JP2009095675A - 繋留カニューレ - Google Patents

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Abstract

【課題】カニューレを組織に固定し、そして通気ガスの漏出を防止するように、カニューレを繋留するための手段を提供する。
【解決手段】カニューレであって、長手軸方向に延びる中心作業通路14および少なくとも1つの繋留部材14、16、18、20を有するカニューレ本体10であって、該繋留部材は、形状記憶ポリマー、形状記憶金属、形状記憶合金、電気活性ポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。
【選択図】図1A

Description

(関連出願の引用)
本願は、2007年10月17日に出願された、米国仮特許出願番号60/980,579の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
(技術分野)
本開示は、外科手術手順において使用するためのカニューレを提供し、そしてより特定すると、エネルギーの適用の際に構成を変更して患者の身体への挿入のときに繋留カニューレを組織に繋留する材料を、繋留カニューレ上に有するかまたは繋留カニューレの一部として有する、繋留カニューレに関する。このようなカニューレを使用する方法もまた提供される。
腹腔鏡手順の間、カニューレが、外科手術用器具のためのアクセスポート、および体腔内に通気ガスを導入するための導管を提供するために利用される。ある実施形態において、鋭利なトロカールがカニューレ内に配置され得、そして組織または腹壁を穿孔または穿刺するために利用され得る。その後、このトロカールが除去され得、このカニューレを適所に残し、そして通気ガスが体腔に入れられて、腹腔手術空間を形成し得る。腹腔鏡手順の間のアクセスポート(例えば、カニューレ)の保持は、非常に重要である。なぜなら、これらのポートは、患者から偶然に排出され得、外科医に対する不便さ、気腹の損失、および手順時間の増加を生じ得るからである。
カニューレが挿入部を通って内外へと移動することを防止する目的で、いくつかのカニューレは、このカニューレが切開部から滑り出ることを防止するための繋留構造体を備え得る。例えば、特許文献1および特許文献2(これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される)に開示されるように、カニューレを繋留することを補助するために、バルーンが、いくつかのデバイスにおいて使用されている。しかし、この繋留構造体が組織にしっかりと固定されない限り、通気ガスの漏出が起こり得る。
米国特許第5,468,248号明細書 米国特許出願公開第2004/0138702号明細書
従って、カニューレを組織に固定し、そして通気ガスの漏出を防止するように、カニューレを繋留するための手段が依然として望ましい。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
カニューレであって、
長手軸方向に延びる中心作業通路および少なくとも1つの繋留部材を有するカニューレ本体であって、該繋留部材は、形状記憶ポリマー、形状記憶金属、形状記憶合金、電気活性ポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、カニューレ本体、
を備える、カニューレ。
(項目2)
上記繋留部材が、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル、エーテル−エステルジオール、カーボネート、およびこれらの組み合わせから選択される形状記憶ポリマーを含む、項目1に記載のカニューレ。
(項目3)
上記繋留部材が、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、オリゴ(p−ジオキサノン)ジオール、トリメチレンカーボネート、およびこれらの組み合わせから選択される形状記憶ポリマーを含む、項目1に記載のカニューレ。
(項目4)
上記繋留部材が、ポリ(スチレン−ブタジエン)コポリマー、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー、およびポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)コポリマーから選択される形状記憶ポリマーを含む、項目1に記載のカニューレ。
(項目5)
上記繋留部材が、ウレタン、乳酸、グリコール酸、アクリレート、カプロラクトン、これらのホモポリマー、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料のブレンドを含む形状記憶ポリマーを含む、項目1に記載のカニューレ。
(項目6)
上記繋留部材が、約30℃〜約50℃の温度で形状の変化を起こす形状記憶ポリマーを含む、項目1に記載のカニューレ。
(項目7)
上記繋留部材が、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される電気活性ポリマーを含む、項目1に記載のカニューレ。
(項目8)
上記電気活性ポリマーが、約5ボルト〜約30ボルトの量の電気の印加の際に形状の変化を起こす、項目7に記載のカニューレ。
(項目9)
上記繋留部材が、化学的方法および物理的方法のうちの少なくとも一方、またはこれらの組み合わせによって、シャフトに固定されている、項目1に記載のカニューレ。
(項目10)
上記繋留部材が、接着剤、封止剤、および膠のうちの1つによって、上記シャフトに化学的に固定されている、項目9に記載のカニューレ。
(項目11)
上記繋留部材が、該繋留部材の近位端および遠位端に位置する止めリングによって、上記シャフトに物理的に固定されている、項目9に記載のカニューレ。
(項目12)
上記繋留部材が、第一の拡張環状直径を有するリングを備える永続的形状と、圧縮環状直径を有する一時的形状とを有する、項目1に記載のカニューレ。
(項目13)
上記繋留部材が、約0.75インチ〜約1.75インチ(約1.90cm〜約4.44cm)の拡張環状直径を有する永続的形状と、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.0051cm〜約0.025cm)の圧縮環状直径を有する一時的形状とを有する、項目1に記載のカニューレ。
(項目14)
上記繋留部材が、第一の圧縮環状直径を有するリングを備える永続的形状と、より大きい拡張環状直径を有する一時的形状とを有する、項目1に記載のカニューレ。
(項目15)
上記繋留部材が、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.0051cm〜約0.025cm)の圧縮直径を有する永続的形状と、約0.75インチ〜約1.75インチ(約1.90cm〜約4.44cm)の拡張直径を有する一時的形状とを有する、項目1に記載のカニューレ。
(項目16)
上記繋留部材が、角張った突出部を備える永続的形状と、滑らかな平坦な構成を備える一時的形状とを有する、項目1に記載のカニューレ。
(項目17)
上記カニューレが、エネルギーの適用の際にアコーディオン形状を呈する、項目16に記載のカニューレ。
(項目18)
上記繋留部材が、エネルギーの適用の際に拘束する少なくとも1つの拘束セグメントを備える、項目17に記載のカニューレ。
(項目19)
上記繋留部材が、角張ったV字型の突出部を有する永続的形状と、滑らかな平坦な構成を有する一時的形状とを有する、項目16に記載のカニューレ。
(項目20)
上記繋留部材が、切頭円錐構成を有する永続的形状と、滑らかな平坦な構成を有する一時的形状とを有する、項目16に記載のカニューレ。
(項目21)
上記繋留部材が上記カニューレの表面に適用されている、項目1に記載のカニューレ。
(項目22)
上記カニューレの壁の少なくとも一部分が、繋留部材を備える、項目1に記載のカニューレ。
(項目23)
上記繋留部材が、医薬をさらに含む、項目1に記載のカニューレ。
本開示は、外科手術において使用するためのカニューレに関する。このカニューレは、その一部分に繋留部材を有し、この繋留部分は、エネルギーの適用の際に交互の形状を呈し、これによって、このカニューレを組織に固定する。
(要旨)
本開示は、外科手術において使用するためのカニューレを提供する。ある実施形態において、これらのカニューレは、このカニューレまたはその一部に繋留部材を有し得る。この繋留部材は、エネルギーの適用の際にその形状を変化させ得、これによって、このカニューレを組織に固定する。
ある実施形態において、本開示のカニューレは、カニューレ本体を備え得、このカニューレ本体は、長手軸方向に延びる中心作業通路および少なくとも1つの繋留部材を有する。この繋留部材は、形状記憶ポリマー、形状記憶金属、形状記憶合金、電気活性ポリマー、およびこれらの組み合わせを含み得る。この繋留部材は、化学的方法、物理的方法、およびこれらの組み合わせを使用して、シャフトに固定され得る。
ある実施形態において、本開示のカニューレの繋留部材は、環状直径(時々、拡張環状直径と称される)を有するリングを備える永続的形状と、より小さい圧縮環状直径を有する一時的形状とを有し得る。他の実施形態において、この繋留部材は、圧縮環状直径を有するリングを備える永続的形状と、より大きい拡張環状直径を有する一時的形状とを有し得る。
他の実施形態において、本開示のカニューレの繋留部材は、環状突出部を備える永続的形状と、滑らかな平坦な構成を備える一時的形状とを有し得る。
いくつかの実施形態において、本開示のカニューレの繋留部材はまた、医薬を含み得る。
本開示のカニューレを利用するための方法もまた、提供される。
本発明により、カニューレを組織に固定し、そして通気ガスの漏出を防止するように、カニューレを繋留するための手段が提供される。
(詳細な説明)
本開示は、カニューレ本体を備える繋留カニューレを提供し、このカニューレ本体は、このカニューレ本体に固定されたかまたは組み込まれた繋留部材を有する。この繋留部材は、エネルギー(例えば、電気または熱(体温を含む))の適用の際にその形状を変化させてカニューレを体内に固定し得る材料から作製され得る。このような材料としては、例えば、形状記憶ポリマー、形状記憶金属、形状記憶合金、電気活性ポリマー、これらの組み合わせなどが挙げられる。
ある実施形態において、形状記憶材料は、本開示のカニューレ上に繋留部材を形成するために利用され得る。このような形状記憶材料は、永続的形状および一時的形状を有する。ある実施形態において、この一時的形状は、繋留部材を有するカニューレを患者の身体に導入する能力を増強する構成のものであり、一方で、永続的形状は、切開の部位でのカニューレの保持を増強する構成のものである。繋留部材を形作るために利用され得る適切な形状記憶ポリマー材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル(オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオールが挙げられる)、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、エーテル−エステルジオール(オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールが挙げられる)、カーボネート(トリメチレンカーボネートが挙げられる)、これらの組み合わせなどが挙げられる。ある実施形態において、形状記憶ポリマーは、異なる熱特性を有する2つの成分のコポリマー(例えば、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレートとアクリル酸ブチルとのコポリマー(ポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)が挙げられる)、またはジオールエステルとエステル−エーテルジオールとのコポリマー(例えば、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー))であり得る。これらのマルチブロックオリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマーは、線状鎖として一緒に結合された2つのブロックセグメント(すなわち、「ハード」セグメントおよび「スイッチング」セグメント)を有する。このような材料は、例えば、Lendlein,「Shape Memory Polymers−Biodegradable Sutures」,Materials World,第10巻、第7号、第29頁〜第30頁(2002年7月)に開示されており、この全開示は、本明細書中に参考として援用される。
他の実施形態において、材料のブレンドが、形状記憶ポリマーとして利用され得る。これらのブレンドとしては、乳酸および/もしくはグリコール酸、そのホモポリマーまたはコポリマーとブレンドされたウレタン、ならびにカプロラクトンとブレンドされたアクリレート(例えば、ポリカプロラクトンジメタクリレートとポリ(アクリル酸ブチル)とのブレンド)ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの形状記憶ポリマー、ならびにこれらを用いて永続的形状および一時的形状を形成するための方法の他の例は、Lendleinら,「Shape memory polymers as stimuli−sensitive implant materials」,Clinical Hemorheology and Microcirculation,32(2005)105−116、およびLendleinら,「Biodegradable,Elastic Shape−Memory Polymers for Potential Biomedical Applications」,Science,第269巻(2002)1673−1676に記載されており、これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
ある実施形態において、本開示のカニューレの繋留部材は、第一の環状直径(本明細書中では時々、拡張環状直径と称される)を有するリングを備える永続的形状と、より小さい外周(時々、圧縮環状直径と称される)を有する一時的形状とを有し得る。他の実施形態において、この繋留部材は、第一の外周(これは、圧縮環状直径であり得る)を有するリングを備える永続的形状と、より大きい外周(これは、拡張環状直径と称され得る)を有する一時的形状とを有し得る。
例えば、本開示の形状記憶ポリマー材料は、ある実施形態において、一時的形態に拡張または圧縮させられて、その永続的形状よりも約4倍大きい直径または約4分の1に小さい直径になり得る。従って、ある実施形態において、形状記憶ポリマー材料は、より細い圧縮一時的直径より約4倍まで大きい拡張直径を有する永続的形状を有する繋留部材に形作られ得る。他の実施形態において、形状記憶ポリマー材料は、より太い拡張一時的直径の約4分の1まで小さい圧縮直径を有する永続的形状を有する繋留部材を形作るために利用され得る。なお他の実施形態において、拡張永続形状と圧縮永続状態との両方を有する形状記憶ポリマー材料の組み合わせが、カニューレの表面または内部に繋留部材を形成するために利用され得る。
このように調製された繋留部材は、加熱の際にその元々記憶された形状を回復する。この加熱は、患者の体内に配置することによるか、または所定の温度の外来の熱を加えることによるかのいずれかであり、この所定の温度は、ある実施形態において、利用される形状記憶ポリマーについての転移温度(Ttrans)より高い。ある実施形態において、カニューレを切開部に繋留するために利用される形状記憶ポリマー材料は、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.0051cm〜約0.025cm)、ある実施形態において、約0.005インチ〜約0.008インチ(約0.013cm〜約0.020cm)の厚さ(ある実施形態において、圧縮環状直径と称される)を有する一時的形状を有し得、そして約0.75インチ〜約1.75インチ(約1.90cm〜約4.44cm)、ある実施形態において、約1インチ〜約1.5インチ(約2.54cm〜約3.81cm)の環状直径(本明細書中で、その永続的形状またはその拡張環状直径と称される)まで拡張し得、カニューレを切開の開口部に繋留する。
他の実施形態において、カニューレを切開部に繋留するために利用される形状記憶ポリマー材料は、約0.75インチ〜約1.75インチ(約1.90cm〜約4.44cm)、ある実施形態において、約1インチ〜約1.5インチ(約2.54cm〜約3.81cm)の厚さ(ある実施形態において、上記のように、拡張環状直径と称され得る)を有する一時的形状を有し得、そして約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.0051cm〜約0.025cm)、ある実施形態において、約0.005インチ〜約0.008インチ(約0.013cm〜約0.020cm)のその永続的形状(ある実施形態において、圧縮環状直径と称される)まで圧縮されるか、引き込まれるか、または収縮し得る。このような実施形態は、切開部位への挿入後にカニューレの除去を容易にするために有用であり得る。
同様に、形状記憶ポリマー材料は、これらが滑らかな平坦な一時的形状を有するように構成され得る。この形状は、このような材料で形作られた繋留部材を有するカニューレを組織に挿入することを容易にする。他の実施形態において、形状記憶ポリマー材料は、これらが弓形であり得る一時的形状を有し得るように構成され得、形状記憶ポリマー材料から形成された繋留部材をカニューレの全体または一部の内部または周囲に配置することを可能にする。このような材料は、その永続的形状として、角張った突出部または他の類似の構成を有し得る。適切なエネルギー(電気または熱(体温を含む)が挙げられる)の適用の際に、これらの材料は、この永続的形状を呈する。繋留部材を形成するために利用される材料が呈する永続的な角張った構成または類似の構成は、本開示のカニューレを、切開の開口部に位置する組織に繋留することを補助し得る。
ある実施形態において、成型プロセスが、本開示の繋留部材を製造するために利用され得る。プラスチック成型方法が使用され得、そして溶融成型、溶液成型などが挙げられ得るが、これらに限定されない。射出成型、押出し成型、圧縮成型および他の方法もまた、溶融成型技術として使用され得る。一旦、適切な構成および寸法を有する鋳型に入れられると、繋留部材は適切な温度まで加熱され得る。この適切な温度は、ある実施形態において、永久温度(Tperm)と称される温度であり、この温度は、ある実施形態において、繋留部材を形成するために利用される形状記憶ポリマー材料の融点であり得る。繋留部材の加熱は、この繋留部材の永続的形状および寸法(その所望の構成および厚さを含む)を得るために適切な温度(例えば、約40℃〜約180℃、ある実施形態において、約45℃〜約60℃)で、適切な時間(約10分間〜約60分間、ある実施形態において、約15分間〜約20分間)にわたって行われ得る。
所望の構成および厚さを有する繋留部材が形成された後に、この繋留部材は、より薄い一時的形状、交互の構成を有する一時的形状、またはこれらの両方を得るために、変形温度で変形させられ得る。他の実施形態において、繋留部材は、より厚い一時的形状、交互の構成を有する一時的形状、またはこれらの両方を得るために、所定の温度で変形させられ得る。この変形が達成され得る様式に関する所定の限定は存在しない。変形は、手で達成されても、繋留部材に所望の厚さおよび/または構成を提供するために選択された適切なデバイスによって達成されても、いずれでもよい。
変形のために適切な温度は、利用される形状記憶ポリマーに依存して変動するが、一般に、このポリマーの転移温度(Ttrans)より高温であり得るがTpermより低温であり得る。ある実施形態において、形状記憶ポリマーは、そのTpermから、より低い温度(Ttransより高温のままである)まで冷却され得、そしてそのより薄い一時的形状まで(ある実施形態においては圧縮によって)変形され得る。上記のように、他の実施形態において、形状記憶ポリマーは、そのTpermから、より低い温度(Ttransより高温のままである)まで冷却され得、そしてそのより厚い一時的形状まで(ある実施形態においては膨張によって)変形され得る。上記のように、他の実施形態において、形状記憶ポリマーは、そのTpermから、より低い温度(Ttransより高温のままである)まで冷却され得、そして永続的形状が角張った突出部を備え、そして一時的形状が平坦かつ滑らかであるように、(ある実施形態においてはくせ取りによって)変形され得る。
予め記憶された形状を有するように成型された繋留部材の変形処理のための温度は、亀裂を生じることなく容易な変形を可能にする温度であり、そして形状記憶のために採用される温度(例えば、Tperm)を超えるべきではない。元の形状記憶のための温度を超える温度での変形処理は、物体に新しい変形後の形状を記憶させ得る。
他の実施形態において、繋留部材は、その一時的形状に構成され得、そしてその一時的形状を得るために室温(約20℃〜約25℃)まで冷却され得るが、この温度は、使用される特定のポリマーに依存して異なり得る。次いで、繋留部材は、Ttransより低い温度まで冷却され得、この時点で、本開示の繋留部材は、上記のような繋留カニューレに固定され得るか、または繋留カニューレの製造において利用され得、そして使用の準備ができる。Ttransは、通常、室温より高いので、ある実施形態において、室温まで冷却することは、一時的形状を形成するために充分であり得る。
繋留部材は、カニューレに取り付ける前にその一時的形状に変形させられ得るか、または他の実施形態において、繋留部材は、カニューレの取付け後に一時的形状に変形させられ得る。繋留部材は、任意の様式(化学的様式および/または物理的様式が挙げられ、例えば、接着剤、封止剤、膠などによる様式、あるいはいくつかの実施形態において、繋留部材の近位端および遠位端に位置する止めリングの使用)でカニューレに固定され得る。他の実施形態において、繋留部材は、カニューレの表面の凹部または浅い陥凹部内に嵌る寸法まで圧縮され得る。上記のように、他の実施形態において、形状記憶材料は、カニューレ自体を形成するために利用され得る。
このように調製された繋留部材は、加熱の際にその元々記憶された形状を回復する。この加熱は、患者の体内に配置することによるか、または所定の温度の外来の熱を加えることによるかのいずれかであり、この所定の温度は、ある実施形態において、利用される形状記憶ポリマーについてのTtransより高い。
他の形状記憶材料(形状記憶金属および金属合金(例えば、ニチノール)が挙げられる)が、繋留部材を形成するために使用され得る。
繋留部材の形状および厚さをその一時的形状に維持する目的で、本開示の形状記憶繋留部材は、ポリマーの塑性変形も永続的形状への永続的スイッチングも引き起こさない温度で保存され得る。ある実施形態において、形状記憶繋留部材は、冷蔵庫内に保存され得る。
本開示の繋留部材は、生存身体内で利用されるので、体温(約37℃)での加熱が可能である。このような場合において、形状記憶のための温度は、可能な限り低くあり得る。ある実施形態において、永続的形状の回復は、組織への挿入の約1秒後〜約5秒後に起こり得る。
しかし、いくつかの実施形態において、体温よりわずかに高い温度での形状回復を行う目的で、より高い形状記憶温度が望ましくあり得る。従って、いくつかの場合において、繋留部材を変形状態から解放して元々記憶された永続的形状を回復させることは、加熱によって達成され得る。約30℃〜約50℃、ある実施形態において、約39℃〜約43℃の温度に加熱する際に、一時的形状が解放され得、そして記憶された永続的形状が回復され得る。加熱のための温度が高いほど、元々記憶された形状の回復のための時間が短くなる。この加熱のための方法は限定されない。加熱は、気体加熱媒体、液体加熱媒体、加熱デバイス、超音波などを使用して達成され得る。もちろん、生存身体が関与する用途においては、火傷を起こさない加熱温度を利用するように注意が払われ得る。液体加熱媒体が使用される場合、生理食塩水溶液が望ましくあり得る。
切開部への挿入の際に、形状記憶材料から作製された繋留部材は、患者の加熱または外部供給源からの熱の適用のいずれかによって、その永続的構成を呈して、カニューレを切開部位に繋留し得る繋留構成を形成することを補助し得る。ある実施形態において、形状記憶ポリマーが利用される場合、体温(約37℃)が、繋留部材がその永続的繋留形状を形成するために充分であり得る。他の実施形態において、熱は、ある実施形態において、約39℃〜約43℃(ヒトの体温よりわずかに高い)で繋留部材に適用され、形状記憶ポリマーがその永続的繋留形状に戻ることを増強し得る。
同様に、他の実施形態において、電気的に活性なポリマー(電気活性ポリマーとしてもまた公知であり、電気の印加の際にその構成を変化させ得る)が、カニューレを身体内に固定するための繋留部材を形作るために利用され得る。電気活性ポリマーの適切な例としては、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)など、または上記電気活性ポリマーのうちの少なくとも1つを含有する組み合わせが挙げられる。上記電気活性ポリマーのブレンドまたはコポリマーまたは組成物もまた使用され得る。
形状記憶材料がエネルギー(例えば、熱)の適用の際に起こし得る形状の変化と同様に、ある実施形態において、電気活性ポリマーは、低電圧の電気供給源(例えば、バッテリ)からの電気の印加の際に、形状を変化を起こし得る。電気はまた、ある実施形態において、形状記憶合金(例えば、ニチノール)の形状の変化を促進するために利用され得る。このような変化を生じるために適用され得る電気の適切な量は、利用される電気活性ポリマーまたは形状記憶合金と共に変動するが、約5ボルト〜約30ボルト、ある実施形態において、約10ボルト〜約20ボルトであり得る。この適用の結果、電気活性ポリマーから構築された繋留部材は、その形状を変化させて、切開部位にカニューレを繋留し得る繋留構造になる。
電気活性ポリマーは、形状記憶ポリマーに関して上に記載された永続的形状および一時的形状と同じ永続的形状および一時的形状を有さないが、本明細書中で使用される場合、用語「永続的形状」とは、電気活性ポリマーに適用される場合、ある実施形態において、電気の印加の際に電気活性ポリマーが呈する形状をいい得、そして用語「一時的形状」とは、電気活性ポリマーに適用される場合、ある実施形態において、電気の非存在下で電気活性ポリマーが呈する形状をいい得る。
カニューレを組織に固定する方法もまた開示され、この方法は、開示されたカニューレを提供する工程を包含する。このカニューレは、組織の切開を通して挿入され、開口部内に繋留部材を配置し、そしてこの繋留部材が、熱(例えば、体温)または電気の適用により活性化されて、腹腔鏡手順の間にカニューレを保持することを補助する。形状記憶ポリマーは、熱の除去の際にその一時的形状に戻り得るが、ある実施形態において、形状記憶ポリマーは、拡張状態のままであり得る。電気活性ポリマーまたは形状記憶合金(例えば、ニチノール)が、繋留部材を形成するために使用される場合、このポリマーまたはニチノールは、一旦、エネルギー源の接続が外されると、その元の形状に戻り得、これによって、カニューレを患者の身体から除去するために必要とされる引き抜き力がずっと低くなる。
図1Aは、繋留部材を1つ以上の選択された長手軸方向位置に有する、カニューレ10を図示する。カニューレ10は、任意の材料から形成され得る。カニューレ10は、長手軸方向に延びる中心作業通路12を有し、そしてある実施形態において、一連の繋留部材を備え得る。これらの繋留部材は、セグメント14、セグメント16、セグメント18、およびセグメント20を備えるように図示される。一例として、セグメント14、16、18、および20は、このセグメントが形状記憶ポリマーから形成される場合、熱の適用の際に拡張可能であり得るか、または拡張可能繋留部材が電気活性ポリマーもしくは形状記憶合金(例えば、ニチノール)から形成される場合、低電圧の電気供給源(例えば、バッテリ)からの電気の印加の際に拡張可能であり得る。換言すれば、セグメント14、16、18、および20として図示される拡張可能セグメントは、第一の外周を有するリングのような永続的形状、およびより小さい外周を有する一時的形状を有する。
拡張可能領域18は、図1Bにおいて、22として図示される拡張状態で示される。従って、図1Aおよび図1Bに図示される原理によれば、カニューレは、1つ以上の選択された長手軸方向位置に配置または密封するために拡張し得る繋留部材を有し得る。
図1Aおよび図1Bに関して上に記載された拡張可能領域は、カニューレ10の表面に適用され得るか、または他の実施形態において、カニューレ10は、カニューレ自体の壁の一部を形成する拡張可能領域もしくはセグメントを有するように構築され得る。このような実施形態において、このカニューレは、拡張可能な領域に結合し得る可撓性ポリマー材料から作製され得る。
図2Aは、1つ以上の選択された長手軸方向位置に繋留部材を有するカニューレ110を図示する。カニューレ110は、長手軸方向に伸びる中心作業通路112を有し、そしてある実施形態において、形状記憶材料または電気活性ポリマーから作製された一連の拘束セグメントを備え得る。図示される拘束セグメントは、セグメント114、116、118、および120を含む。一例として、セグメント114、116、118、および120は、形状記憶ポリマーから形成される場合、熱の適用の際に制限され得るか、または拘束セグメントが電気活性ポリマーもしくは形状記憶合金(例えば、Nitiniol)から形成される場合、低電圧の電気供給源(例えば、バッテリ)からの電気の印加の際に制限され得る。制限セグメント114、116、118および120を形成するために利用される形状記憶材料または電気活性ポリマーは、収縮し得、その結果、カニューレ110は、図2Bに図示されるようなアコーディオン形状を呈し、保持リブ140を形成して、手順の間にカニューレの保持を補助する。換言すれば、セグメント114、116、118、および120として図示される拘束セグメントは、第一の外周を有するリングのような永続的形状、およびより大きい外周を有する一時的形状を有する。
他の実施形態において、カニューレは、このカニューレの長さがエネルギーの適用の際に短縮される、長手軸方向の収縮を起こすセグメントを有し得る。ある実施形態において、このような変化は、カニューレの中心通路のオリフィスのサイズも直径も変化させることなく起こり得る。
図2Aおよび図2Bにおいて上に記載された拘束セグメントは、カニューレ110の表面に適用され得るか、または他の実施形態において、カニューレ110は、カニューレ自体の壁の一部分を形成する拘束領域または拘束セグメントを備えるように構築され得る。拘束セグメントがカニューレの表面に適用される場合、カニューレ110が、圧縮され得る可撓性ポリマー材料から構築されることが有利であり得る。
他の実施形態において、図2Cに図示されるように、長手軸方向に延びる中心作業通路112を有するカニューレ110は、拘束セグメント114、116、118、および120(これらは、エネルギーの適用の際に拘束する)を有する形状記憶材料、ならびにまた、拡張可能セグメント113、115、117、119、および121(これらは、同じエネルギーの適用の際に拡張する)を内部に有する形状記憶材料から作製され得る。従って、セグメント114、116、118、および120が拘束してセグメント113、115、117、119、および121が拡張する場合、これによって、アコーディオン形状が図2Dに図示されるように形成される。
図2Cおよび図2Dにおいて上に記載された拡張可能セグメントおよび拘束セグメントは、カニューレ110の表面に適用され得るか、または他の実施形態において、カニューレ110は、カニューレ自体の壁の一部分を形成する、拡張可能な領域もしくはセグメント、および拘束可能な領域もしくはセグメントを備えるように構築され得る。
代替の実施形態において、長手軸方向に延びる中心作業通路112を有するカニューレ110は、図2Eに図示されるような滑らかな管状の一時的形状、および図2Fに図示されるようなアコーディオン型の永続的形状を有する、形状記憶材料から作製され得る。充分なエネルギーの適用の際に、このカニューレは、図2Eに図示されるようなその管状の一時的形状から、図2Fに図示されるその永続的なアコーディオン形状へと変化する。
図3A〜図3Bは、長手軸方向シャフト250を有するカニューレ210を図示し、この長手軸向シャフトは、その上に配置された拡張繋留部材260を備える。繋留部材260は、形状記憶材料または電気活性ポリマーから作製され得る。図3Aに図示されるように、繋留部材260は、長手軸方向シャフト250に沿って配置され得、ギャップ262、264、266および268を備える。ギャップ262、264、266および268内には、形状記憶材料または電気活性ポリマーは存在しない。すなわち、繋留部材260は、長手軸方向シャフト250の表面と共に長手軸方向に延びるギャップ262、264、266および268を備える長手軸方向シャフト250に適用される。図3Aから明らかであるように、繋留部材260は、滑らかな平坦な構成を有する一時的形状を有する。
適切なエネルギー(例えば、熱または電気)の適用の際に、繋留部材260を形成するために利用された形状記憶材料または電気活性ポリマーは、図3Bに図示されるように拡張し得、ギャップ262、264、266および268は、このような拡張を可能にし、そしてカニューレ210の表面からの角張ったV字型の突出部270、272および274の形成を可能にして、手順の間、カニューレ210の保持を補助し得る。繋留部材260は、拡張状態において示されており、これは、永続的形状であり、図3Bにおいて、角度の付いたV字型突出部270、272および274として図示される。
図4A〜図4Bは、長手軸方向シャフト350を有するカニューレ310を図示し、この長手軸方向シャフトは、その表面に位置する拡張繋留部材360を備える。繋留部材360は、形状記憶材料または電気活性ポリマーから作製され得る。図4Aに図示されるように、拡張繋留部材360は、ギャップ362および364を備える構成で、長手軸方向シャフト350に沿って配置され得る。ギャップ362および364内には、形状記憶材料または電気活性ポリマーは存在しない。すなわち、繋留部材360は、長手軸方向シャフト350の表面と共に長手軸方向に延びるギャップ362および364を備える長手軸方向シャフト350に適用される。図4Aに図示されるように、繋留部材360は、滑らかな平坦な構成を有する一時的形状を有する。
適切なエネルギー(例えば、熱または電気)の適用の際に、繋留部材360を形成するために利用された形状記憶材料または電気活性ポリマーは、図4Bに図示されるようなその永続的形状まで拡張し、ギャップ362および364が、このような拡張を可能にし、そしてカニューレ310の表面からの突出部370、372および374の形成を可能にして、手順の間、カニューレ310の保持を補助し得る。繋留部材360は、図4Bにおいて、突出部370、372および374として図示される拡張状態で示されており、これによって、切頭円錐構成を形成する。
一旦、カニューレが切開部位に固定されると、いくつかの実施形態において、腹腔鏡手順の間、吸入流体または通気ガスがこのカニューレを通して体腔に入れられ得、そして外科手術用器具および類似のデバイスが、このカニューレを通して導入され得る。
ある実施形態において、さらなる構成要素(医薬が挙げられる)を、本開示の繋留部材を形成するために利用される形状記憶ポリマーに追加することが望ましくあり得る。用語「医薬」とは、本明細書中で使用される場合、その最も広い意味で使用され、そして臨床用途を有する任意の物質または物質の混合物が挙げられる。その結果、医薬は、それ自体で薬理活性を有しても有さなくてもよい(例えば色素)。あるいは、医薬は、治療効果または予防効果を提供する任意の薬剤(組織の成長、細胞の成長、細胞分化に影響を与えるかまたは関与する化合物、生物学的作用(例えば、免疫応答)を引き起こし得る化合物、あるいは1つ以上の生物学的プロセスにおいて他の任意の役割を果たし得る化合物)であり得る。
本開示に従って利用され得る医薬のクラスの例としては、抗菌剤;鎮痛薬;麻酔薬;抗炎症剤(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなど);診断剤;出血を止めるかまたは防止するための止血剤;抗凝固剤;抗生物質;抗真菌剤;抗ウイルス剤;および免疫学的薬剤が挙げられる。
本開示の繋留部材を形成するために利用される形状記憶ポリマーに医薬として含まれ得る適切な抗菌剤としては、トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしてもまた公知)、クロルヘキシジンおよびその塩(酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、および硫酸クロルヘキシジンが挙げられる)、銀およびその塩(酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク、およびスルファジアジン銀)、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン(例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシンおよびシプロフロキサシン)、ペニシリン(例えば、オキサシリンおよびピプラシル(pipracil))、ノンオキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。さらに、抗菌タンパク質および抗菌ペプチド(例えば、ウシラクトフェリンおよびラクトフェリンB)が、本開示の繋留部材を形成するために利用される形状記憶ポリマーに、医薬として含まれ得る。
使用され得る止血物質の例としては、フィブリンベースの局所止血物質、コラーゲンベースの局所止血物質、酸化再生セルロースベースの局所止血物質、およびゼラチンベースの局所止血物質が挙げられる。市販の止血物質の例としては、商標CoStasisTMのもとでTyco Healthcare Group,LPによって販売されているフィブリノーゲン−トロンビン組み合わせ物質、および商標TisseelTMのもとでBaxter International,Inc.によって販売されているフィブリノーゲン−トロンビン組み合わせ物質が挙げられる。本明細書中の止血物質はまた、収斂剤(例えば、硫酸アルミニウム)および凝固剤を含む。
単一の医薬が、本開示のカニューレの繋留部材を形成するために利用される形状記憶材料と共に利用され得るか、または代替の実施形態において、医薬の任意の組み合わせが利用され得る。
医薬は、繋留部材の表面に配置され得るか、または本開示のカニューレの繋留部材を形成するために利用される形状記憶材料に含浸され得るかもしくは組み合わせられ得る。
形状記憶材料または電気活性ポリマーから作製された繋留部材を有する本開示のカニューレは、ある実施形態において、過剰の展開作用(繋留バルーンにおいて必要とされるものが挙げられる)に対する必要性を回避し得る。繋留部材を作製するために利用される材料は、耐久性があり、その設計は単純であり、そして本開示の繋留部材を備えるカニューレは、既存の材料および製造プロセスを利用して単純に作製される。従って、本開示は、経済的でありかつ使用が容易であるカニューレを提供する。
上記説明は、多くの詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、単に、本開示の実施形態の例示と解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような、本開示の範囲および趣旨内で、他の多くの可能なものを予測する。
図1Aは、1つ以上の選択された長手軸方向位置において選択的に拡張可能であり得る少なくとも1つの繋留部材を有するカニューレを図示する。 図1Bは、1つ以上の選択された長手軸方向位置において選択的に拡張可能であり得る少なくとも1つの繋留部材を有するカニューレを図示する。 図2Aは、エネルギーの適用の際にカニューレにアコーディオン構成を形成させる繋留部材を有する、本開示のカニューレを図示する。 図2Bは、エネルギーの適用の際にカニューレにアコーディオン構成を形成させる繋留部材を有する、本開示のカニューレを図示する。 図2Cは、エネルギーの適用の際にカニューレにアコーディオン構成を形成させる繋留部材を有する、本開示のカニューレを図示する。 図2Dは、エネルギーの適用の際にカニューレにアコーディオン構成を形成させる繋留部材を有する、本開示のカニューレを図示する。 図2Eは、エネルギーの適用の際にカニューレにアコーディオン構成を形成させる繋留部材を有する、本開示のカニューレを図示する。 図2Fは、エネルギーの適用の際にカニューレにアコーディオン構成を形成させる繋留部材を有する、本開示のカニューレを図示する。 図3Aは、ギャップを有する繋留部材を有する本開示のカニューレを図示し、この繋留部材は、適切なエネルギーの適用の際に、V字型の突出部を形成する。 図3Bは、ギャップを有する繋留部材を有する本開示のカニューレを図示し、この繋留部材は、適切なエネルギーの適用の際に、V字型の突出部を形成する。 図4Aは、ギャップを有するカニューレに適用された繋留部材を有する、本開示の代替のカニューレを図示し、適切なエネルギーの適用の際に、この繋留部材は突出部を形成し、そして切頭円錐構成を呈する。 図4Bは、ギャップを有するカニューレに適用された繋留部材を有する、本開示の代替のカニューレを図示し、適切なエネルギーの適用の際に、この繋留部材は突出部を形成し、そして切頭円錐構成を呈する。
符号の説明
10 カニューレ
12 中心作業通路
14、16、18、20 セグメント
22 拡張状態のセグメント

Claims (23)

  1. カニューレであって、
    長手軸方向に延びる中心作業通路および少なくとも1つの繋留部材を有するカニューレ本体であって、該繋留部材は、形状記憶ポリマー、形状記憶金属、形状記憶合金、電気活性ポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、カニューレ本体、
    を備える、カニューレ。
  2. 前記繋留部材が、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル、エーテル−エステルジオール、カーボネート、およびこれらの組み合わせから選択される形状記憶ポリマーを含む、請求項1に記載のカニューレ。
  3. 前記繋留部材が、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、オリゴ(p−ジオキサノン)ジオール、トリメチレンカーボネート、およびこれらの組み合わせから選択される形状記憶ポリマーを含む、請求項1に記載のカニューレ。
  4. 前記繋留部材が、ポリ(スチレン−ブタジエン)コポリマー、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー、およびポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)コポリマーから選択される形状記憶ポリマーを含む、請求項1に記載のカニューレ。
  5. 前記繋留部材が、ウレタン、乳酸、グリコール酸、アクリレート、カプロラクトン、これらのホモポリマー、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料のブレンドを含む形状記憶ポリマーを含む、請求項1に記載のカニューレ。
  6. 前記繋留部材が、約30℃〜約50℃の温度で形状の変化を起こす形状記憶ポリマーを含む、請求項1に記載のカニューレ。
  7. 前記繋留部材が、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される電気活性ポリマーを含む、請求項1に記載のカニューレ。
  8. 前記電気活性ポリマーが、約5ボルト〜約30ボルトの量の電気の印加の際に形状の変化を起こす、請求項7に記載のカニューレ。
  9. 前記繋留部材が、化学的方法および物理的方法のうちの少なくとも一方、またはこれらの組み合わせによって、シャフトに固定されている、請求項1に記載のカニューレ。
  10. 前記繋留部材が、接着剤、封止剤、および膠のうちの1つによって、前記シャフトに化学的に固定されている、請求項9に記載のカニューレ。
  11. 前記繋留部材が、該繋留部材の近位端および遠位端に位置する止めリングによって、前記シャフトに物理的に固定されている、請求項9に記載のカニューレ。
  12. 前記繋留部材が、第一の拡張環状直径を有するリングを備える永続的形状と、圧縮環状直径を有する一時的形状とを有する、請求項1に記載のカニューレ。
  13. 前記繋留部材が、約0.75インチ〜約1.75インチ(約1.90cm〜約4.44cm)の拡張環状直径を有する永続的形状と、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.0051cm〜約0.025cm)の圧縮環状直径を有する一時的形状とを有する、請求項1に記載のカニューレ。
  14. 前記繋留部材が、第一の圧縮環状直径を有するリングを備える永続的形状と、より大きい拡張環状直径を有する一時的形状とを有する、請求項1に記載のカニューレ。
  15. 前記繋留部材が、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.0051cm〜約0.025cm)の圧縮直径を有する永続的形状と、約0.75インチ〜約1.75インチ(約1.90cm〜約4.44cm)の拡張直径を有する一時的形状とを有する、請求項1に記載のカニューレ。
  16. 前記繋留部材が、角張った突出部を備える永続的形状と、滑らかな平坦な構成を備える一時的形状とを有する、請求項1に記載のカニューレ。
  17. 前記カニューレが、エネルギーの適用の際にアコーディオン形状を呈する、請求項16に記載のカニューレ。
  18. 前記繋留部材が、エネルギーの適用の際に拘束する少なくとも1つの拘束セグメントを備える、請求項17に記載のカニューレ。
  19. 前記繋留部材が、角張ったV字型の突出部を有する永続的形状と、滑らかな平坦な構成を有する一時的形状とを有する、請求項16に記載のカニューレ。
  20. 前記繋留部材が、切頭円錐構成を有する永続的形状と、滑らかな平坦な構成を有する一時的形状とを有する、請求項16に記載のカニューレ。
  21. 前記繋留部材が前記カニューレの表面に適用されている、請求項1に記載のカニューレ。
  22. 前記カニューレの壁の少なくとも一部分が、繋留部材を備える、請求項1に記載のカニューレ。
  23. 前記繋留部材が、医薬をさらに含む、請求項1に記載のカニューレ。
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