JP2009073164A - 樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法 - Google Patents

樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製品強度が高くて、長期信頼性が高く、表面外観性が優れ、かつ量産性に優れた樹脂製取っ手の成形方法を提供する。
【解決手段】流路開閉機構(E)を閉じた状態で、ゲート(G)から、結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び樹脂組成物(B)をキャビティー(D)に充填し、該キャビティー(D)を該結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び該樹脂組成物(B)で完全に満たして保圧状態とし、次いで、閉じていた前記流路開閉機構(E)を開き、捨てキャビティー(F)に、前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)と前記樹脂組成物(B)を排出する脂製取っ手のサンドイッチ成形方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂製取っ手の成形方法に関する。詳しくは、結晶性エンジニアリング樹脂(A)の表層部分、補強材を含有した該結晶性エンジニアリング樹脂(A)と同系の結晶性樹脂からなる樹脂組成物(B)の内側部分及び金属インサート物(C)からなる樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法に関する。
運輸機関および建物に設置される窓や扉の開閉用および水周り等の流体開放用、水周り周辺の取っ手は、作動および長期信頼性から、充分な製品強度が必要とされる。またQC活動に代表される日本の品質規格は、当然ながら表面外観性に優れた製品を求めている。
一般にPEやPPに代表される汎用の結晶性樹脂は、補強材を添加しても充分な補強効果が得られない上、製品のヒケにより良外観品が得られにくく、かつ固化スピードが遅いため量産性に問題がある。一方、PSやABSに代表される汎用の非晶性樹脂では、補強材を添加した場合でも、良外観品が得られず、かつ耐薬品性に問題があるため、使用環境下における長期信頼性に不安があり、さらには汎用の結晶性樹脂と同様に固化スピードが遅いため、量産性に問題がある。
これら補強材で補強していない汎用樹脂を単独で用いて射出成形された取っ手は、充分な製品強度を持たすためには肉厚化する必要が有り、これにより固化スピードが遅くなり量産性に問題がある。また、充分な製品強度を持たせるために金属を内側部分にインサートし補強することが行われているが、工程等がかかり生産量の低下およびコスト高になるという問題がある。一方、充分な製品強度がある補強材を添加した汎用樹脂を単独で用いて射出成形された取っ手は、強度は問題無いが、表面外観性が、補強材無添加の樹脂を単独で用いた場合と比較すると劣るため、表面外観を上げるために金型温度を上げると成形サイクルが延び量産性に問題が生じる。さらに近年、顧客ニーズの多様化により、製品の表面装飾も求められている。
これらの問題点を解決する方法の一つとして、射出成形機や金型に機構を取り入れたサンドイッチ成形により、表層部分に表面性の優れた樹脂、内部部分に強度の優れた樹脂を同時に射出成形する事が考えられている。しかしながら、これらの従来の技術で用いる樹脂は、固化スピードが遅い汎用の結晶性樹脂や耐薬品性に問題がある汎用の非晶性樹脂のみで、量産性と長期信頼性に問題点が残ったままであった。
サンドイッチ成形に関しては、汎用樹脂を使用した射出成形により、金型のスライドコアの開閉等により、捨てキャビティーへ樹脂を排出する方法が提案されている(例えば特許文献1,2)。しかし、特許文献1,2では、保圧工程ではなく充填工程で内部樹脂を充填して表層部分の樹脂を捨てキャビティーに排出する方法であり、また、使用している樹脂が固化スピードの遅い汎用樹脂であり、上記問題を解決し得るものではない。
さらに、特許文献3には、保圧工程時に窒素ガス等を使用したガスアシスト成形により樹脂製取っ手を成形することが開示されているが、保圧工程に使用ガスを使用しており、本発明とは異なるものである。
特開平5−111934号公報 特開平6−320575号公報 特許第3762514号公報
本発明は、製品強度が高くて、長期信頼性が高く、表面外観性が優れ、かつ量産性に優れた樹脂製取っ手の成形方法を提供する事を目的とする。
本発明は上記の問題点を解決するために、結晶性エンジニアリング樹脂、特に耐薬品性が良く、結晶性材料の固化スピードは速いが、補強材による補強効果が大きいポリアミド樹脂に着目し、情熱と信念を持って日夜鋭意検討した結果、製品強度が高くて、長期信頼性が高く、良外観と量産性を満足する樹脂製取っ手の成形に有効なサンドイッチ成形を用いた射出成形方法を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法は、
結晶性エンジニアリング樹脂(A)の表層部分、補強材を含有した該結晶性エンジニアリング樹脂(A)と同系の結晶性エンジニアリング樹脂からなる樹脂組成物(B)の内側部分及び金属インサート物(C)からなる樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法であって、
前記金属インサート物(C)が入ったキャビティー(D)、該キャビティー(D)の流動末端部分とつながった捨てキャビティー(F)、及び該キャビティー(D)と該捨てキャビティー(F)との間に設置された流路開閉機構(E)、前記金属インサート物(C)の近くに設けられたゲート(G)から構成される金型を用い、
前記流路開閉機構(E)を閉じた状態で、前記ゲート(G)から、前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び前記樹脂組成物(B)を前記キャビティー(D)に充填し、該キャビティー(D)を該結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び該樹脂組成物(B)で完全に満たして保圧状態とし、次いで、閉じていた前記流路開閉機構(E)を開き、前記捨てキャビティー(F)に、前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)と前記樹脂組成物(B)、或いは前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)を排出することを特徴とする。
本発明によれば、結晶性エンジニアリング樹脂、特に補強材による補強効果が大きいポリアミド樹脂と、射出成形のサンドイッチ成形方法、特に、充填・保圧工程の状態、すなわち、キャビティーに樹脂を完全に満たし転写させ良外観を出した後、保圧工程で内側部分の樹脂または再度射出する表層部部分の樹脂により捨てキャビティーへ樹脂を排出する方法を組み合わせる事により、製品強度が高くて、長期信頼性が高く、表面外観性が優れ、かつ量産性に優れた樹脂製取っ手を提供する事が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で成形される樹脂製取っ手は、表層部分、内側部分及び金属インサート物(C)からなり、特に、金属インサート物(C)を回転軸の中心として少なくとも30°以上、好ましくは60°以上回転させる用途に用いられる取っ手として好適に用いられる。具体的には、運輸機関や建物に設置される窓や扉開閉用、水周り等の流体開放用の握り、水周り周辺の手摺り、ハンドル、ノブ、クレセントおよびコック等に使用される取っ手等が挙げられる。その形状、肉厚等は特に制限するものではないが、手との触感および見た目の高級感を出す為、製品の表面に俗称シボの加工するものもある。
本発明においては、表層部分に結晶性エンジニアリング樹脂(A)を、内側部分に補強材を含有した該結晶性エンジニアリング樹脂(A)と同系の結晶性樹脂からなる樹脂組成物(B)を用いる。
結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び、樹脂組成物(B)に用いる結晶性エンジニアリング樹脂(A)と同系の結晶性エンジニアリング樹脂としては、例えばポリアセタール樹脂、ポリアミド系樹脂、PBT樹脂、PET樹脂、およびこれらを一構成成分とするアロイ樹脂やエラストマーをブレンドした樹脂が挙げられる。特に補強材を含有した際の補強効果が大きいポリアミド系の樹脂およびこれらを一構成成分とするアロイ樹脂やエラストマーをブレンドした樹脂が好ましい。
ポリアミド系の樹脂としては、主としてPA6、PA66、PA610、6I、6T樹脂およびこれらのコーポリマー、またはこれらを一構成成分とするアロイ樹脂やエラストマーをブレンドした樹脂を示す。また、6C、12C、PA12およびPA612樹脂も使用できるが、これらを使用する場合は、表層部分と内側部分の界面での接着力の観点から、PA6、PA66、PA610、6I、6Tと混合して使用する、または結晶性エンジニアリング樹脂(A)、樹脂組成物(B)の結晶性エンジニアリング樹脂共に6C、12C、PA12、PA612を使用することが好ましい。
樹脂組成物(B)に含有する補強材としては、無機または有機の繊維状、板状、粉粒状の充填剤等の1種または2種以上が挙げられ、その中でも特に補強効果が大きい無機のガラス繊維が好ましい。
更に、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、結晶遅延剤、耐候性向上のための紫外線吸収剤、或いは有機高分子材料を結晶性エンジニアリング樹脂(A)と樹脂組成物(B)の良好な界面接着力を阻害しない範囲で添加することが出来る。
本発明で用いる金型の一例を図1に示す。図1(a)は全体構成図、図1(b)は上面図である。図1に示すように、本発明で用いる金型は、金属インサート物(C)が入ったキャビティー(D)、キャビティー(D)の流動末端部分とつながった捨てキャビティー(F)を有し、キャビティー(D)と捨てキャビティー(F)との間に、流路開閉機構としてシャットオフピン(E)が設置されている。捨てキャビティー(F)の容積は大きいほど好ましいが、経済的な観念から、スプルー、ランナー、キャビティー(D)の全容積の30%を目処に設けることが好ましい。また、ゲート(G)は、射出充填する樹脂の直進性を妨げることにより、ゲート(G)周辺のジェッティングやフローマークを防止し、製品の良外観化が図れる様に、金属インサート物(C)の近くに設けられている。
また、図1に示すように、キャビティー(D)とシャットオフピン(E)との間にエアーベント(H)を設けることが好ましい。エアーベント(H)の形状については、深さは0.01〜0.1mmの範囲で、幅は2.0〜50mmの範囲、かつ長さは3.0〜20.0mmの範囲が好ましい。特に前記の長さの範囲を越えた場合の深さは、0.5〜1.0mmの範囲でパーティングラインまで伸ばすのが、離型剤やモールドデポジットが溜らずメンテナンス時間が延び好ましい。
さらに、金型には、ゲートおよび捨てキャビティー(F)部分をカットするために、射出成形機の突き出し機構や金型内のスプリング等を利用した型内ゲートカット機構を組み合わせてもよい。
本発明で用いるサンドイッチ成形装置は、例えば、射出成形機メーカーが工程シーケンスを組み、射出成形機に2本以上のA、B、C等のスクリューおよびシリンダーを有する物であり、別々のスクリューおよびシリンダーで溶融、計量された結晶性エンジニアリング樹脂(A)と樹脂組成物(B)を切替え部で切替えて充填できるものである。
以下、本発明の具体的手順について、2本のスクリューおよびシリンダー(Aシリンダー、Bシリンダー)を有するサンドイッチ成形装置を用いた場合を例にとり、図2を用いて説明する。
まず、シャットオフピン(E)を閉じた状態で、Aシリンダーで溶融された結晶性エンジニアリング樹脂(A)を、スプルー、ランナー、キャビティー(D)の全容積の半分以上を目処に計量し、スプルー、ランナー、キャビティー(D)の全容積の1/3を目処に射出する。次に、Bシリンダーで溶融された樹脂組成物(B)をスプルー、ランナー、キャビティー(D)の全容積の残りの容積分以上計量し射出すると、図2(a)に示す様に、スプルー、ランナー内にある結晶性エンジニアリング樹脂(A)をキャビティー(D)内に入れながら、樹脂組成物(B)もキャビティー(D)に充填される。
そして、充填工程が進むと、図2(b)に示す様に、やがてキャビティー(D)が完全に満たされ、保圧状態となる。保圧状態となったかどうかは、最新の射出成形機では充填圧力の波形から見る事が出来、この充填圧力が階段状の2段目で急激に上がる付近で判断する事も出来る。
その後、図2(c)に示す様に、シャットオフピン(E)を後退させて流路を開き、Aシリンダーで溶融された残りの結晶性エンジニアリング樹脂(A)を保圧充填し、キャビティー(D)内にある結晶性エンジニアリング樹脂(A)および樹脂組成物(B)を捨てキャビティー(F)に排出する。シャットオフピン(E)を開くタイミングはキャビティー(D)容量および成形品取り数により異なり特に限定されないが、金型表面を転写するのに必要な時間であることが好ましく、0.5秒〜5.0秒の範囲が好ましい。
樹脂を充填する順番は限定されないが、上述の例のように、結晶性エンジニアリング樹脂(A)、樹脂組成物(B)の順で充填して保圧状態とし、次いで結晶性エンジニアリング樹脂(A)を充填すると、ゲート(G)周辺部の外観が向上し、ゲート(G)跡が良好な状態になり、また次のショット時に前の材料が残らず、好ましい。
また、捨てキャビティー(F)に排出する樹脂も特に限定されず、捨てキャビティーへの流路処理跡を残さないようにする場合は結晶性エンジニアリング樹脂(A)のみ、製品強度を重視する場合は、上述の例のように、結晶性エンジニアリング樹脂(A)と樹脂組成物(B)とすればよい。特に、後者の場合には、捨てキャビティーを目視で観察することにより、強度上に問題無いか判断出来るため、製品強度を考慮する場合に好適である。捨てキャビティー(F)に排出する樹脂は、捨てキャビティー(F)への樹脂排出状態を確認しながら、結晶性エンジニアリング樹脂(A)と樹脂組成物(B)の充填容量や樹脂組成物(B)の充填圧力を調整し、決定することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、実施例において使用した樹脂、評価方法は以下の通りである。
[使用樹脂]
(A)表層部分
X1.PP樹脂 密度=900kg/m3 (株)プライムポリマー製
(商品名)プライムポリプロ J−786HV
X2.ABS樹脂 密度=1050kg/m3 旭化成ケミカルズ(株)製
(商品名)スタイラック 121
X3.PA66樹脂 密度=1140kg/m3 旭化成ケミカルズ(株)製
(商品名)レオナ 1300S
X4.PA66樹脂 ナノコンポジット材料 密度=1170kg/m3
旭化成ケミカルズ(株)製 (商品名)レオナ 94N05
X5.PA12樹脂 密度=1070kg/m3 ダイセル・テグサ(株)製
(商品名)ベスタミド X7094
(B)内側部分
Y1.PP樹脂 GF=30%品 密度=1120kg/m3
(株)プライムポリマー製 (商品名)プライムポリプロ E7000
Y2.ABS樹脂 GF=30%品 密度=1290kg/m3
旭化成ケミカルズ(株)製、(商品名)スタイラック R260A
Y3.PA66樹脂 GF=33%品 密度=1390kg/m3
旭化成ケミカルズ(株)製 (商品名)レオナ 93G33
Y4.PA66樹脂 GF=50%品 密度=1580kg/m3
旭化成ケミカルズ(株)製 (商品名)レオナ 90G50
[評価方法]
1.生産性
射出成形工程において、製品を取り出し後放置し、表面に付いているシボが残る冷却時間で比較。製品表面についているシボNo.は、ベアロン(株)製BK−1005を使用。
2.ゲート跡
製品のゲート周辺の状態を肉眼で確認し、違和感が無いかまたは良好な状態か確認する。
3.剥離性
取っ手成形品の長手方向をX軸、Y軸方向に切削して四等分し、表層部分と内側部分の樹脂を親指で押して剥離するか確認する。
4.製品外観
製品の外観状態を肉眼で確認し、シボ面が良好に転写されているか、または部分的転写不良等の状態が無いか確認する。
5.製品強度
製品をS55Cの冶具に取付け、金属インサート物の中心から、取っ手の末端方向に向かって100mmの位置にドリルでφ3.5mmの穴を垂直方向に開けて、耐荷重300kgの市販ワイヤーを通し、ロードセルに取付け、万能引張り試験機のクロスヘッドを100mm/mimsで下方に移動させて、その時の荷重をロードセルで測定した。
<実施例1>
2本のスクリューおよびシリンダー(Aシリンダー、Bシリンダー)を有するサンドイッチ成形機のAシリンダーに表層部分用樹脂、Bシリンダーに内側部分用樹脂を入れ、図1に示す金型(エアーベントの(H)の深さ0.08mm、幅6.0mm、長さ12.0mm)を使用して、全長120mm、幅18mm、高さ20mmの取っ手を成形した。
Aシリンダーにポリアミド樹脂(X3)、Bシリンダーにポリアミド樹脂(Y3)を入れ、樹脂温度それぞれ280℃で溶融させ、金属インサート物を金型にセットし、金型温度設定を80℃とした。
シャットオフピン(E)を閉じた状態で、ポリアミド樹脂(X3)を、スプルー、ランナー、キャビティーの全容積の半分以上を目処に計量し、スプルー、ランナー、キャビティーの全容積の1/3を目処に射出した。次に、ポリアミド樹脂(Y3)をスプルー、ランナー、キャビティー全容積の残りの容積分計量して射出し、キャビティーを完全に満たし、保圧した。
約1.2秒経過後、シャットオフピン(E)を開き、前記残りのポリアミド樹脂(X3)を射出して、捨てキャビティー(F)へポリアミド樹脂(X3)とポリアミド樹脂(Y3)を排出しながら充填し、取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
耐候性付与として、Aシリンダーに耐候性の優れたポリアミド樹脂(X4)、Bシリンダーに強度の優れたポリアミド樹脂(Y4)を入れ、樹脂温度それぞれ290℃で溶融させ、金型温度設定を90℃とした以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
表面装飾用として、アルミ金属紛を1%添加したポリアミド樹脂(X3)をAシリンダーに入れて、Bシリンダーに強度の優れたポリアミド樹脂(Y4)を入れ、樹脂温度それぞれ290℃で溶融させ、金型温度設定を90℃とした以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例4>
ポリアミド樹脂(X3)とポリアミド樹脂(X5)を重量比1:1でドライブレンドした樹脂をAシリンダーに入れ、Bシリンダーにポリアミド樹脂(Y3)を入れ、樹脂温度それぞれ280℃で溶融させ、金型温度設定を90℃とした以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例5>
ゲート跡を実施例1と比較するため、キャビティー(D)を完全に満たし保圧した後、シャットオフピン(E)を開き、結晶性エンジニアリング樹脂(A)を充填せずに、捨てキャビティー(F)へ結晶性エンジニアリング樹脂(A)のみを排出した以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
エアーベント(H)の有効性を把握するため、実施例1の条件で連続成形し、エアーベント(H)を設けた場合と設けない場合を比較した。
その結果、エアーベント(H)を設けない場合には、約1万ショットでシャットオフピン(E)にモールドデポジットや離型剤が溜り、作動不良の状態を引き起こし、捨てキャビティー(F)への樹脂の排出が困難になった。一方、エアーベント(H)を設けた金型では、約3万ショットでもシャットオフピン(E)の作動不良は認められなかった。補足ではあるが、この両条件のトータル成形サイクルは約50secである。
<比較例1>
生産性と製品強度を実施例と比較するため、汎用結晶性樹脂を用いた。即ち、AシリンダーにPP樹脂(X1)、BシリンダーにPP樹脂(Y1)を入れ、樹脂温度それぞれ220℃で溶融させ、金型温度設定40℃とした以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<比較例2>
生産性と製品強度を実施例と比較するため、汎用非晶性樹脂を用いた。即ち、AシリンダーにABS樹脂(X2)、BシリンダーにABS樹脂(Y2)を入れ、樹脂温度それぞれ240℃、250℃で溶融させ、金型温度設定を40℃とした以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<比較例3>
剥離性を実施例と比較するため、AシリンダーにPP樹脂(X1)、Bシリンダーにポリアミド樹脂(Y3)を入れ、樹脂温度それぞれ220℃、280℃で溶融させ、金型温度設定を40℃とした以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
<比較例4>
製品の外観を実施例1と比較するため、樹脂組成物(B)をスプルー、ランナー、キャビティー(D)の全容積の残りの容積分より少ない量射出し、キャビティー(D)を完全には満たさなかった以外は、実施例1と同様にして取っ手を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2009073164
本発明により、結晶性エンジニアリング樹脂(A)、特に補強材による補強効果が大きいポリアミド樹脂と射出成形のサンドイッチ成形方法を組み合わせる事により、製品強度が高くて、長期信頼性が高く、表面外観性が優れ、かつ量産性に優れた樹脂製取っ手を提供する事が可能となった。
金型の一例を示す図である。 充填状態を示す図である。
符号の説明
(A)結晶性エンジニアリング樹脂
(B)樹脂組成物
(C)キャビティー
(D)ゲート
(E)流路開閉機構(シャットオフピン)
(F)捨てキャビティー
(G)金属インサート物
(H)エアーベント

Claims (4)

  1. 結晶性エンジニアリング樹脂(A)の表層部分、補強材を含有した該結晶性エンジニアリング樹脂(A)と同系の結晶性エンジニアリング樹脂からなる樹脂組成物(B)の内側部分及び金属インサート物(C)からなる樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法であって、
    前記金属インサート物(C)が入ったキャビティー(D)、該キャビティー(D)の流動末端部分とつながった捨てキャビティー(F)、及び該キャビティー(D)と該捨てキャビティー(F)との間に設置された流路開閉機構(E)、前記金属インサート物(C)の近くに設けられたゲート(G)から構成される金型を用い、
    前記流路開閉機構(E)を閉じた状態で、前記ゲート(G)から、前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び前記樹脂組成物(B)を前記キャビティー(D)に充填し、該キャビティー(D)を該結晶性エンジニアリング樹脂(A)及び該樹脂組成物(B)で完全に満たして保圧状態とし、次いで、閉じていた前記流路開閉機構(E)を開き、前記捨てキャビティー(F)に、前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)と前記樹脂組成物(B)、或いは前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)を排出することを特徴とする樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法。
  2. 前記金型が、前記キャビティー(D)と前記流路開閉機構(E)との間にエアーベント(H)を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法。
  3. 前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)がポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法。
  4. 前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)、前記樹脂組成物(B)の順で充填して保圧状態とし、次いで結晶性エンジニアリング樹脂(A)を充填して、前記捨てキャビティー(F)に、前記結晶性エンジニアリング樹脂(A)と前記樹脂組成物(B)を排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製取っ手のサンドイッチ成形方法。
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