JP2009056408A - 二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置 - Google Patents

二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を同時に且つ簡便に行うことが可能な二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置を提供する。
【解決手段】微細藻類1及びこの微細藻類1の培地となる不純物を含む原水2と、二酸化炭素を含む気体3とを収容する透明容器4を太陽光Sの照射下に設置し、太陽光Sの照射による微細藻類1の光合成で気体3の二酸化炭素を微細藻類1に固定させるとともに、太陽熱によって原水2を蒸発させ、この原水2の水蒸気Mを気体3とともに透明容器4から外部に導出して凝縮させることによって淡水M’を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を同時に行う二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置に関する。
砂漠地帯、発展途上国、離島、大量の淡水を必要とする工業地帯など、例えば河川や湖沼等の淡水源がないあるいは十分に確保できず、気候特性によって雨水に依存することもできず、慢性的または季節的に深刻な水不足が生じる地域が多々存在する。また、近年、このような水不足を生じる地域が拡大する傾向にあり、二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化がその一つの要因であると推察されている。
そして、このような地域の一部では、大量に存在する海水を処理して淡水を造りだすことが行われており、この淡水製造方法として、化石燃料などを用いて海水を熱し蒸発させるとともに水蒸気を再び冷却して凝縮し、蒸留によって淡水を製造する方法や、圧力をかけて中空糸膜やスパイラル膜などの逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Membrane)に海水を通し、海水の塩分を濃縮しつつ淡水を漉し出す方法などが用いられている。
一方、地球規模で進行する温暖化を防止するために、大気中あるいは化石燃料を燃焼させた排ガスからの二酸化炭素の回収が必要とされている。そして、近年、光合成によって糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質を自ら作り出すことから食品産業、医薬品産業、飼料産業などでその有用性が注目されている微細藻類を利用し、この微細藻類の光合成によって二酸化炭素を固定することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。例えば、透明容器内に微細藻類を収容し、太陽光の照射下で透明容器に二酸化炭素を含む大気や排ガスを供給して、微細藻類の光合成によって二酸化炭素を固定することが提案されている。
特開平10−314546号公報 特開平8−9963号公報 特表平11−509402号公報
ところで、上記の蒸留による淡水製造方法においては、大量の淡水を造りだすことが可能であり、且つ海水の水質に影響されにくいという利点を有する反面、熱効率が悪く、大量のエネルギーを投入する必要がある。このため、淡水を製造する造水コストが高く、さらに化石燃料を用いた場合には、淡水を得るために大量の二酸化炭素が排出されるという問題があった。また、逆浸透膜を用いる方法においても、海水を逆浸透膜に高圧力で加圧する必要があるため、耐圧性に優れた逆浸透膜が必要になるとともに、その造水効率が低く、やはり造水コストが高いという問題があった。このため、二酸化炭素を排出させることなく、且つ造水コストを低減して、簡便に海水から淡水を製造できる手法が強く望まれていた。
また、特に、大量の二酸化炭素を排出するとともに大量の淡水を必要とする例えば発電所や工場、大量の二酸化炭素を排出し且つ淡水の水不足が生じている石油産出国の石油プラントなどにおいては、二酸化炭素の固定と淡水の造水がともに必要とされており、二酸化炭素の固定と淡水の造水を同時に行える手法が強く望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑み、太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を同時に且つ簡便に行うことが可能な二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法は、微細藻類及び該微細藻類の培地となる不純物を含む原水と、二酸化炭素を含む気体とを収容する透明容器を太陽光の照射下に設置し、前記太陽光の照射による前記微細藻類の光合成で前記気体の二酸化炭素を前記微細藻類に固定させるとともに、太陽熱によって前記原水を蒸発させ、該原水の水蒸気を前記気体とともに前記透明容器から外部に導出して凝縮させることによって淡水を製造することを特徴とする。
この発明においては、例えば海水や汽水、廃水、排水などの原水に微細藻類を混入して透明容器に収容し、さらに透明容器に例えば大気や排ガスなどの二酸化炭素を含む気体を収容した状態で、太陽光がこの透明容器を透過して内部の微細藻類に照射されることによって、気体から原水に溶け込んだ二酸化炭素を微細藻類の光合成の明反応で微細藻類に固定することができ、順次気体から原水に二酸化炭素が溶け込んで微細藻類に固定されてゆくことによって、気体から二酸化炭素を除去することが可能になる。
また、このように気体の二酸化炭素を微細藻類に固定すると同時に、透明容器内の原水が太陽熱で熱せられて蒸発し、この原水の水蒸気が気体中に拡散してゆく。このため、原水の水蒸気を気体とともに透明容器から外部に導出し、気体とともに水蒸気を冷却したり圧縮するなどして凝縮させることで淡水を得ることができる。
これにより、太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を簡便に且つ同時に行うことが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記二酸化炭素を固定した前記微細藻類を前記透明容器から藻培養槽に回収し、該藻培養槽で光合成の暗反応によって生成され、前記微細藻類の体外に放出された藻体外生産物質を回収することが望ましい。
この発明においては、太陽光の照射による光合成の明反応によって二酸化炭素を固定した微細藻類を透明容器から藻培養槽に回収し、例えば夜間に光合成の暗反応によって、二酸化炭素を糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質に変換させる。そして、光合成によって余剰に生成された一部の有用物質を微細藻類の体外に放出させ、この放出した有用物質(藻体外生産物質)を回収することが可能になる。これにより、二酸化炭素の固定と淡水の製造を行うとともに、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質を生産することも可能になる。
さらに、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記藻培養槽で前記藻体外生産物質を回収した後の前記微細藻類を前記透明容器に返送することがより望ましい。
この発明においては、藻体外生産物質を回収した後の微細藻類を藻培養槽から透明容器に返送することによって、微細藻類を再度二酸化炭素の固定に利用することができ、このように透明容器から藻培養槽、藻培養槽から透明容器に微細藻類を循環させることによって、効率的に二酸化炭素の固定や藻体外生産物質の回収を行うことが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、光合成によって増殖した余剰微細藻類を回収し、光合成の暗反応によって生成された前記余剰微細藻類の藻体内生産物質を回収することがさらに望ましい。
この発明においては、透明容器や藻培養槽で増殖した余剰微細藻類を回収し、光合成の暗反応によって生成され、この余剰微細藻類の体内に蓄積されている糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質(藻体内生産物質)を抽出し回収することで、二酸化炭素の固定と淡水の製造を行うとともに、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質を生産することが可能になる。
さらに、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記水蒸気を前記気体とともに前記透明容器から熱交換器に導出させ、該熱交換器で冷却して凝縮させることが望ましい。
この発明においては、太陽熱によって透明容器の内部で蒸発した原水の水蒸気を気体とともに熱交換器に導出させ、この熱交換器で冷却して凝縮させることによって、確実に淡水を製造することが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記原水及び前記気体をそれぞれ、前記透明容器の外部から連続的あるいは間欠的に前記透明容器内に供給することが望ましい。
この発明においては、太陽熱によって透明容器の内部で原水が蒸発することによって、例えば原水が海水や汽水の場合には塩分濃度が上昇するなど、不純物の濃度が上昇することになるが、原水を順次外部から透明容器内に供給することで不純物の濃度を微細藻類の生育に適した濃度に維持することが可能になる。一方、二酸化炭素を含む気体を順次外部から透明容器内に供給することにより、透明容器内に気体を流通させながら二酸化炭素を微細藻類に固定させることが可能になり、二酸化炭素が除去され且つ原水の水蒸気を含む気体を順次透明容器から外部に導出して淡水を製造することが可能になる。これにより、二酸化炭素の固定と淡水の製造を効率的に行うことが可能になる。
さらに、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記透明容器の外部から前記気体を前記透明容器内の前記原水中に供給することがより望ましい。
この発明においては、透明容器の外部から透明容器内に二酸化炭素を含む気体を供給する際に、例えば原水中に設置した散気装置などを通じて原水中に透明容器内に気体を供給することによって、透明容器内の原水を曝気しながら気体を供給することが可能になり、原水中に確実且つ効率的に二酸化炭素を溶け込ませることが可能になる。これにより、微細藻類による二酸化炭素の固定を効率的に行うことが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記透明容器内の前記気体を前記透明容器内の前記原水に吹き込む、あるいは前記透明容器内の前記原水を撹拌することがさらに望ましい。
この発明においては、例えば原水中に設置した散気装置を用いるなどして透明容器内の気体を透明容器内の原水に吹き込んだり、撹拌翼などを用いて透明容器内の原水を撹拌して、透明容器内の原水を透明容器内の気体で曝気することによって、気体中の二酸化炭素を原水中に確実且つ効率的に溶け込ませることが可能になる。これにより、微細藻類による二酸化炭素の固定を効率的に行うことが可能になる。
さらに、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記微細藻類の生育条件に合わせるように前記原水のpHを調整することが望ましい。
この発明においては、使用する微細藻類の生育条件に合わせて原水のpHを調整することで、好適に微細藻類を生育させて二酸化炭素の固定を行うことが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法においては、前記透明容器内の前記気体を収容している気相部を外部に対して負圧にすることがさらに望ましい。
この発明においては、透明容器内の気相部を例えば真空ポンプなどを用いて負圧にすることによって、太陽熱で加熱される原水温度が低い状態で原水を蒸発させることが可能になり、効率よく原水を蒸発させ、効率的に淡水を製造することが可能になる。また、このように原水温度が低い状態で原水を蒸発させることで、太陽熱による原水の温度上昇を抑えることが可能になり、微細藻類の生育可能な温度を超えて原水が加熱されることを防止し得る。これにより、微細藻類の選択の自由度を高めることが可能になる。
本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造装置は、微細藻類及び該微細藻類の培地となる不純物を含む原水と、二酸化炭素を含む気体とを収容する透明容器を備えており、該透明容器が太陽光の照射下に設置され、前記太陽光の照射による前記微細藻類の光合成で前記気体の二酸化炭素を前記微細藻類に固定し、太陽熱によって蒸発した前記原水の水蒸気を前記気体とともに前記透明容器から外部に導出して凝縮させることによって淡水を製造するように構成されていることを特徴とする。
この発明においては、例えば海水や汽水、廃水、排水などの原水に微細藻類を混入して透明容器に収容し、さらに透明容器に例えば大気や排ガスなどの二酸化炭素を含む気体を収容した状態で、太陽光がこの透明容器を透過して内部の微細藻類に照射されることによって、気体から原水に溶け込んだ二酸化炭素を微細藻類の光合成の明反応で微細藻類に固定することができ、順次気体から原水に二酸化炭素が溶け込んで微細藻類に固定されてゆくことによって、気体から二酸化炭素を除去することが可能になる。
また、このように気体の二酸化炭素を微細藻類に固定すると同時に、透明容器内の原水が太陽熱で熱せられて蒸発し、この原水の水蒸気が気体中に拡散してゆく。このため、原水の水蒸気を気体とともに透明容器から外部に導出し、この気体とともに水蒸気を冷却したり圧縮するなどして凝縮させることで淡水を得ることができる。
これにより、太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を簡便に且つ同時に行うことが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造装置においては、前記透明容器に繋がる藻培養槽を備えており、前記二酸化炭素を固定した前記微細藻類を前記透明容器から前記藻培養槽に回収し、該藻培養槽で光合成の暗反応によって生成されて前記微細藻類の体外に放出された藻体外生産物質を回収するように構成されていることが望ましい。
この発明においては、太陽光の照射による光合成の明反応によって二酸化炭素を固定した微細藻類を透明容器から藻培養槽に回収し、例えば夜間に光合成の暗反応によって、二酸化炭素を糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質に変換させる。そして、光合成によって余剰に生成された一部の有用物質を微細藻類の体外に放出させ、この放出した有用物質(藻体外生産物質)を回収することが可能になる。これにより、二酸化炭素の固定と淡水の製造を行うとともに、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質を生産することも可能になる。
さらに、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造装置においては、前記藻培養槽で前記藻体外生産物質を回収した後の前記微細藻類を前記透明容器に返送するように構成されていることがより望ましい。
この発明においては、藻体外生産物質を回収した後の微細藻類を藻培養槽から透明容器に返送することによって、微細藻類を再度二酸化炭素の固定に用いることができ、このように透明容器から藻培養槽、藻培養槽から透明容器に微細藻類を循環させることによって、効率的に二酸化炭素の固定や藻体外生産物質の回収を行うことが可能になる。
また、本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造装置においては、前記透明容器に繋がる熱交換器を備えており、該熱交換器によって前記気体とともに前記透明容器から導出した前記水蒸気を冷却して凝縮させることがさらに望ましい。
この発明においては、太陽熱によって透明容器の内部で蒸発した原水の水蒸気を気体とともに熱交換器に導出させ、この熱交換器で冷却して凝縮させることによって、確実に淡水を製造することが可能になる。
本発明の二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置によれば、太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を同時に行うことが可能になる。これにより、簡便に且つ効率的に二酸化炭素の固定と淡水の製造を行うことができ、二酸化炭素の固定及び淡水の製造を低コストで行うことが可能になる。また、微細藻類の光合成によって生成した有用物質を回収し利用することも可能になるため、さらなる経済性の向上を図り、有用性を高めることが可能になる。
以下、図1を参照し、本発明の一実施形態に係る二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置について説明する。本実施形態は、太陽光及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水の製造を同時に且つ簡便に行うことが可能な二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置に関するものである。ここで、本実施形態においては、不純物を含む原水を、塩分を含む海水とし、二酸化炭素を含む気体が例えば化石燃料を燃焼させて工場の煙突などから排出される二酸化炭素を含む排ガスであるものとして説明を行う。
本実施形態の二酸化炭素固定兼淡水製造装置Aは、図1に示すように、微細藻類1及びこの微細藻類1の培地となる海水2と排ガス3とを収容する透明容器4と、透明容器4内の気相部4aに繋がる熱交換器5と、透明容器4内の液相部4bに繋がる藻培養槽6と、藻培養槽6に繋がる回収装置7とを備えて構成されている。
透明容器4は、例えばガラスや樹脂などを用いて透明の矩形箱状に形成されており、この透明容器4の一側面4cには、上端側に排ガス3を内部(気相部4a)に供給するための気体流入口8が、下端側に海水2を内部(液相部4b)に供給するための原水流入口9がそれぞれ設けられている。また、一側面4cと対向する他側面4dには、上端側に透明容器4の内部(気相部4a)から排ガス3を外部に排出(導出)するための気体流出口10が、下端側に透明容器4の内部(液相部4b)から微細藻類1を含む海水2を外部に排出するための原水流出口11がそれぞれ設けられている。
熱交換器5は、第1配管12を介して透明容器4の気体流出口10に繋げられており、気体流出口10及び第1配管12を通じて透明容器4の気相部4aから外部に導出して供給された排ガス3を冷却する。
藻培養槽6は、第2配管13を介して透明容器4の原水流出口11に繋げられており、原水流出口11及び第2配管13を通じて透明容器4の液相部4bから外部に排出して供給された微細藻類1を含む海水2を一時的に貯留する。また、藻培養槽6は、透明容器4の一側面4cの下端側に設けられた微細藻類返送口14に第3配管15を介して繋げられており、この第3配管15及び微細藻類返送口14を通じて、藻培養槽6内に貯留した微細藻類1を海水2とともに透明容器4の液相部4bに返送可能に設けられている。さらに、本実施形態では、透明容器4の原水流出口11と藻培養槽6とを繋ぐ第2配管13に、例えば弁などを介して第2配管13を分岐するように第4配管16が接続されており、透明容器4の液相部4bから外部に排出した微細藻類1を含む海水2を選択的に藻培養槽6ではなく第4配管16を通じて外部に排出可能とされている。
回収装置7は、第5配管17を介して藻培養槽6に接続されており、藻培養槽6に貯留した微細藻類1を含む海水2が第5配管17を通じて供給されるとともに、例えばフィルターによって微細藻類1と海水2を分離可能に構成されている。
ここで、微細藻類1は、光合成によって二酸化炭素を取り込み、この二酸化炭素を糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質に変換して独立栄養を営む光合成微生物であり、本実施形態では、この微細藻類1として例えばガルディエラ、ドナリエラ、スピルリナなどが適用される。また、微細藻類1は、その種によって生育条件や光合成によって生成する有用物質が異なり、例えば、ガルディエラは、高温耐性で50℃程度まで生育可能であり、高濃度の二酸化炭素、低pH環境でも生育可能である。ドナリエラは、高塩分耐性であり、体内に各種タンパク質やβカロチンを多く含んでいる。スピルリナは、30〜40℃が最適な生育温度とされ、高pH環境でも生育可能であり、体内に各種ビタミンやβカロチンを多く含んでいる。
このため、本発明に係る二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置Aにおいては、原水2の水質、温度などを考慮して、単一あるいは複数種の微細藻類1を選択的に適用することになる。また、本実施形態においては、適用する微細藻類1のpH耐性に適合するように、すなわち微細藻類1の生育条件を確保するために、必要に応じて海水(原水)2のpHを調整する。
ついで、上記構成からなる本実施形態の二酸化炭素固定兼淡水製造装置Aを用いて二酸化炭素を固定するとともに淡水を製造する方法について説明し、本実施形態の二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置Aの作用及び効果について説明する。
はじめに、日中、太陽光Sが照射される場所(太陽光Sの照射下に位置する場所)に透明容器4を設置し、各配管12、13、15、16、17を設置して、熱交換器5、藻培養槽6を透明容器4に、回収装置7を藻培養槽6に繋げて設置する。そして、必要に応じて海水2のpHを調整するとともに例えば窒素、リンなどの栄養源を添加し、この海水2に微細藻類1を混入して透明容器4の内部(液相部4b)に収容する。ついで、例えば工場の煙突などから排出された二酸化炭素を含む排ガス3を気体流入口8から透明容器4の内部(気相部4a)に供給する。
このように微細藻類1を含む海水2及び二酸化炭素を含む排ガス3をそれぞれ透明容器4に収容した状態で、透明容器4の外側から照射された太陽光Sがこの透明容器4を透過して内部に照射される。これにより、微細藻類1の光合成の明反応が生じ、気相部4aの排ガス3から液相部4bの海水2に溶け込んだ二酸化炭素が微細藻類1に固定される。また、排ガス3中の二酸化炭素量と海水2中の二酸化炭素量(排ガス3の二酸化炭素濃度と海水2の二酸化炭素濃度)の平衡状態を保つように順次排ガス3から海水2に二酸化炭素が溶け込み、このように順次溶け込んだ二酸化炭素を微細藻類1で固定することによって、排ガス3から二酸化炭素が除去される。
一方、排ガス3の二酸化炭素を微細藻類1で固定すると同時に、透明容器4内の海水2が太陽熱で熱せられて蒸発し、この海水2の水蒸気Mが排ガス3中に拡散してゆく。
そして、排ガス3を透明容器4の一側面4cの気体流入口8から透明容器4の気相部4a(排ガス3を透明容器4の外部から透明容器4内)に連続的に供給することにより、排ガス3が、微細藻類1の光合成の明反応で順次二酸化炭素が除去されながら、且つ海水2の水蒸気Mを順次含みながら透明容器4内を流通し、二酸化炭素が除去されて多量の水蒸気Mを含んだ処理後の排ガス3’が透明容器4の他側面4dの気体流出口10から連続的に外部に導出される。このように透明容器4から水蒸気Mとともに外部に導出した処理後の排ガス3’が、第1配管12を通じて熱交換器5に供給され、この熱交換器5で処理後の排ガス3’とともに水蒸気Mを冷却して凝縮させることによって、淡水M’が連続的に製造される。なお、熱交換器5を通過した処理後の排ガス3’は、二酸化炭素が除去されているため、そのまま外部に放出される。
また、透明容器4内の海水2が太陽熱によって蒸発することで減量し塩分濃度(不純物濃度)が上昇することになるが、本実施形態では、原水流入口9から太陽熱による蒸発量相当の海水2を透明容器4内(海水2を透明容器4の外部から透明容器4内)に連続的に供給することによって、透明容器4内の海水量を所定量で維持し、海水2の塩分濃度の上昇を抑制するようにしている。
これにより、太陽光S及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を同時に行え、簡便に且つ効率的に二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を行える。
さらに、本実施形態においては、日中、上記のように二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を行い、夜間に、太陽光Sの照射による光合成の明反応によって二酸化炭素を固定した透明容器4内の微細藻類1を海水2とともに、第2配管13を介して透明容器4の原水流出口11から藻培養槽6に回収して貯留する。そして、この藻培養槽6で、微細藻類1の光合成の暗反応によって、二酸化炭素を糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質に変換させる。このとき、藻培養槽6で光合成によって余剰に生成された一部の有用物質(藻体外生産物質P1)が微細藻類1の体外に放出され、海水2中に放出される。
そして、このように微細藻類1から有用物質P1を放出させた後、藻培養槽6から回収装置7に、微細藻類1を含み、有用物質P1が溶解した海水2を送り、この回収装置7で有用物質P1が溶解した海水2と微細藻類1を分離する。これにより、海水2に溶解した状態で有用物質(藻体外生産物質P1)が回収され、溶解した有用物質P1を抽出する処理を別途行うことで、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質P1が生産される。
また、回収装置7で分離した微細藻類1は、再度一部の海水2が残された藻培養槽6に戻され、藻培養槽6から第3配管15及び透明容器4の一側面4cに設けられた微細藻類返送口14を通じて、濃縮した状態で海水2とともに透明容器4の液相部4bに返送される。返送した微細藻類1は、原水流入口9から透明容器4に新たな海水2を供給するとともに、日中、排ガス3の二酸化炭素の固定に再利用される。そして、このように透明容器4から藻培養槽6、藻培養槽6から透明容器4に微細藻類1を循環させることによって、効率的に二酸化炭素の固定や藻体外生産物質P1の回収が行われる。
一方、微細藻類1は、その光合成によって透明容器4や藻培養槽6内で増殖する。このため、本実施形態においては、微細藻類1の量が多くなりすぎた場合に、余剰微細藻類1’を海水2とともに第4配管16を通じて外部に排出して回収する。回収した余剰微細藻類1’は、光合成の暗反応によって生成され、体内に蓄積されている糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質(藻体内生産物質P2)を抽出する処理が施される。このように余剰微細藻類1’の体内の有用物質P2を回収することで、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質P2が生産されることになる。
したがって、本実施形態の二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置Aにおいては、海水2に微細藻類1を混入して透明容器4に収容し、さらに透明容器4に排ガス3を収容した状態で、この透明容器4を太陽光Sの照射下に設置することによって、排ガス3から海水2に溶け込んだ二酸化炭素を光合成の明反応で微細藻類1に固定することができ、排ガス3から二酸化炭素を除去することが可能になる。
また、このように排ガス3の二酸化炭素を微細藻類1に固定すると同時に、海水2が太陽熱で熱せられて蒸発し、この海水2の水蒸気Mを処理後の排ガス3’とともに透明容器4から外部に導出して熱交換器5で冷却し凝縮させることで淡水M’を得ることができる。このとき、熱交換器5を用いて水蒸気Mを冷却して凝縮させることによって、確実に淡水M’を製造することが可能になる。
これにより、太陽光S及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を簡便に且つ同時に行うことが可能になる。
また、太陽光Sの照射による光合成の明反応によって二酸化炭素を固定した微細藻類1を透明容器4から藻培養槽6に回収し、光合成によって余剰に生成された一部の有用物質P1を微細藻類1の体外に放出させ、この放出した有用物質(藻体外生産物質P1)を回収することが可能になる。これにより、二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を行うとともに、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質P1を生産することも可能になる。
さらに、藻体外生産物質(有用物質)P1を回収した後の微細藻類1を藻培養槽6から透明容器4に返送することによって、微細藻類1を再度二酸化炭素の固定に利用することができ、このように透明容器4から藻培養槽6、藻培養槽6から透明容器4に微細藻類1を循環させることによって、効率的に二酸化炭素の固定や藻体外生産物質P1の回収を行うことが可能になる。
また、透明容器4や藻培養槽6で増殖した余剰微細藻類1’を回収し、光合成の暗反応によって生成され、余剰微細藻類1’の体内に蓄積されている糖質、脂質、アミノ酸、有機酸、タンパク質、ビタミン、色素などの種々の有用物質(藻体内生産物質P2)を抽出し回収することで、食品産業、医薬品産業、飼料産業など多くの産業で利用可能な有用物質P2を生産することが可能になる。
また、海水2を透明容器4の外部から連続的に透明容器4内に供給することによって、透明容器4内の海水2の塩分濃度(不純物濃度)が上昇することを抑制でき、確実に微細藻類1の生育に適した水質に維持することが可能になる。さらに、排ガス3を透明容器4の外部から連続的に透明容器4内に供給することによって、透明容器4内に排ガス3を流通させながら二酸化炭素を微細藻類1に固定させることが可能になり、二酸化炭素が除去され且つ海水2の水蒸気Mを含む処理後の排ガス3’を順次透明容器4から外部に導出して淡水M’を製造することが可能になる。これにより、二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を効率的に行うことが可能になる。
さらに、必要に応じて、使用する微細藻類1の生育条件に合わせ海水2のpHを調整することで、好適に微細藻類1を生育させて二酸化炭素の固定を行うことが可能になる。
よって、本実施形態の二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置Aによれば、太陽光S及び太陽熱の自然エネルギーを利用して二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を同時に行うことが可能になる。これにより、簡便に且つ効率的に二酸化炭素の固定と淡水M’の製造を行うことができ、二酸化炭素の固定及び淡水M’の製造を低コストで行うことが可能になる。また、微細藻類1の光合成によって生成した有用物質P1、P2を回収し利用することも可能になるため、さらなる経済性の向上を図り、有用性を高めることが可能になる。
以上、本発明に係る二酸化炭素固定兼淡水製造方法及び二酸化炭素固定兼淡水製造装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、不純物を含む原水が海水2であるものとし、二酸化炭素を含む気体が例えば化石燃料を燃焼させて工場の煙突などから排出される二酸化炭素を含む排ガス3であるものとして説明を行ったが、本発明に係る不純物を含む原水は、汽水や廃水、排水などを適用してもよく、例えば廃水(排水)を原水として適用した場合には、淡水(真水)M’を製造することによって廃水中の有害物質などの不純物を分離することが可能になるため、廃水の浄化処理を行うことも可能になる。また、本発明に係る二酸化炭素を含む気体は、大気であってもよく、二酸化炭素を含んでいれば特に限定を必要とするものではない。
また、本実施形態では、透明容器4がガラスや樹脂などを用いて透明の矩形箱状に形成されているものとしたが、透明容器4は、形状を限定する必要はなく、箱状に限らず例えば管状に形成されていてもよい。さらに、透明容器4は、その全体が透明である必要はなく、例えば太陽光Sが照射されこの太陽光Sを内部に導く部分のみ透明にして形成してもよく、このように透明容器4を形成した場合においても、本実施形態と同様に、太陽光Sの照射による微細藻類1の光合成によって二酸化炭素の固定及び淡水M’の製造を行うことが可能である。
また、本実施形態では、透明容器4の気体流入口8と原水流入口9から(透明容器4の外部から)排ガス3と海水2をそれぞれ、連続的に透明容器4内に供給するものとしたが、所定量の排ガス3と海水2を外部から透明容器4内に供給して収容した段階で排ガス3と海水2の供給を停止して二酸化炭素の固定を行い、確実に排ガス3の二酸化炭素が除去され、海水2の水蒸気Mが排ガス3に混入した段階で排ガス3と海水2の供給を再開し、二酸化炭素の固定及び淡水M’の製造を行うようにしてもよい。すなわち、排ガス3と海水2の外部からの供給をそれぞれ間欠的に行うようにしてもよく、この場合においても、本実施形態と同様に効率的に二酸化炭素の固定及び淡水M’の製造を行うことが可能である。
さらに、特にこのように間欠的に排ガス3を供給する場合には、透明容器4内の排ガス3を収容している気相部4aを外部に対して負圧にしてもよい。すなわち、透明容器4に例えば真空ポンプなどの気体吸引手段を設け、所定量の排ガス3と海水2を透明容器4に供給して収容し、排ガス3と海水2の供給を停止した段階で、透明容器4内の気相部4aを気体吸引手段によって負圧にする。そして、透明容器4内の気相部4aを負圧にすることによって、太陽熱で加熱される海水温度が低い状態で海水2を蒸発させることが可能になり、効率よく海水2を蒸発させ、効率的に淡水M’を製造することが可能になる。また、このように海水温度が低い状態で海水2を蒸発させることで、太陽熱による海水2の温度上昇を抑えることが可能になり、微細藻類1の生育可能な温度を超えて海水2が加熱されることを防止し得る。これにより、微細藻類1の選択の自由度を高めることも可能になる。
また、本実施形態では、透明容器4の一側面4aに設けた気体流入口8を通じて透明容器4の外部から透明容器4の気相部4aに排ガス3を供給するものとしたが、例えば透明容器4の海水2中に散気装置を設け、この散気装置を通じて透明容器4内の海水2中に排ガス3を供給するようにしてもよい。この場合には、排ガス3を外部から供給するとともにこの排ガス3によって透明容器4内の海水2を曝気することが可能になり、海水2中に確実且つ効率的に排ガス3中の二酸化炭素を溶け込ませることが可能になる。これにより、微細藻類1による二酸化炭素の固定を効率的に行うことが可能になる。
さらに、例えば海水2中に設置した散気装置を用いるなどして透明容器4内の排ガス3を透明容器4内の海水2に吹き込んだり、撹拌翼などを用いて透明容器4内の海水2を撹拌して、透明容器4内の海水2を透明容器4内の排ガス3で曝気するようにしてもよく、この場合には、排ガス3中の二酸化炭素を海水2中に確実且つ効率的に溶け込ませることが可能になり、微細藻類1による二酸化炭素の固定を効率的に行うことが可能になる。また、撹拌翼などを用いて海水2を撹拌する場合には、海水2をその水面が大きく乱れて波立つように撹拌混合することによってより確実且つ効率的に二酸化炭素を海水2中に溶け込ませることが可能になる。
さらに、本実施形態では、海水2の水蒸気Mを含んだ処理後の排ガス3’を熱交換器5で冷却して凝縮させ、淡水M’を製造するものとして説明を行ったが、水蒸気Mを凝縮する手段として熱交換器5を適用することに限定する必要はなく、海水2の水蒸気Mを含んだ処理後の排ガス3’を圧縮して水蒸気Mを凝縮させ、淡水M’を製造するようにしてもよい。また、海水2の水蒸気Mを含んだ処理後の排ガス3’を冷却する場合においても、熱交換器5とは異なる他の冷却手段を用いるようにしてもよい。
また、気体3中の二酸化炭素濃度が非常に高濃度の場合には、供給する気体3の量を少なくすることも考えられる。そして、このような条件では透明容器4中の壁面に水蒸気Mの凝縮が起こることが予想される。その場合は透明容器4内で凝縮水(淡水M’)を回収する機構を設け、この凝縮水M’を回収するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る二酸化炭素固定兼淡水製造装置を示す図である。
符号の説明
1 微細藻類
2 海水(不純物を含む原水)
3 排ガス(二酸化炭素を含む気体)
3’ 処理後の排ガス
4 透明容器
4a 気相部
4b 液相部
5 熱交換器
6 藻培養槽
7 回収装置
8 気体流入口
9 原水流入口
10 気体流出口
11 原水流出口
12 第1配管
13 第2配管
14 微細藻類返送口
15 第3配管
16 第4配管
17 第5配管
A 二酸化炭素固定兼淡水製造装置
M 水蒸気
M’ 淡水
P1 有用物質(藻体外生産物質)
P2 有用物質(藻体内生産物質)
S 太陽光

Claims (14)

  1. 微細藻類及び該微細藻類の培地となる不純物を含む原水と、二酸化炭素を含む気体とを収容する透明容器を太陽光の照射下に設置し、
    前記太陽光の照射による前記微細藻類の光合成で前記気体の二酸化炭素を前記微細藻類に固定させるとともに、太陽熱によって前記原水を蒸発させ、該原水の水蒸気を前記気体とともに前記透明容器から外部に導出して凝縮させることによって淡水を製造することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  2. 請求項1記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記二酸化炭素を固定した前記微細藻類を前記透明容器から藻培養槽に回収し、該藻培養槽で光合成の暗反応によって生成され、前記微細藻類の体外に放出された藻体外生産物質を回収することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  3. 請求項2記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記藻培養槽で前記藻体外生産物質を回収した後の前記微細藻類を前記透明容器に返送することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    光合成によって増殖した余剰微細藻類を回収し、光合成の暗反応によって生成された前記余剰微細藻類の藻体内生産物質を回収することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記水蒸気を前記気体とともに前記透明容器から熱交換器に導出させ、該熱交換器で冷却して凝縮させることを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記原水及び前記気体をそれぞれ、前記透明容器の外部から連続的あるいは間欠的に前記透明容器内に供給することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  7. 請求項6記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記透明容器の外部から前記気体を前記透明容器内の前記原水中に供給することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記透明容器内の前記気体を前記透明容器内の前記原水に吹き込む、あるいは前記透明容器内の前記原水を撹拌することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記微細藻類の生育条件に合わせるように前記原水のpHを調整することを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造方法において、
    前記透明容器内の前記気体を収容している気相部を外部に対して負圧にすることを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造方法。
  11. 微細藻類及び該微細藻類の培地となる不純物を含む原水と、二酸化炭素を含む気体とを収容する透明容器を備えており、
    該透明容器が太陽光の照射下に設置され、前記太陽光の照射による前記微細藻類の光合成で前記気体の二酸化炭素を前記微細藻類に固定し、太陽熱によって蒸発した前記原水の水蒸気を前記気体とともに前記透明容器から外部に導出して凝縮させることによって淡水を製造するように構成されていることを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造装置。
  12. 請求項11記載の二酸化炭素固定兼淡水製造装置において、
    前記透明容器に繋がる藻培養槽を備えており、
    前記二酸化炭素を固定した前記微細藻類を前記透明容器から前記藻培養槽に回収し、該藻培養槽で光合成の暗反応によって生成されて前記微細藻類の体外に放出された藻体外生産物質を回収するように構成されていることを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造装置。
  13. 請求項12記載の二酸化炭素固定兼淡水製造装置において、
    前記藻培養槽で前記藻体外生産物質を回収した後の前記微細藻類を前記透明容器に返送するように構成されていることを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造装置。
  14. 請求項11から請求項13のいずれかに記載の二酸化炭素固定兼淡水製造装置において、
    前記透明容器に繋がる熱交換器を備えており、
    該熱交換器によって前記気体とともに前記透明容器から導出した前記水蒸気を冷却して凝縮させることを特徴とする二酸化炭素固定兼淡水製造装置。


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WO2015062157A1 (zh) * 2013-10-29 2015-05-07 中石化石油工程设计有限公司 一种利用微藻处理油田污水和固定co2的方法
CN105347500A (zh) * 2015-12-01 2016-02-24 东华大学 一种全天候运行净化农村生活污水的控温高效藻类塘系统

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