JP2009057313A - 植物の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の劣化防止と長期保存性をより一層向上させることが可能な植物の加工方法の提供。
【解決手段】植物基材の表面に液状のポリシラザン含有コーティング材の膜を形成し、ポリシラザンをシリカ転化してコーティング層を形成する。また、植物基材の表面に液状のポリシラザン含有コーティング材の膜を形成し、ポリシラザンをシリカ転化して一次コーティング層を形成し、当該一次コーティング層の上に有機材料の二次コーティング層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物の加工方法に関する。
従来、花、葉、草木等の植物を保存するための方法としては、ドライフラワーや押し花等が知られている。ドライフラワーや押し花は、生の植物を乾燥させて保存性を高める手法である。しかしながら、乾燥した植物であっても、再び吸湿して劣化することがあり、注意して保存する必要があった。
そこで、より保存性に優れた植物の保存方法として、合成樹脂等の石油化学系有機材料を主成分とする液状のコーティング材を植物の表面に塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、有機材料のコーティング層が少なからず通気性、水分透過性および/または吸湿性を有しているため植物が劣化し、また、コーティング材を構成する有機材料自体が湿気、熱、紫外線等の外因によって変質する場合があるため美観が損なわれてしまうという問題があった。
そこで、植物の劣化を防止し、植物の保存性を向上させる方法として、植物の表面に、加水分解可能な有機金属化合物と、反応触媒とを含む液状のコーティング材の膜を形成し、有機金属化合物を、反応触媒及び水の存在下でかつ60℃以下の温度で、加水分解、脱水縮合させて、ガラス化させる植物の加工方法を提案した(特許文献2参照。)。
特開2001−247402号公報
特開2006−206453号公報
しかしながら、特許文献2が開示する加工方法を各種の植物に適用したときに未解決のいくつかの問題点があることが判明した。第1に、特許文献2が開示する加工方法を適用した押し花において、加工から1年程度経過すると変色、褪色等の劣化が生じる場合があることが判明した。劣化した植物の表面を顕微鏡観察した結果、表面を覆っている薄いガラスの膜にクラックが入っていることがわかった。劣化の原因はこのクラックを通して湿気や酸素等が浸入したためと考えられる。
加えて、花材として乾燥押し花を用い、この押し花の表面に液状のコーティング材の塗膜を形成すると、希に変色してしまう場合があることがわかった。特許文献2が開示する好適なコーティング材は、金属アルコキシドと低級アルコールを含んでいるため、アルコール成分が押し花中の天然色素と反応して変色が起こるらしいことがわかった。
さらに、アルコール系のコーティング材であることによる別の問題点が、特定のプリザーブドフラワーで発生することがわかった。すなわち、生花の組織水をアルコールで置換させ、かつ染料を染みこませ、その後に自然乾燥させてなる染色処理したプリザーブドフラワーに、アルコール系のコーティング材を使用すると、アルコール成分が原因でプリザーブドフラワー中の染料成分が逆に染み出してしまう場合があることがわかった。
他方、特許文献2が開示する加工方法を適用した植物では、コーティング層の形成により人工的な光沢とパリパリとした固さが付与されるため、植物本来の自然な外観や風合いを好むユーザが少なからぬ違和感を覚えることがあった。
そこで本発明の目的は、上述の問題点を解消し、植物の劣化防止と長期保存性をより一層向上させる植物の加工方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、コーティング材の適用による意図しない植物の変色や色の染み出しを防止する植物の加工方法を提供することにある。
本発明のさらにもう一つの目的は、コーティングによって植物本来の自然な風合いや外観が損なわれることがない植物の加工方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの局面に係る植物の加工方法は、植物基材の表面に液状のポリシラザン含有コーティング材の膜を形成し、ポリシラザンをシリカ転化してコーティング層を形成することを特徴とする。
本発明に用いられる液状のポリシラザン含有コーティング材は、好適にはポリシラザンの有機溶剤溶液である。その主成分であるポリシラザンは、−(SiRNR)−の繰り返し単位を有するポリマーであり、環状構造、鎖状構造、または環状および鎖状の両構造のいずれの構造を有していてもよい。なお、上記繰り返し単位におけるRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基等を表し、Rがすべて同じでも異なっていても良い。本発明に用いられる最も好ましポリシラザンの一つは、このRがすべて水素原子からなるパーヒドロポリシラザン(PHPS)である。
上記ポリシラザン含有コーティング材は、低温でシリカ転化させるために、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、アミン類等の触媒を含んでいても良い。
本発明の好ましい一つの実施の形態によれば、コーティング材は、パーヒドロポリシラザンと非アルコール系の有機溶媒とを含んでいる。
また、コーティング材の膜は、液状のコーティング材を植物基材の表面に噴霧することにより形成することができる。本発明の加工方法は、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花、押し葉および押し草を含む加工された植物に好適であるが、生花、生葉および生草を含む生の植物に適用しても良い。
本発明の他の局面に係る植物の加工方法は、植物基材の表面に液状のポリシラザン含有コーティング材の膜を形成し、ポリシラザンをシリカ転化して一次コーティング層を形成し、当該一次コーティング層の上に有機材料の二次コーティング層を形成することを特徴とする。
本発明の方法に好適なポリシラザン含有コーティング材には市販品があり、例えば、AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社が製造販売するパーヒドロポリシラザンコーティング材「アクアミカ」(AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社の商品名)が現に入手可能である。これらのコーティング材は室温で液体であり、かつ植物への付着性も良く、基材表面上にコーティング材が塗布等により適用されたとき、加熱を要せずに常温での乾燥過程において空気中の水の存在下でパーヒドロポリシラザンがシリカ転化し、植物基材表面上に緻密なシリカ膜を形成する。上記したAZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社の「アクアミカ」製品のうち、パーヒドロポリシラザンを主成分とし、アミン系の触媒とキシレンまたはテルピンの溶媒とを含むNP110、NP140、SP140、およびUP140は、シリカ転化温度が常温から150℃と低く、本発明のポリシラザン含有コーティング材として特に好適である。
他方、一次コーティング層の上に形成する有機材料の二次コーティング層は、市販の有機材料系のコーティング材を用いて形成することができる。好適なコーティング材としては、シリコーン系のはっ水コーティング材、またはシリコーンとフッ素系ウレタンの混合系のはっ水・はつ油コーティング材があり、例えば「スコッチガード(TM)カサ用・はっ水、はつ油スプレー」(住友スリーエム株式会社製)がある。
本発明によると、ポリシラザンをシリカ転化して形成したコーティング層が、植物へ優れたガスバリア性を付与する。特許文献2が開示する従来の方法では、植物基材の表面に、金属アルコキシド例えばケイ素(Si)のアルコキシドを含んだ液状のコーティング材の膜を形成し、この膜を空気中で乾燥させ、この乾燥過程において膜中に取り込まれる水の存在下で、Siのアルコキシドを加水分解、脱水縮合し、コーティング材の膜をシリカ(SiO2 )転化させていた。この方法で形成されるコーティングの膜は、既に述べたとおりクラックが入りやすいものであった。これに対し、本発明の方法によると、ポリシラザン、例えばパーヒドロポリシラザン(PHPS)を含んだ液状のコーティング材の膜を形成し、この膜を空気中で乾燥させ、この乾燥過程において膜中に取り込まれる水の存在下で、環状または鎖状の分子構造中の窒素原子に代わって酸素原子が取り込まれ、重量増加を伴いながらシリカ転化してゆくものである。このシリカ転化反応は次式で表される。
−(SiHNH)− + 2HO → SiO + NH + 2H
ポリシラザンにおける上記のシリカ転化反応は重量収率が100%を超える(上記パーヒドロポリシラザンでは60/45=133%)反応となるため、クラックの入らない緻密な膜の形成が可能である。特に、ポリシラザンをシリカ転化して形成したコーティング層が植物へ優れたガスバリア性を付与するので、外部の湿気、酸素等が長期間にわたり完全に遮断されるため、これらの外因による花の劣化(花の変色や褪色等)が防止され、保存性を著しく高めることができる。
例えば、基材である生花をエチルアルコール等の低級アルコールに浸漬することで生花の組織水をアルコールで置換させ、その後に自然乾燥させたプリザーブドフラワーは、比較的長期の保存が可能とされている花材の一つである。しかしながら、プリザーブドフラワー中のアルコール分が揮発する一方、空気中の湿気が吸収されることにより、時の経過とともに徐々に劣化してゆく。しかるに本発明により、ポリシラザンをシリカ転化してコーティング層とすると、クラックの入らない緻密な膜が形成され、優れたガスバリア性を付与するので、花材と外気との間の物質の交換が遮断され、花材に残留されるべきアルコール等の有効成分の揮発や、花材の長期保存上好ましくない湿気、酸素等の吸収を、完全に防止する効果が得られる。
加えて、ポリシラザンは、OH(水酸基)を持つ物質と反応してシリカ転化されるため、アルコール系有機溶媒等の水を溶解する溶媒はコーティング材用の溶媒として適さないことになる。このことは、染色処理したプリザーブドフラワーへ適用したときに、コーティング材中のアルコール成分を原因として染料成分の染み出しが生じるという従来技術の問題を本質的に回避することができるので、特に有利である。なお、ポリシラザン含有コーティング材に使用する非アルコール系の有機溶媒としては、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒や、ミネラルターペンを含むミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素がある。
さらに、本発明によって植物基材にコーティングを施した場合、花の風合いや自然の外観が損なわれない。例えばドライフラワーに、特許文献2が開示する従来の方法を適用すると、コーティング材が乾燥した(溶媒揮発後)後も人工的な光沢が明らかに認められたのに対し、本発明の方法を適用したときには、コーティング材が乾燥するともとの花材の外観に戻り、肉眼では外観上の違いはまったく認められない。
ポリシラザンは非常に活性であり、基材成分のOH、COOH等の官能基と化学結合するため、高い密着性が得られ、それ自体「プライマ」としても使用できるものである。したがって、植物基材の表面組織にOHや有機成分が存在すること等により、植物基材とコーティング層との高い密着性が得られるものと考えられる。またかかる密着性ゆえに、コーティング層の有無による外観上の違いが認められないものと考えられる。
また、特許文献2が開示する従来の方法ではパリパリとした固さが付与されたのに対し、本発明の方法を適用すると、意外なことにドライフラワーや押し花には柔軟性が付与され、しかも、その柔軟性が長期間保持されることがわかった。したがって、乾燥してパリパリした従来のドライフラワーや押し花に起こりがちな、外的衝撃による割れ等の破損が極めて生じにくいため、密封無しでの長期保存により一層適した加工植物を提供することができる。
ポリシラザンをシリカ転化した一次コーティング層の上に有機材料の二次コーティング層を形成すると、花材の変形にも良く追従することが可能なフレキシブルな複合コーティング層を得ることができる。二次コーティング層に使用する有機材料としては、シリコーン、フッ素系ウレタン等の各種の樹脂組成物がある。
上記した本発明の目的および利点並びに他の目的および利点は、以下の実施の形態の説明を通じてより明確に理解される。もっとも、以下に記述する実施の形態は例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明に係る植物の加工方法の好ましい実施の形態を説明する。ここで、被加工対象とした植物は、花材、すなわちドライフラワー、プリザーブドフラワー、乾燥押し花、乾燥リーフ(葉っぱ)等の加工された花、葉、もしくは草である。
<花材の前処理>
花材への前処理は必ずしも必要としない。表面に水や有機溶剤が付着しているときは、それらを乾燥等により除去しておく。
<ポリシラザン含有コーティング材の膜の形成>
花材の表面にポリシラザン含有コーティング材の膜を形成する場合、好適には液状のコーティング材を噴霧する方法により行うことができるが、これに限定されるものではなく、液状のコーティング材を刷毛により塗布方法、もしくは液状のコーティング材に浸す方法その他の方法により行っても良い。液状のポリシラザン含有コーティング材の好ましい一例である「アクアミカ」(AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社の商品名)には、エアーゾル(スプレー缶)タイプ(例えば「アクアミカ NP140−01 防汚コーティングスプレー1.0%」)が市販されている。花材表面から所定間隔、例えば15cm〜20cm離れたところから液状のコーティング材を噴霧して、ムラのない均等な塗膜を形成する。押し花、リーフ(葉っぱ)等の平たい形状の花材に対しては片面または両面に所定時間噴霧する。他方、ドライフラワー、プリザーブドフラワー等の立体形状の花材に対しては、花材表面に満遍なく塗膜が形成されるように各方向から噴霧する。噴霧した直後は液状のコーティング材の膜を視認することができるので、膜の形成具合に注意しながら作業を行う。
ポリシラザン含有コーティング材の膜は一層のみ形成することでもよいが、コーティング材を噴霧して一層目の膜を形成した後に、2度目の噴霧をして2層目の膜を形成することにより2層構造の膜を形成し、またはこれを繰り返して3層以上の多層膜を形成するようにしても良い。
なお、ポリシラザン含有コーティング材には、さらなる付加的機能を持たせるための物質を適宜添加しても良い。例えば、花材へのカビの発生を積極的に抑制するために、抗菌物質例えば銀の超微粒子を分散させても良い。
<シリカ転化>
既に述べたとおり、ポリシラザンは所定の反応触媒の存在下で常温でもシリカ転化可能である。例えばアミン系の反応触媒を含有する「アクアミカ」NP110、NP140、SP140、およびUP140(AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社製)では、常温において約2週間でシリカ転化する。また、50℃・湿度90%の高温多湿環境下では、3時間でシリカ転化する。
なお、本発明は、コーティング材の膜に含まれているポリシラザンが100%シリカ転化しないと所期の効果が得られないというものではなく、常温放置により徐々にシリカ転化する場合でも、植物の保存性に関わる上述の効果を奏することができる。
<二次コーティング層の形成>
その花材が変形する等の外力や衝撃が与えられる可能性があるときには、花材表面に、ポリシラザンをシリカ転化して一次コーティング層を形成した後に、その一次コーティング層の上に有機材料の二次コーティング層を形成することがより好ましい。ポリシラザンをシリカ転化させた一次コーティング層は、それ自体クラックが入らない緻密な膜であるが、シリカ転化反応が進むに従って膜の硬度が増すので、長期間経過後に花材を変形させると、コーティング層にクラックが入り、ガスバリア性が低下するおそれがある。そこで、一般に柔軟性の優れた有機材料の二次コーティング層をさらに設けることにより、花材の変形にも良く追従することが可能なフレキシブルな複合コーティング層を得ることができる。
二次コーティング層は、例えば、液状のポリシラザン含有コーティング材を噴霧して膜を形成し、10分程度常温放置して乾燥させた後に、シリコーン系のはっ水コーティング材を噴霧して形成することができる。この場合、一次コーティング層の上に可能な限り均一な二次コーティング層が形成されるよう留意する。
以下、本発明の実施例を説明するが、これらは例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
花材にドライフラワーを用い、コーティング材としてパーヒドロポリシラザン含有のコーティング材「アクアミカ NP140−01」(AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社製。以下同様。)を用いた。
ドライフラワーの表面にほぼ均一にコーティング材をスプレー塗布し、室温(24℃)の室内で自然乾燥させた。コーティング材は数分で指触乾燥した。このコーティング作業を3回行った。コーティング後のドライフラワーの外観については、コーティング層は無色透明で光沢もなく、肉眼ではコーティング層の有無を判別することが困難であり、ドライフラワー本来の自然な外観はまったく損なわれなかった。
同様に花材にドライフラワーを用い、コーティング材「アクアミカ NP140−01」を1回コーティングした。次いで、有機材料系のコーティング材「スコッチガード(TM)カサ用・はっ水、はつ油スプレー」(住友スリーエム株式会社製。以下同様)をスプレーして、二次コーティングした。コーティング後のドライフラワーの外観は、肉眼ではコーティング層の有無を判別することができないものであった。
同様に花材にドライフラワーを用い、コーティング材「アクアミカ NP140−01」を片面(おもて面)のみに3回コーティングした。コーティング後のドライフラワーの外観は、肉眼ではコーティング層の有無を判別することができないものであった。
比較例1
同様に花材にドライフラワーを用い、有機材料系のコーティング材「スコッチガード(TM)カサ用・はっ水、はつ油スプレー」のみを全体に均一になるようにスプレーして1回コーティングした。
これら実施例1から実施例3のコーティングしたドライフラワーと、比較例1のはっ水、はつ油スプレーコーティングしたドライフラワーとを、比較用のコーティングなしのドライフラワーとともに、40℃、湿度90%の雰囲気下に11日間置いて湿潤変化を観察した。
実施例1の試料では花弁にわずかにカビが発生したが、褪色はほとんど認められず、保存状態は良好であった。
実施例2の試料では花弁でのカビの発生をほぼ完全に防止することができた。また褪色はなく、保存状態は極めて良好であった。
実施例3の試料では、実施例1よりもわずかに多めにカビの発生が認められたが、褪色はなく保存状態は良好であった。すなわち、片面コーティングの場合でも、湿潤による劣化防止効果、長期保存効果に優れることがわかった。
比較例1の資料では、色が変色し、また独特の模様が生じた。
なお、比較用のコーティングなしの試料は萎びて変形し、腐りかけた花弁には大量のカビが発生し、全体にわたって褪色が見られた。
花材に乾燥押し花(ラクスパー、キバナコスモス、ビオラ、バラ、リーフ)を用い、コーティング材「アクアミカ NP140−01」を表裏に1回ずつコーティングした。コーティング後の押し花の外観は、肉眼ではコーティング層の有無を判別することができないものであった。
実施例4の試料を、比較用のコーティングなしの押し花と共に、空気中に1ヶ月間置いた。比較用のコーティングなしの試料では、ピンク、黄色、オレンジ、(葉の)緑、紫の色で褪色が認められたが、コーティングした実施例4の試料では褪色は認められなかった。
花材にドライフラワー(バラ)を用い、コーティング材「アクアミカ NP140−01」を全体に均一になるようにスプレーして1回コーティングした。コーティング後のドライフラワーの外観は、肉眼ではコーティング層の有無を判別することができないものであった。
実施例5の試料を、比較用のコーティングなしのドライフラワーと共に、常温高湿の室内に1ヶ月間置いた。比較用のコーティングなしの試料では、ピンク、紫の色で褪色が認められたが、コーティングした実施例5の試料では褪色は認められなかった。
花材に染色処理したプリザーブドフラワー(バラ)を用い、コーティング材「アクアミカ NP140−01」(AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社の商品名)を全体に均一になるようにスプレーして1回コーティングした。コーティング後のプリザーブドフラワーの外観は、肉眼ではコーティング層の有無を判別することができないものであった。
実施例6の試料を、比較用のコーティングなしのプリザーブドフラワーと共に、常温高湿の室内に1ヶ月間置いた。比較用のコーティングなしのプリザーブドフラワーでは染料の染み出しが認められたが、コーティングした実施例6の試料では染料の染み出しは認められなかった。
本発明の植物の加工方法は、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花、押し葉および押し草を含む加工された植物、または生花、生葉および生草を含む生の植物に使用して、密封無しでの長期保存性を付与するうえで好適である。

Claims (12)

  1. 植物基材の表面に液状のポリシラザン含有コーティング材の膜を形成し、ポリシラザンをシリカ転化してコーティング層を形成することを特徴とする植物の加工方法。
  2. 前記コーティング材は、パーヒドロポリシラザンと非アルコール系の有機溶媒とを含むことを特徴とする請求項1記載の植物の加工方法。
  3. 液状のコーティング材を植物基材の表面に噴霧することにより膜を形成することを特徴とする請求項1または2記載の植物の加工方法。
  4. 前記植物基材は、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花、押し葉および押し草を含む加工された植物、並びに、生花、生葉および生草を含む生の植物のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の植物の加工方法。
  5. 植物基材の表面に液状のポリシラザン含有コーティング材の膜を形成し、ポリシラザンをシリカ転化して一次コーティング層を形成し、当該一次コーティング層の上に有機材料の二次コーティング層を形成することを特徴とする植物の加工方法。
  6. 前記コーティング材は、パーヒドロポリシラザンと非アルコール系の有機溶媒とを含むことを特徴とする請求項5記載の植物の加工方法。
  7. 液状のコーティング材を噴霧することにより植物基材の表面にコーティング材の液状膜を形成することを特徴とする請求項5または6記載の植物の加工方法。
  8. 前記植物基材は、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花、押し葉および押し草を含む加工された植物、並びに、生花、生葉および生草を含む生の植物のいずれかであることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の植物の加工方法。
  9. 植物基材の表面に、ポリシラザン含有コーティング材のポリシラザンをシリカ転化して形成したコーティング層を有することを特徴とする加工植物。
  10. 植物基材の表面に、ポリシラザン含有コーティング材の前記ポリシラザンをシリカ転化して形成した一次コーティング層と、前記一次コーティング層の上に形成した有機材料の二次コーティング層とを有することを特徴とする加工植物。
  11. ポリシラザン含有コーティング材はパーヒドロポリシラザンを含むことを特徴とする請求項9または10記載の加工植物。
  12. 前記植物基材は、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、押し花、押し葉および押し草を含む加工された植物、並びに、生花、生葉および生草を含む生の植物のいずれかであることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の加工植物。
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