JP2009077017A - データ中継システム、データ中継方法およびデータ中継装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】広域網1とカプセル化装置3との間に、プロトコル変換装置(データ中継装置)2を設ける。プロトコル変換装置2は、拠点網間を転送するパケットからセッション情報を検出し、検出したセッション情報に基づいて確認応答(ACK)パケットを生成する。そして、生成した確認応答パケットを再び拠点網間を転送するパケットにカプセル化して、カプセル化装置3に送出することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この方式は、データ転送端末とデータ受信端末が、TCP(Transmission Control Protocol)のようなend-to-endで通信を制御するトランスポート層プロトコルを使用して通信を行う場合、広域網の中に大きな遅延時間を要する部分が存在すると、伝送遅延時間が長くなり通信スループットが低下する。この問題に対し、データ送信端末とデータ受信端末の中間に設置された複数の相互通信装置が、仮想的に通信プロトコルを終端することにより、伝送遅延時間を短く抑え通信スループットの低下を防止するものが知られている。
VPNでは、広域網と拠点網との境界にカプセル化装置を設置し、拠点網から広域網へ送信されるデータパケットをカプセル化し(以下、「カプセル化データパケット」と称す)、広域網を流れるデータパケットの所属ネットワーク(VLAN)を識別するため、所属ネットワーク(VLAN)の識別子を付与する。また、データパケット(ヘッダも含む)全体は、カプセル化され広域網内を転送されるときは、カプセル化データパケットのデータ部として扱われる。
しかしながら、もし前記したVPNの技術に、特許文献1に記載された技術を適用すると、相互通信装置によりプロトコル変換された広域網転送用パケット全体がカプセル化装置によりカプセル化されるため、広域網転送用パケットは、カプセル化データパケットのデータ部となってしまう。このため、広域網内を転送しているにもかかわらず、広域網転送用プロトコルが機能しない。したがって、広域網転送用のプロトコルによる最適なフロー制御を行うことができず、伝送遅延時間の増大の防止することができない。
なお、TCPにおいては、処理単位となるデータのまとまりをセグメントと呼ぶが、パケットという用語に統一して説明する。
VPNでは、広域網1と拠点網11との境界にカプセル化装置3を設置している。カプセル化装置3は、拠点網11から広域網1へ送信されるデータパケットをカプセル化し、広域網1を流れるデータパケットの所属ネットワーク(VLAN1あるいはVLAN2)を識別するため、所属ネットワーク(VLAN)の識別子を付与するものである。このとき、データパケット全体は、カプセル化されて広域網1内を転送されるため、カプセル化データパケットのデータ部として扱われる。
図10に示すように、プロトコル変換装置5は、カプセル化装置3と拠点網11との間に設置される。その理由は、送信側および受信側のプロトコル変換装置5が、トランスポート層プロトコルのフロー制御を実施することにより、トランスポート層のセッションを仮想的に終端し、データ送信端末4と送信側のプロトコル変換装置5、およびデータ受信端末4と受信側のプロトコル変換装置5が、それぞれ独立にフロー制御を行えるようにするためである。
ここで、広域網転送用プロトコルとして、TCP(Transport Control Protocol)や、ITU−T勧告X.25で規定されるプロトコルを使用してもよいし、XTPフォーラムで開発されたXTPのようなQoS保証が可能な高速伝送プロトコルを使用してもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ中継システムの構成例を示す図である。
データ中継システム100は、データパケットを送受信する複数の端末4に接続された複数の独立した拠点網11と、拠点網11と接続されたカプセル化装置3と、カプセル化装置3と接続され、広域網1との中継を行うデータ中継装置であるプロトコル変換装置2とを備える。ここで、プロトコル変換装置2は、拠点網11で使用させるプロトコルと、広域網1で使用されるプロトコルとの間のプロトコル変換を行うものである。
カプセル化装置3とプロトコル変換装置2の間の通信における物理層およびデータリンク層プロトコルはイーサネット(登録商標)、ネットワーク層プロトコルはIPであり、カプセル化装置3におけるカプセル化方式はイーサIPとする。
広域網1の通信における物理層およびデータリンク層プロトコルはイーサネット(登録商標)、ネットワーク層はXTPとする。
拠点Aのカプセル化装置31は、送信端末41から拠点網11を介してデータパケット91を受信すると、予め定められたカプセル化方式(例えばイーサIP)を用いてカプセル化してカプセル化データパケット92を生成する。このカプセル化データパケット92に拠点網11(例えばVLAN1あるいはVLAN2)の識別子を付与し、プロトコル変換装置21へ送信する。
拠点Aのプロトコル変換装置21は、カプセル化装置31からカプセル化データパケット92を受信すると、広域網転送用パケット93に変換し、広域網転送用プロトコルにより広域網1へ送信する。
一方、拠点Bのプロトコル変換装置22は、広域網1から受信した広域網転送用パケット93を、カプセル化データパケット92に変換し、カプセル化装置32へ送信する。
なお、データパケットは、拠点Aから拠点Bへ向けて送信されたものとする。
このとき、データパケット91を受信した拠点網11(VLAN1あるいはVLAN2)を示す識別子として、カプセル化データパケット92のイーサネット(登録商標)ヘッダにVLANタグを付加する。なお、カプセル化されたデータパケット91(ヘッダも含む)全体は、広域網1内を転送されるときはカプセル化データパケット92のデータ部として扱われる。
プロトコル変換装置21からカプセル化代理応答パケットを受信したカプセル化装置31は、カプセル化を解除して代理応答パケットを複製し、拠点網11を介して送信端末41に送信する。
プロトコル変換装置2は、パケットの中継処理を行う制御部200と、カプセル化装置3および広域網1と接続し通信するための外部インタフェース300とを備えている。
プロトコル変換部220は、カプセル化装置3から受信したカプセル化パケットを広域網転送用パケットに、また、広域網1から受信した広域網転送用パケットをカプセル化パケットに変換する処理を行う。
セッション情報検出部230は、カプセル化データパケットのヘッダから、カプセル化方式を検出し、データパケットのヘッダからトランスポート層プロトコルとトランスポート層ヘッダのセッション情報を検出する。また、セッション情報検出部230はメモリ部235を有し、検出したセッション情報(図7に示す通信状態管理テーブル700参照)を登録し、管理する機能を有する。
代理応答パケット生成部240は、セッション情報検出部230に登録されたセッション情報に基づき、データパケットの確認応答(ACK)パケットを生成し、カプセル化することで、カプセル化代理応答パケットを生成する機能を有する。
図5は、プロトコル変換装置21が受信したカプセル化データパケット92のヘッダ部分の構造を示したものである。また、図6は、プロトコル変換装置21が受信したパケットが、TCPパケットであり、カプセル化代理応答パケットを生成する必要があるか、パケット判定・転送部210が、判断する処理の流れを示したものである。
通信状態管理テーブル(セッション情報)700には、プロトコル変換装置21、22を介して現在データ送信を行っているTCPセッションに関する情報が登録され、セッション情報検出部230により、セッションごとに登録・抹消がなされ管理される。セッション情報の内容は、TCPセッションの開設を要求した端末41のIPアドレス701とポート番号702、TCPセッションの開設を許可した端末42のIPアドレス703とポート番号704、シーケンス番号705、TCPセッションの状態706などが登録される。
このTCPセッションの情報を用いて、代理応答パケット生成部240は、確認応答(ACK)パケットの生成を行う。
代理パケット生成部240は、通信状態管理テーブル700を参照し、カプセル化パケットのIPヘッダ内の宛先IPアドレスには拠点Aのカプセル化装置31のIPアドレス710、送信元IPアドレスには拠点Bのカプセル化装置32のIPアドレス712を登録し、その他、パケット長やヘッダチェックサムなどのフィールドに値を入れる。さらに、カプセル化パケットのイーサネット(登録商標)ヘッダの宛先MACアドレスには拠点Aのカプセル化装置31のMACアドレス、送信元MACアドレスには拠点Aのプロトコル変換装置21のMACアドレスを記載する。
そして、代理応答パケット生成部240で生成されたカプセル化代理応答パケットは、パケット判定・転送部210により、カプセル化装置31に送出される。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るデータ中継システムの構成例を示す図である。
第1の実施形態との違いは、第1の実施形態が、広域網を介した通信システムであるのに対し、第2の実施形態は、広域網の代わりに移動体と地上の基地局との間を結ぶ無線伝送路を介して、地上の端末と車上の端末が通信する移動体通信システムであることである。
したがって、無線伝送路960の伝送遅延時間が大きい場合、図12に示すように、地上側においては無線機951とモバイルIPルータ931との境界の位置にプロトコル変換装置923(基地局)を設置し、車上側においては無線機952とモバイルIPルータ933との境界の位置にプロトコル変換装置922(車上)を設置する。そうすると、本発明の第1の実施形態と同様に、プロトコル変換装置923が、端末941に対して代理応答することにより、仮想的に通信プロトコルを終端するシステムが実現でき、伝送遅延時間の増大を防止することができる。
プロトコル変換装置923が、カプセル化データパケットを受信すると、イーサネット(登録商標)ヘッダ内にあるタイプフィールド551を参照し、上位プロトコルがモバイルIPであれば、モバイルIPヘッダ内のプロトコルフィールド552を参照する。そして、上位プロトコルがIPであれば、カプセル化領域内のIPヘッダ内にあるプロトコルフィールド561を参照し、さらに、上位プロトコルがTCPであれば、カプセル化代理応答パケットの生成を行う。
第1の実施形態における広域網1が第2の実施形態では無線伝送路960に相当する。ここで、無線伝送路960に伝送されるパケットはXTPなどの広域網転送用プロトコルを用いた広域網転送用パケットである。
カプセル化装置(拠点)931からカプセル化データパケット992を受信したプロトコル変換装置(基地局)923は、カプセル化代理応答パケットを生成し、カプセル化装置(拠点)931へ転送することにより、仮想的にTCPプロトコルを終端する。これにより、地上側の端末941とプロトコル変換装置(基地局)923との間で、独立したフロー制御を可能にするものである。
カプセル化領域を暗号化する場合、プロトコル変換装置もカプセル化装置が持つものと同じ暗号鍵を持ち、カプセル化代理応答パケットの生成時や通信状態管理テーブルの登録、更新、削除の際には、カプセル化領域を一時的に復号化し、広域網やカプセル化装置へ送信する際に再度カプセル化領域を暗号化すればよい。
2 プロトコル変換装置(データ中継装置)
3 カプセル化装置
4 端末
11 拠点網
100 データ中継システム
200 制御部
210 パケット判定・転送部
220 プロトコル変換部
230 セッション情報検出部
235 メモリ部
240 代理応答パケット生成部
300 外部インタフェース
700 通信状態管理テーブル(セッション情報)
Claims (8)
- 複数の端末が接続された複数の拠点網が、データ中継装置を介して広域網に接続され、前記端末が前記拠点網および前記広域網を介してパケットの送受信を行い、前記広域網内は前記拠点網と接続されたカプセル化装置が前記パケットをカプセル化して転送し、送信端末と受信端末とが互いに前記パケットの送達確認を行いながら通信を行うデータ中継システムにおいて、
前記拠点網間を転送する前記パケットを中継処理する前記データ中継装置が、前記広域網と前記カプセル化装置の間に設置されることを特徴とするデータ中継システム。 - 前記データ中継装置は、
前記拠点網間を転送する前記パケットのヘッダ情報と、前記広域網を転送するパケットにカプセル化されたカプセル化データパケットのヘッダ情報とから端末間のセッション情報を検出するセッション情報検出部と、
前記セッション情報検出部により検出されたセッション情報をもとに、前記受信端末の代わりに確認応答パケットを生成しカプセル化する代理応答パケット生成部と
前記代理応答パケット生成部で生成したカプセル化された確認応答パケットを、前記カプセル化装置に転送するパケット判定・転送部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ中継システム。 - 前記検出されたセッション情報には、送信側および受信側のカプセル化装置のアドレスが含まれることを特徴とする請求項2に記載のデータ中継システム。
- 複数の端末が接続された複数の拠点網が、データ中継装置を介して広域網に接続され、前記端末が前記拠点網および前記広域網を介してパケットの送受信を行い、前記広域網内は前記拠点網と接続されたカプセル化装置が前記パケットをカプセル化して転送し、送信端末と受信端末とが互いに前記パケットの送達確認を行いながら通信を行うデータ中継方法において、
前記データ中継装置は、
拠点網間を転送する前記パケットのヘッダ情報と、前記広域網を転送するパケットにカプセル化されたカプセル化データパケットのヘッダ情報とから端末間のセッション情報を検出し、
前記検出されたセッション情報をもとに、前記受信端末の代わりに確認応答パケットを生成してカプセル化し、
前記生成したカプセル化された確認応答パケットを、前記カプセル化装置に転送することを特徴とするデータ中継方法。 - 前記検出されたセッション情報には、送信側および受信側のカプセル化装置のアドレスが含まれることを特徴とする請求項4に記載のデータ中継方法。
- 複数の端末が接続された複数の拠点網が広域網に接続され、前記端末が前記拠点網および前記広域網を介してパケットの送受信を行い、前記広域網内は前記拠点網と接続されたカプセル化装置が前記パケットをカプセル化して転送し、送信端末と受信端末とが互いに前記パケットの送達確認を行いながら通信を行うデータ中継システムに用いられるデータ中継装置において、
前記広域網と前記カプセル化装置の間に設置されることを特徴とするデータ中継装置。 - 前記拠点網間を転送する前記パケットのヘッダ情報と、前記広域網を転送するパケットにカプセル化されたカプセル化データパケットのヘッダ情報とから前記端末間のセッション情報を検出するセッション情報検出部と、
前記セッション情報検出部により検出されたセッション情報をもとに、前記受信端末の代わりに確認応答パケットを生成しカプセル化する代理応答パケット生成部と、
前記代理応答パケット生成部で生成したカプセル化された確認応答パケットを、前記カプセル化装置に転送するパケット判定・転送部と
を備えること特徴とする請求項6に記載のデータ中継装置。 - 前記検出されたセッション情報には、送信側および受信側のカプセル化装置のアドレスが含まれることを特徴とする請求項7に記載のデータ中継装置。
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