JP2009061150A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 遊技機にスピーカ40、ランプ30、LCD21を設け、各演出装置の演出内容を規定したスケジュールデータと、これらを統合的に用いた演出内容を規定する演出データを予め用意しておく。演出制御は、遊技全体の進行を制御するメイン制御基板100からの主基板コマンドに従って、サブ制御基板のCPU201が演出データ、スケジュールデータを選択、実行して行われる。この際、子役の告知など、所定の遊技状態においては、サブ制御基板自身が、演出データまたはスケジュールデータを選択して演出内容を決定する。このように演出データ等の選択を許容することにより、主基板コマンドに対して多義的な演出を実現することができ、演出を多様化することができる。
【選択図】 図3
Description
特許文献1の技術では、シナリオを多数用意することによって、多様な演出を実現することが可能ではある。しかし、この場合には、多数のシナリオを使い分けるための制御を行う分だけ主制御装置の処理負荷が増大するおそれがある。また、主制御装置は、シナリオの数に応じた多数のコマンドをサブ制御基板に出力可能とする必要があるため、一つのコマンドを構成するバイト数が増大し、コマンド出力に要する処理負荷も増大する。
特許文献2記載の技術のように、統括制御基板が演出内容を決定可能とすれば、上述の課題を緩和することは可能ではある。しかし、特許文献2では、キャラクターが選択されるに過ぎず、キャラクターの動き等は変わらないため、演出表示の多様化では十分興趣を高めることができなかった。
本発明は、これらの課題に鑑み、主制御装置とサブ制御装置との分散処理によって遊技の進行とそのための演出とが制御される遊技機において、主制御基板の処理負荷を増大させることなく、更に多様な演出表示を実現することを目的とする。
遊技機は、また、遊技の進行を統合制御する主制御装置と、主制御装置から出力されるコマンドに基づき、遊技の遊技状態に応じて複数種類の演出装置を制御する演出制御装置とを有している。主制御装置と演出制御装置とは、主制御装置から演出制御装置への単方向で信号伝達を行う単方向信号線で接続されている。
遊技媒体の払い出しに関わる所定の条件は、遊技機の種類に応じて異なる。スロットマシンとして構成されている場合には、回胴の停止時において図柄が所定の役で揃うか否かが、ここでいう条件に該当する。パチンコ機として構成されている場合には、遊技盤面に設けられた入賞口に遊技球が入賞したか否か、また、始動入賞口に入賞した後に行われる抽選によって、遊技媒体の払い出しが生じやすい特定遊技状態、いわゆる「大当たり」が発生したか否かが、ここでいう条件に該当する。
主制御装置の各機能は、所定のコンピュータプログラムをCPUが実行することによってソフトウェア的に実現してもよいし、ASICなどの回路によってハードウェア的に実現してもよい。
演出内容設定データ記憶部は、各演出装置における出力内容を規定する演出内容設定データを複数種類記憶している。音を出力させるための演出内容設定データは、例えば、出力すべき音源データおよびその出力時間を、時系列的に指定したデータとすることができる。表示、ランプなどの出力を制御するための演出内容設定データも同様である。
本発明によれば、演出制御実行部でこのような選択を行うことによって、主基板コマンドに対して多義的な演出を実現することができる。この際、演出制御実行部は、演出内容設定データを選択するため、単に使用されるキャラクタ等を変更するだけでなく、選択結果に応じて、音、表示、ランプなど演出内容全体を切り換えることが可能となる。
(1)子役の告知を行う(音、表示、ランプの演出抽選);
(2)内部あたり時の効果音を切り換える(音の演出抽選);
(3)時間帯によって表示の背景を切り換える(表示の演出抽選);
(4)リーチ態様によってテンパイ時の効果音を切り換える(音の演出抽選);
(5)変動開始音の出力タイミングを遅らせる(音の演出抽選);
(6)アシストタイム抽選を表示する(表示の演出抽選);
(7)メインで表示されるキャラクター以外のサブキャラを表示させる(表示の演出抽選);
(8)予告音の出力(音の演出抽選);
(9)内部当たり告知を数ゲームにわたって行う(表示の演出抽選);
(10)入賞した役によってリール停止時のバックライトを変化させる(ランプの演出抽選)
また、演出内容設定データには同一の演出時間となるものを複数含め、この中から抽選を行うようにしてもよい。同一の演出時間となる複数の演出内容設定データを準備するために、スケジュールデータには、各演出装置による演出時間が同一となる複数種類のデータが含められ、演出データには、同一の演出時間となるスケジュールデータのいずれかを、演出装置ごとに特定した複数種類のデータが含められる。
階層構造での制御手順は次の通りである。まず、演出スケジューラ部は、主基板コマンドに基づいて特定される遊技状態に応じて、演出データのいずれかを選択する。演出データには、各演出装置が実行すべきスケジュールデータが特定されている。演出スケジューラ部は、選択した演出データを解析し、各演出装置が実行すべきスケジュールデータを特定する動作情報を生成して、それぞれの演出装置について出力する。動作情報とは、演出装置ごとに実行すべきスケジュールデータを特定することによって、各演出装置の演出内容を表す情報である。例えば、スケジュールデータの格納場所を表すアドレスや、スケジュールデータに直接または間接的に付された識別コードなどを用いることができる。
出力スケジューラ部は、演出装置ごとに個別に設けられている。それぞれの出力スケジューラ部は、動作情報に基づいてスケジュールデータ記憶部に記憶されたスケジュールデータのいずれかを選択する。そして、このスケジュールデータに基づいて各演出装置の出力を制御する。
もっとも、遊技機では、不正防止のため、主制御装置とサブ制御基板は単方向の通信しか許容されていないため、主制御装置はサブ制御基板が指示された演出を完了したか否かを判断することができない。従って、サブ制御基板で無制限に演出内容を決定可能とすると、主制御装置とサブ制御基板との処理の同期がとれなくなるおそれがある。この結果、両者のずれが大きくなると、例えば、抽選結果がまだ表示されていないにも関わらず、大当たり遊技が開始されるおそれもある。
従って、演出時間が異なる演出内容データを選択対象とする場合には、予告音のように演出時間が十分短く演出途中で次の遊技状態に移行する可能性がないものや、背景の変化のように演出時間との結びつきが弱いもの、つまり任意のタイミングで違和感なく演出を停止させられるものとしておくことが好ましい。
例えば、他の演出データを演出データの一部として取り込むためのコールコマンドを設けても良い。演出スケジューラ部は、演出データで規定された処理を順次実行するとともに、コールコマンドの実行時には、一旦、コールコマンドで指定された他の演出データを実行した後、元の演出データの処理を継続して実行することになる。こうすることにより、一般のプログラムにおいてサブルーチンをコールするのと同じように、汎用的な演出内容を、種々の場面で活用することが可能となる。
条件分岐後の演出内容も種々の構成が可能である。例えば、条件分岐以後は、2つ以上の処理に完全に分離される構成としてもよい。また、条件分岐によって所定の処理を行った後は、分岐前の処理に復帰するように構成してもよい。後者の態様によれば、例えば、遊技中にボタンが押された場合に一時的に効果音を出力する処理を実行した後、従前の演出に違和感なく復帰させることが可能となる。
スケジュールデータも、同様にコールコマンドや条件分岐コマンドを含めるようにしてもよい。
演出スケジューラ部が実行する場合、演出データを抽選によって選択することになる。演出データは、複数の演出装置を統合的に制御するために用意されたデータであるから、この態様によれば、複数の演出装置の演出内容の統一感を保ちながら多彩な演出を実現できる利点がある。
抽選コマンドは、例えば、先に説明した条件分岐コマンドとコールコマンドの組み合わせで実現してもよい。つまり、所定の条件が成立した時に、コールコマンドによって他の演出データを実行するようにすればよい。
こうすることによって、演出データ内に任意に抽選コマンドを組み込むことができるため、多様な主基板コマンドに対して柔軟に抽選を実現することが可能となる。
出力スケジューラ部での抽選も、演出スケジューラ部による抽選と同様、スケジュールデータに抽選コマンドを含めることで実現してもよい。出力スケジューラ部は、スケジュールデータで規定された処理を順次実行するとともに、抽選コマンドの実行時には、コマンドで設定された条件の成否を判断し、指定された他の演出データを実行することになる。
A.装置構成:
B.制御機構の構成:
C.制御ソフトウェア構成:
C1.モジュール構成:
C2.演出制御の基本概念:
C3.イベントモジュールの機能:
C4.演出モジュールの機能:
C5.サウンドモジュールの機能:
C6.ランプモジュールの機能:
D.演出制御処理:
D1.メイン処理:
D2.イベント処理:
D3.演出データ処理:
D4.サウンド処理:
D5.ランプ処理:
E.効果:
F.第2実施例:
F1.遊技機の構成:
F2.遊技機の制御:
G.変形例:
図1は実施例におけるスロットマシン10の外観を示す説明図である。スロットマシン10は、遊技媒体であるメダル(遊技メダル)を用いてゲームを行うことができる。「遊技媒体」とは、遊技場(ホール)において1回ごとのゲームについて投資または掛ける対象、およびゲームの結果に応じた特典として払い出しの対象となる物を意味する。本実施例は、スロットマシンを例にとって説明するが、本実施例は、パチンコ機などの遊技機として構成してもよい。
図2は制御機構の構成を示す説明図である。スロットマシン10はメイン制御基板100、サブ制御基板200の分散処理によって制御される。メイン制御基板100は、内部にCPU101、ROM102、RAM103を備えており、スロットマシン10の全体処理を制御する。この制御を実行するため、メイン制御基板100には、種々の情報が入出力される。図中には、その一部を示した。
Processor)204が備えられている。VDP204は、CPU201からのコマンドに従って、画像をビットマップ展開し、LCD21に画像を表示するための表示データを生成する。表示データの生成は、種々の方法で行うことが可能であるが、本実施例では、予め用意されたキャラクタデータを活用する方法を採った。
C1.モジュール構成:
図3は制御ソフトウェア構成を示す説明図である。本実施例では、各モジュールは、サブ制御基板のCPU201が実行するコンピュータプログラムによってソフトウェア的に構成されているが、一部または全部をハードウェア的に構成しても構わない。
本実施例では、音声動作番号と、生成すべき音源コマンドとの関係は、予めスケジュールデータとして規定され、ROM202に記憶されている。サウンドモジュール250は、このスケジュールデータを参照して音源コマンドを生成するのである。図示を省略したが、サウンドモジュール250には、スケジュールデータを参照して音源コマンドを生成するためのスケジューラが複数、設けられている。サウンドモジュール250は、これらの複数のスケジューラを統合制御して、4チャンネル分の出力に対応する音源コマンドを生成することができる。音源IC205は、この音源コマンドで指定された音源データをROM202から読み出し、スピーカ40から音声出力する。
本実施例では、ランプ動作番号と、生成すべきランプデータとの関係は、予めスケジュールデータとして規定され、ROM202に記憶されている。ランプモジュール260は、このスケジュールデータを参照してランプデータを生成するのである。図示を省略したが、ランプモジュール260には、スケジュールデータを参照してランプデータを生成するためのスケジューラが複数、設けられている。ランプモジュール260は、これらの複数のスケジューラを統合制御してランプデータを生成することができる。ランプデータは、出力ポートイメージワーク213を介してランプ30に出力され、各ランプを点灯・点滅させる。
図4は演出制御の基本概念を示す説明図である。サウンドモジュール250の機能を例にとって示した。先に説明した通り、サウンドモジュール250は、音声動作番号に基づいて音源コマンドを生成する。音源コマンドの生成は、スケジューラ252[1]〜252[4]等によって実現される。各スケジューラは、予め用意されたスケジュールデータ255を参照して音源コマンドを生成する。スケジュールデータ255の構造は後述する。サウンドモジュールメイン251は、各スケジューラの起動を制御し、参照すべきスケジュールデータを指定する。
システム効果音(設定変更等) 禁止;
通常異常効果音 禁止;
扉開放効果音(エラー報知、ドア等) 禁止;
機能効果音2(払い出し、BET等) 許可;
機能効果音1(払い出し、BET等) 許可;
企画特殊効果音(ボーナスBGM等) 許可;
企画演出効果音(演出からの音声番号設定) 許可;
フレーズ番号は、各レイヤから出力される一連の音声のうち、現在、どのフレーズが再生されているのかを示す情報である。ステレオ再生フラグは、ステレオ出力するか否かを表している。出力ボリュームはチャンネルごとのボリュームである。ループ属性は、繰り返し再生するか否かの指定である。これらの情報は、サウンドモジュールメイン251によって指定される。
設定変更;
エラー報知;
扉開放報知;
機能表示2(告知等);
機能表示1(払い出し等);
遊技演出;
ランプについてのレイヤ構造は、これに限定されるものではなく、この中の一部を省略してもよいし、この他のレイヤを追加してもよい。
図5はシステムイベントの生成を示す説明図である。イベントモジュール230は、先に図3で説明した通り、主基板コマンドに基づいて、システムイベントおよびユーザイベントを生成し、管理する機能;これらのイベントに応じて、演出番号を特定し、演出モジュール240に受け渡す機能;およびシステムイベントに基づいて液晶コマンド、音声動作番号、ランプ動作番号を設定する機能を奏する。
破線枠内に本実施例でシステムイベントとして管理する状態SEを示した。下側に行くほど優先度が高くなる。制御の便宜上、「電源投入」もシステムイベントと同じ扱いとしている。
ワーク231における「サウンド起動レイヤ」および「サウンド起動パターン」は、イベント発生/停止等に応じて、サウンドを出力させるべきレイヤ、および出力させるべきサウンドのパターンをそれぞれ番号で指定する。サウンドパターンの番号とは、図3中の音声動作番号を意味する。ワーク231における「ランプ起動レイヤ」および「ランプ起動パターン」も同様に、起動させるべきランプレイヤおよびランプの点灯パターンをそれぞれ番号で指定する。ランプの点灯パターンの番号とは、図3中のランプ動作番号を意味する。上述の「デモ」起動の時には、サウンドレイヤ[1]で効果音[1]、ランプレイヤ[1]でランプ[1]を起動させることになる。
図6は演出モジュール240の機能を示す説明図である。演出モジュール240は、イベントモジュール230から演出番号を受け取り、VDP204、サウンドモジュール250およびランプモジュール260に出力するコマンドを設定する。図中には、このコマンドを設定するために参照される演出データ241の構造を示した。
(1) 主基板コマンド受信チェック…所定の主基板コマンドを受信したか否かをチェックする。チェック対象となる主基板コマンドは、パラメータで指定する。
(2) ジャンプ…パラメータで指定されたアドレスを演出管理ポインタにセットする。演出モジュール240は、指定されたアドレスにジャンプして演出データの処理を継続することになる。
(3) コール…次のファンクションのポインタ値を待避した上で、パラメータで指定されたアドレスを演出管理ポインタにセットする。演出モジュール240は、一時的にパラメータで指定されたアドレスに移行して演出データの処理を行った後、上述の待避したポインタ値に基づき、従前の処理に復帰することができる。
(4) リターン…コール先から復帰するための指示である。コールで待避したポインタ値を、演出管理テーブルに設定する機能を有する。
(5) タイマセット…待ち時間用のタイマの値を設定する。このタイマ値は、処理中に順次、減算される。タイマ値が0となった時に指定された待ち時間が経過したことを表す。
(6) タイマウェイト…設定されたタイマが0となるまで待って、演出データの処理を継続する。
(7) メモリ参照…所定のイベントの発生有無が設定された条件を満たすか否かを判断し、満たしたか否かによって、次に行う処理を分岐する。イベントの発生有無は、パラメータが示すイベント用メモリの値を参照することによって監視する。
(8) 演出終了…演出番号をクリアし、実行終了する。この際、演出管理ポインタに演出データの先頭アドレスを書き込むことによって、リセットしておく。
(9) 液晶コマンドセット…液晶に送信するコマンドを設定する。
(10) 音声動作番号セット…サウンドモジュール250に出力する音声動作番号を設定する。
(11) ランプ動作番号セット…ランプスケジュール260に出力するランプ動作番号を設定する。
(1)子役の告知を行う(音、表示、ランプの演出抽選);
(2)内部あたり時の効果音を切り換える(音の演出抽選);
(3)時間帯によって表示の背景を切り換える(表示の演出抽選);
(4)リーチ態様によってテンパイ時の効果音を切り換える(音の演出抽選);
(5)変動開始音の出力タイミングを遅らせる(音の演出抽選);
(6)アシストタイム抽選を表示する(表示の演出抽選);
(7)メインで表示されるキャラクター以外のサブキャラを表示させる(表示の演出抽選);
(8)予告音の出力(音の演出抽選);
(9)内部当たり告知を数ゲームにわたって行う(表示の演出抽選);
(10)入賞した役によってリール停止時のバックライトを変化させる(ランプの演出抽選)
図7はサウンドモジュール250の機能を示す説明図である。サウンドモジュール250は、ROM202に格納されたスケジュールデータ255を参照しながら、音声出力を行う。先に図4で説明した通り、サウンドモジュール250は、複数のスケジューラ252を併用してこれらの処理を行う。各スケジューラ252は、音声用のサウンドレイヤと対応づけて設けられている。また、各スケジューラ252には、動作管理用のワーク252Wがそれぞれ用意されている。ワーク252Wの内容は後述する。
(1) タイマセット…パラメータで設定された時間をワーク252Wのタイマにセットする。
(2) フレーズ再生…パラメータで設定されたフレーズ番号が示すフレーズデータを再生する。フレーズデータの内容については後述する。
(3) フレーズ消音…パラメータで設定されたフレーズデータを再生しているチャンネルの再生を停止する。
(4) チャンネル消音…パラメータで設定されたチャンネルの再生を停止する。
(5) スケジューラ停止…処理を停止し、使用していたチャンネルを解放する。
(6) コール…次のファンクションのポインタ値を待避した上で、パラメータで指定されたアドレスをサウンドポインタにセットする。
(7) リターン…コール先から復帰する。
(8) ジャンプ…パラメータで指定されたアドレスをサウンドポインタに設定する。
(9) ループ…ループからループエンドまでの間のファンクションを、パラメータで指定された回数だけ繰り返し実行する。
(10) ループエンド…ループの終了を表す。
動作状態は、各レイヤが動作中か否かを示している。
音声番号は、動作中のスケジュールデータ255の番号を表している。本実施例では、スケジュールデータ255の先頭アドレスを用いるものとした。
サウンドポインタは、スケジューラ252が実行しているスケジュールデータ255のアドレスである。図中の例では、処理が進むにつれ、サウンドポインタの値は、順次、SA2、SA3と移行する。
タイマ値は、次のファンクションを実行するまでの待ち時間を表す。スケジュールデータ255で待ち時間が指定された時に設定され、時間の経過とともに、順次、減算される。サウンドモジュール250は、この値が0となった時に次のファンクションを実行する。
図8はランプモジュール260の機能を示す説明図である。ランプモジュール260は、ROM202に格納されたスケジュールデータ265を参照しながら、ランプ出力、即ちランプの点灯・点滅制御を行う。ランプモジュール260も、複数のスケジューラ262を併用してこれらの処理を行う。各スケジューラ262は、ランプ用のランプレイヤと対応づけて設けられている。また、各スケジューラ262には、動作管理用のワーク262Wがそれぞれ用意されている。ワーク262Wの内容は後述する。
(1) タイマセット…パラメータで設定された時間をワーク252Wのタイマにセットする。
(2) 階調パターン設定…パラメータで設定された階調パターンデータアドレスを設定し、ワーク262W内の階調データタイマをクリアすることによって、階調データの実行を指示する。
(3) ジャンプ…パラメータで指定されたアドレスをランプポインタに設定する。
(4) スケジューラ停止…処理を停止する。
(5) ループ…ループからループエンドまでの間のファンクションを、パラメータで指定された回数だけ繰り返し実行する。
(6) ループエンド…ループの終了を表す。
スケジューラステータスは、スケジューラが起動中か否かを示す。
動作パターンナンバーは、動作中のスケジュールデータ265の番号を表している。本実施例では、スケジュールデータ265の先頭アドレスを用いるものとした。
スケジューラタイマは、次のファンクションを実行するまでの待ち時間を表す。スケジュールデータで待ち時間が指定された時に設定され、時間の経過とともに、順次、減算される。ランプ260は、この値が0となった時に次のファンクションを実行する。
階調データタイマは、階調パターンデータ266の実行時に、次の階調データを実行するまでの待ち時間を表す。図の例で、アドレスLA11に規定された階調データを実行する際には、階調データタイマに、設定されたタイマ値が0になると、階調データ1から階調データ2に移行し、再びタイマ値が0になると、アドレスLA11の処理を終了してアドレスLA12の処理に移行する。
階調データポインタは、階調スケジューラ263が実行している階調パターンデータ266のアドレスである。図中の例では、処理が進むにつれ、階調データポインタの値は、順次、LA11、LA12と移行する。
ループ回数は、ループの繰り返し回数であり、ループ先頭アドレスは、ループ範囲の先頭アドレスである。サウンドの場合と同様、ループにネストを許容してもよい。
本実施例では、以上で説明した各モジュールの機能によって、演出制御が実行される。以下では、演出制御の処理内容を示す。それぞれの処理は、ソフトウェア的には先に説明した各モジュールが連動して実現するものであり、ハードウェア的にはサブ制御基板200のCPU201が実行する処理である。
図9はメイン処理のフローチャートである。左側に定常処理、右側にタイマ更新処理を示した。定常処理は16msecの周期で繰り返し実行され、タイマ更新処理は2msecの周期で繰り返し実行される。それぞれの周期は、任意に設定可能である。
図10はイベント処理のフローチャートである。イベントモジュール230が実行する処理であり、メイン処理ルーチンのステップS30に相当する処理である。
演出番号の設定(ステップS46)とは、先に図5で説明した通り、例えば、始動レバー15の操作、停止ボタン16の操作、リールの停止状態、およびシステムイベント情報などに応じて、演出番号を特定する処理である。
液晶コマンド設定(ステップS47)とは、ノイズなどの影響で演出表示に支障が生じた場合の対策として、画面設定等に関する画面設定コマンドをVDP204に出力する処理である。
サウンドパターン起動(ステップS48)およびランプレイヤ起動(ステップS49)とは、遊技中に行われる基本的な操作に連動した音声出力やランプ表示を行わせるための音声動作番号、ランプ動作番号の出力を行う。出力される音声としては、例えば、「メダル投入音」、「ウェイト音」、「回胴回転開始音」、「リール停止音」、「払い出し音」などが挙げられる。ランプ表示としては、ベット時、レバーON時、リール停止時の表示などが挙げられる。
図11は演出データ処理のフローチャートである。演出モジュール240が実行する処理であり、メイン処理ルーチンのステップS40に相当する処理である。
図12はサウンド処理のフローチャートである。サウンドモジュール250が実行する処理であり、メイン処理ルーチンのステップS50に相当する処理である。
図13はランプ処理のフローチャートである。ランプモジュール260が実行する処理であり、メイン処理ルーチンのステップS60に相当する処理である。
以上で説明した本実施例のスロットマシン10によれば、サブ制御基板200での演出制御において、多様な演出を比較的容易に実現できる利点がある。
まず、音声、ランプのそれぞれについて、複数のスケジューラを並行して用いることによって、音声、ランプのそれぞれで多種多様な演出効果を実現することが可能となる。
また、LCD、音声、ランプを統合制御する演出データと、音声、ランプのそれぞれの出力を制御するためのスケジュールデータとを階層的に用いるため、音声、ランプで実現される種々の演出の組合せによって、さらに多種多様な演出を容易に実現することが可能となる。
F1.遊技機の構成:
図14は第2実施例としてのパチンコ機に用いられる遊技盤70の正面図である。遊技盤70は、パチンコ機の外枠(図示せず)に取り付けられており、中央に遊技領域71を備えている。遊技者は、図示しないハンドルを操作して遊技領域71内に遊技球を打ち込み、入賞口に入賞させる遊技を行うことができる。
パチンコ機の制御機構の構成は、スロットマシン10と同様である。先に図2で説明した通り、メイン制御基板100とサブ制御基板200によって遊技およびそのための演出が制御される。スロットマシン10では、表示の制御もサブ制御基板200で行っていたが、パチンコ機では、表示制御用の基板を別途設けてもよい。この場合には、図3で示した演出モジュール240における表示関連の機能、液晶コマンドバッファ212およびVDP204の機能を液晶表示制御用の基板で実現することになる。
(1)移動量…ステッピングモータの回転ステップ角;
(2)移動時間…現在の位置から次の位置まで移動させるための時間;
(3)移動速度…モータの回転速度;
(4)励磁方法…1−1相励磁、1ー2相励磁、2−2相励磁の区別;
(5)台形駆動…回転開始、停止時にステップ関数的に速度を変化させるのではなく、所定の角加速度で回転速度を変化させる;
(6)回転方向…モータの回転方向;
(7)原点位置まで戻すための復帰動作の実行指示;
(8)メカエンド停止の指示;
ここでメカエンド停止とは、駆動装置85の可動範囲が機械的に制限されている時に、可動範囲の限界位置に付勢した状態で停止させることを意味する。
例えば、機械的に当たり/はずれを決める際に、遊技球に干渉するかのうように見える演出を行うために8の字状に移動させる他、当たり時には派手な飛行をしたり、はずれ時には墜落させたりというように、種々の演出効果を考慮した動きをさせてもよい。8の字状に移動させるスケジューラと、当たり時の演出動作を実現するスケジューラ、はずれ時の演出動作を実現するスケジューラを並行して稼働しつつ、抽選結果に応じてそれぞれの出力を調整すればよい。駆動装置85の演出動作と、表示、ランプ、サウンドを連動させるよう演出データを規定しておいてもよい。こうすることで、統一感のある演出を実現することができる。
ただし、表示、サウンド、ランプ、駆動装置85の演出抽選の結果に関わらず、違和感のない演出を実現するためには、これらの演出が同時に終了することが好ましい。従って、本実施例では、演出抽選の選択対象となるスケジュールデータは、同一時間で演出が終了する内容となっている。もっとも、同一時間で演出が終了することは必須の要件ではなく、これらの演出時間がまちまちとなっていても構わない。
同様に、表示、サウンド、ランプについても、演出抽選が指示された時の状況に応じて、演出抽選を禁止してもよい。また、演出抽選禁止において、一部のスケジュールデータを選択禁止とすることにより、演出抽選を一部禁止としてもよい。
以上の実施例では、LCDについては、サブ制御基板200が液晶コマンドを出力する構成をとっているが、液晶コマンドについても、サウンドモジュール等と同じく、スケジューラデータを処理するモジュールを設けても良い。また、演出の制御は3階層以上のデータ構造で実現してもよい。例えば、実施例において、ランプスケジューラ262(図8参照)が起動する際に、階調スケジューラ263を用いて階調データを出力している。階調スケジューラ263は、ランプスケジューラ262が使用しているスケジュールデータ265とは異なる階調パターンデータ266を参照して稼働するモジュールである。この意味で、ランプについては、演出データ、スケジュールデータ、階調パターンデータの3階層で制御されているとも言える。このように、演出の制御は3階層、またはそれ以上の階層構造のデータで制御してもよい。
(1) 本実施例では、ソフトウェアで実現している処理の一部または全部をハードウェアによって実現してもよいし、その逆も可能である。
(2) 本実施例では、スロットマシン10への適用例を示したが、本発明はパチンコ機その他の遊技機への適用も可能である。また、第2実施例でパチンコ機に適用した構成をスロットマシン10に適用することも可能である。
11…透明カバー
15…始動レバー
16…停止ボタン
18…電源ユニット
19…ホッパ装置
21…液晶パネル(LCD)
22…リール
30…ランプ
40…スピーカ
50…メダル満タンセンサ
51…エラー解除センサ
52…扉開放センサ
70…遊技盤
71…遊技領域
72…始動入賞口
80…可変入賞装置
81…第1可動片
82…第2可動片
83…流路
84…アーム
85…駆動装置
86…一般入賞口
100…メイン制御基板
101…CPU
102…ROM
103…RAM
200…サブ制御基板
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…VDP
205…音源IC
206…アンプ
206a…増幅回路
206v…ボリューム
210…システムモジュール
211…主基板コマンドバッファ
212…液晶コマンドバッファ
213、214…出力ポートイメージワーク
220…コマンド解析モジュール
230、230A…イベントモジュール
231…ワーク
232…動作番号テーブル
233…レイヤ情報テーブル
240、240A…演出モジュール
241…演出データ
250…サウンドモジュール
251…サウンドモジュールメイン
252…スケジューラ
252…サウンドスケジューラ
252W…ワーク
253…チャンネル管理用ワーク
254…サウンドレイヤ構造
255…スケジュールデータ
255F…フレーズデータ
260…ランプモジュール
262W…ワーク
262…ランプスケジューラ
263…階調スケジューラ
264…ランプレイヤ構造
265…スケジュールデータ
266…階調パターンデータ
270…駆動装置モジュール
Claims (1)
- 所定の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技中に、遊技者に示される視聴覚的な演出に用いられる複数種類の演出装置と、
所定の条件下で、前記遊技媒体を遊技者に払い出すための払出装置と、
前記遊技の進行を統合制御する主制御装置と、
前記主制御装置から出力されるコマンドに基づき、前記遊技の遊技状態に応じて前記複数種類の演出装置を制御する演出制御装置と、
前記主制御装置と前記演出制御装置とを接続し、該主制御装置から演出制御装置への単方向で信号伝達を行う単方向信号線とを有し、
前記主制御装置は、
前記遊技中に、前記遊技媒体の払い出しに関わる所定の条件の成否を判定する判定部と、
前記判定結果を含む遊技状態に基づいて、前記演出装置で実行されるべき演出内容を指示する主基板コマンドを前記演出制御装置に出力するコマンド出力部とを有し、
前記演出制御装置は、
前記主制御装置から前記主基板コマンドを入力する入力部と、
前記各演出装置における出力内容を規定する演出内容設定データを、複数種類記憶する演出内容設定データ記憶部と、
前記主基板コマンドに基づいて特定される前記遊技状態に応じて、前記演出内容設定データのいずれかを選択し、該選択した演出内容設定データに従って、前記各演出装置の出力を制御する演出制御実行部とを備え、
前記演出制御実行部は、
前記主制御装置から所定の主基板コマンドを入力した時には、前記演出内容設定データのいずれかを抽選によって選択し、
該選択された演出内容設定データに基づいて前記制御を実行する遊技機。
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