JP2009082648A - 靴底と同靴底を備えた靴及び靴の製造方法 - Google Patents

靴底と同靴底を備えた靴及び靴の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ヒール高さが異なるモデルの靴に対して共通に使用することができ、しかも、歩きやすくて心地よい履き心地にすることができる靴底と同靴底を備えた靴及び靴の製造方法を提供する。
【解決手段】全体をゴム材料で板状に一体成形し、つま先部2から踏み付け部3にかけて靴幅方向に沿った断面形状を凹状にすることで、上部が中底15によって覆われると閉塞空間27を構成する凹部6を設け、同凹部6にはその内側を靴長方向に仕切る複数の緩衝板7を設けて、同各緩衝板7には靴長方向に空気の流通を可能にする通気部8を設け、一端が凹部6に連通し中底15によって上部が覆われる溝部11と、同溝部11の他端部の底面に一端が開口され他端が土踏まず部4の裏面に開口されている貫通孔10とからなる空気流路9を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイヒールやパンプスなどのヒール付き靴に用いられる靴底と、同靴底を備えた靴及び靴の製造方法に関する技術である。
従来、パンプス等のヒール付き靴に用いられている靴底は、例えば、靴底とヒールとが一体成形されているものや(例えば、特許文献1参照)、ヒールが靴底と別体で設けられ、ねじ釘や止め釘等によって靴底に固定されているものなどがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−85110号公報(第3頁、第1図) 実開平5−21704号公報(第5及び6頁、第1及び3図)
しかしながら、上記従来例の靴底は次のような不都合な点がある。
1)ヒールと一体成形されている靴底は、ヒール高さが異なるモデルの靴には使用することができない。
2)ヒールと別体で設けられている靴底は、一般的にライト底と呼ばれている合成皮革等で形成された硬質のものであるため屈曲性に乏しく、特に新しいうちは歩きづらいことが多い。また、クッション性や通気性に欠けるため、足が痛くなったり疲れたりしやすく、おまけに蒸れやすいという欠点もあって、着用者は我慢して履いている場合も少なくない。
そこで本発明は、ヒール高さが異なるモデルの靴に対して共通に使用することができる靴底であって、しかも、靴の履き心地を快適にすることができる靴底と同靴底を備えた靴及び靴の製造方法の提供を課題としている。
請求項1記載の靴底は、つま先部と踏み付け部及び土踏まず部と踵部とからなり、同踵部に別体のヒールが取り付けられるヒール付き靴の靴底において、全体をゴム材料で板状に一体成形し、前記つま先部から前記踏み付け部にかけて靴幅方向に沿った断面形状を凹状にすることで、上部が中底によって覆われると閉塞空間を構成する凹部を設け、同凹部にはその内側を靴長方向に仕切る複数の緩衝板を配設して、同各緩衝板には靴長方向に空気の流通を可能にする通気部を設け、一端が前記凹部に連通し前記中底によって上部が覆われる溝部と、同溝部の他端部の底面に一端が開口され他端が前記土踏まず部の裏面に開口されている貫通孔とからなる空気流路を設けることを特徴としている。
この請求項1の靴底によれば、全体をゴム材料で板状に一体成形するので屈曲性に優れている。このため、自由に曲げて使うことができ、ヒール高さの違いから靴底形状が異なるモデルの靴に対しても共通に用いることができる。また、屈曲性が良いため、歩行時の足の動きにフィットしやすく、ゴムの弾性と前記凹部の前記緩衝板の撓みによるクッション性とによって、足裏の感触を良くすることができるとともに、足が着地したときの衝撃を緩和することができる。
それから、前記閉塞空間を構成する前記凹部と前記空気流路とによって、靴内の空気の循環を図ることができる。つまり、前記つま先部及び前記踏み付け部が加重されると、前記中底と前記凹部とで構成される前記閉塞空間が圧縮され、前記閉塞空間内の空気が前記空気流路から外部へ排出される。このとき、前記靴内と前記閉塞空間との間で空気の流通を可能にしておくことで、前記靴内にも前記閉塞空間内の空気が流入する。その後、前記つま先部及び前記踏み付け部の負荷が取り除かれ前記閉塞空間が復元する際に、前記空気流路から前記閉塞空間に外気が流入するとともに、前記靴内の空気が前記閉塞空間に流入する。これらを繰り返すことによって、前記靴内の空気が循環され蒸れが防止される。しかも、前記空気流路を構成する前記貫通孔の前記他端は、接地していない前記土踏まず部の裏面に開口されているため、外気とともに水や砂等が前記閉塞空間に侵入しにくい。また、前記凹部や前記空気流路の前記溝部を前記中底で覆って、前記閉塞空間や空気の流路を構成するようにすれば、前記靴底に空間を設ける場合に比べて厚みを薄くすることができる。
なお、前記通気部は、切り欠き状,貫通孔,スリット状の隙間など、空気の流通が可能であれば形状は問わない。
請求項2記載の靴底は、土踏まず部及び踵部を、つま先部及び踏み付け部よりも厚みを薄く形成することを特徴としている。この請求項2記載の靴底によれば、接地する部分のクッション性を損なうことなく軽量化を図ることができる。
請求項3記載の靴底は、緩衝板をつま先側に傾倒させること特徴としている。この請求項3の靴底によれば、歩行の際、前記つま先部及び前記踏み付け部は、踵側からつま先側に向かって順に加重されるため、前記緩衝板をつま先側に傾倒させることによって前記緩衝板を撓ませやすくなり、歩行時のクッション性を良くすることができる。
請求項4記載の靴底は、空気流路を通気性と防水性とを備えた布材で塞ぐことを特徴としている。この請求項4の靴底によれば、前記空気流路を通じて空気の出入を可能にしつつ、外部からの水の浸入を防止することができる。
請求項5記載の靴底は、隣接する緩衝板の通気部の位置をずらすことによって、前記通気部を千鳥に配置することを特徴としている。
この請求項5の靴底によれば、前記緩衝板の剛性が低くなる前記通気部を千鳥に配置することによって、中底を前記緩衝板で均等に支持できるようになる。
請求項6記載の靴は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の靴底を備え、前記靴底上面には中底を配置し、同中底を前記靴底の前記踏み付け部に対応する部分が他の部分よりも軟らかくなるように形成して、前記靴底の前記凹部に対応する位置には複数の通気孔を穿設し、前記中底上面に中敷を配置して、同中敷には前記中底の前記各通気孔に対応する位置にそれぞれ通気孔を穿設することを特徴としている。
この請求項6の靴は、前記靴底の前記踏み付け部に対応する部分を、他の部分よりも軟らかく形成することによって、歩行時の足の動きに合わせて曲がりやすくすることができる。しかも、前記靴内と前記閉塞空間とが、前記中底と前記中敷とに穿設されている複数の前記通気孔により連通されているため、上記請求項1の靴底で説明したように、前記靴内の空気の循環が図られ蒸れが防止される。なお、靴とは婦人靴及び紳士靴の両方を含んでいる。
請求項7の靴は、中敷の裏面と中底の上面とを全面で貼り付けるようにし、前記中敷と前記中底との間には、前記中敷の前記通気孔が設けられている範囲と前記中底の前記通気孔が設けられている範囲との両方に跨るように布材を配置して、同布材を片面のみで前記中敷又は前記中底に貼着することを特徴としている。
この請求項7の靴は、前記布材が配置されている部分は、前記中底と前記中敷とがくっつかないため、前記中底と前記中敷との間を空気が流通可能になる。これにより、前記中底と前記中敷との前記通気孔の位置がずれていても、前記布材が配置されている部分における前記中底と前記中敷との隙間を介して、前記中底の前記通気孔と前記中敷の前記通気孔との間で空気を流通させることができる。
請求項8の靴の製造方法は上記請求項1〜5記載のいずれかに記載の靴底の前記凹部に対応する位置に、複数の通気孔が穿設されている中底を靴型に固定し、この靴型に甲皮を被せて吊り込む工程と、前記靴底を接着して前記中底及び前記甲皮と一体にする底付け工程と、前記中底の前記各通気孔に対応する位置にそれぞれ通気孔が穿設されている中敷を、前記中底の上面に貼り合わせる中敷貼りの工程とを含み、前記中敷を貼り合わせる際、同中敷の裏面全体に接着層を設けておき、前記中敷の裏面に、同中敷における前記通気孔が設けられている範囲と、前記中底における前記通気孔が設けられている範囲との両方に跨るサイズの布材を貼り付けたのち、前記中敷を前記中底の上面に貼り合わせることを特徴としている。
この請求項8の靴の製造方法によれば、前記布材を設けた範囲では前記中敷と前記中底とがくっつかないため、前記布材を設けた範囲において、前記中敷と前記中底との間に、空気の流通が可能な僅かな隙間が生じる。これにより、前記中敷と前記中底とを前記通気孔の位置がずれた状態で貼り合わせたとしても、前記隙間を介して空気を流通させることができ、靴内と前記閉塞空間との間で空気を循環させることができる。
請求項1の靴底は、ヒール高さの異なるモデルに対して共通に使用することができるので汎用性に優れ、ヒール高さ毎に靴底を製造する場合に比べ、金型代などコストダウンを図ることができる。そして、足裏の感触が良くて蒸れにくく、空気流路を通じて水等が靴内に侵入することもないため履き心地が快適で、且つ、足が着地するときの衝撃が少ないため歩きやすくて疲れにくく、しかも厚みが薄いため見栄えの良い靴にすることができる。
請求項2の靴底は、靴底を軽くすることができるので、靴の軽量化を図ることができ、歩き易くて疲れにくい靴にすることができる。
請求項3の靴底は、クッション性に優れた靴にすることができる。
請求項4の靴底は、空気流路において、空気の出入が阻害されることなく、水等の侵入が確実に防止されるので、水等が靴内に侵入することによる不快感を着用者に与えることなく、蒸れにくくて快適な履き心地の靴にすることができる。
請求項5の靴底は、靴の安定感が増し、履き心地の良い靴にすることができる。
請求項6の靴は、蒸れにくくて、水等が空気流路を通じて靴内に侵入して着用者に不快感を与えることもなく、靴底のクッション性により足裏の感触が良いため、快適に着用することができる。しかも、歩行時には足の動きに合わせて良く曲がり、足が地面に着いたときのショックも軽減されるため、歩きやすく疲れにくくなる。
請求項7の靴は、中底と中敷との通気孔の位置がずれていても、靴底の閉塞空間と靴内との間で空気が流通するため、中底や中敷を高精度で加工する必要がなく、また、中敷の取り付けに高い精度を必要としないため、製造が簡単な靴の提供が可能になる。
請求項8の靴の製造方法は、中敷と中底との通気孔の位置を正確に合わせる必要がなく、中敷の貼り付け作業が簡単に行えるため、熟練者でなくても、通気性に優れ且つ履き心地の良い靴を簡単に製造することができる。
以下、本発明に係るヒール付き靴の靴底と同靴底を備えた靴及び靴の製造方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の靴底1はヒール付き婦人靴に用いるものであり、ゴム材料を用いて約4mm厚の板状に一体成形されている。用いたゴム材料は、主成分である天然ゴム(NR)32重量%及びスチレンブタジエンゴム(SBR)59重量%の他に、ブタジエンゴム(BR−01)を5重量%、カーボンマスターバッチ(CH51)5重量%を加えて配合したものに対し、さらに、ホワイトカーボン充填剤31.7重量%を添加した軟質のゴム材料である。
靴底1は、図1(a)〜(c)に示すように、つま先部2と踏み付け部3及び土踏まず部4と踵部5との四つの部分からなり、つま先部2から踏み付け部3にかけて、靴幅方向に沿った断面形状を凹状にすることで凹部6を形成している。この凹部6は、後述する中底15が靴底上面に取りつけられて上部が覆われると閉塞空間を構成するようになっている。なお、後述の中底、中敷、甲皮、完成品の靴について、靴底の上記四つの部分(つま先部2、踏み付け部3、土踏まず部4、踵部5)に対応する部分は、これらと同じ呼称を用いるとともに同一の符合で表している。
凹部6内には、撓むことによってクッション性を発揮する複数の緩衝板7が、凹部6内を靴長方向に仕切るように且つ等間隔で形成されている。各緩衝板7は、凹部6の靴幅方向の内幅いっぱいに設けられており、つま先側に約50°の角度で傾倒したかたちになっていて、その高さは凹部6の深さとほぼ一致している。
また、各緩衝板7には、一箇所乃至複数箇所にスリット状の隙間を形成することによって通気部8が設けられ、凹部6内の靴長方向における空気の流通を可能している。これらの通気部8は、隣接する緩衝板7の通気部8に対して位置をずらせることによって千鳥に配置されている。このように、緩衝板7の剛性が低くなる通気部8を千鳥に配置することによって、中底を緩衝板7で均等に支持させることができ、靴の安定性を増すことができる。緩衝板7は厚みが約1.5mmの薄さに設定されて撓み易くなっているが、約3.3mmの狭いピッチで設けることによって、安定性とクッション性との両方を確保している。
そして、土踏まず部3には、凹部6に靴底裏面から空気の出入を可能にする空気流路9が二箇所に設けられている。各空気流路9は、一端が凹部6に連通し靴長方向に連続する溝部11と、同溝部11の他端部の底面に一端が開口され他端が土踏まず部3の裏面に開口されている貫通孔10とで構成されている。これらの空気流路9は、靴幅方向に左右対称となるように設けられており、各溝部11の他端部には円柱状に広くなった空間28が設けられ(図1(c))、各空間28の底面の中心部に、貫通孔10の一端が開口されている。
各空間28の底面には、通気性と防水性とを兼ね備えた布材12が貼着されて、貫通孔10の開口が覆われた状態になっている。このように、通気性と防水性とを備えた布材12で空気流路9を塞ぐことによって、外部と凹部6との間の空気の流通を阻害することなく、外部からの水や砂等の侵入を防止している(エントランス加工とも呼ばれている)。
踵部5はヒールを固定し易いように凹凸のないフラットな形状に形成されている。
このような構成を有する靴底1は、軟質のゴム材料で形成され且つ厚みが抑えられているので屈曲性に優れており、ヒール高さが異なるモデルに対しても共通に用いることができる。即ち、図2に示すように、ヒール高さが異なれば、土踏まず部4の傾斜の程度が変わって異なる靴底形状となるが、靴底1は屈曲性に優れているため、モデルの靴底形状に応じて曲げることができるからである。このように、汎用性に優れているという特徴の他にも、軟質のゴム材料で形成されているため合成皮革のライト底に比べて滑りにくく、且つ、緩衝板7のクッション性が相まって足裏の感触が良く、歩行時の衝撃吸収力に優れるという特徴を備えている。しかも、凹部6と空気流路9の溝部11とを、後述の中底15で覆うことによって、閉塞空間27や空気の流路を構成するようにしているので、靴底1に空間を設ける場合に比べて厚みを薄くできる。
この靴底1の耐衝撃性及び防滑性を確認するため、財団法人日本紡績検査協会に依頼し、おもりの落下衝撃試験及び滑り抵抗試験を行い、ライト底と性能比較を行った。
1.おもりの落下衝撃試験
(試験方法)
試料を鋼製ベース上に設置し、質量10kgのおもりを20mmの高さからつま先側に落下させ、発生する衝撃加速度を測定し、衝撃力を算出した。なお、加速度計はおもりの上面に取付け、おもりの下面(試験体接触面)には直径40mmの鋼製ジグを固定した。この試験結果を表1に示す。
Figure 2009082648
表1の試験結果より、本実施形態の靴底の衝撃力はライト底に比べて2/3になっており、衝撃吸収性に優れていることが確認できた。
2.滑り抵抗試験
(試験方法)
ISO13287による試験方法に基づいて、試料をステンレスの床面に角度をつけずに置き、400Nの力を上から下に一定にかけ、1秒間に30cmの速さで滑らせた。この試験結果を表2に示す。
Figure 2009082648
表2の試験結果より、本実施形態の靴底の滑り抵抗はライト底の約2倍で、しかも、滑りが発生していないことを示す1.00に近い値を示しており、防滑性に優れていることが確認できた。
3.摩耗試験
本実施形態の靴底1に用いているゴムと従来の靴底に用いていたゴムとの耐摩耗性に対する比較試験を行った。表3に、本実施形態の靴底1のゴム及び従来の靴底のゴムの配合を示す。
Figure 2009082648
(試験方法)
JIS−K6264−2によるアクロン摩耗試験方法により、回転する円盤状の試料の円周面を、回転軸に15°の傾斜角度を与え、一定荷重で研磨輪の円周面に押し付けて摩耗し、1000回転当りの摩耗質量を求めた。この試験結果を表4に示す。
Figure 2009082648
表4の結果より、本実施形態の靴底1のゴムの摩耗量は、従来の靴底のゴムの摩耗量の約半分になっており、本実施形態の靴底1のゴムは、従来の靴底のゴムの約2倍の耐摩耗性能を有していることが確認できた。
4.引張試験
JIS−K6251の引張特性の求め方に基づいて、本実施形態の靴底1のゴムと従来の靴底のゴムとの引張特性に対する比較試験を行った。試験片にはダンベル状3号型を採用し、引張速度は500mm/minに設定した。なお、各ゴムの配合は表3に示したものと同様である。この試験結果を表5に示す。
Figure 2009082648
表5の結果より、本実施形態の靴底1のゴムは従来の靴底のゴムに比べて高い引張応力及び引張伸びを示しており、優れた引張特性を有していることが確認できた。
5.引裂試験
JIS−K6252の引裂き強さの求め方に基づいて、本実施形態の靴底1に用いているゴムと従来の靴底のゴムとの引裂き強さに対する比較試験を行った。試験片にはクレセント形を採用し、試験片つかみ具の移動速度は500mm/minに設定した。なお、各ゴムの配合は表3に示したものと同様である。この試験結果を表6に示す。
Figure 2009082648
表6の結果より、本実施形態の靴底1のゴムは従来の靴底のゴムに比べて高い引裂強度及び引裂伸びを示しており、優れた引裂強度を有していることが確認できた。
次に、上記実施形態の靴底1を備えた婦人靴13の製造方法について、図3を参照しつつ説明する。
天然皮革や合成皮革、ファブリックなどの材料を抜き型で裁断した表材と裏材とを縫い合わせて甲皮14を縫製し、この甲皮14のつま先部2には先芯と呼ばれる補強材(図示省略)を、踵部5にはカウンターと呼ばれる補強材(図示省略)を、表材と裏材との間にそれぞれ取り付ける。そして、中底15をタックス等で靴型(図示省略)に固定したのち、甲皮14を靴型に被せて吊り込みを行う。
中底15は、図4(a)に示すように、レザーやパルプ等のボード材を靴の形状に型抜きして形成したもので、つま先部2と土踏まず部4及び踵部5は、靴の安定性確保のため剛性を持たせてあり、また、歩き易さを確保するため踏み付け部3を他の部分よりも軟らかくし曲がり易くしている。そして、つま先部2と踏み付け部3とに複数の通気孔16が貫通して設けられ、土踏まず部4裏面の靴幅方向中央部に、靴長方向に長い略長方形状のシャンク17が取り付けられている。
甲皮14の吊り込みを行った後、底面にバフがけするとともに接着剤を塗布し、靴底1を圧着する。
靴底1を圧着した後、硬質樹脂製のヒール18を、靴底1の踵部5裏面に接着するとともに、中底15の上面側から釘打ちし靴底1の踵部5に堅固に固定する。この際、靴底1は屈曲性に優れているため、無理な力で曲げることなく、中底15裏面の形状に合わせて取り付けることができる。
次に、裏面全体に両面シール(接着層)を設けた中敷19を、中底15の上面に貼り合わせる。中敷19は、裏面の両面シールの台紙24を剥がし(図4(c)参照)、土踏まず部4裏面のインサイド側の端部に、足当たり(足裏の感触)を良くするため足の土踏まずをサポートするアーチクッション25を取り付けるとともに、踏み付け部4裏面に布材26の小片を貼り付けたのち、中底15上面に貼り合わせる。
中敷19は、図4(b)に示すように、弾力性のあるウレタン系スポンジ20の上に合成皮革21を積層した構造になっており、ウレタンシートの上に合成皮革のシートを張り合わせて靴形状に型抜きして形成したもので、土踏まず部4のインサイド側は外側にやや膨らみを設けた形状になっており、つま先部2及び踏み付け部3と、土踏まず部4のインサイド側の端部にはそれぞれ、複数の通気孔22・23が貫通して設けられている。つま先部2及び踏み付け部3の各通気孔22はそれぞれ、中底15に設けられている各通気孔16に対応した位置にある。
この中敷19は、靴底1やヒール18が固定された後に取り付けられるので、ボリュームを損なうことなく、クッション性を保持することができる。つまり、あらかじめ中敷を中底上面に貼り合わせたうえで靴底の固定作業を行う場合があるが、こうすると接着剤を塗布した靴底を中底に圧着する際に、中敷が押し潰されてボリュームが減りクッション性が悪くなる。そこで、中敷19を靴底1やヒール18を固定した後に取り付けることによってボリュームが損なわれることがなく、本来のクッション性を保持することができるのである。
アーチクッション25は発泡させたラテックスで形成され、平面視略ひし形で且つ靴幅方向に沿った断面形状が略三角形になっている。
そして、布材26は略長方形で、中敷19における通気孔22が設けられている範囲と、中底15における通気孔16が設けられている範囲との両方にまたがるように配置する(図6(a))。このように、布材26が配置されている部分は中底15と中敷19とがくっつかず、中底15と中敷19との間の僅かな隙間を空気が流通可能になっている。このため、中底15と中敷19との通気孔16・22の位置がずれていても、中底15と中敷19と間の隙間を介して、中底15の通気孔16と中敷19の通気孔22との間で空気を流通させることができる。このように、中底15の通気孔16と中敷19の通気孔22との位置を、正確に一致させなくても良いので、熟練者でなくても中敷19の張り合わせ作業が簡単に行える。
こうして製造された婦人靴13の斜視図を図5(a)に示すとともに、底部分の断面図を図5(b)に示す。
次に、この婦人靴13の作用について説明をする。
この靴を着用すれば靴底1の凹部6の緩衝板7が撓むため、この緩衝板7のクッション性とゴムのクッション性とにより、足裏の感触がソフトで履き心地が良い。
そして、歩行すれば靴底1の優れた屈曲性と、中底15の踏み付け部2が軟らかく形成されていることから、靴が踏み付け部2においてしなやかに曲がり、非常に歩き易い。また、歩行の際に足裏から使用者の体重が加わると、図5(b),図6(a)示している中底15と靴底1の凹部6とで構成されている閉塞空間27が圧縮変形し容積が減少する。すると、閉塞空間27内の空気が、中底15と中敷19との通気孔16・22を通じて靴内に押し出されるとともに、靴底1の空気流路9を通じて外部に排出される。そして、体重が他方の足に移動するにつれて閉塞空間27は徐々に復元し、この復元に伴い靴内から閉塞空間27に空気が流入するとともに、空気流路9を通じて閉塞空間27に外気が流入する。これが歩行中に繰り返されることによって靴内の空気の循環が行われ、蒸れが防止される。また、足が着地する際の衝撃が緩衝板7によって吸収されるため、ひざ等への負担を軽減でき、しかも靴底1は厚みが薄いため靴が軽量化され、長時間歩いても疲れにくい。そして、靴底1は軟質のゴム材料で形成されているためグリップ性が良くて滑りにくく、スリップ等による転倒を防止することができる。
なお、図6(b)に示すように、ヒール18’の高さや形状を変えることによって、共通の靴底を持ちながらスタイルの異なる婦人靴を製造することが可能である。また、靴底1において、緩衝板7は踵部5側に後傾させることもできるが、通常歩行の際には、踵側からつま先側に向かって加重されるため、緩衝板7をつま先側に前傾させたほうが撓ませ易く、歩行時のクッション性を高めることができる。上記実施の形態は婦人靴13に関するものであるが、言うまでもなく紳士靴にも適用することができる。
(a)は本発明に係る靴底の実施形態を示す斜視図、(b)は(a)図におけるA−A矢視の拡大断面図、(c)は(a)図におけるB−B矢視断面図である。 (a)及び(b)はヒール高さが異なる婦人靴のモデルを説明するための靴側面の外形図である。 本発明に係る靴の製造方法を示すフロー図である。 (a)は中底の斜視図。(b)は中敷の斜視図、(c)は中底の裏面を示す斜視図である。 (a)は本発明に係る靴の実施形態を示す斜視図、(b)は(a)図に示した靴の底部分の靴長方向の縦断面図である。 (a)は図5(b)の部分拡大図、(b)は本発明に係る靴底の別の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 靴底
2 つま先部
3 踏み付け部
4 土踏まず部
6 凹部
7 緩衝版
8 通気部
9 空気流路
15 中底
27 閉塞空間

Claims (8)

  1. つま先部と踏み付け部及び土踏まず部と踵部とからなり、同踵部に別体のヒールが取り付けられるヒール付き靴の靴底において、
    全体がゴム材料で板状に一体成形されており、前記つま先部から前記踏み付け部にかけて靴幅方向に沿った断面形状が凹状にすることで、上部が中底によって覆われると閉塞空間を構成する凹部が設けられ、同凹部にはその内側を靴長方向に仕切る複数の緩衝板が配設されて、同各緩衝板には靴長方向に空気の流通を可能にする通気部が設けられ、一端が前記凹部に連通し前記中底によって上部が覆われる溝部と、同溝部の他端部の底面に一端が開口され他端が前記土踏まず部の裏面に開口されている貫通孔とからなる空気流路が設けられていることを特徴とする靴底。
  2. 前記土踏まず部及び前記踵部が、前記つま先部及び前記踏み付け部よりも厚みが薄く形成されていることを特徴とする請求項1記載の靴底。
  3. 前記緩衝板がつま先側に傾倒していることを特徴とする請求項1又は2記載の靴底。
  4. 前記貫通孔の前記一端が、通気性と防水性とを備えた布材で塞がれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の靴底。
  5. 隣接する前記緩衝板の前記通気部の位置をずらすことによって、前記通気部が千鳥に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の靴底。
  6. 上記請求項1〜5のいずれかに記載の靴底を備え、前記靴底上面には中底が配置され、同中底は、前記靴底の前記踏み付け部に対応する部分が他の部分よりも軟らかく形成されていて、前記中底の前記凹部に対応する位置には複数の通気孔が穿設されており、前記中底上面には中敷が配置され、同中敷には、前記中底の前記各通気孔に対応する位置にそれぞれ通気孔が穿設されていることを特徴とする靴。
  7. 前記中敷の裏面と前記中底の上面とが全面で貼り合わされており、前記中敷と前記中底との間には、前記中敷の前記通気孔が設けられている範囲と前記中底の前記通気孔が設けられている範囲との両方に跨るようにして布材が配置され、同布材は片面のみが前記中敷又は前記中底に貼着されていることを特徴とする請求項6記載の靴。
  8. 上記請求項1〜5のいずれかの靴底の前記凹部に対応する位置に、複数の通気孔が穿設されている中底を靴型に固定し、この靴型に甲皮を被せて吊り込む工程と、
    前記靴底を接着して前記中底及び前記甲皮と一体にする底付け工程と、
    前記中底の前記各通気孔に対応する位置にそれぞれ通気孔が穿設されている中敷を、前記中底の上面に貼り合わせる中敷貼りの工程とを含み、
    前記中敷を貼り合わせる際、同中敷の裏面全体に接着層を設けておき、前記中敷の裏面に、同中敷における前記通気孔が設けられている範囲と、前記中底における前記通気孔が設けられている範囲との両方に跨るサイズの布材を貼着したのち、前記中敷きを前記中底の上面に貼り合わせることを特徴とする靴の製造方法。
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