JP2009067335A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ホイールシリンダ圧の検出により、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行うセンサの異常判定を行うことができるブレーキ制御装置を提供すること。
【解決手段】 ブラシレスモータ33を所定制御量駆動した際、圧力センサ16〜20によりブレーキ液圧を検出し、この際のブレーキ液圧とブラシレスモータ33の所定制御量駆動時に発生する予め算出された液圧とを比較することによる、ポンプユニット50及びバルブユニット51の異常判断を行うブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電動モータによって制動力のためのホイールシリンダ圧を発生させるブレーキ制御装置の技術分野に属する。
従来では、ポンプを駆動する電動モータの回転回数を累積回転回数検出装置によって検出し、そこからポンプから吐出された累積吐出量、さらにホイールシリンダ圧を推定し、この推定値と、検出値との差が所定範囲内にあるかどうかで異常かどうかの判断を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−118388号公報
しかしながら、従来にあっては、ホイールシリンダ圧を検出するセンサに異常があると、異常検出が困難になる問題があった。
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、ホイールシリンダ圧の検出により、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行うセンサの異常判定を行うことができるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のブレーキ制御装置では、モータを所定量駆動した際の実吐出圧及び実ホイールシリンダ圧と、予め設定された吐出圧及びホイールシリンダ圧の比較を行うようにして、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行うセンサの異常判定を行うことができる。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実現する実施の形態を説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のブレーキ制御装置を用いている車両のブレーキシステムを示す説明図である。
実施例1では車両1のブレーキシステムとして、いわゆるバイワイヤ型のブレーキシステムを用いている。
このバイワイヤ型のブレーキシステムにおいては、バイワイヤ制御の際の操作側とブレーキ動作側とに分けることができ、液圧ラインと信号ラインで接続した構造となっている。
本ブレーキシステムの操作側は、ブレーキペダル3、マスターシリンダ4、踏力センサ5、ストロークシミュレータ6、ストロークセンサ7、メインECU100を主要なシステム構成としている。
ブレーキペダル3は踏み込み操作によりマスターシリンダ4を動作させる。
マスターシリンダ4は、リザーバタンク37から供給されるブレーキ液をシリンダの動作によりブレーキ液配管8a、8bへ圧送する。
踏力センサ5は、ブレーキペダル3への踏み込み操作の際の踏力を検出する。検出結果はメインECU100へ出力される。
ストロークシミュレータ6は、マスターシリンダ圧の変化に応じてストローク動作を行う。この動作によりブレーキペダル3への適度な反力が形成され、良好な踏み込み操作感を生成する。
ストロークセンサ7は、ストロークシミュレータ6のストローク動作のストローク量を検出し、検出結果をメインECU100へ出力する。
メインECU100は、ストロークセンサ7からのストローク量、踏力センサ5からの踏力に基づいて、各輪(FR,FL,RR,RL)それぞれのホイールシリンダ圧の制御目標を設定し、ブレーキコントロールユニット70に出力する。
なお、メインECU100は車両1のエンジン14の制御を行う。
次に本ブレーキシステムのブレーキ動作側について説明する。
ブレーキ動作側は、ポンプユニット50とバルブユニット51により構成される。
ポンプユニット50は、通常制御時に、ブレーキコントロールユニット70の制御に従って、メインECU100で設定した制御目標のホイールシリンダ圧が達成されるようリザーバタンク37から供給されるブレーキ液を所定量吐出する。
バルブユニット51は、ポンプユニット50からのブレーキ液をブレーキ液配管43、9a〜9dにより各輪それぞれのホイールシリンダ10〜13へ送る液量制御及び液路制御を複数弁により行う。油圧回路構成については後述する。
ブレーキコントロールユニット70は、メインECU100からの指令に従って、ポンプユニット50及びバルブユニット51を制御する。
このブレーキシステム構成により各輪のホイールシリンダ10〜13のホイールシリンダ圧が制御されることで、車両1の高度なブレーキ制御がバイワイヤで行われる。そして、フェール時には、メインECU100、ブレーキコントロールユニット70によりバルブユニット51を制御する。この制御では、マスターシリンダ4からブレーキ配管8a、8bへの経路により得られるブレーキ液圧を、直接ブレーキ配管9b、9cへ送るようにして、ブレーキペダル3を踏み込むマニュアル動作で、フロント輪のホイールシリンダ圧を制御する。
図2は実施例1のメインECUとブレーキコントロールユニットの間の通信システムの概要図である。
メインECU100には、ストロークセンサ7からのストローク量検出値、踏力センサ5からの踏力検出値が入力される。また、メインECU100には、イグニッションスイッチ81からのIGN信号、ドアスイッチ82からの開閉信号、運転席シート着座スイッチ83からの着座状態を示す信号、ブレーキランプスイッチ84からのランプのオンオフを示す信号が入力される。これらは、メインECU100が、ブレーキコントロールユニット70へブレーキ制御の指令出力をすべきかどうか等の判断を行うための車両状態を知るために入力される。
ブレーキコントロールユニット70は、メインECU100からの指令、及び相互に交換される情報と、マスターシリンダ圧を検出する圧力センサ21、22からの検出値に基づいて、複数の弁の制御を行う。
図3は実施例1のブレーキ制御装置の油圧回路構成図である。
実施例1におけるブレーキ制御装置の油圧回路構成について、ブレーキシステムに対応して、操作側と、ポンプユニット50及びバルブユニット51を主構成とするブレーキ動作側に分けて以下に説明する。
ブレーキシステムの操作側に対応する油圧回路部分は、ブレーキペダル3、マスターシリンダ4、踏力センサ5、ストロークシミュレータ6、ストロークセンサ7、キャンセル弁15、リザーバタンク37、液面低下スイッチ38を主要な構成としている。
ブレーキペダル3はマスターシリンダ4を動作させるよう配置され、マスターシリンダ4は、リザーバタンク37からブレーキ液を供給されるよう液路が接続され、ブレーキ液配管8a、8bへ吐出する液路構成にする。
このブレーキ液配管8a、8bは後述するバルブユニット51へ接続されている。
ストロークシミュレータ6は、マスターシリンダ4とバルブユニット51を接続するブレーキ液配管8aの途中と接続させて設ける。そして、マスターシリンダ4からブレーキ液配管8a、8bへのブレーキ液の圧送により生じるマスターシリンダ圧の変化に応じてストローク動作を行う。
キャンセル弁15は、ブレーキ液配管8aとストロークセンサ7を接続するブレーキ液配管部分の途中に設けられ、ブレーキ液配管8aとストロークセンサ7との間のブレーキ液路の連通、非連通を切り替える。なお、キャンセル弁15は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。
リザーバタンク37は、ブレーキ液を収容し、マスターシリンダ4及びポンプユニット50の液溜り39へブレーキ液を供給する。
液面低下スイッチ38は、リザーバタンク37で収容しているブレーキ液の液面が所定液面位置以下になることを検出し、メインECU100へ出力する。
次にこのブレーキシステムのブレーキ動作側について説明する。
ブレーキ動作側は、ポンプユニット50とバルブユニット51を主な構成としている。
ポンプユニット50は、ブラシレスモータ33、ギヤポンプ34、液溜り39を主要な構成としている。
ブラシレスモータ33は、ブレーキコントロールユニット70の制御によりギヤポンプ34を駆動する。ブラシレスモータ33のモータ構造は、ブラシレス構造にしている。
ギヤポンプ34は、液溜り39から、ホイールシリンダ10〜13へブレーキ液を供給するブレーキ液配管43への液路の途中に設けられ、ブラシレスモータ33の駆動で作動し、ブレーキ液を吐出する。
次にバルブユニット51について説明する。
バルブユニット51は、圧力センサ17〜22、遮断弁23、24、増圧弁25〜28、減圧弁29〜32、モータ35、ポンプ36、チェック弁40、41、リリーフ弁42、ブレーキ液配管43、44、9a〜9dを主要な構成としている。
圧力センサ17は、増圧弁25と減圧弁29の間の液路と、ホイールシリンダ10とを接続するブレーキ液配管9aにおける圧力を検出するよう設けられ、ホイールシリンダ10のホイールシリンダ圧を検出する。
圧力センサ18は、増圧弁26と減圧弁30の間の液路と、ホイールシリンダ11とを接続するブレーキ液配管9bにおける圧力を検出するよう設けられ、ホイールシリンダ11のホイールシリンダ圧を検出する。
圧力センサ19は、増圧弁27と減圧弁31の間の液路と、ホイールシリンダ12とを接続するブレーキ液配管9cにおける圧力を検出するよう設けられ、ホイールシリンダ12のホイールシリンダ圧を検出する。
圧力センサ20は、増圧弁28と減圧弁32の間の液路と、ホイールシリンダ13とを接続するブレーキ液配管9dにおける圧力を検出するよう設けられ、ホイールシリンダ13のホイールシリンダ圧を検出する。
遮断弁23は、マスターシリンダ4と、ブレーキ液配管9bとを接続して液路を形成するブレーキ液配管8aの途中に設けられ、マスターシリンダ4からのブレーキ液のホイールシリンダ11への供給状態と遮断状態を切り替える。なお、遮断弁23は、非通電時に開となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。
遮断弁24は、マスターシリンダ4と、ブレーキ液配管9cとを接続して液路を形成するブレーキ液配管8bの途中に設けられ、マスターシリンダ4からのブレーキ液のホイールシリンダ12への供給状態と遮断状態を切り替える。なお、遮断弁24は、非通電時に開となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。
増圧弁25は、ブレーキ液配管43と、ブレーキ液配管44を接続する液路において、ブレーキ液配管9aとの接続部分と、ブレーキ液配管43との接続部分の間に設けられる。なお、増圧弁25は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより増圧弁25は、ギヤポンプ34からのブレーキ液をホイールシリンダ10へ供給して増圧する弁となる。
増圧弁26は、ブレーキ液配管43と、ブレーキ液配管44を接続する液路において、ブレーキ液配管9bとの接続部分と、ブレーキ液配管43との接続部分の間に設けられる。なお、増圧弁26は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより増圧弁26は、ギヤポンプ34からのブレーキ液をホイールシリンダ11へ供給して増圧する弁となる。
増圧弁27は、ブレーキ液配管43と、ブレーキ液配管44を接続する液路において、ブレーキ液配管9cとの接続部分と、ブレーキ液配管43との接続部分の間に設けられる。なお、増圧弁27は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより増圧弁27は、ギヤポンプ34からのブレーキ液をホイールシリンダ12へ供給して増圧する弁となる。
増圧弁28は、ブレーキ液配管43の端部と、ブレーキ液配管44の端部を接続する液路において、ブレーキ液配管9dとの接続部分と、ブレーキ液配管43との接続部分の間に設けられる。なお、増圧弁28は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより増圧弁28は、ギヤポンプ34からのブレーキ液をホイールシリンダ13へ供給して増圧する弁となる。
減圧弁29は、ブレーキ液配管43と、ブレーキ液配管44を接続する液路において、ブレーキ液配管9aとの接続部分と、ブレーキ液配管44との接続部分の間に設けられる。なお、減圧弁29は、非通電時に開となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより減圧弁29は、ホイールシリンダ10へ供給されたブレーキ液によるホイールシリンダ圧を減圧する弁となる。
減圧弁30は、ブレーキ液配管43と、ブレーキ液配管44を接続する液路において、ブレーキ液配管9bとの接続部分と、ブレーキ液配管44との接続部分の間に設けられる。なお、減圧弁30は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより減圧弁30は、ホイールシリンダ11へ供給されたブレーキ液によるホイールシリンダ圧を減圧する弁となる。
減圧弁31は、ブレーキ液配管43と、ブレーキ液配管44を接続する液路において、ブレーキ液配管9cとの接続部分と、ブレーキ液配管44との接続部分の間に設けられる。なお、減圧弁31は、非通電時に閉となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより減圧弁31は、ホイールシリンダ12へ供給されたブレーキ液によるホイールシリンダ圧を減圧する弁となる。
減圧弁32は、ブレーキ液配管43の端部と、ブレーキ液配管44の端部を接続する液路において、ブレーキ液配管9dとの接続部分と、ブレーキ液配管44との接続部分の間に設けられる。なお、減圧弁32は、非通電時に開となるソレノイド弁であり、ブレーキコントロールユニット70により制御される。これにより減圧弁32は、ホイールシリンダ13へ供給されたブレーキ液によるホイールシリンダ圧を減圧する弁となる。
モータ35は、ブレーキコントロールユニット70の制御により、ポンプ36を駆動する。
ポンプ36は、ギヤポンプ34を設けた液路とは別に、液溜り39から、ホイールシリンダ10〜13へブレーキ液を供給するブレーキ液配管43への液路の途中に設けられる。そして、モータ35の駆動で作動し、ホイールシリンダ側のブレーキ液圧を高めるようにブレーキ液を吐出する。なお、モータ35、ポンプ36は、異常等の際にブラシレスモータ33、ギヤポンプ34に代わって作動する。そのため、通常制御状態では、ほとんど作動しないことになる。
チェック弁40は、ギヤポンプ34と、ブレーキ液配管43を接続する液路の途中に設けられ、ギヤポンプ34からホイールシリンダ側への液路の移動を許可し、ホイールシリンダ側からギヤポンプ34への液路の移動を禁止する逆止弁である。
チェック弁41は、ポンプ36と、ブレーキ液配管43を接続する液路の途中に設けられ、ポンプ36からホイールシリンダ側への液路の移動を許可し、ホイールシリンダ側からポンプ36への液路の移動を禁止する逆止弁である。
リリーフ弁42は、ブレーキ液配管43におけるチェック弁41との接続部分とブレーキ液配管44との接続部分との間に設けられ、チェック弁41との接続部分側、つまりホイールシリンダ側の液圧が所定値以上になると、その分のブレーキ液の液圧をブレーキ液配管44との接続部分側、つまりギヤポンプ34、ポンプ36の上流側へ逃がす弁である。
ブレーキ液配管43は、両端部を増圧弁28と、ブレーキ液配管44の端部にそれぞれ接続し、その途中に、増圧弁25〜27、圧力センサ16、チェック弁40、41、が接続され、途中に上記説明のようにリリーフ弁42が設けられる。
ブレーキ液配管44は、両端部を減圧弁32と、ブレーキ液配管43の端部にそれぞれ接続し、その途中に、減圧弁29〜31が接続される。ブレーキ液配管43の端部とブレーキ液配管44の端部の接続合流部分は、ポンプユニット50の液溜り39とポンプ36を接続する液路の途中に液路を設けて接続される。
作用を説明する。
実施例1のブレーキ制御装置では、予め得られているブラシレスモータ33の所定制御量駆動の際のギヤポンプ34の作動による各部の液圧値と、各センサによる検出値を比較することにより、異常の発生の有無と、異常個所の特定を行う。
以下の説明においては、圧力センサ16の検出値をP1、圧力センサ17の検出値をP4、圧力センサ18の検出値をP2、圧力センサ19の検出値をP3、圧力センサ20の検出値をP5、圧力センサ21の検出値をP6、圧力センサ22の検出値をP7とする。
図4は実施例1における正常時のFR輪でのポンプユニットとバルブユニットの各制御状態における圧力センサの出力値の例を示すグラフ図である。
以下のステップ説明において、+ΔP、−ΔPは、図4に示すように、所定液圧範囲を示すものとなる。言い換えると誤差等を考慮した圧力推定値の範囲を示すものである。
図4についての詳細は、後述する。
[起動時のブレーキ制御処理]
図5は実施例1のブレーキ制御装置における起動時にブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下各ステップについて説明する。
ステップS79では、ブラシレスモータ33の駆動によるギヤポンプ34の動作により所定の液圧を各部に生じさせ、検出圧との比較を行う。この比較は、起動時に行う。そのため、ブレーキコントロールユニット70は、起動すると、まずブレーキ装置内の残圧処理を行う。残圧処理は、具体的には、図3の増圧弁25〜28と、減圧弁29〜32を全て開けて、ブレーキ液配管8a、8bのマスターシリンダ圧、ブレーキ液配管43、44の内部圧、ブレーキ液配管9a〜9d、ホイールシリンダ10〜13のホイールシリンダ圧を0(MPa)の状態に戻す処理である。言い換えると液圧を初期化するとも言える。
ステップS80では、圧力センサのオフセット異常診断を行う。圧力センサオフセット異常診断の具体的な処理内容は、図6のステップS101〜S120に示すものとなる。この圧力センサオフセット異常診断では、全ての圧力センサ16〜22の出力である検出液圧P1〜P7が0(MPa)相当の液圧推定値P00付近の値となっているかどうかを確認し、センサ自体のオフセット異常、つまり0値ずれが生じていないかどうかを診断する。
なお、液圧推定値P00付近の値において、±ΔPで挟まれる範囲は、目標センサ出力に対してのばらつきを含めた範囲であり、目標液圧値はこの±ΔPを含めた範囲で出力される。
ステップS81では、ギヤポンプ34によりブレーキ液配管43に吐出圧推定値P01を生じさせるよう予め設定された制御量分、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動する。
ここで、図4(a)の範囲(1)について説明する。この処理では、増圧弁25〜28を閉じた状態で、ブラシレスモータ33に所定制御量の駆動を行い、ギヤポンプ34で、ブレーキ液配管43内の吐出圧を圧力推定値P01にする。そして、各弁が同じ状態を維持することで、圧力推定値P01が保持される(図4(a)参照)。このようにして、液圧保持状態で、圧力の検出を次の処理で行う。
なお圧力推定値P01は、センサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、ブラシレスモータ33を駆動させたのみで発生させたものである。
ステップS82では、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)を、圧力センサ16により、圧力検出値P1として検出する。そして、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34で発生させたはずの圧力推定値P01の上下に範囲を持たせたものと比較する。
つまり、P01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならばステップS92へ進み、不成立ならばステップS83へ進む。
もし、圧力推定値P01を発生させたブラシレスモータ33とギヤポンプ34、及び各弁が、性能を充分に発揮しているならば、0値ずれがないことが確認されている圧力センサ16の圧力検出値P1は、P01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件を満たすはずである。
ステップS83では、ステップS82でP01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件が成立しない場合の処理を行う。この場合、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34に異常が生じ、正常に作動していない可能性がある。そのため、圧力センサ16の検出値P1と、0値である圧力推定値P00に範囲を考慮したものとの比較を行う。つまり、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件が成立するかどうかを判断し、成立するならばステップS86へ進み、不成立ならばステップS84へ進む。
ステップS84では、ステップS83のP00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件が不成立であり、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34は作動していることが確認されたため、圧力センサ16が異常であると判断する。
この判断では、増圧弁25〜28の閉弁時の液密性が充分に発揮されていることが条件であるが、非通電時に閉弁状態となる増圧弁25〜28の閉弁時の液密性は、電気的な特性によらず、その機構により発揮される作用であるため、信頼性が高い。そのため、この条件の場合には、圧力センサ16が異常と判断する。
ステップS85では、圧力センサ16が異常と判断したため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧となるフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行う。これを4輪同圧制御とする。
ステップS86では、ステップS83のP00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件が成立であるため、ブラシレスモータ33とポンプ34が作動していない可能性が高い。そのため、2重系としてブラシレスモータ33とギヤポンプ34の異常の場合のために設けられているモータ35とポンプ36を作動させる。なお、この作動は、増圧弁25〜28を閉弁し、適度にブレーキ液配管43内に吐出圧(内部圧)を発生させ、圧力センサ16の異常を判断すればよい。
ステップS87では、圧力センサ16が検出する圧力値P1が、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならばステップS90へ進み、不成立ならばステップS88へ進む。
モータ35とポンプ36が正常に作動すれば、圧力センサ16が検出する圧力値P1は、0値である圧力推定値P00に誤差等を含めた範囲からはずれるはずである。ポンプ36によりブレーキ配管43の吐出圧が高まるからである。そのため、この判断処理を行っている。
ステップS88では、ステップS87におけるP00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件が不成立と判断し、モータ35とポンプ36が正常に作動したと判断したため、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34からなるポンプユニット50の異常と判断する。
ステップS89では、ステップS87、S88の処理により、ポンプユニット50が異常と判断し、2重系として設けられているモータ35とポンプ36が正常に作動したと判断したため、このモータ35とポンプ36により通常の制御を行うものとし、本処理を終了する。
ステップS90では、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34を作動させても、モータ35とポンプ36を作動させても、増圧弁25〜28を閉弁状態としたブレーキ液配管43において圧力センサ16で検出される圧力検出値P1が0値、P00の範囲内である。そのため、圧力センサ16の異常と判断する。
ステップS91では、圧力センサ16が異常と判断したため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧となるフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行う。
ステップS92では、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34を作動させ、増圧弁25〜28を閉弁状態としたブレーキ液配管43において圧力センサ16で検出される圧力検出値P1が、そのギヤポンプ34の所定制御量時に、同状態で発生させると設定した圧力推定値P01の範囲内である。そのため、このステップでは、圧力センサ16が正常で、且つブラシレスモータ33とギヤポンプ34が正常であると判断する。
このことを前提として、以下のステップでは、各増圧弁25〜28からホイールシリンダ10〜13までの各輪での異常検出を行う。
ここで、図4について、さらに説明する。
図4(a)の範囲(1)については、上記説明したように、増圧弁25〜28を閉弁して、ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34を所定量駆動して、ブレーキ液配管43に圧力推定値P01を発生させ、保持して、ここまでの異常検出を行った。その状態から、さらに、範囲(2)において、遮断弁23、24を閉弁した状態で、例えばFR輪の増圧弁26を所定制御量の開度となるよう開弁させる。すると、ブレーキ液配管43内の液圧は、図4(a)の範囲(2)、図4(b)の範囲(2)に示すように、P01から例えばP02へ下がることになる。これに対して、FR輪のホイールシリンダ11と増圧弁26を接続する液路を構成するブレーキ配管9bのホイールシリンダ圧では、液圧推定値がP00からP02へ上がることになる。
そして、同じ弁状態を維持すれば液圧P02を保持できる。次に、この状態から、FR輪の減圧弁30を全開するか、又は遮断弁23を全開にすれば、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)は、図4(a)の範囲(3)に示すように、推定値P02から推定値P00、つまり0値になる。また、ブレーキ配管9bのホイールシリンダ圧でも、図4(b)の範囲(3)に示すように、推定値P02から推定値P00、つまり0値になる。
以下のステップにおける各輪の故障診断では、このような液圧変化を予めブラシレスモータ33の駆動制御量として設定し、駆動する。そして、設定した圧力推定値P00〜P05と、圧力センサ16〜22の圧力検出値P1〜P7を必要に応じて比較することで、故障診断を行う。
ステップS93では、ブレーキ液配管43の内部に保持した吐出圧(内部圧)の一部をRL輪の増圧弁25よりホイールシリンダ側に導入して、所定のホイールシリンダ圧にして、設定値と検出値の比較によりRL輪での故障診断を行う。
詳細は、図7のステップS201〜S211で説明する。
ステップS94では、ブレーキ液配管43の内部に保持した吐出圧(内部圧)の一部をRR輪の増圧弁28よりホイールシリンダ側に導入して、所定のホイールシリンダ圧にして、設定値と検出値の比較によりRR輪での故障診断を行う。
詳細は、図8のステップS300〜S311で説明する。
ステップS95では、ブレーキ液配管43の内部に保持した吐出圧(内部圧)の一部をFR輪の増圧弁26よりホイールシリンダ側に導入して、所定のホイールシリンダ圧にして、設定値と検出値の比較によりFR輪での故障診断を行う。
詳細は、図9のステップS400〜S417で説明する。
ステップS96では、ブレーキ液配管43の内部に保持した吐出圧(内部圧)の一部をFL輪の増圧弁27よりホイールシリンダ側に導入して、所定のホイールシリンダ圧にして、設定値と検出値の比較によりFL輪での故障診断を行う。
詳細は、図10のステップS500〜S517で説明する。
ステップS97では、ステップS92でポンプユニット50、つまりブラシレスモータ33とギヤポンプ34、圧力センサ16が正常と判断したことと、ステップS93によりRL輪での故障がないと判断したこと、ステップS94によりRR輪での故障がないと判断したこと、ステップS95によりFR輪での故障がないと判断したこと、ステップS96によりFL輪での故障がないと判断したことから、全ての輪において正常と判断し、処理を終了する。
その後は、通常のバイワイヤでのブレーキ制御が行われる。
[圧力センサのオフセット異常診断処理]
図6に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS80として実行される圧力センサのオフセット異常診断処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
圧力センサは概ね、検出部位の圧力変化に対する検出電圧変化を所定の範囲にして検出範囲とし、その0値又は検出範囲下限値、あるいは所定の値(例えば中央値)を基準値としている。つまり検出範囲と基準値で決まると言うことができる。そして、圧力センサの異常としては、この基準値がずれるオフセット異常が起きる確率が高く、また、このオフセット異常は、検出範囲の対応関係が変化することより、制御に与える影響が大きい。また、0値がずれていると、その後の設定した圧力値と検出した圧力値の比較による異常診断の信頼性が低下してしまう。そのため、実施例1のブレーキ制御装置では、異常診断処理の残圧処理の次に、このオフセット異常診断処理を行っている。
なお、本処理は言い換えると0値ずれの異常診断であるため、検出する液圧を0値、つまり圧力推定値P00にするために、各液路からブレーキ液圧を抜く、残圧処理を行った後に、以下の処理を行うものとする。
ステップS101では、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)を検出する圧力センサ16で検出する圧力値P1が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ16は正常と判断して、次の圧力センサのオフセット異常診断を行うようステップS104へ進み、不成立ならばこの圧力センサ16が異常であると判断するのでステップS102へ進む。
ステップS102では、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)を検出する圧力センサ16で検出する圧力値P1が、0値である圧力推定値P00の範囲にないため、圧力センサ16は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。
ステップS103では、圧力センサ16が異常と判断したため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧のフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行う。
ステップS104では、ブレーキ液配管9bにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ18で検出する圧力値P2が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P2≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ18は正常と判断して、次の圧力センサのオフセット異常診断を行うようステップS107へ進み、不成立ならばこの圧力センサ18が異常であると判断するのでステップS105へ進む。
ステップS105では、ブレーキ液配管9bにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ18で検出する圧力値P2が、0値である圧力推定値P00の範囲にないため、圧力センサ18は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。
ステップS106では、FR輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ18が異常と判断されたため、増圧弁26、減圧弁30を閉弁し、遮断弁23を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FR輪のホイールシリンダ11を動作させるマニュアル操作を行う。他のFL輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS106では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ18が異常とされたFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FL輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FL,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS106では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)、3輪制御(FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ18が異常とされたFR輪とその対角に位置する後輪であるRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS107では、ブレーキ液配管9cにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ19で検出する圧力値P3が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P3≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ19は正常と判断して、次の圧力センサのオフセット異常診断を行うようステップS110へ進み、不成立ならばこの圧力センサ19が異常であると判断するのでステップS108へ進む。
ステップS108では、ブレーキ液配管9cにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ19で検出する圧力値P3が、0値である圧力推定値P00の範囲にないため、圧力センサ19は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。
ステップS109では、FL輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ19が異常と判断されたため、増圧弁27、減圧弁31を閉弁し、遮断弁24を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FL輪のホイールシリンダ12を動作させるマニュアル操作を行う。他のFR輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御をフェール時の対応制御として行う。これを4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)とする。
また、ステップS109では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)に代わって、圧力センサ19が異常とされたFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS109では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)、3輪制御(FR,RL,RR)に代わって、圧力センサ19が異常とされたFL輪とその対角に位置する後輪であるRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS110では、ブレーキ液配管9aにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ17で検出する圧力値P4が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P4≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ17は正常と判断して、次の圧力センサのオフセット異常診断を行うようステップS113へ進み、不成立ならばこの圧力センサ17が異常であると判断するのでステップS111へ進む。
ステップS111では、ブレーキ液配管9aにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ17で検出する圧力値P4が、0値である圧力推定値P00の範囲にないため、圧力センサ17は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。
ステップS112では、RL輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ17が異常と判断されたため、RL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行う。これを3輪制御(FR,FL,RR)とする。
また、ステップS112では、3輪制御(FR,FL,RR)に代わって、圧力センサ17が異常とされたRL輪とその対角に位置する前輪であるFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS113では、ブレーキ液配管9dにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ20で検出する圧力値P5が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P5≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ20は正常と判断して、次の圧力センサのオフセット異常診断を行うようステップS116へ進み、不成立ならばこの圧力センサ20が異常であると判断するのでステップS114へ進む。
ステップS114では、ブレーキ液配管9dにおけるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ20で検出する圧力値P5が、0値である圧力値P00の範囲にないため、圧力センサ20は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。
ステップS115では、RR輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ20が異常と判断されたため、RR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、FL輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行う。これを3輪制御(FR,FL,RL)とする。
また、ステップS115では、3輪制御(FR,FL,RL)に代わって、圧力センサ20が異常とされたRR輪とその対角に位置する前輪であるFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS116では、ブレーキ液配管8aにおけるマスターシリンダ圧を検出する圧力センサ21で検出する圧力値P6が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P6≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ21は正常と判断して、次の圧力センサのオフセット異常診断を行うようステップS118へ進み、不成立ならばこの圧力センサ21が異常であると判断するのでステップS117へ進む。
ステップS117では、ブレーキ液配管8aにおけるマスターシリンダ圧を検出する圧力センサ21で検出する圧力値P6が、0値である圧力推定値P00の範囲にないため、圧力センサ21は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。そして、圧力センサ21の使用を禁止して、ステップS118へ進む。
圧力センサ21は、通常のバイワイヤのブレーキ制御では使用しない。そのため、圧力センサ21が異常の場合は、使用を禁止して、その後の処理へ移行する。
ステップS118では、ブレーキ液配管8bにおけるマスターシリンダ圧を検出する圧力センサ22で検出する圧力値P7が、0値である圧力推定値P00の範囲と比較して、0値ずれが生じているかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P7≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば、圧力センサ22は正常と判断して、次の処理を行うようステップS120へ進み、不成立ならばこの圧力センサ22が異常であると判断するのでステップS119へ進む。
ステップS119では、ブレーキ液配管8bにおけるマスターシリンダ圧を検出する圧力センサ22で検出する圧力値P7が、0値である圧力推定値P00の範囲にないため、圧力センサ22は、0値ずれ、つまりオフセット異常と判断する。そして、圧力センサ22の使用を禁止して、ステップS120へ進む。
圧力センサ22は、通常のバイワイヤのブレーキ制御では使用しない。そのため、圧力センサ22が異常の場合は、使用を禁止して、その後の処理へ移行する。
ステップS120では、各ブレーキ配管の残圧を抜く処理後に、ステップS101〜S118までの処理で、各圧力センサの圧力推定値が0値の範囲内にあると判断したため、圧力センサ16〜22は、0値ずれを生じていない、つまりオフセット異常なしと判断し、処理をリターンする。
次に、各輪における故障診断の処理の流れを説明する。つまり、ブレーキ液配管43及びこの吐出圧を検出する圧力センサ16、ポンプ側が正常に使用できると確認した後に、以下に説明する各輪での故障診断処理を行う。
[RL輪での故障診断処理]
図7に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS93として実行されるRL輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS201では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁25と減圧弁29の間の液路、ブレーキ配管9a、ホイールシリンダ10へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P04を発生させるために、減圧弁29を閉めて、増圧弁25を開ける。
なお、ホイールシリンダ圧P04はセンサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、増圧弁25を作動させたのみでブレーキ液を導入し発生させたものである。
ステップS202では、ステップS201の処理により発生させたRL輪のホイールシリンダ圧推定値P04に上下の範囲を持たせたものに対して、圧力センサ17が検出するホイールシリンダ圧P4が範囲内となるかを判断する。つまり、P04−ΔP≦P4≦P04+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば正常であるためステップS210へ進み、不成立ならば異常があるためステップS203へ進む。
ステップS203では、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、増圧弁25を作動させる前の吐出圧推定値であるP01の範囲内にあるかどうかを判断する。つまり、P01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば増圧弁25を作動させたことによりブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ10側へ導入できていないためステップS204へ進み、不成立ならばブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ10側へ導入できていることが確認できたとしてステップS206へ進む。
ステップS204では、ブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ10側へ導入できていないため増圧弁25が異常と判断し、ステップS205へ進む。
ステップS205では、異常が発生したRL輪でのブレーキ制御を行なわないようにして、残る3輪(FR,FL,RR)でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行う。これを3輪制御(FR,FL,RR)とする。また、異常が発生したRL輪とこの対角位置となるFR輪でのブレーキ制御を行わないようにして、残る対角の2輪(FL,RR)でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行ってもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS206では、ブレーキ液配管43の吐出圧を、増圧弁25を開弁して発生させたはずの圧力推定値P04に対して、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、0値であるP00になっていないかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば導入したブレーキ液の抜けが生じているためステップS209へ進み、不成立ならばブレーキ液の抜けは生じていないためステップS207へ進む。
ステップS207では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁25と減圧弁29の間の液路、ブレーキ配管9a、ホイールシリンダ10へ取り込み、ホイールシリンダ圧P04を発生させたはずであるが、検出値P4がP04の範囲となっていない。また、ブレーキ液配管43の圧力推定値はP01から低下しており、且つブレーキ液配管43の圧力推定値がP00になるような圧力抜けも生じていない。そのため、圧力センサ17の異常と判断し、ステップS208へ進む。
ステップS208では、RL輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ17が異常と判断されたため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧となるフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行うようにし、処理を終了する。これを4輪同圧制御(FR,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS208では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ17が異常とされたRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,FL,RR)とする。
さらにまた、ステップS208では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)、3輪制御(FR,FL,RR)に代わって、圧力センサ17が異常とされたRL輪とその対角に位置する前輪であるFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS209では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁25と減圧弁29の間の液路、ブレーキ配管9a、ホイールシリンダ10へ取り込み、ホイールシリンダ圧P04を発生させたはずであったが、液圧がゼロ値の範囲内にあり、ブレーキ液の抜けが生じているため、減圧弁29が異常又は液漏れが発生していると判断し、ステップS205へ進む。
ステップS210では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁25と減圧弁29の間の液路、ブレーキ配管9a、ホイールシリンダ10へ取り込み、発生させた設定値である圧力推定値P04に対して、検出したホイールシリンダ圧P4が範囲内となっているため、圧力センサ17、増圧弁25、減圧弁29がいずれも正常であると判断し、液漏れもないと判断する。つまり、RL輪での異常がないと判断する。
ステップS211では、減圧弁29を開弁する作動を行い、リザーバタンク37にブレーキ液を戻し、増圧弁25を閉め、処理をリターンする。つまり、次の輪の故障診断処理へ進む。
[RR輪での故障診断処理]
図8に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS94として実行されるRR輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS300では、ギヤポンプ34によりブレーキ液配管43に吐出圧P01を生じさせるよう予め設定された制御量分、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動する。
なお圧力P01は、センサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、ブラシレスモータ33を駆動させたのみで発生させたものである。
ステップS301では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁28と減圧弁32の間の液路、ブレーキ配管9d、ホイールシリンダ13へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P05を発生させるために、減圧弁32を閉めて、増圧弁28を開ける。
なお、ホイールシリンダ圧推定値P05はセンサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、増圧弁28を作動させたのみでブレーキ液を導入し発生させたものである。
ステップS302では、ステップS301の処理により発生させたRR輪のホイールシリンダ圧推定値P05に上下の範囲を持たせたものに対して、圧力センサ20が検出するホイールシリンダ圧P5が範囲内となるかを判断する。つまり、P05−ΔP≦P5≦P05+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば正常であるためステップS310へ進み、不成立ならば異常があるためステップS303へ進む。
ステップS303では、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、増圧弁28を作動させる前の吐出圧推定値であるP01の範囲内にあるかどうかを判断する。つまり、P01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば増圧弁28を作動させたことによりブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ13側へ導入できていないためステップS304へ進み、不成立ならばブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ13側へ導入できていることが確認できたとしてステップS306へ進む。
ステップS304では、ブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ13側へ導入できていないため増圧弁28が異常と判断し、ステップS305へ進む。
ステップS305では、異常が発生したRR輪でのブレーキ制御を行なわないようにして、残る3輪(FR,FL,RL)でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行う。これを3輪制御(FR,FL,RL)とする。また、異常が発生したRR輪とこの対角位置となるFL輪でのブレーキ制御を行わないようにして、残る対角の2輪(FR,RL)でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行ってもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS306では、ブレーキ液配管43の吐出圧を、増圧弁28を開弁して発生させたはずの圧力推定値P05に対して、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、0値であるP00になっていないかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば導入したブレーキ液の抜けが生じているためステップS309へ進み、不成立ならばブレーキ液の抜けは生じていないためステップS307へ進む。
ステップS307では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁28と減圧弁32の間の液路、ブレーキ配管9d、ホイールシリンダ13へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P05を発生させたはずであるが、検出値P5が推定値P05の範囲となっていない。また、ブレーキ液配管43の圧力はP01から低下しており、且つブレーキ液配管43の圧力がP00になるような圧力抜けも生じていない。そのため、圧力センサ20の異常と判断し、ステップS308へ進む。
ステップS308では、RR輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ20が異常と判断されたため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧となるフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行うようにし、処理を終了する。これを4輪同圧制御(FR,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS308では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ20が異常とされたRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、FL輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,FL,RL)とする。
さらにまた、ステップS308では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)、3輪制御(FR,FL,RL)に代わって、圧力センサ20が異常とされたRR輪とその対角に位置する前輪であるFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS309では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁28と減圧弁32の間の液路、ブレーキ配管9d、ホイールシリンダ13へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P05を発生させたはずであったが、ブレーキ液の抜けが生じているため、減圧弁32が異常又は液漏れが発生していると判断し、ステップS305へ進む。
ステップS310では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁28と減圧弁32の間の液路、ブレーキ配管9d、ホイールシリンダ13へ取り込み、発生させた設定値である圧力推定値P05に対して、検出したホイールシリンダ圧P5が範囲内となっているため、圧力センサ20、増圧弁28、減圧弁32がいずれも正常であると判断し、液漏れもないと判断する。つまり、RR輪での異常がないと判断する。
ステップS211では、減圧弁32を開弁する作動を行い、リザーバタンク37にブレーキ液を戻し、増圧弁28を閉め、処理をリターンする。つまり、次の輪の故障診断処理へ進む。
[FR輪での故障診断処理]
図9に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS95として実行されるFR輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS400では、ギヤポンプ34によりブレーキ液配管43に吐出圧推定値P01を生じさせるよう予め設定された制御量分、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動する。
なお圧力推定値P01は、センサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、ブラシレスモータ33を駆動させたのみで発生させたものである。
ステップS401では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁26と減圧弁30の間の液路、ブレーキ配管9b、ホイールシリンダ11へ取り込み、ホイールシリンダ圧P02を発生させるために、遮断弁23を閉めて、増圧弁26を開ける。また、減圧弁30は初期段階で閉弁している。
なお、ホイールシリンダ圧P02はセンサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、増圧弁26を作動させたのみでブレーキ液を導入し発生させたものである。
ステップS402では、ステップS401の処理により発生させたFR輪のホイールシリンダ圧P02に上下の範囲を持たせたものに対して、圧力センサ18が検出するホイールシリンダ圧P2が範囲内となるかを判断する。つまり、P02−ΔP≦P2≦P02+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば正常であるためステップS411へ進み、不成立ならば異常があるためステップS403へ進む。
ステップS403では、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、増圧弁26を作動させる前の吐出圧推定値であるP01の範囲内にあるかどうかを判断する。つまり、P01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば増圧弁26を作動させたことによりブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ11側へ導入できていないためステップS404へ進み、不成立ならばブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ11側へ導入できていることが確認できたとしてステップS406へ進む。
ステップS404では、ブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ11側へ導入できていないため増圧弁26が異常と判断し、ステップS405へ進む。
ステップS405では、FR輪のホイールシリンダ圧を増圧する増圧弁26が異常と判断されたため、増圧弁26、減圧弁30を閉弁し、遮断弁23を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FR輪のホイールシリンダ11を動作させるマニュアル操作を行う。他のFL輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS405では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)に代わって、増圧弁26が異常とされたFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FL輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FL,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS405では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)、3輪制御(FL,RL,RR)に代わって、増圧弁26が異常とされたFR輪とその対角に位置する後輪であるRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS406では、ブレーキ液配管43の吐出圧を、増圧弁26を開弁して発生させたはずの圧力推定値P02に対して、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、0値である推定値P00になっていないかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば導入したブレーキ液の抜けが生じているためステップS409へ進み、不成立ならばブレーキ液の抜けは生じていないためステップS407へ進む。
ステップS407では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁26と減圧弁30の間の液路、遮断弁23より下流となるブレーキ配管9b、ホイールシリンダ11へ取り込み、ホイールシリンダ圧P02を発生させたはずであるが、検出値P2が推定値P02の範囲となっていない。また、ブレーキ液配管43の圧力は推定値P01から低下しており、且つブレーキ液配管43の圧力が推定値P00になるような圧力抜けも生じていない。そのため、圧力センサ18の異常と判断し、ステップS408へ進む。
ステップS408では、FR輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ18が異常と判断されたため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧となるフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行うようにし、処理を終了する。これを4輪同圧制御(FR,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS408では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ18が異常とされたFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FL輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FL,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS408では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)、3輪制御(FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ18が異常とされたFR輪とその対角に位置する後輪であるRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS409では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁26と減圧弁30の間の液路、遮断弁23の下流となるブレーキ配管9b、ホイールシリンダ11へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P02を発生させたはずであったが、ブレーキ液の抜けが生じているため、遮断弁23が異常又は液漏れが発生していると判断し、ステップS410へ進む。
ここで、減圧弁30は、非通電の状態で閉弁状態であり、遮断弁23は、非通電状態で開弁状態である。そのため、このステップにおいて液圧低下は、遮断弁23の動作異常と判断している。
ステップS410では、遮断弁23が異常又は液漏れと判断したため、FR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FL輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行う。これを3輪制御(FL,RL,RR)とする。
また、ステップS410では、3輪制御(FL,RL,RR)に代わって、遮断弁23が異常とされたFR輪とその対角に位置する後輪であるRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS411では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁26と減圧弁30の間の液路、遮断弁23の下流となるブレーキ配管9b、ホイールシリンダ11へ取り込み、発生させた設定値である圧力推定値P02に対して、検出したホイールシリンダ圧P2が範囲内となっているため、圧力センサ18、増圧弁26、遮断弁23がいずれも正常であると判断し、液漏れもないと判断する。
ステップS412では、減圧弁30の状態をチェックするために、増圧弁26を開弁状態で維持、遮断弁23を閉弁状態で維持したまま、減圧弁30を開弁させ、ブレーキ液配管43、9bのブレーキ液圧を抜くようにする。
ステップS413では、減圧弁30を開弁させてブレーキ液配管43、9bの液圧を抜いたため、ブレーキ液配管43の圧力を検出する圧力センサ16による圧力推定値P1が、0値、つまりP00の範囲内かどうかを判断する。言い換えると、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPが成立するかどうかを判断し、成立するならば減圧弁30が正常であるため、ステップS416へ進み、不成立ならば、減圧弁30が異常であるため、ステップS414へ進む。
ステップS414では、減圧弁30を作動させたにもかかわらず、ブレーキ液配管43の圧力検出値P1が抜けていないため、減圧弁30の異常と判断し、ステップS415へ進む。
ステップS415では、FR輪のホイールシリンダ圧を減圧する減圧弁30が異常と判断されたため、減圧弁30、増圧弁26を閉弁し、遮断弁23を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FR輪のホイールシリンダ11を動作させるマニュアル操作を行う。他のFL輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS415では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)に代わって、減圧弁30が異常とされたFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FL輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FL,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS415では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)、3輪制御(FL,RL,RR)に代わって、減圧弁30が異常とされたFR輪とその対角に位置する後輪であるRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS416では、減圧弁30を作動させ、ブレーキ液配管43の圧力P1が良好に抜けているため、減圧弁30が正常と判断し、ステップS415へ進む。なお、減圧弁30が正常と判断されたため、ステップS411の判断と合わせて、FR輪で異常なしと判断される。
ステップS417では、判断成立後にさらに遮断弁23を開弁して、ブレーキ液をリザーバタンク37へ戻し、増圧弁26、減圧弁30を閉弁させて、次の輪の故障診断を行うよう処理をリターンする。
[FL輪での故障診断処理]
図10に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS96として実行されるFL輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS500では、ギヤポンプ34によりブレーキ液配管43に吐出圧P01を生じさせるよう予め設定された制御量分、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動する。
なお圧力推定値P01は、センサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、ブラシレスモータ33を駆動させたのみで発生させたものである。
ステップS501では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁27と減圧弁31の間の液路、ブレーキ配管9c、ホイールシリンダ12へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P03を発生させるために、遮断弁24を閉めて、増圧弁27を開ける。また、減圧弁31は初期段階で閉弁している。
なお、ホイールシリンダ圧推定値P03はセンサ値でフィードバック等したものでなく、予め設定した所定制御量、増圧弁27を作動させたのみでブレーキ液を導入し発生させたものである。
ステップS502では、ステップS501の処理により発生させたFL輪のホイールシリンダ圧推定値P03に上下の範囲を持たせたものに対して、圧力センサ19が検出するホイールシリンダ圧P3が範囲内となるかを判断する。つまり、P03−ΔP≦P3≦P03+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば正常であるためステップS511へ進み、不成立ならば異常があるためステップS503へ進む。
ステップS503では、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、増圧弁27を作動させる前の吐出圧設定値であるP01の範囲内にあるかどうかを判断する。つまり、P01−ΔP≦P1≦P01+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば増圧弁27を作動させたことによりブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ12側へ導入できていないためステップS504へ進み、不成立ならばブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ12側へ導入できていることが確認できたとしてステップS506へ進む。
ステップS504では、ブレーキ液配管43のブレーキ液をホイールシリンダ12側へ導入できていないため増圧弁27が異常と判断し、ステップS505へ進む。
ステップS505では、FL輪のホイールシリンダ圧を増圧する増圧弁27が異常と判断されたため、増圧弁27、減圧弁31を閉弁し、遮断弁24を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FL輪のホイールシリンダ12を動作させるマニュアル操作を行う。他のFR輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)とする。
また、ステップS505では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)に代わって、増圧弁27が異常とされたFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS505では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)、3輪制御(FR,RL,RR)に代わって、増圧弁27が異常とされたFL輪とその対角に位置する後輪であるRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS506では、ブレーキ液配管43の吐出圧を、増圧弁27を開弁して発生させたはずの圧力推定値P03に対して、ブレーキ液配管43の吐出圧を検出する圧力センサ16の検出値P1が、0値である推定値P00になっていないかどうかを判断する。つまり、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPの条件を成立するかどうかを判断し、成立するならば導入したブレーキ液の抜けが生じているためステップS509へ進み、不成立ならばブレーキ液の抜けは生じていないためステップS507へ進む。
ステップS507では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁27と減圧弁31の間の液路、遮断弁24より下流となるブレーキ配管9c、ホイールシリンダ12へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P03を発生させたはずであるが、検出値P3が推定値P03の範囲となっていない。また、ブレーキ液配管43の圧力は推定値P01から低下しており、且つブレーキ液配管43の圧力が推定値P00になるような圧力抜けも生じていない。そのため、圧力センサ19の異常と判断し、ステップS508へ進む。
ステップS508では、FL輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ19が異常と判断されたため、通常のバイワイヤ制御の開始が困難であると判断し、増圧弁25〜28を全開にして、4輪が同圧となるフルブレーキ状態にするフェール状態の対応制御を行うようにし、処理を終了する。これを4輪同圧制御(FR,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS508では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)に代わって、圧力センサ19が異常とされたFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS508では、4輪制御(FR,FL,RL,RR)、3輪制御(FR,RL,RR)に代わって、圧力センサ19が異常とされたFL輪とその対角に位置する後輪であるRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS509では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁27と減圧弁31の間の液路、遮断弁24の下流となるブレーキ配管9c、ホイールシリンダ12へ取り込み、ホイールシリンダ圧推定値P03を発生させたはずであったが、ブレーキ液の抜けが生じているため、遮断弁24が異常又は液漏れが発生していると判断し、ステップS510へ進む。
ここで、減圧弁31は、非通電の状態で閉弁状態であり、遮断弁24は、非通電状態で開弁状態である。そのため、このステップにおいて液圧低下は、遮断弁24の動作異常と判断している。
ステップS510では、遮断弁24が異常又は液漏れと判断したため、FL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行う。これを3輪制御(FR,RL,RR)とする。
また、ステップS510では、3輪制御(FR,RL,RR)に代わって、遮断弁24が異常とされたFL輪とその対角に位置する後輪であるRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS511では、ブレーキ液配管43で保持している液圧を、増圧弁27と減圧弁31の間の液路、遮断弁24の下流となるブレーキ配管9c、ホイールシリンダ12へ取り込み、発生させた設定値である圧力値P03に対して、検出したホイールシリンダ圧P3が範囲内となっているため、圧力センサ19、増圧弁27、遮断弁24がいずれも正常であると判断し、液漏れもないと判断する。
ステップS512では、減圧弁31の状態をチェックするために、増圧弁27を開弁状態で維持、遮断弁24を閉弁状態で維持したまま、減圧弁31を開弁させ、ブレーキ液配管43、9cのブレーキ液圧を抜くようにする。
ステップS513では、減圧弁31を開弁させてブレーキ液配管43、9cの液圧を抜いたため、ブレーキ液配管43の圧力を検出する圧力センサ16による圧力値P1が、0値、つまり推定値P00の範囲内かどうかを判断する。言い換えると、P00−ΔP≦P1≦P00+ΔPが成立するかどうかを判断し、成立するならば減圧弁31が正常であるため、ステップS516へ進み、不成立ならば、減圧弁31が異常であるため、ステップS514へ進む。
ステップS514では、減圧弁31を作動させたにもかかわらず、ブレーキ液配管43の圧力P1が抜けていないため、減圧弁31の異常と判断し、ステップS515へ進む。
ステップS515では、FL輪のホイールシリンダ圧を減圧する減圧弁31が異常と判断されたため、減圧弁31、増圧弁27を閉弁し、遮断弁24を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FL輪のホイールシリンダ12を動作させるマニュアル操作を行う。他のFR輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)とする。
また、ステップS515では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)に代わって、減圧弁31が異常とされたFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS515では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)、3輪制御(FR,RL,RR)に代わって、減圧弁31が異常とされたFL輪とその対角に位置する後輪であるRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS516では、減圧弁31を作動させ、ブレーキ液配管43の圧力P1が良好に抜けているため、減圧弁31が正常と判断し、ステップS517へ進む。なお、減圧弁31が正常と判断されたため、ステップS511の判断と合わせて、FL輪で異常なしと判断される。
ステップS517では、判断成立後にさらに遮断弁24を開弁して、ブレーキ液をリザーバタンク37へ戻し、増圧弁27、減圧弁31を閉弁させて、処理をリターンする。
[起動時の故障診断作用]
実施例1のブレーキ制御装置では、コントロールユニット70の起動時の処理として、故障診断を行う。起動時にブレーキ制御装置の故障診断が行われることは、良好な走行状態を確保するのに有利であり、好ましい。
実施例1の故障診断では、ブラシレスモータ33を所定制御量で駆動させた際のブレーキ液配管43の圧力推定値P01と、この圧力推定値P01を各輪のホイールシリンダ側へ導入した場合のブレーキ配管9a〜9dの圧力推定値P02〜P05を、予め試験等で求めておき、データとして備えるようにする。
そして、故障診断を行う際には、その初期段階の処理として、各ブレーキ液配管43、44、9a〜9dの圧力を抜く処理を行って、後の圧力値で故障診断を行う処理に備えるとともに(ステップS79)、オフセット異常がないか、つまり圧力センサの0値ずれが生じていないかを確認しておく(ステップS80、S101〜S120)。
このオフセット異常の診断により、圧力センサ16〜22のオフセット異常、つまり0値ずれを診断することができる。
次に、各輪のホイールシリンダ側より上流となるブレーキ液配管43に関わる故障診断として、ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34、圧力センサ16の正常、異常判断を行う。ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34の異常の際には、モータ35及びポンプ36への切り替えを行うかどうかの診断も行う。
ここで、各ホイールシリンダ10〜13へブレーキ液を供給するブレーキ液配管43の圧力センサ16が異常の場合には、各輪での充分なバイワイヤのブレーキ制御を良好に行うことは困難であるため、フェール時の制御として、4輪をフルブレーキにして車両を停止させる4輪同圧制御を行う(ステップS81〜S91)。
この上流側の診断により、ポンプユニット50の異常(ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34)、圧力センサ16の異常の有無を検出することが可能である。
この各ホイールシリンダ10〜13より上流側の確認が異常なしと判断されたならば(ステップS92)、次に各輪ごとに診断を行っていく。
つまり、RL輪(ステップS93、S201〜S211)、RR輪(ステップS94、S300〜S311)、FR輪(ステップS95、S400〜S417)、FL輪(ステップS96、S500〜S517)というように順に診断を行っていく。
この各輪ごとの診断では、それぞれ最初にブラシレスモータ33及びギヤポンプ34を駆動させて上流側、つまりブレーキ液配管43を圧力値推定値P01にした上で、推定値P00にしていることを確認したホイールシリンダ側へブレーキ液を導入して、所定の圧力値推定値P02〜P05になっているものとする。
そして、これを実際の検出値P2〜P5と比較し、必要があれば、増圧弁25〜28が作動した後の上流の液圧P1を確認する。
このようにして行われる各輪ごとの診断では、ホイールシリンダ圧に関する、圧力センサ17〜20、増圧弁25〜28、減圧弁29〜32(後輪側は減圧弁異常又は液漏れ)、遮断弁23、24の正常、異常を検出することができる。
つまり、実施例1のブレーキ制御装置では、ブラシレスモータ33の所定制御量、例えば、回転角又は回転数、あるいは通電時間、ステップ数、制御進角等に対して、ギヤポンプ34(又はモータ35によるポンプ36)の吐出圧となる液圧保持する状態の上流側のブレーキ液配管43の圧力値P01を予めデータとして備える。また、この上流側の圧力推定値P01のブレーキ液配管43から下流側のホイールシリンダ側へブレーキ液を導入した際のホイールシリンダ側、つまりブレーキ液配管9a〜9dの圧力推定値P02〜P05を予めデータとして備える。
これによって、実施例1のブレーキ制御装置の故障診断では、バイワイヤ型のブレーキ動作側の油圧回路上のセンサ、ポンプ、弁の制御構成を全て、特段の構成を追加することなく故障診断する。
バイワイヤ型のブレーキ制御装置において、車両が走行使用される前のコントロールユニット70の起動時に、ブレーキ動作側の油圧回路上のセンサ、ポンプ、弁の制御構成の全てが診断され、異常があれば、走行使用前にフェール対応状態になることは、信頼性を向上させることになる。
また、バイワイヤ型のブレーキ制御装置において、非通電の状態を想定しても作動するマニュアルのブレーキ操作に加えて、コストを抑制しつつも詳細に行われる故障診断と、これによる4輪制御又は3輪制御、もしくは2輪対角制御によるフェール時のブレーキ制御が行われることは、車両を確実に停止させる性能をより向上させることになる。
次に、効果を説明する。
実施例1のブレーキ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)ブレーキペダル3に連結されたマスターシリンダ4と、ホイールシリンダ10〜13のホイールシリンダ圧を制御するポンプユニット50及びバルブユニット51と、ホイールシリンダ10〜13にブレーキ液を供給するギヤポンプ34と、ギヤポンプ34を駆動するブラシレスモータ33と、ホイールシリンダ圧を検出する為の圧力センサ17〜20と、ギヤポンプ34の吐出圧を検出する圧力センサ16を備え、ブレーキペダル3の操作に応じて車両を制動する装置において、ブラシレスモータ33を所定制御量駆動した際の実吐出圧及び実ホイールシリンダ圧と、予め設定された吐出圧及びホイールシリンダ圧を比較することにより、ポンプユニット50及びバルブユニット51の異常判断を行うブレーキコントロールユニット70で実行されるステップS79〜S97のブレーキ制御処理を設けたため、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動した時、ブレーキ液圧を検出し、推定値P01〜P05(予め設定された値)と検出値P1〜P5(実値)の比較を行うようにして、ホイールシリンダ圧の検出により、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行う圧力センサ17〜20の異常判定を行うことができる。
(2)ポンプユニット50及びバルブユニット51は、増圧弁25〜28と、減圧弁29〜32を各輪に備え、異常判断を行うブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理は、増圧弁25〜28及び減圧弁29〜32を操作することにより、ポンプユニット50及びバルブユニット51の異常を判断するため、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動した時、ホイールシリンダ圧を検出し、推定値(予め設定された値)と検出値(実値)の比較を行うようにして、ホイールシリンダ圧の検出により、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行う圧力センサ17〜20の異常判定を行うとともに、増圧弁25〜28及び減圧弁29〜32の異常判定を行うことができる。
(3)異常判断を行うブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理は、圧力センサ16及び圧力センサ17〜20が正常である場合、増圧弁25〜28及び減圧弁29〜32の異常判断に基づき、故障部位を特定するため、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動した時、ホイールシリンダ圧を検出し、推定値(予め設定された値)と検出値(実値)の比較を行うようにして、ホイールシリンダ圧の検出により、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行う圧力センサ17〜20の異常判定を行うとともに、故障部位の特定を行うことができる。
実施例2は、ポンプ3からのブレーキ液の配管に新たに圧力センサを設けた例である。
まず構成を説明する。
図11は実施例2のブレーキ制御装置の油圧回路構成図である。
実施例2では、圧力センサ16と同じ圧力値を検出するように、ブレーキ液配管43に新たに圧力センサ45を設けている。
その他構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
作用を説明する。
[起動時のブレーキ制御処理]
図12は実施例2のブレーキ制御装置における起動時にブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下各ステップについて説明する。
ステップS1200では、ブレーキ装置内の残圧処理を行う。残圧処理は具体的には、増圧弁25〜28、減圧弁29〜32を全て開けて、ブレーキ液配管8a、8bのマスターシリンダ圧、ブレーキ液配管43、44の内部圧、ブレーキ液配管9a〜9d、ホイールシリンダ圧10〜13のホイールシリンダ圧を0(MPa)の状態に戻す処理である。
ステップS1201では、圧力センサのオフセット異常診断を行う。圧力センサオフセット異常診断の具体的な処理内容は、図6のステップS101〜S120に示すものとなる。この圧力センサオフセット異常診断では、全ての圧力センサ16〜22の出力である検出液圧P1〜P7が0(MPa)相当の液圧推定値P00付近の値となっているかどうかを確認し、センサ自体のオフセット異常、つまり0値ずれが生じていないかどうかを診断する。
ステップS1202では、以降処理で圧力値による診断を行うために、ギヤポンプ34によりブレーキ液配管43に吐出圧推定値P01を生じさせるよう予め設定された制御量分、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動する。
ステップS1203では、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)を圧力センサ16により、圧力検出値P1として検出する。また、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)を圧力センサ45により圧力検出値P8として検出する。そして、ブラシレスモータ33とギヤポンプ34で発生させたはずの圧力推定値P01の上下に範囲を持たせたものと比較する。
つまりP01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPで且つ(AND)P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPの条件が成立するかどうかを判断し、成立するならばステップS1212へ進み、不成立ならばステップS1204へ進む。
もし、圧力推定値P01を発生させたブラシレスモータ33とギヤポンプ34、及び各弁が、性能を充分に発揮しているならば、0値ずれがないことが確認されている圧力センサ16、45の圧力検出値について、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPで且つ(AND)P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPの条件が成立するはずである。
ステップS1204では、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPで且つ(AND)P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPの条件が不成立な場合の処理であり、この処理では、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPが成立しているかどうかを判断する。P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPが成立しているならば、圧力センサ16が正常と判断され、ステップS1210へ進み、不成立ならば、圧力センサ16は異常と判断され、ステップS1205へ進む。
ステップS1205では、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPで且つ(AND)P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPの条件が不成立な場合で、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPが不成立な場合の処理である。この処理では、圧力センサ45による検出値が、P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPが成立しているかどうかを判断する。そして、成立しているならば、圧力センサ45が正常と判断され、ステップS1206へ進み、不成立ならば、ポンプユニット50が異常と判断され、ステップS1208へ進む。
ステップS1206では、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPが不成立で、P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPが成立しているため、圧力センサ16が異常と判断され、ステップS1207へ進む。
ステップS1207では、圧力センサ16が異常と判断されたため、圧力センサ45により通常制御を行うものとし、処理を終了する。
ステップS1208では、圧力センサ16と圧力センサ45のどちらもが、圧力値P01の範囲にないことを示している。この場合、2つのセンサで同時に異常と生じていることは考え難いため、ポンプユニット50、つまりブラシレスモータ33及びギヤポンプ34の異常と判断する。
ステップS1209では、ポンプユニット50、つまりブラシレスモータ33及びギヤポンプ34が異常と判断したため、モータ35及びポンプ36により通常制御を行うものとし、処理を終了する。
ステップS1210では、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPで且つ(AND)P01−ΔP1≦P8≦P01+ΔPの条件が不成立な場合で、P01−ΔP1≦P1≦P01+ΔPが成立しているため、圧力センサ45が異常と判断し、ステップS1211へ進む。
ステップS1211では、圧力センサ16を用い、圧力センサ45を用いないようにして、通常制御を行うようにし、処理を終了する。
ステップS1212では、圧力センサ16、45、ポンプユニット50が正常であると判断し、ステップS1213へ進む。
ステップS1213では、図5のステップS93以降と同様の処理を行うものとし、説明を省略する。
[起動時の異常検出作用]
実施例2では、ブレーキ液配管43に圧力センサ45を設けている。つまり、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)を測定する圧力センサを2つにしている。
そして、ブレーキ液配管43の吐出圧(内部圧)に対して、ブラシレスモータ33を所定制御量、駆動させた状態の推定圧力値P01の範囲と、2つの圧力センサ16、45の検出値P1、P8が範囲外となる場合、どちらが範囲をはずれているかで異常を判断し、正常な圧力センサで通常制御を行うようにしている(ステップS1203〜S1207、S1210、S1211)。
また、2つの圧力センサ16、45の検出値P1、P8がともに範囲外となる場合、ポンプユニット50の異常と判断して、モータ35及びポンプ36を駆動するようにして通常制御を行うようにしている(ステップS1208、S1209)。
各輪のホイールシリンダ側へブレーキ液を供給する上流側では、ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34は、モータ35及びポンプ36により2重系を構成し信頼性を高めている。各輪のホイールシリンダ側へブレーキ液を供給するブレーキ液配管43における吐出圧(内部圧)を検出する圧力センサ16は、異常と判断されると、各輪のホイールシリンダ圧を制御するために供給するブレーキ液の制御ができなくなることから、実施例1に示すようにフェール状態の対応制御を行うことになる。つまり、圧力センサ16によるブレーキ液配管43での液圧検出は非常に制御上重要と言うことが出来る。
実施例2のブレーキ制御装置では、圧力センサ16と同様に、ブレーキ液配管43での吐出圧を検出する圧力セサ45を設けて、ポンプユニット50の異常判断に活用するとともに、圧力センサ16が異常の際には、圧力センサ45に切り替えて通常制御を行うようにして信頼性を向上させる。
そのため、実施例1では、圧力センサ16の異常によりフェール時の対応制御を行っていたような場合であっても、圧力センサ45への切り替えにより通常制御を行うことができ、通常制御の幅を広げている。
なお、各輪の故障診断等については、図5のステップS93以降と同様であるので説明を省略する。
効果を説明する。実施例2のブレーキ制御装置にあっては、上記(1)〜(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(5)各ホイールシリンダ10〜13に設けられる増圧弁25〜28へブレーキ液を供給するブレーキ配管43に設けられた第1の圧力センサ16に対して、同じブレーキ配管上に第2の圧力センサ45を設け、第1または第2のいずれかの圧力センサに異常があると、正常な圧力センサで通常制御を行うようにしたため、ブレーキ制御の不具合、あるいは機能低下が生じることを抑制することができる。
実施例3は、4輪同時に増圧して異常判断を行う例である。
構成を説明する。実施例3の構成は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
作用を説明する。
[起動時のブレーキ制御処理]
図13は実施例3のブレーキ制御装置における起動時にブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下各ステップについて説明する。
ステップS1300では、ブレーキ装置内の残圧処理を行う。残圧処理は、具体的には、増圧弁25〜28と、減圧弁29〜32を全て開けて、ブレーキ液配管8a、8bのマスターシリンダ圧、ブレーキ液配管43、44の吐出圧(内部圧)、ブレーキ液配管9a〜9d、ホイールシリンダ10〜13のホイールシリンダ圧を0(MPa)の状態に戻す処理である。言い換えると液圧を初期化するとも言える。
ステップS1301では、圧力センサのオフセット異常診断を行う。圧力センサオフセット異常診断の具体的な処理内容は、図6のステップS101〜S120に示すものとなる。この圧力センサのオフセット異常診断では、全ての圧力センサ16〜22の出力である検出液圧P1〜P7が0(MPa)相当の液圧値P00付近の値となっているかどうかを確認し、センサ自体のオフセット異常、つまり0値ずれが生じていないかどうかを診断する。
ステップS1302では、各輪のホイールシリンダ圧を検出する圧力センサ17〜20を同時に診断するために、ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34の所定制御量の駆動により直接、ホイールシリンダ側へブレーキ液を吐出、供給するための処理を行う。この処理では、減圧弁29、32と遮断弁23、24を閉めて、増圧弁25〜28を開けて、ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34を所定制御量で駆動する。
ステップS1303では、ブラシレスモータ33及びギヤポンプ34の所定制御量の駆動は、連通して同じ液圧となるはずの吐出圧及び各輪のホイールシリンダ圧を、圧力値P01にしているはずである。そのため、圧力センサ16で検出する吐出圧P1、圧力センサ17で検出するホイールシリンダ圧P4、圧力センサ18で検出するホイールシリンダ圧P2、圧力センサ19で検出するホイールシリンダ圧P3、圧力センサ20で検出するホイールシリンダ圧P5は、同じ値で、且つ圧力推定値P01になるはずである。
そのため、この処理では、条件P1=P2=P3=P4=P5=P0が成立するかどうかを判断し、成立するならば異常がないため、ステップS1306へ進み、不成立ならば異常ありとしてステップS1304へ進む。
ステップS1304では、異常があることが検出できたため、部位別の詳細な診断に移行するために準備を行う。つまり、4輪の減圧弁29〜32、フロント輪の遮断弁23、24を開けて、リザーバタンク37にブレーキ液を戻し、その後に4輪の増圧弁25〜28を閉める。
ステップS1305では、異常があることが検出できたため、図5のステップS81以降の処理を行い、異常の特定と異常部位の特定を行う。そして、内容に応じたフェール時の対応を行う。
ステップS1306では、4輪のホイールシリンダ側をブラシレスモータ33及びギヤポンプ34で直接、且つ4輪同時に所定制御量で増圧した診断で、圧力値が予め設定した値と良好に一致していることから、圧力センサ16〜20及びポンプユニット50を正常とし、増圧弁25〜28を正常とし、減圧弁29、32及び遮断弁23、24を正常とし、液漏れなしとする。
ステップS1307では、減圧弁30、31の診断を行うための準備として、4輪全ての増圧弁25〜28を閉め、減圧弁29〜32を開ける。
この処理により各輪のホイールシリンダ圧は、0値、つまり推定値P00の範囲となるはずである。
ステップS1308では、ブレーキ液配管9bの圧力センサ18が検出したホイールシリンダ圧P2が、推定値P00の範囲となっているかどうかを判断する。つまり、条件P00−ΔP≦P2≦P00+ΔPが成立するかどうか判断し、条件が成立するならば、次に減圧弁31の診断を行うようステップS1311へ進み、条件が不成立ならば、減圧弁30が異常であるのでステップS1309へ進む。
ステップS1309では、全体のチェックにより圧力センサ18が正常と判断されている状態で、圧力値P2が推定値P00の範囲にならないため、減圧弁30の異常と判断し、ステップS1310へ進む。
ステップS1310では、FR輪のホイールシリンダ圧を減圧する減圧弁30が異常と判断されたため、増圧弁26、減圧弁30を閉弁し、遮断弁23を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FR輪のホイールシリンダ11を動作させるマニュアル操作を行う。他のFL輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)とする。
また、ステップS1310では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)に代わって、減圧弁30が異常とされたFR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FL輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FL,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS1310では、4輪制御(FR踏力制御,FL,RL,RR)、3輪制御(FL,RL,RR)に代わって、減圧弁30が異常とされたFR輪とその対角に位置する後輪であるRL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FL輪、RR輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FL,RR)とする。
ステップS1311では、ブレーキ液配管9cの圧力センサ19が検出したホイールシリンダ圧P3が、推定値P00の範囲となっているかどうかを判断する。つまり、条件P00−ΔP≦P3≦P00+ΔPを満たすかどうか判断し、条件が成立するならば、全ての輪で異常なしであるのでステップS1314へ進み、条件が不成立ならば、減圧弁31が異常であるのでステップS1312へ進む。
ステップS1312では、全体のチェックにより圧力センサ19が正常と判断されている状態で、圧力値P3が推定値P00の範囲にならないため、減圧弁31の異常と判断し、ステップS1313へ進む。
ステップS1313では、FL輪のホイールシリンダ圧を減圧する減圧弁31が異常と判断されたため、減圧弁31、増圧弁27を閉弁し、遮断弁24を開弁し、キャンセル弁15を閉弁し、ブレーキペダル3の踏み込み操作によるマスターシリンダ圧で、FL輪のホイールシリンダ12を動作させるマニュアル操作を行う。他のFR輪、RL輪、RR輪は、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにして、4輪で車両を停止させるフェール状態の対応制御を行う。これを4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)とする。
また、ステップS1313では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)に代わって、減圧弁31が異常とされたFL輪をブレーキ制御しないようにし、残りの3輪、FR輪、RL輪、RR輪でフェール時の対応制御として、バイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを3輪制御(FR,RL,RR)とする。
さらにまた、ステップS1313では、4輪制御(FR,FL踏力制御,RL,RR)、3輪制御(FR,RL,RR)に代わって、減圧弁31が異常とされたFL輪とその対角に位置する後輪であるRR輪をブレーキ制御しないようにし、残りの対角位置の2輪、FR輪、RL輪でフェール時の対応制御としてバイワイヤのブレーキ制御を行うようにしてもよい。これを2輪対角制御(FR,RL)とする。
ステップS1314では、ステップS1306、S1308、S1311の結果から、圧力センサ16〜20及びポンプユニット50を正常とし、増圧弁25〜28を正常とし、減圧弁29〜32及び遮断弁23、24を正常とし、液漏れなしであるため、全輪正常と判断し処理を終了する。
[起動時の異常検出作用]
実施例3では、ブレーキコントロールユニット70の起動後、圧力センサ16〜22のオフセット異常診断を行った後に、異常がなければ、4輪全て増圧できる状態にする。
そのため、ギヤポンプ34から吐出されたブレーキ液が、ブレーキ液配管43、9a〜9dを通過して直接ホイールシリンダ圧を増圧するように減圧弁29、32、遮断弁23、24を閉めて、増圧弁25〜28を開ける。そして、4輪同時に所定制御量のブラシレスモータ33の駆動により増圧する。
そして、条件P1=P2=P3=P4=P5=P0が成立するかどうかにより減圧弁30、31を除いた異常の有無を検出する。
このように実施例3では、上流の吐出圧側、下流のホイールシリンダ側と分けて診断する前の段階で、まず全体に異常が検出されるかどうかを4輪同時に診断する。
通常の使用状態では、当然に正常な状態との診断結果が得られることが殆どであるため、このように全体の異常を検出する処理を設けることにより、起動時の処理の負荷を非常に軽減する。異常がある場合には、実施例1と同様に、詳細な異常の特定と異常部位の特定を行って行く。
また、詳細な異常診断では、既に異常があることが、減圧弁30、31を除く部位で生じていることが明らかであるので、処理を効率化できる。
効果を説明する。実施例3のブレーキ制御装置にあっては、上記(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(4)異常判断を行うブレーキコントロールユニット70で実行されるブレーキ制御処理は、複数輪を増圧することにより、ポンプユニット50及びバルブユニット51の異常の有無を判断するため、ブラシレスモータ33を所定回転角駆動した時、ブレーキ液圧を検出し、推定値と検出値の比較を行うようにして、ホイールシリンダ圧の検出により、電動モータ制御によるポンプ駆動が正常に行われているかどうかの判断を行いつつ、ホイールシリンダ圧の検出を行う圧力センサ16〜22の異常判定を行うことができ、このポンプ駆動の正常判断及び圧力センサ16〜22の異常判定の前に、異常の発生の有無を得ることができ、異常判定を効率的に行うことができる。
以上、本発明のブレーキ制御装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1のブレーキ制御装置を用いている車両のブレーキシステムを示す説明図である。 実施例1におけるブレーキコントロールユニットとメインECU間の通信システムの概略図である。 実施例1のブレーキ制御装置の油圧回路構成図である。 実施例1における正常時のFR輪でのポンプユニットとバルブユニットの各制御状態における2つの圧力センサの出力値の例を示すグラフ図である。 実施例1のブレーキ制御装置における起動時にブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS80として実行される圧力センサのオフセット異常診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS93として実行されるRL輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS94として実行されるRR輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS95として実行されるFR輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のブレーキ制御装置のブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理のうち、図5のステップS96として実行されるFL輪での故障診断処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2のブレーキ制御装置の油圧回路構成図である。 実施例2のブレーキ制御装置における起動時にブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3のブレーキ制御装置における起動時にブレーキコントロールユニットで実行されるブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両
2 ブレーキ装置
3 ブレーキペダル
4 マスターシリンダ
5 踏力センサ
6 ストロークシミュレータ
7 ストロークセンサ
8a ブレーキ液配管
8b ブレーキ液配管
9a〜9d ブレーキ液配管
10〜13 ホイールシリンダ
14 エンジン
15 キャンセル弁
16〜22 圧力センサ
23 遮断弁
24 遮断弁
25〜28 増圧弁
29〜32 減圧弁
33 ブラシレスモータ
34 ギヤポンプ
35 モータ
36 ポンプ
37 リザーバタンク
38 液面低下スイッチ
39 液溜り
40 チェック弁
41 チェック弁
42 リリーフ弁
43 ブレーキ液配管
44 ブレーキ液配管
45 圧力センサ
50 ポンプユニット
51 バルブユニット
70 ブレーキコントロールユニット
81 イグニッションスイッチ
82 ドアスイッチ
83 運転席シート着座スイッチ
84 ブレーキランプスイッチ
100 メインECU
FR FR輪
FL FL輪
RL RL輪
RR RR輪

Claims (4)

  1. ブレーキペダルに連結されたマスターシリンダと、
    ホイールシリンダ圧を制御する液圧制御手段と、
    前記ホイールシリンダにブレーキ液を供給するポンプと、
    前記ポンプを駆動するモータと、
    前記ホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧検出手段と、
    前記ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段と、
    を備え、前記ブレーキペダルの操作に応じて車両を制動するブレーキ制御装置において、
    前記モータを所定量駆動した際の実吐出圧及び実ホイールシリンダ圧と、予め設定された吐出圧及びホイールシリンダ圧を比較することにより、前記液圧制御手段の異常を判断する異常判断手段を設けた、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記液圧制御手段は、
    増圧弁と減圧弁を各輪毎又は複数輪毎に備え、
    前記異常判断手段は、
    前記増圧弁及び前記減圧弁を操作することにより、前記液圧制御手段の異常を判断する、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記異常判断手段は、
    前記吐出圧検出手段及び前記ホイールシリンダ圧検出手段が正常である場合に、前記増圧弁及び前記減圧弁の異常判断に基づき、故障部位を特定する、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記異常判断手段は、
    複数輪を増圧することにより、前記吐出圧検出手段の異常の有無を判断する、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
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