JP2009071982A - サージ電圧抑制回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型化を招かず、かつ、低コストでサージ電圧の抑制効果の高いサージ電圧抑制回路を実現する。
【解決手段】サージ電圧抑制回路3は、インバータ1の出力によりモータ2を駆動する際にインバータ1とモータ2との間の電力供給線に発生するサージ電圧を抑制する。このサージ電圧抑制回路3は、インバータ1とモータ2との間の電力供給線に直列に接続されたコイル31−1〜31−3と、コイル31−1〜31−3に並列接続されたコンデンサ32−1〜32−3と、を含み、その並列共振周波数fc[Hz]がサージ電圧の変動周波数fs[Hz]と同じ周波数に設定されたLC並列共振回路を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】サージ電圧抑制回路3は、インバータ1の出力によりモータ2を駆動する際にインバータ1とモータ2との間の電力供給線に発生するサージ電圧を抑制する。このサージ電圧抑制回路3は、インバータ1とモータ2との間の電力供給線に直列に接続されたコイル31−1〜31−3と、コイル31−1〜31−3に並列接続されたコンデンサ32−1〜32−3と、を含み、その並列共振周波数fc[Hz]がサージ電圧の変動周波数fs[Hz]と同じ周波数に設定されたLC並列共振回路を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、インバータの出力によりモータを駆動する際にインバータとモータとの間の電力供給線に発生するサージ電圧を抑制するサージ電圧抑制回路に関する。
電気自動車やハイブリッドカー等の車両では、搭載された電源からの直流出力をインバータにより交流出力(例えば3相交流)に変換してモータに供給している。このインバータからの出力には立ち上がりの急峻な電圧が含まれる。このような立ち上がりの急峻な電圧はモータとインバータとの間の寄生成分に起因するインピーダンス不整合によってインバータとモータとの間で何度も反射を繰り返す。その結果として、モータ巻線(とくにロータ側の巻線)には、インバータとモータとの間の寄生成分で決まる周波数(以下これを「変動周波数」と呼ぶ)の過大なサージ電圧がかかってしまう。
このようなサージ電圧は、モータ巻線の絶縁耐圧を超えてしまうと、モータ巻線を消耗させ、その寿命を縮めてしまい、また場合によっては破壊にもつながるため好ましいものではない。従来、このようなサージ電圧に対しては、インバータとモータとの間の電力供給線にコイルを直列に接続し、サージ電圧の変動周波数帯にてそのコイルがハイインピーダンスとなることを利用する構成が提案されている(特許文献1〜3)。また、電力供給線に発生するノイズ(3相交流の周波数よりも高い周波数のノイズ)を抑制する構成としては、電力供給線にフィルタを設ける構成も提案されている(特許文献4)。
一般的に、コイルのインピーダンスは、その断面積や巻数の二乗に比例する。このため特許文献1〜3の構成でサージ電圧の抑制効果を高めるためには、コイルの大型化及び高コスト化が避けられない。また、特許文献4のようなフィルタによる構成でサージ電圧を抑制する場合はフィルタの段数を増やさなければならない。このような構成を、例えば、車両などに搭載する場合は、その搭載スペースが限られており、また、低コスト化の要望もあり、何らかの対策が必要である。本発明の目的は、上記課題を解決することであり、大型化を招かず、かつ、低コストでサージ電圧の抑制効果の高いサージ電圧抑制回路を実現することにある。
本発明は、インバータの出力によりモータを駆動する際にインバータとモータとの間の電力供給線に発生するサージ電圧を抑制するサージ電圧抑制回路であって、前記インバータとモータとの間の電力供給線に直列に接続されたコイルと、前記コイルに並列接続されたコンデンサと、を含み、その並列共振周波数が前記サージ電圧の変動周波数と同じ周波数に設定されたLC並列共振回路を備えることを特徴とする。
また、本発明では、前記LC並列共振回路は、前記コンデンサに直列接続された抵抗を有することが望ましい。
また、本発明では、前記共振周波数は、前記インバータとモータとの間の寄生インダクタンス及び前記コイルの合成インダクタンスに基づいて設定されていることが望ましい。
また、本発明では、前記共振周波数は、前記インバータとモータとの間の寄生キャパシタンス及び前記コンデンサの合成キャパシタンスに基づいて設定されていることが望ましい。
また、本発明では、前記コイルは、前記モータのステータコアに巻きつけられていることが望ましい。
本発明によれば、大型化を招かず、かつ、低コストでサージ電圧の抑制効果の高いサージ電圧抑制回路を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るサージ電圧抑制回路3の構成を示す図である。なお、本実施形態に示すサージ電圧抑制回路3は、電気自動車やハイブリッドカー等の車両に搭載されているものとする。以下、構成について詳細に説明する。
インバータ1は、車両に搭載された電源(図示せず)からの直流出力を3相交流出力に変換する装置である。なお、インバータ1は、PWM波形を出力するものでもよいが、正弦波形を出力するものでもよい。モータ2は、Y字結線の3相モータ(図示せず)であり、電力供給線によりインバータ1と接続されており、インバータ1から出力された3相交流出力により駆動する装置である。なお、インバータ1及びモータ2は3相交流以外のものであってもよい。
サージ電圧抑制回路3は、インバータ1とモータ2との間の電力供給線に直列に接続されており、コイル31−1〜31−3と、コンデンサ32−1〜32−3と、を含んでいる。ここで、コイル31−1はインバータ1とモータ2との間の電力供給線に直列に接続されており、コンデンサ32−1はコイル31−1に並列に接続されている。すなわち、コイル31−1と、コンデンサ32−1と、はLC並列共振回路を形成している。同様に、コイル31−2とコンデンサ32−2、コイル31−3とコンデンサ32−3もLC並列共振回路を形成している。
このようなLC並列共振回路は、固有の共振周波数fc[Hz]を有している。本実施形態に示すサージ電圧抑制回路3は、このLC並列共振回路の固有の共振周波数fc[Hz]をサージ電圧の変動周波数fs[Hz]と同じ周波数に設定することにより、インバータ1とモータ2との間の電力供給線に発生するサージ電圧を抑制している(なお、後述するように、ここで言う「同じ周波数」とは、サージ電圧の主要成分の周波数と共振周波数fc[Hz]とが同じ周波数であるという意味である)。
これを、図2を用いて説明する。図2は、サージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路の周波数対インピーダンス特性であり、横軸が周波数[Hz]で縦軸がインピーダンス[Ω]である。LC並列共振回路は、共振周波数fc[Hz]で、入出力インピーダンスが∞[Ω]となる。前述したように、LC並列共振回路の共振周波数fc[Hz]は、サージ電圧の変動周波数fs[Hz]と同じ周波数に設定されている。このため電力供給線に発生するサージ電圧は、サージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路がハイインピーダンス(∞[Ω])となることにより抑制される。
なお、サージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路の共振周波数fc[Hz]は、コイル31−1(〜31−3)のインダクタンス値をL[H]とし、コンデンサ32−1(〜32−3)のキャパシタンス値をC[F]とすると、
により設定することができる。
なお、サージ電圧の変動周波数fs[Hz]は、設計値等から得られる寄生成分に基づくシミュレーションにより求めてもよいし、実測によって求めてもよいし、それらの併用であってもよい。あるいは、サージ電圧の周波数スペクトラムをスペクトラムアナライザで解析して、これにサージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路の共振周波数fc[Hz]を合わせてもよい。これにより、よりサージ電圧の抑制効果の高いサージ電圧抑制回路3を実現することができる。
インバータ1及びモータ2の間に印加される電圧について図3を用いて説明する。図3の(a)は、サージ電圧抑制回路3をインバータ1及びモータ2の間の電力供給線に接続していないときの特性であり、横軸が時間t[μs]で縦軸が電圧v[V]である。図3の(a)に示すように、インバータ1からの出力によってモータ2の入力端電圧が印加されることにより、モータ2の巻線間には変動周期T[μs]のサージ電圧が印加される。このようなサージ電圧は、前述したように、モータ巻線の絶縁耐圧を超えてしまうと、モータ巻線を消耗させ、その寿命を縮めてしまい、また場合によっては破壊にもつながるため好ましいものではない。
図3の(b)は、サージ電圧抑制回路3をインバータ1及びモータ2の間の電力供給線に接続しているときの特性であり、横軸が時間t[μs]で縦軸が電圧v[V]である。図3の(b)に示すように、モータ2の入力端電圧が印加された際のモータ2の巻線間に発生するサージ電圧は、サージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路の共振周波数fc[Hz]がサージ電圧の変動周波数fs[Hz]と同じ周波数に設定されていることにより、そのピークレベルが抑制される。
このように、本実施形態に係るサージ電圧抑制回路は、インバータとモータとの間の電力供給線に直列に接続されたコイルと、コイルに並列接続されたコンデンサと、を含み、その並列共振周波数がサージ電圧の変動周波数と同じ周波数に設定されたLC並列共振回路を備えることにより、大型化を招かず、かつ、低コストでサージ電圧の抑制効果の高いサージ電圧抑制回路を実現することができる(なお、特許文献1〜4に記載されたような構成は、それをハイインピーダンス(∞[Ω])とするには、コイルそのものがハイインピーダンスの構成であるか、あるいは、フィルタを多数(∞個)接続しなければならず、本願のような大型化を招かず、かつ、低コストでサージ電圧の抑制効果の高いサージ電圧抑制回路を実現することはできない)。
また、モータ2の巻線間に発生するサージ電圧は、図3の(a)にも示すように、複数の周波数成分を有している。このような複数の周波数成分を含むサージ電圧を抑制するために、図4に示すように、サージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路のコンデンサ32−1〜32−3の各々に抵抗33−1〜33−3を直列に接続して、共振の鋭さQを低減してもよい。これにより、サージ電圧の波形に合わせたサージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路の共振周波数fc[Hz]の設定がしやすくなる。
なお、サージ電圧抑制回路3のLC並列共振回路の共振の鋭さQを低減するために、コイル31−1〜31−3の各々に抵抗を直列に接続する構成にしてもよいし、他の部位に抵抗を接続してもよい。
また、共振周波数fc[Hz]は、インバータ1とモータ2との間の寄生インダクタンス及びコイル31−1〜31−3の合成インダクタンスに基づいて設定してもよいし、インバータ1とモータ2との間の寄生キャパシタンス及びコンデンサ32−1〜32−3の合成キャパシタンスに基づいて設定してもよい。これにより、サージ電圧の波形に合わせたサージ電圧抑制回路3の共振周波数fc[Hz]をよりサージ電圧の変動周波数fs[Hz]と同じ周波数に設定しやすくなる。また、コイル31−1〜31−3は、モータ2のステータコアに巻きつけられてもよい。これにより、サージ電圧抑制回路3は、モータでの反射を抑え、サージ電圧が反射に伴い大きくなるのを押さえ込むことができる。
1 インバータ、2 モータ、3 サージ電圧抑制回路、31−1〜31−3 コイル、32−1〜32−3 コンデンサ、33−1〜33−3 抵抗。
Claims (5)
- インバータの出力によりモータを駆動する際にインバータとモータとの間の電力供給線に発生するサージ電圧を抑制するサージ電圧抑制回路であって、
前記インバータとモータとの間の電力供給線に直列に接続されたコイルと、前記コイルに並列接続されたコンデンサと、を含み、その並列共振周波数が前記サージ電圧の変動周波数と同じ周波数に設定されたLC並列共振回路を備えることを特徴とするサージ電圧抑制回路。 - 請求項1記載のサージ電圧抑制回路であって、
前記LC並列共振回路は、前記コンデンサに直列接続された抵抗を有することを特徴とするサージ電圧抑制回路。 - 請求項1又は2に記載のサージ電圧抑制回路であって、
前記共振周波数は、前記インバータとモータとの間の寄生インダクタンス及び前記コイルの合成インダクタンスに基づいて設定されていることを特徴とするサージ電圧抑制回路。 - 請求項1から3のいずれかに記載のサージ電圧抑制回路であって、
前記共振周波数は、前記インバータとモータとの間の寄生キャパシタンス及び前記コンデンサの合成キャパシタンスに基づいて設定されていることを特徴とするサージ電圧抑制回路。 - 請求項1から4のいずれかに記載のサージ電圧抑制回路であって、
前記コイルは、前記モータのステータコアに巻きつけられていることを特徴とするサージ電圧抑制回路。
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JP2007238024A JP2009071982A (ja) | 2007-09-13 | 2007-09-13 | サージ電圧抑制回路 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012239358A (ja) * | 2011-05-13 | 2012-12-06 | Nippon Soken Inc | 制御装置 |
-
2007
- 2007-09-13 JP JP2007238024A patent/JP2009071982A/ja not_active Withdrawn
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