JP2009081050A - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents

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Masayuki Kobayashi
正幸 小林
Yoshio Nishizawa
義男 西沢
Nobuyoshi Tajima
信義 田島
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Abstract

【課題】高圧放電灯点灯において、装置内部での部品故障などにより高圧放電灯が過負荷状態になっても、確実に検出して電力供給停止などの措置をとる。
【解決手段】高圧放電灯を点灯する点灯回路と、高圧放電灯に流れる電流を測定するランプ電流測定回路と、高圧放電灯の電圧を測定するランプ電圧測定回路と、ランプ電圧が測定したランプ電圧で所定の目標ランプ電力を割ることによって、目標ランプ電流値を演算する目標電流演算手段と、目標電流演算手段が演算した目標ランプ電流値と、ランプ電流測定回路が測定したランプ電流値とが一致するように、点灯回路を制御する点灯制御回路からなる高圧放電灯点灯装置において、ランプ電流測定回路の測定したランプ電流値が、あらかじめ設定された電流値の範囲から外れた場合に、所定の保護動作を行う保護制御手段を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は高圧放電灯を点灯させるための高圧放電灯点灯装置の改良に関する。
近年、高圧放電灯点灯装置の電子化が進み、図4のブロック図で示すような高圧放電灯点灯装置が普及している。図4の従来例の動作を説明する。まず始動回路3が高圧放電灯4に高電圧を印加して、高圧放電灯4を点灯させる。高圧放電灯4が点灯した後、目標電流演算手段7には、ランプ電圧測定回路6が測定したランプ電圧値が入力される。目標電流演算手段7には高圧放電灯4が消費すべき目標電力の値があらかじめ格納されている。目標電流演算手段7は格納されている目標電力値を、入力されたランプ電圧値で割ることにより、高圧放電灯4に流すべき電流の値である目標ランプ電流値を演算し、その目標ランプ電流値を点灯制御回路8へ送る。点灯制御回路8は、目標電流演算手段7から送られた目標ランプ電流値とランプ電流測定回路5が測定したランプ電流値が一致するように、点灯回路2を制御する(例えば、特許文献1)。
この従来例では、目標電流演算手段7に比較的低速で安価なマイクロコンピュータを使用するために、ランプ電流値とランプ電圧値を乗算してランプ電力値を得るような乗算回路を設けていない。
特開2004−304901号公報
しかし上記従来例では、ランプ電圧測定回路6からのランプ電圧値が目標電流演算手段7に入力されないなどの何らかの部品故障が発生して、点灯制御回路8に入力された目標ランプ電流値が正規の値より大きくなった場合、高圧放電灯4には大きな電流が流れて過負荷状態となってしまう。過負荷状態になると、高圧放電灯点灯装置や高圧放電灯が発熱し、最悪の場合には高圧放電灯が破裂してしまう。
また、通常の高圧放電灯点灯装置の保護回路として、検出されたランプ電圧値に基づいて保護動作を行う構成が一般的に採用されている。例えば、ランプ電圧が所定値(例えば120V程度)を超えると高圧放電灯が寿命末期であると判断して保護動作がなされる。また、ランプ電圧が極端に低い場合(例えば数10Vの場合)も、高圧放電灯の故障として保護動作がなされる。しかし、これらの保護回路構成によると、高圧放電灯の異常を検知してその異常に起因する高圧放電灯点灯装置の故障を防止することはできるが、装置内部の異常を検知してその異常が拡がるのを防止することはできない。
本発明の第1の側面は、高圧放電灯を点灯する点灯回路と、高圧放電灯に流れる電流を測定するランプ電流測定回路と、高圧放電灯の電圧を測定するランプ電圧測定回路と、ランプ電圧が測定したランプ電圧で所定の目標ランプ電力を割ることによって、目標ランプ電流値を演算する目標電流演算手段と、目標電流演算手段が演算した目標ランプ電流値と、ランプ電流測定回路が測定したランプ電流値とが一致するように、点灯回路を制御する点灯制御回路からなる高圧放電灯点灯装置において、ランプ電流測定回路の測定したランプ電流値が、あらかじめ設定された電流値の範囲から外れた場合に、所定の保護動作を行う保護制御手段を備えた高圧放電灯点灯装置である。
ここで、目標電流演算手段と保護制御手段が同一のマイクロコンピュータ上で構成され、保護制御手段から発生する所定の保護動作のための信号がマイクロコンピュータから点灯制御手段に送出されるように構成してもよい。
本発明の第2の側面は、上記第1の側面の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯、高圧放電灯が取り付けられるレフレクタ、及び少なくとも高圧放電灯点灯装置を内包する筐体を備えた光源装置である。
本発明の高圧放電灯点灯装置によれば、高圧放電灯点灯装置内部での部品故障などにより、高圧放電灯が過負荷状態になっても、確実に検出して電力供給停止などの措置をとることが出来る。しかも、従来の安価な回路構成をそのまま使用することができる。
次に、実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る第1の実施形態の高圧放電灯点灯装置を示すブロック図である。1は電源、2は点灯回路、3は始動回路、4は高圧放電灯、5はランプ電流測定回路、6はランプ電圧測定回路、7は目標電流演算手段、8は点灯制御手段、9は保護制御手段である。
電源1は直流電源または交流電源を整流した直流電源である。
点灯回路2は、高圧放電灯4に流れる電流を調整して電力の制御を行い、安定に点灯させる。その回路方式は、降圧チョッパ回路、ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路など各種回路を使用することが出来、また組み合わせても良い。そして高圧放電灯の点灯は直流点灯および交流点灯のどちらでも良い。
始動回路3は、高電圧を印加して高圧放電灯4を始動させる。その電圧は高圧放電灯4の種類により、数百Vから数十kVとなる。
高圧放電灯4は、メタルハライドランプや高圧水銀灯など、各種の高圧放電灯が使用できる。
ランプ電流測定回路5は、高圧放電灯4に流れるランプ電流(Il)を測定し、その測定値を点灯制御手段8および保護制御手段9に送る。
ランプ電圧測定回路6は、高圧放電灯4の電圧(Vl)を測定し、その測定値を目標電流演算手段7に送る。
目標電流演算手段7は、あらかじめ格納されている目標ランプ電力値(Wr)とランプ電圧測定回路6から入力されたランプ電圧値(Vl)から、目標ランプ電流値(Ir)を演算(Ir=Wl/Vl)し、目標ランプ電流値(Ir)を点灯制御手段8に送る。
点灯制御手段8は、ランプ電流(Il)と目標ランプ電流値(Ir)が一致するように点灯回路2を制御する。
保護制御手段9は、あらかじめ設定した値(Is)とランプ電流測定回路5の測定したランプ電流値(Il)を比較し、ランプ電流値(Il)が設定値(Is)より大きくなった場合には、点灯回路2を停止させるなどして異常の拡大を防ぐ。また図示してはいないが、高圧放電灯点灯装置が外部との通信機能を持っている場合には、エラー情報を出力しても良い。
ここで、例えば、高圧放電灯4が正常に点灯しているにもかかわらず、ランプ電圧測定回路6またはランプ電圧測定回路6から目標電流演算手段7への配線に故障があり、目標電流演算手段7においてランプ電圧値(Vl)がVl=0となった場合を想定する。演算される目標ランプ電流値(Ir)は、計算上は無限大となるが、出力される演算結果は最大目標ランプ電流値(Irmax)となる(通常この最大目標ランプ電流値は、目標電流演算手段7に使用するマイクロコンピュータの出力上限値又は下限値に対応する)。
そして、点灯制御回路8および点灯回路2がランプ電流値(Il)を最大目標ランプ電流値(Irmax)に近づけ、一致させようとする。その過程でランプ電流値(Il)が設定値(Is)を超えた場合に、保護制御手段9によって点灯制御回路8に保護のための信号が出力される。点灯制御回路8はこの信号を受けて点灯回路2を停止させる。
なお、上記の故障は例示であり、想定される故障としてはランプ電圧値(Vl)が0となる場合だけでなく、不安定に変動する場合等も含む。
なお、目標ランプ電流値(Ir)として、正規の値よりも大きい誤った目標ランプ電流値(Ir´)(例えば、上記のIrmax)が出力されたとしても、高圧放電灯4のインピーダンスや点灯回路2の出力能力などの関係で、実際に流れるランプ電流値(Il)が設定値(Is)を超えなければ保護動作を行う必要はない。言い換えると、本発明は、目標ランプ電流値(Ir)として誤った目標ランプ電流値(Ir´)が出力されたことに起因する異常状態を検出・保護するものであり、目標ランプ電流値(Ir)として誤った目標ランプ電流値(Ir´)が出力されたこと自体を検出・保護しようとしているわけではない。
また、上記の制御は点灯開始から安定点灯に達するまでの数分間は無効とするようにしてもよい。なぜなら、そのような(故障ではなく現実に)ランプ電圧が低い期間においては、ランプ電流値が多少大きくてもランプ電力としては小さいので高圧放電灯及び高圧放電灯点灯装置にとって過負荷とはならないからである。
図2は本発明に係る第2の実施形態の高圧放電灯点灯装置を示すブロック図であり、図1と同一または対応する部分については、同一の番号を付してその説明を省略する。
第1の実施形態の高圧放電灯点灯装置と異なる点は、目標電流演算手段7と保護制御手段9を同一のマイクロコンピュータで兼用することである。兼用することにより、従来例(図4)に対して配線以外に何も回路構成を付加することなく、マイクロコンピュータのプログラム変更のみで保護制御手段を加えることが出来る。また、本実施形態においても乗算器を使用する必要はないので、第1の実施形態と同様に安価なマイクロコンピュータを使用できる。
具体的には、保護制御手段9は、第1の実施形態と同様にあらかじめ設定した値(Is)とランプ電流測定回路5の測定したランプ電流値(Il)を比較し、ランプ電流値(Il)が設定値(Is)より大きくなった場合には、点灯回路2を停止させる停止信号を目標電流演算手段7から点灯制御回路8に送るなどして異常の拡大を防ぐ。ここで、停止信号の出力を、目標ランプ電流値(Ir)を出力するための配線とは別の配線によって出力してもよいし、停止信号として目標ランプ電流値(Ir)を演算結果にかかわらず所定値に固定するようにしてもよい。また図示していないが、高圧放電灯点灯装置が外部との通信機能を持っている場合には、エラー情報を出力しても良い。
また、上記の所定値の例として、所定値を可能な最小値(Irmin)としてもよく、この場合、高圧放電灯4は放電を維持せずに消灯することが予想される。また、所定値を調光レベルの値(Irdim)としてもよく、この場合は調光状態が確保され、消灯させずに過負荷による異常の拡大を防ぐことができる。
上記実施例では、高圧放電灯点灯装置内部での部品故障などにより、高圧放電灯が過負荷状態になっても、確実に検出して電力供給停止などの措置をとることが出来る高圧放電灯点灯装置を示したが、それを用いたアプリケーションとしての光源装置を図3に示す。図3において、10は上記で説明した実施例の高圧放電灯点灯装置、11は高圧放電灯4が取り付けられるレフレクタ、12は高圧放電灯点灯装置10、高圧放電灯4及びレフレクタ11を内蔵する筐体である。なお、図は実施例を模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。
これにより、高圧放電灯が過負荷状態になっても確実に検出して電力供給停止などの措置をとることが出来、安全性及び信頼性の高いプロジェクタ等の光源装置を提供できる。
本発明に係る第1の実施形態の高圧放電灯点灯装置を示すブロック図 本発明に係る第2の実施形態の高圧放電灯点灯装置を示すブロック図 本発明の光源装置を示す図 従来の高圧放電灯点灯装置を示すブロック図
符号の説明
1:電源
2:点灯回路
3:始動回路
4:高圧放電灯
5:ランプ電流測定回路
6:ランプ電圧測定回路
7:目標電流演算手段
8:点灯制御回路
9:保護制御手段
10:高圧放電灯点灯装置
11:レフレクタ
12:筐体

Claims (3)

  1. 高圧放電灯を点灯する点灯回路と、前記高圧放電灯に流れる電流を測定するランプ電流測定回路と、前記高圧放電灯の電圧を測定するランプ電圧測定回路と、前記ランプ電圧が測定したランプ電圧で所定の目標ランプ電力を割ることによって目標ランプ電流値を演算する目標電流演算手段と、前記目標電流演算手段が演算した目標ランプ電流値と前記ランプ電流測定回路が測定したランプ電流値とが一致するように前記点灯回路を制御する点灯制御回路からなる高圧放電灯点灯装置において、
    前記ランプ電流測定回路の測定したランプ電流値が、あらかじめ設定された電流値より大きくなった場合に、所定の保護動作を行う保護制御手段を備えた高圧放電灯点灯装置。
  2. 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記目標電流演算手段と前記保護制御手段が同一のマイクロコンピュータ上で構成され、前記保護制御手段から発生した前記所定の保護動作のための信号が前記マイクロコンピュータから前記点灯制御手段に送出されるよう構成された高圧放電灯点灯装置。
  3. 請求項1〜2いずれか一項に記載の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯、該高圧放電灯が取り付けられるレフレクタ、及び少なくとも該高圧放電灯点灯装置を内包する筐体を備えた光源装置。
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