JP2009071589A - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像中で階調のつぶれた平坦な部分についても階調をつけた階調補正が可能な画像処理装置および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像階調生成部11は、入力されたカラー画像に対し、ほとんど階調の変化がない平坦な画像あるいは画像領域について、例えば平滑化処理などにより階調の変化を持たせ、新たに階調を生成して階調生成画像とする。色分布解析部12は、画像階調生成部11で新たに階調を生成した階調生成画像の濃度ヒストグラムを作成して解析し、階調補正を行うための色階調曲線を生成する。色階調変換部13は、画像階調生成部11で生成した階調生成画像に対して、色分布解析部12で生成した色階調曲線を用いて階調変換を行う。入力されたカラー画像で階調がつぶれた平坦な色領域も階調が再現される。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関するものである。
デジタルカメラ等で撮影した自然画像は、撮影した機器の機種、メーカー、性能などの影響を受けるため、異なる機器で撮影すると異なった画質の画像になってしまう。そのため、画像を出力する前に、このような差を吸収するための画質調整が必要となる。また、撮影した画像の色と人が感じた色とが異なる場合もあり、そのような場合にも画質調整を行っている。
画質調整には、コントラスト補正、カラーバランス、彩度強調、イコライゼーションなど様々な種類があるが、一般的には入力側と出力側の値を対応づけた階調曲線を用いて行っている。このため、調整対象となる画像に適した階調曲線の生成方法が重要となる。
階調曲線は、一般的に原画像の画素信号のヒストグラムを参照して生成されることが多い。ヒストグラムに偏りがある場合、その偏りをなくすことが好ましい画質とされているためである。しかしながら、この方法だけで全ての画像が良好になるとは限らない。例えば、画像ではノイズに見える部分も、ヒストグラムでは埋もれてしまうため、ヒストグラムを参照して生成した階調曲線を用いて階調変換することで、逆にノイズが強調されることもある。
このような問題を解決するためには、原画像のヒストグラム情報のみでは対応できない。そこで、例えば、特許文献1に記載の階調補正方法によれば、まず原画像に低域透過フィルタを施し、画像をぼかす処理を行う。そして、ぼかされた画像から得られるヒストグラムを参照して階調曲線を生成し、その階調曲線を用いて原画像の階調変換を行う。このような処理によって、原画像に階調差が生じている部分、例えばノイズやエッジ部分では、ぼかすことにより階調の変化が周囲の画素に伝播し、これがヒストグラムに反映される。そのため、ノイズやエッジ部分についても、ヒストグラムを参照して生成した階調曲線によって、不自然に強調されることなく階調変換が行われる。
特開2005−303481号公報
本発明は、画像中で階調のつぶれた平坦な部分についても階調をつけた階調補正が可能な画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とするものである。
本願請求項1に記載の発明は、カラー画像に対して新たに階調を生成して階調生成画像とする階調生成手段と、前記階調生成画像の色分布を解析して色階調曲線を生成する色階調曲線生成手段と、前記階調生成画像に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行う階調変換手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置における前記階調生成手段が、前記カラー画像中のエッジの存在する領域に対してエッジの段差を緩和するフィルタリング処理を行うことで、新たな階調を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
本願請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置における前記階調生成手段が、前記カラー画像に対して方位選択性をもつ帯域通過型のフィルタを用いてフィルタリング処理を行うことで、新たな階調を生成することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置における前記階調変換手段が、前記階調生成画像に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行った画像と、前記カラー画像との加重平均を行うことを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項5に記載の発明は、カラー画像に対して調整対象となる対象領域を設定して領域設定画像とする領域設定手段と、前記カラー画像の中で前記領域設定画像が示す前記対象領域に対して新たに階調を生成して階調生成画像とする階調生成手段と、前記階調生成画像の中で前記対象領域の色分布を解析して色階調曲線を生成する色階調曲線生成手段と、前記階調生成画像の前記対象領域に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行う階調変換手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置における前記領域設定手段が、色空間における範囲を限定することで対象領域を設定することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の画像処理装置における前記階調生成手段が、前記カラー画像の中で前記領域設定画像が示す前記対象領域に対して、方位選択性をもつ帯域通過型のフィルタを用いてフィルタリング処理を行うことで、新たな階調を生成することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項8に記載の発明は、請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置における前記階調変換手段が、前記階調生成画像の前記対象領域に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行った画像と、前記カラー画像との加重平均を行うことを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項9に記載の発明は、コンピュータに、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
本願請求項1に記載の発明によれば、画像中で階調のつぶれた平坦な部分についても階調をつけた階調補正が可能な画像処理装置を提供することができる。
本願請求項2に記載の発明によれば、エッジの段差を緩和して新たな階調を生成して階調補正を行うことができる。
本願請求項3に記載の発明によれば、階調をつける方向を制御した上で階調補正を行うことができる。
本願請求項4に記載の発明によれば、過度な階調補正を抑制することができる。
本願請求項5に記載の発明によれば、画像中の対象領域について、階調のつぶれた平坦な部分についても階調をつけた階調補正が可能な画像処理装置を提供することができる。
本願請求項6に記載の発明によれば、調整対象となる対象領域を、色空間での範囲を限定することができ、特定の色範囲の領域を対象領域として階調補正を行うことができる。
本願請求項7に記載の発明によれば、階調をつける方向を制御した上で階調補正を行うことができる。
本願請求項8に記載の発明によれば、過度な階調補正を抑制することができる。
本願請求項9に記載の発明によれば、画像中で階調のつぶれた平坦な部分についても階調をつけた階調補正が可能な画像処理プログラムを提供することができる。
図1は、本発明の画像処理装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。図中、11は画像階調生成部、12は色分布解析部、13は色階調変換部である。なお、入力される画像は任意のカラー画像であってよいが、自然画像などであるとよい。
画像階調生成部11は、入力されたカラー画像に対して新たに階調を生成して階調生成画像とする。新たに階調を生成するとは、ほとんど階調の変化がない平坦な画像あるいは画像領域について、階調の変化を持たせることである。新たに階調を生成する方法としては、例えば平坦な画像領域の周囲に階調の段差が生じていれば、平滑化処理を行うことによって段差の近傍で階調が変化し、新たに階調を生成することができる。あるいは、帯域通過型のフィルタを用いることによって新たに階調を生成することもできる。特に方位選択性を持つ帯域通過型のフィルタを用いると、特定の方向について新たに階調を生成することができる。
色分布解析部12は、画像階調生成部11で新たに階調を生成した階調生成画像の色分布を解析して、階調補正を行うための色階調曲線を生成する。色分布の解析は、例えば色成分ごと、あるいは輝度または色度のヒストグラムを作成することにより行うことができる。また、色階調曲線は、作成したヒストグラムの平均または分散等から決定すればよく、γ曲線の係数などに反映させればよい。また、作成したヒストグラムに対してヒストグラムイコライゼーションを行うことにより、生成した色階調曲線に近づけてもよい。
色階調変換部13は、階調生成画像に対して色分布解析部12で生成した色階調曲線を用いて階調変換を行う。さらに、階調変換後の画像と入力されたカラー画像との加重平均を行うように構成してもよい。
上述の構成について、さらに詳細に説明してゆく。画像階調生成部11は、上述のように入力されたカラー画像に対して新たに階調を生成して階調生成画像とする。図2は、画像階調生成部の動作の一例の説明図である。図2(A)に示す例では、画像中に四角の平坦な色の領域が存在している。なお、図2ではカラー画像から輝度成分について示しているものとし、図示の都合上、階調の違いは斜線の粗密により示している。
図2(A)に示した画像に対して、例えば一方向に平滑化処理を施すことによって、四角のエッジ部分に存在する階調の段差を平滑化することによって、図2(B)に示したように、平坦であった四角の内部に階調を生成することができる。このとき生成された階調の変化は、図2(C)に示すようになっている。平滑化は、図2(C)に示すように単純計算により階調を生成するほか、例えばガウス関数などを用いた平滑化フィルタを用いてもよい。
あるいは、ガウス関数ではボケ過ぎる場合には、ON中心、OFF周辺型の帯域通過型フィルタを用いてもよい。ここでは、中心部に+の部分(ONの部分)が、また周辺部に−の部分(OFFの部分)が配置されているフィルタをON中心、OFF周辺型のフィルタと称している。図3は、帯域通過型フィルタの一例の説明図、図4は、帯域通過型フィルタの一例における応答特性の説明図である。図3に示す強調フィルタをG(x,y)とすると、例えば、以下の式で構成することができる。
G(x,y)=F(x,y,σe)−A・F(x,y,σi) (数式1)
F(x,y,σ)=(1/2πσ2 )・exp(−(x2 +y2 )/2σ2
ここで、σeはON(+の部分)の分散を、σiはOFF(−の部分)の分散を、AはONとOFFの強さの関係を制御するパラメータである。
上記のようなフィルタを用いてフィルタリングを行った場合の応答特性は、図4に示すようになる。なお、図4においては図4(A)に示すx軸に沿った応答特性を図4(B)に示している。もちろん、図3に示したフィルタは2次元のフィルタであるから、図4に示す応答特性は2次元的に得られるものである。
入力されたカラー画像の画素値をI(X,Y)、図4に示した応答特性の値をw(X,Y)として、新たに階調を生成した階調生成画像I’(X,Y)は、例えば以下のように表すことができる。
I’(X,Y)=I(X,Y)+k・w(X,Y)・I(X,Y) (数式2)
ここで、kは、応答特性の反映度合いを制御するパラメータで、階調差を制御することができる。
以上のようにすることで、平坦な画像部分に新たに階調を生成することができる。なお、数式1によりフィルタリング処理を行うと、輪郭を縁取るような階調が生成される。図2に示したような一方向からの階調の生成を行いたい場合は、数式1をxあるいはyのいずれか一方で表し(図4の1次元表示のような特性のフィルタとなる)、画像のラインごとに1次元のフィルタリングを行えばよい。以下の説明では、図2に示したような一方向について新たな階調の生成が行われたものとして説明を行う。また、上述の階調の生成処理は、入力されたカラー画像の色空間が例えばYCbCrであるとすると、Yのような輝度成分の階調に限らず、CbCrの色度成分で行ってもよい。
図5は、画像階調生成部による処理前後の濃度ヒストグラムの具体例の説明図である。図2(A)に示した画像では、四角の領域は色が平坦であるので、この領域の濃度ヒストグラムは図5(A)に示すように単色にピークを持つグラフとなる。画像階調生成部11で図2(B)に示すように新たに階調を生成することによって、濃度ヒストグラムは図5(B)に示すようになる。なお、濃度ヒストグラムの形状は、平滑化の際のパラメータによって変更することができる。また、階調の生成方法によっても、階調生成後の画像の濃度ヒストグラムは変わる。しかし、いずれにしても新たな階調の生成によって周辺の濃度に広がった形状となる。
色分布解析部12では、階調生成画像の濃度ヒストグラムを解析し、階調変換を行うための階調曲線を生成する。図6は、色分布解析部12で生成する階調曲線の一例とその階調曲線を用いて階調変換した後の濃度ヒストグラムの一例の説明図である。例えば、画像全体を明るくしたい場合には、図6(A)に示すように変換後の濃度が明るくなるような階調曲線を生成する。また、暗い部分での階調性を高めたい場合には図6(C)に示すような階調曲線を生成すればよい。どのような階調曲線を生成するかは、階調生成画像の濃度の平均値および分散などと所定の濃度の平均値および分散などとを比較することにより決定すればよい。階調曲線は、例えば一般に階調変換の際に用いているガンマカーブの係数を調整することにより決定してもよい。あるいは、一般的なヒストグラムイコライゼーションで生成される階調曲線あるいはその曲線へ近づけた階調曲線を用いてもよい。
色階調変換部13では、色分布解析部12で生成した階調曲線を用いて、階調生成画像に対して階調変換を行う。例えば色分布解析部12で図6(A)に示すような階調曲線を生成した場合、この階調曲線を用いて図2(B)に示した階調生成画像に対して階調変換を行うことによって、変換後の画像の濃度ヒストグラムは図6(B)に示すようになる。図6(B)には階調生成前の濃度ヒストグラムおよび階調変換前の階調生成画像の濃度ヒストグラムも示している。このように、図6(A)に示した階調曲線を用いることによって、濃度ヒストグラムを明るい方向に広げ、画像を明るくすることができる。
また、色分布解析部12で図6(C)に示すような階調曲線を生成した場合、この階調曲線を用いて図2(B)に示した階調生成画像に対して階調変換を行うことによって、変換後の画像の濃度ヒストグラムは図6(D)に示すようになる。このように、図6(C)に示した階調曲線を用いることによって、濃度ヒストグラムを暗い方向に広げることができる。
図7は、出力される画像の一例の説明図である。ここでは図2(A)に示した入力されたカラー画像の一例を図7(A)に示し、また、図2(B)に示した階調生成画像の一例を図7(B)に示している。そして、図7(B)に示した階調生成画像に対して図6(C)に示した階調曲線を用いて階調変換を行った結果を図7(C)に示している。図7(C)を参照すると、図7(A)に四角で示した平坦な階調部分についても階調をつけた階調補正が行われているのが分かる。 この図7(C)に示した画像が図7(A)に対する処理結果として出力されることになる。
例えば、画像階調生成部11で新たな階調を生成せずに、図2(A)に示した画像に対して色分布解析部12および色階調変換部13の処理を行った場合には、図6(B)、(D)に示した階調生成前のピーク状の濃度ヒストグラムが明るい側または暗い側に移動するだけであり、画像中の濃度が平坦な部分については、濃度は平坦なままである。
以上の説明では、濃度について階調生成処理を行った後で、色階調変換処理を行う例を示した。例えば、入力されたカラー画像がRGB成分で表されている場合は、画像階調生成部11で例えばYCbCr成分に変換し、輝度を表すYについて階調生成処理を行い、色分布解析部12、色階調変換部13を経て、階調変換後のYCbCr成分の画像をRGB成分の画像に変換して出力画像とすればよい。ただし、本発明においては、輝度成分だけでなく、色度成分についても処理を行ってもよい。もちろん、例えばLab成分などのようにYCrCb成分以外に変換してもよいし、色度成分にも処理を行うのであればRGB成分のままで各成分について本発明の処理を行ってもよい。
また、色階調変換部13においては、階調変換処理を行った後に、入力カラー画像(原画像)との加重平均を算出して出力画像とし、過度な補正を抑制してもよい。例えば、原画像の(X,Y)の位置にある画素の信号をp(X,Y)、階調曲線による階調変換後の画素の信号をp’(X,Y)、それぞれの加重をw1 、w2 とし、色階調変換部13からの出力画像の画素の信号P(X,Y)を、以下のように計算してもよい。
P(X,Y)=(w1 p(X,Y)+w2 p’(X,Y))/(w1 +w2 ) (数式3)
例えば、入力されたカラー画像がRGB信号であれば、RGBのそれぞれの成分に対して、数式3を用いて加重平均を行えばよい。
さらに、画像階調生成部11における階調生成の処理は、画像中に階調が存在していれば不要な処理である。従って、階調生成の処理の前に、入力されたカラー画像中に階調が存在していないと見なせるほど、カラー画像が平坦な画像であるか否かを判定し、平坦な画像と判定した場合に階調生成の処理を行うように構成してもよい。
図8は、本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。図中、21は対象領域設定部である。上述の第1の実施の形態では、処理対象をカラー画像全体としているが、この第2の実施の形態では、特定の色領域について階調変換を行う例を示している。例えば、人物画像において、顔全体が明るく階調がつぶれているような場合、第1の実施の形態に示す処理で新たに階調を生成し、階調曲線に従って階調変換を行うことで、顔の部分に階調が生成されて再現されることになるが、他の部分についても階調変換されるため、画像全体としては不自然になることがある。この第2の実施の形態では、このような場合に肌色領域については階調生成して階調変換するが、他の色領域については階調生成および階調変換を行わないようにする。そのための構成として、対象領域設定部21を設けている。
対象領域設定部21は、入力されたカラー画像に対して調整対象となる対象領域を設定して領域設定画像とする。特に、色空間における範囲を限定することで対象領域を設定するとよい。例えば、顔の肌色の領域を色空間において特定し、その肌色の領域の色を使用しているカラー画像中の領域を調整対象として設定すればよい。もちろん、カラー画像中で任意に対象領域を設定してもかまわない。
図9は、色空間において調整対象とする色領域の一例の説明図、図10は、カラー画像において設定された対象領域の一例の説明図である。図9においては、色空間をYCbCrとし、CbCr平面上で肌領域の範囲を設定した例を示している。そして、このように設定された肌領域の範囲の色を含むカラー画像中の領域を対象領域として設定する。例えば図10(A)に示す人物画像では、図10(B)に示すように顔や手などの肌色の領域が対象領域として設定され、領域設定画像となる。なお、図10(A)に示す画像は実際にはカラー画像であるが、図示の都合上、人物画像であることが分かる程度の線画として示している。この例では肌色の部分を調整対象とする例を示しているが、これに限らず、調整対象として色領域の範囲を任意に設定し、その色が含まれるカラー画像中の領域を対象領域とすればよい。
対象領域の設定方法はこの例に限られるものではなく、例えばある色を与えて、その色からの色空間上の距離により色の範囲を設定してもよい。また、例えば肌色の抽出精度を高めたい場合には、特開2006−155595号公報に記載されている肌色抽出方法などの公知の色領域抽出方法を適用して対象領域を設定してもよい。
画像階調生成部11では、第1の実施の形態で説明したように新たに階調を生成するが、この第2の実施の形態では、対象領域に対して、新たに階調を生成する。もちろん第1の実施の形態で説明した方法でよいが、ここでは上述の帯域通過型フィルタに方位選択性を持たせたフィルタを用いた例を示す。なお、以下に示したフィルタの例は、上述の第1の実施の形態でも適用可能である。
図11は、方位選択性をもつ帯域通過型フィルタの一例の説明図である。図11(A)はフィルタ特性を3次元的に示したものであり、図11(B)ないし(E)は2次元的に示したものである。図11(B)ないし(E)では図示の都合上、値の違いを斜線の密度や向きなどによって示している。図3と比較して分かるように、図3のピークおよびそのピークを挟む谷部が特定の方向に延在した形状のフィルタ特性を有している。
例えば図11(A)および(D)に示した90度方向のフィルタH(x,y)は、次の式により得られる。
H(x,y)=(J(x,σx,e )−J(x,σx,i ))・J(y,σy ) (数式4)
J(t,σ)=(1/(2π)1/2 σ2 )・exp(−x2 /2σ2
ここで、パラメータσx,e とσx,i は数式1で説明したようにON(+の部分)、OFF(−の部分)の分散を決定するものであり、σyは、さらに、特定方向の分散を制御するパラメータである。このようなフィルタを回転させれば、図11(B)、(C)、(E)に示した角度のフィルタ、あるいはそのほかの角度のフィルタが構成される。例えば人物の顔領域など、特定の対象については階調処理に方向性を持たせた方が再現性が向上する場合があり、そのような対象については、その対象に合わせた方向の方位選択性を持つ帯域通過型フィルタを適用するとよい。
図12は、階調生成画像の別の例の説明図である。図10(A)に示した人物画像について、図10(B)に示した領域設定画像により示された対象領域に対して、上述の90度の方位選択性をもつ帯域通過型フィルタを適用した例を示している。図示の都合上、階調は斜線の密度および方向などにより概略を示している。このように、設定されている対象領域について、新たに階調が生成される。
図13は、画像階調生成部による処理前後の濃度ヒストグラムの別の具体例の説明図である。ここでは、図10(B)の領域設定画像により示された顔および手の対象領域が、例えば光の照射などにより白抜けして階調がつぶれている場合を想定している。このような場合、対象領域の色は平坦になり、その濃度ヒストグラムは図13(A)に示すように明るい領域に画素が集中し、急峻なピークを示す。上述のように新たに階調を生成することによって、濃度ヒストグラムは図13(B)に示すようになる。
色分布解析部12では、第1の実施の形態で説明したように階調生成画像の濃度ヒストグラムをもとに階調曲線を生成する。この際に、領域設定画像により示されている対象領域について行う。図14は、色分布解析部12で生成する階調曲線の別の例とその階調曲線を用いて階調変換した後の濃度ヒストグラムの別の例の説明図である。例えば図10(A)に示した人物画像の場合には、図10(B)の領域設定画像により示された顔および手の対象領域について、階調生成画像の濃度ヒストグラムを解析することにより階調曲線を生成する。この場合の階調生成画像の濃度ヒストグラムは図13(B)のようになる。ここでは白抜けして階調がつぶれていることを想定しているので、明るい領域における階調を広げるような階調曲線を生成するとよい。図14(A)はそのような場合の階調曲線の例を示している。
色階調変換部13では、第1の実施の形態で説明したように色分布解析部12で生成した階調曲線を用いて階調生成画像に対して階調変換を行うが、この際に、領域設定画像により示されている対象領域について行う。例えば図10(A)に示した人物画像の場合には、図10(B)の領域設定画像により示された顔および手の対象領域が階調変換の対象となり、この対象領域が階調曲線に従って階調変換される。この例では、顔や手などの白抜けして階調がつぶれている部分でも、生成した階調が強調され、濃淡が表現されることになる。図15は、出力される画像の別の例の説明図である。図10(A)に示した人物画像は、図15に示すように顔や手の部分について白抜けは解消され、濃淡が表現された質感のある画像が得られる。この場合の濃度ヒストグラムを図14(B)に示している。この濃度ヒストグラムからも、顔や手の階調が表現されていることがわかる。例えば階調を生成せずに階調曲線に従って階調変換を行うと、階調変換により色は調整されるものの、階調のつぶれは解消していないので、顔や手は平坦な色のままとなる。
なお、対象領域の境界部で画像が不自然になる場合には、対象領域の境界をぼかすことによって改善が図られる。また、例えば対象領域設定部21において各画素について色空間における特定の色からの距離に応じた重みを算出し、その重みに従って画像階調生成部11におけるフィルタリング処理の適用を制御してもよい。例えば特定の色を肌色とする場合、予め与えた肌色あるいは統計分布から得られた肌色に近いほど重みを大きくし、離れるほど重みを小さくしておく。そして、画像階調生成部11でフィルタリング処理を行う際に、肌色に近いほど強くフィルタリング処理が行われ、肌色から遠いほどフィルタリング処理が弱くなるようにする。これにより、特定の色とした肌色に近いほど階調の生成が行われ、肌色と違う色ほど階調生成は行われなくなって、肌色に近い色について階調生成及び階調変換処理が行われることになる。もちろん特定の色は肌色に限られないことは言うまでもない。また、上述のように対象領域を設定する場合についても、重み付けによるフィルタリング処理の制御を行ってもよい。もちろん、第1の実施の形態で説明したように、入力されたカラー画像との加重平均を算出するなど、種々の変形を行ってもよい。
図16は、本発明の各実施の形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。図中、31はプログラム、32はコンピュータ、41は光磁気ディスク、42は光ディスク、43は磁気ディスク、44はメモリ、51はCPU(Central Processing Unit)、52は内部メモリ、53は読取部、54はハードディスク、55はインタフェース、56は通信部である。
上述の各実施の形態で説明した各部の機能の一部または全部を、コンピュータにより実行可能なプログラム31によって実現してもよい。その場合、そのプログラム31およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶させておけばよい。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取部53に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取部53にプログラムの記述内容を伝達するものである。例えば、光磁気ディスク41,光ディスク42(CDやDVDなどを含む)、磁気ディスク43,メモリ44(ICカード、メモリカードなどを含む)等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
これらの記憶媒体にプログラム31を格納しておき、例えばコンピュータ32の読取部53あるいはインタフェース55にこれらの記憶媒体を装着することによって、コンピュータからプログラム31を読み出し、内部メモリ52またはハードディスク54に記憶し、CPU51によってプログラム31を実行することによって、本発明の各実施の形態で説明した機能の全部または一部が実現される。あるいは、ネットワークなどを介してプログラム31をコンピュータ32に転送し、コンピュータ32では通信部56でプログラム31を受信して内部メモリ52またはハードディスク54に記憶し、CPU51によってプログラム31を実行することによって、本発明の各実施の形態で説明した機能の全部または一部を実現してもよい。なお、コンピュータ32には、このほかインタフェース55を介して様々な装置と接続してもよく、例えば画像形成手段が接続され、階調変換後の出力画像を画像形成手段で形成するように構成してもよい。このほか、情報を表示する表示装置やユーザが情報を入力する入力装置等が接続されていてもよい。
もちろん、一部の機能についてハードウェアによって構成してもよいし、すべてをハードウェアで構成してもよい。あるいは、他の構成とともに本発明も含めたプログラムとして構成してもよい。
本発明の画像処理装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。 画像階調生成部の動作の一例の説明図である。 帯域通過型フィルタの一例の説明図である。 帯域通過型フィルタの一例における応答特性の説明図である。 画像階調生成部による処理前後の濃度ヒストグラムの具体例の説明図である。 色分布解析部12で生成する階調曲線の一例とその階調曲線を用いて階調変換した後の濃度ヒストグラムの一例の説明図である。 出力される画像の一例の説明図である。 本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。 色空間において調整対象とする色領域の一例の説明図である。 カラー画像において設定された対象領域の一例の説明図である。 方位選択性をもつ帯域通過型フィルタの一例の説明図である。 階調生成画像の別の例の説明図である。 画像階調生成部による処理前後の濃度ヒストグラムの別の具体例の説明図である。 色分布解析部12で生成する階調曲線の別の例とその階調曲線を用いて階調変換した後の濃度ヒストグラムの別の例の説明図である。 出力される画像の別の例の説明図である。 本発明の各実施の形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。
符号の説明
11…画像階調生成部、12…色分布解析部、13…色階調変換部、21…対象領域設定部、31…プログラム、32…コンピュータ、41…光磁気ディスク、42…光ディスク、43…磁気ディスク、44…メモリ、51…CPU、52…内部メモリ、53…読取部、54…ハードディスク、55…インタフェース、56…通信部。

Claims (9)

  1. カラー画像に対して新たに階調を生成して階調生成画像とする階調生成手段と、前記階調生成画像の色分布を解析して色階調曲線を生成する色階調曲線生成手段と、前記階調生成画像に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行う階調変換手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記階調生成手段は、前記カラー画像中のエッジの存在する領域に対してエッジの段差を緩和するフィルタリング処理を行うことで、新たな階調を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記階調生成手段は、前記カラー画像に対して方位選択性をもつ帯域通過型のフィルタを用いてフィルタリング処理を行うことで、新たな階調を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記階調変換手段は、前記階調生成画像に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行った画像と、前記カラー画像との加重平均を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. カラー画像に対して調整対象となる対象領域を設定して領域設定画像とする領域設定手段と、前記カラー画像の中で前記領域設定画像が示す前記対象領域に対して新たに階調を生成して階調生成画像とする階調生成手段と、前記階調生成画像の中で前記対象領域の色分布を解析して色階調曲線を生成する色階調曲線生成手段と、前記階調生成画像の前記対象領域に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行う階調変換手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記領域設定手段は、色空間における範囲を限定することで対象領域を設定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記階調生成手段は、前記カラー画像の中で前記領域設定画像が示す前記対象領域に対して、方位選択性をもつ帯域通過型のフィルタを用いてフィルタリング処理を行うことで、新たな階調を生成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記階調変換手段は、前記階調生成画像の前記対象領域に対して前記色階調曲線を用いて階調変換を行った画像と、前記カラー画像との加重平均を行うことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. コンピュータに、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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