JP2009055306A - データ受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速のデジタル・データを差動伝送路経由で長距離伝送する際における周波数に依存する劣化減衰をより高い精度で等化する。
【解決手段】伝送線路から差動信号を受信する入力終端では差動信号の振幅に相当する電圧差からなるDC成分を抽出し、等化回路と同じ低域利得を持つローパス・フィルタは、差動信号のDC成分を入力して、送信機から送信された差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる基準電圧を出力する。比較回路は、等化回路の出力振幅に相当する電圧値をローパス・フィルタから出力される基準電圧と比較して、差動信号が差動伝送路で受けた減衰歪の度合いを判別する。
【選択図】 図1
【解決手段】伝送線路から差動信号を受信する入力終端では差動信号の振幅に相当する電圧差からなるDC成分を抽出し、等化回路と同じ低域利得を持つローパス・フィルタは、差動信号のDC成分を入力して、送信機から送信された差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる基準電圧を出力する。比較回路は、等化回路の出力振幅に相当する電圧値をローパス・フィルタから出力される基準電圧と比較して、差動信号が差動伝送路で受けた減衰歪の度合いを判別する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、差動伝送線路経由で伝送したデジタル・データの伝送損失を補償するデータ受信装置に係り、特に、周波数に依存する劣化減衰を等化するデータ受信装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、高速のデジタル・データを差動伝送線路経由で長距離伝送する際における周波数に依存する劣化減衰を等化するデータ受信装置に係り、特に、クロック信号を用いないで伝送線路の減衰歪に対する補償度合いを判別し、クロック信号が並走しない通信系においても広く適用できるデータ受信装置に関する。
HDMI(High Definition Multimedia Interface)は、主に家電やAV機器向けのデジタル映像及び音声入出力用に策定されたインターフェース規格であり、具体的には、パーソナル・コンピュータとディスプレイの接続に使われるデジタル・インターフェースのDVI(Digital Visual Interface)をさらに発展させ、1本のケーブルで映像信号、音声信号、及び双方向制御信号を合わせて送受信するように構成されており、取り回しが容易になっている。また、オプションでは制御信号を双方向に伝送させることができ、機器間を中継させることで1台のリモコンを用いて複数のAV機器を制御することができる。
HDMIは、物理層には、DVIにも採用されているディスプレイ映像信号のデジタル伝送方式であるTMDS(Transition Minimized Differential Signaling:遷移時間最短差動信号伝送方式)を使用し、高速なデジタル・データ伝送を実現することができる。TMDSは、デジタル・データを差動伝送する手段の1つであり、R(Red:赤)/G(Green:緑)/B(Blue:青)という3種類の映像信号と、リファレンス・クロック信号の伝送にそれぞれ1チャネルずつの合計4チャネルからなるリンクで構成される。各映像信号は10ビットのパラレル信号をシリアル変換し、1クロック周期当たり10ビットのデータを伝送する。例えば、クロックを500MHzとすれば1秒当たり5Gビットの映像データを送ることができる(HDMI ver1.3の実効伝送レートは250Mbps〜3.4Gbpsである)。
TMDSは、ツイスト・ペア・ケーブルなどの対になった導電体に差動信号として、クロック並びにNRZ(Non Return to Zero)データを伝搬させるデジタル・データ伝送方式である。この種の伝送方式は、送受信機の電位差変動に強い、外来ノイズをコモンモード電圧除去作用により排除できる、不要輻射を抑制できる、といった利点があり、高速で且つ10〜100メートル程度の比較的長い距離のデータ伝送にも用いることができる。
ところで、導電体には必ず有限の単位伝送長当たりの減衰があり、伝送線路上にはさまざまな損失要因(減衰歪)が存在する。一般的には、抵抗損失と誘電損失の2種類の損失要因が最もよく議論されている。ここで、抵抗損失は伝送線路の材質や電流断面積によって殆ど決まる。ある一定の材質と一定の電流断面積の伝送線路において、伝送線路の長さに強く依存して抵抗値が増減する。伝送する高速信号は伝送線路の直列抵抗が大きい程、大きな抵抗損失を受け、小さな信号振幅が伝送線路から出力される。一方、誘電損失は伝送線路の誘電正接に起因とした損失であり、伝送信号の周波数が高いほど受ける損失が大きく、その周波数から構成される振幅成分も劣化が激しくなる。
このため、上述したように高速のデジタル・データをTMDSやLVDSといった差動伝送線路を通して長距離伝送する際には、上述した伝送線路の減衰歪を受け、振幅や波形に変化が与えられてしまうことが懸念され、高周波数帯域ほど伝送線路上の減衰は大きく、伝送線路長が長くなるにつれてより顕著になる。
このような相反関係を解消する手法として、高速デジタル伝送線路上での高周波成分の減衰の影響を除去するための等化器(ケーブル・イコライザ)を受信側に設けて、導電体の減衰がなかった信号を再生することが極めて重要であると考えられている。
周波数に依存する劣化減衰(伝送損失:誘電損失、表皮効果による抵抗損失など)を等化する手段として、伝送損失と同量の利得特性を持つように自動利得制御(Automatic Gain Control:AGC)されたハイパス・フィルタ(HPF)を通して元の伝送信号を再生することが一般的である。すなわち、伝送線路長に応じて高周波数帯域が劣化減衰するのとはほぼ逆の特性をAGCにより印加する(すなわち高域ゲイン補償をかける)ことで、より広帯域で平坦な特性を得て、伝送前の信号を回復することが好ましい。
このような場合、任意の伝送損失に追従し、それと同量の利得で受信信号を等化するため、任意の伝送損失の度合いを正確に判別する必要がある。実際のケーブル長よりも小さい伝送損失を見積もると、フィードバック電圧が小さくなることからゲイン補償が不足するため、ハイパス・フィルタを通過した信号はUnder Equalizingとなる。逆に、実際のケーブル長よりも長い伝送損質を見積もると、フィードバック電圧が必要以上に大きくなることからゲイン補償が過剰となって、ハイパス・フィルタを通過した信号はOver Equalizingとなる。
例えば、減衰した後のデータ信号の1と0の間の遷移裾においてある特定のタイミングでサンプリングした電圧を、データ信号のコモンモード電圧と比較して伝送損失の度合い定量化することによって、伝送信号における周波数に依存した伝送損失を補償するための等化器を自動的に調整する適応的な等化方法及びシステムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
しかしながら、この方法では、ビットレートが数Gbps程度となる高速伝送では、受信信号をサンプリングするタイミング精度が限界を超えてしまい、受信データ信号から伝送線路の伝送損失を正確に判別することが困難になる。最悪の場合には、誤判別によるビット・エラーを起こしてしまうこともあり得る。
TMDSのようにクロック・チャネルを含んだシリアル・データ通信系の場合には、周期信号で周波数の低いリファレンス・クロックを利用して、受信データ信号が受けた伝送線路の伝送損失を推定する方法が考えられる(例えば、特許文献2、特許文献3を参照のこと)。リファレンス・クロックはNRZデータと同じ振幅で送信され、NRZデータ周期と同一周期若しくはその整数倍で必ず0と1の遷移を繰り返すことから、基準クロックの受信端での振幅を観測することによって高周波減衰特性を推定することができる。通常、データ伝送においてリファレンス・クロックとNRZデータはほぼ同じ特性を持つ導電体が用いられることから、リファレンス・クロックから推定された減衰特性に基づいてNRZ信号に対する補償フィルタの特性制御を行なうことができる。
受信したリファレンス・クロックのエッジに対して電圧2箇所以上サンプリングし、これらのサンプリング電圧の大小を比較することにより、リファレンス・クロックにおける伝送線路の伝送損失の度合いを判別することができ、これに基づいてNRZデータ信号の伝送損失を補償すればよい。このような方法によれば、高速データな伝送線路に対しても適用することができる。
しかしながら、クロック信号がデータ信号と並走するとは言え、周期信号のクロックとNRZ信号のデータと間に劣化度合いの差異が存在する筈である。また、データ・チャネル間にもバラツキがあり、クロック一対では表現できない。さらに、最も致命的な欠点として、クロック信号なしでは等化手段が機能しない点が挙げられる。これは、TMDS以外のクロック信号を含まないシリアル通信系(例えば、GVIF(Gigabit Video Interface)やFiber Channelなど)では使えない等化手段であることを意味するので、用途も限られている。
本発明者らは、データ信号にクロック信号が並走しない通信系においても広く適用できることを考慮して、クロック信号を用いない等化手段が好ましいと思料する。
本発明の目的は、高速のデジタル・データを差動伝送線路経由で長距離伝送する際における周波数に依存する劣化減衰をより高い精度で等化することができる、優れたデータ受信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、クロック信号を用いないで伝送線路の減衰歪に対する補償度合いを判別し、クロック信号が並走しない通信系においても広く適用することができる、優れたデータ受信装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、送信機側から送出される1チャネル以上の差動信号を差動伝送路経由で受信するデータ受信装置であって、
前記差動伝送線路から差動信号を受信するとともに、前記送信機側から送信された差動信号の振幅に相当する電圧差からなるDC成分を抽出する入力終端回路と、
受信した差動信号が前記差動伝送路上で被った減衰歪を利得補償により整形する等化回路と、
前記等化回路と同じ低域利得を持つローパス・フィルタを通じて前記入力終端回路で抽出された差動信号のDC成分を入力して、前記送信機から送信された差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる基準電圧を出力する基準電圧抽出手段と、
前記等化回路の出力振幅に相当する電圧値を、前記基準電圧抽出手段から出力される基準電圧と比較することによって前記等化回路における等化の度合いを判別し、該等化の度合いから差動信号が前記差動伝送路で受けた減衰歪の度合いを判定する比較回路と、
を備え、
前記比較回路で判別された等化の度合いに基づいて判定された減衰歪の度合いに相当する差動制御電圧を前記等化回路へ負帰還し、前記等化回路は減衰歪と同量の利得を補償して当該負帰還ループの出力から整形された波形が出力する、
ことを特徴とするデータ受信装置である。
前記差動伝送線路から差動信号を受信するとともに、前記送信機側から送信された差動信号の振幅に相当する電圧差からなるDC成分を抽出する入力終端回路と、
受信した差動信号が前記差動伝送路上で被った減衰歪を利得補償により整形する等化回路と、
前記等化回路と同じ低域利得を持つローパス・フィルタを通じて前記入力終端回路で抽出された差動信号のDC成分を入力して、前記送信機から送信された差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる基準電圧を出力する基準電圧抽出手段と、
前記等化回路の出力振幅に相当する電圧値を、前記基準電圧抽出手段から出力される基準電圧と比較することによって前記等化回路における等化の度合いを判別し、該等化の度合いから差動信号が前記差動伝送路で受けた減衰歪の度合いを判定する比較回路と、
を備え、
前記比較回路で判別された等化の度合いに基づいて判定された減衰歪の度合いに相当する差動制御電圧を前記等化回路へ負帰還し、前記等化回路は減衰歪と同量の利得を補償して当該負帰還ループの出力から整形された波形が出力する、
ことを特徴とするデータ受信装置である。
本発明に係るデータ受信装置では、前記比較回路で判別された等化の度合いに基づいて判定された減衰歪の度合いからなる差動制御電圧を前記等化回路へ負帰還し、前記等化回路は減衰歪と同量の利得を補償して当該負帰還ループの出力から整形された波形が出力する、というのが波形を等化するための基本的な動作原理である。すなわち、受信したデータ信号から抽出したDC成分を使い、送信側の信号振幅を基準振幅量として再生させ、それを受信データ信号の振幅と相対比較することによって、判別された等化の度合いから受信信号が受けた伝送線路の伝送損失を判定するようになっており、雑音に強く、高速データ信号でも情報の劣化がないという特徴がある。
このように、伝送線路経由で送られてきた高速データ信号から伝送損質の判別を行ない、言い換えれば波形等化にクロックが介在しないことから、伝送線路のクロック仕様の制限がなく、データ信号にクロック信号が並走しない高速伝送系に対しても広範に適用することができる。
また、本発明に係るデータ受信装置では、データ・チャネル毎にDC成分を抽出する(すなわち、データ信号から直接に損失の判別を行なう)ことが可能であることから、データ・チャネル毎に適合した伝送損失の判別を行なうことによって、より高精度の判別・制御が可能である。また、データ・チャネル毎に適切な損失の判別を行なうことにより、チャネル間での素子ばらつきや特性ばらつきを吸収することができる。
ここで、前記送信機から前記伝送線路への出力終端及び前記伝送線路から前記受信機への入力終端はともに同じ抵抗値からなるプルアップ抵抗で終端され、また、前記入力終端回路は電流モード・ロジックで構成される。データ受信装置にとっては、送信信号並びに伝送線路を介して送信信号が被る減衰歪のいずれも不明な情報であるが、上記の場合には入力終端回路において電源電圧及び信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧は取得可能なファクタとなる。そこで、基準電圧抽出手段は、電源電圧及び受信した差動信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧といったファクタに基づいて、前記送信機から送信された差動信号の振幅を求めることができ、差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる基準電圧を出力することができる。そして、比較回路は、前記差動制御電圧に応じた電流制御を行なう電流制御端子を備え、前記電流制御端子の出力電流によって前記出力バッファ・アンプの出力振幅を制御することによって、伝送線路で被る抵抗損失を伝送損失とともに補償することができる。
本発明に係るデータ受信装置は、主に送信機とはDC結合により構成される通信システムに適用することができるが、勿論、AC結合となる通信システムにおいても、伝送線路上での伝送損失の判別並びにこの判別結果に基づく利得補償に関する自動制御を実現することができる。
等化回路がAC結合回路として構成される場合、入力終端回路では受信した差動信号からDC情報を取り出すことができるものの、その後段の等化回路では受信信号に含まれるDC情報が消えてしまう。そこで、本発明に係るデータ受信装置では、等化回路とは同じ低域(DC)利得を持つローパス・フィルタにDC情報を通すことによって、平均電圧のDC情報を好適に活用して、自動制御が可能となる。
ここで、HDMIのようなデューティ・サイクルが50%でないNRZ信号をAC結合回路に通した際、DCオフセット電圧が発生し、信号ジッタが増大し、最悪な場合にはビット・エラーを起こしてしまう。これに対し、データ信号に含まれるDCオフセットを除去して直流再生する方法として、量子化帰還による補償が一般的である。そこで、等化回路の後段に量子化帰還回路を配設して、受信した信号に含まれるDCオフセットを除去するようにすればよい。
ここで、量子化帰還回路は、前記基準電圧抽出手段から供給される差動信号の振幅に量子化帰還出力振幅を追従させて、波形整形された後の差動信号からDCオフセット成分を除去するように構成される。
具体的には、量子化帰還回路は、DCオフセット電圧VOSを含んだ入力信号と当該量子化帰還回路におけるフィードバック電圧VFBからなる出力信号を加算する加算器と、前記加算器の出力に基づいてDCオフセットを相殺する振幅からなる量子化帰還出力信号を生成する比較器と、該量子化帰還出力信号を積分してDCオフセット電圧VOSと相殺するフィードバック電圧VFBを生成して前記加算器に入力する積分器を備えている。そして、前記基準電圧抽出手段から供給される入力信号振幅に量子化帰還出力振幅を追随させながら、該入力信号の信号振幅に前記量子化帰還回路の出力振幅が一致することを動作条件とする量子化帰還の動作原理に基づいて、入力信号に含まれるDCオフセット成分を除去するようになっている。
本発明によれば、高速のデジタル・データを差動伝送線路経由で長距離伝送する際における周波数に依存する劣化減衰をより高い精度で等化することができる、優れたデータ受信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、クロック信号を用いないで伝送線路の減衰歪に対する補償度合いを判別し、クロック信号が並走しない通信系においても広く適用することができる、優れたデータ受信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、受信したデータ信号から抽出したDC成分を使い、送信側の信号振幅を基準振幅量として再生させ、それを受信データ信号の振幅と相対比較することにより受信信号が受けた伝送線路の伝送損失を判別する波形等化方法を適用することによって、高精度且つ高速データ信号でも対応する伝送線路の伝送損失を自動的に判別し、利得補償を行ない、そして波形整形する回路を提供することができる。
本発明によれば、伝送線路経由で送られてきた高速データ信号から伝送損失の判別を行なうので、波形等化にクロックが介在せず、回路チップの小型化や低消費電力化に貢献することができる。また、クロックの介在が必要でないことから、伝送線路のクロック仕様の制限がなく、データ信号にクロック信号が並走しない高速伝送系に対しても広範に適用することができる。
本発明によれば、基準値として用いるのは、受信したデータ信号のDC成分であるから、外部雑音に対しロバストであり、高速データ信号でも基準値としての情報劣化がない。また、データ・チャネル毎にDC成分を抽出する(すなわち、各データ信号から直接に損失の判別を行なう)ことが可能であることから、データ・チャネル毎に適合した伝送損失の判別を行なうことによって、より高精度の判別・制御が可能である。また、データ・チャネル毎に適切な損失の判別を行なうことにより、チャネル間での素子ばらつきや特性ばらつきを吸収することができる。
本発明に係る波形等化技術は、より多くのチャネル数やポート数を搭載した大規模のチップに適用することができ、また、入力振幅可変の伝送系にも対応することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1には、本発明を適用することが可能な通信システムの構成例を模式的に示している。図示の通信システムは、送信機と受信機の対からなり、送信機と受信機間は伝送線路101を介して相互接続されている。図示の通信システムでは、主にDC結合による構成を前提にしている。DC結合であれば、高速伝送信号が持つ本来のDC電圧レベルが保たれるので、平均(DC)電圧を抽出して基準電圧として用いることができる。
伝送線路101は、1以上のデータ・チャネルからなる高速デジタル伝送線路である。伝送線路101の一例はHDMIなどにおいて採用されているTDMSに従った差動伝送線路であるが、シリアル通信を行なうさまざまな伝送線路であってもよく、また、波形等化の対象となるデータ・チャネルの他にクロック・チャネルを含む必要は全くない。図示の例では、説明の簡素化と図面の錯綜を回避するために、伝送線路101に1本のデータ・チャネルのみを描いているが、2本以上のデータ・チャネルを含み、各データ・チャネルを波形等化の対象とすることができる。本実施形態では、データ・チャネル毎に伝送損失を判別し、波形等化を行なうことができる。
送信機(TX)側のドライバ100から送信された差動データ信号が送信され、伝送線路101で減衰歪を受けた後に、受信機(RX)側の入力終端回路102にて受信される。
図2には、入力終端回路102の内部回路の構成例を示している。入力終端回路102は、電源電圧Vccに対して、50Ω(差動100Ω)のプルアップ終端抵抗回路である。固定抵抗だけで構成しても良いが、固定抵抗の製造バラツキを抑えるよう調整回路と組むことが一般である。図2に示した回路構成例では、固定抵抗と直列にpMOS(Metal Oxide Semiconductor)を繋いで、pMOSのオン抵抗を制御することにより、固定抵抗のバラツキを吸収するような回路構成を採用している。
また、図示の入力終端回路102には、終端抵抗として差動対それぞれ50Ωのプルアップ抵抗以外に、入力信号のDC成分を抽出する回路が搭載される。したがって、入力終端回路102からの出力パスは、受信したデータ信号のパスの他に、受信したデータ信号から抽出したDC成分の出力パスがある。
入力終端回路102の後段に配設された等化回路(EQ)103では、差動のデータ信号が伝送線路101で被った減衰歪を利得補償により整形する。等化回路103の出力振幅は、ピークホールド回路106Aにより電圧値として得られる。
図2に示すように、DC成分の出力パスは、送信機(TX)側のドライバ100から送信された差動信号の振幅に相当する電圧差を電圧値1(Vcc)と電圧値2(2Vave−Vcc)の差動電圧からなるDC情報として、ローパス・フィルタ(LPF)104に入力される。但し、Vccは電源電圧であり、Vaveは差動信号の平均電圧である。図3には、送信機(TX)側のドライバ100から送信された差動信号の振幅に相当する電圧差を電圧値1(Vcc)と電圧値2(2Vave−Vcc)の差動電圧として取り出す様子を示している。
ここで、ローパス・フィルタ104は、等化回路103と同じ低域利得(若しくはDC利得)(N倍電圧)を有することが必要条件である。したがって、ローパス・フィルタ104からは、送信機(TX)側から送信されたデータ信号の振幅のN倍の差動電圧値が基準電圧(reference voltage)として出力される。この基準電圧は、ピークホールド回路106Bにより電圧値として得られ、比較回路105に供給される。
等化回路103の出力振幅は、ピークホールド回路106Aにより電圧値として得られている(前述)。比較回路105では、等化回路103の出力振幅に相当する電圧値を、ピークホールド回路106Bで得られた(すなわち、ローパス・フィルタ104から出力される)基準電圧と比較することによって、等化の度合いを判別し、さらにこの等化の度合いに基づいて、データ信号が伝送線路で受けた減衰歪の度合いを判定することができる。
比較回路105における比較けって似よって得られた減衰歪の度合は、差動制御電圧(ctl voltage)として等化回路103への負帰還として掛けられる。その結果として、減衰歪と同量の利得が等化回路103で補償されることになり、当該負帰還ループの出力から整形された波形が出力されることになる。
以上が本実施形態に係る通信システムにおいて、受信機側で波形整形を行なうための基本動作原理である。続いて、受信機を構成する各々の回路部における動作について詳細に説明する。
送信機(TX)側の送信ドライバ100は、電流モード・ロジック(CML:Current Mode Logic)で構成される。Gbps級の高速シリアル通信系においては、ごく一般的に用いられる構造である。電流モード方式を採用することによって高速過渡応答と優れたループ安定性が得られる。ドライバ100では差動信号がコレクタ部から出力され、伝送線路101を挟んで、送信機(TX)側と受信機(RX)側でともに差動対が電源Vccに対して50Ωのプルアップ抵抗で終端(差動対間は100Ω)されていることが特徴である。
伝送線路101は、例えばケーブルのペア線やプリント基板上の差動配線、半導体ウェハ上のメタル配線などで構成される。CMLを用いた高速伝送系の場合、一般的に、伝送線路は特性インピーダンスが両終端で同じ50Ω(差動で100Ω)で整合されている。整合されていなければ、インピーダンスの不整合によって伝送線路101上で反射が起きるため、波形の品質が劣れる。また、伝送線路101のインピーダンスが整合された場合であっても、さまざまな損失要因(減衰歪)が存在する。一般的には、抵抗損失と誘電損失の2種類の損失要因が最もよく議論されている。ここで、抵抗損失は伝送線路の材質や電流断面積によって殆ど決まる。ある一定の材質と一定の電流断面積の伝送線路において、伝送線路の長さに強く依存して抵抗値が増減する。伝送する高速信号は伝送線路の直列抵抗が大きい程、大きな抵抗損失を受け、小さな信号振幅が伝送線路から出力される。一方、誘電損失は伝送線路の誘電正接に起因とした損失であり、伝送信号の周波数が高いほど受ける損失が大きく、その周波数から構成される振幅成分も劣化が激しくなる。このように、高速データが伝送線路を通過する際に、上述した伝送線路の減衰歪を受け、振幅や波形に変化が与えられてしまう。減衰歪が大きくなるに連れ、次第に出力波形から元の信号を判別することができなくなる。
図4には、伝送損失の周波数特性との相関を示している。図示のように、伝送線路長が長くなるほど、周波数に依存した伝送損失の度合いが激しくなる。図5には、伝送線路長に応じた波形減衰のイメージを示している。また、図6には、伝送レートに応じた波形減衰のイメージを示している。
入力終端回路102は、電源電圧Vccに対して、50Ω(差動100Ω)のプルアップ終端抵抗回路である。固定抵抗だけで構成しても良いが、固定抵抗の製造バラツキを抑えるよう調整回路と組むことが一般である。図2に示した回路構成例では、固定抵抗と直列にpMOSを繋いで、pMOSのオン抵抗を制御することにより、固定抵抗のバラツキを吸収するような回路構成を採用している。
上述した高速伝送系では、送信振幅が送信系によって一様ではないため、受信機(RX)側から見れば、送信機(TX)側の信号振幅が不明である。さらに、伝送線路101で受ける減衰歪は伝送線路101の長さによって変化するので(図4〜5を参照のこと)、同一種類の伝送線路であっても、受信機(RX)側から見れば、伝送線路の減衰量も不明である。このように、元の信号振幅も途中受けた減衰も不明な状態でデータ信号受信した場合、制御電圧がどのように正しく電圧を供給するかは大きな課題である。本発明はかかる技術的課題を解決することを目的とするが、同課題を解決する具体的な手段並びにその動作の詳細について、以下で説明する。
図1に示した通信システム構成では、送信機(TX)と受信機(RX)との間はDC結合により接続されている。このため、受信機(RX)側では受信した差動信号(データ・チャネル)のDC電圧を利用してその信号振幅を割り出すことが原理的に可能である。送受信機の両端において50Ωのプルアップ抵抗で終端しており(前述)、例えば送信機(TX)からAC振幅が500mVとなる信号を送る際には、送信機(TX)側で電流モード・ロジック(CML)のドライバ100に流す電流は20mAになる。プルアップ抵抗50Ωに比べると、伝送線路101が持つ直列抵抗が無視できるほど小さいので、およそ半分の10mAが受信終端を流すことになる。つまり、送信機(TX)の出力終端と受信機(RX)の入力終端では、同じハイ/ロー・レベルからなるDC電圧降下が現れる。そして、ハイ・レベルの電圧が電源電圧Vccであり、ロー・レベルの電圧がVcc−500mVであるから、これらの平均電圧は(Vcc+(Vcc−500mV))/2=Vcc−250mVになる。言い換えると、送信機(TX)の出力終端と受信機(RX)の入力終端において、共通の平均電圧(Vave)を中心に±それぞれ半分の信号振幅の信号を発生する。
受信機(RX)にとっては、送信信号も伝送線路101の減衰歪も不明な情報であるが、電源電圧Vcc及び信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧(Vave)は受信終端において得られるファクタであることから、これらの取得可能なファクタに基づいて送信信号振幅を求めることができる。これが本発明において伝送損失を判別する動作概念である。
図7には、送信機(Tx)側から送信される差動信号を示している。上述したように、送信信号振幅は(Vcc−Vave)×2である。また、図8には、減衰歪が不明である伝送線路101を介した受信機(RX)側での受信信号を示してある。受信機(RX)側では、取得可能な電源電圧Vcc及び信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧(Vave)に基づいて得ることができる。
続いて、ハイ/ロー・レベルの平均電圧Vaveの求め方、及び、電源電圧Vccと平均電圧Vaveを使っての波形自動調整、並びに自動整形の方法について説明する。
図2に示した入力終端回路102は、平均電圧Vaveを抽出できる回路構成例であり、受信した差動信号から分圧抵抗を介して平均電圧Vaveを簡単に作り出すことができる。電源電圧Vccと平均電圧Vaveとの電圧差は元の送信信号の振幅の半分に相当する。したがって、入力終端回路102の後段に配設されたローパス・フィルタ104では、Vccと2Vave−Vccの差分電圧すなわち2×(Vcc−Vave)を作り出し、これを振幅の基準電圧として用いる。
一方、ピークホール回路106Aなどによって受信信号から信号振幅を抽出することが可能である。比較回路105では、ピークホールド回路106Aにて抽出した等化回路103の出力の信号振幅を、上述した基準電圧と比較することによって、この時点におけるある制御電圧での等化度合いが分かる。基準電圧よりも小さい信号振幅電圧が検出されたときは、等化が不十分すなわちunder equalizing状態にある。また、基準電圧よりも大きい信号振幅電圧が検出されたときは、等化が過度すなわちover equalizing状態にある。また、基準電圧と同等の信号振幅電圧が検出されたときは、最適等化すなわちadjusting状態にある(AGCによる等化動作の詳細については、後述並びに図13を参照されたい)。等化回路103は、比較回路105における比較結果を基に判明した電圧度合いに基づいて、負帰還による収束結果によって、最適等化状態に落ち着いていく。その際、等化回路103の制御電圧(VL)は、送信機(TX)からの送信信号が伝送線路101で受けた減衰歪の度合いと強い相関を持つことから(図4を参照のこと)、送信信号が伝送線路101で受けた減衰歪の量を推定することができる。
また、伝送線路101が同一材質からなるときには、その減衰量は伝送線路101の長さLとは強い相関関係があり(前述)、電圧の減少度合いを伝送線路101の長さLに対して正規化して管理することが可能である。制御電圧VLを伝送線路101の長さに対して正規化して管理することが可能である。つまり、最も短い伝送線路を入力端に繋いだとき最も過度の等化状態(over equalizing)にあって、検出した比較電圧が最大となり、負帰還結果によって最小の制御電圧VLに落ち着く。最も長い伝送線路を入力端に繋いだ場合は、最も不足の等化状態(under equalizing)にあって、検出した比較電圧が最小となり、負帰還結果によって、最大の制御電圧VLに落ち着いていく。この最小と最大の電圧変化幅を例えば−100mVと+100mVの電圧範囲に正規化しておけば、この制御範囲において、伝送線路長の長さLに対する適応的に等化動作が得られる。
入力終端回路102で抽出された基準電圧と入力終端102から出力された信号振幅電圧は、ローパス・フィルタ104と等化回路103によって利得変形されるため、本来の動作原理によれば比較回路105は比較対照となる電圧サンプルをローパス・フィルタ104と等化回路103の出力部からではなく、入力部から採取した方が伝送線路101の減衰量を直接評価することができる。
しかし、伝送線路101がある程度長くなると、伝送線路101を通過した高速信号から振幅情報を検出することが難しくなるので(図5を参照のこと)、受信した信号をまず等化回路103に通し、振幅検出が可能なレベルまで整形することが一般である。これに併せて、比較対照となる基準電圧も同等の低域利得を持つローパス・フィルタ104を通すことになる。
等化回路103は、伝送線路101の減衰歪の減衰曲線(図4を参照のこと)と逆の利得特性を持つ利得補償型フィルタ回路である。補償の仕方は、高域利得補償型(HPF)と低域利得減衰型(LPF)の2つに大別される。
図9には、等化回路103として高域利得可変型フィルタを備えた受信機の構成例を示している。また、図10には、高周波数帯域が劣化減衰した劣化信号に対して、比較回路105から出力される制御電圧VLにより特性制御される高周波利得型フィルタを適用して周波数等化を行なう動作原理を示している。この場合の高域利得可変型フィルタは、制御電圧VL1〜VL2に従って高域利得可変できる動作をするように構成されている。図10からも分かるように、トータル的に周波数特性が平坦となり、周波数に偏らない一定な通過特性が得られる。つまり、伝送線路での減衰歪と相殺し、送信時と同様な品質の波形が得られる。伝送線路101の伝送損失と相殺あるいは緩和する適切な制御電圧VLを比較回路105から等化回路103へ供給することにより、受信した劣化信号の再生整形することができる。この場合、VL1とVL2は差動制御電圧で、VL=VL1−VL2である。
一方、低域減衰型フィルタも同じ相殺原理であるが、制御電圧のターケットは、高域利得ではなく低域利得になる。図11には、等化回路103として低域減衰可変型フィルタを備えた受信機の構成例を示している。また、図12には、高周波数帯域が劣化減衰した劣化信号に対して、比較回路105から出力される制御電圧VLにより特性制御される低周波減衰型フィルタを適用して周波数等化を行なう動作原理を示している。この場合の低域減衰可変型フィルタは、制御電圧VLに従って低域利得可変できる動作をするように構成されており、伝送線路101の伝送損失と相殺あるいは緩和する適切な制御電圧VLを比較回路105から供給することにより、受信した劣化信号の再生整形することができる。
次に、自動調整回路(AGC)の動作原理について説明する。
受信信号を等化回路103で波形整形した際に低域振幅もフィルタの低域利得によって変えられるので、正しく比較を行なうためには、平均電圧Vaveから作られた基準電圧2×(Vcc−Vave)も、同じフィルタ若しくは同じ低域利得を持つローパス・フィルタを通す必要がある。このため、ローパス・フィルタ104は等化回路103と同じ低域利得を持つように構成される。
等化回路103を用いて整形した際に、もし伝送線路101の減衰歪より大きな補償利得(over equalizing)を制御電圧によって与えた場合は、周波数が高域になるほど、抽出した受信振幅が基準電圧より大きくなる。これとは逆に、伝送線路の減衰歪より小さい補償利得(under equalizing)を制御電圧によって与えた場合は、周波数が高域になるほど、抽出した受信振幅が基準電圧より小さくなることになる。比較回路105では、ピークホールド回路106Aにて抽出した受信信号振幅を、ローパス・フィルタ104を通じて取得される基準電圧と比較し、基準電圧に対する大小の度合い、すなわち伝送線路101における減衰歪に対して、等化の度合いの大小を判別する。
図13には、over equalizing、under equalizing、及びadjustingそれぞれの場合における周波数特性イメージを示している。大小の度合いを伝送線路長に対して例えば、−100mV〜+100mVの範囲で正規化すれば(同上)、この正規化した差動制御電圧を等化回路103の制御電圧VLとして負帰還させることによって、最終的に、基準電圧と一致する振幅の抽出電圧を供給するよう等化回路103が制御されることになり、AGCとして動作するようになる。
図14には、本発明に係る通信システムの変形例を示している。図示の通信システムは、送信機と受信機の対からなり、送信機と受信機間は伝送線路101を介して相互接続されている。図示の例では、説明の簡素化と図面の錯綜を回避するために、伝送線路101に1本のデータ・チャネルのみを描いているが、2本以上のデータ・チャネルを含み、各データ・チャネルを波形等化の対象とすることができる。
送信機(TX)側のドライバ100から送信された差動データ信号が送信され、伝送線路101で減衰歪を受けた後に、受信機(RX)側の入力終端回路102にて受信される。入力終端回路102の内部構成は図2と同様であるとする。入力終端回路102の後段に配設された等化回路103では、差動のデータ信号が伝送線路で被った減衰歪を利得補償により整形する。等化回路103の出力振幅は、ピークホールド回路106Aにより電圧値として得られる。ローパス・フィルタ104は、等化回路103と同じ低域利得(若しくはDC利得)(N倍電圧)を有し、送信機(TX)側から送信されたデータ信号の振幅のN倍の差動電圧値を基準電圧として出力し、ピークホールド回路106Bにより電圧値として得られる。そして、比較回路105では、等化回路103の出力振幅に相当する電圧値を、ピークホールド回路106Bで得られた基準電圧と比較することによって、データ信号が伝送線路で受けた減衰歪に対する等化の度合いを判別する。
図14に示した通信システムは、受信機(RX)において等化回路103の出力側に出力バッファ・アンプ107が配設される点で、図1に示した通信システムとは相違する。
この出力バッファ・アンプ107は電流モード・ロジック(CML)で構成されているので、エミッタ電流がそのまま出力振幅に比例する。このエミッタ電流を可変にしておき、その電流制御は比較回路105によって行なう。比較回路105の電圧出力結果VLは、伝送線路101の減衰歪と相関付けしてあり(前述)、この制御電圧出力と別に電流制御端子を設けることができる。
図15には、比較回路105内に装備される電流制御端子の構成例を示している。制御電圧VLが最大若しくは所定値を超えるときには、伝送損失が大きい、すなわち伝送路が長く、これに比例した抵抗損失により受信振幅が低下している。このような場合、制御電流をIからI(1+α)まで増大することによって(但し、αは正の数)、受信振幅の低下を補償することができる。
電流制御によって、出力バッファ・アンプ107の出力振幅がαに比例して制御される。例えば、制御対象となる伝送線路101の最大抵抗損失と最小抵抗損失の差が−3dBとすると、出力電圧換算では、約Vo〜1.4×Voになる。そこで、図15に示した電流制御端子において、α=0.4と設定して電流を流せば、同図中の右端の点線で囲った可変制御電流回路には、(VL1−VL2)に比例したI〜1.4×IのDC電流が流れる。これによって、出力バッファ・アンプ107の出力負荷では、Vo〜1.4×Voの出力振幅が得られることになるので、伝送線路101で被る3dBの抵抗損失を伝送損失とともに補償することができる。このようにして、伝送線路101での損失が有り無しに関わらず、受信機(RX)側では常に送信時の信号振幅を再現することができる。
また、出力バッファ・アンプ107を送信用ドライバとして用い、さらに伝送線路を接続することにより、受信機を中継器として構成することができる。例えば、多数の中継器を伝送線路でシリアル接続すれば、各中継器では逐次的に抵抗損失並びに伝送損失をともに補償するので、理論的には無限長まで高速データ信号を中継伝送することが可能になる。
図16には、本発明に係る通信システムについての他の変形例を示している。図1並びに図14に示した高速伝送の通信システムでは、主にDC結合による構成を前提にしていた。DC結合であれば、高速伝送信号が持つ本来のDC電圧レベルが保たれるため、上述したように平均(DC)電圧を抽出して基準電圧として用いることができる。これに対し、図16に示した通信システムは、AC結合の場合でも自動制御ができることを示す一例である。
送信機(TX)側のドライバ100から送信された差動データ信号が送信され、伝送線路101で減衰歪を受けた後に、受信機(RX)側の入力終端回路102にて受信される。入力終端回路102の内部構成は図2と同様であるとする。入力終端回路102の後段に配設された等化回路103では、差動のデータ信号が伝送線路で被った減衰歪を利得補償により整形する。等化回路103の出力振幅は、ピークホールド回路106Aにより電圧値として得られる。ローパス・フィルタ104は、等化回路103と同じ低域利得(若しくはDC利得)(N倍電圧)を有し、送信機(TX)側から送信されたデータ信号の振幅のN倍の差動電圧値を基準電圧として出力し、ピークホールド回路106Bにより電圧値として得られる。そして、比較回路105では、等化回路103の出力振幅に相当する電圧値を、ピークホールド回路106Bで得られた基準電圧と比較することによって、データ信号が伝送線路で受けた減衰歪に対する等化の度合いを判別する。
図16に示した通信システムでは、AC結合回路の場合でも自動制御が可能である(前述)。しかも、AC結合回路によって生じたDCオフセットを、ローパス・フィルタ104で得られる基準電圧を用いることによって取り除くことができるのである。高速で且高品質なデータ伝送を期待することができる。
まず自動制御に関して、例えば、入力終端回路102の後段に接続される等化回路103をAC結合回路として構成した場合について考察してみる。
入力終端回路102は受信した差動信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧の生成を行なうので、送信機(TX)から送られてきた伝送信号からDC情報を取り出すことができる(前述)。しかし、抽出した平均電圧をAC結合回路として構成された等化回路103に通すと、受信した差動信号に含まれるDC情報が消えてしまう。そこで、図16に示した通信システムの受信機(RX)は、平均電圧のDC情報を好適に活用するために、AC結合の等化回路103の代わりに、等化回路103と同じ低域利得を持つDC結合のローパス・フィルタ104に通すように構成されている(勿論、図1並びに図14に示した通信システムにおいても、等化回路103を通過したときに相当するDC情報を活用するために、DC情報をDC結合のローパス・フィルタ104に通す同様の構成となっている)。
次に、DCオフセットの除去に関して説明する。
本来は無い筈のDCオフセットが信号に混入すると、差動クロスポイントのタイミングをずらすことになるので、信号ジッタが増大し、最悪な場合にはビット・エラーを起こすことも有り得る。例えば、デューティ・サイクルが50%でないNRZ信号をAC結合回路(ここでは等化回路103)に通した際、DCオフセット電圧(Vos)が発生し、アイパターン(Eye pattern)におけるジッタ特性が悪化する。データ信号に含まれるDCオフセットを除去して直流再生する方法として、量子化帰還(Quantized feedback:QFB)による補償が一般的である。図16に示した通信システムでは、受信機(RX)側では、等化回路103の後段に量子化帰還回路108が配設されている。
図17には、量子化帰還回路108の構成例を示している。図示の量子化帰還回路は、DCオフセット電圧VOSを含んだ入力信号と当該量子化帰還部におけるフィードバック電圧VFBからなる出力信号を加算する加算器と、前記加算器の出力に基づいてDCオフセットを相殺する振幅からなる量子化帰還出力信号を生成する比較器と、該量子化帰還出力信号を積分してDCオフセット電圧VOSと相殺するフィードバック電圧VFBを生成して加算器に入力する積分器を備えている。但し、同図では、説明の便宜上、差動信号ではなくシングルエンドのAC結合で生じるDCバイアスと信号の中央値の差をVOSとしているが、差動信号においてはこれが差信号のオフセットになる。
ここでは、図18Aに示す波形(1)のようなハイ・レベル値とロー・レベル値の出現比率が1:N(デューティ比=1/(N+1)×100%)で、電圧振幅がV1となるデータ信号を入力すると仮定する。キャパシタ通過によるAC結合によって、入力波形(1)には図18Bに示す波形(2)のようなDCオフセット(VOS)が発生してしまう。
DCオフセット電圧(VOS)が発生した入力信号は、加算器を介して比較器の正側端子に供給される。この比較器の負側端子は接地されており、比較器では正側端子に供給される信号が1と−1の2値に識別される。そして、その識別結果を基に、図18Cに示すような、DCオフセット(VOS)と相殺するための量子化帰還出力振幅V2の信号(3)が作り出される。
この信号(3)を積分回路によって時間軸上で積分することによって、図18Dに示すような、DCオフセット電圧(VOS)と相殺するフィットバック電圧(4)(=VFB)に変換される。そして、加算器では、AC結合によりDCオフセットが発生した入力信号(2)と、このフィードバック信号(4)が加算される際に、VOSとVFBが相殺される。これによって、図18Eに示すような、DCオフセットが除去された信号(5)が得られる。
ここで、DCオフセット電圧VOS、並びにフィードバック電圧VFBはそれぞれ下式のように表される。
VOS=0.5×V1×(N−1)/(N+1)
VFB=−0.5×V2×(N−1)/(N+1)
VFB=−0.5×V2×(N−1)/(N+1)
量子化帰還回路108においてDCオフセットが完全に除去される動作条件は、VOS(DCオフセット電圧)+VFB(フィードバック電圧)=0である。かかる動作条件が成り立つためには、DCオフセットを持った入力信号の信号振幅V1に量子化帰還回路の出力振幅V2が一致することが必要である。
本発明では、この動作条件に基づいて、入力信号振幅V1に追随した量子化帰還出力振幅V2を正確に作り出すことによって、DCオフセットを除去し、出力信号のジッタ特性を改善するようにしている。
図19には、バイポーラ型トランジスタを用いて構成される量子化帰還回路108の回路構成例を示している。同図中、比較器では、ピークホールド回路106Bで得られた差動信号の振幅量を、例えばカレント・ミラーなどを用いて量子化帰還回路108の出力振幅として再生させる。
ピークホールド回路106Bにおいて差動信号から振幅情報を抽出すると、この振幅情報に基づいてデータ・チャネルでの入力信号振幅を推定することができる。そして、量子化帰還回路108では量子化帰還出力振幅を入力信号振幅に追随させて、量子化帰還回路の動作条件を成立させる。これによって、差動伝送路101に含まれる各データ・チャネルにおいて、信号に含まれるDCオフセット成分を正確に取り除いて、最適な受信波形に変換することによって、出力のジッタ特性を改善することができる。
図19に示した回路構成例では、量子化帰還回路108内の比較器は、差動信号振幅に応じた電流制御によって量子化帰還の出力振幅V2を可変している。ここでの電流制御は、ピークホールド回路106Bにおいて制御電圧出力と別に電流制御端子を設けることで実現される。図20には、ピークホールド回路106Bの主に電流制御端子周辺の回路構成例を示している。図示のピークホールド回路106Bは、振幅情報抽出回路と電圧電流変換回路で構成され、振幅情報抽出回路は差動入力電圧信号SIN及びSIPから信号振幅の情報を抽出し、電圧電流変換回路は振幅情報抽出回路から供給される信号振幅の情報を基準電流信号(2×I0)に変換する。なお、振幅情報抽出回路の構成や動作については、例えば本出願に既に譲渡されている特開2007−81808号公報(段落0082〜0084、図10)にも記載されている。
なお、図14には、図1に示した通信システムの受信機(RX)側において、等化回路103の出力側に出力バッファ・アンプ107を配設した変形例について記載し、伝送線路101で被る抵抗損失を伝送損失とともに補償できることを説明した。図19に示した通信システムにおいても同様に、受信機(RX)側で等化回路103の出力側に出力バッファ・アンプ107を配設した変形例が考えられる。図21には、図16に示した通信システムにおいて受信機(RX)側で等化回路103の出力側に出力バッファ・アンプ107を配設した変形例を示している。
出力バッファ・アンプ107は電流モード・ロジック(CML)で構成されており、エミッタ電流がそのまま出力振幅に比例する。このエミッタ電流を可変にしておき、その電流制御は比較回路105が行なう。比較回路105の電圧出力結果VLは、伝送線路101の減衰歪と相関付けされており(前述)、この制御電圧出力と別に電流制御端子を設けることができる。比較回路105に配設される電流制御端子の構成は図15と同様であり、制御電流をIからI(1+α)まで増大することによって(但し、αは正の数)、受信振幅の低下を補償することができる。
比較回路105から供給される制御電流によって、出力バッファ・アンプ107の出力振幅がαと比例に制御される。例えば、対象となる伝送線路101の最大抵抗損失と最小抵抗損失の差が−3dBとすると、出力電圧換算では、約Vo〜1.4×Voになる。そこで、電流制御端子において、α=0.4と設定して電流を流せば、可変制御電流回路には、(VL1−VL2)に比例したI〜1.4×IのDC電流が流れる。これによって、出力バッファ・アンプ107の出力負荷では、Vo〜1.4×Voの出力振幅が得られることになるので、伝送線路101で被る3dBの抵抗損失を伝送損失とともに補償することができる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、HDMIインターフェースに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。高速のデジタル・データをTMDSやLVDSといった差動伝送線路を通して長距離伝送するその他の場合や、シリアル通信のさまざまな受信系においてケーブル等化を行なう際に、同様に本発明を適用することができる。
本発明に係る波形等化技術は、より多くのチャネル数やポート数を搭載した大規模のチップに適用することができ、また、入力振幅可変の伝送系にも対応することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
100…送信機側ドライバ
101…伝送線路
102…入力終端回路
103…等化回路
104…ローパス・フィルタ
105…比較回路
106A、106B…ピークホールド回路
107…出力バッファ・アンプ
108…量子化帰還回路
101…伝送線路
102…入力終端回路
103…等化回路
104…ローパス・フィルタ
105…比較回路
106A、106B…ピークホールド回路
107…出力バッファ・アンプ
108…量子化帰還回路
Claims (9)
- 送信機側から送出される1チャネル以上の差動信号を差動伝送路経由で受信するデータ受信装置であって、
前記差動伝送線路から差動信号を受信するとともに、前記送信機側から送信された差動信号の振幅に相当する電圧差からなるDC成分を抽出する入力終端回路と、
受信した差動信号が前記差動伝送路上で被った減衰歪を利得補償により整形する等化回路と、
前記等化回路と同じ低域利得を持つローパス・フィルタを通じて前記入力終端回路で抽出された差動信号のDC成分を入力して、前記送信機から送信された差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる基準電圧を出力する基準電圧抽出手段と、
前記等化回路の出力振幅に相当する電圧値を、前記基準電圧抽出手段から出力される基準電圧と比較することによって前記等化回路における等化の度合いを判別し、該等化の度合いから差動信号が前記差動伝送路で受けた減衰歪の度合いを判定する比較回路と、
を備え、
前記比較回路で判別された等化の度合いに基づいて判定された減衰歪の度合いに相当する差動制御電圧を前記等化回路へ負帰還し、前記等化回路は減衰歪と同量の利得を補償して当該負帰還ループの出力から整形された波形が出力する、
ことを特徴とするデータ受信装置。 - 前記送信機から前記伝送線路への出力終端及び前記伝送線路から前記受信機への入力終端はともに同じ抵抗値からなるプルアップ抵抗で終端され、前記入力終端回路は電流モード・ロジックで構成され、
前記入力終端回路は、前記伝送線路を介して受信した差動信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧を出力し、
前記基準電圧抽出手段は、電源電圧及び受信した差動信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧に基づいて、前記送信機から送信された差動信号の振幅を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。 - 前記比較回路において判別された等化の度合いから判定された減衰歪に基づいて、受信信号の伝送損失とともに抵抗損失を補償する補償回路をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。 - 前記補償回路は、電流モード・ロジックにより構成される出力バッファ・アンプであり、
前記比較回路は、前記差動制御電圧に応じた電流制御を行なう電流制御端子を備え、前記電流制御端子の出力電流によって前記出力バッファ・アンプの出力振幅を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ受信装置。 - 前記等化回路の後段に配設され、前記基準電圧抽出手段から供給される差動信号の振幅に量子化帰還出力振幅を追従させて、波形整形された後の差動信号からDCオフセット成分を除去する量子化帰還回路をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ受信装置。 - 前記量子化帰還回路は、DCオフセット電圧VOSを含んだ入力信号と当該量子化帰還回路におけるフィードバック電圧VFBからなる出力信号を加算する加算器と、前記加算器の出力に基づいてDCオフセットを相殺する振幅からなる量子化帰還出力信号を生成する比較器と、該量子化帰還出力信号を積分してDCオフセット電圧VOSと相殺するフィードバック電圧VFBを生成して前記加算器に入力する積分器を備え、前記基準電圧抽出手段から供給される入力信号振幅に量子化帰還出力振幅を追随させながら、該入力信号の信号振幅に前記量子化帰還回路の出力振幅が一致することを動作条件とする量子化帰還の動作原理に基づいて入力信号に含まれるDCオフセット成分を除去する、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ受信装置。 - 送信機側から送出される1チャネル以上の差動信号を差動伝送路経由で受信するデータ受信装置であって、
前記差動伝送線路から差動信号を受信するとともに、前記送信機側から送信された差動信号の振幅に相当する電圧差からなるDC成分を抽出する入力終端回路と、
前記入力終端回路で抽出された差動信号のDC成分を入力して、前記送信機から送信された差動信号の振幅のN倍の差動電圧値からなる振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、
前記振幅情報抽出手段から供給される差動信号の振幅に量子化帰還出力振幅を追従させて、波形整形された後の差動信号からDCオフセット成分を除去する量子化帰還回路と、
を具備することを特徴とするデータ受信装置。 - 前記送信機から前記伝送線路への出力終端及び前記伝送線路から前記受信機への入力終端はともに同じ抵抗値からなるプルアップ抵抗で終端され、前記入力終端回路は電流モード・ロジックで構成され、
前記入力終端回路は、前記伝送線路を介して受信した差動信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧を出力し、
前記振幅情報抽出手段は、電源電圧及び受信した差動信号のハイ/ロー・レベルの平均電圧に基づいて、前記送信機から送信された差動信号の振幅を求める、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ受信装置。 - 前記量子化帰還回路は、DCオフセット電圧VOSを含んだ入力信号と当該量子化帰還回路におけるフィードバック電圧VFBからなる出力信号を加算する加算器と、前記加算器の出力に基づいてDCオフセットを相殺する振幅からなる量子化帰還出力信号を生成する比較器と、該量子化帰還出力信号を積分してDCオフセット電圧VOSと相殺するフィードバック電圧VFBを生成して前記加算器に入力する積分器を備え、前記振幅情報抽出手段から供給される入力信号振幅に量子化帰還出力振幅を追随させながら、該入力信号の信号振幅に前記量子化帰還回路の出力振幅が一致することを動作条件とする量子化帰還の動作原理に基づいて入力信号に含まれるDCオフセット成分を除去する、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ受信装置。
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