JP2009087270A - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザにとって差分抽出の結果を確認しやすくできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】それぞれ一又は複数の頁画像を含んでなる二つの文書を比較し、互いに相違する差分箇所を特定し、二つの文書の少なくとも一方の中から、特定される差分箇所を含む注目領域を画定し、画定される注目領域に基づいて、出力用画像を生成する画像処理装置である。
【選択図】図2
【解決手段】それぞれ一又は複数の頁画像を含んでなる二つの文書を比較し、互いに相違する差分箇所を特定し、二つの文書の少なくとも一方の中から、特定される差分箇所を含む注目領域を画定し、画定される注目領域に基づいて、出力用画像を生成する画像処理装置である。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
二つの文書を表す画像を比較して、両者の差分を抽出する差分抽出技術がある(例えば特許文献1参照)。差分抽出技術は、例えば紙に印刷された文書に対して後から書き込みがされた場合に、この書き込みがされた箇所を検出するなどの用途に利用される。差分抽出処理を実行する画像処理装置は、例えば元の画像に対して差分として抽出された箇所を重ね合わせるなどして出力用画像を生成する。そして、生成された出力用画像をディスプレイ装置に表示したり、紙などの媒体上に印刷したりするなどの方法で、ユーザに差分抽出の結果を提示する。このとき、画像処理装置は、例えば差分として抽出された箇所の色を変えるなどして、ユーザが差分箇所を識別できるようにしている。
特開2004‐341914号公報
上記従来例の技術においては、例えば比較対象となる文書に多数の頁が含まれている場合や、画像全体に対して差分箇所の占める範囲が小さい場合など、ユーザにとって出力される画像の中に含まれる差分箇所を確認しにくいことがある。
本発明の目的の一つは、ユーザにとって差分抽出の結果を確認しやすくできる画像処理装置及びプログラムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、それぞれ一又は複数の頁画像を含んでなる二つの文書を比較し、互いに相違する差分箇所を特定する差分箇所特定手段と、前記二つの文書の少なくとも一方の中から、前記特定される差分箇所を含む注目領域を画定する注目領域画定手段と、前記画定される注目領域に基づいて、出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置であって、前記差分箇所特定手段は、前記各頁画像を互いに性状の異なる複数の比較対象領域に分割し、当該分割された比較対象領域ごとに二つの文書を比較し、前記注目領域画定手段は、前記比較対象領域を単位として、前記差分箇所を含む注目領域を画定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置であって、前記注目領域画定手段は、前記比較対象領域のうち、所定の性状の領域の少なくとも一部を含むように、前記注目領域を画定することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、前記出力用画像生成手段は、前記二つの文書の少なくとも一方において前記画定される注目領域に含まれる画像を、前記差分箇所を他の箇所と異なる態様で示す出力用画像を生成することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、前記注目領域画定手段は、複数の注目領域を画定し、前記出力用画像生成手段は、前記各注目領域に含まれる画像を所定の大きさに拡大又は縮小して得られる画像を含んだ出力用画像を生成することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、それぞれ一又は複数の頁画像を含んでなる二つの文書を比較し、互いに相違する差分箇所を特定する差分箇所特定手段、前記二つの文書の少なくとも一方の中から、前記特定される差分箇所を含む注目領域を画定する注目領域画定手段、及び前記画定される注目領域に基づいて、出力用画像を生成する出力用画像生成手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
請求項1及び6記載の発明によれば、ユーザにとって差分抽出の結果を確認しやすい出力用画像を生成できる。
請求項2記載の発明によれば、意味的にまとまりのある領域を単位として出力用画像を生成できる。
請求項3記載の発明によれば、ユーザにとって、出力用画像に示される差分箇所の文書内における位置を把握しやすい出力用画像を生成できる。
請求項4記載の発明によれば、ユーザにとって差分箇所を識別しやすい出力用画像を生成できる。
請求項5記載の発明によれば、ユーザにとって複数の差分箇所を一覧しやすい出力用画像を生成できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態に係る画像処理装置1は、例えばパーソナルコンピュータ等であって、図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、インタフェース部15と、を含んで構成されている。また、画像処理装置1は、画像読み取り装置2に接続されている。
制御部11は、CPU等であって、記憶部12に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。本実施形態において、制御部11は、二つの文書を比較して差分を抽出する差分抽出処理を実行し、その実行結果をユーザに提示するための出力用画像を生成する。制御部11が実行する処理の具体例については、後述する。
記憶部12は、RAMやROM等のメモリ素子、ハードディスクなどを含んで構成される。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
操作部13は、例えばキーボードやマウス等であり、利用者の指示操作を受け付けて、当該指示操作の内容を制御部11に出力する。表示部14は、例えばディスプレイ装置等であり、制御部11からの指示に従って、情報の表示を行う。
インタフェース部15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格などの通信インタフェースであって、制御部11と画像読み取り装置2との間のデータの送受信を中継する。画像読み取り装置2は、イメージスキャナ等であって、紙などの媒体上に形成されている画像を読み取って、電子データとして画像処理装置1に対して出力する。
以下、本実施形態において画像処理装置1が実現する機能について、説明する。画像処理装置1は、機能的に、図2に示すように、差分箇所特定部21と、注目領域画定部22と、出力用画像生成部23と、を含んで構成される。これらの機能は、例えば制御部11が記憶部12に格納されたプログラムを実行することによって実現できる。このプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な各種の情報記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、インターネット等の通信手段を介して提供されてもよい。
差分箇所特定部21は、差分抽出処理の対象となる二つの文書D1及びD2のデータを取得する。そして、取得した文書D1と文書D2とを比較し、互いに相違する差分箇所を特定する。
文書D1及びD2は、いずれも一又は複数の頁画像を含んでなる。ここで頁画像は、それぞれ文書内の各頁を表す画像である。また、本実施形態においては、文書D1は変更前の文書であって、文書D2は文書D1に対して加筆、修正等が施された変更後の文書であるものとする。
例えば差分箇所特定部21は、画像読み取り装置2が複数枚の媒体から読み取って得られる画像群を、文書D1及びD2として取得する。すなわち、画像読み取り装置2は、紙などの媒体に形成されている画像を順次読み取って、読み取った画像のデータを頁画像として画像処理装置1に対して出力する。差分箇所特定部21は、この画像読み取り装置2が連続して出力する一連の頁画像を含んだデータを、文書D1又は文書D2として取得する。また、差分箇所特定部21は、記憶部12に記憶されている文書や、通信ネットワークを介して他の情報処理装置から送信される文書などを、差分抽出処理の対象として取得してもよい。
なお、文書D1及びD2のそれぞれは、例えばPDF(Portable Document Format)など所定のデータ形式で記述された1個の電子ファイルであってもよい。あるいは、それぞれ少なくとも一つの頁画像を含み、互いの順序関係が定められた複数の電子ファイルによって構成されてもよい。
文書D1及びD2のデータを取得した差分箇所特定部21は、両者を比較して差分箇所を特定する差分抽出処理を実行する。具体的に、差分箇所特定部21は、双方の文書に含まれる、互いに対応する頁画像同士(すなわち、文書D1に含まれる頁画像と当該頁画像に対応する文書D2内の頁画像との組)を比較して、各頁画像に含まれる差分箇所を特定する。
ここで、差分箇所特定部21が対応する頁画像同士を比較し、差分箇所を特定する処理の一例について説明する。まず差分箇所特定部21は、対応する二つの頁画像それぞれに含まれる特徴点を検出する。ここで特徴点は、画像の特徴的な箇所を示す各画像内の点であって、例えば線分の端点や、画像内の文字に外接する矩形領域の代表点などである。そして、差分箇所特定部21は、検出された特徴点の画像内における位置が略一致するように、頁画像同士の位置合わせを行う。すなわち、いずれか少なくとも一方の頁画像に対して幾何変換を行うことにより、対応する特徴点同士の画像内における位置を所定範囲内で一致させる。これにより、比較対象となる頁画像同士で位置のずれや歪みが生じている場合に、このずれや歪みによる影響が除去される。
さらに、差分箇所特定部21は、位置合わせがされた二つの頁画像内において同じ位置にある画素同士について、その画素値が互いに一致するか否かを判定する。そして、二つの頁画像の間で画素値が異なる画素(差分画素)の位置を、差分箇所として特定する。なお、差分箇所特定部21は、各頁画像を所定の大きさの単位領域(例えば所定数の画素を含む領域)に分割し、単位領域ごとに当該単位領域が差分箇所であるか否かを判定してもよい。ただし、以降の説明においては、差分箇所は、画素単位で差分画素として特定されることとして説明する。
なお、差分箇所特定部21は、差分箇所を特定する処理に先立って、比較対象となる二つの頁画像の双方に対して所定のレイアウト解析(構造解析)を行い、頁画像のそれぞれを複数の領域に分割してもよい。レイアウト解析は、例えば公知のT/I(Text/Image)分離処理などによって実現される。このレイアウト解析によって、差分箇所特定部21は、各頁画像を、主として文字列を含んだ文書領域、表や図面などの線画像を含んだ線画領域、写真やイラストなどの画像を含んだ絵柄領域など、互いに性状の異なる複数の領域(以下、比較対象領域という)に分割する。そして、この分割された比較対象領域ごとに二つの頁画像の間の比較を行い、差分箇所を特定する。これにより、差分箇所特定の精度が向上する。
注目領域画定部22は、二つの文書D1及びD2の少なくとも一方の中から、差分箇所特定部21によって特定される差分箇所を含む注目領域Rを画定する。以下、注目領域画定部22が画定する注目領域Rの具体例について、説明する。
例えば注目領域画定部22は、差分箇所特定部21によって特定された差分画素のうち、互いに隣接する画素を差分画素群としてグループ化し、グループ化された差分画素群のそれぞれについて、当該差分画素群を含む領域を注目領域Rとして画定する。具体例として、注目領域画定部22は、このような差分画素群に外接する矩形を中心とした所定の大きさの矩形領域を注目領域Rとして画定する。あるいは、このような差分画素群に外接する矩形を、幅及び高さ方向に所定の大きさだけ拡張した矩形領域を、注目領域Rとして画定する。なお、注目領域画定部22は、互いに隣接する画素だけでなく、互いの距離が所定の値以下である(すなわち、互いに近傍に存在する)画素同士も同じ差分画素群としてグループ化してもよい。また、外接矩形に代えて、差分画素群を含む円形あるいは楕円形の領域を注目領域Rとして画定してもよい。
また、注目領域画定部22は、頁画像単位で注目領域Rを画定してもよい。すなわち、文書D1又は文書D2に含まれる各頁画像のうち、差分画素群を含む頁画像については、当該頁画像全体を注目領域Rとして画定し、差分画素群を含まない頁画像は注目領域Rに含めないこととする。これにより、比較対象となった文書に含まれる頁画像のうち、差分箇所の存在する頁画像が選択的に注目領域Rとして決定される。
また、差分画素群が文字の一部又は全部を表している場合、注目領域画定部22は、この差分画素群によって表される文字を含む領域を注目領域Rとして画定してもよい。具体的に、例えば注目領域画定部22は、差分画素群によって表される文字を含む単語や行、段落など所定の単位の文字群を含む領域を、注目領域Rとして画定する。この場合、注目領域画定部22は、差分画素を含む所定の範囲の画像に対して文字認識処理を実行するなどの方法により、差分画素群が文字を表しているか否かを判定する。そして、文字認識処理の結果得られる文字列に対して構文解析を実行するなどの方法により、差分画素群によって表される文字を含む単語や段落などを決定する。
また、前述したように差分箇所特定部21が各頁画像のレイアウト解析を実行し、各頁画像を複数の比較対象領域に分割している場合、注目領域画定部22は、この比較対象領域を単位として注目領域Rを画定してもよい。すなわち、頁画像を分割して得られる複数の比較対象領域のうち、差分画素群を含んだ領域を、注目領域Rとして画定する。さらに、注目領域画定部22は、差分画素群の近傍にある所定の性状の領域の少なくとも一部を含むように、注目領域Rを画定してもよい。具体例として、差分画素群が文字を表す場合に、当該文字からの距離が所定の値以下の範囲に写真やイラストを表す絵柄領域又は図面や表を表す領域の一部が存在する場合、このような領域の全部又は一部を含む領域を注目領域Rとして決定する。このように、所定の性状の領域を含むように注目領域Rが決定されることにより、ユーザにとって注目領域Rの頁画像内における位置を把握しやすくできる。また、注目領域画定部22は、差分画素群が表や図面を表す領域内にある場合、差分画素群の近傍にある文字列を含むように注目領域Rを決定してもよい。
さらに、差分画素群が表を表す領域内にある場合、注目領域画定部22は、表の所定の端部(例えば左端や上端)を含むように、注目領域Rを決定してもよい。これにより、例えば表の列見出し又は行見出しが注目領域Rに含まれることとなり、ユーザにとって差分箇所の表内における位置を把握しやすくできる。
また、注目領域画定部22は、以上説明した方法によって画定された複数の注目領域R同士が互いに重なる場合、あるいはこのような注目領域R同士の距離が所定の値以下の場合(すなわち、互いに近傍に存在している場合)、このような複数の注目領域Rを統合してもよい。具体的に、注目領域画定部22は、このような複数の注目領域Rに代えて、これら複数の領域を包含する新たな一つの領域を注目領域Rとして画定する。
出力用画像生成部23は、注目領域画定部22によって画定される注目領域Rに基づいて、出力用画像Ioを生成する。具体的に、例えば出力用画像生成部23は、文書D1又は文書D2のいずれか一方において注目領域Rの範囲に含まれる画像のうち、差分箇所として特定された画素を他の箇所と異なる態様で示す画像を、出力用画像Ioとして生成する。すなわち、文書D1又は文書D2の注目領域R内の画像に対して、差分箇所として特定された画素を所定の態様で重ね合わせることにより、出力用画像Ioを生成する。一例として、差分画素群が変更前の文書D1に対して加筆された文書D2内の文字等を表している場合、出力用画像生成部23は、文書D1における注目領域R内の画像を切り出し、当該切り出された画像に対して加筆部分を表す差分画素群を重ねて、出力用画像Ioを生成する。あるいは、出力用画像生成部23は、文書D2における注目領域R内の画像を切り出すことにより、出力用画像Ioを生成してもよい。このとき、出力用画像生成部23は、出力用画像Io内の差分画素をユーザが識別できるようにするために、例えば差分画素の色を変化させたり、逆に差分画素以外の画素の色を変化させたりする。また、出力用画像Ioに対して、差分画素を囲む枠線を付加したり、所定の案内画像(矢印を表す画像など)を差分画素の近傍に配置したりしてもよい。
また、差分画素群が複数あって、注目領域画定部22が複数の差分画素群のそれぞれに応じて複数の注目領域Rを画定している場合、出力用画像生成部23は、複数の注目領域Rそれぞれの範囲に含まれる画像に基づいて、出力用画像Ioを生成してもよい。具体的に、例えば出力用画像生成部23は、文書D1又は文書D2の一方における各注目領域R内の画像に対して、差分画素を重ね合わせて得られる複数の画像を、所定の配置で並べることにより、出力用画像Ioを生成する。これにより、ユーザが複数の差分箇所を一度に閲覧可能な出力用画像Ioが生成される。
なお、出力用画像生成部23は、出力用画像Ioの生成に先立って、文書D1又は文書D2における注目領域R内の画像を、所定の大きさに拡大又は縮小するサイズ変更処理を実行してもよい。このサイズ変更処理によって得られる画像を含んだ出力用画像Ioを生成することで、様々な大きさの注目領域Rは、同じ大きさで出力用画像Io内に表される。図3は、このような出力用画像Ioの一例を示す図である。図3の例においては、注目領域画定部22は、注目領域R1、R2、R3及びR4の4つの注目領域Rを画定しているものとする。図3における一点鎖線は、サイズ変更後の各注目領域R内の画像が配置される位置を示している。なお、各注目領域R内の画像は、例えば文書D1又は文書D2のいずれかに対して差分画素群が重ねられた画像であってよいが、図3においてはこれらの画像は省略されている。また、出力用画像生成部23は、注目領域画定部22が画定した注目領域Rのうち、当該領域内に含まれる差分画素が少ない注目領域R内の画像については拡大し、当該領域内に含まれる差分画素が多い注目領域R内の画像については縮小して、出力用画像Ioに含めてもよい。
また、出力用画像生成部23は、文書D1、文書D2の双方から、同じ位置の注目領域Rに含まれる画像を切り出して、並べることにより、出力用画像Ioを生成してもよい。具体例として、文書D1において、ある注目領域Rの位置に含まれる画像が図4(a)に示すような画像であって、文書D2における同じ注目領域Rの位置に含まれる画像が図4(b)に示すような画像であるものとする。この図の例においては、変更前の文書D1と比較して、文書D2は、「1」が加筆されるとともに「4」が削除されており、差分箇所特定部21は、これらの文字「1」及び「4」を表す画素群を、差分画素群として特定している。この場合において、例えば出力用画像生成部23は、図5に示すような出力用画像Ioを生成する。図5の例においては、差分画素群により構成される文字は、破線で表されている。
あるいは、出力用画像生成部23は、図5に例示したような文書D1、文書D2双方の注目領域R内の画像に加えて、これらの画像の一方に対して差分画素群を重ね合わせて生成した差分箇所提示画像をさらに出力用画像Ioに含めてもよい。図6は、このような出力用画像Ioの一例を示す図である。図6の例においては、文書D1の注目領域R内の画像、文書D2の注目領域R内の画像、及び差分箇所提示画像、の3つの画像が、出力用画像Ioに含まれている。なお、この例における文書D1内の注目領域Rを示す画像、及び文書D2内の注目領域Rを示す画像については、差分画素群を他と異なる態様にする画像処理は行われず、各文書から切り出された画像がそのまま表されている。一方で、差分箇所提示画像は、文書D1又はD2の注目領域R内の画像に対して差分画素群を重ね合わせて生成された画像であって、差分画素群が識別可能な態様で表されている。
また、出力用画像生成部23は、このような差分箇所提示画像に代えて、追記箇所提示画像や削除箇所提示画像を出力用画像Ioに含めてもよい。ここで追記箇所提示画像は、変更後の文書D2の注目領域R内の画像において、差分箇所のうち、変更前の文書D1から追記された箇所を他の箇所と異なる態様で示す画像である。また、削除箇所提示画像は、変更前の文書D1の注目領域R内の画像において、差分箇所のうち、変更後の文書D2で削除された箇所を他の箇所と異なる態様で示す画像である。出力用画像生成部23は、各差分画素の文書D1及び文書D2それぞれにおける画素値に基づいて、各差分画素が追記された画素か削除された画素かを判定することにより、追記箇所提示画像や削除箇所提示画像を生成する。図7は、図4(a)及び図4(b)に例示される注目領域Rの例において、文書D1の画像、文書D2の画像、追記箇所提示画像、及び削除箇所提示画像を含んだ出力用画像Ioの一例を示す図である。
なお、出力用画像生成部23は、画定された注目領域Rの数や大きさに応じて、複数頁の出力用画像Ioを生成してもよい。生成された出力用画像Ioは、例えば表示部14に表示されたり、画像形成装置(不図示)によって紙などの媒体上に形成されたりすることによって、出力され、ユーザに提示される。
また、出力用画像生成部23は、出力用画像Ioに含まれる各注目領域R内の画像が、文書D1又は文書D2全体のうち、どの部分に対応するかを示すために、以下のような表示要素を出力用画像Ioに含めてもよい。例えば出力用画像生成部23は、各注目領域Rが文書D1又は文書D2の何頁目に含まれるかを示す文字列を、出力用画像Ioに付加する。すなわち、出力用画像Io内の注目領域Rを示す画像の近傍に、注目領域Rを含む頁画像が文書D1又は文書D2の何番目の頁画像であるかを示す数字を追加する。また、出力用画像Ioが表示部14に表示される表示用画像の場合、出力用画像生成部23は、出力用画像Ioに含まれる各注目領域Rを示す画像のデータに対して、当該画像により表される元画像(すなわち、文書D1又は文書D2のいずれかに含まれる、当該注目領域Rを含む頁画像)の格納場所を示す情報を関連づけて記録してもよい。これにより、画像処理装置1は、クリッカブルマップ技術などを用いて、ユーザが出力用画像Io内の各注目領域Rを示す画像を指定した場合に、当該画像に関連づけられた元画像をユーザに提示することができる。また、注目領域Rが表を表す領域の中の一部の領域である場合、出力用画像生成部23は、所定のパターンマッチング処理によって当該注目領域Rに含まれるセルが表の何行目か、又は何列目か、を特定し、行番号や列番号を出力用画像Ioに含めてもよい。
以上説明したように、差分箇所を含む注目領域に基づいて出力用画像Ioが生成されることにより、単に差分箇所が他と区別される態様で文書D1又は文書D2の全体がユーザに提示される場合と比較して、差分抽出の結果はより確認しやすい態様でユーザに提示される。
なお、本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば注目領域画定部22は、これまで説明した方法以外の方法で、差分箇所を含む注目領域Rを画定してもよい。また、出力用画像生成部23が生成する出力用画像Ioも、以上例示した以外の態様で注目領域R内の画像を示すものであってよい。
1 画像処理装置、2 画像読み取り装置、11 制御部、12 記憶部、13 操作部、14 表示部、15 インタフェース部、21 差分箇所特定部、22 注目領域画定部、23 出力用画像生成部。
Claims (6)
- それぞれ一又は複数の頁画像を含んでなる二つの文書を比較し、互いに相違する差分箇所を特定する差分箇所特定手段と、
前記二つの文書の少なくとも一方の中から、前記特定される差分箇所を含む注目領域を画定する注目領域画定手段と、
前記画定される注目領域に基づいて、出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。 - 前記差分箇所特定手段は、前記各頁画像を互いに性状の異なる複数の比較対象領域に分割し、当該分割された比較対象領域ごとに二つの文書を比較し、
前記注目領域画定手段は、前記比較対象領域を単位として、前記差分箇所を含む注目領域を画定する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記注目領域画定手段は、前記比較対象領域のうち、所定の性状の領域の少なくとも一部を含むように、前記注目領域を画定する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。 - 前記出力用画像生成手段は、前記二つの文書の少なくとも一方において前記画定される注目領域に含まれる画像のうち、前記差分箇所を他の箇所と異なる態様で示す出力用画像を生成する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記注目領域画定手段は、複数の注目領域を画定し、
前記出力用画像生成手段は、前記各注目領域に含まれる画像を所定の大きさに拡大又は縮小して得られる画像を含んだ出力用画像を生成する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - それぞれ一又は複数の頁画像を含んでなる二つの文書を比較し、互いに相違する差分箇所を特定する差分箇所特定手段、
前記二つの文書の少なくとも一方の中から、前記特定される差分箇所を含む注目領域を画定する注目領域画定手段、及び
前記画定される注目領域に基づいて、出力用画像を生成する出力用画像生成手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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