JP2009077610A - 充放電保護回路および電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】安価に且つ簡易な回路構成により、過電流検出レベルの低下と、高精度化とを両立することができる充放電保護回路および電池パックを提供する。
【解決手段】充放電保護回路は、負荷と接続され、電流を通電させる接続端子と、接続端子からのラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号に応じてゲートをOFFに切り替えて、電流を遮断する少なくとも1つ以上の電界効果型トランジスタと、電界効果型トランジスタと直列に接続された挿入抵抗と、電圧を検出し、検出された電圧の降下が過電流検出電圧より高い場合に、電界効果型トランジスタのゲートに対して過電流検出信号を送出する電圧監視部とを備える。電圧監視部は、電界効果型トランジスタおよび挿入抵抗の両端の電圧を検出するので、挿入抵抗がない場合と比較して、過電流検出レベルを低下させ、過電流が検出される電流範囲のバラツキを小さくすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】充放電保護回路は、負荷と接続され、電流を通電させる接続端子と、接続端子からのラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号に応じてゲートをOFFに切り替えて、電流を遮断する少なくとも1つ以上の電界効果型トランジスタと、電界効果型トランジスタと直列に接続された挿入抵抗と、電圧を検出し、検出された電圧の降下が過電流検出電圧より高い場合に、電界効果型トランジスタのゲートに対して過電流検出信号を送出する電圧監視部とを備える。電圧監視部は、電界効果型トランジスタおよび挿入抵抗の両端の電圧を検出するので、挿入抵抗がない場合と比較して、過電流検出レベルを低下させ、過電流が検出される電流範囲のバラツキを小さくすることができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、充放電保護回路および電池パックに関し、詳しくは携帯型音楽再生機器等の小型かつ軽量な電子機器に用いられる充放電保護回路および電池パックに関する。
二次電池例えばリチウムイオン二次電池は、小型、軽量、高エネルギー密度、高出力等の特徴を有しているために、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、可搬型パーソナルコンピュータ等のアプリケーション機器の電源として広く使用されている。かかるリチウムイオン二次電池の使用安全性を確保するため、電池パック内には、過充電、過放電、過電流から電池を保護するための充放電保護回路が搭載されている。
図5は、過電流検出回路を含む従来の電池パックの一例を示す。この電池パックは、二次電池1および充放電保護回路100により構成される。
充放電保護回路100は、+側電池接続端子2、−側電池接続端子3、+側出力端子4、−側出力端子5、および電圧監視部6を主に備える。+側電池接続端子2は二次電池1の正極に接続され、−側電池接続端子3は二次電池1の負極に接続される。+側出力端子4と−側出力端子5との間に負荷が接続される。
−側電池接続端子3と−側出力端子5とを結ぶ−側の電源ライン中には、充放電制御スイッチである放電制御FET(Field Effect Transistor :電界効果型トランジスタ)7aおよび充電制御FET8aが直列に挿入される。放電制御FET7aおよび充電制御8aのそれぞれのドレイン・ソース間には、寄生ダイオード7bおよび8bが存在する。寄生ダイオード7bは、+側出力端子4から二次電池1の方向に流れる充電電流に対して順方向で、−側出力端子5から二次電池1の方向に流れる放電電流に対して逆方向の極性を有する。寄生ダイオード8bは、充電電流に対して逆方向で、放電電流に対して順方向の極性を有する。
放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのそれぞれのゲートには、電圧監視部6からの制御信号DOおよびCOがそれぞれ供給される。通常の充電および放電動作では、制御信号DOおよびCOがハイレベルとされ、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aがON状態とされる。放電制御FET7aおよび充電制御FET8aはNチャンネル型であるので、ソース電位より所定値以上高いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号DOおよびCOが論理“H”レベルとされ、FET7aおよび8aがON状態とされる。
電圧監視部6は例えばIC(Integrated Circuit)であり、図5中のVSSで示す基準電位端子およびVMで示す過電流検出端子の両端の電圧を検出し、検出された電圧から、等価的に充放電保護回路100に流れる電流を検出する。基準電位端子VSSと過電流検出端子VMとの間には、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aが設けられる。すなわち、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aの抵抗によって生じる電圧降下に基づいて等価的に放電電流を検出し、規定の電流値以上の負荷電流(すなわち、過電流)が流れた場合に、放電制御FET7aをOFFさせて負荷電流を遮断する。これにより、二次電池1、機器本体、および電池パック内の回路等の劣化や損傷を防止している。
次に、この充放電保護回路100による、過電流の検出と保護動作について説明する。以下では次のことを仮定する。二次電池1の電圧が4Vである。放電制御FET7aおよび充電制御FET8aの通電時の抵抗(以下、通電時の抵抗をオン抵抗と適宜称する)は、合計で30mΩである。電圧監視部6の過電流検出電圧は0.1Vとする。
この状態において、+側出力端子4および−側出力端子5と接続された機器(負荷)の負荷抵抗の抵抗値が0.4Ωになったとする。この場合、二次電池1の電圧が4Vであるので、負荷には10Aの負荷電流が流れる。
したがって、負荷電流による放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのソース両端での電圧降下は0.3Vとなり、過電流検出電圧0.1Vより大きくなる。これにより、電圧監視部6は過電流が発生したものと判断して、論理“L”レベルの制御信号DO(過電流検出信号)を出力する。
この過電流検出信号により放電制御FET7aがOFFし、+側出力端子4と−側出力端子5との間に接続された負荷と電池パックとの接続を切り離して放電電流を遮断し、二次電池1、機器本体、および電池パック内の回路等を保護する。
このように、従来では、過電流検出電圧と、負荷電流による放電制御FET7aおよび充電制御FET8aにおける電圧降下を比較して過電流を検出しているが、過電流検出電圧や、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのオン抵抗には製造上のバラツキと温度特性による変動がある。さらに、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのオン抵抗は、ゲート電圧への依存性も有している。したがって、最終的に過電流検出される電流範囲に大きなバラツキを生じてしまい、過電流検出の精度が悪くなるという問題がある。
このような問題を改善するため、下記特許文献1には、センス抵抗を用いて、センス抵抗の両端の電圧を検出して過電流検出を行う方法が開示されている。
ところで、例えば携帯型音楽再生機器等の機器では負荷電流は非常に小さく、例えば0.5A以下である場合が多い。このように負荷電流の小さな機器には、低い検出値で、且つ高精度に過電流を検出および保護できる充放電保護回路が要求される。また、機器の特徴からも、小型且つ安価な充放電保護回路が必要になる。
しかしながら、図5および表1に示す過電流検出電流の計算例に示すような従来の充放電保護回路では、例えば過電流検出電圧が0.1V、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのオン抵抗の合計値が30mAの場合、最小でも1.70Aの電流が流れないと過電流保護動作が働かない。また、上述のように過電流検出される電流範囲には大きなバラツキがあり、表1に示すように、最大値では5.75Aもの大きな電流が流れないと、過電流保護が働かない。このように、負荷電流の小さな機器に従来の充放電保護回路を用いた場合、二次電池の劣化や機器本体の損傷等の問題が生じる。
そこで、過電流検出精度の高い電圧監視部や、オン抵抗のバラツキの小さなFET等の部品を新たに開発し、これらを充放電保護回路に用いる方法も考えられる。しかしながら、製品の開発期間が短く且つモデルライフの短い機器に、このような汎用性の低い高価な部品を用いることは好ましくない。
特許文献1に記載の方法によれば、過電流検出レベルを低下させることはできるが、回路構成が複雑になり、高価な電気部品を使用せざるを得ないという問題がある。
したがって、この発明の目的は、安価に且つ簡易な回路構成により、過電流検出レベルの低下と、高精度化とを両立することができる充放電保護回路および電池パックを提供することにある。
上述の課題を解決するために、この発明は、負荷と接続される第1および第2の出力端子と、
第1および第2の出力端子の一方の出力端子と二次電池の一方の電極との間を接続するラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号によってOFFされることによって、負荷電流を遮断する1つ以上の電界効果型トランジスタと、
電界効果型トランジスタのドレイン・ソースと直列に接続された抵抗と、
電界効果型トランジスタおよび抵抗の両端で生じる電圧降下を検出し、
検出された電圧降下が所定の電圧より高い場合に、電界効果型トランジスタをOFFさせる過電流検出信号を出力する電圧監視部と、
を備えることを特徴とする充放電保護回路である。
第1および第2の出力端子の一方の出力端子と二次電池の一方の電極との間を接続するラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号によってOFFされることによって、負荷電流を遮断する1つ以上の電界効果型トランジスタと、
電界効果型トランジスタのドレイン・ソースと直列に接続された抵抗と、
電界効果型トランジスタおよび抵抗の両端で生じる電圧降下を検出し、
検出された電圧降下が所定の電圧より高い場合に、電界効果型トランジスタをOFFさせる過電流検出信号を出力する電圧監視部と、
を備えることを特徴とする充放電保護回路である。
また、この発明は、二次電池と、充放電保護回路とを備え、
充放電保護回路は、
負荷と接続される第1および第2の出力端子と、
第1および第2の出力端子の一方の出力端子と二次電池の一方の電極との間を接続するラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号によってOFFされることによって、負荷電流を遮断する1つ以上の電界効果型トランジスタと、
電界効果型トランジスタのドレイン・ソースと直列に接続された抵抗と、
電界効果型トランジスタおよび抵抗の両端で生じる電圧降下を検出し、
検出された電圧降下が所定の電圧より高い場合に、電界効果型トランジスタをOFFさせる過電流検出信号を出力する電圧監視部と、
を備えることを特徴とする電池パックである。
充放電保護回路は、
負荷と接続される第1および第2の出力端子と、
第1および第2の出力端子の一方の出力端子と二次電池の一方の電極との間を接続するラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号によってOFFされることによって、負荷電流を遮断する1つ以上の電界効果型トランジスタと、
電界効果型トランジスタのドレイン・ソースと直列に接続された抵抗と、
電界効果型トランジスタおよび抵抗の両端で生じる電圧降下を検出し、
検出された電圧降下が所定の電圧より高い場合に、電界効果型トランジスタをOFFさせる過電流検出信号を出力する電圧監視部と、
を備えることを特徴とする電池パックである。
この発明によれば、電界効果型トランジスタと直列に挿入抵抗が接続され、電界効果型トランジスタおよび挿入抵抗の両端の電圧降下を検出して電流を検出するので、過電流検出レベルを低下させると共に、過電流検出のバラツキを小さくすることができる。
この発明によれば、電界効果型トランジスタと直列に抵抗を接続するという簡易な方法により、過電流検出レベルの低下と高精度化を両立した充放電保護回路および電池パックを提供することができる。したがって、例えば携帯型音楽再生機器等の負荷電流の小さな機器に用いられる充放電保護回路および電池パックとして、要求される仕様を満足させつつ、機器の小型化および低価格化を実現させることができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の一実施形態による電池パックの構成を示すブロック図である。この電池パックは、二次電池1および充放電保護回路10により構成される。
二次電池1は、リチウムイオン電池等の二次電池で、例えば1個の電池セルを直列に接続した構成である。例えば、単電池セル当たりの満充電電圧が4.2Vの二次電池1を用いることができる。
充放電保護回路10は、+側電池接続端子2、−側電池接続端子3、+側出力端子4、−側機器出力端子5、電圧監視部6、放電制御FET7a、充電制御FET8a、および抵抗例えばチップ抵抗9を主に備える。チップ抵抗9を有する以外の構成は、図5を用いて説明した従来の充放電保護回路100の構成と同様であるので、説明を省略する。
チップ抵抗9は、電圧監視部6の基準電位端子VSSと過電流検出端子VMとの間に設けられ、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aと直列に接続される。携帯型音楽再生機器等の最大負荷電流の小さい機器にこの発明の一実施形態による電池パックを用いる場合、電池パックの小型化も考慮して、小型の部品であるチップ抵抗9が使用される。また、定格電力の小さい、且つ精度も高くない安価なチップ抵抗を用いることが可能である。
充放電保護回路10のチップ抵抗9の位置に挿入する抵抗としては、チップ電流ヒューズやPTC(Positive Temperature Coefficient)等の電流制限素子を用いることもできる。図1では簡単のため図示を省略しているが、これらの電流制限素子は、本来電池パック内に設置されるべきものであるので、その設置位置を変えるだけで、従来の電池パックに比してコストアップすることなく充放電回路10の構成を実現することができる。
基準電位端子VSSと過電流検出端子VMとの間に挿入されるチップ抵抗9または上記電流制限素子等の数は、一つであっても複数であってもよい。
なお、例えば携帯電話機やディジタルスチルカメラ等の機器ではピーク電流の高いパルス電流放電を行う場合があるため、充放電保護回路10内の抵抗成分は極力低い値に抑えて放電終止電圧に到達するまでの時間を長くする、すなわち放電容量を大きくし、機器の利用可能な時間を長くすることが必要である。一方、携帯型音楽再生機器等の機器では負荷電流が小さいため、充放電保護回路10内にチップ抵抗9または上記電流制限素子等を設けることによる抵抗成分の増加は、実質的に問題とならない。
図2は、電池パックの他の実施の形態を示す。図2では、チップ抵抗9と直列にチップ電流ヒューズやPTC(Positive Temperature Coefficient)等の電流制限素子11が接続される。電流制限素子11を設けることにより、電池パックが過電流状態になったときに二重の保護を図れると共に、電池パック内の抵抗値を調整することができる。
この発明の一実施形態では、放電制御FET7a、充電制御FET8a、およびチップ抵抗9の抵抗によって生じる電圧降下に基づいて、放電電流を検出する。これにより、過電流検出レベルを低下させると共に、過電流検出のバラツキを小さくして高精度化を実現することができる。
以下、電池パックの過電流検出電流値およびそのバラツキについて、具体的に説明する。ここでは、例えば定格放電電流0.35A、最大負荷電流0.50Aという仕様の携帯型音楽再生機器において、電池パックの充放電保護回路の過電流検出電流を0.55A〜1.00Aの範囲で機能させたい場合、すなわち過電流検出電流の目標値を0.55A〜1.00Aとする場合について説明する。
まず、下記の表1に、図5に示すような従来の電池パックの過電流検出電流の計算値を示す。なお、電圧監視部6の過電流検出電圧の仕様は、標準値0.100Vとする。放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのオン抵抗の合計値は、標準値30mΩとする。
電圧監視部6の過電流検出電圧は、製造上のバラツキ、温度特性などの影響により、標準値0.100Vに対して例えば±15mVの精度である。放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのオン抵抗の合計値は、標準値30mΩに対して最小値20mΩから最大値50mΩと大きなバラツキがある。
過電流検出電流は、過電流検出電圧およびオン抵抗から、I=V/Rの計算式により求められる。すなわち、過電流検出電流の標準値[A]は、
(過電流検出電流の標準値[A])=(過電流検出電圧の標準値[V])/(オン抵抗の標準値[Ω])・・・(1)
である。
(過電流検出電流の標準値[A])=(過電流検出電圧の標準値[V])/(オン抵抗の標準値[Ω])・・・(1)
である。
過電流検出電流の最小値[A]は、過電流検出電流およびオン抵抗のバラツキを考慮して、
(過電流検出電流の最小値[A])=(過電流検出電圧の最小値[V])/(オン抵抗の最大値[Ω])・・・(2)
となる。
(過電流検出電流の最小値[A])=(過電流検出電圧の最小値[V])/(オン抵抗の最大値[Ω])・・・(2)
となる。
同様に、過電流検出電流の最大値[A]は、
(最大値[A])=(過電流検出電圧の最大値[V])/(オン抵抗の最小値[Ω])・・・(3)
となる。
(最大値[A])=(過電流検出電圧の最大値[V])/(オン抵抗の最小値[Ω])・・・(3)
となる。
以上の計算により求められる過電流検出電流の範囲は、表1に示すように、1.70A〜5.75Aとなる。ここで、図5に示すような回路構成の電池パックは一般的な携帯電話機用に普及されているものである。一般的な携帯電話機では、最大連続放電電流(最大負荷電流)が1.70Aより小さいので、それを超える異常な電流を速やかに遮断することで、二次電池1や機器本体側の回路を保護することが望ましい。なお、電池パック内に、充放電保護回路以外に、二次的な保護素子を搭載する場合もあるが、簡単のため省略し、図示していない。
このように従来の充放電保護回路の過電流検出電流の最小値が1.7Aであり,かかる保護回路を携帯型音楽再生機器に用いた場合には、過電流検出電流の値が高すぎて、異常時に速やかに過電流から保護することができない。したがって、携帯型音楽再生機器の最大負荷電流に重ならない範囲において、できるだけ低い電流値に過電流検出レベルを低下させる必要がある。
そこで、電圧監視部6の過電流検出電圧の仕様を変更して、標準値を0.045Vに引き下げた場合の過電流検出電流を、(1)〜(3)の計算式により求めた。結果を表2に示す。
表2に示すように、過電流検出電流の範囲を0.60A〜3.00Aに低下させることができる。過電流検出電流の最小値は0.60Aであるため、最小値は過電流検出電流の目標値0.55Aをほぼ満足させることができる。しかしながら、電圧監視部6の電圧検出精度は変わらないため、過電流検出電流の最大値は3. 00Aとなり、最大値は過電流検出電流の目標値1.00Aよりも大きくなり過ぎてしまう。したがって、電池パックの過電流状態を有効に保護することができない電流領域が増えてしまう。
過電流検出電流の最大値を目標値に適合させるため、電圧監視部6の過電流検出電圧の仕様を変更して、標準値を0.005Vまでさらに引き下げた場合の過電流検出電流を、(1)〜(3)の計算式に計算により求めた。結果を表3に示す。
表3に示すように、過電流検出電流の範囲は−0.20A〜1.00Aとなる。過電流検出電流の最大値は目標値1.00Aを満足させることができる。しかしながら、電圧監視部6の電圧検出精度はそのままであるため、過電流検出電流の最小値は−0.20Aと小さくなり過ぎてしまい、通常の放電も行えなくなるという不具合を生じる。
一方、図1に示すこの発明の一実施形態による電池パックの過電流検出電流を計算により求めた。結果を表4に示す。なお、電圧監視部6の過電流検出電圧の仕様は、標準値0.100Vとする。放電制御FET7aおよび充電制御FET8aのオン抵抗の合計値は、標準値30mΩとする。また、チップ抵抗9の抵抗値は、標準値100mΩとする。
安価でかつ高精度ではない、一般的に容易に入手し得る5%の精度のチップ抵抗9は、標準値100mΩに対して、最小値95mΩから最大値105mΩのバラツキがある。
この発明の一実施形態による過電流検出電流の標準値[A]は、過電流検出電圧、オン抵抗、およびチップ抵抗9の抵抗の標準値から、
(過電流検出電流の標準値[A])=(過電流検出電圧の標準値[V])/(オン抵抗の標準値[Ω]+チップ抵抗9の標準値[Ω])
により求められる。
(過電流検出電流の標準値[A])=(過電流検出電圧の標準値[V])/(オン抵抗の標準値[Ω]+チップ抵抗9の標準値[Ω])
により求められる。
過電流検出電流の最小値[A]は、過電流検出電流およびオン抵抗のバラツキを考慮して、
(過電流検出電流の最小値[A])=(過電流検出電圧の最小値[V])/(オン抵抗の最大値[Ω]+チップ抵抗9の最大値[Ω])
となる。
(過電流検出電流の最小値[A])=(過電流検出電圧の最小値[V])/(オン抵抗の最大値[Ω]+チップ抵抗9の最大値[Ω])
となる。
同様に、過電流検出電流の最大値[A]は、
(過電流検出電流の最大値[A])=(過電流検出電圧の最大値[V])/(オン抵抗の最小値[Ω]+チップ抵抗9の最小値[Ω])
となる。
(過電流検出電流の最大値[A])=(過電流検出電圧の最大値[V])/(オン抵抗の最小値[Ω]+チップ抵抗9の最小値[Ω])
となる。
以上の計算により求められる過電流検出電流の範囲は、0.55A〜1.00Aとなる。このように、FET7aおよびFET8aと直列にチップ抵抗9を接続するだけで過電流検出電流を目標値に収めることができる。
図3に、表1〜表4の過電流検出電流の範囲をまとめて示す。図3中の矢印aは、表4に示すこの発明の一実施形態による電池パックの過電流検出電流の範囲である。また、矢印bは表1に示される過電流検出電流の範囲を示し、矢印cは表2に示される過電流検出電流の範囲を示し、矢印dは表3に示される過電流検出電流の範囲をそれぞれ示す。図3に示すように、この発明の一実施形態によれば、過電流検出レベルの低下と、高精度化とを両立できることがわかる。
図4に、過電流検出電流の実測値のグラフを示す。このグラフは、図1に示す電池パックの+側出力端子4および−側出力端子5に負荷を接続し、負荷電流を通電させてから電流が遮断されるまでの時間(過電流検出遅延時間)を、オシロスコープにより観測される電圧の変化から読み取って、プロットしたものである。縦軸は過電流検出遅延時間[ms]であり、横軸は負荷電流[A]である。
図4より、過電流検出遅延時間がスペックに入る領域を過電流検出したとして判定すると、0.55A〜1.00Aの範囲で過電流検出していることが確認された。なお、本実測データを得る際に用いた電圧監視ICの過電流検出遅延時間のスペックは、15msである。これは、図3中の矢印aに示す過電流検出電流の目標値の範囲内である。具体的には、負荷電流が約0.75Aで過電流検出が機能し始め、それよりも負荷電流が大きい領域では、過電流を約10msの短時間で遮断した。したがって、負荷電流の小さな機器の過電流を、速やかに遮断できることが分かる。
このように、この発明の一実施形態によれば、従来の電池パックの回路構成を複雑にしたり変更したりすることなく、チップ抵抗9を挿入するという簡単な方法で、過電流検出レベルの低下と高精度化とを両立することができる。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の一実施形態では、−側の電源ライン中に放電制御FET7aおよび充電制御FET8aを挿入する構成としたが、+側の電源ライン中に放電制御FET7aおよび充電制御FET8aを挿入することも可能である。この場合、放電制御FET7aおよび充電制御FET8aとしては、ソース電位に対して所定値以上低いゲート電圧でONするPチャンネル型の充放電制御FETが使用される。
また、この発明はリチウムイオン電池の他、Ni−Cd(ニッカド)電池、Ni−MH(ニッケル水素)電池など、種々の電池に適用可能である。
1・・・二次電池
2・・・+側電池接続端子
3・・・−側電池接続端子
4・・・+側出力端子
5・・・−側出力端子
6・・・電圧監視部
7a・・・放電制御FET
7b、8b・・・寄生ダイオード
8a・・・充電制御FET8a
9・・・チップ抵抗
10・・・本発明による充放電保護回路
11・・・電流制御制限素子
100・・・従来の充放電保護回路
2・・・+側電池接続端子
3・・・−側電池接続端子
4・・・+側出力端子
5・・・−側出力端子
6・・・電圧監視部
7a・・・放電制御FET
7b、8b・・・寄生ダイオード
8a・・・充電制御FET8a
9・・・チップ抵抗
10・・・本発明による充放電保護回路
11・・・電流制御制限素子
100・・・従来の充放電保護回路
Claims (6)
- 負荷と接続される第1および第2の出力端子と、
上記第1および第2の出力端子の一方の出力端子と二次電池の一方の電極との間を接続するラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号によってOFFされることによって、負荷電流を遮断する1つ以上の電界効果型トランジスタと、
上記電界効果型トランジスタの上記ドレイン・ソースと直列に接続された抵抗と、
上記電界効果型トランジスタおよび上記抵抗の両端で生じる電圧降下を検出し、
検出された上記電圧降下が所定の電圧より高い場合に、上記電界効果型トランジスタをOFFさせる上記過電流検出信号を出力する電圧監視部と、
を備えることを特徴とする充放電保護回路。 - 上記抵抗がチップ抵抗である
ことを特徴とする請求項1記載の充放電保護回路。 - 上記抵抗と直列に電流制御素子が接続される
ことを特徴とする請求項1記載の充放電保護回路。 - 二次電池と、充放電保護回路とを備え、
上記充放電保護回路は、
負荷と接続される第1および第2の出力端子と、
上記第1および第2の出力端子の一方の出力端子と二次電池の一方の電極との間を接続するラインにドレイン・ソース間が挿入され、過電流検出信号によってOFFされることによって、負荷電流を遮断する1つ以上の電界効果型トランジスタと、
上記電界効果型トランジスタの上記ドレイン・ソースと直列に接続された抵抗と、
上記電界効果型トランジスタおよび上記抵抗の両端で生じる電圧降下を検出し、
検出された上記電圧降下が所定の電圧より高い場合に、上記電界効果型トランジスタをOFFさせる上記過電流検出信号を出力する電圧監視部と、
を備えることを特徴とする電池パック。 - 上記抵抗がチップ抵抗である
ことを特徴とする請求項4記載の電池パック。 - 上記抵抗と直列に電流制御素子が接続される
ことを特徴とする請求項4記載の電池パック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007246833A JP2009077610A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | 充放電保護回路および電池パック |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014200164A (ja) * | 2013-03-11 | 2014-10-23 | セイコーインスツル株式会社 | 充放電制御回路、充放電制御装置およびバッテリ装置 |
JP2015082914A (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-27 | 株式会社豊田自動織機 | 車両に搭載される電池パックの保護装置 |
CN110148986A (zh) * | 2019-06-03 | 2019-08-20 | 长沙优力电驱动系统有限公司 | 电芯充放电控制模块和电芯保护装置 |
TWI807330B (zh) * | 2020-05-29 | 2023-07-01 | 美商德特蘭營運美國股份有限公司 | 用於引擎啟動及深循環應用中之電池的電池管理系統 |
-
2007
- 2007-09-25 JP JP2007246833A patent/JP2009077610A/ja active Pending
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