JP2009082017A - 細胞膜蛋白質の局在部位と機能を同時に検出評価するための細胞処理方法 - Google Patents

細胞膜蛋白質の局在部位と機能を同時に検出評価するための細胞処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性化に伴って細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の局在部位と機能を同時に検出評価できて、かつ当該細胞膜蛋白質の活性を促進または抑制する物質のスクリーニングも可能となる細胞処理方法を提供する。
【解決手段】(1)蛍光性有機化合物または蛍光蛋白質で蛍光標識した細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質A、もしくは蛍光蛋白質で蛍光標識した細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質Aをコードする遺伝子A’を作製する。(2)上述の細胞膜蛋白質Aの活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+を検出する蛍光プローブ蛋白質B、もしくはこれをコードする遺伝子B’を作製する。(3)Bに核移行シグナルペプチドを付加したC、またはB’に核移行シグナルペプチドをコードする遺伝子を付加したC’を作製する。(4)A+CまたはA’+C’のいずれかの組合せを同一の細胞に導入または発現させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の局在部位と機能を同時に検出評価できる細胞とするための細胞処理方法に関する。
神経伝達物質、ホルモン、オータコイドなどの細胞間情報伝達物質のうち水溶性のものは、細胞膜に存在する受容体、輸送蛋白質、酵素などの機能蛋白質の活性変化を誘発する。細胞膜に存在する機能蛋白質(以下、「細胞膜蛋白質」と略称する場合がある。)の活性変化は、Ca2+、イノシトールリン脂質、環状ヌクレオチド、一酸化窒素、リン酸化蛋白質などのシグナル伝達物質の生成量を変化させ、生体の機能を調節している。細胞膜蛋白質の中でも細胞内Ca2+濃度上昇を誘発するものは、筋収縮、分泌、代謝、発生、免疫、脳機能など多彩でかつ重要な生体機能を司るスイッチとして広く利用されている。当該細胞膜蛋白質の活性変化と細胞内Ca2+濃度上昇との関係を明らかにすることは、各種生体の細胞、組織、器官の機能を解明し、それらの機能と密接に関連した医薬品開発に非常に有用な手段を提供することになる。
細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質には、時々刻々と細胞内での局在部位を変化(トランスロケーション)させて生体の機能を調節しているものがある。細胞膜蛋白質の1種として、例えばある受容体は、過剰量のアゴニスト(agonist)に曝されると、細胞内に陥入(インターナリゼーション)することによりアゴニストが刺激できる受容体の分子数を減少させて、アゴニストに対する反応性を調節することが報告されている(非特許文献1、2参照)。従って、細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の細胞内局在部位を可視化することは、当該細胞膜蛋白質による細胞機能調節を解明する上で有用な情報を提供する。
生きている細胞内で細胞膜蛋白質の細胞内局在部位をリアルタイムに可視化する方法はすでに多数確立されている。中でも、細胞膜蛋白質を蛍光性有機化合物で化学的に標識して細胞に導入、あるいは細胞膜蛋白質と蛍光蛋白質との融合蛋白質をコードする遺伝子を作製してその融合蛋白質を細胞に発現させた後、細胞から発せられる蛍光を蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検鏡する方法が一般的に用いられている。
一方、当該細胞膜蛋白質の活性変化に伴う細胞内Ca2+濃度変化を解析することも、当該細胞膜蛋白質による細胞機能調節を解明する上で重要な情報を提供する。近年、細胞内Ca2+濃度変化を生きている細胞内でリアルタイムに可視化解析するための蛍光プローブ蛋白質が開発され始めている(特許文献1、2参照)。これらの蛍光プローブ蛋白質は、細胞内Ca2+濃度上昇に伴って蛍光強度または蛍光波長のいずれかを変化させるものである。蛍光プローブ蛋白質を用いた細胞内Ca2+濃度変化の解析においても、蛍光プローブ蛋白質をコードする遺伝子を作製して細胞にその蛋白質を発現させた後、細胞から発せられる蛍光を蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検鏡する方法が一般的に用いられている。
特開2002−153279号公報 特開2002−253261号公報 J. Biol. Chem., 272, 14817-14824 (1997) J. Biol. Chem., 273, 322-328 (1998)
本発明者らは、Gq蛋白質共役型受容体であるセロトニン2A(5−HT2A)受容体の細胞内局在と5−HT2A受容体の活性変化に伴う細胞内Ca2+濃度変化を同時に検出評価できる細胞の作製を試みた。その試みにおいて、シアン色蛍光蛋白質を融合させた5−HT2A受容体(5−HT2A−CFP)とCa2+を結合すると蛍光強度が増大する蛍光プローブ蛋白質(参考文献1:G-CaMP2:Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 103, 4753-4758 (2006)参照)を共発現させた細胞を作製すると、両蛋白質が細胞質で相互作用することにより、5−HT2A受容体が細胞膜に局在不可能となり、セロトニン刺激に対する反応性が消失するという問題に直面した。
しかし、従来においては、細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の細胞内局在部位と細胞内Ca2+濃度変化を生きている細胞内でリアルタイムに同時に検出評価できる細胞を作製する試みはなされてこなかった。
そこで本発明は、当該細胞膜受容体が関与する細胞内Ca2+濃度調節機構の解明や当該細胞膜受容体の機能と密接に関連した医薬品の開発をスピードアップさせるために、当該細胞膜蛋白質の局在部位と細胞内Ca2+濃度変化を生きている細胞内でリアルタイムに同時に検出評価できる細胞処理方法を提供することを目的とする。
この問題を解決するために本発明者らは、
(1)細胞膜に存在する蛋白質は核内に存在する蛋白質と相互作用する機会を持たない、
(2)細胞質と核内は核膜孔(55 kDa程度の蛋白質が通過可能な穴)で通じている、
(3)細胞質と核内のCa2+濃度は同濃度になるように同期して変化する(参考文献2:Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 98, 3197-3202 (2001)参照)
ということに注目した。
核移行シグナルペプチドを付加してG−CaMP2を核内に封じ込めた状態にさせることで、再び5−HT2A受容体が細胞膜に局在可能となりセロトニン刺激に対する反応性を回復したことから、5−HT2A受容体の細胞内局在と機能を同時に検出評価できる細胞の作製に成功した。この結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質をある色に蛍光標識したものと、前記細胞膜蛋白質の活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+を検出する別の色の蛍光プローブ蛋白質とを細胞に共発現させる場合に、前記蛍光プローブ蛋白質に核移行シグナルペプチドを付加して前記細胞の核内に封じ込めた状態にすることを特徴とする細胞処理方法、
[2]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記[1]で表される細胞処理方法、
[3]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、天然由来の当該細胞膜蛋白質と実質的に同質の活性を有することを特徴とする上記[1]で表される細胞処理方法、
[4]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、a)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、b)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中に1または2個以上のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、c)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはd)a)〜c)を組み合わせたアミノ酸配列、を含有することを特徴とする上記[1]で表される細胞処理方法、
[5]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、天然由来の当該細胞膜蛋白質の部分ペプチド配列を含有することを特徴とする上記[1]で表される細胞処理方法、
[6]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、天然由来の当該細胞膜蛋白質と実質的に同質の活性を有することを特徴とする上記[5]で表される細胞処理方法、
[7]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、a)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、b)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中に1または2個以上のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、c)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはd)a)〜c)を組み合わせたアミノ酸配列、を含有することを特徴とする上記[5]で表される細胞処理方法、
[8]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質は、生理学的に許容される酸または塩基を付加された塩であることを特徴とする上記[1],[2]、または[5]で表される細胞処理方法、
[9]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質をコードする遺伝子は、当該細胞膜蛋白質をコードする塩基配列を含有するものであることを特徴とする上記[1]または[5]で表される細胞処理方法、
[10]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質の蛍光標識に用いられる蛍光性有機化合物または蛍光蛋白質は、蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検出できる吸収特性および蛍光特性を有することを特徴とする上記[1],[2]、または[5]で表される細胞処理方法、
[11]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質の活性測定に用いられる蛍光プローブ蛋白質は、a)蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検出できる吸収特性および蛍光特性を有するものであり、かつb)その吸収特性および蛍光特性が蛍光標識された当該細胞膜蛋白質と異なるものであり、かつc)当該細胞膜蛋白質の活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+の量的変化に相関して、その蛍光強度または蛍光波長のいずれかを変化させるもの、であることを特徴とする上記[1],[2]、または[5]で表される細胞処理方法、および
[12]細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質の活性測定に用いられる蛍光プローブ蛋白質を核移行させる核移行シグナルペプチドは、自体公知のペプチド配列のうちいずれであってもよいことを特徴とする上記[1],[2]、または[5]で表される細胞処理方法を提供する。
本発明によれば、細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質をある色に蛍光標識したものと、細胞膜蛋白質の活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+を検出する別の色の蛍光プローブ蛋白質とを細胞に共発現させる場合に、蛍光プローブ蛋白質に核移行シグナルペプチドを付加して細胞の核内に封じ込めた状態にすることにより、蛍光標識した細胞膜蛋白質と蛍光プローブ蛋白質が細胞質で相互作用することを防ぐことができる。
本発明に用いられる細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質は、天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質である。
本発明に用いられる細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質は、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、線維芽細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球など)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒質など)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(大腸、小腸など)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来する蛋白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよい。
天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列と約85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは当該細胞膜蛋白質の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。アミノ酸配列が天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列に対して約85%未満の相同性であると、両蛋白質の立体構造間に重大な相違がある可能性があり、構造生物学的に相同性が高いとは許容され難いという理由で好ましくない。
天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、天然由来の当該細胞膜蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質が好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、リガンド結合活性、細胞内Ca2+濃度上昇作用などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であることを示す。したがって、リガンド結合活性や細胞内Ca2+濃度上昇作用などの活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。リガンド結合活性や細胞内Ca2+濃度上昇作用などの活性の測定は、自体公知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、後に記載するスクリーニング方法に従って測定することができる。
また、本発明に用いられる細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質としては、
(a)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(b)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(c)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
(d)それらを組み合わせたアミノ酸配列、
を含有する蛋白質なども用いられる。
本発明に用いられる細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の部分ペプチド(以下、単に部分ペプチドと略称する場合がある)としては、天然由来の当該細胞膜蛋白質と実質的に同質の活性を有するペプチドが好ましい。
また、本発明に用いられる部分ペプチドは、上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
本発明に用いられる細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質またはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容され酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
本発明に用いられる細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質をコードする遺伝子としては、当該細胞膜受容体をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)を含有するものであればいかなるものであってもよい。当該遺伝子としては、本発明に用いられる当該細胞膜蛋白質をコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード鎖)であってもよい。
本発明に用いられる部分ペプチドをコードする遺伝子としては、本発明に用いられる部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、上記した細胞・組織由来のcDNA、細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。
細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の蛍光標識に用いられる蛍光性有機化合物または蛍光蛋白質としては、a)その標識により当該細胞膜蛋白質の実質的な活性が損なわれないもの、かつb)蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検出できる吸収特性および蛍光特性を有するもの、であればいずれであってもよい。当該細胞膜蛋白質は、自体公知の化学的架橋(ケミカルクロスリンク)法により当該蛍光性有機化合物または当該蛍光蛋白質で標識できる。また蛍光標識された当該細胞膜蛋白質は、自体公知の蛋白質導入試薬を用いたトランスフェクション法または微小ガラス針を用いたマイクロインジェクション法に準じて細胞へ導入することができる。
また、細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の蛍光標識が蛍光蛋白質との融合による場合、当該細胞膜蛋白質と蛍光蛋白質との融合蛋白質をコードする遺伝子(DNAまたはRNA)を作製した後、自体公知の遺伝子導入試薬を用いたトランスフェクション法または微小ガラス針を用いたマイクロインジェクション法に準じて当該遺伝子を細胞に導入することにより、融合蛋白質を細胞に発現させることができる。
本発明に用いられる蛍光プローブ蛋白質は、a)当該細胞膜蛋白質の活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+の量的変化に相関して、その蛍光強度または蛍光波長のいずれかを変化させるものであり、かつb)蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検出できる吸収特性および蛍光特性を有するものであり、かつc)その吸収特性および蛍光特性が蛍光標識された当該細胞膜蛋白質と異なるもの、であればいずれであってもよい。蛍光プローブ蛋白質は、自体公知の蛋白質導入試薬を用いたトランスフェクション法または微小ガラス針を用いたマイクロインジェクション法に準じて細胞へ導入することができる。
また、蛍光プローブ蛋白質は、これをコードする遺伝子を作製した後、自体公知の遺伝子導入試薬を用いたトランスフェクション法に準じて当該遺伝子を細胞に導入することにより、細胞に発現させることができる。
蛍光プローブ蛋白質を蛍光標識された当該細胞膜蛋白質と共発現させる場合に、両者が細胞質で相互作用してしまう場合、これを防ぐ目的で、下記の核移行シグナルペプチドを付加して当該蛍光プローブ蛋白質を核内に封じ込めた状態にすることができる。
本発明に用いられる核移行シグナルペプチドは、自体公知のペプチド配列のうちいずれであってもよい。核移行シグナルペプチドを付加する蛍光プローブ蛋白質中の部位は、その付加により蛍光プローブ蛋白質の実質的な活性が損なわれなければいずれであってもよい。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作は、モレキュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載されている方法に従った。
参考例1
5−HT2A−CFPの発現プラスミドの構築
5−HT2A−CFPの発現プラスミドであるpTriEx4neo−5HT2A−CFPは、黄色蛍光蛋白質(YFP)の代わりにCFPを用いた点を除き、参考文献3(Eur. J. Pharmacol., 518, 18-21 (2005))に記載の方法に従って構築した。すなわち第一に、pECFP−N1(BD Biosciences Clontech)のCFP cDNA部分において翻訳後Ala−206→Lysにアミノ酸置換されるようAla−206/Leu−207/Ser−208/Lys−209をコードしている5’−GCCCTGAGCAAA−3’を5’−AAACTTTCGAAA−3’に遺伝子変異させ、pN1−mECFPを得た。第二に、pN1−mECFPをNcoI/NotI処理して得られた0.72kb断片とpTriEx4neo(Novagen)をNcoI/NotI処理して得られた6.36kb断片とを連結させてpTriEx4neo−mECFPを得た。第三に、HTR2A cDNA(GenBank accession number NM000621, 東洋紡)を鋳型として5’−GCGGATCCCGCCACCATGGATATTCTTTGTGAAGAAAATACTTCTTTG−3’(forward)および5’−GGCCATGGTGGCGACCGGTGGATCCCGCACACAGCTCACCTTTTCATTCACTCC−3’(リバース)をプライマーとしてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、5−HT2A受容体cDNAを増幅させた。このPCR反応産物をNcoI処理して得られた1.42kb断片を先に作製したpTriEx4neo−mECFPのNcoI部位に順方向に挿入させ、pTriEx4neo−5HT2A−CFPを得た。
参考例2
CFPで蛍光標識したα1Bアドレナリン受容体(α1BAR−CFP)の発現プラスミドの構築
α1BAR−CFPの発現プラスミドであるpTriEx4neo−α1BAR−CFPは、緑色蛍光蛋白質(GFP)の代わりに各々CFPを用いた点とα1BARの2番目のアミノ酸であるアスパラギンをグリシンに置換した点を除き、参考文献4(Mol. Endocrinol., 12, 1099-1111 (1998))に記載の方法に従って構築した。すなわち、α1Bアドレナリン受容体 cDNA(GenBank accession number BC070920, Invitrogen)を鋳型として5’−GGCCATGGGGCCCGATCTGGACACCGGC−3’(フォワード)および5’−GGCCATGGGCCCAGAGTCGAGACGG−3’(リバース)をプライマーとしてPCRを行い、α1Bアドレナリン受容体cDNAを増幅させた。このPCR反応産物をNcoI処理して得られた1.4kb断片を上記のpTriEx4neo−mECFPのNcoI部位に順方向に挿入させ、pTriEx4neo−α1BAR−CFPを得た。
参考例3
核移行シグナルを挿入したG−CaMP2(G−CaMP2nu)および核移行シグナルを挿入したG−CaMP1.6(G−CaMP1.6nu)の発現プラスミドの構築
G−CaMP2nuおよびG−CaMP1.6nuの発現プラスミドは、PCRを用いて作製した核移行シグナル(参考文献5(J. Biol. Chem., 282, 5101-5105 (2007))参照)を含むペプチド(アミノ酸配列:VDPKKKRKVEGS:KKRKが核移行シグナル)をコードするDNA断片を各々G−CaMP2(参考文献1)およびG−CaMP1.6(参考文献6(Anal. Chem., 77, 5861-5869 (2005))参照)の発現プラスミドに挿入する方法で構築した。核移行シグナル挿入部位はG−CaMP2およびG−CaMP1.6の1番目のアミノ酸であるメチオニンの直後となるようにした。核移行シグナルを含むペプチドをコードするDNA断片は、PCRにより合成した。PCRでは、DNAポリメラーゼとしてKOD−Plus−(東洋紡)を、鋳型としてG−CaMP2およびG−CaMP1.6の発現プラスミドであるpN1−GCaMP2(参考文献1)およびpN1−GCaMP1.6(参考文献6)を、フォワードプライマーとして5’−GCGTCGACCCAAAAAAGAAGAGAAAGGTAGAGGGATCCTCATCACGTCGTAAGTGGAATAAG−3’、リバースプライマーとして5’−GCGCGGCCGCTCACTTCGCTGTCATCATTTGTAC−3’(プライマーはシグマジェノシスが化学合成)を使用した。いずれの場合も1.28kbのPCR産物が得られ、これらを1%アガロースゲル電気泳動により分離してQIAExII(Qiagen)にてゲルより回収し、制限酵素SalIとNotIで消化した。得られたDNA断片は、制限酵素SalIとNotIで消化したpN1−GCaMP2およびpN1−GCaMP1.6を1%アガロースゲル電気泳動により分離してQIAExIIにてゲルより回収した各々3.91kbのDNA断片と、クイックライゲーションキット(New England Biolab)を用いてライゲーションさせた。大腸菌DH5αコンピテントセル(Invitrogen)をこのライゲーション後のプラスミドDNAで形質転換させ、この形質転換後の大腸菌よりプラスミドを回収した。回収したプラスミドのうち、いずれの場合も制限酵素SalIとNotIで消化して1.28kbと3.91kbのDNA断片が生じたものを選択しG−CaMP2nuおよびG−CaMP1.6nuの発現プラスミドを得た。
細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の局在部位および機能の培養細胞を用いた同時検出評価
培養細胞としてHEK293細胞、PC12細胞、C2C12細胞を使用し、これらの細胞はいずれも参考文献5に記載の方法に従って培養した。細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の例として5−HT2A受容体、α1Bアドレナリン受容体を用い、これらの受容体の細胞内局在部位を可視化するために、CFPで蛍光標識したこれらの受容体である5−HT2A−CFP、α1BAR−CFPの発現プラスミドを構築した。5−HT2A受容体およびα1Bアドレナリン受容体はいずれもアゴニスト刺激されると細胞内シグナル伝達物質であるCa2+の生成量を一過性に増大させる。この細胞内Ca2+生成活性を検出するために、細胞内Ca2+濃度増大に伴って蛍光強度が増大する蛍光Ca2+プローブ蛋白質であるG−CaMP2、G−CaMP2nu、G−CaMP1.6、G−CaMP1.6nuの発現プラスミドを構築した。5−HT2A−CFP、α1BAR−CFP、G−CaMP2、G−CaMP2nu、G−CaMP1.6、G−CaMP1.6nuの発現プラスミドは参考文献3に記載の方法に従って培養細胞に導入した。細胞膜で機能するGq共役型受容体の細胞内局在部位の検出は参考文献3に記載の方法と同様に、また蛍光Ca2+プローブ蛋白質の蛍光強度変化の評価は特許文献1に記載の方法と同様に行った。すなわち、HEK293細胞は、10%牛胎児血清(Invitrogen)、30U/mlペニシリン(ナカライテスク)、30μg/mlストレプトマイシン(ナカライテスク)を含むDMEM(Sigma)を培地として用いて培養した。トランスフェクションはFuGENE6試薬(Roche)を用い、試薬添付の方法に準じて操作を行った。トランスフェクションされたHEK293細胞は、実験時までCO2培養器にて37℃で1−4日間培養した。実験時には細胞外液をHBSバッファー(107mM NaCl、6mM KCl、1.2mM MgSO4、2mM CaCl2、1.2mM KH2PO4、11.5mM glucose、20mM HEPES(Dojindo)(pH7.4))に置換した。このように細胞外液を置換した細胞を共焦点レーザー顕微鏡LSM510Meta(Zeiss)の検鏡台にセットした。5−HT2A−CFPおよびα1BAR−CFPの細胞内局在部位の検出は、細胞を458nmの光で励起して得られる500+25nmの蛍光を指標として行った。G−CaMP2、G−CaMP2nu、G−CaMP1.6、G−CaMP1.6nuの蛍光強度変化の評価は、細胞を514nmの光で励起して得られる530nmより長波長の蛍光を指標として行った。
今般5−HT2A−CFPとG−CaMP2をHEK293細胞に共発現させると、両蛋白質が細胞質で相互作用することにより、5−HT2A−CFPが細胞膜に局在不可能となりセロトニン刺激に対する反応性が消失するという問題が生じた。図1はその様子を示す顕微鏡写真であり、(a)は5−HT2A−CFPを、(b)はG−CaMP2を示す。
ここで、核移行シグナルペプチドを付加してあるG−CaMP2nuをG−CaMP2の代わりに使用して5−HT2A−CFPと共発現させたところ、5−HT2A−CFPは細胞膜に局在可能となりセロトニン刺激に対する反応性が回復し、問題点を克服できた。図2はその様子を示す顕微鏡写真であり、(a)は5−HT2A−CFPを、(b)はG−CaMP2nuを示す。また図3は100nMセロトニン添加後の5−HT2A−CFPインターナリゼーションによる細胞膜の変化を示す顕微鏡写真であり、(a)は0分後、(b)は10分後、(c)は20分後、(d)は30分後の状態を示す。図4は100nMセロトニン添加後のG−CaMP2nuの蛍光変化量を示すグラフである。
この事例はHEK293細胞の代わりにPC12細胞またはC2C12細胞を使用した場合でも確認できた。
同様の事例として、5−HT2A−CFPとG−CaMP1.6をHEK293細胞に共発現させると、両蛋白質が細胞質で相互作用することにより、5−HT2A−CFPが細胞膜に局在不可能となりセロトニン刺激に対する反応性が消失した。
しかしながら、G−CaMP1.6nuをG−CaMP1.6の代わりに使用して5−HT2A−CFPと共発現させたところ、5−HT2A−CFPは細胞膜に局在可能となりセロトニン刺激に対する反応性を示した。
次に、蛍光標識した細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質が蛍光Ca2+プローブ蛋白質と細胞質で相互作用するといった事例が他の場合でもみられるか、検討した。α1BAR−CFPをG−CaMP2とHEK293細胞に共発現させると、両蛋白質が細胞質で相互作用することはなく、α1BAR−CFPは野生型の受容体(参考文献4)の場合と同様に細胞膜に局在し、ノルアドレナリン刺激に対する反応性が消失することはなかった。図5はその様子を示す顕微鏡写真であり、(a)はα1BAR−CFPを、(b)はG−CaMP2を示す。
またG−CaMP2nuをG−CaMP2の代わりに使用してα1BAR−CFPと共発現させた場合でも、α1BAR−CFPは野生型の受容体の場合と同様に細胞膜に局在し、ノルアドレナリン刺激に対する反応性を示した。図6はその様子を示す顕微鏡写真であり、a)はα1BAR−CFPを、(b)はG−CaMP2nuを示す。
このことから、蛍光標識した5−HT2A受容体の場合とは異なり、蛍光標識したα1B受容体は蛍光Ca2+プローブ蛋白質と細胞質で相互作用しないことを見出した。
細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質の活性を促進または抑制する物質のスクリーニング
5−HT2A−CFPとG−CaMP2nuをHEK293細胞に実施例1に記載の方法に従って共発現させ、この安定発現細胞をクローニングにより創出した。この安定発現細胞において、5−HT2A−CFPはその活性を促進するセロトニンの刺激に応じて細胞内Ca2+濃度上昇を惹起させてG−CaMP2nuの蛍光強度を増大させるとともに、自分自身はインターナリゼーションする。一方、この安定発現細胞を5−HT2A−CFPの活性を抑制する物質で前処理しておくと、セロトニン誘発性のG−CaMP2nuの蛍光強度増大が抑制されることになる。実際、この安定発現細胞を5−HT2A受容体のアンタゴニストであるサルポグレラートの前処理することによってセロトニン誘発性のG−CaMP2nuの蛍光強度増大が抑制されることが確認できたため、ここに記載したスクリーニングが実現可能であることが示された。
本発明は、蛍光標識した細胞膜蛋白質と蛍光プローブ蛋白質が細胞質で相互作用することを防いで、細胞膜蛋白質の局在部位と機能を同時に検出評価するための細胞処理方法であり、細胞膜受容体が関与する細胞内Ca2+濃度調節機構の解明や当該細胞膜受容体の機能と密接に関連した医薬品の開発をスピードアップさせるために有用な技術である。
5−HT2A−CFPとG−CaMP2をHEK293細胞に共発現させると、5−HT2A−CFPが細胞膜に局在不可能となりセロトニン刺激に対する反応性がみられない様子を示す顕微鏡写真である。 5−HT2A−CFPとG−CaMP2nuをHEK293細胞に共発現させると、5−HT2A−CFPが細胞膜に局在可能となりセロトニン刺激に対する反応性がみられる様子を示す顕微鏡写真である。 100nMセロトニン添加後の5−HT2A−CFPインターナリゼーションによる細胞膜の変化を示す顕微鏡写真である。 100nMセロトニン添加後のG−CaMP2nuの蛍光変化量を示すグラフである。 α1BAR−CFPとG−CaMP2をHEK293細胞に共発現させると、α1BAR−CFPが細胞膜に局在可能となりノルアドレナリン刺激に対する反応性がみられる様子を示す顕微鏡写真である。 α1BAR−CFPとG−CaMP2nuをHEK293細胞に共発現させると、α1BAR−CFPが細胞膜に局在可能となりノルアドレナリン刺激に対する反応性がみられる様子を示す顕微鏡写真である。

Claims (12)

  1. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する細胞膜蛋白質をある色に蛍光標識したものと、
    前記細胞膜蛋白質の活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+を検出する別の色の蛍光プローブ蛋白質とを細胞に共発現させる場合に、
    前記蛍光プローブ蛋白質に核移行シグナルペプチドを付加して前記細胞の核内に封じ込めた状態にすることを特徴とする細胞処理方法。
  2. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする請求項1記載の細胞処理方法。
  3. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、天然由来の当該細胞膜蛋白質と実質的に同質の活性を有することを特徴とする請求項1記載の細胞処理方法。
  4. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、a)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、b)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中に1または2個以上のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、c)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはd)a)〜c)を組み合わせたアミノ酸配列、を含有することを特徴とする請求項1記載の細胞処理方法。
  5. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、天然由来の当該細胞膜蛋白質の部分ペプチド配列を含有することを特徴とする請求項1記載の細胞処理方法。
  6. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、天然由来の当該細胞膜蛋白質と実質的に同質の活性を有することを特徴とする請求項5記載の細胞処理方法。
  7. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、a)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、b)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中に1または2個以上のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、c)天然由来の当該細胞膜蛋白質のアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはd)a)〜c)を組み合わせたアミノ酸配列、を含有することを特徴とする請求項5記載の細胞処理方法。
  8. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質が、生理学的に許容される酸または塩基を付加された塩であることを特徴とする請求項1,2、または5記載の細胞処理方法。
  9. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質をコードする遺伝子が、当該細胞膜蛋白質をコードする塩基配列を含有するものであることを特徴とする請求項1,2、または5記載の細胞処理方法。
  10. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質の蛍光標識に用いられる蛍光性有機化合物または蛍光蛋白質が、蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検出できる吸収特性および蛍光特性を有することを特徴とする請求項1,2、または5記載の細胞処理方法。
  11. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質の活性測定に用いられる蛍光プローブ蛋白質が、a)蛍光顕微鏡または共焦点レーザー顕微鏡で検出できる吸収特性および蛍光特性を有するものであり、かつb)その吸収特性および蛍光特性が蛍光標識された当該細胞膜蛋白質と異なるものであり、かつc)当該細胞膜蛋白質の活性化に伴って細胞内で濃度上昇するCa2+の量的変化に相関して、その蛍光強度または蛍光波長のいずれかを変化させるもの、であることを特徴とする請求項1,2、または5記載の細胞処理方法。
  12. 細胞内Ca2+濃度上昇を誘発する前記細胞膜蛋白質の活性測定に用いられる蛍光プローブ蛋白質を核移行させる核移行シグナルペプチドが、自体公知のペプチド配列(−K−(KまたはR)−X−(KまたはR)−:Kはリジン残基、Rはアルギニン残基、Xは任意のアミノ酸残基)のうちいずれかであることを特徴とする請求項1,2、または5記載の細胞処理方法。
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