以下に本発明の実施の形態を回胴式遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2はスロットマシンを前方右上から見た斜視図、図3は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図4(a)はコネクタ部分の横断面拡大図、図4(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す横断面拡大図、図5は前面開閉部材を開放した状態の遊技ユニットを前方右上から見た斜視図、図6は遊技ユニットの分解斜視図、図7は遊技ユニットを後方右上から見た斜視図、図8(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図9は配線中継部材の分解斜視図、図10は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図11,図12はコネクタホルダーからコネクタを分解した状態を示す分解斜視図、図13はコネクタホルダーを後方左下から見た斜視図、図14はコネクタ部分の縦断面拡大図、図15はコネクタ部分を移動させた状態を示す縦断面拡大図、図16(a)はコネクタの連結保持状態を示す斜視図、図16(b)はその際用いられる結束バンドの斜視図、図17はコネクタの連結保持状態を示す縦断面拡大図、図18は前面開閉部材及び演出表示装置を分解した状態を前方右上から見た斜視図、図19は前面開閉部材を前方右上から見た拡大斜視図、図20は前面開閉部材及び演出表示装置を組合せた状態の縦断面図及び金具の斜視図、図21は図柄変動表示装置を前方右上から見た斜視図、図22は図柄変動表示装置を後方右上から見た斜視図、図23は図柄変動表示装置の分解斜視図、図24はリールを分解した状態を前方右上から見た分解斜視図、図25はリールを分解した状態を前方左上から見た分解斜視図、図26はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図27は他の形態を示すストッパーの斜視図、図28はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図29はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図30はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図31は図30の分解斜視図、図32はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図33は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図34は電源装置を前方左下から見た斜視図、図35は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図36は透明板を装着した扉形前面部材の要部断面図、図37はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図38はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図39は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図41は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図42(a)は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42(b)は連結具の突出状態を示す断面斜視図、図43は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図44は図43の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図である。
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取付けた縦長矩形状の扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。また、図18に示すように、画像表示体500は、樹脂製の前面開閉部材501と、その前面側に取付けられた演出表示装置590とを具備して構成されている。
[遊技ユニット]
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、外本体100内に着脱交換可能な状態で収容される遊技ユニット50を含んで構成される。また、図5に示すように、遊技ユニット50は、外本体100の内部に対して着脱自在であって、前面の少なくとも一部が開口されたケース部材400と、ケース部材400の前面に設けられ、扉形前面部材200の回動方向と同方向に回動可能で、閉位置と開位置との間で遊動可能に支持された前面開閉部材501とを有する。そして、図柄変動表示装置300がケース部材400の内部上部に組付けられると共に、主制御基板409が内部に装着され(図3及び図6参照)、前面開閉部材501の上部に、閉位置において図柄変動表示装置300を視認可能とする開口部516が設けられ、前面開閉部材501の前面の開口部516(図6では装飾部材591の開口部591a)の下方に演出表示装置590が装着され(図6参照)、前記前面開閉部材501の裏面に周辺制御基板510が装着されている。
さらに、遊技ユニット50は、図5に示すように、図柄変動表示装置300や演出表示装置590とを含むケース側電気部品につながった遊技ユニット側配線類が主制御基板409につながった主制御系配線類424と周辺制御基板510につながった周辺制御系配線類426とに分割されると共に、図8に示すように、主制御系配線類424に取り付けられた主制御系配線類接続用コネクタ425と、周辺制御系配線類426に取り付けられた周辺制御系配線類接続用コネクタ427とを一括支持するコネクタホルダー428を備えている。
[外本体]
外本体100は、図1〜図3に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟(図示しない)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口(図示しない)が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201(図2参照)に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨んでいる。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
電源装置112は、図30〜図34に示すように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の電源基板112s(図34参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図34参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には、図31に示すように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図35は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先を溝102cに嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への電源基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに電源基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図34参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図30において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図30において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し本例の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本例のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを本例のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらに、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースにはケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図2に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述する主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1ベットボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAXベットボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、主制御基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留メダル解除ボタン209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、図柄変動表示装置300と画像表示体500における演出表示装置590とが上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって図柄変動表示装置300と演出表示装置590との領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする大きさに設定しておけば、図柄変動表示装置300と演出表示装置590との配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IRD30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように図柄変動表示装置300と演出表示装置590との双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。なお、縁部材214bは、扉形前面部材200の上端にて左右方向を長手方向として配置される部材と、この左右方向に配置される部材(縁部材214b)の両端部から下方に向かう一対の部材(縁部材214b)と、で構成される。つまり、左右方向に伸びる縁部材214bは、一対の縁部材214bを跨っている。なお、左右方向に伸びる縁部材214bおよび一対の縁部材214bは一体成型されているが、これは別部材で構成されていても良い。
縁部材214bは、図36に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
また、図36において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217aの光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図1参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図36は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図36から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300について、図21〜図25を基に説明する。図21に示すように、図柄変動表示装置300は、リール回転式表示装置であって、個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301c(以下各リール301とする)と、該各リール301を組込み・収容する装置ケース302とを有し、各リール301の周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行うものである。
装置ケース302は、図23に示すように、底部板304と、天部板305と、右側の右側板306と、左側の左側板307と、後面を覆う一部円弧形状の後部板308とで囲った箱形であり、各リール301の円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。なお、装置ケース302は、底部板304のみが金属板で形成され、他の部分は樹脂で形成されている。
右側板306及び左側板307の前側上端部分には、左右外側に向って突出する取付耳部306a,307aが夫々形成され、取付耳部306a,307aの略中央にはネジ(図示しない)を挿通可能とする透孔306b,307b(図21参照)が前後方向に貫通して穿設されている。また、図示していないが、底部板304には、垂直下方に折り曲げられた垂下片が左右方向に複数(例えば3つ)並設されており、それらの垂下片にも、前後方向に貫通する透孔が穿設されている。そして、取付耳部306a,307aを、ケース部材400の前面上端に設けられた補強部材407(図6参照)にネジで固定し、さらに、垂下片を、ケース部材400の中央よりも上側に横設された補強桟402にネジで固定することにより、図柄変動表示装置300がケース部材400に取付けられる。また、図23に示すように、装置ケース302の前縁には、各リール301を固定するためのネジ313a,313bが螺合される複数のネジ孔302aが所定の間隔で形成されている。なお、下側のネジ313bは通常の雄ネジであるが、上側のネジ313aは螺合対象物が樹脂成形物であることからタッピングビスが用いられる。
また、装置ケース302の前面側には、カバー体309が組みつけられている。カバー体309は、装置ケース302の前面縁部に沿って形成された額縁状の枠部310と、枠部310の上端及び下端の間に架設され、装置ケース302に組み込まれた各リール301を仕切るように左右方向に所定の間隔で配置された区画部311とから構成されている。なお、区画部311の前面は、上下方向の中央部分が遊技者側に向って最も突出するように略円弧状に形成されている。つまり、各リール301間の隙間を前方から塞ぐとともに、各リール301の円周面に対し連続した面となるように円弧状に形成されている。なお、左右両側に配置された区画部311には、左右外側から両側リール301a,301c内の機構を遮蔽する遮蔽部311aが一体的に形成されている。また、枠部310における区画部311の上側及び下側には、ネジ313a,313bを挿通させることが可能な取付孔312が穿設されている。
また、図22乃至図23に示すように、装置ケース302の左側板307には、基板ケース314によって覆われたリール主中継基板315並びにバックライト中継基板318が配置されており、リール主中継基板315によって中継された駆動信号により各リール301が個別に駆動制御されるようになっている。なお、リール主中継基板315には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316a,316cが設けられ、バックライト中継基板318には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316b,316dが設けられている。
リール主中継基板315にあっては、基板ケース314の左側面下側から突出するコネクタ316aを介して、各リール301を駆動制御するための信号やモータ用電源が中継入力されるとともに、各リール301に収容されたフォトセンサ325から送られる検出信号を主制御基板409に中継出力するようになっている。また、基板ケース314の底面から突出するコネクタ316cには、後述するリールモータ中継基板326に設けられたコネクタ317(装置ケース302の後部板308から突出するコネクタ317)に接続されたコネクタ付きハーネス(図示しない)が連結されており、各リール301内に収容されたリールモータ321に対して駆動信号及びモータ用電源を供給するとともに、フォトセンサ325から検出信号を受け取ることが可能になっている。
また、バックライト中継基板318にあっては、基板ケース314の上面から突出するコネクタ316bに、後述するバックライト322に接続され且つ後部板308に形成された透孔308aを通して配線されたコネクタ(図示しない)が連結されるようになっている。つまり、このコネクタ316bを介して、バックライト322に作動用電源を付与するように構成されている。なお、この作動用電源は、基板ケース314の左側面中央に設けられたコネクタ316dを介してバックライト中継基板318に供給される。
なお、前記のコネクタ付きハーネスには、各リール301ごとに、被覆材の色が互いに異なる一本または複数本の電線が含まれており、また、各リール301内に収容された夫々のバックライト322には、コネクタ付きハーネスに含まれる電線の色と同系色の電線が接続されている。つまり、各リール301ごとにハーネス及び電線の色が異なるように設定されている。これによれば、リールモータ321に電力を供給する電線及びフォトセンサ325から検出信号を受け取る電線を含むハーネスと、バックライト322に電力を供給する電線との色合わせが可能になり、ひいては、ハーネス及び電線と、各リール301との照合(すなわち誤配線の有無の確認)が容易になるとともに、各リール301の配置位置を電線の色に基づいて確認させることが可能になる。すなわち、スロットマシン1の組付工程において、左中右の各リール301の配置順は、間違ってはいけない極めて重要な項目であるが、このように電線の色を異ならせることにより、上記の配置が正しく行われたか否かを容易に視認することが可能となり、スロットマシン1の品質を確保することができる。
また、左側板307における基板ケース314の上方には、左側板307を貫通するコ字形のスリット333が形成されており、コネクタ316bに連結される電線を、結束バンド(図示しない)を用いて左側板307とともに結束させることを可能にしている。特に、下側が開いた横転コ字形のスリット333によって下端のみが連結された掛止部333aが左側板307と一体に形成されるため、結束バンドの一部を撓ませた状態で掛止部333aの上方に挿入すれば、極めて容易に結束バンドを掛止部333aに引掛けることが可能になる。つまり、左側板307に対して結束バンドを掛止させるために、左側板307に二つの孔を穿設したものでは、結束バンドの先端を二つの孔に対して順に挿通させなければならないため、結束作業が困難になる虞があるが、コ字形のスリット333を設けるようにすれば、掛止部333aの上部側から電線を引掛けることが可能になり、作業性が向上する。また、左側板307から外方に突出するようにフックを形成することも考えられるが、これによれば、構成が複雑になり、金型費等の製造費が高くなるため好ましくない。
図23乃至図25に示すように、装置ケース302内には、各リール301と、夫々のリール301を回転可能に支持するとともに回転力を付与するリールモータ321と、各リール301の右側に配置されリールモータ321を固定するモータ取付板320と、モータ取付板320に固定状態で取付けられるとともに、各リール301の周面内側、特に遊技者側の面に沿って配置され各リール301を通して遊技者側に光を放射する略円弧状のバックライト322とが設けられている。
さらに詳しく説明すると、リールモータ321は、正転及び逆転可能な直流ステップモータであり、回転軸321aの先端にフランジ323が固着されている。フランジ323は、略円板状の部材であって、周面の一部には径方向に切欠かれた嵌合部323aが形成されるとともに、周面に雄ネジ部が設けられた突起323bが形成されている。これに対応し、リール301aは、右側の側面(図25では奥側の面)が全体的に開放されているが、左側の面(図25では前側の面)には、略十字形の側面部材330が設けられ、リールモータ321のフランジ323を取付けることが可能になっている。具体的には、図25に示すように、側面部材330の中心部分には、フランジ323の突起323bが挿通する貫通孔330aを有するとともに、フランジ323を内側に収容可能とする円形収容部330bが形成されており、特に、図24に示すように、円形収容部330bには、リール301の内側に向って突出するとともに、フランジ323の嵌合部323aに嵌め合わせ可能な回転防止突部330cが形成されている。そして、貫通孔330aを挿通し円形収容部330bから外部へ突出する突起323bに対して、ロックネジ324が螺合されており、これにより、リールモータ321のフランジ323がリール301aの側面部材330に固定状態で取付けられる。つまり、リールモータ321の回転軸321aがリール301の側面部材330に直結されている。なお、各リール301は、ロックネジ324によって軸心上で固定されるため、直径方向の力が作用せず、ひいては回転軸321aのブレを防止することが可能になる。
図25に示すように、モータ取付板320は金属板から形成され、リールモータ321を取付けるためのモータ取付部位320aと、バックライト322を取付けるためのライト取付部位320bとを有して構成されている。また、モータ取付板320の上端及び下端における正面側(遊技者側)の部分には、垂直方向に折り曲げられた取付片320cが形成され、取付片320cの略中央には、前後方向に貫通する透孔320dが穿設されている。特に、これらの透孔320dは、図23に示すように、カバー体309に形成された取付孔312、及び装置ケース302に形成されたネジ孔302aと前後方向で合致する位置に設けられている。つまり、カバー体309の前方から、カバー体309の取付孔312及びモータ取付板320の透孔320dを通して、ネジ313a,313bを装置ケース302のネジ孔302aに螺合させることにより、装置ケース302に対してモータ取付板320及びカバー体309が固定状態で組付けられている。すなわち、カバー体309とモータ取付板320とが装置ケース302に対して共締めされる。このため、装置ケース302に対してカバー体309とモータ取付板320とを別々に固定するものに比べ、作業工程を低減させるとともに、三つの部材、すなわちカバー体309、モータ取付板320、及び装置ケース302における相互の位置決めを正確にしかも簡単に行うことができ、ひいては各リール301に対するカバー体309のクリアランスを少なくすることができ、各リール301間の隙間を精度よく塞ぐことができる。すなわち、装置ケース302の内部構造を一層見え難くし、見栄えの低下を抑制することができる。
また、モータ取付板320における下部後端側には、後方に向って延出された延設下部320eが形成されており、延設下部320eとモータ取付部位320aとからなるコーナー部分にリールモータ中継基板326が取付けられている。このリールモータ中継基板326は、リールモータ321に接続された電線(図示しない)及びフォトセンサ325に接続された電線(図示しない)と、リール主中継基板315に接続されるコネクタ付きハーネス(図示しない)とを中継するためのものであり、コネクタ317(図22参照)等を搭載している。また、モータ取付板320の上部後端側には、延設下部320eと同方向に延出された延設上部320gが形成されており、延設上部320gには、バックライト322に接続された電線(図示しない)を案内するための溝部(図示しない)と、溝部に配線された電線が溝部から逸脱することを防止する電線押え327とが取付けられている。電線押え327は、透明で弾性変形可能な薄板状の樹脂部材からなり、一端側がネジ327aによって固定されている。
このように溝部と電線押え327との協働によって電線を適宜の位置に保持することにより、リールモータ中継基板326のような基板を設けることなく、電線の遊動状態を防止することができ、ひいては電線が障害となって各リール301の回転が制動されたり、回転の際に電線を巻き込んだりすることを回避できる。なお、電線押え327の前方には、リールモータ321に接続された電線、及びバックライト322に接続された電線を纏めた状態で保持する結束部材328がモータ取付板320に取付けられている。
また、モータ取付板320の中央後端側には、断面L字形の取付片320fが、各リール301内に向って立設されており、フォトセンサ325を支持している。フォトセンサ325は、互いに対峙する発光部と受光部とを有し、発光部から発光される光が受光部に到達するか否かに応じた信号を出力するものである。そして、図24に示すように、各リール301における側面部材330の内面側には、リール301が一回転するごとに、フォトセンサ325における発光部と受光部との間を通過する遮光片331が内方に向って突出している。つまり、リール301を一回転させるごとに、発光部から放射された光が遮光され、それに応じた信号が出力するようになっている。
ところで、遮光片331は発光部から放射された光を遮るものであるため、不透明な部材、例えば黒色の部材から形成されることが好ましく、一方、リール301aの側面部材330は、リール301aと一体に成形されることから光透過性の部材、例えば透明部材から形成されることが好ましい。このため、遮光片331と側面部材330とは一体成形することはできず、側面部材330に対して遮光片331を取付けるための手段が必要となる。しかし、ネジ等の締結部材を介して取付けるものでは、遮光片331を含むリール301全体の重心が回転軸から偏心する程度が高くなり、リール301aの回転速度にムラが発生するおそれがある。また、接着剤によって遮光片331を接着するものでは、側面部材330に対する遮光片331の位置決めが困難となり、ひいては各リール301の回転位置を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本例では、遮光片331をインサート成形によって成形している。つまり、予め形成された遮光片331を金型に入れ、リール301a及び側面部材330を射出成形することにより、遮光片331と側面部材330とを一体的に形成している。これによれば、比較的簡単に形成することができるとともに、側面部材330に対する遮光片331の位置決め精度を高めることが可能になる。
バックライト322は、略円弧状の外観を呈しており、モータ取付板320のライト取付部位320bに当接する側には、所定の間隔で配置された三つのLED322aが、側面部材330側に向って光を放射するように配置されている。また、各リール301の内面側には、夫々のLED322aから放射された光をリール301の図柄列(図示しない)側に向って反射させる白色の反射部322bが形成されている。このため、リール301aの内側において面発光させることが可能になり、略均一な光によって、遊技者側に位置する図柄、特に三つの図柄を、略均一な光によって光らせることが可能になる。
[ケース部材]
ケース部材400は、外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、図5及び図6に示すように、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が演出表示装置590の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が図柄変動表示装置300の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板である主制御基板409が装着され、さらに主制御基板409以外の制御基板等(例えば後述する周辺制御基板510)も配線作業空間408内に配置されている。ここで、主制御基板409は、操作部202の操作等に基づいて遊技の進行を制御するものである。また、周辺制御基板510は、遊技の進行に準じて所定の演出制御を実行するものである。
ケース部材400の天板406には、図7に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が外本体100の貫通孔132,132…(図1参照)を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。なお、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には、図7に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114(図1参照)に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図7に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が仕切板105の突段部106(図1参照)に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106との嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図28に示すように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図29に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図26に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1に示すように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図26実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図26想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図27に示すように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、ケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
[画像表示体]
画像表示体500における演出表示装置590は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材501(図18参照)の前面側に取付けられている。図18に示すように、前面開閉部材501は、下側から2/3の領域が演出表示装置590を収容する部分で、上側から1/3の領域が図柄変動表示装置300の前方に配置される部分となっている。つまり、前面開閉部材501の前面側には、周囲に周壁515aが形成された収容部515が設けられており、下側から2/3の領域に演出表示装置590が収容され、上側から1/3の領域に装飾部材591が収容される。なお、前面開閉部材501及び装飾部材591には、遊技ユニット50の前方から、ケース部材400内に配置された図柄変動表示装置300を視認させるための開口部516,591aが夫々形成されている。なお、前面開閉部材501の正面側における開口部516の右側方には、スロットマシン1に関する遊技状態(ベット数やクレジット数、エラー等)を表示するための各種LEDを備えた遊技状態表示基板450が設けられている。
また、図18に示すように、前面開閉部材501の裏面側には、周辺制御基板510を収容する基板ケースユニット551、及び小基板ケース554等が組付けられている。基板ケースユニット551は、透明な樹脂部材からなり、周辺制御基板510の底面側(すなわち前面開閉部材501側の面)を覆う基板ケース下部552と、周辺制御基板510の上面側を覆うとともに基板ケース下部552に対して着脱可能な基板ケース上部553とから構成されている。このため、前面開閉部材501が開かれると、周辺制御基板510を収容する基板ケースユニット551がケース部材400内から飛び出すように出現するため、周辺制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。また、演出表示装置590と周辺制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。
ところが、上記のように、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を配置し、前面開閉部材501の背面側に基板ケースユニット551を配置する構成を採用すると、演出表示装置590の背面側が前面開閉部材501によって覆われるため、演出表示装置590に対するノイズ対策として、アースを取ることが困難となったり、アース線等によって見栄えを低下させたりする虞がある。
そこで、本例では、図19及び図20に示すように、演出表示装置590が収容される前面開閉部材501の収容部515に対し、前後方向に貫通する横長四角形状の開口部520を形成するとともに、その開口部520を通して前面開閉部材501の表裏に跨るように、断面が略コ字形である電導性の金具522が設けられている。この金具522は弾性の金属片からなり、前面開閉部材501の表側に位置する前側部分523が演出表示装置590の裏面の金属板521(シールド板)に当接するようになっており、前面開閉部材501の裏側に位置する後側部分525がアース線527に接続されている。つまり、アース線527及び金具522を介して、演出表示装置590の裏面の金属板521が電気的に接地された状態となっており、演出表示装置590に対してのノイズの侵入を抑制している。このように、前面開閉部材501の前面側に取付けた演出表示装置590に対し、前面開閉部材501の背面側でアース線527に接続することから、演出表示装置590を前面開閉部材501に取付けた後にアース線527を接続することが可能になるとともに、アース線527が前面開閉部材501と周辺制御基板510(基板ケースユニット551)との間に配線されることから、アース線527の露出による見栄えの低下を抑制することが可能になる。
また、前面開閉部材501には雄ネジ530を螺合可能とするネジ孔529が設けられており、前面開閉部材501の後方から雄ネジ530がねじ込まれると、前面開閉部材501の前面から突出し、さらに雄ネジ530の先端部分によって、金具522の前側部分523を背面側から押圧する。すなわち、雄ネジ530の推進力によって金具522の前側部分523を弾性変形させ、演出表示装置590の裏面の金属板521に向って付勢する。このため、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590を取付けた後、雄ネジ530を螺合させるだけで、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に圧接させることができ、ひいては金具522と金属板521とを確実に接触させることが可能になる。
また、金具522の後側部分525には、雄ネジ530が挿通可能な透孔526が設けられており、この透孔526を通して、雄ネジ530が前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれると、金具522が前面開閉部材501に固定された状態となる。換言すれば、金具522を前面開閉部材501に固定させるための雄ネジ530を用いて、金具522の前側部分523を演出表示装置590の金属板521に向って弾性変形させることが可能になる。このように雄ネジ530を兼用することにより、構成が簡単になるとともに、作業工程が少なくなるため、低廉化を図ることが可能になる。
また、アース線527の先端にはY形端子528が圧着されており、Y形端子528を金具522に取付けることにより金具522の後側部分525に対してアース線527が接続される。特に、本例では、雄ネジ530が後側部分525の透孔526を通して前面開閉部材501のネジ孔529にねじ込まれる際、後側部分525との間でY形端子528を挟持した状態でねじ込まれる。すなわち、一つの雄ネジ530をねじ込むことにより、金具522の取付け及び前側部分523の弾性変形に加え、Y形端子528を固定させることも可能にしている。このため、全体の構成が一層簡単になるとともに、作業工程をさらに少なくすることができる。
また、金具522には、前側部分523の裏面に凹状の受止部524が形成されており、雄ネジ530が前面開閉部材501にねじ込まれると、雄ネジ530の先端が受止部524に当接するようになっている。このため、雄ネジ530をねじ込む際に金具522の前側部分523が雄ネジ530の推進方向(軸方向)から逃げることを防止でき、前側部分523を演出表示装置590に向って確実に押圧することが可能になる。なお、前側部分523の受止部524を凸状に形成し、雄ネジ530の先端に凹状の窪みを設けるようにしてもよく、このように構成しても、前側部分523の逃げを効果的に防止することができる。
また、断面コ字形の金具522は、開放部分を下方に向け、開口部520の下縁に掛止された状態で固定される。このため、金具522を前面開閉部材501に取付ける際に、金具522を手で支えなくても、掛止された状態で保持することが可能になる。したがって、例えば片手で作業を行うことが可能となる。特に、金具522を開口部520の下縁に掛止した際に、金具522に穿設された取付用の透孔526と前面開閉部材501に形成されたネジ孔529とが重なるように位置が設定されているため、透孔526とネジ孔529との位置合せを極めて容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。
さらに、前面開閉部材501の裏面側に凹凸面550が形成されており、金具522は凹凸面550の中の低くなっている部分、すなわち後方に向って突出していない部分に配置されている。このため、金具522や雄ネジ530の頭部によって基板ケースユニット551の組付けが困難となることを防止できる。なお、図18に示すように、周辺制御基板510は、合成樹脂等で形成された非導電性の基板ケースユニット551に収容されているため、たとえ金具522が前面開閉部材501の裏面側に突出した状態で配置されても、金具522と周辺制御基板510との接触を防止でき、電気的な故障を抑制することが可能となる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図37は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図37の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図38の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図38(a)〜(c)に示すように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構に相当しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図5〜図7に示すように、ケース部材400の縦の補強部材407のうちヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図6において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図6の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と前面開閉部材501を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図41及び図42に示すように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図40のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図41において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパーであって、止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることによりストッパー704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図41において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図6に示したように、補強桟402には、係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部(図示していない)が設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図43,図44に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えば主制御基板409や周辺制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
[前面開閉部材−照明装置]
図3に示すように、前面開閉部材501の前側に収容された装飾部材591の背面側には、下方に向って光を放射する複数の照明装置502aと、該照明装置502aの下方に配置され照明装置502aから放射された光を遊技者側に向って反射させる反射部材502bとが配設されている。特に反射部材502bは、下側ほど装飾部材591に近づくように湾曲した白色の反射面を前面に有しており、装飾部材591の略全域に対して光を略均等に照射している。なお、装飾部材591は光透過性の部材からなり、反射部材502bによって反射された光は、装飾部材591を通して外部(遊技者側)に放射される。つまり、照明装置502a及び反射部材502bによって装飾部材591を面発光させることが可能となっている。
[配線手段]
外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各ベットボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えば主制御基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット50(外本体100の内部に対して着脱自在に設けられたケース部材400及び前面開閉部材501に、図柄変動表示装置300や任意の画像を表示する画像表示体500と含むケース側電気部品を組み付けてなる。この実施形態では図5及び図6に示されている)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット50の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図9に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図3に示したように、ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、図9に示すように、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながる遊技ユニット側配線類423(図11参照)とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)即ち、主中継基板122,周辺中継基板123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図9,図10において左側に位置する大きい方のコネクタ基板である主中継基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記主制御基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。つまり、コネクタ425をコネクタ124に連結することにより、主制御基板409に作動用電力を供給するとともに、ケース部材400の外部に配置された本体側電気部品に対し、主制御基板409から制御用の信号を送信することが可能になる。
一方、図9,図10において右側に位置する小さい方のコネクタ基板(周辺中継基板)123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、後述の周辺制御基板510につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。さらに、本発明では、遊技ユニット側配線類が遊技制御基板につながった主制御系配線類424と周辺制御基板につながった周辺制御系配線類426とに分割される(図11参照)。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図10拡大図に示すように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、主制御基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427(図11参照)と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125とコネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。つまり、コネクタ427をコネクタ125に連結することにより、周辺制御基板510から、扉形前面部材200の裏側に設けられた扉装飾駆動基板860(後述)やLスピーカ201a,Rスピーカ201b(後述)に駆動信号が送られ、これらを動作させることが可能となる。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、後述する本体側ガイド部453とを有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、配線ダクト129の内部を通り、外本体100(図1参照)の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口(図示しない)を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口とは無関係にそのまま接続される。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400の主制御基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、周辺制御基板510につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図11に示すように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有しホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、後述するユニット側ガイド部452とからなり、図4に示すように配線中継部材113の支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり遊技ユニット50単体で工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
仮止め棚418は、図4及び図8に示したようにケース部材400の内側から配線窓411(図7参照)に向かわせた棚板状の部材であり、コネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図4(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。
しかして、仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図4(b)→図4(a)に示すように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材400から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と遊技ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。すなわち、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有する。そして、遊技ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、遊技ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする。
上記のスロットマシン1は、遊技ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば遊技ユニット50に直接コネクタを取り付け、遊技ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな遊技ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、上記のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を遊技ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し上記のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して遊技ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し遊技ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、遊技ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425及びコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し本例の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。すなわち、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
また、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)は、前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた遊技ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする。
以上の遊技機(スロットマシン1)は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと遊技ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、遊技ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と遊技ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、遊技ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、本例では、コネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部のテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図12に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔469aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔469aを遊嵌させ、座金付きのネジ469をもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔469aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2つ以上でもよい。
また、本例では、コネクタ124とコネクタ425、及びコネクタ125とコネクタ427との連結作業をさらに容易にするために、コネクタホルダー428の挿入方向を案内する機構を備えている。具体的に説明すると、図4(b)及び図9に示すように、外本体100の背板104において、コネクタ基板122及びコネクタ基板123を覆うように樹脂製のカバー体121が設けられていることは、前述した通りであるが、このカバー体121には、コネクタホルダー428側に向って突出する本体側ガイド部453が形成されている。本体側ガイド部453は、開口126の下側に配置されており、横倒した四角柱状の外観を呈する突出部462と、左右方向の中央部分において上下方向に貫通するスリット状の本体側透孔461とから構成されている。なお、この本体側ガイド部453は、カバー体121と別々に形成し接着するようにしてもよいが、本例では、カバー体121と一体に成形されている。
一方、図4(b)及び図13に示すように、コネクタホルダー428の底面には、本体側ガイド部453と対向するようにユニット側ガイド部452が形成されている。ユニット側ガイド部452は、本体側ガイド部453の突出部462が挿入可能な穴部463を有する穴部形成部材464を備えている。つまり、カバー体121に形成された本体側ガイド部453と、コネクタホルダー428に設けられたユニット側ガイド部452との協働によって、外本体100側(配線中継部材113側)のコネクタ124,125(以下、「本体側コネクタ124等」という)と、コネクタホルダー428に組み付けられたコネクタ425,427(以下、ユニット側コネクタ425等)という)との連結作業を一層容易なものとしている。すなわち、配線中継部材113に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されている。具体的には、図15に示すように、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを対向させた場合、穴部形成部材464における穴部463の開口部分と突出部462との距離mは、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との距離nよりも短くなっており、突出部462の先端が穴部463に挿入され穴部463の周面に沿って相対的に摺動する途中で、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが当接し、さらに、図14に示すように突出部462の先端が穴部463の奥側まで挿入されると、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが連結されるようになっている。したがって、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とが完全に連結された状態でも、突出部462は穴部463の最も奥の壁には達しないようになっている。このため、突出部462の長さまたは穴部463の深さに製造上の誤差が生じても、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結を確実に行うことが可能となる。また、コネクタホルダー428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、複数のユニット側コネクタ425等の嵌合をまとめて案内することができる。
ところで、カバー体121に形成された突出部462とコネクタホルダー428に形成された穴部463とによって、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内するものでは、少なくとも突出部462の先端が本体側コネクタ124とユニット側コネクタ425との連結部分よりも前方に突出することになる。このため、突出部462がコネクタ124よりも上方に配置されたものでは、コネクタ124とコネクタ425との連結部分が突出部462によって部分的に遮られることになり、例えばコネクタ124とコネクタ425との間に異物が挟まっていても気づかない虞がある。また、コネクタ同士の連結状態を視認させることが困難となる場合もある。これに対し、本例では、穴部463を形成するブロック状の穴部形成部材464をコネクタホルダー428の底面に配置しているため、突出部462または穴部形成部材464によってコネクタ124とコネクタ425との連結部分が遮蔽されてしまうことを防止でき、連結状態の目視確認を容易に行わせることが可能となる。
ところで、本体側コネクタ124等と、ユニット側コネクタ425等とを互いに分離可能な状態で連結するものにおいては、コネクタ124とコネクタ425、またはコネクタ125とコネクタ427とが互いに分離され、いずれかのコネクタに不正な制御手段や不正な部品が取り付けられるおそれ、すなわち不正な信号に基づいた遊技が行われるおそれがある。なお、この問題を解決するため、ユニット側コネクタ425等を、本体側コネクタ124等に連結した後、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等とを分離不能な状態で固着させることも考えられるが、これによれば、遊技ユニット50の取外しが極めて困難になり、遊技ユニット50を交換可能とした利点がなくなる。
そこで、本例では、遊技ユニット50が外本体100内に収容され、且つユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された後、図16(a)に示すように、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とを結束し、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を保持するようにしている。特に、この結束バンド454は、痕跡生成部材からなり、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されると(すなわちユニット側コネクタ425等に対して別の不正部材を連結させることが可能な状態になると)、痕跡が残されるようになっている。
さらに詳しく説明すると、図15に示すように、ユニット側ガイド部452またはコネクタホルダー428の少なくともいずれか一方にはユニット側透孔460が設けられ、本体側ガイド部453には、連結した際にユニット側透孔460に重ね合わすことが可能な本体側透孔461が設けられているため、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることができ、ひいてはユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持される。結束バンド454は、図16(b)に示すように、鋸歯状列歯を片面側に設けたバンド部455と、バンド部455の一端側に設けられバンド部455を挿入させることが可能な挿通孔を有する頭部456と、その頭部456における挿通孔の内部に形成され、バンド部455の鋸歯状列歯を係止可能で且つ係止後の解除操作が不能な係止爪457と、バンド部455の延長上に形成されロゴが刻印されたロゴ表示部458とを具備して構成されている。このため、図16(a)及び図17に示すように、ユニット側透孔460及び本体側透孔461に結束バンド454のバンド部455を通し、その後、そのバンド部455を頭部456の挿通孔に挿入させると、バンド部455の片面側に形成された鋸歯状列歯が、挿通孔の内部に形成された係止爪457に係止され、本体側ガイド部453とユニット側ガイド部452とが結束される。
そして、挿通孔に対しバンド部455を深く挿入するほど環状の部分(結束部分)が収縮され、締付力が強くなる。特に、係止爪457は、鋸歯状列歯を一旦係止させると、その後の解除操作ができないように構成されているため、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が保持され、不正行為を防止することが可能になる。また、結束バンド454が切断された場合には、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等を外すことが可能になるが、この場合には、結束バンド454が切断されたという痕跡が残ることから、不正な行為が行われたか否かを把握することが可能になる。なお、遊技店舗において旧機種の遊技ユニットを取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
なお、本例の結束バンド454は、ロゴ表示部458に特定のロゴが刻印されているため、譬え、不正行為が行われた後に別の結束バンドを用いて元の状態に戻したとしても、結束バンドの種類が異なることから、不正行為が行われたことを把握させることができる。また、この結束バンド454は、蛍光色の部材からなるため、ケース部材400の中に配置された他の部材よりも目立たせることができ、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態が解除されたか否かを明瞭に認識させることが可能になる。また、ケース部材400は透明部材から形成されているため、画像表示体500によってケース部材400の前面が閉鎖された状態でも、結束バンド454の状態を、ケース部材400の外部から視認することができる。
また、図13に示すように、ユニット側透孔460は、穴部形成部材464の後端側に形成された切欠状の溝部460aと、その溝部460aに連通するとともにコネクタホルダー428に穿設された貫通孔460bとからなる。このため、図14に示すように、穴部形成部材464の中に、本体側透孔461を有する本体側ガイド部453を挿入させると、これらの貫通孔460b及び溝部460aと本体側透孔461とを通して結束バンド454を上下方向に挿通させるとともに、穴部形成部材464の外周面に沿って結束バンド454を締め付けることが可能になる。特に、コネクタホルダー428だけではなく穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタ425の奥側(連結部分側)に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を前方側(作業者側)に近づけることができ、作業性を向上することが可能になる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に形成された溝部460aは後端が開放された形状であることから、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、穴部形成部材464に形成された溝部460aの横幅寸法が、結束バンド454の横幅に略一致しているため、溝部460aに挿入された結束バンド454の動き、特に左右方向の遊動を防止することができる。つまり、穴部形成部材464によって結束バンド454の位置決めが行われるため、適切な位置に安定した状態で結束させることが可能になる。
また、図14に示すようにコネクタホルダー428の上面側には、ユニット側透孔460(特に貫通孔460b)に向って下り傾斜した進入ガイド部465が形成されており、結束バンド454を取着させる際、コネクタホルダー428の前側から貫通孔460bに向って結束バンド454の進入方向が案内される。このため、貫通孔460bがコネクタホルダー428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易に貫通孔460bに到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。
また、図13に示すように、穴部形成部材464の底面及び前面には送出ガイド部466が形成されており、ユニット側透孔460を挿通した後の結束バンド454の先端が、穴部形成部材464の前方に向って案内される。このため、貫通孔460bに挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。なお、送出ガイド部466は、略円弧状の誘導面467と、その誘導面467に沿って形成された堤部468とを具備して構成されている。このため、略円弧状の誘導面467に沿って結束バンド454を滑らかに送り出すことが可能になる。
なお、ユニット側コネクタ425等に接続されたハーネス424(図11参照)は、ユニット側透孔460の穿設方向と略平行に配線されている。具体的には、ハーネス424が、ユニット側コネクタ425等の取付方向に対して垂直である上方に向って繰出されている。このため、ユニット側透孔460に挿入される結束バンド454とハーネス424とが交差することを回避でき、ひいては結束バンド454による結束作業がハーネス424の存在によって困難となることを防止できる。
ところで、結束バンド454によってユニット側ガイド部452と本体側ガイド部453とが合致された状態に保持されていても、ユニット側ガイド部452が形成されたコネクタホルダー428に対してユニット側コネクタ425等が着脱可能に取り付けられている場合には、結束バンド454を切断することなく、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から外すことが可能になる。
これに対し、本例によれば、図11に示すように、複数のユニット側コネクタ425等が、ネジ469によってコネクタホルダー428に取付けられているが、このネジ469は、図4に示すように、コネクタホルダー428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジ469を緩めることができなくなる。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取ること」が防止される。
一方、図9に示すように、外本体100では、本体側ガイド部453を形成したカバー体121が、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122等を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。特に、カバー体121は、コネクタ基板122等に対しネジ(図示しない)を用いて取付けられているが、そのネジは、コネクタホルダー428と対向する位置に穿設された透孔134aを通してねじ込まれているため、本体側コネクタ124等とユニット側コネクタ425等とを分離させない限り、ネジを緩めることができなくなる。つまり、ユニット側コネクタ425等が本体側コネクタ124等に連結された状態では、ネジがねじ込まれた部分に対してドライバー等の工具を挿入させることができないようになっている。したがって、「本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ基板122等から外すこと」が防止される。
また、図4に示すように、遊技ユニット50におけるケース部材400内に棚状の仮止め棚418が形成されていることは前述した通りであるが、仮止め棚418におけるベンチ部433とベンチ側板434とによってコネクタホルダー428の可動範囲が制限されるようになっている。このため、ユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等に連結させる際に、まず、ベンチ部433及びベンチ側板434によってコネクタホルダー428の大まかな位置決めがなされ、その後、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452によって精度の高い位置決めがなされる。したがって、本体側ガイド部453及びユニット側ガイド部452が視認し難い位置に配置されていても、これらを容易に合致させることが可能となり、ひいてはユニット側コネクタ425等の嵌合方向を円滑に案内することが可能となる。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟(図示しない)とを木ねじ等の固定部材で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに木ネジ(図示しない)を挿通させ、さらにドライバー等の工具で天窓部443越しに固定部材を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟(図示せず)の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟の同じ位置に固定部材の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図3に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133(図1参照)に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
続いて、連結具の他の例について、図45乃至図49に基づき説明する。ここで、図45は連結具80の作動状態を示す斜視図、図46は連結具80における要部の構成を示す斜視図、図47は連結具80の分解斜視図、図48は連結具80を裏側から見た背面図、図49は連結具80の作動状態を示す図48のA−A線相当断面図である。
図45乃至図47に示すように、連結具80は、画像表示体500の裏面に形成された溝状の収容部500b内に、大部分が埋込まれた状態で配置されている。つまり、画像表示体500の背面からあまり突出することない状態で設けられている。また、この連結具80は、ケース部材400が外本体100内に装着され、しかもケース部材400の開口が画像表示体500によって閉じられた状態では操作できないように、画像表示体500の回動外縁部分に設けられている。このため、画像表示体500を開いた状態で連結具80を止め軸703に連結することが必要となり、ひいてはロック片421の解除を忘れたまま連結具80を連結すること、すなわち扉形前面部材200及び画像表示体500が開けられなくなる事態が発生すること、を未然に防ぐことができる。
連結具80は、連結具700と同様、画像表示体500の回動外縁から突出し、先端側が止め軸703に対して回転自在に連結される樹脂製の連結杆800と、その連結杆800を、画像表示体500における回転軌跡の径方向に沿って摺動可能に支持する摺動案内部材801とを具備して構成されている。つまり、連結杆800を突出方向に対して出没可能に支持することにより、扉形前面部材200の回動に伴って扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が変化しても、連結杆800の摺動によって連結状態を保持することを可能にしている。
また、本例の連結具80には、画像表示体500と連結杆800との間に伸縮アーム820が介在されている。伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されており、伸縮アーム820が伸びると、図45(b)及び図49(b)に示すように、連結杆800が突出方向に飛び出した状態となり、一方、伸縮アーム820が縮むと、図45(a)または図49(a)に示すように、連結杆800が没入した状態となる。
次に、連結杆800、摺動案内部材801、及び伸縮アーム820の構成について詳細に説明する。連結杆800は、図47に示すように、全体的に略棒状の形状を呈し、基部800a側には円形の軸孔部800dが穿設され、先端側には長手方向が長径となる長孔形状の軸孔部800cが穿設されている。なお、基部800a側と先端側では上面の高さが等しいが、基部800a側から長手方向の略中央部分にわたって、高さ方向の厚みが約1/2となっており、底上げした形態となっている。つまり、基部800aの下部に空間を形成することにより、伸縮アーム820の一部をもぐり込ませることを可能にし、ひいては伸縮アーム820が折れ曲がった際に伸縮アーム820と基部800aとが部分的に重なりあっても、高さ方向の厚みが大きくなり過ぎないようになっている。特に、基部800aの側面(図49(b)では下側の面)には、半円状の切欠部800eが形成されており、後述する第二腕部820bの先端側に形成された連結部分の一部を収容可能としている。
また、連結杆800の先端側には、連結杆800の側面から回転軌跡の周方向に向って突出した突出補強部材800bが形成されている。この突出補強部材800bは、扉形前面部材200が開放位置から閉鎖位置に回動する際、すなわち扉形前面部材200を閉じる際、止め軸703(図41参照)が支持されたベース部材215aに当接し回転中心方向に押圧される位置に形成されている。このため、扉形前面部材200を閉じる際に、止め軸703のみによって連結杆800を押圧するものに比べ、止め軸703及び連結杆800に加わる荷重を分散することができ、荷重の集中による止め軸703または連結杆800の破損を抑制することができる。
一方、摺動案内部材801は、連結杆800を回転軌跡の径方向に案内するための部材であり、樹脂で形成され、画像表示体500に対向する面が開放された断面略コ字形の形状を呈するガイド部分801aと、その先端側の裏面縁部から上下方向に延出された一対のフランジ部801bとを具備して構成されている。なお、フランジ部801bは、図45に示すように、溝状の収容部500bからはみ出した状態で画像表示体500の裏面に取付けられており、夫々の中央部分には、取付けネジを挿通させるための貫通孔が穿設されている。
また、図47及び図49に示すように、摺動案内部材801の側面には、伸縮アーム820が貫通する長方形状の開口部801cが長手方向に沿って形成されており、特に、その中央部分には、伸縮アーム820の連結部分を収容可能とする半円形の切欠801dが底面にまで及んで形成されている。なお、この切欠801dは、連結杆800が没入状態となった場合に、連結杆800に形成された切欠800eと上下方向において合致する位置に形成されており、その重なった状態において連結部分が挿入されるようになっている。
伸縮アーム820は、画像表示体500の裏面に固定された支持軸830(図45参照)に対し一端側が軸支された第一腕部820aと、両端側が第一腕部820aの先端側及び連結杆800の基部800aに夫々軸支された第二腕部820bとからなり、「く」の字形に折れ曲がるように構成されている。さらに詳しく説明すると、第一腕部820aは、基端側に平面視C字形の支持環820cを備えており、支持軸830に対し回動可能に外嵌されている。なお、支持軸830の位置は、連結杆800の摺動直線上(すなわち摺動案内部材801の内部)から後側に逸脱した位置に設定されており、連結杆800が最も突出した状態(図49(b)参照)では連結杆800の長手方向と第一腕部820aの長手方向とが略平行となり、一方、連結杆800が没入した状態(図49(a)参照)では、第一腕部820aの先端側が連結杆800に食い込んだ状態となる。なお、第一腕部820aの先端側には、支持環820cと略同径の連結部分が形成され、その内部に軸孔部820dが形成されている。
第二腕部820bは、平面視が眼鏡形の形状を呈しており、その両端側には、軸孔部820dと同径の軸孔部820e,820fを有する連結部分が形成されている。そして、第一腕部820aの軸孔部820dと第二腕部820bの軸孔部820eとが回転軸821aを介して互いに回転可能に連結され、第二腕部820bの軸孔部820fと連結杆800の軸孔部800dとが回転軸821bを介して互いに回転可能に連結されている。なお、第二腕部820bの高さ方向の厚みは第一腕部820aよりも薄くなっており、連結杆800の下部に形成された空間に潜り込むことが可能になっている。
このように、伸縮アーム820は、回動軌跡の径方向に折れ曲がり可能に構成されているため、折り畳まれると連結杆800の長手方向における寸法を短くすることが可能になる。特に、支持軸830が連結杆800の摺動直線上から外れた位置に配置されているため、伸縮アーム820を没入させる際、すなわち伸縮アーム820が折り畳まれる際、連結杆800を摺動案内部材801の一番奥まで挿入させることが可能となる。
ところで、連結杆800は、回転軸821bを中心として、画像表示体500の回転軌跡と同方向に所定範囲内で揺動可能に支持されている。また、図49に示すように、摺動案内部材801における内幅Mは、連結杆800の横幅Wよりも幾分大きくなるように設定されている。このため、揺動規制部805によって制限された回動範囲内で連結杆800を揺動させることができ、連結杆800の突出方向を変化させることが可能となる。したがって、扉形前面部材200の回動中に、画像表示体500の回動外縁に対する扉形前面部材200の相対位置が変化しても、連結杆800に無理な力が加わることを抑制でき、回動中における連結杆800の反りや破損を防止することができる。
なお、揺動規制部805は、摺動案内部材801の先端側に設けられており、連結杆800の突出長さが短くなるほど、揺動可能範囲が狭くなるように構成されている。つまり、画像表示体500の回動外縁側と扉形前面部材200の回動外縁側との距離は、扉形前面部材200の開放角度が大きくなるほど長くなる傾向にある(換言すれば、扉形前面部材200の開放角度が小さくなるほど短くなる傾向にある)が、これに対し本例では、扉形前面部材200が閉鎖位置に近づくほど揺動可能範囲が狭くなるため、夫々の開度状態に応じた適切な範囲内の揺動のみを許容することとなる。このため、扉形前面部材200の回動中における画像表示体500のガタツキを極力抑え、安定した状態で回動させることができる。
また、図45に示すように画像表示体500の回動外縁には、外方向に突出した制動部材500cが形成されている。また、連結杆800の側面には、突出補強部材800bとは反対側に突出した突出部800fが形成されており、図49(a)に示すように、画像表示体500が閉鎖位置になると(すなわち連結杆800が没入位置になると)、制動部材500cと突出部800fとが互いに当接するように位置が設定されている。これにより、画像表示体500が閉じられた際に連結杆800の揺動を阻止することが可能になり、ひいては画像表示体500が閉じられた使用可能状態では、画像表示体500を定位置に保持することができ、遊技中の振動による異音の発生を防止することができる。
また、図46に示すように、摺動案内部材801の基部側面には、弾性的な片持ち梁式のストッパ801sが形成されている。ストッパ801sは止め軸703から外した連結杆800を摺動案内部材801の内部に納めて保持するためのものであり、連結杆800の基部800a側の円形部分に係合して連結杆800の盲動を防止する。
このように、本例のスロットマシン1によれば、機種を変更する場合、外本体100及び扉形前面部材200をそのまま利用し、主制御基板409と周辺制御基板510とを含む、必要最小限の構成のみを交換することが可能になる。したがって、機種変更にかかる費用の負担を軽減するとともに、交換部分の小型化及び軽量化が図れることから運搬や設置における作業性が向上する。特に、ユニットごと交換することから、取扱いが容易となり、遊技店舗においても速やかに交換することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、主制御基板409及び周辺制御基板510に接続された複数のユニット側コネクタ425等が配置されており、本体側コネクタ124等に着脱可能に連結させることが可能になっている。特に複数の本体側コネクタ124等は、外本体100内で1箇所に集められて配置されており、一方、複数のユニット側コネクタ425等は、一つのコネクタホルダー428によって纏めて支持されているため、一回の操作によって、複数組のコネクタを同時に連結させることが可能となり、連結に関する作業性を高めることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、外本体100に固定された本体側コネクタ124等に対してユニット側コネクタ425等の嵌合方向が案内されるように構成されているため、円滑に且つ容易に連結させることが可能になり、作業性を大幅に高めることができる。なお、コネクタホルダー428にユニット側ガイド部452を形成することから、一つのユニット側ガイド部452によって、二つのユニット側コネクタ425,427の嵌合を案内することができ、夫々のユニット側コネクタ及び本体側コネクタにガイド部を形成するものに比べ、比較的簡単な構成で実現することが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ユニット側コネクタ425等と本体側コネクタ124等との連結状態を結束バンド454によって保持することから、結束バンド454の状態を視認させることにより、本体側コネクタ124等からユニット側コネクタ425等が外されたことを遊技店舗等において把握させることが可能になる。したがって、不正な行為によって制御の内容が変更されることを抑制でき、主制御基板409等における信頼性を確保することができる。特に、ユニット側透孔460及び本体側透孔461を通して結束バンド454を結束させることにより、本体側ガイド部453に対してユニット側ガイド部452を固定させることから、極めて簡単な構成で連結状態を保持することができるとともに、結束バンド454の状態によって不正な行為を容易に把握させることができる。なお、遊技店舗において旧機種の遊技ユニット50を取外す際には、結束バンド454を鋏等で切断するだけでよいことから、交換時における作業者の負担を軽減することができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428だけではなくユニット側ガイド部452となる穴部形成部材464の後端側にも結束バンド454が通される切欠状の溝部460aが形成されているため、穴部形成部材464をコネクタホルダー428の奥側に形成した場合でも、結束バンド454の挿通位置を作業者側に近づけることができ、作業性を向上することができる。また、穴部形成部材464の厚みが比較的大きな場合でも、穴部形成部材464に対し結束バンド454を容易に挿入させることができる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428の上面に進入ガイド部465が形成されているため、ユニット側透孔460がコネクタホルダー428の奥側に形成されている場合でも、結束バンド454の先端を比較的容易にユニット側透孔460に到達させることが可能となり、ひいては作業性をさらに高めることができる。また、穴部形成部材464に送出ガイド部466が形成されているため、ユニット側透孔460に挿通した結束バンド454を引き出す等の作業を行わなくても、自然に前方に向って送り出され、穴部形成部材464を囲むように環状に配設させることが可能になる。したがって、結束作業を一層容易に行わせることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、コネクタホルダー428に対してユニット側コネクタ425等を固定するネジ469が、コネクタホルダー428において本体側コネクタ124等と対向する面にねじ込まれているため、本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したままユニット側コネクタ425等を本体側コネクタ124等から抜き取る、という不正操作が防止される。
また、本例のスロットマシン1によれば、カバー体121に本体側ガイド部453を形成することから、専用の本体側固定部部材を別途設けなくても、ユニット側コネクタ425等の嵌合方向を案内することができ、全体の構成を一層簡単にすることができる。また、カバー体121は、コネクタ基板122等を覆っているため、カバー体121を外すことなく、コネクタ基板122を外本体100から取り外すことができなくなる。したがって、防犯効果をさらに高めることができる。また、カバー体121を固定するネジは、コネクタホルダー428と対向する位置にねじ込まれているため、本体側ガイド部453に対するユニット側ガイド部452の固定状態を保持したまま、カバー体121をコネクタ124から外すことが防止される。
また、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にし、扉形前面部材200の横開き動作を前面開閉部材501に伝達する連結具80を備えているため、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部、特に結束バンド454の状態までも視認させることが可能になる。
また、本例のスロットマシン1によれば、ケース部材400の後面板内面に主制御基板409が組付けられ、その前方に配線作業空間408が形成されているため、ケース部材400の内部に組付けられた主制御基板409に対しての配線作業が容易となる。特に、配線作業空間408とユニット側コネクタ425等とを隣接させた状態で配置することが可能となるため、これらを繋ぐハーネスの長さが短くなるとともに、配線作業空間408内で容易に連結作業を行うことが可能になる。
さらに、本例のスロットマシン1によれば、前面開閉部材501の前面側に演出表示装置590が設けられているため、表示画面を比較的大きく形成し、迫力のある画像を明瞭に視認させることが可能になる。また、演出表示装置590に所定の演出を導出する周辺制御基板510が、前面開閉部材501の背面側に組付けられているため、演出表示装置590と周辺制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、ひいては取扱いが容易になるとともに、ケース部材400内での煩雑さを抑制できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、本体側コネクタ及びユニット側コネクタとして、二組のコネクタを連結させるものを示したが、三組以上のコネクタを連結させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本体側ガイド部453に突出部462を形成し、ユニット側ガイド部452に穴部463を形成するものを示したが、突出部と孔部との関係が逆になってもよい。つまり、本体側ガイド部に孔部を形成し、その孔部に挿入される突出部をユニット側ガイド部に形成するようにしてもよい。また、上記実施形態では、ユニット側ガイド部452及び本体側ガイド部453を一組のみ形成するものを示したが、二組形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、連結状態保持手段として結束バンド454を用いるものを示したが、コネクタ同士の連結状態が解除された際に痕跡の残るもの、すなわち、破壊や切断しなければ連結状態を解除できない部材であれば、採用することができる。例えば、封印シールを用いることも可能であり、これによれば、極めて簡単な構成で連結状態を保持することが可能になる。ただし、封印シールを用いると、遊技ユニット50を交換する場合に、コネクタに封印シールの痕跡が残ることから再利用が困難となる。
また、上記実施形態では、前面開閉部材501に演出表示装置590を組付けるもの、すなわち演出表示装置590を遊技ユニット50の一部として、交換可能に組込むものを示したが、演出表示装置590を扉形前面部材200に組付けるようにしてもよい。これによれば、演出表示装置590を共通部品として扱うことが可能になる。なお、同じ演出表示装置590を採用しても、演出表示装置590に表示される演出(より詳しくは演出表示装置590の表示領域に表示される演出のことであり、以下、演出表示装置590に表示されるという)を変化させることにより、コンセプトの異なった遊技機を提供することが可能になる。
また、上記実施形態の連結具700,80では、ロッド702及び連結杆800を、回転軌跡の径方向に摺動可能に支持し、扉形前面部材200の回動外縁と前面開閉部材501の回動外縁との距離の変化に応じて出没させるものを示したが、前面開閉部材501の回動軌跡を扉形前面部材200の回転軸を回転中心とする回転軌跡に確実に一致させるように構成した場合には、扉形前面部材200及び前面開閉部材501の回動外縁同士を、摺動することのない連結杆によって連結するようにしてもよい。
[遊技ユニットの交換]
遊技内容を変更する場合や、遊技機種を変更する場合には、外本体100及び扉形前面部材200に配設されている部材や電気部品を残してそのまま継続使用すると共に、遊技ユニット50のみを本体側(外本体100及び扉形前面部材200)に対して取り外し、新たな遊技ユニット50を外本体100の内部に収納固定することになる。以下、遊技ユニット50を交換する場合の具体的な作業手順を説明する。
[遊技ユニットの外本体100からの取り外し]
図2に示す扉形前面部材200の自由端側の一側の錠装置215にキー(鍵)を挿入して右回りに回すと錠が外れ、扉形前面部材200を外本体100から開放させることができる。扉形前面部材200を外本体100に対して手前に引くと、扉形前面部材200が回転軸100a(図1,図40参照)を中心として外本体100に対して内部を開放する方向に回動する。このとき、画像表示体500は、連結具700(図40及び図41参照)により、扉形前面部材200の支持片215bに支持された止め軸703の下端部分が、画像表示体500の固定鞘部材701内を摺動するロッド702に連結されていることにより、画像表示体500がヒンジ金具420(図39及び図40参照)を中心に扉形前面部材200と一体となって回動する。これにより、ケース部材400の開口部401が露出した状態となる。
次に、ケース部材400の開口部401に手を入れ、その奥の配線作業空間408内のコネクタホルダー428(図4参照)を配線中継部材113から外す。図4に示すように、コネクタホルダー428は左右のボタン形パネルファスナー432,432により配線中継部材113の支持筒128,128に固定されている。左右のボタン形パネルファスナー432,432を摘み、手前方向に5mmほど引くと、左右のボタン形パネルファスナー432,432と支持筒128,128との結合が外れる。そして、コネクタホルダー428の左右の取着片431,431を手で支持して手前方向に引くことにより、配線中継部材113のコネクタ124とコネクタホルダー428のコネクタ425とのコネクタ結合が外れると共に、配線中継部材113のコネクタ125とコネクタホルダー428のコネクタ427とのコネクタ結合が外れることにより、両コネクタ425,427を抜くことができる。配線中継部材113から取り外したコネクタホルダー428は、仮止め棚418のベンチ部433に配置するようにする(図8参照)。これにより、遊技ユニットを輸送中にコネクタホルダー428が移動したりすることがない。
次に、図1及び図26に示されている上部左右のストッパー117を遊技ユニットの内部から手で回してケース部材400の係止孔442(図7参照)に係合しない位置に回動させる(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。また、下部のストッパー117を図26で2点鎖線で示される位置に回動させて倒す(ケース部材400の前方向への移動規制の解除)。
次に、図41における拡大図に示す連結具700の止め軸703をスプリング703aの付勢に抗して上方に持ち上げることにより、止め軸703とロッドとの係合を解除した状態としまま、画像表示体500をヒンジ金具420を中心にケース部材400の開口部401を閉鎖する方向に回動させる。そして、画像表示体500でケース部材400の開口部401を閉鎖した状態とし、図6に示すロック片421を時計回りに回動させて、その先端を画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500をケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックする。これにより、遊技ユニット50が外本体100の仕切板105(図1参照)に載っただけの状態となる。
次いで、前述のように、ケース部材400の開口部401上縁と、閉じた状態の画像表示体500の上縁との間の隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出すことにより、遊技ユニット50をケース部材400と共に外本体100に対して手前方向に引き出す。以上のようにして、遊技ユニット50を外本体100から取り外す。なお、新たな遊技ユニット50を外本体100の開口の内部に収納固定する手順は逆となる。
[スロットマシンに配備される電気系統]
次に、スロットマシン1に配備される電気系統について説明する。スロットマシン1の制御構成は、図50乃至図52に示すように、遊技ユニット50側に配備された主制御基板409及び周辺制御基板510から構成されており、各種制御が分担されている。図50は遊技ユニット50(図5に示されているように図柄変動表示装置300+ケース部材400+画像表示体500よりなる)側に配備された主制御基板409(図3及び図6参照)及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された主中継基板122のブロック図である。また、図53は、配線中継部材113に収納される主中継基板122及び周辺中継基板123の正面図である。
[主中継基板122]
主中継基板122は、図53に示すように、電源基板112sとの接続用のコネクタCN1(以下、主中継基板122のコネクタCN1という)と、主制御基板409に繋がっているハーネス付きコネクタ425(図11参照)と接続されるコネクタ124(図9参照、以下、主中継基板122のコネクタCN2という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される主扉中継基板850と接続されるコネクタCN3(以下、主中継基板122のコネクタCN3という)と、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(図示せず)に対してスロットマシン1の遊技情報を出力するために中継する外部中継端子板131(図1参照)と接続されるコネクタCN4(以下、主中継基板122のコネクタCN4という)と、メダル放出装置110と接続されるコネクタCN5(以下、主中継基板122のコネクタCN5という)と、メダル用補助収納箱111の内部に配設されたメダル補助収納庫スイッチ111aと接続されるコネクタCN6(以下、主中継基板122のコネクタCN6という)と、扉開放検知スイッチ220と接続されるコネクタCN7(以下、主中継基板122のコネクタCN7という)とを備えている。主中継基板122は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。なお、以下の説明では、基板毎にコネクタがあるので、符号「CN」は異なる基板で重複することがある。
図50の電源基板112sは、AC24V(2つの端子)を入力として、主制御基板409のメモリのバックアップ電源や各種の直流作動電源(+30V電源、+12V電源、+24V電源)を生成し、主中継基板122のコネクタCN1に供給する。なお、符号FG(1つの端子)は、図示しない電源ハーネスを介して遊技島設備のアースに接続される。また、筐体FG端子(1つの端子)は、遊技機本体の金属部分にアースとして接続される。
図54は、主中継基板122のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6及びCN7のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図50及び図54に示すように、主中継基板122のコネクタCN1(対電源基板112s)は12ピンで構成されている。コネクタCN1の1番ピン〜5番ピンは何れもグランドGNDの中継入力である。6番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継入力であり、7番ピン及び8番ピンはいずれも+30V電源の中継入力であり、9番ピン及び10番ピンはいずれも+12V電源の中継入力であり、11番ピンは+24V電源の中継入力であり、12番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継入力である。
主中継基板122のコネクタCN4(対外部中継端子板131)は10ピンで構成されている。コネクタCN4の1番ピンは外部信号5の中継出力、2番ピンは外部信号4の中継出力、3番ピンは外部信号3の中継出力、4番ピンは外部信号2の中継出力、5番ピンは外部信号1の中継出力である。また、コネクタCN4の6番ピンはメダル払出信号の中継出力であり、7番ピンはメダル投入信号の中継出力である。さらに、コネクタCN4の8番ピン〜10番ピンは何れも+24V電源の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN5(対メダル放出装置110)は5ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはS+5V(センサ用+5V電源を意味する、以下、センサ用+5V電源という)の中継出力であり、2番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の中継入力であり、3番ピンはグランドGNDであり、4番ピンは遊技メダル払出ドライブ1の中継出力であり、5番ピンは遊技メダル払出ドライブ2の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN6(対メダル補助収納庫スイッチ111a)は2ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはオーバーフロースイッチ(メダル補助収納庫スイッチ111a)の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。また、主中継基板122のコネクタCN7(対扉開放検知スイッチ220)は2ピンで構成されている。コネクタCN7の1番ピンは扉開放検知スイッチ220の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。
図55は、主中継基板122のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図50及び図55に示すように、主中継基板122のコネクタCN3は30ピンで構成され、主扉中継基板850に接続されている。図50において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、主扉中継基板850及び主扉中継基板850にコネクタ接続されているメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(211a〜211c)及び打止め解除/エラー解除スイッチ215cは扉形前面部材200に配設されている(図59参照)。
図59は、スロットマシン1の扉形前面部材200の裏面図である。扉形前面部材200は、スロットマシンの外本体100(図1参照)の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けられている。図59に示すように、扉形前面部材200の裏面の略中央には、内部に主扉中継基板(図示せず)と扉装飾駆動基板(図示せず)を収納した扉基板収納ケース900が配設されている。また、扉形前面部材200の裏面下部の左右にはLスピーカ(左スピーカ)201aとRスピーカ(右スピーカ)201bとが配設されている。
また、図60は扉基板収納ケース900の斜視図である。図60に示すように、扉基板収納ケース900は、内部に扉装飾駆動基板860(符号のみ図示)を収納した四角形状をなした扉装飾駆動基板収納部分901の側部に、扉装飾駆動基板よりも小型の四角形状で、内部に主扉中継基板850(符号のみ図示)を収納した主扉中継基板収納部分902が一体に形成されている。
図50に示すように、主扉中継基板850にはメダルセレクタ207、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、1ベットボタン205、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、打止め解除/エラー解除スイッチ215cが接続されている。
図60において、符号903は扉基板収納ケース900の上面全体を覆う収納ケースカバーであり、主扉中継基板収納部分902の収納ケースカバー903の外面に、メダルセレクタ207に接続されたハーネス付きコネクタを接続するメダルセレクタ用接続コネクタ851(図50に示すように10ピンで構成)と、貯留メダル精算ボタン209に接続されたハーネス付きコネクタを接続する貯留メダル精算ボタン用接続コネクタ852(図50に示すように2ピンで構成)と、MAXベットボタン206に接続されたハーネス付きコネクタを接続するMAXベットボタン用接続コネクタ853(図50に示すように4ピンで構成)と、1ベットボタン205に接続されたハーネス付きコネクタを接続する1ベットボタン用接続コネクタ854(図50に示すように2ピンで構成)と、始動レバー210に接続されたハーネス付きコネクタを接続する始動レバー用接続コネクタ855(図50に示すように3ピンで構成)と、リール停止ボタン211に接続されたハーネス付きコネクタを接続するリール停止ボタン用接続コネクタ856(図50に示すように8ピンで構成)と、打止め解除/エラー解除スイッチ215cに接続されたハーネス付きコネクタを接続する打止め解除/エラー解除スイッチ用接続コネクタ857(図50に示すように2ピンで構成)と、主として主扉中継基板850から本体側の主中継基板122へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材858(30ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
主扉中継基板850と主中継基板122との接続は、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、主扉中継基板850の対本体接続コネクタ部材858(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、主中継基板122のコネクタCN3(図50及び図53参照)にハーネス付きコネクタ910(図9参照)の他端を接続する。
図55に示すように、主中継基板122のコネクタCN3の1番ピンは+24V電源の中継出力であり、2番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継出力であり、3番ピンはグランドGNDである。4番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ用+5V電源の中継出力であり、5番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ1)信号の中継入力であり、6番ピンはメダルセレクタ207のメダル通過センサ(メダル投入スイッチ2)信号の中継入力であり、7番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチの信号の中継入力であり、8番ピンはグランドGNDである。
9番ピンは貯留メダル精算ボタン209(貯留メダル精算スイッチ)のスイッチ信号の中継入力であり、10番ピンはグランドGNDである。11番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、12番ピンはMAXベットボタン206(貯留メダル投入スイッチ2)のスイッチ信号の中継入力であり、13番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継出力であり、14番ピンはグランドGNDである。15番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、16番ピンは1ベットボタン205(貯留メダル投入スイッチ1)のスイッチ信号の中継入力であり、17番ピンはグランドGNDである。18番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサのセンサ用+5V電源の中継出力であり、19番ピンはグランドGNDであり、20番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の中継入力である。
21番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継入力であり、22番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継入力であり、23番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継入力であり、24番ピンはグランドGNDである。25番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、26番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継出力であり、27番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継出力であり、28番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継出力である。29番ピンはセンサ用+5V電源の中継出力であり、30番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継入力である。
[主中継基板122と主制御基板409とのコネクタ接続]
図50に示すように、主中継基板122のコネクタCN2は主制御基板409のコネクタCN1と接続される(図53のコネクタ124と図11のハーネス424付きのコネクタ425との接続を介して接続される)。主中継基板122のコネクタCN2及び主制御基板409のコネクタCN1は、64ピンで構成されている。
図56は、主中継基板122のコネクタCN2のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図であり、図57は、主制御基板409のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。なお、図56の主中継基板122のコネクタCN2のピン番号と図57の主制御基板409のコネクタCN1のピン番号とは同一の番号同士が対応している。
主制御基板409のコネクタCN1の1番ピンは外部信号5の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の1番ピンは外部信号5の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の2番ピンは外部信号4の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の2番ピンは外部信号4の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の3番ピンは外部信号3の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の3番ピンは外部信号3の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の4番ピンは外部信号2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の4番ピンは外部信号2の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の5番ピンは外部信号1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の5番ピンは外部信号1の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の6番ピンはメダル払出信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の6番ピンはメダル払出信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の7番ピンはメダル投入信号出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の7番ピンはメダル投入信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の8番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の8番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の9番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の9番ピンは遊技メダル投払出カウントスイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の10番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の10番ピンもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ1の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは遊技メダル払出装置ドライブ2の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の15番ピンはグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の15番ピンもグランドGNDである。主制御基板409のコネクタCN1の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号(メダル補助収納庫スイッチ111aのスイッチ信号)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の16番ピンはオーバーフロースイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の17番ピンは扉開放検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の18番ピン〜23番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の18番ピン〜23番ピンも何れもグランドGNDである。
主制御基板409のコネクタCN1の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の24番ピンはメダルセレクタ207のロックアウトソレノイドへの駆動信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の25番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の26番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の27番ピンはメダルセレクタ207のメダル投入レバー検知スイッチ信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号(貯留メダル精算ボタン209)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の28番ピンは貯留メダル精算スイッチ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号(1ベットボタン205)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の29番ピンは貯留メダル投入スイッチ1信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号(MAXベットボタン206)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の30番ピンは貯留メダル投入スイッチ2信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の31番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の31番ピンは始動レバー210(回胴回転始動装置)のレバーセンサ信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の32番ピンはリセットスイッチ(打止め解除/エラー解除スイッチ215c)の信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の33番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の33番ピンは第1回胴に対応した左リール停止ボタン211aの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の34番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の34番ピンは第2回胴に対応した中リール停止ボタン211bの信号の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の35番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の35番ピンは第3回胴に対応した右リール停止ボタン211cの信号の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の36番ピンは停止ボタンLED1の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の37番ピンは停止ボタンLED2の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の38番ピンは停止ボタンLED3の点灯信号の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の39番ピンは貯留メダル投入スイッチLEDの点灯信号の中継入力である。
主制御基板409のコネクタCN1の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の40番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継出力である。主制御基板409のコネクタCN1の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の出力であり、主中継基板122のコネクタCN2の41番ピンはS+5V(センサ用+5V電源)の中継入力である。主制御基板409のコネクタCN1の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の42番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の43番ピン〜49番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の43番ピン〜49番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の50番ピン〜56番ピンは何れも+12V電源の中継出力である。
主制御基板409のコネクタCN1の57番ピン〜60番ピンは何れもグランドGNDであり、主中継基板122のコネクタCN2の57番ピン〜60番ピンも何れもグランドGNDである。また、主制御基板409のコネクタCN1の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の入力であり、主中継基板122のコネクタCN2の61番ピン〜64番ピンは何れも+30V電源の中継出力である。
[主制御基板]
図51は遊技ユニット50に配備された主制御基板409及び周辺制御基板510のブロック図である。図50に示すように、主制御基板409には、前述の主中継基板122が接続される他、12ピンで構成されるコネクタにより遊技状態表示基板450が接続され、24ピンで構成されるコネクタを介してリール主中継基板315(図23参照)が接続され、1個が8ピンで構成されるコネクタ2個により機能分離中継端子板441が接続されている。なお、図示されていないが、遊技状態表示基板450にはクレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ等が設けられている。リール主中継基板315には、左リールモータ321aに対応したリールモータ中継基板(図25の符号326)が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、中リールモータ321bに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、右リールモータ321cに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続されている。
主制御基板409は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての主制御MPU、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート、上述した、左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cに駆動信号を出力するドライブ回路、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定キー(鍵穴)、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ等を備えて構成されている。主制御MPUには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUは、上述した、1ベットボタン205、MAXベットボタン206、貯留メダル精算ボタン209、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、メダルセレクタ207(ロックアウトソレノイド、通過センサ、レバーセンサ)、扉開放検知スイッチ220、メダル放出装置110の遊技メダル払出カウントスイッチ及びメダル用補助収納箱111のメダル補助収納庫スイッチ111aからの検出信号が主制御I/Oポートを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、ロックアウトソレノイド、クレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ及びメダル放出装置110の駆動手段への駆動信号を、主制御I/Oポートを介して、出力する。
また、主制御MPUは、主制御I/Oポート及びリール主中継基板315、各リールモータ中継基板を介して左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ回転させる左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cへの駆動信号を出力したり、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの原位置をそれぞれ検出する左リール位置センサ(図25の符号325)、中リール位置センサ及び右リール位置センサからの検出信号が入力されたりする。
主制御MPUは、主制御I/Oポートを介して、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ、打止め解除/エラー解除スイッチ215cからの信号が入力されたり、メダル払出信号、メダル投入信号や遊技ステータス等を外部中継端子板131に出力したりする。
「設定スイッチ/エラー解除」
設定スイッチ/エラー解除は設定キーの状況によって役割が変わる。設定キーがOFFのときは(遊技可能状態)、エラー解除スイッチとして機能する。一方、設定キーがONのときは(設定変更状態)、設定スイッチとして機能する。
[設定キーと設定スイッチ/エラー解除]
次に、スロットマシン1の設定の変更手順について説明する。まず、スロットマシン1を電源OFFの状態とし、その状態で設定キースイッチを操作する。詳しくは、設定キースイッチに所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチにキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源ユニットの電源スイッチを操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定がクレジット表示部に表示される(例えば、設定1の場合にはクレジット表示部に「1」が表示される)。次に、設定スイッチを操作する。設定スイッチを操作すると、クレジット表示部に表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が6の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このように設定スイッチを操作して、クレジット表示部に所望の設定の値が表示されると、始動レバー210を操作する。始動レバー210を操作することによって、設定が確定する。キーを左へ90度回転させ、設定キースイッチに差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値で遊技機が動作する。
[打止め有無スイッチ]
まず、「打止め」とはボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない状態にすることである。打止め有無スイッチはボーナスゲームが終了した後に「打止め」にするか、それとも継続してゲームを行うことを許容するかを決定するスイッチである。
[精算有無スイッチ]
「精算」とはボーナスゲームが終了した後にクレジットを精算、つまりクレジット分のメダルを払い出すことを意味する。精算有無スイッチは、ボーナスゲームが終了した後に「精算」にするか、それとも「精算」しないかを決定するスイッチである。
外部中継端子板131(図50参照)は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、メダル投入信号によりスロットマシン1に投入されたメダルの枚数を把握し、メダル払出信号によりスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を把握し、遊技ステータスによりスロットマシン1の遊技状態等を把握することによって、計数管理を行っている。
図51において、主制御基板409には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより機能分離中継端子板441が接続されている。また、機能分離中継端子板441には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより後述する周辺制御基板510が接続されている。なお、矢印のついていない8ピンで構成されるコネクタは電源中継用であり、グランドGNDが4ピン、+12V電源が2ピン、+30V電源が2ピンで構成されている。また、主制御基板409→機能分離中継端子板441→周辺制御基板510というように、矢印付きで示される8ピンで構成されるコネクタは遊技に関する各種コマンド送信用であり、パラレルデータ(コマンド)D0〜D3の4ピン、SEL(セレクト信号)が1ピン、WR(ライト信号)が1ピン、停電予告信号が1ピン、グランドGNDが1ピンで構成されている。主制御MPUは、遊技に関する各種コマンドを、主制御I/O及び機能分離中継端子板441を介して、後述する周辺制御基板510に送信するようになっている。
[周辺制御基板510]
周辺制御基板510は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM、高音質の演奏を行う音源IC、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMを備えて構成されている。前記周辺制御MPUは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵している。本実施形態では、周辺制御基板510に画像表示体500を表示制御するVDP等を備えた液晶制御基板がコネクタ同士で直接接続(基板対基板コネクタで接続)され、さらに図示していないが、液晶制御基板に、液晶モジュール(演出表示装置)590に表示する各種画像を記憶する画像ROMを備えた液晶データROM基板と液晶モジュール(演出表示装置)590に対するドライバを備えた液晶出力基板とがコネクタ同士でそれぞれ直接接続(各々が基板対基板コネクタで接続)されている。
周辺制御基板510には、前述の機能分離中継端子板441が2個の8ピンで構成されたコネクタで接続される他、24ピンで構成されるコネクタによりパネル装飾中継基板594が接続され、さらに本体側に配設されている後述の周辺中継基板123と、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。
周辺制御基板510と基板対基板コネクタで接続された上述の液晶制御基板には、30ピンで構成されるコネクタにより液晶モジュール590(実施形態における演出表示装置を構成)が接続され、3ピンで構成されるコネクタにより液晶インバータ基板592が接続され、2ピンで構成されるコネクタにより画像表示体500のファンモータ593が接続されている。また、液晶制御基板には、1ピンで構成されるコネクタにより、液晶モジュール590の裏面の金属板521に接触する金具522に接続されたアース線527(図20参照)の他端が接続され、電気的に接地された状態となっている(グランドGNDに接続されている)。さらに、液晶インバータ基板592は、液晶モジュール590に対して1つが2ピンで構成されるコネクタ4個によって接続され、液晶インバータ基板592は+30V電源を入力として+200V程度のバックライト用作動電圧を昇圧生成し、液晶モジュール590に与える。
パネル装飾中継基板594には、2ピンで構成されるコネクタにより上パネル照明LED基板595が接続され、5ピンで構成されるコネクタによりバックライト中継基板318(図23参照)が接続されている。そして、バックライト中継基板318には、1つが2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して、左リール301a(第1回胴)に対応したバックライト基板(図25のバックライト322aが配置された円弧状の基板)が接続されている。同様に、バックライト中継基板318には、中リール301b(第2回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続され、右リール301c(第3回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続されている。
[周辺制御基板510と周辺中継基板123とのコネクタ接続]
図52は遊技ユニット50側に配備された周辺制御基板510及び本体側(外本体100の背板104に配設された配線中継部材113)に配備された周辺中継基板123のブロック図である。周辺制御基板510と周辺中継基板123とは、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。また、周辺中継基板123は、先に示した図53に示されている。
[周辺中継基板123]
周辺中継基板123は、図53に示すように、周辺制御基板510に繋がっているハーネス付きコネクタ427(図11参照)と接続されるコネクタ125(図9及び図53参照、以下、周辺中継基板123のコネクタCN1という)と、後述の扉形前面部材200の裏面に配備される扉装飾駆動基板860と接続されるコネクタCN2(以下、周辺中継基板123のコネクタCN2という)と、低音スピーカ(図1の外本体100内部の下部に配置されているメダル放出装置110の後方位置において背板104に配設されているスピーカ、図30参照)と接続されるコネクタCN3(以下、周辺中継基板123のコネクタCN3という)とを備えている。周辺中継基板123は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN1は周辺制御基板510のコネクタCN3と接続される(図53のコネクタ125と図11のハーネス426付きのコネクタ427との接続を介して接続される)。周辺中継基板123のコネクタCN1及び周辺制御基板510のコネクタCN3は、20ピンで構成されている。
図58は、周辺制御基板510のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の1番ピンは−SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の1番ピンは−SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の2番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の2番ピンは+SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の3番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の3番ピンは−SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の4番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の4番ピンは+SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の5番ピンは−SPK−Lであり(Lスピーカ201aのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の5番ピンは−SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ201aのマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の6番ピンは+SPK−Lであり(Lスピーカ201aのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の6番ピンは+SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ201aのプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の7番ピンは−SPK−Rであり(Rスピーカ201bのマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の7番ピンは−SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ201bのマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の8番ピンは+SPK−Rであり(Rスピーカ201bのプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の8番ピンは+SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ201bのプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の9番ピン及び10番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンもグランドGNDである。周辺制御基板510のコネクタCN3の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の出力であり、周辺中継基板123のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の中継入力である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の13番ピン及び14番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンもグランドGNDである。
周辺制御基板510のコネクタCN3の15番ピンはS−LATCHの出力であり(ラッチ信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の15番ピンはS−LATCHの中継入力である(ラッチ信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の16番ピンはS−MODEの出力であり(モード信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の16番ピンはS−MODEの中継入力である(モード信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の17番ピンはS−CLKの出力であり(クロック信号の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の17番ピンはS−CLKの中継入力である(クロック信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の18番ピンはS−DATAであり(シリアルの点灯データの出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはS−DATAの中継入力である(シリアルの点灯データの中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の19番ピンはSEL1であり(セレクト信号1の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはSEL1の中継入力である(セレクト信号1の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の20番ピンはSEL0であり(セレクト信号0の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の20番ピンはSEL0の中継入力である(セレクト信号0の中継入力である)。
また、図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は20ピンで構成され、扉装飾駆動基板860に接続されている。図52において一点鎖線で囲われている「ドアブロック」で示されるように、扉装飾駆動基板860、トップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ(左スピーカ)201a、Rスピーカ(右スピーカ)201b及び下パネル照明点灯基板876に接続されている下パネル照明877は、扉形前面部材200に配設されている。
図52に示すように、扉装飾駆動基板860にはトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ201a、Rスピーカ201bが接続されている。このように、扉形前面部材200に配設された扉側装飾発光体(後述)の点灯駆動を行う扉装飾駆動基板860が周辺制御基板510とは別体とされて扉形前面部材200に配設されている。
図60に示すように、扉基板収納ケース900の扉装飾駆動基板収納部分901の収納ケースカバー903の外面に、トップ装飾基板871に接続されたハーネス付きコネクタを接続するトップ装飾基板用接続コネクタ861(図52に示すように12ピンで構成)と、左上装飾基板872に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左上装飾基板用接続コネクタ862(図52に示すように13ピンで構成)と、左下装飾基板873に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左下装飾基板用接続コネクタ863(図52に示すように6ピンで構成)と、右上装飾基板874に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右上装飾基板用接続コネクタ864(図52に示すように13ピンで構成)と、右下装飾基板875に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右下装飾基板用接続コネクタ865(図52に示すように6ピンで構成)と、下パネル照明点灯基板876に接続されたハーネス付きコネクタを接続する下パネル照明点灯基板用接続コネクタ866(図52に示すように2ピンで構成)と、Lスピーカ201aに接続されたハーネス付きコネクタを接続するLスピーカ用接続コネクタ867(図52に示すように2ピンで構成)と、Rスピーカ201bに接続されたハーネス付きコネクタを接続するRスピーカ用接続コネクタ868(図52に示すように2ピンで構成)と、扉装飾駆動基板860から本体側の周辺中継基板123へ各信号を送出する対本体接続コネクタ部材859(20ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
[周辺中継基板123と扉装飾駆動基板860とのコネクタ接続]
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は周辺制御基板510のコネクタCN1と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN2及び周辺制御基板510のコネクタCN2は、20ピンで構成されている。
扉装飾駆動基板860と周辺中継基板123との接続は、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、扉装飾駆動基板860の対本体接続コネクタ部材859(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、周辺中継基板123のコネクタCN2(図53参照)にハーネス付きコネクタ920(図9参照)の他端を接続する。
図58においては周辺中継基板123のコネクタCN2のみを示し、扉装飾駆動基板860のCN1は図示を省略している。周辺中継基板123のコネクタCN2の1番ピンはSEL0の中継出力であり(セレクト信号0の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の1番ピンはSEL0の入力である(セレクト信号0の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の2番ピンはSEL1の中継出力であり(セレクト信号1の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の2番ピンはSEL1の入力である(セレクト信号1の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の3番ピンはS−DATAの中継出力であり(シリアルの点灯データの中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の3番ピンはS−DATAの入力である(シリアルの点灯データの入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の4番ピンはS−CLKの中継出力であり(クロック信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の4番ピンはS−CLKの入力である(クロック信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の5番ピンはS−MODEの中継出力であり(モード信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の5番ピンはS−MODEの入力である(モード信号の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の6番ピンはS−LATCHの中継出力であり(ラッチ信号の中継出力であり)、扉装飾駆動基板860の6番ピンはS−LATCHの入力である(ラッチ信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の7番ピン及び8番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の7番ピン及び8番ピンもグランドGNDである。周辺中継基板123のコネクタCN2の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の中継出力であり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の入力である。周辺中継基板123のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンはグランドGNDであり、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンもグランドGNDである。
周辺中継基板123のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ201bのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの入力である(Rスピーカ201bのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ201bのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの入力である(Rスピーカ201bのマイナス入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ201aのプラス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの入力である(Lスピーカ201aのプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ201aのマイナス中継出力であり)、扉装飾駆動基板860のコネクタCN1の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの入力である(Lスピーカ201aのマイナス入力である)。
[周辺中継基板123と低音スピーカ221とのコネクタ接続]
図52に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3は低音スピーカ221と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN3は4ピンで構成されている。図58に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3の1番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の2番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、同コネクタCN3の3番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の4番ピンは−SPK−W2である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力である)。
[扉形前面部材200の各装飾基板の配置]
上述のトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876の各配設位置を図2において示す。トップ装飾基板871は、扉形前面部材200の前面上半部に配されている透明板214aの左右方向に向いた上辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左上装飾基板872は、透明板214aの上下方向に向いた左辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。左下装飾基板873は、各リール停止ボタン211a〜211cの下方に配置された意匠板230(透明な樹脂製の板に遊技機種を象徴させるキャラクタ等が印刷されている部材)の左側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。右上装飾基板874は、透明板214aの上下方向に向いた右辺を形成する縁部材214bの中に嵌め込まれている。右下装飾基板875は、意匠板230の右側方に位置する略三角形状の装飾パネルの内部に嵌め込まれている。下パネル照明点灯基板876及び下パネル照明877は、意匠板230の背後に配置されている。なお、下パネル照明点灯基板876はインバータで構成され、下パネル照明877は冷陰極管で構成され、意匠板230を背後から照明する。
[周辺制御基板510による制御]
図51に示されているサブ制御ブロックは、図51において点線で区切られている部分及び図52に記載されている周辺中継基板123に接続されているドアブロック部分と低音スピーカ221で構成されている。図52の周辺制御基板510の周辺制御MPUは、主制御基板409から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、前述の上パネル照明LED基板595やバックライト基板(第1回胴〜第3回胴)の発光ダイオードを点灯する点灯信号を出力したり、前述の左上装飾基板872に配設された発光体及び左下装飾基板873に配設された発光体で構成された左発光体217A(後述)、右上装飾基板874に配設された発光体及び右下装飾基板875に配設された発光体により構成された右発光体217B(後述)を階調点灯する階調点灯信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉形前面部材200の裏面に配置した、周辺制御基板510と別体に設けた扉装飾駆動基板860を介して出力したり、上述したトップ装飾基板871に配設された上発光体217C(後述)を点滅する点滅信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、扉装飾駆動基板860を介して出力したりする。
なお、左発光体217A及び右発光体217Bへの点滅信号や上発光体217Cへの階調点灯信号は、前述の周辺制御MPUのシリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期して出力されたシリアルデータS−DATA(点灯制御用データに相当する)と、パラレル入出力ポートから出力されたモード信号S−MODE、ラッチ信号S−LATCH及びセレクト信号SEL0,SEL1と、に基づいて、扉装飾駆動基板860が左発光体217A、右発光体217B及び上発光体217Cに出力するようになっている。
周辺制御基板510と基板対基板コネクタで接続された液晶制御基板のVDPは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて画像ROMから画像を読み出して液晶モジュール590の表示制御を行う。液晶モジュール590にはバックライト(冷陰極管)が内蔵されており、液晶インバータ基板592によって点灯されている。
周辺制御基板510の音源ICは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて音ROMから音情報を読み込み、周辺中継基板123を中継して接続された低音スピーカ221と、扉装飾駆動基板860を介して扉型前面部材200のLスピーカ201a,Rスピーカ201bとから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[扉装飾駆動基板860]
次に、扉装飾駆動基板860について説明する。図61は扉装飾駆動基板の簡易的な回路図である。扉装飾駆動基板860は、図61に示すように、セレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cを備えて構成されており、ここでは、まず扉装飾駆動基板860に入力される各種信号について説明し、続けてセレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cについて説明する。なお、図61では、セレクト回路860a等に供給される制御電圧である直流+5ボルト(V)や左発光体217A等に供給される駆動電圧である直流+12Vの図示を省略した。
[扉装飾駆動基板860に入力される各種信号]
扉装飾駆動基板860は、図61に示すように、周辺制御基板510の周辺制御MPU
(シリアル入出力ポート)からクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAが入力されている。クロック信号S−CLKは、本実施形態では1秒(s)あたり250kb(キロビット)の情報が出力できるように設定されている。
シリアルデータS−DATAは、データの形式の異なる、左発光体217A及び右発光体217Bを階調点灯する階調点灯データと、上発光体217Cを点滅する点滅データとが含まれている。ここで階調点灯データは、階調データ及び点灯データから構成されている。なお、これらの点滅データ及び階調点灯データは、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶されており、周辺制御MPUが必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力するようになっている。
扉装飾駆動基板860には、クロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATAのほかに、周辺制御MPU(パラレル入出力ポート)からセレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが入力されている。セレクト信号SEL0,SEL1は、周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力されているシリアルデータS−DATAが点滅データであるか階調点灯データであるかをスイッチ回路860bに伝える信号であり、モード信号S−MODEは、階調点灯データが階調データであるか点灯データであるかを駆動回路860cに伝える信号であり、ラッチ信号S−LATCHは、駆動回路860cが取り込んだシリアルデータS−DATAに基づいて、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたり、上発光体217Cに点滅信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたりする信号である。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間の配線は、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタの一端が周辺制御基板510のコネクタCN3(20ピン)に接続され、図11に示すように前記ハーネス(426)付きコネクタの他端427がコネクタホルダー428に取り付けられると共に(以上の構成が遊技ユニット側)、配線中継部材113に収められた周辺中継基板123のコネクタ125(図52及び図53ではCN1、20ピン)(外本体100側)と接続されている。そして、図9に示すように、両端に接続用のコネクタ(20ピン)を有するハーネス付きコネクタ920の一端が、周辺中継基板123のコネクタCN2(20ピン)に接続され、ハーネス付きコネクタ920の他端が、扉形前面部材200に引き伸ばされて扉装飾駆動基板860のコネクタCN1(20ピン)と接続されている(図60では符号859、図52参照)。これらのハーネスを介して、周辺制御MPUからのクロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATA、セレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが扉装飾駆動基板860に伝わるようになっている。
[セレクト回路860a]
セレクト回路860aは、図61に示すように、インバータIC1A,IC1B(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC14)、論理積IC2A,IC3A(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC08)を備えて構成されている。
インバータIC1A,IC1Bの各々は、8つの反転回路を備えており、その2つ(IC1A,IC1B)にセレクト信号SEL0,SEL1がそれぞれ入力されている。論理積IC2A,IC3Aは、4つの論理積回路を備えている(なお、後述のIC2B〜IC2D、IC3B〜IC3Dも同様)。インバータIC1Aの入力端子1に入力されたセレクト信号SEL0は、入力された論理を反転して出力端子2から反転セレクト信号SEL0′として出力され、論理積IC2Aの入力端子2に入力されている。論理積IC2Aの入力端子1にはセレクト信号SEL1が入力されており、論理積IC2Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
インバータIC1Bの入力端子3に入力されたセレクト信号SEL1は、入力された論理を反転して出力端子4から反転セレクト信号SEL1′として出力され、論理積IC3Aの入力端子2に入力されている。論理積IC3Aの入力端子1にはセレクト信号SEL0が入力されており、論理積IC3Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
[スイッチ回路860b]
セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されるスイッチ回路860bは、図61に示すように、論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dを備えて構成されている。論理積IC2B,IC3Bの入力端子4にはシリアルデータS−DATAが入力され、論理積IC2B,IC3Bの入力端子5にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2B,IC3Bは論理積回路であるため、入力端子4,5の論理積をとってその演算結果が出力端子6から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを駆動回路860cに出力することがなくなる(意図しないシリアルデータS−DATAが駆動回路860cに出力されることを防止する)。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2C,IC3Cの入力端子9にはクロック信号S−CLKが入力され、論理積IC2C,IC3Cの入力端子10にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2C,IC3Cは論理積回路であるため、入力端子9,10の論理積をとってその演算結果が出力端子8から駆動回路800cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せず、かつ論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたクロック信号S−CLKを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はクロック信号S−CLKのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2D,IC3Dの入力端子12にはラッチ信号S−LATCHが入力され、論理積IC2D,IC3Dの入力端子13にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2D,IC3Dは論理積回路であるため、入力端子12,13の論理積をとってその演算結果が出力端子11から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と扉装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたラッチ信号S−LATCHを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はラッチ信号S−LATCHのノイズ対策としての役割も担っている。
[駆動回路860c]
スイッチ回路860bの論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dによる演算結果が入力される駆動回路860cは、図61に示すように、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6を備えて構成されている。
[点滅制御IC4]
点滅制御IC4は、本実施形態では、東京芝浦電気製のTB62709を用いている。このTB62709は、定電流ドライバであり、発光ダイオード等を直接駆動することができる。点滅制御IC4のDATA−IN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、点滅制御IC4のCLOCK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、点滅制御IC4のLOAD端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。なお、点滅制御IC4で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、点滅データとなるようになっている。
このように、点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATA(点滅データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(点滅データ)に基づいて、OUT−a端子〜OUT−g端子から上発光体217Cに点滅信号を出力する。この点滅信号は定電流であり、この定電流が上発光体217Cに流れて上発光体217Cが点灯又は点滅する。
[左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6]
左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、本実施形態では、テキサス・インスツルメント(TI)製のTLC5922を用いている。このTLC5922には16チャンネルの出力があり、各出力チャンネルは個別のON/OFF制御に加え、チャンネルごとに、0〜80ミリアンペア(mA)の範囲でプログラム可能な定電流を流すことができる(これらの設定はMODE信号に基づいて行われる)。また、1個の外付け抵抗(図示しない)により最大出力電流を設定し、この最大出力電流に対して、0〜127の128段階で出力電流を、チャンネルごとに出力することができる。
左側用階調制御IC5のSIN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のSCLK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のXLAT端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。また、左側用階調制御IC5のSOUT端子と右側用階調制御IC6のSIN端子とが電気的に接続されており、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6がデイジーチェーン接続されている。これにより、左側用階調制御IC5のSIN端子に入力されたシリアルデータS−DATAはSOUT端子から右側用階調制御IC6のSIN端子に入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6はシリアルデータS−DATAを取り込むことができる。左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のMODE端子には、モード信号S−MODEが入力されている。なお、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、階調データ及び点灯データから構成された階調点灯データとなるようになっている。
このように、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATA(階調点灯データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(階調点灯データ)に基づいて、左側用階調制御IC5はそのOUT0端子〜OUT15端子から左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6はそのOUT0端子〜OUT15端子から右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。この階調点灯信号は、設定された階調データに基づいて最大出力電流に対して0〜127段階の電流が左発光体217A及び右発光体217Bに流れて左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
[点滅データ及び階調点灯データの出力シーケンス]
次に、上述した周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力するシリアルデータS−DATAの出力シーケンスについて説明する。このシリアルデータS−DATAは、上述したように、点滅データ及び階調データにより構成されており、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして複数記憶されている。周辺制御MPUは、必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、扉装飾駆動基板860に出力する。
図62はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。周辺制御基板510の周辺制御MPUは、図62に示すように、パラレル入出ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIにして出力するとともに、セレクト信号SEL1の論理をLOWにして出力する(タイミングT0)。セレクト信号SEL0の論理をHI、セレクト信号SEL1の論理をLOWにすることでシリアルデータS−DATAが点滅データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT0の後、点滅データの出力シーケンスを開始し(タイミングT1)、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである点滅データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図61に示した、扉装飾駆動基板860の点滅制御IC4が点滅データを取り込む。その後、シリアル入出力ポートから点滅データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力することによって、点滅制御IC4は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力し、上発光体217Cが点灯又は点滅する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をLOWからHIにして出力する(タイミングT2)。これにより、点滅データの出力シーケンスが完了する。
タイミングT2の後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIからLOWにして出力し、階調点灯データの出力シーケンスを開始する(タイミングT3)。セレクト信号SEL0の論理をLOW、セレクト信号SEL1の論理をHIにすることでシリアルデータS−DATが階調データであることを扉装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT3の後、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである階調データを扉装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図61に示した扉装飾駆動基板860の左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6が階調点灯データを取り込む。このとき、モード信号S−MODEの論理がHIとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち階調データを取り込む。
シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち階調データをすべて出力すると、図示しないが、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWからHIにして出力し、その後、ラッチ信号S−LATCHの論理をHIからLOWにして出力する。そしてパラレル入出力ポートからモード信号S−MODEの論理をHIからLOWにする。このとき、モード信号S−MODEの論理がLOWとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち点灯データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち点灯データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をLOWからHIにすることによって、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ階調データに基づいて、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をHIからLOWにして出力する(タイミングT4)。これにより、階調点灯データの出力シーケンスが完了する。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1は、周辺制御基板510、扉装飾駆動基板860を備えている。周辺制御基板510は、シリアル入出力ポート及びパラレル入出力ポートが内蔵されたマイクロプロセッサである周辺制御MPUを実装する。扉装飾駆動基板860は、周辺制御基板510と別体に設けられており、周辺制御MPUのシリアル入出力ポートから出力されたシリアルデータS−DATAに基づいて、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
扉装飾駆動基板860は、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6、セレクト回路860aを備えている。点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATAの点滅データを取り込み、かつ、上発光体217Cに点滅信号を出力する。左側用階調制御IC5は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、左発光体217Aに階調点灯信号を出力する。右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから出力されたセレクト信号SEL0,SEL1に基づいて、シリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替える。
シリアルデータS−DATAは、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データとから構成されており、点滅データと階調点灯データとの形式が異なっている。
このように、シリアルデータS−DATAは、データの形式が異なる、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データと、から構成されており、セレクト回路860aが、そのシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替えている。したがって、取り込むシリアルデータS−DATAの形式が異なる、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6を備えても、1つのシリアルデータS−DATAとして取り扱うことができる。
点滅制御IC4は、点滅データを取り込み、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調データ及び点灯データから構成された階調データを取り込み、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
シリアルデータS−DATAは、形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データから構成されており、セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから2本のセレクト信号SEL0,SEL1が入力されており、セレクト信号SEL0の論理がHIであり、かつ、セレクト信号SEL1の論理がLOWであるときには点滅データを点滅制御IC4に出力する一方、セレクト信号SEL0の論理がLOWであり、かつ、セレクト信号SEL1がHIであるときには階調点灯データを、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力する。
こうすれば、1つのシリアルデータS−DATAで、点滅制御IC4に点滅データ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に階調点灯データを、セレクト回路860aに入力された、セレクト信号SEL0,SEL1によって出力することができる。これにより、点滅制御IC4は取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力することができ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は取り込んだ階調点灯データに基づいて、左側用階調制御IC5が左発光体217Aに階調点灯信号を出力することができ、右側用階調制御IC6が右発光体217Bに階調点灯信号を出力することができる。
更に、セレクト回路860aに入力されるセレクト信号SEL0,SEL1の論理が共にHI又はLOWであるとき、つまり同論理であるときには、スイッチ回路860bによる点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6へのシリアルデータS−DATA、クロック信号S−CLK及びラッチ信号S−LATCHの出力は行われない。セレクト信号SEL0,SEL1にノイズが侵入すると、その論理が同一(同論理)になる性質がある。この性質を利用して、セレクト回路860aに入力されたセレクト信号SEL0,SEL1の論理が同論理になると、スイッチ回路860bが、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力しなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
以上に説明したように、遊技ユニットを外本体100の開口109の内部に着脱交換するに際し、コネクタホルダー428を配線中継部材113に着脱可能に結合することにより、コネクタホルダー428のコネクタ425(主制御系配線類接続用コネクタ)と主中継基板122のコネクタ124(主中継用コネクタ)とが接離可能に接続され、かつコネクタホルダー428のコネクタ427(周辺制御系配線類接続用コネクタ)と周辺中継基板123のコネクタ125(周辺中継用コネクタ)とが接離可能に接続されるので、接続に供するコネクタの数が2つで済むから、接続に供するコネクタの数を減らすことができ、機種交換に際して、機種に依存しない本体部分に対して機種に依存する部分としての遊技ユニットの分離/結合の作業を容易に行うことができる。
周辺制御基板510のマイクロプロセッサ(周辺制御MPU)のシリアル出力ポートから点灯制御用データをシリアルデータで出力し、扉装飾駆動基板860の駆動回路860cへシリアル通信により送信する構成としたので、周辺中継基板123から扉装飾駆動基板860に至るまでのハーネスの本数を減らすことができ(点灯制御用データを伝達するに要する信号線をS−DATAの1つとすることができる結果)、扉形前面部材200が回動可能に外本体100の前面一側に取り付けているヒンジ近くの屈曲する部分のハーネスの本数を減らすことになり、扉形前面部材200と外本体100との間にハーネスが挟み込まれる虞を低く抑えることができ(ハーネスを傷めてしまうというトラブルを激減でき)、信頼性が向上する。
以上、スロットマシン1の内部構成例を説明した。かかる構成を有するスロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、後述する有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
以下では、上記のスロットマシン1によって行なわれるゲームの遊技性を、より特徴的に具現化するための構造および制御について、より詳細に説明する。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から14番までで示した合計14個の図柄)が表記された各リール帯(図柄帯)351a,351b,351cが付されている。図63では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯351a,351b,351cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部591a(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓591aとして統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図64参照)。
また、図柄の種類には、図63に示すように、「赤7」図柄(以下では赤7図柄といい、リール帯351a,351b,351cそれぞれの配列番号11番の3つが該当する)、および、「白7」図柄(以下では白7図柄といい、リール帯351cの配列番号2番が該当する)があり、これらは他の図柄に比べて大きい。また、「赤7」図柄は内側が赤で塗りつぶされており、「白7」は内側が白で塗りつぶされている。このように、赤7図柄および白7図柄を他の図柄に比べて大きく且つ比較的目立ちやすい色が施されていることから、他の図柄に比べて視認しやすくなっている。
また、「キャラクタ「S男」を形どった図柄、以下ではS男図柄という」(例えば、リール帯351aの配列番号1番等)、「キャラクタ「M子」を形どった図柄、以下ではM子図柄という」(例えば、リール帯351aの配列番号3番等)、「キャラクタ「E男」を形どった図柄、以下ではE男図柄という」(例えば、リール帯351aの配列番号4番等)、「キャラクタ「H男」を形どった図柄、以下ではH男図柄という」(例えば、リール帯351aの配列番号5番等)、「キャラクタ「I男」を形どった図柄、以下ではI男図柄という」(例えば、リール帯351bの配列番号1番等)、「キャラクタ「M男」を形どった図柄、以下ではM男図柄という」(例えば、リール帯351bの配列番号2番等)、「キャラクタ「T子」を形どった図柄、以下ではT子図柄という」(例えば、リール帯351bの配列番号3番等)、がある。
以上のように各リール帯351a,351b,351cに表記される図柄の種類は合計9種類となっている。そして、リール帯351aには5種類(S男、M子、E男、H男、赤7)、リール帯351bには4種類(I男、M男、T子、赤7)、リール帯351cには6種類(S男、白7、E男、M子、H男、赤7)の図柄が表記されている。
[有効ライン]
図64は、図柄表示窓591aを中心として、装飾部材591を部分的に拡大したところを示している。図柄表示窓591aからは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」、「中段(または中段位置)」、「下段(または下段位置)」という。
上記のことから、図柄表示窓591a内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。本実施形態のスロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より、図柄表示窓591a内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
装飾部材591(表示パネルともいう、以下では表示パネル591として統一する)における右側部分(図柄表示窓591aから見て右側)には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応している。
そして、ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が、予め決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓591a内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、ベット数に対応する有効ライン、および、有効ラインの数についての一般的事項を説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットでは、前述の1BETラインのほかに、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)、および、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットでは、前述の1BETライン、2BETラインのほかに、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623a(右下がりライン623a)、および、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623b(右上がりライン623b)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。以下では、本実施形態のスロットマシン1の有効ラインについて、図65を用いて具体的に説明する。図65は、本実施形態のスロットマシンの有効ラインを説明するための図である。
本実施形態のスロットマシン1では、掛け数は3ベット(MAXベット)のみとする。そして、図65(a)に示すように、図64の図柄表示窓591a内で「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623a(右下がりライン623a)と、図65(b)に示すように、図64の図柄表示窓591a内で「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623b(右上がりライン623b)と、を有効ラインに含んでいる。従って、スロットマシン1では、上記以外のライン(中段ライン621、上段ライン622a、下段ライン622b)は有効ラインに含まれない。
さらに、本実施形態のスロットマシン1では、直線型の有効ラインとは異なる変則型の有効ラインをも有している。この変則型の有効ラインは、図65(c)に示すように、図64の図柄表示窓591a内で「上段−中段−上段」となるV字型の並びの有効ライン624a(V字型ライン624a)、および、図65(d)に示すように、図64の図柄表示窓591a内で「下段−中段−下段」となる逆V字型の並びの有効ライン624b(逆V字型ライン624b)、である。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、2パターンの直線型の有効ライン(右下がりライン623a,右上がりライン623b)と、2パターンの変則型の有効ライン(V字型ライン624a,逆V字型ライン624b)と、の計4パターンの有効ラインを有している。
[遊技状態表示部]
その他、表示パネル591には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類などの表示器が設けられている。そして、これらの表示器が配置された領域が、遊技者がスロットマシン1に関する各種状態を把握するための遊技状態表示部を構成する。なお、遊技状態表示部における各種表示器の点灯(あるいは点滅)制御は、先述の遊技状態表示基板450によって実行される。
遊技状態表示部には、図64における上側から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604および「OFF」という文字の描かれた打止めランプ605、上記BETランプ614のすぐ下に位置して「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
打止めランプ605は、先述の打止めスイッチがONにセットされており、ボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない打止め状態となったときに、その打止め状態の発生を遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図66を用いて具体的に説明をする。図66は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(払い出し枚数等、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図66は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル591等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯351a,351b,351cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓591a内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓591a内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓591a内で前述の有効ラインのいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。すなわち、スロットマシン1では有効ラインは4つ(4つのライン)ということになる(複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されない)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示されることを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは、当選役図柄が揃うと称する。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「白7図柄」、「S男図柄」、「M子図柄」、「E男図柄」、「H男図柄」、「I男図柄」、「M男図柄」、「T子図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」および「白7図柄」は、他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール301a,301b,301cに1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「白7図柄」は右リール301cのみにしかなく、しかもその数は1つである。また、加えて色彩も白であることから、他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄に過ぎないものであるが(図柄1つだけでは当選役に対応しない。ただし、後述するとおり、当選役がチェリーの場合は図柄一つだけで当選役に対応する)、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。以下、図66に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス、レギュラーボーナス]
図66に示すように、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには、対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定枚数のメダル(例えば、400枚)を賞として払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、このスロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を果たすことになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、BB図柄を図柄表示窓591a内に正確に狙って(後述する引き込む制御可能な範囲で)停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓591a内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓591a内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
さらに、BBゲームが終了すると、第3RTゲーム(後述の図69(d)に示される当たり値判定テーブルに基づいて行われるゲーム)という遊技特典が付与される(詳細は後述する)。この第3RTゲームでは、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。すなわち、BB図柄が揃うと、BBゲームでメダルを獲得できることに加えて、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるということになる。
また、RBと示されている当選役は、レギュラーボーナス(以下ではRBと呼称する)である。RB図柄が揃ったときの図柄の組み合わせ態様は「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」となっている。
RB図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RBゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RBゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRBゲームを終了させるものであってもよい。また、RBゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RBゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRBゲームを終了させるものであってもよい。
RB図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図63参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RBゲームが終了すると、第4RTゲーム(後述の図70(a)に示される当たり値判定テーブルに基づいて行われるゲーム)という遊技特典が付与される(詳細は後述する)。この第4RTゲームも、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)が継続するといった点において、BBゲームの終了後に付与される第3RTゲームと同様である。すなわち、RB図柄が揃うと、RBゲームでメダルを少量獲得したうえで、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるということになる。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、RBゲームという2つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものはBBゲームだけである。また、スロットマシン1では、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。このことから、RBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数は、1回のゲームで獲得可能な最大枚数(15枚)に比べれば多いものの、BBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数に比べると相当に少なくなっている(約1/4程度)。
[リプレイ(リプレイ1、リプレイ2)]
図66に示すように、リプレイ1(RP1)と示されている当選役には、対応する図柄(リプレイ1図柄)の組み合わせ態様として「H男図柄−I男図柄−H男図柄」が予め決められている。
リプレイ1図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく(自動的にベットされる)、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
また、リプレイ2(RP2)と示されている当選役には、対応する図柄(リプレイ2図柄)の組み合わせ態様として「H男図柄−T子図柄−H男図柄」が予め決められている。
リプレイ2図柄が揃ったときも、リプレイ1図柄が揃ったときと同様に、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでも、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく(自動的にベットされる)、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
ここで、リプレイ1図柄が揃った場合には、リプレイゲームが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、リプレイ2図柄が揃ってリプレイゲームが行なわれたのちは、当選役としてのリプレイ2図柄が揃ったとき(リプレイ2に当選したとき)の遊技状態によっては、第1RTゲーム(後述の図69(b)に示される当たり値判定テーブルに基づいて行われるゲーム)に移行する場合がある(詳細は後述する)。このように、2種類のリプレイ(リプレイ1およびリプレイ2)は、次回のゲームを再遊技として実行できる点において同様であるものの、その後に第1RTゲームに移行するか否かといった点で存在意義が異なっている。
なお、本明細書において、「当選」は抽選に当選したことを意味し、当該抽選に当選したことを条件に、当該当選役図柄が有効ライン上に揃うこととなる。ただし、上述の「目押し」に失敗すると、たとえ抽選に当選したとしても当該当選役図柄が有効ライン上に揃わない場合がある。
なお、本実施形態では、上記のように当選種別としての「リプレイ」に2種類(リプレイ1およびリプレイ2)を設けているため、以下では、単に「リプレイ」と称するときは、リプレイ1およびリプレイ2の両方を指すものとする。
このように、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(ベット操作する)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役を設けることで、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[ベル(ベル1、ベル2)]
図66に示すように、ベル1と示されている当選役には、対応する図柄(ベル1図柄)の組み合わせ態様として「M子図柄−T子図柄−M子図柄」が予め決められている。
ベル1図柄が揃うと、規定枚数(例えば、5枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームが終了したときに行われる。つまり、ベル1図柄が揃うと5枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
また、ベル2と示されている当選役には、対応する図柄(ベル2図柄)の組み合わせ態様として「M子図柄−I男図柄−M子図柄」が予め決められている。
ベル2図柄が揃ったときも、ベル1図柄が揃ったときと同様に、規定枚数(例えば、5枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しも当該ゲームにて行われる。つまり、ベル2図柄が揃うと5枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
ここで、ベル1図柄が揃った場合には、5枚のメダルの払出しが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、ベル2図柄が揃って5枚のメダルの払出しが行なわれたのちは、当選役としてのベル2図柄が揃ったとき(ベル2に当選したとき)の遊技状態によっては、第2RTゲーム(後述の図69(c)に示される当たり値判定テーブルに基づいて行われるゲーム)に移行する場合がある(詳細は後述する)。このように、2種類のベル(ベル1およびベル2)は、5枚のメダルの払い出しといった遊技特典が付与される点において同様であるものの、その後に第2RTゲームに移行するか否かといった点で、存在意義が異なっている。
なお、本実施形態では、上記のように当選種別としての「ベル」に2種類(ベル1およびベル2)を設けているため、以下では、単に「ベル」と称するときは、ベル1およびベル2の両方を指すものとする。
このように、ベルはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、ベルに当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまう虞がある)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、ベルという当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、ベル図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[スイカ]
図66に示すように、スイカと示されている当選役には、対応する図柄(スイカ図柄)の組み合わせ態様として「E男図柄−I男図柄−E男図柄」が予め決められている。
スイカ図柄が揃うと、ベル図柄が揃った場合よりも多い規定枚数(例えば、9枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと9枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。すなわち、スイカ図柄が揃った場合には、9枚のメダルの払出しが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。
スイカについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。さらに、スイカは、ベルと比べてメダルの払い出しが多く、かつ、後述するようにボーナスとの重複割合が高いことから、ベルに比べて当選確率を低く抑えている。従って、スイカ図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール301a,301b,301c(特に右リール301c)に満遍なく配置する(この場合は、スイカ図柄からスイカ図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、スイカ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[チェリー]
図66に示すように、チェリーと示されている当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「ANY−M男図柄−ANY」というように、有効ライン上にチェリー図柄が1つあらわれるだけで(この例では、中リール301bの中段に停止するのみで)、チェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、3枚)のメダルの払い出しが行われる。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を中リール301bとしている。
ここで、本実施形態では、先述した有効ライン(図65参照)から明らかなように、4つの有効ライン(623a,623b,624a,624b)の全てが、中リール301bにおける有効ライン判定位置を「中段」としている。そのため、チェリー図柄が揃った場合(つまり、M男図柄が中リール301bの中段に停止表示された場合)には、当該チェリー図柄は必ず4つの有効ライン上に重複して揃ったことになる。従って、このときの払い出し枚数は、
[ 3枚(チェリーの払い出し枚数)×4(有効ライン数)=12枚 ]
となる。つまり、チェリー図柄が揃うと12枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。
チェリーについても、前述のベルおよびスイカと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。さらに、チェリーは、ベルやスイカなどの他の小役と比べてメダルの払い出しが最も多く、かつ、後述するようにボーナスとの重複割合が極めて高いことから、全ての小役のなかで最も当選確率を低く抑えている。
そして、本実施形態では、チェリー図柄については、前述のリプレイ図柄等とは異なり、各リール301a,301b,301c(特に中リール301c)に偏った配置とすることにより、目押しをしなければ確実に揃えることができない図柄としている。具体的には、図63に示すように、チェリー図柄を中リール301cのみに、しかもこの中リール301cに1つだけ配置するようにすることで、目押しをしなければ揃えることが困難となっている。なお、チェリー図柄を目押しが必要な図柄とするために、各リール301a,301b,301cにおいて、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置する他の図柄の個数を、後述する図柄の引き込み可能な範囲を超えた個数としてもよい。
これらのことから、チェリーは、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に当該チェリー図柄が表示されれば揃ったと判定される当選役であり、なおかつ、最大枚数の払い出しのある当選役であることになる。
また、前述したベル、スイカおよびチェリーはいずれもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、ベル、スイカおよびチェリーを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄、スイカ図柄およびチェリー図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各リール301a,301b,301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[ボーナス専用役]
さらに、図66に示すように、BBゲーム(及びRBゲーム)中のみ有効となる当選役としてボーナス専用役がある。このボーナス専用役に対応する図柄(ボーナス専用役図柄)の組み合わせ態様は「E男図柄−T子図柄−E男図柄」が予め決められている。
BBゲーム(以下ではRBゲームも含める)中にボーナス専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば、15枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ボーナス専用役図柄が揃うと15枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。つまり、ボーナス専用役は、BBゲーム中限定の小役ともいえる。そして、BBゲーム中はこのボーナス専用役を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、ボーナス専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄(E男図柄−T子図柄−E男図柄)も前述のとおり各リール301a,301b,301cに満遍なく配置されているため、ボーナス専用役図柄についても目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。
なお、RBゲームでは、上記ボーナス専用役とは異なる当選役を設けてもよい。さらには、ボーナス専用役のようなボーナスゲーム中限定の小役を設けずに、上記ベルやチェリーなどを代わりに用いるものとしてもよい。
[ハズレ]
図66に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。これらからいえることは、スロットマシン1では、ボーナス図柄(BB図柄及びRB図柄)及びチェリー図柄を除く全ての当選役図柄が目押しの必要なく揃えることができるということである。つまり、遊技者は毎回のゲームに特に目押しを行うことにより絶えず緊張(集中するため)を強いられて疲労してしまうといったことが極力軽減され、スムーズなゲームの進行が可能となる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板409(主に、主制御MPU)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図67は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン206(あるいは1ベットボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図68は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚ベットボタン205、MAXベットボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドが主制御基板409(主制御MPU)に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RBゲーム中フラグ、第1RTゲーム中フラグ、第2RTゲーム中フラグ、第3ゲーム中フラグ、第4RTゲーム中フラグ、第5RTゲーム(後述の図70(b)に示される当たり値判定テーブルに基づいて行われるゲーム)中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図67のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており(設定されており)、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
図69および図70は、スロットマシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予め主制御基板409(主に、主制御MPU)に記憶されているものである。この当たり値判定テーブルは、通常状態およびRT1〜6の全てについて、それぞれ、内部抽選確率が異なる複数の当たり値判定テーブルが記憶されている(一般的に設定値と称され、例えば設定1〜6の6段階の設定値のなかからいずれか一つの設定値に設定することができる)。図69および図70は、この複数の設定値のうち例えば設定1の場合の当たり値判定テーブルである。
図69(a)は、通常状態のゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(通常ゲーム判定テーブルという)。ここで、BB及びRBについては、それぞれBBのみ、あるいはRBのみとなる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、「BB+その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)」、「RB+その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)」、「一つの小役(チェリー)+当該一つの小役とは異なる他の小役(スイカ)」となる当たり値の範囲(共有当選当たり値)に分けられている。なお、「リプレイ+小役の当選役(ベル、スイカ、チェリー)」となる当たり値がさらに含まれていてもよい。
なお、BBまたはRBに当選したときは、BB(RB)フラグのON状態が次ゲーム以降まで持ち越されるため、BBまたはRBに当選した当該ゲームにおいてBB図柄またはRB図柄が揃わなかったとしても、次ゲーム以降においてBB図柄(RB図柄)を揃えることが可能となる。一方、その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)に当選したときは、これらの当選フラグが次ゲーム以降に持ち越されることがないので、当選した当該ゲームにおいてのみ当選役図柄を揃えることが可能となる。したがって、抽出乱数値が「BB(またはRB)+その他の当選役」の共有当選当たり値であったとき、BB図柄(またはRB図柄)が当該ゲームにて揃わなかったとしても次ゲーム以降にて揃えることが可能となる一方で、その他の当選役(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー)図柄については、当選した当該ゲームにて揃わなかった場合には、次ゲーム以降にて揃えることが不可能となる。ただし、その他の当選役のうちリプレイ、ベルおよびスイカについては、後述の引き込み制御により目押しすることなく揃えることができる。
上記のBB及びRBの単独当選当たり値は、ベルやリプレイ等の単独当選当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図69(a)では、例えば、
抽出乱数値が「0」の場合は、ベル1の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「4100」の場合は、ベル2の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「4500」の場合は、リプレイ1の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「5600」の場合は、リプレイ2の単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「3800」の場合は、スイカの単独当選当たり値に該当する。
といったことになり、同様に、
抽出乱数値が「6976」の場合は、BBの単独当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6983」の場合は、RBの単独当選当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。
一方、BB及びRBの共有当選当たり値は、図69(a)では、例えば、
抽出乱数値が「6900」の場合は、ベル1+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6906」の場合は、スイカ+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6926」の場合は、チェリー+スイカ+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6966」の場合は、ベル2+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6974」の場合は、リプレイ1+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6975」の場合は、リプレイ2+BBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6977」の場合は、ベル1+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6978」の場合は、スイカ+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6979」の場合は、チェリー+スイカ+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6980」の場合は、ベル2+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6981」の場合は、リプレイ1+RBの共有当選当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6982」の場合は、リプレイ2+RBの共有当選当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、複数の当選役が対応するものである。このように、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図68のステップS107参照)にて、BB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグを、あるいはRB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。
そして、BB及びRBについては、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBB全体及びRB全体の当たり値ということになり、このことからBB全体及びRB全体の当選確率を算出することができる。
すなわち、
BB(全体) 77/16384(1/212.78)
RB(全体) 7/16384(1/2340.57)
というように、BB全体の当選確率、RB全体の当選確率が算出される。
ところで、図69(a)に示すように、本実施形態では、チェリーの単独当選当たり値は存在せず、チェリーについては常に他の当選役との共有当選当たり値が設定されている。具体的には、チェリーと他の小役の共有当選当たり値は、図69(a)では、
抽出乱数値が「4000」の場合は、チェリー+スイカの当たり値に該当する。
というように、チェリーに当選する抽出乱数値に対して、スイカが重複して当選するようになっている。また、チェリーがボーナス(BB、RB)と重複当選する共有当選当たり値についても、必ず他の小役(ここでは、スイカ)も重複当選するようになっている。すなわち、チェリーとボーナスとの重複当選役として、「チェリー+スイカ+BB(RB)」のみが設定されている。
一方、図70(c)は、ボーナスゲーム(BBゲームおよびRBゲーム)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(ボーナスゲーム判定テーブルという)。
これによれば、ボーナスゲーム(BBゲームおよびRBゲーム)中は、BB及びRB、さらにリプレイ(リプレイ1およびリプレイ2)の抽選も行われないことになる。ボーナスゲーム中は、このときのみ有効となる(当たり値が存在することになる)ボーナス専用役の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている(当たり値の総数11523個)。従って、ボーナスゲーム中は、約3回に2回程度はボーナス専用役に当選することが多くなるといえる。また、ボーナス専用役の当たり値が増加した代わりに、ハズレに該当する当たり値は大幅に減少(当たり値の総数1個)している。このため、ボーナスゲーム中は、通常ゲームに比べて極めてハズレとなる可能性が低くなるということもいえる。
これによれば、ボーナスゲーム中は、メダルの払い出しがあって取りこぼしのない当選役(ベル1,スイカ,チェリー+スイカ,ベル2,ボーナス専用役)のみにほとんど当選することになる。そのため、遊技者は、ボーナスゲーム中はほぼ毎回目押しを行なうことなく容易にメダルを獲得することができる。
また、スロットマシン1では、所定条件が成立したことに応じてRT(リプレイタイム)ゲームが開始される。本実施形態では、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲームおよび第5RTゲーム、の計5つのRTゲームを有している。
ここで、RTゲームとは、リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を、所定のゲーム回数(ゲーム期間)にわたって継続させるものである(ただし、第1RTゲームを除く)。本実施形態のスロットマシン1には、RTゲームとしてリプレイ等の当選確率がそれぞれ異なる第1RTゲーム〜第5RTゲームがあり、それぞれ、突入条件および終了条件が異なっている。なお、以下では特に説明のないかぎり、RTゲームと呼ぶ場合は第1RTゲーム〜第5RTゲームの全てを含むものとする。
以下では、図69および図70を参照して各RTゲーム判定テーブルの特徴を説明する。
図69(b)は、第1RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(第1RTゲーム判定テーブルという)。図69(b)に示すように、第1RTゲーム判定テーブルでは、リプレイ2の単独当たり値が存在しないため、リプレイ2は単独では当選し得ない。そして、図69(a)に示す通常ゲーム判定テーブルと比較すると、リプレイ2の単独当たり値の乱数幅がリプレイ1の単独当たり値の乱数幅に含まれるように設定されているため、第1RTゲームは全体として通常ゲームとリプレイに当選する確率は等しい。これらの点以外は、第1RTゲーム判定テーブルと通常ゲーム判定テーブルとは各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第1RTゲームでは、遊技の進行に伴って遊技者が保有するメダルが減少する。なお、この第1RTゲームは、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1RTゲーム〜第4RTゲームのなかでは、遊技者が保有するメダルの減少が早いことから遊技者にとって最も不利なRTゲームである。
図69(c)は、第2RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(第2RTゲーム判定テーブルという)。図69(c)に示すように、第2RTゲーム判定テーブルでは、リプレイ2の単独当たり値が存在しないため、リプレイ2は単独では当選し得ない。そして、先述の第1RTゲーム判定テーブルと比較すると、リプレイ1の単独当たり値の乱数幅が極めて大きく設定され、且つ、ハズレの当たり値の乱数幅が極めて狭く設定されている。なお、リプレイおよびハズレ以外については、第2RTゲーム判定テーブルと通常ゲーム判定テーブルとは各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第2RTゲームでは、リプレイ1の単独当たり値の乱数幅が極めて大きく設定されていると共にハズレの当たり値の乱数幅が極めて狭く設定されており、BB中またはRB中ほどではないものの遊技者が保有するメダルが増加しながら遊技を行うことができる。つまり、この第2RTゲームでは、所定ゲームを行うために消費するメダル枚数よりも、当該所定ゲームの間に小役に当選することにより払い出されるメダル枚数の方が多くなるように確率が設定されていることから、遊技の進行に伴って遊技者保有のメダルが増加しえるのである。例えば10ゲームを行うために消費するメダル枚数は30枚であるが、この10ゲームの間に小役に当選することによって払いだされるメダル枚数が30枚を超えるように、ハズレの確率および小役への当選確率が設定されている。なお、この第2RTゲームは、詳細は後述するが、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1RTゲーム〜第4RTゲームのなかでは、遊技者が保有するメダルが増加することから遊技者にとって最も有利なRTゲームである。
図69(d)は、第3RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(第3RTゲーム判定テーブルという)。図69(d)に示すように、第3RTゲーム判定テーブルでは、通常ゲームと同様にリプレイ1およびリプレイ2の単独当たり値が存在するが、先述の第1RTゲーム判定テーブルと比較すると、リプレイ1の単独当たり値の乱数幅が比較的大きく設定され、且つ、ハズレの当たり値の乱数幅が比較的狭く設定されている。なお、リプレイおよびハズレ以外については、第3RTゲーム判定テーブルと通常ゲーム判定テーブルとは各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第3RTゲームでは、遊技者が保有するメダルが若干減少するものの、当該メダルの減少を抑制しつつ遊技を行うことができる。したがって、遊技者は、保有するメダルを大きく減らすことなく遊技を行うことができる。なお、この第3RTゲームは、詳細は後述するが、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1RTゲーム〜第4RTゲームのなかでは、遊技者にとって3番目に有利なRTゲームである。
図70(a)は、第4RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(第4RTゲーム判定テーブルという)。図70(a)に示すように、第4RTゲーム判定テーブルでは、リプレイ2の単独当たり値が存在しないため、リプレイ2は単独では当選し得ない。そして、先述の第1RTゲーム判定テーブルと比較すると、リプレイ1の単独当たり値の乱数幅が大きく設定され、且つ、ハズレの当たり値の乱数幅が狭く設定されている。なお、リプレイおよびハズレ以外については、第4RTゲーム判定テーブルと通常ゲーム判定テーブルとは各当選役の乱数幅が同一のものとして設定されている。この第4RTゲームでは、遊技者が保有するメダルの量をほぼ維持しつつ遊技を行うことができる。なお、この第4RTゲームは、詳細は後述するが、ボーナスゲーム(BBゲームまたはRBゲーム)中でなく且つBBおよびRBのいずれにも当選していないときに行われうる第1RTゲーム〜第4RTゲームのなかでは、遊技者にとって2番目に有利なRTゲームである。
図70(b)は、第5RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(第5RTゲーム判定テーブルという)。図70(b)に示すように、第5RTゲーム判定テーブルでは、先述の通常ゲーム判定テーブルと比較すると、ハズレの当たり値の乱数幅はほぼ同じである一方、ボーナスの単独当たり値およびボーナスとの重複当たり値が存在しないため、ボーナスには当選し得ない。なお、その他の小役(ベル、スイカ、リプレイ等)の乱数幅は、通常ゲーム判定テーブルとほぼ等しくなっている。この第5RTゲームでは、詳細は後述するが、遊技の進行に伴って遊技者が保有するメダルが減少する。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図71では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板409(主に、主制御MPU)に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右下がりライン623b、右上がりライン623a、V字型ライン624a、逆V字型ライン624bの4ラインであるため、この時点でまだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓591a内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち、特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、ボーナス図柄およびチェリー図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
この点を具体的に説明すると、例えば、図柄表示窓591a内で第1停止リール(この場合は左リール301a)の上段位置に、当選役図柄となる可能性のある図柄が停止したとする。この場合は、右下がりライン623上およびV字型ライン624aのいずれにも残りのリール301b、301cの該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルのいずれかを選択することとなる。同様に、左リール301aの下段位置に当選役図柄となる可能性のある図柄が停止した場合は、右上がりライン623aおよび逆V字型ライン624bのいずれにも残りのリール301b、301cの該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルのいずれかを選択することとなる。
すなわち、「順押し」の停止操作手順では、左リール301aのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS206の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができる。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「逆押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下されたとすると、ステップS202、S210の判定が満たされず、ステップS217に移る。そして、ステップS217以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下されているので、ステップS217,S218の判定は満たされ、右リール301cについて第1リール停止処理が行われる(ステップS219)。そして、残りの左リール301a、中リール301bのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS221)、第1リール停止フラグおよび右リール停止フラグRFがONにセットされる(ステップS222,S223)。
その後は、ステップS221で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および中リール停止処理(ステップS213)が、左リール停止ボタン211aおよび中リール停止ボタン211bの押下操作順に従って実行される。なお、「逆押し」の停止操作手順では、「順押し」の停止操作手順のときと同様に、右リール301cのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ところで、「中押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「中押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされず、ステップS210に移る。そして、ステップS210以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下されているので、ステップS210,S211の判定は満たされ、中リール301bについて第1リール停止処理が行われる(ステップS212)。そして、残りの左リール301a、右リール301cのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS214)、第1リール停止フラグおよび中リール停止フラグMFがONにセットされる(ステップS215,S216)。
その後は、ステップS216で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および右リール停止処理(ステップS220)が、左リール停止ボタン211aおよび右リール停止ボタン211cの押下操作順に従って実行される。ここで、「中押し」の場合は、「順押し」におけるステップS206(あるいは、「逆押し」におけるステップS221)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール301b)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール301a、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
この点を具体的に説明すると、例えば、図柄表示窓591a内で第1停止リール(この場合は中リール301b)の中段位置に、当選役図柄となる可能性のある図柄が停止したとする。この場合は、右下がりライン623b、右上がりライン623a、V字型ライン624a、逆V字型ライン624bの全てが、中リール301bの中段位置を有効停止位置としていることから、全ての有効ラインにおいて残りのリール301a、301cの該当当選役図柄を揃えることができることなる。そのため、「中押し」の場合には、右下がりライン623b、V字型ライン624a、右上がりライン623aおよび逆V字型ライン624bのいずれにも残りのリール301b、301cの該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルのいずれかを選択することとなる。
すなわち、「中押し」の停止操作手順では、中リール301bのみが停止状態となり、中段位置に当選役図柄があった場合、まだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS216の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓591a内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれ、所定のコマ数を上限として図柄の引き込みを行う)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に停止させることが可能な範囲(以下、引き込み制御可能範囲と称する)として例えば3コマを予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓591a内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込み制御可能範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で3コマとすれば、所定の位置(例えば中段)には、当該リールの停止操作が受け付けられたときの位置からリール回転方向に3コマ離れた図柄まで表示可能となる(つまり、最大で図柄4個まで引き込み可能となる)。なお、一の図柄からリールの回転方向に隣接する他の図柄までが1コマである。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓591a内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓591a内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、ボーナス(BB、RB)およびチェリー以外の当選役が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる。これは、ベル、スイカ、リプレイについては、対応するそれぞれの当選役図柄が、引き込み制御可能範囲内に少なくとも1個配置されているからである。なお、ボーナス専用役についても同様に目押しを必要とせずに揃えることができる。
ここで、各リール停止ボタン211a〜211cを操作したときの各リール301a,301b,301cのリール停止制御について説明する。なお、本実施形態のスロットマシン1では、各リール帯351a,351b,351cに14個の図柄が表記されており、3コマを上限として図柄の引き込み制御が行われる。
上述のとおり、リール帯351aには5種類の図柄が表記されており、左リール301aにおける有効ライン上の位置は、上述のとおり、図柄表示窓591aに表示される上段、中段、下段のうち、上段および下段である。ここで、上段と下段との間は2コマであるから、任意の5コマの範囲内に表記されている図柄については、いかなる目押し操作を行ったとしても引き込み制御が可能となる。つまり、リール帯351aに5コマ毎に表記されている図柄については常に引き込み制御が可能となる。そこで図63を見てみると、S男、M子、E男およびH男は、任意の5コマの範囲内に表記されている(つまり、いかなる5コマを見ても、S男、M子、E男およびH男が表記されている)。これにより、遊技者がいかなる目押し操作を行ったとしても、S男、M子、E男およびH男については、引き込み制御により有効ライン上の位置(上段または下段)に停止する。なお、赤7については、配列番号11〜14の図柄が有効ライン上に位置するときに目押し操作した場合に、当該有効ライン上の位置に停止する(ただし、配列番号1または2が下段に位置するときに目押し操作した場合には、赤7が上段に停止しうる)。
また、リール帯351bには4種類の図柄が表記されており、中リール301bにおける有効ライン上の位置は、上述のとおり、図柄表示窓591aに表示される上段、中段、下段のうち、中段のみである。したがって、任意の3コマの範囲内に表記されている図柄については、いかなる目押し操作を行ったとしても引き込み制御が可能となる。つまり、リール帯351bに3コマ毎に表記されている図柄については常に引き込み制御が可能となる。そこで図63を見てみると、I男およびT子は、任意の3コマの範囲内に表記されている(つまり、いかなる3コマを見ても、I男およびT子が表記されている)。これにより、遊技者がいかなる目押し操作を行ったとしても、I男およびT子については、引き込み制御により有効ライン上の位置(中段)に停止する。なお、赤7については、配列番号11〜14の図柄が中段に位置するときに目押し操作した場合にのみ中段に停止する。また、M男については、配列番号12〜14および配列番号1の図柄が中段に位置するときに目押し操作した場合には、中段に停止することがない。したがって、たとえチェリーに当選していたとしても、配列番号12〜14および配列番号1の図柄が中段に位置するときに遊技者が目押し操作した場合にはチェリー図柄が揃うことなく(所謂「取りこぼし」となり)、チェリー図柄が揃っていれば払い出されるはずの12枚のメダル払い出しが行われない。
また、リール帯351cには6種類の図柄が表記されており、右リール301cにおける有効ライン上の位置は、上述のとおり、図柄表示窓591aに表示される上段、中段、下段のうち、上段および下段である。ここで、上段と下段との間は2コマであるから、任意の5コマの範囲内に表記されている図柄については、いかなる目押し操作を行ったとしても引き込み制御が可能となる。つまり、リール帯351cに5コマ毎に表記されている図柄については常に引き込み制御が可能となる。そこで図63を見てみると、E男、M子およびH男は、任意の5コマの範囲内に表記されている(つまり、いかなる5コマを見ても、E男、M子およびH男が表記されている)。これにより、遊技者がいかなる目押し操作を行ったとしても、E男、M子およびH男については、引き込み制御により有効ライン上の位置(上段または下段)に停止する。一方、赤7については、配列番号11〜14の図柄が有効ライン上に位置するときに目押し操作した場合に、当該有効ライン上の位置に停止する(ただし、配列番号1または2が下段に位置するときに目押し操作した場合には、赤7が上段に停止しうる)。また、白7については、配列番号2〜5の図柄が有効ライン上に位置するときに目押し操作した場合に、当該有効ライン上の位置に停止する(ただし、配列番号6または7が下段に位置するときに目押し操作した場合には、白7が上段に停止しうる)。さらに、S男については、配列番号11および12の図柄が上段に位置するときに目押し操作した場合には、有効ライン上の位置に停止することがない。ただし、上述のとおり、S男は、いずれかの小役に当選した場合であっても、当選役としての小役を構成する組み合わせ図柄に該当せず、また、当選役がリプレイであるときの組み合わせにも該当しない。したがって、任意の5コマの範囲内に必ずしもS男が表記されていなかったとしても、当選したリプレイまたは当選した小役を取りこぼすことがない。
このように、リプレイおよび小役のうち、当選しているにもかかわらず取りこぼす可能性があるのはチェリーのみである。そこで、本実施形態のスロットマシン1では、当該取りこぼす可能性があるチェリーの単独当選当たり値を排除し、常に、他の役と重複して当選するようになっている。例えば、図69(a)を見ると、抽出乱数値4000〜4099はチェリーとスイカとの共有当選当たり値であり、抽出乱数値6926〜6965はチェリーとスイカとBBとの共有当選当たり値であり、抽出乱数値6979はチェリーとスイカとRBとの共有当選当たり値である。これにより、チェリーに当選し、且つ目押し操作を失敗してチェリーを取りこぼしてしまった場合であっても、重複して当選した他の役が有効ライン上に停止し、当該他の当選役図柄が揃うこととなる。
ここで、各リール帯351a,351b,351cに表記されている図柄のうち引き込み可能となる図柄は、以下のとおりである。
図柄表示窓591aに表示される有効ライン上の位置が複数あるとき、当該有効ライン上の一の位置と他の位置との間の最大コマ数をMとし(有効ライン上の位置が一つのときはM=0)、引き込み制御可能なコマ数をNとすると、停止操作したときのリール帯351a,351b,351cの位置から(N+M)コマを上限として図柄の引き込みが可能となる。ここで、「最大コマ数」とは、上段および下段の両方が有効ライン上に位置する場合には2コマ(中段が有効ライン上に位置したとしても2コマ)であり、上段および中段が有効ライン上に位置する場合には1コマとなる。同様に、中段および下段が有効ライン上に位置する場合にも1コマとなる。
なお、リール帯上に表示される図柄の種類が引き込み制御可能なコマ数Nよりも多いとき、全ての図柄を引き込み可能とすることは不可能であり、取りこぼしうる図柄は少なくとも2種類となる。例えば、本実施形態のスロットマシン1の中リール帯351bでいえば、I男およびT子が常に引き込み可能な図柄である限り、少なくとも赤7が表記される3コマ(配列番号9〜11、10〜12または11〜13)内にM男が表記されることはあり得ず、同様に、少なくともM男が表記される3コマ(例えば、配列番号6〜8、7〜9、8〜10)内に赤7が表記されることはあり得ないからである。
ところで、本実施形態のスロットマシン1では、最も払い出しが多い小役(チェリー)が、当選したとしても常に引き込み制御されるとは限らない小役(取りこぼす可能性がある小役)とされている。つまり、最も払い出しが多い小役(チェリー)に対応する図柄(M男)が、任意の3コマ(引き込み制御可能なコマ数)の範囲内に表記されない個所(配列番号9〜11、10〜12または11〜13)がある。換言すれば、最も払い出しが多い小役(チェリー)に対応する図柄(M男)が、引き込み制御可能なコマ数の範囲を超えて中リール帯351bに表記されている。
このように、取りこぼしうる小役(チェリー)と、常に引き込み制御可能なリプレイや小役(ベル、スイカ)との共有当選当たり値とすることによって、万人から支持される遊技機を提供することが可能となる。つまり、チェリーに当選したとき、常に取りこぼすことなく目押しできる技量を持った遊技者であれば、チェリー図柄を揃えることによって小役のなかでは最も多くのメダル払い出しを享受でき、優越感に浸ることが可能となる。また、常にチェリーを目押しすることができない遊技者であったとしても、チェリーは、常に取りこぼされ得ない他の小役と重複当選しているので、従来であればメダルが払い出されないところ、当該他の小役図柄が揃うことによってメダルの払い出しを享受でき、遊技者に与える損失感を軽減できる。これにより、目押しの技量が高い遊技者、および、目押しの技量が低い遊技者のいずれからも支持される遊技機を提供することが可能となる。さらに、チェリーに当選したときに遊技者がチェリーを取りこぼしたとしても、チェリー図柄が揃ったときに払い出されるメダル枚数(12枚)よりも少ないメダルが払い出されるので、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、リプレイおよび全ての小役とBBまたはRBとの共有当選当たり値が設定されているので、リプレイ図柄またはいずれかの小役図柄が揃った場合であってもBBゲームまたはRBゲームが行われる可能性がある。これにより、遊技者は、小役図柄が揃うたびにBBまたはRBと重複当選しているのではないかといった期待感を抱くこととなり、遊技が単調となることを軽減できる。また、全ての小役とBBまたはRBとの共有当選当たり値が設定されているので、抽出乱数値がBBまたはRBとの共有当選当たり値であれば、目押しを失敗してBB図柄またはRB図柄を揃えることができなかったとしても重複して当選した小役図柄が揃うこととなり、無駄にメダルを消費してしまうといった事態も回避できる。
さらに、本実施形態では、小役が揃ったときのメダル払い出し枚数(獲得枚数)が多いほど、BBまたはRBと重複当選している確率が高くなっているが、これについて、図69(a)を参照して説明する。
リプレイ(リプレイ1およびリプレイ2)の単独当選当たり値の数は2400、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役と重複する共有当選当たりの数は0、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は4である。したがって、リプレイに当選したとき、概ね601分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。
ベル(ベル1およびベル2)の単独当選当たり値の数は4200、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役と重複する共有当選当たりの数は0、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は16である。したがって、ベルに当選したとき、概ね263分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。なお、ベルは、出現率が最も高いメイン小役であり、ベル図柄が揃ったとき、5枚のメダルが払い出される。ここで「出現率」とは、有効ライン上に揃う頻度である(本明細書において以下同様)。
スイカの単独当選当たり値の数は200、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役(チェリー)と重複する共有当選当たりの数は100、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は41である。したがって、スイカに当選したとき、概ね7分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。なお、スイカの出現率はベルの出現率よりも極めて低くなっており、本実施形態におけるスイカの出現率はベルの出現率の概ね12分の1となっている。また、スイカ図柄が揃ったとき、9枚のメダルが払い出される。
チェリーの単独当選当たり値の数はゼロ、BBおよびRBと重複せず且つ他の小役(スイカ)と重複する共有当選当たりの数は100、BBまたはRBとの共有当選当たり値の数は41である。したがって、チェリーに当選したとき、概ね3.4分の1の確率でBBまたはRBの当選となる。なお、チェリーは、出現率が最も低いレア小役である。しかも、上述のとおり、チェリーに当選したとしても取りこぼすことがあるので、チェリーの出現率はチェリーの当選確率よりも低くなる。また、チェリー図柄が揃ったとき、12枚のメダルが払い出される。
このように、小役に当選したとき、当該当選小役が出現率の低い小役ほどBBまたはRBに重複して当選している期待感が高くなる一方で、出現率の高い小役であったとしてもBBまたはRBとの重複当選を排除していない。これにより、小役図柄が揃うことにより常に遊技者に期待感を与えると共に、揃った小役図柄に応じて期待感を異ならせているので、揃った小役図柄を遊技者が確認することで一喜一憂することとなる。しかも、BBまたはRBと重複当選している確率が最も高いレア小役(チェリー)は取りこぼすことがあり、仮にとりこぼしたとしても他の当選役(小役であればスイカ)図柄が揃いうる。これにより、BBまたはRBと重複当選している確率が最も高いレア小役図柄が揃わなかったとしても、遊技者は、「レア小役図柄を取りこぼしたのでは?」と考えながら遊技を行うこととなり、ひいては「実はBBまたはRBと重複当選しているのでは?」という期待感を持って遊技を行うこととなる。これにより、遊技者に期待感を与えることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
さらに、リプレイ図柄または小役図柄が揃ったとき、メダルの払い出し枚数が多いほどBBまたはRBに重複して当選している期待感が高いので、多くのメダルを獲得した喜びと相俟って、さらに多くのメダルを獲得できるBBゲームまたはRBゲームの期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
また、BB図柄(またはRB図柄)と小役との共有当選当たり値の当選役の場合は、BB図柄(またはRB図柄)を優先的に引き込むものとしている。ただし、BB図柄(またはRB図柄)は目押しが必要な図柄であるため、BB図柄(またはRB図柄)が引き込み不可能なとき(引き込み制御可能範囲外であるとき)には他方の当選役図柄を引き込むものとする。そして、既に説明したとおり、このとき他方の当選役図柄は取りこぼすことなく揃えることが可能となる。従って、共有当選当たり値の当選役に該当する場合には、BB図柄または他方の当選役(小役)図柄のいずれかを必ず揃えることができる。なお、優先的に引き込まれる図柄の優先順位は、リプレイ図柄、BB図柄(またはRB図柄)、小役図柄の順である。なお、共有当選当たり値の引き込み制御については、別途詳細に説明する。
以上のことから、スロットマシン1では、ボーナス図柄(BB図柄、RB図柄)およびチェリー図柄以外の当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、ボーナス(BB、RB)およびチェリー以外の当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(メダルの獲得枚数に大幅な差が生じることなど)ことを極力解消することができる。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓591a内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図72では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓591a内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S303では、それぞれ、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS310に移る。
ステップS310で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS320,S330,S340,S350,S360のいずれかに移る。
ステップS320では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、RB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
次のステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。本実施形態では、ステップS340において、リプレイ1図柄(「H男図柄−I男図柄−H男図柄」)およびリプレイ2図柄(「H男図柄−T子図柄−H男図柄」)のいずれかが揃った場合に、リプレイ図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドを主制御基板409(主制御MPU)に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344で、RTゲーム降格判定処理(詳細は後述する)を実行した後、ステップS346では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。詳細には、単独当選役として、リプレイ1に当選していた場合にはリプレイ1当選フラグをOFF(=0)にし、リプレイ2に当選していた場合にはリプレイ2当選フラグをOFF(=0)にする。
なお、リプレイとボーナスとの共有当選役(リプレイ1,2+BB,RB)に当選し、且つ、ステップS340でリプレイ図柄の方が揃ったと判定された場合は、ステップS356において、リプレイ当選フラグはOFF(=0)にするが、ボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)はOFF(=0)とせずにON(=1)のまま次ゲーム以降に持ち越される。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。本実施形態では、ステップS350において、ベル1図柄(「M子図柄−T子図柄−M子図柄」)、ベル2図柄(「M子図柄−I男図柄−M子図柄」)、スイカ図柄(「E男図柄−I男図柄−E男図柄」)およびチェリー図柄(「ANY−M男図柄−ANY」)のいずれかが揃った場合に、小役図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354で、RTゲーム昇格判定処理(詳細は後述する)を実行した後、 ステップS356では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。詳細には、単独当選役として、ベル1に当選していた場合にはベル1当選フラグをOFF(=0)にし、ベル2に当選していた場合にはベル2当選フラグをOFF(=0)にし、スイカに当選していた場合にはスイカ当選フラグをOFF(=0)にし、チェリーに当選していた場合にはチェリー当選フラグをOFF(=0)にする。
なお、小役同士の単独当選役(チェリー+スイカ)に当選していた場合は、ステップS350において、チェリー図柄およびスイカ図柄のうちで一方の図柄のみが揃ったものと判定されるが、ステップS356においては、いずれの図柄が揃ったかに拘らずチェリー当選フラグおよびスイカ当選フラグの両方がOFF(=0)とされる。
一方、小役とボーナスとの共有当選役(小役+BB,RB)に当選し、且つ、ステップS350で小役図柄の方が揃ったと判定された場合は、ステップS366において、小役の当選フラグはOFF(=0)にするが、ボーナスフラグ(BBフラグ、RBフラグ)はOFF(=0)とせずにON(=1)のまま次ゲーム以降に持ち越される。
次に、有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
従って、当該当選フラグが、BBフラグ、RBフラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、「取りこぼし」が生じる可能性があるのは単独当選役としてのチェリーのみであるが、本実施形態のスロットマシン1では、単独当選役としてのチェリーは存在せず、チェリーは全て他の小役(スイカ)との共有当選役となっている。つまり、チェリーに当選する場合は、必ず「取りこぼし」のない小役であるスイカと重複当選する(詳細は後述する)。そのため、本実施形態では、チェリーを取りこぼした場合であっても必ずスイカが揃うため、「取りこぼし」が生じる当選役は存在しないこととなる。
また、当該当選フラグがBBフラグ及びRBフラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS310からステップS360までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ベル、スイカ、チェリーに加えてボーナスゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。本実施形態では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である(この場合は、ベル、スイカ、チェリー、ボーナスゲーム専用役が該当する)。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図72のステップS320の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図73を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図72のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図74を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図72のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が400枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にて第3RTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図72のステップS330の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図75を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図72のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図76を用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図72のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にて第4RTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RT降格判定処理]
前述の図72のステップS344のRT降格判定処理について図77を用いて説明する。
まず、ステップS601では、BBフラグおよびRBフラグのいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、
・ボーナス(BB、RB)およびリプレイ(リプレイ1、リプレイ2)の共有当選役に当選して、ボーナス図柄(BB図柄、RB図柄)ではなくリプレイ図柄(リプレイ1図柄、リプレイ2図柄)が揃った場合
・ボーナスフラグ(BB、RB)がON(=1)のまま持ち越された状態で、リプレイ(リプレイ1、リプレイ2)の単独当選役に当選してリプレイ図柄(リプレイ1図柄、リプレイ2図柄)が揃った場合
のいずれかが該当する。
そして、ステップS601の判定が満たされると、ステップS603に移る。ステップS603では、第5RTゲーム開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS615に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
一方、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS605に移り、リプレイ2図柄が揃っているかを判定する。すなわち、先述のステップS340でリプレイ図柄が揃っていると判定したところ、当該リプレイ図柄がリプレイ2図柄(「H男図柄−T子図柄−H男図柄」)であるかを判定する。そして、いずれかの有効ライン上にリプレイ2図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS607に移る。
そして、ステップS607にて、通常ゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が通常ゲームに制御されているか否かを判定する。ステップS607の判定が満たされない場合は、ステップS609にて、第3RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第3RTゲームに制御されているか否かを判定する。ステップS609の判定が満たされない場合は、ステップS611にて、第4RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第4RTゲームに制御されているか否かを判定する。ステップS611の判定が満たされない場合、つまり遊技状態が通常ゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれでもない場合は、処理を終了する。
一方、ステップS607,S609,S611のいずれかで判定が満たされる場合、つまり遊技状態が通常ゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれに制御されていれば、ステップS613に移る。ステップS613では、第1RTゲーム開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS615に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。なお、第4RTゲームではリプレイ2の単独当選当たり値が存在しないため、S605でYESかつS611でYESとなることは実際にはあり得ない。つまり、S611では常にNOと判定されることとなる。ただし、本実施形態では第4RTゲームにてリプレイ2の単独当選当たり値が存在しないが、極めて低い確率でリプレイ2に単独当選しうる構成にしても良い。
[RT昇格判定処理]
前述の図72のステップS354のRT昇格判定処理について図78を用いて説明する。
まず、ステップS701では、BBフラグおよびRBフラグのいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、
・ボーナス(BB、RB)および小役(ベル1,ベル2,スイカ,チェリー)の共有当選役に当選して、ボーナス図柄(BB図柄、RB図柄)ではなく小役図柄(ベル1図柄,ベル2図柄,スイカ図柄,チェリー図柄)が揃った場合
・ボーナスフラグ(BB、RB)がON(=1)のまま持ち越された状態で、小役(ベル1,ベル2,スイカ,チェリー)の単独当選役または小役同士の共有当選役(スイカ+チェリー)に当選して、小役図柄(ベル1図柄,ベル2図柄,スイカ図柄,チェリー図柄)が揃った場合
のいずれかが該当する。
そして、ステップS701の判定が満たされると、ステップS703に移る。ステップS703では、第5RTゲーム開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS715に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
一方、ステップS701の判定が満たされない場合、ステップS705に移り、ベル2図柄が揃っているかを判定する。すなわち、先述のステップS350で小役図柄が揃っていると判定したところ、当該小役図柄がベル2図柄(「M子図柄−I男図柄−M子図柄」)であるかを判定する。そして、いずれかの有効ライン上にベル2図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS707に移る。
そして、ステップS707にて、通常ゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が通常ゲームに制御されているか否かを判定する。ステップS707の判定が満たされない場合は、ステップS709にて、第3RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第3RTゲームに制御されているか否かを判定する。ステップS709の判定が満たされない場合は、ステップS711にて、第4RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。すなわち、遊技状態が第4RTゲームに制御されているか否かを判定する。ステップS711の判定が満たされない場合、つまり遊技状態が通常ゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれでもない場合は、処理を終了する。
一方、ステップS707,S709,S711のいずれかで判定が満たされる場合、つまり遊技状態が通常ゲーム、第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されていれば、ステップS713に移る。ステップS713では、第2RTゲーム開始フラグをON(=1)にする。その後、ステップS715に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
[RTゲーム開始処理]
RTゲーム開始処理について、図79を用いて詳細に説明する。このRTゲーム開始処理は、図72の判定処理におけるステップS376,S386、図77のRT降格判定処理におけるステップS615、および、図78のRT昇格判定処理におけるステップS715、において実行される。なお、このRTゲーム開始処理は、上記ステップS376,S386,S615,S715のいずれにおいても同じ内容の処理が実行されるものとする。
まず、ステップS801では、第1RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS803では、第1RTゲーム回数を「400回」にセットする。そして、次のステップS805では、第1RTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第1RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第1RTゲームが開始される。
ステップS801の判定が満たされない場合、ステップS807に移り、第2RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS809では、第2RTゲーム回数を「50回」にセットする。そして、次のステップS811では、第2RTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第2RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第2RTゲームが開始される。
ステップS807の判定が満たされない場合、ステップS813に移り、第3RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS815では、第3RTゲーム回数を「6000回」にセットする。そして、次のステップS817では、第3RTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第3RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第3RTゲームが開始される。
ステップS813の判定が満たされない場合、ステップS819に移り、第4RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS821では、第4RTゲーム回数を「50回」にセットする。そして、次のステップS821では、第4RTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第4RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第4RTゲームが開始される。
ステップS819の判定が満たされない場合、ステップS825に移り、第5RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、次のステップS827では、第5RTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき第5RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから第5RTゲームが開始される。なお、第5RTゲームについては、他のRTゲームとは異なり第5RTゲーム回数は設定されない。そのため、第5RTゲームは、内部的にボーナスフラグ(BBフラグ,RBフラグ)が持ち越されている限りは、RTゲーム回数に関係なく継続して実行される。
なお、上記のステップS801,S807,S813,S819,S825の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図80を用いて詳細に説明する。前述の図72の判定処理において、ステップS301,S303のいずれの判定も満たされない場合、このRTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、第1RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS901の判定が満たされると、次のステップS903では、第1RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS905に移る。
ステップS905では、残りの第1RTゲーム回数が「0」であるかを判定する。第1RTゲーム回数が「0」であれば、S905の判定が満たされる。そして、ステップS909に移り、第1RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第1RTゲームが終了する。
一方、ステップS905の判定が満たされない場合、ステップS907に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第1RTゲームにて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS907の判定が満たされると、ステップS909に移り、第1RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第1RTゲームが終了する。ここでの処理は、第1RTゲームがBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
なお、ステップS905,S907の判定が満たされない場合は、第1RTゲームの終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第1RTゲームが継続して実行される。
次に、ステップS901の判定が満たされない場合、ステップS911に移り、第2RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS911の判定が満たされると、次のステップS913では、第2RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS915に移る。
ステップS915では、残りの第2RTゲーム回数が「0」であるかを判定する。第2RTゲーム回数が「0」であれば、S915の判定が満たされる。そして、ステップS919に移り、第2RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第2RTゲームが終了する。
一方、ステップS915の判定が満たされない場合、ステップS917に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第2RTゲームにて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS917の判定が満たされると、ステップS919に移り、第2RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第2RTゲームが終了する。ここでの処理は、第2RTゲームがBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
なお、ステップS915,S917の判定が満たされない場合は、第2RTゲームの終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第2RTゲームが継続して実行される。
次に、ステップS911の判定が満たされない場合、ステップS921に移り、第3RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS921の判定が満たされると、次のステップS923では、第3RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS925に移る。
ステップS925では、残りの第3RTゲーム回数が「0」であるかを判定する。第3RTゲーム回数が「0」であれば、S925の判定が満たされる。そして、ステップS931に移り、第3RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第3RTゲームが終了する。
一方、ステップS925の判定が満たされない場合、ステップS927に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第3RTゲームにて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS927の判定が満たされると、ステップS931に移り、第3RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第3RTゲームが終了する。ここでの処理は、第3RTゲームがBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
さらに、ステップS927の判定が満たされない場合、ステップS929に移り、ベル2図柄およびリプレイ2図柄のいずれかが揃っているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第3RTゲームにて、ベル2およびリプレイ2のいずれかに当選して、図柄表示窓591aにベル2図柄およびリプレイ2図柄のいずれかが揃った場合が該当する。
そして、ステップS929の判定が満たされると、ステップS931に移り、第3RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第3RTゲームが終了する。ここでの処理は、ベル2図柄およびリプレイ2図柄が揃ったことによって、第3RTゲームが他のRT状態に移行(RT2への昇格あるいはRT1への降格)して終了となることを示している。
なお、ステップS925,S927,S929の判定が満たされない場合は、第3RTゲームの終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第3RTゲームが継続して実行される。
次に、ステップS921の判定が満たされない場合、ステップS933に移り、第4RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS933の判定が満たされると、次のステップS935では、第4RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS937に移る。
ステップS937では、残りの第4RTゲーム回数が「0」であるかを判定する。第4RTゲーム回数が「0」であれば、S937の判定が満たされる。そして、ステップS943に移り、第4RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第4RTゲームが終了する。
一方、ステップS937の判定が満たされない場合、ステップS939に移り、BBフラグおよびRBフラグ(すなわち、ボーナスフラグ)のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第4RTゲームにて、BBおよびRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS939の判定が満たされると、ステップS943に移り、第4RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第4RTゲームが終了する。ここでの処理は、第4RTゲームがBBおよびRB(すなわち、ボーナス)のいずれかの当選によって終了となることを示している。
さらに、ステップS939の判定が満たされない場合、ステップS941に移り、ベル2図柄およびリプレイ2図柄のいずれかが揃っているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第4RTゲームにて、ベル2およびリプレイ2のいずれかに当選して、図柄表示窓591aにベル2図柄およびリプレイ2図柄のいずれかが揃った場合が該当する。
そして、ステップS941の判定が満たされると、ステップS943に移り、第4RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第4RTゲームが終了する。ここでの処理は、ベル2図柄およびリプレイ2図柄が揃ったことによって、遊技状態が他のRT状態に移行(RT2への昇格あるいはRT1への降格)して第4RTゲームが終了となることを示している。
なお、ステップS937,S939,S941の判定が満たされない場合は、第4RTゲームの終了条件が成立していないことになるから、本処理はそのまま終了して第4RTゲームが継続して実行される。
次に、ステップS933の判定が満たされない場合、ステップS945に移り、第5RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。そして、ステップS945の判定が満たされると、次のステップS947では、BB図柄およびRB図柄(すなわち、ボーナス図柄)のいずれかが揃っているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該第5RTゲームにて、内部的に持ち越されているボーナスフラグ(BBフラグ,RBフラグ)に基づいて、図柄表示窓591aにBB図柄およびRB図柄のいずれかが揃った場合が該当する。
そして、ステップS947の判定が満たされると、ステップS949に移り、第5RTゲーム中フラグをOFF(=0)にする。これにより、第5RTゲームが終了する。ここでの処理は、遊技者の目押し等によってBB図柄およびRB図柄が揃ったことによって、遊技状態がボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)に移行して第5RTゲームが終了となることを示している。
なお、上記のステップS901,S911,S921,S933,S945の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。具体的には、遊技状態が通常ゲームに制御されているときは、通常ゲーム中フラグがON(=1)であるとともに第1〜第5RT中フラグがOFF(=0)であるから、上記のステップS901,S911,S921,S933,S945の判定がいずれも満たされず、そのまま処理が終了して通常ゲームが継続して実行される。
[各RTゲームへの移行条件・終了条件]
ここで、各RTゲームへの移行条件および各RTゲームの終了条件について説明する。RTゲームには、上述のとおり、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲームおよび第5RTゲームがある。そして、通常ゲーム中やボーナスゲーム(BB、RB)中でない限り、この第1RTゲーム〜第5RTゲームのうちいずれかのRTゲームが行われる。
第1RTゲームへの移行条件は、通常状態であるときにリプレイ2に当選すること(リプレイ2図柄が揃うこと)、または、第3RTゲームが行われているときにリプレイ2に当選すること(リプレイ2図柄が揃うこと)、である。また、第1RTゲームの終了条件は、当該第1RTゲームにおいて400ゲーム行われること、または、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第1RTゲームにおいてBBおよびRBのいずれにも当選することなく400ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第2RTゲームへの移行条件は、通常状態であるときにベル2に当選すること(ベル2図柄が揃うこと)、または、第3RTゲーム若しくは第4RTゲームが行われているときにベル2に当選すること(ベル2図柄が揃うこと)、である。また、第2RTゲームの終了条件は、当該第2RTゲームにおいて50ゲーム行われること、または、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第2RTゲームにおいてBBおよびRBのいずれにも当選することなく50ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第3RTゲームへの移行条件は、BBゲームが終了することである。つまり、上述したとおり、BBゲームが終了したのちは、常にこの第3RTゲームに移行する。また、第3RTゲームの終了条件は、当該第3RTゲームにおいて6000ゲーム行われること、第1RTゲームへの移行条件が成立すること(リプレイ2に当選すること)、第2RTゲームへの移行条件が成立すること(ベル2に当選すること)、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第3RTゲームにおいて、BBおよびRBのいずれにも当選することなく、さらに、第1RTゲームへの移行条件および第2RTゲームへの移行条件のいずれも成立することなく6000ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第4RTゲームへの移行条件は、RBゲームが終了することである。つまり、上述したとおり、RBゲームが終了したのちは、常にこの第4RTゲームに移行する。また、第4RTゲームの終了条件は、当該第4RTゲームにおいて50ゲーム行われること、第1RTゲームへの移行条件が成立すること(リプレイ2に当選すること)、第2RTゲームへの移行条件が成立すること(ベル2に当選すること)、BB若しくはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。この第4RTゲームにおいて、BBおよびRBのいずれにも当選することなく、さらに、第1RTゲームへの移行条件および第2RTゲームへの移行条件のいずれも成立することなく50ゲーム行われたのちは、通常状態となる。
第5RTゲームへの移行条件は、通常状態であるか否かに拘らず、さらにはRTゲームが行われているときは第1RTゲーム〜第4RTゲームのうちいずれのRTゲームが行われているかに拘らず、BBまたはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。また、第5RTゲームの終了条件は、BBまたはRBに当選することである(BB図柄若しくはRB図柄が揃う必要はなく、BB若しくはRBのフラグがONとなれば良い)。つまり、第5RTゲームは、BBまたはRBに当選してから(BBフラグまたはRBフラグがONしてから)BB図柄またはRB図柄が揃うまでの間に付与される特典である。
ただし、リプレイ2図柄が揃って第1RTゲームに移行したとき、当該第1RTゲームにおいてベル2図柄が揃ったとしても第2RTゲームに移行することはない。同様に、ベル2図柄が揃って第2RTゲームに移行したとき、当該第2RTゲームにおいてリプレイ2が揃ったとしても第1RTゲームに移行することはない。
[各RTゲーム・通常ゲーム]
次いで、各RTゲームおよび通常ゲームについて説明する。ただし、BBゲームが終了したのちは第3RTゲームが行われ、RBゲームが終了したのちは第4RTゲームが行われるので、遊技の流れを説明する便宜上、第3RTゲーム、第4RTゲーム、通常ゲーム、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第5RTゲーム、の順に説明する。
[第3RTゲーム]
第3RTゲームは、上述のとおり、BBゲームの終了後に行われる。
この第3RTゲームでは、リプレイ2の当選確率は概ね18分の1、ベル2の当選確率は概ね41分の1である。つまり、第2RTゲームに移行する確率よりも第1RTゲームに移行する確率の方が高くなっている。
また、この第3RTゲームでは、リプレイ1の当選確率は概ね3.5分の1であり、ベル1の当選確率は概ね4.3分の1である。ただし、このリプレイ1への当選は第3RTゲームの終了条件ではない(つまり他のRTゲームに移行しない)ので、たとえリプレイ1に当選したとしても当該第3RTゲームが引き続き行われる。同様に、ベル1への当選も第3RTゲームの終了条件ではないので、たとえベル1に当選したとしても当該第3RTゲームが引き続き行われる。
なお、ベル1またはベル2に当選し且つベル1図柄またはベル2図柄が有効ライン上に揃ったとき、画像表示体500の演出表示装置590には、ベル1とベル2とを区別することなく単なるベルを想起させる絵柄が表示される。これにより、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、画像表示体500の演出表示装置590の表示から把握することは困難である。また、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選した場合であってもメダルの払い出し枚数が5枚と同じであるから、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、メダルの払い出し枚数からも把握することはできない。これにより、第3RTゲームが行われているときにベルに当選した場合には、遊技者は、第2RTゲームに移行するのではないかといった期待感を抱くこととなる。また、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第2RTゲームに移行するベルであるのか否かを予測するといった面白みもある。
また、同様に、リプレイ1またはリプレイ2に当選し且つリプレイ1図柄またはリプレイ2図柄が有効ライン上に揃ったとき、画像表示体500の演出表示装置590には、リプレイ1とリプレイ2とを区別することなく単なるリプレイを想起させる絵柄が表示される。これにより、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選したかについては、画像表示体500の表示から把握することは困難である。さらに、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選した場合であっても再遊技できる点において同じであるから、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選したかについて、より一層把握することが困難となっている。これにより、第3RTゲームが行われているときにリプレイに当選した場合には、遊技者は、第1RTゲームに移行しないで欲しいといった願望を抱くこととなる。また、リプレイ1またはリプレイ2に当選したとき、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第1RTゲームに移行するリプレイであるのか否かを予測するといった面白みもある。
ところで、リプレイ1およびリプレイ2の合成確率は概ね3分の1であり、ベル1およびベル2の合成確率は概ね3.9分の1である。つまり、第3RTゲームでは、リプレイ2の当選確率がベル2の当選確率よりも2倍以上高いにも拘らず(第1RTゲームへの移行確率が第2RTゲームへの移行確率よりも2倍以上高いにも拘らず)、リプレイ図柄が有効ライン上に揃う頻度は、ベル図柄が有効ライン上に揃う頻度と大差ない。なお、「大差ない」とは、リプレイの出現頻度がベルの出現頻度よりも極めて高いと遊技者が把握できない程度であり、具体的には、リプレイ図柄が有効ライン上に揃う頻度(リプレイ1またはリプレイ2に当選する確率)が、ベル図柄が有効ライン上に揃う頻度(ベル1またはベル2に当選する確率)の1.5倍以下であることが好ましい。
なお、リプレイ2およびベル2のいずれに当選することなく6000ゲーム行われると通常状態となるが、リプレイ2およびベル2のいずれにも当選することなく6000ゲーム行われることは極めて稀である。
このように、BBゲームが終了した後、遊技者が保有するメダルの減少が抑制される第3RTゲームが行われる一方で、当選役によっては、第3RTゲームよりも遊技者に有利な第2RTゲーム、または、第3RTゲームよりも遊技者に不利な第1RTゲームに移行しうる。したがって、単に第3RTゲームの終了を待つ(所定ゲームを単に消化するだけ)といったことがなくなり、遊技が単調となることを回避でき、興趣の低下を抑制できる。
また、従来のスロットマシンでは、当選役を一見して把握できるように、当選役に対応する図柄として、当該当選当該を想起させる絵が各リール帯に付されていた。例えば、リプレイ(RP)と書かれた図柄、ベル、あるいはスイカといったものが各リール帯に描かれていた。つまり、全てのリールが停止したときの有効ライン上に例えばベルが揃っていれば、ベルに当選したと把握することができた。
これに対し、本実施形態のスロットマシン1では、各リール帯351a,351b,351cに付されている図柄は、単独では当選役を想起させる絵ではない。つまり、一つのリールまたは二つのリールが停止されただけでは当選役を把握することができず、全てのリールが停止してはじめて当選役を把握できるようになっている。
上述したように、リプレイ1に当選したときは、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−I男図柄−H男図柄」となる。
また、リプレイ2に当選したときは、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−T子図柄−H男図柄」となる。
また、ベル1に当選したとき、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−T子図柄−M子図柄」となる。
さらに、ベル2に当選したとき、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−I男図柄−M子図柄」となる。
したがって、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、リプレイ1またはベル2に当選している可能性がある。第3RTゲームが行われているとき、当選役がリプレイ1であれば他のRTゲームに移行することなく第3RTゲームが継続して行われる一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有するメダルが増加する点で遊技者にとって有利な第2RTゲームに移行する。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、リプレイ2またはベル1に当選している可能性がある。第3RTゲームが行われているとき、当選役がベル1であれば他のRTゲームに移行することなく第3RTゲームが継続して行われる一方で、当選役がリプレイ2であれば、遊技者が保有するメダルの減少が早い点で遊技者にとって不利な第1RTゲームに移行する。なお、第1RTゲームは、400ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常ゲームや当該第1RTゲームよりも有利なRTゲームに移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
このように、第3RTゲームが行われているとき、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作すると、当該中リール301bの中段に停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、第2RTゲームに移行する期待感を抱く一方で、当該ゲームを契機として第1RTゲームに移行しないことが確定し、安心する。また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、当該ゲームを契機として第2RTゲームに移行しないことが確定する一方で第1RTゲームに移行する可能性が残されているので、第1RTゲームに移行しないで欲しいと願望する。つまり、中リール301bに描かれている図柄「I男図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性はあるものの第1RTゲームに移行することがないセーフ図柄として機能し、中リール301bに描かれている図柄「T子図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性がないにも拘らず第1RTゲームに移行する可能性があるアウト図柄として機能する。また、当選役は、全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、リプレイ1またはリプレイ2に当選している可能性がある。第3RTゲームが行われているとき、当選役がリプレイ1であれば他のRTゲームに移行することなく第3RTゲームが継続して行われる一方で、当選役がリプレイ2であれば、遊技者が保有するメダルの減少が早い点で遊技者にとって不利な第1RTゲームに移行する。なお、第1RTゲームは、400ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常ゲームや当該第1RTゲームよりも有利なRTゲームに移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「M子図柄」が停止すると、ベル1またはベル2に当選している可能性がある。第3RTゲームが行われているとき、当選役がベル1であれば他のRTゲームに移行することなく第3RTゲームが継続して行われる一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有するメダルが増加する点で遊技者にとって有利な第2RTゲームに移行する。
このように、第3RTゲームが行われているとき、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作した場合にも、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、当該ゲームを契機として第2RTゲームに移行しないことが確定する一方で第1RTゲームに移行する可能性が残されているので、第1RTゲームに移行しないで欲しいと願望する。つまり、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに描かれている「H男図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性がないにも拘らず第1RTゲームに移行する可能性があるアウト図柄として機能し、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに描かれている図柄「M子図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性はあるものの第1RTゲームに移行することがないセーフ図柄として機能する。また、当選しうる役は、左リール301aおよび右リール301cが停止した時点で把握できるものの、他のRTゲームに移行するか否かについては全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
以上説明したように、第3RTゲームが行われているとき、遊技者が、各リール停止ボタン211a,211b,211cのうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作した場合、および、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し次いで右リール停止ボタン211cを操作した場合、のうちいずれの場合であっても、各リール停止ボタン211a,211b,211cを操作する毎に期待感と失望感とが入り混ざることとなり、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
なお、第3RTゲームにおいてリプレイ2に当選すると第1RTゲームに移行することが殆どではあるものの、常に第1RTゲームに移行するわけではない。図69(d)を見ても分かるように、抽出乱数値が10175である場合にはリプレイ2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が10182である場合にはリプレイ2とRBとが重複して当選する。
このように、第3RTゲームにおいてリプレイ2に当選することは第1RTゲームへの移行条件の一つであるにも拘らず、第3RTゲームにおいてリプレイ2に当選したときに、当該リプレイ2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第1RTゲームに移行しない)。これにより、第3RTゲームにおいてリプレイ2に当選した場合であっても、稀に、第1RTゲームに移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。したがって、第3RTゲームにおいてリプレイ2に当選したときは、僅かながらもBBまたはRBに当選している期待感を遊技者に与えることによって、興趣の低下を抑制できる。
同様に、第3RTゲームにおいてベル2に当選すると第2RTゲームに移行することが殆どであるものの、常に第2RTゲームに移行するわけではない。図69(d)を見ても分かるように、抽出乱数値が10166〜10173のなかのいずれかである場合にはベル2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が10180である場合にはベル2とRBとが重複して当選する。
このように、第3RTゲームにおいてベル2に当選することは第2RTゲームへの移行条件の一つであるにも拘らず、第3RTゲームにおいてベル2に当選したときに、当該ベル2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第2RTゲームに移行しない)。これにより、第3RTゲームにおいてベル2に当選した場合であっても、稀に、第2RTゲームに移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。ここで、BBゲームおよびRBゲームでは、第2RTゲームが行われる場合よりも多くのメダルを短期間で獲得できるので、第3RTゲームにおいてベル2に当選したとしても遊技者に失望を与えることにはならず、むしろ第2RTゲームよりも遊技者により有利なBBゲームやRBゲームが行われることとなる。これにより、興趣の低下を抑制できる。
[第4RTゲーム]
第4RTゲームは、上述のとおり、RBゲームの終了後に行われる。
この第4RTゲームでは、リプレイ2の単独当選当たりの確率はゼロ(BBまたはRBと重複して当選する可能性はある)、ベル2の当選確率は概ね40分の1である。したがって、第1RTゲームに移行する確率は皆無であることから、遊技者は、第2RTゲームに移行する期待感を抱くこととなる。とくに、この第4RTゲームでは、遊技者が保有するメダルの量をほぼ維持しつつ遊技を行うことができるにも拘らず第1RTゲームに移行する確率が皆無であって且つ第2RTゲームのみに移行しうるものであるから、遊技者は第2RTゲームにさらにステップアップする期待感を抱いて遊技を行うこととなり、興趣の低下を抑制できる。
また、この第4RTゲームでは、リプレイ1の当選確率は概ね1.8分の1であり、ベル1の当選確率は概ね4.3分の1である。ただし、このリプレイ1への当選は第4RTゲームの終了条件ではない(つまり他のRTゲームに移行しない)ので、たとえリプレイ1に当選したとしても当該第4RTゲームが引き続き行われる。同様に、ベル1への当選も第4RTゲームの終了条件ではないので、たとえベル1に当選したとしても当該第4RTゲームが引き続き行われる。
なお、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、画像表示体500の表示から把握することはできない。また、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選した場合であってもメダルの払い出し枚数が5枚と同じであるから、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、メダルの払い出し枚数からも把握することはできない。これにより、第4RTゲームが行われているときにベルに当選した場合には、遊技者は、第2RTゲームに移行するのではないかといった期待感を抱くこととなる。また、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第2RTゲームに移行するベルであるのか否かを予測するといった面白みもある。
一方、リプレイ1およびリプレイ2のいずれが当選したとしても第1RTゲームに移行することはなく、他の終了条件が成立していない限り当該第4RTゲームが引き続き行われる。これにより、画像表示体500の演出表示装置590にリプレイを想起させる絵が表示されたとしても第1RTゲームに移行する心配をすることなく再遊技を行うことができる。つまり、第4RTゲームが行われているときにリプレイ1図柄またはリプレイ2図柄が揃ったとしても、第3RTゲームが行われているときにリプレイ1図柄またはリプレイ2図柄が揃ったときのように、第1RTゲームに移行するのではないかといった心配をする必要がない。このように、リプレイ2図柄が揃ったときは、第3RTゲームが行われているか第4RTゲームが行われているかによって、同じ図柄(リプレイ2)であるにも拘らず、遊技者に与える利益が異なることとなる。
ところで、リプレイ1の当選確率は概ね1.8分の1であるのに対して、ベル1およびベル2の合成確率は概ね3.9分の1である。第3RTゲームでは、リプレイ図柄が有効ライン上に揃う頻度と、ベル図柄が有効ライン上に揃う頻度と、の間に大差なかったが、この第4RTゲームでは、リプレイ図柄が有効ライン上に揃う頻度と、ベル図柄が有効ライン上に揃う頻度と、の間に若干の差がある。
なお、リプレイ2およびベル2のいずれに当選することなく50ゲーム行われると、通常状態となる。
このように、RBが終了したのちに行われる第4RTゲームでは、第1RTゲームに移行する可能性が皆無であって、第2RTゲームに移行する期待感を抱きつつ遊技を行うことができるものの、RBに当選する確率は、上述のとおり、BBに当選する確率と比べると極めて低い。一般的に遊技者は、BBに当選すると喜ぶ一方で、RBに当選すると、抽選に当選しているにも拘らず当選種別がBBでないことによって落胆する(RBゲームではBBゲームよりも獲得できるメダルが少ないので落胆する)。しかし、本実施形態のスロットマシン1では、RBの当選確率をBBの当選確率よりも極めて低くすることによって、極力、遊技者に落胆を与えないようにされている。しかも、RBに当選したときは、その後、第1RTゲームに移行することのない第4RTゲームが行われるので、たとえRBに当選したとしても、遊技者に与える落胆は軽微なものとなる。また、当選役は、全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
さらに、第3RTゲームが行われているときと同様に、リプレイ1に当選したときは、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−I男図柄−H男図柄」となる。
また、リプレイ2に当選したときは、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「H男図柄−T子図柄−H男図柄」となる。
また、ベル1に当選したとき、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−T子図柄−M子図柄」となる。
さらに、ベル2に当選したとき、図柄変動表示装置300の全てのリール301a,301b,301cが停止したときの有効ライン上における図柄の組み合わせ態様は、「M子図柄−I男図柄−M子図柄」となる。
したがって、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、リプレイ1またはベル2に当選している可能性がある。第4RTゲームが行われているとき、当選役がリプレイ1であれば他のRTゲームに移行することなく第3RTゲームが継続して行われる一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有するメダルが増加する点で遊技者にとって有利な第2RTゲームに移行する。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、リプレイ2またはベル1に当選している可能性がある。このときは、他の終了条件が成立していない限り他のRTゲームに移行することなく、第4RTゲームが継続して行われる。
このように、第4RTゲームが行われているとき、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作すると、当該中リール301bの中段に停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、第2RTゲームに移行する期待感を抱くこととなる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、リプレイ1またはリプレイ2に当選している可能性がある。第4RTゲームが行われているとき、当選役がリプレイ1およびリプレイ2のいずれであっても他のRTゲームに移行することなく第4RTゲームが継続して行われる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、ベル1またはベル2に当選している可能性がある。第4RTゲームが行われているとき、当選役がベル1であれば他のRTゲームに移行することなく第4RTゲームが継続して行われる一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有するメダルが増加する点で遊技者にとって有利な第2RTゲームに移行する。
このように、第4RTゲームが行われているとき、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作した場合にも、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「M子図柄」が停止すると、第2RTゲームに移行する期待感を抱くこととなる。また、当選しうる役は、左リール301aおよび右リール301cが停止した時点で把握できるものの、他のRTゲームに移行するか否かについては全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
以上説明したように、第4RTゲームが行われているとき、遊技者が、各リール停止ボタン211a,211b,211cのうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作した場合、および、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し次いで右リール停止ボタン211cを操作した場合、のうちいずれの場合であっても、各リール停止ボタン211a,211b,211cを操作する毎に期待感が与えられる可能性があり、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
なお、第4RTゲームにおいてリプレイ2に当選すると、図70(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が13775である場合にはリプレイ2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が13782である場合にはリプレイ2とRBとが重複して当選する。一方、リプレイ2の単独当選当たりの確率はゼロである。
このように、第4RTゲームでは、リプレイ2の単独当選当たりの確率がゼロであり、しかもリプレイ2はBBまたはRBと重複して当選するのみであることからリプレイ2図柄が揃う確率は極めて低い。しかし、第4RTゲームにおいてリプレイ2図柄が揃った場合には、それがBBまたはRBへの当選となるため、遊技者は、揃うはずがないと思っているリプレイ2図柄が揃ったときは、遊技者にサプライズを与えることができるだけでなく大きな喜びを与えることとなり、興趣の低下を抑制できる。
一方に、第4RTゲームにおいてベル2に当選すると第2RTゲームに移行することが殆どであるものの、常に第2RTゲームに移行するわけではない。図70(d)を見ても分かるように、抽出乱数値が13766〜13773のなかのいずれかである場合にはベル2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が13780である場合にはベル2とRBとが重複して当選する。
このように、第4RTゲームにおいてベル2に当選することは第2RTゲームへの移行条件の一つであるにも拘らず、第4RTゲームにおいてベル2に当選したときに、当該ベル2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第2RTゲームに移行しない)。これにより、第4RTゲームにおいてベル2に当選した場合であっても、稀に、第2RTゲームに移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。ここで、BBゲームおよびRBゲームでは、第2RTゲームが行われる場合よりも多くのメダルを短期間で獲得できるので、第4RTゲームにおいてベル2に当選したとしても遊技者に失望を与えることにはならず、むしろ第2RTゲームよりも遊技者により有利なBBゲームやRBゲームが行われることとなる。これにより、興趣の低下を抑制できる。
また、BBおよびRBのいずれに当選した場合であっても、BBゲームの終了後およびRBの終了後に、遊技者に有利な第2RTゲームに移行しうるRTゲームが行われる。これにより、BBゲームやRBゲームが終了したのちすぐに遊技を辞めてしまうといったことを回避でき、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、BBゲームの終了後に行われる第3RTゲームと、RBゲームの終了後に行われる第4RTゲームと、では、遊技者が保有するメダルの減少速度が異なる点で遊技者にとっての有利度が異なっている。このように、ボーナスゲームの種別によって遊技者にとっても有利度合いが異なるRTゲームを行うことで、ボーナスゲーム後の遊技が多様化し、遊技者が飽きにくいスロットマシンを提供することが可能となる。
[通常ゲーム]
通常ゲームは、BBゲームおよびRBゲームが行われておらず且ついずれのRTゲームも行われていない通常状態中に行われるゲームである。
この通常ゲームでは、リプレイ2の当選確率は概ね13分の1、ベル2の当選確率は概ね41分の1である。つまり、第2RTゲームに移行する確率よりも第1RTゲームに移行する確率の方が高くなっている。
この通常ゲームでは、リプレイ1の当選確率は概ね15分の1であり、ベル1の当選確率は概ね4.3分の1である。ただし、このリプレイ1への当選はRTゲームへの移行条件ではないので、たとえリプレイ1に当選したとしても引き続き通常ゲームが継続する。同様に、ベル1への当選もRTゲームへの移行条件ではないので、たとえベル1に当選したとしても引き続き通常ゲームが継続する。
なお、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、画像表示体500の表示から把握することはできない。また、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選した場合であってもメダルの払い出し枚数が5枚と同じであるから、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したかについては、メダルの払い出し枚数からも把握することはできない。これにより、通常ゲーム中にベルに当選した場合には、遊技者は、第2RTゲームに移行するのではないかといった期待感を抱くこととなる。また、ベル1またはベル2に当選したとき、ベル1およびベル2のうちいずれのベルに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第2RTゲームに移行するベルであるのか否かを予測するといった面白みもある。
また、同様に、リプレイ1またはリプレイ2に当選したとき、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選したかについては、画像表示体500の表示から把握することはできない。さらに、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選した場合であっても再遊技できる点において同じであるから、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選したかについて、より一層把握することが困難となっている。これにより、通常ゲーム中にリプレイに当選した場合には、遊技者は、第1RTゲームに移行しないで欲しいといった願望を抱くこととなる。また、リプレイ1またはリプレイ2に当選したとき、リプレイ1およびリプレイ2のうちいずれのリプレイに当選したのか把握することが困難であることから、遊技者は、第1RTゲームに移行するリプレイであるのか否かを予測するといった面白みもある。
なお、リプレイ2およびベル2のいずれに当選することなくBBまたはRBに当選すると、BBゲームまたはRBゲームが行われるまで第5RTゲームに移行する。
このように、通常ゲームでは、当選役によっては、遊技者が保有するメダルが増加する点で通常ゲームよりも遊技者に有利な第2RTゲーム、または、遊技者が保有するメダルが減少する点で遊技者に不利な第1RTゲームに移行しうる。なお、第1RTゲームは、400ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常ゲームや当該第1RTゲームよりも有利なRTゲームに移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、リプレイ1またはベル2に当選している可能性がある。通常ゲーム中であるとき、当選役がリプレイ1であればいずれのRTゲームに移行することなく通常ゲームが継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有するメダルが増加する点で遊技者にとって有利な第2RTゲームに移行する。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作したことによって中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、リプレイ2またはベル1に当選している可能性がある。通常ゲーム中であるとき、当選役がベル1であればいずれのRTゲームに移行することなく通常ゲームが継続する一方で、当選役がリプレイ2であれば、遊技者が保有するメダルの減少が早い点で遊技者にとって不利な第1RTゲームに移行する。なお、第1RTゲームは、400ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常ゲームや当該第1RTゲームよりも有利なRTゲームに移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
このように、通常ゲームでは、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作すると、当該中リール301bの中段に停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「I男図柄」が停止すると、第2RTゲームに移行する期待感を抱く一方で、当該ゲームを契機として第1RTゲームに移行しないことが確定し、安心する。また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち中リール停止ボタン211bを最初に操作して当該中リール301bの中段に「T子図柄」が停止すると、第1RTゲームに移行しないで欲しいと願望する一方で、当該ゲームを契機として第2RTゲームに移行しないことが確定し、安心する。つまり、中リール301bに描かれている図柄「I男図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性はあるものの第1RTゲームに移行することがないセーフ図柄として機能し、中リール301bに描かれている図柄「T子図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性がないにも拘らず第1RTゲームに移行する可能性があるアウト図柄として機能する。また、当選役は、全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、リプレイ1またはリプレイ2に当選している可能性がある。通常ゲーム中であるとき、当選役がリプレイ1であればいずれのRTゲームに移行することなく通常ゲームが継続する一方で、当選役がリプレイ2であれば、遊技者が保有するメダルの減少が早い点で遊技者にとって不利な第1RTゲームに移行する。なお、第1RTゲームは、400ゲーム行うかBBまたはRBに当選しない限り、通常ゲームや当該第1RTゲームよりも有利なRTゲームに移行することがない点においても、遊技者にとって不利である。
また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作したとき、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、ベル1またはベル2に当選している可能性がある。通常ゲーム中であるとき、当選役がベル1であればいずれのRTゲームに移行することなく通常ゲームが継続する一方で、当選役がベル2であれば、遊技者が保有するメダルが増加する点で遊技者にとって有利な第2RTゲームに移行する。
このように、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作した場合にも、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに停止した図柄如何によって遊技者は一喜一憂することとなる。具体的には、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「H男図柄」が停止すると、当該ゲームを契機として第2RTゲームに移行しないことが確定する一方で第1RTゲームに移行する可能性が残されているので、第1RTゲームに移行しないで欲しいと願望する。また、遊技者が、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し、次いで右リール停止ボタン211cを操作して、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに「M子図柄」が停止すると、第2RTゲームに移行する期待感を抱く一方で、当該ゲームを契機として第1RTゲームに移行しないことが確定し、安心する。つまり、有効ライン上における左リール301aおよび右リール301cに描かれている図柄「H男図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性がないにも拘らず第1RTゲームに移行する可能性があるアウト図柄として機能し、中リール301bに描かれている図柄「M子図柄」は、第2RTゲームに移行する可能性はあるものの第1RTゲームに移行することがないセーフ図柄として機能する。また、当選しうる役は、左リール301aおよび右リール301cが停止した時点で把握できるものの、RTゲームに移行するか否かについては全てのリールが停止するまで把握できないため、当該ゲームの最後まで遊技者は気を抜くことができず、興趣の低下を抑制できる。
以上説明したように、通常ゲーム中であるとき、遊技者が、各リール停止ボタン211a,211b,211cのうち例えば中リール停止ボタン211bを最初に操作した場合、および、各リール停止ボタン211のうち例えば左リール停止ボタン211aを最初に操作し次いで右リール停止ボタン211cを操作した場合、のうちいずれの場合であっても、各リール停止ボタン211a,211b,211cを操作する毎に期待感と失望感とが入り混ざることとなり、これまでにない斬新な遊技機を提供することができる。
なお、通常ゲームにおいてリプレイ2に当選すると第1RTゲームに移行することが殆どではあるものの、常に第1RTゲームに移行するわけではない。図69(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が6975である場合にはリプレイ2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が6982である場合にはリプレイ2とRBとが重複して当選する。
このように、通常ゲームにおいてリプレイ2に当選することは第1RTゲームへの移行条件の一つであるにも拘らず、通常ゲームにおいてリプレイ2に当選したときに、当該リプレイ2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第1RTゲームに移行しない)。これにより、通常ゲームにおいてリプレイ2に当選した場合であっても、稀に、第1RTゲームに移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。したがって、通常ゲームにおいてリプレイ2に当選したときは、僅かながらもBBまたはRBに当選している期待感を遊技者に与えることによって、興趣の低下を抑制できる。
同様に、通常ゲームにおいてベル2に当選すると第2RTゲームに移行することが殆どであるものの、常に第2RTゲームに移行するわけではない。図69(a)を見ても分かるように、抽出乱数値が6966〜6973のなかのいずれかである場合にはベル2とBBとが重複して当選し、抽出乱数値が6980である場合にはベル2とRBとが重複して当選する。
このように、通常ゲームにおいてベル2に当選することは第2RTゲームへの移行条件の一つであるにも拘らず、通常ゲームにおいてベル2に当選したときに、当該ベル2と併せてBBまたはRBに当選することがある(このときは第2RTゲームに移行しない)。これにより、通常ゲームにおいてベル2に当選した場合であっても、稀に、第2RTゲームに移行することなくBBゲームまたはRBゲームが行われる場合がある。ここで、BBゲームおよびRBゲームでは、通常ゲーム中である場合よりも多くのメダルを短期間で獲得できるので、遊技者に喜びを与えることとなり、興趣の低下を抑制できる。
[第1RTゲーム]
第1RTゲームは、上述のとおり、通常ゲーム中であるときにリプレイ2に当選したとき(リプレイ2図柄が揃ったとき)、または、第3RTゲームが行われているときにリプレイ2に当選したときに行われる。
この第1RTゲームでは、リプレイ2の単独当選当たりの確率はゼロである(BBまたはRBと重複して当選する可能性はある)。また、この第1RTゲームに一旦移行すると、上述のとおり、当該第1RTゲームにおいて400ゲーム行われるか、または、BB若しくはRBに当選しない限り、第1RTゲームが終了することはない。また、この第1RTゲームは、全てのRTゲームの中では最も遊技者が保有するメダルの減少が早く(通常ゲームとほぼ同じ)、400ゲーム行われるかBB若しくはRBに当選しない限り、通常ゲームや他のより有利なRTゲームに移行しないので、遊技者は、早い段階でBBまたはRBに当選して欲しいと願望することとなる。
ところで、この第1RTゲームは、当該第1RTゲームに移行する前(即ち通常ゲームまたは第3RTゲーム)においてリプレイ2に当選したことによって行われていることから、遊技者は、リプレイ2に良いイメージを抱いていない。つまり、遊技者には、リプレイ2に当選すると遊技者にとって不利な状態になると印象付けられている。しかし、第1RTゲームでは、リプレイ2に当選すると常にBBまたはRBと重複当選しているので、実際には、リプレイ2に当選するとBBゲームまたはRBゲームが行われることとなる。
このように、通常ゲームまたは第3RTゲームでは遊技者にとって印象の悪いリプレイ2といった当選役が、第1RTゲームではBBまたはRBに重複当選する役となり、遊技者にとって極めて有利な当選役となる(つまり、リプレイ2がバッド役からグッド役に昇格した印象を遊技者が受ける)。これにより、リプレイ2といった同じ当選役でありながらもRTゲームの種別如何でその後の帰趨が変わるので、遊技の単調さを軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
また、通常ゲームや第3RTゲームが行われているときであっても、リプレイ2とBBまたはRBとが重複当選当たりしうる一方でリプレイ2に当選したときはその殆どが単独当選当たりであるため、遊技者は、リプレイ2に当選したときにBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受ける可能性は低い。これに対し第1RTゲームでは、リプレイ2とBBまたはRBとの重複当選当たりの確率は低いものの、リプレイ2に当選したときは常にBBゲームまたはRBゲームが行われるので、本来BBまたはRBに当選し得ないリプレイ2がBBまたはRBの当選を確定付ける役となる。つまり、遊技者は、第1RTゲームにおいて、通常ゲームや第3RTゲームではBBやRBに当選しえないリプレイ2に当選した場合にもBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受け、僅かではあるもののBBゲームやRBゲームが行われる頻度が高められる印象を持つようになり、興趣の低下を抑制できる。
[第2RTゲーム]
第2RTゲームは、上述のとおり、通常ゲーム中であるときにベル2に当選したとき(ベル2図柄が揃ったとき)、第3RTゲームが行われているときにベル2に当選したとき、または、第4RTゲームが行われているときにベル2に当選したときに行われる。
この第2RTゲームでも、リプレイ2の単独当選当たりの確率はゼロである(BBまたはRBと重複して当選する可能性はある)。また、この第2RTゲームに一旦移行すると、上述のとおり、当該第2RTゲームにおいてBBまたはRBに当選しない限り、この第2RTゲームが50ゲーム行われるまで継続することとなる。また、この第2RTゲームでは、遊技者が保有するメダルが増加することから、この第2RTゲームよりも遊技者に不利な他のRTゲームに移行する前にBBまたはRBに当選して欲しいと願望することとなる。
ところで、この第2RTゲームに移行する前の通常ゲームまたは第3RTゲーム)では、リプレイ2に当選すると第1RTゲームに移行することから、遊技者は、リプレイ2に良いイメージを抱いていない。つまり、遊技者は、通常ゲームまたは第3RTゲーム)において、たまたまベル2がリプレイ2よりも先に当選したために運良く第2RTゲームに移行しただけであると認識しており、リプレイ2に当選すると遊技者にとって不利な状態になるといった印象を依然として持っている可能性が高い。しかし、第2RTゲームでは、リプレイ2に当選すると常にBBまたはRBと重複当選しているので、実際には、リプレイ2に当選するとBBゲームまたはRBゲームが行われることとなる。
このように、通常ゲームまたは第3RTゲームでは遊技者にとって印象の悪いリプレイ2といった当選役が、第2RTゲームではBBまたはRBに重複当選する役となり、遊技者にとって極めて有利な当選役となる(つまり、リプレイ2がバッド役からグッド役に昇格した印象を遊技者が受ける)。これにより、リプレイ2といった同じ当選役でありながらもRTゲームの種別如何でその後の帰趨が変わるので、遊技の単調さを軽減でき、興趣の低下を抑制できる。
また、通常時や第3RTゲームが行われているときであっても、リプレイ2とBBまたはRBとが重複当選当たりしうる一方でリプレイ2に当選したときはその殆どが単独当選当たりであるため、遊技者は、リプレイ2に当選したときにBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受ける可能性は低い。これに対し第2RTゲームでは、リプレイ2とBBまたはRBとの重複当選当たりの確率は低いものの、リプレイ2に当選したときは常にBBゲームまたはRBゲームが行われるので、本来BBまたはRBに当選し得ないリプレイ2がBBまたはRBの当選を確定付ける役となる。つまり、遊技者は、第2RTゲームにおいて、通常ゲームや第3RTゲームではBBやRBに当選しえないリプレイ2に当選した場合にもBBゲームまたはRBゲームが行われるといった印象を受け、僅かではあるもののBBゲームやRBゲームが行われる頻度が高められる印象を持つようになり、興趣の低下を抑制できる。
なお、この第2RTゲームにおいてBBまたはRBに当選することなく50ゲームが行われると、その後は通常ゲームとなる。また、この通常ゲームにおいてベル2に当選すると再び第2RTゲームに移行する。したがって、第2RTゲームが50ゲーム行われて通常ゲームに移行したとしても遊技者は落胆することがないので、第2RTゲームが終了したからといって遊技を終了する可能性が低い。これにより、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
[第5RTゲーム]
第5RTゲームは、上述のとおり、BBまたはRBに当選してからBB図柄またはRB図柄が揃うまでの間に行われる。
この第5RTゲームでは、BBまたはRBに当選する確率がゼロとなる。つまり、BBフラグまたはRBフラグが一旦ONになると、BBゲームまたはRBゲームが行われない限り、BBまたはRBに当選することがない。
また、リプレイや小役への当選確率は通常ゲーム中と大きな差はなく、ハズレとなる確率も通常ゲーム中と大きな差はない。
また、複数の当選役が重複しているときのリール停止処理は、上述のとおり、リプレイ図柄、BB図柄(またはRB図柄)、小役図柄の優先順位で、リール引き込み制御が行われる。したがって、この第5RTゲームが行われているときにリプレイに当選すると、BBフラグまたはRBフラグがONであるにも拘らず当該ゲームを契機としてBBゲームまたはRBゲームが開始することはないので、その間、画像表示体500にて興趣を高める演出を行うことが可能となる。さらに、この第5RTゲームが行われているときに小役に当選すると、BB図柄またはRB図柄を揃えることは可能ではあるものの、目押し操作に失敗し、BB図柄またはRB図柄を揃えることができないとき、当選した小役図柄が揃うこととなる。これにより、小役に当選したゲームにおいては、目押し操作に失敗してBB図柄またはRB図柄を揃えることができなかったとしても他の当選小役図柄が揃うので、遊技者が保有するメダルを減少させることなく、次ゲームを行うことが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
[演出動作の基本制御]
以上は、主制御基板(主制御MPU)409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて周辺制御基板(周辺制御MPU)510により各種演出動作の制御を実行する。これは主制御基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、周辺制御基板510(主に周辺制御MPU)にて実行するものである。前述の通り主制御基板409から出力された各種コマンドは、一旦、周辺制御基板(周辺制御MPU)510に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)として周辺制御基板(周辺制御MPU)510内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。なお、この示唆演出は、特定条件が成立した場合に限り行われる演出であり、演出表示装置590の略全域に表示される。特定条件とは、例えば示唆演出を行うか否かの抽選に当選した場合が相当する。ただし、このスロットマシン1では、ムダな演出を極力排除するために、示唆演出が行われる頻度は小さくなっている。
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。この告知演出は、BBやRBに当選した場合に限り行われ、さらに、BBやRBに当選したときは必ず行われる演出であり、演出表示装置590の略全域に表示される。
また、連続演出態様としては、通常ゲーム中、BBゲーム、RBゲーム、RTゲーム等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常ゲーム中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
そして、RTゲーム回数の少ないRTゲーム中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を実行させる。例えば、RTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はRTゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
また、RTゲーム回数の多いRTゲームでは、連続演出は実行させるが、RTゲームの回数のカウント表示は特に行わないものであってもよい。これは、RTゲームのRTゲーム回数が遊技者から見て相当に長いゲーム期間であると、規定回数の終わりをほとんど気にする必要が無いからである。そして、上記回数のカウント表示を行わないことは、例えば、遊技者がRTゲームの規定回数を知り得ていない場合、いつまでRTゲームが続くのか分からずハラハラしながらRTゲームを続けられるという効果を奏することができる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、各種スピーカ201a,201b,221、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
[ステージ演出およびステージ移行制御]
次に、画像表示体500の演出表示装置590の略全面に表示されるメイン画像(動画を含む。)を少なくとも用いたステージ演出について、図81および図82を参照して説明する。図81は、各ステージにおける演出画像の一例を示す図であり、(a)が第1ステージの演出画像の一例を示す図、(b)が第2ステージの演出画像の一例を示す図、(c)が第3ステージの演出画像の一例を示す図、(d)が第4ステージの演出画像の一例を示す図、である。図82は、特別ステージの演出画像の一例を示す図である。なお、以下のステージ演出およびステージ移行制御は、周辺制御基板(周辺制御MPU)510によって実行される。
本実施形態のスロットマシン1では、あらかじめ複数の「ステージ」が設けられており、ステージ移行条件の成立を契機として何れか一の「ステージ」に移行して、当該「ステージ」に固有のステージ演出が実行される。そして、各「ステージ」では、固有のステージ演出として、当該「ステージ」に特有のモチーフを表したメイン画像(動画を含む。)が表示制御されるとともに、併せて演出内容に対応した所定の音声あるいは効果音が出力される。
詳細には、図81に示すように、スロットマシン1の画像表示体500では、第1ステージ,第2ステージ,第3ステージ,第4ステージ,特別ステージの計5ステージが用意されている。そして、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)を除く遊技状態時(すなわち、通常ゲームおよびRTゲーム)には、第1〜第4ステージおよび特別ステージのうちいずれかの「ステージ」に移行する。そして、図81(a)〜(d)および図82に示すように、画像表示体500では当該「ステージ」に対応するステージ演出に固有の演出画像が表示される。
また、各「ステージ」で実行されるステージ演出では、当該「ステージ」に固有のモチーフによってキャラクタの動作や背景などが様々に異なっている。例えば、図81(a)に示す「第1ステージ」では、キャラクタが店舗内で着座している状態が表された演出画像が表示される。図81(b)に示す「第2ステージ」では、キャラクタが昼間に歩道を歩いている状態が表された演出画像が表示される。図81(c)に示す「第3ステージ」では、キャラクタが昼間にバイクを低速で走らせる状態が表された演出画像が表示される。図81(d)に示す「第4ステージ」では、キャラクタが夜間にバイクを高速で走らせる状態が表された演出画像が表示される。図82に示す「特別ステージ」では、キャラクタが朝方にバイクを最高速で走らせる状態が表された演出画像が表示される。
ここで、特別ステージは、内部的に第2RTゲームが行われていることが確定するステージである。つまり、画像表示体500にて特別ステージの演出が行われると、ゲームの進行に応じて遊技者が保有するメダルの枚数が増加するので、ボーナスゲームほどではないものの遊技者にとって利益度が高いゲームが行われることとなる。このように、特別ステージでは、保有するメダルを増やしながらゲームを行うことができるので、遊技者は、特別ステージにステージ移行することを願望しながら遊技を行うこととなる。
そして、上記の計5つの「ステージ」は、スロットマシン1の内部的な遊技状態(通常ゲームおよび各RTゲーム)に依存するように、ステージ移行条件の成立を契機に移行制御される。すなわち、内部的な遊技状態が特別ステージに移行する期待度が、各「ステージ」に応じて異なるように、所定条件の成立を契機に「ステージ」が移行制御される。具体的には、内部的な遊技状態が特別ステージに移行する期待度が、第1ステージが最も小さく、第1ステージよりも第2ステージが大きく、第2ステージよりも第3ステージが大きく、第3ステージよりも第4ステージが大きくなるように「ステージ」が移行制御される。つまり、キャラクタの動作が激しくバイクの速度が速いことを示す「ステージ」であるほど、内部的な遊技状態が特別ステージに移行する期待度が大きくなっている。また、特別ステージに移行する期待度を遊技者が容易に把握できるように、演出表示装置590に表示される★の数により期待度が表わされている(図81(a)〜(d)参照)。なお、図81では、便宜上、演出表示装置590の外側に表示されている。
以下では、本実施形態に係るスロットマシン1で行われるステージ移行制御を、より具体的かつ詳細に説明する。
まず、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)を除いて、遊技者に最も有利な遊技状態は、先述したように、ハズレとなる確率が最も低く且つ第1RTゲームに移行することのない第2RTゲームである。所定期間(50G)の間にメダルを増加させながら次のボーナスへの当選を狙うことができるからである。そこで、内部的な遊技状態が第2RTゲームに移行するに際して演出画像も特別ステージに移行し、図82に示すような演出画像が表示される。
詳細には、第2RTゲームへの移行条件は、内部的にボーナスが成立している場合を除き、所定遊技状態(通常状態,第3RTゲーム,第4RTゲーム)でベル2に当選することである。そのため、原則として上記所定遊技状態でベル2に当選したのちは、第2RTゲームが終了するまで「特別ステージ」のステージ演出が継続して実行される。この「特別ステージ」のステージ演出によって、遊技者は第2RTゲームに移行したことを明確に把握できるとともに、第2RTゲームという遊技者に極めて有利な状態で遊技を楽しむことができる。
また、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)を除く遊技状態のうちで、第2RTゲームへ移行する可能性がある遊技状態(言い換えれば、第2RTゲームへ移行する期待度が高い遊技状態)は、第3RTゲームおよび第4RTゲームである。内部的な遊技状態が第3RTゲームおよび第4RTゲームのいずれかに制御されているときは、ステージ状態が「第4ステージ」に制御されて、図81(d)に示すような演出画像が表示される。
詳細には、第3RTゲームへの移行条件はBBゲームの終了であるため、BBゲームが終了したのちは第3RTゲームが終了するまで「第4ステージ」のステージ演出が継続して実行される。同様に、第4RTゲームへの移行条件はRBゲームの終了であるため、RBゲームが終了したのちは、第4RTゲームが終了するまで「第4ステージ」のステージ演出が継続して実行される。
この「第4ステージ」のステージ演出によって、第2RTゲームに移行する期待度が高い遊技状態に移行することを明確に把握できるとともに、第3RTゲームまたは第4RTゲームいう遊技者に比較的有利な状態で遊技を楽しむことができる。さらに、遊技者は、ボーナスゲーム(BBゲーム,RBゲーム)の終了後にも、第2RTゲームに移行する期待度が高いことを了知して、興趣が低下しがちなボーナスゲーム終了後も期待感を維持しながら遊技を楽しむことができる。これにより、ボーナスゲームが終了したとしても、遊技を続行する意欲が失われる虞を軽減することができ、興趣の低下を抑制できる。
ところで、通常ゲームも、第3RTゲームおよび第4RTゲームと同様に、第2RTゲームへ移行する可能性がある遊技状態である。そこで、内部的な遊技状態が通常ゲームに制御されているときも、ステージ状態が「第4ステージ」に制御されうる。例えば、第2RTゲームの終了後は通常ゲームに移行するため、第2RTゲームが終了したのちは通常ゲームが終了するまで「第4ステージ」のステージ演出が継続して実行される。この「第4ステージ」のステージ演出によって、遊技者は第2RTゲームに移行する期待度が高いことを了知して、第2RTゲームが終了しても再度第2RTゲームに戻るのではないかという期待感を維持しながら遊技を楽しむことができる。
そして、ステージ状態が「第4ステージ」に制御されているときに、先述のようにベル2図柄が揃うと「特別ステージ」に移行する一方で、以下の条件成立に応じて第1〜第3ステージへの移行(ステージ降格)が実行される。詳細には、ステージ状態が「第4ステージ」に制御され、且つ、遊技状態が通常ゲームまたは第4RTゲームに制御されているとき、すなわち、
・第2RTゲームが終了して通常ゲームに移行し、当該通常ゲームで「第4ステージ」のステージ演出がおこなわれているとき
・第3RTゲームまたは第4RTゲームで所定のRTゲーム回数が実行されて当該RTゲームが終了し、その後に移行した通常ゲームで「第4ステージ」のステージ演出がそのまま行なわれているとき
・RBゲームが終了して第4RTゲームが行われているとき
に、リプレイ2図柄が揃って内部的な遊技状態が第1RTゲームに制御されると、「第1ステージ」〜「第3ステージ」のいずれかへのステージ移行制御(ステージ降格)が行なわれる。なお、複数ある下位ステージのうちのいずれに降格するかは、後述するステージ移行抽選の結果に応じて決定される。ただし、上述したとおり、リプレイ2が揃ったとしても、稀にBBまたはRBに当選している場合がある。
なお、本実施形態のスロットマシン1は、演出表示装置590が遊技者の顔の略正面となるように演出表示装置590が配置されており、この演出表示装置590の上方に図柄変動表示装置300が配置されている。しかも、演出表示装置590の表示領域は図柄変動表示装置300よりも大きいため、遊技者が無理のない姿勢で遊技を行うとき、遊技者は、演出表示装置590に表示される画像を容易に見ることができる。一方、遊技者が無理のない姿勢で遊技を行うとき、遊技者は、図柄変動表示装置300に表示される画像を見ることが、演出表示装置590に表示される画像を見ることよりも困難となる。これにより、遊技者は、図柄変動表示装置300を視ながら遊技を行うといった意識がない限り、遊技中、演出表示装置590に表示される演出画像を注視することとなる。これは、演出表示装置590が遊技中における遊技者の注視領域内に配置されている一方で、図柄変動表示装置300が遊技中における遊技者の注視領域外に配置されていることを意味する。
これにより、目押しに自信を持っている上級者は、図柄変動表示装置300を見ながら遊技を行うことが多くなる一方で、目押しよりも演出に面白みを見出している遊技者は、演出表示装置590に表示される演出画像を見ながら遊技を行うことが多くなる。
ところで、本スロットマシン1では、当選役としてボーナスと重複しない全ての小役およびハズレのいずれかに当選したときに、画像表示体500において複数のゲームにわたって行われる連続演出態様を行なうか否かを抽選している(連続演出抽選)。そして、連続演出抽選に当選したときは、画像表示体500に連続演出態様を表示する。この連続演出態様では、複数のゲームにわたって行われる一連の演出であるにも拘らず、当該一連の演出の結果としてボーナスに当選しなかったことが導出される(いわゆる、連続演出失敗)。ただし、このとき、連続演出に失敗したとしても、特別ステージに移行する可能性があり、一度の連続演出でダブルの期待感を遊技者に与えるようにされている。また、連続演出失敗により一旦は遊技者を落胆させたにも拘らずその後に特別ステージに移行させることで、その際に遊技者に与える喜びが大きなものとなり、興趣の低下を抑制できる。
また、連続演出抽選に当選しなかったときは、1回のゲームのみで完結する単発演出態様を表示する。一方、ボーナス(単独当選役および共有当選役を含む)に当選した場合は、連続演出抽選に拘らず、常に複数のゲームにわたって行われる一連の演出の結果としてボーナスに当選したことが導出される連続演出態様を表示する(いわゆる、連続演出成功)。
なお、当選役として小役に当選したときのほうが、当選役としてハズレに当選したときよりも、連続演出抽選に当選しやすい(すなわち、連続演出態様が実行されやすい)ことが望ましい。これにより、ハズレよりも小役のほうに、連続演出態様の結果としてボーナス当選が告知されるという遊技者の期待度を大きくすることができる。また、小役間においても、ボーナスとの重複割合が高い小役ほど連続演出抽選に当選しやすいことが望ましい。これにより、ボーナス重複割合が低い小役(例えば、ベル)よりもボーナス重複割合が低い小役(例えば、チェリー)のほうに、連続演出態様の結果としてボーナス当選が告知されるという遊技者の期待度を大きくすることができる。
また、本スロットマシン1では、当選役としてボーナスと重複しない全ての小役およびハズレのいずれかに当選したときに、画像表示体500において連続演出態様を行なった場合に、当該連続演出態様を行なったのちに移行する「ステージ」を決定するための抽選を行なっている(ステージ移行抽選)。つまり、先述の連続演出態様は、ステージ移行制御を行なう契機となっており、連続演出態様が行なわれたのちにいずれの「ステージ」に移行するかは、ステージ移行抽選によって決定される。
ところで、先述したようにリプレイ2図柄が揃って内部的な遊技状態が第1RTゲームに降格した場合は、連続演出抽選に拘らず常に連続演出態様を表示する。そして、「第4ステージ」から「第1ステージ」〜「第3ステージ」のいずれに移行するかは、ステージ移行抽選によって決定されることになる。そして、内部的な遊技状態が第1RTゲームに制御されている間は、連続演出態様が実行されることを契機として「第1ステージ」〜「第3ステージ」のいずれかにその都度移行制御されることとなる(もちろん、連続演出態様が行なわれたのちも同一ステージがそのまま維持される場合も有りうる)。
なお、内部的な遊技状態が第1RTゲームに制御されているとき、RTゲーム回数が当該RTゲームの終了条件となる所定回数(400回)に近づくほど、連続演出抽選に当選しやすい(すなわち、連続演出態様が実行されやすい)。さらに、ステージ移行抽選でより上位のステージが移行先として選択されやすい。具体的には、「第1ステージ」よりも上位の「第2ステージ」が選択されやすく、且つ、「第2ステージ」よりも上位の「第3ステージ」が選択されやすい。
これに加えて、第1RTゲームのRTゲーム回数が所定回数(400回)に達したことに基づいて、当該第1RTゲームが終了して通常ゲームに移行すると、連続演出抽選にさらに当選しやすくなるとともに、ステージ移行抽選でさらに上位のステージが移行先として選択されやすくなる。具体的には、「第1ステージ」〜「第3ステージ」よりもさらに上位の「第4ステージ」が選択されやすい。
これにより、「第4ステージ」から下位ステージに降格したのちに、連続演出態様が比較的に頻繁に実行されたり、連続演出態様が実行されたのちに比較的上位の「ステージ」に移行する割合が高くなったりすると、遊技者に不利な第1RTゲームの終了が近いことや第1RTゲームが終了していることを察知可能とすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、途中から遊技をはじめた遊技者に、内部的な遊技状態を推測する手がかりを与えることができ、複数のスロットマシン1から遊技する台を選ぶ楽しみを増大させることができる。
なお、先述したボーナスゲーム後の「第4ステージ」および第2RTゲーム後の「第4ステージ」では、原則としてリプレイ2図柄が揃わない限りは、ステージ移行抽選では「第4ステージ」のみが選択される。そのため、リプレイ2図柄が揃わない限りは、連続演出態様が実行されたのちは「第4ステージ」によるステージ演出が継続して実行されることとなる。なお、当該「第4ステージ」では、ステージ移行抽選を行なわないようにすることで、連続演出態様が実行されたのちは常に「第4ステージ」が維持されるようにしてもよい。
以上説明したように、本スロットマシン1で実行されるステージ演出およびステージ移行制御によれば、複数の「ステージ」ごとに内部的な遊技状態が遊技者に有利なものである期待度(具体的には、遊技者に最も有利な第2RTゲームへ突入する期待度)が大きくなっており、所定条件の成立に応じて各「ステージ」が移行制御される。そのため、各「ステージ」ごとにステージ演出および期待度を異ならせて遊技性に変化をもたらせるとともに、上位の「ステージ」の昇格や下位の「ステージ」への降格に遊技者を一喜一憂させて、ボーナスゲーム以外の遊技状態における遊技の単調さを解消することができる。
また、上記のステージ移行制御は、連続演出失敗時に行なわれるようにしたため、連続演出態様の結果としてボーナス当選が導出されなかった場合も、当該連続演出態様ののちに移行する「ステージ」に期待することができ、連続演出態様に対する遊技者の関心を集中させて興趣の低下を抑制することができる。
[特別ステージにおける残りRT回数表示]
次に、特別ステージにおける残りRT回数表示について説明する。本実施形態では、「第1RTゲーム」〜「第5RTゲーム」のうちで、遊技者に最も有利な「第2RTゲーム」では、図81(e)に示す「特別ステージ」のステージにおいて残りのRTゲーム回数を表示する。
より詳細には、先述したように、第2RTゲームへの移行条件が成立して内部的な遊技状態が第2RTゲームに移行した場合は、連続演出態様が実行されたのちにステージ状態が「特別ステージ」に移行する。そして、ステージ状態が「特別ステージ」に移行したのち所定ゲーム数が実行されるまでは、画像表示体500の演出表示装置590に「残り??ゲーム」のように、残りの第2RTゲーム回数が不明である旨が表示される(図82(a)参照)。つまり、画像表示体500の演出表示装置590に残りのRTゲーム回数を表示するための表示領域は設けられるものの、具体的な残りのRTゲーム回数は明示しない状態となる。
そして、第2RTゲームに移行したのち、当該RTゲームが所定ゲーム数(ここでは、20ゲーム)だけ実行されると、画像表示体500に「残り30ゲーム」のように、残りのRTゲーム回数が表示される(図82(b)参照)。その後は、1ゲームが実行されるごとに、残りのRTゲーム回数が「1」減算されて表示される。例えば、残りのRTゲーム回数として「残り30ゲーム」が表示された状態で1ゲームが実行されると、残りのRTゲーム回数として「残り29ゲーム」に減算表示される。
これにより、遊技者は、「特別ステージ」(すなわち、第2RTゲーム)が残り何ゲームの間継続されるかを明確に把握することができ、「特別ステージ」が突然終了することなく安心して遊技を楽しむことができる。さらに、残りRTゲーム回数が減算表示されることで、残りRTゲーム回数が少なくなるほど、早くボーナスに当選して欲しいという遊技者の欲求をかき立てることができ、RTゲーム中の遊技の興趣を一層向上させることができる。
ところで、「特別ステージ」(すなわち、第2RTゲーム)は、ボーナスを除いて遊技者に最も有利な遊技状態であるため、かかる状態への移行に際しては連続演出抽選において特別な連続演出態様(以下、特別ステージ移行演出と呼ぶ)が選択される。すなわち、この特別ステージ移行演出は「特別ステージ」へ移行する期待度が極めて高いことを示唆する演出であるため、かかる特別ステージ移行演出を実行することで遊技者を歓喜させて興趣を一層向上させている。
具体的には、この特別ステージ移行演出では、数ゲーム間に亘る一連の演出において、まず最初のゲームで特定のキャラクタが「XXが見えるよ」と発言する演出を行なう。そして、後続するゲーム(次ゲームのほか、数回後のゲームでもよい)で、「XX」という対象物が表示されると第2RTゲームへの昇格が確定し、さらに次ゲームから「特別ステージ」が開始される。一方、後続するゲームで「XX」という対象物が表示されない場合は第2RTゲームへ昇格せず、次ゲームからステージ移行抽選で選択された他のステージが開始される。
なお、実際には、特別ステージ移行演出が開始された時点でベル2図柄が揃っていれば、次ゲームから第2RTゲームが開始されるため、特別ステージ移行演出中も内部的には第2RTゲームが既に実行されることになり、当該特別ステージ移行演出では必ず「XX」という対象物が表示されて「特別ステージ」に移行する。逆に言えば、特別ステージ移行演出が開始された時点でベル2図柄が揃っていなければ、内部的な遊技状態に変化が生じることなく、特別ステージ移行演出では「XX」という対象物が表示されず「特別ステージ」に移行することもない。つまり、遊技者は特別ステージ移行演出を参照しなくても、図柄表示窓591aでベル2図柄が揃っているか否かで「特別ステージ」に移行するか否かを判別可能となる。
この点、本実施形態のスロットマシン1は、上述したとおり、図柄変動表示装置330が遊技者によって注視され難い構成、および、図柄表示窓591aに表示される当選役図柄を把握しがたい構成、などを具備している。そのため、遊技者の関心は専ら画像表示体500の演出表示装置590に表示される演出画像に集中し、ベル2図柄が揃ったか否かで「特別ステージ」に移行するか否かを判別することが困難となっている。その分、画像表示体500で実行される特別ステージ移行演出によって、ベル2図柄が揃うという単なる出目以上にインパクトがある態様で、「特別ステージ」に移行するか否かを導出することができ、遊技者を一層ハラハラドキドキさせることができる。
このように、「特別ステージ」に移行すると即座に残りのRTゲーム回数を明示するのではなく、所定ゲーム数の実行後に残りのRTゲーム回数を明示するようにしたのは、以下の理由による。
すなわち、先述したように、所定遊技状態で第2ベル図柄が揃うと次ゲームから第2RTゲームが開始されるところ、「特別ステージ」へは数ゲーム(例えば3ゲーム)に亘って実行される連続演出態様を経由したのちに移行するため、第2RTゲームが開始されるタイミングと「特別ステージ」が開始されるタイミングとには若干のズレ(タイムラグ)が生じる。そのため、「特別ステージ」が開始されると同時に残りのRTゲーム回数を表示すると、第2RTゲームの終了条件であるRTゲーム回数「50回」ではなく、連続演出態様において実行される第2RTゲーム回数(すなわち3ゲーム)を除いた「47回」となる。
一方、遊技者からすれば、「特別ステージ」に移行すると同時に第2RTゲームが開始されると認識するのが通常である。その結果、「特別ステージ」が開始されると同時に表示される残りRTゲーム回数が、本来の残りRTゲーム回数「50回」よりも少ない「47回」として表示されると、第2RTゲームを3回分逸失したように感じて多大な損失感を抱くとともに興趣が低下する問題がある。また、「47回」といった中途半端な残りRTゲーム回数が表示されると、スロットマシン1において不正な処理がなされているのではないかという疑念を遊技者に抱かしえない。さらに、連続演出抽選の結果に応じて連続演出態様に要するゲーム数が毎回変化する場合は、「特別ステージ」に移行するごとに毎回異なる残りRTゲーム回数が初期値として表示されることになり、上記の遊技者の損失感や疑念をさらに増長してしまう。
そこで、本実施形態のスロットマシン1では、「特別ステージ」に移行するタイミングに拘らず(言い換えれば、連続演出態様に要するゲーム数に拘らず)、第2RTゲームに移行したのち所定ゲーム数が実行されてから残りRTゲーム回数を明示するようにした。これにより、「特別ステージ」に移行するタイミングが可変的であっても(言い換えれば、連続演出態様に要するゲーム数がその都度変化しても)、それらに影響されることなく「特別ステージ」に移行するごとに、同一の残りRTゲーム回数(ここでは、30回)を初期値として表示することができる。しかも、計数単位として自然な数値(具体的には、5の倍数や10の倍数など)である「30回」を、残りRTゲーム回数として表示することができる。
これにより、遊技者が残りRTゲーム回数に対して上記のような損失感や疑念を抱くことなく、安心して遊技を楽しむことができる。むしろ、「特別ステージ」に移行したのちに、当初は明示していなかった残りRTゲーム回数を所定ゲーム数が消化されてから明示することで、「特別ステージ」(残りRTゲーム回数)があたかも所定回数分(ここでは、30回分)延長されたかのような印象を与えることができ、遊技者を喜ばせて興趣の低下を抑制することができる。
さらに、最大ゲーム数が予め設定されている第2RTゲームにおいて最大残りゲーム数が表示可能である場合に、当該第2RTゲームの最大ゲーム数が予め設定されているにも拘らず、第2RTゲームに移行した際に第2RTゲームの残りゲーム数を表示することなく、残りゲーム数が不明である旨を表示することによって、上述の効果の他、残りゲーム数が予め設定されているのではなくいかにも可変であるといった印象を与える効果もある。
なお、第2RTゲーム中にBBおよびRBのいずれにも当選することなく50ゲームが行われたとき、当該第2RTゲームが終了して通常ゲームとなり、演出表示装置590では第4ステージの演出画像が表示される。そして、この通常ゲームにおいて、リプレイ2よりも先にベル2に当選すると、再び内部的に第2RTゲームに移行すると共に、演出ステージも、連続演出態様を経由して再び特別ステージに移行する。
このように、第2RTゲーム中にBBおよびRBのいずれにも当選することなく50ゲームが行われて当該第2RTゲームが終了したとしても、第1RTゲームのような遊技者に不利なRTゲームに移行するのではなく、再び第2RTゲームに移行しうる通常ゲームに移行するので、遊技を続行する意欲が失われる虞が軽減され、興趣の低下を抑制できる。
[ベット数表示メータおよびボーナス期待度表示メータ]
次に、各ステージにて画像表示体500の演出表示装置590の略前面に表示されるベット数表示メータおよびボーナス期待度表示メータについて、図83および図84を参照して説明する。図83は、ベット数表示メータを示す図であり、図84は、ボーナス期待度表示メータを示す図である。なお、ベット数表示メータおよびボーナス期待度表示メータは、いずれも、演出表示装置590の全領域に表示されることなく、一部の領域(左下領域)にのみ表示される(図82(a),(b)参照)。
図83(a)に示されるように、ゲーム終了後等のベット数がゼロであるとき、ベット数表示メータでは針がゼロを指している。そして、1ベットボタン205(図1参照)を1回操作したとき、または、メダルを1枚投入すると、図83(b)に示されるように、ベット数表示メータの針が1を指す。さらに1ベットボタン205を1回操作したりメダルを1枚投入したりすると、図83(c)に示されるように、ベット数表示メータの針が2を指す。同様にさらに1ベットボタン205を1回操作したりメダルを1枚投入したりすると、図83(d)に示されるように、ベット数表示メータの針が3を指す。そして、ベット数表示メータの針が3を指すと、「READY」の文字が表示される。これにより、遊技者は、ゲームを開始することができる状態となったことを把握できる。そして、始動レバー210を操作すると、図83(e)に示されるように、「GO」の文字が表示される。これにより、遊技者は、実際にゲームが開始されたことを把握できる。
なお、ベット数がゼロであるときに遊技者がMAXベットボタン206を操作すると、図83(b)および図83(c)の過程を経ることなく、ベット数がゼロであることを示す態様(図83(a))からベット数が3であることを示す態様(図83(d)に変化する。
ところで、本実施形態では、上述したとおり、リプレイ図柄または小役図柄が揃ったとき、メダルの払い出し枚数が多いほどBBまたはRBに重複して当選している期待感が高い。そこで、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイ図柄または小役図柄が揃ったときに、メダルの払い出し枚数を表示することで、ボーナスに当選している期待度を遊技者の視覚に訴えている。
具体的には、図84に示されるように、当選役図柄が有効ライン上に揃うと、当該当選役図柄に対応するメダルが払い出されると共に、当該払い出されたメダル枚数がボーナス期待度表示メータに表示される。このボーナス期待度表示メータの目盛りには、「再(リプレイとしての再遊技を意味する)」、「5(ベルの払い出し枚数に相当)」、「9(スイカの払い出し枚数に相当)」、「12(チェリーの払い出し枚数に相当)」および「V」、の順で期待度小から期待度大に向けて表示されている。
そして、リプレイ(リプレイ1、リプレイ2)に当選してリプレイ図柄が揃うと、図84(a)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「再」の近傍を示すと共に、「再」の文字が表示される。同様に、ベル(ベル1、ベル2)に当選してベル図柄が揃うと、図84(b)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「5」の近傍を示すと共に、メダル払い出し枚数に相当する「5」が表示される。また、スイカに当選してスイカ図柄が揃うと、図84(c)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「9」の近傍を示すと共に、メダル払い出し枚数に相当する「9」が表示される。さらに、チェリーに当選してチェリー図柄が揃うと、図84(d)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が「12」の近傍を示すと共に、メダル払い出し枚数に相当する「12」が表示される。また、BBまたはRBに当選してBB図柄またはRB図柄が揃うと、図84(e)に示すようにボーナス期待度表示メータの針が振り切れるように「V」を示し、BBゲームまたはRBゲームが開始される。なお、BB図柄またはRB図柄が揃ったとしてもメダルの払い出し枚数はゼロであるものの、その後に遊技者に付与されるゲームの価値が大きいことから、ボーナス期待度表示メータの針が振り切れるように「V」を示すようにしている。
このように、リプレイ図柄または小役図柄が揃ったときに、賞として払い出されるメダルの枚数(リプレイ図柄が揃ったときは賞としてのメダルの払い出しがないのでゼロ枚と解する)に比例してボーナス期待度表示メータの針を表示することで、BBまたはRBに重複当選している期待度を、遊技者に定量的に教唆することが可能となる。
また、複数の小役とBBまたはRBとが重複して当選する場合もあるので(本実施形態でいえば、スイカとチェリーとBB(RB)とが重複当選している可能性がある)、目押しの技量によっては(つまり揃う小役図柄によっては)、相対的に期待度が高い小役図柄(チェリー)が揃うこともあれば、相対的に期待度が低い小役図柄(スイカ)が揃うこともある。これにより、同じ当選役でありながらもボーナス期待度表示メータに表示される期待度が遊技者操作如何で異なるため、相対的に期待度が高い小役図柄(チェリー)を揃えることができた場合には、遊技者がいかにも自らの力でBBまたはRBに当選させることができたような感覚を受けることとなり、興趣の低下を抑制できる。
ところで、上述した本実施形態の遊技機からは、以下の技術思想を把握できる。なお、以下の各技術思想は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。また、以下の各技術思想は、本実施形態を技術思想として表現しているため、本実施形態に記載の用語を上位概念化された用語で表現している。この上位概念化された用語については後述する。
[技術思想1]
技術思想1に記載の遊技機は、
複数種類の図柄を施した図柄帯が付された可動表示体を複数有した図柄変動表示装置を備えるとともに、遊技価値の投入と遊技者の始動操作に応じて当該複数の可動表示体の変動が開始されたのち、遊技者の停止操作に応じて当該複数の可動表示体に付された図柄帯上の図柄が図柄表示部に停止表示され、当該図柄表示部に停止表示される所定個数分の図柄群を1回のゲームの結果として表示する遊技機であって、
1回のゲームごとに、予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記可動表示体の回転を個々に停止させるべく個々の前記可動表示体について前記停止操作を受け付けることの可能な複数の停止操作部と、
前記複数の停止操作部にて停止操作が受けられると、前記停止操作の受け付けられた当該可動表示体ごとに前記内部抽選の結果に基づいて前記可動表示体の変動停止を制御する可動表示体停止制御手段と、
前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を前記複数の可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせのうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたときにその組み合わせを有効とする表示位置を決定する有効表示位置決定手段と、
全ての前記可動表示体が停止状態となると、前記有効表示位置決定手段により決定された前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたか否かを判定する表示図柄判定手段と、
前記表示図柄判定手段により前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたと判定された場合、当該当選役に対応する遊技価値を賞として付与する遊技価値付与手段と、
遊技の進行に応じて遊技状態を制御する遊技制御手段と、
所定の演出態様を表示可能な演出表示装置と、
前記演出表示装置における演出態様として、当該演出表示装置のほぼ全域を占める主画像を少なくとも表示制御可能な演出制御手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
常には、所定期間に消費される遊技価値の総数が相対的に多い通常遊技状態に遊技状態を制御する通常遊技制御手段と、
前記通常遊技状態に制御されているときに、1回のゲームの結果として前記図柄表示部に特別当選役に対応する図柄の組み合わせが表示された場合、所定条件が成立するまで遊技価値の付与される機会を増加させた特別遊技状態を第1の特典として付与する特別遊技付与手段と、
前記通常遊技状態に制御されているときに、当該通常遊技状態におけるゲームの実行回数が増加するのに伴って、所定期間に消費される遊技価値の総数が相対的に少ない有利遊技状態を第2の特典として付与可能な有利遊技付与手段と、を有しており、
前記演出制御手段は、
前記通常遊技状態に制御されているときに、遊技の進行に伴って相対的に高くなる前記有利遊技状態への移行の度合いに応じて各々異なる期待度を示す前記複数の主画像の何れかを所定タイミングで切り替えて表示する主画像切替手段と、
複数のゲームに亘って連続的に行なわれる連続演出を行なったのちに前記特別当選役への当選を導出する特別連続演出と、前記特別連続演出と同一または極似した連続演出を行なうにも拘らず前記特別当選役への当選を導出することなく終了する通常連続演出と、を実行可能な連続演出実行手段と、を備えており、
前記主画像切替手段は、前記連続演出実行手段により前記通常連続演出が行なわれた場合、前記所定タイミングとして当該通常連続演出が行なわれたのち、前記通常遊技状態における前記有利遊技状態への移行の度合いに基づいて前記主画像を切り替えて表示することを特徴とする。
技術思想1によれば、本発明の遊技機は、複数種類の図柄を施した図柄帯が付された可動表示体を複数備えた図柄変動表示装置を有している。そして、遊技価値の投入が行われた状態で遊技者によるゲームの開始操作(始動操作)が受け付けられると、この複数の可動表示体を変動(回転、移動など)させるとともに内部抽選を実行し、内部抽選の結果と遊技者による停止操作に基づいて図柄表示部では1回のゲームの結果が表示される。
すなわち、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行う(始動操作部)と、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられる(停止操作部)と、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。そして、図柄帯には複数種類の図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており、これにより図柄列が形成される。
図柄表示部内には、上記可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の表示態様となる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段によって行なわれる内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の当選結果とそれぞれの当選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に乱数の当たり値が割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
複数の当選役には、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものや、次回以降のゲームにまで結果が持ち越されるものを含めることができる。さらには、複数の結果に対応するものを含めてもよい。これは、つまり、1回の内部抽選で2つの当選役に当選するということである。このような当選役は、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。従って、これらのことを換言すると「当たり値には、1つの当選役に対応する当たり値(単独当たり値ともいう)と、複数の当選役に対応する当たり値(共有当たり値ともいう)がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」となる。
(遊技者により)可動表示体の停止操作が受け付けられると、受け付けられた順に当該可動表示体の回転停止の制御が行われる。このとき、各可動表示体は当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて停止制御されることになる(可動表示体停止制御手段)。
そして、各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる(有効表示位置決定手段)。この「有効となる表示位置(以下では、有効表示位置という)」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたか否かを判定する基準となる表示位置のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、上記表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
「有効表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。直線型以外の形の組み合わせとしては、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形が組み合わせとして挙げられる。
なお、有効表示位置は、上記の直線型及びV字型等を適宜組み合わせて複数としてもよいし、あるいは、これらのいずれか一つのみとしてもよい。さらには、遊技価値の掛け数に応じて有効表示位置を変更させるものとしてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の有効となる表示位置を変更させる」ということである。これにより、遊技価値の掛け数を増やすと有効表示位置が増加して所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を有効表示位置に表示できる可能性が高くすることができる(表示させやすくすることが可能となる)。また、遊技価値の掛け数を減らすと有効表示位置が減少して所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を有効表示位置に表示できる可能性が低くすることも可能である(表示させにくくすることが可能となる)。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の有効表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせが表示されたか否かを判定する(表示図柄判定手段)。ここで、当選役図柄の組み合わせとしては、全て同種類の図柄からなる組み合わせや、全て異なる種類の図柄からなる組み合わせ、少なくとも1組は同種類の図柄を含んだ複数の異なる種類の図柄からなる組み合わせ等がある。また、少なくとも1つの当選役図柄を所定個数(1個以上)だけ含むのみの組み合わせ(その他の図柄はどんな図柄であってもよい)も含まれる。これらの組み合わせが図柄表示部内の有効表示位置に表示されたと判定されると、当該当選役に対応した遊技特典が付与されることとなる。なお、以下では必要に応じて、任意の当選役図柄の組み合わせが図柄表示部内の有効表示位置に表示されたと判定された場合のことを、任意の当選役図柄が揃ったという。
そして、有効表示位置に当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されたと判定されると、当該当選役に対応する遊技価値を賞として付与される(遊技価値付与手段)。つまり、有効表示位置に当選役に対応する図柄の組み合わせが揃うと、当該当選役に対応する遊技価値(すなわち、当選役に応じたメダルの払い出しや再遊技など)が付与される。なお、内部抽選において当選役に当選していても、有効表示位置に当該当選役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されなければ、当該当選役に対応する遊技価値は付与されない(いわゆる、取りこぼし)。
また、遊技の進行に応じて遊技状態を制御する遊技制御手段を備えている。ここで、遊技状態としては、通常遊技状態(通常遊技制御手段により制御される遊技状態)、特別遊技状態(特別遊技制御手段により制御される遊技状態)、有利遊技状態(有利遊技制御手段により制御される遊技状態)がある。通常遊技状態は、所定期間に消費される遊技価値の総数が相対的に多い遊技状態である。特別遊技状態は、所定条件が成立するまで遊技価値の付与される機会を増加させた遊技状態である。有利遊技状態は、所定期間に消費される遊技価値の総数が相対的に少ない遊技状態である。
そして、本遊技機では、常には遊技状態が通常遊技状態に制御されるところ、この通常遊技状態で1回のゲームの結果として図柄表示部に特別当選役に対応する図柄の組み合わせが表示されると、第1の特典として特別遊技状態が付与される。また、この通常遊技状態で当該通常遊技状態におけるゲームの実行回数が増加するのに伴って、第2の特典として有利遊技状態が付与されうる。つまり、本遊技機は、標準的な遊技状態(通常遊技状態)に対して、特典として付与条件が異なる2つの遊技状態(特別遊技状態と有利遊技状態)が用意されている。
さらに、図柄変動表示装置とは異なる演出手段として、所定の演出態様を表示可能な演出表示装置を備えている。そして、この演出表示装置においては、当該演出表示装置のほぼ全域を占める主画像が演出態様として少なくとも表示制御可能である(演出制御手段)。もちろん、演出表示装置においては、主画像のみならず他の演出態様(例えば、キャラクタや文字などの表示)を表示してもよい。
「主画像」は、通常遊技状態に制御されているときに表示され、有利遊技状態へ移行する期待度を表示するものである。ここでは、あらかじめ複数の主画像が用意されており、各主画像は、現在制御されている通常遊技状態から有利遊技状態へ移行する度合いに応じて各々異なる期待度を示す。そして、演出表示装置に表示される主画像が、内部的な遊技状態に略対応するように、所定タイミングで複数の主画像のうちで最適なものに切り替えて演出表示装置に表示される(主画像切替手段)。
さらに、演出制御手段は、複数のゲームに亘って連続的に行なわれる連続演出を行なったのちに特別当選役への当選を導出する特別連続演出と、特別連続演出と同一または極似した連続演出を行なうにも拘らず特別当選役への当選を導出することなく終了する通常連続演出と、を実行可能である(連続演出実行手段)。つまり、本遊技機では、内部抽選によって特別当選役に当選すると、連続演出を経由して当該特別当選役への当選が遊技者に告知される(特別連続演出)。また、内部抽選によって特別当選役に当選していない場合でも、特別連続演出と同様の態様で連続演出が実行されうる(通常連続演出)。
特に、本遊技機では、通常連続演出が行なわれた場合、所定タイミングとして通常連続演出が行なわれたのち、通常遊技状態における有利遊技状態への移行の度合いに基づいて主画像が切り替えて表示される。つまり、演出表示装置に表示される主画像の切り替えは、通常連続演出を経由したのちに行なわれる。その結果、演出表示装置では連続演出が実行されると、当該連続演出ののちは特別当選役の当選告知および主画像の切り替えのいずれかの表示制御が実行されることになる。
ところで、従来のスロットマシンでは、ボーナスゲームの終了後に遊技者に有利な遊技状態(いわゆる、RT状態)を所定のゲーム回数(例えば、50回)付与することが知られている。しかし、これは、あくまでボーナスへの当選を前提とした付加的な特典であるRTゲームを付与するものであり、ボーナスに当選しない限り特典の付与がなく依然として単調な遊技が行なわれることとなり興趣が低下する問題があった。また、ボーナスゲーム終了後のRT状態中は、メダルを減らすことなくゲームを継続できるため興趣が維持されるが、当該RT状態の終了後は一転して遊技の興趣が低下し、遊技者の遊技を継続する意思を喪失させてしまっていた。
また、通常の遊技状態において、特定条件が成立すると(例えば、リールの有効ライン上に特定の図柄組み合わせ(出目)が停止表示されると)、遊技者に有利な遊技状態(リプレイ確率の高い有利RT状態)を付与することが知られている。一方、このような有利RT状態を頻繁に付与すると、RT状態という特典の価値が相対的に低くなることに加えて、遊技者とホールの均衡を保つためにボーナスの当選確率を全体として低く抑えざるを得ず、遊技全体としてボーナスに当選しにくい単調な遊技性となりがちであった。
そこで、通常の遊技状態において、所定条件が成立すると(例えば、リールの有効ライン上に所定の図柄組み合わせ(出目)が停止表示されると)、遊技者に不利な遊技状態(リプレイ確率の低い不利RT状態)を付与することが知られている。つまり、この不利RT状態を長期間付与することで、次のボーナス当選まで有利RT状態が発生しないようにして、遊技者とホールの均衡を保つことが知られている。しかし、かかる不利RT状態に移行すると、有利RT状態が期待できないことから遊技者の興趣が著しく低下してしまう問題があった。
本遊技機では、通常遊技状態においては、特別当選役に当選した場合には第1の特典として特別遊技状態が付与されるとともに、当該特別遊技状態が終了してから次の特別遊技状態までの間に、適切な頻度で第2の特典である有利遊技状態が付与されうる構成を有している。そのため、通常遊技状態および有利遊技状態では、第1の特典として特別遊技状態への期待感を維持しつつ遊技を行うことができるとともに、さらに遊技者の興趣が低下しがちな通常遊技状態では、周期的に第2の特典である有利遊技状態が付与されやすい状態に制御されるため、全ての遊技状態において興趣を維持できる遊技性を有している。
そして、通常遊技状態においては、連続演出を経たのちに第1の特典である特別遊技状態が付与される条件である特別当選役への当落が導出される。同様に、第2の特典である有利遊技状態が付与される期待度を示す主画像が、連続演出を経たのちに切り替えて表示される。そのため、連続演出が開始されると、遊技者はまず当該連続演出の結果として特別当選役の当選が導出されるのではないかと期待する。そして、当該連続演出の結果として特別当選役の当選が導出されないときでも、遊技者はさらに主画像が有利遊技状態の期待度がより大きいことを示すものに切り替わるのではないかと期待する。
ところで、従来では、複数ゲームに亘って行なわれる連続演出は、遊技者に大きな期待感を抱かせつつボーナスに当選したか否かを導出するための演出態様であった。しかし、このような従来の連続演出では、ボーナスに当選しなかったことが導出されると、かえって遊技者の落胆が大きくなり興趣が著しく低下していた。その点、本遊技機では、特別当選役への当選の有無と、有利遊技状態への期待度の変化とが、ともに連続演出を契機として導出される。そのため、連続演出では特別当選役への当選が導出される場合はもちろん、特別当選役への当選が導出されない場合であっても、さらに主画像が有利なものに変化するのではないかという期待感を抱くことができるので、遊技者の連続演出に対する期待や注目が極めて大きいものとなり興趣を向上させることができる。
[技術思想2]
技術思想2に記載の遊技機は、技術思想1に記載の遊技機において、
前記複数の当選役は、前記内部抽選にて当選すると一の小役のみが成立する単独当選役と、前記内部抽選にて当選すると一の小役および特別当選役が共に成立する共有当選役と、を含み、
前記連続演出実行手段は、前記内部抽選において前記単独当選役に当選した場合、当該単独当選役への当選により成立する小役が前記共有当選役にも含まれうるものであるときに、1回のゲームで完結する単演出に代えて前記通常連続演出を実行可能であることを特徴とする。
技術思想2によれば、複数の当選役は、内部抽選にて当選すると一の小役のみが成立する単独当選役と、内部抽選にて当選すると一の小役および特別当選役が共に成立する共有当選役と、を含んでいる。なお、「小役」とは、特別当選役およびハズレ役以外のメダルの払い出しのある当選役(例えば、ベル、スイカ、チェリーなど)をいうが、ここでは再遊技役(リプレイ)も含めた概念である。
具体的には、単独当選役は、当選すると一の小役(例えば、ベル)のみが成立するため、図柄表示部(詳細には、有効ライン)には当該一の小役に対応する図柄組み合わせ(例えば、ベル図柄)を揃えることはできるが、他の当選役に対応する図柄組み合わせを揃えることはできない。一方、共有当選役は、当選すると一の小役(例えば、ベル)とともに特別当選役(すなわち、ボーナス)が成立するため、図柄表示部(詳細には、有効ライン)には当該一の小役に対応する図柄組み合わせ(例えば、ベル図柄)と特別当選役に対応する図柄組み合わせ(例えば、ボーナス図柄)とのいずれかを選択的に揃えることが可能となる。
そして、内部抽選において単独当選役に当選した場合、当該単独当選役への当選により成立する小役が共有当選役にも含まれうるものであるときに、1回のゲームで完結する単演出に代えて通常連続演出が実行可能とされる。例えば、内部抽選においてベルの単独当選役に当選した場合に、他の当選役としてベルおよびボーナスが成立する共有当選役が存在するときは、単演出に代えて通常連続演出が実行されうるということである。なお、内部抽選において小役および特別当選役が成立する共有当選役に当選した場合には、先述の特別連続演出が実行されることとなる。
すなわち、本遊技機では、特別当選役と重複成立する可能性がある小役が成立する単独当選役に当選した場合に、通常連続演出を行なうことができるようにした。これにより、小役が成立した状態で連続演出が行なわれると、遊技者は図柄表示部には小役図柄が揃っていても内部的には特別当選役が重複当選している(すなわち、小役と特別当選役との共有当選役である)のではないかと推測して、当該連続演出ののちに特別当選役への当選が導出されることを期待するため、連続演出への期待と注目をより向上させることができる。
[技術思想3]
技術思想3に記載の遊技機は、技術思想2に記載の遊技機において、
前記小役は、前記単独当選役に含まれる割合に比べて前記共有当選役に含まれる割合が高いほど前記特別遊技状態が実行される期待度が大きい一方、前記単独当選役に含まれる割合に比べて前記共有当選役に含まれる割合が低いほど前記特別遊技状態が実行される期待度が小さく、
前記連続演出実行手段は、前記内部抽選において前記単独当選役に当選した場合、前記特別遊技状態への期待度が各々異なる複数の前記小役のうちで、当該特別遊技状態への期待度が大きい小役ほど、1回のゲームで完結する単演出に代えて前記通常連続演出を実行する割合が高いことを特徴とする。
技術思想3によれば、小役は、単独当選役に含まれる割合に比べて共有当選役に含まれる割合が高いほど特別遊技状態が実行される期待度が大きい一方、単独当選役に含まれる割合に比べて共有当選役に含まれる割合が低いほど特別遊技状態が実行される期待度が小さい。例えば、ベルについての単独当選役(ベル単独)と共有当選役(ベル+ボーナス)との当選割合を9:1とし、チェリーについての単独当選役(チェリー単独)と共有当選役(チェリー+ボーナス)との当選割合を1:9とした場合は、チェリーの方がベルよりも特別遊技状態が実行される期待度が大きい。
そして、内部抽選において単独当選役に当選した場合、特別遊技状態への期待度が各々異なる複数の小役のうちで、当該特別遊技状態への期待度が大きい小役ほど、1回のゲームで完結する単演出に代えて通常連続演出が実行される割合が高い。上記の例で言えば、内部抽選においてチェリーの単独当選役に当選したときの方が、スイカの単独当選役に当選したときよりも、通常連続演出が実行される割合が高いこととなる。
すなわち、本遊技機では、特別当選役と重複成立する比率が高い小役が成立する単独当選役に当選した場合に、通常連続演出を行なう割合が高まるようにした。これにより、小役が成立した状態で連続演出が行なわれると、遊技者は図柄表示部には小役図柄が揃っていても内部的には特別当選役が重複当選している可能性が極めて高い(すなわち、小役と特別当選役との共有当選役である)のではないかと推測して、当該連続演出ののちに特別当選役への当選が導出されることを強く期待するため、連続演出への期待と注目を著しく向上させることができる。
なお、上記実施形態における「スロットマシン1」が本発明の「遊技機」に相当する。上記実施形態における「リール帯351a,351b,351c」が本発明の「図柄帯」に相当する。上記実施形態における「リール301a,301b,301c」が本発明の「可動表示体」に相当する。上記実施形態における「図柄変動表示装置300」が本発明の「図柄変動表示装置」に相当する。上記実施形態における「ステップS3を実行する主制御基板409」が本発明の「内部抽選手段」に相当する。上記実施形態における「リール停止ボタン211a,211b,211c」が本発明の「停止操作部」に相当する。上記実施形態における「ステップS5を実行する主制御基板409」が本発明の「可動表示体停止制御手段」および「有効表示位置決定手段」に相当する。上記実施形態における「ステップS6を実行する主制御基板409」が本発明の「表示図柄判定手段」に相当する。上記実施形態における「ステップS7を実行する主制御基板409」が本発明の「遊技価値付与手段」に相当する。上記実施形態における「主制御基板409」が本発明の「遊技制御手段」に相当する。上記実施形態における「演出表示装置590」が本発明の「演出表示装置」に相当する。上記実施形態における「周辺制御基板510」が本発明の「演出制御手段」に相当する。上記実施形態における「図81に示す各ステージで表示される演出画像」が本発明の「主画像」に相当する。上記実施形態における「通常ゲーム」および「第1RTゲーム」が本発明の「通常遊技状態」に相当し、上記実施形態における「主制御基板409」が本発明の「通常遊技制御手段」に相当する。上記実施形態における「BBゲーム」および「RBゲーム」が本発明の「特別遊技状態」に相当し、上記実施形態における「主制御基板409」が本発明の「特別遊技付与手段」に相当する。上記実施形態における「第2RTゲーム」が本発明の「有利遊技状態」に相当し、上記実施形態における「主制御基板409」が本発明の「有利遊技付与手段」に相当する。上記実施形態における「周辺制御基板510」が本発明の「主画像切替手段」および「連続演出実行手段」に相当する。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。また、本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。