JP2009063559A - 圧力計 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力計の測定可能範囲のうち使用圧力範囲を容易に変更可能であり使用圧力範囲の視認性を向上する。
【解決手段】ケース12の表面には圧力測定器の回動軸16が突出しており、回動軸16には指針19が設けられている。ケース12には指針19により指示される圧力目盛が付された円形状の目盛板21が取り付けられている。目盛板21の外周面よりも径方向外方に突出して円周方向に延びる使用圧力表示領域25が設けられる使用圧力表示部材23と、使用圧力表示領域25を遮蔽する遮蔽領域33が設けられる遮蔽部材31とがそれぞれ回動自在にケース12に設けられており、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31とを相対回動させることにより、使用圧力表示領域25のうち最大値表示部35と最小値表示部27との間の使用圧力範囲が設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は流体圧機器に供給された流体の圧力を測定するとともに、流体圧機器に供給される流体の使用圧力範囲の表示を任意の範囲に設定し得る圧力計に関する。
空気圧源から空気圧シリンダ等のアクチュエータに圧縮空気を供給する空気圧回路は、流路を切り換える切換弁、圧力を調整する圧力制御弁、圧縮空気中のゴミや水分等を除去するフィルタ、およびこれらを連結する配管等の流体圧機器を有している。同様に油圧源から油圧アクチュエータに油圧を供給する油圧回路にも圧力制御弁等の流体圧機器を有している。このように空気圧や油圧により作動するアクチュエータを駆動するための流体圧回路を構成する流体圧機器には流体の圧力を測定するために圧力計が使用されている。
圧力計には指針により測定圧力をアナログ表示するようにしたタイプがあり、このタイプにはブルドン管を用いたブルドン管式圧力計が多用されている。指針が設けられたアナログ式の圧力計は、種々の流体圧回路に対して使用することができるように、指針により指示される目盛板の圧力目盛としては、圧力計として測定可能範囲の目盛が付されている。例えば、空気圧回路に使用される圧力計の場合には、最小値の0MPaから最大値の数MPaまでの測定可能範囲の目盛が付されている。しかしながら、実際の空気圧回路に使用される空気の圧力は、圧力計が測定可能とする圧力範囲よりも狭い範囲で使用される場合が多い。例えば、圧力計としては最大1.0MPaまで測定可能であっても、その圧力計が使用される空気圧回路においては0.4から0.6MPaの使用圧力範囲の流体圧が使用されることがある。その場合には、空気圧回路を構成する各空気圧機器に使用圧力範囲となった空気圧が供給されているか否かを作業者が圧力計を見て確認することになる。
流体圧機器に供給される使用圧力範囲を表示するようにした圧力計が特許文献1,2に記載されている。
特許第3717621号公報 特公平6−52215号公報
特許文献1に記載された圧力計は、測定可能範囲の目盛が付された透明の円板と、これを保持する非透明の保持部材とにより形成されて指針を覆う前面カバーを有している。保持部材と円板との間の隙間には使用圧力範囲の上限値と下限値とに対応させて2つの表示針が移動自在に設けられており、それぞれの表示針は目盛の背面側に配置され前面カバーの背面側に突出している。
このように、測定可能範囲の目盛が付された透明の円板の背面側に表示針を配置すると、表示針が目盛と重なった状態となる。このために、指針が使用圧力の範囲に位置しているか否かを確認するには、上限値と下限値とを表示する表示針を目盛を介して目視する必要があり、一見しただけでは使用圧力範囲の識別が困難であるという問題点がある。また、使用圧力範囲を変更するには、前面カバーを取り外して前面カバーの背面側で表示針の位置を調整する必要があるので、調整した位置が適正な位置となっているかを確認するには、前面カバーを反転させて表面側から表示針の位置と目盛との位置関係を確認する必要があり、使用圧力範囲の変更が面倒である。
一方、特許文献2に記載された圧力計は、測定可能範囲の目盛が付された目盛板と、これの外周部に沿って回動自在に装着された一対の被覆板を有している。目盛板の外周部には表示帯が形成されており、この表示帯を部分的に覆う一対の被覆板を相対回動させることで、表示帯の被覆板に覆われていない部分により使用圧力範囲が表示されるようになっている。
このように、被覆板は目盛板の前方側に配置され、目盛板により被覆板が支持されているため、被覆板の回動操作時に目盛板に負荷がかかり、目盛板が変形や破損するおそれがある。したがって、目盛板を金属材料により形成して目盛板の強度を高めたり、目盛板を必要以上に強固に固定したりする必要があり、目盛板の固定作業の煩雑化やコストアップとなる。
本発明の目的は、圧力計の測定可能範囲のうち使用圧力範囲を容易に変更可能であり使用圧力範囲の視認性を向上することにある。
本発明の他の目的は、使用圧力範囲の設定時に加わる荷重による変形や破損を防止することにある。
本発明の圧力計は、流体の圧力に応じた角度で回動する回動軸を有する圧力測定器が組み込まれるケースと、前記回動軸に取り付けられ、前記ケースの表面に設けられる支持壁に沿って回動する指針と、前記ケースの表面と前記指針との間に固定され、前記指針により指示される圧力目盛が付された円形状の目盛板と、前記目盛板と前記ケースの表面との間に前記回動軸の回動中心を中心に回動自在に装着され、前記目盛板の外周面よりも径方向外方に突出して円周方向に延びる使用圧力表示領域が設けられるとともに使用圧力の最大値表示部と最小値表示部の一方が円周方向の一端部に設けられる使用圧力表示部材と、前記目盛板と前記使用圧力表示部材との間に前記回動軸の回動中心を中心に回動自在に装着され、前記使用圧力表示領域を遮蔽する遮蔽領域が円周方向に延びて設けられるとともに前記最大値表示部と前記最小値表示部の他方が円周方向の一端部に設けられる遮蔽部材とを有し、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材とを相対回動させることにより、前記使用圧力表示領域のうち前記最大値表示部と前記最小値表示部との間の使用圧力範囲が設定され、当該使用圧力範囲の設定時には前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材とが前記支持壁により支持されることを特徴とする。
本発明の圧力計は、前記使用圧力表示領域に前記遮蔽領域とは相違した色彩を施すことを特徴とする。本発明の圧力計は、前記使用圧力表示領域と前記遮蔽領域の一端部にそれぞれの回動操作用のノブを設けることを特徴とする。本発明の圧力計は、前記ケースに前記ケースの表面を覆う透明性を有するカバーを着脱自在に装着し、前記ケースの表面側を覆う前記カバーを介して前記指針、前記目盛板、前記使用圧力範囲を外部から視認し得ることを特徴とする。
本発明の圧力計は、前記使用圧力表示部材の一端部に前記最小値表示部を設け、前記遮蔽部材の一端部に前記最大値表示部を設けることを特徴とする。本発明の圧力計は、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材との少なくともいずれか一方を前記回動軸に回動自在に装着することを特徴とする。本発明の圧力計は、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材との少なくともいずれか一方を前記目盛板の背面に回動自在に装着することを特徴とする。
本発明の圧力計は、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材との少なくともいずれか一方に、前記回動軸に回動自在に装着されるボス部を設け、当該ボス部に切り欠き部を設けて前記回動軸に対して径方向から着脱自在とすることを特徴とする。
本発明によれば、円形状の目盛板の径方向外方に突出する使用圧力表示領域を有する使用圧力表示部材と、使用圧力表示領域を遮蔽する遮蔽領域を有する遮蔽部材とを有しており、使用圧力範囲を使用圧力表示部材と遮蔽部材とを相対回動させることにより、指針の延長上に使用圧力範囲が表示されるので、使用圧力範囲の視認性が向上し、一見して指針が使用圧力範囲となっているか否かを作業者は確認することができる。
使用圧力範囲を設定する際には目盛板に付された圧力目盛を目視しながら使用圧力表示部材と遮蔽部材とを回動させることができ、使用圧力範囲の設定を容易に行うことができる。
使用圧力範囲の設定時に使用圧力表示部材および遮蔽部材に付与される軸方向の荷重をケースの表面に設けられた支持壁により支持するようにしたので、被覆板を目盛板により支持するようにした圧力計のように目盛板の強度を向上させる必要がなく、簡易な構成により使用圧力表示部材および遮蔽部材の変形や破損を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である圧力計を示す斜視図であり、図2は本発明の圧力計を示す分解斜視図であり、図3(A)は図1における正面図であり、図3(B)は(A)の状態から使用圧力範囲を変更した状態の正面図であり、図4は図3(B)における矢印4−4線方向の拡大断面図である。
この圧力計は圧力測定器11が組み込まれるケース12を有し、ケース12はほぼ正方形となった支持壁13とこれと一体となった側壁14とを備えている。圧力測定器11は流体の圧力により弾性変形するブルドン管を用いたブルドン管式であり、図4に示すように圧力導入管15により案内される流体の圧力に応じた角度で回動する回動軸16を有し、回動軸16はケース12の支持壁13の中心部からケース表面側に突出している。ケース12の支持壁13の角部には、回動軸16に対して対角線上に2つの取付孔が形成されており、それぞれの取付孔に取り付けられるねじ17により圧力計は流体圧回路を構成する配管やフィルタなどの流体圧機器に取り付けられるようになっている。フィルタなどの流体圧機器に予め四角形の凹部を形成しておけば、この圧力計をフィルタなどに埋め込んで取り付けることができる。
支持壁13には支持駒18が固定されており、回動軸16は支持駒18を貫通している。回動軸16の先端には指針19が一体に設けられたハブ20が取り付けられるようになっている。ケース表面となっている支持壁13の表面と指針19との間に位置させて支持駒18には非透明性の材料により形成された半径Rの円板形状の目盛板21が取り付けられている。目盛板21の中心部には支持駒18に嵌合する取付孔22が形成されており、目盛板21は取付孔22が支持駒18に嵌合して固定される。目盛板21の表面外周部には指針19により指示される圧力目盛が付されている。圧力目盛は図2に示すように目盛板21の角度θの範囲に付されており、角度θは230度〜270度程度の範囲となっており、この範囲が圧力計の測定可能範囲となっている。この圧力計の測定可能範囲は、圧力目盛により示されるように、0MPaから1.0MPaとなっており、指針19が0MPaの位置から図において時計方向に回動するのに従って高い圧力値を示すことになる。なお、目盛板21に付される圧力目盛の最大値は圧力計の特性により任意に設定される。
目盛板21とケース表面との間に位置させて使用圧力表示部材23が支持駒18に回動自在に装着されている。使用圧力表示部材23は非透明性の部材により形成されており、回動中心部には支持駒18に対して摺動自在に嵌合されるガイド孔24aが形成された環状のボス部24が設けられている。これにより、使用圧力表示部材23は支持駒18を介して回動軸16に対して回動軸16の回動中心を中心として回動自在に装着されている。使用圧力表示部材23は左右に円周方向端面を有する扇形となっており、左右両端面の間の扇形の角度はα1となっている。使用圧力表示部材23の半径R1は目盛板21の半径Rよりも大きく設定されており、使用圧力表示部材23の外周部は目盛板21の外周面よりも径方向外方に突出して円周方向に延びる帯状の使用圧力表示領域25となっている。
使用圧力表示部材23の一端部つまり左側円周方向端部には、使用圧力表示部材23を回動させる際に作業者により操作されるノブ26が前方に向けて突出して設けられており、ノブ26は使用圧力表示領域25の左端面に対応して設けられており、その先端は目盛板21の表面よりも前方に突出している。ノブ26は径方向に延びており、ノブ26の内側エッジは最小値表示部27となっている。
目盛板21と使用圧力表示部材23との間に位置させて遮蔽部材31が支持駒18に回動自在に装着されている。遮蔽部材31は非透明性の部材により形成されており、回動中心部には支持駒18に対して摺動自在に嵌合されるガイド孔32aが形成された環状のボス部32が設けられている。これにより、遮蔽部材31は支持駒18を介して回動軸16に対して回動軸16の回動中心を中心として回動自在に装着されている。遮蔽部材31は左右に円周方向端面を有する扇形となっており、左右両端面の間の扇形の角度はα2となっている。遮蔽部材31の半径R2は使用圧力表示部材23の半径R1とほぼ同一径に設定されており、遮蔽部材31の外周部は目盛板21の外周面よりも径方向外方に突出して円周方向に延び使用圧力表示領域25を遮蔽する遮蔽領域33となっている。なお、遮蔽部材31の半径R2としては、使用圧力表示部材23の半径R1よりも僅かに大きくしても良い。
遮蔽部材31の一端部つまり左側円周方向端部には、遮蔽部材31を回動させる際に作業者により操作されるノブ34が前方に向けて突出して設けられており、ノブ34は遮蔽領域33の左端部に対応して設けられており、その先端は目盛板21の表面よりも前方に突出している。ノブ34は径方向に延びており、ノブ26の外側エッジは最大値表示部35となっている。
使用圧力表示部材23と遮蔽部材31を相対回転させると、図3に示すように、使用圧力表示領域25のうち最小値表示部27と最大値表示部35との間によって帯状に設定される使用圧力範囲36の角度βが設定される。使用圧力表示部材23の表面は、ケース12、目盛板21および遮蔽部材31の表面とは相違した色彩が施されている。例えば、使用圧力表示部材23の表面は赤または青などの色彩に塗色され、他の部分は白色に塗色されている。これにより、図3に示すように、使用圧力範囲36が目盛板21の外周面から径方向に迫り出して、指針19の先端の延長上に配置されるとともに使用圧力範囲36の外側の部分の色彩と相違していることから、外部から確実に使用圧力範囲36を目視することができる。
しかも、目盛板21の全周が円形となって外部から観察され、目盛板21の背面側に配置された使用圧力表示部材23と遮蔽部材31とによって、円形の目盛板21の径方向外方に帯状の使用圧力範囲36が迫り出して外部から観察されるので、使用圧力範囲36を外部から容易に確認することができる。
使用圧力表示部材23と遮蔽部材31に設けられたノブ26,34は最小値表示部27と最大値表示部35の機能を有しており、両方のノブ26,34の間により帯状の使用圧力範囲36が外部から確実に視認されることになる。
使用圧力表示部材23と遮蔽部材31は、支持駒18を介して回動軸16に回動自在に装着されているので、ケース12を流体圧機器に埋め込むようにすることができ、その場合にはカバー37をケース12に取り付けることなく、流体圧機器に取り付けるようにしても良い。
使用圧力表示部材23と遮蔽部材31の角度α1,α2は、図示する場合にはそれぞれ120度から130度程度に設定されているが、圧力計が使用される際における使用圧力範囲36の最大値が得られるように使用圧力表示部材23の角度α1が設定され、最小値としたときに使用圧力範囲36を残してそれ以外の使用圧力表示領域25を遮蔽部材31が覆うように角度α2が設定される。
ケース12の表面側には透明性を有するカバー37が着脱自在に装着されるようになっている。カバー37はケース12の支持壁13に対応してほぼ正方形のカバー本体38とこれと一体となった側壁39とを備えており、側壁39の開口端部にはケース12の側壁14に形成された凹部に係合するビード部40が設けられている。
カバー37をケース12の表面側に装着すると、指針19,目盛板21,使用圧力範囲36が覆われて、カバー37の内側に配置される指針19等の部材に作業者等が接触することが防止される。カバー37を取り外すことにより、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31の回動位置を変更することができる。例えば、圧力計が使用される流体圧が0.2MPaと0.4MPaの範囲の場合には、図3(A)に示すように、最小値表示部27を0.2MPaの位置に設定し、最大値表示部35を0.4MPaの位置に設定することになる。また、圧力計が使用される流体圧が0.4MPaと0.5MPaの範囲の場合には、図3(B)に示すように、最小値表示部27を0.4MPaの位置に設定し、最大値表示部35を0.5MPaの位置に設定することになる。このように、使用圧力範囲36の角度βと円周方向の位置を変更する際には、カバー37を取り外した状態のもとで、ノブ26,34の位置を目盛に沿って円周方向に使用圧力表示部材23と遮蔽部材31とを回動させることにより容易に使用圧力範囲36の設定を行うことができる。ただし、ノブ26,34を設けることなく、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31とに孔を形成し、針状の部材を用いてそれぞれを回動させるようにしても良い。
回動操作時の使用圧力表示部材23には、使用圧力表示部材23を回動させる周方向の荷重に加えて、使用圧力表示部材23を支持壁13に押し付ける軸方向の荷重が付与され、この軸方向の荷重により、使用圧力表示部材23は支持壁13に当接されて当該支持壁13により支持されることとなる。同様に、回動操作時の遮蔽部材31には、遮蔽部材31を回動させる周方向の荷重に加えて、遮蔽部材31を使用圧力表示部材23に押し付ける軸方向の荷重が付与され、この軸方向の荷重により、遮蔽部材31は使用圧力表示部材23に当接されて当該使用圧力表示部材23を介して支持壁13により支持されることとなる。このように、回動操作時つまり使用圧力範囲の設定時に使用圧力表示部材23および遮蔽部材31に付与される軸方向の荷重をケース12の表面に設けられた支持壁13により支持するようにしたので、被覆板を目盛板により支持するようにした特許文献2に示す圧力計のように目盛板の強度を向上させる必要がなく、簡易な構成により使用圧力表示部材23および遮蔽部材31の変形や破損を防止することができる。
流体圧回路に図3に示す使用圧力の範囲となって流体が供給されているかは、カバー37を介して指針19の位置を外部から目視することにより作業者が確認することができる。図3(A)に示すように指針19がその延長上の使用圧力範囲36の範囲に入っていれば、流体圧回路には適正な圧力の流体が供給されていることが外部から確認できる。また、図3(B)に示すように最小値表示部27よりも指針19が低い圧力となっていたり、あるいは最大値表示部35よりも指針19が高い圧力となっていたりしたら、流体圧回路には適正な使用圧力範囲外となっていることを作業者は目視して確認できる。なお、カバー37は指針19等に作業者や部材が触れることを防止するために使用されており、カバー37には目盛が付されていないので、カバー37を装着しない状態でも圧力を測定することはできる。
図5〜図12は圧力計の変形例を示す。図5〜図12においては、図1〜図4に示した圧力計における部材と共通する部材には同一の符号が付されている。
図5は変形例の圧力計を示す正面図であり、図6は図5に示す圧力計の分解斜視図である。この圧力計においては、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31が圧力計の正面から見て左右逆に配置されている。したがって、使用圧力表示部材23の右側の円周方向端部に設けられたノブ26の内側エッジは最大値表示部35となっており、遮蔽部材31の右側の円周方向端部に設けられたノブ34の外側エッジは最小値表示部27となっている。他の構造は上述した圧力計と同様である。
図7は他の変形例の圧力計を示す断面図であり、支持壁13の中心部には円形状の貫通孔13aが形成されている。この貫通孔13aの半径rは、使用圧力表示部材23の半径R1よりも小径となっており、使用圧力範囲36の設定時には使用圧力表示部材23の外周部が支持壁13に当接されて、使用圧力表示部材23および遮蔽部材31が支持壁13により支持されるようになっている。このように、支持壁13は少なくとも使用圧力表示部材23の外周部に対応した形状であればよい。
図8は図2に示す使用圧力表示部材と遮蔽部材の変形例を示す分解斜視図であり、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31とのボス部24,32には周方向の切り欠き部が設けられている。この切り欠き部は、使用圧力表示領域25および遮蔽領域33と回動中心を中心としてほぼ対称な位置に鈍角状に形成されており、ボス部24,32の開口寸法dは支持駒18の直径Dよりも短寸となっている。また、ボス部24,32は弾性変形可能な樹脂材料によりそれぞれ使用圧力表示部材23および遮蔽部材31に一体に形成されている。これにより、使用圧力表示部材23および遮蔽部材31を支持駒18に対して径方向から押し込むことで使用圧力表示部材23および遮蔽部材31を支持駒18に装着可能となっている。一方、使用圧力表示部材23および遮蔽部材31を支持駒18に対して径方向に引き抜くことで使用圧力表示部材23および遮蔽部材31を支持駒18から取り外し可能となっている。ゆえに、使用圧力表示部材23および遮蔽部材31を支持駒18つまり回動軸16に対して径方向から着脱自在とすることができ、圧力計の組立性が向上するとともに使用圧力表示部材23および遮蔽部材31の後付け(オプション化)が可能となる。なお、ボス部24,32を使用圧力表示部材23および遮蔽部材31と一体に形成せずに、ボス部24,32のみを弾性変形可能な樹脂材料により形成するようにしても良い。
図9はさらに他の変形例の圧力計における目盛板と使用圧力表示部材と遮蔽部材の背面側を示す分解斜視図であり、目盛板21は上述した圧力計と同一となっている。これに対して、使用圧力表示部材23はガイド孔24aが形成された環状のボス部24と、使用圧力表示領域25に対応した円弧状帯部41と、この円弧状帯部41とボス部24との間に径方向に延びてこれらを連結する連結用帯部42とを有している。なお、連結用帯部42はノブ26が設けられた一方の端部で円弧状帯部41に一体となっているが、円弧状帯部41の他方の端部に連結用帯部42を一体に設けるようにしても良い。
遮蔽部材31はガイド孔32aが形成されたボス部32と、遮蔽領域33に対応した円弧状帯部43と、この円弧状帯部43とボス部32との間に径方向に延びてこれらを連結する連結用帯部44とを有している。なお、連結用帯部44はノブ34が設けられた一方の端部で円弧状帯部43に一体となっているが、円弧状帯部43の他方の端部に連結用帯部44を一体に設けるようにしても良い。使用圧力表示部材23と遮蔽部材31の円弧状帯部41,43の幅寸法W1とW2はともに使用圧力表示領域25の径方向寸法よりも大きく設定されている。したがって、それぞれの径方向内側の部分は目盛板21の背面側に重なるようになっている。
図10は図9に示す使用圧力表示部材と遮蔽部材の変形例を示す分解斜視図であり、図8と同様に、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31のボス部24,32に周方向の切り欠き部が設けられている。このように、使用圧力表示部材23および遮蔽部材31を支持駒18に対して回動自在に装着するようにした圧力計においては、ボス部24,32に周方向の切り欠き部を設けることで、支持駒18に対して径方向から着脱自在となり、図8に示す使用圧力表示部材23および遮蔽部材31と同様の効果を奏することができる。
このように、図9および図10に示す使用圧力表示部材23は、上述した扇形の使用圧力表示部材23の一部を切り欠いた形状となっており、図9および図10に示す使用圧力表示部材23の表面側は、例えば、赤または青などの色彩に塗色され、遮蔽部材31と目盛板21の地の色は白色に塗色されている。
図11はさらに他の変形例の圧力計を示す断面図であり、図12は図11に示した目盛板と使用圧力表示部材と遮蔽部材の背面側を示す分解斜視図である。この圧力計の目盛板21の背面には環状のガイド溝45が形成されている。使用圧力表示部材23と遮蔽部材31はともに円弧状の帯状となっており、図9に示した円弧状帯部41のみにより使用圧力表示部材23が形成され、図9に示した円弧状帯部43のみにより遮蔽部材31が形成されている。使用圧力表示部材23と遮蔽部材31のそれぞれの幅寸法W1とW2は、ともに使用圧力表示領域25の径方向寸法よりも大きく設定されている。したがって、それぞれの径方向内側の部分は目盛板21の背面側に重なるようになっている。
目盛板21と使用圧力表示部材23との間に配置される遮蔽部材31の表面にはガイド溝45に係合してこれに沿って摺動する係合突起46が設けられており、使用圧力表示部材23の表面にはガイド溝45に係合してこれに案内されて摺動する係合突起47が設けられている。これにより、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31は目盛板21の背面に回動自在に装着されており、それぞれは回動軸16の回動中心を中心として回動する。上述した圧力計と同様に、使用圧力表示部材23の一端部には操作用のノブ26が設けられ、遮蔽部材31の一端部には操作用のノブ34が設けられている。遮蔽部材31の表面に設けられた係合突起46は遮蔽部材31の円周方向全体に設けられているのに対し、使用圧力表示部材23の表面に設けられた係合突起47はノブ26の径方向内方から円周方向に延びて部分的に設けられており、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31とを円周方向に移動させる際に、係合突起46,47が相互に干渉しないようになっている。ただし、目盛板21の背面に2つのガイド溝を形成し、一方のガイド溝に係合突起46を係合させ、他方のガイド溝に係合突起47を係合させるようにすれば、両方の係合突起46,47を使用圧力表示部材23と遮蔽部材31の円周方向全長に形成しても係合突起46,47が干渉しないようにすることができる。
図11および図12に示す使用圧力表示部材23の表面側は、上述した場合と同様に、例えば、赤または青などの色彩に塗色され、遮蔽部材31と目盛板21の地の色は白色に塗色されている。
図1〜図10に示す圧力計の使用圧力表示部材23と遮蔽部材31はともに回動軸16に支持駒18を介して回動自在に装着され、図11,図12に示す圧力計の使用圧力表示部材23と遮蔽部材31はともに目盛板21の背面に回動自在に装着されているが、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31の一方を回動軸16に支持駒18を介して回動自在に装着し、他方を目盛板21の背面に回動自在に装着するようにしても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、圧力測定器11はブルドン管式であるが、圧力に応じて回動軸16を回動させるタイプであれば、他のタイプの圧力測定器をケース12内に組み込むようにしても良い。また、使用圧力表示部材23と遮蔽部材31は一対設けられているが、複数対設けるようにしても良い。ケース12は四角形となっているが円形としても良い。
本発明の一実施の形態である圧力計を示す斜視図である。 本発明の圧力計を示す分解斜視図である。 (A)は図1における正面図であり、(B)は(A)の状態から使用圧力範囲を変更した状態の正面図である。 図3(B)における矢印4−4線方向の拡大断面図である。 変形例の圧力計を示す正面図である。 図5に示した圧力計の分解斜視図である。 他の変形例の圧力計を示す断面図である。 図2に示す使用圧力表示部材と遮蔽部材の変形例を示す分解斜視図である。 さらに他の変形例の圧力計における目盛板と使用圧力表示部材と遮蔽部材の背面側を示す分解斜視図である。 図9に示す使用圧力表示部材と遮蔽部材の変形例を示す分解斜視図である。 さらに他の変形例の圧力計を示す断面図である。 図11に示した目盛板と使用圧力表示部材と遮蔽部材の背面側を示す分解斜視図である。
符号の説明
11 圧力測定器
12 ケース
13 支持壁
16 回動軸
18 支持駒
19 指針
21 目盛板
22 取付孔
23 使用圧力表示部材
24 ボス部
25 使用圧力表示領域
26 ノブ
27 最小値表示部
31 遮蔽部材
32 ボス部
33 遮蔽領域
34 ノブ
35 最大値表示部
36 使用圧力範囲
37 カバー
41 円弧状帯部
42 連結用帯部
43 円弧状帯部
44 連結用帯部
45 ガイド溝
46,47 係合突起

Claims (8)

  1. 流体の圧力に応じた角度で回動する回動軸を有する圧力測定器が組み込まれるケースと、
    前記回動軸に取り付けられ、前記ケースの表面に設けられる支持壁に沿って回動する指針と、
    前記ケースの表面と前記指針との間に固定され、前記指針により指示される圧力目盛が付された円形状の目盛板と、
    前記目盛板と前記ケースの表面との間に前記回動軸の回動中心を中心に回動自在に装着され、前記目盛板の外周面よりも径方向外方に突出して円周方向に延びる使用圧力表示領域が設けられるとともに使用圧力の最大値表示部と最小値表示部の一方が円周方向の一端部に設けられる使用圧力表示部材と、
    前記目盛板と前記使用圧力表示部材との間に前記回動軸の回動中心を中心に回動自在に装着され、前記使用圧力表示領域を遮蔽する遮蔽領域が円周方向に延びて設けられるとともに前記最大値表示部と前記最小値表示部の他方が円周方向の一端部に設けられる遮蔽部材とを有し、
    前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材とを相対回動させることにより、前記使用圧力表示領域のうち前記最大値表示部と前記最小値表示部との間の使用圧力範囲が設定され、当該使用圧力範囲の設定時には前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材とが前記支持壁により支持されることを特徴とする圧力計。
  2. 請求項1記載の圧力計において、前記使用圧力表示領域に前記遮蔽領域とは相違した色彩を施すことを特徴とする圧力計。
  3. 請求項1または2記載の圧力計において、前記使用圧力表示領域と前記遮蔽領域の一端部にそれぞれの回動操作用のノブを設けることを特徴とする圧力計。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力計において、前記ケースに前記ケースの表面を覆う透明性を有するカバーを着脱自在に装着し、前記ケースの表面側を覆う前記カバーを介して前記指針、前記目盛板、前記使用圧力範囲を外部から視認し得ることを特徴とする圧力計。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力計において、前記使用圧力表示部材の一端部に前記最小値表示部を設け、前記遮蔽部材の一端部に前記最大値表示部を設けることを特徴とする圧力計。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧力計において、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材との少なくともいずれか一方を前記回動軸に回動自在に装着することを特徴とする圧力計。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧力計において、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材との少なくともいずれか一方を前記目盛板の背面に回動自在に装着することを特徴とする圧力計。
  8. 請求項6記載の圧力計において、前記使用圧力表示部材と前記遮蔽部材との少なくともいずれか一方に、前記回動軸に回動自在に装着されるボス部を設け、当該ボス部に切り欠き部を設けて前記回動軸に対して径方向から着脱自在とすることを特徴とする圧力計。
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