の自由度が高まる。これにより、さまざまな状況下においても、低コストで、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得る車載パワートレイン暖機システムを提供することができる。
(12) 前記車両は、バッテリBを搭載し、車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路1であり、熱源回路は、商用電源と断続可能な電源ケーブル33を備え、前記コネクタ3は、前記車両側暖機回路と前記熱源回路が接続された時に、前記電源ケーブル33によって供給される電力によって、前記バッテリBを充電するので、前述のように夜間等の駐車時に車両を暖機すると同時に、車両に搭載されたバッテリBを充電することができる。
なお、商用電源ではなく、温水回路装置100内に備えたバッテリ装置により、ヒータ6の過熱やバッテリBの充電等を緊急的に行うように構成してもよい。
実施例5は、家庭の熱エネルギーを利用する考え方において、実施例4と同様に、商用電源をエネルギー源とした可搬式の熱交換器として構成し、さらに、家庭用温水を直接車両に呼び込むのではなく、熱交換器を介してエンジン冷却水の温度を上昇させるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図10は実施例5のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムを示す全体システム図である。
実施例5のエンジンの暖機システムは、図10に示すように、車両のエンジン冷却水循環回路1(車両側暖機回路)に熱源からの熱を取り込み、エンジンEの暖機を促進する熱源としての温水回路30を備える。また、前記エンジン冷却水循環回路1と前記温水回路30との間は、前述の実施例1ないし3と同様に、両回路1、2を接続して前記エンジン冷却水循環回路1に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路1、2を切り離すワンタッチコネクタ3を設ける。
温水回路30は、図10に示すように、媒体を圧送する圧縮機42と、媒体を膨張させる膨張弁45と、室外熱交換器43(蒸発器)とによる熱サイクルシステムであるヒートポンプ40として構成されている。この圧縮機42は、深夜電気等を利用して動作する。媒体は、例えばHFC134aや、二酸化炭素等が用いられる。
そして、温水回路30には、図10に示すように、熱の取り込み時、エンジン冷却水と媒体との間で熱交換を行う暖機用熱交換器41(凝縮器)と、エンジン冷却水循環回路1にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプ44と、を備えている。
実施例5の温水回路30は、可搬性の筐体である温水回路装置100に備えられる。温水回路装置100は、電源ケーブル33を備える。この電源ケーブル33の端部は差込プラグ形状となっており、商用電力線の差込プラグ受け(コンセント)に接続される。圧縮機42は、商用電源からの電力の供給を受けて、媒体を圧縮し、圧縮されて加熱した媒体を循環させる。同様に、車両側循環ポンプ44も商用電源からの電力供給を受けて、水媒体を循環させる。
プラグインウォームアップ制御系としては、図10に示すように、演算処理回路として、プラグインウォームアップコントローラ12(プラグインウォームアップ制御手段)を有する。このプラグインウォームアップコントローラ12の操作盤には、マニュアルスイッチ13と、オートスイッチ14(自動暖機スイッチ)と、タイマー設定ダイアル15(タイマー設定手段)と、作動ランプ16と、を有する。
さらに、プラグインウォームアップコントローラ12には、外気温センサ17と、温水温度センサ18と、コネクタ接続スイッチ19(コネクタ接続検出手段)等からのセンサ信号やスイッチ信号を入力する。また、プラグインウォームアップコントローラ12からは、温水循環切り替えバルブ8と循環ポンプ9に対して制御指令を出力する。なお、エンジン冷却水循環回路1とワンタッチコネクタ3等の他の構成については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、作用を説明すると、前述の実施例4では、エンジン冷却水循環回路1と温水回路30の媒体を同じとし、温水を直接車両に呼び込むことでエンジン暖機を行っているのに対し、実施例5では、エンジン冷却水循環回路1とヒートポンプ40の媒体を異ならせ、暖機用熱交換器41を介してエンジン冷却水の温度を上昇させてエンジン暖機を行う点で異なる。なお、他の作用は、実施例4と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例5の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(13) 前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路1であり、前記熱源回路は、商用電源と断続可能な電源ケーブル33により供給される電力によって動作する圧縮機42によって媒体を圧送し、膨張弁45によって媒体を膨張させるヒートポンプ40を用いた温水回路30であり、前記温水回路30は、可搬性の筐体(温水回路装置100)に備えられ、前記エンジン冷却水循環回路1は、エンジン冷却水と前記媒体との間で熱交換を行う暖機用熱交換器41と、前記エンジン冷却水循環回路1にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプ44と、を備えるので、住宅側に新たな設備を追加する必要がなく、熱源回路を設置する際のコストを抑えることができる。また、熱源回路は、必ずしも住宅に設置される必要はなく、電源さえ確保できれば、例えば住宅から離れた駐車場等に設置することも可能となるので、設置場所の自由度が高まる。また、熱源回路としてヒートポンプを用いるので、低コストで効率の高い熱源を提供することができ、さまざまな状況下においても、低コストで、ユーザーの車両乗り込み時、即時に暖機効果を得る車載パワートレイン暖機システムを提供することができる。
以上、本発明の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法を実施例1から5に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、暖機システムの設計の変更や追加や暖機方法の変更や追加等は許容される。
実施例1から5では、車両側暖機回路として車両のエンジン冷却水循環回路を示し、熱源回路として、熱源の熱を循環する水媒体等の媒体が流通する温水回路を示した。しかし、車両側暖機回路としては、トランスミッションオイル回路やモータ冷却水循環回路などを用いても良い。また、熱源回路としては、暖房用熱交換器や廃熱回収用熱交換器を有し、媒体として温水を用いる回路以外に、高温オイルや高温ガス等の媒体を用いる回路としても良い。利用可能な家庭用熱源としては、例えば、風呂や給湯の家庭内廃熱及び住宅空調装置・冷蔵庫の凝縮器(コンデンサ)、給湯器燃焼用排煙部等がある。
実施例1から5では、コネクタとして、接続操作と切り離し操作だけで分岐管の連通・遮断を行うワンタッチコネクタの例を示した。しかし、コネクタとしては、接続/切り離し機能のみを有し、2つの分岐管の連通や遮断などは、別に設けた電磁弁などを用いて行うような例としても良い。
さらに、図8に示すように、第1分岐管321,321'を引き伸ばし自由なフレキシブル配管とし、この第1分岐管321,321'の端部を車両側プラグ3a’とし、住宅側接続口を住宅側ジャック3b’とする。そして、ワンタッチコネクタ3を、車両側プラグ3a’と住宅側ジャック3b’により構成し、車両側からのプラグイン操作により暖機を行うような例としても良い。
要するに、熱源を循環する熱源回路を設け、車両側暖機回路と熱源回路とに、車載パワートレインを始動する前に両回路を接続して車両側暖機回路に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路を切り離すコネクタを設けたものであれば、実施例1から5に限られることはない。
また、前述の実施例1から3及び5について、前述の実施例4と同様に、ワンタッチコネクタ3に、電源ケーブル33からの電力を車両へと供給する接点を設けて、車両に搭載されたバッテリBを充電するように構成してもよい。このように構成することによって、前述の実施例4のように、夜間の駐車時等に車両を暖機すると同時に、車両に搭載されたバッテリの充電を完了することができる。これにより、例えば、いわゆるプラグインハイブリッド車両においては、夜間電力等安価な電力を用いることで、次回始動時にバッテリ満充電状態で始動することができるので、燃費の向上を図ることが可能となる。
また、前述の実施例1から3について、前述の実施例5と同様に、住宅に設置されたヒートポンプ40を熱源回路としてもよい。すなわち、住宅の冷暖房設備や給湯設備に用いされる固設のヒートポンプシステムを家庭側熱源としてもよい。
実施例1から5では、エンジンの暖機システムと暖機方法に本発明を適用する例を示したが、トランスミッションオイル加熱によるトランスミッション暖機やモータ冷却水加熱によるモータ暖機など、エンジン以外の車載パワートレインの暖機システムと暖機方法としても適用することができる。要するに、車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する暖機システムや暖機方法であれば適用できる。
実施例1のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムと暖機方法が適用されたエンジン車両を示す概略斜視図である。 実施例1のエンジンの暖機システムを示す全体システム図である。 実施例1のエンジンの暖機システムにおけるコネクタの接続直前の切り離し状態を示す断面図である。 実施例1のエンジンの暖機システムにおけるコネクタの接続状態を示す断面図である。 実施例1のプラグインウォームアップコントローラ12により実行されるプラグインウォームアップ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムを示す全体システム図である。 実施例3のエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムを示す全体システム図である。 他の実施例によるエンジン(車載パワートレインの一例)の暖機システムと暖機方法が適用されたエンジン車両を示す概略斜視図である。 実施例4のエンジンの暖機システムを示す全体システム図である。 実施例5のエンジンの暖機システムを示す全体システム図である。
符号の説明
E エンジン
1 エンジン冷却水循環回路(車両側暖機回路)
2 住宅温水回路(熱源回路)
3 ワンタッチコネクタ(コネクタ)
3a 車両側ジャック
3b 住宅側プラグ
301,301' 第1分岐管
302,302' 第2分岐管
3a’ 車両側プラグ
3b’ 住宅側ジャック
321,321' 第1分岐管
4 ラジエータ
5 ヒータコア
6 ヒータ
7 タンク
8 温水循環切り替えバルブ
9 循環ポンプ
10 床暖房用熱交換器
11 開閉蓋
12 プラグインウォームアップコントローラ(プラグインウォームアップ制御手段)
13 マニュアルスイッチ
14 オートスイッチ(自動暖機スイッチ)
15 タイマー設定ダイアル(タイマー設定手段)
16 作動ランプ
17 外気温センサ
18 温水温度センサ
19 コネクタ接続スイッチ(コネクタ接続検出手段)
20 暖機用熱交換器
21 バイパス回路
22 熱交換切り替えバルブ
23 住宅側循環ポンプ
24 車両側循環ポンプ
25 廃熱回収用熱交換器
33 電源ケーブル
40 ヒートポンプ
41 暖機用熱交換器
42 圧縮機
43 室外熱交換器
45 膨張弁
44 車両側循環ポンプ
100 温水回路装置

Claims (13)

  1. 車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記熱源からの熱を循環させる熱源回路を設け、
    前記車両側暖機回路と前記熱源回路に、車載パワートレインを始動する前に両回路を接続して前記車両側暖機回路に熱を取り込み、熱を取り込んだ後は両回路を切り離すコネクタを設けたことを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  2. 請求項1に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路であり、
    前記熱源回路は、家庭熱源であるタンクに貯留された温水が流通する住宅温水回路であり、
    前記コネクタは、前記エンジン冷却水循環回路から分岐する第1分岐管の位置に設けた車両側ジャックと、前記住宅温水回路から分岐する第2分岐管の位置に設けた住宅側プラグと、を備えた構成であることを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  3. 請求項2に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記コネクタは、前記車両側ジャックと前記住宅側プラグの接続操作を行うだけで、前記第1分岐管と前記第2分岐管を連通し、前記車両側ジャックと前記住宅側プラグの切り離し操作を行うだけで、前記第1分岐管と前記第2分岐管を遮断するワンタッチコネクタであることを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  4. 請求項3に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記ワンタッチコネクタの車両側ジャックは、車両のフェンダー周辺に設定し、前記住宅側プラグを接続するときに開き、前記住宅側プラグを切り離した後に閉じる開閉蓋を有することを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記エンジン冷却水循環回路と前記住宅温水回路は、同じ水媒体を用いた回路であり、
    前記住宅温水回路に、熱の取り込み時、温水を車両循環側に切り替える温水循環切り替えバルブと、前記住宅温水回路と前記エンジン冷却水循環回路に温水を循環させる循環ポンプと、を備えたことを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  6. 請求項5に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記コネクタが接続状態か否かを検出するコネクタ接続検出手段と、
    暖機開始時間を設定するタイマー設定手段と、
    コネクタ接続が確認され、自動暖機スイッチが投入された後、前記タイマー設定手段による設定時間に到達すると、前記温水循環切り替えバルブを、温水循環側に切り替え、前記循環ポンプを駆動して前記住宅温水回路と前記エンジン冷却水循環回路の間で温水を循環させるプラグインウォームアップ制御手段と、
    を設けたことを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  7. 請求項1に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両側暖機回路と前記熱源回路は、それぞれ異なる媒体を用いた回路であり、熱交換器を介し、前記熱源回路からの熱を前記車両側暖機回路へ取り込むことを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  8. 請求項7に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路であり、
    前記熱源回路は、タンクに貯留された温水が流通し、前記エンジン冷却水循環回路とは異なる水媒体を用いた住宅温水回路であり、
    前記住宅温水回路に、熱の取り込み時、エンジン冷却水と住宅温水の間で熱交換を行う暖機用熱交換器と、温水を暖房用熱交換器に流す側から暖機用熱交換器に流す側に切り替える熱交換切り替えバルブと、前記住宅温水回路に温水を循環させる住宅側循環ポンプと、前記エンジン冷却水循環回路にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプと、を備えたことを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  9. 請求項7に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路であり、
    前記熱源回路は、タンクに貯留された温水が流通し、前記エンジン冷却水循環回路とは異なる水媒体を用いた住宅温水回路であり、
    前記エンジン冷却水循環回路に、熱の取り込み時、エンジン冷却水と住宅温水の間で熱交換を行う暖機用熱交換器と、前記エンジン冷却水循環回路にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプと、を備え、
    前記住宅温水回路に、熱の取り込み時、温水を暖機用熱交換器に流す側に切り替える熱交換切り替えバルブと、前記住宅温水回路に温水を循環させる住宅側循環ポンプと、を備えたことを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  10. 車両側暖機回路に熱源からの熱を取り込み、車載パワートレインの暖機を促進する車載パワートレインの暖機方法において、
    前記熱源からの熱を循環させる熱源回路を設け、
    前記車両側暖機回路と前記熱源回路に、両回路の接続と両回路の切り離しが可能なコネクタを設け、
    車載パワートレインを始動する前、前記コネクタの接続操作により、前記車両側暖機回路と前記熱源回路を接続する回路接続手順と、
    両回路の接続状態で前記熱源回路から前記車両側暖機回路に熱を取り込む熱エネルギー取り込み手順と、
    前記車両側暖機回路側に熱を取り込んだ後、前記コネクタの切り離し操作により、前記車両側暖機回路と前記熱源回路を切り離す回路切り離し手順と、
    を備えたことを特徴とする車載パワートレインの暖機方法。
  11. 請求項1に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路であり、
    前記熱源回路は、商用電源と断続可能な電源ケーブルにより供給される電力によって発生する熱を循環する温水回路であり、
    前記温水回路は、可搬性の筐体に備えられることを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  12. 請求項1に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両は、バッテリを搭載し、
    前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路であり、
    前記熱源回路は、商用電源と断続可能な電源ケーブルを備え、
    前記コネクタは、前記車両側暖機回路と前記熱源回路とが接続されたときに、前記電源ケーブルにより供給される電力を、前記バッテリに充電することを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
  13. 請求項1に記載された車載パワートレインの暖機システムにおいて、
    前記車両側暖機回路は、車両のエンジン冷却水循環回路であり、
    前記熱源回路は、商用電源と断続可能な電源ケーブルにより供給される電力によって動作する圧縮機によって圧縮された媒体を熱源とする温水回路であり、
    前記温水回路は、可搬性の筐体に備えられ、
    前記エンジン冷却水循環回路は、エンジン冷却水と前記媒体との間で熱交換を行う暖機用熱交換器と、前記エンジン冷却水循環回路にエンジン冷却水を循環させる車両側循環ポンプと、を備えることを特徴とする車載パワートレインの暖機システム。
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